〔第1実施形態〕
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が開閉可能に取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23、打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2及び3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。図3は、図2の部分拡大図である。なお、図3は、図2に示した遊技盤30のうち取付ベース部材40f(後述)を取り外した状態を示す図となっており、後述する後方ロゴ部材412を直接視認することができる状態を示している。通常は取付ベース部材40fの透過部40f1を介して後方ロゴ部材412を視認することができるようになっている。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えた包囲枠体(前面構成体)40が配置されている。表示装置41は、包囲枠体40に設けられた凹部に、当該包囲枠体40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、包囲枠体40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示領域においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示領域には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、包囲枠体40の左側下部には、包囲枠体40の外側から内側に遊技球を移動させることが可能なワープ入口42が設けられている。また、包囲枠体40の下部には、ワープ入口42から包囲枠体40の内側に移動した遊技球を転動させることが可能なステージ部43が設けられている。
遊技領域32における包囲枠体40の左下側には三つの一般入賞口35が配置され、包囲枠体40の右下側には一つの一般入賞口35が配置されている。各一般入賞口35に入賞した遊技球は入賞口スイッチ35a(図4参照)により検出される。また、包囲枠体40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられ、その右方には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、突部30bが設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
包囲枠体40の右側部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、下端部が前後方向に沿った軸により回動可能に軸支された可動部材38cを有している。この可動部材38cは、駆動装置としての第1大入賞口ソレノイド38cによって、略垂直となって包囲枠体40の右側方に開口する第1大入賞口38を塞いで入賞を不能とする閉状態と、遊技領域32側へ傾倒して第1大入賞口38を開放し入賞を可能とする開状態とに変換可能となっている。可動部材38cは常時は閉状態となっているが、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって第1大入賞口38を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。なお、第1大入賞口38の内部(入賞領域)には、第1大入賞口38に入った遊技球を検出する検出手段としての第1カウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。
また、包囲枠体40の中央上部には、第1特別変動入賞装置38と同様に特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)39が配設されている。
第2特別変動入賞装置39は、下端部が前後方向に沿った軸により回動可能に軸支された可動部材39cを有している。この可動部材39cは、駆動装置としての第2大入賞口ソレノイド39bによって、略垂直となって包囲枠体40の右側方に開口する第2大入賞口39を塞いで入賞を不能とする閉状態と、遊技領域32側へ傾倒して第2大入賞口39を開放し入賞を可能とする開状態とに変換可能となっている。可動部材39cは常時は閉状態となっているが、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって第2大入賞口39を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。なお、第2大入賞口39の内部(入賞領域)には、第2大入賞口39に入った遊技球を検出する検出手段としての第2カウントスイッチ39a(図4参照)が配設されている。特別遊技状態や小当り遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様により決定される。
遊技領域32の右上部には、遊技領域右上流路部材47が設けられている。遊技領域右上流路部材47は、後述する右上棚部40a1aに遊技球を誘導するための部材である。遊技領域右上流路部材47の右方には、緩衝部材30cが設けられている。緩衝部材30cは、例えば、合成ゴムからなるものであり、遊技球が衝突した場合に衝撃を緩和するとともに、遊技球を適度に跳ね返す弾性と反発性を備えるものである。この緩衝部材30cに衝突した遊技球は、その下方に設けられた右上棚部40a1aに落下することとなる。
遊技領域右上流路部材47の右下方には、遊技球を転動させることが可能な右上棚部40a1aが設けられている。右上棚部40a1aの上面は、左方に位置する第2特別変動入賞装置39に向かって下る傾斜面となっている。これにより、右上棚部40a1aから転げ落ちた遊技球を第2特別変動入賞装置39に入賞可能となっている。
右上棚部40a1aの下方には、遊技球を転動させることが可能な右下棚部40g1が設けられている。右下棚部40g1の上面は、右方に向かって下る傾斜面となっている。これにより、第2特別変動入賞装置39に入賞しなかった遊技球を、普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37が配設された遊技領域32の右側領域に誘導することが可能となっている。
始動入賞口36の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部(第3遊技状態表示器)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば、「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
確率状態表示部59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図4参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果には、はずれ、通常当り、特定当りの三種類があり、普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値により結果を決定する。結果が通常当り又は特定当りであれば、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。なお、通常当りよりも特定当りの方が普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開状態となる時間が長く、遊技者にとって有利となっている。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が小当り結果態様(特別結果)となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図4は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチに接続されたインタフェースチップ(I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111C、個別ICレジスタ111Dを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態や小当り遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、スペシャル4リーチ(SP4リーチ、プレミアリーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。また、遊技用マイコン111は、電源投入時や、大当り時などのイベント発生時、磁石や電波等による不正の検出時に個別IDレジスタ111Dに記憶されたIDを、情報伝達部71から出力する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットと電気的に接続されていることを条件に発射装置を制御する発射制御装置201に遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力する。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aが近接I/F121を介して接続される。近接I/F121は、接続されるスイッチが近接スイッチである場合に、スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップである。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39b、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。情報伝達部(外部情報端子板)71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38b、大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けて各ソレノイドのソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置1000へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置1000との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ(音声出力部)19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド、エラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(包囲枠体40を含む)に設けられているLEDを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332が設けられている。また、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(包囲枠体40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置45(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出役物スイッチ44aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの結果を判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が通常当り又は特定当りの場合は、普図表示器に結果に応じた特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38c又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の可動部材39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1回のラウンド遊技とし、このラウンド遊技を所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて特別結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
遊技状態が時短状態でない場合は、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)が通常確率(普図低確率状態)とされる。さらに、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)が第1変動表示時間(例えば、10000ミリ秒)とされ、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間が第1停止時間(例えば、1604ミリ秒)とされる。また、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合の開放時間(普電開放時間)は、第1開放時間とされる。また、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数とする。ここで、通常当りの場合と特定当りの場合は、普電開放時間と普電開放回数の一方又は両方が異なり、通常当りよりも特定当りの方が普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開状態となる時間が長く、遊技者にとって有利となっている。
そして、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とする。さらに、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能であり(例えば、600ミリ秒)、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、704ミリ秒)。
また、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合の開放時間(普電開放時間)を第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能であり、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数よりも多い第2開放回数に設定することが可能である。なお、時短状態においても通常当りよりも特定当りの方が普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開状態となる時間を長くし、遊技者にとって有利なものとする。
すなわち時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで、単位時間当たりに普通変動入賞装置37が開状態となる時間を時短状態でない場合よりも延長するようにする。なお、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。また、以下の説明や図中では、高確率状態や時短状態を特定遊技状態と称することがあり、時短状態を普電サポート状態又は電サポ状態と称することがある。
図6は、遊技盤30の分解斜視図である。
遊技盤30は、遊技盤本体30dと、上述した包囲枠体40と、遊技盤本体30dの裏面に配設される遊技盤裏面構成装置500と、を備えるようにして構成されている。
図7は、包囲枠体40の正面図である。なお、図2で説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
包囲枠体40の左上部には、遊技機10のタイトルの一部を表した前方ロゴ部材411が配設されるとともに、包囲枠体40の右上部には、当該タイトルの続きを表した後方ロゴ部材412が配設されている。前方ロゴ部材411は、後述する取付ベース部材40fの前面に配設されるようになっている。一方、後方ロゴ部材412は、取付ベース部材40fの裏面に配設されるようになっている。なお、取付ベース部材40fは、光を透過するクリア部材で形成されている。このため、後方ロゴ部材412は、取付ベース部材40fを介して視認可能となっている。
また、包囲枠体40の左上部には、前方ロゴ部材411に遊技球が衝突することを防止するための左上鎧部材40bが設けられている。また、左上鎧部材40bの上方には、複数(例えば、3つ)の突出部40c1,…を有する左上突出部材40cが設けられている。左上突出部材40cは、左上鎧部材40bへ接近しようとする遊技球を妨げるための部材である。
包囲枠体40の右上部であって、取付ベース部材40fの前面には、上述した右上棚部40a1aを有する右上棚部材40aが配設されている。
包囲枠体40の下部であって、ステージ部43の奥側には、ステージ部区切り壁43aが配設されている。ステージ部区切り壁43aは、ステージ部43よりも奥側に遊技球が進入することを防止するための部材である。ステージ部区切り壁43aの中央には、ステージ連通路入口43b1が配設されている。ステージ連通路入口43b1に流入した遊技球は、包囲枠体40裏面側のステージ連通路43bを通過し、ステージ連通路出口43b2から遊技領域32へ排出されるようになっている。ステージ連通路出口43b2は、始動入賞口36の真上に位置するように配設されている。これにより、ステージ連通路出口43b2から排出された遊技球は、始動入賞口36へ入賞し易くなる。
図8は、包囲枠体40の裏面図である。
包囲枠体40の裏面の左側部には、第1特別変動入賞装置38の可動部材38cを開閉動作させるための第1大入賞口ソレノイド38bと、磁気センサスイッチ61と、が配設されている。また、第1大入賞口ソレノイド38bの下方には、第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球を排出するための第1大入賞口排出口48aが配設されている。
また、包囲枠体40の裏面に上部には、第2特別変動入賞装置39の可動部材39cを開閉動作させるための第2大入賞口ソレノイド38bが配設されている。
また、包囲枠体40の裏面の右側部には、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球を排出するための第2大入賞口排出口48bが配設されている。
また、包囲枠体40の裏面の下部には、ステージ連通路43bが配設されている。
図9は、包囲枠体40の分解斜視図である。
図9には、包囲枠体40を構成する各種部材のうち、右上棚部材40a、後方ロゴ部材412、及び後方照明装置49を分解した状態が示されている。
図10は、後方照明装置49の正面図である。
後方照明装置49は、前方照明基板49aと、後方照明基板49bと、左上照明基板49cと、これら照明基板を取り付けるための照明基板取付部材49dと、を備えている。
前方照明基板49aは、前方ロゴ部材411を間接的に発光させるためのものである。このため、前方照明基板49aは、前方ロゴ部材411の真裏に位置するように照明基板取付部材49dに配設されている。また、前方照明基板49aには、複数のチップ型LED49a1,…が配設されている。
後方照明基板49bは、中央ロゴ部材413及び後方ロゴ部材412を間接的に発光させるためのものである。後方照明基板49bには、複数のチップ型LED49b1,…と、複数の砲弾型LED49b2,…と、が配設されている。後方照明基板49bは、複数のチップ型LED49b1,…が後方ロゴ部材412の真裏に位置するように配設され、複数の砲弾型LED49b2,…が中央ロゴ部材413の真裏に位置するように照明基板取付部材49dに配設されている。また、後方照明基板49bは、前方照明基板49aよりも奥まった位置に配設されるようになっている。
中央ロゴ部材413を間接的に発光させるLEDとして、砲弾型LED49b2を用いたのは、後方ロゴ部材412と後方照明基板49bとの間隔よりも、中央ロゴ部材413と後方照明基板49bとの間隔の方が大きく(図11参照)、中央ロゴ部材413に対して後方から十分な光を照射するためには、チップ型LED49b1に比べて前方に強い指向性が必要となるためである。
左上照明基板49cは、左上突出部材40cとその周囲を間接的に発光させるためのものである。このため、左上照明基板49cは、左上突出部材40cの真裏に位置するように照明基板取付部材49dに配設されている。また、左上照明基板49cには、複数のチップ型LED49c1,…が配設されている。また、左上照明基板49cは、後方照明基板49bよりも奥まった位置に配設されるようになっている。
図11は、図7の切断線A−Aに沿った面の矢視断面図である。
図11に示すように、前方ロゴ部材411の裏面側に前方照明基板49aが配設されるようになっている。また、後方ロゴ部材412は、前方ロゴ部材411の後方であって、取付ベース部材40fの裏面側に配設されるようになっている。また、後方ロゴ部材412の裏面側に後方照明基板49bが配設されるようになっている。
図12は、右上棚部材40aの分解斜視図である。
右上棚部材40aは、右上棚本体部材40a1と、右上棚ゴム40a2と、を備えるようにして構成されている。
右上棚本体部材40a1は、光を透過するクリア部材で形成されている。また、右上棚本体部材40a1は、遊技球を転動させることが可能な転動面を有する右上棚部40a1aと、右上棚本体部材40a1の前面を装飾する右上棚部材装飾部40a1bと、を備えている。右上棚部40a1aは、その右端部に右上棚ゴム40a2を取り付けるための切欠部40a1cを有している。
右上棚ゴム40a2の側面には2つの係合穴40a2a,40a2aが穿設けられている。また、右上棚ゴム40a2の上面は、緩衝部材30cに衝突した遊技球が跳ね返る方向に下り傾斜するように形成されている。
図13は、右上棚本体部材40a1の裏面図である。
右上棚本体部材40a1は、その裏面に2つの係合凸部40a1d,40a1dと、2つの右上棚本体部材取付部40a1e,40a1eと、を備えている。
係合凸部40a1d,40a1dは、右上棚ゴム40a2の係合穴40a2a,40a2aにそれぞれ係合させ、右上棚本体部材40a1に右上棚ゴム40a2を取り付けるためのものである。
右上棚本体部材取付部40a1e,40a1eは、右上棚本体部材40a1を取付ベース部材40fにネジ止めするためのものである。
図14は、図7の切断線B−Bに沿った面の矢視断面図である。
図14に示すように、取付ベース部材40fに右上棚本体部材40a1が取り付けられたとき、右上棚部材装飾部40a1bの裏面と取付ベース部材40fの前面との間隔が遊技球の直径よりも狭くなるように、右上棚部材装飾部40a1bが配設されている。これにより、右上棚部材装飾部40a1bと取付ベース部材40fとの間に遊技球が入り込むことを防止している。
図15は、第2特別変動入賞装置39とその右方の遊技領域32を示した概略図である。図15には、可動部材39cが遊技領域32側へ傾倒して第2特別変動入賞装置39が開状態になった様子が示されている。
図15に示すように、中央ロゴ部材413(図中のA点)とその右方に配設された遊技領域右上流路部材47(図中のB点)との間には少なくとも1個の遊技球が通過可能な間隔が設けられている。なお、第2特別変動入賞装置39が開状態となったときの可動部材39cの自由端側端部と上述した中央ロゴ部材413のA点を結ぶ長さを第2特別変動入賞装置39の口(第2大入賞口)の寸法とする。
図16(a)は、一般的な遊技機に設けられる緩衝部材30c(右打ちゴム)を説明するための図である。
図16(a)に示すように、緩衝部材30cは、緩衝部材取付部材30eに取り付けられた状態で外ガイドレール(遊技領域区画壁)31の上部右側に緩衝部材30cが外ガイドレール31から遊技領域32側に突出した状態で設けられている。緩衝部材取付部材30eは、遊技盤30から着脱可能となっている。
図16(b)は、本実施形態の遊技機10の変形例を示す図である。
本実施形態の遊技機10は、緩衝部材30cの近傍に上述した右上棚ゴム40a2が配設されているため、図16(b)に示すように、緩衝部材取付部材30eを右上棚部40a1aの一部として構成するとともに、この緩衝部材取付部材30eに右上棚ゴム40a2を取り付けるようにしても良い。これにより、緩衝部材30cや右上棚ゴム40a2の交換作業を効率良く行うことができるようになる。
図17は、本実施形態の遊技機10のその他の変形例を示す図である。
本実施形態の遊技機10では、第2特別変動入賞装置39の可動部材39cの周囲に、遊技球が衝突したときの衝撃をやわらげるゴム部材を取り付けるようにしても良い。具体的には、図17(a)に示すように、可動部材39cの左側部に第1ゴム部材39c1を、右上側部に第2ゴム部材39c2を、そして、右下側部に第3ゴム部材39c3を取り付けるようにする。これにより、例えば、可動部材39cが開状態のとき(図17(b)参照)は、右上棚部40a1aから流下してくる遊技球が可動部材39cの左側部に衝突した際の衝撃を第1ゴム部材39c1によってやわらげることができるようになる。なお、右下棚部40g1の左端にも右下棚部ゴム部材40g3を取り付けるようにしても良い。右下棚部ゴム部材40g3を設けることにより、可動部材39cが閉状態のとき、右上棚部40a1aから流下してくる遊技球が右下棚部40g1に衝突した際の衝撃をやわらげることができるようになる。
図18は、本実施形態の遊技機10のその他の変形例を示す図である。
図18(a)に示すように、本実施形態の遊技機10では、右上棚本体部材40a1の右上棚部40a1aを、第1右上棚部40a1a1及び第2右上棚部40a1a2というように飛び飛びに分けて配設するようにしても良い。第1右上棚部40a1a1及び第2右上棚部40a1a2はそれぞれの間を遊技球が流下可能な間隔で配設するようにする。
これにより、いわゆる右打ちを行った場合、図18(b)に示すように、第1右上棚部40a1a1に流下した遊技球を、第2右上棚部40a1a2へ流下可能とする一方で、第1右上棚部40a1a1と第2右上棚部40a1a2との間に流下するようにすることもできる。つまり、いわゆる右打ちを行った遊技球が全て第2特別変動入賞装置39の方に寄り過ぎてしまうことを抑制することができる。
図19は、遊技盤30の左上部の部分拡大図である。
図19に示すように、包囲枠体40の左上部には、遊技機10のタイトルの一部を表した前方ロゴ部材411が配設されている。また、前方ロゴ部材411の後方には、左上鎧部材40bが配設されている。左上鎧部材40bはその外周(下側を除く)に沿って起立壁40b1を形成しており、この起立壁40b1によって、前方ロゴ部材411に遊技球が衝突することを防止している。また、左上鎧部材40bの上方には、複数(例えば、3つ)の突出部40c1,…を有する左上突出部材40cが設けられている。また、左上鎧部材40bの起立壁40b1と左上突出部材40cとにより囲まれる領域(取付ベース部材40fの一部分)には、当該一部分の裏面側にメッキ加工された左上裏飾り部材40dが配設されている。つまり、取付ベース部材40fの当該一部分を介して、前方から左上裏飾り部材40dを視認可能となっている。また、左上鎧部材40bの左方にはメッキ加工された左ベース部材40eが配設されている。
図20は、包囲枠体40の左上部に配設される各種部材の分解斜視図である。
図20に示すように、取付ベース部材40fの前面側には、左上鎧部材40b、前方ロゴ部材411、左上突出部材40c、及び、左ベース部材40eが配設されるようになっている。前方ロゴ部材411は、その側面が左上鎧部材40bの起立壁40b1で覆われるように、左上鎧部材40bの前面側に配設されるようになっている。
また、取付ベース部材40fの裏面側には、前方から視認可能となるように左上裏飾り部材40dが配設されるようになっている。
なお、取付ベース部材40fの右側には、上述した右下棚部40g1を構成するとともに包囲枠体40の右側方から遊技球が進入することを防ぐ右側起立壁40g2を構成する右下鎧部材40gが配設されている。
図21は、図19の切断線C−Cに沿った面の矢視断面図である。
図21に示すように、左上突出部材40cは、裏面側に設けられた左上突出部材取付ボス40c2に左上突出部材取付ビス40c3を螺合することにより、取付ベース部材40fに着脱可能に取り付けられている。
図22は、図19の切断線D−Dに沿った面の矢視断面図である。
図22に示すように、左上突出部材40cと左上鎧部材40bの起立壁40b1との間には遊技球が流下可能な球流下空間Rが形成されている。また、球流下空間Rの後方には取付ベース部材40fが配設され、その後方には左上裏飾り部材40dが配設されている。取付ベース部材40fは、光を透過可能な透過部材で構成されているため、球流下空間Rを介して左上裏飾り部材40dを視認可能となっている。
なお、左上突出部材40cは、包囲枠体40の構成要素として設ける場合に限らない。例えば、図23に示すように、包囲枠体40の左上方の遊技領域32に、包囲枠体40とは別個に配設するようにしても良い。
図24は、左上鎧部材40bの斜視図である。
図24に示すように、左上鎧部材40bは、その外周(下側を除く)に沿って起立壁40b1を形成しており、この起立壁40b1によって、前方ロゴ部材411に遊技球が衝突することを防止している。
また、起立壁40b1のうち前方ロゴ部材411の上方及び左方を覆う部分、及び、上述した右下鎧部材40g(図25の斜線部分参照)は、起立壁40b1、右下棚部40g1、及び右側起立壁40g2の端部がそれぞれ凸凹状に形成されている。これにより、後方に配設された前方照明基板49a又は後方照明基板49bから照射される光を効率良く拡散することができ、包囲枠体40の装飾性を高めることができる。
図26は、遊技盤裏面構成装置500の正面図である。
図26に示すように、遊技盤裏面構成装置500は、前面が開口した箱形状の装飾可動装置収納部材510に、上装飾可動装置512、下装飾可動装置514、左装飾可動装置520、右装飾可動装置560を収納するようにして構成されている。
また、遊技盤裏面構成装置500は、下装飾可動装置514の手前側に下球流路装置600を備えるとともに、左装飾可動装置520の左斜め前方に第2大入賞口中流下路部材620を備えている。第2大入賞口中流下路部材620は、第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)39に入賞した遊技球を下球流路装置600に排出するための部材である。従って、第2大入賞口中流下路部材620により形成される流路621が下球流路装置600の第2大入賞口下流下路614に繋がるように、第2大入賞口中流下路部材620及び下球流路装置600が配設される。
また、遊技盤裏面構成装置500は、所定の位置にそれぞれ磁気センサスイッチ61を備えている。図26に示すように、例えば、遊技盤裏面構成装置500の上部に配設された磁気センサスイッチ61は、第2特別変動入賞装置39に対する不正入賞を検出するためのものである。また、遊技盤裏面構成装置500の左側(第2大入賞口中流下路部材620の左方)に配設された磁気センサスイッチ61は、ワープ入り口42に対する不正流入を検出するためのものである。
また、遊技盤裏面構成装置500は、装飾可動装置収納部材510の裏側に表示装置41を備えている。装飾可動装置収納部材510の略中央部には、略矩形状の開口511が設けられており、当該開口511を介して表示装置41の表示画面を前方から視認可能となっている。
次に、下球流路装置600について、図27及び図28を用いて説明する。図27(a)は下球流路装置600の斜視図である。図27(b)は下球流路装置600の正面図である。図28は図27(b)の切断線E−Eに沿った面の矢視断面図である
図27(a),(b)に示すように、下球流路装置600は、光を透過するクリア部材である制御ベース部材610の前面側に、第1始動口流下路611、第2始動口流下路612、第1大入賞口流下路613、第2大入賞口下流下路614、左側一般入賞口流下路615、及び右側一般入賞口流下路616を形成するように区画壁を備えるようにして構成されている。
また、下球流路装置600は、制御ベース部材610の裏面側に、遊技制御装置100の片側を係止するための遊技制御装置係止部617と、遊技制御装置100の他端側をネジ止めするための遊技制御装置取付部618と、を備えるようにして構成されている。また、下球流路装置600は、制御ベース部材610の裏面側中央に、下装飾可動装置514の下装飾可動役物514aを収納するための下役物収納空間部619を形成するようにして構成されている。
また、下球流路装置600は、制御ベース部材610の第1始動口流下路611下方に、通光開口部610a,610aを形成するようにして構成されている。また、図28に示すように、下球流路装置600は、制御ベース部材610の裏面側に、複数(例えば、2つ)のLED605a,605aを実装したLED基板605を備えるようにして構成されている。LED基板605は、LED605a,605aが制御ベース部材610の通光開口部610a,610aに臨むように配設されている。このLED基板605は、始動入賞口36の下方領域30f(図2参照)を間接的に装飾発光させるためのものである。また、通光開口部610aを設けることによって、下方領域30fを間接的に装飾発光する際の光量が低下してしまうことを抑制している。
図29は、遊技盤裏面構成装置500(下球流路装置600を除く)の分解斜視図である。
上述したように、遊技盤裏面構成装置500は、前面が開口した箱形状の装飾可動装置収納部材510に、上装飾可動装置512、下装飾可動装置514、左装飾可動装置520、右装飾可動装置560を収納するようにして構成されている。また、遊技盤裏面構成装置500は、左装飾可動装置520の左斜め前方に第2大入賞口中流下路部材620を備えている。また、遊技盤裏面構成装置500は、装飾可動装置収納部材510の裏側に表示装置41を備えている。装飾可動装置収納部材510の略中央部には、略矩形状の開口511が設けられており、当該開口511を介して表示装置41の表示画面を前方から視認可能となっている。
次に、右装飾可動装置560について、図30を用いて説明する。
図30は、右装飾可動装置560の斜視図である。
図30に示すように、右装飾可動装置560は、右装飾可動役物562と、右装飾可動役物562を駆動する動力源となる右装飾可動装置モータ564と、右装飾可動装置モータ564からの動力を右装飾可動役物562に伝達するための右装飾可動装置動力伝達機構570と、これら右装飾可動役物562、右装飾可動装置モータ564、及び右装飾可動装置動力伝達機構570を配設するための右装飾可動装置ベース部材580と、右装飾可動装置カバー部材590と、を備えている。
右装飾可動役物562は、アーム形状の右装飾可動役物揺動部材562aと、円形状の右装飾可動役物回転部材562bと、を備えている。
右装飾可動役物揺動部材562aは、右装飾可動装置モータ564を動力源として、右装飾可動役物562を揺動可能とするものである。右装飾可動役物揺動部材562aは、揺動ベース部材562a1と、揺動ベース部材562a1の前面を覆う揺動カバー部材562a2と、揺動ベース部材562a1のアーム部分前面を装飾する右装飾可動役物装飾部材562a3と、を備えている。また、右装飾可動役物揺動部材562aは、右装飾可動役物回転部材562bを回転動作させるための回転動力伝達機構563を揺動ベース部材562a1に配設して構成されている(後述)。
右装飾可動役物回転部材562bは、環状の枠部材562b1と、枠部材562b1の枠内に嵌め込まれるレンズ部材562b2と、を備えている。右装飾可動役物回転部材562bは、右装飾可動役物揺動部材562aの自由端部に配設されるようになっている。右装飾可動役物揺動部材562aの自由端部は、枠部材562b1と同様に環状をなしているため、右装飾可動役物揺動部材562aに右装飾可動役物回転部材562bが配設された状態であっても、枠部材562b1に嵌め込まれたレンズ部材562b2を介して、後方を視認可能となっている。なお、枠部材562b1は、後述する回転動力伝達機構563を構成する回転部材連動ギヤ563dに固定されるようになっている。
次に、右装飾可動装置動力伝達機構570について、図31〜図33を用いて説明する。
図31は、右装飾可動役物562及び右装飾可動装置カバー部材590を取り外した状態の右装飾可動装置560の正面図である。
図31に示すように、右装飾可動装置動力伝達機構570は、右装飾可動装置モータ564のモータ軸564aに固定される共通ギヤ571と、共通ギヤ571と歯合する連動ギヤ572及び右装飾部材回動ギヤ573と、連動ギヤ572と歯合する第1連結ギヤ574と、第1連結ギヤ574と同心軸上にある第2連結ギヤ575と、第2連結ギヤ575と歯合する右装飾部材揺動ギヤ576と、を備えている。右装飾部材揺動ギヤ576は、その平面上に当該平面に対して垂直に起立した右装飾部材連結係合部576aを備えている。右装飾部材連結係合部576aは、揺動ベース部材562a1の係合溝部562a1a(後述)と係合するようになっている。
図32は、右装飾可動装置ベース部材580を取り外した状態の右装飾可動装置560の側面図である。図33は、右装飾可動装置モータ564及び右装飾可動装置動力伝達機構570を抜き出した状態の斜視図である。
図32に示すように、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575は、それぞれ対向する平面部574a、575aに放射状に複数の噛合歯574a1,…、575a1,…を備えており(図37参照)、互いにこれら平面部574a、575aにおいて噛み合わせることが可能となっている。
また、図32及び図33に示すように、右装飾可動装置動力伝達機構570は、第2連結ギヤ575の後方に右装飾可動装置ソレノイド577を備えている。右装飾可動装置ソレノイド577は、第2連結ギヤ可動部材583を介して第2連結ギヤ575と連結している。第2連結ギヤ可動部材583は、第2連結ギヤ575が回動自在となるように第2連結ギヤ575の回動軸上に配設されている。また、右装飾可動装置動力伝達機構570は、右装飾部材揺動ギヤ576の後方に右装飾部材揺動ギヤ576の位置(回転位置)を検出するための揺動ギヤ位置検出手段578を備えている。
次に、右装飾可動役物562の内部構造について、図34を用いて説明する。
図34は、右装飾可動役物562を構成する右装飾可動役物回転部材562b、並びに、右装飾可動役物揺動部材562aの揺動カバー部材562a2及び右装飾可動役物装飾部材562a3を取り外した状態の右装飾可動装置560の正面図である。
図34に示すように、揺動ベース部材562a1は、右装飾部材回動ギヤ573の回動軸573aにより支持されている。すなわち、右装飾可動役物562は、回動軸573aを中心として揺動可能となっている。
また、揺動ベース部材562a1には長孔状の係合溝部562a1aが設けられており、係合溝部562a1aは、右装飾部材揺動ギヤ576に配設された右装飾部材連結係合部576aと係合するようになっている。係合溝部562a1aは、常態のときはその長手方向が右下がり傾斜する向きとなるように配設されている。そして、例えば、右装飾可動役物562を常態から動作させる場合には、右装飾部材揺動ギヤ576を時計回りに回動させるようにする。このとき、右装飾部材連結係合部576aも連動して時計回りに回動することとなり、右装飾部材連結係合部576aは係合溝部562a1aの内壁を図面向かって下方向に押進することとなる。これにより、揺動ベース部材562a1が回動軸573aを中心として時計回りに回動することとなる。
また、図34に示すように、揺動ベース部材562a1には右装飾可動役物回転部材562bを回転動作させるための回転動力伝達機構563が設けられている。回転動力伝達機構563は、右装飾部材回動ギヤ573に歯合する第1連動ギヤ563aと、第1連動ギヤ563aに歯合する第2連動ギヤ563bと、第2連動ギヤ563bに歯合する第3連動ギヤ563cと、第3連動ギヤ563cに歯合する回転部材連動ギヤ563dと、を備えるようにして構成されている。上記各連動ギヤは、それぞれ揺動ベース部材562a1に配設された各軸受けにより回転可能に支持されている。
次に、第1連結ギヤ574及び第2連結ギヤ575による動力の伝達・遮断の仕組みについて、図35〜図41を用いて説明する。
図35は、第1連結ギヤ574及び第2連結ギヤ575による動力の伝達・遮断に関する構造部分(右装飾可動装置動力伝達機構570の一部分)の分解斜視図である。
図35に示すように、当該構造部分は、第1連結ギヤベース部材581と、第1連結ギヤピン582と、第1連結ギヤ574と、第2連結ギヤ575と、第2連結ギヤ可動部材583と、第2連結ギヤ蓋部材584と、右装飾可動装置ベース部材580と、右装飾可動装置ソレノイド577と、ソレノイド取付部材585と、を備えて構成されている。
第1連結ギヤベース部材581は、第1連結ギヤピン582を軸止するための部材である。第1連結ギヤベース部材581は、右装飾可動装置ベース部材580のネジ止用ボス580a,…にネジ止めされて固定されるようになっている。第1連結ギヤピン582は、第1連結ギヤ574を回転自在に支持する部材である。
第2連結ギヤ可動部材583は、第2連結ギヤ575を支持するとともに前後方向にスライドさせるための部材である。第2連結ギヤ可動部材583は円柱形状をなした円柱部583aと、円柱部583aの直径よりも大きい径を有した円板部583bと、を備えている。円板部583bは円柱部583aの一端に配設されている。また、第2連結ギヤ可動部材583の円柱部583aは、右装飾可動装置ソレノイド577のプランジャ(可動鉄心)として機能するものである。円柱部583aは、右装飾可動装置ベース部材580に設けられたソレノイド挿通用開口部580bを介して、右装飾可動装置ベース部材580の裏面側に取り付けられた右装飾可動装置ソレノイド577のコイル内に配設されるようになっている。
第2連結ギヤ蓋部材584は、第2連結ギヤ575の裏面側の平面部575bを覆うための部材である。第2連結ギヤ蓋部材584は、円板形状をなし、その中心には第2連結ギヤ可動部材583の円柱部583aを挿通可能な孔584aを有している。この孔584aの直径は、第2連結ギヤ可動部材583の円板部583bの直径より小さいため、孔584aに第2連結ギヤ可動部材583の円柱部583aを挿通させた状態で第2連結ギヤ蓋部材584を第2連結ギヤ575に取り付けた際、第2連結ギヤ可動部材583が脱落しないようになっている。
右装飾可動装置ソレノイド577は、いわゆるプルソレノイドである。右装飾可動装置ソレノイド577は、印加されることで第2連結ギヤ可動部材583の円柱部583aを吸引することが可能となっている。これにより、第2連結ギヤ可動部材583に連結された第2連結ギヤ575が後方にスライド移動することとなり、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575とが切り離されることとなる。従って、第1連結ギヤ574及び第2連結ギヤ575による動力の伝達は、右装飾可動装置ソレノイド577が印加されることで遮断されるようになっている。
図36は、右装飾可動装置ベース部材580の正面図である。
図36に示すように、右装飾可動装置ベース部材580の右側中央には、円形状のソレノイド挿通用開口部580bが設けられている。また、ソレノイド挿通用開口部580bの縁部分には第2連結ギヤ係止溝部580c,…が設けられている。第2連結ギヤ係止溝部580cは、第2連結ギヤ575の平面部(第1連結ギヤ574と対向する平面部575aとは反対側の平面部)575bに放射状に設けられた複数の突起部575b1,…と係合させるものである(図38参照)。この係合は、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575とが切り離されたとき、すなわち、右装飾可動装置ソレノイド577が印加されることで第2連結ギヤ575が後方にスライド移動したときになされる。これにより、第1連結ギヤ574及び第2連結ギヤ575による動力の伝達が遮断された際に第2連結ギヤ575を係止することができるようになっている。
右装飾可動装置ベース部材580の上部には、右装飾可動装置モータ564を配設するための切欠部580dが設けられている。また、ソレノイド挿通用開口部580bの周囲には、ネジ止用ボス580a,…が設けられている。また、ソレノイド挿通用開口部580bの上方には、連動ギヤ572を軸着するための連動ギヤ軸受け部580eが設けられている。また、ソレノイド挿通用開口部580bの左方には、右装飾部材回動ギヤ573を軸着するための右装飾部材回動ギヤ軸受け部580fが設けられている。また、ソレノイド挿通用開口部580bの下方には、右装飾部材揺動ギヤ576を軸着するための右装飾部材揺動ギヤ軸受け部580gが設けられるとともに、揺動ギヤ位置検出手段578を配設するための取付け孔580hが設けられている。
図37は、第1連結ギヤ574及び第2連結ギヤ575の対向する平面部の構造について説明するための図である。
図37に示すように、第1連結ギヤ574及び第2連結ギヤ575は、それぞれ対向する平面部574a、575aに放射状に複数の噛合歯574a1,…、575a1…を備えており、互いにこれら平面部574a、575aにおいて噛み合わせることが可能となっている(図32参照)。
また、第1連結ギヤ574には、第2連結ギヤ575と対向する平面部574aに平面視円形状の凸部574a2が設けられている。第2連結ギヤ575には、第1連結ギヤ574と対向する平面部575aに凸部574a2を嵌入可能な平面視円形状の凹部575a2が設けられている。これら凸部574a2及び凹部575a2には、それぞれ軸孔574a3、575a3が設けられており、上述した第1連結ギヤピン582を挿通可能となっている。
図39は、右装飾可動装置560の裏面図である。
図39に示すように、右装飾可動装置ベース部材580の裏面側には、右装飾可動装置ソレノイド577が配設されており、右装飾可動装置ソレノイド577はソレノイド取付部材585によって固定されている。また、右装飾可動装置ベース部材580の裏面側には、右装飾部材揺動ギヤ576の位置を検出するための揺動ギヤ位置検出手段578が配設されている。
図40は、図39の切断線F−Fに沿った面の矢視断面図である。
図40に示すように、同図には第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575とが互いに噛み合った状態が示されている。このとき、駆動側である第1連結ギヤ574と、被動側である第2連結ギヤ575と、の間において動力の伝達が行われるので、第2連結ギヤ575に歯合する右装飾部材揺動ギヤ576を回動させることが可能となっている。つまり、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575とが互いに噛み合っているとき、右装飾可動役物562を揺動させることが可能となっている。
次に、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575との間における動力の伝達・遮断態様について、図41を用いて説明する。図41(a)は、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575を切り離す前の状態を示す図であり、(b)は、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575を切り離した後の状態を示す図である。
図41(a)に示すように、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575を切り離す前の状態においては、第1連結ギヤ574及び第2連結ギヤ575は、それぞれの噛合歯574a1,…、575a1,…が互いに噛み合っており、第1連結ギヤ574が回転(例えば、時計回りに回転)すると、第2連結ギヤ575も連動して回転するようになっている。これにより、駆動側である第1連結ギヤ574から被動側である第2連結ギヤ575に動力を伝達することができるようになっている。つまり、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575を切り離す前の状態においては、右装飾可動役物562は、右装飾可動役物揺動部材562aが揺動するとともに、右装飾可動役物回転部材562bが回転動作するようになっている。
一方、図41(b)に示すように、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575を切り離した後の状態、すなわち、右装飾可動装置ソレノイド577が印加されることで第2連結ギヤ575が後方にスライド移動した状態においては、第1連結ギヤ574及び第2連結ギヤ575は、それぞれの噛合歯574a1,…、575a1,…が互いに噛み合っていないため、第1連結ギヤ574だけが回転(例えば、時計回りに回転)するようになっている。また、このとき第2連結ギヤ575は、突起部575b1,…が右装飾可動装置ベース部材580の第2連結ギヤ係止溝部580c,…と係合するようになっている。つまり、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575を切り離した後の状態においては、右装飾可動役物562のうち、右装飾可動役物回転部材562bだけが動作(回転動作)するようになっている。
なお、第1連結ギヤ574による一方向(例えば、反時計回り)の回転動作にのみ連動して第2連結ギヤ575を回転動作させたい場合には、第2連結ギヤ575の噛合歯575a1,…を、当該一方向の回転動作のときのみ第1連結ギヤ574の噛合歯574a1,…と噛み合い、逆方向の回転動作のときは噛み合わないような形状としても良い。
具体的には、図42(a)に示すように、第2連結ギヤ575の噛合歯575a1,…の断面形状が直角三角形となるように、噛合歯575a1,…を形成する。これにより、第1連結ギヤ574を反時計回りに回転動作させた場合、第2連結ギヤ575の噛合歯575a1の断面形状である直角三角形の直角に隣接する隣辺部分と、第1連結ギヤ574の噛合歯574a1と、が噛み合うこととなり、第1連結ギヤ574による反時計回りの回転動作に連動して第2連結ギヤ575を回転動作させることができるようになっている。
また、第1連結ギヤ574には、第2連結ギヤ575と対向する面とは反対の面に押圧バネ579を備えるようにする。押圧バネ579は、第1連結ギヤ574と第2連結ギヤ575とが噛み合うように、第2連結ギヤ575に対して第1連結ギヤ574を押し当てるためのものである。
図42(b)は、同図(a)に示した回転方向とは逆方向(時計回り)に第1連結ギヤ574を回転動作させた状態の図である。
図42(b)に示すように、このとき、第1連結ギヤ574は、第2連結ギヤ575の噛合歯575a1,…の斜面部分に噛合歯574a1,…を摺動させながら回転動作することとなる。なお、図43に示すように、第2連結ギヤ575に歯合する右装飾部材揺動ギヤ576は、ギヤストッパ部材580iによって支えられた状態となっている。このギヤストッパ部材580iは、図面向かって左方向にのみ回動するようになっている。つまり、右装飾部材揺動ギヤ576の時計回りの回転のみを許し、逆方向には回転できないようになっている。従って、第2連結ギヤ575は時計回りには回転できないようになっている。これにより、第1連結ギヤ574を時計回りに回転動作させた場合、第2連結ギヤ575を回転動作させることなく、第1連結ギヤ575のみを回転動作させることができるようになっている。
次に、左装飾可動装置520、右装飾可動装置560、上装飾可動装置512、及び下装飾可動装置514によって行われる演出の態様例について、図44及び図45を用いて説明する。
図44(a1),(a2)は、右装飾可動装置560によって行われる演出の一例を示す図である。
右装飾可動装置560の右装飾可動役物562は、図44(a1)に示すように、常態のときは、表示装置41の表示画面を遮らないように、表示装置41の右側前方に配設されている。なお、図44(a1)は、表示装置41の表示画面上で特図変動表示ゲームが実行されている状態(識別図柄が変動中の状態)を示している。
そして、例えば、当該特図変動表示ゲームにおいて、大当り結果となることへの期待度が高まったことを報知する場合には、図44(a2)に示すように、右装飾可動装置560によって、右装飾可動役物562を回動させ、表示装置41の表示画面を遮る位置で停止させる。このとき、表示装置41の表示画面上には「絆」の文字を表示させ、右装飾可動役物562のレンズ部材562b2を介して、当該「絆」の文字表示を視認できるようにする。また、表示装置41の表示画面上において「絆」の文字表示を目立たせるような演出表示を行う。また、このとき、当該演出表示と重ならないようにするため識別図柄の変動表示は表示画面の左上部において行うようにする。
なお、大当り結果となることへの期待度の高さに応じて、右装飾可動役物562の右装飾可動役物回転部材562bを回転させるようにしても良い。
図44(b1)〜(b3)は、左装飾可動装置520、及び右装飾可動装置560によって行われる演出の態様例を示す図である。
左装飾可動装置520の左装飾可動役物530、及び、右装飾可動装置560の右装飾可動役物562は、図44(b1)に示すように、常態のときは、表示装置41の表示画面を遮らないように、左装飾可動役物530については表示装置41の左側前方に、右装飾可動役物562については表示装置41の右側前方に配設されている。なお、図44(a1)は、表示装置41の表示画面上で特図変動表示ゲームが実行されている状態(識別図柄が変動中の状態)を示している。
そして、例えば、当該特図変動表示ゲームにおいて、大当り結果となることへの期待度が高まったことを報知する場合には、図44(b2)に示すように、まず、左装飾可動装置520によって、左装飾可動役物530(龍を模した役物)を、表示装置41の表示画面を遮る位置まで移動させ、当該龍の顔が右装飾可動役物回転部材562bの方を向いたところで停止させる。そして、このとき、表示装置41の表示画面上において、当該龍が右装飾可動役物回転部材562bに向かって火を噴くような演出表示を行う。
そして、大当り結果となることへの期待度がさらに高まった場合には、図44(b3)に示すように、右装飾可動役物回転部材562bを回転させるようにする。
図45(a1),(a2)は、上装飾可動装置512、及び下装飾可動装置514によって行われる演出の一例を示す図である。
上装飾可動装置512の上装飾可動役物512a、及び、下装飾可動装置514の下装飾可動役物514aは、図45(a1)に示すように、常態のときは、表示装置41の表示画面を遮らないように、上装飾可動役物512aについては表示装置41の上側前方に、下装飾可動役物514aについては表示装置41の下側前方に配設されている。なお、図45(a1)は、表示装置41の表示画面上で特図変動表示ゲームが実行されている状態(識別図柄が変動中の状態)を示している。
そして、例えば、当該特図変動表示ゲームにおいて、大当り結果となることへの期待度が高まったことを報知する場合には、図45(a2)に示すように、上装飾可動装置512によって、上装飾可動役物512aを下方に移動させ、表示装置41の表示画面を遮る位置で停止させる。また、下装飾可動装置514によって、下装飾可動役物514aを上方に移動させ、表示装置41の表示画面を遮る位置で停止させる。
なお、大当り結果となることへの期待度の高さに応じて、上装飾可動役物512aと下装飾可動役物514aの動作タイミングを異ならせるようにしても良い。
次に、特別遊技状態中(大当り遊技状態中)に行われる演出の一例について、図46〜図48を用いて説明する。
図46は、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球があたかも表示装置41の表示画面に飛び込んだかのように見せる演出の一例を示す図である。
特図変動表示ゲームの結果が大当り(例えば、16R確変A1大当り;図49参照)となる場合、図46(a)に示すように、当該特図変動表示ゲームの結果として、表示装置41の表示画面の左、中、右のそれぞれの図柄表示領域に「7」図柄が揃う表示がなされる。
次いで、大当り結果が表示された後、特別遊技状態に移行してラウンド遊技が開始されると、図46(b)に示すように、表示装置41の表示画面には「1R」の表示がなされる。そして、第2特別変動入賞装置39が開放されることとなる。
そして、ラウンド遊技が行われている間(1R〜16Rの間)は、図46(c)に示すように、表示装置41の表示画面に車を模した画像を表示可能となっている。また、第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞した場合には、表示装置41の表示画面上方(特別変動入賞装置39)から当該遊技球があたかも落下してくるかのように見せるための擬似球が、当該遊技球の入賞タイミングに合わせて、表示装置41の表示画面に表示されるようになっている。そして、車を模した画像に擬似球がぶつかる演出表示がなされるようになっている。また、当該演出表示は、第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞する毎に行われるようになっている。
そして、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が所定数に達した場合、すなわち、表示画面に表示された車を模した画像に所定数の擬似球がぶつかった場合、図46(d)に示すように、車を模した画像が爆発する演出表示がなされるようになっている。そして、当該演出表示が終了すると、図46(e)に示すように、このラウンド遊技の契機となった大当りが確変大当りであることを報知する表示(例えば、「確変決定!」の文字表示)がなされる。なお、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が所定数に達しなかった場合であっても、ラウンド遊技中の所定のタイミングで確変大当りであることを報知するようにしても良い。
また、ラウンド遊技が行われている際、特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合には、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球の数に応じて、当該始動記憶に対する先読み演出表示を行うようにしても良い。例えば、図46(f)に示すように、ラウンド遊技が行われている際、特図変動表示ゲームの始動記憶の中に大当り結果となる始動記憶がある場合には、始動記憶内に大当り結果となる始動記憶があることを報知する表示(例えば、「記憶内 大当たり確定!」)がなされるようにしても良い。
また、特別遊技状態中、ラウンド遊技毎に開放する変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を異ならせるようにしても良く、かかる場合には、何れの変動入賞装置を狙って遊技球を発射させるかを表示装置41の表示画面に表示するようにしても良い。
具体的には、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合、図47(a)に示すように、例えば、当該特図変動表示ゲームの結果として、表示装置41の表示画面の左、中、右のそれぞれの図柄表示領域に「7」図柄が揃う表示がなされる。そして、大当り結果が表示された後、特別遊技状態に移行してラウンド遊技が開始される。
そして、例えば、図47(b)に示すように、5ラウンド目のラウンド遊技において第2特別変動入賞装置39が開放する場合には、表示装置41の表示画面に第2特別変動入賞装置39を狙って遊技球を発射させるための指示表示がなされる。
また、例えば、図47(c)に示すように、10ラウンド目のラウンド遊技において第1特別変動入賞装置38が開放する場合には、表示装置41の表示画面に第1特別変動入賞装置38を狙って遊技球を発射させるための指示表示がなされる。
図48は、主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦するバトル演出の一例を示す図である。
特図変動表示ゲームの結果が大当り(例えば、16R確変A1大当り;図49参照)となる場合、図48(a)に示すように、当該特図変動表示ゲームの結果として、表示装置41の表示画面に大当たりの文字が表示される。そして、大当り結果が表示された後、特別遊技状態に移行してラウンド遊技が開始され、バトル演出が行われることとなる。
図48(b)には、2ラウンド目のラウンド遊技中、主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙している様子を表した表示装置41の表示画面の一例が示されている。
また、図48(c)には、15ラウンド目のラウンド遊技中、主人公キャラクタが敵キャラクタを倒したときの様子を表した表示装置41の表示画面の一例が示されている。
このように、バトル演出においては、例えば、最終ラウンドの手前(この例では15R)まで、主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙している様子や、主人公キャラクタが攻撃する様子、敵キャラクタが反撃する様子、主人公キャラクタが敵キャラクタを倒したときの様子、敵キャラクタが主人公キャラクタを倒したときの様子等が演出表示されるようになっている。
そして、バトル演出において、主人公キャラクタが敵キャラクタを倒した場合、図48(d)に示すように、最終ラウンドである16ラウンド目のラウンド遊技中、このラウンド遊技の契機となった大当りが確変大当りであることを報知する表示(例えば、「You Win! 確変決定」の文字表示)がなされる。
図49には、本実施形態の遊技機10の特図変動表示ゲームにおいて導出される大当りの種類が示されている。
図49に示すように、大当りには、大きく分けて、通常大当りと、確変大当りと、がある。また、確変大当りには、通常の確変大当りのほか、突然確変(突確)、確変RUB(ランクアップボーナス)がある。以下、各大当りの種類(内容)について説明する。
なお、図49の表の最上段に記載された「図柄」とは、特図1表示器51又は特図2表示器52に表示される図柄の種類を示すものである。また、「特図1(%)」とは、特図1変動表示ゲームにおいて導出され得る大当りの発生割合を示すものである。また、「特図2(%)」とは、特図2変動表示ゲームにおいて導出され得る大当りの発生割合を示すものである。また、「AT」とは、アタッカーの略であり、特別遊技状態において開放される変動入賞装置を示すものである。具体的には、「右」と記されている場合、第1特別変動入賞装置38が開放され、「上」と記されている場合、第2特別変動入賞装置39が開放されるということを意味している。また、「初回、大当たり中のバトル」とは、当該大当りが初回大当りであるとき(確変大当りが継続していないとき)のバトル演出の有無を示すものである。また、「確変後、大当たり中のバトル」とは、当該大当りが、確変大当りが継続した継続大当りであるときのバトル演出の有無を示すものである。
図49に示すように、16R通常Aタイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われるとともに、当該入賞が困難なラウンド遊技が8ラウンド行われる。ここで、入賞が困難はラウンド遊技とは、変動入賞装置が高速で開放する遊技のことをいう。
16R通常Bタイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われるとともに、当該入賞が困難なラウンド遊技が8ラウンド行われる。また、16R通常Bタイプの大当りが発生した場合、当該大当りが初回の大当りであってもバトル演出が行われるようになっている。このバトル演出では、主人公キャラクタが敗北するようになっている。
8R通常A〜Eタイプの何れかの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、各大当りに対応した変動入賞装置へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われる。そして、特別遊技状態の終了後、各大当りに対応した回数の時短ゲームが付与されるようになっている。
16R確変A1タイプの大当りが発生した場合、当該大当りの結果として、表示装置41の表示画面の左、中、右のそれぞれの図柄表示領域に「7」図柄が揃う表示がなされる。そして、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が16ラウンド行われるようになっている。
16R確変A2タイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が16ラウンド行われるようになっている。また、16R確変A2タイプの大当りが発生した場合、当該大当りが初回の大当りであってもバトル演出が行われるようになっている。なお、当該バトル演出では、8Rまでにバトル演出による勝敗が決し、その後もラウンド遊技が継続するような演出態様となっている。
16R確変Bタイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が16ラウンド行われるようになっている。また、16R確変Bタイプの大当りが発生した場合、16R確変A2タイプの大当りと同様のバトル演出が行われるようになっている。
16R確変Cタイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われるとともに、当該入賞が困難なラウンド遊技が8ラウンド行われる。また、16R確変Cタイプの大当りが発生した場合、当該大当りが初回の大当りであってもバトル演出が行われるようになっている。このバトル演出では、敗北する(例えば、主人公キャラクタが敵キャラクタに負ける)ようになっており、特別遊技状態の終了後、遊技状態が高確率状態であることを明確に報知しない所謂潜伏モードに移行するようになっている。
16R確変Dタイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われるとともに、当該入賞が困難なラウンド遊技が8ラウンド行われる。また、16R確変Dタイプの大当りが発生した場合、当該大当りが初回の大当りであってもバトル演出が行われるようになっている。
8R確変A1タイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われる。また、8R確変A1タイプの大当りが発生した場合、当該大当りが初回の大当りであってもバトル演出が行われるようになっている。このバトル演出では、勝利する(例えば、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝つ)ようになっており、特別遊技状態の終了後、遊技状態が高確率状態であることを明確に報知する所謂高確率モードに移行するようになっている。
8R確変A2タイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われる。また、8R確変A2タイプの大当りが発生した場合、8R確変A1タイプの大当りと同様、当該大当りが初回の大当りであってもバトル演出が行われるようになっている。このバトル演出では、敗北する(例えば、主人公キャラクタが敵キャラクタに負ける)ようになっており、特別遊技状態の終了後、遊技状態が高確率状態であることを明確に報知しない所謂潜伏モードに移行するようになっている。
8R確変Bタイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われる。また、8R確変Bタイプの大当りにおけるバトル演出では、引き分けとなるようになっており、特別遊技状態の終了後、遊技状態が高確率状態であることを明確に報知する所謂高確率モードに移行するようになっている。
8R確変C1タイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われる。また、8R確変C1タイプの大当りが発生した場合、8R確変A1タイプの大当りと同様、当該大当りが初回の大当りであってもバトル演出が行われるようになっている。このバトル演出では、勝利する(例えば、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝つ)ようになっており、特別遊技状態の終了後、遊技状態が高確率状態であることを明確に報知する所謂高確率モードに移行するようになっている。
8R確変C2タイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われる。また、8R確変C2タイプの大当りが発生した場合、8R確変A2タイプの大当りと同様、当該大当りが初回の大当りであってもバトル演出が行われるようになっている。このバトル演出では、敗北する(例えば、主人公キャラクタが敵キャラクタに負ける)ようになっており、特別遊技状態の終了後、遊技状態が高確率状態であることを明確に報知しない所謂潜伏モードに移行するようになっている。
8R確変Dタイプの大当りが発生した場合、当該大当りの結果として、表示装置41の表示画面の左、中、右のそれぞれの図柄表示領域に「3」図柄が揃う表示がなされる。そして、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が8ラウンド行われるようになっている。
16R突確タイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が困難なラウンド遊技が16ラウンド行われる。ここで、入賞が困難はラウンド遊技とは、変動入賞装置が高速で開放する遊技のことをいう。また、8R突確タイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が困難なラウンド遊技が8ラウンド行われる。また、4R突確タイプの大当りが発生した場合、特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が困難なラウンド遊技が4ラウンド行われる。
16R確変RUBタイプの大当りが発生した場合、例えば、4ラウンド目、8ラウンド目、及び16ラウンド目において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が行われ、それ以外のラウンドでは、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が困難なラウンド遊技が行われる。また、8R確変RUBタイプの大当りが発生した場合、例えば、4ラウンド目、及び8ラウンド目において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が行われ、それ以外のラウンドでは、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が困難なラウンド遊技が行われる。また、4R確変RUBタイプの大当りが発生した場合、例えば、4ラウンド目において、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が可能となるラウンド遊技が行われ、それ以外のラウンドでは、第2特別変動入賞装置39へ遊技球の入賞が困難なラウンド遊技が行われる。
次に、上述したバトル演出の詳細について、図50及び図51を用いて説明する。
図50(a)に示すように、バトル演出には、A〜Dの4種類の敵キャラクタのうちから一のキャラクタを登場させることが可能となっている。敵キャラクタの強さは、敵キャラクタAが一番弱く、敵キャラクタDが一番強い設定となっている。
また、図50(b)に示すように、バトル演出において、敵キャラクタAが登場した場合であって、このときの特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39が開放されているときは、当該特別遊技状態の発生の契機となった大当りが100%の割合で確変大当りとなるように設定されている。つまり、当該バトル演出では、敵キャラクタAに100%の割合で勝利するようになっている。
一方、バトル演出において、敵キャラクタAが登場した場合であって、このときの特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38が開放されているときは、当該特別遊技状態の発生の契機となった大当りが80%の割合で確変大当りとなるように設定されている。つまり、当該バトル演出では、敵キャラクタAに80%の割合で勝利するようになっている。
また、バトル演出において、敵キャラクタBが登場した場合であって、このときの特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39が開放されているときは、当該特別遊技状態の発生の契機となった大当りが80%の割合で確変大当りとなるように設定されている。つまり、当該バトル演出では、敵キャラクタBに80%の割合で勝利するようになっている。
一方、バトル演出において、敵キャラクタBが登場した場合であって、このときの特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38が開放されているときは、当該特別遊技状態の発生の契機となった大当りが25%の割合で確変大当りとなるように設定されている。つまり、当該バトル演出では、敵キャラクタBに25%の割合で勝利するようになっている。
また、バトル演出において、敵キャラクタCが登場した場合であって、このときの特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39が開放されているときは、当該特別遊技状態の発生の契機となった大当りが50%の割合で確変大当りとなるように設定されている。つまり、当該バトル演出では、敵キャラクタCに50%の割合で勝利するようになっている。
一方、バトル演出において、敵キャラクタCが登場した場合であって、このときの特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38が開放されているときは、当該特別遊技状態の発生の契機となった大当りが15%の割合で確変大当りとなるように設定されている。つまり、当該バトル演出では、敵キャラクタCに15%の割合で勝利するようになっている。
また、バトル演出において、敵キャラクタDが登場した場合であって、このときの特別遊技状態において、第2特別変動入賞装置39が開放されているときは、当該特別遊技状態の発生の契機となった大当りが5%の割合で確変大当りとなるように設定されている。つまり、当該バトル演出では、敵キャラクタDに5%の割合で勝利するようになっている。
一方、バトル演出において、敵キャラクタDが登場した場合であって、このときの特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38が開放されているときは、当該特別遊技状態の発生の契機となった大当りが1%の割合で確変大当りとなるように設定されている。つまり、当該バトル演出では、敵キャラクタDに1%の割合で勝利するようになっている。
図51(a)には、バトル演出の勝率が示されている。
図51(a)に示すように、特別遊技状態において、第1特別変動入賞装置38が開放されたときのバトル演出の勝率は44%となるのに対し、第2特別変動入賞装置39が開放されたときのバトル演出の勝率は84%となるように設定されている。
なお、特別遊技状態において、開放する変動入賞装置を、あたかも遊技者が決めることができるかのような演出を行うようにしても良い。図51(b1)〜(b5)は、当該演出の一例を示す図である。
特図変動表示ゲームの結果が大当り(例えば、16R確変A1大当り;図49参照)となる場合、図51(b1)に示すように、当該特図変動表示ゲームの結果として、表示装置41の表示画面に大当たりの文字が表示される。そして、大当り結果が表示された後、特別遊技状態に移行してラウンド遊技が開始されることとなる。
そして、ラウンド遊技が開始されると、図51(b2),(b3)に示すように、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39の何れかが開放することを示唆する演出表示がなされる。
そして、図51(b4)に示すように、遊技者に対して演出ボタン25の押下を促す演出表示がなされるようになっている。
そして、演出ボタン25の押下がなされると、図51(b5)に示すように、第2特別変動入賞装置39を開放するよう決定されたこと示す表示がなされる。
上述のように、特別遊技状態において、開放される変動入賞装置は、大当り結果に基づき予め決められているが、あたかも遊技者が開放する変動入賞装置を決めることができるかのような演出を行うことで、単調になりがちな特別遊技状態においても遊技の興趣を高めることができる。
なお、上述した前方ロゴ部材411及び後方ロゴ部材412は、それぞれ包囲枠体40の所定の位置に固定した状態で配設するようにしたが、これらを移動可能に配設するようにしても良い。
図52(a)は、前方ロゴ部材411及び後方ロゴ部材412の概略図である。
図52(a)に示すように、常態において、前方ロゴ部材411は、後方ロゴ部材412の左斜め前方に配設されている。
図52(b)は、後方ロゴ部材412を移動させたときの、前方ロゴ部材411及び後方ロゴ部材412の配置の一例を示した図である。
図52(b)に示すように、後方ロゴ部材412を、前方ロゴ部材411の下方へスライド移動させることにより、前方ロゴ部材411及び後方ロゴ部材412を上下2段に配置させることが可能となる。
図52(c)は、前方ロゴ部材411が移動したときの、前方ロゴ部材411及び後方ロゴ部材412の配置の一例を示した図である。
図52(c)に示すように、前方ロゴ部材411を、遊技盤30の奥側へ円弧を描くように下方へ移動させることにより、前方ロゴ部材411及び後方ロゴ部材412を横一列に配置させることが可能となる。このとき、前方ロゴ部材411に表示された文字と後方ロゴ部材412に表示された文字とを一連の文字列として表示することが可能となる。
図53は、前方ロゴ部材411又は後方ロゴ部材412を移動させたときの表示装置41による演出表示の一例を示す図である。
図53(a)に示すように、前方ロゴ部材411及び後方ロゴ部材412を上下2段に配置させた場合、表示装置41の表示画面には所定の演出表示(エフェクトA)がなされるようになっている。
また、図53(b)に示すように、前方ロゴ部材411及び後方ロゴ部材412を横一列に配置させた場合、表示装置41の表示画面には上記のエフェクトAとは異なる演出表示(エフェクトB)がなされるようになっている。
次に、左装飾可動装置520について、図54を用いて説明する。
図54は、左装飾可動装置520の正面図である。図54に示すように、左装飾可動装置520は、左装飾可動役物530と、左装飾可動役物530を駆動する動力源となる左装飾可動装置モータ522と、左装飾可動装置モータ522からの動力を左装飾可動役物530に伝達するための左装飾可動装置動力伝達機構524と、これら左装飾可動役物530、左装飾可動装置モータ522、及び左装飾可動装置動力伝達機構524を配設するための左装飾可動装置ベース部材526と、を備えている。
左装飾可動役物530は、龍を模した役物であり、左装飾可動装置第1可動部材532と、左装飾可動装置第2可動部材534と、左装飾可動装置第3可動部材536と、を備えている。
また、左装飾可動装置第1可動部材532は、左装飾可動装置第2可動部材534に対して、揺動可能に連結されている。また、左装飾可動装置第2可動部材534は、左装飾可動装置第3可動部材536に対して、揺動可能に連結されている(後述)。これにより、左装飾可動役物530を変形(屈曲)させることが可能となっている。
従来の可動役物の場合、それ自体が変形しないため、遊技盤裏面構成装置500のレイアウト上、当該可動役物を回動自在に配設することができない場合には特に、図55に示すように、例えば、中途半端な位置までしか可動役物を回動させることができず、効果的な演出を行うことができないという問題があった。そこで、本実施形態の左装飾可動装置520は、下記のような構成を有する左装飾可動役物530を備えることにより、上記問題を解消可能としている。
図56は、左装飾可動役物530の裏面図である。また、図57は、左装飾可動装置動力伝達機構524を構成する左装飾回動部材524aを取り付けた状態の左装飾可動役物530の裏面図である。
図56に示すように、左装飾可動装置第1可動部材532は、龍の胴体の一部を模した左装飾可動装置第1装飾部材532aと、左装飾可動装置第1可動ベース部材532bと、を備えている。
左装飾可動装置第2可動部材534は、左装飾可動装置第1可動部材532と同様に、龍の胴体の一部を模した左装飾可動装置第2装飾部材534aと、左装飾可動装置第2可動ベース部材534bと、を備えている。
左装飾可動装置第3可動部材536は、龍の頭部を模した左装飾可動装置第3装飾部材536aと、左装飾可動装置第3可動ベース部材536bと、を備えている。
左装飾可動装置第1可動ベース部材532bは、左装飾回動部材524aの左装飾回動部材回動軸524a2に回動自在に取り付けられる係合部532b1と、左装飾可動装置第2可動ベース部材534bに対して揺動可能に取り付けられる第1連結部532b2と、龍を模した左装飾可動役物530が当該龍の腹側に曲がることを規制するための第1規制部532b3と、を備えている。
左装飾可動装置第2可動ベース部材534bは、左装飾可動装置第1可動ベース部材532bの第1連結部532b2を受ける第1連結受部534b1と、左装飾可動装置第3可動ベース部材536bに対して揺動可能に取り付けられる第2連結部534b2と、龍を模した左装飾可動役物530が当該龍の腹側に曲がることを規制するための第2規制部534b3と、を備えている。
左装飾可動装置第3可動ベース部材536bは、左装飾可動装置第2可動ベース部材534bの第2連結部534b2を受ける第2連結受部536b1と、左装飾回動部材524aの回動ガイド溝524a3と係合する係合軸536b2と、を備えている。
図57に示すように、左装飾可動装置動力伝達機構524は、左装飾回動部材524a(可動アーム)と、左装飾可動装置モータ522のモータ軸(図示省略)に設けられたモータギヤ(図示省略)と、を備えている。
左装飾回動部材524aは、その一端に上記モータギヤと歯合する左装飾回動部材ギヤ部524a1と、左装飾回動部材524aを回動させるための左装飾回動部材回動軸524a2と、を備えている。左装飾回動部材回動軸524a2は、左装飾可動装置ベース部材526で支持されるようになっている。
また、左装飾回動部材524aの他端には左装飾可動役物530の回動を案内するための回動ガイド溝524a3が設けられている。この回動ガイド溝524a3に上述した左装飾可動装置第3可動ベース部材536bの係合軸536b2が係合するようになっている。回動ガイド溝524a3は長孔形状をなしており、回動ガイド溝524a3内で係合軸536b2を摺動させるとともに、回動可能となっている。これにより、左装飾回動部材524aを常態から回動させたとき、係合軸536b2を回動ガイド溝524a3内において摺動させるとともに回動させることによって、左装飾可動役物530を撓ませる(屈曲させる)ことが可能となっている(後述)。
また、左装飾回動部材524aは、上述した一端と他端との中間部分が、龍を模した左装飾可動役物530の当該龍の腹側に湾曲するように形成されている。このように、左装飾回動部材524aの当該中間部分を湾曲させているのは、龍を模した左装飾可動役物530を回動させた際、当該龍が腹側に屈曲するからであり、このとき左装飾回動部材524aを左装飾可動役物530の背後に隠れさせて、前方から左装飾回動部材524aを視認し難くするためである。
次に、常態から左装飾回動部材524aを回動させたときの左装飾可動役物530の状態について、図58を用いて説明する。
図58(a)は、常態から左装飾回動部材524aを回動させたときの左装飾可動役物530を裏面から見た状態の概略図である。
図58(a)に示すように、左装飾可動装置第2可動ベース部材534bは、その一端が左装飾可動装置第1可動ベース部材532bと揺動可能に連結され、他端が左装飾可動装置第3可動ベース部材536bと揺動可能に連結されているだけであり、左装飾回動部材524aにも左装飾可動装置ベース部材526にも支持されていない。また、左装飾可動装置第3可動ベース部材536bは、スライド移動かつ回動可能に遊びを持たせた長孔形状の回動ガイド溝524a3に係合軸536b2が係合されることによって支持されている。このため、左装飾回動部材524aを回動させたとき、左装飾可動装置第2可動ベース部材534bが自重により沈むこととなる。このとき、左装飾可動装置第2可動ベース部材534bが沈んだ分だけ、左装飾可動装置第3可動ベース部材536bは、左装飾可動装置第2可動ベース部材534bとの連結側が下がり、左装飾可動装置第3可動ベース部材536bが水平状態に保たれるようになっている。つまり、左装飾回動部材524aを回動させたとき、図58(b)に示すように、左装飾可動装置第3可動ベース部材536bの表側に取り付けられた龍の頭部を模した左装飾可動装置第3装飾部材536aを水平状態に保つことが可能となる。
次に、左装飾可動装置520によって行われる演出の一例について、図59(a)を用いて説明する。
図59(a)に示すように、演出制御装置300により左装飾可動装置520を制御することによって、龍を模した左装飾可動役物530を回動させ、表示装置41の表示画面を遮る位置に移動させた後、演出制御装置300により表示装置41を制御することによって、左装飾可動役物530により表された龍が火を噴いたように見せる演出表示を行うことができる。
次に、上述した左装飾可動装置520による演出の応用例について、図59(b)及び(c)を用いて説明する。
図59(b)に示すように、例えば、表示装置41の表示画面の左及び中図柄領域に「7」図柄を停止表示、すなわち、リーチ状態を発生させた後、右図柄領域に「6」図柄を仮停止表示させたとき、龍を模した左装飾可動役物530を回動させ、左装飾可動役物530により表された龍が、当該仮停止表示させた「6」図柄に向かって火を噴く演出表示を行うことができる。そして、図59(c)に示すように、右図柄領域の図柄が再変動する演出表示を行うことができる。
次に、上述した左装飾可動装置520による演出のその他の応用例について、図60(a)〜(c)を用いて説明する。
図60(a)に示すように、例えば、表示装置41の表示画面の左、中、及び右図柄領域に「2」図柄を仮停止表示させたとき、当該表示画面に演出ボタン25の押下を促す表示を行うようにする。そして、演出ボタン25の押下がなされると、図60(b)に示すように、龍を模した左装飾可動役物530を回動させ、表示装置41の表示画面を遮る位置に移動させた後、左装飾可動役物530により表された龍が火を噴いたように見せる演出表示を行うようにするとともに、左、中、及び右図柄領域の全図柄が再変動する演出表示を行うようにする。そして、図60(c)に示すように、左装飾可動役物530を常態に戻した後、左、中、及び右図柄領域に「7」図柄が停止表示されるような演出表示を行うことができる。
以上のように、本実施形態の遊技機10によれば、遊技の演出を行う可動装置(左装飾可動装置520)を備える遊技機10において、前記可動装置(左装飾可動装置520)は、駆動源(左装飾可動装置モータ522)の動作により動作する可動アーム(左装飾回動部材524a)と、前記可動アーム(左装飾回動部材524a)に支持された可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)と、を備え、前記可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)は、湾曲又は屈曲可能であり、前記可動アーム(左装飾回動部材524a)に対して接続部(左装飾回動部材回動軸524a2、係合軸536b2)を介して少なくとも二ヶ所が接続され、前記接続部(左装飾回動部材回動軸524a2、係合軸536b2)の少なくとも一つは、前記可動アーム(左装飾回動部材524a)に対して移動可能であり、前記可動アーム(左装飾回動部材524a)の動作に伴い、当該可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)の自重によって移動可能な接続部(係合軸536b2)が前記可動アーム(左装飾回動部材524a)に対して移動することにより、湾曲又は屈曲の度合いが変化するようにしたこととなる。
これにより、可動アーム(左装飾回動部材524a)に支持された可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)を単に移動させるだけでなく、可動体自身を湾曲又は屈曲させるという複雑な動きが可能となり、当該可動体の動作による演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、前記可動体は、複数のリンク部材(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)が一列に並び、隣接するリンク部材同士を回動可能に連結したものとしたこととなる。
これにより、可動アーム(左装飾回動部材524a)に支持された当該可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)を単に移動させるだけでなく、可動体自身を屈曲させるという複雑な動きが可能となり、当該可動体の動作による演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、前記可動アーム(左装飾回動部材524a)は、表示装置41の左側方に前記可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)を直線状の状態で保持可能に配設され、当該可動アーム(左装飾回動部材524a)の前面に前記可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)を備え、当該表示装置41の表示画面と平行に回動可能であり、前記表示装置41の一側方に位置する第1位置と、当該表示装置41の前面側を遮る第2位置と、に回動可能であり、前記可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)は、前記可動アーム(左装飾回動部材524a)の前記第1位置から前記第2位置への回動に伴い、屈曲の度合いが大きくなるように配設され、前記接続部(左装飾回動部材回動軸524a2、係合軸536b2)を、前後方向に沿った軸を中心に回動可能とすることで、前記可動アーム(左装飾回動部材524a)を前記第1位置から前記第2位置に回動させたときの当該可動アーム(左装飾回動部材524a)の自由端側に接続された前記リンク部材(左装飾可動装置第3可動部材536)の回動角度が、当該可動アーム(左装飾回動部材524a)の回動角度よりも大きくなるようにしたこととなる。
これにより、可動アーム(左装飾回動部材524a)を第1位置から第2位置へ回動させたとき、当該可動アームの自由端側に支持されたリンク部材(左装飾可動装置第3可動部材536)を、当該可動アームの回動角度以上に回動させることができるので、当該リンク部材を有する可動体にダイナミックな動作をさせることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、前記可動アーム(左装飾回動部材524a)が前記第1位置から前記第2位置に回動した際、前記可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)の動作による演出内容と関連した演出内容の表示を前記表示装置41で行ったこととなる。
これにより、可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)の動作による演出の興趣をより一層高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、前記可動装置をなす第1可動装置(左装飾可動装置520)が配設される前記表示装置41の一側方とは反対側に第2可動装置(右装飾可動装置560)を備え、前記可動アーム(左装飾回動部材524a)の前記第1位置から前記第2位置への回動に伴い、前記第2可動装置(右装飾可動装置560)の可動演出部材(右装飾可動役物揺動部材562a、右装飾可動役物回転部材562b)を連動させたこととなる。
これにより、可動アーム(左装飾回動部材524a)が第1位置から第2位置に回動した際、第1可動装置(左装飾可動装置520)の可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)の動作に伴い、第2可動装置(右装飾可動装置560)の可動演出部材(右装飾可動役物揺動部材562a、右装飾可動役物回転部材562b)を連動させるので、表示装置41の表示画面を跨いだ演出を行うことができ、第1可動装置の可動体(左装飾可動装置第1可動部材532、左装飾可動装置第2可動部材534、左装飾可動装置第3可動部材536)の動作による演出の興趣をより一層高めることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の遊技機について説明する。なお、第1実施形態と第2実施形態とでは、遊技盤30の構成が異なるが、第1実施形態の遊技機においても、以下に説明する第2実施形態(以下、第3〜第5実施形態も同様)の遊技機における遊技内容や演出内容を適用可能である。
図61は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えた包囲枠体(前面構成体)40が配置されている。表示装置41は、包囲枠体40に設けられた凹部に、当該包囲枠体40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、包囲枠体40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示領域においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示領域には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、包囲枠体40における上部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図61に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32における包囲枠体40の左下側には三つの一般入賞口35が配置され、包囲枠体40の右下側には一つの一般入賞口35が配置されている。各一般入賞口35に入賞した遊技球は入賞口スイッチ35a(図4参照)により検出される。また、包囲枠体40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。第1特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、包囲枠体40の左上部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、一対の可動部材39c,39cを備え、この一対の可動部材39c,39cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2特別変動入賞装置39の上方には、包囲枠体40の内側への遊技球の流入を規制する鎧部40hが延出しており、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となって特別遊技状態や小当り遊技状態となった場合には、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図4参照)によって逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられて遊技球の流入が可能となり、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39a(図4参照)が配設されている。特別遊技状態や小当り遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様により決定される。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部(第3遊技状態表示器)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば、「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
確率状態表示部59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図4参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果には、はずれ、通常当り、特定当りの三種類があり、普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値により結果を決定する。結果が通常当り又は特定当りであれば、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。なお、通常当りよりも特定当りの方が普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開状態となる時間が長く、遊技者にとって有利となっている。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、包囲枠体40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示41b(図81参照)として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が小当り結果態様(特別結果)となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図62及び図63参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図64参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、遊技機10の電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図62に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図63のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図63のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから、一括表示装置50に設けられる高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、まずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS25)、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したかを判定し(ステップS28)、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、チェックサムをセーブし(ステップS33)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図64のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38a,39aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b,39b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理及び普通変動入賞装置37の動作の制御を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。図65に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。図66に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS88)の詳細について説明する。図67に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS91)、コマンドデータ出力処理(ステップS92)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS93)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS94)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS95)を実行する。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS92、S95)の詳細について説明する。図68に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS101)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS102)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS103)。そして、次のステップS104で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS104;No)と判定するとステップS102へ戻って上記処理を繰り返す。
一方、ステップS104で、オフ時間が終了した(ステップS104;Yes)と判定するとステップS105へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS101でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート131のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS106)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS107)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS108)。
そして、次のステップS109で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS109;No)と判定するとステップS107へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS109で、オン時間が終了した(ステップS109;Yes)と判定するとステップS110へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS111)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS107で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS107〜S109のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS104及びステップS109は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図69に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当り又は小当りであれば、大当りの種類又は小当りに応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り又は小当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図70に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図71に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定した場合は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA219)後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備して(ステップA220)、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞領域への遊技球の入賞を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動記憶手段をなし、始動記憶と対応して始動記憶情報(大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1から3)を記憶する。また、遊技制御装置100が、第1入賞領域(始動入賞口36)への遊技球の入賞を、第1始動記憶として第1上限値まで記憶する第1始動記憶手段をなすとともに、第2入賞領域(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞を、第2始動記憶として第2上限値まで記憶する第2始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA221)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した始動記憶情報の判定を行う先読み処理である。
図72に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA245へ移行する。一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックする(ステップA238)。
そして、ステップA238におけるチェックの結果、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(ステップA240)、ステップA242へ移行する。また、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA239;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(ステップA241)、ステップA242へ移行する。
次いで、ステップA242では、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA242)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した(ステップA243)後、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA244)、ステップA245へ移行する。
続けて、ステップA245では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA246)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA247)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA249)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(ステップA250)、特図情報設定処理(ステップA251)、後半変動パターン設定処理(ステップA252)、変動パターン設定処理(ステップA253)を行う。そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA254)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備して(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行う。続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段をなす。なお、ここでは始動記憶の発生時に事前判定を行っているが、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始前であればいつでも良い。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図73に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図74に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA302)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA304)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA305)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA306)。
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA307)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA308)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA309)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA310)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA311)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA312)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA313)を行って、特図1変動開始処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行する第1ゲーム実行手段をなす。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図75に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA322)を行う。
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA327)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、特図2変動開始処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する第2ゲーム実行手段をなす。
この特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定される。特図変動表示ゲームの変動パターンとして設定される内容には、特図変動表示ゲームの実行時間や飾り特図変動表示ゲームでの演出内容、識別情報の変動態様などがある。飾り特図変動表示ゲームでの識別情報の変動態様には、リーチや、1回の始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンや、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンが含まれる。
〔小当りフラグ1設定処理〕
図76には、図74に示す特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示した。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA341)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA342)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA343;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA343;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA344)、特図1判定データを準備する(ステップA345)。
次に、小当り判定処理(ステップA346)を行い、小当りでない場合(ステップA347)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA348)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
〔小当りフラグ2設定処理〕
図77には、図75に示す特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理を示した。この小当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ領域2にはずれ情報をセーブし(ステップA351)、大当りフラグ2が大当りかチェックする処理(ステップA352)で、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA353;Yes)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA353;No)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA354)、特図2判定データを準備する(ステップA355)。
次に、小当り判定処理(ステップA356)を行い、小当りでない場合(ステップA357)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA357;Yes)は、小当りフラグ領域2に小当り情報をセーブし(ステップA358)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。
次に、演出制御装置300によって実行される制御処理について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。主制御用マイコンでは主に図78に示す1stメイン処理が行われ、映像制御用マイコンでは主に図80に示す2ndメイン処理が行われる。
〔1stメイン処理〕
まず、1stメイン処理について説明する。図78に示すように、この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(Watchdog Timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後のシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB22)を行う。シーン制御処理では、遊技制御装置100から受信したコマンドに基づき、遊技に関する演出の実行内容や実行タイミングを制御する。例えば、後述する図81等に示すように、遊技制御装置100で選択された変動パターンに応じて、表示装置41の特図演出領域41aに表示する飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する処理を行う。また、普図変動表示ゲームの結果に応じて、表示装置41の普図演出領域41cに結果を表示する処理を実行可能である。さらに、表示装置41の普図演出領域41cに実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆する表示を行う処理を実行可能である。また、事前判定手段による判定結果(先読み結果)に関する情報を普図演出領域41cに表示する処理を実行可能である。
また、始動記憶数に応じて表示装置41に飾り特図始動記憶表示41bを表示する処理を実行可能である。また、飾り特図始動記憶表示41bで対応する始動記憶の事前判定結果を報知する処理を実行可能である。すなわち、演出制御装置300が、第1始動記憶の記憶数及び第2始動記憶の記憶数を始動記憶表示として報知する始動記憶報知手段をなす。また、演出制御装置300が、事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果を始動記憶表示において表示可能な事前判定結果表示手段をなす。
次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行うための情報を設定する遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)が出力する音声に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置46、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔コマンド受信割込み処理〕
次に、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理について説明する。このコマンド受信割込み処理では、図79に示すように、先ず、遊技制御装置100から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB51)を行う。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB52)を行う。ここで、MODEコマンドの待機中の場合(ステップB52;Yes)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB53)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB53;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB54)する。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB54;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB55)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB56)を行う。続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB57)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB58)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB53において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB53;No)、又はステップB54において、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB54;No)は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB52において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB52;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定(ステップB59)する。ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB59;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB60)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB60;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB61)する。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB61;Yes)は、ステップB55へ移行し、それ以降の処理を行う。また、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB61;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB62)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB63)を行う。続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB64)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB59において、タイムアウトとなった場合(ステップB59;Yes)、又はステップB60において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB60;No)は、ステップB65へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB65)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB66)を行う。そして、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
〔2ndメイン処理〕
次に、上記演出制御装置300の2ndCPU312によって実行される2ndメイン処理について説明する。図80に示すように、2ndメイン処理においては、先ず2ndCPUの初期化処理(ステップB71)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB72)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB73)を行い、2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)の初期化処理(ステップB74)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB75)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB76)を行う。
次いで、VDPによる画像描画を許可する処理(ステップB77)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB78)を行う。ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB79;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB79の処理を繰り返し行う。一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB79;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB80)を行い、通常ゲーム処理(ステップB81)を行い、ステップB78へ戻る。
通常ゲーム処理(ステップB81)では、図78に示す1stメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB22)での設定内容に応じて、演出コマンド編集処理(ステップB24)で主制御用マイコン(1stCPU)311から送信されるコマンドに基づき、表示装置41における表示の制御等を行う。これにより、特図変動表示ゲームの変動パターンに応じた飾り特図変動表示ゲームが表示装置41の特図演出領域41aに表示される。また、普図変動表示ゲームの結果に応じて、表示装置41の普図演出領域41cに結果が表示される。さらに、表示装置41の普図演出領域41cに特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆する表示が行われる。また、表示装置41の普図演出領域41cに事前判定手段による判定結果(先読み結果)に関する情報が表示される。
すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき選択した識別情報の変動パターンに従って表示装置41の特図演出領域41aで特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム制御手段をなす。また、演出制御装置300が、表示装置41の普図演出領域41cに普図変動表示ゲームの結果を表示可能な普図変動表示ゲーム表示手段をなす。また、演出制御装置300が、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する変動パターン示唆表示を表示可能な変動パターン示唆手段をなす。また、演出制御装置300が、事前判定手段による判定結果に関する情報を普図演出領域41cに表示可能な事前報知手段をなす。
次に、遊技の演出について説明する。上述したように、普図変動表示ゲームの結果には、通常当りと該通常当りよりも遊技者に有利な特定当りとがある。本実施形態の遊技機では、普図変動表示ゲームの結果が特定当りとなることを表示装置41において報知可能であり、さらに、同様の報知態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターンに関する情報も報知可能となっている。
図81には、表示装置41での表示態様の一例を示した。図81(a)に示すように、表示装置41の表示領域の中央には、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する特図演出領域41aが設定されている。この特図演出領域41aでは、変動パターン乱数1から3に基づき選択された変動パターンに従って識別情報を所定時間に亘り変動表示した後に結果態様が表示されるとともに各種の演出表示が表示される。
また、表示領域の下部には、特図始動記憶に関する情報を示す飾り特図始動記憶表示41bが表示されるようになっている。表示領域の左下部には第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが表示され、表示領域の右下部には第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが表示される。この飾り特図始動記憶表示41bは各々が特図始動記憶と一対一に対応しており、第1始動記憶と第2始動記憶のそれぞれで左から消化順序が早い順に並んで表示される。図81(a)に示す状態では、第1始動記憶が4つあり、第2始動記憶が0であることを示している。また、飾り特図始動記憶表示41bの表示態様によって、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆することが可能となっている。
図81(a)は、特図変動表示ゲームの結果態様に対応した飾り特図変動表示ゲームの結果態様が表示されている状態である。この後に特図始動記憶に基づき次の特図変動表示ゲームが開始されると、図81(b)に示すように識別情報の変動表示が開始される。また、消化された当該特図始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが消去され、消化順序の繰り上がりに伴い、飾り特図始動記憶表示41bが左へ移動する。この特図変動表示ゲームの実行中において、図81(c)、(d)に示すように普図変動表示ゲームの結果や特図変動表示ゲームの変動パターンや結果に関する情報を報知する普図演出領域41cを表示領域に表示可能となっている。
普図演出領域41cを表示する場合は、図81(c)に示すように表示領域の下部中央から普図演出領域41cが出現するように表示する。また、同時にキャラクタ41dが表示され、普図演出領域41cとキャラクタ41dとにより種々の演出を行う。普図演出領域41cでは、飾り特図変動表示ゲームとは別個の複数の識別情報を変動表示して停止結果を表示し、停止結果により普図変動表示ゲームの結果や特図変動表示ゲームの変動パターンや結果に関する情報を報知する。
図82には、普図演出領域41cに表示される停止結果の種類を示した。普図変動表示ゲームの結果に関する報知として、普図変動表示ゲームの結果が特定当りとなる場合には桜の花を模した表示がなされ、普図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には「×」の表示がなされる。
また、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果に関する報知として、変動パターンが擬似連変動パターンである場合には「連」の文字を表示可能である。擬似連変動パターンとは、1回の始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行うものであり、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するものとも言える。
また、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果の報知として、変動パターンがSPリーチである場合は人の顔の表示を表示可能であり、特別結果となる可能性が高い場合は「激アツ」の文字を表示可能である。また、特図始動記憶に特別結果となる可能性が高い特図始動記憶がある場合に、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでのゲーム数を複数の特図変動表示ゲームに亘り報知する連続報知を行う場合には、当該ゲーム数を示す数字を表示可能である。
また、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンである場合は、「滑」の文字を表示可能である。また、確率状態を明確に報知していない潜伏状態中に高確率状態である可能性が高いことを示す「潜」の文字を表示可能である。また、実行中の特図変動表示ゲームが特別結果となる場合には「大当」の文字を表示可能である。
さらに、各停止結果に「?」を付加した表示を行うことも可能である。この場合は、「?」が付加されない場合よりも停止結果が示唆する状態となる可能性が低いことを示し、例えばガセの演出として用いる。また、普図演出領域41cでは、普図変動表示ゲームの結果よりも遊技者の関心が高い特図変動表示ゲームの変動パターンや結果に関する報知が優先的に行われるようになっている。このように普図演出領域41cで普図変動表示ゲームの結果だけでなく特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する演出も実行可能とすることで、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなって、遊技の興趣を高めることができる。
図83には、擬似連変動パターンであることを報知する場合の例を示した。特図変動表示ゲームの開始後、図83(a)に示すように普図演出領域41cが表示され、当該普図演出領域41cで識別情報が変動表示される。そして、図83(b)に示すように、飾り特図変動表示ゲームで最後の識別情報が停止する前に、普図演出領域41cに「連」の表示がなされ、擬似連変動パターンであって再変動表示がなされることが示される。
その後、図83(c)に示すように、飾り特図変動表示ゲームで最後に停止する識別情報として、再変動表示が行われることを示す「連」の表示がなされて識別情報が仮停止した状態となる。この仮停止した状態では識別情報が揺れるように表示されて完全に停止していないことが示される。なお、飾り特図変動表示ゲームでの「連」の表示は、最終的に停止しない図柄(結果態様には含まれない図柄)でも良い。また、飾り特図変動表示ゲームでの「連」の表示を「2」としても良く、仮停止図柄が「123」の順列でも良い。この仮停止の状態が所定時間継続した後に、図83(d)に示すように再変動表示が行われる。このとき、一回目の再変動表示であることが判るように、特図演出領域41aに再変動表示回数表示41eをなす「連」の文字表示を一つした状態とされる。
この例では再変動表示が行われた後の変動表示中に、図83(e)に示すように再び普図演出領域41cが表示されて、飾り特図変動表示ゲームで最後の識別情報が停止する前に、普図演出領域41cに「連」の表示がなされ、もう一度再変動表示が行われることが示されている。その後、図83(f)に示すように、飾り特図変動表示ゲームで最後に停止する識別情報として、再変動表示が行われることを示す「連」の表示が停止されて仮停止した状態となり、図83(g)に示すように、再変動表示が行われる。このとき、二回目の再変動表示であることが判るように、特図演出領域41aに再変動表示回数表示41eをなす「連」の文字表示を二つした状態とされる。
さらにこの例では図83(h)に示すように、二回目の再変動表示中に普図演出領域41cが表示されて、飾り特図変動表示ゲームで最後の識別情報が停止する前に、普図演出領域41cに「連」の表示がなされ、もう一度再変動表示が行われることが示される。この後、上述と同様の演出が行われて三回目の再変動表示が行われる。
図84には、記憶されている特図始動記憶に特別結果となる可能性が高い特図始動記憶がある場合に、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでのゲーム数を報知する連続報知の例を示した。この例では、消化順序が1番目の特図始動記憶a、消化順序が2番目の特図始動記憶b、消化順序が3番目の特図始動記憶cがあり、消化順序が3番目の特図始動記憶cに基づく特図変動表示ゲームで特別結果が導出される場合の例を示した。
まず、消化順序が1番目の特図始動記憶aに基づく特図変動表示ゲームが開始され、この特図変動表示ゲームの実行中に、図84(a)に示すように普図演出領域41cが表示される。そして、図84(b)に示すように2つ後の特図変動表示ゲームで特別結果が導出される可能性が高いことを報知する「2」の表示がなされて、図84(c)に示すように特図始動記憶aに基づく特図変動表示ゲームが終了する。
また、図84(a)から(c)に示すように、表示装置41には特図始動記憶bに対応する飾り特図始動記憶表示41b−b及び特図始動記憶cに対応する飾り特図始動記憶表示41b−cが表示される。特図始動記憶bに対応する飾り特図始動記憶表示41b−bは通常の表示態様(ここでは花びら一枚の表示態様)で表示されているが、特別結果となる特図始動記憶cに対応する飾り特図始動記憶表示41b−cは通常とは異なる特定表示態様(ここでは花が咲いた表示態様)で表示され、特別結果となる可能性が高いことが事前報知されている。なお、このような事前報知は行わなくても良い。
図84(d)に示すように、特図始動記憶bに基づく特図変動表示ゲームが開始されると、再度普図演出領域41cが表示され、図84(e)に示すように次の特図変動表示ゲームで特別結果が導出される可能性が高いことを報知する「1」の表示がなされて、図84(f)に示すように特図始動記憶bに基づく特図変動表示ゲームが終了する。そして、図84(g)に示すように、特図始動記憶cに基づく特図変動表示ゲームが開始されると、再度普図演出領域41cが表示され、図84(h)に示すように当該特図変動表示ゲームで特別結果が導出される可能性が高いことを報知する「0」の表示がなされる。この例ではこの特図変動表示ゲームの結果として図84(i)に示すように特別結果が導出されている。
このように、普図演出領域41cを用いて特別結果が導出される特図変動表示ゲームに亘る複数の特図変動表示ゲームで連続した演出も行うことができ、遊技の興趣を効果的に高めることができる。なお、図84(j)に示すように、擬似連変動パターンでの残り再変動表示回数を表示するようにし、擬似連変動パターンにおいて図84(a)から(i)に示す演出と類似の演出を行うようにしても良い。
図85には、変動パターンがSPリーチであることを報知する人の顔の表示がなされた場合の例を示した。図85(a)に示すように、普図演出領域41cに人の顔の表示がなされた場合は、その後図85(b)に示すように、キャラクタ41dの種類や服装の色、動作などによりSPリーチの種類や特別結果となる可能性の高さが報知される。なお、普図演出領域41cに表示する人の顔の表示により出現するキャラクタ41dを示唆するようにしても良い。
図86には、その他の演出例を示した。図86(a)に示すように普図演出領域41cが表示される際に出現するキャラクタ41dが飾り特図始動記憶表示41bの前を通過した際に、当該飾り特図始動記憶表示41bの表示態様を変化させることで、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を事前に報知する事前報知が開始されるようにしても良い。この例では、消化順序が1番目の特図始動記憶aと消化順序が2番目の特図始動記憶bとがあり、それぞれに対応する飾り特図始動記憶表示41b−a、41b−bが通常の表示態様で表示されている状態から、特図始動記憶bに対応する飾り特図始動記憶表示41b−bが特定表示態様に変化した状態を示している。
また、図86(b)に示すように普図演出領域41cに停止結果を表示した後、図86(c)、(d)に示すようにキャラクタ41dが停止結果を変更するようにしても良い。そして、図86(e)に示すように、停止結果の変更の結果として、普図演出領域41cに実行中の特図変動表示ゲームの結果態様を報知する表示を行い、図86(f)に示すように普図演出領域41cを特図演出領域41aに向けて拡大するように表示して、図86(g)に示すように飾り特図変動表示ゲームの結果態様が導出されるような演出を行うようにしても良い。
〔普図演出領域表示制御処理〕
以上のような普図演出領域41cでの演出を行うため、演出制御装置300では、図78に示す1ndメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB22)において、図87に示す普図演出領域表示制御処理を行う。この普図演出領域表示制御処理では、まず、複数の特図変動表示ゲームに亘る連続報知(図84参照)の実行中であるかを判定する(ステップB91)。この連続報知の実行中である場合(ステップB91;Yes)は、普図演出領域表示制御処理を終了する。また、連続報知の実行中でない場合(ステップB91;No)は、特図変動表示ゲームの開始タイミングであるかを判定する(ステップB92)。
特図変動表示ゲームの開始タイミングである場合(ステップB92;Yes)は、当該特図変動表示ゲームの結果及び変動パターンを参照し、結果又は変動パターンの報知を実行するかを判定する(ステップB93)。この処理では例えば、結果が特別結果である場合に報知の実行を所定確率で決定する。また、結果がはずれである場合にも特別結果となる場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。また、変動パターンが擬似連変動パターン、SPリーチ、滑り変動パターンの何れかである場合は、これらの報知の実行を所定確率で決定する。また、これらの変動パターンでない場合にもこれらの変動パターンとなる場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。
報知を実行する場合(ステップB94;Yes)は、表示内容を設定し(ステップB102)、普図演出領域表示制御処理を終了する。この場合の表示内容の設定では、結果に応じて「大当」、「激アツ」又はこれらに「?」を付加した表示若しくは図86(d)から(f)に示したような表示の何れかを選択する。ただし、「大当」や図86(d)から(f)に示した表示は結果が大当りである場合のみ選択可能である。また、変動パターンが擬似連変動パターン、SPリーチ、滑り変動パターンの何れかである場合は、これらに対応する表示又はこれらの表示に「?」を付加した表示の何れかを選択する。ただし、「?」を付加しない表示は対応する変動パターンとなる場合のみ選択可能である。また、図85に示したようなキャラクタ41dの動作等も設定される。
さらに、報知を実行するタイミングの設定も行われる。結果に関する報知では、結果が導出されるまでの任意のタイミングで報知が行われるように設定する。また、変動パターンに関する報知では、当該変動パターンであることを識別情報や演出態様から遊技者が認識できるようになる前に報知を行うように設定される。さらに、擬似連変動パターンの再変動表示動作や滑り変動パターンでの滑り変動表示動作が複数回行われる場合は、各変動表示動作の前に報知が行われるように設定される。
結果や変動パターンの報知を実行しない場合(ステップB94;No)は、事前判定の結果を参照し(ステップB95)、連続報知を実行するかを判定する(ステップB96)。この処理では例えば、遊技制御装置100で行われた特図始動記憶の事前判定の結果、特別結果となる特図始動記憶がある場合に報知の実行を所定確率で決定する。また、事前判定の結果、はずれであるがSPリーチとなる特図始動記憶がある場合にも特別結果となる特図始動記憶がある場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。さらに、特別結果又はSPリーチとなる特図始動記憶がない場合にも、はずれであるがSPリーチとなる特図始動記憶がある場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。
連続報知を実行する場合(ステップB96;Yes)は、表示内容を設定し(ステップB102)、普図演出領域表示制御処理を終了する。この場合の表示内容の設定では、特別結果又はSPリーチとなる特図始動記憶までのゲーム数に応じた数字を選択する。また、特別結果又はSPリーチとなる特図始動記憶がない場合に報知の実行が選択された場合は、数字に「?」を付加した表示を選択する。さらに、連続報知の実行対象となる各特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて報知を行うようにする設定及びこれらの特図変動表示ゲームでの表示内容の設定も行われる。
連続報知を実行しない場合(ステップB96:No)は、確率報知状態を参照し(ステップB97)、確率状態の報知を実行するかを判定する(ステップB98)。この処理では、特図変動表示ゲームで特別結果が導出される確率の状態を明確に報知していない場合に報知の実行を所定確率で決定する。この場合、高確率状態である場合は通常確率状態である場合よりも高い確率で報知の実行を決定する。
確率状態の報知を実行する場合(ステップB98;Yes)は、表示内容を設定し(ステップB102)、普図演出領域表示制御処理を終了する。この場合の表示内容の設定では、確率状態に応じて「潜」、「潜?」の何れかを選択する。ただし、高確率状態である場合の方が通常確率状態である場合よりも「潜」の選択確率を高くする。さらに、報知を実行するタイミングの設定も行われる。
確率状態の報知を実行しない場合(ステップB98;No)又は特図変動表示ゲームの開始タイミングでない場合(ステップB92;No)は、特定の演出の実行中であるかを判定する(ステップB99)。特定の演出とは、例えば、画面全体で演出表示を行うSPリーチの演出や、普図演出領域41cでの特図変動表示ゲームに関する報知の演出である。
この特定の演出の実行中である場合(ステップB99;Yes)は、普図演出領域表示制御処理を終了する。また、特定の演出の実行中でない場合(ステップB99;No)は、普図結果を参照し(ステップB100)、普図に関する報知を実行するかを判定する(ステップB101)。この処理では、普図変動表示ゲームの結果が特定当りである場合に報知の実行を所定確率で決定する。また、普図変動表示ゲームの結果がはずれである場合にも特定当りである場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。
普図に関する報知を実行しない場合(ステップB101;No)は、普図演出領域表示制御処理を終了する。また、普図に関する報知を実行する場合(ステップB101;Yes)は、表示内容を設定し(ステップB102)、普図演出領域表示制御処理を終了する。この場合の表示内容の設定では、普図変動表示ゲームの結果に対応した表示又はこれらの表示に「?」を付加した表示の何れかを選択する。ただし、特定当りであることを示す表示は結果が特定当りである場合のみ選択可能である。さらに、報知を実行するタイミングの設定も行われ、普図変動表示ゲームでの結果の導出に合わせて普図演出領域41cに停止結果が表示されるようにする。
以上の処理により、普図演出領域41cでの表示内容が設定され、所定のタイミングで図81から図86に示したような演出が実行される。なお、普図演出領域41cで普図変動表示ゲームに関する報知を実行中に特図変動表示ゲームに関する報知の実行が決定された場合には、普図変動表示ゲームに関する報知に替えて特図変動表示ゲームに関する報知を行うようにしても良いし、特図変動表示ゲームに関する報知を行わないようにしても良い。また、特図変動表示ゲームに関する報知内容によって実行の可否を選択するようにしても良く、例えばガセの報知である場合には普図変動表示ゲームに関する報知を優先するようにしても良い。また、「?」を付加する表示の実行を演出制御装置300で決定するようにしたが、遊技制御装置100で行う変動パターンの選択の結果や抽選に基づき「?」を付加する表示の実行を決定するようにしても良い。また、ステップB95からB98の処理は、ステップB99の後に行うようにしても良い。
以上のことから、遊技領域32に設けられた始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞することに基づき、表示装置41で複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームを実行し、該特図変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、始動入賞領域をなし、遊技球が入賞しやすい状態と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態と、に変化可能な普通変動入賞装置37と、遊技領域32に設けられ遊技球の通過を検出する普図始動ゲート34と、該普図始動ゲートへの遊技球の通過に基づき、普図変動表示ゲームを実行する普図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)と、表示装置41の普図演出領域41cに普図変動表示ゲームの結果を表示可能な普図変動表示ゲーム表示手段(演出制御装置300)と、普図変動表示ゲームが特定結果となることに基づき、普通変動入賞装置37を遊技球が入賞しやすい状態に状態変換する普通変動入賞装置制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき選択した識別情報の変動パターンに従って表示装置41の特図演出領域41aで特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する変動パターン示唆表示を表示可能な変動パターン示唆手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。ここで、特図変動表示ゲームの変動パターンについての示唆内容は、リーチの有無や擬似連の有無、変動時間の長さなど、何でも良い。
また、特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、変動パターンとして、1回の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンを選択可能であり、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、擬似連変動パターンの実行を予告する変動パターン示唆表示を表示可能であることとなる。ここで、擬似連変動パターンの実行の予告とは、例えば、再変動表示が行われることを示唆することや、再変動表示の回数を示唆することなどである。
また、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、再変動表示動作の実行毎に当該再変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を普図演出領域41cに表示可能であることとなる。
また、特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、表示装置41で複数の識別情報を含む複数の識別情報列の各々で識別情報を変動表示し、各識別情報列において導出した識別情報の組み合せにより結果を表示する特図変動表示ゲームを実行し、変動パターンとして、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンを選択可能であり、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、滑り変動表示動作の実行毎に当該滑り変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を普図演出領域41cに表示可能であることとなる。
また、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、特図変動表示ゲーム制御手段は、始動記憶に基づき特図変動表示ゲームを実行するように構成され、始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段による判定結果に関する情報を普図演出領域41cに表示可能な事前報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
ここで、始動記憶情報とは、始動記憶に基づき実行される変動表示ゲームの実行態様(変動パターン等)や変動表示ゲームの結果、当該結果が特別結果である場合における特別遊技状態の実行態様(ラウンド数等)、を決定するための情報である。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、普図演出領域41cにて、所定の結果となる特図変動表示ゲームの実行までのゲーム数を各特図変動表示ゲームの実行毎に表示可能であることとなる。
次に、特別結果が導出される際の演出について説明する。本実施形態の遊技機では、事前判定手段により特別結果となると判定された特図始動記憶が存在する状態で結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行している場合、すなわち、2回の特別遊技状態が発生すると判定された場合に、当該特図変動表示ゲームの結果が特別結果であること及び特別結果となる特図始動記憶が存在することを報知可能となっている。
図88には、特別結果の導出態様を示した。結果が特別結果となる場合には、まず、図88(a)に示すように特図変動表示ゲームで特別結果態様が仮停止した状態となる。この状態では識別情報が揺れるように表示されて完全には停止していないことを示している。その後、図88(b)に示すように識別情報の再変動表示が行われて図88(c)から(f)に示す特別結果態様が導出される。
図88(c)に示すように偶数数字の特別結果態様は、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる通常大当りであることを示す特別結果態様であり、図88(d)に示すように奇数数字の特別結果態様は、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる確変大当りであることを示す特別結果態様である。また、図88(e)に示す特別結果態様は、数字により特別遊技状態の終了後に高確率状態となるか否かを報知する(ここでは通常確率状態となることを報知)とともに、特殊表示をなす「EX」の文字表示により特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶があることを示す特別結果態様(特殊図柄)である。すなわち、2回の特別遊技状態の発生を報知する特別結果態様である。
また、図88(f)に示す特別結果態様は、数字により特別遊技状態の終了後に高確率状態となるか否かを報知する(ここでは通常確率状態となることを報知)とともに、特殊表示をなす「EX」の文字表示の態様により特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶が複数あることを示す特別結果態様(特殊図柄)である。すなわち、3回以上の特別遊技状態の発生を報知する特別結果態様である。ここでは特別結果となる始動記憶が複数あることのみを報知しているが、例えば特別結果となる特図始動記憶が4つある場合に「EX×4」のように、より具体的な数を報知するようにしても良い。
このように、実行した特図変動表示ゲームが特別結果となることだけでなく、特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶があることも報知するようにしたことで、報知が行われれば特別結果が連続して発生することが約束されるため、実行中の特図変動表示ゲームが特別結果となることへの期待感に加え、報知が行われることに対する期待感も持たせることができ、遊技性が広がり遊技の興趣を高めることができる。
また、従来は確変大当りの結果態様を当初から表示した後に価値の低い通常大当りの結果態様へ変更する演出は遊技の興趣が低下するので行われることはなく、確変大当りの結果態様を当初から表示した場合に効果的な演出を行うことができなかった。さらに、大当りの種類によらず特別遊技状態の終了後に所定のゲーム数を実行するまで高確率状態とするいわゆるST機では、すべてが確変大当りとなるので昇格演出をしても意味がなく、これに代わる効果的な演出が必要となっていた。しかし本実施形態のようにすることで、確変大当りの結果態様を当初から表示した場合でも、さらに特殊図柄への変更を行うという従来にない効果的な演出を行うことが可能となる。また、大当りの種類によらず特別遊技状態の終了後に所定のゲーム数を実行するまで高確率状態とするいわゆるST機においてはこれまでにない効果的な演出を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機では、特別結果となる特図始動記憶に基づく特別遊技状態が発生する前に、当該特別結果に基づく特別遊技状態で実行可能となるラウンド遊技の回数を報知する次回ラウンド数報知が可能となっている。図89にはこのような報知の一例を示した。
図89(a)に示すように、特図変動表示ゲームで特別結果が導出されると、まず、当該特別結果に基づく特別遊技状態で実行されるラウンド遊技の回数(ここでは6回)が報知される。そして、特別結果となる特図始動記憶がある場合は、図89(b)に示すように当該特別結果に基づく特別遊技状態で実行されるラウンド遊技の回数(ここでは16回)が報知され、その後、導出された特別結果に基づく特別遊技状態が開始される。すなわち、特別結果が導出される特図変動表示ゲームにおいて、特別結果となる特図始動記憶に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の回数を報知する結果表示中次回ラウンド数報知を実行可能である。
また、図89(a)に示すように発生した特別結果により実行されるラウンド遊技の回数(ここでは6回)が報知された後、当該特別結果に基づく特別遊技状態中において、図89(d)に示すように、特別結果となる特図始動記憶があることを示唆し、当該特別結果に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の回数を示唆する報知を行うことも可能である。そして、実際に特別結果となる特図始動記憶がある場合には、図89(e)に示すように特別結果となる特図始動記憶に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の回数を確定的に報知することが可能である。すなわち、特別遊技状態中において、特別結果となる特図始動記憶に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の回数を報知する特別遊技中次回ラウンド数報知を実行可能である。
図89(d)に示すような示唆報知の態様としては、遊技者にとってより有利になる報知を順次行うことが効果的である。例えば、特別結果の種類により選択可能なラウンド遊技の回数として6ラウンドと16ラウンドがある場合、「+6Rかも」、「+6R確定」、「+16Rかも」、「+16R確定」、「確変」、「複数当り」のような順で報知を行う。なお、「+6Rかも」のように確定的ではない報知は、特別結果となる特図始動記憶がない場合に行っても良い。また、次回ラウンド数報知は、図88に示す報知と併せて行っても良いし、図88に示したような報知を行っていない場合にも行うようにしても良い。
このような次回ラウンド数報知を行うことで、遊技者の期待感を高めることができるとともに、後に発生する特別遊技状態でのラウンド遊技の回数を予め把握できるので、例えば球箱を早めに用意するなど、特別遊技状態が連続する場合の準備をすることができる。
〔再変動処理〕
また、演出制御装置300では、特別結果となる特図変動表示ゲームの実行中に図90に示す再変動処理を行う。この再変動処理では、まず、始動記憶の発生時に演出制御装置300に送信されて記憶されていた事前判定の結果を参照して、始動記憶内に大当りとなる始動記憶があるかを判定する(ステップB111)。始動記憶内に大当りとなる始動記憶がない場合(ステップB111;No)は再変動処理を終了する。また、始動記憶内に大当りとなる始動記憶がある場合(ステップB111;Yes)は、実行中の特図変動表示ゲームの特別結果態様を特殊図柄に変更するかを判定する(ステップB112)。
特殊図柄に変更するかの判定(ステップB112)では、例えば所定の確率で特殊図柄への変更を選択する。そして、実行中の特図変動表示ゲームの特別結果態様を特殊図柄に変更しない場合(ステップB112;No)は、結果表示中次回ラウンド数報知を設定する処理を行う(ステップB115)。また、実行中の特図変動表示ゲームの特別結果態様を特殊図柄に変更する場合(ステップB112;Yes)は、特別結果態様を特殊図柄に変更する処理(ステップB113)を行う。この処理により、図88(e)又は(f)に示したような特別結果態様が設定される。
すなわち、演出制御装置300が、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で結果が特別結果となる変動表示ゲームを実行している場合に、当該変動表示ゲームの結果が特別結果であること及び特別結果となる始動記憶が存在することを報知可能な複数特別結果報知手段をなす。
次に、結果表示中次回ラウンド数報知を行うかを判定する(ステップB114)。結果表示中次回ラウンド数報知とは、図89(b)に示したように特別結果が導出される特図変動表示ゲームにおいて、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数を報知するものである。結果表示中次回ラウンド数報知を行うかの判定(ステップB114)では、例えば所定確率で結果表示中次回ラウンド数報知の実行を選択する。
この結果表示中次回ラウンド数報知を行わない場合(ステップB114;No)は、特別遊技中次回ラウンド数報知を行うかを判定する(ステップB117)。また、結果表示中次回ラウンド数報知を行う場合(ステップB114;Yes)は、結果表示中次回ラウンド数報知を設定する(ステップB115)。この処理により、図89(b)に示したような報知が設定される。
そして、ラウンド数の一部報知であったかを判定する(ステップB116)。ラウンド数の一部報知とは、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数のうち、一部を報知することである。このラウンド数の一部報知でない場合(ステップB116;No)、すなわち、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数を全て報知した場合は再変動処理を終了する。また、ラウンド数の一部報知である場合(ステップB116;Yes)、すなわち、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数のうち、報知していないラウンド回数がある場合は、特別遊技中次回ラウンド数報知を実行するかを判定する(ステップB117)。
特別遊技中次回ラウンド数報知とは、図89(d)、(e)に示したように、特別遊技状態中において、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数を報知するものである。特別遊技中次回ラウンド数報知を行うかの判定(ステップB117)では、例えば所定確率で特別遊技中次回ラウンド数報知の実行を選択する。
この特別遊技中次回ラウンド数報知を行わない場合(ステップB117;No)は、再変動処理を終了する。また、特別遊技中次回ラウンド数報知を行う場合(ステップB117;Yes)は、特別遊技中次回ラウンド数報知を設定し(ステップB118)、再変動処理を終了する。この処理により、図89(d)、(e)に示したような報知が設定される。
なお、特別結果となる特図変動表示ゲームにおける変動時間の終了になるべく近い時期に図90に示す再変動処理を行うようにすれば、特別結果となる特図変動表示ゲームの開始から所定期間内に発生した特図始動記憶が特別結果となる場合に、当該特図始動記憶の存在についての報知を行うことができるようになり、報知の機会を増やすことができる。また、図90に示す再変動処理におけるステップB114からB116の処理と、ステップB117、B118の処理は、それぞれの報知の実行に間に合う時期まで独立して別個に実行するようにして報知の機会を増やすようにしても良い。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、表示装置41にて変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が特別結果であった場合に、特別変動入賞装置38への遊技球の入賞を容易とする特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞領域への遊技球の入賞を始動条件の成立として上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で結果が特別結果となる変動表示ゲームを実行している場合に、当該変動表示ゲームの結果が特別結果であること及び特別結果となる始動記憶が存在することを報知可能な複数特別結果報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
ここで、始動記憶情報とは、始動記憶に基づき実行される変動表示ゲームの実行態様(変動パターン等)や変動表示ゲームの結果、当該結果が特別結果である場合における特別遊技状態の実行態様(ラウンド数等)、を決定するための情報である。
また、特別遊技状態は、特別変動入賞装置38を所定期間に亘り開状態とするラウンド遊技を所定回数実行可能であり、複数特別結果報知手段(演出制御装置300)は、特別結果となる始動記憶に基づき発生する特別遊技状態で実行されるラウンド遊技の回数を報知可能であることとなる。
また、本実施形態の遊技機では、二つの特別遊技状態を連続した一の特別遊技状態であるかのように見せることが可能となっている。図91には、このような場合の一例を示した。この例では、一回目の特別結果に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の実行回数が16ラウンドであり、この特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶のうち、二番目に実行される特図始動記憶が特別結果となるものである場合を示している。
特別遊技状態では、ラウンド遊技とラウンド遊技の間に所定時間のインターバルが挟まれるようになっており、15回目のラウンド遊技(t1からt2)の終了後、インターバル期間(t2からt3)を挟んで最終の16回目のラウンド遊技(t3からt4)が実行される。この16回目のラウンド遊技の終了により特別遊技状態が終了し、特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される。
ここで、特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶がある場合は、特別遊技状態の終了(t4)から、当該特別結果となる特図変動表示ゲームが終了して次の特別遊技状態でラウンド遊技が開始(t9)されるまでの期間である接続期間の長さ(t4からt9)が、インターバル期間(t2からt3)と同じ長さとなるようにされている。
また、接続期間(t4からt9)においては、インターバル期間と同じ演出である擬似インターバル演出が行われる。さらに、接続期間後の特別遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数が先に導出された特別結果に基づく特別遊技状態での計数結果に加算して計数されるようになっており、この例では、接続期間後の特別遊技状態における1回目のラウンド遊技が17ラウンド目として報知される。これによって二つの特別遊技状態を連続した一の特別遊技状態であるかのように見せることができ、遊技の興趣を高めることができる。
〔特図変動時間変更処理〕
このような制御を行うため、遊技制御装置100では、図92に示す特図変動時間変更処理を行う。この特図変動時間変更処理では、まず、始動記憶内に大当りとなる始動記憶があるかを判定し(ステップA371)、始動記憶内に大当りとなる始動記憶がない場合(ステップA371;No)は、特図変動時間変更処理を終了する。
また、始動記憶内に大当りとなる始動記憶がある場合(ステップA371;Yes)は、特別結果となる特図始動記憶及び当該特図始動記憶より前に消化される特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間を変更する(ステップA372)。この処理では、特別結果となる特図始動記憶及び当該特図始動記憶より前に消化される特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間の合計値が、インターバル時間と同じ時間となるように変更を行う。その後、変更情報を演出制御装置300に送信し(ステップA373)、特図変動時間変更処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、特別結果となる特図始動記憶及び当該特図始動記憶より前に消化される特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間を変更可能な変更手段(遊技制御装置100)をなす。
ここで、特別遊技状態の終了から特図変動表示ゲームを開始するまでにエンディング期間がある場合や、特別結果を導出した特図変動表示ゲームの終了からラウンド遊技の開始までにファンファーレ期間がある場合は、これらの時間と、特別結果となる特図始動記憶及び当該特図始動記憶より前に消化される特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間との合計値がインターバル時間と同じ時間となるように特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間の変更を行う。なお、エンディング期間やファンファーレ期間を設定しない(時間値を0とする)ようにしても良い。
〔演出変更処理〕
演出制御装置300では、図93に示す演出変更処理を行う。この演出変更処理では、まず、変更情報を受信したかを判定し(ステップB131)、変更情報を受信した場合(ステップB131;Yes)は、ゲーム演出変更処理を行い(ステップB132)、演出変更処理を終了する。ゲーム演出変更処理(ステップB132)では、特別遊技状態における最終ラウンドの終了から次の特別遊技状態におけるラウンド遊技の開始までの演出をインターバル期間の演出と同様の擬似インターバル演出に変更する。すなわち、演出制御装置300が、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で特別遊技状態を実行している場合に、実行中の特別遊技状態における最終のラウンド遊技の終了から、次に導出される特別結果に基づく特別遊技状態における最初のラウンド遊技の開始までの期間(接続期間)において、特別遊技状態におけるラウンド遊技間において実行するインターバル演出と同様の擬似インターバル演出を行うことが可能な擬似インターバル演出手段をなす。
〔ラウンド数計数処理〕
また、演出制御装置300では、図94に示すラウンド数計数処理を行う。このラウンド数計数処理では、まず、ラウンド遊技が開始されたかを判定し(ステップB141)、開始されていない場合(ステップB141;No)は、特別遊技状態が終了したかを判定する(ステップB143)。また、ラウンド遊技が開始された場合(ステップB141;Yes)は、ラウンド数カウンタを+1更新する(ステップB142)。このラウンド数カウンタの計数値は表示装置41に表示され、遊技者がラウンド遊技の実行回数を把握できるようになっている。すなわち、演出制御装置300が、特別遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数を計数して報知するラウンド遊技回数報知手段をなす。
その後、特別遊技状態が終了したかを判定し(ステップB143)、特別遊技状態が終了していない場合(ステップB143;No)は、ラウンド数計数処理を終了する。また、特別遊技状態が終了した場合(ステップB143;Yes)は、変更情報を受信したかを判定する(ステップB144)。変更情報を受信していない場合(ステップB144;No)は、ラウンド数カウンタをクリアし(ステップB145)、ラウンド数報知処理を終了する。これにより、次回の特別遊技状態ではラウンド数が1から計数される。また、変更情報を受信している場合(ステップB144;Yes)は、ラウンド数報知処理を終了する。これにより、擬似インターバル演出の直後に実行される特別遊技状態では、現在の計数値に加算してラウンド数が計数される。
以上のことから、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で特別遊技状態を実行している場合に、実行中の特別遊技状態における最終のラウンド遊技の終了から、次に導出される特別結果に基づく特別遊技状態における最初のラウンド遊技の開始までの期間において、特別遊技状態におけるラウンド遊技間において実行するインターバル演出と同様の擬似インターバル演出を行うことが可能な擬似インターバル演出手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数を計数して報知するラウンド遊技回数報知手段(演出制御装置300)を備え、ラウンド遊技回数報知手段は、擬似インターバル演出手段(演出制御装置300)により擬似インターバル演出が行われた場合に、当該擬似インターバル演出の直後に実行される特別遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数を、擬似インターバル演出の直前に実行された特別遊技状態での計数結果に加算して計数するようにしたこととなる。
また、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で特別遊技状態を実行している場合に、特別結果となる始動記憶及び当該始動記憶より前に消化される始動記憶に基づく変動表示ゲームの変動時間、停止時間を変更可能な変更手段(遊技制御装置100)を備え、変更手段は、特別遊技状態における最終のラウンド遊技の終了から、後に導出される特別結果に基づく特別遊技状態における最初のラウンド遊技の開始までの期間が、特別遊技状態におけるラウンド遊技間のインターバル期間と同じ時間になるように変動表示ゲームの変動時間及び停止時間を変更するようにしたこととなる。
以上のような演出を行うことで、ラウンド遊技の回数が次々に上乗せされるような演出を行うことができ、複数発生する特別遊技状態を従来にない斬新な実行態様で行うことが可能となる。また、これにより従来の遊技機とは趣の違う遊技機とすることができる。
例えば、従来は複数の特別遊技状態が連続する場合でもそれぞれ別個に行うのみであり、遊技者は特別結果の導出回数を自身の遊技結果として評価しているが、本実施形態の遊技機のようにすることで、連続したラウンド遊技の実行回数を自身の遊技結果を評価するようになる。特別結果の導出回数よりもラウンド遊技の実行回数の方が遊技結果としての振れ幅が大きくなり、波が大きい印象を与えることができて興趣の高い遊技機とすることができる。
また、従来は2R大当りのようにラウンド回数の少ない特別結果は遊技者にとってほとんど意味を成さないものであり、これが頻発することで遊技者が不満感を持つこともあったが、本実施形態の遊技機では2R大当りを2回のラウンド遊技が上乗せされるものとして有効に活用できるようになる。また、従来は特別結果によって選択可能なラウンド遊技の回数の種類を多くすると遊技が複雑化した印象を与えてしまっていたが、本実施形態の遊技機では特別結果によって選択可能なラウンド遊技の回数の種類を多くしても遊技が複雑化することなく、むしろ上乗せ回数が多彩になって興趣を高めることができるようになり、遊技内容の設定の自由度が高まる。
なお、以上の説明では、特別結果となる特図変動表示ゲームの実行中に特別結果となる特図始動記憶がある場合には、当該特図変動表示ゲームの実行中に特殊図柄による報知又は結果表示中次回ラウンド数報知により特別結果となる特図始動記憶の存在を報知するようにしたが、これらの何れも行わず、特別遊技中次回ラウンド数報知のみを行うようにしても良い。
また、特別遊技中次回ラウンド数報知の報知態様は図32に示したものに限られず、例えば、特別遊技状態中に残りラウンド回数を表示するようにし、特別遊技状態の所定タイミングで残りラウンド回数に、未だ報知していない残りラウンド回数及び次回の特別遊技状態で実行可能なラウンド回数の一部又は全部が上乗せされる(加算される)ような演出としても良い。また、特殊図柄による報知を行った場合のみ次回ラウンド数報知や、接続期間での変動時間等の変更及び擬似インターバル演出を行うようにしても良い。
また、特別遊技状態の終了から次の特別遊技状態でラウンド遊技が開始されるまでの接続期間では、少なくとも遊技者に二つの特別遊技状態が連続して発生している印象を持たせることができれば良い。よって、接続期間とインターバル期間とを必ずしも同じ長さにしなくても良く、接続期間で実行する特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間を所定の時間に設定(例えば、変動時間を0.3秒とし、停止時間を0.2秒)したり、変更を行わないようにしたりしても良い。
また、接続期間の演出をインターバル期間の演出と同様の擬似インターバル演出とするとしたが、これに限られるものではなく、例えば、特別遊技状態が連続することを報知又は示唆する演出や、通常の演出としても良く、特別遊技状態の開始を準備している旨の表示を行ったり、特別遊技状態の開始までに亘る所定の前兆演出を実行したりするようにしても良い。また、接続期間における各特図変動表示ゲームにおいて、次に発生する特別遊技状態における実行可能なラウンド回数を分割して報知し、各特図変動表示ゲームで報知されたラウンド回数を残りラウンド回数として上乗せするような演出としても良い。
図95には、特別遊技状態の実行態様の別例を示した。この例での特別遊技状態は、当該特別遊技状態で実行可能なラウンド回数である実行可能回数を特別結果に基づき選択するようになっている。実行可能回数として選択可能なラウンド回数は予め数種類に定められているが、特別結果を導出した際には何れの実行可能回数が選択されたかが明確に報知されない。そして、特別遊技状態において実行したラウンド回数が、実行可能回数として選択可能な回数に到達した際、すなわち、特別遊技状態が終了する可能性がある場合に、特別遊技状態が継続するか否かを報知する継続報知演出が行われるようになっており、この継続報知演出を行う期間として所定時間の継続報知期間が設定される。
図95に示す例では、選択可能な実行可能回数として10ラウンドと16ラウンドとがある遊技機であって、実行可能回数として16ラウンドが選択された場合と、実行可能回数として10ラウンドが選択され、特別遊技状態の実行中に記憶されている始動記憶のうち二番目の始動記憶が特別結果となる場合の特別遊技状態の実行態様を示している。
9回目のラウンド遊技(t21からt22)の終了後、インターバル期間(t22からt23)を挟んで10回目のラウンド遊技が実行される(t23からt24)。この10回目のラウンド遊技の終了後に継続報知期間(t24からt25)となり継続報知演出が行われる。
実行可能回数として16ラウンドが選択されている場合は、継続報知演出として特別遊技状態が継続する旨の演出が行われ、11回目のラウンド遊技が開始される(t25)。なお、実行可能回数として10ラウンドが選択されており、始動記憶に特別結果となるものがない場合は、継続報知演出で特別遊技状態が終了する旨の演出が行われ、継続報知期間の終了とともに特別遊技状態が終了する。
また、実行可能回数として10ラウンドが選択され、特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶がある場合は、特別遊技状態の終了から次の特別遊技状態でラウンド遊技が開始されるまでの期間である接続期間の長さを、上述の継続報知期間と同じ長さとするようにして、二つの特別遊技状態を連続した一の特別遊技状態であるかのように見せるようにしている。
図95に示す例では、消化順序が二番目の特図始動記憶が特別結果となるものであるので、消化順序が一番目及び二番目の特図始動記憶の変動時間及び停止時間を変更し、特別遊技状態の終了から次の特別遊技状態でラウンド遊技が開始されるまでの期間である接続期間の長さを、継続報知期間と同じ長さとするようにしている。そして、この接続期間においては特別遊技状態が継続する旨の継続報知演出を行い、後の特別遊技状態でのラウンド回数の計数も先の特別遊技状態でのラウンド回数に加算して行うようにしている。
すなわち、特別遊技状態の実行態様として、予め継続報知演出を行う継続報知期間を設定しておき、特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶があって次の特別遊技状態が発生する場合を、継続報知期間の後も特別遊技状態が継続する場合と同様の演出態様としている。
なお、特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶に特別結果となるものがある場合には、接続期間において特別遊技状態が継続しない旨の演出を行った後に復活する演出を行うようにし、同様の演出を継続報知期間の後も特別遊技状態が継続する場合の継続報知演出として行うようにしても良い。
また、図96には、図88(e)、(f)や図89に示したような特別結果となる始動記憶の存在や当該特別結果により実行可能となるラウンド回数の報知を普図演出領域41cやキャラクタ41dで行う例を示した。この例では、図96(a)に示すように特図変動表示ゲームで特別結果態様が仮停止した状態とされた後、図96(b)に示すように識別情報の再変動表示が行われている。そして、この再変動表示中に、図97(c)に示すように、普図演出領域41c及びキャラクタ41dが出現し、普図演出領域41cに特別結果となる始動記憶により発生する特別遊技状態で実行可能となるラウンド回数が16ラウンドであることが報知されている。このような報知を行うことで、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、このような普図演出領域41cを用いた報知は、再変動表示中に限られず、図89(b)に示すような結果表示中次回ラウンド数報知としてや、図89(d)、(e)に示すような特別遊技中次回ラウンド数報知としても用いることができる。
次に、特図変動表示ゲームの実行態様について説明する。本実施形態の遊技機では、特図変動表示ゲームの実行中に特図始動記憶数が所定数以上となった場合に、実行中の特図変動表示ゲームの変動時間を短縮することが可能となっている。また、実行中の特図変動表示ゲームが特定の変動パターンである場合は、特図始動記憶数が所定数以上となっても変動時間を短縮しないようになっている。
図97には、特図始動記憶数が2である状態で特図変動表示ゲームを実行している場合に、新たな特図始動記憶が発生して特図始動記憶数が3になった場合(所定数以上となった場合)の特図変動表示ゲームの実行態様を示した。実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターン以外である場合は、特図始動記憶数が所定数以上となった(t31)ことに基づき変動時間が短縮され、当初予定されていた変動時間の終了(t33)よりも早く変動時間が終了(t32)するように制御される。これに対して、実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターンである場合は、特図始動記憶数が所定数以上となっても(t31)、変動時間は短縮されない。
図98には、特図始動記憶数が2である状態で特図変動表示ゲームを実行している場合に、新たな特図始動記憶が発生して特図始動記憶数が3になった場合(所定数以上となった場合)の特図変動表示ゲームの表示態様を示した。
実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターン以外である場合(例えばリーチなしの変動パターン)である場合は、特図変動表示ゲームを実行している場合に特図始動記憶数が所定数以上となることで変動時間が短縮される。この場合飾り特図変動表示ゲームは、図98(a)から(c)に示すように特図変動表示ゲームの開始時に設定された変動パターンに従い実行している状態から、図98(d)に示すように識別情報が認識できない又は認識しがたい特定表示態様をなす白色の表示を経て、図98(e)に示すように結果態様が表示される。なお、特定表示態様とした場合でも、識別情報とは別に特図変動表示ゲームの実行態様を表示する第4図柄は遊技者が認識できる状態とする。
これにより、変動時間の短縮を違和感なく行うことができ、遊技の興趣の低下を防止できる。なお、特定表示態様は識別情報を認識できない又は認識しがたい状態とするものであれば良く、識別情報自体の表示をやめることで認識できない状態とするものや識別情報自体の表示の透明度を高めて認識しがたい状態とするもの、識別情報の表示部分において特定の表示を行うことやキャラクタを表示すること又は画面全体を特定の表示色とすることで識別情報を認識できない又は認識しがたい状態とするものなどが挙げられる。
また、実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターンである場合(例えば、擬似連変動パターン)である場合は、特図始動記憶数が所定数以上となっても変動時間は短縮されず、図98(f)から(j)に示すように実行中の飾り特図変動表示ゲームの表示態様の変更も行われない。この特定パターンとしては、一の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて、表示装置41にて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に、識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンの他、複数の変動表示ゲームに亘り連続的に演出を行う連続演出の変動パターン、特別結果となる場合に選択された変動パターンなどが挙げられる。特に、特別結果となる可能性が高い変動パターンを特定パターンとすることが望ましい。
このように変動時間を短縮する場合としない場合とを設定することで、効果的な演出の実行中に当該演出が途中で終了してしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。また、逆に特別結果となる可能性が低い場合は迅速に次の特図変動表示ゲームを実行でき、変動表示ゲームの変動時間にメリハリが出て、遊技の興趣を向上することができる。
〔特図変動時間短縮処理〕
このような制御を行うため、遊技制御装置100では、特図始動口スイッチ共通処理(図71参照)において、図99に示す変動時間短縮処理を行うようにする。この変動時間短縮処理では、まず、特図変動表示ゲームの変動中かを判定し(ステップA381)、変動中でない場合(ステップA381;No)は変動時間短縮処理を終了する。
また、変動中である場合(ステップA381;Yes)は、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)の合計が3(所定数)となったかを判定する(ステップA382)。特図1保留数と特図2保留数の合計が3(所定数)となったとは、始動記憶の発生により始動記憶数が2から3になることであり、変動開始時から所定数以上である場合は含まない。特図1保留数と特図2保留数の合計が3(所定数)となっていない場合(ステップA382;No)は、変動時間短縮処理を終了する。また、特図1保留数と特図2保留数の合計が3(所定数)となった場合(ステップA382;Yes)は、実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターンかを判定する(ステップA383)。
そして、特定の変動パターンである場合(ステップA383;Yes)は、変動時間短縮処理を終了する。この場合は変動時間の短縮は行われない。また、特定の変動パターンでない場合(ステップA383;No)は、ホワイトアウトコマンドを演出制御装置300に送信し(ステップA384)、変動時間短縮停止を設定して(ステップA385)、変動時間短縮処理を終了する。これにより特図変動表示ゲームの変動時間が短縮される。
この変動時間短縮停止の設定(ステップA358)により、遊技制御装置100が制御している特図変動表示ゲームの変動時間が短縮されるとともに、演出制御装置300に飾り特図変動表示ゲームの停止コマンドが送信される。また、演出制御装置300では、ホワイトアウトコマンドの受信に基づき、識別情報が認識できない又は認識しがたい特定表示態様をなす白色の表示を行う処理をし、変動時間短縮停止の設定に伴い送信される停止コマンドの受信に基づき飾り特図変動表示ゲームを終了する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶の数が所定値以上となったときに、変動中の変動表示ゲームの変動時間を短縮する変動時間短縮手段をなす。
なお、図100に示すように、擬似連変動パターンについて再変動表示動作の回数や結果により特定の変動パターンとするか否かを決定するようにしても良い。すなわち、結果がはずれであり再変動表示動作を一回行うハズレ擬似1連と、結果がはずれであり再変動表示動作を二回行うハズレ擬似2連については特定の変動パターンとせず、これ以外の場合を特定の変動パターンとする。
これにより、特別結果となる可能性が高い場合に演出がカットされないようにすることができ、遊技の興趣の低下を防止できる。さらに、特図始動記憶数が所定数を超えた場合であって再変動表示動作が一回又は二回であった場合には特別結果となることが確定し、また、再変動表示動作が一回又は二回行われた時点で特図始動記憶数が所定数を超えた場合に変動時間が短縮されなければ、特別結果となる可能性が高いことを認識でき、遊技者がこれらを確認しようとするので、特図始動記憶数が増えた場合でも止め打ちを防止でき、遊技機の稼働率を高めることができる。
以上のことから、所定条件の成立を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、該始動記憶に基づいて表示装置41で識別情報の変動表示を行う変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果態様が特別結果となることに基づき特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動記憶の数が所定値以上となったときに、変動中の変動表示ゲームの変動時間を短縮する変動時間短縮手段(遊技制御装置100)を備え、変動時間短縮手段は、変動中の変動表示ゲームが所定の変動パターンを選択している場合には、始動記憶の数が所定値以上となっても当該変動表示ゲームの変動時間を短縮しないことが可能であることとなる。
ここで、所定の変動パターンとは、識別情報の仮停止、再変動を行う擬似連変動パターンや、複数の変動表示ゲームに亘り連続的に演出を行う連続演出の変動パターン、特別結果となる場合に選択された変動パターンなどである。
また、所定の変動パターンは、一の始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて、表示装置41にて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に、識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンであることとなる。
したがって、擬似連変動パターンの場合、始動記憶の数が所定値以上になっても変動表示ゲームの変動時間を短縮しないので、滞りなく擬似連変動を実行することができ、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、表示装置41での表示態様を制御する表示制御手段(演出制御装置300)を備え、表示制御手段は、変動時間短縮手段(遊技制御装置100)が変動中の変動表示ゲームの変動時間を短縮する場合に、表示装置41において識別情報が認識できない又は認識しがたい特定表示態様を経て結果態様を表示するようにしていることとなる。
したがって、変動時間の短縮を違和感なく行うことができ、遊技の興趣の低下を防止できる。また、特定表示態様を表示する時間を省略することができ、より変動時間の短縮を効果的に行うことができる。
図101には、変動時間短縮処理の変形例を示した。この処理では、特定の変動パターンである場合(ステップA383;Yes)に、結果がハズレの擬似連の仮停止中かを判定し(ステップA386)、仮停止中である場合(ステップA386;Yes)には、変動時間短縮停止を設定して(ステップA387)、変動時間短縮処理を終了する。
図102(a)から(c)に示すように、特定の変動パターンでない場合は、特図始動記憶数が2から3となること(所定数となること)で変動時間が短縮され、図102(b)に示すような特定表示態様をなす白色の表示を経て結果が停止表示される。また、図102(d)、(e)に示すように、結果がはずれである擬似連変動パターンでの仮停止中に特図始動記憶数が2から3となった場合にも変動時間が短縮されるが、この場合は特定表示態様を経ずに仮停止した識別情報がそのまま停止する。すなわち、本来は変動時間の短縮を行わない特定の変動パターンであっても、違和感なく停止可能な状況である場合は、変動時間を短縮するようにしている。また、特定表示態様を表示する時間を省略することができ、より変動時間の短縮を効果的に行うことができる。
以上のことから、変動時間短縮手段(遊技制御装置100)は、特別結果とならない場合であって、擬似連変動パターンにおける仮停止中に始動記憶の数が所定値以上となった場合には変動時間を短縮するようにし、表示制御手段(演出制御装置300)は、擬似連変動パターンにおける仮停止中に始動記憶の数が所定値以上となり変動時間短縮手段により変動時間が短縮される場合は、特定表示態様を経ずに結果態様を表示するようにしていることとなる。
なお、図103に示すように、特図変動表示ゲームの実行中に特図始動記憶数が所定数となり変動時間が短縮される場合に、特定表示態様の表示により一旦飾り特図始動記憶表示41bを消去し、特定表示態様の表示後に再度飾り特図始動記憶表示41bを表示した際に、当該飾り特図始動記憶表示41bにより特図始動記憶についての事前判定情報を報知するようにしても良い。このようにすれば、遊技者が積極的に所定数を越えるように特図始動記憶を発生させるようになり、止め打ちを防止できて、遊技機の稼働率を高めることができる。
また、変動時間の短縮が行われ、特定表示態様が表示される際に、当該特定表示態様によって、特図始動記憶についての事前判定情報を報知するようにしても良い。例えば、特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶がない場合は白色とし、特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶がある場合は虹色とする。
また、変動時間の短縮を行う条件を、第1始動記憶数と第2始動記憶数の合計値が所定数を超えた場合としたが、第2始動記憶数が所定数(例えば1つ)を超えることを変動時間の短縮の条件としても良い。このようにすれば、特図2始動記憶の発生が容易になる時短状態で効率よく特図変動表示ゲームを実行することが可能となるとともに、時短状態以外では変動時間が短縮される機会が減り、演出を最後まで行う機会を確保できる。
また、変動時間の短縮を行う条件を、第1始動記憶数と第2始動記憶数の合計値が所定数を超えた場合とし、特図変動表示ゲームの開始時から所定数以上の場合は当初から短い変動時間の変動パターンが設定されるため、新たな特図始動記憶が発生しても変動時間の短縮を行わないようにしたが、この場合にも新たな特図始動記憶の発生に伴い変動時間を短縮するようにしても良い。
また、図104(a)に示すように、擬似連変動パターンにおける表示態様として、再変動表示動作の実行を示唆する示唆表示41fを表示した後に、再変動表示動作の開始又は示唆表示41fが消滅して後方に位置していた識別情報が認識可能となって停止するようにし、擬似連変動パターンである場合に変動時間を短縮する際には、示唆表示41fが特定表示態様をなすようにしても良い。例えば図104(b)に示すように、示唆表示41fが表示された状態で特図始動記憶数が所定数となって変動時間の短縮が行われる場合には、示唆表示41fが消滅して結果態様が表示されるようにする。このようにすれば、違和感なく変動時間を短縮することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、第1始動記憶数の上限値である第1上限値よりも、第2始動記憶数の上限値である第2上限値の方が大きくされており、ここでは第1上限値が4、第2上限値が84とされている。
図105には、飾り特図始動記憶表示41bの表示態様を示した。第1始動記憶の飾り特図始動記憶表示41bは第1始動記憶と一対一に対応し、表示装置41の表示領域の左下部において左から消化順序が早い順に並んで表示される。この飾り特図始動記憶表示41bでは、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を表示態様によって示唆することが可能となっている。
第2始動記憶の飾り特図始動記憶表示は、第2始動記憶で消化順序が第1上限値以内の始動記憶、すなわち消化順序が1番目から4番目までの第2始動記憶については当該第2始動記憶と一対一に対応し、表示装置41の表示領域の右下部において左から消化順序が早い順に並んで表示される。この飾り特図始動記憶表示41bでは、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を表示態様によって示唆することが可能となっている。
そして、第2始動記憶で消化順序が第1上限値より大きい(第1上限値より後の)始動記憶、すなわち消化順序が5番目以降の第2始動記憶については、表示装置41の表示領域の右下部における特2入賞表示領域41gにおいてその存在が表示される。この特2入賞表示領域41gでは、消化順序が5番目以降の第2始動記憶の数については明確に報知せず、消化順序が5番目以降の第2始動記憶の存在を表示色の変化などの表示態様の変化により報知するようになっている。なお、第2始動記憶が第2上限数に達した場合は、特2入賞表示領域41gにその旨(例えば「MAX」)と表示する。このとき、その旨を報知する音声を出力しても良い。また、消化順序が5番目以降となる第2始動記憶が発生した際には、特2入賞表示領域41gを所定の表示態様(例えば点滅)とすることで報知するようになっている。
また、特2入賞表示領域41gでは、第2始動記憶についての事前判定結果の報知は行わない。これにより、特図変動表示ゲームの実行時期が近い第2始動記憶についてのみ事前判定の結果を報知することとなり、遊技者が必要な情報のみを確実に把握することができるとともに、遊技機での処理や表示が煩雑になることを防止できる。また、むやみに射幸心を煽ることを防止できる。
図106には、遊技盤30に設けられる一括表示装置50における特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55を示した。第1保留表示器54では、第1始動記憶の数をLEDの点灯数により表示するようになっており、第1始動記憶数を遊技者が容易に認識できるようになっている。
第2保留表示器55では、第2始動記憶で消化順序が1番目から4番目の第2始動記憶についてはその数をLEDの点灯数により表示するようになっており、消化順序が1番目から4番目の第2始動記憶数については遊技者が容易に認識できるようになっている。また、第2始動記憶で消化順序が5番目以降の第2始動記憶については4つのLEDの各々を消灯、点灯、点滅の何れかの態様とすることで構成される81通りの表示により表示するようになっている。
消化順序が5番目以降の第2始動記憶がない場合は、4つのLEDを消灯した態様とすることでその旨を認識可能とし、消化順序が1番目から4番目の第2始動記憶数について遊技者が容易に認識できるようにしている。しかし、消化順序が5番目以降である第2始動記憶の数が1以上である場合に、各々の数に対応付けられた4つのLEDで構成される表示態様は、第2始動記憶数の変化と表示態様の変化に規則性がないように設定され、ここでの表示態様から消化順序が5番目以降である第2始動記憶の数を容易に認識できないようにしている。
図107には、第2始動記憶数の変化に伴う飾り特図始動記憶表示41bの変化の例を示した。図107(a)に示す状態では、第1始動記憶が4つあり、第2始動記憶が3つある状態で特図変動表示ゲームが実行されている状態を示している。この状態から消化順序が4番目となる第2始動記憶aが発生すると、図107(b)に示すように当該第2始動記憶aに対応する飾り特図始動記憶表示41b−aが表示される。この飾り特図始動記憶表示41b−aでは、その表示態様によって対応する第2始動記憶aについての先読み結果が報知されている。
さらに消化順序が5番目となる第2始動記憶bが発生すると、図107(c)に示すように特2入賞表示領域41gの表示態様が変化して、消化順序が5番目以降の第2始動記憶があることが報知される。ただし、明確な数は報知されない。その後、図107(d)に示すように、実行されていた特図変動表示ゲームが終了し、図107(e)に示すように消化順序が1番目である第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されると、消化順序の繰り上がりにより各第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが順次左へ移動する。
そして、特2入賞表示領域41gで存在が報知されていた消化順序が5番目の第2始動記憶bは、消化順序が4番目となるので、当該第2始動記憶bに対応する飾り特図始動記憶表示41b−bが表示される。この飾り特図始動記憶表示41b−bでは、その表示態様によって対応する第2始動記憶bについての先読み結果が報知されている。この消化順序が4番目となった第2始動記憶bについての先読み結果の報知は、特2入賞表示領域41gでは行われていなかったものであって、消化順序が4番目となったことで報知が開始されたものである。
図108には、図107に示す例における情報の送信タイミングを示した。なお、図108中の(a)から(e)の記号は、図107の(a)から(e)に対応している。第2始動記憶数が3である状態で普通変動入賞装置37への入賞が発生して始動口2スイッチ37aで遊技球が検出されると(t41)、演出制御装置300に第2始動記憶の増加を示す飾り特図保留数コマンドが送信される(t42)。さらに、発生した始動記憶についての事前判定情報が先読みコマンドとして演出制御装置300に送信される(t43)。
その後、第2始動記憶数が4である状態で普通変動入賞装置37への入賞が発生して始動口2スイッチ37aで遊技球が検出されると(t44)、演出制御装置300に第2始動記憶の増加を示す飾り特図保留数コマンドが送信される(t45)。この発生した始動記憶は第2始動記憶で消化順序が5番目であり、特2入賞表示領域41gでは当該始動記憶についての事前判定情報を報知しない。よって、遊技制御装置100は、この時点では当該始動記憶についての事前判定は行わず、事前判定情報を含む先読みコマンドも送信しない。
そして、実行中の特図変動表示ゲームが終了し、消化順序が1番目である第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始された際に、当該特図変動表示ゲームについての情報を含む変動開始コマンドが演出制御装置300に送信される(t46)。この特図変動表示ゲームの開始により、第2始動記憶が一つ消化されるため、演出制御装置300に第2始動記憶の減少を示す飾り特図保留数コマンドが送信される(t47)。さらに、消化順序が5番目であった第2始動記憶の消化順序が4番目となり、飾り特図始動記憶表示で事前判定情報を報知可能となるため、遊技制御装置100では当該始動記憶についての事前判定を行い、事前判定情報を含む先読みコマンドを演出制御装置300に送信する(t48)。
このように、消化順序が5番目以降の第2始動記憶についての事前判定を消化順序が4番目になってから行うようにしたことで、入賞時に事前判定手段での処理が集中して煩雑になることを防止できるとともに、事前判定結果を記憶しておくための記憶領域を削減することができる。さらに、停電発生時には遊技制御装置100で始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報をバックアップするだけで停電復帰後において事前判定の結果を報知可能となるので、停電発生時における事前判定の結果のバックアップや停電復帰後に全始動記憶について再度の事前判定を行うなどの処理が必要なくなり、停電発生時、停電復帰時の処理が煩雑になることを防止できる。
〔特図保留情報判定処理〕
このような制御を行うために、図72に示した特図保留情報判定処理に替えて図109に示す特図保留情報判定処理を行う。この特図保留情報判定処理では、始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力である場合(ステップA232;Yes)に、発生した第2始動記憶を含む第2始動記憶数が4以下であるかを判定する(ステップA391)。
第2始動記憶数が4以下である場合(ステップA391;Yes)は、ステップA235以降の事前判定に関する処理を行う。また、第2始動記憶数が4以下でない場合(ステップA391;No)は、当該第2始動記憶についての事前判定に関する処理を行わずに特図保留情報判定処理を終了する。
これにより、第2始動記憶で消化順序が第1上限値以内の始動記憶、すなわち消化順序が1番目から4番目までの第2始動記憶については当該第2始動記憶についての事前判定処理が当該第2始動記憶の発生時に行われるようになる。また、第2始動記憶で消化順序が第1上限値より後の始動記憶、すなわち消化順序が5番目以降の第2始動記憶については当該第2始動記憶についての事前判定処理を当該第2始動記憶の発生時には行わないようになる。
〔特図2変動開始処理〕
また、図75に示した特図2変動開始処理に替えて図110に示す特図2変動開始処理を行う。この特図2変動開始処理では、変動開始情報設定処理(ステップA333)を行った後、第2始動記憶に、保4になった始動記憶があるかを判定する(ステップA392)。保4になった始動記憶とは、第2特図変動表示ゲームの開始前には第2始動記憶が5以上あり、第2特図変動表示ゲームの開始により最先の第2始動記憶が消化されて消化順序が繰り上がることによって消化順序が4番目となった第2始動記憶である。
第2始動記憶に、保4(消化順序が4番目の第2始動記憶)になった始動記憶がない場合(ステップA392;No)は、特図2変動開始処理を終了する。また、第2始動記憶に、保4(消化順序が4番目の第2始動記憶)になった始動記憶がある場合(ステップA392;Yes)は、図107のステップA235以降の事前判定に関する処理を行う。
これにより、第2始動記憶で消化順序が第1上限値より後の始動記憶、すなわち消化順序が5番目以降の第2始動記憶であった始動記憶の消化順序が第1上限値以内となった際に、当該第2始動記憶についての事前判定処理が行われるようになる。
以上のことから、遊技領域に設けられた始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞することに基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、始動入賞領域は、第1入賞領域(始動入賞口36)と、遊技球が入賞しやすい状態と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態と、に変化可能な第2入賞領域(普通変動入賞装置37)と、を備え、第1入賞領域への遊技球の入賞を、第1始動記憶として第1上限値まで記憶する第1始動記憶手段(遊技制御装置100)と、第2入賞領域への遊技球の入賞を、第2始動記憶として第2上限値まで記憶する第2始動記憶手段(遊技制御装置100)と、第1始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行する第1ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、第2始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する第2ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、を備え、第1上限値よりも前記第2上限値の方を大きくしていることとなる。
また、第1始動記憶の記憶数及び第2始動記憶の記憶数を始動記憶表示として報知する始動記憶報知手段(演出制御装置300)を備え、始動記憶報知手段は、第2始動記憶の記憶数のうち第1上限値以下の記憶数については当該記憶数を明確に表示する一方、第1上限値を超える記憶数については当該記憶数を明確に表示しないようにし、第2始動記憶の記憶数が前記第2上限値に到達した場合には報知を行うようにしていることとなる。
また、第1始動記憶手段(遊技制御装置100)及び第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)を備え、始動記憶報知手段(演出制御装置300)は、事前判定手段による判定結果を始動記憶表示において表示可能な事前判定結果表示手段(演出制御装置300)を備え、事前判定結果表示手段は、第2始動記憶の事前判定手段による判定結果について、消化順序が第1上限値以内の第2始動記憶については当該判定結果を表示可能である一方、第1上限値より大きい第2始動記憶については当該判定結果を表示しないようにしていることとなる。
また、事前判定手段(遊技制御装置100)は、第1上限値を超える第2始動記憶について、当該第2始動記憶の消化順序が前記第1上限値以内となった際に判定を行い、判定結果を始動記憶報知手段(演出制御装置300)に送信するようにしていることとなる。
また、本実施形態の遊技機では、時短状態において第2始動記憶が所定数に達した場合に、以降の第2特図変動表示ゲームの変動時間をさらに短いものとすることが可能となっている。図111(a)に示すように、時短状態の開始から第2始動記憶が第2上限値に到達するまで(t51からt52)は、通常時短状態として時短状態でない場合よりも短い変動時間で第2特図変動表示ゲームを実行可能となっている。そして、第2始動記憶が第2上限値に到達すると(t52)、次回の第2特図変動表示ゲームから時短状態の終了まで(t53からt54)が超時短状態となり、通常時短状態よりも短い変動時間で第2特図変動表示ゲームを実行可能となっている。
このような制御を行うため、図110に示した特図2変動開始処理における変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備する処理(ステップA329)において、時短状態で第2始動記憶が第2上限値に達したことに基づき超時短用の変動パターンテーブルを選択するようにし、通常時短状態よりも短い変動時間の変動パターンを設定可能とする。
さらに、図111(b)に示すように、第2始動記憶が第2上限値に到達した際(t52)に、実行中の第2特図変動表示ゲームでの残り変動時間(t52からt53)を短縮するようにしても良い。これにより、より第2始動記憶の消化を早めることができる。このような制御を行う場合は、図99に示した変動時間短縮処理において、第2始動記憶が第2上限値に到達した場合にホワイトアウトコマンド送信処理(ステップA384)及び変動時間短縮停止処理(ステップA385)を行うようにする。また、このとき実行中の第2特図変動表示ゲームが特定の変動パターンである場合には変動時間を短縮しないようにしても良い。さらに、変動時間を短縮する際に表示する特定表示態様によって、始動記憶についての事前判定情報を報知するようにしても良い。
以上のことから、第2ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、第2始動記憶が所定値に到達することに基づき、第2変動表示ゲームの実行時間を所定値に到達していない場合の実行時間よりも短くするようにしていることとなる。
なお、超時短状態とする条件を第2始動記憶が第2上限値に到達したこととしたが、第2上限値以外としても良い。例えば、特別遊技状態の終了後に所定のゲーム数を実行するまで高確率状態とするいわゆるST機において、第2始動記憶数が、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの実行回数から高確率状態で実行済みの特図変動表示ゲームの実行回数を減算した値となったことを条件として超時短状態とするようにしても良い。すなわち、高確率状態で実行可能な残り回数の分だけ第2始動記憶が発生したことを条件に超時短状態とするようにしても良い。このようにすることで、高確率状態の終了後に多くの第2始動記憶が残ってしまうことを防止できる。
さらに、超時短状態となったことを契機として、既に記憶されている第2始動記憶は有効なものとした上で第2上限数を少なく(例えば第1上限数と等しく)するようにしても良い。すなわち、第2始動記憶数が変更された第2上限数未満となるまで新たな第2始動記憶の発生を禁止するようにしても良い。このようにすることでも、高確率状態の終了後に多くの第2始動記憶が残ってしまうことを防止できる。
特に、ST機において高確率状態で実行可能な残り回数の分だけ第2始動記憶が発生したことを条件に超時短状態とするようにした場合は、高確率状態の終了まで特図変動表示ゲームでの演出や事前判定情報の報知などに集中することができるようになるため、遊技の興趣を向上することができる。例えば、時短状態においては全ての第2始動記憶について発生時に事前判定を行うようにし、特別結果となる始動記憶がある場合には、次に発生する特別遊技状態における実行可能なラウンド回数を当該特別結果となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで分割して報知し、各特図変動表示ゲームで報知されたラウンド回数が実行可能ラウンド回数として上乗せされていくような演出を行うようにしても良い。
また、図112(a)に示すように特2入賞表示領域41gを配置し、図112(b)に示すように消化順序が5番目以降の第2始動記憶の存在を表示色の変化などの表示態様の変化により報知する他、図112(c)に示すように普図演出領域41cとしても利用するようにしても良い。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、高確率状態における確率値が複数あり、高確率状態となる場合に何れかの確率値が選択されるようになっている。
本実施形態の遊技機は、特別遊技状態の終了後に所定のゲーム数を実行するまで高確率状態とするいわゆるST機となっている。そして、図113(a)に示すように、確率モードとしてAからDの4つがあり、何れかの確率モードが設定されるようになっている。これらの確率モードは、何れの確率モードであっても通常確率状態における特別結果となる確率は1/298で同じであるが、高確率状態における特別結果となる確率と、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数(ST回数)が異なる。
高確率状態での特別結果となる確率値は、確率モードAが最も高く、確率モードB、確率モードC、確率モードDの順に低くなる。これに対して、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数であるST回数は、図113(b)に示すように確率モードAが最も少なく、確率モードB、確率モードC、確率モードDの順に多くなる。高確率状態での確率値とST回数は、ST回数の特図変動表示ゲームを実行することによって特別結果が導出される期待値が、何れの確率モードであっても略同じ値になるように設定されており、公平な遊技を実現できるようになっている。なお、ST回数が多くなるにつれて高確率状態で消費される遊技球の数が多くなるため、ここではST回数が多くなるにつれて僅かに期待値が高くなるように設定されているが、全ての確率モードで期待値がまったく同じ値となるようにしても良い。
これらの確率モードは遊技者が選択できるようになっている。本実施形態の遊技機では、操作手段をなす演出ボタン25での操作入力が遊技制御装置100及び演出制御装置300に入力されるようになっている。そして、例えば、特別遊技状態中やその他の任意の時期に、遊技制御装置100が演出制御装置300を介して図114に示すような表示を表示装置41に表示させる制御を行い、この表示に従い遊技者が演出ボタン25を操作することで、所望の確率モードを選択できるようになっている。
この場合、演出ボタン25として第1、第2、第3の演出ボタンを備え、第1の演出ボタンが左移動表示42aに対応し、第2の演出ボタンが決定表示42bに対応し、第3の演出ボタンが右移動表示42cに対応するようにする。そして、遊技者が第1の演出ボタンを操作する毎に選択表示42dが左隣の確率モード表示42eへ移動し、遊技者が第3の演出ボタンを操作する毎に選択表示42dが右隣の確率モード表示42eへ移動するようになっており、選択表示42dを所望の確率モード表示42eに移動させた状態で第2の演出ボタンを操作することで確率モードを選択できるようになっている。
〔大当り終了後確率状態設定処理〕
遊技制御装置100では、このように選択された確率モードに従い、高確率状態での確率値及びST回数を設定するために、特図ゲーム処理(図69参照)における大当り終了処理(ステップA15)において図58に示す大当り終了後確率状態設定処理を行う。この大当り終了後確率状態設定処理では、まず、大当り終了タイミングであるかを判定する。
大当り終了タイミングでない場合(ステップA401;No)は、大当り終了後確率状態設定処理を終了する。また、大当り終了タイミングである場合(ステップA401;Yes)は、遊技者が選択した確率モードを参照して対応する確率値及びST回数を設定して(ステップA402からA406)、大当り終了後確率状態設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、特別結果となる確率として、予め定められた複数の確率値のうち何れかを設定する確率設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後の確率値を設定可能であり、複数の高確率値の何れかを設定した場合に当該高確率値を維持する期間を設定する期間設定手段をなす。
このように確率モードを選択可能としたことで、特別結果の導出を契機として次回特別結果となる確率が様々に変化し、遊技の興趣を高めることができる。また、複数の高確率値のうち低い確率値が選択された場合ほど当該確率値が維持される変動表示ゲームの実行回数が多くなるので、低い確率値を設定しても遊技者が不満を抱くことを防止できる。また、遊技者が確率値を選択できるという従来にない機能を実現でき、遊技の興趣を高めることができる。さらに、高確率での遊技を長い間楽しみたい遊技者は、高確率値が維持される変動表示ゲームの実行回数が多くなる低い確率値を選択可能であり、時間に余裕のない遊技者は、高確率値が維持される変動表示ゲームの実行回数の少ない確率値を選択可能となるため、遊技に幅ができ、幅広い層の利便性が高まり遊技人口を増やすことに寄与できる。
なお、遊技者が確率モードを選択可能としたが、例えば特別結果の種類に基づき確率モードを選択するようにしても良い。この場合は演出ボタン25の操作入力を遊技制御装置100に入力しなくても良い。
また、特別結果の種類として、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる特別結果である確変大当りと、特別遊技状態の終了後に高確率状態とならない特別結果である通常大当りを設定するようにしても良い。この場合は確率モードとして、図116(a)、(b)に示すように上述の確率モードAからDに加えて確率モードEを選択可能とする。
特別結果として確変大当りが導出された場合は、上述と同様に確率モードAからDの何れかが選択される。また、特別結果として通常大当りが導出された場合は、必ず確率モードEが選択されるようになっている。さらに、確変大当りである場合は、飾り特図変動表示ゲームの結果態様を1から3又は5から7の何れかのぞろ目とし、通常大当りである場合は、飾り特図変動表示ゲームの結果態様を4又は8のぞろ目とすることで、遊技者が何れの大当りであるかを認識できるようにしている。このようにすることで、特別遊技状態の終了後に通常確率状態になる場合もあるようにすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
以上のことから、変動表示ゲームの停止結果が特別結果であった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、特別結果となる確率として、予め定められた複数の確率値のうち何れかを設定する確率設定手段(遊技制御装置100)を備え、複数の確率値には、最も確率が低い低確率値と、該低確率値よりも確率が高い複数の異なる高確率値が含まれ、確率設定手段は、特別遊技状態の終了後の確率値を設定可能であり、複数の高確率値の何れかを設定した場合に当該高確率値を維持する期間を設定する期間設定手段(遊技制御装置100)を備え、期間設定手段は、高確率値を維持する期間として、確率値に応じた規定回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間を設定可能であり、当該規定回数として確率値が低いほど多い回数を設定するようにしていることとなる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、確率設定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了後の確率値として高確率値を設定する場合に、複数の高確率値のうちから操作手段の操作により遊技者が選択した確率値を設定するようにしていることとなる。ここで、操作手段は、ボタンやタッチパネルなど遊技者の操作を検出できるものであれば何でも良い。
また、期間設定手段(遊技制御装置100)は、規定回数の変動表示ゲームを実行することによって特別結果が導出される期待値が、何れの確率値であっても略同じ値になるように規定回数を設定するようにしていることとなる。
また、確率設定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了後の確率値として、低確率値を設定可能であることとなる。
なお、上述した第2実施形態の遊技機と組み合わせても良い。例えば、高確率状態においては必ず時短状態となるようにし、第2始動記憶数が、選択された確率モードにおけるST回数から高確率状態で実行済みの特図変動表示ゲームの実行回数を減算した値となったことを、図117に示すように特2入賞表示領域41gで報知するようにしても良い。さらに、この状態となった場合に、通常時短状態から、該通常時短状態よりも特図変動表示ゲームの変動時間を短くすることが可能な超時短状態に変更するようにしても良い。
〔第4実施形態の第1変形例〕
次に、第4実施形態の第1変形例遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、電源投入時に確率状態を選択し、選択結果を示唆することが可能となっている。
本変形例の遊技機では、図118に示すように高確率値として、1/39の高確率と1/182の中確率があり、低確率値として1/384の低確率がある。特別遊技状態の終了後は、高確率と中確率の何れかが遊技者による選択又は遊技機による選択により設定され、確率値に応じたST回数が設定される。また、遊技機10が電源投入に基づいて何れの確率値とするかを選択可能であり、開店時の遊技機の選定における興趣を高めるようにしている。そして、選択された確率値を表示装置41や特図表示器51,52などにより示唆する示唆報知を行うことが可能となっている。
図119には表示装置41における示唆報知の例を示した。電源投入直後は何れの確率値であっても図119(a)に示すような表示態様とされる。その後、低確率値が選択されている場合には、所定の報知条件が成立することに基づき図119(b)に示すような表示態様に変更され低確率値が選択されたことが示唆されるようになっている。このような確率値を示唆する演出が行われることで、遊技機の選定の参考にすることができる。
所定の報知条件は、電源投入から所定回数の特図変動表示ゲームを実行することや、所定時間が経過すること、所定の変動パターンが選択されたことなど何でも良い。このように所定の報知条件を設定することで、電源投入後すぐに低確率状態であることを見破られにくくなるため、低確率値の遊技機が敬遠される可能性が低くなり、遊技店の稼働状態も安定しやすい。なお、低確率値を示唆するとしたが、他の確率値を示唆するようにしても良い。
図120には特図表示器51,52における示唆報知の例を示した。特図表示器51,52では電源投入後、特図変動表示ゲームが開始されるまでの期間において、図120(a)から(c)に示すような表示態様の何れかを行うことで確率値を示唆する。高確率値である場合は図120(a)に示すように、セグメントが右回りに順次点灯する表示態様とされ、中確率値である場合は図120(b)に示すように、セグメントが左回りの8の字に順次点灯する表示態様とされ、低確率値である場合は図120(c)に示すように、セグメントが右回りの8の字に順次点灯する表示態様とされる。このような確率値を示唆する表示が行われることで、遊技機の選定の参考にすることができる。
なお、所定の報知条件が成立した場合にこれらの表示を行うようにしても良い。また、特図変動表示ゲームを実行している場合でも報知を可能とし、一方の特図表示器51,52で特図変動表示ゲームを表示している場合は、他方の特図変動表示ゲームを表示していない特図表示器51,52でこれらの表示を行うようにする。また、図119に示したような表示装置41での報知を行わず、表示装置41より目立ちにくい特図表示器51,52でのみ図120に示した報知を行うようにすれば、確率状態を遊技者に容易に認識されないようにでき、遊技機の選定の興趣を高めることができる。また、電源投入後すぐに低確率状態であることを見破られにくくなるため、低確率の遊技機が敬遠される可能性が低くなり、遊技店の稼働状態も安定しやすい。また、複数のセグメントを同時に発光したり、更新周期を長期にしたりすることで、一見するだけでは容易に確率状態を識別することができないようにすることが望ましい。
このような制御を行うため、メイン処理の後半の処理(図63参照)に替えて図121に示す処理を行う。ここではRAMがクリアされた場合に、確率値として低確率値又は中確率値が選択されるようになっている。この処理では、電源投入時のコマンドを送信する処理(ステップS22)を行った後、確率値を選択する処理を行い(ステップS121)、選択された確率値が中確率値であるかを判定する(ステップS122)。
そして、中確率値である場合(ステップS122;Yes)は、中確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS123)、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS124)。中確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図119に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図120(b)に示した表示が行われる。
一方、中確率値でない場合(ステップS122;No)、すなわち低確率値である場合は、低確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS125)、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS126)。低確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図119に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図120(c)に示した表示が行われる。
なお、ステップS17で高確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報を後に演出制御装置300に送信し、演出制御装置300が、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図119に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行うようにしても良い。また、ステップS18で高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図120(a)に示した表示を行うようにしても良い。
また、図122には、RAMがクリアされない場合に、確率値として低確率値、中確率値、高確率値の何れかが選択されるようにした処理を示した。この処理では、エラー、不正監視に係る領域をリセットする処理(ステップS15)を行った後、確率値を選択する処理を行い(ステップS131)、選択された確率値が高確率値であるかを判定する(ステップS16)。なお、電源遮断時に高確率値又は中確率値が選択されていた場合は、確率値を選択する処理を行わないようにしても良い。
そして、高確率値である場合(ステップS16;Yes)は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS17)、高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS18)。高確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図119に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図120(a)に示した表示が行われる。
一方、高確率値でない場合(ステップS16;No)は、中確率値であるかを判定する(ステップS132)。そして、中確率値である場合(ステップS132;Yes)は、中確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS133)、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS134)。中確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図119に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図120(b)に示した表示が行われる。
また、中確率値でない場合(ステップS132;No)は、確率報知フラグ領域にON情報をセーブする処理や確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する処理を行わない。なお、この場合に低確率報知フラグ領域にON情報をセーブし、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定して、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図119に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行うようにしたり、特図表示器51,52において図120(c)に示した表示を行うようにしたりしても良い。
また、図123には、RAMクリアの有無に係らず確率値を選択するようにした処理を示した。この処理では、RAMがクリアされなかった場合には確率値として低確率値、中確率値、高確率値の何れかが選択され、RAMがクリアされた場合には確率値として低確率値、中確率値の何れかが選択される。
この処理では、エラー、不正監視に係る領域をリセットする処理(ステップS15)を行った後、確率値を選択する処理を行い(ステップS141)、選択された確率値が高確率値であるかを判定する(ステップS16)。なお、電源遮断時に高確率値又は中確率値が選択されていた場合は、確率値を選択する処理を行わないようにしても良い。
そして、高確率値である場合(ステップS16;Yes)は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS17)、高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS18)。高確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図119に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図120(a)に示した表示が行われる。一方、高確率値でない場合(ステップS16;No)は、中低確率報知処理を行う(ステップS142)。
また、RAMがクリアされた場合は、電源投入時のコマンドを送信する処理(ステップS22)を行った後、確率値を選択する処理を行い(ステップS143)、中低確率報知処理を行う(ステップS144)。
図124に示すように、中低確率報知処理(ステップS142、S144)では、まず、選択された確率値が中確率値であるかを判定する(ステップS151)。そして、中確率値である場合(ステップS151;Yes)は、中確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS152)、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS153)。中確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図119に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図120(b)に示した表示が行われる。
一方、中確率値でない場合(ステップS151;No)、すなわち低確率値である場合は、低確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS154)、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS155)。低確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図119に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図120(c)に示した表示が行われる。
すなわち、遊技制御装置100が、遊技機の電源投入の際に確率値を選択する電源投入時確率選択手段をなす。また、遊技制御装置100が、電源を投入した際に設定された確率値を示唆する表示を所定条件の成立により表示器(特図表示器51,52)に表示する示唆表示手段をなす。また、演出制御装置300が、電源を投入した際に設定された確率値を示唆する演出を所定条件の成立により表示装置41に表示する示唆演出実行手段をなす。
以上のことから、遊技に関する画像を表示する表示装置41を備え、確率設定手段(遊技制御装置100)は、遊技機の電源を投入した際に確率値を設定可能であり、電源を投入した際に設定された確率値を示唆する演出を所定条件の成立により表示装置41に表示する示唆演出実行手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
ここで、確率設定手段は、電源投入時にRAMの情報がクリアされた場合にのみ確率値を選択するようにしても良いし、電源投入時に常に確率値を選択するようにしても良い。また、複数の確率値のうち全ての確率値から選択するようにしても良いし、一部の確率値(例えば、低確率値と、高確率値のうち一部(高確率値の中で確率値が低いものが好ましい))から選択するようにしても良い。
また、変動表示ゲームの結果態様を表示する表示器(特図1表示器51、特図2表示器52)を備え、確率設定手段(遊技制御装置100)は、遊技機の電源を投入した際に前記確率値を設定可能であり、電源を投入した際に設定された確率値を示唆する表示を所定条件の成立により表示器に表示する示唆表示手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、特別結果の種類や特別遊技状態中の遊技態様により、確率値やST回数が選択されるようになっている。
図125には、本実施形態の遊技盤を示した。遊技領域32における包囲枠体40の左下側には三つの一般入賞口35が配置され、包囲枠体40の右側には一つの一般入賞口35が配置されている。また、包囲枠体40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられている。
さらに、遊技領域32に臨む包囲枠体40の右側部には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)が設けられている。この普通変動入賞装置37は、可動部材37bにより入賞可能な開状態と入賞不能な閉状態とに変換可能となっている。また、遊技領域32における包囲枠体40の右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34と、一般入賞口35と、流下する遊技球を普通変動入賞装置37側へ誘導する誘導部材80が配置されている。そして、遊技領域32における包囲枠体40の右下側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(大入賞口、上AT)38と、第2特別変動入賞装置(大入賞口、下AT)39が配置されている。
遊技領域32のうち、包囲枠体40の左側の領域が第1流下経路(左側遊技領域)32aとされ、包囲枠体40の右側の領域が第2流下経路(右側遊技領域)32bとされている。そして、遊技者が発射勢を調節して第1流下経路32aへ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、第2流下経路32bへ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普通変動入賞装置37や、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39への入賞を狙うことができるようになっている。
図126に示すように、普通変動入賞装置37は、下端部が前後方向に沿った軸により回動可能に軸支された可動部材37bを有している。この可動部材37bは、駆動装置としての普電ソレノイド37cによって、略垂直となって包囲枠体40の右側方に開口する入賞口を塞いで入賞を不能とする閉状態と、遊技領域32側へ傾倒して入賞口を開放し入賞を可能とする開状態(図126の点線で示す状態)とに変換可能となっている。可動部材37bは常時は閉状態となっているが、普図変動表示ゲームの結果が当り(通常当り又は特定当り)となることで、所定の態様で開状態に変換されるようになっている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能なアタッカー形式の開閉扉38cを有しており、特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38bにより駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1特別変動入賞装置(大入賞口)38の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38aが配設されている。
第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能なアタッカー形式の開閉扉39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39bにより駆動される開閉扉39cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2特別変動入賞装置(大入賞口)39の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39aが配設されている。
また、第2特別変動入賞装置39には、特別遊技状態の終了後の特図変動表示ゲームにおける遊技状態を決定するための振分機構90が遊技者から視認可能となるように配されている。この振分機構90には、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が流入可能な特定領域91と非特定領域92が設けられており、特別結果の種類と特定領域91への遊技球の流入の有無により、特別遊技状態の終了後の高確率状態となる特図変動表示ゲームの回数(ST回数)が設定されるようになっている。
図126に示すようにこの振分機構90は、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球を流下誘導する誘導流路93を備え、該誘導流路93の流下経路の途中に、流下する遊技球を特定領域91と非特定領域92との何れかに振り分ける振分装置94が設けられている。また、誘導流路93の上流側端部には、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39aが設けられ、特定領域91には当該特定領域91に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ97が設けられている。なお、特定領域や非特定領域に流入した遊技球は遊技機の外部に排出されるようになっている。
振分装置94には、誘導流路93における非特定領域92の上方となる位置の床部分を形成し、遊技制御装置100が制御する振分装置ソレノイド96(図128参照)により前後方向に進退可能に構成された板状の振分床部材95を備えている。この振分床部材95が図127(a)に示すように後方に退いた通過規制状態では、非特定領域92の上方に振分床部材がない状態となって非特定領域92が開放され、流下する遊技球は非特定領域92へ振り分られる。また、図127(b)に示すように、前方に進出した通過許容状態では、非特定領域92の上方に振分床部材95が存在する状態となって非特定領域92が閉鎖され、流下する遊技球は特定領域91へ振り分けられる。すなわち、遊技制御装置100が、特定領域91への遊技球の流入の容易さを制御する流入制御手段をなす。
なお、特別遊技状態において最終ラウンド以外では第1特別変動入賞装置38が開放され、最終ラウンドでは第2特別変動入賞装置39が開放されるようになっている。また、開閉扉39cの開放態様や振分床部材95の動作態様は、特別結果や別途の抽選により決定されるようになっている。
図129には、遊技の流れを示した。通常確率状態であり時短状態ではない通常状態において大当りが発生すると特別遊技状態となる。この特別遊技状態では、最終ラウンド以外では第1特別変動入賞装置38が開放されるラウンド遊技が行われ、最終ラウンドではチャレンジラウンドとして第2特別変動入賞装置39が開放されるラウンド遊技が行われる。チャレンジラウンドには、振分装置94の動作が特定領域91への流入が容易な状態とされるチャレンジラウンドAと、振分装置94の動作が特定領域91への流入が困難な状態とされるチャレンジラウンドBと、があり、それぞれ50%の確率で選択されるようになっている。なお、この選択は特別結果の種類や別途の抽選結果に基づき行うようにする。
そして、チャレンジラウンドで特定領域91へ遊技球が流入した場合は高確率状態かつ時短状態であるST状態となる。このST状態で大当りが発生した場合は特別遊技状態となるが、この場合は特定領域91への流入の有無に係らず特別遊技状態の終了後にST状態となる。また、ST状態において特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数がST回数に達した場合は通常確率状態かつ時短状態である特図時短状態に移行する。
一方、特別遊技状態で特定領域91へ遊技球が流入しなかった場合は通常確率状態かつ時短状態である特図時短状態となる。この特図時短状態で大当りが発生した場合は特別遊技状態となるが、この場合は特定領域91への流入の有無に係らず特別遊技状態の終了後にST状態となる。また、特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数(99回)に達した場合は通常状態に戻る。
図130に示すように、特別遊技状態の終了後のST回数は、特別結果の種類と特定領域91への流入(V入賞)の有無により遊技制御装置100が決定するようになっている。なお、特別結果の種類や特定領域91への流入の有無によらず特別遊技状態の終了から99回の特図変動表示ゲームを実行するまでは時短状態となる。
例えば、大当り図柄が「111」であった場合は、特定領域91へ遊技球が流入すれば(V入賞すれば)ST回数が5回に設定され、特別遊技状態の終了から5回の特図変動表示ゲームを実行するまでは高確率状態かつ時短状態であるST状態となる。このST状態で5回の特図変動表示ゲームを実行しても大当りが発生しなかった場合は、残り94回の特図変動表示ゲームを実行するまで(特別遊技状態の終了から数えて99回の特図変動表示ゲームを実行するまで)特図時短状態となる。また、大当り図柄が「111」であった場合に特定領域91へ遊技球が流入しなかった場合(Vハズレの場合)は、ST回数が0回に設定されてST状態にはならず、特別遊技状態の終了から99回の特図変動表示ゲームを実行するまで特図時短状態となる。
また、大当り図柄が「333」であった場合は、特定領域91へ遊技球が流入すればST回数が50回に設定され、特定領域91へ遊技球が流入すればST回数が10回に設定される。なお、大当り図柄が「777」であった場合は、特定領域91へ遊技球が流入すればST回数が100回に設定されるが、この場合は、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態が継続するようになっている。また、ST状態や時短状態で大当りが発生した場合も、特別結果の種類や特定領域91への遊技球の流入の有無にかかわらずST回数が100回に設定され、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態が継続するようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、特別結果の種類及び特定領域91への流入の有無に基づき、特別遊技状態の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定手段をなす。
そして、チャレンジラウンドにおいては、図131に示すように、特定領域91へ遊技球が流入した場合(V入賞した場合)のST回数が表示装置41で報知されるようになっている。
なお、特定領域スイッチ97よりも下流側に遊技球を検出する不正防止スイッチを設け、特定領域スイッチ97と不正防止スイッチの両方で遊技球を検出した場合のみ遊技球が特定領域91に流入したとするようにして、釣り糸で遊技球を操る不正行為を防止するようにしても良い。また、図132に示すように、特別結果と特定領域91への遊技球の流入の有無に基づき、図116に示した確率モードAからEの何れかを選択するようにしても良い。
以上のことから、遊技領域32に設けた始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)で複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となると複数のラウンドに亘って特別変動入賞装置38,39を開閉変換する特別遊技状態を発生する遊技機において、特別変動入賞装置39の内部に設定され、当該特別変動入賞装置39の動作により遊技球が流入可能な特定領域91と、該特定領域91への遊技球の流入の容易さを制御する流入制御手段(遊技制御装置100)と、特別結果の種類及び特定領域91への流入の有無に基づき、特別遊技状態の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、遊技状態設定手段(遊技制御装置100)は、特別結果となる確率として、予め定められた複数の確率値のうち何れかを設定可能であり、複数の確率値には、最も確率が低い低確率値と、該低確率値よりも確率が高い複数の異なる高確率値が含まれており、複数の高確率値の何れかを設定した場合に当該高確率値を維持する期間を設定する期間設定手段(遊技制御装置100)を備え、期間設定手段は、高確率値を維持する期間として、確率値に応じた規定回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間を設定可能であり、当該規定回数として確率値が低いほど多い回数を設定するようにしていることとなる。
また、期間設定手段(遊技制御装置100)は、規定回数の変動表示ゲームを実行することによって特別結果が導出される期待値が、何れの確率値であっても略同じ値になるように規定回数を設定するようにしていることとなる。
以上のような遊技機10は、遊技領域32に設けられた始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞することに基づき、表示装置41で複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームを実行し、該特図変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、始動入賞領域をなし、遊技球が入賞しやすい状態と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態と、に変化可能な普通変動入賞装置37と、遊技領域32に設けられ遊技球の通過を検出する普図始動ゲート34と、該普図始動ゲートへの遊技球の通過に基づき、普図変動表示ゲームを実行する普図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)と、表示装置41の普図演出領域41cに普図変動表示ゲームの結果を表示可能な普図変動表示ゲーム表示手段(演出制御装置300)と、普図変動表示ゲームが特定結果となることに基づき、普通変動入賞装置37を遊技球が入賞しやすい状態に状態変換する普通変動入賞装置制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき選択した識別情報の変動パターンに従って表示装置41の特図演出領域41aで特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する変動パターン示唆表示を表示可能な変動パターン示唆手段(演出制御装置300)と、を備えている。ここで、特図変動表示ゲームの変動パターンについての示唆内容は、リーチの有無や擬似連の有無、変動時間の長さなど、何でも良い。
したがって、普図演出領域41cで特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する演出が実行可能となり、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなって、遊技の興趣を高めることができる。
また、特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、変動パターンとして、1回の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンを選択可能であり、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、擬似連変動パターンの実行を予告する変動パターン示唆表示を表示可能である。ここで、擬似連変動パターンの実行の予告とは、例えば、再変動表示が行われることを示唆することや、再変動表示の回数を示唆することなどである。
したがって、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、再変動表示動作の実行毎に当該再変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を普図演出領域41cに表示可能である。
したがって、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。また、再変動表示が行われることに期待感を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、表示装置41で複数の識別情報を含む複数の識別情報列の各々で識別情報を変動表示し、各識別情報列において導出した識別情報の組み合せにより結果を表示する特図変動表示ゲームを実行し、変動パターンとして、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンを選択可能であり、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、滑り変動表示動作の実行毎に当該滑り変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を普図演出領域41cに表示可能である。
したがって、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、特図変動表示ゲーム制御手段は、始動記憶に基づき特図変動表示ゲームを実行するように構成され、始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される遊技結果情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段による判定結果に関する情報を普図演出領域41cに表示可能な事前報知手段(演出制御装置300)と、を備えている。
ここで、遊技結果情報とは、始動記憶に基づき実行される変動表示ゲームの実行態様(変動パターン等)や変動表示ゲームの結果、当該結果が特別結果である場合における特別遊技状態の実行態様(ラウンド数等)、を決定するための情報である。
したがって、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、普図演出領域41cにて、所定の結果となる特図変動表示ゲームの実行までのゲーム数を各特図変動表示ゲームの実行毎に表示可能である。
したがって、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、上述の各実施形態及び各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。