JP2015000222A - パチンコ遊技機の磁石検出装置 - Google Patents

パチンコ遊技機の磁石検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 パチンコ遊技機において不正使用される磁石を精度よく検出する。
【解決手段】 パチンコ遊技機内に、フロントカバーと垂直な平面内に所定距離を隔てて磁気検出器23,24を設ける。磁気検出器23は、フロントカバーに直交する第1方向の磁界強さHx1と、フロントカバー11に平行な第2方向の磁界強さHy1とを検出する。磁気検出器24は、前記第1方向の磁界強さHx2と、前記第2方向の磁界強さHy2を検出する。コンピュータ装置25は、前記磁界の強さHx1,Hy1,Hx2,Hy2を用いて、磁力発生源の位置を計算する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、パチンコ遊技機において不正に使用される磁石を検出するパチンコ遊技機の磁石検出装置に関する。
従来から、パチンコ遊技機においては、不正に使用される磁石を検出するために、パチンコ遊技機内に磁気検出装置を組み込むことが行われていた。この磁気検出装置は、例えば下記特許文献1,2に示されているように、パチンコ遊技機に内蔵されたソレノイド、ステッピングモータなどの駆動によって生じる磁場と、不正に使用される磁石によるパチンコ遊技機の外部からの磁場を識別するために、ガラス製のフロントカバーの面に直交する一直線上において、同一方向の磁界の変化に対して出力値を変化させる2つの磁気センサを位置をずらして配置するようにしている。
特開2011−217951号公報 特開2012−34835号公報
しかしながら、同一方向の磁界の変化に対して出力値を変化させる2つの磁気センサでは、湾曲している磁石からの磁力線は磁石の向きにより大きく出力値が異なる。また、磁石の近傍にソレノイド、ステッピングモータなどの磁力発生源が存在する場合には、磁気センサと磁石との物理的な距離が離れても、必ずしても磁力が弱くなるとは限らない。したがって、上記従来の装置では、不正使用される磁石を精度よく検出することは困難であると同時に、パチンコ遊技機に内蔵されているソレノイド、ステッピングモータなどの磁力発生源を誤検出してしまうこともある。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、不正使用される磁石を精度よく検出することが可能なパチンコ遊技機の磁石検出装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、パチンコ遊技機において不正使用される磁石(MG)を検出するためのパチンコ遊技機の磁石検出装置であって、パチンコ遊技機内の第1位置に配置され、第1位置におけるパチンコ遊技機のフロントカバー(11)に直交する第1方向の磁界強さ(Hx1,Hx1’)を検出する第1磁気センサ(23−33,33a,33b,34,34a,34b)と、第1位置に配置され、第1位置におけるフロントカバーに平行な第2方向の磁界強さ(Hy1,Hy1’)を検出する第2磁気センサ(23−35,35a,35b,36,36a,36b)と、パチンコ遊技機内であって第1位置を含みフロントカバーに垂直な平面内であって第1位置から所定距離だけ隔てた第2位置に配置され、第2位置における第1方向の磁界強さ(Hx2,Hx2’)を検出する第3磁気センサ(24−33,33a,33b,34,34a,34b)と、第2位置に配置され、第2位置における第2方向の磁界強さ(Hy2,Hy2’)を検出する第4磁気センサ(24−35,35a,35b,36,36a,36b)と、第1磁気センサ、第2磁気センサ、第3磁気センサ及び第4磁気センサによってそれぞれ検出された磁界強さを用いて、磁力発生源の位置を計算する計算手段(25,S16,S16’,S18,S22,S36,S38,S48)とを備えたことにある。
この場合、第1位置及び第2位置は、例えばフロントカバーに直交する一つの直線上にあるとよい。また、第1位置及び第2位置は、フロントカバーに平行な一つの直線上にあってもよい。
上記のように構成した本発明においては、第1磁気センサ及び第2磁気センサはフロントカバーに垂直な平面内の第1位置に配置され、第3磁気センサ及び第4磁気センサは前記平面内であって第1位置とは離れた第2位置に配置される。そして、第1磁気センサ及び第3磁気センサはフロントカバーに直交する第1方向の磁界強さを検出し、第2磁気センサ及び第4磁気センサはフロントカバーに平行な第2方向の磁界強さを検出する。したがって、第1位置の前記平面内における磁界の方向及び磁界の強さ(すなわち、磁気ベクトル)が検出されるとともに、第2位置の前記平面内における磁界の方向及び磁界の強さ(すなわち、磁気ベクトル)が検出される。これにより、前記平面内における磁力発生源の位置が、第1乃至第4磁気センサによって検出される磁界の強さにより特定されることなり、計算手段が、第1乃至第4磁気センサによって検出される磁界の強さを用いて、前記特定される磁力発生源の位置を計算する。その結果、本発明によれば、前記平面内及び前記平面の近傍位置に存在する磁力発生源の位置がほぼ特定されるので、不正使用される磁石を精度よく検出することができるようになる。
また、第1位置及び第2位置がフロントカバーに直交する一つの直線上にある場合には、第2方向における第1及び第2位置が共通となり、計算手段による磁力発生源の位置の計算が簡単になる。また、第1位置及び第2位置がフロントカバーに平行な一つの直線上にある場合には、第1方向における第1及び第2位置が共通となり、この場合も、計算手段による磁力発生源の位置の計算が簡単になる。
また、本発明の他の特徴は、第1磁気センサ、第2磁気センサ、第3磁気センサ及び第4磁気センサは、一つのケース(21)内に組み込まれていることにある。これによれば、第1乃至第4磁気センサをパチンコ遊技機に組付ける作業が簡単になる。
また、本発明の他の特徴は、計算手段はフロントカバーに直交する方向の位置を含む磁力発生源の位置を計算し、さらに、計算手段により計算されたフロントカバーに直交する方向の位置を用いて不正使用される磁石を判定する判定手段(25,S20,S50)を設けたことにある。これによれば、磁石の不正使用が、フロントカバーに直交する方向の磁力発生源の位置に応じて判定されるので、磁石の不正使用が的確に判定されるようになる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、第1磁気センサ、第2磁気センサ、第3磁気センサ及び第4磁気センサの近傍位置に配置され、前記近傍位置における第1方向と第2方向とに直交する第3方向の磁界強さ(Hz1,Hz1’,Hz2,Hz2’)を検出する少なくとも1つの第5磁気センサ(23’,24’)を設け、計算手段は、第1磁気センサ、第2磁気センサ、第3磁気センサ及び第4磁気センサによってそれぞれ検出された磁界強さに加え、第5磁気センサによって検出された磁界強さをも用いて、磁力発生源の位置を計算するようにしたことにある。これによれば、第1方向及び第2方向で構成される平面、すなわちフロントカバーの垂直な平面に直交する方向の磁界強さも検出されて、この磁界強さも磁力発生源の位置の計算に利用される。その結果、前記垂直な平面から多少離れた位置の磁力発生源の位置も特定できるようになり、不正使用の磁石を広範囲に渡って検出できるようになる。
また、本発明の他の特徴は、第1磁気センサ、第2磁気センサ、第3磁気センサ及び第4磁気センサからそれぞれなる複数組の磁気センサセット(20)をパチンコ遊技機内の異なる位置にそれぞれ設けたことことにある。これによれば、パチンコ遊技機において、不正使用の磁石を広範囲に渡って検出できるようになる。
さらに、本発明の実施にあたっては、パチンコ遊技機において不正使用される磁石の検出方法の発明としても実施し得るものである。
本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機の部分側断面図である。 図1の磁気検出器の内部を示す概略図である。 (a)は磁気検出器の概略斜視図であり、(b)は磁気検出器内の異方性磁気抵抗効果素子の接続図であり、(c)は磁気検出器によってX方向の外部磁界強さが検出されることを説明するための説明図であり、(d)は磁気検出器によってY方向の外部磁界強さが検出されることを説明するための説明図であり、(e)は磁気検出器を構成する異方性磁気抵抗効果素子の特性図である。 第1実施形態に係る磁気検出器、コンピュータ装置などの電気回路図である。 図4のコンピュータ装置によって実行されるプログラムを示すフローチャートである。 第1実施形態に係り、不正使用される磁石の位置の検出動作を説明するための説明図である。 (a)は前記第1実施形態の第2変形例に係る磁気検出器の概略斜視図であり、(b)は磁気検出器内の異方性磁気抵抗効果素子の接続図である。 前記第1実施形態の第2変形例に係る電気回路図である。 前記第1実施形態において、不正に使用される磁石の掲出範囲を示す図である。 前記第1実施形態の第3変形例におけるコンピュータ装置によって実行されるプログラムを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る磁気検出器、コンピュータ装置などの電気回路図である。 図11のコンピュータ装置によって実行されるプログラムを示すフローチャートである。 第2実施形態に係り、不正使用される磁石の位置の検出動作を説明するための説明図である。 (a)(b)は、Y方向において磁石が2つの磁気検出器間にある場合に、不正使用される磁石の位置の検出動作を説明するための説明図である。 (a)(b)は、Y方向において磁石が2つの磁気検出器の外側にある場合に、不正使用される磁石の位置の検出動作を説明するための説明図である。
a.第1実施形態
本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機の部分側断面図である。パチンコ遊技機は、前面をガラス製のフロントカバー11で覆われた樹脂製の遊技盤12を備えている。本明細書においては、フロントカバー11の前面によって形成される平面に直交する方向をX方向とし、前記平面内における上下方向をY方向とし、かつ前記平面内における左右方向をZ方向とする。これらのX方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交する。遊技盤12には、複数の釘13が埋め込まれている。遊技盤12の複数箇所にはX方向に延設された貫通孔12aがそれぞれ形成され、複数の貫通孔12a内には磁気検出装置20がそれぞれ挿入されている。遊技盤12の後面には樹脂製のべースプレート14が組付けられ、複数の磁気検出装置20はべースプレート14によって遊技盤12にそれぞれ固定されている。
磁気検出装置20は、図2に示すように、内部に空間を形成した直方体状の基部21a及び前記基部21aの側面から突出された前記空間と連通する空間を形成した長尺状かつ直方体状の突出部21bからなるケース21を有する。そして、ケース21の突出部21bがX方向に延設されている。ケース21内にはプリント基板22が組み込まれており、プリント基板22上には、磁気検出器23,24、コンピュータ装置25及びコネクタ26に加えて、図示省略した各種電気回路素子及び接続線が配置されている。
磁気検出器23,24は、X方向及びY方向の磁界強さを検出するもので、Y方向位置及びZ方向位置をそれぞれ同じにし、X方向において所定距離(例えば、10数ミリメートル〜数10ミリメートル)だけ離間されている。磁気検出器23,24は同じで構成であり、図3(a)に示すように、それぞれ、永久磁石からなるバイアス磁石31と、Si、ガラスなどで構成された平板状の基板32と、基板32上にスパッタリングなどにより形成されて、Ni,Fe等の強磁性金属を主成分とする合金の薄膜からなる異方性磁気抵抗効果素子33,34,35,36とからなるAMRセンサである。バイアス磁石31は、円柱状に薄く形成され、N極及びS極が軸線方向になるように磁化されて、軸線方向がZ方向になるように配置されている。基板32は、その中心Oがバイアス磁石31の磁極面の中心と一致するように、バイアス磁石31に対向して配置され、すなわちX−Y平面内に配置されている。
異方性磁気抵抗効果素子33,34,35,36は、基板32の中心OからY方向及びX方向に同一距離の位置にそれぞれ配置されている。また、異方性磁気抵抗効果素子33,34,35,36は、それらの長尺状部分を平行に折り返して延伸させている。異方性磁気抵抗効果素子33の長尺状部分の延伸方向はX方向(Y方向)に対して45度(135度)だけ傾いた方向であり、異方性磁気抵抗効果素子34の長尺状部分の延伸方向は異方性磁気抵抗効果素子33の長尺状部分の延伸方向と直交する方向、すなわちX方向(Y方向)に対して135度(45度)だけ傾いた方向である。異方性磁気抵抗効果素子35の長尺状部分の延伸方向はX方向(Y方向)に対して135度(45度)だけ傾いた方向(異方性磁気抵抗効果素子34の長尺状部分の延伸方向と同じ方向)であり、異方性磁気抵抗効果素子36の長尺状部分の延伸方向は異方性磁気抵抗効果素子35の長尺状部分の延伸方向と直交する方向、すなわちX方向(Y方向)に対して45度(135度)だけ傾いた方向(異方性磁気抵抗効果素子33の長尺状部分の延伸方向と同じ方向)である。
このように構成した磁気検出器23,24は、プリント基板22上に設けた配線により、ハーフブリッジ接続されている。具体的には、図3(b)に示すように、異方性磁気抵抗効果素子33,34が直列接続されるとともに、その両端に電圧Vccが印加されて、異方性磁気抵抗効果素子33,34の接続点から出力電圧outAが取出される。また、異方性磁気抵抗効果素子35,36も直列接続されるとともに、その両端に電圧Vccが印加されて、異方性磁気抵抗効果素子35,36の接続点から出力電圧outBが取出される。
ここで、出力電圧outAがX方向の外部磁界強さHxを表し、出力電圧outBがY方向の外部磁界強さHyを表すことを、図3(c)(d)を用いて説明しておく。図3(c)(d)においては、X−Y平面内における外部磁界Hout、そのX方向成分Houtx及びY方向成分Houty、並びにバイアス磁石31による異方性磁気抵抗効果素子33,34,35,36に対するバイアス磁界Hbを、それぞれベクトル表示で表している。なお、基板32に対向するバイアス磁石31の磁極はN極であるものとする。この場合、異方性磁気抵抗効果素子33,34,35,36の位置におけるバイアス磁界Hbの強さは全て同じであり、異方性磁気抵抗効果素子33,34の位置におけるバイアス磁界Hbの方向はそれぞれX方向であって中心Oに対して外側方向であり、かつ異方性磁気抵抗効果素子35,36の位置におけるバイアス磁界Hbの方向はそれぞれY方向であって中心Oに対して外側方向である。
まず、外部磁界HoutのX方向成Houtxの検出について、図3(c)を用いて説明する。異方性磁気抵抗効果素子33,34の位置におけるバイアス磁界Hb,Hbは、図示のように、X軸方向において中心Oから右方向及び左方向にそれぞれ向き、それらの大きさは同じである。この場合、異方性磁気抵抗効果素子33,34の位置における外部磁界HoutのY方向成分Houtyとバイアス磁界Hbとの合成磁界H33y,H34yの方向は、右上位置及び左上位置に図示するように、Y軸方向に対して対称であり、かつそれらの大きさは同じである。また、異方性磁気抵抗効果素子33,34の長尺状部の延設方向も、Y軸方向に対して対称である。したがって、異方性磁気抵抗効果素子33,34の長尺状部分に直交する方向の合成磁界H33y,H34yの大きさは共に同じになる。これにより、外部磁界HoutのY方向成分Houtyによってもたらされる異方性磁気抵抗効果素子33,34の抵抗値の変化は同じであって相殺されるので、外部磁界HoutのY方向成分Houtyは出力電圧outAには影響しない。
一方、異方性磁気抵抗効果素子33,34の位置における外部磁界HoutのX方向成分Houtxとバイアス外部磁界Houtとの合成磁界H33x,H34xの方向は、右下位置及び左下位置に図示するように、共にX軸方向である。そして、図示のように、外部磁界HoutのX方向成分Houtxが右方向を向いていれば、異方性磁気抵抗効果素子33の位置における外部磁界HoutのX方向成分Houtxとバイアス磁界Hbの合成磁界H33xは、X方向成分Houtxとバイアス磁界Hbとを加算したものとなる。また、異方性磁気抵抗効果素子34の位置における外部磁界HoutのX方向成分Houtxとバイアス磁界Hbの合成磁界H34xは、バイアス磁界HbからX方向成分Houtxを減算したものとなる。前記とは逆に、外部磁界HoutのX方向成分Houtxが左方向を向いていれば、異方性磁気抵抗効果素子33の位置における外部磁界HoutのX方向成分Houtxとバイアス磁界Hbの合成磁界H33xは、バイアス磁界HbからX方向成分Houtxを減算したものとなる。また、異方性磁気抵抗効果素子34の位置における外部磁界HoutのX方向成分Houtxとバイアス磁界Hbの合成磁界H34xは、X方向成分Houtxとバイアス磁界Hbとを加算したものとなる。そして、異方性磁気抵抗効果素子33,34の長尺状部の延設方向は、Y軸方向に対して対称である。したがって、異方性磁気抵抗効果素子33,34の長尺状部分に直交する方向の合成磁界H33x,H34xの大きさには、外部磁界HoutのX方向成分Houtxの大きさに応じた差が生じる。これにより、異方性磁気抵抗効果素子33,34の抵抗値は外部磁界HoutのX方向成分Houtxの大きさに応じて変化し、出力電圧outAは外部磁界HoutのX方向成分Houtxに応じて変化する。その結果、異方性磁気抵抗効果素子33,34からなるハーフブリッジ回路の出力電圧outAはX−Y平面内におけるX方向の外部磁界強さHoutxを表すことになり、異方性磁気抵抗効果素子33,34はX方向の磁界強さHoutxを検出する磁気センサとして機能する。
次に、外部磁界HoutのY方向成Houtyの検出について、図3(d)を用いて説明する。異方性磁気抵抗効果素子35,36の位置におけるバイアス磁界Hb,Hbは、図示のように、Y軸方向において中心Oから上方向及び下方向にそれぞれ向き、それらの大きさは同じである。この場合、異方性磁気抵抗効果素子35,36の位置における外部磁界HoutのX方向成分Houtyとバイアス磁界Hbとの合成磁界H35x,H36xの方向は、左上位置及び左下位置に図示するように、X軸方向に対して対称であり、かつそれらの大きさは同じである。また、異方性磁気抵抗効果素子35,36の長尺状部の延設方向も、X軸方向に対して対称である。したがって、異方性磁気抵抗効果素子35,36の長尺状部分に直交する方向の合成磁界H35x,H36xの大きさは共に同じになる。これにより、外部磁界HoutのX方向成分Houtxによってもたらされる異方性磁気抵抗効果素子35,36の抵抗値の変化は同じであって相殺されるので、外部磁界HoutのX方向成分Houtxは出力電圧outBには影響しない。
一方、異方性磁気抵抗効果素子35,36の位置における外部磁界HoutのY方向成分Houtyとバイアス外部磁界Houtとの合成磁界H35y,H36yの方向は、右上位置及び右下位置に図示するように、共にY軸方向である。そして、図示のように、外部磁界HoutのY方向成分Houtyが上方向を向いていれば、異方性磁気抵抗効果素子35の位置における外部磁界HoutのY方向成分Houtyとバイアス磁界Hbの合成磁界H35yは、Y方向成分Houtyとバイアス磁界Hbとを加算したものとなる。また、異方性磁気抵抗効果素子36の位置における外部磁界HoutのY方向成分Houtyとバイアス磁界Hbの合成磁界H36yは、バイアス磁界HbからY方向成分Houtyを減算したものとなる。前記とは逆に、外部磁界HoutのY方向成分Houtyが下方向を向いていれば、前記とは逆に、異方性磁気抵抗効果素子35の位置における外部磁界HoutのY方向成分Houtyとバイアス磁界Hbの合成磁界H35yは、バイアス磁界HbからY方向成分Houtyを減算したものとなる。また、異方性磁気抵抗効果素子36の位置における外部磁界HoutのY方向成分Houtyとバイアス磁界Hbの合成磁界H36yは、Y方向成分Houtyとバイアス磁界Hbとを加算したものとなる。そして、異方性磁気抵抗効果素子35,36の長尺状部の延設方向は、X軸方向に対して対称である。したがって、異方性磁気抵抗効果素子35,36の長尺状部分に直交する方向の合成磁界H35y,H36yの大きさには、外部磁界HoutのY方向成分Houtyの大きさに応じた差が生じる。これにより、異方性磁気抵抗効果素子35,36の抵抗値は外部磁界HoutのY方向成分Houtyの大きさに応じて変化し、出力電圧outBは外部磁界HoutのY方向成分Houtyに応じて変化する。その結果、異方性磁気抵抗効果素子35,36からなるハーフブリッジ回路の出力電圧outBは、X−Y平面内におけるY方向の外部磁界強さHoutyを表すことになり、異方性磁気抵抗効果素子35,36はY方向の磁界強さHoutyを検出する磁気センサとして機能する。
次に、プリント基板22上に配置された磁気検出器23,24、コンピュータ装置25、コネクタ26、各種電気回路素子などからなる電気回路について図4を用いて説明する。磁気検出器23,24は、A/D変換器27に接続され、磁気検出器23,24の各出力電圧outA,outBはそれぞれA/D変換器27に供給される。すなわち、磁気検出器23によって検出されるX方向及びY方向の磁界強さHx1,Hy1及び磁気検出器24によって検出されるX方向及びY方向の磁界強さHx2,Hy2が、それぞれA/D変換器27に供給される。A/D変換器27は、これらの磁界強さHx1,Hy1,Hx2,Hy2を表す出力電圧outA,outBをそれぞれディジタル変換して、コンピュータ装置25に供給する。
コンピュータ装置25は、CPU,ROM,RAM,その他のメモリ装置からなり、図5に示すプログラムを実行して、入力した磁界強さHx1,Hy1,Hx2,Hy2を用いて不正に使用される磁石MGを検出する。コンピュータ装置25の出力は、コネクタ26を介して警報器28に接続されるとともに、パチンコ遊技機を管理する管理室に接続されている。警報器28は、パチンコ遊技機内に設けられた警報表示器又は警報音発生器であり、コンピュータ装置25によって不正使用の磁石MGが発見されたとき、不正使用者に対して警告する。管理室には磁石MGの不正使用を管理者に知らせる通知装置が設けられている。
上記のように構成した第1実施形態に係る磁石検出装置の動作を説明する前に、この第1実施形態における不正使用の磁石MGの検出原理について説明しておく。図6は不正使用される磁石MGの検出動作を説明するための説明図であり、X−Y平面における磁気検出器23,24及び不正使用の磁石MGの位置を示している。この場合、磁気検出器23及び磁気検出器24はフロントカバー11の内側にてXY座標位置(b,0),(−b,0)にそれぞれ位置し、磁石MGはフロントカバー11に近接した外部位置であるXY座標位置(xm,ym)にあるものとする。なお、紙面に垂直方向であるZ方向位置に関しては、全て同一であるものとする。
ここで、磁石MGの磁気量をMとするとともに、空気の透磁率をμとすれば、磁石MGから距離rだけ離れた磁界強さHは下記数1のように表される。
Figure 2015000222
この場合、値4・π・μは定数であるので、前記数1の簡略化のために、値1/(4・π・μ)を値a(定数)とすると、前記数1は下記数2のように変形される。また、半径rは下記数3のように表される。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
ここで、ある位置におけるX方向及びY方向の磁界強さをそれぞれHx,Hyとすれば、前記位置の磁界強さHは下記数4のように表される。
Figure 2015000222
ここで、磁気検出器23によってそれぞれ検出されるX方向及びY方向の磁界強さをHx1,Hy1とするとともに、磁気検出器24によってそれぞれ検出されるX方向及びY方向の磁界強さをHx2,Hy2とすれば、磁気検出器23,24の位置における磁界強さH1,H2は下記数5,6で表される。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
また、磁気検出器23,24から磁石MGまでの距離をそれぞれr1,r2とすれば、前記数3より下記数7,8が成立する。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
そして、前記数7,8より下記数9が成立し、下記数9を解くと、磁石MGのX座標位置xmが下記数10によって表される。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
この場合、磁気検出器23,24の位置における磁界強さH1,H2は、前記数5,6のとおりであるので、磁石MGのX座標位置xmが推定されることになる。
一方、磁気検出器23,24から磁石MGまでの距離r1,r2は、前記数3からそれぞれ下記数11,12のように表される。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
また、前記数10〜12を用いて、磁石MGのX座標値xを距離r1、r2を用いて表しておくと、X座標値xmは下記数13のように表される。
Figure 2015000222
ここで、前記磁化量Mとは異なる磁化量M’の磁石MGが不正使用された場合を想定する。この場合の磁気検出器23,24の位置における磁界強さH1,H2は、前記数2に基づき、下記数14,15となる。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
この磁界強さH1,H2と磁気量M’を数10に代入することにより、この場合の磁石MGのX座標位置xm’は下記数16のようになる。
Figure 2015000222
この数16によれば、磁化量M’が磁化量Mよりも大きいときには、磁石MGのX座標位置xm’は前記X座標値xmよりも小さい値になる。すなわち、磁化量Mが予め決められた値に設定されているとき、磁化量Mよりも大きな磁化量M’の磁石MGが不正使用されると、パチンコ遊技機の正面にてより近くの位置に磁石MGが存在していることになる。この発明は、基本的にはフロントカバー11の外側近くで磁石MGが不正使用されることを防止するもので、前記数16の演算結果はフロントカバー11に近づく側で磁石MGが不正使用されたことを意味するので、後述するプログラム処理における磁石MGのX座標値xmの計算においては、磁石MGの磁化量を適当な所定値に定めることにより、磁石MGの不正使用を防止する点では適当である。
次に、前記のようにして計算される磁石MGのX座標値xm及び磁気検出器23までの距離r1を用いて磁石MGの不正使用を防止する前記構成の第1実施形態の動作について、図5のプログラムに沿って説明する。コンピュータ装置25は電源のオンにより作動を開始して図5のステップS10にてプログラムの実行を開始する。このプログラムの実行開始後、コンピュータ装置25は、ステップS12にて磁気検出器23,24からのX方向及びY方向の磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2をA/D変換器27を介して所定時間(例えば、1ms)に渡って所定の短時間ごとに入力する。そして、ステップS14にて、入力した各複数の磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2の平均値をそれぞれ計算して、その後、各複数の磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2の平均値を各種演算に利用する。なお、以降の演算処理においては、前記計算した平均値を磁気検出器23,24によって検出されたX方向及びY方向の磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2として表記する。
前記ステップS14の処理後、コンピュータ装置25は、ステップS16にて、X方向及びY方向の磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2を用いて前記数5,6に従って磁界強さH1,H2を計算する。次に、コンピュータ装置25は、ステップS18にて、前記計算した磁界強さH1,H2を用いて前記数10に従って磁石MGのX座標値xmを計算する。この場合、数10中において、値aは前述したように予め決められた固定値1/(4・π・μ)であり、値bはパチンコ遊技機内にて予め決められた中心位置Oから磁気検出器23,24までの予め決められた距離である。また、値Mも予め適当に決められた磁化量であり、例えば、不正使用される可能性が高い磁石MGの磁化量よりも若干だけ小さな磁化量である。
前記ステップS18の処理後、コンピュータ装置25は、ステップS20にて、前記計算したX座標値xmが所定距離X0よりも大きく、かつ所定距離X1よりも小さいか(X0<xm<X1)を判定する。この場合、所定距離X0は、パチンコ遊技機内のソレノイド、ステッピングモータなどの磁界発生源を誤検出しないようにするための予め決められたX方向の距離であり、図6のX−Y座標の中心Oからフロントカバー11までのX方向距離よりも若干短い距離である。また、所定距離X1は、磁石MGの不正使用を検出するために予め決められたX方向の距離であり、前記中心Oから不正使用者が使用する磁石MGがパチンコ遊技機に影響を及ぼす可能性のあるX方向の最大距離である。
X座標値xmが所定距離X0以下又は所定距離X1以上であれば、コンピュータ装置25は、ステップS20にて「No」と判定して前述したステップS12〜S20からなる処理を繰返し実行する。一方、X座標値xmが所定距離X0よりも大きく、かつ所定距離X1よりも小さければ、コンピュータ装置25は、ステップS20にて「Yes」と判定し、ステップS22にて、前記計算した磁界強さH1を用いて前記数11に従って磁気検出器23から磁石MGまでの距離r1を計算する。この数11においても、値a,Mは前述した磁石MGのX座標値xmの計算に用いた値である。
前記ステップS22の処理後、コンピュータ装置25は、ステップS24にて、前記計算した距離r1が所定距離R1よりも小さいか(r1<R1)を判定する。この場合、所定距離R1は、磁石MGの不正使用を検出するために磁気検出器23から磁石MGまでの予め決められた距離であり、磁気検出器23から不正使用者が使用する磁石MGがパチンコ遊技機に影響を及ぼす可能性のある最大距離である。
距離r1が所定距離R1以上であれば、コンピュータ装置25は、ステップS24にて「No」と判定して前述したステップS12〜S24からなる処理を繰返し実行する。一方、距離r1が所定距離R1よりも小さければ、コンピュータ装置25は、ステップS24にて「Yes」と判定し、ステップS26に進む。ステップS26においては、警報器28及び管理室に対して不正使用の磁石MGを表す信号を出力する。警報器28は、表示又は音により不正使用者に対して警告する。また、管理室内においては、管理室に設置されたコンピュータ装置を介して、磁石MGの不正使用が管理者に知らされる。
なお、パチンコ遊技機の電気回路装置及び動作においては、1対の磁気検出器23,24からなる1つの磁気検出装置20のみについて説明した。しかし、パチンコ遊技機内には、図1を用いて説明したように、1対の磁気検出器23,24をそれぞれ有する複数の磁気検出装置20が設けられている。この場合、複数の磁気検出装置20はそれぞれ同様に構成されるとともに、同様に動作するので、各磁気検出装置20に対して前述した電気回路装置及び動作の説明が適用される。この場合、各磁気検出装置20の電気回路装置及び動作は基本的には同じでもよいが、磁気検出装置20が設けられているパチンコ遊技機内の位置に応じて、前述した図5のステップS20,S24の処理における所定距離X0,X1,R1を、パチンコ遊技機内のソレノイド、ステッピングモータなどの磁力発生源及びその他の部品の位置と、磁気検出装置20との相対位置関係に応じて種々に変更するようにするとよい。
上記のように動作する第1実施形態に係るパチンコ遊技機においては、磁気検出器23内の磁気センサ33,34が磁気検出器23の位置におけるX方向の磁界強さHx1を検出するとともに、磁気検出器23内の磁気センサ35,36が磁気検出器23の位置におけるY方向の磁界強さHy1を検出する。また、磁気検出器23内の磁気センサ33,34が磁気検出器24の位置におけるX方向の磁界強さHx2を検出するとともに、磁気検出器24内の磁気センサ35,36が磁気検出器24の位置におけるY方向の磁界強さHy2を検出する。そして、コンピュータ装置25が、図5のプログラムの実行により、磁石MGの位置を計算して、計算された位置に応じて磁石MGの不正使用を判定して警報を発生する。したがって、この第1実施形態によれば、磁石MGの位置が精度よく特定され、磁石MGの不正使用が的確に防止される。
また、磁気検出器23,24のY方向位置は共通であるので、磁石MGの位置の計算が簡単になる。また、磁気検出器23,24は一つのケース21内に組込まれているので、磁気検出器23,24のパチンコ遊技機に対する組み付け作業が簡単になる。さらに、パチンコ遊技機には、磁気検出器23,24を有する複数の磁気検出装置20が異なる箇所に配置されているので、磁石MGの不正使用を広範囲に渡って検出できるようになる。
a1.第1変形例
上記第1実施形態においては、図5のステップS18の処理により磁石MGのX座標値xmを計算して、ステップS20にて前記計算したX座標値xmと所定値X0,X1と比較するとともに、ステップS22の処理により磁気検出器23から磁石MGまでの距離r1を計算して、ステップS24にて前記計算した距離r1と所定距離R1とを比較することにより不正使用されている磁石MGを検出するようにした。しかし、この距離r1は磁石MGのX座標値xmと合わせて磁石MBのパチンコ遊技機に対するX−Y平面内の位置を表すものであるので、距離r1に代え又は加えて、前記数12を用いて距離r2を計算して不正使用されている磁石MGを検出してもよい。また、計算したX座標値xmを用いて、前記数8又は数9に従って磁石MGのY座標値ymを計算して不正使用されている磁石MGを検出するようにしてもよい。さらには、前記計算したX座標値xm及びY座標値ymを用いて、X−Y座標の中心位置O(磁気検出器23,24の中央位置)から磁石MGまでの距離rを計算して不正使用されている磁石MGを検出するようにしてもよい。これらの場合も、計算された距離r2、Y座標値ym及び距離rをそれぞれ予め決められた所定距離と比較して、磁石MGの不正使用を検出するとよい。
a2.第2変形例
上記第1実施形態では、磁気検出装置20内の磁気検出器23,24として異方性磁気抵抗効果素子33,34,35,36をハーフブリッジ接続した磁気センサを用いるようにした。しかし、これらの磁気検出器23,24として異方性磁気抵抗効果素子をフルブリッジ接続した磁気センサを用いるようにしてもよい。この場合も、磁気検出器23,24は同じで構成であり、図7(a)に示すように、それぞれ、バイアス磁石31と、基板32と、異方性磁気抵抗効果素子33a,33b,34a,34b,35a,35b,36a,36bとからなるAMRセンサである。バイアス磁石31及び基板32は、上記第1実施形態の場合と同じである。異方性磁気抵抗効果素子33a,34a,35a,36aは上記第1実施形態の異方性磁気抵抗効果素子33,34,35,36と同じ位置にて同じ方向にそれぞれ延伸されており、異方性磁気抵抗効果素子33b,34b,35b,36bは異方性磁気抵抗効果素子33a,34a,35a,35aのそれぞれ外側位置に配置されて、異方性磁気抵抗効果素子33a,34a,35a,36aの延伸方向とそれぞれ直交するに延伸されている。なお、異方性磁気抵抗効果素子33a,34a,35a,36aの延伸方向を異方性磁気抵抗効果素子33a,34a,35a,36aの延伸方向とそれぞれ同じ方向に延伸させるようにしてもよいが、前述の直交する方向の方が検出誤差を小さくできる傾向にある。
そして、これらの異方性磁気抵抗効果素子33a,33b,34a,34b,35a,35b,36a,36bは、図7(b)に示すように、フルブリッジ接続されている。すなわち、異方性磁気抵抗効果素子33a,34aが直列接続されるとともに、その両端に電圧Vccが印加されて、異方性磁気抵抗効果素子33a,34aの接続点から出力電圧outA(X方向の磁界強さHxに対応)が取出される。異方性磁気抵抗効果素子34b,33bが直列接続されるとともに、その両端に電圧Vccが印加されて、異方性磁気抵抗効果素子34b,33bの接続点から出力電圧outA’(X方向の磁界強さHx’に対応)が取出される。この場合も、前述したハーフブリッジ接続の場合と同様に、出力電圧outA,outA’は、外部磁界HoutのX方向成分Houtxに応じてそれぞれ変化する。ただし、出力電圧outA’は、外部磁界HoutのX方向成分Houtxに対して、出力電圧outAとは正負逆方向に変化する。これは、後述する差動増幅器41,43(図8参照)による差電圧outA−outA’の出力により、前記ハーフブリッジ回路の場合の約2倍の出力を得ることができるようにするためである。
また、異方性磁気抵抗効果素子35a,36aが直列接続されるとともに、その両端に電圧Vccが印加されて、異方性磁気抵抗効果素子35a,36aの接続点から出力電圧outB(Y方向の磁界強さHyに対応)が取出される。異方性磁気抵抗効果素子36b,35bが直列接続されるとともに、その両端に電圧Vccが印加されて、異方性磁気抵抗効果素子36b,35bの接続点から出力電圧outB’(Y方向の磁界強さHy’に対応)が取出される。この場合も、前述したハーフブリッジ接続の場合と同様に、出力電圧outB,outB’は、外部磁界HoutのY方向成分Houtyに応じてそれぞれ変化する。ただし、出力電圧outB’は、外部磁界HoutのY方向成分Houtyに対して、出力電圧outBとは正負逆方向に変化する。これは、後述する差動増幅器42,44(図8参照)による差電圧outB−ouB’の出力により、前記ハーフブリッジ回路の場合の約2倍の出力を得ることができるようにするためである。
次に、異方性磁気抵抗効果素子33a,33b,34a,34bをフルブリッジ接続した磁気検出器23,24を用いた磁石検出装置の電気回路装置について図8を用いて説明する。この場合、磁気検出器23は、外部磁界HoutのX方向成分Houtxに関する出力電圧outA,outA’をそれぞれ出力するとともに、外部磁界HoutのY方向成分Houtyに関する出力電圧outB,outB’をそれぞれ出力する。この場合の出力電圧outA,outA’は磁気検出器23の位置におけるX方向の磁界強さHx1,Hx1 ’をそれぞれ表し、出力電圧outB,outB’は 磁気検出器23の位置におけるY方向の磁界強さHy1,Hy1 ’をそれぞれ表すものとする。また、磁気検出器24は、外部磁界HoutのX方向成分Houtxに関する出力電圧outA,outA’をそれぞれ出力するとともに、外部磁界HoutのY方向成分Houtyに関する出力電圧outB,outB’をそれぞれ出力する。この場合の出力電圧outA,outA’は磁気検出器24の位置におけるX方向の磁界強さHx2,Hx2 ’をそれぞれ表し、出力電圧outB,outB’は 磁気検出器24の位置におけるY方向の磁界強さHy2,Hy2 ’をそれぞれ表すものとする。
磁気検出器23からの出力電圧outA,outA’は差動増幅器41の正負入力にそれぞれ供給されるとともに、磁気検出器23からの出力電圧outB,outB’は差動増幅器42の正負入力にそれぞれ供給される。差動増幅器41は出力電圧outA,outA’の差電圧outA−outA’をA/D変換器27に出力し、差動増幅器42は出力電圧outB,outB’の差電圧outB−outB’をA/D変換器27に出力するので、A/D変換器27には、フルブリッジ回路からなる磁気検出器23によって検出された磁気検出器23の位置におけるX方向の磁界強さHx1を表す信号と、フルブリッジ回路からなる磁気検出器23によって検出された磁気検出器23の位置におけるY方向の磁界強さHy1を表す信号とが供給されることになる。
磁気検出器24からの出力電圧outA,outA’は差動増幅器43の正負入力にそれぞれ供給されるとともに、磁気検出器24からの出力電圧outB,outB’は差動増幅器44の正負入力にそれぞれ供給される。差動増幅器43は出力電圧outA,outA’の差電圧outA−outA’をA/D変換器27に出力し、差動増幅器44は出力電圧outB,outB’の差電圧outB−outB’をA/D変換器27に出力するので、A/D変換器27には、フルブリッジ回路からなる磁気検出器24によって検出された磁気検出器24の位置におけるX方向の磁界強さHx2を表す信号と、フルブリッジ回路からなる磁気検出器24によって検出された磁気検出器24の位置におけるY方向の磁界強さHy2を表す信号とが供給されることになる。その結果、A/D変換器27には、上記第1実施形態の場合と同様に、磁気検出器23,24によって検出された磁界強さHx1,Hy1,Hx2,Hy2を表す信号が供給されることになる。ただし、磁界強さHx1,Hy1,Hx2,Hy2を表す信号がフルブリッジ回路からなる磁気検出器23,24によって検出されたものである点で、上記第1実施形態の場合とは異なる。
そして、A/D変換器27、コンピュータ装置25、コネクタ26及び警報器28に関しては、上記第1実施形態と同様に構成されているので、上記第1実施形態と同様な符号を付して、それらの説明を省略する。
上記のように構成したこの第2変形例に係る磁石検出装置は、磁気検出器23,24及び差動増幅器41,42,43,44の構成が異なる以外には、上記第1実施形態と同様であるので、上記第1実施形態の場合と同様に、不正使用による磁石MGが検出される。ただし、この変形例に係る磁石検出装置における磁気検出器23,24及び差動増幅器41,42,43,44からなる磁気検出装置20は、上記第1実施形態の場合に比べて、高精度で磁界強さHx1,Hy1,Hx2,Hy2を検出するので、不正使用される磁石MGの検出精度が良好となる。
a3.第3変形例
次に、上記第1実施形態の第3変形例について説明する。上記第1実施形態においては、2つの位置におけるX方向の磁界強さHx1,Hx2及びY方向の磁界強さHy1,Hy2をそれぞれ検出して、2つの位置の磁界強さH1,H2を導出し、不正使用される磁石MGを検出するようにした。しかし、上記第1実施形態においては、Z方向の磁界強さを検出していないために、磁石MGの検出範囲は、図9に示すようになる。図9において、(a)はフロントカバー11の正面側から見た磁石MGの検出範囲を破線で示すものであり、フロントカバー11の正面に対して磁気検出器23,24を中心にして8の字状となる。(b)はフロントカバー11の側方側すなわち(a)のb−b線に沿って見た磁石MGの検出範囲を破線で示すものであり、フロントカバー11の前面上にて磁気検出器23,24を中心に楕円状になる。(c)はフロントカバー11の上方側すなわち(a)のc−c線に沿って見た磁石MGの検出範囲を破線で示すものであり、フロントカバー11の前面上にて磁気検出器23,24を中心に略円形状になる。
この第3変形例においては、図4に破線で示すように、磁気検出器23,24に加え、磁気検出器23,24とほぼ同一位置にZ方向の磁界強さHz1、Hz2をそれぞれ検出する磁気検出器23’,24’を設ける。この磁気検出器23’,24’においては、前述した図3と同様なバイアス磁石31、基板32及び異方性磁気低効果素子33,34とにより構成される。なお、異方性磁気低効果素子35,36に関しては、存在してもよいが、特に必要としない。そして、磁気検出面(基板32の面)をX−Z平面又はY−Z平面と平行、かつ異方性磁気抵抗効果素子33,34をZ方向の同一直線上に位置するように、磁気検出器23’,24’を磁気検出器23,24とほぼ同一位置に配置する。このように構成すれば、磁気検出器23’,24’は、前述した磁気検出器23,24によるX方向の磁界強さHx1,Hx2及びY方向の磁界強さHy1,Hy2と同様に、磁気検出器23’,24’の位置における磁界強さHz1,Hz2を検出するようになる。そして、図4に破線で示すように、この検出された磁界強さHz1,Hz2を表す信号がA/D変換器27に供給されるように、磁気検出器23’,24’をA/D変換器27に接続する。
上記のように構成した第3変形例に係る磁石検出装置の動作を説明する前に、この第3変形例において不正使用される磁石MGの検出原理について説明しておく。この場合も、図6を用いて前述したように、磁石MGはXY座標位置(xm,ym)に位置し、磁気検出器23,23’はXY座標位置(b,0)に位置し、かつ磁気検出器24,24’はXY座標位置(−b,0)に位置する。また、この場合には、Z方向の磁界Hzも考慮しているので、磁石MGのZ座標はzmであり、磁気検出器23,24及び磁気検出器23’,24’のZ座標は「0」である。なお、この場合も、磁気検出器23,23’の位置の磁界強さをH1とし、磁気検出器23,23’から磁石MGまでの距離をr1とする。また、磁気検出器24,24’の位置の磁界強さをH2とし、磁気検出器24,24’から磁石MGまでの距離をr2とする。
この場合も、前述した数1〜数3は成立し、磁界強さHに関しては、X方向、Y方向及びZ方向の磁界強さをHx,Hy,Hzとすると、下記数17が成立する。
Figure 2015000222
したがって、磁気検出器23,23’の位置における磁界強さH1は、磁気検出器23,23’によって検出された磁界強さHx1,Hy1,Hz1を用いて表すと下記数18のようになる。
Figure 2015000222
また、磁気検出器24,24’の位置における磁界強さH2は、磁気検出器24,24’によって検出された磁界強さHx2,Hy2,Hz2を用いて表すと下記数19のようになる。
Figure 2015000222
一方、距離r1,r2に関しては、前述した数3により、下記数20,21が成立する。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
そして、前記数20,21より下記数22が成立し、下記数22を解くと、磁石MGのX座標位置xmが下記数23によって表される。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
この数23における磁界強さH1,H2は前記数18,19のとおりであるので、磁石MGのX座標位置xmが推定されることになる。
また、磁気検出器23,23’から磁石MGまでの距離r1及び磁気検出器24,24’から磁石MGまでの距離r2は、前述した数3からそれぞれ下記数24,25のように表される。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
この場合、前記数23〜25は前記数10〜12と全く同じであり、異なる点は、磁気検出器23,23’の位置における磁界強さH1及び磁気検出器24,24’の位置における磁界強さH2が、磁気検出器23’24’によって検出された磁界強さHz1,Hz2を含む前記数18,19に従って計算されることのみである。
次に、この第3変形例の動作について説明すると、コンピュータ装置25は、図5のプログラムに代えて図5のプログラムを一部変形した図10のプログラムを実行する。この第3変形例においても、コンピュータ装置25は、電源のオンにより、ステップS10にてプログラムの実行を開始し、ステップS12’にて、前述した磁気検出器23,24からの磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2を入力するのに加えて、磁気検出器23’,24’からの磁界強さHz1,Hz2もA/D変換器27を介して所定時間(例えば、1ms)に渡って所定の短時間ごとに入力する。そして、ステップS14’にて、各複数の磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2の平均値の計算に加えて、各複数の磁界強さHz1,Hz2の平均値も計算する。
前記ステップS14’の処理後、コンピュータ装置25は、ステップS16’にて、前記計算した平均値である磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2,Hz1,Hz2を用いて、前記数18,19に従って、磁気検出器23,23’の位置における磁界強さH1と、磁気検出器24,24’の位置における磁界強さH2を計算する。
その後、コンピュータ装置25は、上記第1実施形態の場合と同様に、ステップS18にて前記計算した磁界強さH1,H2を用いた前記数23(前記数10と同じ)の演算の実行により磁石MGのX座標値xmを計算するとともに、ステップS22にて前記計算した磁界強さH1を用いた前記数24(前記数11と同じ)の演算の実行により磁気検出器23,23’から磁石MGまでの距離r1を計算する。また、上記第1実施形態の場合と同様なステップS20,S24,S26の処理により、X座標値xmが所定距離X0よりも大きくかつ所定距離X1よりも小さく(X0<x<X1)、さらに距離r1が所定距離R1より小さい場合には、警報器を駆動するとともに、不正磁石MGの発見を管理室に通知する。
したがって、この第3変形例によれば、上記第1実施形態と同様に、不正に使用される磁石MGが検出されるとともに、磁石MGの検出時には、警報器の駆動及び管理室への通知により、不正磁石MGの使用が防止される。また、この第3変形例によれば、X方向の磁界強さHx1,Hx2及びY方向の磁界強さHy1,Hy2の検出に加えて、Z方向の磁界強さHz1,Hz2も検出し、これらの磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2,Hz1,Hz2を用いて磁石MGの位置を検出するようにしたので、Y−Z平面における磁石MGの検出範囲は前述した第1実施形態の「8」の字状ではなく、円形となり、検出範囲が拡大される。
なお、この第3変形例は、前記第1変形例における距離r2の計算においても適用され得る。この場合、前記数25にステップS16’で計算した磁界強さH2を代入すればよい。
また、この第3変形例は、前記第2変形例におけるフルブリッジ回路を用いた磁気検出器23,24の場合にも適用され得る。この場合、図8に破線で示すように、磁気検出器23とほぼ同一位置にZ方向の磁界強さHz1、Hz1’を検出する磁気検出器23’を設けるとともに、磁気検出器24とほぼ同一位置にZ方向の磁界強さHz2,Hz2’を検出する磁気検出器24’を設ける。そして、磁気検出器23’からの磁界強さHz1,Hz1’を表す信号は前記差動増幅器41〜44と同様な差動増幅器45に供給され、差動増幅器45は磁界強さHz1、Hz1’の差Hz1−Hz1’を表す信号をA/D変換器27に供給するようにする。磁気検出器24’からの磁界強さHz2、Hz2’を表す信号は前記差動増幅器41〜44と同様な差動増幅器46に供給され、差動増幅器46は磁界強さHz2、Hz2’の差Hz2−Hz2’を表す信号をA/D変換器27に供給するようにする。A/D変換器27は、前述した差動増幅器41〜44からの信号に加えて、差動増幅器45,46からの信号をA/D変換してコンピュータ装置25に供給する。したがって、コンピュータ装置25は、前述した図10のプログラムを実行することにより、磁石MGのX座標値xm及び距離r1を検出するとともに、この検出結果に応じて磁石MGの不正使用を検出することになる。
さらに、この第3変形例においては、Z方向の磁界強さHz1,Hz2をそれぞれ検出する2つの磁気検出器23’,24’を磁気検出器23,24とほぼ同一位置に設けるようにした。しかし、これに代えて、検出精度は多少悪化するが、1つの磁気検出器23’のみを設けて、磁気検出器23’によって検出される磁界強さHz1を前記磁界強さHz1,Hz2に共通に用いるようにしてもよい。この場合、磁気検出器23’を磁気検出器23,24の近傍位置に設けて、Z方向の磁界強さHz1を検出するようにするとよい。例えば、磁気検出器23,24を結ぶ線の中間位置、特に中央位置に設けて、Z方向の磁界強さHz1を検出するようにするとよい。
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明する。図11は、この第2実施形態に係る磁石検出装置の電気回路図である。この第2実施形態においても、上記第1実施形態の場合と同様な1つ又は複数の磁気検出装置20が遊技盤12に組み付けられる。ただし、この場合には、1つ又は複数の磁気検出装置20は、X−Y平面内において、2つの磁気検出器23,24からフロントカバー11までのX方向距離が同一になるように、遊技盤12に組み付けられている。すなわち、この場合の磁気検出器23,24においては、X方向位置及びZ方向位置が同一であり、Y方向位置のみが異なる。そして、磁気検出器23が、磁気検出器23の位置におけるX−Y平面内のX方向の磁界強さHx1及びY方向の磁界強さHy1を検出する点、及び磁気検出器24が磁気検出器24の位置におけるX−Y平面内のX方向の磁界強さHx2及びY方向の磁界強さHy2を検出する点では一致する。
また、電気回路装置を構成するA/D変換器27、コンピュータ装置25、コネクタ26及び警報器28も、上記第1実施形態の場合と同様に構成されているので、上記第1実施形態と同様な符号を付して、それらの説明を省略する。ただし、コンピュータ装置25は、上記第1実施形態の場合とは異なる図12に示すプログラムを実行する。
上記のように構成した第2実施形態に係る磁石検出装置の動作を説明する前に、この第2実施形態において不正使用される磁石MGの検出原理について説明しておく。図13(a)(b)は不正に使用される磁石の検出動作を説明するための説明図であり、X−Y平面における磁気検出器23,24及び不正使用の磁石MGの位置を示している。まず、磁気検出器23,24がX−Y平面内においてフロントカバー11の内側に位置する一般例について説明する。この場合、図13(a)において、磁気検出器23,24はXY座標位置(0,0),(x1,y1)にそれぞれ位置し、磁石MGはフロントカバー11の外部に近接した位置であるXY座標位置(xm,ym)にあるものとする。また、磁気検出器23,24から磁石MGまでの距離をそれぞれr1,r2とする。なお、紙面に垂直方向であるZ方向位置に関しては、全て同一であるものとする。
この場合も、上記第1実施形態で説明した数1〜数4は成立し、以下の説明ではこの数1〜数4に基づく説明を行う。また、この場合も、磁気検出器23によってそれぞれ検出されるX方向及びY方向の磁界強さをHx1,Hy1とするとともに、磁気検出器24によってそれぞれ検出されるX方向及びY方向の磁界強さをHx2,Hy2とし、磁気検出器23,24の位置における磁界強さの絶対値をH1,H2とすれば、下記数26〜29が成立する。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
Figure 2015000222
Figure 2015000222
前記28から前記数29を減算すれば下記数30が成立し、この数30を変形すれば、下記数31及び数32が成立する。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
Figure 2015000222
ここで、前記数32中の(x12+y12+r12−r22)/2を下記数33のように値cとすれば、前記数32は、下記数34のように表される。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
そして、前記数28(又は数29)及び数34の連立方程式を解けば、磁石MGのXY座標値(xm,ym)は、下記数35,36で表される。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
なお、前記式33〜36において、値x1,y1は磁気検出器24のXY座標位置を表すもので既知であり、距離r1、r2は検出される磁界強さH1,H2によって計算される値である(数28,29参照)。
これらの数35,36によれば、磁気検出器23の位置における磁界強さH1のX方向成分Hx1及びY方向成分Hy1と、磁気センサ24の位置における磁界強さH2のX方向成分Hx2及びY方向成分Hy2とを検出することにより、磁石のXY座標値(xm,ym)すなわち磁石MGの位置は検出することができることが分かる。この数35,36は磁気検出器23,24の位置を特定しない場合における磁石MGの一般的なXY座標値(xm,ym)を示すものであり、この方法でも磁石MGの位置を特定できる。
しかし、計算処理の簡単化を図るために、前記第2実施形態の構成例(図11参照)で説明するとともに図13(b)に示すように、磁気検出器23,24のX方向の位置を一致させると、x1は「0」となり、前記数35,36は下記数37,38のようになり、簡単な計算処理により、磁石MGのXY座標値(xm,ym)を特定できる。なお、この場合の値cは数39で表される。以下の説明では、磁気検出器23,24のX方向の位置が一致していることを想定して説明を続ける。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
Figure 2015000222
ただし、この場合には、前記数35〜38からも分かるように、パチンコ遊技機の内部に磁力発生源(例えば、ソレノイド、ステッピングモータなど)が存在する場合にも、前記磁力発生源が不正使用される磁石MGと同様に検出されてしまう。すなわち、前記数28は図13(a)(b)の円E1を表すものであり、前記数29は図13(a)(b)の円E2を表すものであり、前記数28、数29及び数34の方程式を解いた結果は、円E1,E2の2つの交点のXY座標値を表すものとなる。したがって、この第2実施形態においては、磁石MGのX座標値xmが少なくとも正、すなわち磁石MGが図13(a)(b)にて磁気検出器23,24の右側に位置することを検出して、不正使用の磁石MGの存在を特定する必要がある。
次に、磁石MGが図13(a)(b)にて磁気検出器23,24の右側に位置することを検出する原理について説明する。まず、磁石MGがフロントカバー11の外側すなわち磁気検出器23,24の右側にあり、かつ磁石MGのY方向位置が磁気検出器23のY方向位置0と磁気検出器24のY方向位置y1の間にある状態について説明すると、図14(a)はこの状態を示している。この状態では、磁石MGから発生され、かつ磁気検出器23を通過する磁力線円E1の接線であって磁気検出器23を通過する直線L1の傾きa1は下記数40で表される。したがって、直線L1は下記数41の関数式で表されることになる。なお、下記数40中のHx1,Hy1は磁気検出器23によって検出されるX方向及びY方向の磁界強さである。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
一方、磁石MGから発生され、かつ磁気検出器24を通過する磁力線円E2の接線であって磁気検出器24を通過する直線L2の傾きa2は下記数42で表される。したがって、直線L2は下記数43の関数式で表されることになる。なお、下記数42中のHx2,Hy2は磁気検出器24によって検出されるX方向及びY方向の磁界強さであり、下記数43中の値y1は磁気検出器24のY座標値である。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
ここで、前記数41,43の連立方程式を解くことにより、直線L1と直線L2の交点のX座標値xpを求めると、X座標値xpは下記数44で表される。そして、この場合には、直線L1と直線L2の交点は磁気検出器23,24の図14(a)に示すように右側に位置し、X座標値xpは正となる。これは、磁気検出器23,24を通過する磁力線円E1,E2において、磁気検出器23,24の位置における磁力線のY方向成分Hy1,Hy2が互いに反対方向を向き、磁気検出器23,24は磁力線円E1,E2の中心に対して図示左側に位置し、かつ磁気検出器23,24間のY方向距離が磁気検出器23,24から磁石MGまでのX方向距離に対してそれ程大きくないからである。
Figure 2015000222
逆に、図14(b)に示すように、磁石MGがパチンコ遊技機の内側すなわち磁気検出器23,24の図示左側に位置する場合には、直線L1と直線L2の交点は磁気検出器23,24の図示左側に位置し、X座標値xpは負となる。これにより、磁石MGがY方向において磁気検出器23,24間にある状態では、X座標値xpの正負を判別することにより、磁石MGが磁気検出器23,24の図示左側及び右側に位置することを検出できることが分かる。なお、図14(a)(b)においては、磁石MGの両磁極方向(N極とS極を結ぶ方向)をフロントカバー11に対して垂直方向にした状態を示しているが、これはパチンコ遊技機において、磁石MGを不正使用する場合、磁石MGを前記方向に向けるためである。そして、この磁石MGの向きが多少変更されても、前記X座標値xpの正負の判別条件は成立する。
次に、磁石MGがフロントカバー11の外側すなわち磁気検出器23,24の右側にあり、かつ磁石MGのY方向位置が磁気検出器23のY方向位置0と磁気検出器24のY方向位置y1との外側にある状態について説明すると、図15(a)はこの状態を示している。この状態では、磁石MGから発生され、かつ磁気検出器23を通過する磁力線円E1の中心と磁気検出器23の位置とを結ぶ直線L1(すなわち、磁気検出器23を通過する磁力線円E1の接線であって磁気検出器23を通過する直線に垂直な直線L1)の傾きa1は下記数45で表される。したがって、直線L1は下記数46の関数式で表されることになる。なお、下記数45中のHx1,Hy1は磁気検出器23によって検出されるX方向及びY方向の磁界強さである。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
一方、磁石MGから発生され、かつ磁気検出器24を通過する磁力線円E1の中心と磁気検出器24の位置とを結ぶ直線L2(すなわち、磁気検出器24を通過する磁力線円E1の接線であって磁気検出器24を通過する直線に垂直な直線L2)の傾きa2は下記数47で表される。したがって、直線L2は下記数48の関数式で表されることになる。なお、下記数47中のHx2,Hy2は磁気検出器24によって検出されるX方向及びY方向の磁界強さであり、下記数48中の値y1は磁気検出器24のY座標値である。
Figure 2015000222
Figure 2015000222
ここで、前記数46,48の連立方程式を解くことにより、直線L1と直線L2の交点のX座標値xpを求めると、X座標値xpは下記数49で表される。そして、この場合にも、直線L1と直線L2の交点は磁気検出器23,24の図15(a)に示すように右側に位置し、X座標値xpは正となる。これは、磁気検出器23,24を通過する磁力線円E1において、磁気検出器23,24の位置における磁力線のY方向成分Hy1,Hy2が互いに同一方向を向き、磁気検出器23,24は磁力線円E1の中心に対して図示左側に位置するからである。
Figure 2015000222
逆に、図15(b)に示すように、磁石MGがパチンコ遊技機の内側すなわち磁気検出器23,24の図示左側に位置する場合には、直線L1と直線L2の交点は磁気検出器23,24の図示左側に位置し、X座標値xpは負となる。これにより、磁石MGがY方向において磁気検出器23,24間にある状態では、X座標値xpの正負を判別することにより、磁石MGが磁気検出器23,24の図示左側及び右側に位置することを検出できることが分かる。なお、この場合も、図15(a)(b)においては、磁石MGの両磁極方向(N極とS極を結ぶ方向)をフロントカバー11に対して垂直方向にした状態を示しているが、これはパチンコ遊技機において、磁石MGを不正使用する場合、磁石MGを前記方向に向けるためである。そして、この磁石MGの向きが多少変更されても、前記X座標値xpの正負を判別条件は成立する。
次に、前記のようにして計算される磁石MGのX座標値xm及び磁気検出器23までの距離r1を用いて磁石MGの不正使用を防止する前記構成の第2実施形態の動作について、図12のプログラムに沿って説明する。コンピュータ装置25は電源のオンにより作動を開始して図12のステップS30にてプログラムの実行を開始する。このプログラムの実行開始後、コンピュータ装置25は、ステップS32〜S36にて、上述した図5のステップS12〜S16と同様にして、数26,27により定義された磁界強さH1,H2を計算する。次に、コンピュータ装置25は、ステップS38にて、前記計算した磁界強さH1,H2を用いて前記数28,29に従って距離r1,r2を計算するとともに、前記計算した距離r1,r2及び磁気検出器24のY座標値y1を用いて前記数39に従って値cを計算する。
前記ステップS38の処理後、コンピュータ装置25は、ステップS40にて、前記計算した磁界強さHy1,Hy2が異符合であるか、すなわちY方向において磁石MGが磁気検出器23,24の間にあるかを判定する。磁界強さHy1,Hy2が異符合であれば、コンピュータ装置25は、ステップS40にて「Yes」と判定して、ステップS42にて、磁界強さHx1,Hy1,Hx2,Hy2及び磁気検出器24のY座標値y1を用いて、前記数40,42,44に従って交点のX座標値xpを計算する。一方、磁界強さHy1,Hy2が異符合でなければ、コンピュータ装置25は、ステップS40にて「No」と判定して、ステップS44にて、磁界強さHx1,Hy1,Hx2,Hy2及び磁気検出器24のY座標値y1を用いて、前記数45,47,49に従って交点のX座標値xpを計算する。そして、ステップS46にて、前記ステップS42で計算したX座標値xp又は前記ステップS44で計算したX座標値xpが正であるかを判定する。
この場合、前述したように、図14及び図15において磁石MGが磁気検出器23,24より右側すなわち磁石MGがパチンコ遊技機の外部にあれば、前記ステップS42で計算したX座標値xp又は前記ステップS44で計算したX座標値xpはそれぞれ正である。一方、図14及び図15において磁石MGが磁気検出器23,24より左側すなわち磁石MGがパチンコ遊技機の内部にある場合には、前記ステップS42で計算したX座標値xp又は前記ステップS44で計算したX座標値xpはそれぞれ負である。したがって、前記ステップS42で計算したX座標値xp又は前記ステップS44で計算したX座標値xpが負であって、磁石MGがパチンコ遊技機の内部にある場合には、不正使用の磁石MGの位置の検出が不要であるので、コンピュータ装置25は、ステップS46に「No」と判定して、ステップS32に戻る。
一方、前記ステップS42で計算したX座標値xp又は前記ステップS44で計算したX座標値xpが正であって、磁石MGがパチンコ遊技機の外部にある場合には、コンピュータ装置25は、ステップS46に「Yes」と判定して、ステップS48以降の処理を実行する。ステップS48においては、前記計算した距離r1、値c及び磁気検出器24のY座標位置y1を用いて、前記数37に従って、磁石MGの正のX座標値xを計算する。そして、ステップS50にて、上述した第1実施形態の図5のステップS20と同様に、前記計算したX座標値xが所定距離X0よりも大きく、かつ所定距離X1よりも小さいか(X0<x<X1)を判定する。なお、値X0,X1は上記第1実施形態の場合と同じである。
この場合も、X座標値xmが所定距離X0以下又は所定距離X1以上であれば、コンピュータ装置25は、ステップS50にて「No」と判定して前述したステップS32〜S50からなる処理を繰返し実行する。一方、X座標値xmが所定距離X0よりも大きく、かつ所定距離X1よりも小さければ、コンピュータ装置25は、上記第1実施形態の図5のステップS24と同様に、ステップS50にて「Yes」と判定して、ステップS52にて前記ステップS38で計算した距離r1が所定距離R1未満であるかを判定する。この所定距離R1も、上記第1実施形態の場合と同じである。そして、距離r1が所定距離R1以上であれば、コンピュータ装置25は、ステップS52にて「No」と判定して前述したステップS32〜S52からなる処理を繰返し実行する。一方、距離r1が所定距離R1よりも小さければ、コンピュータ装置25は、ステップS52にて「Yes」と判定し、第1実施形態の図5のステップS26と同様に、ステップS54にて警報器28及び管理室に対して不正使用の磁石MGを表す信号を出力して、不正使用者に対して警告したり、磁石MGの不正使用を管理者に知らせたりする。
なお、この第2実施形態においても、パチンコ遊技機の電気回路装置及び動作においては、1対の磁気検出器23,24からなる1つの磁気検出装置20のみについて説明したが、上述した場合と同様に、複数の磁気検出装置20ごとに前述した動作が実行されるように、電回路装置を構成するとよい。また、この場合も、磁気検出装置20が設けられているパチンコ遊技機内の位置に応じて、前述した図12のステップS50,S52の処理における所定距離X0,X1,R1を、パチンコ遊技機内のソレノイド、ステッピングモータなどの磁力発生源及びその他の部品の位置と、磁気検出装置20との相対位置関係に応じて種々に変更するようにしてもよい。
上記のように動作する第2実施形態に係るパチンコ遊技機においても、磁気検出器23によって磁気検出器23の位置におけるX方向の磁界強さHx1及びY方向の磁界強さHy1が検出されるとともに、磁気検出器24によって磁気検出器24の位置におけるX方向の磁界強さHx2及びY方向の磁界強さHy2が検出される。そして、コンピュータ装置25が、図12のプログラムの実行により、磁石MGの位置を計算して、計算された位置に応じて磁石MGの不正使用を判定して警報を発生する。したがって、この第2実施形態によっても、磁石MGの位置が精度よく特定され、磁石MGの不正使用が的確に防止される。
また、この第2実施形態では、磁気検出器23,24のX方向位置は共通であるので、この場合も、磁石MGの位置の計算が簡単になる。また、この第2実施形態でも、磁気検出器23,24は一つのケース21内に組込まれているので、磁気検出器23,24のパチンコ遊技機に対する組み付け作業が簡単になる。さらに、パチンコ遊技機には、磁気検出器23,24を有する複数の磁気検出装置20が異なる箇所に配置されているので、磁石MGの不正使用を広範囲に渡って検出できるようになる。
b1.変形例
上記第2実施形態においては、計算処理の簡略化のために、磁気検出器23及び磁気検出器24のX方向位置を一致させて、すなわち磁気検出器24のX座標値x1を「0」として、磁石MGの位置を前記数26〜29,37,39を用いて計算するようにした。しかし、磁気検出器23及び磁気検出器24のX方向を一致させずに、すなわち磁気検出器24のX座標値x1を「0」に特定しないで、磁石MGの位置を計算するようにしてもよい。この場合、前記数26〜29及び一般式である数33,35を用いて、磁石MGの位置を計算するようにすればよい。これによれば、X−Y平面内において、磁気検出器23,24を任意の位置に配置した状態においても、磁石MGの位置を計算できるようになる。
また、上記第2実施形態においては、図12のステップS48の処理により磁気検出器23のX座標値xmを計算して、ステップS50にて計算したX座標値xmと所定値X0,X1と比較するとともに、ステップS38の処理により磁気検出器23から磁石MGまでの距離r1を計算して、ステップS52にて計算した距離r1と所定距離R1とを比較することにより不正使用されている磁石MGを検出するようにした。しかし、上記第1実施形態の第1変形例のように、距離r1に代え又は加えて、ステップS38で計算した距離r2を用いて不正使用されている磁石MGを検出してもよい。また、前記数36又は数38に従って磁石MGのY座標値ymを計算して不正使用されている磁石MGを検出するようにしてもよい。さらには、前記計算したX座標値xm及びY座標値ymを用いて、磁気検出器23,24間の中央位置から磁石MGまでの距離rを計算して不正使用されている磁石MGを検出するようにしてもよい。これらの場合も、計算された距離r2、Y座標値ym及び距離rをそれぞれ予め決められた所定距離と比較して、磁石MGの不正使用を検出するとよい。
また、上記第2実施形態においても、磁気検出装置20内の磁気検出器23,24として異方性磁気抵抗効果素子33,34,35,36をハーフブリッジ接続した磁気センサを用いるようにした。しかし、これに代えて、上記第1実施形態の第2変形例のように、磁気検出器23,24として異方性磁気抵抗効果素子をフルブリッジ接続した磁気センサを用いるようにしてもよい。
さらに、上記第2実施形態においても、2つの位置におけるX方向の磁界強さHx1,Hx2及びY方向の磁界強さHy1,Hy2をそれぞれ検出して、2つの位置の磁界強さH1,H2を計算し、不正使用される磁石MGを検出するようにした。しかし、この第2実施形態においても、上記第1実施形態の第3変形例と同様に、磁気検出器23,24とほぼ同一位置にZ方向の磁界強さHz1、Hz2をそれぞれ検出する磁気検出器23’,24’を設けて、Z方向の磁界強さHz1、Hz2を考慮するようにしてもよい。この場合も、磁気検出器23’,24’を上記第1実施形態の第3変形例の場合と同様に構成し、図11に破線で示すように、検出された磁界強さHz1,Hz2を表す信号がA/D変換器27に供給されるように、磁気検出器23’,24’をA/D変換器27に接続する。
そして、コンピュータ装置25は、上記第1実施形態の第3変形例の場合のように、図12のプログラムを一部変更したプログラムを実行する。すなわち、図12のステップS32の処理を、前述した磁気検出器23,24からの磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2を入力するのに加えて、磁気検出器23’,24’からの磁界強さHz1,Hz2もA/D変換器27を介して所定時間(例えば、1ms)に渡って所定の短時間ごとに入力するように変更する。そして、ステップS34の処理を、各複数の磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2の平均値の計算に加えて、各複数の磁界強さHz1,Hz2の平均値も計算するように変更する。さらに、ステップS36の処理を、上記第1実施形態の場合と同様に、前記計算した平均値である磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2,Hz1,Hz2を用いて、前記数18,19に従って、磁気検出器23,23’の位置における磁界強さH1と、磁気検出器24,24’の位置における磁界強さH2を計算する。図12のステップS38以降の処理は、前記磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2,Hz1,Hz2を用いて計算した磁界強さH1,H2を用いる点以外は、上記第2実施形態と同じである。
したがって、この変形例によれば、上記第2実施形態と同様に、不正に使用される磁石MGが検出されるとともに、磁石MGの検出時には、警報器の駆動及び管理室への通知により、不正磁石MGの使用が防止される。また、この変形例によれば、上記第1実施形態の第3変形例の場合と同様に、X方向の磁界強さHx1,Hx2及びY方向の磁界強さHy1,Hy2の検出に加えて、Z方向の磁界強さHz1,Hz2も検出し、これらの磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2,Hz1,Hz2を用いて磁石MGの位置を検出するようにしたので、Y−Z平面における磁石MGの検出範囲は前述した第1実施形態の「8」の字状ではなく、円形となり、検出範囲が拡大される。
また、Z方向の磁界強さHz1,Hz2を考慮した変形例は、前述した磁石MGのY座標値ymの計算、及び磁気検出器23,24間の中央位置から磁石MGまでの距離rの計算にも適用され得る。また、フルブリッジ回路を用いた磁気検出器23,24の場合にも適用され得る。
また、Z方向の磁界強さHz1,Hz2を考慮した変形例においても、上記第1実施形態の第3変形例と同様に、Z方向の磁界強さHz1,Hz2をそれぞれ検出する2つの磁気検出器23’,24’に代えて、1つの磁気検出器23’のみを磁気検出器23,24の近傍位置に設けて、Z方向の磁界強さHz1を検出するようにしてもよい。例えば、磁気検出器23,24を結ぶ線の中間位置、特に中央位置に設けて、Z方向の磁界強さHz1を検出するようにするとよい。
以上、本発明の第1及び第2実施形態、並びにそれらの各種変形例について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
c.他の変形例
上記各種実施形態及び各種変形例では、磁気検出器23,24をフロントカバー11に垂直なX−Y平面内に配置するようにした。しかし、これに代えて、磁気検出器23,24をフロントカバー11に垂直な平面であって、前記平面とフロントカバー11とが交差する直線が水平方向に延設される平面、すなわちフロントカバー11に垂直なX−Z平面内に配置するようにしてもよい。この場合、上記各種実施形態及び各種変形例のY方向とZ方向の関係が変わるだけであるので、磁気検出器23,24は、X方向の磁界強さHx1, Hx1’,Hx2, Hx2’と、Y方向の磁界強さHy1, Hy1’,Hy1, Hy1’に代わるZ方向の磁界強さHz1, Hz1’,Hz2, Hz2’とを検出するようにする。そして、X方向の変数及び所定値を上記各種実施形態及び各種変形例における変数及び所定値と同一に扱い、上記各種実施形態及び各種変形例におけるY方向の変数及び所定値をZ方向の変数及び所定値に変更して、上述した各種演算を行うようにする。
これによれば、X−Z平面の近傍に位置する磁石MGの位置がX座標値、Z座標値及び距離r1,r2により表わされるようになり、この場合も、磁石MGの位置が検出可能となる。すなわち、上記各種実施形態及び各種変形例では、磁気検出器23,24に対して主に上下方向(Y方向)にある磁石MGが検出されるが、この場合には、磁気検出器23,24に対して主に左右方向(Z方向)にある磁石MGが検出されるようになる。
また、この場合には、上記各種実施形態及び各種変形例における磁気検出器23’,24’は、Z方向の磁界強さHz1, Hz1’,Hz2, Hz2’に代えてY方向の磁界強さHy1, Hy1’,Hy1, Hy1’を検出するようにする。そして、上記各種実施形態及び各種変形例におけるZ方向の変数及び所定値をY方向の変数及び所定値に変更して、上述した各種演算を行うようにする。また、この場合も、2つの磁気検出器23’,24’のうちの一方を磁気検出器23,24の近傍に設けるようにしてもよい。
さらに、一般的には、磁気検出器23,24がフロントカバー11に垂直な平面内にあれば、磁気検出器23,24をX方向及びY方向に対して傾いた平面内に配置するようにしてもよい。この場合には、上記各種実施形態及び各種変形例のY方向が、前記平面内であってX方向に直交する方向(すなわちフロントカバー11に平行な方向)に変更される。したがって、この場合の磁気検出器23,24は、X方向の磁界強さHx1, Hx1’,Hx2, Hx2’と、Y方向の磁界強さHy1, Hy1’,Hy1, Hy1’に代わる前記フロントカバー11に平行な方向の磁界強さとを検出するようにする。そして、X方向の変数及び所定値を上記各種実施形態及び各種変形例における変数及び所定値と同一に扱い、上記各種実施形態及び各種変形例におけるY方向の変数及び所定値を前記フロントカバー11に平行な方向の変数及び所定値に変更して、上述した各種演算を行うようにする。
これによっても、前記X方向及びY方向に対して傾いた平面の近傍に位置する磁石MGの位置がX座標値、前記フロントカバー11に平行な方向の座標値及び距離r1,r2により表わされるようになり、この場合も、磁石MGの位置が検出可能となる。すなわち、上記各種実施形態及び各種変形例では、磁気検出器23,24に対して主に上下方向(Y方向)にある磁石MGが検出されるが、この場合には、磁気検出器23,24に対して主に斜め方向(Y方向及びZ方向から傾いた方向)にある磁石MGが検出されるようになる。
また、この場合には、上記各種実施形態及び各種変形例における磁気検出器23’,24’は、Z方向の磁界強さHz1, Hz1’,Hz2, Hz2’に代えて、前記フロントカバー11に垂直な平面内であって、前記フロントカバー11に平行な方向と直交する方向の磁界強さを検出するようにする。そして、上記各種実施形態及び各種変形例におけるZ方向の変数及び所定値を、前記フロントカバー11に垂直な平面内であって、前記フロントカバー11に平行な方向と直交する方向の変数及び所定値に変更して、上述した各種演算を行うようにする。また、この場合も、2つの磁気検出器23’,24’のうちの一方を磁気検出器23,24の近傍に設けるようにしてもよい。
また、上記各種実施形態及び各種変形例では、瞬間的な磁石MGの位置に基づいて磁石MGの不正使用を検出するようにした。しかし、これに代え又は加えて、所定時間ごとの磁石MGの位置(X座標位置、Y座標位置、Z座標位置、距離r1,r2など)を時間経過にしたがって順次検出するとともに記憶しておき、磁石MGの移動軌跡を検出するようにしてもよい。そして、磁石MGの移動軌跡に基づいて、不正使用者による磁石MGの使用を検出するようにする。これによれば、パチンコ遊技機内のソレノイド、ステッピングモータなどによる磁界はソレノイド、ステッピングモータのオン動作によって発生し、磁力発生源が移動するわけでないので、磁石MGの不正使用を精度よく検出できるようになる。
さらに、上記各種実施形態及び各種変形例では、X方向、Y方向及びZ方向の磁界強さHx1,Hx2,Hy1,Hy2,Hz1,Hz2を検出するために異方性磁気抵抗効果素子(AMRセンサ)を用いた。しかし、X方向、Y方向及びZ方向の磁界強さHx1,Hx2,Hy1, Hy2,Hz1,Hz2を検出することができれば、異方性タイプのGMRセンサ、ホール効果素子、磁気インピーダンス効果センサ(MIセンサ)などを用いてもよい。
11…フロントカバー、12…遊技盤、13…釘、14…ベースプレート、20…磁気検出器、21…ケース、22…プリント基板、23,23’,24,24’…磁気検出器、25…コンピュータ装置、26…コネクタ、27…A/D変換器、28…警報器、31…バイアス磁石、32…基板、33,33a,33b,34,34a,34b,35,35a,35b,36,36a,36b…異方性磁気抵抗効果素子、41,42,43,44,45,46…差動増幅器、MG…磁石

Claims (7)

  1. パチンコ遊技機において不正使用される磁石を検出するためのパチンコ遊技機の磁石検出装置であって、
    パチンコ遊技機内の第1位置に配置され、前記第1位置におけるパチンコ遊技機のフロントカバーに直交する第1方向の磁界強さを検出する第1磁気センサと、
    前記第1位置に配置され、前記第1位置における前記フロントカバーに平行な第2方向の磁界強さを検出する第2磁気センサと、
    パチンコ遊技機内であって前記第1位置を含み前記フロントカバーに垂直な平面内であって前記第1位置から所定距離だけ隔てた第2位置に配置され、前記第2位置における前記第1方向の磁界強さを検出する第3磁気センサと、
    前記第2位置に配置され、前記第2位置における前記第2方向の磁界強さを検出する第4磁気センサと、
    前記第1磁気センサ、前記第2磁気センサ、前記第3磁気センサ及び前記第4磁気センサによってそれぞれ検出された磁界強さを用いて、磁力発生源の位置を計算する計算手段とを備えたことを特徴とするパチンコ遊技機の磁石検出装置。
  2. 請求項1に記載したパチンコ遊技機の磁石検出装置において、
    前記第1位置及び前記第2位置は前記フロントカバーに直交する一つの直線上にあることを特徴とするパチンコ遊技機の磁石検出装置。
  3. 請求項1に記載したパチンコ遊技機の磁石検出装置において、
    前記第1位置及び前記第2位置は前記フロントカバーに平行な一つの直線上にあることを特徴とするパチンコ遊技機の磁石検出装置。

  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載したパチンコ遊技機の磁石検出装置において、
    前記第1磁気センサ、前記第2磁気センサ、前記第3磁気センサ及び前記第4磁気センサは一つのケース内に組み込まれていることを特徴とするパチンコ遊技機の磁石検出装置。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載したパチンコ遊技機の磁石検出装置において、
    前記計算手段は、前記フロントカバーに直交する方向の位置を含む前記磁力発生源の位置を計算し、さらに、
    前記計算手段により計算された前記フロントカバーに直交する方向の位置を用いて不正使用される磁石を判定する判定手段を設けたことを特徴とするパチンコ遊技機の磁石検出装置。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか一つに記載したパチンコ遊技機の磁石検出装置において、さらに、
    前記第1磁気センサ、前記第2磁気センサ、前記第3磁気センサ及び前記第4磁気センサの近傍位置に配置され、前記近傍位置における前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向の磁界強さを検出する少なくとも1つの第5磁気センサを設け、
    前記計算手段は、前記第1磁気センサ、前記第2磁気センサ、前記第3磁気センサ及び前記第4磁気センサによってそれぞれ検出された磁界強さに加え、前記第5磁気センサによって検出された磁界強さをも用いて、磁力発生源の位置を計算するようにした
    ことを特徴とするパチンコ遊技機の磁石検出装置。
  7. 請求項1乃至6のうちのいずれか一つに記載したパチンコ遊技機の磁石検出装置において、
    前記第1磁気センサ、前記第2磁気センサ、前記第3磁気センサ及び前記第4磁気センサからそれぞれなる複数組の磁気センサセットをパチンコ遊技機内の異なる位置にそれぞれ設けたことを特徴とするパチンコ遊技機の磁石検出装置。
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