JP2014531135A - 照明用有機電子デバイス - Google Patents

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Abstract

アノード、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、およびカソードを含む有機電子デバイスが提供される。発光層は、少なくとも1種類の第1のエレクトロルミネッセンス材料を含み、電子輸送層は、第1のエレクトロルミネッセンス材料とは異なる1種類以上のエレクトロルミネッセンス材料を含む。本発明のデバイスは白色光発光を示す。

Description

関連出願データ
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、2011年10月19日に出願された米国仮特許出願第61/549,038号明細書(この記載内容全体が参照により本明細書に援用される)の優先権を主張する。
本開示は、一般に有機電子デバイスに関し、特に照明に使用されるデバイスに関する。
OLEDディスプレイまたはOLED照明デバイスを構成する有機発光ダイオード(「OLED」)などの有機光活性電子デバイス中では、2つの電気接触層の間に有機活性層が挟まれている。OLED中、少なくとも1つの電気接触層は光透過性であり、電気接触層に電圧を印加すると、有機光活性層は、光透過性の電気接触層を通して光を発する。
発光ダイオードの活性成分として有機エレクトロルミネセンス化合物を使用することはよく知られている。単純な有機分子、共役ポリマー、および有機金属錯体が使用されている。デバイスは、多くの場合、光活性層(たとえば発光)と電気接触層との間に配置される1つ以上の電荷輸送層を含む。デバイスは2つ以上の接触層を含むことができる。光活性層と正孔注入接触層との間に正孔輸送層を配置することができる。正孔注入接触層はアノードと呼ばれる場合もある。光活性層と電子注入接触層との間に電子輸送層を配置することができる。電子注入接触層はカソードと呼ばれる場合もある。電荷輸送材料は、光活性材料と組み合わせてホストとして使用することもできる。
改善された性質を有するデバイスが引き続き必要とされている。
アノード、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、およびカソードをこの順序で含む有機電子デバイスであって、発光層が、少なくとも1種類の第1のエレクトロルミネッセンス材料を含み、電子輸送層が、第1のエレクトロルミネッセンス材料とは異なる1種類以上のエレクトロルミネッセンス材料から本質的になり、デバイスが白色光発光を示す、有機電子デバイスが提供される。
ある実施形態においては、1種類以上のエレクトロルミネッセンス材料が、有機配位子を有するイリジウム錯体である。
以上の概要および以下の詳細な説明は、単に例示的および説明的なものであり、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明を限定するものではない。
本明細書において提示される概念の理解を進めるために、添付の図面において実施形態を説明する。
従来技術の有機電子デバイスの一例の図である。 3つの発光体が1つの層で混合される従来技術の有機電子デバイスの別の図である。 3つの発光体が3つの別個の層中に分布する従来技術の有機電子デバイスの別の図である。 3つの発光体が2つの別個の層中に分布する従来技術の有機電子デバイスの別の図である。 本発明の一実施形態による有機電子デバイスの図である。
当業者であれば理解しているように、図面中の物体は、平易かつ明快にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。たとえば、実施形態を理解しやすいようにするために、図面中の一部の物体の寸法が他の物体よりも誇張されている場合がある。
多くの態様および実施形態が以上に記載されているが、それらは単に例示的なものであり、限定的なものではない。本明細書を読めば、本発明の範囲から逸脱することなく他の態様および実施形態が可能であることが、当業者には理解されよう。
いずれか1つ以上の実施形態のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。この詳細な説明では、最初に、用語の定義および説明を扱い、続いて、電子デバイス、および実施例を扱う。
1.用語の定義および説明
以下に説明する実施形態の詳細を扱う前に、一部の用語について定義または説明を行う。
用語「青色」は、約380〜495nmの範囲の波長で発光極大を有する放射線を意味することを意図している。
層、材料、部材、または構造に関して言及される場合、用語「電荷輸送」は、そのような層、材料、部材、または構造が、比較的効率的かつ少ない電荷損失で、そのような層、材料、部材、または構造の厚さを通過するそのような電荷の移動を促進することを意味することを意図している。正孔輸送材料は正電荷を促進し、電子輸送材料は負電荷を促進する。
用語「CRI」は、Commission Internationale de L’Eclairage(国際照明委員会、またはCIE)によって考案された演色評価数を意味する。これは、有色光の性質の尺度の1つである。これは一般に、単色光の低圧ナトリウムランプなどの光源の場合の0から、実質的に黒体放射を放射する白熱電球などの光源の場合の100までの範囲となる。
用語「ドーパント」は、ホスト材料を含む層中で、その層の電子的特性、あるいは放射線の放出、受容、またはフィルタリングの目標波長を、そのような材料を含まない層の電子的特性、あるいは放射線の放出、受容、またはフィルタリングの波長に対して変化させる材料を意味することを意図している。特定の色のドーパントは、その色を発光するドーパントのことである。
用語「エレクトロルミネッセンス材料」は、電流通過または強い電界に応答して光を発する材料を意味する。
用語「発光性の」は、発光する層を意味する。
用語「緑色」は、約495〜570nmの範囲の波長で発光極大を有する放射線を意味することを意図している。
層、材料、部材、または構造に言及する場合の用語「正孔注入」は、そのような層、材料、部材、または構造が、比較的効率的かつ少ない電荷損失で、そのような層、材料、部材、または構造の厚さを通過する正電荷の注入および移動を促進することを意味することを意図している。
用語「ホスト材料」は、ドーパントを加える場合も加えない場合もある、通常は層の形態である材料を意味することを意図している。ホスト材料は、電子的特性、あるいは放射線を放出、受信、またはフィルタリングする能力を有する場合もあるし、有さない場合もある。ドーパントがホスト材料中に存在する場合、ホスト材料はドーパント材料の発光波長を大きく変化させることがない。
用語「橙色」は、約590〜620nmの範囲の波長で発光極大を有する放射線を意味することを意図している。
用語「フォトルミネッセンス量子収率」は、吸収されるフォトンと、ルミネッセンスによって放出されるフォトンとの比を意味することを意図している。
用語「赤色」は、約620〜780nmの範囲の波長で発光極大を有する放射線を意味することを意図している。
化合物に言及する場合の用語「小分子」は、繰り返しモノマー単位を有さない化合物を意味することを意図している。一実施形態においては、小分子は約2000g/mol以下の分子量を有する。
用語「基板」は、剛性または可撓性のいずれであってもよく、1種類以上の材料の1つ以上の層を含むことができる母材を意味することを意図しており、このような材料としては、ガラス、ポリマー、金属、またはセラミック材料、あるいはそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。基板は、電子部品、回路、または導電性部材を含む場合もあるし、含まない場合もある。
用語「白色光」は、目に見える複数の光の色が好適な比率で組み合わされ、それによって光が人間の肉眼には白色または無色に見える効果を意味する。白色の印象は、可視スペクトルにわたる3つの光の強度の合計によって得られるので、白色の感覚が得られる光の波長の組み合わせの数は実質的に無限である。多くのディスプレイ技術において見られるように、白色光の印象は、加法混色と呼ばれる過程である赤色、緑色、および青色(RGB)の光の原色を適切な強度で混合することによって形成することもできる。
用語「黄色」は、約570〜590nmの範囲の波長で発光極大を有する波長を意味することを意図する。
本明細書において、特に明記されたり、使用の状況によって逆のことが示されたりするのでなければ、本明細書において開示される主題の実施形態が、特定の特徴または構造を含んでなる、特定の特徴または構造を含む、特定の特徴または構造を含有する、特定の特徴または構造を有する、特定の特徴または構造で構成される、あるいは特定の特徴または構造によって構成される、あるいは特定の特徴または構造が構成要素であると記載または説明される場合、明確に記載または説明される特徴または要素に加えて1つまたは複数の特徴または要素がその実施形態に存在することができる。本明細書において開示される主題の別の一実施形態が、特定の特徴または要素から本質的になると記載されるのは、その実施形態において、その実施形態の動作原理または際だった特徴を実質的に変化させる特徴および要素が、その中には存在しない場合である。本明細書に記載の主題のさらに別の一実施形態が、特定の特徴または要素からなると記載されるのは、その実施形態において、またはそれらの実質的でない変形において、具体的に記載または説明される特徴または要素のみが存在する場合である。
また、「a」または「an」の使用は、本発明の要素および成分を記述するために使用される。これは、単に便宜上のものであり、本発明の範囲の一般的意味を示すために使用される。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読むべきであり、明らかに他のものを意味しない限り、単数形は、複数形も包含するものとする。
元素周期表中の縦列に対応する族の番号には、CRC Handbook of Chemistry and Physics,81st Edition(2000−2001)に見ることができる「新表記法」(New Notation)の規則を使用している。
特に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料を使用して、本発明の実施形態の実施または試験を行うことができるが、好適な方法および材料については以下に説明する。本明細書において言及されるあらゆる刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、特定の部分に言及される場合を除けば、それらの記載内容全体が援用される。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする。さらに、材料、方法、および実施例は、単に説明的なものであって、限定を意図したものではない。
本明細書に記載されていない程度の、具体的な材料、処理行為、および回路に関する多くの詳細は従来通りであり、それらについては、有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光起電力技術、および半導体要素の技術分野の教科書およびその他の情報源中に見ることができる。
2.電子デバイス
従来技術の白色OLEDデバイスの一例を図1に概略的に示している。デバイス(1)は、アノード(100)、正孔注入層(200)、正孔輸送層(300)、発光層(400)、電子輸送層(500)、電子注入層(600)、およびカソード(700)からなる。図示されていない支持体が、アノードまたはカソードのいずれかと隣接して存在することができる。発光層中には、青色および黄色などの2つの発光体が存在し、それによって組み合わされた発光によって白色光が得られる。
しかし、場合によっては、3つまたは4つの発光体が使用される。以下の議論においては、説明の目的で3つの発光体が使用される。しかし、4つ以上を使用することもできる。
図2には、赤色、緑色、および青色の発光を示す3つの発光体が1つの発光層(層401)中に存在する従来技術のデバイス(2)が示されている。ただ1つの発光層を有することで、製造プロセスはより安価になる。しかし、青色、緑色、および赤色の3つすべての発光体をそれらの最大効率で機能させることが可能な1つのホスト系を見つけ出すことは非常に困難である。したがって、この1発光層方法は、デバイス性能が低いという欠点を有する。
図3には、各発光体で別個の層の層402、403、および404が存在する従来技術のデバイスが示されている。3つの別個の発光層を有することで、最大効率を実現するために、それぞれの色をそれ自体のホストを用いて個別に最適化することができる。しかし、3つの別個の層を有するため、製造プロセスはより複雑になる。
妥協案の1つは、2つの発光層を使用し、一方の層が緑色発光体および赤色発光体を有し、他方の層が青色発光体を有することによって得ることができる。これは図4に示されており、層405は赤色発光体および緑色発光体を有し、層406は青色発光体を有する。緑色発光体および赤色発光体に共通のホストを見つけ出し、それらの効率を維持することははるかに容易であり、一方、青色層は別個に最適化することができる。二重発光層を有するこの構造では、1つの層が省略されるため、製造プロセスはより容易になるが、1発光層方法よりも1つ追加の層を依然として有する。
本発明の一実施形態を図5に示している。この実施形態においては、第2の発光層が省略され、その機能は電子輸送層(501)と組み合わせられる。この実施形態において、電子輸送層は、第1のエレクトロルミネッセンス材料とは異なる1種類以上のエレクトロルミネッセンス材料のみからなり、ホストは存在しない。
本発明において開示されるデバイスは、1発光層デバイス(図2)と同じ数の層を有するが、この構造では、最大デバイス効率を実現するために青色効率を別個に最適化することができる。
得られる発光が白色であれば、エレクトロルミネッセンス材料のあらゆる組み合わせを使用することができる。ある実施形態においては、第1のエレクトロルミネッセンス材料は青色の発光色を有し、電子輸送層は黄色の発光色を有するエレクトロルミネッセンス材料から本質的になる。ある実施形態においては、第1のエレクトロルミネッセンス材料は青緑の色発光色を有し、電子輸送層は橙赤色から赤色の発光色を有するエレクトロルミネッセンス材料から本質的になる。ある実施形態においては、第1のエレクトロルミネッセンス材料は青色の発光色を有し、電子輸送層は橙赤色の発光色を有するエレクトロルミネッセンス材料から本質的になる。
a.発光層
発光層は、少なくとも1種類のエレクトロルミネッセンス(「EL」)材料を含む。限定するものではないが、小分子有機蛍光化合物、発光性金属錯体、共役ポリマー、およびそれらの混合物などのあらゆるEL材料をデバイス中に使用することができる。蛍光化合物の例としては、クリセン類、ピレン類、ペリレン類、ルブレン類、クマリン類、アントラセン類、チアジアゾール類、それらの誘導体、それらのアリールアミノ誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。金属錯体の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq3)などの金属キレート化オキシノイド化合物;Petrovらの米国特許第6,670,645号明細書ならびに国際公開第03/063555号パンフレットおよび国際公開第2004/016710号パンフレットに記載されるような、フェニルピリジン配位子、フェニルキノリン配位子、またはフェニルピリミジン配位子を有するイリジウム錯体などの、シクロメタレート化されたイリジウムおよび白金のエレクトルミネッセンス化合物、ならびにたとえば国際公開第03/008424号パンフレット、国際公開第03/091688号パンフレット、および国際公開第03/040257号パンフレットに記載される有機金属錯体、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。共役ポリマーの例としては、ポリ(フェニレンビニレン)類、ポリフルオレン類、ポリ(スピロビフルオレン)類、ポリチオフェン類、ポリ(p−フェニレン)類、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
赤色から赤橙色の発光材料の例としては、フェニルキノリン配位子またはフェニルイソキノリン配位子を有するIr錯体、ペリフランテン類、フルオランテン類、およびペリレン類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。赤色発光材料は、たとえば、米国特許第6,875,524号明細書、および米国特許出願公開第2005−0158577号明細書に開示されている。
緑色から青緑色発光材料の例としては、フェニルピリジン配位子を有するIr錯体、ビス(ジアリールアミノ)アントラセン類、およびポリフェニレンビニレンポリマー類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。緑色発光材料は、たとえば、国際公開第2007/021117号パンフレットに開示されている。
青色発光材料の例としては、フェニルピリジン配位子またはフェニルイミダゾール配位子を有するIr錯体、ジアリールアントラセン類、ジアミノクリセン類、ジアミノピレン類、およびポリフルオレンポリマー類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。青色発光材料は、たとえば、米国特許第6,875,524号明細書、ならびに米国特許出願公開第2007−0292713号明細書、および米国特許出願公開第2007−0063638号明細書に開示されている。
黄色発光材料の例としては、フェニルキノリン配位子またはフェニルイソキノリン配位子を有するIrの錯体、ペリフランテン類、フルオランテン類、およびペリレン類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。黄色発光材料は、たとえば米国特許第6,875,524号明細書、および米国特許出願公開第2005−0158577号明細書に開示されている。
ある実施形態においては、照明用途で、三重項励起状態または混合一重項−三重項励起状態空の発光を示すエレクトロルミネッセンス材料の使用が望ましい。ある実施形態においては、エレクトロルミネッセンス材料は有機金属錯体である。ある実施形態においては、有機金属錯体はシクロメタレート化されている。「シクロメタレート化」は、少なくとも2つの位置で金属に結合して、少なくとも1つの炭素−金属結合を有する少なくとも1つの5または6員環を形成する少なくとも1つの配位子を、錯体が含有することを意味する。ある実施形態においては、発光材料は、イリジウムまたは白金のシクロメタレート化錯体である。このような材料は、たとえば、米国特許第6,670,645号明細書、ならびに国際公開第03/063555号パンフレット、国際公開第2004/016710号パンフレット、および国際公開第03/040257号パンフレットに開示されている。
ある実施形態においては、有機金属錯体は、電気的に中性であり、式IrLで表されるイリジウムのトリス−シクロメタレート化錯体、または式IrLYで表されるイリジウムのビス−シクロメタレート化錯体である。ある実施形態においては、Lは、炭素原子および窒素原子を介して配位するモノアニオン性二座シクロメタレート化配位子である。ある実施形態においては、Lは、アリールN−複素環であり、ここで、アリールはフェニルまたはナプチル(napthyl)であり、N−複素環は、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ジアジン、ピロール、ピラゾール、またはイミダゾールである。ある実施形態においては、Yはモノアニオン性二座配位子である。ある実施形態においては、Lは、フェニルピリジン、フェニルキノリン、またはフェニルイソキノリンである。ある実施形態においては、Yは、β−ジエノレート、ジケチミン、ピコリネート、またはN−アルコキシピラゾールである。配位子は、非置換であってもよいし、F、D、アルキル、パーフルオロラルキル(perfluororalkyl)、アルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、CN、シリル、フルオロアルコキシ、またはアリール基で置換されていてもよい。
ある実施形態においては、赤色から赤橙色の発光を示す有機金属イリジウム錯体は、1つの環(N配位環)中の窒素、および第2の環(C配位環)中の炭素を介して配位する配位子のビスまたはトリス錯体である。ある実施形態においては、N配位環はキノリンまたはイソキノリンであり、C配位環はフェニルである。ある実施形態においては、N配位環はピリジンであり、C配位環はジアジンである。発光色は、電子供与性置換基および電子吸引性置換基の選択および組み合わせによって調整することができる。さらに、色は、ビス−シクロメタレート化錯体中の第3の配位子の選択によって調整される。より短波長への色のシフトは、(a)N配位環に対する1種類以上の電子供与性置換基の選択;および/または(b)C配位環に対する1種類以上の電子吸引性置換基の選択;および/または(c)ピコリネートまたはヒドロキシエチルピラゾールである第3の配位子を有するビス−シクロメタレート化錯体の選択によって達成される。逆に、より長波長への色のシフトは、(a)N配位環に対する1種類以上の電子吸引性置換基の選択;および/または(b)C配位環に対する1種類以上の電子供与性置換基の選択;および/または(c)β−ジケトネートである第3の配位子を有するビス−シクロメタレート化錯体の選択によって達成される。電子供与性置換基の例としては、アルキル、アルコキシシリル、およびジアルキルアミノが挙げられるが、これらに限定されるものではない。電子吸引性置換基の例としては、F、CN、フルオロアルキル、およびフルオロアルコキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
赤色から赤橙色の発光色を有する有機金属イリジウム錯体の例としては、以下の化合物R1〜R11が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014531135
Figure 2014531135
ある実施形態においては、黄色発光を示す有機金属イリジウム錯体は、1つの環(N配位環)中の窒素、および第2の環(C配位環)中の炭素を介して配位する配位子のビスまたはトリス錯体である。ある実施形態においては、N配位環はキノリンまたはイソキノリンであり、C配位環はフェニルである。ある実施形態においては、N配位環はピリジンであり、C配位環はフェニルまたはジアジンである。発光色は前述のように調整可能である。
黄色発光色を有する有機金属イリジウム錯体の例としては、以下の化合物Y1〜Y11が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014531135
Figure 2014531135
ある実施形態においては、青色から青緑色の発光を示す有機金属イリジウム錯体は、1つの環(N配位環)中の窒素、および第2の環(C配位環)中の炭素を介して配位する配位子のビスまたはトリス錯体である。ある実施形態においては、N配位環はピリジンであり、C配位環はフェニル、ピリジン、ピリミジン、またはジアジンである。ある実施形態においては、N配位環はジアジンであり、C配位環はフェニルである。ある実施形態においては、N配位環およびC配位環の両方を有する配位子は、7,8−ベンゾキノリンまたは1,7−フェナントロリンである。発光色は前述のように調整可能である。
青色から青緑色の発光色を有する有機金属イリジウム錯体の例としては、以下の化合物B1〜B11が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014531135
Figure 2014531135
ある実施形態においては、発光層は、加工性および/または電子特性を改善するためにホスト材料をさらに含む。ホスト材料の例としては、カルバゾール類、インドロカルバゾール類、クリセン類、フェナントレン類、トリフェニレン類、フェナントロリン類、トリアジン類、ナフタレン類、アントラセン類、キノリン類、イソキノリン類、キノキサリン類、フェニルピリジン類、ベンゾジフラン類、金属キノリネート錯体類、それらの重水素化類似体、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ある実施形態においては、発光層は、第3のEL材料をさらに含む。
ある実施形態においては、発光層は、ホストと、イリジウムのシクロメタレート化錯体である青色から青緑色のドーパントとから本質的になる。ある実施形態においては、ホストは、インドロカルバゾール類、トリアジン類、クリセン類、それらの重水素化類似体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
ある実施形態においては、発光層は、ホストと、ビス(ジアリールアミノ)アントラセン、ビス(ジアリールアミノ)クリセン、およびそれらの重水素化類似体から選択される青色から青緑色のドーパントとから本質的になる。ある実施形態においては、ホストはアリールアントラセン誘導体から選択される。
ある実施形態においては、発光層中のELドーパントの総量は、層の全重量を基準として1〜30重量%であり、ある実施形態においては5〜20重量%である。
b.電子輸送層
電子輸送層は、発光層中の第1のEL材料とは異なる1種類以上のエレクトロルミネッセンス材料から本質的になる。ある実施形態においては、電子輸送層は、有機配位子を有するイリジウム錯体から本質的になる。
ある実施形態においては、電子輸送層のフォトルミネッセンス量子収率)「PLQY」)は20%を超え、ある実施形態においては50%を超え、ある実施形態においては70%を超える。PLQYは、薄膜の値を求めるために設計された積分球などの装置を使用して測定することができる。しかし多くの場合、PLQYは溶液中でより好都合に測定される。溶液PLQYは、輝度分光光度計を使用して測定することができる。ある実施形態においては、PLQYは、有機溶媒中のイリジウム錯体の溶液に対して求められる。ある実施形態においては、この溶液PLQYは20%を超え、ある実施形態においては50%を超え、ある実施形態においては70%を超える。
ある実施形態においては、電子輸送層は、黄色発光を示すイリジウム錯体から本質的になる。ある実施形態においては、電子輸送層は、橙赤色から赤色の発光を示すイリジウム錯体から本質的になる。
c.他のデバイス層
デバイス中の他の層は、そのような層中で有用となることが知られているあらゆる材料から作製することができる。
図面に示されていない基板が、アノードまたはカソードに隣接して存在することができる。ある実施形態においては、基板はアノードに隣接する。基板は、剛性または可撓性のいずれであってもよい母材である。基板は、限定するものではないがガラス、ポリマー、金属、またはセラミック材料、あるいはそれらの組み合わせを含むことができる1種類以上の材料の1つ以上の層を含むことができる。基板は、電子部品、回路、または導電性部材を含む場合もあるし、含まない場合もある。
アノードは、正電荷キャリアの注入に特に有効な電極である。これは、たとえば、金属、混合金属、合金、金属酸化物、または混合金属酸化物を含有する材料でできていてよく、導電性ポリマー、およびそれらの混合物であってもよい。好適な金属としては、11族金属、4族、5族、および6族の金属、ならびに8 10族の遷移金属が挙げられる。アノードが光透過性である場合は、12族、13族、および14族の金属の混合金属酸化物が一般に使用される。好適な材料の例としては、インジウム−スズ−酸化物(「ITO」).インジウム−亜鉛−酸化物(「IZO」)、アルミニウム−スズ−酸化物(「ATO」)、アルミニウム−亜鉛−酸化物(「AZO」)、およびジルコニウム−スズ−酸化物(「ZTO」)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施形態においては、アノードは、フッ素化酸ポリマーおよび導電性ナノ粒子を含む。このような材料は、たとえば米国特許第7,749,407号明細書に記載されている。
正孔注入層は、正孔注入材料を含む。ある実施形態においては、正孔注入材料は、導電性材料または半導体材料である。
正孔注入材料は、プロトン酸がドープされることが多いポリアニリン(PANI)またはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などのポリマー材料であってよい。プロトン酸は、たとえば、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)などであってよい。正孔注入材料は、銅フタロシアニンおよびテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン系(TTF−TCNQ)などの電荷輸送化合物などを含むことができる。ある実施形態においては、正孔注入層は、導電性ポリマーとコロイド形成性ポリマー酸との分散体から作製される。このような材料は、たとえば、米国特許第7,250,461号明細書、米国特許出願公開第2004−0102577号明細書、米国特許出願公開第2004−0127637号明細書、および米国特許出願公開第2005−0205860号明細書、ならびに国際公開第2009/018009号パンフレットに記載されている。
ある実施形態においては、正孔注入層は、フッ素化酸ポリマーおよび導電性ナノ粒子を含む。このような材料は、たとえば米国特許第7,749,407号明細書に記載されている。
正孔輸送層の正孔輸送材料の例は、たとえば、Y.WangによりKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Vol.18,p.837−860,1996にまとめられている。正孔輸送分子および正孔輸送ポリマーの両方を使用することができる。一般に使用される正孔輸送分子は:N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、a−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)−ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP)、1,2−trans−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス−(フェニル)ベンジジン(NPB)、および銅フタロシアニンなどのポルフィリン系化合物である。一般に使用される正孔輸送ポリマーは、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)−ポリシラン、およびポリアニリンである。ポリスチレンおよびポリカーボネートなどのポリマー中に、上述のものなどの正孔輸送分子をドープすることによって、正孔輸送ポリマーを得ることもできる。場合によっては、トリアリールアミンポリマー、特にトリアリールアミン−フルオレンコポリマーが使用される。場合によっては、これらのポリマーおよびコポリマーは架橋性である。ある実施形態においては、正孔輸送層は、p−ドーパントをさらに含む。ある実施形態においては、正孔輸送層にはp−ドーパントがドープされる。p−ドーパントの例としては、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、およびペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−3,4,9,10−二無水物(PTCDA)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
デバイスの用途に依存するが、光活性層400は、印加電圧によって活性化される発光層(発光ダイオードまたは発光電気化学セル中など)、放射エネルギーに応答し、バイアス電圧の印加を伴ってまたは伴わずに信号を発生する材料の層(光検出器中など)であってよい。一実施形態においては、電気活性層は、有機エレクトロルミネッセンス(「EL」)材料を含む。
電子注入層は、Li含有有機金属化合物、LiF、LiO、Cs含有有機金属化合物、CsF、CsO、およびCsCOからなる群から選択される材料を含むことができる。ある実施形態においては、電子注入層のために堆積される材料は、下にある電子輸送層および/またはカソードと反応し、測定可能な層としては残留しない。
カソードは、電子または負電荷キャリアの注入に特に有効な電極である。カソードは、アノードよりも低い仕事関数を有するあらゆる金属または非金属であってよい。カソードの材料は、1族のアルカリ金属(たとえば、Li、Cs)、2族(アルカリ土類)金属、12族金属、たとえば希土類元素およびランタニド、ならびにアクチニドから選択することができる。アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウム、およびマグネシウム、ならびにそれらの組み合わせなどの材料を使用することができる。
有機電子デバイス中に他の層を有することが知られている。それぞれの構成層の材料の選択は、好ましくは、高いエレクトロルミネッセンス効率を有するデバイスを得るために、発光層中の正電荷と負電荷とのバランスをとることによって決定される。各機能層が2つ以上の層で構成されてよいことを理解されたい。
しかし、ほとんどの照明用途では、コスト削減のために最小数の層を使用することが望ましい。ある実施形態においては、デバイスは、順番に、アノード、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、およびカソードからなり、発光層および電子輸送層は前述の通りである。
一実施形態においては、種々の層は、以下の範囲の厚さを有する:アノード、500〜5000Å、一実施形態においては1000〜2000Å;正孔注入層、50〜3000Å、一実施形態においては200〜1000Å;正孔輸送層、50〜2000Å、一実施形態においては200〜1000Å;発光層、10〜2000Å、一実施形態においては100〜1000Å;電子輸送層、100〜2000Å、一実施形態においては200〜1500Å;電子注入層、1〜25Å、一実施形態においては5〜15Å;カソード、200〜10000Å、一実施形態においては300〜5000Å。層の厚さの望ましい比は、使用される材料の厳密な性質に依存する。
電子輸送層は、気相堆積によって形成される。他のデバイス層は、あらゆる堆積技術、または技術の組み合わせ、たとえば気相堆積、液相堆積、および熱転写似よって形成することができる。前述のような従来の気相堆積技術を使用することができる。有機層は、限定するものではないがスピンコーティング、浸漬コーティング、ロール・ツー・ロール技術、インクジェット印刷、連続ノズル印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷などの従来のコーティングまたは印刷技術を用いて、好適な溶媒中の溶液または分散体から塗布することができる。
液相堆積方法の場合、特定の化合物または関連する種類の化合物に好適な溶媒は、当業者が容易に決定することができる。一部の用途では、化合物が非水溶媒中に溶解することが望ましい。このような非水溶媒は、C〜C20アルコール類、エーテル類、および酸エステル類などの比較的極性であってよいし、あるいはC〜C12アルカン類、またはトルエン、キシレン類、トリフルオロトルエンなどの芳香族など比較的非極性であってもよい。新規化合物を含む本明細書に記載されるような溶液または分散体のいずれかとしての液体組成物の製造に使用すると好適な他の液体としては、塩素化炭化水素類(塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼンなど)、芳香族炭化水素類(置換および非置換のトルエン類およびキシレン類など)、たとえばトリフルオロトルエン)、極性溶媒(テトラヒドロフラン(THP)、N−メチルピロリドンなど)エステル類(エチルアセテートなど)アルコール類(イソプロパノール)、ケイトン類(keytones)(シクロペンタトン(cyclopentatone))、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。エレクトロルミネッセンス材料に好適な溶媒は、たとえば国際公開第2007/145979号パンフレットに記載されている。
ある実施形態においては、デバイスは、正孔注入層、正孔輸送層、および発光層の液相堆積と、電子輸送層、電子注入層、およびカソードの気相堆積とによって製造される。
本明細書に記載の新規組成物を用いて作製されるデバイスの効率は、デバイス中の他の層を最適化させることによってさらに改善できることを理解されたい。たとえば、Ca、Ba、またはLiFなどのより効率的なカソードを使用することができる。動作電圧を下げたり量子効率を向上させたりする成形基体および新規な正孔輸送材料も利用可能である。
本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料を使用して、本発明の実施または試験を行うことができるが、好適な方法および材料について以下に説明する。さらに、これらの材料、方法、および実施例は、単に説明的なものであって、限定を意図したものではない。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、それらの記載内容全体が参照により援用される。
本明細書に記載の概念を以下の実施例においてさらに説明するが、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
材料
HIJ−1は正孔注入材料であり、かつ導電性ポリマーおよびポリマーフッ素化スルホン酸の水性分散体から製造される。このような材料は、たとえば、米国特許出願公開第2004/0102577号明細書、米国特許出願公開第2004/0127637号明細書、および米国特許出願公開第2005/0205860号明細書、ならびに国際公開第2009/018009号パンフレットに記載されている。
NPBは、N,N’−ビス−(1−ナフタレニル)−N,N’−ビス−フェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンである。
青色1は以下に示される。このような材料は、たとえば米国特許出願公開第2010−0187983号明細書に記載されている。
Figure 2014531135
ホスト1は以下に示される。このような材料は、たとえば米国特許出願公開第2011−0121269号明細書に記載されている。
Figure 2014531135
前述のドーパントY11は、たとえば米国特許第6,670,645号明細書および米国特許出願公開第2010−0148663号明細書に示される手順と類似の手順を使用して調製される。
ETM−1は、テトラキス(8−ヒドロキシキノリナト)ジルコニウムであり、「ZrQ」として知られている。
比較例Aおよび実施例1
これらの例では、電子輸送層としてイリジウム錯体を使用するデバイスの性能を示す。比較例Aでは、電子輸送層はETM−1であった。実施例1では、電子輸送層はY11であった。
デバイスは、以下のデバイス層を記載の順序で有し、すべてのパーセント値は、層の全重量を基準とした重量パーセント値である。
基板=ガラス
アノード=インジウムスズ酸化物(「ITO」)(120nm)
正孔注入層=HIJ−1(50nm)
正孔輸送層=NPB(20nm)
青色発光層=(30nm):
8%青色1
92%ホスト1
電子輸送層=(20nm)
比較例A=ETM−1
実施例1=Y11
電子注入層=CsF(1nm、堆積時)
カソード=Al(100nm)
ガラス基板上に層を堆積することによってデバイスを堆積した。正孔注入層は、水性分散体からのスピンコーティングによって堆積した。他のすべての層は、蒸着によって取り付けた。
デバイスの特性決定は、(1)電流−電圧(I−V)曲線、(2)エレクトロルミネッセンス放射輝度対電圧、および(3)エレクトロルミネッセンススペクトル対電圧を測定することによって行った。3つすべての測定を同時に行い、コンピュータで制御を行った。LEDのエレクトロルミネッセンス放射輝度を、デバイスを動作させるために必要な電流密度で割ることによって、特定の電圧におけるデバイスの電流効率(cd/A)が求められる。出力効率(Lm/W)は、電流効率を動作電圧で割った値である。エレクトロルミネッセンススペクトルから相関色温度(「CCT」)を計算した。結果を表1に示す。
Figure 2014531135
これらの例は、蛍光青色デバイス中の電子輸送層としてIr錯体を使用できることを示している。これらのデバイスは、同等の効率および青色が得られる。実施例1のデバイスは、1V低い動作電圧を有する。
実施例2
この実施例では、電子輸送層としてイリジウム錯体を有する白色光デバイスの性能を示す。
実施例2は、以下のデバイス層を記載の順序で有し、すべてのパーセント値は、層の全重量を基準とした重量パーセント値である。
基板=ガラス
アノード=インジウムスズ酸化物(「ITO」)(120nm)
正孔注入層=HIJ−1(50nm)
正孔輸送層=NPB(20nm)
青色発光層=(30nm):
8%青色1
92%ホスト1
電子輸送層=Y11(100nm)
電子注入層=CsF(1nm、堆積時)
カソード=Al(100nm)
実施例1と同様にガラス基板上に層を堆積することによってデバイスを作製した。
実施例1で前述したようにデバイスの特性決定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2014531135
この実施例は、イリジウム錯体のみを含有する発光電子輸送層を使用して白色光OLEDを形成できることを示している。
概要または実施例において前述したすべての行為が必要なわけではなく、特定の行為の一部は不要である場合があり、1つ以上のさらに別の行為が、前述の行為に加えて実施される場合があることに留意されたい。さらに、行為が列挙されている順序は、必ずしもそれらが実施される順序ではない。
以上の明細書において、特定の実施形態を参照しながら本発明の概念を説明した。しかし、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに種々の修正および変形が可能なことが理解できるであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく説明的なものであると見なすべきであり、すべてのこのような修正は本発明の範囲内に含まれることが意図される。
特定の実施形態に関して、利益、その他の利点、および問題に対する解決法を以上に記載してきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、なんらかの利益、利点、または解決法を発生させたり、より顕著となったりすることがある、あらゆる特徴が、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要、必要、または本質的な特徴として構成されるものではない。
別々の実施形態の状況において、明確にするために本明細書に記載されている特定の複数の特徴は、1つの実施形態の中で組み合わせても提供できることを理解されたい。逆に、簡潔にするため1つの実施形態の状況において説明される種々の特徴も、別々に提供したり、あらゆる副次的な組み合わせで提供したりすることができる。さらに、範囲で記載される値に関する言及は、その範囲のそれぞれおよびすべての値を含んでいる。

Claims (14)

  1. アノード、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、およびカソードを記載の順序で含む有機電子デバイスであって、前記発光層が、少なくとも1種類の第1のエレクトロルミネッセンス材料を含み、前記電子輸送層が、前記第1のエレクトロルミネッセンス材料とは異なる1種類以上のエレクトロルミネッセンス材料から本質的になり、前記デバイスが白色光発光を示す、有機電子デバイス。
  2. 前記発光層がホスト材料をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
  3. 第2のエレクトロルミネッセンス材料が、有機配位子を有するイリジウム錯体である、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記電子輸送層が第2のエレクトロルミネッセンス材料から本質的になる、請求項1に記載のデバイス。
  5. 前記第1のエレクトロルミネッセンス材料が青色エレクトロルミネッセンス材料であり、第2のエレクトロルミネッセンス材料が黄色エレクトロルミネッセンス材料である、請求項1に記載のデバイス。
  6. 前記第1のエレクトロルミネッセンス材料が青緑色エレクトロルミネッセンス材料であり、第2のエレクトロルミネッセンス材料が橙赤色/赤色エレクトロルミネッセンス材料である、請求項1に記載のデバイス。
  7. 前記第1のエレクトロルミネッセンス材料が空色エレクトロルミネッセンス材料であり、第2のエレクトロルミネッセンス材料が橙赤色エレクトロルミネッセンス材料である、請求項1に記載のデバイス。
  8. 順番に、アノード、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、およびカソードから本質的になる、請求項1に記載のデバイス。
  9. 前記電子輸送層が10〜200nmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
  10. 前記第1のエレクトロルミネッセンス材料が、有機配位子を有するイリジウム錯体である請求項3に記載のデバイス。
  11. 前記電子輸送層のフォトルミネッセンス量子収率が20%を超える、請求項1に記載のデバイス。
  12. 前記電子輸送層のフォトルミネッセンス量子収率が50%を超える、請求項11に記載のデバイス。
  13. 前記電子輸送層の前記1種類以上のエレクトロルミネッセンス材料が、20%を超える溶液フォトルミネッセンス量子収率を有する、請求項1に記載のデバイス。
  14. 前記溶液フォトルミネッセンス量子収率が50%を超える、請求項13に記載のデバイス。
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