JP2014533104A - メチオニンを含む屠殺前食餌 - Google Patents

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Abstract

本発明は、食肉(たとえば豚肉、牛肉および家禽)の柔らかさを改善する新規な方法を提供する。この方法は、食肉の柔らかさを改善するのに有効な量におけるメチオニンを含む屠殺前食餌を含む。メチオニンは、単独で、あるいは家畜動物への飼料原料と組み合わせて給餌してもよい。本発明は、メチオニンの新規な使用、すなわち食肉の柔らかさを改善するための使用を提供する。本発明には、メチオニン類似体、たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸(HMTBA)もしくはすべてのその塩形態、または2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸イソプロピルエステルもしくは任意の他のエステルの使用が含まれる。【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、たとえば豚肉からの、新鮮な食肉の品質の分野に関する。特に、本発明は、新鮮な食肉の包装雰囲気、および食肉の品質とりわけ酸化安定性およびテクスチャーへのその効果、ならびに調整雰囲気中でもしくは真空中で包装した新鮮な食肉の品質を、メチオニンの補充による屠殺前食餌によってどのように向上させるかに関する。
発明の背景
新鮮な食肉はしばしば、高酸素調整雰囲気包装中に包装される。この包装雰囲気は、通常約O80%およびCO20%の混合物からなる。COの高濃度は、好気性細菌の成長を抑制し、食肉の貯蔵寿命を延長する。高レベルのOは、消費者に所望される安定な食肉の赤色をもたらすが、食肉中の主要栄養素の酸化も促進する。主要栄養素の酸化は、食肉の食味に影響を及ぼす可能性がある。脂質酸化が、風味に影響を及ぼすことが知られ、またタンパク質酸化は柔らかさの減少に関連している。
包装は、食肉の貯蔵寿命を延長し、また製品の流通をより効率化するのに重要である。包装により、所与の製品が外部環境および変敗効果、たとえば病原微生物、変色、異風味、異臭、テクスチャーの変化および栄養損失に対して保護される。
包装は、上述のように、食肉品質たとえば色、風味、保水能力、および微生物成長に効果を有することが示されている。高酸素MAPは、脂質酸化およびミオグロビン色素のオキシミオグロビンへのブルーミングを促進し、また食肉の柔らかさに悪影響を及ぼすと思われている。真空包装は、食肉の色に影響を及ぼし、真空包装した食肉はしばしば紫色であり、これは酸素の不足が、ミオグロビン色素がデオキシミオグロビンを生成させる原因となるからである。真空包装物中に酸素がわずかに残っていると、メトミオグロビンの生成のために食肉は褐色になりうる。
屠殺後の筋肉細胞は、生体動物中におけるよりも酸化過程を受け易い。酸素が利用可能であることと光への曝露とが、反応性酸素化学種(ROS)生成およびそれによる食肉の酸化の2つの主要な要因である。加工、高酸素包装および貯蔵はすべてROS生成に寄与し、それ故に製品の酸化可能性に寄与し得る。食肉中の影響のあるROSは、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、パーヒドロキシル、スーパーオキシドおよび一重項酸素である。
食肉中の酸化過程は、ほとんどすべての生物学的分子に、したがって食肉の全体的品質に影響を及ぼす。色素、脂肪酸、ビタミンおよびアミノ酸は、酸化過程によって最も影響を受ける生物学的分子である(McMillin,K.W、「Where is MAP Going? A review and future potential of modified atmosphere packaging for meat.」、Meat Science 2008、vol.80,p.43〜65 2008)。これらの分子の酸化が、食肉の品質側面、たとえば色、風味および臭いに影響を及ぼすことが知られている(Kanner,J.(1994):「Oxidative Processes in Meat and Meat Products:Quality Implications.」、Meat Science 1994、vol.36,p.169〜189)。脂質の酸化は、食肉を変色させ、食肉に酸敗臭をもたらす。タンパク質の酸化は、食肉の消化性、したがって栄養価、柔らかさ、風味および保水能力に影響を及ぼすことが示唆されている。
WO2009/032276は、食肉の柔らかさを改良する方法であって、少なくとも1種のウシ属動物に、少なくとも一形態のベータ−作動薬を投与することを含む方法を提供する。しかし、これらの型のベータ−作動薬は、いくつかの国および領域たとえば欧州で現在禁止されている。
WO2005/002358は、動物の食肉品質の改良方法であって、動物に混合トコトリエノールを補充した食餌を与えることを含む方法を提供する。しかし、トコトリエノールは脂質酸化を防止するが、タンパク質酸化を防止しない。
US6,042,855は、食肉および食肉製品の柔らかさを改善する方法を提供する。この方法は、屠殺前に、食肉生産動物に過剰用量のビタミンDを投与することを含む。過剰用量のビタミンDは、より高い筋肉間カルシウム含量によって食肉品質を改良すると考えられ、他方で、より高い筋肉間カルシウム含量は、筋肉中の筋原線維を弱める。
食肉の風味および柔らかさへの包装雰囲気の効果は、製造業者および消費者の両方にジレンマをもたらし、それは高酸素調整雰囲気包装について利点および不利点の両方が存在するからである。細菌成長を抑制することは、食品安全性および貯蔵寿命のため重要であり、また消費者は赤色の食肉を好み、それは消費者がこれを新鮮な傷みのない食肉と関連させるからである。酸化は、食肉の食味を変化させる。脂質酸化に起因する酸敗臭ならびにタンパク質酸化に起因する柔らかさの低下は、消費者が異臭のない柔らかな食肉を好む傾向があるので、望ましくない。したがって、食肉の柔らかさに関連したタンパク質の酸化を抑制できることが、強く望まれている。
こうして、特に調整雰囲気内で包装した場合に、食肉品質、たとえば新鮮な食肉の柔らかさを改善する手段および方法を開発する、差し迫った必要性が存在する。したがって、本発明は、新鮮な食肉包装のための、このような必要性および関心事に対処する手段および方法を提供するよう努めるものである。
本発明の一側面は、食肉品質、たとえば柔らかさおよび色の酸化安定性、ならびに食肉の貯蔵寿命安定性を改善するためのメチオニンの使用を提供する。このような使用は、メチオニンが屠殺前食餌として投与される場合としてもよい。
食肉は、新鮮な食肉または冷凍食肉としてもよい。しかし、すべての食肉は、非ヒトの食肉であって、非ヒト哺乳動物の食肉、鳥の食肉または魚の食肉としてもよい。したがって食肉は、豚肉、牛肉、雌鳥、鶏肉、七面鳥の肉、魚肉からなる群から選択してもよい。
メチオニンは、少なくとも1種のさらなる飼料原料たとえばL−メチオニンを含む、メチオニン補充製剤としてもよい。さらなる例は、メチオニンがDLM(すなわち、DL−メチオニン)またはHMTBA(すなわち、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタン酸)である場合である。メチオニンは、L−メチオニンの形態、たとえば、合成メチオニン供給源の形態であってよい。メチオニンは、すべてのその塩の形態におけるL−メチオニン、その類似体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸またはすべてのその塩形態)、誘導体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸イソプロピルエステルまたは任意の他のエステル)、またはこれらの混合物としてもよい。
前記食肉は、真空もしくは高酸素条件下で貯蔵されてもよい。
前記メチオニンは、屠殺前1日当り体重1kg当り0.1〜1g、たとえば、0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95g、またはさらには1gの総メチオニンとして投与されてもよい。
他の側面において、メチオニンは、一日所要量(recommended daily dose)を0.3〜0.6%超える量として投与される。1日の投与量は、異なる種の間で相違し得るが、そのような推奨値は、種々の種についての動物飼料分野の当業者には、容易に入手可能である。
したがって、本発明による使用、方法および屠殺前食餌の一部としての追加メチオニン投与量は、これに基づいて容易に計算され、食肉品質、たとえば、新鮮な食肉の柔らかさおよび色の酸化安定性、ならびに前記新鮮な食肉の貯蔵寿命への効果をもたらす。メチオニンは、屠殺の30日前〜1日前に投与してもよい。
したがって、メチオニンは、さらなる一側面において、食肉品質、たとえば柔らかさおよび色の酸化安定性、ならびに食肉の貯蔵寿命安定性を向上させるため使用される。
前記メチオニンを給餌する投与量および日が上記に示され、またすべての態様について食肉品質向上における使用のため適用可能でもある。特に、メチオニンは、屠殺前1日当り体重1kg当り0.1〜1g、たとえば、0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95g、またはさらには1gの総メチオニンの投与量で使用される。他の側面において、メチオニンは、一日所要量を0.3〜0.6%超える投与量で使用される。投与量の両側面について、メチオニンは、屠殺の30日前〜1日前に投与される。
さらなる一側面において、動物における食肉品質、たとえば柔らかさおよび色の酸化安定性、ならびに食肉の貯蔵寿命安定性を向上させる方法が含まれる。前記方法は、非ヒト哺乳動物または鳥の種に有効な量でメチオニンを屠殺前投与する工程を含む。前記非ヒト哺乳動物または鳥の種への投与は、経口的に行ってもよく、また好ましくは飲料水投与によって行ってもよい。メチオニンは、屠殺の30日前〜1日前に投与されてもよい。メチオニンは、この方法においても、ここにおける使用と同一の投与量で、すなわち、1日当り体重1kg当り0.2〜1g、たとえば、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95g、またはさらには1gの総メチオニンの投与量で投与される。メチオニンは、他の側面において、一日所要量を0.3〜0.6%超える投与量として投与されてもよい。
さらに、メチオニンを含む動物屠殺前食餌がここで記述される。
屠殺前食餌において、メチオニンは、屠殺の30日前〜1日前に、1日当り体重1kg当り0.1〜1g、たとえば、0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95g、またはさらには1gの総メチオニンとして非ヒト動物に、あるいは一日所要量を0.3〜0.6%超える投与量で非ヒト動物に給餌される。屠殺前食餌は、非ヒト哺乳動物または鳥の種向けの少なくとも1種のさらなる飼料原料をさらに含んでもよい。本発明の一層さらなる側面は、屠殺した動物からの食肉であって、前記動物が、本発明による、またはここでの方法および使用のいずれかによるメチオニンを含む屠殺前食餌を給餌される食肉を提供する。本発明の一層さらなる側面は、屠殺した動物からの食肉を少なくとも一部含む製品であって、前記動物が、本発明による、または本発明による方法および使用のいずれかによるメチオニンを含む屠殺前食餌を給餌される製品を提供する。
こうして、本発明は、食肉の柔らかさを改善する方法であって、動物に屠殺前食餌としてメチオニンを投与する工程を含む方法を提供する。食肉は、鳥の食肉、魚の食肉または非ヒト哺乳動物としてもよい。より正確には、食肉は、豚肉、牛肉、雌鳥、鶏肉、七面鳥の肉、魚肉からなる群から選択してもよい。
本発明の方法により、メチオニンは、メチオニン補充製剤の形態で投与することもできる。
投与されるメチオニンは、L−メチオニンの形態における、または合成メチオニン供給源、たとえば、DLM(すなわち、DL−メチオニン)もしくはすべてのその塩形態、その類似体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸またはすべてのその塩形態)、その誘導体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸イソプロピルエステルまたは任意の他のエステル)の形態におけるもの、あるいはこれらの混合物としてもよい。
本発明の方法により、メチオニンは、動物に屠殺前1日当り体重1kg当り0.1〜1g、たとえば、0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95g、またはさらには1gの総メチオニンとして投与されてもよい。
本発明の方法により、メチオニンは、一日所要量を0.3〜0.6%超える量として動物に投与されてもよい。
本発明の方法により、メチオニンは、屠殺の30日前〜1日前に投与されてもよい。またより好ましくは、メチオニンの投与は、動物に経口的に行われる。
本発明は、メチオニンを含む動物の屠殺前食餌であって、メチオニンが、屠殺の30日前〜1日前に、1日当り体重1kg当り0.1〜1gの投与量で、または一日所要量を0.3〜0.6%超える投与量で投与される屠殺前食餌を提供する。屠殺前食餌は、動物への、少なくとも1種のさらなる飼料原料をさらに含んでもよい。
本発明は、屠殺した動物からの食肉であって、前記動物が、上記において記述したメチオニンを含む屠殺前食餌を給餌されている食肉を提供する。
本発明は、屠殺した動物からの食肉を少なくとも一部含む製品であって、前記動物が、上記において記述したメチオニンを含む屠殺前食餌を給餌されている製品を提供する。
本発明は、鳥の食肉もしくは魚の食肉、または非ヒト哺乳動物の柔らかさを改善するためのメチオニンの使用に関する。またより好ましくは、メチオニンは、L−メチオニンの形態における、または、合成メチオニン供給源、たとえばDLMもしくはすべてのその塩形態、その類似体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸またはすべてのその塩形態)、その誘導体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸イソプロピルエステルまたは任意の他のエステル)の形態におけるもの、あるいはこれらの混合物としてもよい。
図1は、豚について種々の周波数(60、150および200Hz)において測定したsEMG頂点間振幅(mV)を示し、対照(DLMなし)群(n=3)を白抜き四角、DLM前の群n=6を中実円、DLM後の群n=6を黒円、またHMTBA(n=3)群を黒四角で示す。 図2は、DLM(1)、対照(2)およびHMTBA(3)群の平均せん断力値を示す。
発明の詳細な説明
定義
ここで使用される「採取前」とは、動物についての採取前または屠殺前を意味する。
ここで使用される単数形「a」、「and」および「the」は、文脈によりそうでないことが明らかに指示されない限り、複数の指示物を含む。
ここで使用される「少なくとも1つ」は、1つ以上、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10などを意味することを意図している。
ここで使用される「動物」は、文脈に応じて、非ヒト哺乳動物、鳥の種、たとえば家禽、および/または魚を意味することを意図している。さらなる例は、ここで示される。
ここで使用される「完全配合飼料(full dose feed)」は、栄養素、タンパク質、ビタミンおよびミネラルに関して完全であり、動物向けに毎日の飼料として使用される飼料を意味することを意図している。通例、動物は、1日当り体重(bw)1kg当り、ある百分率%の完全配合飼料を食する。例は、ここで示される。
ここで使用される「食肉」は、状況が許せばどのようなものであっても、原料としての肉、新鮮な食肉および冷凍の食肉を含む。さらに「食肉」は、食品として使用される動物の肉である。「食肉」はさらに、骨格筋肉ならびに関連する脂肪および他の組織を意味するが、他の食用組織、たとえば臓器およびくず肉を記述してもよい。アングロサクソン圏では、「食肉」は、食肉包装業界によって、より制約的意味で一般に使用され、人間の消費のために飼養され調理される哺乳動物種(豚、牛、子羊など)の肉である。明確化の問題として、ここで使用される「食肉」は、このような制約された形でなく、他の種、たとえば家禽、魚および他の動物からの食肉をさらに含むと解釈されるべきである。原料としての食肉も、さらなる食肉加工向けに使用され、ここでの用語「食肉」に含まれる。
食肉品質、たとえば、食肉および食肉製品の柔らかさおよび酸化安定性などの食肉品質を改善する手段および方法を提供することが、本発明の1つの目標である。
柔らかさを改善する手段および方法であって、非ヒト哺乳動物の食肉たとえば、牛肉、豚肉、および家禽すなわち鳥の種の食肉;豚、家禽(非反芻動物)および牛(反芻動物)からの食肉および食肉製品の柔らかさを改善する手段および方法を提供することが、さらに本発明の目標である。
食肉の風味に影響を及ぼさない、前記食肉の柔らかさを改善する手段および方法を提供することが、さらに本発明の目標である。
安全、単純かつ費用効果的である、食肉および食肉製品の柔らかさを改良する手段および方法を提供することが、さらに本発明の目標である。
食肉の品質、たとえば柔らかさおよび酸化安定性を改善するため、屠殺前の動物にストレス防止食餌を提供する手段および方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。向上した酸化安定性は、食肉の貯蔵寿命をさらに延ばすであろう。改善される食肉は、健康な動物すなわち屠殺動物からの新鮮な食肉とする。
また、食餌中にメチオニンを使用することによって、動物における、たとえば、豚、家禽または魚などの動物における酸化性ストレスを低下させる手段および方法を提供することも、本発明のさらなる目的である。このようなストレスの多い状況は、たとえば、屠殺、離乳、ケージ収容および/もしくは輸送の状況、またはストレスの原因となる任意の他の状況であり得る。
したがって、メチオニン食餌は明らかに、これらの動物、たとえば豚、家禽または魚に;未処置の動物たとえば豚が曝されるのと正確に同一レベルの取扱いおよび測定のストレスに曝される屠殺体重の豚もしくは屠殺される去勢豚(hogs)に、鎮静/ストレス防止効果を有すると思われる。このようなストレス防止食餌では、屠殺前食餌について、ここで示唆される任意の投与量すなわち合計投与量約0.5〜1g、たとえば、動物たとえば豚、家禽もしくは魚への飼料100g当り0.6〜0.9g、たとえば、投与量として飼料100g当り0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、またはさらには1gを使用するであろう。これは、飼料中約0.6〜0.9%である。この内、約0.25%、すなわち、飼料100g当り0.25gが、飼料中のタンパク質からのメチオニンである。
したがって、食肉の柔らかさに影響を及ぼす追加のメチオニン添加量は、約0.3〜0.6g/100gまたは3〜6g/1000kg飼料の量に達し、すなわち通常の給餌投与量を0.3〜0.6%超える。このようなストレス防止食餌は、同様に、−30日〜−1日目、すなわち屠殺の30日前〜1日前、すなわち、屠殺前に、たとえば屠殺前−30、−29、−28、−27、−26、−25、−24、−23、−22、−21、−20、−19、−18、−17、−16、−15、−14、−13、−12、−11、−10、−9、−8、−7、−6、−5、−4、−3、−2〜−1日に、もしくは屠殺前−25〜−1日に、または屠殺前−20〜−1日に、あるいは屠殺前−14〜−1日に、酸化性ストレスを低減することによって酸化性ストレスへの効果を有する、メチオニン所要量/日/kgbwtを約0.3〜0.6%超える投与量で給餌されるであろう。
食肉の品質は、pH、食肉の色、ならびに食肉の柔らかさに影響を及ぼす官能特性、たとえば脂質およびタンパク質の酸化によって測定してもよい。
本発明では、食肉品質を、たとえば、包装した食肉の色ならびに調理の際の食肉の色;種々の条件たとえば低酸素、真空もしくは高酸素、たとえば調整雰囲気たとえば調整酸素包装(MAP)のもとで貯蔵した柔らかさおよび酸化状態についての食肉品質として測定する。MAPでは、最初に真空もしくはガスフラッシングによって空気を除去し、次いでバリヤ材料で密封する前に他のガス混合物で置きかえる。真空包装(VP)では、空気を除去し、また置きかえず、その後製品はバリヤ材料中に密封される。
ここで使用される調整雰囲気包装MAPは、製品を取り巻く雰囲気を除去し、かつ/または置きかえた後、蒸気バリヤ材料中に密封することを意味するよう意図している。ここで種々のMAP選択肢が企図され、かつ例示され、たとえばマスターパック、低Oおよび高OMAPである。多くの形態のMAPは、ケースレディーパッケージングでもあり、したがって食肉の切り取りおよび包装は、中央集中した場所で行われ、その後小売店舗に輸送される。この型のケースレディーパッケージングは、もちろん本発明の利点でもあり、したがってここで企図されている。
さらに、低OMAPは、真空包装または無酸素ヘッドスペースを有するMAPとしてもよい。真空ではほとんど完全に空気を含まず、一方NおよびCOの配合物を低OMAPにおける無酸素ヘッドスペースとして普通に使用してもよい。食肉の褐変を防止するため、一酸化炭素(CO)を、どれか低OMAPにおいて使用してもよいが、COは、欧州連合内で使用するのは違法である。
高OMAPは、大気と比較して高濃度のOを有するヘッドスペースを有する(大気:N約78%、O20.99%、アルゴン0.94%、CO0.03%)。高OMAP中のガス混合物は、O80%およびCO20%の混合物を通常有するが、およそO25〜90%およびCO15〜80%に変動してもよい。
包装後、環境および製品の変動のためガス雰囲気が変化できても、内部環境のさらなる操作は行われない。
MAPは、マスターパックとして使用してもよく、その場合いくつかの個々の包装が、調整雰囲気を有する、より大きいバリヤラッピング内に納められる。さらに、個々の包装は、通気性としてもよいが、マスターパックはMAPである。したがって、マスターパックを開くと、通気性包装材料による個々の包装は、もはやMAPとみなされないであろう。トレイーインスリーブ(tray-in-sleeve)系は、MAPと通気性包装の利点を組み合わせる他の方法である。マスターパックの代わりに、個々の包装は、除去可能なバリヤラッピングを有し、所望されるときにそれを除去し、下にある通気性ラッピングを残す。
本発明による方法、使用および屠殺前食餌において使用できるメチオニンは、L−メチオニンの形態において、たとえば、合成メチオニン供給源の形態におけるものとして添加してもよい。メチオニンは、すべてのその塩の形態におけるL−メチオニン、その類似体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸またはすべてのその塩形態)、誘導体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸イソプロピルエステルまたはいずれかの他のエステル)、またはこれらの混合物としてもよい。
屠殺前食餌である完全配合飼料にたとえば添加することによって、または単独で、動物に給餌されるメチオニン投与量は、本発明による食肉品質、たとえば食肉の柔らかさおよび酸化安定性に影響を及ぼす量におけるものとすべきである。メチオニンは、ふつう動物飼料の一部であるが、有効な量におけるものではない。
したがって、本発明により、動物は、本発明による食肉の柔らかさに効果のある投与量において、またここで、かつ本発明の範囲内で示される使用ならびに投与計画で屠殺前食餌を給餌される。
その際、食肉品質は、食肉の柔らかさ、テクスチャー、ならびに脂質もしくはタンパク質の酸化安定性として測定してもよい。方法はここで示される。テクスチャーおよび酸化安定性の両方が、食肉の柔らかさに影響を及ぼす。色もまた食肉品質の指標である。包装した新鮮な食肉には単に目視ベースで接するものであり、仕入れ担当者は、包装した新鮮な食肉の特定の色、ふつう赤い食肉の色を好む。酸化により食肉はより褐色になり、したがって仕入担当者にはより魅力が薄れる。本発明によるメチオニンを含む屠殺前食餌は、メチオニンの保護機作のため、包装内におけるより低い酸素消費をもたらすであろう。こうして、食肉の貯蔵寿命が延び、貯蔵の間、色が保持されるであろう。
しかし、色はまた、食肉の調理温度の指標でもある;色は、色変化(褐変)によってタンパク質の凝固を反映する。ふつう、食肉は、調理中に色を変化させ、凝固は褐変の過程で反映される。高酸素調整雰囲気で包装した食肉は、調理の間より低い温度で色変化する;すなわち、通常の大気中で包装した食肉よりも約20℃低い温度で色変化する。これは、もちろん、食肉を調理し、直ぐに食べられるとして、色変化を信じる人には不利益であろう。とりわけ、正しい温度約72℃の代わりに、約52℃で食肉が色変化して凝固を示す場合、調理する間に殺菌し、また有害物質を変性させる側面が失われるであろう。したがって、食肉の消費者は、食肉を調理する際に色変化を注視しているにも拘らず、細菌がまだ生きており、有害物質がまだ作用している生の食肉を食べる危険に直面するであろう。
こうして、本発明のさらなる側面は、高酸素包装で貯蔵した食肉の調理の間に見られる早まった褐変も、単独でもしくは屠殺前食餌に入れて、屠殺前にメチオニンを使用する場合、防止される点である。したがって、こうしてメチオニンを含む屠殺前食餌は、新鮮な食肉の貯蔵寿命安定性を向上させ、貯蔵中の新鮮な食肉の色安定性を改良し、ならびに調理中の早まった褐変を防止することによって、食肉品質をさらに向上させるであろう。
屠殺前にメチオニンを使用すると、食肉の貯蔵寿命にも影響を及ぼす。屠殺前のメチオニン使用は、食肉の酸化安定性を向上させ、こうして貯蔵の間により少ない酸素を消費する。また、より少ない酸素の消費により、同一量の酸素で、より長く食肉を貯蔵できる。高酸素調整雰囲気中の包装した食肉の色に、同じことが当てはまり、メチオニンを給餌した動物からの食肉は、より酸化安定性となり、こうして同一酸素量でより長く赤い食肉の色を保存する。
本発明は、柔らかさを改善するように食肉の柔らかさに影響を及ぼす。タンパク質の酸化は、食肉の柔らかさに悪影響を及ぼす。
柔らかさは、Warner−Bratzlerせん断力(WBSF;ニュートン、たとえば、Bouton,P.E.and Harris P.V.(1972)A comparison of some objective methods used to asses meat tenderness.J.Food Sci.37,218〜221を参照されたい)を使用して、「機器硬度」として測定してもよい。タンパク質の酸化は、Ellmanの試薬を使用して、タンパク質中の遊離チオール基の減少(タンパク質1mg当りチオールμM)として測定してもよい。たとえば、Lund and Baron(2010)Protein Oxidation in foods and food quality.In:Skibsted et al(ed):Chemical deterioration and physical instability of food and beverages.Page 33〜69、Woodhead Publishing Limited ISBN 978−1−84569−495−1を参照されたい。脂質の酸化は、2−チオバルビツール酸反応物質(TBARS;食肉1kg当りマロンジアルデヒドmg、たとえば、Creed,P.G(2010)Chemical deterioration and physical instability in ready−to−eat meals and catered foods.In Skibsted et al(ed):Chemical deterioration and physical instability of food and beverages.Page 608〜661、Woodhead Publishing Limited ISBN 978−1−84569−495−1を参照されたい。)の増加として測定してもよい。
本発明は、反芻動物である牛、たとえば雌牛、ならびに馬、子羊、野牛(バイソン)、豚および家禽、たとえば、雌鳥、鶏、七面鳥、エミュー、駝鳥およびさらに魚、たとえば鮭に有効であると考えられる。
したがって、メチオニンを投与することを含む屠殺前食餌、ならびに本発明により柔らかさを向上させるためのその方法および使用は、任意の動物、すなわち、非ヒト動物、たとえば、ウシ属動物たとえば雌牛、ブタ動物たとえば豚、ウマ科動物たとえば馬、ヤギ動物たとえば山羊、ヒツジ動物たとえば羊、家禽たとえば雌鳥、鶏、七面鳥、エミュー、駝鳥、または魚について実践してもよい。
メチオニンは、たとえば、飼料原料それ自体で、または典型的な飼育場飼料への補充物として、好ましく経口的に投与もしくは給餌される;典型的な飼育場飼料は、粗飼料、たとえば乾草もしくはサイレージと、濃厚飼料、たとえば穀物たとえばトウモロコシ、オオムギ、ミロ、ライムギ、エンバクおよびコムギと、これらの混合物とを、たとえば糖みつおよび他の補充物、ならびに家畜向け添加剤と一緒に含む。
しかし、メチオニンは、他の経路、たとえば、腹腔内、静脈内もしくは皮下注射、経皮塗布によって、またはウォータードジオメトリー(water dosiometry)によって投与してもよい。
経口投与について、メチオニンは、粉末、粒餌、粒剤、小球、あるいは他の任意の小さな、固形のもしくは緻密に充填した球、塊または錠剤の形態におけるものとしてもよい。
本発明の他の態様において、メチオニンの投与は、飲み水投与により行われてもよい。
したがって、本発明の1つの目的は、メチオニンの使用であって、その天然もしくは合成形態、その類似体、誘導体またはそれらの混合物における、食肉の柔らかさを向上させるための、単独でまたは屠殺前食餌としての使用である。その天然もしくは合成形態、その類似体、誘導体またはそれらの混合物におけるメチオニンは、いくつかの供給源から市販されている。柔らかさは、テクスチャーとして、または機器硬度の目安として使用されるWBSF(N)として評価してもよい。メチオニンを使用すると、柔らかさについてのそれとして食肉品質を向上させ、また食肉をより柔らかにするであろう。メチオニンは、屠殺前食餌として給餌される。
影響される食肉は、新鮮な食肉もしくは冷凍食肉の両方としてもよく、また新鮮な食肉が真空包装され、または高酸素の調整雰囲気内で包装される場合である。
一態様において、メチオニンは屠殺前食餌として給餌される場合、新鮮な食肉の柔らかさに影響を及ぼす。食肉は、ここで記述したように、任意の、非ヒト動物もしくは哺乳動物の食肉としてもよい。たとえば、食肉は、豚肉、牛からの食肉、鳥の食肉たとえば家禽からの食肉、または魚からの食肉としてもよい。また食肉は、豚肉、牛肉、雌鳥、鶏肉、七面鳥の肉、魚肉からなる群から選択される任意の食肉としてもよい。
メチオニンは、ここで他の箇所で記述したように、天然または合成の任意のメチオニン、その類似体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸またはすべてのその塩形態)、誘導体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸イソプロピルエステルまたは任意の他のエステル)、もしくはこれらの混合物、もしくはこれらの混合物、またはメチオニン補充製剤であるとしてもよい。メチオニンは、すべてのその塩形態におけるL−メチオニンとしてもよい。たとえば、メチオニンは、DLM(すなわち、DL−メチオニン)またはHMTBA(すなわち、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタン酸)としてもよい。
前記食肉は、真空下で、または高酸素条件または任意の調整雰囲気包装のもとで貯蔵してもよい。種々のMAP選択肢がここで企図され、また例示され、たとえば、マスターパック、低Oおよび高OMAPであり、たとえばここでさらに例示される通りである。
上記において判明したように、動物は、ここでかつ本発明の範囲内で示される方法および使用ならびに投与計画により、食肉の柔らかさに効果のある投与量で屠殺前食餌を給餌される。
給餌摂取量は、種間で色々である。体重約100kgまでの成長豚は、たとえば1日当り彼らの体重の約3〜5%、たとえば4%を食するが、一方、ブロイラー、たとえば鶏は、1日当り彼らの体重の10%まで食することができる。したがって、動物は、飼料摂取量として1日当りその体重の約1〜10%を食するであろう。こうして、1日当り体重1kg当りメチオニン投与量が画定され、メチオニンを有する完全屠殺前食餌飼料として含まれる、飼料の毎日摂取量に適合した濃度で調節される。
このような屠殺前食餌の例が、食肉品質、たとえば、柔らかさ、ならびに貯蔵寿命および食肉の色についての酸化安定性に影響を及ぼす完全食餌の場合、以下に示される。
メチオニンは、もちろん、別々に与えてもよく、同一のメチオニン用量を投与すれば、毎日の完全食餌割当量によらなくてもよい。しかし、これには、毎日の食餌飼料の他に動物に投与する、余分の労働を必要とするであろう。したがって、あまり望ましくない。しかし、食肉の柔らかさに同一の効果をもたらすであろう。
本発明によるメチオニンは、動物、たとえば豚、家禽または魚への飼料100g当り合計投与量約0.5〜1g、たとえば、0.6〜0.9g、たとえば投与量として飼料100g当り0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、またはさらには1gが給餌されるであろう。これは、飼料中約0.6〜0.9%である。この内、約0.25%、すなわち、0.25g/100g飼料は、飼料中のタンパク質からのメチオニンである。したがって、食肉の柔らかさに影響する、追加のメチオニン添加量は、約0.3〜0.6g/100gまたは3〜6g/1000kg飼料の量に達し、すなわち通常給餌する投与量を0.3〜0.6%超える。
標準的な豚のための完全食餌の例を、ここで以下に示し、本発明による追加メチオニンは除いている。
含量:コムギ54.9%、オオムギ16.9%、Wheta brun i 10.0%、オートムギ9.5%、ダイズ4.4%、セイヨウアブラナ抽出物1.5%、炭酸カルシウム1.5%、ふつう塩0.34%。
栄養素含量:粗タンパク質12.5%、粗脂肪2.8%、灰分4.6%、粗繊維5.0%、Ca0.6%、P0.4%、K0.6%、N2.0%、Na0.15%;メチオニン2.4g(飼料1000g当りタンパク質から);リシン7.9g、飼料1000g当り、このうちヒドロキシ類似体が0.5gである;エネルギー評価、スエーデン農業省(Jordbruksverket)、SJV、12.2MJ;エネルギー評価、スエーデン農業科学大学(Sveriges lantbruksunversitet)、SLU、NEvax、9.3MJ;エネルギー評価、スエーデン農業科学大学(Sveriges lantbruksunversitet)、SLU、NEsugg、9.5MJ。
種々の型の添加剤および量の例:セレン(ナトリウムセレナイト)0.4mg、銅(硫酸銅)15mg、ビタミンE60mg、ビタミンD3 400IE、ビタミンA 4000IE;L−リシン(工業的に純粋);L−トレオニン(工業的に純粋);全リン、Pのmonomersyrahalt Fytas EC3.1.3.26 415FTU。
次いで、本発明による追加メチオニン投与量が、メチオニン所要量/日/kg体重(bwt)を0.3〜0.6%超える量として、または約12〜24g追加添加メチオニン/1000g飼料として、添加される。
したがって、動物1kg当り投与量は、動物が食する飼料の量に関しており、メチオニン濃度を変化させなければ、それは、飼料割当量1000g当りのメチオニンの量である。両選択肢とも、もちろん、本発明による方法、使用および屠殺前食餌において適用可能である。
たとえば、その体重(bwt)の2〜6%を食する100kgの豚は、たとえば、本発明による屠殺前食餌1日当りその体重の4%を、すなわち4%ならば屠殺前食餌4kgを食する。この豚は、1日当り、メチオニン全投与量24g〜36gを摂るであろう。このうち、12〜24g/1000g飼料、すなわち全飼料重量の0.3〜0.6%が飼料への追加添加されるメチオニン、たとえばL−メチオニンであり、食肉品質、たとえば柔らかさ、ならびに、食肉の色および貯蔵寿命安定性についての酸化安定性への効果を有するものである。
他の種についての、メチオニンの屠殺前投与量は、毎日消費される飼料の量から計算され、メチオニン所要量/日/kgbwtを0.3〜0.6%超えるメチオニンの追加富化により富化されて、食肉品質、たとえば、柔らかさ、ならびに新鮮な食肉の貯蔵寿命および色についての酸化安定性への効果を有するものである。
メチオニンは、こうして、1日当り体重1kg当り0.1〜1gの総メチオニン、すなわち、タンパク質からの飼料中のメチオニン、ならびにメチオニン所要量/日/kgbwtを0.3〜0.6%超える追加メチオニンの両方として、たとえば、屠殺前1日当り体重1kg当り0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、またはさらには1gの総メチオニン摂取量が給餌される。
さらに、メチオニンは、屠殺の−30日〜−1日に、すなわち30日前〜1日前、すなわち、屠殺前たとえば−30、−29、−28、−27、−26、−25、−24、−23、−22、−21、−20、−19、−18、−17、−16、−15、−14、−13、−12、−11、−10、−9、−8、−7、−6、−5、−4、−3、−2〜−1日に、もしくは屠殺前−25〜−1日に、または屠殺前−20〜−1日に、あるいは屠殺前−14〜−1日に、メチオニン所要量/日/kgbwtを約0.3〜0.6%超える投与量で給餌されて、真空で、または任意の調整雰囲気たとえば高酸素雰囲気で包装された新鮮な食肉の食肉品質、たとえば、柔らかさ、ならびに色および貯蔵寿命についての酸化安定性への効果を有するものである。
したがって、メチオニンは、食肉の柔らかさを向上させるために使用され、またさらなる目的は、食肉品質たとえば食肉の柔らかさを改善するのに使用するためのメチオニンであり、方法、使用および屠殺前食餌について、ここで記述したようにメチオニンを使用する。また含まれるものは、食肉品質を向上させる屠殺前食餌を調製するためのメチオニンの使用、ならびに動物における酸化性ストレスを低減する薬剤または動物飼料を調製するためのメチオニンの使用である。
したがって、本発明のさらなる目的は、非ヒト哺乳動物または鳥の種からの食肉の柔らかさを改善する方法であって、非ヒト哺乳動物または鳥の種に有効な量のメチオニンを屠殺前投与する工程を含む方法である。有効な量の例は、ここで示され、たとえば、1日当り体重1kg当り0.1〜1g、たとえば、屠殺前1日当り体重1kg当り0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、またはさらには1gである。
さらに、メチオニンは、屠殺の−30日〜−1日に、すなわち30日前〜1日前、すなわち、屠殺前に給餌される。
たとえば、メチオニン補充計画が、幾分直接的な方法で試行され、ここで例が示されている。
ポークロインの酸化安定性を試験するため、下記のように行ってもよい。
屠殺前に給餌するというメチオニン補充計画による酸化安定性の向上が、食肉、たとえばポークロインの柔らかさを改善するであろう。
その対照群と共に試験を行うため、適切な数の動物、たとえば豚を選択して、たとえば、21頭の豚を無作為に、3つの給餌群(n=7)の1つに割り当ててもよい。対照群は、標準化した飼育場食餌だけを与えられてもよい。屠殺前食餌について試験される群は、メチオニンをその天然もしくは合成形態、たとえばL−メチオニン、その類似体、誘導体もしくはそれらの混合物として給餌され、それは、食肉品質を向上させるためであり、ここで食肉の柔らかさとして評価される。L−メチオニンの例は、DLM(DL−メチオニン)およびHMTBA(DL−2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸)である。これらの群は、標準化した飼育場食餌および高メチオニン補充物、たとえばDLM(すなわち、DL−メチオニン)またはHMTBA(すなわち、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタン酸)を、屠殺前の仕上げ時期−−1〜30日間与えられる。種々の貯蔵条件、たとえば真空および高酸素、を試験するため、また次いで屠殺前に給餌されたメチオニンの食肉の柔らかさへの効果を解析するため、食肉は、種々の特定の条件下で包装される。たとえば豚肉を解析する場合、ポークチョップは、死後48時間に、真空包装、または調整雰囲気(MA;O80%)中包装され、さらに7日間2℃で貯蔵される。たとえば、厚さ3cmのポークチョップが、真空包装または調整雰囲気(MA;O80%)中包装され、さらに7日間2℃で貯蔵された後、たとえば食肉の柔らかさを評価することによって、食肉品質を解析してもよい。
次いで、柔らかさは、Warner−Bratzlerせん断力(WBSF;ニュートン)を使用し、機器硬度として解析してもよい。タンパク質の酸化は、Ellmanの試薬を使用してタンパク質中の遊離チオール基の減少(タンパク質1mg当りチオールμM)として測定してもよい。脂質の酸化は、2−チオバルビツール酸反応性物質の増加(TBARS;食肉1kg当りマロンジアルデヒドmg)として測定してもよい。
ここで結果として示される実験により、メチオニン補充計画はいずれも、著しくより柔らかな食肉をもたらした、すなわち、真空下で貯蔵した場合、測定した場合のWBSF値が、対照用食餌よりも低いことが示されている。このことは、調整雰囲気下で貯蔵した食肉すなわちMAP食肉についても当てはまったが、DLMとHMTBA群の間のWBSF値の差異がより大きく、酸化性条件で貯蔵した間のDLM試料の軟化がより良好であることを示した。
本発明による方法は、前記非ヒト哺乳動物または鳥の種への投与が経口的に行われる方法、または、ここで例示される任意のさらなるやり方、たとえば、他の経路、たとえば、腹腔内、静脈内もしくは皮下注射、経皮塗布によって、またはウォータードジオメトリーによって行われる方法であってもよい。経口投与について、経口投与は、粉末、粒餌、粒剤、小球、あるいは任意の他の小さな、固形もしくは緻密に充填した球、塊または錠剤の形態におけるものとしてもよい。メチオニンは、単独で、または典型的な飼育場飼料への補充物として投与してもよく、飼育場飼料は、粗飼料たとえば乾草またはサイレージ、ならびに濃厚飼料、たとえば穀物たとえばトウモロコシ、オオムギ、ミロ、ライムギ、エンバクおよびコムギ、ならびにこれらの混合物を、糖みつおよび他のサプリメントおよび家畜用添加剤と一緒に含むものである。
さらに、本発明による投与されるメチオニンは、ここでさらに例示されるように、屠殺の30日前〜1日前に行われてもよい。さらに、メチオニン投与は、屠殺前1日当り体重1kg当り0.1〜1g、たとえば、屠殺前1日当り体重1kg当り0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95g、またはさらには1gの投与量、あるいはメチオニン所要量/日/kgbwtを約0.3〜0.6%超える量に相当する任意の1日当り投与量としてもよく、それにより食肉品質、たとえば、新鮮な食肉の柔らかさ、ならびに色および貯蔵寿命についての酸化安定性への効果を有するものである。
本発明のさらなる目的は、したがって、動物、たとえば、非ヒト哺乳動物または鳥に、メチオニンを含む屠殺前食餌であって、メチオニンが、屠殺の30X日前〜1Xx日前に、屠殺前1日当り体重1kg当り0.2〜1g、たとえば、屠殺前1日当り体重1kg当り0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95g、またはさらには1gの投与量で、あるいはメチオニン所要量/日/kgbwtを約0.3〜0.6%超える量に相当する、任意の1日当り投与量で給餌されて、食肉品質、たとえば、新鮮な食肉の柔らかさ、ならびに色および貯蔵寿命についての酸化安定性への効果を有する屠殺前食餌を提供することである。この屠殺前食餌は、非ヒト哺乳動物または鳥の種への、さらなる飼料をさらに含んでもよい。このような飼料は、ここでさらに例示され、たとえば、粗飼料たとえば乾草またはサイレージ、ならびに濃厚飼料、たとえば穀物たとえばトウモロコシ、オオムギ、ミロ、ライムギ、エンバクおよびコムギ、ならびにこれらの混合物を、たとえば糖みつおよび他の補充物および家畜用添加剤と一緒に含んでもよい。
本発明のさらなる目的は、屠殺した動物からの食肉であって、前記動物が、本発明によるメチオニンを含む屠殺前食餌であり、たとえば、すべてのその態様におけるここに記述した屠殺前食餌、方法および使用による屠殺前食餌を給餌された食肉を提供することである。
さらに、本発明のさらなる目的は、少なくとも一部屠殺した動物からの食肉を含む製品であって、前記動物が、本発明によるメチオニンを含む屠殺前食餌であり、たとえば、すべてのその態様におけるここに記述した屠殺前食餌、方法および使用による屠殺前食餌を給餌された食肉を含む製品を提供することである。
メチオニン、その類似体、誘導体もしくはそれらの混合物の投与であって、本発明による、またすべてのその態様においてここで記述された屠殺前投与量計画での投与は、真空でまたは調整雰囲気包装(MAP)で包装された新鮮な食肉の柔らかさを改善することが示されている。
したがって、本発明は、すべてのその目的および態様において、非ヒト動物の食肉の柔らかさに影響を及ぼす。このことは、メチオニン、その類似体、誘導体もしくはそれらの混合物(すなわち、メチオニンは、L−メチオニンの形態におけるもの、たとえば、合成メチオニン供給源の形態における、すべてのその塩の形態、その類似体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸またはすべてのその塩形態)、誘導体(たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸イソプロピルエステルまたは任意の他のエステル)、またはそれらの混合物の形態におけるものとすることができる)を、食肉の柔らかさを改善するのに有効な量で、また動物の採取前に、その家畜に有害ではない量で家畜に投与することにより達成される。
[実施例]
以下の例1は、メチオニン補充計画と、ポークチョップの酸化安定性との間の関係を示す。それらの結果は、メチオニン補充計画が、ポークロインの酸化安定性を向上させ、柔らかさを改善することを示している。
例1
例1において、21頭の豚を無作為に、3つの給餌群の1つ(n=7)に割り当てた。対照群は、標準化した食餌だけを与えられた。DLMおよびHMTBA群は、仕上げ期間の間、標準化した食餌に高メチオニン補充物(DLM(すなわち、DL−メチオニン)またはHMTBA(すなわち、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタン酸)のいずれか)を加えたものを与えられた。死後48時間に、厚さ3cmのポークチョップが、真空包装され、または調整雰囲気(MA;O80%)中に密封され、2℃でさらに7日間貯蔵された。Warner−Bratzlerせん断力(WBSF;ニュートン)法を使用して、機器硬度を測定した。タンパク質の酸化は、Ellmanの試薬を使用してタンパク質中の遊離チオール基の減少(タンパク質1mg当りチオールナノモル)として測定した。脂質の酸化は、2−チオバルビツール酸反応物質の増加(TBARS;食肉1kg当りマロンジアルデヒドmg)として測定した。
DLM補充計画が、非酸化性(真空)環境と酸化性(MAP)環境の両方で機器硬度を低下させ易かった。
DLMは、非酸化性環境で遊離チオールの最高レベルを示し、また酸化性環境で遊離チオールの最低レベルを示した。遊離チオールレベルの有意な低下は、この群だけに見られた。DLM補充計画は、酸化性条件下で貯蔵したポークチョップの柔らかさを、真空条件下で貯蔵した対照群からのポークチョップと同一のレベルまで改善する能力を有すると思われた。
食餌は、食肉中の脂質の酸化に何ら効果を有しないと思われた。食餌効果の欠如は、TBARSのレベルの測定方法の信頼性が損なわれたことに起因する可能性がある。TBARSレベルは、真空包装したポークチョップについて等レベルにあり、これがMA(調整雰囲気)貯蔵の間に見られたTBARSレベルよりも低かった。MA貯蔵の間、2つのメチオニン処置は、同様なTBARSレベルをもたらし、これが対照試料のレベルよりも著しく低かった。
例1 材料および方法
動物および給餌計画
屠殺用豚21頭([ヨークシャー×スエーデン在来種]×ハンプシャー)は、商業的食餌で飼養された。豚は無作為に、3つの群の1つ(n=7)に割り当てられた。これらの群は、3つの給餌計画を代表しており、すなわち、総メチオニン0.27%を含む標準化食餌を与えられる対照群、ならびに、屠殺直前の仕上げ期間7日の間、より高レベルのメチオニン(総メチオニン1.1%)を給餌されるという事実を除いて、給餌期間全体にわたって対照群と同一の食餌を与えられるDLMとHMTBA群の両方であった。補充物は、2つの形態、DL−メチオニン(DLM)またはDL−2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸(HMTBA)のいずれかで与えられた。これらの豚は、それぞれの食餌を、1日2回彼らの体重の2%給餌され、水には自由にアクセスした。
屠殺および試料採取手順
豚は、スエーデンの商業的屠殺場で、休息時間5時間後に屠殺された。死後45分に、背最長筋(m.Longissimus dorsi)(LD)の第10肋骨(10th rib)のレベルでpH(Ingold LOTガラス電極を有するKnick portamesse751 pH計、Tech Instrumentering ApS、Denmark)および温度(デジタル温度計、Weber,Stephen Nordic、Denmark)を測定した。死後48時間に、背部全体を屠体から切り裂き、さらなる測定のため制御された条件下でコペンハーゲン大学に輸送した。
包装および熟成
ポークチョップを、それぞれのLD筋肉の長軸に対して直角に切断した。厚さ3cmポークチョップ6個を、それぞれのLDから薄切りした。3個を真空包装し、また3個を高酸素調整雰囲気中で包装した。チョップをプラスチックトレー(M71−43A白色/PS;寸法195×144×43mm、Faerch Plast、Denmark)に載せ、また真空袋(EM−628862;O透過率=40〜50cm/m/24時間/バール、CO透過率=150cm/m/24時間/バール、水蒸気透過率=2.6g/m/24時間;LogiCon Nordic A/S、Denmark)内に入れた。真空装置(型、製造業者、国)を使用して、すべての真空袋から周囲空気を除去した。真空貯蔵を意図した袋は、最初ガス混合物(酸素80%/二酸化炭素20%)を充填し、その後完全に密封し、一方MAPを意図した袋は、一部だけ封止した。この手順は、MAP試料についてヘッドスペース 対 食肉比率約8:1をもたらした。チョップは2℃において強い光(?ルックス)の中で7日間(死後9日まで)陳列した。ガス組成を、包装前にチェックし(CheckMate9900、PBI Dansensor、Denmark)、また、漏れをチェックするため、模擬陳列期間の終わりの開封前に再チェックした。すべてのMA包装物について陳列期間全体にわたって酸素富化環境が十分に保持された(83.4%)。
貯蔵損失および調理損失
包装日(死後2日)の重量に対する、陳列期間の終わり(死後9日)における重量減量百分率として、貯蔵損失を測定した。調理前と調理後のポークチョップ間の重量減量百分率として調理損失を測定した。結果は、それぞれの食肉パック中のポークチョップ3個の平均として示している。
肉色(CIE L
機器による食肉の色を、ミノルタ彩度計(Chroma Meter)(CR−300;D65および2°観測者角度、測定域直径8mm;ミノルタ、日本)で測定した。前述の包装の前に、ポークチョップの色の記録を行った。陳列期間の終わりに、ポークチョップを真空袋から取り出し、直ぐに4±2℃で少なくとも30分間ブルーミングさせた。色測定は、CIE表色規則に従い、3つの基本的出力は、L、aおよびbであった。Lは、スケール0(全ての光が吸収される;黒)〜100(全ての光が反射される;白)に基づく明度であり;aは+60(赤)〜−60(緑)にわたり、またbは+60(黄)〜−60(青)にわたる。彩度としても知られる飽和指数は、a*2+b*2の平方根として計算した(MacDougall、1977)。それぞれのポークチョップについて3種の記録を行い、平均値を統計的解析のため使用した。
Warner−Bratzlerせん断力(WBSF)
Warner−Bratzlerせん断力(WBSF)方法を使用し、機器硬度を測定した。手短にいえば、陳列期間の終わりに、新鮮な試料を、オーブン(型、製造業者、国)中の水浴内で加熱した。1試料について温度上昇を監視し、残りの試料には、内部温度75℃に達する時間に5分を加えた時間を与えた。これらの試料が冷めた後、1cm×1cm×2.5cmのコアをせん断力解析のため試験した。それぞれの動物について、コア8点を測定し、平均最大荷重(ニュートン)を、さらなる解析に使用した。供試体のどれかが、平均値からの2標準偏差を超える最大荷重を有する場合、それらを異常値のものとみなし、計算から除外した。
遊離タンパク質チオール
タンパク質酸化は、タンパク質中の遊離チオール基の減少として測定し、したがって高い値が、低い酸化を示し、またこの逆もある。簡単にいうと、凍った豚肉試料を冷蔵貯蔵温度で30分間一部融解させた。脂肪および結合組織を除去し、1.0gの除脂肪食肉を、25mlの、0.10Mトリス(トリス(ヒドロキシアミノ)メタン)緩衝液、pH8.0中の5.0%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)中で、Ultra Turrax(Ultra Turrax T−25、Janke&Kunkel IKA−Labortechnik、Germany)を使用してホモジナイズした。ホモジネートを水浴中に80℃で30分間入れ、その後冷却および濾過した。タンパク質濃度を、ウシ血清アルブミン(BSA)から作成した標準曲線を使用して、波長280nmで分光光度計(Helios Omega Single Beam UV−VIS、Fisher Scientific Biotech Line、Denmark)により測定した。チオール濃度は、0.10Mトリス緩衝液(pH8.0)中のEllmanの試薬;5,5’−ジチオビス−(2−ニトロ安息香酸=DTNB)(Ellman、1959)によって誘導体化した後、ELISAプレートリーダー(SLT Spectra Rainbow、FO 39046、SLT LABinstruments、Austria)で測定した。濾液(25μl)、トリス緩衝液(100μl)およびDTNB(25μl)を、96ウェルマイクロタイタープレートのウェル内に添加した。DTNBの添加前に410nmにおける吸光度を測定し(ABS410食肉)、またDTNBとの反応後に410nmにおける吸光度を測定した(ABS410食肉+DTNB)。さらに、ブランク溶液(100mMトリス緩衝液中に溶解した5%SDS25μlおよび0.10Mトリス緩衝液100μl)の吸光度を410nmにおいて同様に測定した。DTNB添加後、マイクロタイタープレートは、暗所に貯蔵し、正確にその後30分に吸光度を測定した。試料中のチオール濃度に対応する吸光度は、補正ABS410=ABS410食肉+DTNB−ABS410食肉−ABS410ブランクであった。チオール濃度は、0.1Mトリス緩衝液、pH8.0中の5.0%SDS中に希釈した換算グルタチオンから作成したグルタチオン2〜150μg/mlの範囲にある7点標準曲線に基づいて計算した。遊離チオール基の濃度は、タンパク質1mg当りチオールナノモルとして決定した。それぞれの食肉試料について、それぞれのホモジネートについてのデユプリケートのホモジネート、およびトリプリケートの測定を行い、さらなる統計的解析のため平均値を使用した。
チオバルビツール酸反応物質(TBARS)
脂質酸化は、2−チオバルビツール酸反応物質(TBARS)の増加として測定し、食肉1kg当りマロンジアルデヒドmgとして表した。脂質酸化は、(Vyncke、1970;Vyncke、1975)によって記述され、(Sorensen&Jorgensen、1995)による修正を有したように、2−チオバルビツール酸(TBA;4,6−ジヒドロキシ−2−メルカプト−ピリミジン)を使用して評価した。簡単にいうと、5.0gの食肉を、0.10%プロピルガレートおよび0.10%エチルジアミン四酢酸(EDTA)を有する7.5%TCA15ml中で、Ultra Turrax(Ultra Turrax T−25、Jank&Kunkel IKA−Labortechnik、Germany)を使用して45秒間13,500rpmでホモジナイズし、濾過した。5.0mlの濾液を、0.020Mチオバルビツール酸(TBA)5.0mlと混合し、水浴中において100℃で40分間インキュベートした。室温で532nmおよび600nmで吸光度を測定した。TBARS結果は、マロンジアルデヒドビス(ジエチルアセタール)(TEP)から作成した標準曲線を使用して計算した。統計的解析のため2つの独立した測定の平均値を使用した。
脂質の抽出
抽出可能な脂質の量を使用して、新鮮な食肉の全脂質含量を計算し、百分率で表した。食肉試料(10g)を、クロロホルム/メタノール(2:1体積/体積)100ml中においてUltra Turrax(Ultra Turrax T−25、Janke&Kunkel IKA−Labortechnik、Germany)を使用して13,500rpmで1分間ホモジナイズした。このホモジネートに、25mlの1.0mMCaCl溶液を添加し、もう一度ホモジナイズした後、1,000rpmで20分間遠心した(MSE Mistral2000、England)。クロロホルム相を取り去り、抽出手順を繰り返した。抽出した脂質を含有するクロロホルム相を、真空蒸発(Buchi RE11、Buchi Laboratoriums−Technik AG、Schweiz)によって乾燥した。最後に、乾燥した試料に、2×2mlクロロホルム/メタノールおよび2.0mlのCaClを添加し、これを、次いで混合し(渦流ミキサーVF2、Janke&Kunkel IKA_Labortechnik、Germany)、また2,500rpmで20分間遠心した。脂質相を取り去り、真空蒸発によって乾燥し、重さを計った。溶媒抽出後得られた全脂質の重量と、食肉試料の重量とから筋肉間脂肪の百分率を計算した。
統計的解析
動物IDの無作為効果によるANOVAにおける分割法を使用して、貯蔵減量、調理減量、色、硬度およびタンパク質酸化データを解析した。定型効果について(食餌、包装)の完全要因分析法を採用した。関心のあるすべての特性について、最小有意差(F試験、P<0.05)を使用して最小二乗平均を分割した。それぞれのモデルについて、モデル確認を行って、モデルの想定が確実に満たされるようにした。テューキー試験を使用して多重比較のため、すべての最小二乗平均の組合せを調節した。対試料のt試験を使用して、脂質酸化データを解析した。モデル確認を行って、モデルの想定が確実に満たされるようにした。
例1結果
貯蔵および調理損失
貯蔵および調理損失データを、陳列期間前後ならびに調理前後の重量減少(g)として測定した。表1に、主効果の最小二乗平均を示している。包装および食餌が,貯蔵損失に関して相互作用する傾向を幾分示す(P=0.098)一方で、貯蔵損失は包装条件によって有意に影響され(P<0.0001)、真空下での陳列が、MAP中の陳列よりも低い貯蔵損失をもたらした。しかし、真空下におけるHMTBA試料の貯蔵損失は、高酸素雰囲気中で貯蔵されたHMTBA試料のそれと有意差がなかった(P=0.58)。食餌の全体効果はなかった(P=0.14)。
調理損失は、包装と食餌の間の相互作用によって影響されず(P=0.54)、または食餌単独によって影響されなかった(P=0.68)。しかし、包装条件の全体効果が存在し(P=0.0011)、これは表1に反映されなかった。数値的に、真空下の陳列は、MAP中における陳列よりも高い調理損失をもたらした。
食肉の色
食肉試料の色特性は、CIEL表色系を使用して測定した。表2に、主効果の最小二乗平均を示している。包装および食餌が,光反射に関して相互作用した(P=0.037)。対照およびHMTBA試料について、死後2日の光反射(最初)は、冷蔵貯蔵(真空およびMAP)7日後の光反射と有意差がなかった。しかし、これらの条件は、真空熟成(非酸化性環境)の間のものではない。対照食餌は、DLMおよびHMTBAメチオニン補充よりも数値的に低い初期の光反射を示した。真空熟成中、対照およびDLM群において光反射が増加したが、HMTBA群では減少した。高酸素調整雰囲気における冷蔵貯蔵の間、すべての3つの群について光反射は増加した。
赤色については、包装および食餌の有意な相互作用が存在しなかった(P=0.16)。しかし、赤色は包装によって有意に影響された(P<0.0001)が、食餌によって影響されなかった(P=0.82)。対照試料は、適用した包装系に関係なく、貯蔵期間の始まりおよび冷蔵貯蔵7日後に同様な赤色の読みを示した。HMTBAおよびDLM試料は、貯蔵期間の始まりおよび高酸素MAPにおける冷蔵貯蔵7日後に同様な赤色を示した。その上、赤色は、真空下での冷蔵貯蔵7日後に、HMTBA試料(P=0.033)およびDLM試料(P=0.0058)において有意に増大した。さらに、HMTBA試料は、適用した2つの包装系の間で赤色における有意差を示した(P=0.020)。
黄色については、包装および食餌の有意な相互作用が存在しなかった(P=0.21)。しかし、黄色は包装によって有意に影響された(P<0.0001)が、食餌によって影響されなかった(P=0.94)。試料の黄色は、冷蔵貯蔵の間有意に増大し、MAPよりも真空貯蔵の間、より増大した。HMTBA試料も、真空と高酸素貯蔵の間に有意差があったが(P=0.0092)、一方対照試料は、真空とMAP貯蔵の間で差の傾向を示すだけで(P=0.075)、またDLM試料は適用した包装系の間で全く差異を示さなかった(P=0.56)。
飽和指数については、包装および食餌相互作用が存在しなかった(P=0.15)。しかし飽和指数は包装によって有意に影響された(P<0.0001)が、食餌によって影響されなかった(P=0.81)。対照およびDLM試料の飽和指数は、最初の指数から、真空およびMAP陳列期間後の指数まで有意に増大した(P<0.001)。しかし、HMTBAの補充は、MAP貯蔵の間飽和指数を有意に増大させなかったが、その代り2つの貯蔵条件間で有意差をもたらした(P=0.0014)。
Warner−Bratzlerせん断力(WBSF)
機器硬度(N)の目安としてWBSFを使用した。WBSF値は、陳列期間7日の間真空包装ポークチョップについて、高酸素MAPで貯蔵したチョップよりも有意に低かった(P<0.0001)。食餌の有意な効果は存在しなかった、しかし、食餌効果に向かってある傾向が観察された(P=0.059)。数値的には、それぞれの包装系内で、HMTBAおよびDLM群は、対照群よりも著しく低いWBSF値を示した。事実、DLM補充計画は、対照食餌と比較してより低いWBSF値への強い傾向を示した(P=0.055)。さらに、高酸素MAP中で貯蔵したメチオニン処理した試料の「硬度」は、真空包装した対照試料から得られた「硬度」に等しいことが見出された。表3を参照されたい。
遊離タンパク質チオール
タンパク質酸化は、遊離チオールのレベル(チオールナノモル/mgタンパク質)の低下として測定した。表4に、主効果の最小二乗平均を示している。包装および食餌が,相互作用に向かう傾向を示した(P=0.091)。メチオニン補充は、食肉試料が真空下(非酸化性環境)で貯蔵された場合、遊離タンパク質チオールのレベルを上昇させると思われたが、食肉試料がMAP(酸化性条件)中で貯蔵された場合に遊離タンパク質チオールのレベルは低下した。したがって、DLMを補充した豚からの食肉は、遊離チオールのレベルにおいて、2つの包装計画の間で有意差があった(P=0.0012)。HMTBA群内で、差がある強い同様な傾向があったが、これはこの試料規模では有意に至らず(P=0.056)、さらに対照群では差異は見出されなかった(P=0.51)。しかし、真空下で貯蔵した試料が、MAP中で貯蔵した試料よりも有意に高い遊離チオール基の量を示した点で、遊離チオール基の含量が、適用した包装方法によって有意に影響された(P<0.0001)と結論することができる。
チオバルビツール酸反応物質(TBARS)および筋肉脂肪含量
脂質酸化の目安としてTBARSを使用した(マロンジアルデヒドmg/食肉kg)。食餌の有意な効果はなかった(P=0.41)。
実験1の考察および結論
すべての反応および化学的試験には、ある程度不明確性または障害がありがちであり、本研究も例外ではない。使用した条件下で、DTNBは、サルファイト、チオサルフェート、亜硫酸水素塩、シアナイドおよびサルファイドと反応することも知られており、したがってこれらのすべてがSH測定を妨害している恐れがある(Ref)。同様に、原則として、硫黄含有アニオンを有するどんな物質も、pH8でやはりDTNBと反応するであろう(Hofmann&Hamm、1978)。その上、メチオニン(10μg)が、DTNBの存在下において黄色を生じることが見出されており、したがって、0.5Mホスフェート緩衝液中のpH8.0でのチオール基の測定を妨害する(Owens&Belcher、1965)。
真空下で貯蔵したポークチョップは、高酸素MAP中で貯蔵したチョップよりも低いWBSF値を有する(たとえば、より柔らかである)ことが見出された。多くの点で、このことにより、より低い柔らかさは、高酸素MAP中で貯蔵した新鮮な食肉のよく知られている現象(Torngren、2003;Sorheim et al.、2004;Clausen et al.、2009;Lund et al.、2007)であることが予想されるはずであった。しかし、本研究は、2つの型のメチオニン補充製剤、DLMおよびHMTBAが、高酸素雰囲気中で貯蔵したポークチョップの酸化安定性および柔らかさを向上させることが可能であるかどうかを確立することを追求した。機器的に測定した硬度に関連した、食餌の全体的効果は存在しなかった。しかし、数値的に、DLMおよびHMTBA群は、それぞれの包装系の中で対照群(>8ニュートン)よりも著しく低いWBSF値を示した(表3)。DLM補充計画は、対照用食餌よりも低いWBSF値に向かう強い傾向を示した(P=0.055)。このことは、適用した貯蔵条件のいかんに係らず、DLM処理が、より良好な死後の軟化をもたらすことを示している。さらに、高酸素MAP中で貯蔵したDLM処理試料の「硬度」は、真空包装した対照試料から得られた「硬度」と等しいことが見出された(表3)。このことは、DLM補充計画が、酸化性条件下で貯蔵したポークチョップの柔らかさを、最適条件すなわち真空下で貯蔵した補充しない豚のポークチョップのそれと同一のレベルまで改善する能力を有することを示すように思われる。
遊離チオールのレベルは、真空貯蔵した食肉で最高であり、またMAP中で貯蔵した食肉で最低であり、後者においてより高いタンパク質酸化レベルを示した。さらに、試料が酸素なしで貯蔵される場合、DLMおよびHMTBA群の遊離チオールレベルは、対照群のそれよりも数値的に高かった。食肉が酸化性環境で貯蔵される場合、すべての食餌計画内において、遊離チオールのレベルは低下した。対照群は、真空とMAPの間で1.8単位の差を示した。HMTBAおよびDLM群の遊離チオールのレベルは、酸素のない貯蔵から高酸素MAP中の貯蔵まで、それぞれ3.5および6.0単位低下した。
DLMが、真空下で陳列した場合と、MAP中で貯蔵した場合の両方で最も柔らかい食肉をもたらし、また同時に、それぞれ最高(真空)と最低(MAP)両方の遊離チオールのレベルを示すことは矛盾と思われる可能性がある。しかし、メチオニンは、目標タンパク質をプロテアーゼにより分解するためROSを捕捉でき、細胞の情報伝達に包含され、また酵素活性の制御に包含される可能性がある(Stadtman et al.、2003)。これらの生物学的過程が、新鮮な食肉の酸化安定性と死後の食肉の軟化過程の両方に影響を及ぼす可能性がある。酸素なしで貯蔵したDLM試料において見られる遊離チオールのより高いレベルは、食肉タンパク質のプロテアーゼ感受性の改善を反映し、これが軟化の改善につながると推測してもよい。酸化性環境における貯蔵の間、メチオニンによるプロテアーゼ分解のためのタンパク質目標設定が、その酸化防止挙動のため曇らされる可能性がある。そのラジカル捕捉機作(Stadtman et al.、2003)によって、重要タンパク質の酸化を防止もしくは遅延するため、メチオニンが容易に酸化されるという意味で、メチオニンは酸化防止剤として作用するので、高レベルのメチオニンが存在すると、食肉が酸化性環境で貯蔵される場合、遊離チオール基のレベルは、より高範囲まで低下するはずである。このことは、本研究において見出された結果と十分に一致する。メチオニンの酸化防止効果がないと、タンパク質の立体配座的変化が起こる恐れがある(Stadtman et al.、2003)。このことは、真空貯蔵に比べて高酸素MAP中における貯蔵においてなぜ硬度が上昇するかを説明する助けになり得る。
脂質の酸化に関して、確認の対試料t試験から食餌の効果は得られなかった。生のデータが不均一な分散を示したので、包装の効果を測定することが不可能であった。不均一性は、適用した包装系、したがって、包装系における酸素のレベルに関連していると思われた。真空(酸素なし)は低い分散を有し(試料材料が酸化されていないため)、一方、MAP(高酸素レベル)は、(不均一な)酸化が起こるためにかなり高い分散を生じるので、分散が包装系間で異なる可能性が高いと考えられた。生データを調べることによって、適用した給餌計画に係らず、TBARSレベルが真空包装したポークチョップについて等しく(1.47〜1.72mgマロンジアルデヒド/kg食肉)、またこれがMA貯蔵の間に見られるTBARSレベルよりも低いことが明らかになった。MA貯蔵の間、2種のメチオニン処理は、等しいTBARSレベル(4.99mgマロンジアルデヒド/kg食肉)をもたらし、これが対照試料のレベル(7.08mgマロンジアルデヒド/kg食肉)よりも低かった。
例2
sEMG(表面筋電図検査)、sECG(表面心電図検査)および呼吸作用測定
動物および飼料−−低、正常および高メチオニン
食餌007−低メチオニン:材料量%:
コムギ37.17;オオムギ35.0;ダイズbrun(Hiproタンパク質46%)15.0;Wheta brun10.0;ホスホラン0.5;NaCl0.35;ミネラル添加剤0.3;ビタミン添加剤0.03;L−リジン(lizyne)(工業的に純粋)0.15。合計:100.0
成分 1000g中の量(g):乾燥物881;リジン(Lizine)9.67;メチオニン2.52;トリプトファン2.23;トレオニン6.39;アルギニン11.4;粗タンパク質169;Ca8.98;Na1.58;繊維32.5;ヒスチジン4.57;イソロイシン6.89;Lecin 13.0;バリン(Valine)8.33;フェニルアラニン+チロシン(tyrozine)14.3;Mg1.94;K7.69;Mg155mg;J2.45mg;Cu36.3mg;Fe273mg;S1.97g;Zn214mg;Co1308mg;Se0.636mg;ビタミンA国際単位15080;ビタミンD3国際単位3000;ビタミンE 60.3mg;ビタミンK3 1.5mg;ビタミンB1 6.98mg;ビタミンB6 8.15mg;ビタミンB12 30.6mg;ビチン(Bitin)0.237mg;葉酸1.53mg;ニコチン酸88.2mg;パントテン酸21.3mg;コリン1564mg;リノール酸2805mg;灰分42.9g。
食餌008−正常メチオニン:材料量%:コムギ37.17;オオムギ35.0;ダイズbrun(Hiproタンパク質46%)15.0;Wheta brun10.0;ホスホラン0.5;NaCl0.35;ミネラル添加剤0.3;ビタミン添加剤0.03;L−リジン(工業的に純粋)0.15;合計:100.0
成分 1000g中の量(g):乾燥物881;リジン9.67;メチオニン3.99;トリプトファン2.23;トレオニン6.39;アルギニン11.4;粗タンパク質169;Ca8.98;Na1.58;繊維32.5;ヒスチジン4.57;イソロイシン6.89;Lecin 13.0;バリン8.33;フェニルアラニン+チロシン14.3;Mg1.94;K7.69;Mg155mg;J2.45mg;Cu36.3mg;Fe273mg;S1.97g;Zn214mg;Co1308mg;Se0.636mg;ビタミンA国際単位15080;ビタミンD3国際単位3000;ビタミンE 60.3mg;ビタミンK3 1.5mg;ビタミンB1 6.98mg;ビタミンB6 8.15mg;ビタミンB12 30.6mg;ビチン0.237mg;葉酸1.53mg;ニコチン酸88.2mg;パントテン酸21.3mg;コリン1564mg;リノール酸2805mg;灰分42.9g。
食餌009−高メチオニン:材料量%:コムギ37.17;オオムギ35.0;ダイズbrun(Hiproタンパク質46%)15.0;Wheta brun10.0;ホスホラン0.5;NaCl0.35;ミネラル添加剤0.3;ビタミン添加剤0.03;L−リジン(工業的に純粋)0.15;合計:100.0
成分 1000g中の量(g):乾燥物881;リジン9.67;メチオニン7.41;トリプトファン2.23;トレオニン6.39;アルギニン11.4;粗タンパク質169;Ca8.98;Na1.58;繊維32.5;ヒスチジン4.57;イソロイシン6.89;Lecin 13.0;バリン8.33;フェニルアラニン+チロシン14.3;Mg1.94;K7.69;Mg155mg;J2.45mg;Cu36.3mg;Fe273mg;S1.97g;Zn214mg;Co1308mg;Se0.636mg;ビタミンA国際単位15080;ビタミンD3国際単位3000;ビタミンE 60.3mg;ビタミンK3 1.5mg;ビタミンB1 6.98mg;ビタミンB6 8.15mg;ビタミンB12 30.6mg;ビチン0.237mg;葉酸1.53mg;ニコチン酸88.2mg;パントテン酸21.3mg;コリン1564mg;リノール酸2805mg;灰分42.9g。
第1の試験
豚([ヨークシャー×スエーデン在来種]×ハンプシャー)(n=10×3)には、毎日2回彼らの体重の2%のそれぞれの食餌(高もしくは低メチオニン食餌のいずれか)を、水は制限なく給餌した。
第2の試験
豚([ヨークシャー×スエーデン在来種]×ハンプシャー)(n=10×3)には、毎日2回彼らの体重の2%のそれぞれの食餌(高もしくは低メチオニン食餌のいずれか)を、水は制限なく給餌した。
sEMG測定
朝食後、それぞれの豚についてsEMG測定を行った。右手の背最長筋の領域を剃り、サンドペーパーをかけ、その後最終肋骨の直前部および背最長筋の本体上方に記録電極2個を置き、基準電極を豚の耳の裏部に置いた。
2つの長方形の刺激電極を、互いに隣り合って(接触しないで)また記録電極の前に置き、その後10、20、60、150および200Hzで筋肉を刺激し、その後の応答を記録した。2つの導線を、腹の最終肋骨のいずれかの側面の位置において基準電極と「三角形」を形成し、呼吸運動とsECGシグナルの両方を記録する役割を果たすようにした。
方法
sEMG記録
本研究では、単および複差動電極配置の両方を使用し、電極(N−00−S & R−00−S;Blue Sensor, Medicotest A/S, Olstykke, Denmark)は、Harrisonらにより以前に記述された配置とした(Harrison,A.P.,A.H.Nielsen,I.Eidemak,S.Molsted,&E.M.Bartels.The uremic environment and muscle dysfunction in man and rat.Nephron.Vol 103:33〜42,2006)。ML780PowerLab/8s A/D変換器に接続したML132増幅器(AD Instruments、Chalgrove、Oxfordshire、UK)を介して、Chart v.3.6.3/sソフトウエア、ピークパラメーターおよびスパイクヒストグラム拡張機能を有するMacBook Airにさらに接続して、表面筋電図検査法記録を取った。入力インピーダンスは200MΩ差動であり、それぞれ3Hzおよび500Hzのハイパスフィルターおよびローパスフィルターを使用した。サンプリング速度は毎秒40,000に設定した。
sEMG測定
検知器サイズを含む検知器最適配置、個々の筋肉位置ならびに記録および解析手順を記録するHermensら(1999、Hermens HJ,Freriks B,Merletti R,et al:SENIAM 8 European Recommendation for Surface ElectroMyoGraphy.Published by Roessingh Research and Development b.v.ISBN90−75452−15−2)によるSENIAM計画によって詳述されるEuropean Recommendation for Surface ElectroMyoGraphyにおいて設計された指針に忠実に従った。
Andesenらによって以前に記述されたように、背最長筋からの表面電極によりsEMGシグナルの差動記録を行った(2008,Andersen NK,Ravin LS,Guy JH,Edwards SA & Harrison AP,Postnatal changes in electromyographic signals during piglet growth, and in relation to muscle fibre types.Livestock Science 115:301〜312)。刺激周波数60、150および200Hzで非侵襲的誘発sEMG測定が得られ、それが次に、多数の運動ユニットの集合活性である、M波とも呼ばれる誘発された複合筋活動電位(CMAP)を生じた。簡単にいうと、双極差動電極配置を、使い捨てAg−AgCl記録用筋電図検査電極により、設定電極間距離16〜19mmで左背筋上方の露出した皮膚表面に取り付けた(Andersen et al.,2008)。共通モード擾乱シグナルを最小にする接地電極を、豚の耳に設置した。Palsflex電極(Danmeter、DK)を介し、32mAの2msパルスにより設定周波数(Hz)(Digitimeter DS3独立刺激装置、Digitimer、UK)の範囲にわたって刺激を行った。
sEMGシグナル解析
記録したsEMGシグナルは、チャート解析ソフトウエア(AD Instruments、Chalgrove、Oxfordshire、UK)を使用し頂点間振幅(mV)に関してアクセスされた。
呼吸およびsECG解析
腹部のいずれかの側の最終肋骨の位置に置いた電極、および耳に置いた基準電極を使用して、アイントホーフェン三角形を作り出し、ECG(パルス心拍数)と、横隔膜の動きによる呼吸数の両方を記録することが可能であった。記録したシグナルは、心拍数、呼吸数およびQ−T間隔(心室が脱分極および再分極するのに要した時間)に関して、チャート解析ソフトウエア(AD Instruments、Chalgrove、Oxfordshire、UK)を使用して評価した。
結果
sEMG測定
EMG測定により、それぞれの処置(DLMおよびHMTBA)に従って、処置しない対照と比較して、豚の背最長筋の表面EMG記録における変化が検出された。図2を参照されたい。図2から、異なる処置群間で生じた種々の周波数で測定した振幅(mV)における急速な変化が見られることが明らかである。
対照(処置しない)および処置(DLM)前の群は、同様なシグナル応答を有すること、たとえば、処置しないまたは処置前では、背最長筋が、電気刺激に対して同様な形で応答することに注目されたい。
しかし、処置(DLM)前と処置後群(黄色 対 青色)間のsEMG頂点間振幅において、明らかな改善が存在し、1週間の食餌補充の筋肉成長/性能に関して、明らかな利益を示している。
しかし特に興味深いのは、HMTBAの1週間のDLM食餌補充で見られた筋肉成長/性能におけるより一層大きな改善である−−対照(処置しない)レベルと比較してほとんど100%改善。
呼吸作用およびECG解析
sEMG記録の他に、呼吸数(呼吸/分)および心拍数(bpm)の非侵襲的測定、ならびに、心室が脱分極および再分極するのに要した時間、いわゆるQ−T間隔に関する、記録したECGの解析を得ることができた。
表1は、90〜100kg屠殺重量豚の呼吸作用および心拍数、ならびにQ−T間隔への、DLMによる1週間食餌補充の効果を表している。値は、いくつかの豚の平均であり、「n」は、1群当りの動物頭数を表す。(ns)は、全く有意でなかった平均間の差を示す。
表1から、DLMによる1週間食餌補充が、これらの屠殺重量豚において、呼吸数の低下、より遅くまたより静かな心拍数、およびより長いQ−T間隔のような生理学的変化をもたらし、これらのすべてが弛緩した生理的状態を示すものである点を見ることができる。
実際、現行の制約されたデータ組合せの中で、Q−T間隔における変化だけが統計的に有意であるが、全体として見ればこれらのデータは、採取され(鼻および身体にロープをかけ保持する取扱い;採取前に追いかけられる)、記録用三角布によって課せられた制約、加えて極めて接近して5〜6人のヒトの存在、また最後に背最長筋の電気刺激というかなりのストレスがかかっているにも拘らず、処置した豚は、より少なくストレスがかかっているとの生理学的徴候を示しているので、極めて注目に値するものである。
したがって、メチオニンDLM食餌は、処置されない豚と正確に同一レベルの取扱いおよび測定ストレスに曝された、これらの屠殺重量豚に、明らかに鎮静/ストレス防止効果を有すると思われる。
食肉品質
方法
豚は、スエーデンにある商業的屠殺場で、休息時間5時間後に屠殺された。死後45分に、背最長筋の第10肋骨のレベルでpH(Knick portamess751)および温度(デジタル温度計、Weber)を測定した。死後48時間に、腰部全体を屠体から切り裂き、さらなる測定のためコペンハーゲン大学に輸送した。最終pH、ならびにミノルタLによる色を測定した。筋肉試料を105℃で24時間乾燥することによって、乾燥物含量を測定した。厚さ3cmのスライスを切断、測定および真空包装した後、2℃でさらに7日間貯蔵した。貯蔵期間の終わりに、試料を、内部温度75℃まで加熱した。冷めた後、試料を2℃で冷蔵し、その後、せん断力測定のため、これらを切断して大きさ1cm×1cm×2.5cmのスラブとした。それぞれの動物について、供試体8点を測定し、平均最大荷重を、さらなる解析に使用した。しかし、供試体のどれかが、平均値からの2標準偏差を超える最大荷重を有する場合、それらの供試体を異常値のものとみなし、計算から除外した。
結果
早期の食肉品質のパラメーターに関して、種々の給餌計画の有意な効果は、観察することができなかった(表2)。屠体温度が幾分高かったが、すべての場合に早期の死後pHが5.8を超えたままであったため、どの豚もPSE症候群を発現しなかった。このことは、この特定の場合における幾分高い屠体温度が、輸送および/または待ち時間の間のストレスのためではなく、むしろ、熱湯で行われた湯はぎ(scalding)手順のためであったことを証明している。
死後2日に行われたすべての測定は、「正常」範囲内にあり、その上、どの背最長筋もDFD食肉の兆候を示すものはなく、また色測定も正常であることが見出された。
DLM群の幾分高い最終pHは、加工製品に関して利点である一方、他の群のより低いpHは、食肉により良好な風味をもたらすと期待してもよいであろう。
HTMBA群のより高い乾燥物含量は、より高い筋肉間脂肪含量に関連して説明してもよく、この群が、仕上げ期間の間より高い改善を示したからであろう。
貯蔵7日後、高メチオニン補充食餌を給餌していた群は両方とも、対照群のそれと比較して、優れた食味の証拠を示した(図3を参照されたい)。このことは、対照(2)のそれと比較して、DLM(1)およびHMTBA(3)群のより低いせん断力値によって示されている。
結論
sEMG測定
sEMGデータの結果として、高メチオニン(DLM(すなわちDL−メチオニン)もしくはHMTBA(すなわち2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタン酸))食餌は、「ストレスの多い」状況、たとえば、離乳、場所替えおよび屠殺、の1〜2週間前に豚に投与しなければならない。それは、筋肉の正常な機能発現に不可欠である筋肉膜導路におけるメチオニン残渣の酸化に起因する損害を最小化するため、また、ストレスの多い状況の前に豚に鎮静をもたらすためである。
呼吸作用およびsECG解析
DLMによる1週間の食餌補充は、屠殺重量豚における生理学的変化、たとえば、1)呼吸数の低下、2)より遅く且つより静かな心拍数、および3)より長いQ−T間隔をもたらした。これらはすべて弛緩した生理学的状態を示すものである。
明らかに、メチオニン食餌は、屠殺場まで何らかの距離屠殺豚を輸送する必要がある人達にとって鎮静効果/利益を有する。
食肉品質
豚を肥育生産する仕上げ期間の間におけるメチオニン補充は、貯蔵後の食肉の優れたきめ特性をもたらす。

Claims (15)

  1. 食肉の柔らかさを改善する方法であって、屠殺前食餌としてメチオニンを動物に投与する工程を含む方法。
  2. 前記食肉が、鳥の食肉、魚の食肉、または非ヒト哺乳動物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記食肉が、豚肉、牛肉、雌鳥、鶏肉、七面鳥の肉、魚肉からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記メチオニンが、メチオニン補充製剤の形態で投与される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記投与されるメチオニンが、L−メチオニンの形態であるか、または、合成メチオニン供給源、例えばDLM(すなわち、DL−メチオニン)もしくはすべてのその塩形態、その類似体(例えば2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸またはすべてのその塩形態)、その誘導体(例えば2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸イソプロピルエステルまたは任意の他のエステル)の形態であるか、またはそれらの混合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記メチオニンが、前記動物に屠殺前1日当り体重1kg当り0.1〜1gの総メチオニンとして投与される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記メチオニンが、一日所要量を0.3〜0.6%超えて前記動物に投与される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  8. 前記メチオニンが、屠殺の30日前〜1日前に投与される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記メチオニンの投与が、前記動物に経口的に行われる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. メチオニンを含む動物屠殺前食餌であって、前記メチオニンが、屠殺の30日前〜1日前に、1日当り体重1kg当り0.1〜1gの投与量で、または一日所要量を0.3〜0.6%超える投与量で前記動物に給餌される、屠殺前食餌。
  11. 前記動物への、少なくとも1種のさらなる飼料原料をさらに含む、請求項10に記載の屠殺前食餌。
  12. 屠殺した動物からの食肉であって、前記動物が、請求項10又は11に記載のメチオニンを含む屠殺前食餌を給餌されている、食肉。
  13. 屠殺した動物からの食肉を少なくとも一部含む製品であって、前記動物が、請求項10または11に記載のメチオニンを含む屠殺前食餌を給餌されている、製品。
  14. 鳥の食肉もしくは魚の食肉、または非ヒト哺乳動物の柔らかさを改善するための、メチオニンの使用。
  15. 前記メチオニンが、L−メチオニンの形態であるか、または、合成メチオニン供給源、例えばDLMもしくはすべてのその塩形態、その類似体(例えば2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸またはすべてのその塩形態)、その誘導体(例えば2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸イソプロピルエステルまたは任意の他のエステル)の形態であるか、またはそれらの混合物である、請求項14に記載の使用。
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