本発明は、式(I):
(式中:
R
1およびR
2は独立して、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ケトシクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチルで独立して任意選択的にモノ−、ジ−またはトリ−置換されるアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり、
n=0および1であるとき、XおよびYはHであり;
n=1であるとき、XおよびYは両方とも−CH
2−に連結して三環式アダマンチルコアを形成する結合である)
の化合物;
またはそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
単独でまたは基の一部として用いられる、用語「アルキル」は、特に明記しない限り、1〜8個の炭素原子の直鎖か分岐かのいずれかの飽和炭化水素と本明細書では定義される。幾つかの実施形態では、アルキル部分は、8、7、6、5、4、3、2または1個の炭素原子を含有する。用語「アルキル」が炭素原子範囲なしで本明細書に現れる場合には、それは、C1〜C8の範囲を意味する。用語「アルキル」が炭素範囲付きで本明細書に現れる場合には、C1〜C3アルキルがメチル、エチルまたはプロピルを意味するなど、それは、特定される炭素範囲内の任意の数のアルキルを意味する。飽和炭化水素アルキル部分の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの化学基が挙げられるが、それらに限定されない。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる、用語「アルコキシ」は、特に明記しない限り、−O−アルキル(ここで、「アルキル」は本明細書で前に定義された通りである)と本明細書では定義される。アルコキシ部分の例には、メトキシ、エトキシ、イソ−プロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、および同族体、異性体などの化学基が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明は、式(I):
(式中:
R1およびR2は独立して、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ケトシクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチルで独立して任意選択的にモノ−、ジ−またはトリ−置換されるアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり、
n=0および1であるとき、XおよびYはHであり;
n=1であるとき、XおよびYは両方とも−CH2−に連結して三環式アダマンチルコアを形成する結合である)
の化合物;
またはそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
単独でまたは基の一部として用いられる、用語「アルキル」は、特に明記しない限り、1〜8個の炭素原子の直鎖か分岐かのいずれかの飽和炭化水素と本明細書では定義される。幾つかの実施形態では、アルキル部分は、8、7、6、5、4、3、2または1個の炭素原子を含有する。用語「アルキル」が炭素原子範囲なしで本明細書に現れる場合には、それは、C1〜C8の範囲を意味する。用語「アルキル」が炭素範囲付きで本明細書に現れる場合には、C1〜C3アルキルがメチル、エチルまたはプロピルを意味するなど、それは、特定される炭素範囲内の任意の数のアルキルを意味する。飽和炭化水素アルキル部分の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの化学基が挙げられるが、それらに限定されない。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる、用語「アルコキシ」は、特に明記しない限り、−O−アルキル(ここで、「アルキル」は本明細書で前に定義された通りである)と本明細書では定義される。アルコキシ部分の例には、メトキシ、エトキシ、イソ−プロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、および同族体、異性体などの化学基が挙げられるが、それらに限定されない。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる、用語「ヒドロキシアルキル」は、特に明記しない限り、−アルキル−OH(ここで、「アルキル」は本明細書で前に定義された通りである)と本明細書では定義される。非限定的な例には、−CH2−OH、−(CH2)2−OH、−(CH2)3−OHなどが挙げられる。
本明細書で用いるところでは、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる、用語「シクロアルキル」は、特に明記しない限り、3〜8個の環炭素原子を有する環化アルキル基(ここで、「アルキル」は本明細書で定義された通りである)と本明細書では定義される。シクロアルキル部分の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどの化学基が挙げられるが、それらに限定されない。シクロアルキルはまた、シクロアルキル基がハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミド、ジアルキルアミドなどで置換されるシクロアルキル部分も意味する。
本明細書で用いるところでは、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる、用語「ケトシクロアルキル」は、特に明記しない限り、それに結合したケト基を有するシクロアルキル(ここで、「シクロアルキル」は本明細書で前に定義された通りである)と本明細書では定義される。例には、シクロペンタノンまたはシクロヘキサノンが挙げられる。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる、用語「ハロ」または「ハロゲン」は、特に明記しない限り、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードと本明細書では定義される。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる、用語「アリール」は、シングルリング(単環式)または縮合したもしくは共有結合したマルチプルリング(たとえば、二環式、三環式、多環式)であり得るものと本明細書では定義される。アリール部分の任意の好適な環位置が、定義される化学構造に共有結合することができる。アリール部分の例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどの化学基が挙げられるが、それらに限定されない。アリール基は、非置換であるかまたは本明細書に記載されるように置換され得る。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる、用語「ヘテロアリール」は、特に明記しない限り、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む単環式または多環式(縮合もしくは共有結合)芳香族炭化水素環と本明細書では定義される。ヘテロアリール基の例には、ピリジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、(1,2,3)−および(1,2,4)−トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、2−キノリニル、2−キナゾリニル、3−フェニル−2−キノリニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリルなどが挙げられるが、それらに限定されない。ヘテロアリール基は、非置換であるかまたは本明細書に記載されるように置換され得る。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる用語「ヘテロシクリル」は、特に明記しない限り、ヘテロ環の任意の環原子から水素原子を除去することによって形成される一価基と本明細書では定義される。幾つかの実施形態では、ヘテロシクリルは、O、SおよびNから独立して選択される1、2、3または4つのヘテロ原子を含有する。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる用語「アシル」は、特に明記しない限り、式−C(O)−アルキル(ここで、アルキルは本明細書で前に記載された通りである)の基;すなわち、ホルミル、アセチルなどの、アルキルカルボニルと本明細書では定義される。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる用語「アミノアルキル」は、特に明記しない限り、アルキル−アミノ(ここで、用語「アルキル」は本明細書で前に定義された通りであり、用語「アミノ」は、−NH2、−NH−、または−N<である)と本明細書では定義される。非限定的な例には、−CH3NH−、CH3CH2NH−、(C1〜C3アルキル)NH−、(C1〜C3アルキル)2N−などが挙げられる。
単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる用語「アルキルアミノ」は、特に明記しない限り、アミノ−アルキル(ここで、用語「アルキル」は本明細書で前に定義された通りであり、用語「アミノ」は、−NH2、−NH−、または−N<である)と本明細書では定義される。非限定的な例には、−NHCH3、−NHCH2CH3、−NH(C1〜C3アルキル)、−N(C1〜C3アルキル)2などが挙げられる。
本発明の別の態様は、薬学的に有効量の本発明による化合物と、薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む組成物である。
本発明の組成物は、経口で(舌下でを含む)、移植片経由で、親らしく(parentally)(静脈内、腹腔内、関節内および皮下注射を含む)、直腸に、鼻腔内に、局所的に、眼に(点眼薬による)、経膣的に、および経皮的になどの、任意モードの投与に合わせられてもよい。
本発明の化合物は、遊離塩基としてか、薬学的に許容される酸または塩基から誘導される塩の形態でかのいずれかで使用することができる。この塩は、下記を限定なしに含む:無機酸、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸、ならびに有機酸、たとえば、酢酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、フマル酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、パモン酸、およびパラ−トルエンスルホン酸との塩。他の塩には、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムとの、または第四級アンモニウム塩などの、有機塩基との塩が挙げられる。薬学的に許容される無機および有機酸付加塩のさらなる非限定的な例には、[S.M.Bergeら、J.Pharm.Sci.1977、66、1:2、およびG.S.Paulekuhnら、J.Med.Chem.2007、50、26:6665〜6672]に列挙されているものが挙げられる。
本発明の化合物が上記のように用いられるときには、それは、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤または担体、たとえば、溶剤、希釈剤などを組み合わせられてもよい。かかる医薬品は、錠剤、カプセル(たとえば、持続放出型および徐放型調合物などの)、ピル、トローチ剤、エアゾール、分散性粉末、顆粒、溶液、懸濁液(たとえば懸濁剤を、たとえば約0.05〜約5%の懸濁剤で、含有する)、シロップ(たとえば砂糖またはアスパルテームなどの砂糖代用品を、たとえば約10〜約50%砂糖または砂糖代用品で、含有する)、エリキシル剤などのような形態で経口で、またはたとえば、約0.05〜約5%懸濁剤を等張媒体中に含有する無菌の注射液、懸濁液もしくはエマルジョンの形態で非経口で投与されてもよい。かかる調剤は、担体と組み合わせてたとえば、約25〜約90%、より習慣的には約5〜約60重量%の活性成分を含有してもよい。用いられる活性成分(たとえば、本発明の化合物または塩およびそのプロドラッグまたは代謝産物)の有効投与量は、使用される特定の化合物、塩、プロドラッグもしくは代謝産物、投与方法、患者の年齢、体重、性および医学的状態、ならびに疾病、障害、状態の重症度、および/または治療中の系に依存して変わってもよい。個々の哺乳類のための適切な投与および投薬形態の選択は、当業者に明らかであろう。かかる決定は、当該技術分野での通常技術の医師、獣医または臨床医にはルーチンである(たとえば、Harrison’s Principles of Internal Medicine、Anthony Fauciら(編)第14版 New York:McGraw Hill(1998)を参照されたい)。さらに、投薬計画は、最適治療反応を提供するために調整されてもよい。たとえば、幾つかの分割用量が毎日投与されてもよく、用量が、治療状況の必要性によって示されるように比例的に減らされてもよい。
固体担体、たとえば、デンプン、ラクトース、リン酸二カルシウム、微結晶性セルロース、スクロースおよびカオリン、液体担体、たとえば、無菌水、ポリエチレングリコール、グリセロール、非イオン界面活性剤ならびにコーン油、ピーナッツ油およびごま油などの食用油が、活性成分の特質および所望の投与の特定の形態に適切であるように用いられてもよい。医薬組成物の調製に習慣的に用いられる補助剤が有利に含められてもよい。補助剤の非限定的な例には、着香料、着色剤、保存剤、ならびにビタミンE、アスコルビン酸、BHTおよびBHAなどの、酸化防止剤が挙げられる。
活性化合物はまた、非経口的にまたは腹腔内に投与されてもよい。遊離塩基、中性化合物もしくは薬学的に許容される塩としての活性化合物の溶液または懸濁液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合された水中で調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびオイル中のそれらの混合物中で調製することができる。これらの調製品は、貯蔵および使用の通常の条件下での微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含有してもよい。
本発明の化合物の幾つかが、1つまたは複数の不斉中心を含有してもよく、こうして鏡像異性体およびジアステレオマーを生じさせ得ることは当業者によって理解される。本発明は、示された活性を有する、ラセミ体だけでなく、個々のジアステレオマーおよび分割された、鏡像異性体的に純粋な立体異性体、および立体異性体のすべての他の変形、ならびにそれらの混合物および薬学的に許容される塩などの、すべての立体異性体を含む。光学異性体は、キラルクロマトグラフ分離、ジアステレオメリック塩形成、速度論的分割および不斉合成を含むが、それらに限定されない、当業者に公知の一般的な手順によって純粋形態で得ることができる。示された活性を有するすべての可能な位置異性体、エンド−エキソ異性体、およびそれらの混合物を本発明が包含することはまた理解される。かかる異性体は、かつカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、および高速液体クロマトグラフィーを含むが、それらに限定されない、当業者に公知の一般的な手順によって純粋な形態で得ることができる。本発明の化合物の幾つかが拘束回転のためにキラルであってもよく、アトロプ異性体を生じさせ、それらが当業者に公知の一般的な手順によって分割され、純粋な形態で得られ得ることは、当業者によって理解される。本発明の化合物の幾つかが互変異性体などの、構造異性体を含むことは当業者によってさらに理解される。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物についての使用、および化合物の使用方法である。
本発明は、式(I)の化合物と、本明細書に記載される使用または方法に有用な任意の医薬組成物との任意の組み合わせのすべての同時の、順次のまたは別個の使用を包含すると理解されるべきである。
幾つかの実施形態では、本使用または方法は、有効量の式(I)の化合物、またはその塩を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、本使用または方法は、治療的有効量の本明細書に記載の化合物、またはその塩を投与する工程を含む。
幾つかの実施形態では、本方法は、有効量の本明細書に記載される化合物、またはそれらの塩の2つ以上の組み合わせを投与する工程を含む。語句「本明細書に記載される化合物、またはそれらの塩の2つ以上の組み合わせ」、または「本明細書に記載されるような少なくとも1つの化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩」、または具体的な化合物を記載する類似の言語は、塩、中性もしくは遊離塩基形態の任意の割合および組み合わせでのかかる化合物の投与を含む;すなわち、中性および/または塩基性化合物および/または塩の任意の割合での、それぞれ塩基形態での、それぞれ中性形態でのもしくはそれぞれ塩形態での、または1つまたは複数の塩基形態でのおよび1つまたは複数の中性形態での、または1つまたは複数の塩基形態でのおよび1つまたは複数の塩形態での、または1つまたは複数の中性形態でのおよび1つまたは複数の塩形態でのかかる化合物の投与を含むことが特に意図される。
本明細書で用いるところでは、語句「有効量」は本発明の化合物に適用されるときには、意図される生物学的効果をもたらすのに十分な量を意味することを意図する。語句「治療的有効量」は本発明の化合物に適用されるときには、障害もしくは疾病状態の、または障害もしくは疾病の症状の進行を改善する、緩和する、安定化させる、食い止める、遅くするもしくは遅延させるのに十分である化合物の量を意味することを意図する。幾つかの実施形態では、本発明の方法は、化合物の組み合わせの投与を提供する。かかる場合には、「有効量」は、意図される生物学的効果をもたらすのに十分な組み合わせの量である。
用語「治療」または「治療すること」は本明細書で用いるところでは、疾病もしくは障害の進行を治療する、改善するまたは食い止めることか、またはかかる疾病もしくは障害の1つまたは複数の症状もしくは副作用を改善するまたは食い止めることを意味する。「治療」または「治療すること」はまた、本明細書で用いるところでは、疾病または障害の系、健康状態もしくは状態の進行を、たとえば妨げる、阻む、抑える、遅らせるもしくは妨害するなどで、阻止するまたは遮ることを意味する。本発明の目的のためには、「治療」または「治療すること」は、有益なもしくは所望の臨床結果を得るためのアプローチをさらに意味し、ここで、「有益なまたは所望の臨床結果」には、限定なしに、部分的であろうと全面的であろうと、検出可能であろうと検出不能であろうと、症状の軽減、障害もしくは疾病の程度の縮小、安定した(すなわち、悪化しない)疾病または障害状態、疾病もしくは障害状態の遅延または鈍化、疾病もしくは障害状態の改善または緩和、および疾病または障害の鎮静が含まれる。
用語「防ぐ」または「防ぐこと」は本明細書で用いるところでは、起こらないようにまたは存在しないようにすることを意味する。用語「投与すること」は本明細書で用いるところでは、本発明の化合物を直接投与することか、哺乳類内で有効量のその化合物を形成するであろう、それのプロドラッグ、誘導体、または類似体を投与することかのいずれかを意味する。
幾つかの実施形態では、本方法は、疾病もしくは障害、またはその症状の治療方法であり、本方法は、治療的有効量の式(I)の少なくとも1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を、それを必要としている哺乳類に投与する工程を含み、ここで、疾病または障害は、本明細書に記載されるものなどの、中枢神経系疾病または障害である。
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物の使用は、本明細書に記載されるものなどの、中枢神経系疾病または障害である、疾病もしくは障害、またはその症状の治療のための医薬の調製向けである。幾つかの実施形態では、式(I)の化合物の使用は、本明細書に記載されるものなどの、中枢神経系疾病または障害である、疾病もしくは障害、またはその症状の改善のための医薬の調製向けである。
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、本明細書に記載されるものなどの、中枢神経系疾病または障害である、疾病もしくは障害、またはその症状を治療することに使用するためである。幾つかの実施形態では、式(I)の化合物の使用は、本明細書に記載されるものなどの、中枢神経系疾病または障害である、疾病もしくは障害、またはその症状の改善のためである。
本発明の化合物は、mGlu5受容体をアロステリック調節することができる。mGlu5受容体に対するオルソステリックリガンドの親和性を高めるもしくは増強するおよび/またはオルソステリック作動薬の効力を高めるもしくは増強するアロステリックモデュレーターは、アロステリックエンハンサー(もしくは増強剤)または正のアロステリックモデュレーター(PAM)である。たとえば、May,L.T.Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.2007、47、1〜51を参照されたい。mGlu5受容体に対するオルソステリックリガンドの親和性を低下させるもしくは減少させるおよび/またはオルソステリック作動薬の効力を低下させるもしくは減少させるアロステリックモデュレーターは、アロステリック拮抗薬(もしくは阻害薬)または負のアロステリックモデュレーター(NAM)である。上掲。
幾つかの実施形態では、哺乳類は人間である。
幾つかの実施形態では、本使用または方法は、有効量もしくは治療的有効量の式(I)の化合物を、それを必要としている人間に投与する工程を含む。
幾つかの実施形態では、中枢神経系疾病または障害は、認知の、神経変性の、精神医学的もしくは神経学的疾病または障害である。幾つかの実施形態では、この疾病もしくは障害は、気分障害、不安、統合失調症(統合失調感情障害など)、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、ハンチントン病筋萎縮性側索硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病、外傷誘発性神経変性、AIDS誘発性脳症、別の感染症関連脳症(すなわち、非AIDS誘発性脳症)、脆弱X症候群、自閉症スペクトラム障害、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本明細書で用いるところでは、語句「気分障害」は、非限定的に、双極性障害、抑うつ障害、気分循環性障害、気分変調性障害、全身病状による気分障害、特定不能の気分障害および物質誘発性気分障害などの、情動状態の異常で特徴づけられる;ならびにDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4版(DSM−IV)(American Psychiatric Association:Arlington、VA、1994)で特徴づけられる幾つかの心理的障害のいずれかを意味する。
本明細書で用いるところでは、語句「自閉症スペクトラム障害」(ASD)は、幼児期に多くの場合最初に診断され、そして自閉性障害(「クラシック」自閉症)と呼ばれる、重症型から、特定不能の蔓延発育障害(PDD−NOS)を通って、はるかにより軽い形態、アスペルガー症候群までに及ぶ、思考、感情、言語、および他の人たちと関わり合う能力の重度および蔓延障害を引き起こす障害を意味する。この語句はまた、本明細書で用いるところでは、レット症候群および幼児期崩壊性障害を含み、かつ、語句「蔓延発育障害」(PDD)と同じ意味である。
幾つかの実施形態では、気分障害は、うつ病(すなわち、抑うつ障害)である。幾つかのかかる実施形態では、うつ病は、非定型うつ病、双極性うつ病、単極性うつ病、大うつ病、内因性うつ病(すなわち、原因不明の急性うつ病)、退行期うつ病(すなわち、中年または高齢者で起こるうつ病)、反応性うつ病(すなわち、明らかな心的外傷を与える(traumatic)出来事によって引き起こされるうつ病)、分娩後うつ病、一次うつ病(すなわち、医学的疾患または障害などの明らかな身体的または心理的原因がないうつ病)、精神病的うつ病、および二次うつ病(すなわち、別の医学的疾患または障害などのある他の基礎症状によって引き起こされるように思われるうつ病)からなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、不安疾病または障害は、全身性不安障害、パニック不安、強迫性障害、社会恐怖症、パフォーマンス不安、後外傷性ストレス障害、急性ストレス反応、適応障害、心気障害、分離不安障害、広場恐怖症、特定恐怖症、全身病状による不安障害、物質誘発性不安障害、アルコール離脱誘発性不安、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、中枢神経系疾病または障害は、発作性疾病または障害である。幾つかの実施形態では、発作性疾病または障害は、けいれん、てんかん、てんかん重積症、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、中枢神経系疾病または障害は、炎症性疼痛、神経障害性疼痛および片頭痛の痛みからなる群から選択される疼痛疾病または障害である。幾つかの実施形態では、神経障害性疼痛もしくは片頭痛の痛み疾病または障害は、アロディニア、痛覚過敏疼痛、幻想痛、糖尿病神経障害に関連した神経障害性疼痛、片頭痛に関連した神経障害性疼痛、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、中枢神経系疾病または障害は、ニューロン超励起状態疾病または障害である。幾つかの実施形態では、ニューロン超励起状態疾病または障害は、薬剤離脱でのニューロン超励起状態、中毒でのニューロン超励起状態、またはそれらの組み合わせである。
幾つかの実施形態では、認知の、神経変性の、精神医学的もしくは神経学的疾病または障害の少なくとも1つの症状が治療される。
幾つかの実施形態では、認知の、神経変性の、精神医学的もしくは神経学的疾病または障害はうつ病である。幾つかの実施形態では、うつ病の少なくとも1つの症状は、憂鬱、憂鬱な気分、ある活動もしくは全活動での興味もしくは喜びの喪失、食欲の変化、体重の変化、睡眠パターンの変化、元気の欠如、倦怠感、低い自尊心、思考、集中、もしくは果断さのための能力の低下、絶望感もしくは無気力、精神運動性激越もしくは遅延、自責、不適切な罪悪感、死もしくは自殺ついて頻繁に考えること、自殺を計画するもしくは試みること、またはそれらの組み合わせである。
幾つかの実施形態では、認知の、神経変性の、精神医学的もしくは神経学的疾病または障害は不安である。幾つかのかかる実施形態では、不安の少なくとも1つの症状は、懸念、恐れ、震え、筋肉痛、不眠症、腹部の不調、めまい、被刺激性、持続性の反復性思考、衝動強迫、心臓動悸、胸痛、胸部不快感、発汗、チクチクする感覚、息苦しい感じ、自制心を失う恐れ、フラッシュバック、悪夢、侵入思考、侵入性想起、回避挙動、感情の麻痺、睡眠不能、不安感、過敏性驚愕反応、超警戒、怒りの爆発、脱力、赤面、多量発汗、またはそれらの組み合わせである。
幾つかの実施形態では、認知の、神経変性の、精神医学的もしくは神経学的疾病または障害は統合失調症である。幾つかの実施形態では、統合失調症の少なくとも1つの症状は、幻覚、妄想、偏執症、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される陽性症状である。幾つかのかかる実施形態では、統合失調症の症状は、社会離脱、平坦な情動、無快感症、意欲の低下、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される陰性症状である。幾つかのかかる実施形態では、統合失調症の症状は、注意力の重度欠損、物品呼称の重度欠損、作業記憶の重度欠損、長期記憶貯蔵の重度欠損、執行機能の重度欠損、情報処理の鈍化、神経活動の鈍化、長期うつ病、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される認知的症状である。
幾つかの実施形態では、認知の、神経変性の、精神医学的もしくは神経学的疾病もしくは障害は、パーキンソン病である。幾つかのかかる実施形態では、パーキンソン病の少なくとも1つの症状は、レボドパ誘発性運動障害、平衡障害、パーキンソン病様歩行、動作緩慢、硬直、震え、話ぶりの変化、顔の表情の喪失、小字症、嚥下困難、うわごと、疼痛、認知症、精神錯乱、睡眠障害、便秘、皮膚障害、うつ病、恐れ、不安、記憶障害、思考力の減退、性機能障害、泌尿器系の問題、倦怠感、ズキズキする痛み、元気の喪失、またはそれらの組み合わせである。
幾つかの実施形態では、認知の、神経変性の、精神医学的もしくは神経学的疾病または障害は、アルツハイマー病である。幾つかのかかる実施形態では、アルツハイマー病の少なくとも1つの症状は、記憶力障害、注意力障害、判断力障害、意思決定障害、物理的環境への適応障害、言語機能障害、速度依存性活動の障害、抽象的論理障害、視空間能力の障害、執行機能障害、行動障害の機能障害、無関心および受動性、無気力、不適切な着付け、自己管理不足、興奮、凶暴な爆発、攻撃、うつ病、不安、幻覚、妄想、人柄の変化、気分の変化、認知症、またはそれらの組み合わせである。
幾つかの実施形態では、認知の、神経変性の、精神医学的もしくは神経学的疾病または障害は、ハンチントン病(ハンチントン障害としても知られ、ハンチントン舞踏病を含む)である。幾つかのかかる実施形態では、ハンチントン舞踏病の少なくとも1つの症状は、非限定的に、被刺激性、怒りなどの、人柄変化、うつ病もしくは興味の喪失、認知能力の低下、認知症、平衡障害、協調障害、粗相、しかめっ面などの無意識の顔の動き、発作、震え、筋肉の硬直、動作緩慢、突然の律動および/または無意識の動き、律動および/または目の素早い動き、嚥下障害、ならびに躊躇する、たどたどしいおよび/または不明瞭な話しぶりである。
幾つかの実施形態では、認知の、神経変性の、精神医学的もしくは神経学的疾病または障害は、多発性硬化症である。幾つかのかかる実施形態では、多発性硬化症の少なくとも1つの症状は、視神経炎視力障害、眼痛、色覚の喪失、失明、複視二重視、律動性眼振運動、眼球ディスメトリア、目の運動の一定のアンダーシュートもしくはオーバーシュート、核間性眼筋麻痺、眼振、複視、運動および音眼内閃光、複視、求心性瞳孔障害、運動不全麻痺、単不全麻痺、不全対麻痺、片側不全麻痺、四肢感覚異常麻痺、対麻痺、片麻痺、四肢麻痺、クアドラプレジア、痙性、構音障害、筋萎縮、けいれん、さしこみ、低血圧症、クローヌス、ミオクローヌス、ミオキミア、むずむず脚症候群、下垂足機能障害反射神経(筋伸展反射(msrs)、バビンスキー反射、ホフマン反射、チャドック反射)、知覚異常、知覚麻痺、神経痛、神経障害性疼痛、神経原性疼痛、レルミット兆候(l’hermitte’s)、固有受容性機能障害、三叉神経痛、運動失調、企図振戦、ディスメトリア、前庭性運動失調、目まい、スピーチ運動失調、ジストニア、拮抗運動反復不全、頻尿、膀胱痙性、弛緩性膀胱、利尿筋・括約筋共同運動障害、勃起性機能障害、無オルガスムス症、逆行性射精、不感症、便秘、糞便切迫感、うつ病、認知機能障害、認知症、気分変動、情緒不安定、陶酔感、双極性症候群、不安、失語症、不全失語症、倦怠感、ウートフ症状、胃食道逆流、睡眠障害、またはそれらの組み合わせである。
本発明は、胃食道逆流を治療するための使用および方法をさらに提供する。本発明はまた、胃食道逆流の治療用医薬の調製のための式(I)の化合物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、本使用および本方法は、本明細書に記載されるような化合物を投与する工程を含む。
本発明は、アルコールおよび薬物依存症を治療するための使用ならびに方法をさらに提供する。本発明はまた、アルコール依存症の治療用医薬の調製のための式(I)の化合物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、本使用および本方法は、本明細書に記載されるような化合物を投与する工程を含む。
本発明の別の態様は、本発明の化合物の製造方法である。
本発明の化合物の製造
本発明の化合物は、以下に概要を示す一般的な方法に従って製造され得るが、これに限定されない。たとえば、以下に続くスキーム1〜4は、本発明の幾つかの実施形態の例示として意図され、それらにより本発明を限定することは、示されない。
以下は、特定の場合に特に明記しない限り、本明細書に用いられる頭字語を定義する。
Boc=tert−ブチルオキシカルボニル;BOP=ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、CAS No.56602−33−6;Cbz=カルボキシベンジル;DCM=ジクロロメタンまたは塩化メチレン、CAS No.75−09−2;DIEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン、CAS No.7087−68−5;DMA=N,N−ジメチルアセトアミド、CAS No.127−19−5;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン、CAS No.1122−58−3;DMC=2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロリド、CAS No.37091−73−9;DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、CAS No.68−12−2;DMPU=1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、CAS No.7226−23−5;DMSO=ジメチルスルホキシド、CAS No.67−68−5;DPPA=ジフェニルホスホリルアジド、CAS No.26386−88−9;EDAC=EDC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;EDCI=N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、CAS No.93128−40−6;HATU=2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタナミニウム、CAS No.148893−10−1;HBTU=2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、CAS No.94790−37−1;MTBE=メチルt−ブチルエーテル、CAS No.145288−29−5;NBS=N−ブロモスクシンイミド、CAS No.128−08−5;NMP=N−メチル−ピロリドン、CAS No.872−50−4;PCC=ピリジニウムクロロクロメート;PyBOP=ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、CAS No.128625−52−5;rt=室温;RT=LC−MS保持時間;TBTU=O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、CAS No.125700−67−6;TEA=トリエチルアミン、CAS No.121−44−8;TFA=トリフルオロ酢酸、CAS No.76−05−1;THF=テトラヒドロフラン、CAS No.109−99−9。
式(I−a)の化合物は、スキーム1に概要を示される方法によって製造することができる。クロロトリメチルシランの存在下でメタノール中などの条件下での商業的に入手可能なシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸1のエステル化は、エステル2を与える。塩基の存在下の1−ブロモ−2−クロロエタンまたは1−ブロモ−3−クロロプロパンでの化合物2のアルキル化は、二環式化合物3を生成する。一般的な条件下での3の鹸化はカルボン酸4を与え、それは、標準的なクルチウス転位、その後のベンジルアルコールでの処理によってCbz保護アミン5に変換される。一般的な条件下での化合物5の還元は、第一級アルコール6を産出する。化合物6のCbz保護基の除去はアミン7を生成し、それは次に、R
2CO
2Hと反応させることによる一般的なアミド化条件下にアミド8に変換される。一般的な条件下での化合物8の酸化はアルデヒド9を与え、それは次に、塩基K
2CO
3の存在下での(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホン酸ジメチルとの反応などの一般的な条件を用いてアルキン10に変換される。薗頭反応(Sonogashira reaction)によるアリールハロゲン化物またはヘテロアリールハロゲン化物R
1Xとのアルキン10の反応は、式(I−a)の化合物を与える。
スキーム1
式(I−a)の化合物はまた、スキーム2に概要を示される方法によって製造することができる。化合物5のCbz保護基の除去はアミン11を与え、それは次に、Boc保護化合物12に変換される。一般的な条件下での12のエステル基の還元は、第一級アルコール13を与える。一般的な条件下での化合物13の酸化はアルデヒド14を産出し、それは次に、塩基K
2CO
3の存在下での(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホン酸ジメチルとの反応などの一般的な条件を用いてアルキン15に変換される。標準的な薗頭反応によるアリールハロゲン化物またはヘテロアリールハロゲン化物R
1Xとのアルキン15の反応は、化合物16を生成する。化合物16のBoc保護基の除去はアミン17を与え、それは次に、一般的な条件下にR
2CO
2HまたはR
2COClでのアミド化によって式(I−a)の化合物に変換される。R
2CO
2HまたはR
2COClでのアミン11のアミド化は化合物19を生成する。一般的な条件下での19のエステル基の還元は第一級アルコール8を与え、それは次に、スキーム1に記載されるように化合物8、9および10を経由して式(I−a)の化合物に変換された。化合物15のBoc保護基の除去はアミン18を与える。R
2CO
2HまたはR
2COClでの18のアミド化は、化合物10を産出する。薗頭反応によるアリールハロゲン化物またはヘテロアリールハロゲン化物R
1Xとのアルキン10の反応は、式(I−a)の化合物を与える。
スキーム2
式(I−b)の化合物は、スキーム3に概要を示される方法によって製造することができる。一般的な条件下にR
2CO
2HまたはR
2COClでの化合物20(Hermogenes N.J.ら;米国特許第7947680 B2号明細書)のアミド化は、アミド21を与える。一般的な条件下での化合物21の還元はアリコール22を産出する。一般的な条件下でのアルコール22の酸化はアルデヒド23を産出し、それは次に、塩基K
2CO
3の存在下での(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホン酸ジメチルとの反応などの一般的な条件下にアルキン24に変換される。薗頭反応によるアリールハロゲン化物またはヘテロアリールハロゲン化物R
1Xとのアルキン24の反応は、式(I−b)の化合物を与える。
スキーム3
式(I−b)の化合物はまた、スキーム4に概要を示される方法によって製造することができる。一般的な条件下での化合物20のBoc保護は化合物25を与える。一般的な条件下での25の還元はアルコール26を与え、それは次に、標準的な条件を用いてアルデヒド27に酸化される。塩基K
2CO
3の存在下での(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホン酸ジメチルとの27の反応は、アルキン28を生成する。一般的な条件によるアリールハロゲン化物またはヘテロアリールハロゲン化物R
1Xとのアルキン28の薗頭反応は、化合物29を産出する。一般的な条件下での化合物29のBocの除去はアミン30を与え、それは次に、R
2CO
2HまたはR
2COClでの標準的なアミド化反応によって式(I−b)の化合物に変換される。
スキーム4
1.一般的な方法
具体的に特に明記しない限り、実験手順は、以下の条件下に行った。すべての操作は、窒素雰囲気下に室温(約18℃〜約25℃)で実施した。溶媒の蒸発は、減圧下にロータリーエバポレーターを用いてかまたは高性能溶媒蒸発システムHT−4X(Genevac Inc.,Valley Cottage,NY,USA)で実施した。使用される電子レンジは、Biotage(Initiator)製の装置である。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)または液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)によって追跡し、反応時間は例示のみのために与えられる。シリカゲルクロマトグラフィーは、プレパックドシリカゲルカートリッジのCombiFlash(登録商標)システム(Teledyne Isco,Inc.,Lincoln,NE,USA)で実施するか、またはMerckシリカゲル60(230〜400メッシュ)で行った。すべての最終生成物の構造および純度は、次の分析方法の少なくとも1つによって確認した:核磁気共鳴(NMR)およびLC−MS。NMRスペクトルは、示される溶媒を使用してBruker Avance(商標)300分光計(Bruker BioSpin Corp.,Billerica,MA,USA)またはVarian UNITY INOVA(登録商標)400(Varian,Inc.,Palo Alto,CA,USA)またはBruker ADVANCE III 500 MHz UltraShield−PlusTM Digital NMR分光計で記録した。化学シフト(□)は、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万当たりの部(ppm)単位で与えられる。結合定数(J)は、ヘルツ(Hz)単位で表され、シグナル形状について用いられる通常の省略形は:s=一重線;d=二重線;t=三重線;m=多重線;br=幅広いなどである。特に明記しない限り、質量スペクトルは、Micromass(登録商標)Platform IIシステムもしくはQuattro micro(商標)システム(両方ともWaters Corp.,Milford,MA,USA製)または1200RRLC/6164 SQシステム(Agilent technologies,Santa Clara,CA,USA)によるエレクトロスプレイイオン化(ESMS)を用いて得られ、(M+H)+が報告される。
2.本発明の中間体の製造
中間体1:N−(5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミド
中間体1は、以下の通り、上記スキーム1の方法によって商業的に入手可能なシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸から製造した:
ステップ1:シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジメチル
MeOH(250mL)中のシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸(25g、0.145モル)の溶液に、濃H
2SO
4(5mL)を加え、反応液を一晩還流させた。室温に冷却した後、反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を酢酸エチル(500mL)に溶解させた。生じた溶液を飽和Na
2CO
3(2×300mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して27.4g(94%)の表題化合物、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジメチルを淡黄色オイルとして得た。ESI−MS m/z:201(M+H)
+。
ステップ2:1−(3−クロロプロピル)シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジメチル
無水THF(250mL)中のリチウムジイソプロピルアミド(94mL、188ミリモル)のあらかじめ冷却された(−78℃)溶液に、温度が−65℃を超えないように、DMPU(76g、600ミリモル)を滴加し、次いで20分にわたって−78℃での無水THF(50mL)中のシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジメチル(25g、125ミリモル)の溶液を添加した。−78℃で1時間攪拌した後、1−ブロモ−2−クロロエタン(25g、175ミリモル)を加え、反応物を一晩で室温にゆっくり暖めた。飽和NH
4Cl(100mL)でクエンチした後、反応混合物を減圧下に濃縮し、次に水(200mL)で希釈した。生じた水性混合物をDCM(4×100mL)で抽出し、合わせた有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮した。生じた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=20/1)によって精製して23g(70%)の表題化合物、1−(3−クロロプロピル)シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジメチルを黄色オイルとして得た。ESI−MS m/z:263(M+H)
+。
ステップ3:ビシクロ[3.3.1]ノナン−1,5−ジカルボン酸ジメチル
テトラヒドロフラン(400mL)中のリチウムジイソプロピルアミド(86mL、172ミリモル)のあらかじめ冷却された(−78℃)溶液に、DMPU(70.4g、550モル)を滴加し、次いで20分以内の無水THF(50mL)中の1−(3−クロロプロピル)シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジメチル(30g、114.5ミリモル)を添加した。−78℃で30分間攪拌した後、反応物を1.5時間の期間にわたって室温まで昇温させ、次に飽和NH
4Cl(100mL)でクエンチした。混合物を減圧下に濃縮し、次に水(300mL)で希釈した。生じた水性混合物をDCM(4×100mL)で抽出し、合わせた有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=30/1)によって精製して15.5g(60%)の表題化合物、ビシクロ[3.3.1]ノナン−1,5−ジカルボン酸ジメチルを淡黄色オイルとして得た。ESI−MS m/z:227(M+H)
+。
ステップ4:5−(メトキシカルボニル)ビシクロ[3.3.1]ノナン−1−カルボン酸
エタノール(200mL)およびH
2O(40mL)中のビシクロ[3.3.1]ノナン−1,5−ジカルボン酸ジメチル(20g、88ミリモル)およびBa(OH)
2・8H
2O(13.95g、44ミリモル)の溶液を一晩還流させた。室温に冷却した後、反応物を減圧下に濃縮した。生じた残留物を水(100mL)で希釈し、水性混合物をジエチルエーテル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮してビシクロ[3.3.1]ノナン−1,5−ジカルボン酸ジメチルを橙色オイルとして回収した。水相を2N HClでpH=1〜2に調整し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して粗13g(70%、二酸と混合した)の表題化合物、5−(メトキシカルボニル)ビシクロ[3.3.1]ノナン−1−カルボン酸を白色固体として得た。ESI−MS m/z:213(M+H)
+。それを、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
ステップ5:5−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボン酸メチル
トルエン(200mL)中の5−(メトキシカルボニル)ビシクロ[3.3.1]ノナン−1−カルボン酸(19g、90ミリモル)、ジフェニルホスホン酸アジド(29.6g、107.5ミリモル)およびTEA(36.4mL、360ミリモル)の溶液を室温で1時間攪拌し、次に3時間還流させた。ベンジルアルコール(11.6g、107.5ミリモル)を加え、溶液を続行して一晩還流させた。室温に冷却した後、反応物を減圧下に濃縮した。生じた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=5/1)によって精製して10g(幾らかのBnOHを含有する)の表題化合物、5−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボン酸メチルを茶色オイルとして得た。ESI−MS m/z:318(M+H)
+。
ステップ6:N−(5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)アセトアミド
0℃でTHF(20mL)中の5−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボン酸メチル(1.0g、3.15ミリモル)の攪拌溶液に、N
2下にLiBH
4(THF中2M、3mL、6ミリモル)を滴加した。0℃で30分間攪拌した後、反応物を一晩で室温まで昇温させた。反応を飽和NH
4Clでクエンチし、生じた混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して残留物を得、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して750mg(81%)の表題化合物、N−(5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)アセトアミドを無色オイルとして得た。ESI−MS m/z:290(M+H)
+。
ステップ7:(5−アミノビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)メタノール
エタノール(30mL)中のN−(5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)アセトアミド(3.70g、12.8ミリモル)の溶液に、Pd/C(371mg)を加え、反応混合物を一晩室温(1気圧)で水素化した。触媒を次に濾過によって除去し、濾液を減圧下に濃縮して1.88g(95%)の表題化合物、(5−アミノビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)メタノールを茶色オイルとして得た。ESI−MS m/z:156(M+H)
+。
ステップ8:N−(5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドの製造
DMF(10mL)中の(5−アミノビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)メタノール(327g、2.1ミリモル)およびピラジン−2−カルボン酸(260mg、2.1ミリモル)の溶液に、DIEA(680mg、5.22ミリモル)、引き続きHATU(800mg、2.1ミリモル)を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応混合物を水(25mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して残留物を得、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=2/1)で精製して540mg(100%)の表題化合物、N−(5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドを無色オイルとして得た。ESI−MS m/z:262(M+H)
+。
ステップ9:N−(5−ホルミルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミド
DCM(20mL)中のN−(5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミド(540mg、2.1ミリモル)の溶液に、PCC(670mg、3.1ミリモル)を分割して加え、反応混合物を室温で2時間攪拌した。混合物を、シリカゲルのパッドを通して濾過し、濾液を濃縮した。生じた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=2/1)によって精製して350mg(65%)の表題化合物、N−(5−ホルミルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドを白色固体として得た。ESI−MS m/z:260(M+H)
+。
ステップ10:N−(5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミド
N
2下のメタノール(25mL)中のN−(5−ホルミルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミド(350mg、1.35ミリモル)とK
2CO
3(370mg、2.7ミリモル)との攪拌混合物に、(1−ジアゾ−2−オキソロピル)ホスホン酸ジメチル(310mg、1.62ミリモル)を加えた。室温で3時間攪拌した後、無色透明の反応液を、酢酸エチル(20mL)と5%NaHCO
3(20mL)との間で分配させた。水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して210mg(61%)の粗表題化合物、N−(5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドをオフホワイトの固体として得た。ESI−MS m/z:256(M+H)
+。それを、さらなる精製なしに次のステップに使用した。
中間体2−Aおよび2−B:(1R,5S)−5−ピリジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(2−A)および(1S,5R)−5−ピリジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(2−B)
中間体2は、以下の通り、上記スキーム2の方法によって5−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボキシレ−トから製造した:
ステップ1:5−アミノビシクロ[3.2.1]オクタン−1―カルボン酸メチル
EtOH(50mL)中の5−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボキシレート(10g、31.5ミリモル)の溶液に、室温でH
2雰囲気下にPd/C(900mg)を加え、一晩攪拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過した。濾液を減圧下に濃縮して5.5g(96%)の表題化合物、5−アミノビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボン酸メチルを無色オイルとして得た。ESI−MS m/z:184(M+H)
+。
ステップ2:5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボン酸メチル
THF(60mL)中の5−アミノビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボン酸メチル(5.5g、30.1ミリモル)の溶液に、N
2下にTEA(7.6g、75.3ミリモル)および(Boc)
2O(8g、36.1ミリモル)を加えた。室温で一晩攪拌した後、溶媒を減圧下に除去した。生じた残留物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=8/1)によって精製して7.8g(92%)の表題化合物、5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボン酸メチルを白色オイルとして得た。ESI−MS m/z:228(M−55)
+.
ステップ3:5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル(9)
THF(65mL)中の5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−カルボン酸メチル(7.8g、27.6ミリモル)の溶液に、N
2下に0℃でLiBH
4(THF中2.0M、28mL、56.0ミリモル)を滴加した。溶液を徐々に室温に暖め、一晩攪拌した。反応混合物を飽和NH
4Clでクエンチし、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して7.0g(90%)の粗表題化合物、5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチルを無色オイルとして得、それを、さらなる精製なしに次のステップに使用した。ESI−MS m/z:200(M−55)
+。
ステップ4:5−ホルミルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル
DCM(50mL)中の5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル(7.0g、24.8ミリモル)の攪拌溶液に、N
2下にPCC(8.0g、37.2ミリモル)を分割して加え、反応混合物を室温で2時間攪拌した。混合物を、シリカゲルのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下に濃縮して6.44g(92%)の粗表題化合物、5−ホルミルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチルを茶色オイルとして得、それを、さらなる精製なしに次のステップに使用した。ESI−MS m/z:198(M−55)
+。
ステップ5:5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル
N
2下のメタノール(200mL)中の5−ホルミルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル(6.4g、25.3ミリモル)およびK
2CO
3(7.1g、50.6ミリモル)の溶液に、1−ジアゾ−2−オキソプロピルホスホン酸ジメチル(6.0g、30.3ミリモル)を加えた。室温で3時間攪拌した後、反応混合物は無色透明の溶液になった。酢酸エチル(300mL)および5%NaHCO
3(300mL)を加えた。水層を酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。有機層を組み合わせ、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して5.8g(90%)の粗表題化合物、5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチルを無色オイルとして得た。ESI−MS m/z:194(M−55)
+。
ステップ6:5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル
N
2下のTEA(30mL)およびアセトニトリル(150mL)中の5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル(5.8g、23.3ミリモル)および2−クロロピリジン(3.18g、28ミリモル)の攪拌溶液に、Pd(PPh
3)
4(266mg、0.23ミリモル)、引き続いてCuI(266mg、1.4ミリモル)を加えた。反応混合物を70℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチル(250mL)で希釈し、水(150mL)およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=5/1)によって精製して5.8g(76%)の表題化合物、5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチルを白色固体として得た。ESI−MS m/z:298(M−55)
+。
ステップ7:5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン
DCM(5.0mL)中の5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル(1.1g、3.37ミリモル)の溶液に、2,2,2−トリフルオロ酢酸(2.0mL)を加えた。室温で2時間攪拌した後、反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物を水(10mL)で希釈し、エチルエーテル(10mL)で抽出して非アミン有機不純物を除去した。水層をNaOHでpH=12に塩基性化し、次にDCM(3×10mL)で抽出した。合わせたDCM層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して600mg(78%)の表題化合物、5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミンを得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3):δ 8.51(d,J=5.0Hz,1H),7.59〜7.56(m,1H),7.35(d,J=7.5Hz,1H),7.16〜7.13(dd,J=7.0,5.0Hz,1H),2.42(s,2H),2.15〜1.54(m,12H);ESI−MS m/z:227(M+H)
+。
ステップ7:(1R,5S)−5−ピリジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(2−A)および(1S,5R)−5−ピリジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクチルアミン(2−B)
5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(2.0g)を、2つの鏡像異性体(800mg、それぞれ)へSFC分取分離(preparative separation)システムで分割した。フロントピークを任意に(1R,5S)−5−ピリジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(2−A)として帰属させ、バックピークを任意に(1S,5R)−5−ピリジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクチルアミン(2−B)として帰属させた。
中間体3−Aおよび3−B:(1R,5S)−5−(6−メチル−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(3−A)および(1S,5R)−5−(6−メチル−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(3−B)
中間体3−A(1.6g)および3−B(1.5g)は、中間体2−Aおよび2−Bの合成で記載された手順に従って5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体4−Aおよび4−B:(1R,5S)−5−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(4−A)および(1S,5R)−5−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(4−B)
中間体4−A(100mg)および4−B(100mg)は、中間体2−Aおよび2−Bの合成で記載された手順に従って5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体5−Aおよび5−B:(1R,5S)−5−(3−フルオロ−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(5−A)および(1S,5R)−5−(3−フルオロ−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(5−B)
中間体5−A(110mg)および5−B(100mg)は、中間体2−Aおよび2−Bの合成で記載された手順に従って5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体6−Aおよび6−B:(1R,5S)−5−ピラジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(6−A)および(1S,5R)−5−ピラジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(6−B)
中間体6−A(1.3g)および6−B(1.2g)は、中間体2−Aおよび2−Bの合成で記載された手順に従って5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体7−Aおよび7−B:(1R,5S)−5−(2−メチル−チアゾール−4−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(7−A)および(1S,5R)−5−(2−メチル−チアゾール−4−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イルアミン(7−B)
中間体7−A(0.13g)および7−B(0.12g)は、中間体2−Aおよび2−Bの合成で記載された手順に従って5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体8:3−クロロ−N−(3−エチニル−アダマンタン−1−イル)−ベンズアミド
中間体8は、以下の通り、上記スキーム3の方法によって3−アミノ−アダマンタン−1−カルボン酸メチルエステルHCl塩(Hermogenes N.J.ら;米国特許第7947680 B2号明細書)から製造した:
ステップ1:3−[(3−クロロベンゾイル)アミノ]アダマンタン−1−カルボン酸メチル
DMF(5mL)中の3−アミノ−アダマンタン−1−カルボン酸メチルエステルHCl塩(Hermogenes N.J.ら;米国特許第7947680 B2号明細書)(160mg、0.65ミリモル)および3−クロロ安息香酸(130mg、0.78ミリモル)の溶液に、N
2下にDIEA(340mg、2.6ミリモル)およびHATU(300mg、0.78ミリモル)を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応をブラインでクエンチし、水層を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮した。生じた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=5/1)によって精製して220mg(97%)の表題化合物、3−[(3−クロロベンゾイル)アミノ]アダマンタン−1−カルボン酸メチルを白色固体として得た。ESI−MS m/z:348(M+H)
+。
ステップ2:3−クロロ−N−[3−(ヒドロキシメチル)−1−アダマンチル]ベンズアミド
0℃でのTHF(15mL)中の3−[(3−クロロベンゾイル)アミノ]アダマンタン−1−カルボン酸メチル(220mg、0.63ミリモル)の溶液に、N
2下にLiBH
4(THF中2.0M、0.6mL、1.2ミリモル)を滴加した。0℃で30分間攪拌した後、反応混合物を一晩で室温まで昇温させた。反応を飽和NH
4Clでクエンチし、水層を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して200mg(99%)の表題化合物、3−クロロ−N−[3−(ヒドロキシメチル)−1−アダマンチル]ベンズアミドを無色オイルとして得、それを、さらなる精製なしに次のステップで使用した。ESI−MS m/z:320(M+H)
+。
ステップ3:3−クロロ−N−(3−ホルミル−1−アダマンチル)ベンズアミド
DCM(15mL)中の3−クロロ−N−[3−(ヒドロキシメチル)−1−アダマンチル]ベンズアミド(200mg、0.63ミリモル)の溶液に、PCC(200mg、0.93ミリモル)を一度に加え、反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を次に、シリカゲルのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下に濃縮して200mg(100%)の粗表題化合物、3−クロロ−N−(3−ホルミル−1−アダマンチル)ベンズアミドを茶色オイルとして得た。ESI−MS m/z:318(M+H)
+。
ステップ4:3−クロロ−N−(3−エチニル−1−アダマンチル)ベンズアミド
N
2下のメタノール(25mL)中の3−クロロ−N−(3−ホルミル−1−アダマンチル)ベンズアミド(350mg、1.35ミリモル)とK
2CO
3(370mg、2.7ミリモル)との攪拌混合物に、(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホン酸ジメチル(310mg、1.62ミリモル)を加えた。室温で3時間攪拌した後、無色透明の反応液を酢酸エチル(20mL)と5%NaHCO
3(20mL)との間で分配させ、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して210mg(61%)の表題化合物、3−クロロ−N−(3−エチニル−1−アダマンチル)ベンズアミドをオフホワイトの固体として得た。ESI−MS m/z:256(M+H)
+。
中間体9:3−フルオロ−N−(3−エチニル−1−アダマンチル)ベンズアミド
中間体9(220mg)は、中間体8の合成で記載された手順に従って3−アミノ−アダマンタン−1−カルボン酸メチルエステルHCl塩から製造した。
中間体10:6−メチル−ピラジン−2−カルボン酸(3−エチニル−アダマンタン−1−イル)−アミド
中間体10(280mg)は、中間体8と類似の方法で製造した。
中間体11:3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチルアミン
中間体11は、以下の通り、上記スキーム4の方法によって3−アミノ−アダマンタン−1−カルボン酸メチルエステルHCl塩(Hermogenes N.J.ら;米国特許第7947680 B2号明細書)から製造した:
ステップ1:3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アダマンチン−1−カルボン酸メチル
THF(60mL)中の3−アミノ−アダマンタン−1−カルボン酸メチルエステルHCl塩(1.0g、4.1ミリモル)の溶液に、N
2雰囲気下にTEA(1.0g、9.9ミリモル)および(Boc)
2O(975mg、4.4ミリモル)を加えた。室温で一晩攪拌した後、溶媒を減圧下に除去した。生じた残留物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=8/1)によって精製して1.2g(95%)の表題化合物、3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アダマンチン−1−カルボン酸メチルを白色固体として得た。ESI−MS m/z:254(M−55)
+。
ステップ2:3−(ヒドロキシメチル)−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチル
THF(65mL)中の3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アダマンチン−1−カルボン酸メチル(1.2g、3.8ミリモル)の溶液に、N
2雰囲気下に0℃でLiBH
4(THF中2.0M、4mL、8ミリモル)を滴加した。添加の完了後に、反応物を一晩で室温まで昇温させた。反応を飽和NH
4Clでクエンチし、水層を酢酸エチル(3×25mL)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して1.2g(100%)の表題化合物、3−(ヒドロキシメチル)−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルを無色オイルとして得、それを、さらなる精製なしに次のステップに使用した。ESI−MS m/z:226(M−55)
+。
ステップ3:3−ホルミル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチル
DCM(50mL)中の3−(ヒドロキシメチル)−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチル(1.2g、4.3ミリモル)の攪拌溶液に、N
2雰囲気下にPCC(1.4g、6.5ミリモル)を分割して加えた。室温で2時間攪拌した後、混合物を、シリカゲルのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下に濃縮して1.1g(92%)の表題化合物、3−ホルミル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルを茶色オイルとして得、それを、さらなる精製なしに次のステップに使用した。ESI−MS m/z:224(M−55)
+。
ステップ4:3−エチニル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチル
N
2雰囲気下のメタノール(60mL)中の3−ホルミル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチル(600mg、2.1ミリモル)およびK
2CO
3(590mg、4.2ミリモル)の溶液に、(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホン酸ジメチル(490mg、2.5ミリモル)を加えた。室温で3時間攪拌した後、無色透明の反応液を酢酸エチル(100mL)と5%NaHCO
3(100mL)との間で分配させ、水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して600mg(100%)の表題化合物、3−エチニル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルを無色オイルとして得た。ESI−MS m/z:220(M−55)
+。
ステップ5:3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチル
TEA(3mL)およびアセトニトリル(15mL)中の3−エチニル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチル(120mg、0.44ミリモル)および2−クロロピラジン(120mg、1.05ミリモル)の攪拌溶液に、N
2雰囲気下でPd(PPh
3)
4(5mg、0.04ミリモル)を加え、次いでCuI(5mg、0.026ミリモル)を添加した。70℃で3時間攪拌した後、反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(50mL)およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮した。生じた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=5/1)によって精製して108mg(70%)の表題化合物、3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルを白色固体として得た。ESI−MS m/z:298(M−55)
+。
ステップ6:3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチルアミン
DCM(3mL)中の3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチル(108mg、0.31モル)の攪拌溶液に、TFA(0.5mL)を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応物を減圧下に濃縮した。生じた残留物をDCM(25mL)で希釈し、飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して60mg(78%)の表題化合物、3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチルアミンを白色固体として得た。ESI−MS m/z:254(M+H)
+。
中間体12:3−(6−メチル−ピラジン−2−イルエチニル)−アダマンタン−1−イルアミン
中間体12(150mg)は、中間体11の合成で記載された手順に従って3−エチニル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体13:3−ピリジン−2−イルエチニル−アダマンタン−1−イルアミン
中間体13(1.1g)は、中間体11の合成で記載された手順に従って3−エチニル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体14:3−(6−メチル−ピリジン−2−イルエチニル)−アダマンタン−1−イルアミン
中間体14(950mg)は、中間体11の合成で記載された手順に従って3−エチニル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体15:3−(2−メチル−ピリジン−4−イルエチニル)−アダマンタン−イルアミン
中間体15(105mg)は、中間体11の合成で記載された手順に従って3−エチニル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体16:3−(6−メチル−ピリジン−3−イルエチニル)−アダマンタン−1−イルアミン
中間体16(135mg)は、中間体11の合成で記載された手順に従って3−エチニル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
中間体17:3−(4−メチル−チアゾール−2−イルエチニル)−アダマンタン−1−イルアミン
中間体17(1.0g)は、中間体11の合成で記載された手順に従って3−エチニル−1−アダマンチルカルバミン酸tert−ブチルから製造した。
3.本発明の化合物の製造
特に明記しない限り、すべての出発原料および試薬は、Sigma−Aldrich Corp.(St.Louis,MO,USA)およびその子会社などの、商業的供給業者から入手し、さらなる精製なしに使用した。
実施例1:ピラジン−2−カルボン酸[5−(6−メチル−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド
実施例1は、以下の通り、上記スキーム1の方法によって中間体1から製造した:
TEA(0.5mL)およびアセトニトリル(2mL)中の中間体1、N−(5−エチニルビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミド(40mg、0.16ミリモル)と2−ブロモ−6−メチルピリジン(30mg、0.18ミリモル)との攪拌混合物に、Pd(PPh
3)
4(2mg、0.02ミリモル)を加え、次いでCuI(4mg、0.02ミリモル)を添加した。70℃で3時間加熱した後、反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(30mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮した。生じた残留物をPrep(分取)HPLCによって精製して20mg(36%)の表題化合物、ピラジン−2−カルボン酸[5−(6−メチル−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミドを白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3):δ 9.40(s,1H),8.75(s,1H),8.51(s,1H),7.91(s,1H),7.51(t,J=7.5Hz,1H),7.21(d,J=8.0Hz,1H),7.06(d,J=7.5Hz,1H),2.55〜2.52(m,4H),2.29〜1.76(m,11H);ESI−MS m/z:347(M+H)
+。
表1の実施例2〜13は、実施例1と同じように製造した。
実施例2、ピラジン−2−カルボン酸[5−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.35(s,1H),8.74(s,1H),8.50(s,1H),7.90(s,1H),7.71(t,J=8.0Hz,1H),7.26〜7.24(m,1H),6.84(dd,J=8.5,2.0Hz,1H),2.53〜2.51(m,1H),2.22〜1.74(m,11H);ESI−MS m/z:351(M+H)+。
実施例3、ピラジン−2−カルボン酸[5−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.40(s,1H),8.75(s,1H),8.51(s,1H),7.92(s,1H),7.25〜7.23(m,1H),7.17(d,J=7.5Hz,1H),7.09(d,J=9.5Hz,1H),6.98〜6.95(m,1H),2.53〜2.51(m,1H),2.22〜1.74(m,11H);ESI−MS m/z:350(M+H)+。
実施例4、ピラジン−2−カルボン酸[5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.41(s,1H),8.76(s,1H),8.51(s,1H),7.90(s,1H),7.37(s,1H),7.24〜7.18(m,3H),2.51〜2.49(m,1H),2.20〜1.72(m,11H);ESI−MS m/z:366(M+H)+。
実施例5、ピラジン−2−カルボン酸[5−(3−フルオロ−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.40(s,1H),8.75(s,1H),8.51(s,1H),8.37(s,1H),7.99(s,1H),7.40(t,J=8.5Hz,1H),7.24〜7.22(m,1H),2.55〜2.53(m,1H),2.32〜1.76(m,11H);ESI−MS m/z:351(M+H)+。
実施例6、6−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[5−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.22(s,1H),8.64(s,1H),7.94(d,J=8.0Hz,1H),7.27〜7.21(m,1H),7.17(d,J=9.5Hz,1H),7.10〜7.00(m,1H),6.98(t,J=7.5Hz,1H),2.61(s,3H),2.54〜2.51(m,1H),2.22〜1.72(m,11H);ESI−MS m/z:364(M+H)+。
実施例7、6−メチル−ピラジン−2−カルボン酸(5−ピリジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル)−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.24〜9.15(m,1H),8.66〜8.54(m,2H),7.94(s,1H),7.70〜7.14(m,3H),2.61(s,3H),2.55〜2.53(m,1H),2.28〜1.71(m,11H);ESI−MS m/z:347(M+H)+。
実施例8、6−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[5−(2−メチル−ピリミジン−4−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.19(s,1H),8.61〜8.57(m,2H),7.93(s,1H),7.13(d,J=6.5Hz,1H),2.72(s,3H),2.60(s,3H),2.58〜2.55(m,1H),2.27〜1.75(m,11H);ESI−MS m/z:362(M+H)+。
実施例9、ピリジン−2−カルボン酸[5−(6−メチル−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド:δ 8.53(d,J=4.5Hz,1H),8.18(d,J=8.0Hz,2H),7.84(t,J=8.0Hz,1H),7.51〜7.39(m,2H),7.20(d,J=7.5Hz,1H),7.04(d,J=7.5Hz,1H),2.54〜2.52(m,4H),2.27〜1.73(m,11H);ESI−MS m/z:346(M+H)+。
実施例10、ピリジン−2−カルボン酸[5−(6−メチル−ピラジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.53〜8.16(m,5H),7.86〜7.83(m,1H),7.42(s,1H),2.56(brs,4H),2.27〜1.76(m,11H);ESI−MS m/z:347(M+H)+。
実施例11、6−メチル−ピリジン−2−カルボン酸(5−ピリジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル)−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.54(s,1H),8.25(s,1H),7.97(d,J=8.0Hz,1H),7.70(t,J=8.0Hz,1H),7.62〜7.59(m,1H),7.37(d,J=8.5Hz,1H),7.26〜7.24(m,1H),7.18〜7.16(s,1H),2.56〜2.53(m,4H),2.26〜1.74(m,11H);ESI−MS m/z:346(M+H)+。
実施例12、6−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[5−(6−メチル−ピリジン−2−イルエチニル)−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル]−アミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.24(s,1H),7.97(d,J=7.5Hz,1H),7.70(t,J=7.5Hz,1H),7.49(t,J=7.5Hz,1H),7.25(d,J=7.5Hz,1H),7.20(d,J=7.5Hz,1H),7.05(d,J=7.5Hz,1H),2.58〜2.52(m,4H),2.25〜1.75(m,11H);ESI−MS m/z:360(M+H)+。
実施例13:3−クロロ−N−(5−ピラジン−2−イルエチニル−ビシクロ[3.2.1]オクト−1−イル)−ベンズアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.62(s,1H),8.51(s,1H),8.45(s,1H),7.71(d,J=1.5Hz,1H),7.61(t,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=10.5Hz,1H),7.39(t,J=7.5Hz,1H),6.14(s,1H),2.52〜2.49(m,1H),2.27〜1.74(m,11H);ESI−MS m/z:366(M+H)+。
実施例14:6−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミド
実施例14は、以下の通り、6−メチルピラジン−2−カルボン酸でのアミド化反応によって中間体2−Aから製造した:
DMF(5mL)中の2−A(80mg、0.35ミリモル)および6−メチルピラジン−2−カルボン酸(58mg、0.42ミリモル)の溶液に、N
2下にDIEA(92mg、0.70ミリモル)およびHATU(338mg、0.70ミリモル)を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応をブラインでクエンチし、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮した。残留物をPrep HPLCによって精製して78mg(64%)の表題化合物、6−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドをオフホワイトの固体として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.18(s,1H),8.60(s,1H),8.55(d,J=4.7Hz,1H),7.94(s,1H),7.62(m,1H),7.38(d,J=7.8Hz,1H),7.19(m,1H),2.60(s,3H),2.53(d,J=10.7Hz,1H),2.25(m,1H),2.18〜1.70(m,10H);ESI−MS m/z:347(M+H)
+。
表1の実施例15〜23は、約0.05〜1.0ミリモル反応規模で中間体2−Aおよび商業的に入手可能なカルボン酸から実施例14と同じように製造した。
実施例15、6−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピコリンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.55(d,J=4.8Hz,1H),8.25(s,1H),7.97(d,J=7.7Hz,1H),7.71(t,J=7.7Hz,1H),7.62(t,J=7.7Hz,1H),7.38(d,J=7.9Hz,1H),7.26(d,J=6.6Hz,1H),7.19(m,1H),2.58〜2.55(m,4H),2.28〜2.16(m,3H),2.09〜2.05(m,2H),1.97〜1.73(m,6H);ESI−MS m/z:346(M+H)+。
実施例16:N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピコリンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.57〜8.54(m,2H),8.17(d,J=8.0Hz,2H),7.84(t,J=7.6Hz,1H),7.64(t,J=7.4Hz,1H),7.44〜7.36(m,2H),7.23〜7.17(m,1H),2.55(d,J=10.7Hz,1H),2.30〜2.15(m,3H),2.05(d,J=10.7Hz,2H),1.97〜1.90(m,1H),1.88〜1.74(m,5H);ESI−MS m/z:332(M+H)+。
実施例17:N−((1R,5S)−5−ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 9.39(s,1H),8.74(d,J=2.4Hz,1H),8.55(d,J=4.5Hz,1H),8.50(s,1H),7.91(s,1H),7.63(t,J=7.7Hz,1H),7.38(d,J=7.8Hz,1H),7.20(dd,J=7.3,5.2Hz,1H),2.53(d,J=10.7Hz,1H),2.32〜2.15(m,3H),2.04(d,J=10.7Hz,2H),1.99〜1.91(m,1H),1.90〜1.75(m,5H);ESI−MS m/z:333(M+H)+。
実施例18:2−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.85(d,J=5.0Hz,1H),8.55(d,J=4.7Hz,1H),8.13(s,1H),7.88(d,J=5.0Hz,1H),7.64(t,J=7.6Hz,1H),7.39(d,J=7.8Hz,1H),7.24〜7.17(m,1H),2.78(s,3H),2.54(d,J=10.7Hz,1H),2.31〜2.22(m,1H),2.18(t,J=7.9Hz,2H),2.04(t,J=9.2Hz,2H),1.98〜1.90(m,1H),1.81(m,5H);ESI−MS m/z:347(M+H)+。
実施例19:N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 9.22(s,1H),8.96(d,J=5.0Hz,1H),8.55(d,J=4.7Hz,1H),8.10(d,J=5.1Hz,2H),7.63(t,J=7.7Hz,1H),7.38(d,J=7.8Hz,1H),7.19(dd,J=7.3,5.1Hz,1H),2.53(d,J=10.7Hz,1H),2.26(dd,J=11.9,8.6Hz,1H),2.21〜2.14(m,2H),2.03(t,J=10.1Hz,2H),1.95(dd,J=12.7,7.0Hz,1H),1.82(m,5H);ESI−MS m/z:333(M+H)+。
実施例20:5−フルオロ−N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピコリンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.55(d,J=4.7Hz,1H),8.36(d,J=2.7Hz,1H),8.20(dd,J=8.7,4.6Hz,1H),8.00(s,1H),7.62(t,J=7.7Hz,1H),7.52(m,1H),7.38(d,J=7.8Hz,1H),7.22〜7.14(m,1H),2.52(d,J=10.7Hz,1H),2.30〜2.15(m,3H),2.03(d,J=10.7Hz,2H),1.94(dd,J=12.3,6.7Hz,1H),1.88〜1.74(m,5H);ESI−MS m/z:350(M+H)+。
実施例21:5−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピコリンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.54(d,J=4.3Hz,1H),8.34(d,J=1.7Hz,1H),8.12(s,1H),8.05(d,J=8.0Hz,1H),7.67〜7.59(m,2H),7.37(d,J=7.8Hz,1H),7.18(m,1H),2.53(m,1H),2.39(s,3H),2.29〜2.15(m,3H),2.04(d,J=10.4Hz,2H),1.93(d,J=6.5Hz,1H),1.80(m,5H);ESI−MS m/z:346(M+H)+。
実施例22:1−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.54(m,1H),7.61(m,1H),7.43〜7.31(m,2H),7.17(m,1H),6.94(s,1H),6.75(d,J=2.3Hz,1H),3.91(s,3H),2.47(m,1H),2.31〜2.11(m,3H),2.08〜1.95(m,2H),1.94〜1.68(m,6H).ESI−MS m/z:335(M+H)+。
実施例23:3−フルオロ−N−((1R,5S)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピコリンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.55(m,1H),8.35(m,1H),7.97(s,1H),7.61(m,1H),7.54(m1H),7.46(m,1H),7.37(m,1H),7.18(m,1H),2.53(m,1H),2.29〜2.17(m,3H),2.08〜2.01(m,2H),1.98〜1.69(m,6H).ESI−MS m/z:350(M+H)+。
表1の実施例24〜33は、約0.05〜1.0ミリモル反応規模で中間体2−Bおよび相当する商業的に入手可能なカルボン酸から実施例14と同じように製造した。それらの1H NMRおよびESI−MS m/zは、それぞれ、それらの相当する鏡像異性体、実施例14〜23と同じものである。
表1の実施例34および35は、約0.3〜1.0ミリモル反応規模で中間体3−Aおよび相当する商業的に入手可能なカルボン酸から実施例14と同じように製造した。
実施例34:N−((1R,5S)−5−((6−メチルピリジン−2−イル)エチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.39(d,J=1.4Hz,1H),8.74(d,J=2.5Hz,1H),8.58〜8.38(m,1H),7.90(s,1H),7.52(m,1H),7.21(d,J=7.8Hz,1H),7.07(d,J=7.7Hz,1H)2.56〜2.51(m,4H),2.26〜1.75(m,11H);ESI−MS m/z:347(M+H)+。
実施例35:N−((1R,5S)−5−((6−メチルピリジン−2−イル)エチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピコリンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.53(dd,J=5.1,1.6Hz,1H),8.17(d,J=7.4Hz,2H),7.84(m,1H),7.49〜7.34(m,2H),7.20(d,J=7.7Hz,1H),7.04(d,J=7.8Hz,1H),2.54〜2.52(m,4H),2.32〜1.70(m,11H);ESI−MS m/z:346(M+H)+。
表1の実施例36および37は、約0.3〜1.0ミリモル反応規模で中間体3−Bおよび相当する商業的に入手可能なカルボン酸から実施例14と同じように製造した。それらの1H NMRおよびESI−MS m/zは、それぞれ、それらの相当する鏡像異性体、実施例34〜35と同じものである。
表1の実施例38および39、N−((1R,5S)−5−((6−フルオロピリジン−2−イル)エチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドおよびN−((1S,5R)−5−((6−フルオロピリジン−2−イル)エチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドは、それぞれ、約0.5ミリモル反応規模で商業的に入手可能なピラジン−2−カルボン酸および中間体4−Aまたは4−Bから実施例14と同じように製造した。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.39(d,J=1.5Hz,1H),8.74(d,J=2.5Hz,1H),8.50(dd,J=2.5,1.5Hz,1H),7.91(s,1H),7.71(m,1H),7.27〜7.25(m,1H),6.85(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),2.53(m,1H),2.28〜1.73(m,11H);ESI−MS m/z:351(M+H)+。
表1の実施例40および41、N−((1R,5S)−5−((3−フルオロピリジン−2−イル)エチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドおよびN−((1S,5R)−5−((3−フルオロピリジン−2−イル)エチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドは、それぞれ、約0.5ミリモル反応規模で商業的に入手可能なピラジン−2−カルボン酸および中間体5−Aまたは5−Bから実施例14と同じように製造した。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.39(d,J=1.5Hz,1H),8.74(d,J=2.5Hz,1H),8.50(t,J=2.0Hz,1H),8.36(m,1H),7.99(s,1H),7.39(m,1H),7.22(m,1H),2.54(m,1H),2.30〜1.76(m,11H);ESI−MS m/z:351(M+H)+。
表1の実施例42〜46は、約0.05〜1.0ミリモル反応規模で中間体6−Aおよび相当する商業的に入手可能なカルボン酸から実施例14と同じように製造した。
実施例42:N−((1R,5S)−5−(ピラジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピコリンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.61(d,J=1.5Hz,1H),8.56〜8.47(m,2H),8.43(d,J=2.6Hz,1H),8.18(m,2H),7.85(m,1H),7.42(m,1H),2.58(m,1H),2.30〜1.75(m,11H);ESI−MS m/z:333(M+H)+。
実施例43:6−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピラジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピコリンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.61(d,J=1.5Hz,1H),8.50(dd,J=2.6,1.6Hz,1H),8.43(d,J=2.6Hz,1H),8.25(s,1H),7.97(d,J=7.7Hz,1H),7.71(t,J=7.7Hz,1H),7.27〜7.25(m,1H),2.57(m,4H),2.33〜2.13(m,3H),2.11〜1.73(m,8H);ESI−MS m/z:347(M+H)+。
実施例44:1−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピラジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.60(d,J=1.5Hz,1H),8.50(m,1H),8.43(d,J=2.5Hz,1H),7.35(d,J=2.2Hz,1H),6.93(s,1H),6.76(d,J=2.3Hz,1H),3.91(s,3H),2.51(m,1H),2.30〜1.68(m,11H);ESI−MS m/z:336(M+H)+。
実施例45:4−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピラジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)チアゾール−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.61(d,J=1.5Hz,1H),8.50(m,1H),8.43(d,J=2.5Hz,1H),7.31(s,1H),7.10(d,J=1.2Hz,1H),2.54(m,1H),2.47(s,3H),2.33〜1.66(m,11H);ESI−MS m/z:353(M+H)+。
実施例46:2−メチル−N−((1R,5S)−5−(ピラジン−2−イルエチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)チアゾール−4−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.60(d,J=1.5Hz,1H),8.50(m,1H),8.43(d,J=2.6Hz,1H),7.89(s,1H),7.42(s,1H),2.70(s,3H),2.53(m,1H),2.30〜1.73(m,11H);ESI−MS m/z:353(M+H)+。
表1の実施例47〜51は、約0.1ミリモル反応規模で中間体6−Bおよび相当する商業的に入手可能なカルボン酸から実施例14と同じように製造した。それらの1H NMRおよびESI−MS m/zは、それぞれ、それらの相当する鏡像異性体、実施例42〜46と同じものである。
表1の実施例52および53、N−((1R,5S)−5−((2−メチルチアゾール−4−イル)エチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドおよびN−((1S,5R)−5−((2−メチルチアゾール−4−イル)エチニル)ビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イル)ピラジン−2−カルボキサミドは、それぞれ、約0.1ミリモル反応規模で商業的に入手可能なピラジン−2−カルボン酸および中間体7−Aまたは7−Bから実施例14と同じように製造した。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.38(d,J=1.4Hz,1H),8.74(d,J=2.5Hz,1H),8.50(m,1H),7.90(s,1H),7.18(s,1H),2.69(s,3H),2.49(m,1H),2.29〜2.13(m,3H),2.02(m,2H),1.91(d,J=8.4Hz,1H),1.86〜1.71(m,5H);ESI−MS m/z:353(M+H)+。
実施例54:3−クロロ−N−[3−(6−メチル−ピラジン−2−イルエチニル)−アダマンタン−1−イル]−ベンズアミド
実施例54は、以下の通り、上記スキーム3の方法によって中間体8から製造した:
トリエチルアミン(0.5mL)およびアセトニトリル(2mL)中の中間体8、3−クロロ−N−(3−エチニル−アダマンタン−1−イル)−ベンズアミド(60mg、0.19ミリモル)と2−クロロ−6−メチルピラジン(60mg、0.47ミリモル)との攪拌混合物にPd(PPh
3)
4(3mg、0.02ミリモル)を加え、次いでCuI(3mg、0.016ミリモル)を添加した。70℃で3時間加熱した後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(50mL)およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮した。生じた残留物をPrep HPLCによって精製して30mg(38%)の表題化合物、3−クロロ−N−[3−(6−メチル−ピラジン−2−イルエチニル)−アダマンタン−1−イル]−ベンズアミドを得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3):δ 8.57(brs,1H),7.69(t,J=2.0Hz,1H),7.59(d,J=8.0Hz,1H),7.45(d,J=8.0Hz,1H),7.35(t,J=8.0Hz,1H),5.78(s,1H),2.57(s,3H),2.40(s,2H),2.25(s,2H),2.17〜2.15(m,2H),2.06〜1.96(m,6H),1.73〜1.70(m,2H);ESI−MS m/z:406(M+H)
+。
表1の実施例55〜60は、それぞれ、約0.2ミリモル反応規模で中間体8〜10および相当する商業的に入手可能なヘテロアリールハロゲン化物から実施例54と同じように製造した。
実施例55:3−クロロ−N−[3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ベンズアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.77(brs,3H),7.70(t,J=2.0Hz,1H),7.60〜7.58(m,1H),7.47〜7.35(m,2H),5.79(s,1H),2.42(s,2H),2.27(s,2H),2.07〜1.73(m,10H);ESI−MS m/z:391(M+H)+。
実施例56:3−フルオロ−N−[3−(6−メチルピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ベンズアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.41(s,1H),8.31(s,1H),7.46〜7.36(m,3H),7.19〜7.16(m,1H),5.83(s,1H),2.54(s,3H),2.40(s,2H),2.25(s,2H),2.17〜1.72(m,10H););ESI−MS m/z:390(M+H)+。
実施例57:3−フルオロ−N−[3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ベンズアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.59(s,1H),8.49(s,1H),8.43(d,J=2.5Hz,1H),7.47〜7.17(m,4H),5.86(s,1H),2.41(s,2H),2.26(s,2H),2.19〜1.79(m,10H);ESI−MS m/z:376(M+H)+。
実施例58:6−メチル−N−[3−(ピリジン−3−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピラジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.19(s,1H),8.60(brs,3H),7.71〜7.66(m,2H),7.27〜7.24(m,1H),2.61(s,3H),2.40(s,2H),2.27〜1.62(m,12H);ESI−MS m/z:373(M+H)+。
実施例59:6−メチル−N−[3−(ピリジン−4−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピラジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.17(s,1H),8.59(brs,3H),7.70(s,1H),7.72(brs,2H),2.60(s,3H),2.40(s,2H),2.26〜1.72(m,12H);ESI−MS m/z:373(M+H)+。
実施例60:6−メチル−N−[3−(ピリジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピラジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.18(s,1H),8.60(s,1H),8.55(s,1H),7.70(s,1H),7.62(t,J=2.0Hz,1H),7.38(d,J=7.0Hz,1H),7.19(t,J=5.5Hz,1H),2.60(s,3H),2.41(s,2H),2.26(s,2H),2.20〜1.72(m,10H);ESI−MS m/z:373(M+H)+。
実施例61:ピリジン−2−カルボン酸(3−ピラジン−2−イルエチニル−アダマンタン−1−イル)−アミド
実施例61は、以下の通り、上記スキーム4の方法によって中間体11から製造した:
DMF(2mL)中の中間体11、3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチルアミン(30mg、0.12ミリモル)およびピコリン酸(18mg、0.15ミリモル)の溶液に、N
2下にDIEA(50mg、0.38ミリモル)およびHATU(60mg、0.12ミリモル)を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応をブラインでクエンチし、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下に濃縮して残留物を得、それをPrep HPLCによって精製して50mg(95%)の表題化合物、ピリジン−2−カルボン酸(3−ピラジン−2−イルエチニル−アダマンタン−1−イル)−アミドをオフホワイトの固体として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3):δ 8.60〜8.43(m,4H),8.17(d,J=8.0Hz,1H),7.96(s,1H),7.85〜7.82(m,1H),7.42〜7.39(m,1H),2.45(s,2H),2.26〜2.20(m,4H),2.11〜1.97(m,6H),1.76〜1.69(m,2H);ESI−MS m/z:359(M+H)
+。
表1の実施例62〜81は、それぞれ、約0.1〜1.0ミリモル反応規模で中間体11〜17および相当する商業的に入手可能なカルボン酸から実施例61と同じように製造した。
実施例62:5−フルオロ−N−[3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ニコチンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.73〜8.45(m,5H),7.82(d,J=8.0Hz,1H),5.85(s,1H),2.43(s,2H),2.29(s,2H),2.21〜1.63(m,10H);ESI−MS m/z:377(M+H)+。
実施例63:2−メチル−N−[3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピリミジン−4−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.86(d,J=5.0Hz,1H),8.60(d,J=1.5Hz,1H),8.50(t,J=2.0Hz,1H),8.44(d,J=2.0Hz,1H),7.91〜7.88(m,2H),2.78(s,3H),2.43(s,2H),2.28〜1.63(m,12H);ESI−MS m/z:374(M+H)+。
実施例64:6−メチル−N−[3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピリジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.60(d,J=1.6Hz,1H),8.49(t,J=2.1Hz,1H),8.42(d,J=2.5Hz,1H),8.04(s,1H),7.97(d,J=7.7Hz,1H),7.71(t,J=7.7Hz,1H),7.27(s,1H),2.57(s,3H),2.44(s,2H),2.27(m,2H),2.21〜2.17(m,4H),2.05〜1.97(m,4H),1.78〜1.68(m,2H);ESI−MS m/z:373(M+H)+。
実施例65:5−フルオロ−N−[3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピリジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.60(s,1H),8.50(s,1H),8.43(d,J=2.7Hz,1H),8.35(d,J=2.9Hz,1H),8.20(m,1H),7.78(s,1H),7.53(m,1H),2.44(s,2H),2.29〜2.19(m,4H),2.12〜1.91(m,6H),1.76〜1.70(m,2H);ESI−MS m/z:377(M+H)+。
実施例66:1−メチル−N−[3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.59(d,J=1.7Hz,1H),8.49(t,J=2.1Hz,1H),8.42(d,J=2.5Hz,1H),7.34(d,J=2.2Hz,1H),6.74(d,J=2.2Hz,1H),6.67(s,1H),3.90(s,3H),2.41(s,2H),2.27〜2.14(m,4H),2.10〜1.93(m,6H),1.77〜1.68(m,2H);ESI−MS m/z:362(M+H)+。
実施例67:3−シアノ−N−[3−(ピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ベンズアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.60(d,J=1.3Hz,1H),8.50(t,J=1.9Hz,1H),8.43(d,J=2.5Hz,1H),8.03−7.93(m,2H),7.76(d,J=7.7Hz,1H),7.56(t,J=7.8Hz,1H),5.90(s,1H),2.42(s,2H),2.28(m,2H),2.20〜2.18(m,2H),2.08〜1.96(m,6H),1.73〜1.70(m,2H);ESI−MS m/z:383(M+H)+。
実施例68:2−メチル−N−[3−(6−メチルピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピリミジン−4−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.55(d,J=5.0Hz,1H),8.42(s,1H),8.32(s,1H),7.90〜7.88(m,2H),2.78(s,3H),2.55(s,3H),2.42(s,2H),2.27(s,2H),2.19〜2.17(m,10H);ESI−MS m/z:388(M+H)+。
実施例69:N−[3−(6−メチルピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピリジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.52(d,J=4.5Hz,1H),8.41(s,1H),8.31(s,1H),8.17(s,J=8.0Hz,1H),7.96(s,1H),7.86〜7.82(m,1H),7.42〜7.40(m,1H),2.55(s,3H),2.44(s,2H),2.26〜1.72(m,12H);ESI−MS m/z:373(M+H)+。
実施例70:5−フルオロ−N−[3−(6−メチルピラジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ニコチンアミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.71(s,1H),8.59(s,1H),8.42(s,1H),8.33(s,1H),7.82(d,J=8.5Hz,1H),5.88(s,1H),2.55(s,3H),2.42(s.2H),2.28(s,2H),2.19〜1.65(m,10H);ESI−MS m/z:391(M+H)+。
実施例71:N−[3−(ピリジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピラジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.38(s,1H),8.73(s,1H),8.54(s,1H),8.50(s,1H),7.68〜7.58(m,2H),7.36(d,J=8.0Hz,1H),7.18(m,1H),2.41(s,2H),2.29〜2.09(m,6H),2.07〜1.95(m,4H),1.77〜1.67(m,2H);ESI−MS m/z:359(M+H)+。
実施例72:N−[3−(ピリジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピリジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.48〜8.42(m,2H),8.09(d,J=7.8Hz,1H),7.89(s,1H),7.76(m,1H),7.53(m,1H),7.36〜7.27(m,2H),7.09(m,1H),2.35(s,2H),2.21〜2.01(m,6H),1.99〜1.87(m,4H),1.67〜1.60(m,2H);ESI−MS m/z:358(M+H)+。
実施例73:6−メチル−N−[3−(ピリジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピリジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.53(m,1H),8.03(s,1H),7.97(d,J=7.6Hz,1H),7.70(t,J=7.7Hz,1H),7.60(m,1H),7.36(d,J=7.8Hz,1H),7.26(d,J=16.7Hz,1H),7.17(m,1H),2.56(s,3H),2.41(s,2H),2.30〜2.12(m,6H),2.06〜1.94(m,4H),1.78〜1.66(m,2H);.ESI−MS m/z:372(M+H)+。
実施例74:2−メチル−N−[3−(ピリジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピリミジン−4−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.84(d,J=5.0Hz,1H),8.54(m,1H),7.92〜7.86(m,2H),7.61(m,1H),7.36(d,J=7.8Hz,1H),7.18(m,1H),2.77(s,3H),2.39(s,2H),2.27(m,2H),2.27〜2.25(m,2H),2.15(d,J=2.9Hz,4H),2.06〜1.95(m,4H);.ESI−MS m/z:373(M+H)+。
実施例75:N−[3−(ピリジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピリミジン−4−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.21(s,1H),8.96(d,J=5.0Hz,1H),8.56〜8.51(m,1H),8.09(d,J=5.0Hz,1H),7.86(s,1H),7.61(m,1H),7.36(d,J=7.7Hz,1H),7.18(m,1H),2.40(s,2H),2.26(d,J=2.9Hz,2H),2.20〜2.07(m,4H),2.06〜1.95(m,4H),1.75〜1.69(m,2H);ESI−MS m/z:359(M+H)+。
実施例76:1−メチル−N−[3−(ピリジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.53(d,J=5.1Hz,1H),7.60(t,J=7.8Hz,1H),7.38〜7.31(m,2H),7.17(m,1H),6.74(d,J=2.7Hz,1H),6.67(s,1H),3.90(s,3H),2.38(s,2H),2.22〜1.97(m,10H),1.72〜1.66(m,2H);ESI−MS m/z:361(M+H)+。
実施例77:N−[3−(ピリジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]イソオキサゾール−5−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 8.54(m,1H),8.31(d,J=1.8Hz,1H),7.61(m,1H),7.36(d,J=7.8Hz,1H),7.18(m,1H),6.87(d,J=1.7Hz,1H),6.30(s,1H),2.38(s,2H),2.25(d,J=3.2Hz,2H),2.16〜2.14(m,2H),2.07〜1.94(m,6H),1.71(d,J=3.1Hz,2H);ESI−MS m/z:348(M+H)+。
実施例78:N−[3−(6−メチルピリジン−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピラジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.38(d,J=1.5Hz,1H),8.73(d,J=2.5Hz,1H),8.57〜8.36(m,1H),7.65(s,1H),7.50(t,J=7.8Hz,1H),7.19(d,J=7.8Hz,1H),7.05(d,J=7.7Hz,1H),2.54(s,3H),2.40(s,2H),2.25(d,J=3.1Hz,2H),2.19〜2.08(m,4H),2.06〜1.94(m,4H),1.77〜1.66(m,2H);ESI−MS m/z:373(M+H)+。
実施例79:N−[3−(2−メチルピリジン−4−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピラジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.39(d,J=1.5Hz,1H),8.74(d,J=2.5Hz,1H),8.49(t,J=2.0Hz,1H),8.40(d,J=5.1Hz,1H),7.66(s,1H),7.13(s,1H),7.04(d,J=5.0Hz,1H),2.52(s,3H),2.39(s,2H),2.30〜2.06(m,6H),2.02〜1.91(m,4H),1.77(s,2H);ESI−MS m/z:373(M+H)+。
実施例80:N−[3−(6−メチルピリジン−3−イルエチニル)−1−アダマンチル]ピラジン−2−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 9.39(d,J=1.5Hz,1H),8.73(d,J=2.5Hz,1H),8.49(t,J=2.1Hz,2H),7.66(s,1H),7.55(m,1H),7.07(d,J=8.0Hz,1H),2.54(s,3H),2.39(s,2H),2.26〜2.08(m,6H),2.03〜1.91(m,4H),1.72(m,2H);ESI−MS m/z:373(M+H)+。
実施例81:1−メチル−N−[3−(4−メチルチアゾール−2−イルエチニル)−1−アダマンチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド:1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 7.40(d,J=1.5Hz,1H),7.33(d,J=2.3Hz,1H),6.74(d,J=2.2Hz,1H),6.65(s,1H),3.90(s,3H),2.46(d,J=1.2Hz,3H),2.37(s,2H),2.27〜1.83(m,12H);ESI−MS m/z:381(M+H)+。
4)本発明の化合物
表2の実施例82〜86は、スキーム3〜4の方法によって製造することができる。
5)本発明の化合物の薬理学的評価
本発明の化合物は、インビトロで試験されており、下に記載されるようなアッセイで、インビトロおよびインビボで試験することができる。
a)インビトロアッセイ
i)放射性リガンド結合アッセイ
結合アッセイは、メチル−5−(2−ピリジニルエチニル)ピリジン(MPEP)結合部位に結合する放射性リガンドを[3H]MPEPの代わりに使用することなどの、わずかな修正を加えて[J.A.O’BrienらMol Pharmacol.、2003、64、731〜740]に記載されているように実施した。簡潔に言えば、解凍後に、膜ホモジネートをpH7.4での50mMのTris−HClおよび0.9%NaCl結合バッファーに再懸濁させて放射性リガンド濾過結合用の20μgタンパク質/ウェルの最終アッセイ濃度にした。インキュベーションは、5nM放射性リガンドと、膜とバッファーか様々な濃度の化合物かのいずれかとを含んだ。試料を振盪しながら室温で60分間インキュベーションした。非特異性結合は、放射性リガンドを使用するときに10μMの冷MPEPで規定された。インキュベーション後に、試料をGF/Cフィルター(0.25%のポリエチレンイミン(PEI)中にあらかじめ浸漬された)上で濾過し、次にTomtec(登録商標)Harvester 96(登録商標)Mach III細胞収穫機(Tomtec,Hamden,CT)を用いて0.5mLの氷冷50mMのTris−HCl(pH 7.4)で4回洗浄した。
IC50値は阻害曲線から導き、K1値は、[Y.ChengおよびW.H.Prusoff Biochem.Pharmacol.1973、22、3099〜3108]に記載されているChengおよびPrusoff方程式Ki=IC50/(1+[L]/Kd)(ここで、[L]は放射性リガンドの濃度であり、Kdは、飽和等温線から導かれる、受容体でのその解離定数である)に従って計算した。本発明の化合物についてのKi値は、約10uM未満であった。実施例1〜81についてのKi値は1.8〜1500nM内であった。幾つかの実施例のKi値を表3に列挙する。
ii)負または正のアロステリック活性について試験するためのカルシウム動員アッセイ
ラットおよびヒト代謝調節型グルタメート受容体5(それぞれ、rmGluR5およびhmGluR5)についてのcDNAは、S.Nakanishi(京都大学、日本国、京都)からの寛大な提供によるものであった。rmGluR5またはhmGluR5を、HEK 293細胞株で安定して発現させ、37℃、5%CO2で栄養補助剤(10%仔牛血清、4mMグルタミン、100単位/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンおよび0.75mMのG1418)を伴うDulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)(Invitrogen,Carlsbad,CA)中で増殖させた。アッセイの24時間前に、細胞を、ポリ−D−リジンでコートされた384ウェル黒壁マイクロタイタープレート中へ播種した。アッセイの直前に、培地を吸引し、アッセイバッファー(Hank’s Balanced Saline Solution(HBSS)):150mMのNaCl、5mMのKCl、1mMのCaCl2、1mMのMgCl2、プラス20mMのN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、pH 7.4、0.1%牛血清アルブミン(BSA)および2.5mMプロベネシド)中の3μMのFluo−4/0.01%プルロン酸で、37℃、5%CO2で1時間、細胞に色素をロードした(25μL/ウェル)。過剰の色素を廃棄した後、細胞をアッセイバッファー中で洗浄し、30μL/ウェルに等しい最終容積で重ねた。基礎蛍光を、488nmの励起波長および500〜560nmの発光範囲で蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)で監視する。レーザー励起エネルギーを、基礎蛍光測定値がおおよそ10,000相対蛍光単位であるように調整した。細胞を、試験されるべき化合物の存在下にEC20またはEC80濃度のグルタメートで刺激し(両方ともアッセイバッファーで希釈される)、相対蛍光単位を、室温で3分期間にわたって規定の間隔(露光=0.6秒)で測定した。陰性対照に由来する基礎測定値をすべての試料から差し引いた。蛍光の最大変化を各ウェルについて計算した。蛍光の最大変化から導かれる濃度反応曲線を、非線形回帰(Hill方程式)によって解析した。
負のアロステリックモデュレーター(NAM)は、化合物がEC80グルタメート反応の濃度依存性阻害を生み出す場合に、これらの濃度反応曲線から特定することができる。本発明の化合物は、約10uM未満のIC50値を有する。幾つかの実施例のIC50値を表4に列挙する。
正のアロステリックモデュレーター(PAM)は、化合物がEC20グルタメート反応での濃度依存性増加を生み出す場合に、これらの濃度反応曲線から特定することができる。
サイレントアロステリックモデュレーター(SAM)は、カルシウム動員アッセイデータおよび放射性リガンド結合データの両方の組み合わせを用いることによって特定することができる。本明細書で用いるところでは、用語「サイレントアロステリックモデュレーター」は、受容体のアロステリック部位に結合するが測定可能な固有の効力をまったく有さないリガンドを意味する。SAMは、アロステリック結合性化合物がその自らの正の(PAM)または負の(NAM)効力を示すのを防ぐことによって効力を間接的に実証し得る。上の定義から、試験化合物が、NAMモードまたはPAMモードカルシウム動員アッセイのいずれかで測定可能な効力をまったく実証せず、かつ、それが放射性リガンドアッセイで測定可能な能力を実証する場合に、それはサイレントアロステリックモデュレーター(SAM)である。
b)インビボアッセイ
本発明の化合物のインビボ効果はまた、インビボ行動動物モデルの以下の、非限定的な実施例を用いることによって評価されてもよい。以下の行動モデルは、相当する障害または疾病を治療するための式(I)の化合物の効力を測定するのに有用なただ一つのモデルとして意図するものではない。
式(I)の化合物は、[K.Njung’e,K.およびS.L.Handley、Pharmacology,Biochemistry and Behavior、1991、38、63〜67]に記載されているものに類似のマウスビー玉隠し(mMB)アッセイでそのインビボ抗不安作用について試験することができる。
各試験について、ビヒクルもしくは試験化合物の注射の60分後に、または陽性対照であるブスピロンの注射の30分後に、マウスを個々に、1.5インチのAspen敷料(PWIブランド)および2列の10個のビー玉(1試験ケージ当たり合計20のビー玉)を含有する試験ケージの中へ入れる。フィルタートップを使用して各試験ケージを覆う。30分後に、マウスを試験ケージから取り出し、それらのホームケージに戻す。十分に目に見えるビー玉(2/3未満が敷料で覆われている)の数をカウントし、20から差し引いて埋められたビー玉の数を得る。12匹のマウスを1群毎に試験した。
試験には複数の試験が含まれ、ブスピロン塩酸塩(BUS;Sigma Aldrich)などの陽性対照および/または式(I)の化合物を評価するために各試験を行う。各化合物を試験の直前に20%のベータ−シクロデキストリン(式(I)の化合物)または蒸留水(BUS)に溶解し、示される前処理時間(すなわち、30、60、または120分の前処理)で皮下(SC)または腹腔内(IP)注射によって、1つまたは複数の用量(3、10、および/または30mg/kgなどの)で投与する。用量は、1kg体重当たりのmg薬物(塩の形態)で測定する。データは、事後Dunnett(ダネット)検定と一元配置ANOVAを用いて解析することができる。
インビトロの抗不安作用はまた、[N.A.Mooreら、Behavioural Pharmacology.1994、5、196〜202]に記載されている修正Geller−Seifter(ゲラー−セイフター)コンフリクト試験によって試験することができる。たとえば、より具体的には、齧歯動物オペラントチャンバー(たとえば、ENV−007CT,Med Associates Inc.(Georgia,VT))および防音チャンバー(たとえば、ENV−018MD,Med Associates Inc.)を用い、各チャンバーに、ハウスライト、キューライト、プログラム可能なショッカー(たとえば、ENV−414,Med Associates,Inc.)によるフットショックを送るための格子床および餌ホッパーを備え付ける。2つのレバーを餌ホッパーの両側に配置する。ラットを、左レバーにのみ反応するように訓練する。餌強化(たとえば、Dustless Precision Pellets、45mg、BioServ(Frenchtown,NJ))を使用する。MED−PCIVソフトウェア(Med Associates)を用いて実験セッションを実施し、データを集めることができる。
コンフリクト手順を開始する前に、動物に、定率スケジュール(FR 1、2、5、および10)でレバー押しを最初に訓練する。動物が連続2日間FR 10スケジュールで25回の報酬を得るとすぐに、3構成要素のコンフリクトスケジュールで動物に訓練を開始する。3構成要素は次の通りである:(1)平均すると30秒の可変のタイムスケジュールでレバー押しを強化するための、変動間隔30秒(VI30)の罰せられない餌強化スケジュールであり;この期間は9分の継続時間を有し、後方のハウスライト照明のみによって合図される;(2)直後は完全な闇によって合図される3分のタイムアウト期間(TO)であり;反応は記録されるが、報酬を与えられも罰しもされない;(3)3分の期間中に、レバー押し10回目毎に餌およびフットショック(0.3mA、500マイクロ秒)を同時に与える、罰せられる定率10(FR10)の強化スケジュールであり;この構成要素は、後方ハウスライトおよび各レバー上方のキューライトの照明によって合図される。これらの3つの構成要素を、毎日の30分のセッションの間に同じ順番で2回繰り返す。
試験は、安定した反応率が5日間観察されるとき(有意な上昇傾向または下降傾向がない)に始める。動物を、たとえば、水曜日および金曜日に、ラテン方格法を用いて試験する。動物は、それら自身の対照として働き、すべての処理を受ける。ベースライン・パフォーマンスを維持するために、動物をまた、残りの3週日に訓練する。
試験は、成体雄性のSprague−Dawley(スプラギューダウレイ)ラット(Charles River Laboratories(Kingston,NY))を使用して行うことができる。動物を、制御された温度(68〜72°F)および12時間の明/暗サイクル(06:00に点灯)に維持されるコロニー室に、ペアで収容することができる。動物は、水への自由なアクセスを与えられるが、一方餌は、月曜日から木曜日まで訓練/試験の後の15gのBacon Lover’s Treats(BioServ,Frenchtown,NJ)に制限される。金曜日から日曜日は、ケージが日曜日に変更され、餌が除去されるまで、動物はLab Diet 5012 Rat Diet(PMI Nutrition International,LLC,Brentwood,MO)に自由にアクセスできる。
試験には複数の試験が含まれ、各試験は参照化合物か式(I)の化合物かのいずれかを評価するために行われる。参照抗不安薬には、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムおよびブスピロンを挙げることができ、それらを生理食塩水または水に溶解し、sc、ip、および/またはp.o.によって投与する。試験化合物を20%ベータ−シクロデキストリンに溶解し、pHをNaHCO3で7に調整する。各試験のために、評価されるべき化合物は、試験の60分前の、p.o.投与によって2mL/kgの注入量を使用して、1つまたは複数の用量(10、20、30および/または50mg/kgなどの)で、ビヒクル対照群と比較して試験する。用量は、1kg体重当たりのmg薬物(塩の形態)で測定する。データは、事後Dunnett検定とRepeated Measures(反復測定)ANOVAを用いて解析することができる。
Vogelら[Psychopharmacologia、1971、21、1〜7]によって記載されているような「Vogel(ヴォーゲル)コンフリクト試験」は、抗不安薬が罰を与える飲水を増加させるため、式(I)の化合物の抗不安作用を検出するために用いることができる。この試験では、ラットにおおよそ48時間水を与えず、次に、ラットを、1cmずつ間隔をあけたステンレス鋼棒(0.4cm)からなる床を有する透明のPlexiglas(登録商標)封入容器(15×32×34cm3)の中へ個別に入れる。封入容器後壁は、不透明なPlexiglas(登録商標)でできており、それによって観察者を実験動物から隠す。対壁の中央に、床上5cmに、金属製の水注ぎ口をケージ中へ突出させ、ショック発生器(Apelex:Type 011346)の1方の極に連結する。ショック発生器の他方の極を、金属製の格子床に連結する。
ラットを、水注ぎ口を見つけるまで探索させる。次に、ラットが毎回水を飲むたびに、なめる行為を始めた2秒後に、ラットにわずかな電気ショック(1.7mA、1秒)を与える。罰を与える飲水の数を、3分試験中にカウントする。この試験はブラインドで行う。試験は、参照化合物と製造され、そしてLES試験で下に記載されるように投与される式(I)の化合物とを使用する複数の試験が含まれる。そこで記載されるような雄のRj:Wistar(Hans)ラットを、順化状態が達成された後に使用することができる。データは、独立スチューデントのt検定を用いて処理群を適切な対照と比較することによって解析することができる。
例示的一実施例は、0.3mg/kg、POでのVogel試験で抗不安様活性を実証した。
当業者は、様々な変更および/または修正が本発明の態様または実施形態に対して行われ得ること、ならびにかかる変更および/または修正が本発明の主旨から逸脱することなく行われ得ることを認めるであろう。それ故、添付の特許請求の範囲は、本発明の主旨および範囲内に入るであろうようなすべての均等な変形形態に及ぶことが意図される。