JP2014531779A - 光出力装置および光送信機の制御方法 - Google Patents

光出力装置および光送信機の制御方法 Download PDF

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Abstract

変調制御に使用される低周波ディザによって発信信号の信号劣化を引き起こすことなく、QAMフォーマットで変調した光波を発信するIQ変調器の制御を発信することは困難であるため、本発明の一様態による光送信機の制御方法は、2つ以上のバイナリ電気信号を結合することにより、マルチレベル電気信号を生成するステップを備え、マルチレベル信号は、バイナリ電気信号のいくつかに低周波ディザ信号を加えるよう変調器を駆動するために使用され、加えられたディザ信号の位相は、それが加えられたバイナリ信号の値に依存し、本方法はさらに、変調器後方の光部位を取り出し、取り出した光からモニター信号を生成するステップと、モニター信号により変調器を制御するステップとを備える。

Description

本発明は、一般的には光通信技術に関し、より具体的には記号毎に1バイナリ・ビット超の符号化を行うマルチレベル変調フォーマットに基づく光通信技術に関する。
光ファイバーリンクへの投資を最大限生かすには、当該リンクの容量を増加することが望ましい。これは、当該リンク上を送信される信号のスペクトル効率(SE)を向上すること、つまり送信される情報に対してより効率的な変調フォーマットを使用することによって達成することができる。これは、波長分割多重(WDM)との連携において使用することができる。10Gb/sまでの伝送速度を有する光通信システムは主として変調にオン/オフ・キーング(OOK)を利用し、情報は光波信号の2つの振幅レベルにおいて符号化される。さらに、より高容量のシステムでは四相位相偏移(QPSK)に基づく変調方式を利用し、情報を4つの位相レベルにおいて符号化する。従って、送信記号ごとに2バイナリ・ビットが符号化できる。これは、非特許文献1(NPL1)に述べられている。このように、情報送信に要求される光スペクトルの必要帯域をより効率的に使用することにより、多くの情報を固定の帯域において送信することができるようになる。
送信チャンネル毎のスペクトル効率、ひいてはリンク容量を一層向上する他の方法には、直交位相振幅変調(QAM)の使用があり、記号が位相および振幅レベルで符号化され、直角位相のマルチレベル振幅の組み合わせとしてまとめられる。QAMシステムの例が非特許文献2(NPL2)に開示されている。NPL2では、変調フォーマットが16QAMであり、情報が16レベル、すなわち記号毎に4バイナリ・ビットに符号化される。これにより、QPSKと比してスペクトル効率を向上することができる。
QAMフォーマットの情報は、時としてソースに応じてカーテシアン変調器、ベクトル変調器、デュアルパラレル変調器、もしくはネスト型変調器と称される光IQ変調器(同相直角位相変調器)によって変調することができる。IQ変調器において、電気信号は、ソースに応じて子マッハツェンダ変調器(MZM)もしくはネスト型MZMと称することのできる2つの独立したマッハツェンダ装置を駆動する。子MZMは同一の光搬送波の位相および振幅を変調する。それらの出力のうちの1つの位相は、再結合に先立って90度遅延する。子MZMの出力間の位相遅延は、直交角度と称することができ、理想的には180度を法として90度である。このようなIQ変調器は、QAMフォーマット用のNPL2において使用され、かつQPSK変調用のNPL1においても使用される。このようなIQ変調器は、QAMフォーマットの効率的かつ実証された実施方法を提供する。
QAMフォーマットについてより具体的には、IQ変調器を駆動するのに使用される電気信号は、NPL1に示されるような、QPSK変調に使用されるバイナリ信号とは対照的なマルチレベル信号である。例えばNPL2において、前記マルチレベル信号は4レベル信号であり、その記号は独立のデータレーンの2バイナリ・ビットで生成される。NPL2の場合、2ビット、つまり最上位ビット(MSB)および最下位ビット(LSB)は、ソースによっては出力デジタル・アナログ変換器(DAC)と称される方式によって結合される。パワーDAC方式は、4レベル信号において結合される2バイナリ・ビットについて非特許文献3(NPL3)に詳述されている。LSB信号は減衰器によってMSBと比較して減衰され、両信号はパワー・コンバイナとして使用されるパワー・ディバイダによって加算される。拡張により、より高レベルカウントのマルチレベル電気駆動信号を生成するパワーDACで、より高指数のQAMフォーマットを得ることができる。例えば非特許文献4(NPL4)によると、パワーDACで64QAMが生成され、64QAM信号はより高いスペクトル効率を許容する。NPL4において使用されるパワーDACは、非特許文献(NPL5)に説明されており、NPL3で使用されるパワーDACと同一の機能に加えてバイナリ信号再生、DCオフセット、およびアクティブ増幅の機能を備える。NPL5のパワーDACによると、3つのバイナリ信号の振幅が調整されることにより、前記バイナリ信号の結合後に8レベル信号が適切なレベル電圧で生成されるようにする。パワーDACはNPL3のように個別のRF(ラジオ周波数)要素から作成することができ、あるいはNPL5のように単一チップ上に一体化することもできる。QAMの生成に使用されるその他の方式にないパワーDACの利点とは、利用可能かつ実証された要素および技術によって作成できることであり、これによって低コストおよび高い信頼性を可能にし、即時に利用できること、また電力消費を抑えられることである。
さらに、気温変化または装置の経年劣化により、IQ変調器にDC(直流)バイアスのドリフトが発生することが知られている。影響を受けるバイアスには3種あり、すなわち2つの子MZM各々のDCバイアスと、角度を直角に設定するのに使用されるDCバイアスとがある。これはQPSK変調に関連して既知の事実であり、同一の構造を備えた変調器を使用する場合のQAMフォーマットに関連しても既知の事実である。バイアスのドリフトは、結果として変調器の不正確な設定に繋がり、送信信号の劣化を引き起こし、ひいては受信信号品質の劣化に繋がり、最悪の場合には受信信号の復号が不可能になる。この問題は、変調器が使用される送信機の製造段階または組立段階におけるその特性化試験において、また変調器が使用される際に明らかになる傾向にある。この問題は、ООK、位相偏移(PSK)変調、およびQPSKにつき、変調器のバイアスを制御し、かつDCバイアス変化を補償するような制御を行う自動バイアス制御(ABC)を使用することによって解決される。このようにABC技術により、IQ変調器のDCバイアスドリフトのドリフトを管理することができ、正確な変調および最適化を実現することができる。
例えば特許文献1(PTL1)には、ABC方式からなり、IQ変調器のバイアスを制御することができ、QPSKまたはQAMフォーマットでも変調される光信号を発信する送信機が開示されている。ABC回路の制御機構は、制御対象のDCバイアス上またはIQ変調器を駆動する電気信号上に刷り込まれた低周波ディザまたはディザ信号に依存している。このようにABC制御のための低周波ディザ信号に依存した方法は、コストおよびサイズの面で効率的であり、QPSKまでの変調フォーマットに対してその効率が実証されている。
特開2008−249848号公報
L.Nelson他、「Capabilities of Real−Time Digital Coherent Transcivers」欧州光通信会議(論文MolC5、2010) P.Winzer他、「Generation and 1200−km Transmission of 448−Gb/sETDM56−GbaudPDM16−QAM using a Single I/Q Modulator」(ECOC2010、PD2.2) P.Winzer他、「Spectrally Efficient Long−Haul Optical Networking Using 112−Gb/s Polarization−Multiplexed 16−QAM」(Journal of Lightwave Technology、第28巻、4号、2010年2月15日、547頁) A.H.Gnauck他、「Generation and Transmission of 21.4GbaudPDM 64QAM Using a High−Power DAC Driving a Single I/Q Modulator」、ОFC2011、PDPB2 A.Konczykowska他、「42GBd3−bit Power−DAC for optical communications with advanced modulation formats in InP DHBT」エレクトロニクスレターズ、2011年3月17日、第47巻、6号
しかしながら、QAMフォーマットの場合、子MZMの駆動電圧がMZMの送信曲線の最頂点付近にあり、ほぼゼロスロープとなっている(ほぼゼロの微分値)か、あるいは子MZMの送信曲線の最頂点および最下点の間に位置する傾斜の大きい(微分値が高い)領域にあるとき、データがIQ変調器によって生成される。駆動電圧が傾斜の大きい領域にある場合、低周波ディザ信号は、当該電圧が送信曲線の最頂部付近にある場合に比して格段に発信された記号の振幅および位相の変化を引き起こす。発信された記号は理想の記号からかけ離れるため、このような変化は信号品質の劣化を引き起こす。これは結果的に受信信号の品質劣化に繋がる。あるいは、ABC制御に使用される低周波ディザ信号の振幅を減じても、ABC制御に使用されるモニター信号を減じ、その結果、ABC制御の精度が低下し、発信された記号のさらなる劣化を引き起こすのみである。したがって、QAM変調では異なる傾斜の送信曲線領域において駆動されるMZMが使用されるため、QAMフォーマット変調用の変調器の制御に使用される低周波ディザ信号は、QPSK変調フォーマットの場合に比してさらに信号劣化を引き起こすことになる。したがって、ABC制御のIQ変調器で変調されるQAM信号の品質改善が求められる。
本発明の目的は、QAM信号の品質を改善する光送信機、装置、および光送信機の制御方法を提供することにある。
本発明によると、光出力装置であって、
2つ以上のバイナリ電気信号を結合し、前記2つ以上のバイナリ電気信号に、前記バイナリ電気信号のビットレートよりも低い、周波数fのディザ電気信号を加える結合ユニットと、
前記バイナリ電気信号の振幅を調整する調整ユニットと、
前記2つ以上のバイナリ電気信号を使用して、光信号を変調する変調ユニットとを備えることを特徴とする光出力装置が提供される。
本発明によると、光モジュールであって、
入力された光信号から電気信号を生成する光入力装置と、
出力される光信号を生成する光出力装置とを備え、
前記光出力装置はさらに、
2つ以上のバイナリ電気信号を結合し、前記2つ以上のバイナリ電気信号に、前記バイナリ電気信号のビットレートよりも低い、周波数fのディザ電気信号を加える結合ユニットと、
前記バイナリ電気信号の振幅を調整する調整ユニットと、
前記2つ以上のバイナリ電気信号を使用して、出力された前記光信号を変調する変調ユニットとを備えることを特徴とする光モジュールが提供される。
本発明によると、マルチレベル電気信号生成装置であって、
2つ以上のバイナリ電気信号を結合する結合ユニットと、
前記バイナリ電気信号の振幅を調整する調整ユニットと、
前記2つ以上のバイナリ電気信号に、前記バイナリ電気信号のビットレートよりも低い、周波数fのディザ電気信号を加える加算ユニットとを備え、
前記ディザ電気信号の位相は、前記ディザ電気信号が加えられる前記バイナリ信号の値に依存し、
前記ディザ電気信号の位相は、前記バイナリ信号のビット毎の変化の影響を受けやすいことを特徴とするマルチレベル電気信号生成装置が提供される。
本発明によると、光送信機の制御方法であって、
2つ以上のバイナリ電気信号により、前記送信機の変調器を駆動するために使用するマルチレベル電気信号を生成し、前記2つ以上のバイナリ電気信号に、前記バイナリ電気信号のビットレートよりも低い、周波数fのディザ信号を加えるステップと、
前記2つ以上のバイナリ電気信号を使用して、光信号を変調するステップとを備えることを特徴とする光送信機の制御方法が提供される。
本発明によると、QAM信号の品質を改善する光送信機、装置、光送信機の制御方法が提供される。
図1は、ABC回路で制御されるIQ変調器を備えた光送信機の概略図である。 図2は、図1の送信機において使用されるパワーDACの概略図である。 図3Aは、図2のパワーDACによるマルチレベル信号生成に使用されるバイナリ電気波形のアイダイアグラムである。 図3Bは、図2のパワーDACによって生成されるマルチレベル信号のアイダイアグラムである。 図3Cは、図1の送信機において使用されるMZMの送信特性を示す曲線である。 図3Dは、図1の送信機によって生成された光波信号の異なる条件下における配置マップである。 図3Eは、図1の送信機によって生成された光波信号の異なる条件下における配置マップである。 図3Fは、図3Dおよび図3Eにマッピングされた信号品質の概略を示すヒストグラムである。 図3Gは、低周波ディザ信号と結合された4レベル電気信号を描画したものである。 図4は、本発明の第1実施形態による光送信機の概略図である。 図5は、本発明の第1実施形態によるパワーDACの概略図である。 図6は、図5のパワーDACによって使用される回路の概略図である。 図7は、図5のパワーDACによって使用される回路の他の概略図である。 図8は、図5のパワーDACによって使用される回路の概略図である。 図9Aは、図5のパワーDACによって生成されるマルチレベル信号の波形チャートである。 図9Bは、図5のパワーDACによって生成されるマルチレベル信号の波形チャートである。 図9Cは、図4の送信機において使用されるモニター信号の波形チャートである。 図9Dは、図9Aの各信号に対して図4の送信機によって生成される光波信号の配置マップである。 図9Eは、図9Bの各信号に対して図4の送信機によって生成された光波信号の配置マップである。 図9Fは、図9Dおよび図9Eにマッピングされた信号品質の概略を示すヒストグラムである。 図10は、本発明の他の実施形態による送信機の概略図である。 図11は、図10の送信機において使用されるモニター信号の波形チャートである。 図12は、本発明の他の実施形態によるトランスポンダの概略図である。 図13は、図12の送信機において使用されるモニター信号の波形チャートである。 図14は、本発明によるマルチレベル信号生成に使用されるパワーDACの概略図である。 図15は、本発明の他の実施形態によるトランスポンダの概略図である。 図16Aは、図15のトランスポンダ内において図14のパワーDACによって生成されたマルチレベル信号の波形チャートである。 図16Bは、図15のトランスポンダ内において図14のパワーDACによって生成されたマルチレベル信号の波形チャートである。 図16Cは、図16Aおよび図16Bから生成された信号の品質を概略的に示すヒストグラムである。 図17は、図6に示す回路の出力信号の波形チャートである。
(実施形態の基本技術)
図1は、IQ変調器110およびABC(自動バイアス制御)回路120を備えた光送信機100の概略図である。図1に示す光送信機100は、論理バイナリデータストリーム198により、IQ変調器110で16QAMフォーマットに変調された光波信号199を発信する。シリアライザ/デシリアライザ101は、IQ変調器110のI成分用に2つのバイナリ信号とQ成分用にその他2つのバイナリ信号とを生成する。パワーDAC(デジタル・アナログ変換機)102は、シリアライザ/デシリアライザ101から送られた2つのバイナリ信号をドライバ104によって増幅された4レベル信号へと変換することにより、その振幅がIQ変調器110のI−子マッハツェンダ変調器(MZM)111に最適となるようにする。同様に、パワーDAC103は101によって生成された2つのバイナリ信号から4レベル信号を生成する。パワーDAC103により発信された4レベル信号は、変調器110のQ−子MZM112を駆動するため、ドライバ105によって増幅される。レーザ106は連続波(CW)を出射し、パワーDAC102および103によって生成された駆動信号によってIQ変調器110で変調され、ドライバ104および105によって各々増幅される。
IQ変調器110は、I成分およびQ成分用に各々使用される2つの子MZM111および112を備える。IQ変調器110はまた、位相シフト要素113および集積型モニター光検知器(PD)114も備える。位相シフト要素113により、IQ変調器110における直交角度を制御することができる。モニターPD114は、変調された光信号の強度と比例する電気信号を生成し、IQ変調器110の状態をモニターするために使用することができる。
ABC回路120は、モニターPD114より提供されるモニター信号によって、子MZM111および112のDCバイアス、ならびに位相シフト要素113を介して直交角度を制御するバイアスを制御する。ABC回路120は、I−子MZM111、Q−子MZM112、および位相シフト要素113のバイアスを各々制御するために各々独立の周波数f1、f2、およびf3にて正弦信号を生成する発振器131、132、および133によって生成されたディザを使用する。これら周波数は、数十ヘルツから数メガヘルツの範囲をとることができる。モニターPD114により生成されたモニター信号は、増幅器121によって増幅され、続いて分割器122により3つの均等な信号に分割される。
制御回路140は、分割器122の出力および発振器131によって生成された周波数f1の正弦電圧により、I−子MZM111のためのDCバイアスを生成する。バンドパスフィルタ141は、中心周波数f1を有し、f2およびf3におけるその他の周波数要素を除外するのに十分な狭さの帯域を有する。バンドパスフィルタ141の出力の振幅は、モニターPD114によって生成されるモニター信号のf1における周波数要素と比例する。位相比較器142は、バンドパスフィルタ141の出力の振幅、およびf1付近でバンドパスフィルタ141によって抽出された信号と発振器131によって生成されたf1における正弦信号との間の位相差に比例するエラー信号を生成する。バイアス回路143は、位相比較器142に生成されて周波数f1におけるディザ要素を有するエラー信号を最小化するべく、I−子MZM111のバイアスを制御するためのDC電圧を生成する。
もうひとつの制御回路150は、制御回路140と同一であり、中心周波数f2を有するバンドパスフィルタを備える。制御回路150は、制御回路140と同様に、モニターPD114により生成されたモニター信号と比例する分割器122の出力によって、Q−子MZM112のDCバイアスを制御する。
分割器122の第3の出力は、包絡線検出器160に送られるが、この包絡線検出器160の出力は中心周波数f3を有するバンドパスフィルタ161によってフィルタリングされる。包絡線検出器160の出力は、モニターPD114により生成されたモニター信号の信号反映RFパワースペクトルを生成する。ロック回路162は、ディザ周波数f3を使用して、バンドパスフィルタ161の出力に比例するエラー信号を生成する。最終的に角度バイアス回路163が、ロック回路162により生成されてディザ周波数f3を有するエラー信号を最小化する電圧を生成する。角度バイアス回路163により生成された電圧は、位相シフト要素113を介してIQ変調器110の直交角度を制御する。
図2は、図1の送信機100におけるパワーDAC102および103に使用することのできるパワーDACを参照符号200を付して描いた概略図である。パワーDAC200は、2つのバイナリ電気信号であり、各々MSBおよびLSBである2つの入力201および202を有する。パワーDAC200の出力203は、マルチレベル電気信号である。この場合、パワーDAC200は2ビットDACであるため、出力203は4レベル信号である。210は減衰器であり、信号202の振幅を減じる。通常、減衰器210の振幅は4dBから6dBの間であるが、その他の値であってもよい。増幅器220および230は、バイナリ信号を増幅し、またパワー・ディバイダ240からの反射を避けることにより、生成された出力203の品質を向上する。220および230は、200の機能にとって必要なものではないが、200の性能を向上するものである。パワー・ディバイダ240は、3つの抵抗241、242、および243から成る。パワー・ディバイダ240は結合器方式において使用され、2つのバイナリ電気信号が出力信号203に結合される。240の2つのバイナリ入力が異なる振幅を有するため、出力203は4レベルを有する。203の4レベルは、減衰器210の値の選択によって、かつ増幅器220および230のゲインによって設定することができる。
図3は、32Gbaud16QAM光信号用の、図1に示す光送信機100のシミュレーション結果を集めたものである。送信機は、装置102および103用の、図2に示すパワーDAC200を使用する。パワーDAC200(102および103)の減衰器210は、4.5dBに設定される。図3Aは、シリアライザ/デシリアライザ101の電気出力のアイダイアグラムである。図3Aに描画されたバイナリ信号は、パワーDAC200の入力に付与される。図3Bは、パワーDAC200(102および103)の出力のアイダイアグラムである。図3Bの信号は4レベルを有し、パワーDAC200(102および103)のMSLおよびLSB入力の2レベルの組み合わせからなる。
図3Cは、IQ変調器110の子MZM111および112として使用されるMZMの送信曲線である。横座標はVpiで正規化される入力電圧を示し、VpiはMZMの建設的干渉および相殺的干渉の条件間における電圧差である。点301および305は、建設的干渉点(最大送信)を表し、180度の位相差を有する。点303は、MZMの相殺的干渉点に対応する。送信機100のIQ変調器110において使用される際、子MZM111および112はDCバイアスが掛けられることにより、中心電圧がVpiに位置し、Vpiの2倍に等しい振幅の電気信号で駆動される。110の子MZM111および112がドライバ104および105による適切な増幅の後に図3Bに描画されたマルチレベル信号によって駆動されると、4レベルは図3Cの曲線上の点301、302、304、および305に対応する。
まず図3Dにおいて、光送信機100のABC回路120がOFFされ、低周波ディザ信号生成器131、132、および133もOFFされる。IQ変調器のDCバイアスが理想的に設定され、つまり子MZM111および112がVpiに設定され、直角位相が90度に設定される。変調信号の特性は光送信機100の温度変化のためにIQ変調器110の3つのDCバイアスのドリフトによって数十分以内に劣化するため、図3dの配置マップは理想的な設定の直後に測定したものである。描画された点は、光学的記号の中心で選択される。16QAM信号の16の記号には310から325までの連続符号が付されるが、その属性は慣例によってのみ選択されたものであり、バイナリデータストリーム198および発信信号199間で実施される符号化およびマッピングとの相関はない。記号310、314、318、および322については、IQ変調器110の子MZM111が送信曲線の点301に到達する電気記号によって駆動される。記号311、315、319、および323については、子MZM111が送信曲線の点302に到達する電気記号によって駆動される。記号312、316、320、および324については、子MZM111が送信曲線の点304に到達する電気記号によって駆動される。記号313、317、321、および325については、子MZM111が送信曲線の点305に到達する電気記号によって駆動される。直角位相側では、記号310、311、312、および313については、IQ変調器110の子MZM112が送信曲線の点301に到達する電気信号によって駆動される。記号314、315、316、および317については、子MZM112が送信曲線の点302に到達する電気信号によって駆動される。記号318、319、320、および321については、子MZM112が送信曲線の点304に到達する電気信号によって駆動される。記号322、323、324、および325については、子MZM112が送信曲線の点305に到達する電気信号によって駆動される。図3Dの配置マップ上において、記号は配置の理想点に非常に接近しており、このような配置マップは良好な特性を備えた送信機から期待されるものである。ABC回路120はこの信号品質を維持することが期待される。
また図3Eにおいて、ABC回路120および低周波ディザ信号生成器131、132、および133はОNされ、ABC回路120は、ABC回路120のDCバイアスが図3Dにおいて手動で設定された最適状態に確実に維持されるようにする。直接比較のため、図3Eの配置マップの記号には図3Dの配置マップと同一の参照符号が付されている。図3Eの記号がABC回路120の低周波ディザ信号の使用のために拡散していることが観察できる。これは、発信信号の品質劣化を意味し、結果として受信信号の劣化およびさらなるエラーに繋がる。あるいは、図3Eの配置上における記号間の距離を減じるであろうが、これはノイズに対する耐性を低下し、発信信号の歪みを意味する。記号311、312、315、316、319、320、323、および324はI子MZM111のDCバイアスに付与された低周波ディザ信号の影響を受ける。同様に、記号314、315、316、317、318、319、320、および321は、Q子MZM112のDCバイアスに付与された低周波ディザ信号の影響を受ける。子MZM111,112の場合、電気信号が図3Cのうち送信曲線の傾斜が大きい領域にある際に、低周波ディザ信号ディザが、発信される記号の品質を劣化させるであろうことが理解できる。QPSK変調ではこれらの点を使用しないため、この問題はQAM変調に特有の問題である。
図3Fは、エラーベクトル振幅を有する記号により、図3Dおよび図3Eの配置マップにおける信号品質を定量化し、まとめたものである。
Figure 2014531779
(1)
ここでSidealは配置マップ上の理想点であり、Smeasuredは送信機によって発信された点である。ABC回路120がDCバイアスの電圧ドリフトに関わらず発信された信号の品質を維持することになっている一方で、信号が送信曲線の送信曲線の傾斜の大きい領域内の点で生成される場合、QAM変調に対してさらなるペナルティを引き起こす。
あるいは生成器131および132によって発信された低周波ディザ信号f1およびf2は、子MZM111および112のDCバイアスに付与されるかわりにIQ変調器110を駆動するIおよびQ電気データに結合される。低周波ディザ信号に結合された4レベル電気信号が図3Gに描画されている。レベル330、331、332、および333は、ディザ信号が刷り込まれた4レベルを表す。同一のディザ信号周波数および振幅に対して、得られる信号配置は図3Eと同一である。
(第1実施形態)
図4は、IQ変調器410および自動バイアス制御(ABC)回路420を備えた光送信機400の概略図である。図4に示された光送信機400は、論理バイナリデータストリーム498により、IQ変調器410で16QAMフォーマットに変調された光波信号499を発信する。シリアライザ/デシリアライザ401は、図1のシリアライザ/デシリアライザ101と同一である。パワーDAC402は401から送られる2つのバイナリ信号を4レベル信号に変換し、この4レベル信号はドライバ404によって増幅され、その振幅がIQ変調器410に最適となるようにする。同様に、パワーDAC403がシリアライザ/デシリアライザ401により生成される2つのバイナリ信号から4レベル信号を生成する。さらにパワーDAC402および403は、ABC回路420の生成器431および432により生成された低周波ディザ信号により、その出力マルチレベル電気信号に低周波ディザ信号を刷り込む。ドライバ増幅器404および405は、図1のドライバ104および105と同一である。レーザ406は連続波(CW)を出射し、パワーDAC402および403により生成された駆動信号によってIQ変調器410で変調され、各々ドライバ404および405で増幅される。IQ変調器410は、図1のドライバ110と同一である。
ABC回路420は、IQ変調器410に一体化されたモニターPDにより供給されるモニター信号により、IQ変調器410の子MZMのDCバイアスおよび直交角度410を制御するバイアスを制御する。あるいは、光波信号499から取り出される光の一部を受信するIQ変調器410外部のPDを使用してABC回路420用のモニター信号を生成することができる。ABC回路420は、各周波数f1、f2、およびf3における正弦信号を生成する発振器431、432、および433により生成されるディザを使用する。周波数f1およびf2のディザ信号は、パワーDAC402および403によって使用され、周波数f3のディザ信号は、IQ変調器410の直交角度を制御するために使用される。周波数は、数十ヘルツから数メガヘルツの範囲をとることができる。増幅器421および分割器422は、図1の121および122と同一である。
制御回路440は、分割器422の出力により、I−子MZM111のDCバイアスを生成し、バンドパスフィルタ441でフィルタリングする。バンドパスフィルタ441は中心周波数f1を有し、f1とは異なるその他の周波数を除外するのに十分狭い帯域を有する。バンドパスフィルタ441の出力の振幅は、ABC回路420によって使用されるモニター信号のf1における周波数要素と比例する。回路442は、バンドパスフィルタ441の出力の振幅、およびf1付近でバンドパスフィルタ441によって抽出される信号と発振器431により生成されるf1における正弦信号との間の位相差とに比例するエラー信号を生成する。バイアス回路443は、回路442により生成されるエラー信号を最小化するため、I−子MZM111のバイアスを制御するためのDC電圧を生成する。443によって生成されるDCバイアスは、いかなる低周波ディザ信号も含んでいない。
その他の制御回路450は制御回路440と同一であり、中心周波数f2を有するバンドパスフィルタを備える。制御回路450は、制御回路440と同様に、ABC回路420により使用されるモニター信号と比例する分割器422の出力により、410のQ−子MZMのDCバイアスを制御する。
周波数生成器433は、図1の発振器133と同一である。制御回路460は、包絡線検出器160と類似の包絡線検出器と、バンドパスフィルタ161と類似のf3に中心周波数を有するバンドパスフィルタと、ロック回路162と類似のロック回路と、図1の角度バイアス回路163と同一のDCバイアス生成器とを含む。制御回路460により生成された電圧は、IQ変調器110の直交角度を制御する。
図5は、本発明の第1実施形態において使用される500の参照符号を付したパワーDACの概略図である。パワーDAC500は、図4に示す送信機400の装置402および403に使用することができる。パワーDAC500は、2つのバイナリ電気信号であり、各々MSBおよびLSBである2つの入力501および502を有する。パワーDAC500の出力503は、マルチレベル電気信号である。この場合、パワーDAC500は2ビットDACであるため、出力503は4レベル信号である。510は減衰器であり、図2に示すパワーDAC200の減衰器210と同一である。増幅器520および530はバイナリ信号を増幅し、またパワー・ディバイダ540からの反射をさけることで、生成された出力503の品質を向上する。低周波正弦波504が、分割器550を介して増幅器520および530に供給される。増幅器520および530は、分割器504から送られる低周波ディザ信号をその出力RF信号に刷り込む。また、刷り込まれたディザ信号の位相は、増幅器520および530のバイナリ入力のレベルに依存する。あるいは、刷り込まれたディザ信号の極性は、増幅器520および530のバイナリ入力のレベルに依存する。パワー・コンバイナ540は、増幅器520および530により出力された2つのバイナリ電気信号を出力信号503に結合するために使用される。パワー・コンバイナ540は、パワー・ディバイダ240に類似のパワー・ディバイダにより作成することができる。パワー・ディバイダ540の2つのバイナリ入力が異なる振幅を有するため、出力503は4レベルとなる。出力503の4レベルは、減衰器510の値選択ならびに増幅器520および530のゲインによって設定することができる。さらに、増幅器520および530の出力は増幅されたバイナリ信号のレベルに依存する低周波ディザ信号を有するため、出力503もまた低周波ディザ信号を有し、このディザ信号は出力503のレベルに依存する。
パワーDAC500は、個別のRF成分から作成することができる。あるいは、パワーDAC500は、集積回路(IC)チップで作成することもできる。あるいは、入力バイナリ信号502は、増幅器520で直接増幅され、続いて減衰器510で減衰されることもでき、これは減衰器510および増幅器520の順を逆に行うことに対応する。この場合、減衰器510および増幅器520の順を逆にしたパワーDAC500も依然として本発明の実施形態に適用可能である。
図4の光送信機400において、パワーDAC500に類似の2つのパワーDACが、パワーDAC402および403として使用される。パワーDAC402および403の入力は、401によって生成される2つのバイナリ信号である。パワーDAC402および403は各々、生成器431および432により生成された低周波ディザ信号を使用する。ディザ信号は、IQ変調器410のIおよびQ−子MZMを駆動するマルチレベル電圧に刷り込まれる。したがって、IQ変調器410のDCバイアスを制御するため、f1およびf2における周波数成分が410の内部PDによりモニターされ、ABC回路420により抽出することができる。
図6は、図5のパワーDAC500において使用される増幅器520および530に使用することができる増幅器回路600の概略図である。入力信号601は、高周波のバイナリ電気信号である。入力602は、低周波正弦信号である。入力信号601は、凝縮器620および増幅器610を通過する。増幅器610は、Vdテンション609によりバイアスが掛けられている。入力602は凝縮器622を通過し、増幅器610のバイアスに付与される。増幅器610の出力は、凝縮器621を通過し、回路600から高速信号603として出力される。高速信号603は、高速入力601からの増幅信号である。しかしながら、回路600のため、高速信号603は入力602と同一の低周波を有する低周波ディザ信号を有する。さらに入力601が高ければ、付与されるディザ信号値は入力601が低い場合の反対となる(ここでは、反対の振幅とは反対の位相と同一である)。したがって、高速信号603は低周波ディザ信号を有するバイナリ電気信号であり、その位相は入力される高速信号601のレベルに依存する。
図7は、図5のパワーDAC500において使用される増幅器520および530に使用することのできる他の増幅器回路700の概略図である。入力信号701は、高周波のバイナリ電気信号である。入力702は、低周波正弦信号である。入力702は、抵抗730によりバイアスの掛けられた電界効果トランジスタ(FET)710を通過する。出力信号703がFET710により発信される。入力信号701は、テンション708および709ならびに抵抗731によりバイアスの掛けられたFET711を通過する。出力信号703は、高速入力701からの増幅信号である。しかしながら、回路700のため、出力信号703は702と同一の低周波を有する低周波ディザ信号を有する。さらに高速信号701が高ければ、付与されるディザ信号値は高速信号701が低い場合と反対となる(ここでは、反対の振幅とは反対の位相と同一である)。したがって、出力信号703は低周波ディザ信号を有するバイナリ電気信号であり、その位相は入力される高速信号701のレベルに依存する。
図8は、図5のパワーDAC500に使用される増幅器520および530に使用することのできる他の増幅器回路800の概略図である。回路800は差動的であるため、図4のパワーDAC500および光送信機400につき差動設計を可能にする。入力信号801および802は各々、高周波の陽極および負極のバイナリ電気信号である。入力803は、低周波正弦信号である。入力803は電圧809でバイアスの掛けられたトランジスタ812を通過する。陽極および陰極の出力信号804および805がトランジスタ810および811により発信される。入力信号801および802は、抵抗830および831によりバイアスの掛けられたトランジスタ810および811を通過する。出力信号804および805は高速入力801および802からの増幅信号である。しかしながら、回路800のため、出力信号804および805は入力803と同一の低周波を有する低周波ディザ信号を有する。さらに入力信号801または802が高ければ、付与されたディザ信号値は入力信号801または802が各々低い場合と反対となる(ここでは、反対の振幅とは反対の位相と同一である)。したがって、出力信号804および805は低周波ディザ信号を有するバイナリ電気信号であり、その位相は入力された高速信号801および802のレベルに依存する。
図17は、図5に示すパワーDAC500において使用される図6に示す回路600の出力信号603の波形チャートである。図17において、信号603の2レベルには参照符号1701および1702が付されている。レベル1701は高レベルであり、入力信号601のレベルも高い場合のビットに対応する。レベル1702は低レベルであり、入力信号601のレベルも高い場合のビットに対応する。両レベル1701および1702はバイナリレベルであるが、図6の入力低周波クロック信号602の周波数と同一の周波数を有する低周波ディザも特徴づける。しかしながら図6の回路によると、レベル1701の低周波成分のピーク付近のバイナリ・ビットがレベル1702の低周波成分の最下部付近のバイナリ・ビットに付随するため、レベル1701に刷り込まれた低周波成分の位相はレベル1702の低周波成分の位相と反対となる(180度異なる)。この内容を同様に言い換えると、レベル1701に刷り込まれた低周波成分の振幅サインがレベル1702に刷り込まれた低周波成分のサインと反対となる。
図9は、32Gbaud16QAM光信号に対する、図4の光送信機400のシミュレーション結果を集めたものである。送信機は、パワーDAC402および403として、図5のパワーDAC500を使用する。パワーDAC500の減衰器510は、4.5dBに設定される。パワーDAC500の増幅器520および530は、図7の増幅器700に基づく。
図9Aは、図4に示す送信機400におけるパワーDAC402の出力の波形チャートである。DAC500の4つの出力レベルには、参照符号900、901、902、および903が付されている。レベル900および903において、500のMSBおよびLSBのレベルは同一で各々0および1であり、低周波ディザ信号が出力信号に刷り込まれている。注目すべきは、各バイナリ信号に刷り込まれたディザ信号の位相がバイナリ信号のレベルに依存することであり、レベル900および903に現れるディザ信号レベルの位相は、180度の位相差を有する。レベル901および902においては、MSBおよびLSBが反対(各々0/1および1/0)であるため、500の出力に現れる結果としてのディザ信号は、同一周波数であるが反対位相の2つのディザ信号の合計となる。したがって、結果としてのディザ信号は、より低い振幅を有するであろう。図9Aの場合、レベル901および902における低周波ディザ信号の振幅は、レベル900および903に比して低い。送信機から発信される信号の劣化は、送信機に使用される子MZMの傾斜の大きい領域に対応するレベルから引き起こされるものであるため、本発明を実施する送信機により、ペナルティを減じることとなるであろう。
図9Bは、異なる信号調整構成のための、図4に示す送信機400におけるパワーDAC402の出力の波形チャートである。DAC500の4出力レベルには、参照符号910、911、912、および913が付されている。レベル910および913においては、500のMSBおよびLSBのレベルは同一で各々0および1であり、低周波ディザ信号が出力信号に刷り込まれる。また、各バイナリ信号に刷り込まれたディザ信号の位相がバイナリ信号のレベルに依存するため、910および913に存在するディザ信号レベルが180度の位相差を有する。レベル911および912においては、MSBおよびLSBが反対となる(各々0/1および1/0)ため、パワーDAC500の出力に現れる結果としてのディザ信号は同一の周波数であるが反対の位相を有する2つのディザ信号の合計となる。本構成において、増幅器520および530のゲインおよび分割器550の出力における低周波ディザ信号の振幅が調整されることにより、増幅器920および930の出力における結果としてのディザ信号が互いに均衡がとれるようにする。したがって、結果としてのディザ信号はゼロに等しい振幅を有するため、もはやレベル912および913上に現れなくなる。また、ディザ信号均衡構成においても、本発明を実施する送信機により、ペナルティを減じることとなるであろう。
図9Cは、図4に示すバンドパスフィルタ441の出力の特性曲線である。横座標は、図3Cにおいて点303として表される、変調器410のI−子MZMに付与されるDCバイアスと最適なDCバイアスとの間の差を表す。図9Cの曲線は、変調器の値Vpiによって横座標上に正規化され、MZMの特性である周期性のために−1から+1の範囲に限定される。曲線920は、バンドパスフィルタ441の出力の振幅を表し、曲線921は、低周波ディザ信号生成器431により生成される信号に対して、バンドパスフィルタ441、バンドパスフィルタの出力の位相を表す。低周波ディザ信号は、図9Aに描画した波形のように、パワーDAC500により駆動信号に付与される。振幅特性には3つの最大値があり、1つは最適値である0に、その他2つは+1および−1にある。しかしながら、最適値のみが低周波ディザ信号生成器431により生成された信号の位相にあり、その他は反対位相にある。したがって、回路442が振幅に信号位相の余弦に比例する成分を掛け合わせるため、全体としての最大値は最適点(デルタI=0)となるであろう。振幅のその他2つの最大値は、位相が反対であるため、回路442の出力の最小値となる。回路443は、回路442の出力を最大化するため、変調器410のI−子MZMのDC成分を生成する。したがって、本構成によると、ABC420が変調器410のI−MZMのDCバイアスを制御することで、最適な条件となるようにする。制御回路450は、同様に、f1とは異なる周波数f2で変調器410のQ−子MZMのDCバイアスを制御する。制御回路460は、PTL1に開示されているような既知の方法によって直交角度を制御する。したがって、変調器410は最適な条件下でABC420により制御される。MSBおよびLSBが異なる場合に、パワーDAC500は低周波ディザ信号の振幅を減じるため、本発明により、低周波ディザ信号によって信号499に誘発されたペナルティが減じられることとなるであろう。
本発明の他の態様によると、パワーDAC402の出力が図9Bに描画されている。また、変調器410が最適条件下でABC420により制御される。MSBおよびLSBがゼロと異なる場合に、パワーDAC500が低周波ディザ信号の振幅を減じるため、本発明により、低周波ディザ信号によって信号499に誘発されたペナルティが減じられることとなるであろう。
まず図9Dにおいて、400のABC回路420がОNされ、パワーDAC402および403の出力は図9Aと同一になる。直接比較のため、図9Dの配置マップの記号には、送信機400により実施された記号マッピングについては一切考慮せず、図3Dと同一の参照符号を付す。図9Dの配置マップにおいて、記号は配置の理想点と非常に接近している。本発明によると、ABC回路420は送信機400の信号品質を維持する。
そして図9Eにおいては、400のABC回路420がONされ、パワーDAC402および403の出力は図9Bと同一となる。直接比較のため、図9Eの配置マップの記号には、図3Dひいては図3Dと同一の参照符号が付してあり、送信機400により実施される記号マッピングとはいかなる相関も持たない。図9Eの配置マップにおいて、記号は配置の理想点に非常に接近している。本発明によると、ABC回路420は送信機400の信号品質を維持する。
図9Fは、図9Dおよび9Eの配置マップにおける信号品質をEVMで量子化してまとめたものであり、図3Dの理想配置と比較したものである。本発明によると、発信信号499の信号品質が維持され、最適条件を備えた図9Eとほぼ差異を認めることができない。本発明により、図3Eに示す従来の方法では劣化した信号品質を復元することができた。
本発明によると、低周波ディザ信号により、QAMフォーマットで変調された光波信号を発信するIQ変調器を制御し、当該ディザ信号により引き起こされる信号品質の劣化を避けることができる。さらに本発明は、容易に入手可能な電子機器により実施可能であるため、コスト面で効率的である。本発明は、小さな占有面積で実施することができるため、小型化することができる。
(第2実施形態)
図10は、IQ変調器1010および自動バイアス制御(ABC)回路1020を備えた光送信機1000の概略図である。図10に示された光送信機1000は、論理バイナリデータストリーム1098により、IQ変調器1010で16QAMフォーマットに変調された光波信号1099を発信する。シリアライザ/デシリアライザ1001は、図1のシリアライザ/デシリアライザ101と同一である。パワーDAC1002および1003は、図4のパワーDAC402および403と類似である。増幅器1004および1005は、図4の増幅器404および405と同一である。レーザ1006および変調器1010は各々、図4のレーザ406および変調器410と同一である。
ABC回路1020は、変調器1010に一体化されたモニターPDにより供給されるモニター信号により、子MZMのDCバイアスおよび変調器1010の直交角度を制御するバイアスを制御する。増幅器1021および分割器1022は各々、図4の増幅器421および分割器422と同一である。低周波発振器1030は低周波f正弦波を生成し、これがABCコントローラユニット1023により分配される。あるいは、低周波発振器1030は、ABCコントローラユニット1023内に一体化することもできる。ABCコントローラユニット1023は、マイクロコントローラまたはデジタル信号処理(DSP)ユニットにより実現することもできる。低周波正弦波は、図5の概略図に示すように、変調器1010のための駆動データに刷り込むため、ABCコントローラユニット1023によりパワーDAC1002および1003に分配される。低周波正弦波はまた、I−子MZMのDCバイアスを制御するために制御ユニット1040に分配され、Q−子MZMのDCバイアスを制御するために制御ユニット1050に分配される。制御ユニット1040および1050は、図4の制御回路440および450と類似であり、周波数f付近に中心周波数を有するバンドパスフィルタを備える。制御ユニット1060は、IQ変調器1010の直交角度を変化させるDCバイアスを制御する。制御ユニット1060は、周波数f付近に中心周波数を有するバンドパスフィルタ1061を備える。
図11は、変調器1010の直交角度に対して、図10のバンドパスフィルタ1061の出力における信号特性を示す曲線である。図11の曲線は、32Gbaudの通信速度を有し、16QAMとして信号を発信する送信機1000からシミュレートしたものである。本発明の第1実施形態においては、DCバイアス生成器1063が、180度を法として90度の直交角度に対応する140mVppのバンドパスフィルタ1061からの出力を維持するため、電圧を生成する。あるいは、DCバイアス生成器1063が、360度を法として90度の直交角度に対応した、制御値付近の上昇斜線の条件において140mVppとなる1061の出力を維持するため、電圧を生成する。どちらを実施する場合も、直交角度が最適に設定され、変調器1010のDCバイアスのドリフトに関わらず、最適条件に維持することができる。
最後に、ABCコントローラユニット1023の稼動プロセスを説明する。まず、期間T1において、低周波ディザがパワーDAC1002に分配され、変調器1010のIMZMに対する4レベル信号が生成される。この期間中、低周波ディザはパワーDAC1003には分配されない。さらに、制御ユニット1050および1060のフィードバックがOFFされるが、これは制御ユニット1050および1060により生成されたDCバイアスが一定に保たれることを意味する。期間T1の間、制御ユニット1040は、図4の送信機400について説明したように、その内部フィードバック信号を最大化するためにDCバイアスを生成する。期間T1の後、制御ユニット1040のフィードバックはOFFされるが、これは1040により生成するDC電圧が一定に保たれることを意味する。その後、期間T2において、低周波ディザがパワーDAC1003に分配され、変速機1010のQ−MZMに対する4レベル信号が生成される。この期間中、低周波ディザはパワーDAC1002には分配されない。さらに、制御ユニット1040および1060のフィードバックがОFFされるが、これは1040および1060により生成されたDCバイアスが一定に保たれることを意味する。期間T2の間、制御ユニット1020は、図4の送信機400について説明したように、その内部フィードバック信号を最大化するためにDCバイアスを生成する。期間T2の後、制御ユニット1050のフィードバックはOFFされるが、これは制御ユニット1050により生成されたDC電圧が一定に保たれることを意味する。その後、期間T3において、低周波ディザがパワーDAC1002および1003に分配される。さらに、制御ユニット1040および1050のフィードバックがOFFされるが、これは、1040および1050により生成されたDCバイアスが一定に保たれることを意味する。期間T3において、制御ユニット1063は、図11の曲線に示すバンドパスフィルタ1061の出力を維持するために、DCバイアスを生成する。制御ユニット1023は、期間T1、T2、およびT3の各シーケンスが少なくとも一度実施されるような周期を生成する。
あるいは、低周波ディザ信号が、期間T1、T2、およびT3において1002および1003の双方に分配される。
本発明によると、ABC回路1020がIQ変調器1010の3つのDCバイアスを制御し、それによりIQ変調器1010を最適条件に設定および維持する。さらに、QAM送信機1000は、変調器1010のDCバイアスを制御するための低周波ディザ信号の使用により、さらなる信号劣化を招くことがない。
本発明によると、低周波ディザ信号で、QAMフォーマットで変調した光波信号を出力するIQ変調器を制御し、当該ディザ信号によって引き起こされる信号品質の劣化を避けることができる。さらに本発明は、容易に入手可能な電子機器により実施可能であるため、コスト面で効率的である。本発明は、小さな占有面積で実施することができるため、小型化することができる。
(第3実施形態)
図12は、本発明を実施する光トランスポンダの概略図である。トランスポンダ1200は、トランスポンダに供給されるデータビットストリーム1290に応じた光波信号1291を発信する光送信機1201を備える。1200はまた、変調された光波信号1292を受信し、それを復調してデータビットストリーム1293を供給する光受信機1202も特徴として備える。トランスポンダ1200は、送信機1201により変調対象のデータを提供するためにストリーム1290を再組織するシリアライザ/デシリアライザ1203を備える。シリアライザ/デシリアライザ1203はまた、1202により受信されたデータを受信し、それをビットストリーム1293に直列化する。シリアライザ/デシリアライザ1203はまた、符号化、複合化、およびエラー補正動作も実施することができる。送信機1201は、偏波多重(PM−)16QAMの変調フォーマットで、かつ32Gbaudの通信速度を有する、すなわち256Gb/sのビットレートを有する光波信号を発信する。同様に、受信機1202は256Gb/sPM−16QAM信号を受信する。
受信機1202は、偏波ダイバーシティ90度ハイブリッド、4つの平衡検波器、続く線形増幅器より成るコーヒレント受信機1250を特徴として備えるが、これらはコーヒレント受信機1250に関連して詳述を省略する。コーヒレント受信機1250は、コーヒレント検出方式により、受信信号1292を局所発振器1251の光と混合する。コーヒレント受信機1250からの受信信号は、DSPチップ1252に一体化された4つのアナログ−デジタル変換機でデジタル化される。DSP1252は、受信信号1292の直面した歪みおよび機能障害を補償し、偏波逆多重ならびに搬送波位相およびオフセット補償を実施し、受信信号を復調する。
送信機1201は、XおよびY偏波の各々のIおよびQデータチャンネルを符号化する2ビットに割り当てられるように、8つのデータレーンを生成する符号器1204を備える。4つのパワーDAC1205、1206、1207、および1208は、図5において500の参照符号を付して説明した装置と同一である。これらは各々、ABC回路1220および1221により供給される低周波正弦信号を1204により供給される2つのバイナリ信号と組み合わせて加算するが、低周波ディザ信号の位相は、バイナリ信号のレベルに対して変化する。刷り込まれた低周波ディザ信号を伴う2つのバイナリ信号が、4レベルの電気信号に結合される。ABC回路1220および1221は、図10の回路1020と同一である。マルチレベル電気信号がドライバ1211、1212、1213、および1214で増幅される。これらのドライバはゲイン制御の機能を特徴として備え、調整されることによってその出力が2*Vpiの振幅を有することになるが、ここでVpiは偏波多重IQ変調器1210より規定される。変調器1210は図10の変調器1010と類似の2つのIQ変調器であり、レーザ1209より供給される同一の入力から取り出された2つの光波搬送波を変調し、光波信号の一方を回転し、それらを偏波多重方式で結合する。変調器1210は、それぞれ各偏波用の2つの集積型PDを特徴として備える。X偏波IQ変調器の3つのDCバイアスがABC回路1220で制御され、Y偏波IQ変調器の3つのDCバイアスがABC回路1221で制御される。さらに本発明によると、低周波ディザ信号に基づくDCバイアスの制御により、信号1291の品質劣化を招くことはない。
さらにドライバ1211、1212、1213、および1214の出力信号の振幅は、周辺温度およびドライバの経年劣化による変化の影響を受けやすい。ドライバの出力振幅の変化によるさらなる信号劣化を避けるため、本発明により、当該ドライバのゲインをフィードバックで制御する。送信機1201は、各々の偏波のため、ドライバのゲインを制御する2種のフィードバックを特徴として備える。あるいは、すべての偏波に対するすべてのドライバのゲインを制御するため、単一のフィードバック方式が実施されてもよい。
まずX偏波について、変調器1210の集積型PDにより供給されたモニター信号が分割器1222で分割される。1222の出力の一方はABC回路1220によって使用される。もう一方は、ABC回路1220により生成される低周波数と同一の低周波数fに中心周波数を有するバンドパスフィルタ1223を通過する。バンドパスフィルタ1223の出力は分割され、分割された出力の各々は同一のゲイン制御ユニット1224および1225に供給される。バンドパスフィルタ1223の出力は、図13の特性曲線1301上に描画される。曲線1301は、ドライバの出力電圧の最大値を2*Vpiに有するが、これは駆動信号の最適条件である。本特性、曲線1301によると、制御ユニット1224および1225は、バンドパスフィルタ1223の出力を最大化するため、各ドライバ1211および1212のゲインを制御する。制御ユニット1224および1225の一方がモニター信号を最適化している間にもう一方を停止し、一方が引き続いて連続的にドライバ1211および1212のゲインを最適化する本サイクルを繰り返している間にモニター信号を最大化するために他方を停止しておくためには、同一のモニター信号の使用にあたり、制御ユニット1224および1225をリンクさせることが有効であるかもしれない。本発明によると、送信機1203のドライバのゲインは低周波ディザ信号を使用して最適条件に制御され、発信信号の品質劣化を引き起こすことがない。
そしてY偏波については、ドライバ1213および1214の出力が各々ドライバ1230および1231で取り出される。あるいはドライバ1230および1231は、モニタリング機能としてドライバ1213および1214に一体化することができる。ドライバ1230および1231から取り出された出力は、ABC回路1221により生成される低周波数と同一の低周波数fに中心周波数を有する各バンドパスフィルタ1232および1233によりフィルタリングされる。バンドパスフィルタ1233の出力は、図13の曲線1302に描画される。曲線1302はドライバの出力電圧と共に単一に変化するので、制御ユニット1235は、バンドパスフィルタ1233により供給されるモニター信号を一定値に維持するため、ドライバ1214のゲインを制御する。最適値の2*Vpiである場合、モニター信号は、ドライバ1214のゲインを変化させることにより、制御ユニット1235で97mVの一定値に保たれる。同様に、制御ユニット1234は、ドライバ1213のゲインを制御することにより、バンドパスフィルタ1232の出力値を一定に維持する。本発明によると、送信機1203のドライバのゲインは、低周波ディザ信号を使用して最適条件に制御され、発信信号の品質劣化を招くことがない。
図13は図12のフィルタ1223および1233により生成され、図12の送信機1201によって当該送信機のドライバのゲインを制御するために使用されるモニター信号の特性曲線を描画したものである。
本発明によると、低周波ディザ信号により、QAMフォーマットで変調された光波信号を発信するIQ変調器を制御し、当該ディザ信号により引き起こされる信号品質の劣化を避けることができる。さらに本発明は、容易に入手可能な電子機器により実施可能であるため、コスト面で効率的である。本発明は、小さな占有面積で実施することができるため、小型化することができる。最後に、本発明により、さらなるダメージを招くことなくドライバ増幅器のゲインを制御することができる。
(第4実施形態)
図14は、パワーDAC1400の概略図である。パワーDAC1400はN+M個の入力を有し、ここでNおよびMは2つの整数、つまりNは32であり、Mは30である。パワーDAC1400はN+M個のバイナリ電気信号を2^(N+M)レベルのマルチレベル信号に変換する。N個の第1高速バイナリ信号入力には、入力1410から開始する連続参照符号が付されるが、減衰器1420から開始する連続参照符号が付されたN個の各増減衰器によって減衰される。減衰器の値は異なってもよく、信号1499のレベル間で所望のスペースを得るべく設計される。当該減衰器の後、N個の各信号は、増幅器1430から開始する連続参照符号が付されたN個の各増幅器を通過する。増幅器は、図6の増幅器回路600、図7の増幅器回路700、または図8の増幅器回路800と同一のものが選択されてもよい。周波数fの低周波正弦波1496は、1430から開始する連続参照符号が付されたN個の増幅器回路に分配すべく、分割器1497によってN個の信号に分割される。当該増幅器は、その各入力を増幅し、入力された高速バイナリ信号のレベルと共に位相の変化する周波数fの低周波ディザ信号を加える。
1410+Nからの連続参照符号が付された高速バイナリ信号に対する続くM個の入力もまた、1420+Nからの連続参照符号が付されたM個の各減衰器を通過する。当該減衰器は、信号1499のレベル間の所望のスペースに応じて選択された適切な減衰値を有する。当該減衰器の各出力は、1430+Nからの連続参照符号が付されたM個の各増幅器によって増幅される。しかしながら、M個の増幅器は低周波ディザ信号を刷り込まない。パワー・コンバイナ1498は、低周波ディザ信号の刷り込まれた1430からの参照符号が付されたN個の増幅器の各出力と、低周波ディザ信号の刷り込まれていない1430+Nからの参照符号が付された次のM個の増幅器の各出力とを結合する。1498により出力された信号1499は、低周波ディザ信号成分を有し、その振幅が信号レベルに依存する2^(N+M)レベルの信号である。
パワーDAC1400はパワーDAC500を一般化したものであると考えると、パワーDAC500は1400に対し、N=2およびM=0を選択することによって得られる。
図15は、本発明を実施する光トランスポンダの概略図である。トランスポンダ1500は、トランスポンダにより供給されるデータビットストリーム1590に応じた光波信号1591を発信する光送信機1501を備える。1500もまた、図12の受信機1202と構造的に同一の光受信機1502を特徴として備える。受信機1502は、変調された光波信号1292を受信し、データビットストリーム1593を供給するためにそれを復調する。シリアライザ/デシリアライザ1503は、図12のシリアライザ/デシリアライザ1203と同一である。送信機1501は、図14のパワーDAC1400と同一の4つのパワーDAC1505、1506、1507、および1508を備える。パワーDACは、(N+M)個のバイナリ信号を、低周波ディザ信号の刷り込まれた2^(N+M)レベルの信号に変換する。符号器1504は、送信機1501のXおよびY偏波の各々のIおよびQデータチャンネルを符号化する(N+M)ビットに割り当てられるように、4*(N+M)個のデータレーンを生成する。ABC回路1520および1521は、図12の回路1220と同一である。ABC回路1520および1521は、パワーDAC1505、1506、1507、および1508により生成されるマルチレベル信号に対応するディザ信号を刷り込むため、周波数fの低周波正弦波を供給する。マルチレベル電気信号は、ドライバ1511、1512、1513、および1514で増幅される。変調器1510は、図12の変調器1210と同一である。トランスポンダ1500の通信速度は32Gbaudである。
まず、パワーDAC1505、1506、1507、および1508を規定する整数NおよびMは、N=2およびM=1と選択される。パワーDACにおける減衰器は、図14に示す入力順に対して、2dB、8dB、および0dBに設定される。送信機1501により発信された信号は、32GbaudPM−64QAMであるため、512Gb/sのビットレートを有する。したがって、光受信機1502は、PM−64QAM信号を受信して復調する。ABC回路1520および1521は、変調器1510の6つのDCバイアスを制御する。本発明によると、DCバイアスは、高速駆動信号に刷り込まれた低周波ディザ信号によって正確に設定され、当該低周波ディザ信号により引き起こされる信号劣化が減じられる。
本発明の第2の実施様態によると、パワーDAC1505、1506、1507、および1508を規定する整数NおよびMは、N=3およびM=0と選択される。パワーDACにおける減衰器は、図14の入力順に対して、0dB、2dB、および8dBに設定される。送信機1501により発信された信号は、32GbaudPM−64QAMであるため、512Gb/sのビットレートを有する。したがって、光受信機1502は、PM−64QAM信号を受信して復調する。ABC回路1520および1521は、変調器1510の6つのDCバイアスを制御する。本発明によると、DCバイアスは、高速駆動信号に刷り込まれた低周波ディザ信号によって正確に設定され、当該低周波ディザ信号により引き起こされる信号劣化が減じられる。
図16は、図15のトランスポンダに基づくシミュレーション結果をまとめたものである。図16Aは、N=2およびM=1の場合における、図15のパワーDAC1505の出力についてシミュレートした波形チャートを示す。出力信号は、符号器1504により生成された3つのバイナリ信号で生成された8レベル信号である。8つの信号レベルは、1600、1601、1602、1603、1604、1605、1606、および1607と記される。本発明により可能となるように、刷り込まれた低周波ディザ信号の振幅は、このレベルに依存する。本構成によると、レベル1601、1603、1604、および1606にはディザ信号が存在しない一方で、1600、1602、1605、および1607には低周波ディザ信号が存在する。
図16Bは、N=3およびM=0の場合における、図15のパワーDAC1505の出力についてシミュレートした波形チャートを示す。出力信号は、符号器1504により生成された3つのバイナリ信号で生成された8レベル信号である。8つの信号レベルは、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、および1617と記される。本発明により可能となるように、刷り込まれた低周波ディザ信号の振幅は、個のレベルに依存する。本構成によると、外側レベル1610および1617は低周波ディザ信号に対して最大振幅を有する一方で、内側レベル1611、1612、1613、1614、1615、および1616のディザ信号の振幅は減じられている。
図16Cは、発信記号で詳述される種々の送信機の信号劣化をまとめたものである。記号の指標は、送信機により実施される推定上のデータマッピング上に何らの意味を有することなく任意に固定される。純粋に慣例に従うと、この順は図3Dに示すのと同様に、発信信号の配置マップ上を左から右へ、かつ下から上へと固定される。図16Cに描画された値は、研究上のシミュレーションにおけるEVMと、送信機が理想的に設定されてディザ信号およびABC回路がOFFにされた場合のEVMとの間の差異である。従来の慣例は、図1に示すように、DCバイアスに直接刷り込まれたディザ信号に対応する。N=2およびM=1の場合は、図16Aに描画された構成に対応する。N=3およびM=0の場合は、図16Bに描画された構成に対応する。従来例では、中心記号上において、ABC制御に使用されるディザが発信信号の深刻な劣化を引き起こしている事実が説明されている。N=3およびM=0である本発明の場合、すべての記号について劣化は20%未満に留まっており、従来の方法から改善されている。またN=2およびM=1である本発明の場合、すべての記号について劣化は8%未満にとどまっており、従来の方法から改善されている。
本発明によると、低周波ディザ信号により、QAMフォーマットで変調された光波信号を出力するIQ変調器を制御し、当該ディザ信号により引き起こされる信号品質の劣化を避けることができる。さらに本発明は、容易に入手可能な電子機器により実施可能であるため、コスト面で効率的である。本発明は、小さな占有面積で実施することができるため、小型化することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の範囲から逸脱することなく、修正および変更を加えることができることは自明である。
本発明は、マルチレベル変調方式を使用する光通信システムに適用することができる。
100、400、1000、1201、1501:光送信機
104、105、220、230、404、405、520、530、610、1004、1005、1211、1212、1213、1214、1430、1511、1512、1513、1514:電気増幅器
110、410、1010、1210、1510:IQ変調器
120、420、1020:ABC回路
140、440、1060:制御ユニット
198、498、1098、1290、1293:バイナリデータストリーム
199、499、1099、1291、1292、1591、1592:変調光波信号
200、500、1400:パワーDAC
201、202、501、502、601、603、701、703、801、802、804、805、1410:バイナリ電気信号
203、503、1499:マルチレベル電気信号
240:パワー・ディバイダ
241、242、243:抵抗
301、302、303、304、305:送信特性曲線上の点
310〜325:16QAM信号の配置マップ上の記号
330、331、332、333、900、901、902、903、910、911、912、913、1600、1601、1602、1603、1604、1605、1606、1607、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617:電気信号のレベル
504、602、702、803、1496:低周波電気正弦信号
600、700、800:増幅器回路
609、708、709、809:固定電圧
710、711:電界効果トランジスタ
810、811:トランジスタ
620、621、622:凝縮器
730、731、830、831:抵抗
920、921、1301、1302:モニター信号の特性曲線
1202、1502:光受信機
1200、1500:光トランスポンダ

Claims (15)

  1. 光出力装置であって、
    2つ以上のバイナリ電気信号を結合し、前記2つ以上のバイナリ電気信号に、前記バイナリ電気信号のビットレートよりも低い、周波数fのディザ電気信号を加える結合ユニットと、
    前記バイナリ電気信号の振幅を調整する調整ユニットと、
    前記2つ以上のバイナリ電気信号を使用して、光信号を変調する変調ユニットとを備えることを特徴とする光出力装置。
  2. 前記ディザ電気信号を生成する生成器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光出力装置。
  3. 前記光信号に比例する電気信号を生成するモニターと、
    前記電気信号が入力され、前記ディザ電気信号を出力するバンドパスフィルタとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光出力装置。
  4. 光モジュールであって、
    入力された光信号から電気信号を生成する光入力装置と、
    出力される光信号を生成する光出力装置とを備え、
    前記光出力装置はさらに、
    2つ以上のバイナリ電気信号を結合し、前記2つ以上のバイナリ電気信号に、前記バイナリ電気信号のビットレートよりも低い、周波数fのディザ電気信号を加える結合ユニットと、
    前記バイナリ電気信号の振幅を調整する調整ユニットと、
    前記2つ以上のバイナリ電気信号を使用して、出力された前記光信号を変調する変調ユニットとを備えることを特徴とする光モジュール。
  5. マルチレベル電気信号生成装置であって、
    2つ以上のバイナリ電気信号を結合する結合ユニットと、
    前記バイナリ電気信号の振幅を調整する調整ユニットと、
    前記2つ以上のバイナリ電気信号に、前記バイナリ電気信号のビットレートよりも低い、周波数fのディザ電気信号を加える加算ユニットとを備え、
    前記ディザ電気信号の位相は、前記ディザ電気信号が加えられる前記バイナリ信号の値に依存し、
    前記ディザ電気信号の位相は、前記バイナリ信号のビット毎の変化の影響を受けやすいことを特徴とするマルチレベル電気信号生成装置。
  6. 光送信機の制御方法であって、
    2つ以上のバイナリ電気信号により、前記送信機の変調器を駆動するために使用するマルチレベル電気信号を生成し、前記2つ以上のバイナリ電気信号に、前記バイナリ電気信号のビットレートよりも低い、周波数fのディザ信号を加えるステップと、
    前記2つ以上のバイナリ電気信号を使用して、光信号を変調するステップとを備えることを特徴とする光送信機の制御方法。
  7. 前記ディザ電気信号の位相は、前記ディザ電気信号が加えられる前記バイナリ信号の値に依存し、
    前記ディザ電気信号の位相は、前記バイナリ信号のビット毎の変化の影響をうけやすく、
    前記光信号の周波数fの成分により、前記送信機を制御することを特徴とする請求項6に記載の光送信機の制御方法。
  8. 前記変調器のバイアスは、前記光信号の前記周波数要素により制御されることを特徴とする請求項7に記載の光送信機の制御方法。
  9. 前記マルチレベル電気信号に使用されるドライバ増幅器の出力電圧は、前記モニター信号の前記周波数成分により制御されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の光送信機の制御方法。
  10. 前記光送信機は、各々が前記光信号を生成する複数の変調器を備え、
    前記ディザ信号の異なる周波数が、前記変調器毎に使用されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の光送信機の制御方法。
  11. 前記光送信機は、各々が前記光信号を生成する複数の変調器を備え、
    前記ディザ信号の共通の周波数が、前記複数の変調器のために使用されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の光送信機の制御方法。
  12. 前記マルチレベル電気信号上の結果としてのディザ信号は、前記マルチレベル電気信号のいくつかのレベルにおいてはゼロとなることを特徴とする請求項6乃至11のいずれか一項に記載の光送信機の制御方法。
  13. 前記送信機は、偏波多重QAMフォーマットで変調されることを特徴とする請求項6乃至12のいずれか一項に記載の光送信機の制御方法。
  14. 前記送信機は、偏波多重64QAMフォーマットで変調され、
    前記マルチレベル電気信号は、8つのレベルを有し、3つのバイナリ電気レベルの組み合わせにより生成され、
    IQ変調器内に設けられたマッハツェンダ変調器のDCバイアスは、前記光信号により制御され、
    前記マッハツェンダ変調器間の直交角度は、前記光信号により制御されることを特徴とする請求項13に記載の光送信機の制御方法。
  15. 前記送信機は、偏波多重16QAMフォーマットで変調され、
    前記マルチレベル電気信号は、4つのレベルを有し、2つのバイナリ電気レベルの組み合わせにより生成され、
    IQ変調器内に設けられたマッハツェンダ変調器のDCバイアスは、前記光信号により制御され、
    前記マッハツェンダ変調器間の直交角度は、前記光信号により制御されることを特徴とする請求項13に記載の光送信機の制御方法。
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