JP2014523541A - 偏光性フォトクロミック物品 - Google Patents

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Abstract

基材と、第1のフォトクロミック化合物を含むプライマー層と、プライマー層の上の、フォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層とを含むフォトクロミック物品が提供される。第1のフォトクロミック化合物とフォトクロミック−二色化合物とが、それぞれ、フォトクロミック−二色化合物が、その下にある第1のフォトクロミック化合物のピーク吸光度の波長で0.1以下の吸光度を有するように選択される。また、本発明は、フォトクロミック−二色層の上にトップコート層をさらに含む、このようなフォトクロミック物品に関する。トップコート層は、その下にあるフォトクロミック−二色化合物のピーク吸光度の波長で0.1未満の吸光度を有する第2のフォトクロミック化合物を含んでいてもよい。フォトクロミック物品は、着色した状態または暗くなった状態のとき、例えば、化学線にさらされたときに、直線偏光性、透過率の低下を合わせて提供する。

Description

(関連出願の引用)
本願は、米国特許出願番号11/590,055(2006年10月31日出願)の一部継続出願であり、これは、米国特許出願番号10/846,650(2004年5月17日出願)(米国特許第7,256,921号として発行)の分割であり、これは、米国仮特許出願番号60/484,100(2003年7月1日出願)に対する優先権を主張し、その優先権の利益を得る。これらの各々は、特に本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、基材と、第1のフォトクロミック化合物を含むプライマー層と、プライマー層の上に、フォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層とを含み、第1のフォトクロミック化合物およびフォトクロミック−二色化合物が、それぞれ、フォトクロミック−二色化合物が、その下にある第1のフォトクロミック化合物のピーク吸光度の波長で0.1未満の吸光度を有するように選択される、フォトクロミック物品に関する。
(発明の背景)
従来の直線偏光性エレメント、例えば、サングラス用の直線偏光性レンズおよび直線偏光性フィルターは、典型的には、二色材料(例えば、二色染料)を含有する延伸ポリマーシートから作られる。その結果、従来の直線偏光性エレメントは、1個の直線偏光状態を有する静的なエレメントである。したがって、従来の直線偏光性エレメントが、ランダムに偏光された放射線または適切な波長を有する反射した放射線のいずれかにさらされる場合、このエレメントを透過する放射線の一部は、直線偏光される。
それに加えて、従来の直線偏光性エレメントは、典型的には着色している。典型的には、従来の直線偏光性エレメントは、着色剤(すなわち、二色材料)を含み、化学放射線に応答して変わらない吸収スペクトルを有する。従来の直線偏光性エレメントの色は、そのエレメントを形成するために用いられる着色剤によって変わり、最も一般的には、中間色(例えば、ブラウンまたはグレー)である。したがって、従来の直線偏光性エレメントは、反射した光の光沢を減らすのに有用であるが、これらのエレメントは、その色合いのため、典型的には、低光条件で使用するのに十分に適していない。さらに、従来の直線偏光性エレメントがたった1個の着色した直線偏光状態しか有さないため、情報を格納または提示する能力に制限がある。
従来の直線偏光性エレメントは、典型的には、二色材料を含有する延伸ポリマー膜のシートを用いて作られる。これに対応して、二色材料は、透過する放射線の2つの直交する平面偏光成分のうち1つを優先的に吸収することができるが、もし、二色材料の分子が、適切に配置も整列もしていない場合には、透過する放射線の正味の直線偏光は達成されないだろう。いずれの理論によっても束縛されることを意図しないが、二色材料の分子をランダムに位置決めすることに起因して、個々の分子による選択的な吸収が、正味の直線偏光効果も全体的な直線偏光効果も達成されないように互いに打ち消されてしまうものと考えられる。従って、典型的には、二色材料の分子を別の材料とのアライメントによって、正味の直線偏光が達成されるような位置に置くか、または整列させることが必要である。
二色染料の分子を整列させる一般的な方法は、ポリビニルアルコール(「PVA」)のシートまたは層を加熱してPVAを軟化させ、次いで、このシートを延伸してPVAポリマー鎖を配向させることを含む。その後、二色染料が延伸シートの中に含浸され、含浸された染料分子は、ポリマー鎖の配向に沿って変わる。この結果、それぞれの整列している染料分子の長軸が、配向したポリマー鎖とほぼ平行になるように、染料分子の少なくともいくらかが整列する。または、まず、二色染料がPVAシートに含浸され得、その後、シートを上述のように加熱し、延伸し、PVAポリマー鎖および会合する染料を配向させることができる。この様式で、二色染料の分子は、PVAシートの配向したポリマー鎖の中で適切に配置されているか、または整列していてもよく、正味の直線偏光も対応して達成することができる。結果として、PVAシートは、透過する放射線を直線偏光させることができ、これに対応して、直線偏光性フィルターを形成することができる。
上述の二色エレメントとは対照的に、従来のフォトクロミックエレメント(例えば、従来の熱可逆性のフォトクロミック材料を用いて作られるフォトクロミックレンズ)は、一般的に、化学放射線に応答して、第1の状態、例えば「透明な状態」から、第2の状態、例えば「着色した状態」へと変化することができ、熱エネルギーに応答して、第1の状態に戻ることができる。したがって、従来のフォトクロミックエレメントは、一般的に、低光条件および明るい条件の両方で使用するのに十分に適している。しかし、直線偏光性フィルターを含まない従来のフォトクロミックエレメントは、一般的に、放射線を直線偏光させることはできない。どちらの状態でも従来のフォトクロミックエレメントの吸収比は、一般的に、2未満である。したがって、従来のフォトクロミックエレメントは、従来の直線偏光性エレメントと同じ程度まで反射光の光沢を減らすことはできない。それに加えて、従来のフォトクロミックエレメントは、情報を格納し、または提示する能力に制限がある。
適切に、少なくとも十分に整列している場合には、フォトクロミック性および二色性の両方を与えるフォトクロミック−二色化合物および材料が開発されてきた。しかし、着色した状態または暗くなった状態、例えば、化学線にさらされた状態では、フォトクロミック−二色化合物は、典型的には、等価な濃度およびサンプルの厚みで、非偏光型のフォトクロミック化合物または従来のフォトクロミック化合物よりも大きな透過率を有している。いずれの理論によっても束縛されることを意図しないが、手元にある証拠に基づき、フォトクロミック−二色材料の透過率が、暗くなった状態または着色した状態で大きいのは、透過率が、偏光放射線の2つの直交する平面偏光成分の平均であるためであると考えられる。フォトクロミック−二色材料は、入射するランダムな放射線の2つの直交する平面偏光成分のうち、1つをかなり強く吸収し、透過する偏光の平面のうち、1つが、他の直交する平面偏光成分よりも大きな透過率を有する(サンプルを通り、サンプルを出る)。2つの直交する平面偏光成分の平均は、典型的には、大きな値の平均透過率となる。一般的に、フォトクロミック−二色化合物の直線偏光の効率(吸収比という観点で定量することができる)が上がるにつれて、これに関連する透過率も上がる。
フォトクロミック−二色化合物を含み、着色した状態または暗くなった状態で(例えば、化学線にさらされたとき)、直線偏光性、透過率の低下を合わせて提供する新しい偏光性フォトクロミック物品を開発することが望ましい。
(発明の要旨)
本発明によれば、基材と、基材の上に配置されたプライマー層、プライマー層の上に配置されたフォトクロミック−二色層を含む少なくとも2つの層とを含むフォトクロミック物品が提供される。
プライマー層は、第1のピーク吸光度波長と第1の末端最小吸光度波長を有する第1のフォトクロミック化合物を含む。第1のフォトクロミック化合物の第1の末端最小吸光度波長は、その第1のピーク吸光度波長よりも波長が長い。
フォトクロミック−二色層は、第2のピーク吸光度波長と第2の末端最小吸光度波長を有するフォトクロミック−二色化合物を含む。フォトクロミック−二色化合物の第2の末端最小吸光度波長は、その第2のピーク吸光度波長よりも波長が長い。
フォトクロミック−二色化合物の第2のピーク吸光度波長は、第1のフォトクロミック化合物の第1のピーク吸光度波長よりも短い。フォトクロミック−二色化合物の第2の末端最小吸光度波長は、第1のフォトクロミック化合物の第1の末端最小吸光度波長よりも短い。
それに加えて、フォトクロミック−二色化合物は、その下にある第1のフォトクロミック化合物の第1のピーク吸光度に対応する波長(すなわち、第1のピーク吸光度波長)で0.1以下の吸光度を有する。
本発明のさらなる実施形態によれば、基材と、基材の上に配置されたプライマー層、プライマー層の上に配置されたフォトクロミック−二色層、フォトクロミック−二色層の上に配置されたトップコート層を含む基材上の少なくとも3つの層とを含むフォトクロミック物品が提供される。
プライマー層は、第1のピーク吸光度波長と第1の末端最小吸光度波長を有する第1のフォトクロミック化合物を含む。第1のフォトクロミック化合物の第1の末端最小吸光度波長は、その第1のピーク吸光度波長よりも波長が長い。
フォトクロミック−二色層は、第2のピーク吸光度波長と第2の末端最小吸光度波長を有するフォトクロミック−二色化合物を含む。フォトクロミック−二色化合物の第2の末端最小吸光度波長は、その第2のピーク吸光度波長よりも波長が長い。
少なくとも3層の実施形態のトップコート層は、任意構成要素の紫外光吸収剤と、第3のピーク吸光度波長と第3の末端最小吸光度波長を有する第2のフォトクロミック化合物とを含む。第2のフォトクロミック化合物の第3の末端最小吸光度波長は、その第3のピーク吸光度波長よりも長い。
少なくとも3層の実施形態では、フォトクロミック−二色化合物の第2のピーク吸光度波長は、その下にある第1のフォトクロミック化合物の第1のピーク吸光度波長より短い。フォトクロミック−二色化合物の第2の末端最小吸光度波長は、その下にある第1のフォトクロミック化合物の第1の末端最小吸光度波長より短い。第2のフォトクロミック化合物の第3のピーク吸光度波長は、その下にあるフォトクロミック−二色化合物の第2のピーク吸光度波長より短い。第2のフォトクロミック化合物の第3の末端最小吸光度波長は、その下にあるフォトクロミック−二色化合物の第2の末端最小吸光度波長より短い。
それに加えて、少なくとも3層の実施形態では、フォトクロミック−二色化合物は、その下にある第1のフォトクロミック化合物の第1のピーク吸光度に対応する波長(すなわち、第1のピーク吸光度波長)で0.1以下の吸光度を有する。さらに、第2のフォトクロミック化合物は、その下にあるフォトクロミック−二色化合物の第2のピーク吸光度に対応する波長(すなわち、第2のピーク吸光度波長)で0.1以下の吸光度を有する。
図1は、本発明にかかるフォトクロミック物品の代表的な側面立面断面図であり、プライマー層の第1のフォトクロミック化合物、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物、トップコート層の第2のフォトクロミック化合物について、吸光度 対 波長のプロットをあらわしたグラフを含む。 図2は、波長の関数として平均デルタ吸光度をあらわすグラフであり、本発明のフォトクロミック物品に含まれていてもよいフォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層について得られた2種類の平均差吸収スペクトルを示す。
(発明の詳細な説明)
本明細書で使用する場合、「化学放射線」との用語は、材料の中で応答を起こさせることができる、例えば、限定されないが、以下にさらに詳細に記載するように、ある形または状態から別の形または状態へとフォトクロミック材料を変換させることができる電磁放射線を意味する。
本明細書で使用する場合、「フォトクロミック」との用語および類似の用語、例えば、「フォトクロミック化合物」は、少なくとも化学放射線の吸収に対して応答して変わる少なくとも可視光放射線の吸収スペクトルを有することを意味する。さらに、本明細書で使用する場合、「フォトクロミック材料」との用語は、フォトクロミック性を示すように調整され(すなわち、少なくとも化学放射線の吸収に応答して変わる少なくとも可視光放射線の吸収スペクトルを有するように調整され)、少なくとも1つのフォトクロミック化合物を含む任意の物質を意味する。
本明細書で使用する場合、「フォトクロミック化合物」との用語は、熱可逆性のフォトクロミック化合物と非熱可逆性のフォトクロミック化合物を含む。「熱可逆性のフォトクロミック化合物/材料」との用語は、本明細書で使用する場合、化学放射線に応答して第1の状態(例えば、「透明な状態」)から第2の状態(例えば「着色した状態」)へと変わることが可能であり、熱エネルギーに応答して第1の状態に戻ることが可能な化合物/材料を意味する。「非熱可逆性のフォトクロミック化合物/材料」との用語は、本明細書で使用する場合、化学放射線に応答して第1の状態(例えば、「透明な状態」)から第2の状態(例えば「着色した状態」)へと変わることが可能であり、着色した状態の吸収と実質的に同じ波長の化学放射線に応答して(例えば、そのような化学放射線にさらすのを止めると)第1の状態に戻ることができる化合物/材料を意味する。
本明細書で使用する場合、「二色」との用語は、少なくとも透過する放射線の2つの直交する平面偏光成分のうち1つを他方よりももっと強く吸収することができることを意味する。
本明細書で使用する場合、「フォトクロミック−二色」との用語および同様の用語、例えば「フォトクロミック−二色材料」および「フォトクロミック−二色化合物」は、フォトクロミック性(すなわち、少なくとも化学放射線に応答して変わる少なくとも可視光放射線の吸収スペクトルを有する)、二色性(すなわち、少なくとも透過する放射線の2つの直交する平面偏光成分のうち1つを他方よりももっと強く吸収することができる)の両方を有するか、および/または提供する材料および化合物を意味する。
本明細書で使用する場合、「吸収比」との用語は、第1面に直線偏光する放射線の吸光度と、第1面に直交する面に直線偏光する同じ波長の放射線の吸光度との比率を指し、第1面は、最も高い吸光度を有する表面と考えられる。
「状態」との用語を修飾するために本明細書で使用する場合、「第1の」および「第2の」という用語は、いかなる特定の順序も時間的な先後も指すことを意図しているのではなく、その代わりに、2つの異なる条件または性質を指す。非限定的な説明のために、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物の第1の状態と第2の状態は、少なくとも1つの光学特性、例えば、限定されないが、可視放射線および/またはUV放射線の吸収または直線偏光に関して異なっていてもよい。したがって、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、第1の状態と第2の状態それぞれで異なる吸収スペクトルを有していてもよい。例えば、本発明を限定しないが、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、第1の状態において透明であり、第2の状態では着色していてもよい。または、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、第1の状態で第1の色を有し、第2の状態で第2の色を有していてもよい。さらに、以下にさらに詳細に記載するように、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、第1の状態では非直線偏光性(または「非偏光性」)であってもよく、第2の状態では直線偏光性であってもよい。
本明細書で使用する場合、「光学」との用語は、光および/または視界に関するか、またはこれらに関連することを意味する。例えば、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、光学物品またはエレメントまたはデバイスは、眼科用物品、エレメントおよびデバイス、ディスプレイ物品、エレメントおよびデバイス、窓、鏡、アクティブ液晶セル物品およびパッシブ液晶セル物品、エレメントおよびデバイスから選択され得る。
本明細書で使用する場合、「眼科用」との用語は、目および視界に関するもの、またはこれらに関連するものを意味する。眼科用物品またはエレメントの非限定的な例としては、矯正レンズおよび非矯正レンズ(単焦点レンズまたは多焦点レンズ、部分に分けられた多焦点レンズであってもよく、部分に分けられていない多焦点レンズであってもよい(例えば、限定されないが、二焦点レンズ、三焦点レンズおよび多重焦点レンズを含む))、ならびに、限定されないが、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズおよび保護レンズ、または遮光板のような、視界を矯正し、保護し、または高める(化粧品的に、またはその他の目的で)ために用いられるおよび他のエレメントが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「眼科用基材」との用語は、レンズ、部分的に形成したレンズ、レンズブランクを意味する。
本明細書で使用する場合、「ディスプレイ」との用語は、文字、数字、記号、デザインまたは図面の情報の目に見えるか、または機械によって読み取り可能な表現を意味する。ディスプレイ物品、エレメントおよびデバイスの非限定的な例としては、スクリーン、モニタ、セキュリティエレメント、例えば、セキュリティマークが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「窓」との用語は、放射線がその中を透過することができるように調整された開口部を意味する。窓の非限定的な例としては、自動車用および航空用の透明部品、フィルター、シャッター、および光学スイッチが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「鏡」との用語は、大量の入射光またはかなりの部分の入射光を鏡面的に反射する表面を意味する。
本明細書で使用する場合、「液晶セル」との用語は、順に並べることができる液晶材料を含む構造を指す。アクティブ液晶セルは、外力(例えば、電場または磁場)を加えることによって、液晶材料が、順に並んだ状態と順に並んでいない状態との間を可逆的かつ制御可能に切り替えもしくは転換することができるか、または2種類の順に並んだ状態の間を制御可能に切り替えもしくは転換することができるセルである。パッシブ液晶セルは、液晶材料が順に並んだ状態で維持されているセルである。アクティブ液晶セルエレメントまたはデバイスの非限定的な例は、液晶ディスプレイである。
本明細書で使用する場合、「コーティング」との用語は、流動可能な組成物から誘導され、均一な厚みを有していてもよく、有していなくてもよい、支持された膜を意味し、特定的にはポリマーシートを除外する。本発明のフォトクロミック物品のプライマー層、フォトクロミック−二色層、任意構成要素のトップコート層は、ある実施形態では、それぞれ独立してコーティングであってもよい。
本明細書で使用する場合、「シート」という用語は、ほぼ均一な厚みを有し、自立できるあらかじめ形成した膜を意味する。
本明細書で使用する場合、「〜に接続する」との用語は、ある目的物との直接的な接続、または少なくとも1つが物体と直接接触している1種類以上の他の構造もしくは材料を介しての、ある目的物と間接的な接触を意味する。非限定的な説明のために、例えば、プライマー層は、基材の少なくとも一部と直接的に接触してもよく(例えば、隣接接触)、1つ以上の他の間に挟まった構造または材料(例えば、カップリング剤もしくは接着剤の単分子層)を介して基材の少なくとも一部と間接的に接続してもよい。例えば、本発明を限定しないが、プライマー層を、1つ以上の他の間に挟まったコーティング、ポリマーシートまたはこれらの組み合わせと接触させてもよく、これらのうち、少なくとも1つは、基材の少なくとも一部と直接的に接触している。
本明細書で使用する場合、「感光性材料」との用語は、限定されないが、リン光発光材料および蛍光材料を含め、電磁放射線に対し物理的または化学的に応答する材料を意味する。
本明細書で使用する場合、「非感光性材料」との用語は、限定されないが、静的な染料を含め、電磁放射線に物理的にも化学的にも応答しない材料を意味する。
本明細書で使用する場合、ポリマーの分子量値、例えば、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、適切な標準物質(例えば、ポリスチレン標準)を用いたゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。
本明細書で使用する場合、多分散指数(PDI)値は、ポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率をあらわす(すなわち、Mw/Mn)。
本明細書で使用する場合、「ポリマー」との用語は、ホモポリマー(例えば、単一のモノマー種から調製される)、コポリマー(例えば、少なくとも2種類のモノマー種から調製される)およびグラフトポリマーを意味する。
本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリレート」との用語および類似の用語、例えば、「(メタ)アクリル酸エステル」は、メタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリル酸」との用語は、メタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。
他の意味であると示されていない限り、本明細書に開示するあらゆる範囲または比率は、その中に包含される任意のすべてのサブ範囲またはサブ比率を包含すると理解すべきである。例えば、「1〜10」と述べられている範囲または比率は、最小値が1であり、最大値が10であるその間の(境界値を含む)任意のすべてのサブ範囲、すなわち、最小値が1以上から始まり、最大値が10以下で終わるあらゆるサブ範囲またはサブ比率、例えば、限定されないが、1〜6.1、3.5〜7.8、5.5〜10を含むと考えるべきである。
本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、他の意味であると示されていない限り、接続基(例えば、二価の接続基)の左から右への表現は、他の適切な向き、例えば、限定されないが、右から左への向きを含む。非限定的な説明のために、二価の接続基の左から右への表現
Figure 2014523541
または等価な−C(O)O−は、その右から左への表現
Figure 2014523541
または等価な−O(O)C−もしくは−OC(O)−を含む。
本明細書で使用する場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、他の言い方で1個の言及物に明らかに、かつ明白に限定されている場合を除き、複数の言及物も含む。
本明細書で使用する場合、「第1のフォトクロミック化合物」との用語は、少なくとも1つのフォトクロミック化合物を意味する。2種類以上の第1のフォトクロミック化合物が存在する場合、これらの化合物が一緒になって、第1のピーク吸光度波長(例えば、平均)、第1の末端最小吸光度波長(例えば、平均)を有し、与える。
本明細書で使用する場合、「フォトクロミック−二色化合物」との用語は、少なくとも1つのフォトクロミック−二色化合物を意味する。2種類以上のフォトクロミック−二色化合物が存在する場合、これらの化合物が一緒になって、第2のピーク吸光度波長(例えば、平均)、第2の末端最小吸光度波長(例えば、平均)を有し、与える。
本明細書で使用する場合、「第2のフォトクロミック化合物」との用語は、少なくとも1つの第2のフォトクロミック化合物を意味する。2種類以上の第2のフォトクロミック化合物が存在する場合、これらの化合物が一緒になって、第3のピーク吸光度波長(例えば、平均)、第3の末端最小吸光度波長(例えば、平均)を有し、与える。
本明細書で使用する場合、「第1のピーク吸光度波長」との用語は、第1のフォトクロミック化合物がピーク(または極大)吸光度を有する波長を意味する。
本明細書で使用する場合、「第1の末端最小吸光度波長」との用語は、第1のフォトクロミック化合物が、末端(または上側の)最小吸光度を有する波長を意味する。第1の末端最小吸光度波長は、第1のピーク吸光度波長よりも長い波長である。
本明細書で使用する場合、「第2のピーク吸光度波長」との用語は、フォトクロミック−二色化合物がピーク(または極大)吸光度を有する波長を意味する。
本明細書で使用する場合、「第2の末端最小吸光度波長」との用語は、フォトクロミック−二色化合物が、末端(または上側の)最小吸光度を有する波長を意味する。第2の末端最小吸光度波長は、第2のピーク吸光度波長よりも長い波長である。
本明細書で使用する場合、「第3のピーク吸光度波長」との用語は、第2のフォトクロミック化合物がピーク(または極大)吸光度を有する波長を意味する。
本明細書で使用する場合、「第3の末端最小吸光度波長」との用語は、第2のフォトクロミック化合物が、末端(または上側の)最小吸光度を有する波長を意味する。第3の末端最小吸光度波長は、第3のピーク吸光度波長よりも長い波長である。
本明細書で使用する場合、「直線偏光する」は、光波の電気ベクトルの振動を1つの方向または平面に制限することを意味する。
上の操作例以外、または、他の意味であると示されている場合を除き、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などをあらわすあらゆる数字は、あらゆる場合に「約」という用語で修飾されていると理解すべきである。
本明細書で使用する場合、空間または方向を示す用語、例えば、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「上」、「下」などは、描かれている図面に示されている場合の本発明に関連する。しかし、本発明は、種々の代わりとなる配向を呈することができ、したがって、このような用語は、限定するものと考えられるべきではないことを理解すべきである。
本明細書で使用する場合、「〜の上に作られた」、「〜の上に堆積した」、「〜の上に提供された」、「〜の上に塗布された」、「〜の上に存在する」、または「〜の上に配置された」は、その下にあるエレメント、またはその下にあるエレメントの上に作られるか、堆積させられるか、与えられるか、塗布されるか、存在するか、または配置されるが、必ずしも、その表面と直接的に接触する(または隣接する)必要はないことを意味する。例えば、基材「の上に配置された」層は、配置された層または作られた層と基材との間に位置する、同じ組成または異なる組成の1種類以上の他の層、コーティングまたは膜が存在することを除外するものではない。
本明細書で言及しているあらゆる刊行物、例えば、限定されないが、登録特許および特許出願は、他に示されていない限り、その全体が「参考として組み込まれる」と考えられるべきである。
図1を参照し、非限定的な説明のために、本発明のフォトクロミック物品2が示されている。フォトクロミック物品2は、第1の表面12と第2の表面13を有する基材11を含み、ここで、第1の表面12と第2の表面13は、互いに逆向きである。基材11の第1の表面12は、矢印15によって示される入射化学放射線の方を向いている。フォトクロミック物品2は、さらに、基材11の上に(例えば、隣接して)プライマー層14を有し、特に、基材11の第1の表面12の上に(例えば、隣接して)プライマー層14を有する。フォトクロミック物品2は、さらに、プライマー層14の上にフォトクロミック−二色層17と、フォトクロミック−二色層17の上に任意構成要素のトップコート層20とを含む。図1のフォトクロミック物品2は、他の任意構成要素の層を含み、これらの層は、本明細書でさらに説明する。
プライマー層14は、グラフ23によってあらわされる吸光度特性を有する第1のフォトクロミック化合物を含み、グラフ23は、第1のフォトクロミック化合物について吸光度 対 波長のプロットである。図1のグラフ23を参照すると、第1のフォトクロミック化合物は、第1のピーク吸光度波長26と、第1の末端最小吸光度波長29とを有する。第1のフォトクロミック化合物の第1の末端最小吸光度波長29は、その第1のピーク吸光度波長26より波長が長い。
フォトクロミック物品2のフォトクロミック−二色層17は、グラフ32によってあらわされる吸光度特性を有するフォトクロミック−二色化合物を含み、グラフ32は、フォトクロミック−二色化合物の吸光度 対 波長のプロットである。図1のグラフ32を参照すると、フォトクロミック−二色化合物は、第2のピーク吸光度波長35と、第2の末端最小吸光度波長38とを有する。フォトクロミック−二色化合物の第2の末端最小吸光度波長38は、その第2のピーク吸光度波長35より波長が長い。
フォトクロミック物品2の任意構成要素のトップコート層20は、本発明のある実施形態では、グラフ41によってあらわされる吸光度特性を有する第2のフォトクロミック化合物を含んでいてもよく、グラフ41は、第2のフォトクロミック化合物の吸光度 対 波長のプロットである。図1のグラフ41を参照すると、第2のフォトクロミック化合物は、第3のピーク吸光度44と、第3の末端最小吸光度波長47とを有する。第2のフォトクロミック化合物の第3の末端最小吸光度波長47は、その第3のピーク吸光度波長44より波長が長い。
図1のグラフ23、32、41は、それぞれ、300nm〜約420nmの波長の関数として吸光度を示す。本明細書ですでに示したように、図1(グラフ23、32、41を含む)は、非限定的な説明のために参照される。このように、第1のフォトクロミック化合物、フォトクロミック−二色化合物、第2のフォトクロミック化合物の吸光度は、本明細書で以下にさらに詳細に記載されるように、それぞれの場合に、300nm〜420nmの波長範囲に限定されない。
図1でグラフによって示されるように、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の第2のピーク吸光度波長35は、その下にあるプライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の第1のピーク吸光度波長26よりも短い。それに加えて、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物の第2の末端最小吸光度波長38は、その下にあるプライマー層の第1のフォトクロミック化合物の第1の末端最小吸光度波長29よりも短い。
フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物と、その下にあるプライマー層14の第1のフォトクロミック化合物は、それぞれ、上述の吸光度特性を有するように選択される。それに加え、これらは、フォトクロミック−二色化合物が、その下にあるプライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の第1のピーク吸光度波長26に対応する波長または等価な波長(すなわち、第1のピーク吸光度波長26)で0.1以下の吸光度を有するように選択される。本発明のいくつかの実施形態では、フォトクロミック−二色化合物は、その下にあるプライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の第1のピーク吸光度波長26で、吸光度が0.05以下、または0.025以下、または0.02以下、または0.015以下、または0.01以下である。さらにいくつかの実施形態では、フォトクロミック−二色化合物は、その下にあるプライマー層の第1のフォトクロミック化合物の第1のピーク吸光度波長で吸光度が実質的にゼロである。
トップコート層20が存在しないか、または存在するものの第2のフォトクロミック化合物を含まない本発明のフォトクロミック物品によれば、入射化学放射線(例えば、図1の矢印15で示されるような)は、フォトクロミック−二色層17を通り、そのフォトクロミック−二色化合物によって部分的に吸収される。フォトクロミック−二色化合物と、第1のフォトクロミック化合物は、第1のピーク吸光度波長26に対する第2のピーク吸光度波長35および第2の末端最小吸光度波長38の位置がそれぞれ、第1のピーク吸光度波長26で0.1未満の吸光度を有するフォトクロミック−二色化合物を生じるように選択される。これにより、その下にあるプライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の第1のピーク吸光度波長26に対し、フォトクロミック−二色層17内でフォトクロミック−二色化合物によって吸収される入射化学放射線15の吸光度が最小になる。この場合、それぞれの場合に、入射化学放射線15にさらされることによる、着色した状態または暗くなった状態への、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の変換、およびその下にあるプライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の変換は、それぞれの場合に、実質的に最大になる。結果として、本発明のフォトクロミック物品は、例えば、上述のような第1のフォトクロミック化合物を含むその下にあるプライマー層が存在しない状態で、フォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層を含む匹敵するフォトクロミック物品と同じ程度の入射化学放射線にさらされたとき、典型的には、もっと暗くなる。
本発明のいくつかの実施形態では、フォトクロミック−二色化合物と、第1のフォトクロミック化合物は、第2の末端最小吸光度波長(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の38)と、第1のピーク吸光度波長(例えば、プライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の26)の重複がその間で最小限になるようにそれぞれ選択される。いくつかのさらなる実施形態では、第2の末端最小吸光度波長(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の38)と、第1のピーク吸光度波長(例えば、プライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の26)とが重複していない。
ある実施形態によれば、第2の末端最小吸光度波長(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の38)は、以下の数式−(a1)
数式−(a1)
(第1のピーク吸光度波長)×1.05
から計算される第1の重複波長値以下である。非限定的な説明のために、(第1のフォトクロミック化合物の)第1のピーク吸光度波長が400nmである場合、(フォトクロミック−二色化合物の)第2の末端最小吸光度波長は、数式−(a1)にしたがって決定される場合、420nm以下である。
本発明のいくつかのさらなる実施形態によれば、第2の末端最小吸光度波長(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の38)は、以下の数式−(a2)
数式−(a2)
(第1のピーク吸光度波長)×1.025
から計算される第1の重複波長値以下である。非限定的な説明のために、(第1のフォトクロミック化合物の)第1のピーク吸光度波長が400nmである場合、(フォトクロミック−二色化合物の)第2の末端最小吸光度波長は、数式−(a2)にしたがって決定される場合、410nm以下である。
本発明のさらにいくつかの実施形態によれば、第2の末端最小吸光度波長(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の38)は、第1のピーク吸光度波長(例えば、プライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の26)以下である。さらなる実施形態では、第2の末端最小吸光度波長は、第1のピーク吸光度波長より短く、これに対応して、その間に重複は存在しない。
第1のピーク吸光度波長、第1の末端最小ピーク吸光度波長、第2のピーク吸光度波長、第2の末端最小波長は、それぞれ独立して、波長(例えば、紫外光、可視光、赤外光、およびこれらの組み合わせに対応する波長)の任意の適切な範囲から選択され得る。ある実施形態では、第1のピーク吸光度波長、第1の末端最小ピーク吸光度波長、第2のピーク吸光度波長、第2の末端最小波長は、それぞれ独立して、記載される波長値を含め、300nm〜780nmから選択される。
いくつかのさらなる実施形態によれば、第1のピーク吸光度波長、第1の末端最小ピーク吸光度波長、第2のピーク吸光度波長、第2の末端最小波長は、それぞれ独立して、記載される波長値を含め、300nm〜500nmから選択される。
本発明のいくつかのさらなる実施形態によれば、(プライマー層の第1のフォトクロミック化合物の)第1のピーク吸光度波長は、記載される波長値を含め、400nm〜420nmから選択され;(フォトクロミック−二色層のフォトクロミック二色化合物の)第2のピーク吸光度波長は、記載される波長値を含め、350nm〜370nmから選択され;(フォトクロミック−二色層のフォトクロミック二色化合物)の第2の末端最小吸光度波長は、数式−(a1)、すなわち、(第1のピーク吸光度)×1.05、または数式−(a2)、すなわち、(第1のピーク吸光度)×1.025から計算される第1の重複波長値以下である。この実施形態では、第2の最小吸光度波長は、それぞれの場合に記載される値を含め、上限が420nm〜441nmであるか、または410nm〜431nmである。この実施形態によれば、(プライマー層の第1のフォトクロミック化合物の)第1の末端最小吸光度波長は、例えば、420nm〜450nmより大きくてもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、フォトクロミック物品は、上述のプライマー層およびフォトクロミック−二色層に加えて、トップコート層(例えば、20)をさらに含み、トップコート層は、すでに本明細書で記載したように、第3のピーク吸光度波長(例えば、44)と第3の末端最小吸光度波長(例えば、47)を有する第2のフォトクロミック化合物を含む。
トップコート層20が存在し、第2のフォトクロミック化合物を含む本発明のフォトクロミック物品によれば、入射化学放射線(例えば、図1の矢印15で示されるような)は、トップコート層20を通り、その第2のフォトクロミック化合物によって部分的に吸収される。これは、本明細書では、少なくとも3層の実施形態と呼ぶ。第2のフォトクロミック化合物と、フォトクロミック−二色化合物は、第2のピーク吸光度波長35に対する第3のピーク吸光度波長44および第3の末端最小吸光度波長47の位置がそれぞれ、第2のピーク吸光度波長35で0.1以下の吸光度を有する第2のフォトクロミック化合物を生じるように選択される。これにより、その下にあるフォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の第2のピーク吸光度波長35に対し、トップコート層20内の第2のフォトクロミック化合物によって吸収される入射化学放射線15の吸光度が最小になる。
トップコート層20の第2のフォトクロミック化合物と、その下にあるフォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物は、それぞれ、上述の吸光度特性を有するように、そして第2のフォトクロミック化合物は、その下にあるフォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の第2のピーク吸光度波長35に対応する波長または等価な波長(すなわち、第2のピーク吸光度波長35)で0.1以下の吸光度を有するように、選択される。本発明のいくつかの実施形態では、第2のフォトクロミック化合物は、その下にあるフォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の第2のピーク吸光度波長35で、吸光度が0.05以下、または0.025以下、または0.02以下、または0.015以下、または0.01以下である。いくつかのさらなる実施形態では、第2のフォトクロミック化合物は、その下にあるフォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物の第2のピーク吸光度波長で吸光度が実質的にゼロである。
入射化学放射線がトップコート層20を通り、さらに下にあるフォトクロミック−二色層17およびプライマー層14を通るにつれて、フォトクロミック−二色化合物と、その下にある第1のフォトクロミック化合物との相対的な吸光度は、本明細書にすでに記載したとおりである(例えば、フォトクロミック−二色化合物は、第1のピーク吸光度波長26で0.1以下の吸光度を有する)。このように、それぞれの場合に、入射化学放射線15にさらされることによる、着色した状態または暗くなった状態への、トップコート層20の第2のフォトクロミック化合物の変換、その下にあるフォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の変換、その下にあるプライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の変換は、それぞれの場合に、実質的に最大になる。結果として、少なくとも3個のフォトクロミック層を含む本発明のフォトクロミック物品は、例えば、上述のような第2のフォトクロミック化合物を含むその上にあるトップコート、第1のフォトクロミック化合物を含むその下にあるプライマー層が存在しない状態で、フォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層を含む匹敵するフォトクロミック物品と同じ程度の入射化学放射線にさらされたとき、典型的には、もっと暗くなる。
本発明のいくつかの実施形態では、第2のフォトクロミック化合物と、フォトクロミック−二色化合物は、第3の末端最小吸光度波長(例えば、トップコート層20の第2のフォトクロミック化合物の47)と、第2のピーク吸光度波長(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の35)の重複がその間で最小限になるようにそれぞれ選択される。いくつかのさらなる実施形態では、第3の末端最小吸光度波長(例えば、トップコート層20の第2のフォトクロミック化合物の47)と、第2のピーク吸光度波長(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の35)とが重複していない。
ある実施形態によれば、第3の末端最小吸光度波長(例えば、トップコート層20の第2のフォトクロミック化合物の47)は、以下の数式−(b1)
数式−(b1)
(第2のピーク吸光度波長)×1.05
から計算される第2の重複波長値以下である。非限定的な説明のために、(フォトクロミック−二色化合物の)第2のピーク吸光度波長が360nmである場合、(第2のフォトクロミック化合物の)第3の末端最小吸光度波長は、数式−(b1)にしたがって決定される場合、378nm以下である。(フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物の)第2の末端最小波長と、(その下にあるプライマー層の第1のフォトクロミック化合物の)第1のピーク吸光度波長の間の第1の重複波長は、上に記載したように、数式−(a1)に関し、同時に決定することができる。
本発明のいくつかのさらなる実施形態によれば、第3の末端最小吸光度波長(例えば、トップコート層20の第2のフォトクロミック化合物の47)は、以下の数式−(b2)
数式−(b2)
(第2のピーク吸光度波長)×1.025
から計算される第2の重複波長値以下である。非限定的な説明のために、(フォトクロミック−二色化合物の)第2のピーク吸光度波長が360nmである場合、(第2のフォトクロミック化合物の)第3の末端最小吸光度波長は、数式−(b2)にしたがって決定される場合、369nm以下である。第2の末端最小吸光度波長(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の38)と、第1のピーク吸光度波長(例えば、その下にあるプライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の26)との間の第1の重複波長は、上述のような数式−(a2)に関し、同時に決定することができる。
本発明のさらにいくつかの実施形態によれば、第3の末端最小吸光度波長(例えば、トップコート層20の第2のフォトクロミック化合物の47)は、第2のピーク吸光度波長(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の35)以下である。さらなる実施形態では、第3の末端最小吸光度波長は、第2のピーク吸光度波長より短く、これに対応して、その間に重複はない。同時に、本明細書ですでに記載したように、第2の末端最小吸光度(例えば、フォトクロミック−二色層17のフォトクロミック−二色化合物の38)は、第1のピーク吸光度波長(例えば、その下にあるプライマー層14の第1のフォトクロミック化合物の26)以下でも(またはこれ未満でも)よい。
本発明のいくつかの実施形態では、トップコート層が存在し、第2のフォトクロミック化合物を含む場合、第1のピーク吸光度波長、第1の末端最小ピーク吸光度波長、第2のピーク吸光度波長、第2の末端最小波長、第3のピーク吸光度波長、第3の末端最小吸光度波長は、それぞれ独立して、任意の適切な範囲の波長、例えば、紫外光、可視光、赤外光に対応する波長、およびこれらの組み合わせから選択され得る。ある実施形態では、第1のピーク吸光度波長、第1の末端最小ピーク吸光度波長、第2のピーク吸光度波長、第2の末端最小波長、第3のピーク吸光度波長、第3の末端最小吸光度波長は、それぞれ独立して、記載される波長値を含め、300nm〜780nmから選択される。
本発明のいくつかの実施形態では、トップコート層が存在し、第2のフォトクロミック化合物を含む場合、第1のピーク吸光度波長、第1の末端最小ピーク吸光度波長、第2のピーク吸光度波長、第2の末端最小波長、第3のピーク吸光度波長、第3の末端最小波長は、それぞれ独立して、記載される波長値を含め、300nm〜500nmから選択される。
本発明のさらにいくつかの実施形態によれば、トップコート層が存在し、第2のフォトクロミック化合物を含む場合、(プライマー層の第1のフォトクロミック化合物の)第1のピーク吸光度波長は、記載される波長値を含め、400nm〜420nmから選択され;(フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物の)第2のピーク吸光度波長は、記載される波長値を含め、350nm〜370nmから選択され;(トップコート層の第2のフォトクロミック化合物の)第3のピーク吸光度波長は、記載される波長値を含め、310nm〜330nmから選択される。それに加えて、(フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物の)第2の末端最小吸光度波長は、数式−(a1)、すなわち、(第1のピーク吸光度波長)×1.05、または数式−(a2)、すなわち、(第1のピーク吸光度波長)×1.025から計算される第1の重複波長値以下である。さらに、(トップコート層の第2のフォトクロミック化合物の)第3の末端最小吸光度波長は、数式−(b1)、すなわち、(第2のピーク吸光度波長)×1.05、または数式−(b2)、すなわち、(第2のピーク吸光度波長)×1.025から計算される第2の重複波長以下である。
この実施形態では、(トップコート層の第2のフォトクロミック化合物の)第3の末端最小吸光度波長は、それぞれの場合に記載される値を含め、上限が368nm〜389nm、または359nm〜380nmである。さらにこの実施形態では、(フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物の)第2の末端最小吸光度波長は、それぞれの場合に記載される値を含め、上限が420nm〜441nm、または410nm〜431nmである。この実施形態によれば、(プライマー層の第1のフォトクロミック化合物の)第1の末端最小吸光度波長は、例えば、記載される値を含め、420nm〜450nmより大きくてもよい。
本発明のフォトクロミック物品の基材を選択することができる基材としては、限定されないが、有機材料、無機材料、またはこれらの組み合わせ(例えば、コンポジット材料)から作られる基材が挙げられる。本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態にしたがって使用可能な基材の非限定的な例を以下にさらに詳細に記載する。
本発明のフォトクロミック物品の基材を形成するために使用可能な有機材料の非限定的な例としては、ポリマー材料、例えば、米国特許第5,962,617号および米国特許第5,658,501号の第15欄第28行〜第16欄第17行(これらの米国特許の開示内容は、本明細書に具体的に参考として組み込まれる)に開示されているモノマーおよびモノマー混合物から調製されるホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。例えば、このようなポリマー材料は、熱可塑性ポリマー材料または熱硬化性ポリマー材料であり得、透明または光学的に透明であり得、必要な任意の屈折率を有し得る。このような開示されているモノマーおよびポリマーの非限定的な例としては、ポリオール(アリルカーボネート)モノマー、例えば、アリルジグリコールカーボネート、例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)が挙げられ、このモノマーは、PPG Industries,Inc.によって商標名CR−39で販売されている;ポリウレア−ポリウレタン(ポリウレア−ウレタン)ポリマー、例えば、ポリウレタンプレポリマーとジアミン硬化剤の反応によって調製され、1つのこのようなポリマーの組成物は、PPG Industries,Inc.によって商標名TRIVEXによって販売されている;末端がポリオール(メタ)アクリロイルのカーボネートモノマー;ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー;エトキシ化フェノールメタクリレートモノマー;ジイソプロペニルベンゼンモノマー;エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマー;エチレングリコールビスメタクリレートモノマー;ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー;ウレタンアクリレートモノマー;ポリ(エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート);ポリ(酢酸ビニル);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(塩化ビニル);ポリ(塩化ビニリデン);ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリウレタン;ポリチオウレタン;熱可塑性ポリカーボネート、例えば、ビスフェノールAとホスゲンから誘導されるカーボネートが連結した樹脂、このような材料の1つが商標名LEXANで販売されている;ポリエステル、例えば、商標名MYLARとして販売されている材料;ポリ(エチレンテレフタレート);ポリビニルブチラール;ポリ(メタクリル酸メチル)、例えば、商標名PLEXIGLASとして販売されている材料、ならびにホモポリマー化、またはポリチオール、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネートおよび必要に応じてエチレン性不飽和のモノマーもしくはハロゲン化芳香族含有ビニルモノマーとのコポリマー化および/またはターポリマー化のいずれかで、多官能イソシアネートとポリチオールまたはポリエピスルフィドモノマーの反応によって調製されるポリマーが挙げられる。また、例えば、ブロックコポリマーまたは相互に貫入する網目構造生成物を形成するために、このようなモノマーのコポリマー、上述のポリマーおよびコポリマーと、他のポリマーとのブレンドも想定される。
基材は、ある実施形態では、眼科用基材であり得る。眼科用基材の形成に使用するのに適した有機材料の非限定的な例としては、限定されないが、眼科用基材として有用な当該技術分野で認識されているポリマーが挙げられ、例えば、光学用途(例えば、眼科用レンズ)のために光学的に透明なキャスト成型物を調製するために用いられる有機光学樹脂が挙げられる。
本発明のフォトクロミック物品の基材の形成に使用するのに適した有機材料の他の非限定的な例としては、合成および天然の有機材料が挙げられ、限定されないが、不透明または半透明のポリマー材料、天然および合成の繊維製品、セルロース材料(例えば、紙および木材)が挙げられる。
本発明のフォトクロミック物品の基材の形成に使用するのに適した無機材料の非限定的な例では、ガラス、鉱物、セラミック、金属が挙げられる。例えば、1つの非限定的な実施形態としては、基材は、ガラスを含み得る。他の非限定的な実施形態では、基材は、反射性表面を有し得、例えば、研磨したセラミック基材、金属基材、または鉱物基材であり得る。他の非限定的な実施形態では、反射性コーティングまたは層を、反射性にするか、または反射性を高めるために、無機基材または有機基材の表面に堆積させるか、または他の方法で塗布され得る。
さらに、本明細書に開示される特定の非限定的な実施形態によれば、基材は、保護コーティング、例えば、限定されないが、耐摩耗性コーティング、例えば、「ハードコート」をその外側表面に有していてもよい。例えば、市販されている熱可塑性ポリカーボネート眼科用レンズ基材は、これらの表面は簡単に傷つき、摩耗し、または擦り傷ができる傾向があるため、多くは、その外側表面に耐摩耗性コーティングがすでに塗布された状態で販売されている。このようなレンズ基材の例は、GENTEXTMポリカーボネートレンズ(Gentex Opticsから入手可能)である。したがって、本明細書で使用する場合、「基材」という用語は、保護コーティング(例えば、限定されないが、耐摩耗性コーティング)をその表面に有する基材を含む。
さらに、本発明のフォトクロミック物品の基材は、着色していなくてもよく、着色していてもよく、直線偏光性であってもよく、円偏光性であってもよく、楕円偏光性であってもよい、フォトクロミック基材、または着色したフォトクロミック基材であってもよい。本明細書で使用する場合、基材について言及する場合、「着色していない」という用語は、本質的に着色剤(例えば、限定されないが、従来の染料)を添加しておらず、化学放射線に応答して顕著に変化しない可視光放射線の吸収スペクトルを有する基材を意味する。さらに、基材について言及する場合、「着色した」との用語は、着色剤(例えば、限定されないが、従来の染料)を添加しており、化学放射線に応答して顕著に変化しない可視光放射線の吸収スペクトルを有する基材を意味する。
本明細書で使用する場合、基材に関し、「直線偏光性」との用語は、放射線を直線偏光するように調整された基材を意味する。本明細書で使用する場合、基材に関し、「円偏光性」との用語は、放射線を円偏光するように調整された基材を意味する。本明細書で使用する場合、基材に対し、「楕円偏光性」との用語は、放射線を楕円偏光するように調整された基材を意味する。本明細書で使用する場合、基材に関し、「フォトクロミック」という用語は、少なくとも化学放射線に応答して変化する可視光放射線の吸収スペクトルを有する基材を意味する。さらに、本明細書で使用する場合、基材に関し、「着色したフォトクロミック」との用語は、着色剤の添加と、フォトクロミック材料を含み、少なくとも化学放射線に応答して変化する可視光放射線の吸収スペクトルを有する基材を意味する。したがって、例えば、限定されないが、着色したフォトクロミック基材は、着色剤の第1の色特徴と、着色剤と化学放射線にさらされたときのフォトクロミック材料との組み合わせの第2の色特徴とを有していてもよい。
本発明のフォトクロミック物品は、フォトクロミック−二色化合物をさらに含むフォトクロミック−二色層を含む。フォトクロミック−二色層は、ある実施形態では、透過する放射線に関し、第1の状態では非偏光性であり得(すなわち、コーティングが、光波の電気ベクトルの振動を1方向に制限しない)、第2の状態では直線偏光性であり得る。本明細書で使用する場合、「透過する放射線」とは、物体の少なくとも一部分を通過する放射線を指す。本発明を限定しないが、透過する放射線は、紫外線放射線、可視光放射線、赤外線放射線、またはこれらの組み合わせであってもよい。したがって、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色層は、第1の状態では非偏光性であり得、第2の状態では、透過する紫外線放射線、透過する可視光放射線、またはこれらの組み合わせを直線偏光性であり得る。
さらに他の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色層は、第1の状態では第1の吸収スペクトルを有し得、第2の状態では第2の吸収スペクトルを有し得、第1の状態および第2の状態の両方で直線偏光性であり得る。
ある実施形態では、フォトクロミック−二色層は、少なくとも1つの状態で平均吸収比が少なくとも1.5であり得る。いくつかのさらなる実施形態では、フォトクロミック−二色層は、少なくとも1つの状態で、平均吸収比が少なくとも1.5〜50の範囲であり得る(またはこれより大きくてもよい)。「吸収比」という用語は、第1面に直線偏光した放射線の吸光度と、第1面に直交する面に直線偏光した放射線の吸光度との比率を指し、ここで、第1面は、最も高い吸光度を有する面であるとされる。したがって、吸収比(および以下に記載する平均吸収比)は、放射線の2つの直交する平面偏光成分のうちの1つが物体または材料によっていかに強く吸収されるかの指標である。
フォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層の平均吸収比を以下に記載するように決定することができる。例えば、フォトクロミック−二色化合物を含むフォトクロミック−二色層の平均吸収比を決定するために、コーティングを有する基材を光学ベンチに配置し、コーティングを、フォトクロミック−二色化合物の活性化することによって、直線偏光状態で配置する。活性化は、飽和状態またはほぼ飽和な状態(すなわち、コーティングの吸収特性が、測定が行われる時間間隔にわたって実質的に変化しない状態)に達するのに十分な時間、コーティングにUV放射線をあてることによって達成される。吸光度の測定は、所定の時間(典型的には、10〜300秒)をかけて3秒間隔で、光学ベンチに垂直な面(0°偏光面または方向と呼ばれる)に直線偏光する光、および光学ベンチに平行な面(90°偏光面または位置と呼ばれる)に直線偏光する光について、0°、90°、90°、0°などの順序で、行われる。コーティングによる直線偏光の吸光度は、試験される全波長について、それぞれの時間間隔で測定され、同じ波長範囲での活性化していない吸光度(すなわち、不活性な状態でのコーティングの吸光度)を引き算し、0°および90°の偏光面それぞれで、活性化した状態でのコーティングの吸収スペクトルを得て、飽和状態またはほぼ飽和な状態のコーティングのそれぞれの偏光面における平均差吸収スペクトルを得る。
例えば、図2を参照すると、本明細書に開示する1つの非限定的な実施形態のフォトクロミック−二色層について得られた1つの偏光面での平均差吸収スペクトル(一般的に、4で示す)が示されている。平均吸収スペクトル(一般的に、3で示す)は、同じフォトクロミック−二色層について直交偏光面で得られた平均差吸収スペクトルである。
フォトクロミック−二色層について得られる平均差吸収スペクトルに基づき、フォトクロミック−二色層の平均吸収比は、以下のように得られる。λmax−vis±5ナノメートル(ここで、λmax−visは、任意の平面でコーティングが最も高い吸光度を有する波長である)に対応する所定の波長範囲(一般的に、図2で5として示す)におけるそれぞれの波長でのフォトクロミック−二色層の吸収比を、以下の数式(式1)にしたがって計算する。
ARλi=Ab λi/Ab λi 式1
数式1について、ARλiは、波長λでの吸収比であり、Ab λiは、高い吸光度を有する偏光方向(すなわち、0°または90°)における、波長λでの平均吸光度であり、Ab λiは、残りの偏光方向における、波長λでの平均吸光度である。すでに述べたように、「吸収比」は、第1面に直線偏光する放射線の吸光度と、第1面に直交する面に直線偏光する同じ波長の放射線の吸光度との比率を指し、第1面は、最も高い吸光度を有する面とされる。
次いで、以下の数式(式2)にしたがって所定範囲の波長(すなわち、λmax−vis±5ナノメートル)にわたっての個々の吸収比を平均することによって、フォトクロミック−二色層の平均吸収比(「AR」)を計算する。
AR=(ΣARλi)/n 式2
数式2について、ARは、コーティングの平均吸収比であり、ARλiは、所定の波長範囲内のそれぞれの波長について個々の吸収比であり(式1で上で決定されるとおり)、nは、平均する個々の吸収比の数である。平均吸収比を決定するこの方法のさらに詳細な記載は、米国特許第7,256,921号の第102欄第38行〜第103欄第15行の実施例に記載されており、この開示内容は、本明細書に参考として明らかに組み込まれる。
ある実施形態では、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、少なくとも部分的に整列していてもよい。すでに述べたように、「フォトクロミック−二色」という用語は、特定の条件でフォトクロミック特性および二色(すなわち、直線偏光)特性の両方を示すことを意味し、この特性は、少なくとも装置によって検出可能である。したがって、「フォトクロミック−二色化合物」は、特定の条件下でフォトクロミック特性および二色(すなわち、直線偏光)特性の両方を示す化合物であり、この特性は、少なくとも装置によって検出可能である。したがって、フォトクロミック−二色化合物は、少なくとも化学放射線に応答して変化する少なくとも可視光放射線の吸収スペクトルを有し、その他のものよりも少なくとも強く透過する放射線の2つの直交する平面偏光成分の1つを吸収することができる。さらに、上述の従来のフォトクロミック化合物のように、本明細書に開示するフォトクロミック−二色化合物は、熱可逆性であり得る。すなわち、フォトクロミック−二色化合物は、化学放射線に応答して第1の状態から第2の状態へと切り替わり得、熱エネルギーに応答して第1の状態に戻り得る。本明細書で使用する場合、「化合物」という用語は、2種類以上の元素、構成要素、成分、または部分の結合によって作られる物質を意味し、限定されないが、2種類以上の元素、構成要素、成分、または部分の結合によって作られる分子および高分子(例えば、ポリマーおよびオリゴマー)が挙げられる。
例えば、フォトクロミック−二色層は、第1の吸収スペクトルを有する第1の状態と、第1の吸収スペクトルとは異なる第2の吸収スペクトルを有する第2の状態とを有し得、少なくとも化学放射線に応答して、第1の状態から第2の状態へと切り替わり、熱エネルギーに応答して第1の状態に戻るように調整され得る。さらに、フォトクロミック−二色化合物は、第1の状態および第2の状態の片方または両方で二色(すなわち、直線偏光性)であってもよい。例えば、必須ではないが、フォトクロミック−二色化合物は、活性化した状態で直線偏光性であり得、光退色または消光した(すなわち、活性化していない)状態では非偏光性であり得る。本明細書で使用する場合、「活性化した状態」との用語は、フォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部が第1の状態から第2の状態へと切り替わるのに十分な化学放射線にさらされたときのフォトクロミック−二色化合物を指す。さらに、必須ではないが、フォトクロミック−二色化合物は、第1の状態および第2の状態両方とも二色であってもよい。本発明を限定しないが、例えば、フォトクロミック−二色化合物は、活性化した状態および光退色した状態の両方で、可視光放射線を直線偏光し得る。さらに、フォトクロミック−二色化合物は、活性化した状態で、可視光放射線を直線偏光し得、光退色した状態で、UV放射線を直線偏光し得る。
必須ではないが、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、CELL方法によって決定する場合、活性化状態で平均吸収比が少なくとも1.5であり得る。本明細書に開示する他の非限定的な実施形態によれば、少なくとも1つのフォトクロミック−二色化合物は、CELL方法にしたがって決定する場合、活性化した状態で平均吸収比が2.3より大きくてもよい。さらに他の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色層の少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物は、CELL方法にしたがって決定する場合、活性化した状態で平均吸収比が1.5〜50の範囲であり得る。他の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色層の少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物は、CELL方法にしたがって決定する場合、平均吸収比が4〜20であり得、さらに、平均吸収比が3〜30であり得、さらに、活性化した状態で平均吸収比が2.5〜50であり得る。しかし、より典型的には、少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物の平均吸収比は、本発明のフォトクロミック物品に望ましい特性を付与するのに十分な任意の平均吸収比であり得る。適切なフォトクロミック−二色化合物の非限定的な例を以下に詳細に記載する。
フォトクロミック−二色化合物の平均吸収比を決定するためのCELL方法は、フォトクロミック−二色層の平均吸収比を決定するために用いられる方法と本質的に同じであるが、但し、コーティングされた基材の吸光度を測定する代わりに、整列している液晶材料とフォトクロミック−二色化合物とを含むセルアセンブリを試験する。さらに具体的には、セルアセンブリは、20ミクロン±1ミクロン離れた2つの対向するガラス基材を備えている。基材を2つの対向する縁に沿って密閉し、セルを形成する。それぞれのガラス基材の内側表面をポリイミドコーティングでコーティングし、その表面を、擦ることによって少なくとも部分的に順に並べた。フォトクロミック−二色化合物のアライメントは、フォトクロミック−二色化合物と液晶媒体をセルアセンブリに導入し、ポリイミド表面を擦りつつ液晶媒体を整列させることによって達成される。液晶媒体およびフォトクロミック−二色化合物が整列したら、セルアセンブリを光学ベンチに置き(実施例に詳細に記載している)、コーティング基材についてすでに記載された様式で、但し、活性化していないセルアセンブリの吸光度を活性化した吸光度から引き算し、平均差吸収スペクトルを得て、平均吸収比を決定する。
すでに述べたように、二色化合物は、平面偏光の2つの直交要素の1つを優先的に吸収することができるが、一般的に、正味の直線偏光効果を達成する目的で二色化合物の分子を適切に配置または整列させることが必要である。同様に、一般的に、正味の直線偏光効果を達成するために、フォトクロミック−二色化合物の分子を適切に配置または整列させることが必要である。すなわち、一般的に、活性化状態でフォトクロミック−二色化合物の分子の長軸が互いにほぼ平行になるように、フォトクロミック−二色化合物の分子を整列させることが必要である。したがって、上述のように、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色化合物は、少なくとも部分的に整列している。さらに、フォトクロミック−二色化合物の活性化した状態が、この材料の二色状態に対応する場合、フォトクロミック−二色化合物は、活性化状態でフォトクロミック−二色化合物の分子の長軸が互いにほぼ整列するように、少なくとも部分的に整列していてもよい。本明細書で使用する場合、「整列する」という用語は、別の材料、化合物または構造と相互作用することによって、適切な配置または位置にすることを意味する。
さらに、本発明を限定しないが、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色層は、複数のフォトクロミック−二色化合物を含み得る。本発明を限定しないが、2種類以上のフォトクロミック−二色化合物を組み合わせて使用する場合、フォトクロミック−二色化合物は、望ましい色または色相を生じるように互いに相補的になるように選択することができる。例えば、フォトクロミック−二色化合物の混合物を、本明細書に開示する特定の非限定的な実施形態にしたがって使用し、活性化した特定の色、例えば、ほぼ中間色のグレーまたはほぼ中間色のブラウンを得てもよい。例えば、中間色のグレーおよびブラウンの色を定義するパラメーターを記述する米国特許第5,645,767号、第12欄第66行〜第13欄第19行を参照(その開示内容は、本明細書に参考として具体的に組み込まれる)。さらに、またはその代わりに、少なくとも部分的なコーティングは、相補的な直線偏光状態を有するフォトクロミック−二色化合物の混合物を含んでいてもよい。例えば、フォトクロミック−二色化合物は、望ましい波長範囲にわたって相補的な直線偏光状態を有し、望ましい波長範囲にわたって光を偏光させることができる光学エレメントを製造するように選択され得る。さらに、達成される全体的な直線偏光を強化するか、または高めるために、同じ波長で本質的に同じ偏光状態を有する相補的なフォトクロミック−二色化合物の混合物を選択することができる。例えば、1つの非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色層は、少なくとも2種類の少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物を含んでいてもよく、それぞれ、少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物は、相補的な色を有し、および/または相補的な直線偏光状態を有する。
フォトクロミック−二色層は、さらに、少なくとも部分的なコーティングの処理、特性または性能のうち、1つ以上を促進し得る少なくとも1つの添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤の非限定的な例としては、染料、アライメント促進剤、速度向上添加剤、光開始剤、熱開始剤、重合阻害剤、溶媒、光安定化剤(例えば、限定されないが、紫外光吸収剤および光安定化剤、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS))、熱安定化剤、離型剤、レオロジー制御剤、レベリング剤(例えば、限定されないが、界面活性剤)、遊離ラジカル捕捉剤、接着促進剤(例えば、ヘキサンジオールジアクリレートおよびカップリング剤)が挙げられる。
フォトクロミック−二色層中に存在していてもよい染料の例としては、限定されないが、フォトクロミック−二色層に対して望ましい色または他の光学特性を付与することができる有機染料が挙げられる。
本明細書で使用する場合、「アライメント促進剤」との用語は、それが加えられる材料のアライメントの速度および均一性のうち、少なくとも1つを容易にし得る添加剤を意味する。フォトクロミック−二色層中に存在していてもよいアライメント促進剤の非限定的な例としては、限定されないが、米国特許第6,338,808号および米国特許公開第2002/0039627号に記載されるものが挙げられ、これらは、本明細書に参考として具体的に組み込まれる。
本発明のフォトクロミック物品の種々の層(例えば、フォトクロミック−二色層)中に存在し得る速度向上添加剤の非限定的な例としては、エポキシ含有化合物、有機ポリオール、および/または可塑剤が挙げられる。このような速度向上添加剤のさらに具体的な例は、米国特許第6,433,043号および米国特許公開第2003/0045612号に開示され、これらは、本明細書に参考として具体的に組み込まれる。
本発明のフォトクロミック物品の種々の層(例えば、プライマー層、フォトクロミック−二色層、および/またはトップコート層)に存在し得る光開始剤の非限定的な例としては、限定されないが、開裂型光開始剤および引き抜き型の光開始剤が挙げられる。開裂型光開始剤の非限定的な例としては、アセトフェノン、α−アミノアルキルフェノン、ベンゾインエーテル、ベンゾイルオキシム、アシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、またはこのような開始剤の混合物が挙げられる。このような光開始剤の市販の例は、DAROCURE(登録商標)4265であり、Ciba Chemicals,Inc.から入手可能である。引き抜き型の光開始剤の非限定的な例としては、ベンゾフェノン、Michlerケトン、チオキサントン、アントラキノン、ショウノウキノン、フルオロン、ケトクマリン、またはこのような開始剤の混合物が挙げられる。
本発明のフォトクロミック物品の層のうちの1つ以上(例えば、プライマー層、フォトクロミック−二色層、および/またはトップコート層)に存在し得る光開始剤の別の非限定的な例は、可視光光開始剤である。適切な可視光光開始剤の非限定的な例は、米国特許第6,602,603号の第12欄第11行〜第13欄第21行に記載されており、本明細書に参考として具体的に組み込まれる。
熱開始剤の例としては、限定されないが、有機ペルオキシ化合物、アゾビス(有機ニトリル)化合物が挙げられる。熱開始剤として有用な有機ペルオキシ化合物の例としては、限定されないが、ペルオキシモノカーボネートエステル、例えば、三級ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート;ペルオキシジカーボネートエステル、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(二級ブチル)ペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート;ジアシルペルオキシド、例えば、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、プロピオニルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド;ペルオキシエステル、例えば、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシオクチレート、t−ブチルペルオキシイソブチレート;メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシドが挙げられる。1つの非限定的な実施形態では、使用される熱開始剤は、得られた重合物を変色させないものである。熱開始剤として使用可能なアゾビス(有機ニトリル)化合物の例としては、限定されないが、アゾビス(イソブチロニトリル)、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、またはこれらの混合物が挙げられる。
重合阻害剤の例としては、限定されないが、ニトロベンゼン、1,3,5,−トリニトロベンゼン、p−ベンゾキノン、クロラニル、DPPH、FeCl、CuCl、酸素、硫黄、アニリン、フェノール、p−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリメチルフェノールが挙げられる。
本発明のフォトクロミック物品の種々の層(例えば、プライマー層、フォトクロミック−二色層、および/またはトップコート層)を形成するときに存在し得る溶媒の例としては、限定されないが、コーティングの固体要素を溶解するもの、コーティングおよびエレメントおよび基材と適合性のもの、ならびに/またはコーティングが塗布される外側表面を均一に覆うことができるものが挙げられる。溶媒の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびその誘導体(DOWANOL(登録商標)工業用溶媒として販売)、アセトン、プロピオン酸アミル、アニソール、ベンゼン、酢酸ブチル、シクロヘキサン、エチレングリコールのジアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびその誘導体(CELLOSOLVE(登録商標)工業用溶媒として販売)、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメトキシベンゼン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピオン酸メチル、炭酸プロピレン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、2−メトキシエチルエーテル、3−プロピレングリコールメチルエーテル、およびこれらの混合物が挙げられる。
別の非限定的な実施形態では、フォトクロミック−二色層は、少なくとも1つの従来の二色化合物を含んでいてもよい。適切な従来の二色化合物の例としては、限定されないが、アゾメチン、インジゴイド、チオインジゴイド、メロシアニン、インダン、キノフタロン系染料、ペリレン、フタロペリン、トリフェノジオキサジン、インドロキノキサリン、イミダゾ−トリアジン、テトラジン、アゾ染料および(ポリ)アゾ染料、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン(anthroquinone)および(ポリ)アントラキノン、アントラピリミジノン(anthropyrimidinone)、ヨウ素およびヨウ素酸塩が挙げられる。別の非限定的な実施形態では、二色材料は、別の材料と少なくとも1つの共有結合を形成することができる少なくとも1つの反応性官能基を含んでいてもよい。ある実施形態では、二色材料は、重合可能な二色化合物であってもよい。これに対応して、二色材料は、重合させることが可能な少なくとも1つの基(すなわち、「重合可能な基」)を含んでいてもよい。例えば、本発明を限定しないが、1つの非限定的な実施形態では、二色化合物は、末端に少なくとも1つの重合可能な基を有する少なくとも1つのアルコキシ、ポリアルコキシ、アルキルまたはポリアルキル置換基を有していてもよい。
ある実施形態では、フォトクロミック−二色層は、少なくとも1つの従来のフォトクロミック化合物を含んでいてもよい。本明細書で使用する場合、「従来のフォトクロミック化合物」との用語は、熱可逆性フォトクロミック化合物と非熱可逆性(または光可逆性)フォトクロミック化合物との両方を含む。一般的に、本発明を限定しないが、2種類以上の従来のフォトクロミック材料を互いに組み合わせて、またはフォトクロミック−二色化合物と組み合わせて使用する場合、種々の材料は、望ましい色または色相を生じるように互いに相補性にあるように選択することができる。例えば、フォトクロミック化合物の混合物を、本明細書に開示する特定の非限定的な実施形態にしたがって使用し、特定の活性化した色(例えば、ほぼ中間色のグレーまたはほぼ中間色のブラウン)を得てもよい。例えば、中間色のグレーおよびブラウンの色を定義するパラメーターを記述する米国特許第5,645,767号、第12欄第66行〜第13欄第19行を参照(その開示内容は、本明細書に具体的に参考として組み込まれる)。
ある実施形態によれば、フォトクロミック−二色層は、従来のフォトクロミック化合物を含まない。
フォトクロミック−二色層は、1種類以上の適切なフォトクロミック−二色化合物を含んでいてもよい。本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色層中に含まれてもよいフォトクロミック−二色化合物の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
(PCDC−1)3−フェニル−3−(4−(4−(3−ピペリジン−4−イル−プロピル)ピペリジノ)フェニル)−13,13−ジメチル−インデノ[2’,3’:3,4]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−2)3−フェニル−3−(4−(4−(3−(1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)プロピル)ピペリジノ)フェニル)−13,13−ジメチル−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−3)3−フェニル−3−(4−(4−(4−ブチル−フェニルカルバモイル)−ピペリジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−4)3−フェニル−3−(4−([1,4’]ビピペリジニル−1’−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−([1,4’]ビピペリジニル−1’−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−5)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)−ピペリジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−6)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−7)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−8)3−フェニル−3−(4−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−9)3−フェニル−3−(4−(4−フェニルピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−10)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−ヘキシルオキシフェニルカルボニルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−11)3−フェニル−3−(4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−(2−フルオロベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−12)3−フェニル−3−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13−ヒドロキシ−13−エチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−13)3−フェニル−3−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ)−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−14)3−フェニル−3−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ)ベンゾイルオキシ)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−15)3−フェニル−3−(4−(4−メトキシフェニル)−ピペラジン−1−イル))フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(3−フェニルプロパ−2−イノイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−16)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13−エチル−13−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−17)3−フェニル−3−{4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシ]−13−エチル−6−メトキシ−7−(4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペラジン−1−イル)−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−18)3−フェニル−3−(4−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−13−エチル−13−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−{4−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ]−ピペリジン−1−イル}−)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−19)3−フェニル−3−{4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−(3−フェニル−3−{4−(ピロリジン−1−イル)フェニル}−13,13−ジメチル−6−メトキシ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン−7−イル)−ピペラジン−1−イル)オキシカルボニル)フェニル)フェニル)カルボニルオキシ)−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−20)3−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−3−フェニル−7−メトキシカルボニル−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
(PCDC−21)3−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−3−フェニル−7−ヒドロキシカルボニル−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
(PCDC−22)3−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−3−フェニル−7−(4−フェニル−(フェノ−1−オキシ)カルボニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
(PCDC−23)3−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−3−フェニル−7−(N−(4−((4−ジメチルアミノ)フェニル)ジアゼニル)フェニル)カルバモイル−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
(PCDC−24)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−ベンゾフロ[3’,2’:7,8]ベンゾ[b]ピラン;
(PCDC−25)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−ベンゾチエノ[3’,2’:7,8]ベンゾ[b]ピラン;
(PCDC−26)7−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}−2−フェニル−2−(4−ピロリジン−1−イル−フェニル)−6−メトキシカルボニル−2H−ベンゾ[b]ピラン;
(PCDC−27)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−9−ヒドロキシ−8−メトキシカルボニル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−28)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−9−ヒドロキシ−8−(N−(4−ブチル−フェニル))カルバモイル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−29)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−9−ヒドロキシ−8−(N−(4−フェニル)フェニル)カルバモイル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−30)1,3,3−トリメチル−6’−(4−エトキシカルボニル)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−31)1,3,3−トリメチル−6’−(4−[N−(4−ブチルフェニル)カルバモイル]−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−32)1,3,3−トリメチル−6’−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−33)1,3,3−トリメチル−6’−(4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−34)1,3,3,5,6−ペンタメチル−7’−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−35)1,3−ジエチル−3−メチル−5−メトキシ−6’−(4−(4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−36)1,3−ジエチル−3−メチル−5−[4−(4−ペンタデカフルオロヘプチルオキシ−フェニルカルバモイル)−ベンジルオキシ]−6’−(4−(4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−37)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−5−カルボメトキシ−8−(N−(4−フェニル)フェニル)カルバモイル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−38)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−5−カルボメトキシ−8−(N−(4−フェニル)フェニル)カルバモイル−2H−フルオアンテノ[1,2−b]ピラン;
(PCDC−39)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−5−カルボメトキシ−11−(4−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}フェニル)−2H−フルオアンテノ[1,2−b]ピラン;
(PCDC−40)1−(4−カルボキシブチル)−6−(4−(4−プロピルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−3,3−ジメチル−6’−(4−エトキシカルボニル)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[(1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4’,5’:6,7]インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−41)1−(4−カルボキシブチル)−6−(4−(4−プロピルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−3,3−ジメチル−7’−(4−エトキシカルボニル)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[(1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4’,5’:6,7]インドリン−2,3’−3H−ナフト[1,2−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−42)1,3−ジエチル−3−メチル−5−(4−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}フェニル)−6’−(4−(4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−43)1−ブチル−3−エチル−3−メチル−5−メトキシ−7’−(4−(4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボニルオキシ)−ピペリジン−1−イル)−スピロ[インドリン−2,3’−3H−ナフト[1,2−b][1,4]オキサジン];
(PCDC−44)2−フェニル−2−{4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−5−メトキシカルボニル−6−メチル−2H−9−(4−(4−プロピルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)(1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4’,5’:6,7]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−45)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13−エチル−13−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−(4−(4−プロピルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−[1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4”,5”:6,7][インデノ[2’,3’:3,4]]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−46)3−フェニル−3−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13−エチル−13−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−(4−(4−ヘキシルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−[1,2−ジヒドロ−9H−ジオキソラノ[4”,5”:5,6][インデノ[2’,3’:3,4]]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−47)4−(4−((4−シクロヘキシリデン−1−エチル−2,5−ジオキソピロリン−3−イリデン)エチル)−2−チエニル)フェニル−(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−48)4−(4−((4−アダマンタン−2−イリデン−1−(4−(4−ヘキシルフェニル)カルボニルオキシ)フェニル)−2,5−ジオキソピロリン−3−イリデン)エチル)−2−チエニル)フェニル−(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−49)4−(4−((4−アダマンタン−2−イリデン−2,5−ジオキソ−1−(4−(4−(4−プロピルフェニル)ピペラジニル)フェニル)ピロリン−3−イリデン)エチル)−2−チエニル)フェニル(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−50)4−(4−((4−アダマンタン−2−イリデン−2,5−ジオキソ−1−(4−(4−(4−プロピルフェニル)ピペラジニル)フェニル)ピロリン−3−イリデン)エチル)−1−メチルピロール−2−イル)フェニル(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−51)4−(4−((4−アダマンタン−2−イリデン−2,5−ジオキソ−1−(4−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}フェニル)ピロリン−3−イリデン)エチル)−1−メチルピロール−2−イル)フェニル(4−プロピル)ベンゾエート;
(PCDC−52)4−(4−メチル−5,7−ジオキソ−6−(4−(4−(4−プロピルフェニル)ピペラジニル)フェニル)スピロ[8,7a−ジヒドロチアフェノ[4,5−f]イソインドール−8,2’−アダマンタン(adamentane)]−2−イル)フェニル(4−プロピル)フェニルベンゾエート;
(PCDC−53)N−(4−{17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルオキシ}フェニル−6,7−ジヒドロ−4−メチル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−54)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−2−(4−(4−(4−プロピルフェニル)ピペラジニル)フェニル)−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−55)N−フェニルエチル−6,7−ジヒドロ−2−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−56)N−フェニルエチル−6,7−ジヒドロ−2−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル−4−シクロプロピルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−57)N−フェニルエチル−6,7−ジヒドロ−2−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル−4−シクロプロピルスピロ(5,6−ベンゾ[b]フロジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−58)N−シアノメチル−6,7−ジヒドロ−4−(4−(4−(4−ヘキシルベンゾイルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−59)N−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニル−6,7−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)フェニル−4−メチルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−60)N−シアノメチル−2−(4−(6−(4−ブチルフェニル)カルボニルオキシ−(4,8−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタ−2−イル))オキシカルボニル)フェニル−6,7−ジヒドロ−4−シクロプロピルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);
(PCDC−61)6,7−ジヒドロ−N−メトキシカルボニルメチル−4−(4−(6−(4−ブチルフェニル)カルボニルオキシ−(4,8−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタ−2−イル))オキシカルボニル)フェニル−2−フェニルスピロ(5,6−ベンゾ[b]チオフェンジカルボキシイミド−7,2−トリシクロ[3.3.1.1]デカン);および
(PCDC−62)3−フェニル−3−(4−ピロリジニルフェニル)−13,13−ジメチル−6−メトキシ−7−(4−(4−(4−(4−(6−(4−(4−(4−オニルフェニルカルボニルオキシ)フェニル)オキシカルボニル)フェノキシ)ヘキシルオキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物は、以下のものから選択され得る。
(PCDC−a1)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)フェニル]−13,13−ジメチル−12−ブロモ−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a2)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−((4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ)カルボニル)フェニル]−6,13,13−トリメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a3)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−11,13,13−トリメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a4)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a5)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a6)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a7)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−((4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ)カルボニル)フェニル]−12−ブロモ−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a8)3−フェニル−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−12−ブロモ−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a9)3−フェニル−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−((4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ)カルボニル)フェニル]−12−ブロモ−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a10)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a11)3,3−ビス(4−メトキシジノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−12−ブロモ−6,7−ジメトキシ−11,13,13−トリメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a12)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a13)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10,12−ビス[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a14)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a15)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a16)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a17)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13−メチル−13−ブチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a18)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5,7−ジフルオロ−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a19)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a20)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a21)3,3−ビス(4−フルオロフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−12−ブロモ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a22)3,3−ビス(4−フルオロフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a23)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−ブトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a24)3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−モルホリノフェニル)−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a25)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a26)3−(4−(4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3−フェニル−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a27)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(((trans,trans−4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−イル)オキシ)カルボニル)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a28)3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3−(4−ブトキシフェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロインデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a29)3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a30)3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a40)12−ブロモ−3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−((4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)オキシ)ベンズアミド)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a41)3−(4−ブトキシフェニル)−5,7−ジクロロ−11−メトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a42)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−((4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)オキシ)ベンズアミド)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a43)5,7−ジクロロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11−メトキシ−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a44)6,8−ジクロロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11−メトキシ−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a45)3−(4−ブトキシフェニル)−5,8−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a46)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a47)3−(4−モルホリノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−10,7−ビス[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−5−フルオロ−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a48)3−(4−モルホリノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a49)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a50)3−(4−モルホリノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a51)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(2−メチル−4−(trans−4−((4’−((trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルオキシ)カルボニル)シクロヘキサンカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a52)3−(4−(4−(4−ブチルフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a53)3−(4−(4−(4−ブチルフェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−10−(2−メチル−4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−7−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a54)3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−7,10−ビス(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3−フェニル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a55)3−p−トリル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−13,13−ジメチル−7−(4’−(trans,trans−4’−ペンチルビ(シクロヘキサン−4−)カルボニルオキシ)ビフェニルカルボニルオキシ)−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a56)10−(4−(((3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)−10,13−ジメチル−17−((R)−6−メチルヘプタン−2−イル)−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシ)カルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−モルホリノフェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a57)6−メトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−((S)−2−メチルブトキシ)フェニル)−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(PCDC−a58)6−メトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−((S)−2−メチルブトキシ)フェニル)−7−(4’−(trans,trans−4’−ペンチルビ(シクロヘキサン−4−)カルボニルオキシ)ビフェニルカルボニルオキシ)−10−(4−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルカルボキサミド)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;および
(PCDC−a59)6−メトキシ−3−(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3−(4−((S)−2−メチルブトキシ)フェニル)−10−(4−(((3R,3aS,6S,6aS)−6−(4’−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニルカルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルオキシ)カルボニル)フェニル)−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
さらに一般的に、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物は、(a)例えば、ピラン、オキサジン、フルギドから選択され得る、少なくとも1つのフォトクロミック基(PC)と;(b)フォトクロミック基に接続する少なくとも1つの伸長剤または伸長基とを含む。伸長剤(L)は、以下の式Iによってあらわされる。
式I
−[S−[Q−[Sd’−[Q−[Se’−[Q−[Sf’−S−P
本明細書で使用する場合、フォトクロミック−二色化合物のフォトクロミック基に関し、「接続する」という用語は、直接結合するか、または別の基を介して間接的に結合することを意味する。したがって、例えば、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、Lは、PC上に置換基としてPCに直接結合していてもよく、または、Lは、PCに直接結合している別の基(例えば、以下に記載するRによってあらわされる基)の上の置換基であってもよい(すなわち、Lは、PCに間接的に結合している)。本発明を限定しないが、種々の非限定的な実施形態によれば、Lは、伸びたPC(すなわち、フォトクロミック化合物)の吸収比が、PC単独の場合と比較して高まるように、活性化した状態でPCを伸ばすか、または伸長するようにPCに接続していてもよい。本発明を限定しないが、種々の非限定的な実施形態によれば、PC上のLの接続の位置は、PCの活性化形態の理論的な過渡的双極子モーメントに平行な方向および垂直な方向のうちの少なくとも1つの方向にLがPCを伸長するように選択することができる。本明細書で使用する場合、「理論的な過渡的双極子モーメント」という用語は、電磁放射線と分子との相互作用によって作られる過渡的双極子分極を指す。例えば、IUPAC Compendium of Chemical Technology、第2版、International Union of Pure and Applied Chemistry(1997)を参照。
上記式Iを参照すると、Q、Q、Qは、それぞれ独立して、非置換または置換の芳香族基、非置換または置換の脂環式基、非置換または置換のヘテロ環基、およびこれらの混合物から選択される二価の基の場合から選択されてもよく、ここで、置換基は、Pによってあらわされる基(以下に記載するような)、アリール、チオール、アミド、液晶メソゲン、ハロゲン、C−C18アルコキシ、ポリ(C−C18アルコキシ)、アミノ、アミノ(C−C18)アルキレン、C−C18アルキルアミノ、ジ−(C−C18)アルキルアミノ、C−C18アルキル、C−C18アルケン、C−C18アルキン、C−C18アルキル(C−C18)アルコキシ、C−C18アルコキシカルボニル、C−C18アルキルカルボニル、C−C18アルキルカーボネート、アリールカーボネート、C−C18アセチル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルコキシ、イソシアナト、アミド、シアノ、ニトロ、あるいはシアノ、ハロもしくはC−C18アルコキシで一置換されたかまたはハロで多置換された直鎖または分枝鎖のC−C18アルキル基、以下の式のいずれかによってあらわされる基:−M(T)(t−1)および−M(OT)(t−1)から選択され、ここで、Mは、アルミニウム、アンチモン、タンタル、チタン、ジルコニウム、ケイ素から選択され、Tは、有機官能基、有機官能基化した炭化水素基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選択され、tは、Mの価数である。本明細書で使用する場合、接頭語「ポリ」は、少なくとも2を意味する。
上記式Iを参照すると、Q、Q、Qは、それぞれの場合に、それぞれ独立して、非置換または置換の芳香族基、非置換または置換の脂環式基、非置換または置換のヘテロ環基、およびこれらの混合物から選択される二価の基から選択され得、ここで、置換基は、Pによってあらわされる基(以下に記載するような)、アリール、チオール、アミド、液晶メソゲン、ハロゲン、C−C18アルコキシ、ポリ(C−C18アルコキシ)、アミノ、アミノ(C−C18)アルキレン、C−C18アルキルアミノ、ジ−(C−C18)アルキルアミノ、C−C18アルキル、C−C18アルケン、C−C18アルキン、C−C18アルキル(C−C18)アルコキシ、C−C18アルコキシカルボニル、C−C18アルキルカルボニル、C−C18アルキルカーボネート、アリールカーボネート、C−C18アセチル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルコキシ、イソシアナト、アミド、シアノ、ニトロ、あるいはシアノ、ハロ、もしくはC−C18アルコキシで一置換されたかまたはハロで多置換された直鎖または分枝鎖のC−C18アルキル基、以下の式のいずれかによってあらわされる基:−M(T)(t−1)および−M(OT)(t−1)から選択され、ここで、Mは、アルミニウム、アンチモン、タンタル、チタン、ジルコニウム、ケイ素から選択され、Tは、有機官能基、有機官能基化した炭化水素基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選択され、tは、Mの価数である。本明細書で使用する場合、接頭語「ポリ」は、少なくとも2を意味する。
上述のように、Q、Q、Qは、独立して、それぞれの場合に、二価の基、例えば、非置換または置換の芳香族基、非置換または置換のヘテロ環基、非置換または置換の脂環式基から選択され得る。有用な芳香族基の非限定的な例としては、ベンゾ、ナフト、フェナントロ、ビフェニル、テトラヒドロナフト、ターフェニル、アントラセノが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「ヘテロ環基」という用語は、原子の環を有し、環を形成する少なくとも1つの原子が、環を形成する他の原子とは異なる化合物を意味する。さらに、本明細書で使用する場合、ヘテロ環基という用語は、特定的に、縮合したヘテロ環基を除外する。Q、Q、Qを選択することができる適切なヘテロ環基の非限定的な例としては、イソソルビトール、ジベンゾフロ、ジベンゾチエノ、ベンゾフロ、ベンゾチエノ、チエノ、フロ、ジオキシノ、カルバゾロ、アントラニリル、アゼピニル、ベンゾオキサゾリル、ジアゼピニル、ジオアズリル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、インダゾリル、インドールエニニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、インドオキサジニル、イソベンゾアゾリル、イソインドリル、イソオキサゾリル、イソオキサジル、イソピローリル(isopyrroyl)、イソキノリル、イソチアゾリル、モルホリノ、モルホリニル、オキサジアゾリル、オキサチアゾリル、オキサチアジル、オキサチオリル、オキサトリアゾリル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペラジル、ピペリジル、プリニル、ピラノピローリル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピラジル、ピリダジニル、ピリダジル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピリデニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピローリル(pyrroyl)、キノリジニル、キヌクリジニル、キノリル、チアゾリル、トリアゾリル、トリアジル、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、アリールピペリジノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピリル(pyrryl)、非置換、一置換または二置換C−C18スピロ二環アミン、および非置換、一置換または二置換C−C18スピロ三環アミンが挙げられる。
上述のように、Q、Q、Qは、一置換または二置換のC−C18スピロ二環アミンおよびC−C18スピロ三環アミンから選択され得る。適切な置換基の非限定的な例としては、アリール、C−Cアルキル、C−Cアルコキシまたはフェニル(C−C)アルキルが挙げられる。一置換または二置換のスピロ二環アミンの具体的な非限定的な例としては、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル;3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル;2−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル;6−アザビシクロ[3.2.2]ノナン−6−イルが挙げられる。一置換または二置換の三環アミンの具体的な非限定的な例としては、2−アザトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]デカン−2−イル;4−ベンジル−2−アザトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]デカン−2−イル;4−メトキシ−6−メチル−2−アザトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]デカン−2−イル;4−アザトリシクロ[4.3.1.1(3,8)]ウンデカン−4−イル;7−メチル−4−アザトリシクロ[4.3.1.1(3,8)]ウンデカン−4−イルが挙げられる。Q、Q、Qを選択することができる脂環式基の例としては、限定されないが、シクロヘキシル、シクロプロピル、ノルボルネニル、デカリニル、アダマンタニル、ビシクロオクタン、ペルヒドロフルオレン、キュバニルが挙げられる。
引き続き式Iを参照しつつ、S、S、S3、、Sは、それぞれ独立して、それぞれの場合に、以下から選択されるスペーサー単位から選択される。
(1)−(CH−、−(CF−、−Si(CH−、−(Si[(CH]O)−であって、ここで、gは、独立して、それぞれの場合に1〜20から選択され;hは、1〜16から選択されるもの;
(2)−N(Z)−、−C(Z)=C(Z)−、−C(Z)=N−、−C(Z’)−C(Z’)−であって、ここで、Zは、独立して、それぞれの場合に、水素、C−Cアルキル、シクロアルキル、アリールから選択され、Z’は、独立して、それぞれの場合に、C−Cアルキル、シクロアルキル、アリールから選択されるもの;
(3)−O−、−C(O)−、−C≡C−、−N=N−、−S−、−S(O)−、−S(O)(O)−、直鎖または分枝鎖のC−C24アルキレン残基であって、前記C−C24アルキレン残基は、非置換であるか、あるいはシアノもしくはハロによって一置換、またはハロによって多置換されているもの。
しかし、S、S、S3、、Sの選択は、ヘテロ原子を含む2個のスペーサー単位が一緒に接続する場合、ヘテロ原子が直接的に互いに接続しないようにスペーサー単位が接続され、SおよびSをPCおよびPにそれぞれ接続する場合、2個のヘテロ原子が直接的に互いに接続しないように接続されることを条件とする。本明細書で使用する場合、「ヘテロ原子」という用語は、炭素でも水素でもない原子を意味する。
さらに、式Iにおいて、種々の非限定的な実施形態によれば、c、d、e、fは、それぞれ、独立して、1〜20の範囲の整数から選択され得(境界値を含む);d’、e’、f’は、それぞれ独立して、0、1、2、3、4から選択され得、但し、d’+e’+f’の合計は少なくとも1である。他の非限定的な実施形態によれば、c、d、e、fは、それぞれ独立して、0〜20の範囲の整数から選択され得(境界値を含む);d’、e’、f’は、それぞれ独立して、0、1、2、3、4から選択され得、但し、d’+e’+f’の合計は少なくとも2である。さらに他の非限定的な実施形態によれば、c、d、e、fは、それぞれ独立して、0〜20の範囲の整数から選択され得(境界値を含む);d’、e’、f’は、それぞれ独立して、0、1、2、3、4から選択され得、但し、d’+e’+f’の合計は少なくとも3である。さらに他の非限定的な実施形態によれば、c、d、e、fは、それぞれ独立して、0〜20の範囲の整数から選択され得(境界値を含む);d’、e’、f’は、それぞれ独立して、0、1、2、3、4から選択され得、但し、d’+e’+f’の合計は少なくとも1である。
さらに、式Iにおいて、Pは、アジリジニル、水素、ヒドロキシ、アリール、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、ポリアルキルエーテル、(C−C)アルキル(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、エチレン、アクリレート、メタクリレート、2−クロロアクリレート、2−フェニルアクリレート、アクリロイルフェニレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−クロロアクリルアミド、2−フェニルアクリルアミド、エポキシ、イソシアネート、チオール、チオイソシアネート、イタコン酸エステル、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン誘導体、シロキサン、主鎖および側鎖の液晶ポリマー、液晶メソゲン、エチレンイミン誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、非置換ケイ皮酸誘導体、ケイ皮酸誘導体(メチル、メトキシ、シアノおよびハロゲンのうちの少なくとも1つで置換されたもの)、置換および非置換のキラルおよび非キラルの一価または二価の基(ステロイド基、テルペノイド基、アルカロイド基から選択される)、ならびにこれらの混合物から選択され得、ここで、置換基は、独立して、アルキル、アルコキシ、アミノ、シクロアルキル、アルキルアルコキシ、フルオロアルキル、シアノアルキル、シアノアルコキシおよびこれらの混合物から選択される。
さらに、本発明を限定しないが、Pが重合可能な基である場合、重合可能な基は、重合反応に関与するように調整される任意の官能基であり得る。重合反応の非限定的な例としては、Hawley’s Condensed Chemical Dictionary第13版、1997、John Wiley & Sons、ページ901−902(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)の「重合」の定義に記載されるものが挙げられる。例えば、本発明を限定しないが、重合反応としては、遊離ラジカルが開始剤であり、片側に付加することによってモノマーの二重結合と反応し、同時に、他の側に新しい遊離電子が同時に生成する「付加重合」;2つの反応する分子が化合して、小さな分子(例えば、水分子)が脱離して大きな分子が生成する「縮重合」;「酸化的カップリング重合」が挙げられる。さらに、重合可能な基の非限定的な例としては、ヒドロキシ、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、2−(アクリルオキシ)エチルカルバミル、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル、イソシアネート、アジリジン、アリルカーボネート、エポキシ、例えば、オキシラニルメチルが挙げられる。
ある実施形態によれば、Pは、主鎖または側鎖の液晶ポリマーおよび液晶メソゲンから選択されてもよい。本明細書で使用する場合、液晶「メソゲン」という用語は、硬い棒状または円板状の液晶分子を意味する。さらに、本明細書で使用する場合、「主鎖液晶ポリマー」という用語は、ポリマーの骨格(すなわち、主鎖)構造内に液晶メソゲンを有するポリマーを指す。本明細書で使用する場合、「側鎖液晶ポリマー」という用語は、側鎖でポリマーに接続する液晶メソゲンを有するポリマーを指す。本発明を限定しないが、一般的に、メソゲンは、液晶ポリマーの移動を制限する2個以上の芳香族環で構成されている。適切な棒状の液晶メソゲンの例としては、限定されないが、置換または非置換の芳香族エステル、置換または非置換の線形芳香族化合物、置換または非置換のターフェニルが挙げられる。別の具体的な非限定的な実施形態によれば、Pは、ステロイド、例えば、限定されないが、コレステロール化合物から選択されてもよい。
本発明のいくつかの実施形態によれば、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物のそれぞれの伸長剤Lは、それぞれ独立して、以下の式L(1)〜L(37)によってあらわされる伸長基から選択される。
Figure 2014523541
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Figure 2014523541
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Figure 2014523541
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いくつかのさらなる実施形態では、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物の伸長基L(または剤)は、それぞれ独立して、以下の式L(a)〜L(u)によってあらわされる伸長基から選択され得る。
Figure 2014523541
Figure 2014523541
Figure 2014523541
Figure 2014523541
さらなる実施形態では、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物の伸長基L(または剤)は、それぞれ独立して、以下から選択され得る。
(4−trans−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンズアミド)フェニル;
(4−(4−trans−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ)カルボニル)フェニル;
4−(4−(4−trans−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル;
4−((trans−(4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−イル)オキシ)カルボニル)フェニル;
4−(4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−イルカルボキサミド)フェニル;
4−((4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)オキシ)ベンズアミド;
4−(4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)ピペラジン−1−イル;
4−(4−(4−trans−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)−2−(トリフルオロメチル)フェニル;
2−メチル−4−trans−(4−((4’−trans−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル−4−イルオキシ)カルボニル)シクロヘキサンカルボキサミド)フェニル;
4’−(4’−ペンチルビ(シクロヘキサン−4−)カルボニルオキシ)ビフェニルカルボニルオキシ;
4−(((3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)−10,13−ジメチル−17−((R)−6−メチルヘプタン−2−イル)−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシ)カルボニル)ピペラジン−1−イル;および
4−((S)−2−メチルブトキシ)フェニル)−10−(4−(((3R,3aS,6S,6aS)−6−(4’−trans−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニルカルボニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルオキシ)カルボニル)フェニル。
フォトクロミック−二色化合物のフォトクロミック(PC)基を選択することができる熱可逆性のフォトクロミックピランの非限定的な例としては、ベンゾピラン、ナフトピラン、例えば、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、インデノ縮合ナフトピラン、例えば、米国特許第5,645,767号に開示されるもの、ヘテロ環縮合ナフトピラン、例えば、米国特許第5,723,072号、第5,698,141号、第6,153,126号、第6,022,497号(本明細書に参考として組み込まれる)に開示されるもの;スピロ−9−フルオレノ[1,2−b]ピラン;フェナントロピラン;キノピラン;フルオランテノピラン;スピロピラン、例えば、スピロ(ベンゾインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)キノピラン、スピロ(インドリン)ピランが挙げられる。ナフトピランおよび相補的な有機フォトクロミック物質のさらに具体的な例は、米国特許第5,658,501号に記載されており、本明細書に参考として具体的に組み込まれる。スピロ(インドリン)ピランは、Techniques in Chemistry、第III巻、「Photochromism」、第3章、Glenn H.Brown編者、John Wiley and Sons,Inc.、New York、1971(本明細書に参考として組み込まれる)のような文章にも記載されている。
PCを選択することができるフォトクロミックオキサジンの非限定的な例としては、ベンゾオキサジン、ナフトオキサジン、スピロ−オキサジン、例えば、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオランテノオキサジン、スピロ(インドリン)キノキサジンが挙げられる。PCを選択することができるフォトクロミックフルギドの非限定的な例としては、米国特許第4,931,220号(本明細書に参考として具体的に組み込まれる)に開示されているフルギイミド、3−フリルおよび3−チエニルのフルギドおよびフルギイミド、および上述のフォトクロミック材料/化合物のうちの任意のものの混合物が挙げられる。
ある実施形態によれば、フォトクロミック−二色化合物は、少なくとも2種類のフォトクロミック化合物(PC)を含んでいてもよく、この場合は、PCは、個々のPC上にある接続置換基を介して互いに連結していてもよい。例えば、PCは、重合可能なフォトクロミック基またはホスト材料と相溶化するように調整されたフォトクロミック基(「相溶化されたフォトクロミック基」)であり得る。PCを選択することができ、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態と組み合わせて有用な重合可能なフォトクロミック基の非限定的な例は、米国特許第6,113,814号(本明細書に参考として組み込まれる)に開示されている。PCを選択することができ、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態と組み合わせて有用な相溶化されたフォトクロミック基の非限定的な例は、米国特許第6,555,028号(本明細書に参考として具体的に組み込まれる)に開示されている。
他の適切なフォトクロミック基および相補的なフォトクロミック基は、米国特許第6,080,338号の第2欄第21行〜第14欄第43行;第6,136,968号の第2欄第43行〜第20欄第67行;第6,296,785号の第2欄第47行〜第31欄第5行;第6,348,604号の第3欄第26行〜第17欄第15行;第6,353,102号の第1欄第62行〜第11欄第64行;第6,630,597号の第2欄第16行〜第16欄第23行に記載されており、上述の特許の開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる。
少なくとも1つの伸長剤(L)に加え、フォトクロミック化合物は、PCに直接接続したRによってあらわされる少なくとも1つの基をさらに含んでいてもよい。必須ではないが、すでに述べたように、少なくとも1つの伸長剤(L)は、Rによってあらわされる少なくとも1つの基を介し、PCに間接的に結合していてもよい。すなわち、Lは、PCに結合した少なくとも1つの基Rの上の置換基であってもよい。
本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(i)水素、C−C12アルキル、C−C12アルキリデン、C−C12アルキリジン、ビニル、C−Cシクロアルキル、C−C12ハロアルキル、アリル、ハロゲン、非置換であるかまたはC−C12アルキルおよびC−C12アルコキシのうちの少なくとも1つで一置換されたベンジルから選択され得る。
ある実施形態では、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(ii)パラ位でC−Cアルコキシ、直鎖または分枝鎖のC−C20アルキレン、直鎖または分枝鎖のC−Cポリオキシアルキレン、環状C−C20アルキレン、フェニレン、ナフチレン、C−Cアルキル置換フェニレン、モノ−またはポリ−ウレタン(C−C20)アルキレン、モノ−またはポリ−エステル(C−C20)アルキレン、モノ−またはポリ−カーボネート(C−C20)アルキレン、ポリシラニレン、ポリシロキサニレン、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの置換基で一置換されたフェニルから選択され得、ここで、少なくとも1つの置換基は、フォトクロミック材料のアリール基に接続する。
さらなる実施形態によれば、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(iii)−CH(CN)および−CH(COOXから選択され得、式中、Xは、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、H、非置換またはフェニルで一置換されたC−C12アルキル、C−C12アルキルまたはC−C12アルコキシで一置換されたフェニル(C−C12)アルキル、非置換、一置換または二置換のアリール基のうち、少なくとも1つから選択され、ここで、各アリール置換基は、独立して、C−C12アルキルおよびC−C12アルコキシから選択される。
さらなる実施形態によれば、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(iv)−CH(X)(X)から選択され得、ここで
(A)Xは、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、水素、C−C12アルキル、非置換、一置換または二置換のアリール基のうち、少なくとも1つから選択され、各アリール置換基は、独立して、C−C12アルキルおよびC−C12アルコキシから選択され;
(B)Xは、−COOX、−COX、−COX、−CHOXのうち、少なくとも1つから選択され、
ここで、
(1)Xは、モルホリノ、ピペリジノ、非置換またはC−C12アルキルで一置換もしくは二置換されたアミノ、あるいはフェニルアミノおよびジフェニルアミノから選択される非置換、一置換または二置換の基のうち、少なくとも1つから選択され、各置換基は、独立して、C−C12アルキルまたはC−C12アルコキシから選択され;
(2)Xは、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、水素、−C(O)X、非置換または(C−C12)アルコキシまたはフェニルで一置換されたC−C12アルキル、(C−C12)アルコキシで一置換されたフェニル(C−C12)アルキル、あるいは非置換、一置換または二置換のアリール基から選択され、それぞれのアリール置換基は、独立して、C−C12アルキルおよびC−C12アルコキシから選択される。
さらなる実施形態によれば、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(v)非置換、一置換、二置換または三置換のアリール基、例えば、フェニル、ナフチル、フェナントリル、またはピレニル;9−ジュロリジニル;またはピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニル、フルオレニルから選択される非置換、一置換または二置換のヘテロ芳香族基から選択され得;ここで、置換基は、独立して、それぞれの場合に、以下のものから選択される。
(A)上記式Iによってあらわされる伸長剤L;
(B)−C(O)Xであって、ここでXは、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、H、C−C12アルコキシ、非置換であるか、またはC−C12アルキルもしくはC−C12アルコキシで一置換もしくは二置換されたフェノキシ、非置換であるか、またはC−C12アルキルもしくはC−C12アルコキシで一置換もしくは二置換されたアリール基、非置換であるか、またはC−C12アルキルで一置換もしくは二置換されたアミノ基、非置換であるか、またはC−C12アルキルもしくはC−C12アルコキシで一置換もしくは二置換されたフェニルアミノ基のうち、少なくとも1つから選択されるもの、
(C)アリール、ハロアリール、C−Cシクロアルキルアリール、あるいはC−C12アルキルまたはC−C12アルコキシで一置換または二置換されたアリール基;
(D)C−C12アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ(C−C12)アルキル、アリール(C−C12)アルキル、アリールオキシ(C−C12)アルキル、モノ−またはジ−(C−C12)アルキルアリール(C−C12)アルキル、モノ−またはジ−(C−C12)アルコキシアリール(C−C12)アルキル、ハロアルキル、モノ(C−C12)アルコキシ(C−C12)アルキル;
(E)C−C12アルコキシ、C−Cシクロアルコキシ;シクロアルキルオキシ(C−C12)アルコキシ;アリール(C−C12)アルコキシ、アリールオキシ(C−C12)アルコキシ、モノ−またはジ−(C−C12)アルキルアリール(C−C12)アルコキシ、モノ−またはジ−(C−C12)アルコキシアリール(C−C12)アルコキシ;
(F)アミド、アミノ、モノ−またはジ−アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C−C12)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、ヒドロキシ、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ハロゲン;
(G)−OXおよび−N(Xであって、ここで、Xは、以下のものから選択されるもの:
(1)上記式Iによってあらわされる伸長剤L、水素、C−C12アルキル、C−C12アシル、フェニル(C−C12)アルキル、モノ(C−C12)アルキル置換フェニル(C−C12)アルキル、モノ(C−C12)アルコキシ置換フェニル(C−C12)アルキル;C−C12アルコキシ(C−C12)アルキル;C−Cシクロアルキル;モノ(C−C12)アルキル置換C−Cシクロアルキル、C−C12ハロアルキル、アリル、ベンゾイル、一置換ベンゾイル、ナフトイルまたは一置換ナフトイルであって、前記ベンゾイルおよびナフトイル置換基は、それぞれ独立して、C−C12アルキル、C−C12アルコキシから選択されるもの;
(2)−CH(X)Xであって、ここで、Xは、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、HまたはC−C12アルキルから選択され;Xは、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、−CN、−CF、または−COOX10から選択され、X10は、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、HまたはC−C12アルキルから選択されるもの;
(3)−C(O)X
(4)トリ(C−C12)アルキルシリル、トリ(C−C12)アルコキシシリル、ジ(C−C12)アルキル(C−C12アルコキシ)シリル、またはジ(C−C12)アルコキシ(C−C12アルキル)シリル;
(H)−SX11であって、ここでX11は、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、C−C12アルキル、非置換であるか、またはC−C12アルキル、C−C12アルコキシもしくはハロゲンで一置換もしくは二置換されたアリール基から選択されるもの;
(I)式iによってあらわされる窒素含有環
Figure 2014523541
であって、ここで、
(1)nは、0、1、2、3から選択される整数であり、但し、nが0の場合、U’はUであり、各Uは、独立して、それぞれの場合に、−CH−、−CH(X12)−、−C(X122−、−CH(X13)−、−C(X13−、−C(X12)(X13)−から選択され、X12は、上記式Iによってあらわされる伸長剤LおよびC−C12アルキルから選択され、X13は、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、フェニルおよびナフチルから選択され、
(2)U’は、U、−O−、−S−、−S(O)−、−NH−、−N(X12)−または−N(X13)−から選択され、mは、1、2、3から選択される整数であり、但し、nが0の場合、mは、2または3から選択されるもの;
(J)式iiまたは式iiiによってあらわされる基
Figure 2014523541
であって、式中、X14、X15、X16は、独立して、それぞれの場合に、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、C−C12アルキル、フェニルおよびナフチルから選択されるか、または、X14とX15とを合わせて5〜8個の炭素原子を含む環を形成し;pは、0、1、または2から選択される整数であり、X17は、独立して、それぞれの場合に、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、C−C12アルキル、C−C12アルコキシおよびハロゲンから選択されるもの。
ある実施形態では、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(vi)ピラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニルおよびアクリジニルから選択される非置換または一置換の基から選択され得、各置換基は、独立して、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、C−C12アルキル、C−C12アルコキシ、フェニル、ヒドロキシ、アミノおよびハロゲンから選択される。
さらなる実施形態によれば、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(vii)式ivまたは式vによってあらわされる基から選択され得る。
Figure 2014523541
式ivおよび式vを参照すると、
(A)V’は、独立して、それぞれの式において、−O−、−CH−、C−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンから選択され、
(B)Vは、独立して、それぞれの式において、−O−または−N(X21)−から選択され、X21は、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、水素、C−C12アルキル、C−C12アシルから選択され、但し、Vが−N(X21)−である場合、V’は−CH−であり、
(C)X18およびX19は、それぞれ独立して、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、水素およびC−C12アルキルから選択され、
(D)kは、0、1、2から選択され、各X20は、独立して、それぞれの場合に、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、C−C12アルキル、C−C12アルコキシ、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される。
いくつかのさらなる実施形態によれば、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(viii)式viによってあらわされる基から選択され得る。
Figure 2014523541
式viを参照すると、
(A)X22は、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、水素およびC−C12アルキルから選択され、
(B)X23は、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、またはナフチル、フェニル、フラニルおよびチエニルから選択される非置換、一置換または二置換の基から選択され、各置換基は、独立して、それぞれの場合に、C−C12アルキル、C−C12アルコキシ、ハロゲンから選択される。
いくつかのさらなる実施形態では、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(ix)−C(O)X24から選択され得、X24は、上記式Iによってあらわされる伸長剤L、ヒドロキシ、C−C12アルキル、C−C12アルコキシ、非置換であるか、またはC−C12アルキルもしくはC−C12アルコキシで一置換されたフェニル、非置換であるか、またはC−C12アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチルのうちの少なくとも1つで一置換もしくは二置換されたアミノから選択される。
いくつかのさらなる実施形態では、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(x)−OXおよび−N(Xであって、ここでXは上に記載したとおりであるもの;(xi)−SX11であって、ここでX11は上に記載したとおりであるもの;(xii)上に記載される、式ivによってあらわされる窒素含有環;(xiii)上に記載される、式vまたは式viのいずれかによってあらわされる基から選択され得る。
いくつかのさらなる実施形態によれば、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(xiv)すぐ隣にあるR基が、式vii、viii、ixのうちの1つによってあらわされる基を一緒に形成するものから選択され得る。
Figure 2014523541
式vii、viii、ixを参照すると、
(A)WおよびW’は、独立して、それぞれの場合に、−O−、−N(X)−、−C(X14)−、−C(X17)−(X、X14、X17は、上に記載したとおりである)から選択され、
(B)X14、X15、X17は、上に記載したとおりであり、
(C)qは、0、1、2、3、4から選択される整数である。
ある実施形態によれば、フォトクロミック−二色化合物は、式IIによってあらわされるフォトクロミックピランであり得る。
Figure 2014523541
式IIを参照すると、Aは、ナフト、ベンゾ、フェナントロ、フルオランテノ、アンテノ、キノリノ、チエノ、フロ、インドロ、インドリノ、インデノ、ベンゾフロ、ベンゾチエノ、チオフェノ、インデノ縮合ナフト、ヘテロ環縮合ナフト、ヘテロ環縮合ベンゾから選択される芳香族環または縮合芳香族環である。
式IIをさらに参照すると、BおよびB’は、それぞれ独立して、(i)水素、C−C12アルキル、C−C12アルキリデン、C−C12アルキリジン、ビニル、C−Cシクロアルキル、C−C12ハロアルキル、アリル、ハロゲン、非置換であるかまたはC−C12アルキルおよびC−C12アルコキシのうちの少なくとも1つで一置換されたベンジルから選択され得る。
式IIのB基およびB’基は、それぞれ独立して、さらに(ii)パラ位でC−Cアルコキシ、直鎖または分枝鎖のC−C20アルキレン、直鎖または分枝鎖のC−Cポリオキシアルキレン、環状C−C20アルキレン、フェニレン、ナフチレン、C−Cアルキル置換フェニレン、モノ−またはポリ−ウレタン(C−C20)アルキレン、モノ−またはポリ−エステル(C−C20)アルキレン、モノ−またはポリ−カーボネート(C−C20)アルキレン、ポリシラニレン、ポリシロキサニレンおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの置換基で一置換されたフェニルから選択され得、少なくとも1つの置換基は、フォトクロミック材料のアリール基に接続する。
式IIのB基およびB’基は、それぞれ独立して、さらに、(iii)−CH(CN)および−CH(COOX(Xは上に記載したとおりである);(iv)−CH(X)(X)(XおよびXは、上に記載したとおりである)から選択され得る。
式IIのB基およびB’基は、それぞれ独立して、さらに、(v)非置換、一置換、二置換または三置換のアリール基、例えば、フェニル、ナフチル、フェナントリルまたはピレニル;9−ジュロリジニル;またはピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニル、フルオレニルから選択される非置換、一置換または二置換のヘテロ芳香族基から選択され得る。置換基は、それぞれ独立して、それぞれの場合に、以下のものから選択され得る:
(A)上記式Iによってあらわされる伸長剤L;
(B)−C(O)Xであって、ここでXは上に記載したとおりであるもの;
(C)アリール、ハロアリール、C−Cシクロアルキルアリール、およびC−C12アルキルまたはC−C12アルコキシで一置換または二置換されたアリール基;
(D)C−C12アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ(C−C12)アルキル、アリール(C−C12)アルキル、アリールオキシ(C−C12)アルキル、モノ−またはジ−(C−C12)アルキルアリール(C−C12)アルキル、モノ−またはジ−(C−C12)アルコキシアリール(C−C12)アルキル、ハロアルキル、モノ(C−C12)アルコキシ(C−C12)アルキル;
(E)C−C12アルコキシ、C−Cシクロアルコキシ;シクロアルキルオキシ(C−C12)アルコキシ;アリール(C−C12)アルコキシ、アリールオキシ(C−C12)アルコキシ、モノ−またはジ−(C−C12)アルキルアリール(C−C12)アルコキシ、モノ−またはジ−(C−C12)アルコキシアリール(C−C12)アルコキシ;
(F)アミド、アミノ、モノ−またはジ−アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C−C12)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、ヒドロキシ、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ハロゲン;
(G)−OXおよび−N(Xであって、ここでXは上に記載したとおりであるもの;
(H)−SX11であって、ここでX11は上に記載したとおりであるもの;
(I)上に記載される式iによってあらわされる窒素含有環;
(J)上に記載される式iiまたは式iiiのうちの1つによってあらわされる基。
式IIのB基およびB’基は、それぞれ独立して、さらに、(vi)ピラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニル、アクリジニルから選択される非置換または一置換の基であって、各置換基は、独立して、伸長剤L、C−C12アルキル、C−C12アルコキシ、フェニル、ヒドロキシ、アミノまたはハロゲンから選択されるもの;(vii)上に記載される式ivまたはvのうちの1つによってあらわされる基;(viii)上に記載される式viによってあらわされる基から選択され得る。
ある代替的な実施形態によれば、BおよびB’が一緒になって、(a)非置換、一置換または二置換のフルオレン−9−イリデンであって、前記フルオレン−9−イリデン置換基は、それぞれ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、フルオロおよびクロロから選択されるもの;(b)飽和C−C12スピロ単環炭化水素環、例えば、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、シクロオクチリデン、シクロノニリデン、シクロデシリデン、シクロウンデシリデン、シクロドデシリデン;(c)飽和C−C12スピロ−二環炭化水素環、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプチリデン、すなわち、ノルボルニリデン、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプチリデン、すなわち、ボルニリデン、ビシクロ[3.2.1]オクチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イリデン、ビシクロ[4.3.2]ウンデカン;または(d)飽和C−C12スピロ−三環炭化水素環、例えば、トリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプチリデン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシリデン、すなわち、アダマンチリデン、トリシクロ[5.3.1.12,6]ドデシリデンを形成していてもよい。さらに、以下にさらに詳細に記載する種々の非限定的な実施形態によれば、BおよびB’は、一緒になって、非置換であるかまたはRによってあらわされる少なくとも1つの基で置換されたインドリノまたはベンゾインドリノを形成していてもよい。
式IIをさらに参照すると、種々の非限定的な実施形態によれば、下付文字(i)は、0から、環Aの利用可能なすべての位置から選択される整数であり得、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(i)式I(上記)によってあらわされる伸長剤L;(ii)R(上記)によってあらわされる基から選択され得;但し、式IIによってあらわされるフォトクロミック−二色化合物は、上記式Iによってあらわされる少なくとも1つの伸長剤(L)を含む。
例えば、式IIをさらに参照すると、下付文字(i)は、少なくとも1であり得、R基の少なくとも1つは、伸長剤Lであり得る。さらに、またはこれに代えて、フォトクロミック−二色化合物は、伸長剤Lで置換された、少なくとも1つのR基、少なくとも1つのB基、または少なくとも1つのB’基を含んでいてもよい。例えば、制限されないが、Lは、ピラン基に直接結合していてもよく、例えば、このときは下付文字(i)は少なくとも1であり、RはLである。または例えば、フォトクロミック化合物の吸収比が、伸びていないピラン基と比較して高まるように、活性化された状態でLがピラン基を伸ばすようなR、B、またはB’基の置換基として、Lがピラン基に間接的に結合していてもよい。例えば、本発明を限定しないが、BまたはB’基は、伸長剤Lで一置換されたフェニル基であり得る。
ある実施形態によれば、フォトクロミック−二色化合物は、以下の式IIIによってあらわされるナフト[1,2−b]ピランであってもよい。
Figure 2014523541
式IIIを参照すると、(a)6位にあるR置換基、8位にあるR置換基、および/またはBおよびB’のうちの少なくとも1つは、伸長剤Lを含むか;または(b)6位にあるR置換基は、5位にあるR置換基とともに、式x〜式xivのうちの1つによってあらわされる基を形成する。
Figure 2014523541
式x〜式xivを参照すると、Kは、−O−、−S−、−N(X)−;非置換Cまたはアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ、もしくはアリールで置換されたCから選択され;K’は、−C−、−O−、または−N(X)−であり;K”は、−O−または−N(X)−から選択され;X25は、Rによってあらわされる基であり(上に詳細に記載している);X26は、水素、アルキル、アリールから選択され得るか、または、一緒になってベンゾまたはナフトを形成し得;各X27は、アルキルおよびアリールから選択されるか、または一緒になってオキソであり;但し、8位にあるR置換基、X25、K、K’、K”、BまたはB’のうち、少なくとも1つは伸長剤Lを含む。
ある実施形態では、さらに式IIを参照して、(c)6位にあるR置換基は、7位にあるR置換基と一緒に、ベンゼノおよびナフトから選択される芳香族基を形成し、但し、8位にあるR置換基、BおよびB’のうち、少なくとも1つは伸長剤Lを含む。
いくつかのさらなる実施形態では、フォトクロミック−二色化合物は、式IVによってあらわされるインデノ縮合ナフト[1,2−b]ピランであってもよく、
Figure 2014523541
式IVを参照すると、Kは上に記載したとおりであり、11位にあるR置換基、7位にあるR置換基、K、BおよびB’のうち、少なくとも1つは伸長剤Lを含む。いくつかのさらなる実施形態によれば、11位にあるR置換基、7位にあるR置換基のうち、少なくとも1つは伸長剤Lである。
さらなる実施形態では、フォトクロミック−二色化合物は、以下の式Vによってあらわされるナフト[2,1−b]ピランであってもよい。
Figure 2014523541
式Vを参照すると、6位にあるR置換基、7位にあるR置換基、BおよびB’のうち、少なくとも1つは伸長剤Lを含む。いくつかのさらなる実施形態によれば、式Vをさらに参照して、6位にあるR置換基、7位にあるR置換基のうち、少なくとも1つは伸長剤Lである。
さらに、他の非限定的な実施形態によれば、フォトクロミック−二色化合物は、式VIによってあらわされるベンゾピランであってもよい。
Figure 2014523541
式VIを参照すると、(a)5位にあるR置換基、7位にあるR置換基、BまたはB’のうち、少なくとも1つは、伸長剤Lを含むか;または(b)5位にあるR置換基、7位にあるR置換基の少なくとも1つは、すぐ隣にあるR置換基とともに(すなわち、7位にあるR置換基と、6位または8位にあるR置換基、または5位にあるR置換基と、6位にあるR置換基)、式x〜xivによってあらわされる基を形成し(上に記載した)、但し、5位にあるR置換基、7位にあるR置換基の片方のみが6位のR置換基と結合し、但し、5位にあるR置換基、7位にあるR置換基、X25、K、K’、K”、BまたはB’のうち、少なくとも1つが伸長剤Lを含む。
本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態で使用することができ、上記式IIによって一般的にあらわされるフォトクロミック−二色化合物を形成する一般的な反応シーケンスを以下の反応シーケンスAに示す。
反応シーケンスA
第1部:
Figure 2014523541
反応シーケンスAの第1部において、式αによってあらわされる4−フルオロベンゾフェノンを、窒素下、無水溶媒ジメチルスルホキシド(DMSO)中、式αによってあらわされる伸長剤Lと反応させ、式αによってあらわされるL置換ケトンを形成し得る。当業者は、4−フルオロベンゾフェノンを購入してもよく、または当該技術分野で公知のFriedel−Crafts法によって調製してもよいことを理解するだろう。例えば、Friedel−Crafts and Related Reactions、George A.Olah、Interscience Publishers、1964、第3巻、第XXXI章(Aromatic Ketone Synthesis)、および「Regioselective Friedel−Crafts Acylation of 1,2,3,4−Tetrahydroquinoline and Related Nitrogen Heterocycles:Effect on NH Protective Groups and Ring Size」、Ishihara、Yugiら、J.Chem.Soc.、Perkin Trans.1、ページ3401〜3406、1992といった刊行物を参照。
第2部
Figure 2014523541
反応シーケンスAの第2部に示したように、式αによってあらわされたL置換ケトンを、適切な溶媒(例えば、限定されないが、無水テトラヒドロフラン(THF))中、ナトリウムアセチリドと反応させ、対応するプロパルギルアルコール(式αによってあらわされる)を形成することができる。
第3部
Figure 2014523541
反応シーケンスAの第3部において、式αによってあらわされるプロパルギルアルコールをヒドロキシ置換A基(式αによってあらわされる)とカップリングさせ、本明細書に開示する非限定的な一実施形態の式αによってあらわされるフォトクロミックピランを形成してもよい。場合により、A基は1つ以上のR基で置換されてもよく、それぞれが、残りのL置換基と同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用するのに適したA基およびR基の非限定的な例は、上に詳細に記載している。少なくとも1つの伸長剤Lで置換されたヒドロキシル化A基を形成するための一般的な反応シーケンスの非限定的な例を、以下の反応シーケンスB、C、Dに示す。
反応シーケンスAは、式IIによってあらわされ、L置換フェニルおよびフェニルから選択されるB基およびB’基を有するフォトクロミック化合物を形成するための一般的な反応シーケンスを示すが、一般的に式IIによってあらわされ、上記式α以外で示されるB基およびB’基を有し、場合により、1個以上のL基または1個以上のL含有R基で置換されていてもよいフォトクロミック化合物は、市販されているケトンから、または、ハロゲン化アシルと置換または非置換の物質(例えば、ナフタレンまたはヘテロ芳香族化合物)との反応によって調製することができることは、当業者には理解されるだろう。本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態と組み合わせて使用するのに適したB置換基およびB’置換基の非限定的な例は、上に詳細に記載している。
反応シーケンスB、C、Dは、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態のフォトクロミックピランの形成で使用可能な、少なくとも1つの伸長剤Lで置換されたヒドロキシル化A基を形成するための3種類の異なる一般的な反応シーケンスを示す。例えば、本発明を限定しないが、上に反応シーケンスAで記載したように、得られたL置換ヒドロキシル化A基をプロパルギルアルコールとカップリングさせ、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態のフォトクロミックピランを形成し得る。さらに、上述のように、場合により、A基は、1個以上のさらなるR基で置換されていてもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。
反応シーケンスB
Figure 2014523541
反応シーケンスBにおいて、式βによってあらわされるヒドロキシル化A基を、アルキルリチウム(例えば、限定されないが、メチルリチウム(MeLi))存在下、無水テトラヒドロフラン中、式βによってあらわされるL置換ピペリジンと反応させ、式βによってあらわされるヒドロキシル化A基に接続するL置換R基を生成する。さらに、上に示すように、A基は、1個以上のさらなるR基で置換されてもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。さらに、Kは、−O−、−S−、−N(X)−、または置換または非置換の炭素から選択されてもよい。例えば、Kは、メチルで二置換された炭素であってもよく、または、エチル基およびヒドロキシル基で置換された炭素であってもよい。
反応シーケンスC
Figure 2014523541
反応シーケンスCにおいて、エステル化反応において、塩化メチレン中のジシクロヘキシルカルボジイミド存在下、式χによってあらわされるR置換ヒドロキシル化A基を、式χによってあらわされるL置換フェノールと反応させ、式χによってあらわされるヒドロキシル化A基に接続するL置換R基を生成する。さらに、反応シーケンスCで示されるように、式χによってあらわされる基は、場合により、1種類以上のさらなるR基で置換されていてもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。
反応シーケンスD(下記)において、式δによってあらわされるヒドロキシ置換ナフトールを、塩素と反応させ、式δによってあらわされる化合物を形成する。式δによってあらわされる化合物を、式δによってあらわされるL置換ピペリジンと反応させ、式δによってあらわされる物質を形成する。式δによってあらわされる物質を、炭素担持型パラジウム触媒上、水素雰囲気下で還元し、式δによってあらわされるヒドロキシル化A基に接続するL置換R基を形成する。
反応シーケンスD
Figure 2014523541
反応シーケンスEおよびFは、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態にしたがうフォトクロミックナフトピランを形成するための、伸長剤Lで置換されたナフトピランを形成する2種類の異なる方法を示す。
反応シーケンスE
Figure 2014523541
反応シーケンスEにおいて、少なくとも1つのR基で場合により置換された、式εによってあらわされるヒドロキシ置換A基を、アルキルリチウム(例えば、限定されないが、メチルリチウム(MeLi))存在下、無水テトラヒドロフラン中、式εによってあらわされるヒドロキシ置換ピペリジンと反応させ、式εによってあらわされるヒドロキシル化A基に接続する4−ヒドロキシピペリジニルを生成する。次いで、式εによってあらわされる化合物を、式εによってあらわされるプロパルギルアルコールとカップリングさせ、式εによってあらわされるインデノ縮合ナフトピランに接続する4−ヒドロキシピペリジニルを形成する。反応シーケンスEの経路(1)によって示されるように、アセチル化反応において三級アミン(限定されないが、トリエチルアミン)を用い、溶媒(例えば、限定されないが、塩化メチレン)中、式εによってあらわされるナフトピランを式εによってあらわされるL置換化合物とさらに反応させ、本明細書に開示する非限定的な一実施形態によって、式εによってあらわされるインデノ縮合ナフトピランに接続するL置換ピペリジニルを生成し得る。または、経路(2)によって示されるように、式εによってあらわされるナフトピランを、式εによってあらわされるL置換化合物と反応させ、本明細書に開示する非限定的な実施形態にしたがう、式εによってあらわされるインデノ縮合ナフトピランに接続したL置換ピペリジニルを生成し得る。さらに、反応シーケンスEに示されるように、式εおよび式εによってあらわされるインデノ縮合ナフトピランに接続するL置換ピペリジニルは、場合により、1以上のさらなるR基で置換されてもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。
反応シーケンスF(下記)において、式φによってあらわされるヒドロキシル化A基を、式φによってあらわされるプロパルギルアルコールとカップリングし、式φによってあらわされるナフトピランを生成する。次いで、式φによるナフトピランを式φのL置換フェニルアミンと反応させ、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態による、式φによってあらわされるナフトピランに接続するL置換フェニルアミンを生成する。適切なBおよびB’置換基の非限定的な例は、上に詳細に記載したとおりである。
反応シーケンスF
Figure 2014523541
本発明を限定しないが、式βおよびεによってあらわされるヒドロキシ置換A基(それぞれ、反応シーケンスBおよびEに記載されている)において、Kは、メチルで二置換された炭素であって、2,3−ジメトキシ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[c]フルオレン−5−オールを形成し得る。当業者は、このようなヒドロキシ置換A基を生成する多くの方法を認識するだろう。例えば、限定されないが、2,3−ジメトキシ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[c]フルオレン−5−オールを形成する1つの方法が、米国特許第6,296,785号の実施例9の工程2に記載されており、本明細書に参考として具体的に組み込まれる。さらに具体的に、米国特許第6,296,785号の実施例9の工程2に記載されるように、2,3−ジメトキシ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[c]フルオレン−5−オールを形成する1つの非限定的な方法は、以下のとおりである。
第1の工程で、1,2−ジメトキシベンゼン(92.5グラム)と、塩化ベンゾイル(84.3グラム)を500ミリリットル(mL)の塩化メチレンに溶かした溶液とを、窒素雰囲気下、固体滴下漏斗を備える反応フラスコに加える。時々、反応混合物を氷/水浴で冷却しつつ、固体の無水塩化アルミニウム(89.7グラム)を反応混合物に加える。反応混合物を室温で3時間攪拌する。得られた混合物を、氷と1N塩酸の1:1混合物300mLに注ぎ、15分間激しく攪拌する。この混合物を塩化メチレン100mLで2回抽出する。有機層を合わせ、50mLの10重量%水酸化ナトリウムで洗浄し、次いで、50mLの水で洗浄する。塩化メチレン溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、黄色固体を得る。95%エタノールからの再結晶によって、融点が103〜105℃のベージュ色の針状物147グラムを得る。この生成物は、3,4,−ジメトキシベンゾフェノンと一致する構造を有していると考えられる。
第2の工程で、カリウムt−ブトキシド(62グラム)、前の工程1からの生成物90グラムを、窒素雰囲気下、300mLのトルエンを含む反応フラスコに加える。この混合物を加熱して還流させ、コハク酸ジメチル(144.8グラム)を1時間かけて滴下により添加する。この混合物を5時間還流させ、室温まで冷却する。反応混合物に水300mLを加え、20分間激しく攪拌する。水相および有機相が分離し、有機層を100mLの水で3回抽出する。水層を合わせ、50mLのクロロホルムで3回洗浄する。水層を6N塩酸を用いてpH2になるまで酸性にし、沈殿が生成し、濾過によって除去する。水層をクロロホルム100mLで3回抽出する。有機抽出物を合わせ、ロータリーエバポレーションによって濃縮する。得られた油は、(EおよびZ)4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−フェニル−3−メトキシカルボニル−3−ブテン酸の混合物と一致する構造を有していると考えられる。
第3の工程において、先の工程2からの生成物(8.6グラム)、5mLの無水酢酸、50mLのトルエンを窒素雰囲気下、反応フラスコに加える。反応混合物を6時間かけて110℃まで加熱し、室温まで冷却し、溶媒(トルエンおよび無水酢酸)をロータリーエバポレーションによって除去する。残渣を300mLの塩化メチレンと200mLの水に溶解する。二相混合物に、泡の発生がやむまで固体の炭酸ナトリウムを加える。層を分離し、水層を塩化メチレン50mLで2回抽出する。有機層を合わせ、溶媒(塩化メチレン)をロータリーエバポレーションによって除去し、濃い赤色の油状物を得る。この油状物を温めたメタノールに溶解し、0℃で2時間冷却する。得られた結晶を減圧濾過によって集め、冷メタノールで洗浄し、融点が176〜177℃の生成物5グラムを得る。回収した固体生成物は、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシナフタレンと1−フェニル−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシ−6,7−ジメトキシナフタレンとの混合物と一致する構造を有すると考えられる。
第4の工程では、先の工程3からの生成物混合物5グラム、5mLの12M塩酸、30mLのメタノールを反応フラスコ中で合わせ、加熱して1時間還流させる。反応混合物を冷却し、得られた沈殿を減圧濾過によって集め、冷メタノールで洗浄する。生成物を、ヘキサンと酢酸エチルの2:1混合物を溶出液として用い、シリカゲル栓を通して濾過することによって精製する。ロータリーエバポレーションによって濾液を濃縮し、ベージュ色の固体3グラムを得て、この固体は、1−フェニル−2−メトキシカルボニル−6,7−ジメトキシナフト−4−オールと一致する構造を有すると考えら得る。
第5の工程では、反応フラスコに、先の工程4の生成物2.8グラムを窒素雰囲気下で入れる。このフラスコに、無水テトラヒドロフラン(40mL)を加える。反応混合物をドライアイス/アセトン浴で冷却し、41mLのメチルマグネシウムクロリド溶液(テトラヒドロフラン中1M)を15分かけて滴下により添加する。得られた黄色反応混合物を0℃で2時間攪拌し、室温までゆっくりと加温する。反応混合物を50mLの氷/水混合物に注ぐ。エーテル(20mL)を加え、層を分離する。水層を20mLのエーテルで2回抽出し、有機部分を合わせ、水30mLで洗浄する。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮する。得られた油状物を、2滴のドデシルベンゼンスルホン酸を加えた50mLのトルエンが入った反応容器(Dean−Starkトラップを取り付けた)に入れる。反応混合物を加熱して2時間還流させ、冷却する。トルエンをロータリーエバポレーションによって除去し、所望の化合物2グラムを得る。
さらなる実施形態によれば、フォトクロミック−二色化合物は、以下の式VIIによってあらわされるフォトクロミックスピロ−ピランまたはスピロ−オキサジンであってもよい。
Figure 2014523541
式VIIを参照すると、
(a)Aは、ナフト、ベンゾ、フェナントロ、フルオランテノ、アンテノ、キノリノ、チエノ、フロ、インドロ、インドリノ、インデノ、ベンゾフロ、ベンゾチエノ、チオフェノ、インデノ縮合ナフト、ヘテロ環縮合ナフト、ヘテロ環縮合ベンゾから選択され;
(b)Yは、CまたはNであり;
(c)SPは、インドリノおよびベンゾインドリノから選択されるスピロ基であり;
(d)iは、0から、Aの利用可能な位置の合計数までから選択される整数であり、rは、0から、SPの利用可能な位置の合計数までから選択される整数であるが、但し、i+rの合計は、少なくとも1であり、各Rは、独立して、それぞれの場合に、
(i)上記式Iによってあらわされる伸長剤L、および
(ii)上のRによってあらわされる基
から選択される。それに加えて、式VIIによってあらわされるフォトクロミック−二色化合物は、上記式Iによってあらわされる少なくとも1つの伸長剤(L)を含むとの条件がある。
式IIによってあらわされるフォトクロミック化合物と同様に、式VIIによってあらわされるフォトクロミック化合物を、LまたはLで置換されたR基を用いた置換によって任意の利用可能な位置で、および/またはLまたはLで置換されたR基を含む利用可能な位置の置換の多くの組み合わせによって任意の望ましい方向に、伸ばしてもよい。例えば、SP基(または環−SP)をLまたはLで置換されたR基で置換するか、および/またはA基(または環−A)をLまたはLで置換されたR基で置換することによって、フォトクロミック化合物の望ましい平均吸収比を与えるように、式VIIによってあらわされるフォトクロミック化合物を伸ばすことができる。
ある実施形態では、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物は、以下の式VIIIによってあらわされてもよい。
Figure 2014523541
式VIIIを参照すると、各R”は、独立して、それぞれの場合に、水素、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、アリールアルキルから選択されるか、または一緒になって、置換または非置換のシクロアルキルを形成し;R”’は、非置換であるか、または(i)−CH(CN)または−CH(COOX;(ii)−CH(X)(X);(iii)−C(O)X24(ここで、X、X、X、X24は、上に記載したとおりである);(iv)ハロゲン、ヒドロキシ、エステルまたはアミンのうち、少なくとも1つで置換された、アルキル、アリール、またはアリールアルキル基から選択される。下付文字(i)および下付文字(r)のうち、少なくとも1つは少なくとも1であり、少なくとも1つのRは、Lを含む。いくつかのさらなる実施形態では、少なくとも1つのRはLである。式VIIに関し上に記載したように、式VIIIのYは、CまたはNから選択され得る。例えば、ある実施形態では、Yは、Cであってもよく、フォトクロミック化合物は、スピロ(インドリノ)ピランであってもよい。さらなる実施形態によれば、Yは、Nであってもよく、フォトクロミック化合物は、スピロ(インドリノ)オキサジンであってもよい。
さらなる実施形態によれば、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物は、以下の式IXによってあらわされてもよく、
Figure 2014523541
式IXを参照すると、6位にあるRおよび/または7位にあるRのうち、少なくとも1つは伸長剤Lを含む。いくつかのさらなる実施形態では、式IXの6位にあるR基および/または7位にあるR基のうち、少なくとも1つは伸長剤Lである。
さらなる実施形態によれば、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物は、式Xによってあらわされてもよく、
Figure 2014523541
式Xを参照すると、少なくとも7位にあるRは伸長剤Lを含む。いくつかのさらなる実施形態では、7位にあるR基は伸長剤Lである。
さらなる実施形態では、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物は、以下の式XIによってあらわされてもよい。
Figure 2014523541
式XIを参照すると、少なくとも6位にあるR基は伸長剤Lを含む。いくつかのさらなる実施形態では、6位にあるR基は伸長剤Lである。
式VIIによってあらわされるフォトクロミック−二色化合物を合成するための一般的な反応スキームを、以下の反応シーケンスGに示す。
反応シーケンスG
第1部:
Figure 2014523541
反応シーケンスGの第1部は、一般的なニトロソ化プロセスを示す。このプロセスにおいて、式γによってあらわされるヒドロキシル化A基を、酸(例えば、限定されないが、酢酸)存在下、亜硝酸ナトリウムと反応させ、式γによってあらわされるニトロソ−置換A基を生成する。A基の適切な非限定的な例としては、ナフト、ベンゾ、フェナントロ、フルオランテノ、アンテノ、キノリノ、インデノ縮合ナフト、ヘテロ環縮合ナフト、ヘテロ環縮合ベンゾが挙げられる。場合により、A基は、1個以上のR基で置換されていてもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含み得る。
第2部:
Figure 2014523541
反応シーケンスGの第2部において、式γによってあらわされるニトロソ置換A基を式γによってあらわされるFischer塩基とカップリングさせる。溶媒(例えば、限定されないが、無水エタノール)中で、還流条件で加熱してカップリングを行い、式γによってあらわされる本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態のフォトクロミックオキサジンを生成する。
反応シーケンスGの第1部に示される一般的なニトロソ化プロセスは、もっと具体的には、以下の2つのシーケンス(反応シーケンスHおよびI)に記載され、これらは一般的に、場合により少なくとも1個のRで置換されていてもよいニトロソ置換A基を生成する2つのニトロソフェノール合成プロセスを示し、これらのニトロソフェノールは、本発明のオキサジンを製造するカップリング反応で使用することができる。シーケンスHおよびIの経路(2)に示すように、NaNOとの反応の前に、中間体化合物を、さらに1種類以上の他の反応剤と反応させ、A基の上に適切な伸長剤Lを形成し得る。
反応シーケンスH
Figure 2014523541
さらに具体的には、反応シーケンスHにおいて、式ηによってあらわされるヒドロキシル化A基のカルボン酸を、式ηによってあらわされるヒドロキシル化A基のエステルに変換する。次いで、式ηによってあらわされるヒドロキシル化A基のエステルを、酸(例えば、限定されないが、酢酸)存在下、亜硝酸ナトリウムと反応させ、式ηのニトロソ置換A基を生成し得る。または、経路(2)に示されるように、式ηによってあらわされるヒドロキシル化A基のエステルを、塩基性条件下、4−ピペリジノアニリン(式ηによってあらわされる)と反応させ、式ηによってあらわされるL置換化合物を生成し得る。次いで、式ηによってあらわされるL置換化合物に対し、ニトロソ化反応を行い、式ηによってあらわされるLとニトロソで置換されたA基を生成する。さらに、Lとニトロソで置換されたA基を、場合により、1個以上のR基で置換してもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。
反応シーケンスHに関して上に記載したように、反応シーケンスI(下記)において、式ιによってあらわされるヒドロキシル化A基のカルボン酸を、式ιによってあらわされるヒドロキシル化A基のエステルへと変換する。次いで、式ιによってあらわされるヒドロキシル化A基のエステルを、酸(例えば、限定されないが、酢酸)存在下、亜硝酸ナトリウムと反応させ、式ιのニトロソ置換A基を生成し得る。または、経路(2)に示されるように、式ιによってあらわされるヒドロキシル化A基のエステルを、塩基性条件下、4−フェニルアニリン(式ιによってあらわされる)と反応させ、式ιによってあらわされるL置換4−フェニルアニリンを生成し得る。次いで、式ιによってあらわされるL置換4−フェニルアニリンに対し、ニトロソ化反応を行い、式ιによってあらわされるLとニトロソで置換されたA基を生成する。上述のように、(L置換(ニトロソ置換A基))は、場合により、1個以上のR基で置換されてもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。
反応シーケンスI
Figure 2014523541
本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック化合物を合成するためのさらに具体的で非限定的な反応シーケンスを、以下の反応シーケンスJおよびKに示す。
反応シーケンスJ(下記)において、式ψによってあらわされるニトロソフェノールを、メタノール中、ピペラジノフェノール(式ψによってあらわされる)である伸長剤Lと反応させ、式ψによってあらわされるL置換ニトロソナフトールを形成する。反応シーケンスJに示されるように、L置換ニトロソナフトールは、1つ以上のR基でさらに置換されてもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。次いで、式ψによってあらわされるL置換ニトロソナフトールを、式ψによってあらわされるFischer塩基と共に加熱することによってカップリングし、式ψによってあらわされるL置換ナフトオキサジンを生成する。
反応シーケンスJ
Figure 2014523541
反応シーケンスJをさらに参照すると、式ψによってあらわされるL置換ナフトオキサジンを、L置換ナフトオキサジンと、式ψによってあらわされる別のL置換化合物とを反応させることによって、さらに伸ばし、式ψによってあらわされる本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態のナフトオキサジンを生成し得る。さらに、反応シーケンスJにおいてすでに記載し、図示したように、式ψによってあらわされるナフトオキサジンは、場合により、1個以上のR基で置換されてもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。
反応シーケンスJにおいて上に示したように、一般的に、ニトロソフェノールとFischer塩基とをカップリングさせた後に、得られたナフトオキサジンを1種類以上の他の反応剤とさらに反応させ、伸長剤Lを用いてナフトオキサジンを伸ばしてもよい。しかし、当業者は、さらに、またはそれに代えて、ニトロソフェノールとFischer塩基とをカップリングさせる前に、ニトロソフェノールを1種類以上の伸長剤Lと反応させ、ニトロソフェノールを置換してもよいことを理解するだろう(例えば、上の反応シーケンスHおよびIに示されるとおり)。さらに、一般的に以下の反応シーケンスKに示されるように、このようなL置換ニトロソフェノールをFischer塩基とカップリングさせ、L置換ナフトオキサジンを形成する。
反応シーケンスK
Figure 2014523541
さらに具体的には、反応シーケンスKにおいて、式κによってあらわされるL置換ピペリジニルナフトールを、トリアルコキシメタンと反応させ、加熱し、式κによってあらわされるLとホルミルで置換されたナフトールを形成する。次いで、式κによってあらわされる化合物をFischer塩基(式κによってあらわされる)と反応させ、式κによってあらわされる本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態のL置換スピロナフトピランを生成する。
すでに述べたように、一般的に、ニトロソフェノールとFischer塩基とをカップリングさせた後に(例えば、反応シーケンスJに示されるように)、得られたナフトオキサジンを、さらに1種類以上の他の反応剤と反応させ、伸長剤Lを用いてナフトオキサジンを伸ばしてもよい。このような伸長のいくつかの非限定的な例は、以下に一般化した反応シーケンスMで与えられる。
さらに具体的には、反応シーケンスM(下記)において、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態のフォトクロミックオキサジンを生成するためにナフトオキサジンに伸長剤Lを付加する3つの経路。第1の経路(1)において、式μであらわされるナフトオキサジンを、ヒドロキシフェニルピペラジンと反応させ、式μであらわされる物質を生成する。式μであらわされる物質を塩化ヘキシルベンゾイルでベンゾイル化し、式μであらわされる物質を生成する。第2の経路(2)において、式μであらわされる物質を加水分解し、式μの物質へと変換する。塩化メチレン中ジシクロヘキシルカルボジイミド存在下、フェノール様物質とのエステル化反応において、式μであらわされる物質を、テトラヒドロピラン保護基を有する式μであらわされる物質に変換する。塩酸をアルコール性溶媒(例えば、限定されないが、エタノール)で希釈した溶液によって、式μであらわされる物質を脱保護し、式μであらわされる物質を形成する。式μであらわされる物質をクロロギ酸コレステロールと反応させ、式μであらわされる物質を形成する。第3の経路(3)において、式μであらわされる物質を4−フェニルベンゾイルクロリドでベンゾイル化し、式μであらわされる物質を形成する。
反応シーケンスM
Figure 2014523541
本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物は、ある実施形態では、以下の式XIIによってあらわされてもよく、
Figure 2014523541
式XIIを参照すると、(a)A(環A)は、ナフト、ベンゾ、フェナントロ、フルオランテノ、アンテノ、キノリノ、チエノ、フロ、インドロ、インドリノ、インデノ、ベンゾフロ、ベンゾチエノ、チオフェノ、インデノ縮合ナフト、ヘテロ環縮合ナフト、ヘテロ環縮合ベンゾから選択される。
さらに式XIIを参照すると、(b)Jは、スピロ脂環式環であり;(c)各Dは、独立して、O、N(Z)、C(X)、C(CN)から選択され、Zは、独立して、それぞれの場合に、水素、C−Cアルキル、シクロアルキル、アリールから選択され;(d)Gは、非置換であっても、少なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよい、アルキル、シクロアルキル、アリールから選択される基である。
引き続き式XIIを参照すると、(e)Eは、−O−または−N(R)−であり、Rは、(i)水素、C−C12アルキル、C−C12アルケン、C−C12アルキン、ビニル、C−Cシクロアルキル、C−C12ハロアルキル、アリル、ハロゲン、非置換であるかまたはC−C12アルキルおよびC−C12アルコキシのうちの少なくとも1つで一置換のベンジル;(ii)パラ位でC−Cアルコキシ、直鎖または分枝鎖のC−C20アルキレン、直鎖または分枝鎖のC−Cポリオキシアルキレン、環状C−C20アルキレン、フェニレン、ナフチレン、C−Cアルキル置換フェニレン、モノ−またはポリ−ウレタン(C−C20)アルキレン、モノ−またはポリ−エステル(C−C20)アルキレン、モノ−またはポリ−カーボネート(C−C20)アルキレン、ポリシラニレン、ポリシロキサニレンおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの置換基で一置換されたフェニル(ここで、少なくとも1つの置換基は、フォトクロミック材料のアリール基に接続する);(iii)−CH(CN)および−CH(COOX(ここで、Xは上に記載したとおりである);(iv)−CH(X)(X)(ここで、XおよびXは、上に記載したとおりである)から選択される。
ある実施形態では、さらに式XIIを参照すると、Rは、(v)非置換、一置換、二置換または三置換のアリール基、例えば、フェニル、ナフチル、フェナントリル、またはピレニル;9−ジュロリジニル;またはピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニル、フルオレニルから選択される非置換、一置換または二置換のヘテロ芳香族基から選択され得る。その置換基は、独立して、それぞれの場合に、(A)上記式Iによってあらわされる伸長剤L;(B)−C(O)Xであって、ここでXは上に記載したとおりであるもの;(C)アリール、ハロアリール、C−Cシクロアルキルアリール、およびC−C12アルキルまたはC−C12アルコキシで一置換または二置換されたアリール基;(D)C−C12アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ(C−C12)アルキル、アリール(C−C12)アルキル、アリールオキシ(C−C12)アルキル、モノ−またはジ−(C−C12)アルキルアリール(C−C12)アルキル、モノ−またはジ−(C−C12)アルコキシアリール(C−C12)アルキル、ハロアルキル、モノ(C−C12)アルコキシ(C−C12)アルキル;(E)C−C12アルコキシ、C−Cシクロアルコキシ、シクロアルキルオキシ(C−C12)アルコキシ、アリール(C−C12)アルコキシ、アリールオキシ(C−C12)アルコキシ、モノ−またはジ−(C−C12)アルキルアリール(C−C12)アルコキシ、モノ−またはジ−(C−C12)アルコキシアリール(C−C12)アルコキシ;(F)アミド、アミノ、モノ−またはジ−アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C−C12)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、ヒドロキシ、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ハロゲン;(G)−OXおよび−N(Xであって、ここでXは上に記載したとおりであるもの;(H)−SX11であって、ここでX11は上に記載したとおりであるもの;(I)上に記載される、式iによってあらわされる窒素含有環;(J)上に記載される、式iiまたはiiiのうちの1つによってあらわされる基から選択される。
ある実施形態では、式XIIをさらに参照すると、Rは、(vi)ピラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニル、またはアクリジニルから選択される非置換または一置換の基であって、各置換基は、独立して、伸長剤L、C−C12アルキル、C−C12アルコキシ、フェニル、ヒドロキシ、アミノまたはハロゲンから選択されるもの;(vii)上に記載される、式ivまたはvのうちの1つによってあらわされる基;(viii)上に記載される、式viによってあらわされる基;(ix)式I(上記)によってあらわされる伸長剤Lから選択されてもよい。
さらに式XIIを参照すると、(f)下付文字(i)は、0から、A(環A)の利用可能なすべての位置から選択される整数であり、各Rは、独立して、それぞれの場合に、(i)式Iによってあらわされる伸長剤L;(ii)Rによってあらわされる基から選択される。
引き続き式XIIを参照すると、式XIIによってあらわされるフォトクロミック−二色化合物は、上記式Iによってあらわされる少なくとも1つの伸長剤(L)を含むことを条件とする。
上に記載のフォトクロミック−二色化合物について記載されたように、一般的に、式XIIによってあらわされるフォトクロミック−二色化合物を、任意の利用可能な位置で、LまたはLで置換されたR基での置換を用いて、および/あるいはLまたはLで置換されたR基での利用可能な位置の置換の多くの組み合わせによって任意の望ましい方向に、伸ばしてもよい。したがって、例えば、本発明を限定しないが、本明細書に開示するフルギドを、少なくとも活性化した状態でフルギドの平均吸収比を高めるように、D、G、および少なくとも1つのRのうち、少なくとも1つを、LまたはLで置換された基であるように選択することによって伸ばしてもよい。さらに、本発明を限定しないが、さらに以下に詳細に図示し、記載するように、EがN−Rである場合、Rは、Lであってもよく、またはLで置換された基であってもよい。
さらなる実施形態によれば、本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物は、式XIIIによってあらわされてもよく、
Figure 2014523541
式XIIIを参照して、R、GまたはRのうち、少なくとも1つは伸長剤Lである。
本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態で使用可能であり、上記式XIIによってあらわされるフォトクロミック−二色化合物を合成するための一般的な反応シーケンスを以下の反応シーケンスNに示す。反応シーケンスN(下記)において、式νによってあらわされる脂環式ケトンを、Stobbe縮合で、式νによってあらわされるコハク酸ジメチルと反応させ、式νによってあらわされるハーフエステル生成物を生成する。式νによってあらわされるハーフエステル生成物をエステル化し、式νによってあらわされるジエステル生成物を形成する。式νのジエステルを、Stobbe縮合で、式νによってあらわされるカルボニル置換A基と反応させ、式νによってあらわされるハーフエステル物質を生成する。式νに示されるように、カルボニル置換A基は、1つ以上のR基で置換されてもよく、これらはそれぞれ、残りのLと同じか、または異なる伸長剤Lを含み得る。式νによってあらわされるハーフエステル物質を加水分解し、式νによってあらわされる二酸物質を生成する。エーテルおよび/またはテトラヒドロフラン溶媒中、式νの二酸を塩化アセチルと反応させ、式νによってあらわされる無水物を形成する。
反応シーケンスN(下記)の経路(1)に示されるように、式νの無水物をアミノ置換伸長剤Lと反応させ、その後、還流条件で塩化アセチルと反応させ、本明細書に開示する非限定的な一実施形態の式νによってあらわされるフォトクロミックフルギイミド化合物を生成し得る。または、経路(2)で示されるように、式νの無水物をアンモニアと反応させた後、塩化アセチルと反応させ、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態の式ν10によってあらわされるフォトクロミックフルギド化合物を生成し得る。さらに、式ν10によってあらわされるフォトクロミックフルギド化合物を、適切な反応剤とさらに反応させ、窒素がR基で置換された、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態の式ν11のフォトクロミックフルギド化合物を形成し得る。さらに、種々の非限定的な実施形態によれば、R基は、伸長剤Lであってもよく、または、伸長剤Lで置換された置換基を含んでいてもよい。
反応シーケンスN
Figure 2014523541
反応シーケンスP、Q、Tは、フルギドの種々の位置で伸長剤Lを置換する3つの一般的な反応スキームを示す。
反応シーケンスP
Figure 2014523541
反応シーケンスPにおいて、式πによってあらわされるヒドロキシル化化合物がFriedel−Crafts反応を受け、式πによってあらわされるカルボニルで置換された基を形成する。式πによってあらわされる物質を、反応シーケンスNでの式νによってあらわされる物質について上に述べたのと同じように反応させ、反応シーケンスP中で式πによってあらわされるヒドロキシフェニル置換チオフェノ縮合フルギドを形成する。式πによってあらわされるフルギドを4−フェニルベンゾイルクロリドでベンゾイル化し、本明細書に開示する非限定的な一実施形態にしたがう、式πによってあらわされる熱可逆性のフォトクロミック化合物を形成する。上記式XIIをさらに参照すると、式πで示されるように、A基は、伸長剤Lで置換されたチオフェノである。すでに述べたように、種々の非限定的な実施形態によれば(以下に反応シーケンスQに示すように)、式πのR基は、伸長剤Lであってもよく、または、伸長剤Lで置換された別の置換基を含んでいてもよい。さらに、基Gは、伸長剤Lであってもよく、または伸長剤Lで置換された別の置換基であってもよい(例えば、以下の反応シーケンスTで示されるように)。
反応シーケンスQ
Figure 2014523541
反応シーケンスQにおいて、式θによってあらわされるフルギドは、当業者が認識するだろう適切な改変を行った反応シーケンスNにしたがって製造することができる。式θにおいて、窒素原子に接続するR基は、パラ−アミノ安息香酸のメチルエステルである。次いで、パラ−アミノ安息香酸のメチルエステルを4−アミノジアゾベンゼンと反応させ、本明細書に開示する非限定的な一実施形態の式θによってあらわされる熱可逆性のフォトクロミック化合物を形成する。すでに述べたように、R基は、伸長剤Lであってもよく、またはLで置換された別の置換基であってもよい。さらに、すでに述べたように(そして上で反応シーケンスPで示したように)、式θによってあらわされる熱可逆性のフォトクロミック化合物のA基は、場合により、1つ以上のR基で置換されてもよく、それぞれが、残りのL置換基と同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。さらに、以下の反応シーケンスT(下記)で示すように、式θのG基もまた、伸長剤Lであってもよく、または伸長剤Lで置換された別の置換基であってもよい。
反応シーケンスT
Figure 2014523541
反応シーケンスTにおいて、式τによってあらわされるフルギドは、当業者が認識するだろう適切な改変を行った反応シーケンスNにしたがって製造することができる。次いで、式τによってあらわされるフルギドをパラ−アミノベンゾイルクロリドと反応させ、本明細書に開示する非限定的な一実施形態であり、式τによってあらわされる熱可逆性のフォトクロミック化合物を形成し得る。すでに述べたように(そして上で反応シーケンスQで示したように)、式τによってあらわされる熱可逆性のフォトクロミック化合物のR基は、伸長剤Lであってもよく、またはLで置換された別の置換基であってもよい。さらに、すでに述べたように(そして上で反応シーケンスPで示したように)、式τによってあらわされる熱可逆性のフォトクロミック化合物のA基は、場合により、1つ以上のR基で置換されてもよく、これらはそれぞれが、残りのL置換基と同じか、または異なる伸長剤Lを含んでいてもよい。
フォトクロミック−二色層は、それぞれに同じであってもよく、異なっていてもよいフォトクロミック−二色化合物を含む単一層または複数層を含んでいてもよい。限定されないが、例えば、1つ以上のプラスチックシートまたは膜の積層、型の中での成型、例えば、型内コーティング、フィルムキャスト成型、コーティング法のような当該技術分野で認識されている方法によって、フォトクロミック−二色層を形成することができる。ある実施形態では、フォトクロミック−二色層は、フォトクロミック−二色コーティング組成物から作られる。フォトクロミック−二色コーティング組成物は、硬化性フォトクロミック−二色コーティング組成物であってもよく、例えば、2成分コーティング組成物の場合には周囲温度、熱硬化するコーティング組成物の場合には、高温(例えば、150℃〜190℃で5〜60分)、または紫外線硬化可能なコーティング組成物の場合には、化学放射線への曝露によって硬化させることができる。
フォトクロミック−二色層は、典型的には、有機マトリックス、例えば、熱可塑性有機マトリックスおよび/または架橋した有機マトリックスを含む。フォトクロミック−二色層の有機トリックスの少なくとも一部は、ある実施形態では、本明細書でさらに詳細に記載しているように、異方性材料、例えば、液晶材料、添加剤、オリゴマー、および/またはポリマーを含んでいてもよい。有機マトリックスに加えて、またはこれに代えて、フォトクロミック−二色層は、例えば、シラン結合、シロキサン結合および/またはチタネート結合を含む無機マトリックスを含んでいてもよい。フォトクロミック−二色層の有機マトリックスは、例えば、アクリレート残基(またはモノマー単位)および/またはメタクリレート残基;ビニル残基;エーテル結合;モノスルフィド結合および/またはポリスルフィド結合を含む、スルフィド結合;カルボン酸エステル結合;カーボネート結合(例えば、−O−C(O)−O−)ウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−O−);および/またはチオウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−S−)を含んでいてもよい。
フォトクロミック−二色層は、任意の適切な厚みを有していてもよい。ある実施形態では、フォトクロミック−二色層は、厚みが0.5〜50ミクロン、例えば、1〜45ミクロン、または2〜40ミクロン、または5〜30ミクロン、または10〜25ミクロンである。
ある実施形態では、フォトクロミック物品のフォトクロミック−二色層は、さらに、少なくとも部分的に順に並んだマトリックス相と、少なくとも部分的に順に並んだゲスト相とを含む相分離したポリマーを含む。ゲスト相は、フォトクロミック−二色化合物を含み、フォトクロミック−二色化合物は、ゲスト相の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列している。
本発明のさらなる実施形態によれば、フォトクロミック−二色層は、さらに、少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料と、ポリマー材料とを含む相互に貫入するポリマー網目構造を含む。異方性材料は、フォトクロミック−二色化合物を含み、フォトクロミック−二色化合物は、異方性材料の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列している。
本発明のいくつかの実施形態では、フォトクロミック−二色層は、異方性材料も含む。本明細書で使用する場合、「異方性」という用語は、少なくとも異なる方向で測定したときに値が異なる少なくとも1つの特性を有することを意味する。したがって、「異方性材料」は少なくとも異なる方向で測定したときに値が異なる少なくとも1つの特性を有する材料である。フォトクロミック−二色層に含まれていてもよい異方性材料の限定的な例としては、限定されないが、本発明のフォトクロミック物品の任意構成要素のアライメント層について本明細書にさらに記載される、液晶材料が挙げられる。
ある実施形態では、フォトクロミック−二色層は、(i)少なくとも一部はモノマーメソゲン化合物から調製された液晶オリゴマーおよび/またはポリマーを含み;そして/または(ii)メソゲン化合物を含み、それぞれの場合において、米国特許第7,910,019 B2号の第43欄〜第90欄の表1に開示されている(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)。
本発明のいくつかの実施形態によれば、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、それ自身が少なくとも部分的に順に並んでいる異方性材料と相互作用することによって、少なくとも部分的に整列していてもよい。例えば、本発明を限定しないが、フォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部は、二色状態でフォトクロミック−二色化合物の長軸が、異方性材料の一般的な方向と本質的に平行になるように整列させることができる。さらに、必須ではないが、フォトクロミック−二色化合物を、少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料の少なくとも一部と結合させてもよく、または反応させてもよい。
フォトクロミック−二色層の異方性材料を順に並べるか、または順序を導入する方法としては、限定されないが、異方性材料を、磁場、電場、直線偏光した紫外放射線、直線偏光した赤外放射線、直線偏光した可視光放射線、剪断力のうち、少なくとも1つにさらすことを含む。代わりに、または、さらに、異方性材料は、異方性材料の少なくとも一部と別の材料または構造とを整列させることによって、少なくとも部分的に順に並べられてもよい。例えば、異方性材料は、異方性材料と、アライメント層(または配向設備)、例えば、限定されないが、本明細書で以下にさらに詳細に記載するアライメント層とを整列させることによって、少なくとも部分的に順に並べられ得る。
異方性材料の少なくとも一部を順に並べることによって、フォトクロミック−二色層の異方性材料の中に含まれるか、またはこれに他の方法で接続するフォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部を少なくとも部分的に整列させることが可能である。必須ではないが、フォトクロミック−二色化合物は、活性化した状態である間、少なくとも部分的に整列していてもよい。ある実施形態では、プライマー層の上にフォトクロミック−二色層を塗布する前、塗布している間、または塗布した後に、異方性材料を順に並べるか、および/またはフォトクロミック−二色化合物を整列させてもよい。
プライマー層の上にフォトクロミック−二色層を塗布している間に、フォトクロミック−二色化合物および異方性材料を整列させ、順に並べてもよい。例えば、フォトクロミック−二色層を、塗布中に異方性材料に剪断力を導入するコーティング技術を用いて塗布してもよく、その結果、異方性材料は、加えた剪断力の方向にほぼ平行に少なくとも部分的に順に並ぶようになる。非限定的な説明のために、フォトクロミック−二色化合物と異方性材料とを含む溶液または混合物(場合により、溶媒中または担体中)を、プライマー層の上にカーテンコーティングしてもよく、その結果、塗布される材料に対する基材表面の相対的な移動に起因して、塗布される材料に剪断力が導入される。少なくとも十分な剪断力を導入することができるコーティングプロセスの一例は、カーテンコーティングプロセスである。剪断力は、異方性材料の少なくとも一部を、表面移動の方向に実質的に平行な一般的な方向に順に並べる。上述のように、異方性材料の少なくとも一部分をこの様式で順に並べることによって、フォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部を整列させられ得る。それに加えて、場合により、カーテンコーティングプロセス中に、フォトクロミック−二色化合物が活性化状態に変わるように、フォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部に化学放射線をあてることによって、活性化状態中にフォトクロミック−二色化合物の少なくとも部分的なアライメントも達成することができる。
プライマー層の上にフォトクロミック−二色層を塗布した後に、フォトクロミック−二色化合物および異方性材料を整列させ、順に並ばせてもよい。例えば、フォトクロミック−二色化合物と異方性材料の溶液または混合物(場合により、溶媒中または担体中)を、プライマー層の少なくとも一部にスピンコーティングしてもよい。その後、例えば、異方性材料を磁場、電場、直線偏光した紫外放射線、直線偏光した赤外放射線、直線偏光した可視光放射線、および/または剪断力にさらすことによって、異方性材料の少なくとも一部を順に並べ得る。代わりに、または、さらに、異方性材料を、別の材料または構造、例えば、アライメント層とのアライメントによって、少なくとも部分的に順に並べてもよい。
フォトクロミック−二色化合物および異方性材料を、プライマー層の上にフォトクロミック−二色層を塗布する前に整列させ、順に並べてもよい。例えば、フォトクロミック−二色化合物と異方性材料の溶液または混合物(場合により、溶媒中または担体中)を、順に並んだポリマーシートの上に塗布し、その上に層を形成してもよい。その後、異方性材料の少なくとも一部を、その下にある順に並んだポリマーシートと整列させてもよい。ポリマーシートを、その後、例えば、当該技術分野で認識されている積層方法および結合方法によって、プライマー層の上に塗布してもよい。または、順に並んだフォトクロミック−二色層を、当該技術分野で認識されている方法、例えば、熱スタンプ加工によって、ポリマーシートからプライマー層に/プライマー層の上に移してもよい。
ある実施形態では、フォトクロミック−二色層は、マトリックス相と;マトリックス相に分散したゲスト相とを含む、相分離したポリマーを含んでいてもよい。マトリックス相は、少なくとも部分的に順に並んだ液晶ポリマーを含んでいてもよい。ゲスト相は、少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料と、フォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部(これは、少なくとも部分的に整列していてもよい)を含んでいてもよい。少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物は、少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料との相互作用によって、少なくとも部分的に整列させることができる。
ある実施形態では、液晶材料を含むマトリックス相形成材料と、異方性材料およびフォトクロミック−二色化合物を含むゲスト相形成材料とを含む相分離ポリマー系を、プライマー層の上に塗布する。相分離ポリマー系を塗布した後、マトリックス相の液晶材料の少なくとも一部およびゲスト相の異方性材料の少なくとも一部が、少なくとも部分的に順に並び、その結果、フォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部が、ゲスト相の少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料の少なくとも一部と整列する。相分離ポリマー系のマトリックス相形成材料とゲスト相形成材料を順に並べる方法としては、限定されないが、磁場、電場、直線偏光した赤外放射線、直線偏光した紫外放射線、直線偏光した可視光放射線、剪断力のうち、少なくとも1つに、塗布した層をさらすことを含む。代替的に、またはさらに、マトリックス相形成材料とゲスト相形成材料を順に並べることは、本明細書でさらに詳細に記載するように、その下にあるアライメント層と相互作用することによるアライメントを含んでいてもよい。
マトリックス相形成材料とゲスト相形成材料を順に並べた後、重合により誘導される相分離および/または溶媒により誘導される相分離によって、ゲスト相形成材料を、マトリックス相形成材料から分離してもよい。マトリックス相形成材料とゲスト相形成材料の分離は、マトリックス相形成材料からゲスト相形成材料を分離するという観点で本明細書に記載されているが、この語句は、これらの2つの相形成材料の間の任意の分離を包含することを意図していると理解すべきである。すなわち、この語句は、マトリックス相形成材料からゲスト相形成材料を分離すること、ゲト相形成材料からマトリックス相形成材料を分離すること、両方の相形成材料を同時に分離すること、およびこれらの任意の組み合わせを包含することを意図される。
ある実施形態によれば、マトリックス相形成材料は、液晶モノマー、液晶プレポリマー、液晶ポリマーから選択される液晶材料を含んでいてもよい。ゲスト相形成材料は、ある実施形態では、液晶メソゲン、液晶モノマー、液晶ポリマーおよびプレポリマーから選択される液晶材料を含んでいてもよい。このような材料の例としては、限定されないが、上述のもの、さらに、任意要素のアライメント層に関して本明細書中に記載されるものが挙げられる。
ある実施形態では、相分離ポリマー系は、液晶モノマーを含むマトリックス相形成材料、液晶メソゲンおよびフォトクロミック−二色化合物を含むゲスト相形成材料の混合物を含んでいてもよい。この実施形態では、マトリックス相形成材料からゲスト相形成材料を分離することは、重合により誘導される相分離を含んでいてもよい。典型的には、マトリックス相の液晶モノマーを重合させてもよく、それによって、ゲスト相形成材料の液晶メソゲンの少なくとも一部から分離することができる。重合方法の例としては、限定されないが、光によって誘導される重合および熱によって誘導される重合が挙げられる。
いくつかのさらなる実施形態では、相分離ポリマー系は、液晶モノマーを含むマトリックス相形成材料、マトリックス相の液晶モノマーとは異なる粘度を有する低粘度液晶モノマーおよびフォトクロミック−二色化合物を含むゲスト相形成材料の混合物を含んでいてもよい。本明細書で使用する場合、「低粘度液晶モノマー」という用語は、室温で自由に流動する液晶モノマー混合物または溶液を指す。典型的には、マトリックス相形成材料からゲスト相形成材料を分離することは、重合により誘導される相分離が挙げられる。例えば、マトリックス相の液晶モノマーの少なくとも一部を、ゲスト相の液晶モノマーが重合しないような条件で重合させ得る。マトリックス相形成材料の重合中に、ゲスト相形成材料を、典型的には、マトリックス相形成材料から分離する。その後、ゲスト相形成材料の液晶モノマーを別個の重合プロセスで重合させ得る。
相分離ポリマー系は、ある実施形態では、液晶ポリマーを含むマトリックス相形成材料、マトリックス相形成材料の液晶ポリマーとは異なる液晶ポリマーおよびフォトクロミック−二色化合物を含むゲスト相形成材料の少なくとも1つの共通溶媒中の溶液を含んでいてもよい。マトリックス相形成材料からゲスト相形成材料を分離することは、典型的には、溶媒により誘導される相分離を含む。典型的には、共通の溶媒の少なくとも一部を液晶ポリマーの混合物から蒸発させ、それによって、2相を互いに分離させる。
さらなる実施形態では、フォトクロミック−二色層は、相互に貫入するポリマー網目構造を含んでいてもよい。少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料とポリマー材料とが相互に貫入するポリマー網目構造を生成してもよく、ここでポリマー材料の少なくとも一部が、少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料の少なくとも一部に相互に貫入する。本明細書で使用する場合、「相互に貫入するポリマー網目構造」という用語は、少なくとも1つは架橋しており、互いに結合していないポリマーの絡み合った組み合わせを意味する。したがって、本明細書で使用する場合、相互に貫入するポリマー網目構造という用語には、相互に半分貫入するポリマー網目構造も含まれる。例えば、L.H.Sperling、Introduction to Physical Polymer Science、John Wiley & Sons、New York(1986)ページ46を参照。それに加えて、少なくとも1つの少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物の少なくとも一部が、少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料と少なくとも部分的に整列していてもよい。さらに、ポリマー材料は、等方性であってもよく、または異方性であってもよく、但し、全体として、フォトクロミック−二色層は異方性である。このようなフォトクロミック−二色層を形成する方法を本明細書で以下にさらに詳細に記載する。
ある実施形態によれば、フォトクロミック−二色化合物が所望の速度で第1の状態から第2の状態に切り替わるように、異方性材料を調整することができる。一般的に、従来のフォトクロミック化合物は、化学放射線に応答して、ある異性体形態から別の異性体形態へと変換することができ、それぞれの異性体形態は、特徴的な吸収スペクトルを有する。本発明のフォトクロミック物品のフォトクロミック−二色化合物は、同様の異性体変換を受ける。いずれの理論によっても束縛されることを意図しないが、異性体変換(および逆変換)が起こる率または速度は、一部には、フォトクロミック−二色化合物(すなわち、「ホスト」)を取り巻く局所的な環境の性質に依存する。本発明を限定しないが、フォトクロミック−二色化合物の変換速度は、一部には、ホストの鎖セグメントの柔軟性、さらに具体的には、ホストの鎖セグメントの移動性または粘度によって変わるという証拠に基づいて考えられている。これに対応して、いずれの理論によっても束縛されることを意図しないが、フォトクロミック−二色化合物の変換速度は、一般的に、硬くて剛性の鎖セグメントを含むホストよりも柔軟性の高い鎖セグメントを有するホストの方が速いと考えられる。このように、ある実施形態によれば、異方性材料がホストである場合、異方性材料は、フォトクロミック−二色化合物が、望ましい速度で種々の異性体状態の間で転換するように調整することができる。例えば、異方性材料の分子量および/または架橋密度を調節することによって、異方性材料を調整することができる。
ある実施形態では、フォトクロミック−二色層は、液晶ポリマーを含むマトリックス相と、マトリックス相に分散したゲスト相とを含む、相分離したポリマーを含む。ゲスト相は、異方性材料を含んでいてもよい。典型的には、大部分のフォトクロミック−二色化合物は、相分離したポリマーのゲスト相の中に含まれていてもよい。すでに述べたように、フォトクロミック−二色化合物の変換速度は、一部には、含まれるホストによって変わるため、フォトクロミック−二色化合物の変換速度は、実質的には、ゲスト相の性質によって変わる。
ある実施形態では、本明細書でさらに詳細に記載するように、本発明のフォトクロミック物品は、プライマー層とフォトクロミック−二色化合物層との間に挟まれたアライメント層を含んでいてもよい(アライメントまたは配向設備とも呼ばれる)。フォトクロミック−二色層の相分離したポリマーは、少なくとも一部がアライメント層と少なくとも部分的に整列しているマトリックス相と、異方性材料を含むゲスト相とを含んでいてもよく、ゲスト相は、マトリクス相の中に分散している。ゲスト相の異方性材料の少なくとも一部は、アライメント層の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列していてもよく、フォトクロミック−二色化合物は、異方性材料の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列していてもよい。それに加えて、相分離したポリマーのマトリックス相は、液晶ポリマーを含んでいてもよく、ゲスト相の異方性材料は、液晶ポリマーおよび液晶メソゲンから選択されてもよい。このような材料の非限定的な例は、上に詳細に記載されている。上述の相分離したポリマーを含む場合、フォトクロミック−二色層は、実質的に濁りがなくてもよい。濁りは、ASTM D 1003の透明プラスチックの濁りおよび発光透過度の標準試験法にしたがって、入射光から平均で2.5°より大きくずれて透過した光の割合であると定義される。ASTM D 1003にしたがって濁りを測定することが可能な装置の一例は、BYK−Gardenerによって製造されたHaze−Gard PlusTMである。
ある実施形態によれば、フォトクロミック−二色化合物は、比較的柔軟性のある鎖セグメントを含む異方性材料(例えば、液晶材料)で封入されてもよく、または上からコーティングされてもよく、その後、比較的剛性の鎖セグメントを含む別の材料に分散または分布させてもよい。封入する異方性材料は、少なくとも部分的に順に並んでいてもよい。例えば、封入されたフォトクロミック−二色化合物を、比較的剛性の鎖セグメントを有する液晶ポリマーに分散または分布させ、その後、この混合物を基材に塗布し、フォトクロミック−二色層を形成してもよい。
さらなる実施形態では、フォトクロミック−二色層は、フォトクロミック−二色化合物を含むポリマーシートであってもよい。ポリマーシートは、一軸延伸または二軸延伸であってもよい。ポリマーシートの延伸は、典型的には、フォトクロミック−二色材料を整列させ、順に並べる。フォトクロミック−二色層は、ある実施形態では、それぞれがフォトクロミック−二色化合物を含む2種類以上のポリマーシートを含んでいてもよく、それぞれのシートは、同じ方向に延伸されても異なる(例えば、直交する)方向に延伸されてもよい。
フォトクロミック−二色層として、またはフォトクロミック−二色層を形成するために、使用可能なポリマーシートの例としては、限定されないが、延伸(例えば、一軸延伸または二軸延伸)ポリマーシート、順に並んだ液晶ポリマーシート、光によって整列するポリマーシートが挙げられる。フォトクロミック−二色層のポリマーシートを形成するときに使用可能な、液晶材料および光配向材料以外のポリマー材料の例としては、限定されないが、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリカプロラクタムが挙げられる。ポリマーシートを少なくとも部分的に順に並べる方法の非限定的な例は、以下にさらに詳細に記載する。
ある実施形態によれば、フォトクロミック−二色層は、プライマー層の上に少なくとも1つの異方性材料を塗布することと、すでに塗布した異方性材料にフォトクロミック−二色化合物を入れることと、異方性材料を順に並べることと、フォトクロミック−二色化合物と、順に並んだ異方性材料の少なくとも一部とを整列させることによって作ることができる。フォトクロミック−二色化合物を入れる前、入れている間、または入れた後に、異方性材料は、順に並べられ得る。ある実施形態では、フォトクロミック−二色化合物は、活性化した状態である間に整列させることができる。
すでに塗布した異方性材料にフォトクロミック−二色化合物を入れることは、ある実施形態では、すでに塗布した異方性材料に対し、担体中のフォトクロミック−二色化合物の溶液または混合物を塗布すること、および例えば、加熱しつつ、または加熱せずに、フォトクロミック−二色化合物を異方性材料に拡散させることを含み得る。すでに塗布した異方性材料は、上述のように、相分離したポリマーコーティングの一部であってもよい。
本発明のフォトクロミック物品は、プライマー層(例えば、図1のプライマー層14)を含む。プライマー層は、同じであってもよく、異なっていてもよい第1のフォトクロミック化合物をそれぞれ含む単一の層または複数の層を含んでいてもよい。プライマー層は、典型的には、有機マトリックス、例えば、熱可塑性有機マトリックスおよび/または架橋した有機マトリックスを含む。有機マトリックスに加え、またはこれに代えて、プライマー層は、例えば、シラン結合、シロキサン結合および/またはチタネート結合を含む無機マトリックスを含んでいてもよい。有機マトリックスとしては、例えば、アクリレート残基(またはモノマー単位)および/またはメタクリレート残基;ビニル残基;エーテル結合;モノスルフィド結合および/またはポリスルフィド結合を含むスルフィド結合;カルボン酸エステル結合;カーボネート結合(例えば、−O−C(O)−O−)ウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−O−);および/またはチオウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−S−)を挙げることができる。
限定されないが、例えば、1つ以上のプラスチックシートまたは膜の積層、型の中での成型、例えば、型内コーティング、フィルムキャスト成型、コーティング法のような当該技術分野で認識されている方法によって、プライマー層を形成することができる。典型的には、プライマー層は、プライマーコーティング組成物から作られる。プライマーコーティング組成物は、硬化性プライマーコーティング組成物であってもよく、例えば、2成分コーティング組成物の場合には周囲温度、熱硬化するコーティング組成物の場合には、高温(例えば、150℃〜190℃で5〜60分)、または紫外線硬化可能なコーティング組成物の場合には、化学放射線への曝露によって硬化させることができる。
プライマー層は、任意の適切な厚みを有していてもよい。ある実施形態では、プライマーは、記載される値を含め、厚みが0.5ミクロン〜20ミクロン、例えば、1〜10ミクロン、または2〜8ミクロン、または3〜5ミクロンである。
ある実施形態では、プライマー層は、ウレタン結合を含む有機マトリックスを含む。ある実施形態によれば、ウレタン結合を含むプライマー層は、ヒドロキシル、チオール、一級アミン、二級アミン、およびこれらの組み合わせから選択される活性水素官能基を有する(メタ)アクリレートコポリマー;ブロックイソシアネート、例えば、適切なブロッキング基または脱離基、例えば、3,5−ジメチルピラゾールを用いてブロック化したジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネート;1種類以上の添加剤(限定されないが、接着促進剤、カップリング剤、紫外光吸収剤、熱安定化剤、触媒、遊離ラジカル捕捉剤、可塑剤、流動添加剤、および/または静的な着色剤または静的な染料(すなわち、フォトクロミックではない着色剤または染料)が挙げられる)を含む硬化性コーティング組成物から作られる。
活性水素官能基を有する(メタ)アクリレートコポリマーを調製することができる(メタ)アクリレートモノマーの例としては、限定されないが、ヒドロキシル、チオール、一級アミン、二級アミンから選択される少なくとも1個の活性水素官能基を有する、C−C20(メタ)アクリレートおよびC−C20(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリレートのC−C20基は、例えば、C−C20線形アルキル、C−C20分岐アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C20縮合環ポリシクロアルキル、C−C20アリール、C10−C20縮合環アリールから選択されてもよい。
プライマー層が調製されるプライマーコーティング組成物中で使用可能なさらなるポリオールとしては、限定されないが、当該技術分野で認識されている材料、例えば、米国特許第7,465,414号の第15欄第22行〜第16欄第62行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に記載されている材料が挙げられる。プライマー層が調製されるプライマーコーティング組成物中で使用可能なイソシアネートとしては、限定されないが、当該技術分野で認識されている材料、例えば、米国特許第7,465,414号の第16欄第63行〜第17欄第38行に開示されている材料が挙げられる(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)。プライマー層が調製されるプライマーコーティング組成物で使用可能な触媒としては、限定されないが、当該技術分野で認識されている材料、例えば、米国特許第7,465,414号の第17欄第39行〜第62行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に記載されている材料が挙げられる。
プライマー層は、第1のフォトクロミック化合物の性能を高めるさらなる添加剤を含んでいてもよい。このようなさらなる添加剤としては、限定されないが、紫外光吸収剤、安定化剤、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS)、酸化防止剤、例えば、ポリフェノール酸化防止剤、非対称ジアリールオキサルアミド(オキサニリド)化合物、一重項酸素クエンチャー、例えば、有機配位子とのニッケルイオン錯体、このようなフォトクロミック性能を高める添加剤材料の混合物および/または組み合わせが挙げられ得る。
限定されないが、スプレー塗布、スピンコーティング、ドクター(またはドローダウン)ブレード塗布、カーテン塗布を含む、当該技術分野で認識されている方法によって、プライマー層を基材の上に塗布することができる。
プライマー層は、カップリング剤の少なくとも部分的な加水分解生成物、およびこれらの混合物を含んでいてもよい。本明細書で使用する場合、「カップリング剤」は、少なくとも1つの表面にある基と反応し、結合し、および/または会合することができる少なくとも1つの基を有する材料を意味する。ある実施形態では、カップリング剤は、同様な表面であっても同様ではない表面であってもよい少なくとも2つの表面の界面で分子架橋として役立ち得る。カップリング剤は、さらなる実施形態では、モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよび/またはポリマーであってもよい。このような材料としては、限定されないが、有機金属、例えば、シラン、チタネート、ジルコネート、アルミネート、ジルコニウムアルミネート、これらの加水分解生成物およびこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用する場合、「カップリング剤の少なくとも部分的な加水分解生成物」は、カップリング剤の加水分解可能な基の少なくとも一部から全部が加水分解されることを意味する。
カップリング剤および/またはカップリング剤の加水分解生成物に加え、またはこれに代えて、プライマー層は、他の接着促進成分を含んでいてもよい。例えば、本発明を限定しないが、プライマー層は、接着を促進する量のエポキシ含有材料をさらに含んでいてもよい。接着を促進する量のエポキシ含有材料は、プライマー層に含まれる場合、その後に塗布されるコーティングまたは層の接着性を高めることができる。プライマー層が作られる組成物に含まれてもよいエポキシ(またはオキシラン)官能基の接着促進剤群としては、限定されないが、オキシラン官能性アルキルトリアルコキシシラン、例えば、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
プライマー層の第1のフォトクロミック化合物は、当該技術分野で認識されているフォトクロミック化合物から選択されてもよい。ある実施形態では、第1のフォトクロミック化合物は、インデノ縮合ナフトピラン、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、スピロフルオレノ[1,2−b]ピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン、フルオランテノピラン、スピロピラン、ベンゾオキサジン、ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオランテノオキサジン、スピロ(インドリン)キノキサジン、フルギド、フルギイミド、ジアリールエテン、ジアリールアルキルエテン、ジアリールアルケニルエテン、熱可逆性のフォトクロミック化合物、非熱可逆性のフォトクロミック化合物、およびこれらの混合物から選択される。
プライマー層の第1のフォトクロミック化合物は、ある実施形態では、特定のインデノ縮合ナフトピラン化合物、例えば、米国特許第6,296,785号の第3欄第66行〜第10欄第51行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に記載されているものから選択されてもよい。
第1のフォトクロミック化合物を選択することができるインデノ縮合ナフトピラン化合物のさらに具体的な例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
(P−a)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7,10,11−テトラメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−b)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7,10,11−テトラメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−c)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7,10,11−テトラメトキシ−13−ヒドロキシ−13−エチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−d)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−e)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシ−13−エチル−3H,13H−インデノ[2、1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−f)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7,10,11−テトラメトキシ−13,13−ジエチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−g)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−フェニル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−h)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−フェニル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−i)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−j)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−k)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7,8−トリメトキシ−13−フェニル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−l)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7,10,11−テトラメトキシ−13−ヒドロキシ−13−エチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−m)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7,10,11−テトラメトキシ−13−ヒドロキシ−13−ブチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−n)3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシ−13−エチル−3H,13H−インデノ[2,1,−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−o)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシ−13−ブチル−3H,13H−インデノ[2,1,−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−p)3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシ−13−ブチル−3H,13H−インデノ[2,1,−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−q)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシ−13−エチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−r)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−メトキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−s)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシ−13−メチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−t)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−メトキシ−13−メチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;およびこれら2つ以上の組み合わせ。
プライマー層の第1のフォトクロミック化合物は、いくつかのさらなる実施形態では、π共役伸長基(例えば、ハロゲンまたはハロゲン置換基)がインデノ縮合ナフトピランの11位に接続した1種類以上のインデノ縮合ナフトピラン化合物から選択されてもよい。11位に結合したπ共役伸長を有するインデノ縮合ナフトピラン化合物の例としては、限定されないが、米国特許出願公開第2011/0049445 A1号の[0030]〜[0080]段落に開示されているものが挙げられる。
プライマー層の第1のフォトクロミック化合物を選択することができる、11位に結合したπ共役伸長を有するインデノ縮合ナフトピラン化合物のさらに具体的な例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
(P−i)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−11−(4−トリフルオロメチル)フェニル−13−,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−ii)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−11−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−iii)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−11−(2−トリフルオロメチル)フェニル−13,13−−ジエチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−iv)3,3−ジ−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−11−(4−トリフルオロメチル)フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−v)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−11−(4−トリフルオロメチル)フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−vi)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−11−(4−トリフルオロメチル)フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−vii)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−11−(4−トリフルオロメチル)フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−viii)3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−1’−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−ix)3,3−ジ−(4−メトキシフェニル−6−メトキシ−7−モルホリノ−1’−(4−トリフルオロメチル)フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−x)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−11−(2−トリフルオロメチル)フェニル−13,13−−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−xi)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−11−(2−トリフルオロメチル)フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−xii)3−フェニル−3’−(4−モルホリノフェニル)−1’−(4−トリフルオロメチル)フェニル−13,13−−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−xiii)3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−1’−(2−トリフルオロメチル)−フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−xiv)3−(4−ブトキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−11−(3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;およびこれら2つ以上の組み合わせ。
プライマー層の第1のフォトクロミック化合物は、ある実施形態では、プライマー層のマトリックス(例えば、有機マトリックス)に共有結合していてもよい。ある実施形態では、第1のフォトクロミック化合物は、1種類以上の反応性基、例えば、1種類以上の重合可能な基を含んでいてもよい。ある実施形態では、第1のフォトクロミック化合物は、別の官能基(例えば、少なくとも1つの重合可能な基、例えば、置換基あたり、1〜50個のアルコキシ単位を含み、末端が重合可能な基でキャップされている(終了している)少なくとも1つのポリアルコキシ化置換基)と共有結合を形成することができる少なくとも1つの官能基をそれぞれ有する、2H−ナフト[1,2−b]ピラン、3H−ナフト[2,1−b]ピランおよび/またはインデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランから選択されてもよい。第1のフォトクロミック化合物を選択することができるこのようなフォトクロミック化合物の例としては、限定されないが、米国特許第6,113,814号の第2欄第52行〜第8欄第40行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されているものが挙げられる。
プライマー層の第1のフォトクロミック化合物を選択することができる、反応性官能基を有するフォトクロミック化合物のさらに具体的な例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
(P−a’)2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)−6−フェニル−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−b’)2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−c’)2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−[2H]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−d’)2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−e’)2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−f’)2−(4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシフェニル)−2−フェニル−5−メトキシカルボニル−6−メチル−9−メトキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−g’)2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−フェニル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−h’)2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−I’)2−フェニル−2−(4−(2−(2−メチルプロパ−2−エノイルオキシ)エトキシ)フェニル)−5−(メトキシカルボニル)−6−(2−(2−メチルプロパ−2−エノキシルオキシ)エトキシ)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−j’)2,2,6−トリフェニル−5−(2−(2−(2−(2−メチルプロパ−2−エノキシルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−k’)2,2,6−トリフェニル−5−(2−(2−(2−(オキシラン−2−イルメトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−l’)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−m’)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(P−n’)3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−9−メトキシカルボニル−8−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ−[3H]−ナフト[2,1−b]ピラン;
(P−o’)3−(4−(2−(2−ヒドロキシエチル)エトキシ)エトキシフェニル)−3−フェニル−9−メトキシカルボニル−8−メトキシ−[3H]−ナフト[2,−1−b]ピラン;およびこれら2つ以上の組み合わせ。
本発明のフォトクロミック物品は、トップコート層(例えば、図1のトップコート層20)を含む。トップコート層は、同じか、または異なっていてもよい第2のフォトクロミック化合物をそれぞれ含む単一層または複数層を含んでいてもよい。トップコート層は、典型的には、有機マトリックス、例えば、熱可塑性有機マトリックスおよび/または架橋した有機マトリックスを含む。有機マトリックスに加えて、またはこれに代えて、トップコート層は、例えば、シラン結合、シロキサン結合および/またはチタネート結合を含む無機マトリックスを含んでいてもよい。有機マトリックスは、例えば、アクリレート残基(またはモノマー単位)および/またはメタクリレート残基;ビニル残基;エーテル結合;モノスルフィド結合および/またはポリスルフィド結合を含む、スルフィド結合;カルボン酸エステル結合;カーボネート結合(例えば、−O−C(O)−O−)ウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−O−);および/またはチオウレタン結合(例えば、−N(H)−C(O)−S−)を含んでいてもよい。
限定されないが、例えば、1つ以上のプラスチックシートまたは膜の積層、型の中での成型、例えば、型内コーティング、フィルムキャスト成型、コーティング法のような当該技術分野で認識されている方法によって、トップコート層を形成することができる。典型的には、トップコート層は、トップコートコーティング組成物から作られる。トップコートコーティング組成物は、硬化性トップコートコーティング組成物であってもよく、例えば、2成分コーティング組成物の場合には周囲温度、熱硬化するコーティング組成物の場合には、高温(例えば、150℃〜190℃で5〜60分)、または紫外線硬化可能なコーティング組成物の場合には、化学放射線への曝露によって、硬化させることができる。
トップコート層は、任意の適切な厚みを有し得る。ある実施形態では、トップコートは、記載される値を含め、厚みが0.5ミクロン〜10ミクロン、例えば、1〜8ミクロン、または2〜5ミクロンである。
ある実施形態では、トップコート層は、放射線硬化されるアクリレート系組成物から作られた有機マトリクスを含み、これに対応して、トップコート層は、アクリレート系トップコート層と記述することができる。
(メタ)アクリレートモノマーおよび/または(メタ)アクリル酸モノマーを用い、アクリレート系トップコート層を調製することができる。(メタ)アクリレートモノマーは、1個、2個、3個、4個、または5個の(メタ)アクリレート基を含んでいてもよい。さらなる共重合可能なモノマー、例えば、エポキシモノマー、例えば、エポキシ(またはオキシラン)官能基を含むモノマー、(メタ)アクリレート官能基とエポキシ官能基を両方含むモノマーなどもまた、(メタ)アクリレート系トップコート層を調製するために用いられる配合物中に存在していてもよい。(メタ)アクリレート系トップコート層を調製するために用いられるモノマーは、複数の、例えば、過半量の、すなわち、50重量%を超える(メタ)アクリレートモノマーを含み、したがって、「(メタ)アクリレート系トップコート層」と呼ばれる。(メタ)アクリレート系トップコート層を調製するために用いられる配合物はまた、少なくとも1つのイソシアネート(−NCO)基を有する構成要素、例えば、有機モノイソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネートを含んでいてもよく、それによって、ウレタン結合がトップコート層に組み込まれてもよい。
(メタ)アクリレート系トップコート層は、典型的には、例えば、透明度、その下にあるフォトクロミック−二色層への接着性、アルカリ金属水酸化物水溶液による除去耐性、表面に塗布される任意要素の耐摩耗性コーティング(例えば、ハードコート)との適合性、耐引っ掻き性のような物理特性を有する。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート系トップコート層は、フォトクロミック−二色層よりも大きい硬度を有する。
(メタ)アクリレート系ポリマー系の放射線硬化は、例えば、電子線硬化(EB)および/または紫外光(UV)放射線を用いて達成することができる。紫外線硬化は、典型的には、少なくとも1つの光開始剤の存在を必要とし、一方、EB技術による硬化は、光開始剤を必要としない。光開始剤が存在するか存在しないかを除き、UV放射線技術によって硬化される(メタ)アクリレート系配合物とEB放射線技術によって硬化される(メタ)アクリレート系配合物は、同じであろう。
放射線硬化性(メタ)アクリレート系ポリマー系は、ポリマー分野で周知であり、任意のこのような系を用い、本発明のフォトクロミック物品の(メタ)アクリレート系トップコート層を製造してもよい。ある実施形態によれば、(メタ)アクリレート系トップコート層は、1種類以上の遊離ラジカルによって開始する(メタ)アクリレートモノマーおよび/または(メタ)アクリレートオリゴマーと、1種類以上のカチオンによって開始するエポキシモノマーとの組み合わせまたは混和性ブレンドを含む組成物から作られる。このモノマーブレンドを硬化させる場合、重合物の形態の(メタ)アクリレート系トップコート層が作られ、ポリマー構成要素の相互に貫入する網目構造を含む。
(メタ)アクリレート系トップコート層を作ることができる組成物に含まれてもよい(メタ)アクリレートモノマーの例としては、限定されないが、例えば、1、2、3、4または5個の(メタ)アクリレート基を含む多官能(メタ)アクリレート、一官能(メタ)アクリレート、例えば、1個の(メタ)アクリレート基を含むモノマー、ヒドロキシ置換(メタ)アクリレートおよびアルコキシシリルアルキルアクリレート、例えば、トリアルコキシシリルプロピルメタクリレートが挙げられる。他の反応性モノマー/希釈剤、例えば、エチレン性官能基を含むモノマー((メタ)アクリレートモノマー以外)も存在していてもよい。
(メタ)アクリレート系トップコート層を形成することができる組成物、このような組成物を塗布し、硬化させる方法は、米国特許第7,452,611 B2号の第16欄第14行〜第25欄第3行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されている。
トップコート層が作られる組成物は、限定されないが、接着促進剤、カップリング剤、紫外光吸収剤、熱安定化剤、触媒、遊離ラジカル捕捉剤、可塑剤、流動添加剤、および/または静的な着色剤または静的な染料(すなわち、フォトクロミックではない着色剤または染料)のような1種類以上の添加剤を含むことができる。
ある実施形態では、(メタ)アクリレート系トップコート層を作ることができる組成物は、さらに接着促進剤を含んでいてもよい。接着促進剤は、例えば、有機シラン、例えば、アミノ有機シラン、有機チタネートカップリング剤、有機ジルコネートカップリング剤、およびこれらの組み合わせから選択され得る。アクリレート系トップコート層を作ることができる組成物中に含まれてもよい接着促進剤の例としては、限定されないが、米国特許第7,410,691 B2号の第5欄第52行〜第8欄第19行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されているものが挙げられる。
トップコート層は、ある実施形態では、紫外光吸収剤および/または第2のフォトクロミック化合物を含む。ある実施形態では、トップコート層は、紫外光吸収剤を含み、第2のフォトクロミック化合物を含まない。いくつかのさらなる実施形態では、トップコート層は、紫外光吸収剤と第2のフォトクロミック化合物の両方を含む。いくつかのさらなる実施形態では、トップコート層は、第2のフォトクロミック化合物を含み、紫外光吸収剤を含まない。紫外光吸収剤は、限定されないが、例えば、1個以上の2,2,6,6−テトラメチルN置換ピペリジン基を含んでいてもよいヒンダードアミン;ベンゾフェノン;および/またはベンゾトリアゾールを含む、1種類以上の当該技術分野で認識されている種類の紫外光吸収剤から選択されてもよい。紫外光吸収剤は、典型的には、少なくとも有効な量で、例えば、トップコート層が調製されるコーティング組成物の合計固形重量を基準として0.1〜10重量%、または0.2〜5重量%、または0.3〜3重量%の量で存在する。
第2のフォトクロミック化合物は、ある実施形態では、インデノ縮合ナフトピラン、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、スピロフルオレノ[1,2−b]ピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン、フルオランテノピラン、スピロピラン、ベンゾオキサジン、ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオランテノオキサジン、スピロ(インドリン)キノキサジン、フルギド、フルギイミド、ジアリールエテン、ジアリールアルキルエテン、ジアリールアルケニルエテン、熱可逆性のフォトクロミック化合物、非熱可逆性のフォトクロミック化合物、およびこれらの混合物から選択され得る。
トップコート層の第2のフォトクロミック化合物は、ある実施形態では、トップコート層のマトリックス(例えば、有機マトリックス)に共有結合していてもよい。ある実施形態では、第2のフォトクロミック化合物は、1個以上の反応性基、例えば、1個以上の重合可能な基を含んでいてもよい。ある実施形態では、第2のフォトクロミック化合物は、別の官能基と共有結合を形成することができる少なくとも1つの官能基、例えば、少なくとも1つの重合可能な基、例えば、置換基あたり、1〜50個のアルコキシ単位を含み、末端が重合可能な基でキャップされている(終了している)少なくとも1つのポリアルコキシ化置換基を含んでいてもよい。
第2のフォトクロミック化合物は、あるさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの開環する環状モノマーを含む。開環する環状モノマーの例としては、限定されないが、環状エステル、環状カーボネート、環状エーテル、環状シロキサンが挙げられる。開環する環状モノマーのさらに具体的な例としては、限定されないが、e−カプロラクトンおよび6−バレロラクトンが挙げられる。
第2のフォトクロミック化合物を選択することができる少なくとも1つの開環する環状モノマーを含むフォトクロミック化合物としては、限定されないが、米国特許第7,465,415 B2号の第2欄第32行〜第6欄第60行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されているものが挙げられる。第2のフォトクロミック化合物を選択することができる、少なくとも1つの開環するモノマーが共有結合しているフォトクロミック化合物のさらに具体的な例としては、限定されないが、米国特許第7,465,415 B2号の第86欄〜第103欄に開示され、式17〜28によってあらわされるもの(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)が挙げられる。
第2のフォトクロミック化合物を選択することができる、少なくとも1つの開環するモノマーが共有結合しているフォトクロミック化合物を形成するために使用可能な開環する環状モノマーの例としては、限定されないが、米国特許第7,465,415 B2号の第10欄第43行〜第12欄第26行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されるものが挙げられる。第2のフォトクロミック化合物を選択することができる、少なくとも1つの開環するモノマーが共有結合しているフォトクロミック化合物を形成するように開環する環状モノマーと反応することができるフォトクロミック開始剤の例としては、限定されないが、米国特許第7,465,415 B2号の第14欄〜第59欄の表1(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されるものが挙げられる。
トップコート層の第2のフォトクロミック化合物を選択することができる、少なくとも1つの開環するモノマーが共有結合しているフォトクロミック化合物を形成するように開環する環状モノマー(限定されないが、上述の環状エステル、環状カーボネート、環状エーテル、および/または環状シロキサンを含む)と反応することができるフォトクロミック開始剤のさらに具体的な例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
(TC−1)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−メチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−2)3,3−d(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−((3−ヒドロキシメチル)ピペリジニル)−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−3)3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−1−3−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−4)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−(3−メチルピペリジン−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−5)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−(ピペリジノ)−13−ブチル−−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−6)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−7)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−(2−ヒドロキシエチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−8)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシメチル−13−(2−ヒドロキシエチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−9)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−ピロリジノ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−10)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−11)3,3−ジ−(4−メトキシフェニル)−13−プロピル−13−ヒドロキシメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−12)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−11−フルオロ−13−ブチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−13)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,11−ジメトキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(14)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ヒドロキシメチル−13−(2−ヒドロキシエチル−)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−15)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,11−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−16)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−17)3,3−ジ−(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2,2−ジ(ヒドロキシメチル)ブトキシ−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−18)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−19)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,11−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−20)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−((3−ヒドロキシメチル)ピペリジノ)−13,−13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−21)3−(4−メトキシフェニル)−3(4−モルホリン−1−イル−フェニル)−6,11−ジメチル−13−ブチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−22)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−(モルホリノ)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−23)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13−H−インデノ[2,1−]ナフト[1,2−b]ピラン;
(2TC−4)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−((4−ヒドロキシメチル)ピペリジノ)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−25)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(ピペリジン−1−イル)−13−ブチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−26)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−ヒドロキシメチル−13−(2−ヒドロキシプロピル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−27)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−((3−ヒドロキシメチル)ピペリジノ)−−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−28)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−(モルホリン−1−イル)−13−ブチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−29)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−30)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−[2−H]−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−31)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−32)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−33)3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−6,7−ジメトキシ−13−ブチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−34)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−(3−ヒドロキシメチル)ピペリジノフェニル)−6−メトキシ−7−ヒドロキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−35)3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−36)2,2−ジフェニル−5−ヒドロキシメチル−8−メチル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−37)3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−38)3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−3−フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−39)2,2−ジフェニル−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−8,9−ジメトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−40)3,3−ジ(4−フルオロフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−ブチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[,2−b]ピラン;
(TC−TC−41)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−42)2,2−ジフェニル−5−メトキシカルボニル−6−フェニル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−43)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13−エチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−44)3−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−6,11−ジメトキシ−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ−)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−45)3−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジノフェニル)−3−フェニル−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−46)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニル−6−フェニル−2H−ナフト[1−,2−b]ピラン;
(TC−47)3−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−13−エチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−48)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(3−ヒドロキシメチル)ピペリジノフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−49)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−50)2,2−ジフェニル−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−6−(4−メトキシ)フェニル−9−メトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−51)2,2−ジフェニル−5−ヒドロキシメチル−7,8−ジメトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−52)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(10−ヒドロキシデコキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−53)2,2ジ(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−54)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−55)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[2−b]ピラン;
(TC−56)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−フェニル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−57)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−ヒドロキシ−13−(2−ヒドロキシエチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−58)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(5−ヒドロキシペントキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−59)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−11−(2−ヒドロキシエトキシ)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−60)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−ヒドロキシ−13−(3−ヒドロキシプロピル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−61)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−62)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−メチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−63)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメチル−13−ヒドロキシ−13−ヒドロキシメチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−64)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−65)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−メチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[2−b]ピラン;
(TC−66)2,2−ジフェニル−5−(2,3−ジヒドロキシ)プロポキシカルボニル−8−メチル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−67)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−ヒドロキシ−13−(4−ヒドロキシブチル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−68)5,5−ジ(4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニル)−8−(3−クロロプロポキシ)カルボニル−5H−フルオランテノ[3,2−b]ピラン;
(TC−69)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−ブチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−70)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−ヒドロキシ−13−(3−ヒドロキシプロピル)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−71)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−13−メチル−13−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−72)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−73)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11−ジメトキシ−13−メチル−13−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[2−b]ピラン;
(TC−74)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−75)2−(4−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニル−2−フェニル−5−メトキシカルボニル−6−メチル−9−メトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−76)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2,2−ビス[2−ヒドロキシエトキシ)−メチル]−3−ヒドロキシプロピルオキシ)エトキシ)−3H 13H−インデノ[2,1−f]ナフト[2−b]ピラン;
(TC−77)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−78)2,2−ジフェニル−5−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル)−8−メチル−2H−ナフト[1,−2−b]ピラン;
(TC−79)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−(2ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−80)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−81)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−82)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ−2H−ナフト[1,2−b]ピラン;
(TC−83)2,2ジ(4−メトキシフェニル)−5−(2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシカルボニル)−6−フェニル−2H−ナフト[2−b]ピラン;
(TC−84)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−6−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ナフト[2−b]ピラン;およびこれら2つ以上の組み合わせ。
本発明のフォトクロミック物品は、ある実施形態では、プライマー層とフォトクロミック−二色層の間に挟まれたアライメント層を含んでいてもよい。図1を参照すると、フォトクロミック物品2は、プライマー層14とフォトクロミック−二色層17の間に挟まれたアライメント層50を含む。アライメント層は、本明細書中で、配光設備と呼ばれることもある。フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物は、その下にあるアライメント層との相互作用によって、少なくとも部分的に整列させられ得る。
本明細書で使用する場合、「アライメント層」という用語は、少なくともその一部に直接的および/または間接的にさらされた1種類以上の他の構造の位置決めを容易にすることができる層を意味する。本明細書で使用する場合、「順に並べる」という用語は、ある種の他の力または効果によって、適切な配置または位置にすること、例えば、別の構造または材料とともに整列することを意味する。したがって、本明細書で使用する場合、「順に並べる」という用語は、例えば、別の構造または材料と整列することによる、材料を順に並べる接触方法と、例えば、外力または外からの効果によって、材料を順に並べる非接触方法の両方を包含する。順に並べるという用語は、接触方法および非接触方法の組み合わせも包含する。
例えば、アライメント層との相互作用によって少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物は、活性状態でのフォトクロミック−二色化合物の長軸が、アライメント層の少なくとも第1の一般的な方向に本質的に平行であるように、少なくとも部分的に整列させることができる。ある実施形態では、アライメント層との相互作用によって少なくとも部分的に整列しているフォトクロミック−二色化合物は、アライメント層と結合するか、またはアライメント層と反応する。本明細書で使用する場合、材料または構造の順序またはアライメントについて言及する場合、「一般的な方向」という用語は、材料、化合物または構造の優勢な配列または配向を指す。さらに、材料、化合物または構造が少なくとも1つの優勢な配列を有する限り、材料、化合物または構造の配列の範囲内のある程度の変動が存在していても、材料、化合物または構造は、一般的な方向を有するだろうということを当業者なら理解するだろう。
アライメント層は、ある実施形態では、少なくとも第1の一般的な方向を有していてもよい。例えば、アライメント層は、第1の一般的な方向を有する第1の順に並んだ領域と、第1の一般的な方向とは異なる第2の一般的な方向を有し、第1の順に並んだ領域に隣接する少なくとも1つの第2の順に並んだ領域とを含んでいてもよい。さらに、アライメント層は、複数の領域を有していてもよく、それぞれが、望ましい模様またはデザインを生成するように、残りの領域と同じか、または異なる一般的な方向を有する。アライメント層は、例えば、少なくとも部分的に順に並んだアライメント媒体、少なくとも部分的に順に並んだポリマーシート、少なくとも部分的に処理された表面、Langmuir−Blodgett膜、およびこれらの組み合わせを含むコーティングを含んでいてもよい。
アライメント層は、ある実施形態では、少なくとも部分的に順に並んだアライメント媒体を含むコーティングを含んでいてもよい。アライメント層と組み合わせて使用することができる適切なアライメント媒体の例としては、限定されないが、光配向材料、擦りによる配向材料、液晶材料が挙げられる。アライメント媒体の少なくとも一部を少なくとも順に並べる方法が、本明細書中で以下にさらに詳細に記載される。
アライメント層のアライメント媒体は、液晶材料であってもよく、アライメント層は、液晶アライメント層と呼ばれることがある。液晶材料は、その構造のため、一般的に、一般的な方向を取るように順に並ぶまたは整列することができる。さらに具体的には、液晶分子は、棒状または円板状の構造、硬い長軸、および強い双極子を有するため、液晶分子は、分子の長軸が、共通の軸にほぼ共通の配向をとるように、外力または別の構造との相互作用によって順に並ぶか、または整列させることができる。例えば、磁場、電場、直線偏光した赤外放射線、直線偏光した紫外放射線、直線偏光した可視光放射線、または剪断力を用い、液晶材料の分子を整列させることができる。また、配向した表面を用い、液晶分子を整列させることもできる。例えば、液晶分子を、例えば、擦り合わせ、溝切り、または写真によるアライメント方法を用い、配向した表面に塗布し得、次いで、液晶分子それぞれの長軸が、表面の配向の一般的な方向にほぼ平行な配向を与えるように整列させ得る。アライメント媒体として使用するのに適した液晶材料の例としては、限定されないが、液晶ポリマー、液晶プレポリマー、液晶モノマー、液晶メソゲンが挙げられる。本明細書で使用する場合、「プレポリマー」という用語は、部分的に重合した材料を意味する。
アライメント層と組み合わせて使用するのに適した種類の液晶モノマーとしては、限定されないが、一官能性および多官能性の液晶モノマーが挙げられる。液晶モノマーは、ある実施形態では、架橋可能な液晶モノマー、例えば、光架橋可能な液晶モノマーから選択されてもよい。本明細書で使用する場合、「光架橋可能な」という用語は、化学放射線をあてると架橋させることができる材料、例えば、モノマー、プレポリマーまたはポリマーを意味する。例えば、光架橋可能な液晶モノマーとしては、限定されないが、重合開始剤を使用する場合、使用しない場合、いずれであっても、紫外放射線および/または可視放射線をあてると架橋可能な液晶モノマーが挙げられる。
アライメント層に含まれてもよい架橋可能な液晶モノマーの例としては、限定されないが、アクリレート、メタクリレート、アリル、アリルエーテル、アルキン、アミノ、無水物、エポキシド、ヒドロキシド、イソシアネート、ブロックイソシアネート、シロキサン、チオシアネート、チオール、尿素、ビニル、ビニルエーテルおよびこれらのブレンドから選択される官能基を有する液晶モノマーが挙げられる。アライメント層に含まれてもよい光架橋可能な液晶モノマーの例としては、限定されないが、アクリレート、メタクリレート、アルキン、エポキシド、チオール、およびこれらのブレンドから選択される官能基を有する液晶モノマーが挙げられる。
アライメント層に含まれてもよい液晶ポリマーおよびプレポリマーとしては、限定されないが、主鎖液晶ポリマーおよびプレポリマーならびに側鎖液晶ポリマーおよびプレポリマーが挙げられる。主鎖液晶ポリマーおよびプレポリマーの場合、棒状または円板状の液晶メソゲンは、主に、ポリマー骨格の中に位置する。側鎖液晶ポリマーおよびプレポリマーの場合、棒状または円板状の液晶メソゲンは、主に、ポリマーの側鎖の中に位置する。さらに、液晶ポリマーまたはプレポリマーは、架橋可能であってもよく、さらに光架橋可能であってもよい。
アライメント層に含まれてもよい液晶ポリマーおよびプレポリマーの例としては、限定されないが、アクリレート、メタクリレート、アリル、アリルエーテル、アルキン、アミノ、無水物、エポキシド、ヒドロキシド、イソシアネート、ブロックイソシアネート、シロキサン、チオシアネート、チオール、尿素、ビニル、ビニルエーテル、およびこれらのブレンドから選択される官能基を有する主鎖および側鎖のポリマーおよびプレポリマーが挙げられる。アライメント層に含まれてもよい光架橋可能な液晶ポリマーおよびプレポリマーの例としては、限定されないが、アクリレート、メタクリレート、アルキン、エポキシド、チオール、およびこれらのブレンドから選択される官能基を有するポリマーおよびプレポリマーが挙げられる。
アライメント層に含まれてもよい液晶メソゲンとしては、限定されないが、サーモトロビック液晶メソゲンおよびリオトロピック液晶メソゲンが挙げられる。アライメント層に含まれてもよい液晶メソゲンのさらなる種類としては、限定されないが、円柱状(または棒状)の液晶メソゲンおよび円板(または円板状)液晶メソゲンが挙げられる。
アライメント層に含まれてもよい光配向材料の例としては、限定されないが、光配向可能なポリマー網目構造が挙げられる。光配向可能なポリマー網目構造のさらに具体的な例としては、限定されないが、アゾベンゼン誘導体、ケイ皮酸誘導体、クマリン誘導体、フェルラ酸誘導体、ポリイミドが挙げられる。ある実施形態では、アライメント層は、アゾベンゼン誘導体、ケイ皮酸誘導体、クマリン誘導体、フェルラ酸誘導体、および/またはポリイミドから選択される少なくとも部分的に順に並んだ光配向可能なポリマー網目構造を含んでいてもよい。アライメント層に含まれてもよいケイ皮酸誘導体の例としては、限定されないが、ポリ桂皮酸ビニル、パラメトキシ桂皮酸のポリビニルエステルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「擦りによる配向材料」という用語は、別の適切な質感の材料を用いて材料表面の少なくとも一部を擦ることによって少なくとも部分的に順に並ばせることができる材料を意味する。例えば、擦りによる配向材料は、適切な質感の布またはベルベットブラシで擦ることができる。アライメント層に含まれてもよい擦りによる配光材料の例としては、限定されないが、(ポリ)イミド、(ポリ)シロキサン、(ポリ)アクリレート、(ポリ)クマリンが挙げられる。ある実施形態では、アライメント層は、ポリイミドを含んでいてもよく、アライメント層を、アライメント層の表面の少なくとも一部を少なくとも部分的に並べるように、ベルベットまたは綿の布を用いて擦ることができる。
ある実施形態では、アライメント層は、少なくとも部分的に順に並んだポリマーシートを含んでいてもよい。例えば、ポリビニルアルコールのシートは、シートを延伸する(例えば、一軸延伸する)ことによって少なくとも部分的に順に並ばせることができ、その後に、延伸シートを、光学基材の表面の少なくとも一部に結合させ、配向設備を形成し得る。または、順に並んだポリマーシートは、加工中、例えば、押出成形中にポリマー鎖を少なくとも部分的に並べる方法によって製造することができる。さらに、少なくとも部分的に順に並んだポリマーシートは、液晶材料のシートをキャスト成型するか、または他の方法で形成し、その後、シートを例えば磁場、電場および/または剪断力にさらして、このシートを少なくとも部分的に順に並べることによって形成することができる。さらに、少なくとも部分的に順に並んだポリマーシートを、光配向方法を用いて製造することができる。例えば、キャスト成型し、その後、直線偏光した紫外放射線をあてることによって少なくとも部分的に順に並べることによって、光配向材料のシートを形成することができる。
本発明のフォトクロミック物品のアライメント層は、少なくとも部分的に処理された表面を含んでいてもよい。本明細書で使用する場合、「処理された表面」という用語は、表面の少なくとも一部の上に、少なくとも1つの順に並んだ領域を形成するように物理的に変えられた表面の少なくとも一部を指す。処理された表面の例としては、限定されないが、擦られた表面、エッチングされた表面、エンボス加工された表面が挙げられる。さらに、例えば、フォトリソグラフィープロセスまたはインターフェログラフィープロセスによって、処理された表面にパターン形成してもよい。ある実施形態では、アライメント層の表面は、例えば、化学的にエッチングされた表面、プラズマエッチングされた表面、ナノエッチングされた表面(例えば、走査型トンネル顕微鏡または原子間力顕微鏡を用いてエッチングされた表面)、レーザーエッチングされた表面、および/または電子線エッチングされた表面から選択される処理された表面であってもよい。
ある実施形態によれば、アライメント層が処理された表面を含む場合、金属塩(例えば、金属酸化物または金属フッ化物)を、表面の少なくとも一部(例えば、アライメント層自身の表面、またはプライマー層の表面)に堆積させ、その後、この堆積物をエッチングし、処理された表面を形成することによって、処理された表面を形成することができる。金属塩を堆積させる当該技術分野で認識されている方法としては、限定されないが、プラズマ蒸着、化学蒸着、スパッタリングが挙げられる。当該技術分野で認識されている方法、例えば、本明細書ですでに記載された方法にしたがって、エッチングを行ってもよい。
本明細書で使用する場合、「Langmuir−Blodgett膜」という用語は、表面上の1種類以上の少なくとも部分的に順に並んだ分子膜を意味する。例えば、基材を、分子膜に少なくとも部分的におおわれるように、液体に1回以上浸し、次いで、この基材を液体から取り出すことによって、Langmuir−Blodgett膜を形成することができ、液体と基材の相対的な表面張力に起因して、分子膜の分子は、実質的に1つの(または単一の)一般的な方向に少なくとも部分的に順に並んでいる。本明細書で使用する場合、分子膜という用語は、単分子膜(すなわち、単層)および1つより多い単層を含む膜を指す。
本発明のフォトクロミック物品は、ある実施形態では、アライメント層とフォトクロミック−二色層の間に挟まれたアライメント移動材料をさらに含む。アライメント移動材料は、アライメント層との相互作用によって整列させることができ、それに対応して、フォトクロミック−二色化合物を、アライメント移動材料との相互作用によって整列させることができる。アライメント移動材料は、ある実施形態では、アライメント層から、フォトクロミック−二色層のフォトクロミック−二色化合物への適切な整列または位置の伝搬または移動を容易にし得る。
アライメント移動材料の例としては、限定されないが、本明細書に開示するアライメント媒体と組み合わせた上述の液晶材料が挙げられる。配向した表面を用い、液晶材料の分子を整列させることができる。例えば、液晶材料を、配向している表面に塗布し得、次いで、表面の配向と同じ一般的な方向にほぼ平行な配向になるように液晶分子の長軸を合わせるように整列させ得る。アライメント移動材料の液晶材料を、アライメント層との整列によって、少なくとも部分的に順に並べてもよく、その結果、液晶材料の分子の長軸は、例えば、配向設備の第1の一般的な方向にほぼ平行である。この様式で、アライメント層の一般的な方向を、液晶材料に移動させることができ、次いで、その一般的な方向を別の構造または材料に移動させることができる。さらに、アライメント層が、一緒になってあるデザインまたは模様を形成する一般的な方向を有する複数の領域を含む場合、液晶材料と、アライメント層の種々の領域とを整列させることによって、そのデザインまたは模様を液晶材料に移動させることができる。さらに、必須ではないが、本明細書に開示する種々の非限定的な実施形態によれば、アライメント移動材料の液晶材料の少なくとも一部は、アライメント層の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列しつつ、磁場、電場、直線偏光した赤外放射線、直線偏光した紫外放射線、直線偏光した可視光放射線のうち、少なくとも1つにさらされてもよい。
本発明のフォトクロミック物品は、ある実施形態では、トップコート層の上に存在するハードコート層を含む。図1を参照すると、フォトクロミック物品2は、トップコート層20の上に存在するハードコート層53を含む。ハードコートは、単一層または複数層を含んでいてもよい。
ハードコート層は、有機シランを含む耐摩耗性コーティング、放射線硬化したアクリレート系薄膜を含む耐摩耗性コーティング、シリカ、チタニアおよび/またはジルコニアのような無機材料に基づく耐摩耗性コーティング、紫外線硬化型の有機耐摩耗性コーティング、酸素障壁コーティング、UV遮蔽コーティング、およびこれらの組み合わせから選択され得る。ある実施形態では、ハードコート層は、放射線硬化するアクリレート系薄膜の第1のコーティングと、有機シランを含む第2のコーティングとを含んでいてもよい。市販のハードコーティング製品の非限定的な例としては、それぞれSDC Coatings,Inc.およびPPG Industries,Inc.から入手可能なSILVUE(登録商標)124およびHI−GARD(登録商標)コーティングが挙げられる。
ハードコート層は、当該技術分野で認識されるハードコート材料、例えば、有機シラン耐摩耗性コーティングから選択されてもよい。有機シラン耐摩耗性コーティングは、ハードコートまたはシリコーン系ハードコーティングと呼ばれることも多く、当該技術分野で周知であり、SDC Coatings,Inc.およびPPG Industries,Inc.のような種々の製造業者から市販されている。米国特許第4,756,973号の第5欄第1〜45行;米国特許第5,462,806号の第1欄第58行〜第2欄第8行および第3欄第52行〜第5欄第50行が参照され、これらの開示内容は、有機シランハードコーティングについて記載しており、その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる。さらに、有機シランハードコーティングの開示については、米国特許第4,731,264号、第5,134,191号、第5,231,156号、国際特許公開第WO 94/20581号が参照され、その開示内容も、本明細書に参考として組み込まれる。ハードコート層は、プライマー層に関して本明細書にすでに記載したようなコーティング方法(例えば、スピンコーティング)によって塗布されてもよい。
ハードコート層を形成するために使用可能な他のコーティングとしては、限定されないが、多官能アクリルハードコーティング、メラミン系ハードコーティング、ウレタン系ハードコーティング、アルキド系コーティング、シリカゾル系ハードコーティングまたは他の有機または無機/有機ハイブリッドハードコーティングが挙げられる。
ハードコート層は、ある実施形態では、有機シラン型ハードコーティングから選択される。本発明のフォトクロミック物品のハードコート層を選択することができる有機シラン型ハードコーティングとしては、限定されないが、米国特許第7,465,414 B2号の第24欄第46行〜第28欄第11行(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に開示されるものが挙げられる。
本発明のフォトクロミック物品は、さらなるコーティング、例えば、反射防止性コーティングを含んでいてもよい。ある実施形態では、反射防止性コーティングは、ハードコート層の上に塗布されてもよい。反射防止性コーティングの例は、米国特許第6,175,450号および国際特許公開第WO 00/33111号に記載されており、この開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる。
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明のフォトクロミック物品は、眼科用物品またはエレメント、ディスプレイ物品またはエレメント、窓、鏡、包装材料、例えば、伸縮包装、アクティブ液晶セル物品およびパッシブ液晶セル物品またはエレメントから選択されてもよい。
眼科用物品またはエレメントの例としては、限定されないが、矯正レンズおよび非矯正レンズ(単焦点レンズまたは多焦点レンズ、部分に分けられた多焦点レンズであってもよく、部分に分けられていない多焦点レンズであってもよい(例えば、限定されないが、二焦点レンズ、三焦点レンズおよび多重焦点レンズを含む))、ならびに、限定されないが、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズおよび保護レンズ、または遮光板のような、視界を矯正し、保護し、または高める(化粧品的に、またはその他の目的で)ために用いられる他のエレメントが挙げられる。
ディスプレイ物品、エレメントおよびデバイスの例としては、限定されないが、スクリーン、モニタ、セキュリティエレメントが挙げられ、限定されないが、セキュリティマークおよび認証マークが挙げられる。
窓の例としては、限定されないが、自動車用および航空用の透明部品、フィルター、シャッター、光学スイッチが挙げられる。
ある実施形態では、フォトクロミック物品は、セキュリティエレメントであってもよい。セキュリティエレメントの例としては、限定されないが、基材、例えば、アクセスカードおよびパス、例えば、切符、バッジ、身分証明カードまたはメンバーシップカード、デビットカードなど;流通証券および流通禁止証券、例えば、手形、小切手、債券、約束手形、譲渡性預金証書、株券など;政府書類、例えば、通貨、ライセンス、身分証明カード、ベネフィットカード(benefit card)、ビザ、パスポート、公式証明書、証書など;消費者向け物品、例えば、ソフトウエア、コンパクトディスク(「CD」)、デジタルビデオディスク(「DVD」)、家庭用機器、消費者向け電子機器、スポーツ用品、車など;クレジットカード;商品タグ、ラベル、包装の少なくとも一部に接続したセキュリティマークおよび認証マークが挙げられる。
さらなる実施形態では、セキュリティエレメントは、透明基材および反射性基材から選択される基材の少なくとも一部に接続されてもよい。または、反射性基材が必要なさらなる実施形態によれば、基材が反射性ではないか、または意図する用途では十分に反射性ではない場合、まず、セキュリティマークを塗布する前に、基材の少なくとも一部に反射性材料を塗布してもよい。例えば、基材の上にセキュリティエレメントを形成する前に、反射性アルミニウムコーティングを基材の少なくとも一部に塗布してもよい。さらに、または、代わりに、セキュリティエレメントは、着色していない基材、着色した基材、フォトクロミック基材、着色したフォトクロミック基材、直線偏光性基材、円偏光性基材、楕円偏光性基材から選択される基材の少なくとも一部に接続してもよい。
さらに、上述の実施形態のセキュリティエレメントは、例えば、米国特許第6,641,874に記載されるように、見る角度によって変わる特徴を有する多層反射性セキュリティエレメントを形成するために、1種類以上の他のコーティングまたは膜またはシートをさらに含んでいてもよい。
本発明は、以下の実施例にさらに具体的に記載されるが、多くの改変および変更が当業者には明らかであると思われるため、これらの実施例は、単なる説明のみを目的としている。他の意味であると明記していない限り、すべての部および百分率は重量基準である。
第1部は、プライマー層配合物(PLF)の調製について記載する。第2部は、液晶アライメント配合物(LCAF)の調製について記載する。第3部は、コーティング層配合物(CLF)の調製について記載する。第4部は、トップコート層配合物(TLF)の調製について記載する。第5部は、ハードコート配合物(HCF)の調製について記載する。第6部は、基材の調製および表1に列挙したコーティングのスタックのために使用する手順を記載する。第7部は、比較例(CE)1〜6、実施例1〜4について表1に報告した、吸収比および光学応答の測定を含むフォトクロミック性能試験を記載する。
(第1部−PLFの調製)
適切な容器に磁気撹拌棒を取り付け、これに以下の材料を記載した量加えた:
ポリアクリレートポリオール(14.69g)(米国特許第6,187,444号の実施例1の組成物D、ポリオールの開示内容は、本明細書に参考として組み込まれるが、ただし、Charge 2において、スチレンをメタクリル酸メチルで置き換え、合計モノマー重量を基準として0.5重量%のトリフェニルホスファイトを加えた);
ポリアルキレンカーボネートジオール(36.70g)Great Lakes Chemical Corp製のPOLYMEG(登録商標)1000;
Bayer Material Science製のDESMODUR(登録商標)PL 340(48.23g);
Baxenden製のTRIXENE(登録商標)BI 7960(34.39g);
ポリエーテル改質されたポリジメチルシロキサン(0.08g)BYK−Chemie、USA製のBYK(登録商標)−333;
ウレタン触媒(1.00g)King Industries製のKKAT(登録商標)348;
Momentive Performance Materials製のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3.96g)A−187;
光安定化剤(8.07g)Ciba Specialty Chemicals製のTINUVIN(登録商標)928;
AROMATIC 100(36.00g)Texacoから入手可能な高沸点溶媒の混合物;
Sigma−Aldrich製の1−メチル−2−ピロリジノン(61.88g))。
混合物を室温で2時間撹拌し、溶液の合計重量を基準として最終的な固形分が約46.82重量%の溶液を得た。この溶液に、撹拌しながら、以下のフォトクロミック化合物を指定量加えた。
フォトクロミック化合物−1(PC−1)(0.09g)7,7−ジフェニル−2−ペンチル−4−オキソ−4H−7H−[1,3]ジオキシノ[5’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランであると報告されており、米国特許第6,022,497号の実施例5の手順にしたがって調製した(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)。
PC−2(2.10g)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト−[1,2−b]ピランであると報告され、米国特許第7,262,295 B2号の実施例1の手順に従って調製した(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)。
PC−3(0.81g)7−(4−メトキシフェニル)−7−(2−フルオロ−4−モルホリノフェニル(morpholinopphenyl))−2−ペンチル−4−オキソ−4H−7H−[1,3]ジオキシノ[5’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランであると報告され、米国特許第6,022,497号の実施例5の手順にしたがって調製したが、但し、1,1−ジフェニル)−2−プロピン−1−オールの代わりに、1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−フルオロ−4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オールを使用した。
比較例4および5で使用するために、フォトクロミック化合物を含まないプライマーも調製した。
(第2部−LCAFの調製)
Venticoから購入したStaralign 2200CP10を、シクロペンタノン溶媒を用いて2%溶液になるまで希釈した。
(第3部−CLFの調製)
CLF中、液晶モノマー(LCM)材料を以下のように調製した。
LCM−1は、米国特許第7,910,019号の実施例17(液晶モノマーの開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)に記載される手順にしたがって調製した1−(6−(6−(6−(6−(6−(6−(6−(6−(8−(4−(4−(4−(8−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)フェニルオキシカルボニル)フェノキシ)オクチルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキサン−1−オールである。
LCM−2は、4−(3−アクリロイルオキシプロピルオキシ)−安息香酸2−メチル−1,4−フェニレンエステルであると報告されており、EMD Chemicals、Inc.から入手可能であり、分子式がC333210である市販されているRM257である。
LCM−3 米国特許第7,910,019号の実施例1の手順1にしたがって、但し、n=0で調製した(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)、1−(6−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシカルボニル)フェノキシ)ヘキシルオキシ)−2−メチルプロパ−2−エン−1−オン。
LCM−4は、米国特許第7,910,019号(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)の手順にしたがって調製した1−(6−(6−(6−(6−(6−(6−(6−(8−(4−(4−(4−ヘキシルオキシベンゾイルオキシ)フェノキシカルボニル)−フェノキシ)オクチルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−6−オキソヘキシルオキシ)−2−メチルプロパ−2−エン−1−オンである。
CLFを以下のように調製した。
アニソール(3.99g)とBYK(登録商標)−322添加剤0.004g(BYK Chemie、USAから入手可能であり、アラルキル修飾したポリ−メチル−アルキル−シロキサンであると報告されている)の混合物が入った適切なフラスコに、LCM−1(1.08g)、LCM−2(2.4g)、LCM−3(1.08g)、LCM−4(1.44g)、4−メトキシフェノール(0.006g)、IRGACURE(登録商標)819(0.09g、Ciba−Geigy Corporationから入手可能な光開始剤)を加えた。得られた混合物は、混合物の合計重量を基準として60重量%のモノマー固形分を含有するが、この混合物を80℃で2時間撹拌し、約26℃まで冷却し、以下のフォトクロミック化合物を加えた。PC−4を、モノマー固形分を基準として4.8重量%の量で加えた。PC−4は、2010年12月16日に出願された米国特許出願第12/928687号の実施例19(その開示内容は、本明細書に参考として組み込まれる)の手順にしたがって調製した3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−10−[4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−トリフルオロメチル−13,13−ジメチル−3,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランであると報告されている。PC−5(7−2384)を、モノマー固形分を基準として7.2重量%の量で加えた。PC−5は、2010年12月16日に出願した米国特許出願第12/928681号の手順にしたがって調製した3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−13−メトキシ−13−エチル−7−[2−メチル−4−(4−(4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)−フェニル)ベンズアミド)フェニル]−6−メトキシ−13,13−ジヒドロ−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランであると報告されている。
(第4部:TLFの調製)
TLFを以下のようにして調製した。
50mLの褐色ガラス瓶に磁気撹拌棒を取り付け、以下の材料を加えた:
Sigma−Aldrich製のヒドロキシメタクリレート(1.242g);
Sartomer製のネオペンチルグリコールジアクリレート(13.7175g)SR247;
Sartomer製のトリメチロールプロパントリメタクリレート(2.5825g)SR350;
Bayer Material Science製のDESMODUR(登録商標)PL 340(5.02g);
Ciba Speciality Chemicals製のIRGACURE(登録商標)−819(0.0628g);
Ciba Speciality Chemicals製のDAROCUR(登録商標)TPO (0.0628g);
ポリブチルアクリレート(0.125g)、
Momentive Performance Materials製の3−アミノプロピルプロピルトリメトキシシラン(1.4570g)A−1100;
200プルーフのPharmaco−Aaper製の完全無水エタノール(1.4570g)。
混合物を室温で2時間撹拌した。実施例4で使用したTLFに、紫外光吸収剤(UVA)を、溶液の合計重量を基準として1重量%の量で加えた。UVAは、Ciba Specialty Chemicals製のヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール群であるTINUVIN(登録商標)384であった。
(第5部:HCFの調製)
HCFを以下のように調製した。Charge 1を綺麗な乾燥ビーカーに加え、5℃の氷浴中に撹拌しながら置いた。Charge 2を加えると発熱が起こり、反応混合物の温度が50℃まで上がった。得られた反応混合物の温度を20〜25℃まで冷却し、Charge 3を撹拌しつつ加えた。Charge 4を加え、pHを約3〜約5.5に調整した。Charge 5を加え、溶液を30分混合した。得られた溶液を公称0.45ミクロンのカプセルフィルターで濾過し、使用するまで4℃で保存した。
Charge1
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 32.4グラム
メチルトリメトキシシラン 345.5グラム
Charge2
脱イオン水(DI)と硝酸の溶液(硝酸 1g/7000g) 292グラム
Charge3
DOWANOL(登録商標)PM溶媒 228グラム
Charge4
TMAOH(メタノール中25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)0.45グラム
Charge5
BYK(登録商標)−306界面活性剤 2.0グラム。
(第6部−基材の調製と、表1に報告したコーティングのスタックに使用する手順)
(基材の調製)
CR−39(登録商標)モノマーから調製した5.08cm×5.08cm×0.318cm(2インチ(in.)×2インチ×0.125インチ)の寸法の四角形の基材をHomalite,Inc.から得た。それぞれの基材を、アセトンを浸したティッシュで拭くことによってきれいにし、空気流で乾燥させ、そして高電圧変換器を備えたTantec EST Systems Serial No.020270 Power Generator HV 2000シリーズのコロナ処理装置のコンベアベルトの上を通過させることによってコロナ処理した。ベルト速度3ft/分でコンベア上を移動させつつ、基材に、53.99KV、500ワットで発生したコロナをあてた。
(プライマー層のためのコーティング手順)
約1.5mLの溶液を分注し、基材を毎分500回転(rpm)で3秒間回転させ、その後、1,500rpmで7秒間、その後2,500rpmで4秒間回転させることによって、試験基材表面の一部にスピンコーティングすることによって、試験基材にPLFを塗布した。Laurell Technologies Corp.製のスピンプロセッサ(WS−400B−6NPP/LITE)をスピンコーティングに使用した。その後で、コーティングされた基材を、125℃に維持したオーブンに60分間入れた。コーティングされた基材を約26℃まで冷却した。この基材を、高電圧変換器を備えたTantec EST Systems Serial No.020270 Power Generator HV 2000シリーズのコロナ処理装置のコンベアベルトに通すことによってコロナ処理した。乾燥したプライマー層に、ベルト速度3ft/分でコンベア上を移動させつつ、53.00KV、500ワットで発生したコロナをあてた。
(液晶アラインメント層のためのコーティング手順)
約1.0mLの溶液を分注し、基材を毎分800回転(rpm)で3秒間回転させ、その後、1,000rpmで7秒間、その後2,500rpmで4秒間回転させることによって、試験基材表面の一部にスピンコーティングすることによって、試験基材にLCAFを塗布した。Laurell Technologies Corp.製のスピンプロセッサ(WS−400B−6NPP/LITE)をスピンコーティングに使用した。その後で、コーティングされた基材を、120℃に維持したオーブンに30分間入れた。コーティングされた基材を約26℃まで冷却した。
それぞれの基材の上にある乾燥した光アラインメント層に、直線偏光した紫外放射線をあてることによって、少なくとも部分的に順に並ばせた。光源は、放射線を基材表面に対して垂直な面に直線偏光するように配置した。それぞれのアラインメント層にあてられる紫外放射線の量を、EIT Inc製のUV Power PuckTM高エネルギー線量計(Serial No.2066)を用いて測定し、この測定は以下のとおりであった。UVA 0.018W/cm2および5.361J/cm2;UVB 0W/cm2および0J/cm2;UVC 0W/cm2および0J/cm2;UVV 0.005W/cm2および1.541J/cm2。光配向可能なポリマー網目構造の少なくとも一部を順に並べた後、基材を約26℃まで冷却し、覆っておいた。
(コーティング層のためのコーティング手順)
試験基材の上にある少なくとも部分的に順に並んだ光アライメント材料に対し、毎分400回転(rpm)で6秒間、その後、800rpmで6秒間の速度でCLFをスピンコーティングした。それぞれのコーティングされた基材を、60℃のオーブンに30分間置いた。その後で、ベルト速度2ft/分でコンベア上を移動させつつ、Belcan Engineeringによって設計されたUV Curing Oven Machine中、窒素雰囲気下、UVAのピーク強度が0.388ワット/cm2、UVVが0.165ワット/cm2であり、UV線量が、UVAについて7.386ジュール/cm2、UVVについて3.337ジュール/cm2という条件で、2種類の紫外線ランプによって硬化させた。コーティングされた基材にトップコート層を付与する予定の場合、ベルト速度3ft/分でコンベア上を移動させつつ、硬化した層に53.00KV、500ワットで発生したコロナをあてた。コーティングされた基材に、トップコート層を付与しない場合、105℃で3時間かけて、後硬化を終了させた。
(トップコート層のためのコーティング手順)
硬化したCLFコーティング基材に対し、毎分1,400回転(rpm)で7秒間かけてTLFをスピンコーティングした。その後で、ベルト速度6ft/分でコンベアベルト上を移動させつつ、Belcan Engineeringによって設計され、構築されたUV Curing Oven Machine中、窒素雰囲気下、UVAのピーク強度が1.887ワット/cm2、UVVが0.694ワット/cm2であり、UV線量が、UVAについて4.699ジュール/cm2、UVVについて1.787ジュール/cm2という条件で、2種類の紫外線ランプによって基材を硬化させた。コーティングされた基材にハードコート層を付与する予定の場合、ベルト速度3ft/分でコンベア上を移動させつつ、硬化した層に53.00KV、500ワットで発生したコロナをあてた。コーティングされた基材に、ハードコート層を付与しない場合、105℃で3時間かけて、後硬化を終了させた。
(ハードコートのためのコーティング手順)
トップコート層をコーティングして硬化した基材に対し、毎分2,000回転(rpm)で10秒間かけてHCFをスピンコーティングした。105℃で3時間かけて、コーティングされた基材の後硬化を終了させた。
(第7部−吸収比および光学応答の測定を含む、フォトクロミック性能試験)
それぞれ、フォトクロミック二色染料(PCDD)を含むコーティングを有する基材について、吸収比(AR)を以下のように決定した。Cary 6000i UV−可視光分光計に、回転ステージ上に設置された自己センタリング機能をもつサンプルホルダー(Polytech、PI製のModel M−060−PD)を取り付け、適切なソフトウエアをつないだ。サンプルの前のサンプル光線中に、偏光分析機(Moxtek PROFLUX(登録商標)偏光機)を置いた。この装置を以下のパラメーターに設定した。スキャン速度=600nm/分;データ間隔=1.0nm;積算時間=100ms;吸光度範囲=0〜6.5;Yモード=吸光度;Xモード=ナノメートル;スキャン範囲は380〜800nmであった。オプションは3.5SBW(スリット帯の幅)に設定し、ビームモードはダブルに設定した。ベースラインのオプションは、ゼロ/ベースライン補正に設定した。また、1.1と1.5(合わせて約2.6)のScreen Neutral Densityフィルターをすべてのスキャンについてリファレンス経路に置いた。コーティングされた基材サンプルを、空気中、実験室の空調システムによって維持された室温(22.7℃±2.4℃)で試験した。
以下の様式で、サンプル偏光機の配向を、偏光分析機にとって平行および垂直になるようにした。Cary 6000iを、DD−2を含むサンプルについて443nmに設定し、DD−1を含むサンプルについて675nmに設定し、サンプルを少しずつ(0.1〜5°、例えば、5、1、0.5、および0.1°)回転させて吸光度を監視した。吸光度が極大になるまでサンプルの回転を続けた。この位置を、垂直または90°の位置と定義した。平行な位置は、ステージを時計回りまたは反時計回りに90°回転させることによって得た。サンプルのアライメントは、±0.1°で達成した。
それぞれのサンプルについて、90°および0°で吸収スペクトルを集めた。WaveMetricsから入手可能なIgor Proソフトウエアを用い、データ分析を取り扱った。これらのスペクトルをIgor Proに読み込み、吸光度を使用し、443nmと675nmでの吸光比を計算した。計算した吸収比を表7に列挙している。
光学ベンチでの応答試験の前に、フォトクロミック分子をあらかじめ活性化させておくために、光源から約14cmの距離で、365nmの紫外光を10分間あてることによって、基材を調整した。サンプルへのUVA照度は、Licor Model Li−1800スペクトロラジオメーターで測定し、22.2ワット/平方メートルであることがわかった。次いで、サンプル中のフォトクロミック化合物を脱色するか、または不活性化するために、サンプルをハロゲンランプ(500W、120V)の下に、ランプから約36cmの距離で約10分間置いた。Licorスペクトロラジオメーターを用いてサンプルでの照度を測定し、21.9Kluxであることがわかった。次いで、冷却し、基底状態へと戻すために、試験前に、サンプルを暗環境に少なくとも1時間保持した。
光学ベンチを使用し、コーティングされた基材の光学特性を測定し、吸収比とフォトクロミック性を誘導した。それぞれの試験サンプルを、活性化光源(Newport/Oriel Model 66485 300−ワット キセノンアークランプに、迷光がデータ収集プロセスを妨害しないように、データ収集中に瞬時に閉じるUNIBLITZ(登録商標)VS−25高速コンピューター制御付きシャッターと、短波長の放射線を除去するSCHOTT(登録商標)3mm KG−1バンドパスフィルターと、強度を弱めるための中密度フィルターと、光線の照準を合わせるための集光レンズとを備えたもの)を、試験サンプル表面に対して30°〜35°の入射角になるように配置した光学ベンチに置いた。このアークランプには、光強度制御器(Newport/Oriel model 68950)を取り付けておいた。
応答の測定を監視するための広帯域光源を、試験サンプル表面に対して垂直になるような様式で配置した。先端が分かれて二股になった光ファイバーケーブルを用い、100ワットのタングステンハロゲンランプ(LAMBDA(登録商標)UP60−14一定電圧供給によって制御)からの光を別個にフィルタリングしたものを集め、合わせることによって、短い可視光波長の大きなシグナルを得た。タングステンハロゲンランプの片側からの光をSCHOTT(登録商標)KG1フィルターでフィルタリングして熱を吸収し、短い波長を通過させるためにHOYA(登録商標)B−440フィルターでフィルタリングした。もう一方の側からの光は、SCHOTT(登録商標)KG1フィルターでフィルタリングするか、またはフィルタリングしなかった。ランプの片側からの光を、先端が分かれて二股になった光ファイバーケーブルの別個の端に集光し、光を集めた後、ケーブルの1個の端から出る1つの光源に合わせた。適切な混合を確保するために、ケーブルの1個の端に4インチの光導体を接続した。データ収集中に瞬時に開くUNIBLITZ(登録商標)VS−25高速コンピューター制御付きシャッターに、広帯域光源を取り付けた。
ケーブルの1個の端からの光を、コンピューター制御によって開始し、駆動する回転ステージ(Polytech、PI製のModel M−061−PD)中に置いたMoxtek、PROFLUX(登録商標)Polarizerを通すことによって、光源の偏光を達成した。光線の監視は、ある偏光面(0°)が、光学ベンチ台の平面に垂直であり、第2の偏光面(90°)が、光学ベンチ台の平面に平行であるように設定した。サンプルを空気中、温度制御した空気セルによって維持した23℃±0.1℃で実行した。
それぞれのサンプルを整列させるために、第2の偏光機を光学通路に追加した。第2の偏光機は、第1の偏光機に対して90°に設定した。回転ステージ(Polytech、PI製のModel No M−061.PD)に取り付けた自己センタリング機能をもつホルダー中の空気セルにサンプルを置いた。レーザー光線(Coherent−ULN 635ダイオードレーザー)を、交差する偏光機およびサンプルを通るように向けた。最小透過率を見つけるために、サンプルを回転させた(粗い移動の場合には3°ずつ、微細な移動のときは0.1°ずつ)。この時点で、サンプルは、Moxtek偏光機および第2の偏光機に平行または垂直に整列しており、ダイオードレーザー光線は光学通路から取り除かれていた。活性化前に、サンプルは±0.2°で整列していた。
測定を行うために、各試験サンプルに、活性化光源からのUVAを6.7W/mで10〜20分間あて、フォトクロミック化合物を活性化させた。検出システム(Model SED033検出器、Bフィルター、拡散体)を取り付けたInternational Light Research Radiometer(Model IL−1700)を用い、それぞれの1日の初めに露光を確認した。次いで、0°偏光面に偏光した監視光源からの光を、コーティングされたサンプルに通し、1インチの球状部分に光を集めた。この球を、単一の機能を有する光ファーバーケーブルを用い、OCEAN OPTICS(登録商標)S2000分光光度計に接続した。サンプルを通った後のスペクトル情報をOCEAN OPTICS(登録商標)OOIBase32およびOOIColorソフトウエア、PPGの専用ソフトウエアを用いて集めた。フォトクロミック材料を活性化している間、偏光シートの位置を前後に回転させ、監視光源からの光を90°偏光面に偏光させ、戻した。活性化中に5秒間隔で約600〜1200秒間、データを集めた。それぞれの試験について、偏光面:0°、90°、90°、0°などのシーケンスでデータを集めるように、偏光機の回転を調節した。
それぞれの試験サンプルについて、吸収スペクトルを得て、Igor Proソフトウエア(WaveMetricsから入手可能)を用いて分析した。それぞれの試験サンプルについて、試験したそれぞれの波長について、0時(すなわち、活性化していないとき)のサンプルの吸光度測定値を引き算することによって、それぞれの偏光方向での吸光度の変化を計算した。それぞれのサンプルについてフォトクロミック化合物のフォトクロミック応答が飽和するか、またはほぼ飽和した活性化プロフィール領域(すなわち、測定した吸光度が時間経過にともなって増加しないか、または顕著に増加しない領域)で、この領域でそれぞれの時間間隔での吸光度を平均することによって、吸光度の平均値を得た。λmax−vis±5nmに対応する所定の波長範囲での平均吸光度値は、0°および90°の偏光について抽出し、この範囲で、大きな平均吸光度を小さな平均吸光度で割ることによって、それぞれの波長の吸収比を計算した。それぞれの抽出した波長について、5〜100のデータ点を平均した。次いで、これらの個々の吸収比を平均することによって、フォトクロミック化合物の平均吸収比を計算した。
初期の透過度を確立し、キセノンランプからのシャッターを開け、紫外放射線を与え、試験レンズを脱色した状態から活性化した(すなわち、暗くなった)状態まで変化させることによって、脱色した状態から暗くなった状態までの光学密度の変化(ΔOD)を決定した。所定の時間間隔でデータを集め、活性化した状態で透過度を測定し、式:ΔOD=log(%Tb/%Ta)(式中、%Tbは、脱色した状態での透過率の%であり、%Taは、活性化した状態での透過率の%であり、対数は底が10である)にしたがって光学密度の変化を計算した。明所(Phot)の波長ならびに平均が440nmおよび570nmの波長で測定を行い、表1に報告している。
消光半減時間(T1/2)は、試験サンプル中のフォトクロミック化合物の活性化形態のΔODが、15分後に測定したΔODの半分に達する秒単位での時間間隔であるか、または、飽和またはほぼ飽和に達した後に、室温で活性化光の光源を除去した(例えば、シャッターを閉じることによって)後にΔODの半分に達する秒単位での時間間隔である。
実施例1〜4およびCE1〜6の結果を表1に列挙している。それぞれの波長について、実施例1〜4のΔODは、CE1〜6の値よりも大きい。
Figure 2014523541
本発明を、特定的な実施形態の具体的な詳細を参照して記載してきた。このような詳細は、添付の特許請求の範囲に含まれる程度を除き、本発明の範囲を限定するとみなされることを意図していない。

Claims (32)

  1. フォトクロミック物品であって、
    基材と;
    第1のピーク吸光度波長と第1の末端最小吸光度波長を有する第1のフォトクロミック化合物を含み、前記第1の末端最小吸光度波長が、前記第1のピーク吸光度波長よりも長い波長であり、前記基材の上に配置されている、プライマー層と;
    第2のピーク吸光度波長と第2の末端最小吸光度波長を有するフォトクロミック−二色化合物を含み、前記第2の末端最小吸光度波長が、前記第2のピーク吸光度波長よりも長い波長であり、前記プライマー層の上に配置されている、フォトクロミック−二色層とを含み、
    前記第2のピーク吸光度波長が、前記第1のピーク吸光度波長よりも小さく、前記第2の末端最小吸光度波長が、前記第1の末端最小吸光度波長よりも小さく、
    さらに、前記フォトクロミック−二色化合物が、前記第1のピーク吸光度波長で0.1以下の吸光度を有する、フォトクロミック物品。
  2. 前記第2の末端最小吸光度波長が、以下の数式
    (前記第1のピーク吸光度波長)×1.05
    によって計算される第1の重複波長値以下である、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  3. 前記第2の末端最小吸光度波長が、以下の数式
    (前記第1のピーク吸光度波長)×1.025
    によって計算される第1の重複波長値以下である、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  4. 前記第2の末端最小吸光度波長が、前記第1のピーク吸光度波長以下である、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  5. 前記第1のピーク吸光度波長、前記第1の末端最小ピーク吸光度波長、前記第2のピーク吸光度波長、および前記第2の末端最小波長は、それぞれ独立して、300nm〜780nmから選択される、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  6. 前記第1のピーク吸光度波長、前記第1の末端最小ピーク吸光度波長、前記第2のピーク吸光度波長、および前記第2の末端最小波長は、それぞれ独立して、300nm〜500nmから選択される、請求項5に記載のフォトクロミック物品。
  7. 前記第1のピーク吸光度波長は、400nm〜420nmから選択され、前記第2のピーク吸光度波長は、350nm〜370nmから選択され、前記第2の末端最小吸光度波長は、以下の数式
    (前記第1のピーク吸光度波長)×1.05
    から計算される第1の重複波長値以下である、請求項6に記載のフォトクロミック物品。
  8. 前記プライマー層は、ポリウレタン結合を含む有機マトリックスをさらに含む、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  9. 前記フォトクロミック−二色層は、異方性材料をさらに含む、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  10. 前記異方性材料が液晶材料を含む、請求項9に記載のフォトクロミック物品。
  11. 前記フォトクロミック−二色化合物が、少なくとも部分的に整列している、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  12. 前記フォトクロミック−二色層は、
    少なくとも部分的に順に並んだマトリックス相と、
    少なくとも部分的に順に並んだゲスト相と
    を含む相分離したポリマーをさらに含み、
    前記ゲスト相は、前記フォトクロミック−二色化合物を含み、前記フォトクロミック−二色化合物は、前記ゲスト相の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列している、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  13. 前記フォトクロミック−二色層は、
    少なくとも部分的に順に並んだ異方性材料と、
    ポリマー材料と
    を含む、相互に貫入するポリマー網目構造をさらに含み、
    前記異方性材料は、前記フォトクロミック−二色化合物を含み、前記フォトクロミック−二色化合物は、前記異方性材料の少なくとも一部と少なくとも部分的に整列している、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  14. 前記フォトクロミック−二色層は、染料、アライメント促進剤、速度向上添加剤、光開始剤、熱開始剤、重合阻害剤、溶媒、光安定化剤、熱安定化剤、離型剤、レオロジー制御剤、レベリング剤、遊離ラジカル捕捉剤、および接着促進剤から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  15. 前記フォトクロミック−二色層は、アゾメチン、インジゴイド、チオインジゴイド、メロシアニン、インダン、キノフタロン系染料、ペリレン、フタロペリン、トリフェノジオキサジン、インドロキノキサリン、イミダゾ−トリアジン、テトラジン、アゾ染料および(ポリ)アゾ染料、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノンおよび(ポリ)アントラキノン、アントラピリミジノン、ヨウ素およびヨウ素酸塩から選択される少なくとも1つの二色材料をさらに含む、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  16. 前記第1のフォトクロミック化合物および前記フォトクロミック−二色化合物が、それぞれ独立して、インデノ縮合ナフトピラン、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、スピロフルオレノ[1,2−b]ピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン、フルオランテノピラン、スピロピラン、ベンゾオキサジン、ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオランテノオキサジン、スピロ(インドリン)キノキサジン、フルギド、フルギイミド、ジアリールエテン、ジアリールアルキルエテン、ジアリールアルケニルエテン、熱可逆性のフォトクロミック化合物、非熱可逆性のフォトクロミック化合物、およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  17. 前記プライマー層と前記フォトクロミック−二色層との間に挟まれたアライメント層をさらに含み、前記フォトクロミック−二色化合物が、少なくとも部分的に整列している、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  18. 紫外光吸収剤を含むトップコート層をさらに含み、前記トップコート層が、前記フォトクロミック−二色層の上に存在する、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  19. ハードコート層をさらに含み、前記ハードコート層が前記トップコート層の上に存在する、請求項18に記載のフォトクロミック物品。
  20. 前記フォトクロミック物品が、眼科用物品、ディスプレイ物品、窓、鏡、アクティブ液晶セル物品、およびパッシブ液晶セル物品から選択される、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  21. フォトクロミック物品が、矯正レンズ、非矯正レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、保護レンズ、および遮光板から選択される、請求項20に記載のフォトクロミック物品。
  22. ディスプレイ物品が、スクリーン、モニタ、およびセキュリティエレメントから選択される、請求項20に記載のフォトクロミック物品。
  23. 基材が、着色していない基材、着色した基材、フォトクロミック基材、着色したフォトクロミック基材、および直線偏光性基材から選択される、請求項1に記載のフォトクロミック物品。
  24. フォトクロミック物品であって、
    基材と;
    第1のピーク吸光度波長と第1の末端最小吸光度波長を有する第1のフォトクロミック化合物を含み、前記第1の末端最小吸光度波長が、前記第1のピーク吸光度波長よりも長い波長であり、前記基材の上に配置されている、プライマー層と;
    第2のピーク吸光度波長と第2の末端最小吸光度波長を有するフォトクロミック−二色化合物を含み、前記第2の末端最小吸光度波長が、前記第2のピーク吸光度波長よりも長い波長であり、前記プライマー層の上に配置されている、フォトクロミック−二色層と;
    第3のピーク吸光度波長と第3の末端最小吸光度波長を有する第2のフォトクロミック化合物を含み、前記第3の末端最小吸光度波長が、前記第3のピーク吸光度波長よりも長い波長であり、前記フォトクロミック−二色層の上に配置されている、トップコート層とを含み、
    前記第2のピーク吸光度波長が、前記第1のピーク吸光度波長より短く、前記第2の末端最小吸光度波長が、前記第1の末端最小吸光度波長より短く、前記第3のピーク吸光度波長が、前記第2のピーク吸光度波長より短く、前記第3の末端最小吸光度波長が、前記第2の末端最小吸光度波長より短く、
    さらに、前記フォトクロミック−二色化合物は、前記第1のピーク吸光度波長で0.1以下の吸光度を有し、
    前記第2のフォトクロミック化合物は、前記第2のピーク吸光度波長で0.1以下の吸光度を有する、フォトクロミック物品。
  25. 前記第2の末端最小吸光度波長が、以下の数式
    (前記第1のピーク吸光度波長)×1.05
    によって計算される第1の重複波長値以下であり、
    前記第3の末端最小吸光度波長が、以下の数式
    (前記第2のピーク吸光度波長)×1.05
    によって計算される第2の重複波長値以下である、請求項24に記載のフォトクロミック物品。
  26. 前記第2の末端最小吸光度波長が、以下の数式
    (前記第1のピーク吸光度波長)×1.025
    によって計算される第1の重複波長値以下であり、
    前記第3の末端最小吸光度波長が、以下の数式
    (前記第2のピーク吸光度波長)×1.025
    によって計算される第2の重複波長値以下である、請求項24に記載のフォトクロミック物品。
  27. 前記第2の末端最小吸光度波長は、前記第1のピーク吸光度波長以下であり、前記第3の末端最小吸光度波長は、前記第2のピーク吸光度波長以下である、請求項24に記載のフォトクロミック物品。
  28. 前記第1のピーク吸光度波長、前記第1の末端最小ピーク吸光度波長、前記第2のピーク吸光度波長、前記第2の末端最小波長、前記第3のピーク吸光度波長、および前記第3の末端最小波長が、それぞれ独立して、300nm〜780nmから選択される、請求項24に記載のフォトクロミック物品。
  29. 前記第1のピーク吸光度波長、前記第1の末端最小ピーク吸光度波長、前記第2のピーク吸光度波長、前記第2の末端最小波長、前記第3のピーク吸光度波長、および前記第3の末端最小波長が、それぞれ独立して、300nm〜500nmから選択される、請求項28に記載のフォトクロミック物品。
  30. 前記第1のピーク吸光度波長が、400nm〜420nmから選択され、
    前記第2のピーク吸光度波長が、350nm〜370nmから選択され、
    前記第3のピーク吸光度波長が、310nm〜330nmから選択され、
    さらに、前記第2の末端最小吸光度波長が、以下の数式
    (前記第1のピーク吸光度波長)×1.05
    によって計算される第1の重複波長値以下であり、
    前記第3の末端最小吸光度波長が、以下の数式
    (前記第2のピーク吸光度波長)×1.05
    によって計算される第2の重複波長値以下である、請求項29に記載のフォトクロミック物品。
  31. 前記第1のフォトクロミック化合物、前記フォトクロミック−二色化合物、および前記第2のフォトクロミック化合物は、それぞれ独立して、インデノ縮合ナフトピラン、ナフト[1,2−b]ピラン、ナフト[2,1−b]ピラン、スピロフルオレノ[1,2−b]ピラン、フェナントロピラン、キノリノピラン、フルオランテノピラン、スピロピラン、ベンゾオキサジン、ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(インドリン)フルオランテノオキサジン、スピロ(インドリン)キノキサジン、フルギド、フルギイミド、ジアリールエテン、ジアリールアルキルエテン、ジアリールアルケニルエテン、熱可逆性のフォトクロミック化合物、非熱可逆性のフォトクロミック化合物、およびこれらの混合物から選択される、請求項24に記載のフォトクロミック物品。
  32. 前記トップコート層が、紫外光吸収剤をさらに含む、請求項24に記載のフォトクロミック物品。
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