前述の又はその他の特徴及び利点が、本開示の例示の実施形態のより具体的な説明によって明らかになっている。下記図面に図示されるように、類似の参照文字は異なる図を通して、同じ部位を表している。図は必ずしも実寸ではなく、開示の基本的本質を図示するために、強調が含まれている。
図1は、本開示に従った例示の保護インサート部材の正面斜視図である。
図2は、図1に示される保護インサート部材の2−2線における側面図である。
図3は、図1に示される保護インサート部材の、3−3線における端面図である。
図4は、図1に示される保護インサート部材の上面図である。
図5は、背面を内側に向かって折りたたむことにより、長(縦)軸に沿って折りたたまれた、図1のインサート部材の正面斜視図である。
図6及び7は、長軸に対して直角に折りたたまれた、図5の保護インサート部材の斜視図。
図8は、本開示に従った別の例示の保護インサート部材の正面斜視図である。
図9は、図8の保護インサート部材の9−9線における端面図である。
図10は、図8の保護インサート部材の上面図である。
図11は、図8の保護インサート部材の11−11線における端面図である。
図12は、図8の保護インサート部材の別の実施形態の12−12線における端面図である。
図13は、長軸Aに沿って折りたたまれた、図8のインサート部材の斜視図である。
図14は、長軸に対して直角に折りたたまれた、図13の折りたたみ保護インサート部材の斜視図である。
図15は、図13に示されるインサート部材のある部分の斜視図であり、インサート部材が折りたたみ構成になった場合の緩衝領域の位置関係を示している。
図16は、保護側壁、及び、図1から図7の保護インサート部材によって形成されるガセット(まち)を含む封筒型保護ケースのある例示の実施形態の斜視図である。
図17は、保護側壁、及び、図8から15の保護インサート部材によって形成されるガセット(まち)を含む封筒型保護ケースの別の例示の実施形態の斜視図である。
図18は、取っ手を付けられたケースの別の典型的実施形態における斜視図であり、図1から7の保護インサート部材によって形成されるガセットを含んでいる。
図19は、図18に示されるケースの主要区画の側面図である。
本開示は、コンピュータキャリーケースのような様々な物品に挿入できる保護インサート部材に関する。該保護インサート部材は、中に入れて運ばれる様々な物品、特に物品のエッジ(端縁)に対して、より改善した衝撃保護をもたらす。この保護インサート部材はケース内に一体化させることも可能である。
本開示の一態様は可撓性の保護インサート部材であり、既存のケースに設置され、及び/又は、既存のケースの内部及び/又は外部に取り付けることが可能である。また、その構造に応じて、ケースの広範な形状及びサイズに適合可能である。例えば電子機器、楽器、ワインや酒類のボトル、ガラス製品など、保護が必要と思われる物品のための任意の種類のケースにも適用するように設計及び使用可能である。
保護インサート部材のいくつかの実施形態は、ポリエステル・ポリウレタン製のフィルムを含む。ポリエステル・ポリウレタン製のフィルムは、例えば複数回のクリーニングなど、厳しい環境における該ケースの性能を驚くほど改善させた。この驚くべき性能は、特に、保護インサート部材の外周部分における部材の連続的な結合により、且つ、以下で詳述するように、中間層の封入によってもたらされるものである。結果として、ケースは、衛生的であり、且つ、クリーニングで使用される高温及び腐食性の薬品にも耐えうる。
保護インサート部材は、より高い衝撃保護性、軽量化、容積の軽減、より美しい外見、製造コストの削減、フィット感の向上、そして内容物との摩擦の軽減を保護ケースにもたらすために使用できる。
本開示に従った保護インサート部材は、少なくとも1つの保護要素20を備えうる。図1から図7は、これらを合わせて参照すると、1つの例示の保護インサート部材100を示す。該保護インサート部材100は、保護要素20と、外縁12を定めるように保護要素20から外方向に延在するフランジ30とを備える。本実施形態において、保護要素20は、2つの長手方向(長手状)の部分(サブ)要素22を含む。ただし、保護要素は必要に応じて複数の部分要素を備えてもよいことが理解されるべきである。
保護インサート部材100は、起伏を有する上面14及び背面16を備え、該上面14及び背面16は保護要素20及びフランジ30並びに厚さT1の両方に共通である。電子機器用キャリーケースに使用可能な保護インサート部材に適した厚さ範囲T1は、約1/16インチから約1/2インチである。より特には、約1/8インチから約3/8インチである。厚さT1は、必要に応じて前述の範囲よりも増加又は減少してもよいことが理解されるべきである。
保護要素20の上面14は、平面、曲面、及びそれらの組み合わせを含む様々な形状を使って起伏があるように形成可能である。同様に、背面が平面として図示されているが、必要に応じて背面もまた起伏があるように形成でき、また、上面及び下面の両方が必要に応じて起伏があるように形成できることが理解されるべきである。
保護インサート部材100は、必要に応じて変更しうる幅「W1」及び長軸「A」を含み、その両方が保護要素20に共通している。同様に、保護要素20は、幅「W2」を含み、フランジ30は幅「W3」を含み、いずれもW1よりも狭い幅であり、いずれも必要に応じて、個別に又は組み合わせて変更可能である。電子機器用キャリーケースに適した幅W1は1/4インチから約3インチの範囲であり、より特には、約1/2インチから約2インチであり、より特には、約3/4インチから約1インチである。
本実施形態において、2つの長手方向の部分要素22は軸Aに対して平行に配置されている。部分要素22は本実施形態において同一であり、必要に応じて変更できる間隔幅「S1」を有するスペーサ(離隔)領域24によって互いに離隔している。電子機器用キャリーケースのためのスペーサ領域幅S1は、約1/32インチから約1/2インチの範囲である。
本実施形態において、部分要素22は、上面14及び該上面14から下方に延在する側壁23、25を含む。本実施形態において、側壁23、25は背面16に対してほぼ直角である。スペーサ領域24により、インサート部材200を軸Aに沿って長手方向に折りたたむことができる。
複数の溝(チャネル)40は、複数の緩衝領域50を定義するために、保護要素又は部分要素22上に定められる。溝40は必要に応じて変更できる間隔幅「S2」を含む。本実施形態では、溝40が軸Aに対してほぼ直角に配置されるが、該溝40が別の方向や配列で配置されてもよいことが理解されるべきである。溝24、40の幅、深さ、向き及び位置は、以下に限定されないが、緩衝領域50の所望の長さ、インサート部材の所望の可撓性などを含む複数の要因によって変更されうる。溝40により、インサート部材200を軸Aに対して直角に折りたたむことが可能である。緩衝領域50は基部に対して垂直でありうる、あるいは、必要に応じて変更可能な角度βで配置されうる内側側壁51、52を含み、角度βが大きくなると、溝24に沿ったインサート部材の可撓性も増加する。
本実施形態において、最も幅狭の緩衝領域50nが長さL5の部分要素22の中央部に配置され、且つ、最も幅広の緩衝領域50wが長さL5の部分要素22の反対端に配置されるように、緩衝領域50の長さはL1からL5にまで変化する。緩衝領域50の厚さ及び長さは、(限定されないが)インサート部材の可撓性などを含む複数の要因に応じて変更されてもよい。本実施形態において、緩衝領域50の長さは選択された比率1:1.4に従って変化する。しかし、当業者は所望のいかなる比率も選択されうることを理解する。また、必ずしも長さが変わるものではない。
フランジ30は、インサート部材100の厚さT1よりも小さい厚さT2を有し、縫製、接着などによる様々な技術を用いて、インサート部材をフランジ部分に沿って布などの物品に取り付けるのに十分な厚みを有する。
また、フランジ30は外縁12から離隔した任意の外周溝60を備えうる。外周溝60は所望の値に変更しうる幅「W4」を有することができる。外周溝60は、フランジ30の厚さT2よりも小さい厚さT3を含み、縫製、接着、溶接などによる様々な技術を用いて、インサート部材をフランジ部分に沿って布などの物品に取り付ける際に便利である。
図8から15は、これらを合わせて参照すると、本開示に従った可撓性の保護インサート部材200の別の例示の実施形態を示しており、インサート部材100と共通の特徴を有する。本実施形態において、外側側壁25は背面16に対してほぼ垂直であり、内側側壁23は軸Aに向かって下方向に傾斜しており、軸Aに対して直交する軸「B」に対して角度θを定める。傾斜した側壁23は、可撓性溝24と共に、インサート部材200を軸Aに沿った長手方向に折りたたむことを可能とし、側壁23を互いに隣接させる。角度θは必要又は要求に応じて変更でき、角度θを増加させることにより、軸Aに沿ったインサート部材の可撓性の大きさも増加する。
前述の実施形態のいずれかにおいて開示されたすべての特徴は、必要に応じて、組み合わせ且つ変更可能である。例えば、保護インサート部材の全厚さ、保護要素の厚さ、保護要素間の間隔、部分要素を隔てる溝の幅、フランジの幅、外周フランジの幅などはすべて様々な異なる機能的特質を実現するために、個別に又は組み合わせて変更されてもよい。
本開示の別の特徴には、前述の保護インサート部材を使用して形成されるガセット(まち)を備える保護用ケースが含まれる。図8及び18は、本開示に従った例示的な保護ケース300、400の2つの異なる例示の実施形態を示しており、それぞれは一対の対向する鏡像的な構造壁310、410を含み、ガセットは保護されるべき物品を受けるための主要区画(コンパートメント)(図示せず)を定めるように対向する壁の間に配置される。
ケース300のガセットは、上記のとおり、保護インサート部材100によって形成される。本実施形態において、保護インサート部材100は、保護要素20が外方向に向くように配置され、基部16が主要区画の表面を形成している。ただし、向きが逆向きであってもよいことが理解される。溝24は、ガセットを軸Aに沿って外向きに開放し、且つ、溝40は、保護インサート部材100をケース300の角隅部分の周りで緩めるとともに開放する。保護要素50は外向きに配置されてエッジを衝撃から保護する。該エッジ(端縁)とは、一般的に、衝撃を受ける際に最も強い力がかかる個所のことである。
ケース400のガセットは、上記のとおり、保護インサート部材200から形成される。本実施形態において、保護インサート部材200は基部16が外方向に向くように配置され、保護要素20が主要区画の表面を形成している。ただし、向きは逆向きであってもよいことが理解される。溝24は、保護インサート部材100を軸Aに沿って内向きに折りたたむことを可能とし、且つ、溝40は、保護インサート部材100の各々を、容積を増やすことなく、ケース400の角隅部分にねじ入れるのを可能にする。軸A及び溝40に沿って保護要素を折りたたむことは、内部受け用溝(図示せず)又は主要区画内に配置された物品のための緩衝システムを提供し、エッジを衝撃から保護する。
前述のケース300、400の両方では、保護インサート部材100、200はフランジスペーサ領域60にフランジ30を介して縫い付けられることにより(図示せず)、側壁に結合される。ただし、接着、溶着、熱封着などによる様々な技術が利用されうることが理解されるべきである。
前述のケース300、400の両方では、対向する構造壁310、410が逆であってもよい。
当業者は、ケースが矩形状である必要はなく、また、どのような形状及び/又は構成であっても構わないことを理解する。当業者は、ケースが防水性で気密度を伴うプラスチック製ジッパー(例えばジップロック(登録商標)式のジッパー)、ピローフラップ(pillow flap)型容器(enclosure)、封筒(envelope)型容器、かぎ留め型、マグネット、クリップなどの閉止する道具を含むがそれらに限定されないことを理解する。当業者はガセットを形成するために、任意の個数の保護インサート部材が使用されてもよく、所望に応じて、保護インサート部材がいかなる配置、サイズ及び/又は構成にもなりうることを理解する。
本開示の別の特徴には、本開示による保護インサート部材を、ほとんど又は全く保護機能を有さないケースを改造して設置するために使用されうることが含まれる。図18及び19は、本開示に従った改造された保護ケース500の例示的な実施形態を示している。該保護ケース500は、一対の鏡像的に対向する前壁と後壁510とで定められる可撓性且つ矩形状のケース本体と、保護すべき物品を受け入れるための主要区画530を定めるように、対向する壁510の間に配置された側壁520とを含み、そして、ケース本体の一部の周囲に延びるジッパー閉鎖部(zipper closure)520を有する。保護インサート部材100は保護要素50が内方に位置するように主要区画530内に配置される。溝40により、ケース内部の容量を増すことなく、インサート部材100が角隅部分に折りたたまれる。また、保護インサート部材は、ケースを別の用途で使用できるように、取り外しが可能な衝撃吸収クレードル(衝撃吸収受け台、shock absorbing cradle)を定めるように、対向する壁の間で主要区画530内に着脱可能に配置できる。必要であれば、保護インサート部材は粘着剤、ベルクロ(面ファスナー)、留め金、リベット(鋲)など、様々な装着機器及び/又は技術を用いて、主要区画の側壁520に着脱可能に取り付けられ得る。同様に、縫製、接着、溶接などの様々な技術を用いて、主要区画の側壁520に恒久的に固定されてもよい。
図19に示すとおり、任意で対向する前後壁510に保護インサート部材600を据え付けてもよい。保護インサート部材600は複数の円形緩衝部材650を備える複数の列を有する保護インサート部材の一例である。保護インサート部材600は主要区画の後壁に位置し、上記と同様の技術を使用して、恒久的又は一時的に取り付けられる。
当業者は、ケースが矩形状である必要はなく、また、どのような形状及び/又は構成であっても構わないことを理解する。当業者は、ケースが防水性で気密度を伴うプラスチック製ジッパー(例えばジップロック(登録商標)式のジッパー)、ピローフラップ(pillow flap)型容器、封筒(envelope)型容器、かぎ留め型、マグネット、クリップなどの閉止する道具を含むがそれらに限定されないことを理解する。当業者はガセットを形成するために、任意の個数の保護インサート部材が使用されてもよく、所望に応じて、保護インサート部材がいかなる位置、サイズ及び/又は構成にもなりうることを理解する。
上記で開示されたケースのいずれもが、閉鎖部で外端に取り付けられた保護バインディング(結合部、binding)を任意で含みうる。このバインディングは保護インサート部材に使用されるのと同じ材料、とりわけ、起伏のある端部を有するバリスティック生地を含んでもよい。バリスティック材料を反対にするようにバインディングを配置してもよい。それにより、保護インサート部材がエッジで内側となり、その逆もありうる。
選択的には、上記で開示されたケースのいずれもが、機器上の及び/又は充電器のような外部機器への様々な機能キーにアクセスするための複数の接続口(アクセスポート)を含みうる。当業者は、保護対象の商用電子機器又は他の機器にみられるような機構の位置に対応するために、接続口がいくつでも含まれてもよく、接続口がケース本体のどこに備えられてもよく、そして接続用口が必要に応じていかなる形状、サイズ及び/又は構成でもよいことを理解する。
上記で開示されたどのケースも、ケースの前方及び後方のいずれか、又は両方の内側に取り付けられた裏地(図示せず)を任意で含みうる。
上記で開示されたどのケースも、書類用及び/又は筆記用具用ポケットや、ハンドル、ストラップ、ジッパー、バックパックや荷物、衣類、ジャケットなどの別の物品にケースを取り付けることができる機器又は前述の物品をポケット又は袖としてケースに統合することができる機器を含む他の機器といった、多種多様なアクセサリ(図示せず)を任意で含みうる。当業者は、上記アクセサリはケース本体のどこにでも備えられてよく、そしてアクセサリは必要に応じて、いかなる形状、サイズ及び/又は構成でもよい、ということを理解する。
上記で開示されたケースのいずれもが、側面パネルに剛性を持たせるために、ケース本体に構造的インサート部材を任意で含みうる(図示せず)。構造的インサート部材は保護インサート部材と同じ材料又は剛性の材料を含んでもよい。ケースが裏地を含む場合、構造的インサート部材は裏地とケース本体との間に配置しうる。ケース内の剛性材料は機器ケースに収納される電子機器よりも、長さ、幅ともに大きく設計され、機器のエッジ(端縁)に追加的なエッジ衝撃保護を備える。
保護インサート部材は任意の基部層、任意の外層、又は、任意の基部層及び外層の両方を含んでもよい。さらに、持久性及び/又は外見をさらに改善させるために、追加層又は材料層が表面層に(接合されることを含む)隣接配置可能である。
任意の内層及び外層が使用される場合、上記材料は内層と外層との間に位置する中間層となり、この中間層は封入されてもよく、任意に基部及び/又は外層に結合され、これにより高湿度環境やクリーニングや薬品を使用する洗浄工程などの過酷な条件での保護インサート部材の性能が改善される。
保護インサート部材又は保護インサート部材の中間層は、発泡ポリマー材料や複合材料などを含む高分子材料を含むがそれに限定されない多様な材料を含みうる。
ポリマー材料は、所定の形状に形成するのに十分な構造的完全性を有し、且つ実質的な劣化を伴うことなく、使用する環境に耐えられる高分子材料を含みうる。適切な高分子材料は、熱硬化性高分子材料、エラストマー系材料、熱可塑性エラストマー材料を含む熱可塑性材料、それらの複合物、それらの発泡物、そして前述の材料の少なくとも1つを含む組み合わせを含むがそれに限定されない。考えうる高分子材料はポリウレタン、シリコン、及び/又は類似物、そして前述の材料の少なくとも1つを含む組み合わせを含むがそれに限定されない。
ある例示的な実施形態では、頻度依存材料(rate dependent material)のような、膨張性又はせん断増粘材料(shear thickening material)を含みうる。ある例示的な実施形態では、材料はd3Oを含みうる。ある例示的な実施形態では、ポリボロシロキサン(polyborosiloxane)のような材料を含みうる。別の例示的な実施形態では、頻度依存フォーム(rate dependent foam)を含みうる。このような適用では、頻度依存フォームが約5〜約35立方フィート(pcf)の密度を有することが望ましく、より特には約10〜約30pcfが望ましく、より特には約15〜約25pcfが望ましい。適切な頻度依存フォームについては、商品名PORON(登録商標)及びPORON XRD(登録商標)がRogers Corporationから入手可能であり、いずれも開細胞、微小細胞のポリウレタンフォームである。
適切な外層は、そこに力が加えられたときに断裂や伸張を防ぐのに十分な弾性、所定の形状に形成するのに十分な構造的一体性を提供可能であり、且つ、実質的な劣化を伴うことなく、使用する環境(例えば、加撚、屈曲、収縮、伸張など)に耐えられる材料を含みうる。適切な材料の例には、熱可塑性エラストマー(TPE)フィルムが含まれるが、それに限定されない。熱可塑性ポリウレタン(TPU)では、芳香族系又は脂肪族系のいずれに依らずポリエステル及びポリエーテルの両方が適していることが判明している。適切なフィルム厚さは約1ミリインチ(mil)から約15milであり、より特には約2milから約10milであり、より特には約3milから約7milである。しかしながら、より高い耐久性が必要な場合、フィルム厚さは、例えば、10milから60mil又はそれ以上であり、成形後のフィルムの特性と性能によってのみ限定されうる。
ある模範的な材料はBayerによって製造される熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)であり、PS5400の名称で販売されている。上記のように、ポリエステル系ポリウレタンは度重なるクリーニングにおいても予想を上回る機能(性能)をもたらすことが判明している。そして、このような予想を上回る性能は、特に保護インサート部材の外周部分での材料の結合と、中間層の封入によると考えられる。
当業者は前述の材料及び技術の組み合わせが、様々なサイズのケースに対応するために、保護インサート部材及び/又は保護要素の幅を変更することにより、ケースの幅を変えることができる機能を提供しつつ、保護が必要な様々な機器のための保護ケースの作製に使用されうることを認識するだろう。また、ケース及び保護インサート部材はクリーニングにも耐え、限定されないが、泥状領域、化学品暴露、病院、軍などを含む不潔な環境にも適用される。また、当業者は前述の技術は、変更されてもよく及び/又は他の物品の保護に使用される別の特徴と組み合わされてもよいことを理解する。
前述のケースの製造には、ケース本体に適した材料の選択、ケース本体の適切な寸法の選択、ガセットを形成するためのケース本体への1つ以上の保護インサート部材の取り付け、及び、閉鎖部の形成又は取り付けが含まれる。ケースの本体材料のシート(薄板)は、縫い代を設けるように、保護されるべき物品よりも大きい寸法を有しうる。当業者は、様々な取付方法が、ガセットを形成するように保護インサート部材をケース本体に取り付けることに使用されてもよいことを理解する。該取付方法は、縫製、接着、溶接又はこれらの組み合わせを含むがこれに限定されない。例えば、防水仕様を求める場合には、縫い目及び/又はジッパーを熱融着、加熱接着及び/又は熱溶接することがより望ましい。前述の実施形態では、保護インサート部材は、ケース本体と、保護要素50に隣接する外周溝60を縫製することにより、ケース本体に取り付けられる。
ここに開示された保護インサート部材のサイズ、形状、構成、厚さ、材料組成は、限定されないが、所望の可撓性の大きさ、角部分又は成形された機器要素を包み込むために必要な屈曲性の程度、所望の衝撃保護性の大きさなどに応じて変化しうる。さらに、保護インサート部材のサイズ、形状、構成、厚さ及び材料構成は変更可能である。また、1つ以上のタイプの形状が保護インサート部材に使用されてもよい。
ケース本体及び任意の裏張りは、異なる外観的及び機能的特性を有する様々な材料を含んでもよく、特定の利用又はデザインの必要に応じて変更可能である。ケース本体及び任意の裏張りに適切な材料は、限定されないが、合成及び/又は非合成材料を含む。該合成及び/又は非合成材料は、紙、布地(ファブリック)、金属、金属化プラスチック、プラスチックフィルム、金属フォイル及び/又は類似物、及び、これらの合成物、ラミネート(積層体)、及び/又は、前述の少なくとも1つを含む組み合わせを含むが、これらに限定されない。他の適切な材料は、限定されないが、織物(fabrics)、皮、ビニール、複合材、そのラミネート、及び/又は、前述のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む。織物が使用される場合、合成品/非合成品、ニット、織物、不織布、そのラミネート、及び、前述のうち少なくとも1つを含む組み合わせを含む。撥水性のような所望の機能又は外観の特性を与えるために、前述の材料のうちいずれかを、ラミネート(積層)加工可能であり、及び/又は、片面又は両面のコーティング可能である。
ケース本体及び任意の裏張りを作成するための非伸張性又は低伸張性材料の例には、限定されないが、バリスティック生地のような、不織布、皮、織布材料が含まれる。バリスティック材料の例には、限定されないが、強化及び非強化ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリアミド(アラミドやパラアラミドなど)、類似材料、並びに、それらの組み合わせが含まれる。実施例に、コーデュラ(Cordura)、ケブラー(Kevlar)、トワロン(Twaron)、スペクトラ(Spectra)、ザイロン(Zylon)、リップストップ織(裂け止め、ripstop weaves)、及び、それらの組み合わせを含んでもよい。適切なバリスティック材料の1つはRockyWoods社が販売するウーブン1680デニールバリスティックナイロン(woven 1680 denier ballistic Nylon)で、1平方ヤード(oz/sq yd)あたり約12オンスの重量を有し、防水のために、片面には約1〜1.25oz/sq ydのポリウレタンによるコーティングが施され、さらに反対の面には耐久撥水性(DWR)仕上げが施される。別の適切な材料には1050バリスティックナイロン及びコーデュラが含まれ、そこにはポリウレタンコーティングとDWRを含むものと含まないものの両方が存在する。
ケース本体及び裏張りが作成される適切な伸張可能な材料の例には、エラステイン等が含まれうるが、これに限定されない。
当業者は前述の材料と技術を組み合わせることで、保護が必要な様々な機器の可撓性の保護インサート部材を作成するために使用できることを認識するだろう。保護インサート部材を組み込んだケースは、機器の外端(エッジ)への衝撃からより良好に機器を保護する。考察がしやすいように、ここでは「可撓性(柔軟性)」という用語は、折り曲げる、捩じる、及び/又は伸張する、などの行為によって動作する場合の性能を意味する。
多層の保護インサート部材及びケース本体を作成するために適切な材料及び方法は、米国特許公開第2007/0261274、2012/00084896及び2012/0261289に開示されており、該対象は参照することによりすべて本書に組み込まれる。
ここに開示されるケースは、以下の1つ以上の有利性を含みうる。1)軽量化及び耐衝撃性をもたらす。2)上記のケースのいくつかは可撓性を有し、1つのタイプの機器に特化して設計された他のタイプのケースと対比すると、異なる寸法の機器を収納することができる。3)パネルの作成及び機器の保持のための方法の結果として、より経済的である。4)封入された保護インサート部材は、でこぼこして耐久性があり、工業用及び/又は商業用洗浄で使用される温度、洗剤及び機械的動作に耐えうる物品を備えており、洗浄できない又は上記のような過酷な条件において劣化しがちな他のケースとは異なる。
ここに記述されている「第一の」や「第二の」といった用語は、順序や重要性を表すものではなく、1つの要素と別の要素とを区別するために用いられている。また、「a」や「an」といった用語は分量や数量を表すものではなく、少なくとも1つの参照物品が存在することを表す。同様に、ここで使用される「下部」及び「上部」といった用語は、注記されていない限り、便宜上の表記に過ぎず、ある特定の位置又は空間的定位に限定されない。さらに、分量や数量に関連して使用される修飾語句である「約」は、記載される値を包含し、文脈によって決定づけられる意図を有する(例えば、特定の分量や数量の計測に関連づいたエラーの度合を含む)。
ここでは、化合物は標準的な用語体系を用いて記載される。例えば、指定された基で置換されない、いかなる位置における結合価も、指定される結合は水素原子により満たされている理解される。2つの文字又は記号の間に位置しない「−(ダッシュ)」は、置換基の付着点を示すために使用される。例えば、−CHOはカルボニル基の炭素を通じて付着される。このような定義がない場合、すべてのパーセンテージは重量パーセント(「wt.%」)を意味する。さらに、ここに開示されるすべての範囲が包含され、化合できる(例えば、「約25重量パーセント(wt.%)以下で、望ましくは約5wt.%から約20wt.%、さらに好ましくは10wt.%から約15wt.%」という範囲は、該範囲のエンドポイントとすべての中間値を包含し、例えば、「約5wt.%から約25wt.%、約5wt.%から約15wt.%」となる)。「10±10%」という表記は、示された測定結果は、記載された値の10%を差し引いた量から、10%加算した量であってもよい。
最後に、特記されていない場合、ここで使用される技術的及び科学的用語は、本開示が属する分野の当業者が常識的に理解するのと同一の意味を有する。
該開示は模範的な実施形態に準拠して記述されているが、当業者は開示の範囲からかけ離れることなく様々な変更がなされ、そこに含まれる要素と同等なものがそれに置き換えられてもよいことを理解する。さらに、本質的な請求の範囲からかけ離れることなく特定の状況又は材料を開示されている教示に適応させるために、多くの修正がなされうる。従って、本開示は、本開示を実行するために熟考された最良の形態として開示された、特定の実施形態に限定されることを意図しておらず、本発明は添付する請求項の範囲内に含まれる、すべての実施形態を包含する。