図1は一部の実施態様による喫煙品を示している。この喫煙品は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、またはタバコ代替え品、および加熱非燃焼製品(材料を加熱するが燃焼せず喫煙材料から香りが発生する製品)に基づいているか否かに関わらず、紙巻きタバコ、葉巻、またはシガリロのようなものでよい。便宜上、本明細書ではこれらを「喫煙品」とする。喫煙品10は、タバコでもよい喫煙材源11を含む第1の部分を備える。喫煙材源11はタバコロッドの形態をしており、一部の態様では第1のフィルター12がタバコロッドに取り付けられている。タバコロッドおよび第1のフィルター12は、例えば従来から知られているチッピング紙で形成された被覆層で連結されて第1のフィルターをタバコロッドに連結している。タバコロッドおよび第1のフィルターはタバコユニットと呼んでもよい。長尺のタバコロッドおよび第1のフィルターは喫煙品の長軸を規定する。
喫煙品の第2の部分はタバコロッド11および/または第1のフィルター12の周囲を囲んで延びる円筒管の形態のスリーブ13を備える。スリーブ13は例えば円筒のような管に形成してもよく、一部の態様では紙で形成される。タバコロッドおよび第1のフィルターはスリーブ13内で長軸周りに一単位として回転するように寸法が決められる。拘束手段(図示せず)によって第1の部分および第2の部分が、固定された長手方向の配置に保持され、喫煙品がばらばらにならないようにしている。即ち、第1の部分は第2の部分に対し長手方向には移動できず、スリーブはタバコユニットに対し長手方向には動けない。
第2の部分は必要に応じて、第2のフィルター14をスリーブ13の吸い口端に、第1のフィルター12に隣接してまたはそれと連結してさらに備えてもよい。第2のフィルター14はスリーブ内に確実に取り付けられ固定されている。第1および/または第2のフィルターは従来のフィルター材、例えばセルロースアセテートトウで作られ、シート材、具体的には例えばプラグラッパーのような紙で包まれてもよい。
タバコロッド11および取り付けられた第1のフィルター12は、チッピング紙(図示せず)で連結されると説明されている。チッピング紙は標準的なチッピング紙でもよく、または比較的厚く凹みが付けられたチッピング紙でもよく、または厚紙類のチッピング紙でもよい。あるいは、任意材料で作られた管でフィルター材料を喫煙材源に取り付けてもよい。具体的には、そのような管はプラスチック材料、例えばコーンスターチ(corn starch)製のプラスチックで作ってもよい。これとは別に管はセラミック材料で作ってもよい。あるいは、管は箔、金属、または金属蒸着紙で作ってもよい。
喫煙品は喫煙品の換気を調節できるように構成された換気システム(図示せず)を備えてもよい。換気システムは1つ以上の換気領域を備え、第1の部分と第2の部分の一方またはそれぞれに換気用開口部を備えるまたは通気性材料で構成される。一部の態様では、第1および/または第2のフィルターの周りのスリーブおよびシート材の層の換気用開口部が位置合わせされると、空気が第1および/または第2のフィルターの本体に流入することができる。換気は、第2の部分の第1の部分に対する位置を選択することによって選択され、制御機構によって制御される。制御機構は、選択された位置への移動またはそこからの移動を示す可聴音を発してもよい。
制御機構は割送り機構の形態であり、スリーブ13とタバコユニット11、12の間の回転を制御するように構成されている。割送り機構はタバコユニットに第1の割送り部(または面)18を備え、これがスリーブ13の第2の割送り部(または面)19に係合する。タバコユニット11、12はその後方端、例えば第1のフィルター12の周りに第1の割送り部18を備え、スリーブ13で囲まれている。
スリーブ13はタバコユニット11に対し複数の所定の割送り回転位置へ回転することができる。割送り位置の間隔は狭く、段階的な移動を提供している。本発明の割送り機構によってある角度の回転ができ、それを細かく制御し維持してもよい。割送り機構によって、回転の制限範囲内に少なくとも3箇所または少なくとも5箇所または7箇所の、例えば90度または120度の多数の割送り位置が提供される。
第1の群の実施態様では、第1の割送り部18は複数の凹みを有してもよく、これらに第2の割送り部の突出した微細構造が係合できる。一部の態様では、凹みは波形の外面を形成してもよい。具体的には、第1の割送り部18は滑らかではない外面を有し、一部の実施例では凸条で分離された複数の凹みを備えている。例えば凹みは、細長い溝であって凸条で分離され実質的に長手方向に延びていてもよい。一部の態様では、細長い溝はフィルター部の外側に形成され、必要に応じてフィルター部の全長に延びている。喫煙品は1つ以上のフィルター部を備え、その1つ以上のフィルター部が上記の凹みを備えている。複数の凸条および溝は、急に変化するのではなく、ある半径で滑らかに曲がる波状外面を画定してもよい。隣接した凹みの間の凸条は曲率半径が実質的に一定の曲がった形状でもよい。隣接した凹みの間の凸条は、隣接した凹みの間に係合する微細構造の移動に対する抵抗が最大である円周上の1点を画定する。これとは別に溝は湾曲した波形の形状に形成してもよい。隣接した凹みの間の凸条の形状は、尖っていても、曲げられていても、あるいは先細りしていてもよく、必要に応じて最大半径を有する実質的に鋭い点を有してもよい。隣接した凹みの間の凸条は、隣接した凹みの間に係合する微細構造の移動に対しする抵抗が最大である円周上の1点を画定する。一部の実施例では、凸条は弾性変形することができるため、係止爪が凸条を越えて移動することができる。
別の実施例では、割送り移動の方向の凸条の範囲は、隣接した凹みの範囲よりも狭い。具体的には、周方向の凸条の範囲は隣接した凹みの周方向の範囲より狭い。一部の実施例では、凸条は、円周が最大に拡大した所即ち凸条の先端に、実質的に平坦な領域を有することができる。先端の平坦な領域は実質的に周方向に広がる。先端の平坦な領域の周方向の範囲は隣接した凹みの周方向の範囲よりも狭い。一部の態様では、実質的に平坦な領域の範囲は比較的狭く、そのため凸条は第2の割送り面の移動に対し抵抗が最大である点を実質的に1点提供する。別の態様では、凸条の1つ以上の側部は半径方向に対しある角度で延びている。具体的には、長手方向に延びる凸条の場合、凸条の長手方向に延びる側部は半径方向に対しある角度だけ傾斜している、または角度が付けられている。
この形状によって、第1および第2の部分が相対的に回転するときに大きな音が発生し、明瞭な可聴音で換気が変更されたことを知らせる。
第1の割送り部は喫煙品の第1の部分の任意の外面に形成してもよい。具体的には、第1の割送り部18は第1のフィルター12を取り囲む管状の割送り部材に形成してもよい。フィルターを取り囲む管状の割送り部材は、フィルターを形成するフィルター材およびプラグラッパーから独立しており、必要に応じてフィルターをタバコロッドに連結していてもよい。第1の割送り部18を画定している管状の割送り部材は、上述の凹みおよび/または突起があるセルロースアセテートフィルムの円筒または紙スリーブでもよく、フィルターに接着剤で取り付けられていてもよい。第1の割送り部の微細構造は、割送り部材が管に形成される前の、フィルター、フィルター材、および/またはタバコロッドに取り付けられる前のブランクであるときに形成される。本明細書中の「フィルム」とは、広く任意の種類の層、シート材、または材料の様相を意味するものとする。また、管は説明した任意の材料でよい。
割送り溝および凸条はタバコユニットの全周の周りに延びてもよく、またはタバコユニットの周囲の一部の周りだけに延びてもよい。割送り溝および凸条は割送り部材の全長に延びてもよく、または長さの一部だけに延びてもよい。
これとは別に第1の割送り部18は、湾曲して半径方向を向いているフィルターの外面に形成される。外面に割送り部があるフィルターは、例えば長手方向に延びる円筒状に形成されたフィルター材で構成される。フィルター材は任意の既知のフィルター材であり、具体的にはセルロースアセテートトウで形成されている。フィルター材は柔軟な材料の1枚以上のシート材で包まれている。一部の態様では、シート材は、紙またはプラスチック材料または重合体、多糖、例えばセルロースアセテート、ポリプロピレンまたはポリエチレン(PE)、セルロース、再生セルロース、または、セルロースアセテートおよび/またはポリプロピレンおよび/またはポリエチレン(PE)および/またはインクおよび/または接着剤を含まない任意のプラスチック材料または重合体であり、既知のプラグラッパーでもよい。例えば、第1の割送り面は、セルロースアセテートおよび/またはポリプロピレンを含まない重合体材料を含む。シート材はフィルター材の円筒の湾曲した態様の周りに延びている。シート材は、第1の割送り部の溝および凸条を画定する連続した外面を形成または支持している。シート材は変形されて溝および凸条を形成し、溝および凸条の形状がシート材に永久に維持されるように処理される。シート材は、溝および凸条を画定するように形成された後にフィルター材の周りに巻かれる。シート材のプラグラッパーを切断して溝を画定することはない。シート材は型押し、押し出し、押圧、または任意の形態の圧力を加えることによって変形させてもよく、具体的にはローラーの使用がある。シート材は凹みの形成中に加熱されてもよい。
フィルター材を包んでいるシート材は必要に応じてフィルムで包んでもよい。フィルムは複数の溝を規定する連続した外面を提供する。フィルムはプラスチック材料でもよく、具体的には重合体、例えばポリプロピレンまたはポリエチレン(PE)でもよい。フィルムは透明でも不透明でもよい。プラスチックまたは重合体のフィルムがもたらす外面は、単独の支持紙に形成された溝および凸条よりも剛性が高い即ち硬い外面でもよい。そのフィルムは、溝および凸条が回転中に割送り機構の係合部に接触することによって滑らかになるのを防ぐ。フィルムは、紙のプラグラッパーに形成済みの溝および凸条に適用される。あるいは、フィルムは積層体でもよく、例えばセルロース(再生セルロース)またはセルロースアセテートのような非紙材料がある。一部の実施例では、非紙材料を紙に接着した後に溝を加工してもよい。
これとは別に第1の割送り面は、フィルター材の周りに紙の層無しに直接巻かれた比較的高剛性の、即ち比較的硬い材料で構成される。比較的高剛性の即ち比較的硬い材料は上記任意の材料でもよく、例えば、プラスチック材料、バイオプラスチック材料、重合体材料、例えばセルロースアセテート、セルロースフィルム、再生セルロースフィルム、多糖、または、セルロースアセテートおよび/またはセルロースおよび/またはポリプロピレンおよび/またはインクまたは接着剤を含まないプラスチック材料、または、セルロースアセテート、セルロースおよび/またはポリプロピレンおよび/またはインクまたは接着剤および/または紙を含まない重合体でもよい。
任意の実施態様のシート材は上記材料のいずれでもよく、これには次の群の別の任意材料を含まない。例えばセルロースアセテートを含まない再生セルロース、またはセルロースアセテートを含まない多糖。比較的高剛性の材料は従来の紙のプラグラッパーよりも高剛性であり、または従来紙からなるプラグラッパーで包まれたフィルターよりも大きな硬度を提供する。比較的高剛性の材料はシート材の形態を取り、必要に応じてフィルター材の周りに直接巻かれている。高剛性のシート材は第1の割送り面を画定する。外面の剛性が予め高く設定されているため、割送り機構が一つの割送り位置から次へ移動するときに大きな音が生じる。
スリーブ13は第2の割送り部19を備える。第2の割送り部19はスリーブ13内に配置され、第1の割送り部18に係合可能な1つ以上の微細構造を有する。第2の割送り部19は第1の割送り部18に係合可能な1つ以上の突起を有する。この1つ以上の突起は、第1および第2の部分が互いに相対回転するときに大きな音を発生させ、換気が変更されたことを明瞭な可聴音で知らせる形状を有する。第1の群の実施態様では、突起は1つ以上の係止爪を備えてもよく、その係止爪はシート材の1層以上で形成され、スリーブ13から半径方向内向きに延びるように折り曲げられている。「係止爪」は任意の種類の突起を意味し、割送り部に係合して2方向の割送り移動を可能にすることができるものである。第2の部分に対する第1の部分の相対移動は回転でもよく、割送り機構によって時計回りおよび反時計回りの割送り回転が可能になるようなものであればよい。あるいはその移動は長手方向であってもよく、割送り機構によって軸方向の前進および後退割送り摺動が可能になるようなものであればよい。
スリーブ13の回転には各所定位置で音、例えばクリック音を伴う。この音は一般に可聴音でもよい。割送り機構は、十分な力が加えられて各部が割送り位置へ回転しない限り、喫煙品の第1および第2の部分の間の回転に抵抗するように機能する。割送り機構は第1および第2の部分が回転したという反応または手応えを使用者に与え、それは例えば割送り移動する時の感触の形態および/または各割送り位置に係合するときの音の形態を取る。第1および/または第2の割送り部18、19または別の制限機構によって、回転は90〜180度の間の範囲に制限されてもよく、具体的には約90〜120度の範囲に限定されてもよい。これとは別に割送り機構によって回転は所定の回転範囲に限定されない。
スリーブ13はタバコユニットを越えて前方へ動かないように制限されてもよい。第2の割送り部19はタバコユニットの一部に係合するように構成されている。第2の割送り部19の凸条はスリーブの長さの一部にだけに延び、前縁部は第1の割送り部18の溝よりも半径が大きいタバコユニットの一部に係合する。具体的には、第2の割送り部19の前縁部は、第1の割送り部18の前方の、溝が無く第2の割送り部19の突起よりも大きな半径のタバコユニットの一部に係合する。
喫煙品10はタバコロッドに取り付けられた第1のフィルター12、およびスリーブ13に取り付けられた第2のフィルター14を有するように説明されている。これとは別に喫煙品はタバコロッドに取り付けられた第1のフィルターだけを備えて、スリーブにはフィルターが取り付けられていないようになっていてもよい。あるいは、喫煙品はスリーブに取り付けられた第2のフィルターだけを備えて、タバコユニットにフィルターが含まれないようになっていてもよい。
第1の群の制御機構の実施態様について図2〜10を参照して説明する。喫煙品の構造は、特にことわりが無いかぎりこれまでの説明どおりである。
図2は第1の群の割送り機構の第1の実施態様を有する喫煙品20を示している。喫煙品20はタバコロッド21、第1のフィルター22、および第2のフィルター24を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク23は、先に説明したような円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。
第1の割送り部28は上記の第1の割送り部18と同じである。第2の割送り機構は第1の割送り部28に係合可能な係止爪29を備えて割送り機構を形成している。係止爪29は係止爪部27に形成されており、シート材の細片で形成されており、これについて以下にさらに詳細に説明する。シート材27は、ほぼ三角形断面の凸条がスリーブ23から突出するように形成されている。この起立した凸条は角張った頂点を画定する。突出した凸条は、シート材の細片27の全幅に即ち長手方向全体に延び、係止爪は、係止爪が係合する第1の割送り部28の凸条に平行に長手方向に延びるように配置されている。係止爪は、例えば型の中で折り曲げる、またはひだ付けして形成される。係止爪は、割送り位置の間の移動の方向の中で、抵抗が最大の点を実質的に1つ提供するように構成されている。そのように、係止爪は、最大抵抗を乗り越えると次の割送り位置に瞬時に移動するように構成されている。係止爪は係合縁部(即ち鋭い頂部)を画定し、第1の係合面と共に割送りを行うように構成されている。係合(接触)縁部は細長く、割送り移動の方向に実質的に垂直な方向に延びている。例えば「細長い」は、凸条(または溝)が割送り移動の方向に垂直に即ち長手方向に、凸条(または溝)の周期即ち隣り合う凸条または溝の間の間隔よりも少なくとも2倍または少なくとも3倍長く延びることを意味する。細長い接触縁部は、割送り位置の間の移動中は、第1の割送り面の細長い凸条に係合するように構成されている。例えば「細長い」は、係止爪の細長い縁部が、割送り移動の方向に垂直に、例えば長手方向に凸条(または溝)の周期よりも少なくとも1.5倍または少なくとも2倍または少なくとも3倍長く延びていることを意味するとしてもよい。あるいは、係止爪の細長い縁部は、割送り移動の方向に垂直に、割送り移動の方向の係止爪の幅よりも少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、または少なくとも3倍長く延びている。
一部の態様では、この縁部は第1および第2の起立部分の間の接続部に形成されている。この縁部は、第1および第2の起立部分を形成している材料の、例えばシート材の、折り目またはひだでもよい。この折り目またはひだ、角度範囲が例えば90度未満または40度未満または30度未満のように鋭角である係止爪の遠位点即ち先端を画定する。この鋭い頂部は半円形状の係止爪と対照的に鋭利と考えることができる。具体的には、係止爪は1つ以上の隅を画定する。一部の態様では、三角の係止爪は、材料に3つの隅(折り目または折り曲部げで画定される)を備える。一部の実施例では、係止爪は1つ以上の全体に平坦なまたは薄板の部分を備える。シート材は係止爪を形成する材料の一例である。これとは別に任意の実施態様の係止爪はシート材で形成されない。係止爪は3次元物体として、例えば型成形によって形成することもできる。係止爪は1つ以上の全体に平坦な部分、即ち実質的に平坦に広がる部分を備える。別の態様では、係止爪はシート材即ち実質的に均一な厚さを有する材料の1つ以上の部分を備える。シート材は平面内に広がってもまたは湾曲してもよい。平坦なまたは薄板の部分は少なくとも部分的に放射状に広がって第1の割送り面に係合する。一部の実施例では、係止爪は割送り移動方向に垂直な方向に実質的に均一な断面を有する。具体的には、係止爪は、割送り回転が行われるときに長手方向に均一な断面を有する。一部の実施例では、係止爪の断面(例えば三角形断面)は外面に開放空間を規定する。これとは別に例えば三角断面の係止爪は中実材料で形成される。
係止爪および/または係止爪を画定する1つ以上の部分は半径方向に細長い。具体的には、係止爪および/または1つ以上の部分の半径方向の範囲は周方向の範囲よりも広い。例えば、係止爪および/または1つ以上の部分は、半径方向の範囲が周方向の範囲よりも1.2倍、1.5倍、1.7倍、または2倍広い。別の態様では、係止爪および/または係止爪を画定する1つ以上の部分は、回転移動の移動方向に垂直な方向に即ち長手方向に細長い。具体的には、係止爪および/または1つ以上の部分のこの方向の範囲は、周方向の範囲よりも広い。係止爪の半径方向および長手方向の範囲は、実質的に薄板表面および/または実質的に平坦な薄板表面を画定する。これとは別に係止爪の1つ以上の部分は半径方向に湾曲または傾いている。
シート材の細片27はスリーブ23に例えば接着剤で貼り付けられており、一部の態様では凸条の各側部で貼り付けられて係止爪の三角断面を維持している。シート材の細片27はある長さだけ横方向に延びており、その長さはスリーブ23の幅(外周)よりも短い。シート材の細片27の幅即ち長手方向の範囲は、スリーブ23の長手方向の長さよりも狭い。凸条の幅は第1の割送り部28の幅とおおよそ同じかまたはそれよりもわずかに短い。
第2の割送り部は、リールからシート材を折り曲げて、間隔を置いて係止爪を形成し、そのシート材を切断してそれぞれ爪を有する細片27にし、1つの細片をシート材27のスリーブブランクに貼り付けることによって形成される。1つ以上のローラーを用いて細片27をスリーブ23に配置してもよい。次にスリーブブランク23は第2のフィルター24を囲む円筒管に形成される。これとは別にブランク細片27はそれぞれに係止爪を形成する前に切断してもよい。
図3は第1の群の割送り機構の第2の実施態様を有する喫煙品30を示している。喫煙品30はタバコロッド31、第1のフィルター32、および第2のフィルター34を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク33は先に説明したような円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。
第1の割送り部38は上記の第1の割送り部18と同じである。第2の割送り機構は第1の割送り部38に係合可能な係止爪39を備えて割送り機構を形成している。係止爪39は係止爪部37に形成され、シート材の細片で形成されており、これについて以下にさらに詳細に説明する。シート材37は、実質的に三角断面を有する凸条がスリーブ33から突出するように折り曲げられるまたはひだ付けされる。突出した凸条は、シート材の細片37の全幅に、即ち長手方向の範囲に延び、係止爪が係合する第1の割送り部38の凸条に平行に長手方向に延びるように配置されている。一部の実施態様では、係止爪部37はスリーブブランク33よりも短く、スリーブブランク33で重なり継ぎ目(lap seam)を形成して、ブランク33を係止爪部37が無い円筒スリーブ状に固定することができるようになっている。
シート材の細片37はスリーブ33に、例えば細片37の凸条を除く全面積に沿った接着剤で重ね合わされている。シート材の細片37はスリーブ33の全幅(外周)に横方向に延びている。シート材の細片37の幅即ち長手方向の範囲はスリーブ33の長手方向の長さよりも狭い。係止爪の長手方向の範囲は第1の割送り部38の長手方向の範囲とおおよそ同じかまたはそれよりもわずかに狭い。
第2の割送り部は、リールからシート材を折り曲げて、間隔を置いて係止爪を形成し、そのシート材を切断してそれぞれ係止爪を有する細片37にし、係止爪39が形成されたシート材37の細片の1つをスリーブブランクに重ねる(貼り付ける)ことによって形成される。1つ以上のローラーを用いて細片37をスリーブ33に配置してもよい。次にスリーブブランク33は、第2のフィルター34を囲む円筒管に形成される。これとは別にブランク細片37はそれぞれに係止爪が形成される前に切られてもよい。
図4は第1の群の割送り機構の第3の実施態様を有する喫煙品40を示している。喫煙品40はタバコロッド41、第1のフィルター42、および第2のフィルター44を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク43は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。
第1の割送り部48は上記の第1の割送り部18と同じである。第2の割送り機構は第1の割送り部48に係合可能な係止爪(図示せず)を備えて割送り機構を形成している。係止爪は環即ち係止爪部47に形成されており、これについて以下に、図20a〜29を参照してさらに詳細に説明する。環47は円筒管であって半径方向内向きに突出した係止爪を有する。環47は、その周りにスリーブ43が円筒管状に丸められる前に、第1の割送り部48に事前に組み立てられる。環の材料は折り曲げられるまたはひだ付けされて、実質的に三角断面を有する凸条の形態の係止爪が環43から内向きに突出するようになる。代わりに、係止爪は、スリーブブランクの長手方向の両縁を内向きに折り曲げ、向き合う面を重なり接合(lap joint)で接合することによって形成してもよい。この種類の係止爪を図10に示す。
これとは別に任意の種類の係止爪を環47の内面に形成してもよい。突出した係止爪は、シート材の細片47の全幅に即ち長手方向範囲に延び、係止爪は、自身が係合する第1の割送り部48の凸条に平行に長手方向に延びるように配置されている。
環47はスリーブ43に、例えば接着剤で貼り付けられ、接着剤は環47の周囲の一部または全体に塗られ、一部の態様では係止爪の位置には塗られていない。環47の幅はスリーブ43の長手方向の長さよりも短い。係止爪の長手方向の範囲は第1の割送り部48の長手方向の範囲とおおよそ同じか、それよりもわずかに狭い。
係止爪は環47のブランクに形成され、環47は第1の割送り部48の周りに形成され巻かれる。これについて、例えば図20a〜29で説明する。環47はスリーブ43が取り付けられる前に第2の割送り部48に先に組み立てられる。次にスリーブブランク43は、第2のフィルター24および環47を囲む円筒管に形成され、第2のフィルター24および環47に貼り付けられる。
図5は、第1の群の割送り機構の第4の実施態様を有する喫煙品50を示している。喫煙品50はタバコロッド51、第1のフィルター52、および第2のフィルター54を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク53は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。
第1の割送り部58は、先に説明した第1の割送り部18と同じである。第2の割送り機構は第1の割送り部58に係合可能な係止爪59を備えて割送り機構を形成している。係止爪59は係止爪部57に形成され、シート材の細片で形成されており、これについて以下にさらに詳細に説明を行う。シート材57は、係止爪がスリーブ53から突出する細片57の端部によって形成されるように、折り曲げられるまたはひだ付けされる。細片57のこの突出した端部は爪を画定し、これはスリーブ53の材料に対しほぼ垂直に延びてもよい。係止爪57はシート材の細片57の単一層である。突出した凸条は、シート材の細片57の全幅に即ち長手方向の範囲に延び、係止爪は、自身が係合する第1の割送り部58の凸条に平行に、長手方向に延びるように配置されている。
シート材の細片57は、起立した爪の片側でスリーブ53に例えば接着剤で貼り付けられる。シート材の細片57は横方向にスリーブ53の幅(外周)より短い長さに延びている。シート材の細片57の幅即ち長手方向の範囲は、スリーブ53の長手方向の長さより狭い。凸条の幅は第1の割送り部58の幅とおおよそ同じか、またはわずかに短い。
第2の割送り部は、リールからシート材を折り曲げて、間隔を置いて係止爪を形成し、そのシート材をそれぞれ係止爪を有する細片57に切断し、シート材の細片57をスリーブブランクに貼り付けることによって形成される。1つ以上のローラーを用いて細片57をスリーブ53に配置してもよい。次にスリーブブランク53は第2のフィルター54を囲む円筒管に形成される。これとは別にブランク細片57はそれぞれに係止爪が形成される前に切断してもよい。
図6は、第1の群の割送り機構の第5の実施態様を有する喫煙品60を示している。喫煙品60はタバコロッド61、第1のフィルター62、および第2のフィルター64を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク63は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。
第1の割送り部68は上記の第1の割送り部18と同じである。第2の割送り機構は、第1の割送り部68に係合可能な係止爪69を備えて割送り機構を形成している。係止爪69はスリーブ63の材料で形成されており、これについて以下にさらに詳細に説明を行う。例えば、スリーブの材料は積層体でもよい。
スリーブブランク63には突出した爪があり、この起立し突出した爪で係止爪が形成されるように折り曲げられている、またはひだ付けされている。係止爪69はスリーブ63の隣接する材料に対しほぼ垂直に延びてもよい。係止爪69はスリーブ63と一体的に形成されている。係止爪はスリーブ63を形成しているシート材の単一層である。突出した爪と折り曲げ部は、係止爪が、自身が係合する第1の割送り部68の凸条に平行に長手方向に延びるように配置されている。
スリーブブランク63は切り欠き67を備える。切り欠き67はスリーブブランク63の係止爪69と反対側の縁に配置されおり、係止爪69と同じ寸法を有する。スリーブブランク63は実質的に矩形で、一致する突出した爪69と切り欠き67をさらに備えている。スリーブブランク63はシート材の細長い片から切り取られ、切り欠き67の部分の材料が、切り取られたスリーブブランク63に爪69を形成している。
係止爪69の長手方向の範囲はスリーブ63の長手方向の長さよりも狭く、係止爪69はスリーブ63の前端と後端の間に配置されている。係止爪69の長手方向の範囲は、第1の割送り部68の長手方向の範囲とおおよそ同じか、またはそれよりもわずかに狭い。
スリーブブランク63は、形成されブランクを切断して形成される。第2の割送り部はブランクを折り曲げて係止爪を形成するように形成される。次にスリーブブランク63は、第2のフィルター64を囲む円筒管に形成され、この円筒管に半径方向内向きに延び第1の割送り部に係合する係止爪が設けられる。
係止爪69はスリーブの長手方向の両端の間に配置されていると説明してきた。これとは別に係止爪69はスリーブの長手方向の一端まで延びていても、あるいはスリーブの長手方向の両端まで延びていても、つまりスリーブの全長に延びていてもよい。あるいは、これとは別にまたはそれに加えて、スリーブブランク63は切り欠き67を備えていなくてもよい。
図7aおよび7bは、第1の群の割送り機構の第6の実施態様を有する喫煙品70を示している。喫煙品70はタバコロッド71、第1のフィルター72、および第2のフィルター74を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク73は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。
第1の割送り部78は上記の第1の割送り部18と同じである。第2の割送り機構は第1の割送り部78に係合可能な係止爪79を備えて、割送り機構を形成している。係止爪79はスリーブ73の材料で形成されており、これについて以下にさらに詳細に説明を行う。
重なり合ったまたは折り曲げられた部分77は、基板の上に重なり部分を形成している。この重なりは二重補強部、即ち折り返されている部分であり、複数の折り曲げ部で形成してもよい。係止爪は重なり部分の一部だけで形成され、起立するように構成されている。重なり部分は必要に応じてスリーブ73の実質的に全幅に延び、重なり部分は、係止爪が係合する第1の割送り部78の凸条に平行に長手方向に延びるように配置されている。スリーブが折り曲げられる前または後に、スリーブ73は切り込み線76a、76bの位置で重なり部分に対し垂直に切断される。2つの切り込み線76a、76bは重なり部分77の平行な切り込みであって係止爪を画定し、この切り込みは重なり部分を形成する折り曲げ部の間を延びている。係止爪は基板の面から起立方向に延びている。一部の実施態様では、係止爪79の両側の重なり部分77は、スリーブ73の隣接部分に当たるまで折り曲げられる。係止爪は起立方向に保持される。
スリーブブランク73は起立した係止爪79を有し、係止爪79はスリーブ73の隣接する材料に対しほぼ垂直に延びていてもよい。係止爪79はスリーブ73と一体的に形成されている。係止爪はスリーブ73を形成しているシート材の二重層である。突出した爪と折り曲げ部は、係止爪が、自身が係合する第1の割送り部78の凸条に平行に長手方向に延びるように配置されている。
係止爪79の長手方向の範囲はスリーブ73の長手方向の長さよりも狭く、係止爪79はスリーブ73前端と後端の間に配置されている。係止爪79の長手方向の範囲は第1の割送り部78の長手方向の範囲とおおよそ同じか、またはそれよりもわずかに狭い。
図7bは、重なり部分77をさらに詳細に示しており、第1の層77aおよび第2の層77bを備える。起立した凸条は平行な折り曲げ部75a、75b、および凸条頂点の折り曲げ部75cで形成されている。スリーブ73の平行な切り込みは折り曲げ部75a、75bの間、即ち折り曲げ部77a、77bの範囲全体に延びている。第2の部分77bは図示のように、スリーブブランク73の第1の部分77aの下側(スリーブの外側になる)に折り返されている。これとは別に第2の部分77bは第1の部分77aを覆い、第1の部分77a(図示せず)(スリーブの内側になる)の上面に折り返されてもよい。
係止爪79は、自身がスリーブ73と一体的に結合されている折り曲げ部75aから上方に延びている。係止爪79の材料は折り曲げ部75bでスリーブ73に一体的に連結されてもよい。これとは別に図7bに示すように、折り曲げ部75bに沿って係止爪79の長手方向の範囲に、追加の切り込みが入れられる。係止爪79は単に折り曲げ部75aに沿ってスリーブ73に連結される。
これとは別に同じ構成の係止爪79が別の方法で形成される。スリーブ73は、折り曲げ部75bおよび75cに沿った折り曲げによって折り返されて重なり部分77を形成するが、折り曲げ部75aでは折り曲げない。スリーブを折り曲げる前または後に、折り曲げ部77a、77bまで2つの平行な切り込み76a、76bが入れられて係止爪を画定する。係止爪79は、起立した方向に折り曲げ部75aに沿って折り曲げられ、係止爪79の両側の重なり部分77は、スリーブ73の隣接部分に当たった状態で保持される。
スリーブブランク73は実質的に矩形の形態に切断される。次に、スリーブブランクが切られて係止爪79を画定する。第2の割送り部は上記のようにスリーブブランクを折り曲げることによって形成されて係止爪79を形成し、そのとき重なり部分77の残りの部分は、周囲のスリーブに当接して、即ち平坦に保持される。次にスリーブブランク73は第2のフィルター74を囲む円筒管に形成され、このとき係止爪は半径方向内向きに延び第1の割送り部に係合している。
図8aは、第1の群の割送り機構の第7の実施態様を有する喫煙品80を示している。喫煙品80はタバコロッド81、第1のフィルター82、および第2のフィルター84を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク83は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。
第1の割送り部88は上記の第1の割送り部18と同じである。第2の割送り機構は、第1の割送り部88に係合可能な1つ以上の係止爪を備えて割送り機構を形成している。係止爪89a、89bはスリーブ83の材料で一体的に形成されており、これについて以下にさらに詳細に説明を行う。
スリーブブランク83は1箇所以上の位置で切られて1つ以上の係止爪を画定している。一部の態様では、スリーブは周方向に間隔を置いて配置された2個の係止爪を備え、それぞれ第1の係止爪89aおよび第2の係止爪89bである。
第1の係止爪89aはスリーブブランク83の切り込み線86aで画定されている。切り込み線86aはスリーブブランクの爪を画定し、1本の折り線87aで残りのブランクに繋がったままになっている。一部の実施例では、係止爪89aは実質的に矩形であり、切り込み線86aは矩形の係止爪89aの材料の3辺に延びている。矩形の係止爪の残りの辺は折り線87aで画定されている。係止爪89aの折り線87aと反対側の縁部は、第1の割送り部に係合するように構成されており、直線でもよく、長手方向に延びている。起立し突出した爪で係止爪が形成されるように、爪は折り線87aに沿って折り曲げられる。
第2の係止爪89bは第1の係止爪89aと同様の方法で実質的に同時に形成される。第2の係止爪89bはスリーブブランク83の切り込み線86bで画定される。切り込み線86bはスリーブブランクに爪を画定し、折り線87bで残りのブランクと繋がったままになっている。一部の実施例では、係止爪89bは実質的に矩形で、切り込み線86bは矩形の係止爪89bの3辺に延びている。矩形の係止爪の残りの辺は折り線87bで画定されている。係止爪89bの折り線87bと反対側の縁は第1の割送り部に係合するように構成されており、直線でもよく、長手方向に延びている。起立した突出した爪で係止爪が形成されるように、爪は折り線87bに沿って折り曲げられる。
係止爪89a、89bは同じ寸法を有し、長手方向に互いにおよび第1の割送り部と位置合わせされている。折り線87a、87bが係止爪89a、89bの反対側にあるため、係止爪89a、89bは上方に互いに反対の方向に折り曲げられている。係止爪は一方向だけに回転可能なように、即ち単一方向の移動ができるように構成してもよい。
係止爪89a、89bは、スリーブ83の隣接する材料に対しほぼ垂直に延びてもよい。係止爪89a、89bはスリーブ83と一体的に形成される。係止爪89a、89bはそれぞれスリーブ83を形成するシート材の単一層である。係止爪89a、89bは、自身が係合する第1の割送り部88の凸条に平行に、長手方向に延びている。
係止爪89a、89bの長手方向の範囲はスリーブ83の長手方向の長さよりも狭く、係止爪89a、89bはスリーブ83の前端と後端の間に配置されている。係止爪89a、89bの長手方向の範囲は第1の割送り部88の長手方向の範囲とおおよそ同じか、またはそれよりもわずかに狭い。
スリーブブランク83が形成され、切り込み線86a、86bがブランクに入れられる。第2の割送り部は切り込み線86a、86bで画定される爪を折り曲げることによって形成されて、1つ以上の係止爪89a、89bを形成する。次にスリーブブランク83は第2のフィルター84を囲む円筒管に形成され、半径方向内向きに延びて第1の割送り部に係合している係止爪が備えられている。
図8bには、上記のスリーブブランク83の代わりに喫煙品80に組み込まれてもよいスリーブブランク83’が示されている。スリーブブランク83’は切り込み線86aで画定された1個の係止爪89aを有する。係止爪89aおよび切り込み線86aは上記のスリーブブランク83に関して説明したように形成され構成されている。スリーブブランク83’の1個の係止爪89aは溝付きの第2の割送り部に係合するように上記の様に構成されている。スリーブブランク83’はスリーブ全体を形成してもよく、または単にスリーブの内面に貼り付けられる細片でもよい。その細片を接着剤でスリーブに貼り付けてもよい。ブランク83’はセルロースアセテートフィルムまたはこれとは別に紙で形成してもよい。紙には硬化剤、例えばPVA接着剤が塗布されていてもよい。
図8cは、図8aに示したスリーブブランク83に類似の第2の変形形態のスリーブブランク83”が示している。スリーブブランク83”は、第1の割送り部に係合するように構成された複数の係止爪を備える。スリーブブランク83”は周方向に位置合わせされた複数の係止爪を備える。一部の実施例では、少なくとも1個の係止爪がスリーブから折り出され、折り出しの方向は周方向に位置合わせされた他の係止爪の少なくとも1個と反対方向である。一部の態様では、複数の係止爪はスリーブ83”に周方向に間隔を置いて配置されている。したがって、スリーブブランク83”は長手方向および周方向に間隔を置いて配置された複数の係止爪を備え、一部の実施例では、長手方向に間隔を置いて配置された係止爪は反対向きに配置されている。これとは別に周方向に間隔を置いて配置された係止爪は反対向きに配置されている。
図8cは、3個の係止爪89c、89d、89eを示しており、これらは周方向に位置合わせされ第1の長手方向に延びる列に配列されている。さらに3個の係止爪89f、89g、89hが周方向に位置合わせされ、第2の長手方向に延びる列に配列されており、第1の長手方向に延びる列から周方向に離れている。長手方向に整列している係止爪の対89cと89f、89dと89g、89eと89hは、同様に曲げられて開放されている。第1の長手方向に延びる列の係止爪89dは、係止爪89c、89eと異なる側に折り曲げ部がある。同様に、第2の長手方向に延びる列の係止爪89gは、係止爪89f、89hと異なる側に折り曲げ部がある。各係止爪は図8aに関して説明したように形成、配置されてもよい。スリーブブランク83”はスリーブ全体を形成してもよく、またはスリーブの内面に貼り付けられる細片だけを形成してもよい。
図9は、第1の群の割送り機構の第8の実施態様を有する喫煙品90を示している。喫煙品90はタバコロッド91、第1のフィルター92、および第2のフィルター94を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク93は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。
第1の割送り部98は上記の第1の割送り部18と同じである。第2の割送り機構は第1の割送り部98に係合可能な係止爪99を備えて割送り機構を形成している。係止爪99はシート材の細片97で形成されており、これについて以下にさらに詳細に説明を行う。
シート材の細片97は、スリーブ93に例えば接着剤で重ね合わされており、一部の実施例では係止爪の周りの領域を除き、細片97の領域全体に沿って重ね合わされている。シート材の細片はスリーブ93に接着剤で貼り付けられてもよい。シート材の細片97はスリーブ93の実質的に全幅(外周)に横方向に延びている。一部の実施態様では、係止爪部97はスリーブブランク93より短いため、スリーブブランク93が重なり継ぎ目を形成して、ブランク93は係止爪部97が無い円筒スリーブ状に固定されるようになっている。シート材の細片97の幅、即ち長手方向の範囲は、スリーブ93の長手方向の長さよりも狭い。重ね合わせ材料はセルロースアセテートフィルムでもよく、スリーブブランクに接着剤で取り付けられてもよい。係止爪の長手方向の範囲は第1の割送り部98の長手方向の範囲とおおよそ同じか、またはそれよりもわずかに狭い。
スリーブ93は係止爪99を形成できるように切られる。例えば、切り込み線96a、96bに沿って横方向に延びる2つの平行な切り込みがスリーブ材料に入れられる。切り込み線96a、96bに沿った切り込みは、細片97を重ねる前に入れてもよく、あるいは細片97を重ねた後に細片97の外側に入れてもよい。これとは別に切り込みは、細片97を重ねた後に細片97の内側に入れて、切り込み線96a、96bに沿った切り込みがスリーブ材料および重ねられた細片97を貫通するようにしてもよい。一部の実施態様では、細片97は係止爪付近のスリーブブランク93には接着されない。
爪97aは切り込み線96a、96bの間で画定される。成形機先端(図示せず)によって切り込み線96a、96bの間を押圧して爪を変形させ、係止爪99を形成する。シート材93と細片97とを重ね合わせた二重層を変形させて、折り線95a、95bが切り込み線96a、96bの各端部で長手方向に延びるようにする。係止爪99は凸条の頂部に折り曲げ部95cを備える。爪97aは折り曲げられる、またはひだ付けされ、実質的に三角断面を有する凸条がスリーブ93から突出して係止爪99を形成するようになる。突出した凸条はシート材の細片97の幅即ち長手方向の範囲の大部分または実質的に全体に延びてもよく、係止爪が係合する第1の割送り部98の凸条に平行に長手方向に係止爪が延びるような配置になっている。スリーブブランク93と細片97とを重ね合わせた二重層によって剛性が高い係止爪99が提供される。
第2の割送り部は、シート材の細片97をスリーブブランク93に重ね合わせる(貼り付ける)ことによって形成される。係止爪はスリーブの重ね合わせ部分だけに形成される。重ね合わされたスリーブブランク93には、次に切り込み線96a、96bに沿って切り込みが入れられる。この切り込みは重ね合わせ細片およびスリーブブランクを貫通する。切断ローラーによって切り込み線96a、96bに沿った切り込みを形成してもよい。次にスリーブブランク93は、リールに長尺で供給されるスリーブブランクの隣接部分から切り離されてもよい。爪97aは、成形機先端(例えばローラーでもよい)で押し出されることによりスリーブ93から突き出て、係止爪99を形成する。次にスリーブブランク93は第2のフィルター94を囲む円筒管に形成される。
これとは別にスリーブブランク93は細片97と重ね合わされなくてもよい。スリーブブランクは例えば100gsm以上の重量紙で形成することもできる。係止爪を形成するための線の切り込み、および爪の押し出しが上記と同様に行われる。
別の実施態様では、係止爪およびスリーブブランクは単一層材料で形成される。単一層材料は説明した任意の材料で作ることができ、具体的には、セルロースアセテートシート、例えば成型セルロースアセテートシートで形成される。係止爪およびスリーブブランクは一体的に形成されているため、フィルターの周りをスリーブブランクで包装することによって、起立した係止爪と第1の割送り部が係合するようになる。係止爪はスリーブブランクの型押しで形成することができる。係止爪は起立した三角形状を有することができる。
別の態様では、係止爪はスリーブブランクの型押しで形成してもよい。スリーブブランクの係止爪の周りは最初に切り込まれていなくてもよい(つまり切り込み線96a、96bは無い)。型押しによってスリーブブランクの材料(例えばセルロースアセテート)を変形させて、長手の凸条を画定する係止爪を形成する。係止爪は断面つまり横から見て実質的に三角形である。起立した係止爪の周方向に延びる側部はスリーブブランクの隣接部分に繋がったままになっている。具体的には、スリーブブランクはスリーブの面外に延びて、係止爪の周方向の全範囲でスリーブと三角の係止爪形状を連結している。この構造には、起立した三角の係止爪を支持するという利点がある。この連結材料は、実質的に図9の別の実施態様の切り込み線96a、96bで示された領域にある。スリーブ材料を型押しで塑性的に変形させて、起立した係止爪を形成してもよい。
図10には、第1の群の割送り機構の第9の実施態様を有する喫煙品の一部が示されている。喫煙品はタバコロッド、第1のフィルター、および第2のフィルターを備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク103は、実質的に先に説明したように、円筒状のスリーブに形成された状態で示されている。
喫煙品は上記の第1の割送り部18と同じ第1の割送り部を備える。第2の割送り機構は第1の割送り部に係合可能な係止爪109を備えて割送り機構を形成している。係止爪109はスリーブ103から半径方向内向きに突出している。係止爪109は、自身が係合する第1の割送り部の凸条に平行に長手方向に延びている。
スリーブ103はブランクから形成される。2つの長手方向の縁部に隣接するブランクの長手方向の部分109a、109bは、ブランクが円筒に丸められる前に同一方向に折り曲げられる。ブランクが円筒状に丸められるとき、部分109a、109bは隣接し半径方向内向きに突出して係止爪109を形成する。面109a、109bは接合されてブランクを円筒状に固定する。面109a、109bはラップジョイントを形成し、接着剤で繋ぎ合わされてもよい。
係止爪109はスリーブを形成するシート材の2層で形成されるため、比較的剛性が高い。係止爪の長手方向の範囲は第1の割送り部の長手方向の範囲とおおよそ同じか、それよりわずかに狭い。
係止爪109はスリーブ103の長さの一部に半径方向内向きに突出しており、残りの部分はスリーブの内面に平坦に折られていてもよい。第2のフィルターは、係止爪109が上記内面に平坦に折られている部分に取り付けられてもよい。係止爪が突出している部分と平坦に折られている部分の間に切り込み(図示せず)を入れて境界を設けてもよい。これとは別に係止爪109はスリーブの実質的に全長にわたって半径方向内向きに突出してもよい。一部の実施態様では、フィルターはスリーブ内に配置される。フィルターは吸い口端だけに固定されてもよい。
スリーブの材料はシート材の単一層で形成してもよく、代わりに同じまたは異なるシート材を重ね合わせた二層(またはそれ以上の層)で形成してもよい。係止爪109は、スリーブを形成しているシート材の全ての層で形成してもよく、またはシート材の1つ以上の最内層だけで形成してもよい。その場合、1つ以上の外側の層は個別に、隣接する部分109a、109bの周りに円筒状に固定してもよい。外側の層は内側の層の折り曲げ部を覆い、折り曲げ部は外側から見えないようにしてもよい。
第2の割送り部は、スリーブ用のブランク103の隣接する長手方向の両縁部を同じ方向に折り曲げて形成してもよい。次にスリーブブランクは円筒管に形成され、一部の実施例では第2のフィルターの周りに形成される。折り曲げられた長手方向の部分109a、109bは一つに接着されてブランクを円筒形に固定し、半径方向内向きに延びる係止爪109を形成する。
図11は、本発明による喫煙品10を示している。喫煙品10の微細構造は割送り機構の任意の実施態様の組合せとして提示されてもよい。喫煙品10はタバコロッド11、第1のフィルター12、および第2のフィルター14を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク13は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。
第1の割送り部(図示せず)は説明済みの第1の割送り部の任意の実施態様と同じでよい。第2の割送り機構(図示せず)は割送り機構を形成するように説明した第1の割送り部の任意の実施態様と同じでよい。
スリーブ13は、拘束手段によってタバコユニットに対し長手方向の移動が制限されている。拘束手段は第1および第2の係合面17a、17bを備え、スリーブ13がタバコユニット11、12に対し後方へ相対移動しないようにしている。第1の係合面17aはタバコユニットの直径が増大した部分に形成してもよい。第1の係合面17aは、直径がタバコユニットの前部から段階的に変化する部分に形成される。前方を向いた第1の係合面17aは、タバコユニットの周りに巻かれ直径増大部を形成するシート材(例えば紙)で形成してもよい。第1の係合面17aは、喫煙材源を第1のフィルター12に連結するシート材で形成してもよく、このシート材は例えばタバコユニットの周りに巻かれたチッピング紙または他のシート材でもよい。
第2の係合面17bはスリーブを形成する円筒管の内面に設けられる。第2の係合面17bはスリーブの前端と後端の間の内面に形成されている。第2の係合面17bは、スリーブ13の内向きに折り曲げられた部分に設けられ、スリーブを形成するブランクの前縁部を折り曲げることによって形成される。第2の係合面17bが後方を向くように、ブランクの前縁部は約180度折り曲げられる。第2の係合面17bはスリーブブランクの全幅には延びない。スリーブブランクは第2の係合面17bを形成する折り曲げ部と位置合わせされた切り取りを備える。切り取りは、形成されたスリーブ13の周囲全体に第2の係合面17bが延びるように構成されている。スリーブは長手方向の両縁部が重なり合って円筒状に固定される。切り取りは、第2の係合面17bを画定する折り曲げ部が長手方向の一方の縁部に重ならないように構成されている。拘束手段17a、17bによって自由な回転が可能になり、スリーブ13はタバコユニット11、12から外れず、またはそれらに対し長手方向後方へ相対移動できないようになる。
スリーブ13には1つ以上の第1の換気用開口部16aが設けられている。一部の態様では、スリーブ13は、外周の一部のみに周方向に延びる1つの第1の換気用開口部16aを備える。その開口部は長手方向の1箇所でもよい。一部の実施例では、第1の換気用開口部16aは周方向の細い開口部の形態をしている。タバコユニット11、12は1つ以上の第2の換気用開口部16bを備える。一部の態様では、タバコユニット11、12は、外周の一部のみに周方向に延びる1つの第2の換気用開口部16bを備える。その開口部は長手方向の1箇所でもよい。一部の実施例では、第2の換気用開口部16bは周方向の細い開口部の形態をしている。第2の換気用開口部16bによって、タバコユニット、例えば第1のフィルター12および/または喫煙材源を含むタバコロッド11に空気を入れることができるようになる。第2の換気用開口部16bは開口部または通気領域であって、空気が、フィルター材を取り囲むシート材の層を通って第1のフィルター12のフィルター材に入ることができるようになっている。
スリーブおよび/またはタバコユニットの換気用開口部はレーザーで形成してもよい。具体的には、位置合わせされた換気用開口部をスリーブおよびタバコユニットにレーザーで同時に作り出してもよい。これとは別に換気用開口部は機械的な切断工具で細い開口部に形成してもよい。あるいは、換気用開口は切り欠き領域として形成してもよい。あるいは、換気用開口は通気性材料で形成してもよく、この通気性材料は、透過性材料として製造されたものでも、または開口部や加工によって通気性を持たせたものでもよい。
第1および第2のフィルターは直接連結されていない別々のフィルターであってもよい。これとは別に第1および第2のフィルターは1個の一体型のフィルターとして形成してもよい。第1のフィルター12は、側部の切り込みで第2のフィルター14と部分的に分離されてもよい。側部の切り込みは第1および第2のフィルター12、14の半径方向外側部分全体に延びている。半径方向の中心部は第1および第2のフィルター12、14を連結している。フィルター材の中心部によって第1のフィルターと第2のフィルターの連結が維持されている。第1および第2のフィルター12、14は、中心部が長軸周りに捻られて互いに相対回転することができる。中心部は捻られながら第1のフィルターと第2のフィルターの連結を維持する。
図12aには、実質的に上記と同じ喫煙品120の別の実施態様が示されている。喫煙品120は説明した割送り機構の任意の実施態様を備えてもよい。喫煙品はタバコロッド121、およびタバコロッド121に隣接した第1のフィルター122を備える。第2のフィルター124は第1のフィルター122の後方に配置されている。タバコロッド121はラッパー121bで囲まれたタバコ材料121aからなるロッドを備える。
喫煙品120は吸着剤添加物を備える。一部の態様では、吸着剤添加物は炭素、例えば活性炭でもよい。あるいは、吸着剤添加物は樹脂でもよい。樹脂は、架橋ポリスチレン基質に結合されたキレート配位子のようなポリアミン群によるイオン交換樹脂でもよく、例えばダイヤイオン(Diaion)(RTM)CR20がある。吸着剤添加物を第1のフィルター122だけに置き、引き続き第2のフィルター124を通過する煙が吸着剤添加物を含まないようにしてもよい。
喫煙品120は、例えば全体が第1のフィルター122内に置かれた鞘128を備える。鞘128は第1のフィルター122内の中央に配置され、フィルター材で囲まれている。鞘128は第1のフィルター122と実質的に同じ長さ延びている。鞘128は吸着剤添加物を含む透過性の壁を備え、吸着剤添加物は例えば炭素、必要に応じて木炭の形態である。壁は添加物が喫煙品を通過して移動しないようにし、煙が吸着剤添加物に接触できるようにしている。鞘128には吸着剤添加物を長手方向の比較的短い長さの中に配置できるという利点がある。鞘128は第1のフィルター内だけを延びていても、または第1のフィルターから第2のフィルターまで延びて第1および第2のフィルターの両方に配置されるようなっていてもよい。
これとは別に吸着剤添加物は空洞(図示せず)内に配置してもよい。空洞は第1および第2のフィルター122、124の間に画定されてもよい。吸着剤添加物は炭素、例えば木炭の形態の顆粒でもよく、または任意のふさわしい吸着剤添加物でもよい。
これとは別に吸着剤添加物は第1のフィルター122のフィルター材の中に分布させてもよい。吸着剤添加物はフィルター材、例えばセルロースアセテートトウの中に実質的に均一に分布させてもよい。これとは別に吸着剤添加物は、吸着剤添加物だけ含む別のフィルター部に配置される。吸着剤添加物は顆粒状の炭素でもよく、または任意のふさわしい吸着剤添加物でもよい。
任意の実施態様の吸着剤添加物は、第1の割送り面を備えるフィルター部に配置することもできる。
これとは別に吸着剤添加物は第1のフィルター部の周囲周りに配置してもよい。吸着剤添加物は、フィルター材を取り囲んでいるラッパーであるシート材の内面に貼り付けてもよい。吸着剤添加物は上記の内面に接着剤で接着してもよい。ラッパーは多孔質の紙、例えばプラグラッパーでもよい。
喫煙品120はタバコロッド121に対し相対回転可能なスリーブ123を備える。スリーブ123は、第2のフィルター124に貼り付けられる第1の領域123aを備える。一部の態様では、第1の領域123aの接着剤によって、スリーブが第2のフィルター124に取り付けられて共に回転する。スリーブ123には接着剤が第2のフィルター124の第1の領域123a前方に塗布されていて、スリーブブランクの長手方向の両端が貼り合わせられて円筒を形成する。スリーブ123の第2の領域123bには接着剤は塗布されていない。第2の領域123bは第1のフィルター122上を自由に回転することができる。
スリーブ123には1つ以上の第1の換気用開口部126aが設けられている。一部の実施例では、スリーブ123は周囲の一部だけに周方向に延びる1つの第1の換気用開口部126aを備える。開口部は長手方向の1箇所でもよい。一部の態様では、第1の換気用開口部126aは周方向の細い開口部の形態である。タバコユニット121、122は1つ以上の第2の換気用開口部(図示せず)を備える。一部の実施例では、第1のフィルター122は周囲の一部だけに周方向に延びる1つの第2の換気用開口部を備え、その開口部は長手方向の1箇所でもよい。例えば、第2の換気用開口部は周方向の細い開口部の形態である。第2の換気用開口部によって、空気がタバコユニット、例えば第1のフィルター122に入ることができるように、具体的には、フィルター材を取り囲んでいるシート材を通って第1のフィルター122のフィルター材に入ることができるようになる。開口部を通る換気は開口部の位置合わせに依存し、タバコユニット121、122(喫煙品の第1の部分)のスリーブ123(喫煙品の第2の部分)に対する相対回転位置によって決定される。
スリーブ123は1つ以上の追加の換気用開口部126bを備えてもよい。換気用開口部126bによって換気ができ、その換気はタバコユニット121、122(喫煙品の第1の部分)のスリーブ123(喫煙品の第2の部分)に対する相対回転位置には依存しない。換気用開口部126bは喫煙品に基本量のあるいは最少量の換気を提供する。換気用開口部126bによって空気がスリーブを通過し、例えば第2のフィルター124の前端に隣接する第2のフィルター124に入ることができるようになる。第2のフィルター124は多孔性紙のラッパー(例えばプラグラッパー)で囲まれたフィルター材で構成され、それによって空気を第2のフィルター124のフィルター材へ通気させることができるようになる。
スリーブ123は実質的に周方向に延びる分離線127を備えている。スリーブは、分離線127に沿って簡単に破断して前部と後部に分かれるように構成されている。後部は第2のフィルター124に貼り付けられている。前部は第1のフィルター122およびタバコロッド121に、例えば領域123aの前部の接着剤によって貼り付けられている。一部の態様では、スリーブ123の前部によってタバコロッド121と第1のフィルター122が連結されている。分離線127はスリーブ123のシート材(例えば紙)に複数の穴を開けることによって画定されてもよい。使用時、最初はスリーブの前部および後部は連結されている。喫煙品は規定の初期換気を有し、その換気は換気用開口部126bおよび第1と第2の換気用開口部の所定の初期位置合わせによって設定されている。スリーブはタバコユニットに対して容易に相対回転(または摺動)しない。スリーブ123の後部に、タバコユニットに対し相対的に回転力を加えるとスリーブが分離線127に沿って破断する。するとスリーブ123は割送り機構129に従って自由に回転できるようになって、第1および第2の換気用開口の位置合わせによって換気を変更できる。
スリーブの換気用開口部は1つ以上の換気領域を備えてもよい。換気領域は静電気穿孔(EP:Electric perforation)またはレーザー加工機(OML)で形成してもよい。静電気穿孔で形成された換気領域の空隙率を、静電気穿孔による孔を接着剤で閉塞して減少させてもよい。
喫煙品はシート材、例えばチッピング紙の内方ラッパーを備え、それに可変換気および基準量換気を提供する換気用開口部が形成してもよい。内方ラッパーによって第1のフィルターをタバコロッドに連結してもよく、第1の割送り部を画定してもよい。上述のスリーブ123を含む外方ラッパーをこの内方ラッパーに重ねてもよい。スリーブ123は内方ラッパーの周りを回転可能である。
図13は本発明による喫煙品130を示している。喫煙品130の微細構造は割送り機構の任意の実施態様の組合せで提示されてもよい。喫煙品130はタバコロッド131、第1のフィルター132、および第2のフィルター134を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク133は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。第1のフィルター132は必要に応じて吸着剤添加物、例えばフィルター材内に分布させた炭素(例えば活性炭)を含んでもよい。第1および第2のフィルターは別々のフィルターであり、直接接続されず隣接している。
第1の割送り部138は上記の第1の割送り部の任意の実施態様と同じでよい。例えば、第1の割送り部は、第1のフィルター132を取り囲む管状の割送り部材として形成され、フィルターを形成しているフィルター材およびラッパーとは分離されている。割送り部材はセルロースアセテートフィルムを丸めた部片で形成してもよく、長手方向に形成された溝を有する。これとは別に第1の割送り面を画定するシート材はフィルター材を直接取り囲み保持してもよい(即ちプラグラッパーとして機能する)。第2の割送り機構139は割送り機構を形成するように説明された第1の割送り部の任意の実施態様と同じでよい。
スリーブ133は、拘束手段によってタバコユニットに対し長手方向の移動が制限されている。拘束手段は第1および第2の係合面137a、137bを備え、スリーブ133がタバコユニット131、132に対し後方へ相対移動しないようにしている。第1の係合面137aはタバコユニットの直径が増大した部分に形成してもよい。第1の係合面137aは、直径がタバコユニットの前部から段階的に変化する部分に形成される。前方を向いた第1の係合面137aは、タバコユニットの周りに巻かれ直径増大部を形成するシート材135a(例えば紙)で形成してもよい。第1の係合面137aは、喫煙材源をフィルターに連結するシート材135aで形成してもよく、例えばタバコユニットの周りに巻かれたチッピング紙または他のシート材がある。第1の係合面137aは、図11に関して説明した第1の係合面17aと実質的に同じである。
第2の係合面137bは、スリーブを形成する円筒管の内面に設けられている。第2の係合面137bはスリーブの前端と後端の間のスリーブの内面に形成されている。第2の係合面137bは、スリーブを形成するブランクの前縁部を折り曲げて形成されたスリーブ133の内向きに折り曲げられた部分に設けられている。第2の係合面137bは図11に関して説明した第2の係合面17bと実質的に同じである。拘束手段137a、137bによって自由な回転が可能になり、スリーブ133がタバコユニット131、132から脱落しないように、またはそれに対して長手方向後方に移動しないようになっている。
スリーブ133には1つ以上の第1の換気用開口部136aが設けられている。一部の実施例では、スリーブ133は、周囲の一部のみに例えば長手方向の1箇所に周方向に延びる1つの第1の換気用開口部136aを備える。一部の態様では、第1の換気用開口部136aは周方向の細い開口部の形態である。タバコユニット131は1つ以上の第2の換気用開口部136bを備える。一部の実施例では、タバコユニット11は周囲の一部だけに延びる1つの第2の換気用開口部136bを備え、この開口部は長手方向の1箇所でもよい。一部の態様では、第2の換気用開口部136bは周方向の細い開口部の形態である。第2の換気用開口部136bによって、空気がタバコユニット、例えば第1のフィルター132および/または喫煙材源を含むタバコロッド131に入ることができるようになる。第2の換気用開口部136bは開口部または通気領域であり、空気が、フィルター材を取り囲んでいるシート材の層を通って第1のフィルター132のフィルター材に入ることができるようになっている。第2の換気用開口部136bは必要に応じて非透過性のシート材135b、例えばチッピング紙に形成してもよい。シート材135bは第1の割送り手段138の後方に配置され、第1のフィルター132上だけに延びている。シート材135bは半径方向にスリーブ133と隣接して、第2の換気用開口部136bと位置合わせされていないときに、空気が第1の換気用開口部136aを通って入らないようにしている。開口部136a、136b経由の換気は開口部136a、136bの配向に依存し、タバコユニット131、132(喫煙品の第1の部分)のスリーブ133(喫煙品の第2の部分)に対する相対回転位置によって決まる。
スリーブ133は必要に応じて1つ以上の追加の換気用開口部136cを備えてもよい。換気用開口部136cは、タバコユニット131、132(喫煙品の第1の部分)のスリーブ133(喫煙品の第2の部分)に対する相対回転位置に依存しない換気を提供する。換気用開口部136cは基準量または最少量の換気を喫煙品に提供する。換気用開口部136cによって空気がスリーブを通って、例えば第2のフィルター134の前端に隣接する第2のフィルター134に入ることができるようになる。第2のフィルター134は多孔質紙のラッパー(例えばプラグラッパー)で囲まれたフィルター材で構成され、第2のフィルター134のフィルター材への換気を可能にしている。
スリーブ133は、第2のフィルター133aに貼り付けられた第1の領域133aを備える。一部の態様では、第1の領域133aの接着剤によってスリーブが第2のフィルター133aに取り付けられて一緒に回転する。加えて、第2のフィルター134の前方の第1の領域133aの接着剤によって、スリーブブランクの長手方向の両端が貼り合わせられて円筒を形成する。スリーブ133の第2の領域133bには接着剤は塗布されていない。第2の領域133bは第1のフィルター132およびタバコロッド131上を自由に回転することができる。
第1の割送り部138は上記第1の割送り部18と同じである。第2の割送り機構は第1の割送り部138に係合可能な係止爪139aを備えて割送り機構を形成している。係止爪139aはシート材の細片139で、例えば図2に関して説明したように形成されている。シート材139は、実質的に三角断面を有する凸条がスリーブ133から突出するように折り曲げられているまたはひだ付けされている。突出した凸条はシート材の細片139の全幅即ち長手方向の範囲に延びており、係止爪が、自身に係合する第1の割送り部138の凸条に平行に長手方向に延びるような配置になっている。
図14は本発明による喫煙品140を示している。喫煙品140の微細構造は割送り機構の任意の実施態様の組合せで提示されてもよい。喫煙品140はタバコロッド141、第1のフィルター142、および第2のフィルター144を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク143は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。第1のフィルター142は、必要に応じて吸着剤添加物、例えばフィルター材内に分布させた木炭の形態の炭素を含んでもよい。
第2のフィルター144は必要に応じて前部144aおよび後部144bを備える。前部144aおよび後部144bは1個の一体のフィルターとして形成され、製造中に切断し、別々のフィルター部にしてもよい。
第1の割送り部148は上記の第1の割送り部の任意の実施態様と同じでよい。第2の割送り機構149は、割送り機構を形成するように説明された第2の割送り部の任意の実施態様と同じでよい。
シート材145によって第1のフィルター142とタバコロッド141は連結されている。シート材145は例えばチッピング紙などの紙でよく、第1のフィルターおよびタバコロッドの周りに巻かれていてもよい。シート材145はタバコロッドの実質的に全長に延びてもよい。タバコロッド141はラッパーに覆われたタバコ材料を含んでもよい。即ち、タバコ材料は2つの層で覆われる。内方ラッパーはタバコシートでもよい。
スリーブ143には、実質的に図13または任意の実施態様に関して説明したような1つ以上の第1の換気用開口部146aが設けられている。タバコユニット141は、実質的に図13または任意の実施態様に関して説明したような1つ以上の第2の換気用開口部(図示せず)を備える。スリーブ143は、実質的に図13または任意の実施態様に関して説明したような1つ以上の追加の換気用開口部146cを備えてもよい。
スリーブ143には、接着剤が第2のフィルター144の後部144bの前方の第1の領域143aに塗布されて、スリーブブランクの長手方向の両端が貼り合わせられて円筒を形成する。スリーブ143の第2の領域143bには接着剤は塗布されていない。第2の領域143bは第1のフィルター142上を自由に回転することができる。
スリーブ143は実質的に周方向に延びる分離線147を備える。スリーブは分離線147に沿って前部と後部に簡単に破断するように構成されている。後部は第2のフィルター144の後部144bに貼り付けられている。前部は第2のフィルターの前部144a、第1のフィルター142、および必要に応じてタバコロッド141に、例えば領域143bの前部の接着剤によって貼り付けられている。スリーブ143によって第2のフィルターの前部144aと第1のフィルター142が連結されている。分離線147は、必要に応じてスリーブ143のシート材(例えば紙)に複数の穴を開けることによって画定される。使用時、最初スリーブの前部と後部は連結されている。喫煙品は初期換気を有し、その換気は換気用開口部146cおよび第1の換気用開口部と第2の換気用開口部の所定の初期位置合わせで設定されている。スリーブはタバコユニットに対し容易に相対回転(または摺動)しない。スリーブ143の後部に、タバコユニットに対して相対的な回転力を加えることによってスリーブが分離線147に沿って破断する。するとスリーブ143は割送り機構148、149に従って自由に回転できるようになって、第1および第2の換気用開口部の位置合わせによって換気を変更できる。第1および第2のフィルターには連結された中心部があるので、スリーブ143およびタバコユニット141、142は連結されたままでもよく、あるいは第1および第2のフィルターは分離されてもよく、第1の割送り部148に係合した係止爪149によって喫煙品の第1および第2の部分の間の長手方向の移動が防止される。
図15は、本発明による喫煙品150を示している。喫煙品150の微細構造は割送り機構の任意の実施態様の組合せで提示されてもよい。喫煙品150はタバコロッド151、第1のフィルター152、および第2のフィルター154を備え、先の説明のように配置されている。スリーブブランク153は上記と同様に円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。第1のフィルター152は必要に応じて吸着剤添加物、例えばフィルター材内に分布させた木炭の形態の炭素を含んでもよい。
第1のフィルター152は、前部152aおよび後部152bを必要に応じて備えてもよい。前部152aおよび後部152bは1個の一体のフィルターとして形成してもよい。前部152aは側部の切り込み155で部分的に後部152bから分離されている。側部の切り込み155は第1のフィルター152の外部を半径方向に延びている。半径方向の中心部155aによって前部152aと後部152bが連結されている。フィルター材の中心部によって前部152aと後部152bの連結が維持されている。前部152aおよび後部152bは、中心部を長軸周りに捻った状態で互いに相対回転可能である。中心部は捻られながら、前部152aと後部152bの連結を維持する。スリーブ153は後部152bの、例えば接着剤で覆われた領域153aに取り付けられている。したがってフィルター部152a、152bの間の連結によってスリーブ153はタバコロッド151に連結されている。
第1の割送り部158は上記の第1の割送り部の任意の実施態様と同じでよい。第2の割送り機構159は、割送り機構を形成するように説明された第1の割送り部の任意の実施態様と同じでよい。
スリーブ153には、実質的に図13または任意の実施態様に関して説明したような1つ以上の第1の換気用開口部(図示せず)が設けられている。タバコユニット151は、実質的に図13または任意の実施態様に関して説明したような1つ以上の第2の換気用開口部(図示せず)を備える。スリーブ153は、必要に応じて、実質的に図13または任意の実施態様の開口部136cに関して説明したような1つ以上の追加の換気用開口部(図示せず)を備えてもよい。
スリーブ153には、第2のフィルター154の後部152bの前方の第1の領域153aに接着剤が塗布されていて、スリーブブランクの長手方向の両端が貼り合わせられて円筒を形成する。スリーブ153の第2の領域153bには接着剤は付けられていない。第2の領域153bは第1のフィルター152の前部上を自由に回転することができる。
スリーブ153はその第1の領域153aで、第2のフィルターと第1のフィルター152の後部152bとを連結している。連結材(図示せず)、例えば紙のラッパーが、第1のフィルター152の前部152aをタバコロッド151に連結している。使用中、第1のフィルター152の前部および後部は捻られることなく連結されている。喫煙品は第1および第2の換気用開口部の所定の初期の位置合わせによって設定された規定の初期換気を有する。その後スリーブ153は自由に回転可能になり、割送り機構158、159の影響下に入って第1および第2の換気用開口部の位置合わせによって換気が変更される。スリーブ153およびタバコユニット151、152bは、第1のフィルター部の中心部が繋がっているため連結されたままである。
図16、17a、および17bには、本発明の任意の実施態様による喫煙品を製造するように構成された製造装置の一部が説明されている。具体的には、図2に示す第2の割送り機構および図2に示す第2の割送り機構を有する喫煙品を製造するため、既知の製造装置が改良または機能要素が追加されている。他の実施態様用に相応の改良変更を適切に実施してもよい。
図16には製造装置160の概略図が示されており、この装置は製造システムの一部を形成し、ボビン/リール装填機即ち供給装置として機能する。装置160はHAUNI (RTM) BOB MEボビンの改良品でもよい。
装置160は、例えば実質的に図2に関して説明したようなスリーブを形成するスリーブ材料163に取り付けられた係止爪169を形成し、出力するように構成されたモジュールである。スリーブ材料163はシート材であって、例えばチッピング紙のような紙である。係止爪169が取り付けられたスリーブ材料163は次に別の装置(図示せず)へ送られ、例えば実質的に図2に関して説明したような喫煙品に形成される。この別の装置は(改良された)HAUNI (RTM) M5でもよい。この別の装置は、チッピング紙を適用する2つのユニットを備えてもよい。第1のユニットは、第1の割送り面が画定される内方ラッパーを適用してもよい。第2のユニットは、第2の割送り面が取り付けられるスリーブを形成する外方ラッパーを適用してもよい。
装置160は係止爪169を形成する係止爪材料源161を備える。係止爪材料164はシート材であり、例えば紙、セルロースアセテートフィルム、紙とセルロースアセテートフィルムの積層体、または上記の任意の材料である。係止爪材料164は少なくとも1つのボビン162aに格納されている。一部の態様では、長尺の係止爪材料164は第1のボビン162aおよび第2のボビン162bに格納されており、これらが交互に係止爪材料164を供給して係止爪材料164が中断することなく流れるようにしている。
係止爪材料164は切断機構165で切断されて不連続な切片即ち係止爪材料の細片167になる。これを係止爪部167としてもよい。各細片167が1個の係止爪169を形成する。切断機構165は回転式切断ローラーまたはナイフを備え、隣接するローラーに押し付けられた係止爪材料164を切断してもよい。
分離された細片167は成形機構166に供給され、細片167の折り線が成形されて係止爪169が画定される。成形機構166は回転ローラーで形成され、隣接するローラーに平坦な細片167を押し当てて変形させるように構成してもよい。細片167は、突出した凸条が永久に形成されるように折り曲げられる。
次に細片167は取り付け機構168へ供給される。糊付け機構は接着剤を細片167にローラーで塗布するように構成されている。接着剤は、細片167の、係止爪169を画定する突出した凸条と反対側に塗布される。この取り付け機構はさらに、細片167を長尺のスリーブ材料163の上に配置するように構成されている。
スリーブ材料163はスリーブ材料源181から供給される。スリーブ材料163は少なくとも1つのボビン182aに格納されている。一部の実施例では、長尺のスリーブ材料163が第1のボビン182aおよび第2のボビン168bに格納されており、これらが交互にスリーブ材料163を供給してスリーブ材料163が中断することなく流れるようにしている。
スリーブ材料163に目印を付けて、スリーブ材料163を正確に切断して独立した切片にし、単独の(または対の)スリーブを形成するようにしてもよい。またこの目印(図示せず)を用いて、細片167を長尺のスリーブ材料163の上に正確に配置してもよい。例えば、スリーブ材料163に印刷された位置合わせ用の目印をカメラ(図示せず)で検出してもよい。細片167は位置合わせ用の目印から所定の距離に配置される。
細片167をスリーブ材料163に取り付けたら、スリーブ材料163は第1のローラー170および第2のローラー174で送られ、さらに喫煙品に成型される。第1のローラー170は、スリーブ材料163の係止爪169と向き合う側にある。従来の円筒状のローラーは係止爪169にぶつかるため、係止爪が付けられたスリーブ材料の取り扱いには不適である。第1のローラー170は図17aにさらに詳細に示されている。第2のローラー174はスリーブ材料の係止爪169と反対側にある。第2のローラー174は従来の円筒状のローラーでよい。
接着剤塗布装置(図示せず)は、第1ローラー170と第2のローラー174の間で、接着剤をスリーブ材料163に塗布するように構成してもよい。接着剤塗布装置は接着剤をある形で塗布して、任意の実施態様による喫煙品を形成するように構成されており、例えば、接着剤をスリーブ材料163の一部だけに塗布する。接着剤塗布装置は2個のローラー、即ちスリーブ材料の接着剤塗布形状に対応した所定の型でのみ接着剤を受ける模様付きローラーを備えてもよい。模様付きローラーは接着剤を平坦なローラーに移し、それによって接着剤塗布形状がスリーブ材料に移される。接着剤により、主製造装置内でスリーブ材料163がフィルターおよび/またはタバコロッドに貼り付けられる。
図17aには、第1のローラー170がスリーブ材料163即ち基板と共に示されており、このスリーブ材料163には係止爪169を画定する細片167が取り付けられている。ローラー170は1つ以上の、例えば2つの第1の部分171を備え、これらは円筒状でもよい。第1の部分は第1の横方向範囲、具体的には第1の直径を有し、係止爪を支持する材料即ちスリーブ材料163に接触するように構成されている。ローラー170は第2の横方向範囲を有する第2の部分172を更に備える。第2の部分172は第2の直径を有する円筒状でよい。第2の部分172は第1の部分171に隣接して配置されており、第1の部分171の間に配置されていてもよい。第2の直径は第1の直径よりも小さい。第2の部分172はスリーブ材料163にも係止爪169にも接触しないように構成されている。第2の部分172は、係止爪169がぶつかることなく通過できる領域をローラー170に提供する。第2の部分172は円筒状でもよく、または係止爪169に接触しない任意の断面を有してもよい。
ローラー170、174を用いることによって、細片167を、主製造装置に入る前にスリーブ材料163に連結することができるようになる。したがって主製造装置に、係止爪が付けられたスリーブ材料163を取り扱うための大きな変更を加える必要はない。別々の複数のボビン装置で係止爪169を追加することによって、細片167とスリーブ材料163を連結する接着剤を乾燥させる時間が生まれ、第2のローラー174の後に必要に応じてスリーブ材料163に対して乾燥機(加熱装置)を用いる。
係止爪が付けられたスリーブ材料163は第2のローラーの後、主製造装置へ供給される。第2のローラー174を通過後に、スリーブ材料は巻き棒175に係合する。巻き棒175は図17bに説明するように改良されている。
図17bは巻き棒175を示している。巻き棒175は、スリーブ材料163を丸め、円筒状のスリーブに巻く準備をするように構成されている。連続した縁部を有する従来の巻き棒は係止爪169にぶつかるため、係止爪が付けられたスリーブ材料の取り扱いには不適である。巻き棒175は、平面に延びる縁部を画定する第1の丸め部分176を備え、スリーブ材料163に接触するように構成されている。巻き棒175は更に第2の部分177を備え、第1の部分176の平面から離れた縁部を画定している。第2の部分177は、スリーブ材料163にも係止爪169にも接触しないように構成されている。第2の部分177は、係止爪169がぶつかることなく通過できる領域を巻き棒170に提供する。第2の部分177は係止爪169に接触しない任意の断面を有してもよい。
これとは別に巻き棒(図示せず)は細片167の取り付けの前にスリーブ材料163を丸めるように配置してもよい。巻き棒は、巻き棒の周りにスリーブ材料163を引き込むように構成されたローラーと関連して、スリーブ材料源181と取り付け機構168の間に配置してもよい。係止爪169はまだ取り付けられていないため巻き棒は従来の巻き棒でよい。
図18aおよび18bには、第2の割送り部を形成し、第1の割送り部に係合して実質的に本発明の任意の実施態様による割送り機構を形成することができる係止爪209の製造途中の2つの段階が示されている。例えば、係止爪209は、実質的に図2に関して説明したような第2の割送り部に関連するものでよい。
図18aは係止爪209の形成の第1の段階を示している。第1の段階では、係止爪209を形成するシート材の細片207は成形工具(図示せず)で変形される。形成工具は押し型を備え、その押し型の縁部が細片207を型ブロックに押し込んで変形させることにより、起立した凸条が作製される。一部の実施例では、押し型は均一な三角断面を有する。型ブロックはぴったり同じ均一な三角断面を画定する。押し型の角度範囲は10〜35度、およびさらに具体的には15〜25度、および具体的には約20度でよい。その型で形成された係止爪の角度範囲は同じ角度でよく、即ち10〜35度、および具体的には15〜25度または20〜30度、または10〜55度、および必要に応じて15〜40度または15〜30度、または5、10、15、20、25、30、35度未満、または5、10、15、20、25、30、35度を越える角度、または上記のうち任意の角度から任意の角度まで、および具体的には約20度でよい。係止爪は、任意の適した手段で形成されるときも同じ角度範囲を画定してよい。10〜35度または15〜25度の範囲の係止爪を選択すると、同じ角度範囲のきれいに形成された凸条が得られ、細片207の破損または切断が避けられる。係止爪で画定される角度は、係止爪が湾曲した基板に取り付けられるときに変わってもよい。一部の態様では、係止爪で画定される角度は、基板に取り付けられるときに全く変化しないかまたは少ししか変化しない。これとは別に基板への取り付け時に係止爪を押してより小さい角度を画定してもよい。
起立した凸条は、平行な折り曲げ部205a、205b、および凸条の先端即ち鋭い頂部の折り曲げ部205cで形成されている。折り曲げ部205a、205b、205cは実質的に三角断面を画定し、図示のように実質的に二等辺三角断面である。凸条が最初に形成されるとき、折り曲げ部205a、205bは離れている。任意の実施態様の係止爪は半径方向に0.5〜1.5mmだけ延びてもよく、0.5〜1mmでもよく、約0.7mmでもよい。任意の実施態様の係止爪はある長さ、例えば以下のうちから選択した長手方向の範囲を有することができる。即ち1〜8mm、2〜7mm、3〜6mm、または3〜5mmである。具体的には、係止爪の細長い縁部は、これらの範囲の1つから選択された長さを有する。ある範囲の任意の寸法を、ある範囲の任意の他の寸法と組み合わせて用いることもできる。
図18bは、係止爪209の形成の後半の第2の段階を示している。三角の凸条は横方向に押圧されて凸条の長さになっている。折り曲げ部205a、205bは一つにされ、実質的に隣接するようになっている。折り曲げ部205a、205bから凸条の折り曲げ部205cまでの距離は、折り曲げ部205a、205bの間の距離よりも著しく長い。係止爪209は突出した凸条であり、実質的にその断面は細片207の面内で最少断面を有し、係止爪209が初期の二等辺三角形ではなく閉じた三角形を画定するようになっている。
一部の実施態様では、押し型(雄部分)が押し込まれて係止爪が部分的に形成される。次に型ブロック(雌部分)が押し型内に移動して係止爪の形状を完成させてもよい。
押圧された細片207はスリーブ材料203に貼り付けられて任意の実施態様によるスリーブに形成される。押圧された細片207は接着剤によって、第1の領域208aおよび第2の領域208bで貼り付けられる。第1および第2の領域208a、208bは係止爪209の両側にあり、押圧された細片207が広がらないように構成されている。
第1および第2の領域208a、208bは係止爪209の突出した凸条から離れており、係止爪209の下には延びていない。係止爪209に接着剤を塗布しないことで、改善された可聴音が発せられるようにしてもよい。
この種類の任意の実施態様の係止爪は、鋭い頂部を画定するシート材で形成してもよい。一部の態様では、係止爪はシート材の第1および第2の起立部分を一体的に備え、これが1つの縁部に収束する。係止爪はシート材の折り曲げで形成される鋭い頂部を画定して、凸条を画定してもよい。係止爪は複数の折り曲げを有するシート材で画定されて、鋭い頂部を画定してもよい。
一部の実施態様では、第1および第2の割送り面を形成している係止爪および凸条は、互いに相対回転するときに可聴音を発生するように構成されている。具体的には、係止爪は、第1の凸条に係合しそれによって拘束されるため、長軸周りに回転すると弾性変形するように構成されている。係止爪が回転し変形すると、第1の凸条はもはや係止爪を拘束できなくなる。すると係止爪はその元の形状に弾性的に戻り、一部の実施態様では第2の隣接する凸条にぶつかる。一部の実施例の係止爪は、割送り移動の方向、例えば実質的に周方向に弾性変形可能である。具体的には、基板から遠い係止爪の先端即ち頂部は、係止爪の基板に対し相対的に弾性変形可能な方法で、例えば割送り方向(実質的に周方向)に移動するように配置されている。例えば、係止爪はその基部即ち取り付け点の周りを弾性回転することができる。これとは別にまたはそれに加えて、係止爪の起立部分は曲げにより弾性変形が可能である。一部の実施例では、係止爪の先端は基板のその基部の周りを円弧状に弾性移動可能に構成されている。円弧状の移動は、周方向の移動によって係止爪の先端が半径方向に変形し割送り位置の間の移動が可能になるようになっている。具体的には、係止爪はその先端に加えられる周方向の力のせいで変形するように構成されており、周方向の力は、係止爪が凸条に接触し割送りを行うことによって生じる。あるいは、係止爪は割送り面との接触によって実質的に半径方向に移動可能である。係止爪基板および/または割送り面(および/または係止爪)は、半径方向の力によって半径方向に弾性変形可能即ち移動可能である。係止爪が接触する割送り面には、半径方向に対して角度(90度未満の角度)が付けられており、つまり傾斜している。係止爪は、半径方向に対し角度がある、つまり傾斜している、1つ以上の部分を備えている。
一部の実施例では、係止爪が第1の割送り面の凸条を越えて移動可能となる基本的な仕組みは、係止爪の弾性変形、例えば係止爪の回転または曲げによるものである。係止爪の変形はまず割送り方向即ち周方向に生じる。この割送り方向は、それに沿って割送り位置が間隔を置いて(例えば周方向に)配置される軸または経路であって、その経路に沿った方向を意味する訳ではない。具体的には、係止爪が最初に第2の割送り面との接触によって拘束されるとき、係止爪は係止爪基板の移動方向と反対方向に弾性変形する。係止爪全体の半径方向外向きの移動、例えば係止爪基板の移動は、係止爪が凸条を越える移動に大きく寄与しない。第1の割送り面の変形に期待される寄与はさらに小さい。
割送り面に対する係止爪の割送り移動の結果、2つの傾斜面が接触し、半径方向の力が生じ、それによって凸条を越えて隣接する凹みに入る半径方向の(例えば係止爪の)弾性移動が可能になる。係止爪が例えば凸条の抵抗が実質的に最大である1点から突然開放されるときに音が発生する。係止爪が凸条から開放されると、係止爪は弾性変形した形状からその元の形状に戻る。この復帰動作によって、係止爪の素早い移動がもたらされる。凸条は、実質的に1点で係止爪に接触し開放するように構成されており、係止爪が凸条の頂部とさらに接触することなく元の形状に素早く戻ることができるようにしている。溝は、割送り方向(例えば周方向)に、係止爪の係合縁部よりも実質的に広く構成することができ、例えば1.2倍以上広く、1.5倍以上広く、1.7倍以上広く、2倍以上広く、または3倍以上広い。溝の幅は、係止爪の遠位端(即ち先端)の半径方向位置における溝の割送り方向(例えば周方向に)の範囲として画定することができる。これとは別に溝の幅は凸条の間の範囲として画定することができ、即ち溝の平坦部分の範囲、または凸条の半径方向の範囲の1/2の位置における範囲として画定することができる。即ち溝幅は係止爪幅より大きく、係止爪が音を発生するために溝内で移動可能なようになっている。
シート材の折り曲げられた縁部を備える係止爪の係合縁部の幅は、シート材の厚さの約2倍あると考えることができる。あるいは、係止爪の係合縁部の割送り方向の幅は、次の寸法のうちの1つよりも狭い。即ち1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、または0.1mm。例えば、係合縁部の幅は0.6mmより狭く、または0.3〜0.6mmまたは上記の任意の2つの数値の間である。一部の実施例では、溝は、溝の底に接触しない自由な移動が可能であるように構成されている。係止爪および溝は、戻り移動によって係止爪が第1の割送り面の表面、例えば隣接する凸条に接触するように構成されている。係止爪が弾性変形して比較的硬い面に接している位置から突然開放されることによって、割送り音の発生が促進される。
凸条および係止爪の形状によって、係止爪は素早く移動して隣接した凹みまたは凸条の比較的硬い面に接触することができるようになる。隣接した凹み・凸条の外面は従来のフィルター紙のラッパーよりも硬度が高い。この硬度の高さは、例えば、プラスチック材料で構成される第1の割送り面および/または第2の割送り面によるものである。例えばこの材料は、重合体、多糖、セルロース薄板、再生セルロース、セルロースアセテート、または、セルロースアセテート、セルロース、ポリプロピレン、インクおよび接着剤のうち少なくとも1種以上を含まないプラスチック材料または重合体、または、紙中の添加剤のうちの1種以上で構成することができる。割送り位置の間の移動に必要な弾性変形は、実質的にはその全てが係止爪の移動(主に周方向の移動)から得られる。取り付けられた係止爪基板の変形は係止爪より小さく、一部の実施例では、係止爪基板には、割送り位置の間の移動中は実質的に移動、曲がり、または変形を生じない。これとは別に基板には、係止爪の変形時に長軸周りに捻りが生じる。具体的には、基部(基板)は割送り位置の間を移動する時に半径方向外向きには実質的に変形しない。加えて、係止爪は半径方向だけに変形するようには構成されていない。これとは別に第1の割送り面の凸条および/または係止爪を支持している基板は、係止爪の弾性変形に加えてまたはその代わりに弾性変形するように構成されている。
係止爪の弾性移動および必要に応じて隣接する凸条への衝突によって、可聴音が発生する。一部の実施態様では、可聴音は少なくとも部分的には、第1の凸条から開放されるときの係止爪の初期の移動によって形成される。種々の実施態様では、係止爪の弾性変形は、シート材を選択して使用することによって生じる。必要に応じて弾性変形の特性は、実質的に三角形状の係止爪、具体的にはシート材の第1および第2の起立部分であり、頂部に尖った縁部があり基板と離れて接合された係止爪によってもたらされる。必要に応じて尖った縁部および/または基板との接合部はシート材を折り曲げて形成される。
係止爪によって発生する音量は係止爪の寸法および材料で決定されてもよい。具体的には、音は、以下の特性の1つ以上を選択することによって一般的に可聴な必要音量の音を発生させるように決定されてもよい。係止爪移動の振幅は、係止爪がフィルターに与える衝撃力によって決定されてもよい。係止爪の剛性を高めると変形に大きな力が必要になり、衝撃時の係止爪の速度はより大きくなり、より大きな音即ち「カチッ」という音を発生させることになる。発音体の大きさで発生音を決定してもよく、発音体が大きくなるとそれだけ表面積も大きくなる。つまり、より大きな体積の空気が振動可能で、音の強度および音量が上がることになることを意味する。即ち、係止爪の寸法が大きくなるほど振動する面積が増え、音量が上がる。また、係止爪の近くの音吸収体または媒体(例えばフィルター材)が減るとより大きな音が発生する。人の聴覚は可聴域の中域に対して感度が高い。したがって係止爪は可聴域の中域(例えば中域3分の1)の音の周波数を発生させるように構成してもよい。また、係止爪の硬度および/または係止爪材料の密度を上げて係止爪の音の強度および音量を上げてもよい。
一部の態様では、係止爪は一端が固定された梁を撓ませたものと考えてもよい。係止爪を自由端に集中荷重がある片持ち梁または梃子としてモデル化すると、標準式から任意の点の傾き、撓み、および最大撓みを計算することができる。梃子・係止爪に加えられる力は、使用者がフィルターを回転させて加えた力であり、したがって係止爪の変数ではない。係止爪・梃子が長くなるとそれだけ撓みも大きくなり、係止爪が係止機構(凸条)を叩く速度が速くなり、音量も増大する。長さは各係合凸条を通過するという必要性に制限を受ける。係止爪材料は弾性的(弾性変形可能)でなければならない。材料は、頑強過ぎて破損しない程度の低い剛性であり、弾性が過剰ではない程度の高い剛性を有するものが選択される。梃子・係止爪の断面二次モーメントは係止爪の幅および厚さで決まる。厚さは最大撓みを求める1つ以上の標準式の中で3乗されるため支配因子である。係止爪および喫煙品のこれらの特性を用いれば、移動する時に改良された音を発生するように係止爪を構成することができる。
一部の態様では、第1および/または第2の割送り面を形成するシート材の縦弾性係数は、以下数値のうちの1つよりも大きく規定することができる。即ち、2GPa、3GPa、4GPa、5GPa、6GPa、7GPa、8GPa、9GPa、10GPa。第1および/または第2の割送り面を形成するシート材の引っ張り強度は、以下数値のうちの1つよりも大きく規定することができる。即ち、50MPa、100MPa、150MPa、200MPa、250MPa。例えば、45ミクロン厚の再生セルロースフィルム、例えばナチュレフレックス(NATUREFLEX(登録商標))の縦弾性係数は、縦方向の歪み速度が50〜200%/分の場合に約6.5〜7.5GPaである。この材料の引っ張り強度は、縦方向の歪み速度が50〜200%/分の場合に140〜180MPaである。
一部の態様では、第1および/または第2の割送り面を形成するシート材の曲げ剛性は、トウィングアルバート社(Thwing-Albert、登録商標)製のハンドル−O−メーター(Handle-o-Meter)を用いて規定することができる。例えば、ハンドル−O−メーターで測
定したシート材の曲げ剛性は、以下のうちの1つから選択した値よりも大きくすることができる。即ち30g、40g、45g、50g、55g、60g、65g、70g、80g、90g、100g。例えば、曲げ剛性は40〜60gにすることができる。45ミクロン厚の再生セルロースフィルム、例えばナチュレフレックスの曲げ剛性は、この厚さで50〜55g、約55gである。85ミクロン厚のポリエチレン(PE)フィルムはこの厚さで50gである。
上記の値は、重合体層のみ、積層体中の重合体層のみ、または積層体全体に当てはめることができる。第1および/または第2の割送り面は上記の任意の2つの値の間の範囲を有することができる。
一部の実施例では、喫煙品は750mmの距離で少なくとも33dB(デシベル)の最大音を発生する。具体的には、喫煙品は750mmの距離で少なくとも35dB、または少なくとも37dB、または少なくとも40dB、または少なくとも41dB、または少なくとも43dB、または少なくとも46dBの最大音を発生する。例えば、最大音は40〜46dB、または41〜45dBである。
第1の割送り面および/または第2の割送り面を画定する任意の実施態様で説明したシート材は、以下の選択肢または先に述べた選択肢のうちの任意の1種以上を任意の組合せで選択してもよい。
シート材は、単位面積あたりの密度が40g/m2より大きい、60g/m2より大きい、80g/m2より大きい、または100g/m2より大きい紙でもよい。紙を、必要に応じて添加剤または硬化剤、例えば糊、接着剤(例えばPVA接着剤)、またはセラックニス(shellac)で処理して剛性を高めてもよい。
シート材は成型セルロースアセテートフィルム、例えば独国ベンケルト社(Benkert)製のクラリフォイル(CLARIFOIL)として既知のフィルムでもよい。このフィルムは厚さが約20μm、50μm、または100μmでよく、またはこれより厚くてもよい。一部の実施例では、フィルムの厚さは20〜50μmである。
一部の実施例では、上記の任意のシート材は次のうちの1つから選択された厚さを有する。即ち5〜200μm、10〜100μm、または20〜80μm、または30〜70μm。これらの値はとりわけ重合体材料に当てはまる。一部の実施例では、積層材料(例えば紙の層を含む)の総厚さは0.1〜0.5mm、0.1〜0.3mm、または0.15〜0.25mmにすることができる。
シート材はセルロースアセテートトウで形成されたセルロースアセテートフィルムでもよい。トウは蒸気、熱、および圧力の少なくとも1つで処理され、開口部から供給される。セルロースアセテートは必要に応じてさらに丸められてフィルムを形成し、その厚さは上記の厚さでもよい。任意の種類のセルロースアセテートフィルムは再生セルロースフィルムまたは一般には多糖または重合体フィルムと考えることができる。
シート材はセルロースフィルムまたはシートでもよい。例えば、イノビアフィルム(Innovia Films)社製のナチェレフレックス(NATUREFLEX)として既知のセルロースフィルムがある。フィルムの厚さは上記の任意の実施態様で述べたとおりでもよい。このフィルムは透明でもよい。セルロースシートは再生セルロースで作られる。セルロースシートは重合体材料である。例えば、セルロースフィルムはセロファン(Cellophane)(登録商標)として既知のシート材でもよい。セルロースシートは実質的に純粋なセルロースである。セルロースシートは紙ではない。このシートは重合体であり、具体的にはブドウ糖の重合体である。この材料の任意の一般的な特性を用いてこの材料を説明することができる。一実施例では、木材または他の原料のセルロースをアルカリと二硫化炭素中で溶解してビスコース(viscose)と呼ばれる溶液を作り、次にこれを細い開口から薄い硫酸と硫化ナトリウムの槽に押し出して、ビスコースをセルロースに再変換する。次にこのフィルムをさらにいくつかの槽に通し、ある槽では硫黄を除去し、ある槽ではフィルムを漂白し、ある槽ではグリセリンを添加してフィルムの脆弱化を防止する。
シート材は任意の2種のシート材の積層体でもよい。具体的には、シート材は紙とプラスチックシートの積層体でも、または紙と重合体シートの積層体でも、または紙とセルロースアセテートフィルム(任意の方法で形成された)の積層体でも、または紙とセルロースフィルムの積層体でもよい。シート材は例えば接着剤で貼り合わせられてもよく、または貼り合わせずに単に一緒に配置してもよい。重合体(プラスチック)層は任意の他の実施態様で説明した任意の厚さを有することができる。重合体またはプラスチック材料は、紙とは異なる種類の材料である。
具体的には、第1の割送り部および係止爪部(第2の割送り部)を形成するシート材は、セルロースアセテートフィルムの単層体でもよく、またはその積層体でもよい。
シート材はセルロースアセテートフィルムと紙の積層体でもよい。あるいは、第1の割送り部形成する一実施例のシート材は、少なくとも50gsmの紙とそれに貼り付けられた20〜80μmのセルロースシートとの積層体である。プラスチック材料または重合体材料によって外面が画定される。係止爪の具体的な実施例は再生セルロースシートである。
これとは別に任意の実施態様の重合体材料は、生物原料由来のバイオ重合体、炭水化物、澱粉、蛋白質、ポリ有機酸、アルギン酸または任意のふさわしい重合体として定義される。
任意の上記材料、例えば重合体材料または積層シート材を、第1および第2の割送り面の片方または両方に用いてもよく、即ち係止爪および/またはフィルターの外側の形成に用いてもよい。任意の材料をスリーブまたは喫煙品の任意の他の部分に用いてもよい。第1および第2の割送り面は同じ材料または異なる材料で形成してもよい。例えば、係止爪は硬化剤を用いた紙で形成しても、または紙とセルロースアセテートフィルムの積層体で形成してもよく、対応する溝付きの第1の割送り面はセルロースアセテートフィルム、または紙とセルロースアセテートフィルムの積層体でもよい。第1の割送り面の凹みおよび凸条は、フィルター材を囲む前にシート材に予め形成しておくことも、またはフィルター材に取り付けた後に形成することもできる。
一部の実施例では、第1の割送り面および/または第2の割送り面を画定する材料は、第2の割送り面が割送りされるときに、実質的に変形しないように十分に硬くまたは剛性があるように構成されている。硬度を持たせる一つの手段としては、フィルター材の周りを包む平坦なシート材に3mmの丸い探針が用いられて第1の割送り面を画定している。一部の実施例では、材料は、1mm以上撓ませるのに少なくとも以下のうちの1つの力が必要な材料である。即ち0.5N(ニュートン)、0.8N、1N、1.5N、2N、3N、4N、5N、6N、7N、8N、9N、10N。しかし、他の硬度試験または剛性試験を適用することができ、これらの数値に制限されない。一部の実施例では、材料の種類および/または材料の厚さによって別の硬度の手段が取られる。
図19は、任意の実施態様の第1の割送り部の一実施例を示し、タバコユニットの外面に形成されている。フィルター212の外面に第1の割送り部218が、先に説明したように設けられている。第1の割送り部218は複数の長手方向に延びる溝217を備え、これらは長手方向に延びる凸条216で分離されている。複数の凸条216および溝217は実質的に連続した面を画定し、波状の外面を画定してもよく、それらはある半径でまたは実質的に矩形の段差状に滑らかに曲がっていてもよい。隣接した凹みの間の凸条は、実質的に曲率半径が一定の湾曲した形状でもよい。隣接した凹みの間の凸条は、隣接した凹みの間に係合している微細構造の移動に対する抵抗が最大である点を円周上に1つ画定する。溝217は、任意の実施態様で説明したように係止爪を受けるようにその寸法が決定される。溝217は、その半径方向の範囲が係止爪よりも広くなるようにその寸法が決定される。溝217には、係止爪の振動を許容する周方向の範囲があり、係止爪が回転して溝に入るときに可聴音を発生できるようにしている。
フィルター212は、溝および凸条を画定するシート材214の外側層を備える。シート材214はフィルター材215を含み、このフィルター材215は従来のセルロースアセテートトウでもよい。シート材214は剛性が比較的高いシート材であり、紙またはセルロースアセテート、または紙とセルロースアセテートの積層体で形成してもよい。紙を1つ以上の添加剤で処理して剛性を高めてもよい。
これとは別に第1の割送り部は、セルロースアセテートまたは紙で形成された管状部材で形成されていてもよく、これがフィルターまたはタバコロッドの周りに貼り付けられている。第1の割送り部の外面は先の説明と同じである。
図20a〜29は、5つの実施態様および図4で説明した環47を形成する製造方法を示している。5つの実施態様のそれぞれの喫煙品は、特にことわりがない限り図4に関して説明したものと実質的に同じであり、同じ参照番号は同じ部分を示す。
図20a、20b、および21は第1の種類の環247を示している。環247には一体となった係止爪(図示せず)があり、半径方向内向きに延びる凸条を備えている。環247はセルロースアセテートで形成してもよい。係止爪がある環247は押し出しで形成してもよい。複数の環247は長尺の管に押し出しで形成され、その後、ある長さ(各環247は約5mm)に切断される。
環247は、第1の割送り部48がフィルター42の周りに形成された後に、必要に応じて第1の割送り部48に配置してもよい。係止爪が第1の割送り部48に係合するように構成されているため、係止爪がある環247はフィルター42よりも狭い半径方向内側の空間を画定している。形成された環247は、フィルター42を受け具248で圧縮することによって、フィルター42の上を滑って移動する。環247は必要に応じて回転軸(図示せず)の周りに配置される。回転軸は、フィルターが受け具で圧縮される前に、環247がフィルター42上で摺動するのを補助する。環247はフィルター42に沿って摺動し、受け具248で圧縮され、そうして第1の割送り部48の周りに配置される。受け具248は環247の両側に長手方向に延びており、環247の付近のフィルターだけを圧縮するように構成されている。
図20bは、受け具248の正面図である。受け具248は等しい3つの部分248a、248b、248cで形成されており、それらの間に実質的に円形断面を画定している。3つの等しい部分248a、248b、248cは半径方向に移動して、画定された断面の直径を小さくしてフィルターを圧縮することができ、直径を大きくして受け具248から容易に取り外しできるようにしている。
図21は、2個の環247を、2個の第1の割送り部48を有する2倍の長さのフィルター42’に被せる様子を示している。スリーブ43は、2倍の長さのフィルター42’の周りを包む前の状態で示されている。
図22および23は第2の種類の環257を示している。環257は2つの別々の部分257a、257bで形成されており、これらは第1の割送り部の周りで繋ぎ合わされる。2つの部分257a、257bはシート材の細片、例えばセルロースアセテートの細片である。2つの部分257a、257bは材料の細片であって、この材料の細片はフィルターの長軸に対し横方向に延び、長手方向の接合部255a、255bで連結されている。部分257a、257bは重なり合ってもよく、重なり部分は例えば接着剤、熱融着、または任意の適した手段で連結される。接合部255a、255bはフィンシール(fin seal)でもよく、半径方向外向きに突出してもよい。これらの接合部は熱融着で形成してもよい。部分257aの1つは、係止爪259を画定して半径方向内向きに延びる凸条を備える。係止爪259は、この細片をフィルターに接触させる前にローラーで形成してもよい。
環257は、シート材の2つの細片を第1の割送り部の周りに巻いて形成される。各細片は、2つの部分257a、257bを形成するために、第1の割送り部の周長の半分より長くなければならない。細片の第1の端部が連結されて接合部255aを形成する。細片は第1の割送り部を取り囲み、直径方向に反対の点で一つにされて接合部255bを形成する。細片は、例えば反対方向に移動するブレードを備える切断機構252で切られて、余分な材料256a、256bが各細片から取り除かれる。
図23は、複数の喫煙品を形成する細長いフィルターロッド42’の周りに形成されている複数の環257を例として4つ示している。環257それぞれを形成するシート材の2つの細片は、第1の割送り部の周りに巻かれている。各環の第1の接合部255aは完成している。一部の態様では、第1の接合部255aは、フィルター42’が細片255a、255bの間に挿入される前に作られる。第2の接合部255bはまだ作られておらず、余分な材料256a、256bはまだ除去されていない。
図24および25は、環ブランク267から形成される第3の種類の環の製造を示している。環は、シート材267の1個の細片、例えばセルロースアセテートの1個の細片から形成されている。係止爪269は、環ブランク267が喫煙品の第1の割送り部48に取り付けられる前に、環ブランク267に形成される。第1の割送り部48はフィルターに形成されても、または任意の実施態様で説明したように喫煙品の他の部分に形成されてもよく、そのため喫煙品のこの部分を全体に第1の割送り部48とする。環は、第1の割送り部48を取り囲むシート材の細片を備え、長手方向の両側部が重なり合い、永久接着剤で貼り合わされる。
環は以下の製造方法を用いて形成される。環ブランク267は、環が取り囲むことになる喫煙品の一部に一時的に貼り付けられる。一時的な接着剤によって、環を形成するシート材のブランク267は第1の割送り部48に貼り付けられる。一部の実施例では、環ブランク267の縁部の隣接部または縁部が貼り付けられる。取り付けられた縁部は、第1の割送り部48および喫煙品の長軸に平行に長手方向に延びている。一時的な接着剤は、円筒状の環の製造中に環ブランク267を所定の位置に固定するように構成されており、その後、固定は解除されて環と第1の割送り部48の間の回転が可能になる。
図25は、環ブランク267が一時的に貼り付けられている第1の割送り部48の周りに、環ブランク267が巻き付けられる様子を示している。第1の割送り部48と環ブランク267は、第1のローラー267の外側に接触している。さらに第1の割送り部48は第2のローラー262の外面に接触している。ローラー261は第1の割送り部48に、直径方向反対側の滑り部で接触するように構成されている。
ローラー261、262は回転するように構成されている。第1の割送り部48に接触しているローラー261、262の領域は、反対方向へ移動するように構成されている。図示のように、第1のローラー261の接触領域は右へ移動し、第2のローラー262の接触領域は左へ移動する。この反対方向への移動は、同じ回転方向即ち時計回りに回転するローラー261、262によって実現される。一部の実施例では、ローラー261、262のそれぞれの直線運動は等しくかつ反対方向である。
第1の割送り部48はその長軸周りを、ローラー261、262によって図示のように反時計回り方向に回転される。環ブランク267は、第1の割送り部48が回転するときに第1の割送り部48の周りを包むように、最初は第1の割送り部48から離れて延びるように構成される。環ブランク267が第1の割送り部48に一時的に取り付けられているということは、第1の割送り部48が環ブランク267で包まれず単にその上を回転するのではなく、環ブランク267が第1の割送り部48の周りに引っ張られるということを意味する。ローラー261、262の等しくかつ反対の直線移動は、第1の割送り部48が回転するときに第1の割送り部48の絶対位置が変わらないことを意味する。環ブランク267には永久接着剤が塗布されて、長手方向の両側部が重なり合うときに、それらが永久接着剤で貼り合わされて環ブランク267を円筒状に固定するようにしてもよい。
第1の割送り部48は第2のローラー262の領域264に接触してもよい。領域264は第2のローラー262の周りの領域よりも直径が小さい。領域264は、環ブランク267が第1の割送り部48の周りを包むのに十分な周方向の範囲を有する。半径方向に延びる段差264aは、領域264の周方向の縁部を画定する。第1のローラー261は直径が小さい領域(図示せず)を有し、使用時、その小さい領域は段差264aに隣接した領域264と一致する。第1のローラー261の直径が小さい領域は、必要に応じて縁部264aと共に、第1の割送り部48を第1および第2のローラーから離すまたは離れることができるようにし、そのため、環が取り付けられた第1の割送り部48の更なる加工が可能になる。
図26a〜26cおよび27は、環ブランク277で形成される第4の種類の環を示している。環はシート材277の1個の細片、例えばセルロースアセテートの1個の細片で形成されている。係止爪279は、環ブランク277が喫煙品の第1の割送り部48に取り付けられる前に、環ブランク277に形成される。第1の割送り部48はフィルターに形成されても、または任意の実施態様で説明したように喫煙品の他の部分に形成されてもよく、そのため喫煙品のこの部分を全体に第1の割送り部48とする。
環ブランク277は、最初に環ブランク277の一部だけが第1の割送り部48に接触した状態になるように、第1の割送り部48に配置される。一部の態様では、環ブランク277の横方向中央部が第1の割送り部48に接触状態にされる。環ブランク277の第1の部分277aは第1の割送り部48の一方に延び、環ブランク277の第2の部分277bは第1の割送り部48から他方側へ延びている。環ブランク277は第1の割送り部の底部と接した状態にしてもよい。
第1の部分277aは第1の割送り部48の周りに巻き付けられる。第1の部分277aが第1の割送り部48に接するように折り曲げられると、次に、第2の部分277bが第1の割送り部48に巻き付けられる。したがって、第1および第2の部分277a、277bは連続的に巻き付けられる。第2の部分277bに接着剤を塗布して、第2の部分277bを第1の部分277aに取り付け、ブランク277を円筒状に固定するように構成してもよい。
図27は、それぞれが環を有する複数の第1の割送り部48を形成する候補装置の概略図である。長尺のシート材278がボビン272から供給され、それに係止爪279を画定する連続した凸条が形成される。シート材278は複数の環ブランク278に切断される。次に、環ブランク278は部分的に折り曲げられて横方向中心点の周りにU字形状にされ、細長い棒48’の周りに巻き付けられ、複数の第1の割送り部48を画定する。環ブランク278は第1の割送り部48の周りに配置され、引き続き端部277a、277bが折り曲げられ、貼り合わせられる。
図28は、喫煙品280の第5の種類の環287を示している。喫煙品はタバコロッド41、第1のフィルター42、および第2のフィルター44を備える。第1のフィルター42および第2のフィルター44は、先に説明したように相対回転が可能なように中心部で繋がっていてもよい。これとは別に第1および第2のフィルターは、繋がった中心部が無い別々のフィルター部でもよい。第1および第2のフィルターは周囲のシート材の層で連結されている。
喫煙品280は、実質的に先に説明したような、第1のフィルター42の外面に形成された第1の割送り部48を備える。第1のフィルター42はシート材で囲まれたフィルター材(および必要に応じて吸着剤添加物)で構成されている。シート材はフィルター42の外面を画定しており、フィルター材を取り囲む前に変形されて第1の割送り部48の溝および凸条を画定してもよい。シート材は、セルロースアセテートフィルムまたは剛性が比較的高い他のシート材でもよく、例えば処理された紙でもよく、またはセルロースフィルムまたはセルロースアセテートフィルムと紙との積層体でもよい。第1および第2のフィルター42、44は環287で囲まれている。環はシート材、例えばセルロースアセテートの1個の細片で形成されている。係止爪289は、環ブランク287を喫煙品の第1の割送り部48に取り付ける前に、環ブランク287に形成される。環287は第2のフィルター44だけに貼り付けられ、第1のフィルター42には取り付けられていない。環287は、第1および第2のフィルター42,44の全長に延び、フィルター材の周りにプラグラッパーを取り付ける既知の方法と同様の方法で形成してもよい。
環287はスリーブ283で囲まれている。スリーブ283は、第1および第2のフィルター42、44およびタバコロッド41の周りに巻かれたシート材で形成されている。スリーブ283は第1のフィルター42をタバコロッド41に固定し、そのため従来のチッピング紙のように機能している。スリーブ283は環287に、例えば第2のフィルター44を取り囲む後端だけで固定される。
スリーブ283および必要に応じて環287は、実質的に周方向に延びる分離線285を備える。スリーブ283および環287の分離線285は位置合わせされている。スリーブ283および環287は分離線285に沿って容易に破断して、前部283b、287bおよび後部283a、287aに分かれるように構成されている。後部は第2のフィルター44に貼り付けられている。前部は第1のフィルター42に貼り付けられ、スリーブ283の前部283bは、例えば接着剤でタバコロッドにも取り付けられている。分離線285は、スリーブ283のシート材および環287に貫通した複数の穴で画定されてもよい。使用時、最初はスリーブの前部および後部は連結されている。喫煙品は、所定の初期換気、および所定の初期位置に位置合わせされた第1および第2の換気用開口部(図示せず)をを有する。スリーブはタバコユニットに対して容易に相対回転(または摺動)できない。スリーブの後部283aにタバコユニットに対する相対回転力を加えると、スリーブおよび環は分離線285に沿って破断する。するとスリーブ283は自由に回転し、割送り機構48、289に従って第1および第2の換気用開口が位置合わせされることによって換気を変えることができる。スリーブ283およびタバコユニット41、42は、第2のフィルター部が連結された中心部を有することから、その連結が維持される。
これとは別に環287には分離線が無く、スリーブの分離線285は環287の前方にあってもよい。これとは別にスリーブ283は最初に2つの別々の部分で形成され、それらが個々に第1のフィルターをタバコロッドに接続し、第1のフィルターの周りを回転してもよい。
図29は本発明による喫煙品290を示している。喫煙品290の微細構造は、割送り機構の任意の実施態様の組合せに存在してもよい。喫煙品290はタバコロッド291、第1のフィルター292、および第2のフィルター294を備え、先に説明したように配置されている。スリーブブランク293は先に説明したように円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。第1のフィルター292は必要に応じて吸着剤添加物、例えばフィルター材中に分布させた木炭の形態の炭素を備えてもよい。
喫煙品290は、内側回転体295b(第1の割送り部)および外側回転体295a(第2の割送り部)を備える。外側回転体295aは、内側回転体295bに対しその周りを相対回転することができる。外側回転体295aおよび内側回転体295bは割送り機構を画定し、先に説明したような複数の割送り回転位置を提供するように構成されている。外側回転体295aおよび内側回転体295bの一方は、または両方共に、プラスチック材料で作られている。外側回転体295aおよび内側回転体295bは、第1のフィルター292および第2のフィルター294の間に同軸に配置されている。
内側回転体295bは第1の割送り部298を備える。第1の割送り部298は、実質的に任意の他の実施態様で説明したものと同様であり、長手方向に延びる複数の凸条298aおよび複数の溝298bを有する。溝298bは開口部の形態でもよい。凸条298aは、周方向に延びる梯子の形態、即ち間隔を置いて配置された長手方向に延びる複数の棒が周方向に支持されている形態でもよい。これとは別に溝は凹みの形態でもよい。一部の実施態様では、環状の第1の割送り部298によって第1の割送り部298内に小室が画定されている。
外側回転体295aは第2の割送り部を備え、第2の割送り部は半径方向内向きに延びる係止爪299を備える。係止爪299は、解除自在に凸条298aに係合するように構成されて割送り機構を形成している。第1および第2の割送り面は半径方向に係合する。係止爪299は外側回転体295aと一体に形成されてもよく、または外側回転体295aに貼り付けられてもよい。
内側回転体295bは段差がある外面を有する。第1の割送り部の少なくとも一部は、第1および第2の割送り面が係合するように第2の割送り部内に半径方向に配置されている。前部は後部より小さい直径を有する。前部は外側回転体295a内に適合するように構成されている。後部は、外側回転体295aの後部に置かれ、外側回転体295aと実質的に同じ直径を有するように構成されている。第1の割送り部は内側回転体295bの前部内に取り付けられる。保持爪(図示せず)によって、内側および外側回転体295a、295bは一旦連結されると抜けないように維持される。
シート材(図示せず)によって、外側回転体295a、第1のフィルター292、タバコロッド291が連結されている。シート材は紙、例えばチッピング紙でもよい。第1の割送り部の少なくとも一部は、第2の割送り部と同じ外側直径を有する。
スリーブ293には、実質的に図13または任意の実施態様に関して説明したような1つ以上の第1の換気用開口部が設けられている。タバコユニット291、292、295aは、実質的に図13または任意の実施態様に関して説明したような1つ以上の第2の換気用開口部(図示せず)を備える。スリーブ293とタバコユニットの間の、割送り機構で制御される相対回転によって、第1と第2の換気用開口部の重なりが決定される。スリーブ293は、実質的に図13または任意の実施態様に関して説明したように、基準量の換気を提供する1つ以上の追加の換気用開口部296を備えてもよい。
スリーブ293は、第2のフィルター294および内側回転体295bに貼り付けられている。第1の割送り部298は、上記の実施態様の第2の割送り部について説明したように、スリーブ293および吸い口フィルターと共に回転することができる。第2の割送り部299は、上記の実施態様の第1の割送り部について説明したように、喫煙材源と共に回転することができる。スリーブ293は、外側回転体295aに対し相対回転することができる。
スリーブ293は、実質的に周方向に延びる分離線297を備える。スリーブは、実質的に図14で説明したように、分離線297に沿って容易に破断して前部と後部に分かれるように構成されている。スリーブ293およびタバコユニット291、292は、第1の割送り部298に係合した係止爪299によって連結されたまま、喫煙品の第1と第2の部分の間の長手方向の移動を防止してもよい。
図30は、第2の群の割送り機構の第1の実施態様を有する喫煙品300を示している。喫煙品300はタバコロッド301、第1のフィルター(図示せず)、および第2のフィルター(図示せず)を備え、先の説明のように配置されている。スリーブ303は、先に説明したように、タバコロッド301に対し相対移動可動である。スリーブ303および第1のフィルターまたはタバコロッドは、先に説明したような換気用開口部を備え、これらが喫煙品の複数部分の間の回転によって選択的に位置合わせされてもよい。
第1の割送り部は、上記の第1の割送り部18と同じである。第2の割送り面は、第1の割送り部に係合可能な係止爪306を備えて割送り機構を形成している。係止爪306は、スリーブ303の内面に形成された1つ以上の突出した雄微細構造を備える。係止爪306は、スリーブ303の半径方向内向きに突出した突起である。突起306はその形状が実質的に半球で、半径方向内向きに延びる頂部を有する。突起306は、接着剤で例えば接着剤の管または点として形成してもよい。接着剤はスリーブの内面に塗布されている。接着剤は、タバコユニットに接触しても接着性が無い。係止爪306は、フィルターの第1の割送り部の表面で割送りを行うように構成されている。これとは別に突起306はシート材を浮き出しまたは型押しで形成して、第2の割送り面を形成する隆起した微細構造を画定してもよい。またこれとは別に突起306はシート材を取り付けた部分、例えば接着剤で貼り付けた部分で形成してもよい。
スリーブ303は1つ以上の換気用開口部309を備える。開口部309は、周方向に延びる細い開口部即ち隙間の形態でもよい。開口部309は、喫煙品の第1の部分の1つ以上の換気用開口部310に選択的に位置合わせ可能である。タバコユニットは、周方向に間隔を置いた複数の不連続の換気用開口部を備えてもよい。複数の換気用開口部309、310の間の重なりによって換気が決定される。
図31は単独のスリーブ303を示している。スリーブ303はシート材、例えば重なり継ぎ目で円筒状に形成された非通気性の紙で構成されている。突起306はスリーブ303の内面に示されており、例えば接着剤(糊)の点として形成されている。
図32には、第2の群の割送り機構の第2の実施態様を有する喫煙品320が示されている。喫煙品320はタバコロッド321、第1のフィルター(図示せず)、および第2のフィルター(図示せず)を備え、先に説明したように配置されている。スリーブ323は、先に説明したようにタバコロッド321に対し相対移動可動である。スリーブ323および第1のフィルターまたはタバコロッドは、先に説明したように換気用開口部を備え、これらの換気用開口部は喫煙品の複数部品の間の回転によって選択的に位置合わせしてもよい。
第1の割送り部は、上記の第1の割送り部18と実質的に同じ溝および凸条を有する。しかし、第1の割送り部はスリーブ323の内面に形成されている。第2の割送り機構は、第1の割送り部に係合可能な係止爪326を備えて割送り機構を形成している。係止爪326は、第1のフィルター(またはタバコロッド)の外面に形成された1つ以上の突出した雄微細構造を備える。これとは別に係止爪326は隆起したインクで、第1のフィルターの外面に印刷されてもよく、または第1のフィルターの外面に接着剤で、例えば熱融着接着で取り付けられてもよい。係止爪326はスリーブ323に形成された複数の凹みに係合して、スリーブの回転移動を制御する複数の割送り位置を提供する。係止爪326はスリーブ323から半径方向外向きに突出した突起である。突起326の形状は実質的に半球で、半径方向外向きに延びる頂部を有してもよい。突起326は接着剤で形成してもよい。接着剤は、第1のフィルターまたはタバコロッドの外面に塗布されている。接着剤はスリーブに接触しても接着性が無い。
スリーブ323は1つ以上の換気用開口部329を備える。開口部329は周方向に延びる細い開口部即ち隙間の形態でもよい。開口部329は、喫煙品の第1の部分の1つ以上の換気用開口部330に選択的に位置合わせ可能である。タバコユニットは、周方向に間隔を置いた複数の不連続の換気用開口部を備えてもよい。複数の換気用開口部329、330の間の重なりによって換気が決定される。
図33および34は第3の群の割送り機構を有する喫煙品の一部を示している。喫煙品はタバコロッド、第1のフィルター332、および第2のフィルター(図示せず)を備え、先に説明したように配置されている。スリーブ333は先に説明したようにタバコロッドに対し相対移動可能である。スリーブ333および第1のフィルターまたはタバコロッドは、先に説明したような換気用開口部を備え、換気用開口部は喫煙品の複数部分の間の回転によって選択的に位置合わせされてもよい。
第1の割送り部338は、上記の第1の割送り部18と実質的に同じ溝および凸条を有する。しかし、第1の割送り部はスリーブ333の内面に形成されている。第2の割送り機構は、第1の割送り部に係合可能な係止爪339を備えて割送り機構を形成している。係止爪339は、第1のフィルター332の外面に形成された1つ以上の突出した雄微細構造を備える。
図33は、シート材334の外側層を備えるフィルター332を示しており、係止爪339を画定している。シート材334はフィルター材335を含み、これは従来のセルロースアセテートトウでもよい。シート材334は比較的剛性が高いシート材であり、紙またはセルロースアセテート、または紙とセルロースアセテートの積層体で形成してもよい。紙を1種以上の添加剤で処理して剛性を高めてもよい。係止爪339は、シート材の二層を貼り合わせまたは接着し、フィルター材335から半径方向外向きに延びる爪として形成してもよい。係止爪339はシート材を円筒状に固定する接合部、例えばフィンシールまたは重なり継ぎ目で形成してもよい。一部の態様では、シート材の長手方向両端の内面が、例えば熱、圧力、および/または接着剤のうちの1つ以上で永久的に繋ぎ合わされる。
フィルター332は1つ以上の部分を備えてもよい。図示のように、フィルター332は、前部332aおよびそれと同軸の後部332bでもよい。前部332aおよび後部332bは、従来のフィルター材、例えばセルロースアセテートトウで構成され、それらが、係止爪339を形成するシート材334で囲まれてもよい。前部332aおよび後部332bは長手方向に間隔を置いて設けられて空洞332cを画定し、空洞332cに吸着剤添加物331が含まれている。吸着剤添加物331は炭素、例えば木炭の形態の顆粒でもよく、または任意の適した吸着剤添加物でもよい。シート材334は前部と後部332a、332bを連結し、空洞332c内に吸着剤添加物331を含んでいる。
これとは別にフィルター332は、シート材334で囲まれたフィルター材335の1部分だけを備えてもよい。あるいは、吸着剤添加物を含む空洞は、タバコロッドに取り付けられた第1のフィルターとスリーブに取り付けられた第2のフィルターの間に配置されてもよい。
図34はスリーブ333の断面を示している。スリーブ333の内部は第1の割送り部を画定し、凸条336と溝337を交互に有する。第1の割送り部は、係止爪339を形成する爪に係合し割送りを行うように構成されている。凸条336および溝337の形状は図示のように三角でもよく、または先に説明したように波状の曲がった形状でもよく、または係止爪339との係合に適した任意の形状を有してもよい。
図35は、第4の群の割送り機構を有する喫煙品の一部を示している。喫煙品はタバコロッド、第1のフィルター352、および第2のフィルター(図示せず)を備え、先に説明したように配置されている。スリーブ353は先に説明したようにタバコロッドおよび第1のフィルターに対し相対移動可能である。スリーブ353および第1のフィルター352またはタバコロッドは、先に説明したように複数の換気用開口部を備え、これらが喫煙品の複数部分の間の回転によって選択的に位置合わせされてもよい。
第1の割送り部358は、上記の第1の割送り部18と実質的に同じ溝および凸条を有する。第2の割送り機構は、第1の割送り部で説明したものと実質的に同様の、スリーブ353の内面に形成された溝および凸条を備える。スリーブ353は、凸条の形態の複数の長手方向に延びる係止爪359を画定し、これらは第1の割送り部の凸条に係合することができ、それによって割送り機構を形成している。
スリーブ353は、外側層353aおよび内側層353bを備える。内側層353bは必要に応じて波形が付けられて、第1の割送り部で説明したように、第2の割送り部の凸条および溝を画定してもよい。具体的には、この波形は蒸気、澱粉、およびローラーを組み合わせて形成される。波形が付けられた内側層353bは第1のフィルター352の周りに巻かれる。外側層353aは内側層352bの周りに巻かれ、内側層352bに貼り付けられている。外側層353aには波形は無く、滑らかな円筒状の外面をしている。
図36、37a、および37bは、第5の群の割送り機構を有する喫煙品360を示している。喫煙品360はタバコロッド361、第1のフィルター362、および必要に応じて第2のフィルター(図示せず)を備え、先に説明したように配置されている。スリーブ363は、先に説明したようにタバコロッド361に対し相対移動可能である。スリーブ363および第1のフィルターまたはタバコロッドは、実質的に先に説明したように、タバコユニットに1つ以上の換気用開口部366aを備え、スリーブに1つ以上の換気用開口部366bを備え、これらが喫煙品の複数部分の間の回転によって選択的に位置合わせされてもよい。
第1の割送り部368はタバコユニットに形成されており、第1のフィルター362に被さっていてもよい。第1の割送り部368は、成形された縁部を備え、この縁部は第1のフィルター362から半径方向外向きに延び、第1の割送り部368の後方領域から段階的に大きくなる直径を画定している。第1の割送り部368は長手方向または軸方向に成形されている。第1の割送り部368は、均一な直径部分まで延び、上記の第1の割送り部18に垂直な面を形成している。第1の割送り部368の長手方向の形状は凸条および溝、即ち長手方向の位置が互い違いに変化している部分を画定している。第1の割送り部368の長手方向の位置は、円周上を滑らかに変化してもよく、または段差があってもよい。第1の割送り部368は、第1のフィルターまたはタバコロッドを覆い、成形された縁部を前端に画定するシート材の1つ以上の層で形成してもよい。
スリーブ363は、第1の割送り部368に係合するように構成された第2の割送り部369を備えて割送り機構を形成している。第2の割送り部369は、半径方向内向きに延びる1つ以上の突起369aを備える。この突起は、例えばスリーブ363の前縁部に隣接して、周方向に間隔を置いて配置されている。突起369aは、第1の割送り部368の溝の中に配置されるように、即ち第1の割送り部368の長手方向の相対的に後方部分に配置されるように位置決めされている。第2の割送り部369の突起は、長手方向前方および/または半径方向外向きに弾性変形して1つの溝から他の溝へ回転するように構成されている。弾性変形によって喫煙品の第1および第2の部分の回転割送りが得られる。
喫煙品はさらに、スリーブ363が第1のフィルター362を越えて長手方向に移動するのを制限する拘束手段を備える。タバコユニットは、後端に隣接し半径方向外向きに延びる第1の係合面367bを備える。第1の係合面367bは、その後方領域に向かうにつれて直径が段階的に大きくなっている。スリーブ363は、その内面に形成された第2の係合面367aを備える。第2の係合面367aは後端に隣接し、半径方向内向きに延びている。第2の係合面367aは、その前方領域に向かうにつれて段階的に直径が減少している。一部の態様では、第2の係合面367aは、スリーブを形成するブランクの一部を内向きかつ前向きに曲げることによって形成されている。第2の係合面367aは切り欠きで分離された部分に形成されており、周りのスリーブ363と材料は同じだが、第2の係合面367aの円周は、スリーブを形成している周りの円筒管よりも小さい。第1の係合面367bおよび第2の係合面367aは係合して、スリーブ363とタバコユニットの間の自由な回転移動を可能にし、スリーブ363がタバコユニットを越えて前方へ移動するのを防いでいる。一部の実施態様では、第2のフィルターはスリーブの吸い口端内に取り付けられる。
図37bは、第2の割送り部369の突起369aの拡大図である。突起369aは、スリーブのシート材の一部で形成されており、半径方向内向きに変形されている。一部の実施例では、周方向に延びる切り込み369bがスリーブ材料を貫通して突起369aの後方縁部をはっきり画定している。シート材は切り込み369bの前方で変形しているが、切り込み369bの後方は変形していない。これとは別に周方向の切り込みを無くし、スリーブ363の前縁部を内向きに変形させて周方向に間隔を置いた突起を形成してもよい。
図37aに示した実施態様では、スリーブ363は第2のフィルターに取り付けられていない。これとは別にスリーブ363を第2のフィルター、第1のフィルター362の後方に取り付け、それによってスリーブの前方への移動を防止してもよい。喫煙品は、前向きの長手方向移動を防ぐ第1および第2の係合面367a、367bを備えなくてもよい。
図38は、上記の第1の群に関連した割送り機構の別の実施態様を有する喫煙品380が示している。具体的には、割送り機構は図2に示した実施態様に関連し、微細構造は断りが無い限り同じである。喫煙品380はタバコロッド、第1のフィルター382、および第2のフィルターを備え、先に説明したように配置されている。スリーブ383は、先に説明したような円筒状のスリーブに形成されて示されている。割送り機構は、第1および第2の割送り部、および喫煙品380の第1と第2の部分の間の回転を制限する制限機構を備える。
第1の割送り部388は上記の第1の割送り部18と同じである。具体的には、第1の割送り部388は第1のフィルター382の外面に形成されており、好ましくはフィルター材を囲むシート材の波形の層に形成されている。
第2の割送り機構は、第1の割送り部388に係合可能な係止爪389を備えて割送り機構を形成している。起立した係止爪389が係止爪部387に形成されている。係止爪部387は係止爪389および制限機構の一部を備え、これについて以下に説明する。係止爪部387はシート材の1つの細片で形成してもよい。シート材は折り曲げられて、実質的に三角断面を有し半径方向内向きに突出した凸条の形態の係止爪389を画定してもよい。
係止爪部387は、スリーブ383または管状の係止爪支持部に、例えば接着剤で貼り付けられている。係止爪部387は、係止爪389の三角断面を維持するように凸条の両側が貼り付けられている。係止爪部387は、スリーブ383の周囲の一部だけに周方向に延びている。
係止爪部387は、第1の止め部381aおよび第2の止め部381bを備える。第1の止め部381aおよび第2の止め部381aは、係止爪部387の周方向の両端に、またはそれに隣接して形成されている。第1の止め部381aおよび第2の止め部381bは、スリーブ383から半径方向内向きに、例えば係止爪389より短い距離だけ延びている。
喫煙品380は、第1の接触面386aおよび第2の接触面386bをさらに備える。第1の接触面386aおよび第2の接触面386bは、それぞれ第1の止め部381aおよび第2の止め部381bに係合して、係止爪部387の第1の割送り部388に対する相対回転の範囲を制限するように構成されている。第1の接触面386aおよび第2の接触面386bは、第1の割送り部388から半径方向外向きに延びている。制限機構は、第1および第2の止め部381a、381b、および第1および第2の接触面386a、386bを備える。第1および第2の接触面386a、386bは、制限部385に、例えば第1の割送り部388とスリーブ383の間に配置された円筒管の形態で形成してもよい。制限部385は第1の割送り部の外面に貼り付けられている。
制限部385は、周方向に延びる開口部の形態の窓385aを画定する。第1および第2の接触面386a、386bは、窓385aの周方向の両端である。係止爪部387は窓385aの内側に配置されている。係止爪部387および制限部385は共に隣接してスリーブ383の内面に配置され、互いに接して回転を制限するように構成されている。具体的には、第1の止め部381aは、第1の接触面386aに接触して反時計回り方向の回転を制限するように構成されており、第2の止め部381bは、第2の接触面386bに接触して時計回り方向の回転を制限するように構成されている。第1の割送り部は、必要に応じて第1のフィルターの周囲全体に延びていてもよい。窓385によって、周囲の一部だけに係止爪部387を近づけることができ、回転の範囲を制限することができる。
これとは別に第1および第2の接触面386a、386bは円筒管の窓で形成されなくてもよい。第1および第2の接触面386a、386bは、第1の割送り部に貼り付けられ長手方向に延びるシート材の細片で形成してもよく、または第1の割送り部と一体的に形成してもよい。
図39は、図38で説明した係止爪部387をより詳細に示している。係止爪部387は、起立し半径方向内向きに延びる係止爪389を備える。係止爪389は湾曲した基部393から延びて、円筒状のスリーブ内に配置されている。
係止爪部387は、第1および第2の止め部381a、381bをさらに備える。第1および第2の止め部381a、381bは、それぞれ係止爪部387の周方向の両端に形成されている。第1および第2の止め部381a、381bは、係止爪部387のシート材の折り曲げ部で形成してもよい。第1および第2の止め部381a、381b、係止爪389、および基部393は、全てシート材の1個の細片で一体的に形成されている。シート材は紙でもよく、重合体フィルム(例えば再生セルロース、セルロースアセテート)でもよく、または積層体(例えば紙と再生重合体セルロースアセテート)でもよい。任意の実施態様の係止爪は、任意の実施態様で説明した任意の材料で構成することができる。
第1および第2の止め部381a、381bは三角断面を有し、係止爪部387の周方向の縁部の中央に配置されている。第1および第2の止め部381a、381bは、それぞれ基部393の周方向に延びる折り曲げ部391a、391bで形成されている。折り曲げ部391a、391bは、係止爪389を形成している折り曲げ部に垂直な面内に延びている。折り曲げ部391a、391bは、係止爪389を形成している折り曲げ部と同様に配置されており、それぞれが頂部の折り曲げ部およびその両側の2つの折り曲げ部を画定し、この両側の折り曲げ部によってシート材が基部393から頂部へ持ち上がっている。折り曲げ部391a、391bによって、半径方向内向きに延びる止め部381a、381bが設けられ、これらは係止爪部387の周方向の縁部から半径方向に最も延びている。折り曲げ部391a、391bは基部393の一部分だけに延びており、基部393に向かって先細りして係止爪389から離れて配置されている。第1および第2の止め部381a、381bの周方向の縁部は、第1および第2の接触面に接触して、喫煙品の第1および第2の部分の回転の範囲を制限するように構成されている。
第1および第2の止め部381a、381bは、係止爪部387のシート材を折り曲げることによって形成してもよい。これとは別に第1および第2の止め部381a、381bは、係止爪部387を永久変形させて形成してもよく、または初めから第1および第2の止め部381a、381bを有する係止爪部387を形成してもよい。
図40は、係止爪部387の一部の拡大図を示している。この図は係止爪389を示しており、基部393が曲げられて円筒スリーブ内に配置される前の状態である。先に説明したように、係止爪389は実質的に三角断面を有する起立した凸条を備え、1片のシート材で形成されている。シート材は折り曲げ部395a、395bで折り曲げられて、基部393から延びる2つの側部396a、396bを画定している。側部396a、396bは折り曲げ部395cで交わり、係止爪の三角断面389の頂部を画定している。係止爪389は、脚396aと396bの間の角度θで形成されており、その角度を選択して係止爪389の割送りの特性を決めることができる。具体的には、角度θによって、割送り位置の間の移動に必要な抵抗力および割送り位置の間の移動によって発生する可聴音の音量がある程度決定されてもよい。喫煙品の係止爪で画定される角度θの範囲は10〜30度でもよく、さらに具体的には15〜25度でもよく、さらに具体的にはちょうど20度または約20度でもよい。
図41aおよび41bには、任意の実施態様で説明したような第1の割送り部418、418’の形状の2つの実施例が示されている。第1の割送り部418、418’によって、凸条416、416’で分離された複数の溝417、417’が画定される。第1の割送り部418、418’は、円筒面に形成される前の状態で示されている。凸条416、416’は実質的に真っ直ぐな側部を有し、実質的に三角断面を画定している。凸条416’は、例えば図41bに示すように、半径方向に最大に延びた点を実質的に1つ画定してもよい。一部の実施例では、第1の割送り面の凸条は、表面の少なくとも一部における曲率半径が0.2〜0.8mmまたは0.4〜0.6mmである。これとは別に凸条416は、図41aに示すように、半径方向に最大に延びた位置で周方向に広がる山を画定している。半径方向に最大に延びた1点は、ある短い範囲だけ周方向に広がることができる。一部の実施例では、この山即ち半径方向に最大に延びた位置は、周方向の範囲が次のうちの1つより狭い。即ち1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、または0.1mm。
溝417、417’は複数の割送り位置を提供し、複数の割送り位置の中に任意の実施態様の係止爪が解除可能に配置されるように構成されている。好ましくは、溝417、417’および凸条416、416’は、隣接する溝417、417’の間を係止爪が移動するときに可聴音を発生させることができるように構成されている。その音は、係止爪の振動を十分に可能にする寸法を有する溝417、417’によって提供されてもよい。
溝417、417’および凸条416、416’は間隔d、d’を有し、これらは隣接する溝または凸条の中心間の周方向の距離で定義される。間隔d、d’は0.9〜1.7mmでもよく、より具体的には1〜1.5mm、さらに具体的には1.1〜1.4mmである。一部の態様では、間隔dは約1.4mm、間隔d’は約1.15mmである。
凸条416、416’は、隣接する凸条416、416’の間の角度Φ、Φ’の範囲を規定し、これはまた溝417、417’で画定される角度範囲も規定する。角度Φ、Φ’は20〜80度、30〜70度、40〜60度、およびより具体位的には45〜50度でもよい。一部の態様では、角度Φは約47.5度、角度Φ’は約49度である。傾いた側部が平坦ではない実施態様の場合、上記の角度は凸条の半径方向の中央点、凸条の平面近似、または凸条の頂部または中央部の間の角度に当てはめることができる。
凸条416、416’は半径方向の範囲l、l’を有し、これらは溝417、417’の中心から、隣接する凸条416、416’の中心までの半径方向の距離として定義される。半径方向の範囲l、l’は0.2〜1.8mm、0.4〜1.4mm、さらに具体的には0.6〜1.2mm、さらに具体的には0.9〜1.1mmでもよい。一部の実施例では、半径方向の範囲lは約0.94mm、半径方向の範囲l’は約1mmである。
一部の実施例では、任意の実施態様の第1の割送り面(即ちフィルター材の周り)(または第2の割送り面)を画定する材料の半径方向の範囲は0.1〜0.8mm、0.2〜0.7mm、または0.1〜0.4mm、または0.2〜0.3mm、または上記の任意の値を含む任意の範囲とすることができる。一部の実施例では、第1の割送り面を形成する波形構造のシート材の総厚さは、0.3〜1.5mm、または0.4〜1.2mm、または0.4〜0.8mm、または0.4〜0.7mmまたは上記の任意の値を含む任意の範囲とすることができる。一部の態様では、係止爪は、割り送り動作で溝内に入ったときに振動できるように、第1の割送り面の溝の底に届かないように構成されている。溝の形状をさらに細くすると、例えば凸条の側部の角度をさらに急にすると、溝内にさらに空間が生まれる。
この形状によって、90度または120度の回転範囲に4〜10箇所の割送り位置を設けてもよい。一部の実施例では、その形状によって、90度または120度の回転範囲に4〜7箇所の割送り位置が設けられる。
一部の実施例では、溝および凸条によって決まる第1の割送り面の円周周りの喫煙品から見た角度の範囲は12〜30度、または15〜25度、または20〜25度に規定される。
図42は、本発明による喫煙品420の斜視図である。喫煙品420はタバコロッド421、第1のフィルター、および第2のフィルター424を備え、先に説明したように配置されている。スリーブブランク423は、先に説明したように、円筒状のスリーブに形成される前の状態で示されている。割送り機構は任意の実施態様で説明されたものと同じでよい。
スリーブ423には1つ以上の第1の換気用開口部426a、426bが設けられている。一部の実施態様では、スリーブ423は、間隔を置いて配置された複数の第1の換気用開口部426a、426bを備え、これらの開口部は周囲の一部だけに、例えば長手方向の1箇所に周方向に延びている。一部の態様では、喫煙品は2個の第1の換気用開口部426a、426bを備える。一部の実施例では、第1の換気用開口部426a、426bは周方向の細い開口部の形態である。第1の換気用開口部426a、426bは切り抜きであって、スリーブ423が円筒状に形成される前、即ち第1または第2のフィルターの周りに巻かれる前に形成される。
タバコユニット421は1つ以上の第2の換気用開口部427を備える。一部の態様では、タバコユニット421は1つの第2の換気用開口部427を備え、その開口部は周囲の一部だけに、例えば長手方向の1箇所に周方向に延びている。一部の実施例では、第2の換気用開口部427は1つ以上の周方向の細い開口部の形態であり、周方向に間隔を置いて配置された複数の開口部でもよい。第2の換気用開口部427によって、空気がタバコユニット、例えば第1のフィルターに入ることができるようになる。第2の換気用開口部427は開口部または通気領域であって、それによって空気が、フィルター材を囲むシート材の層を通って第1のフィルターのフィルター材に入ることができるようになる。第2の換気用開口部427は不透過性のシート材425、例えばチッピング紙で形成してもよい。第2の換気用開口部427は必要に応じてレーザーで形成してもよい。レーザーで形成された第2の換気用開口部427はそれぞれ、長手方向の範囲および必要に応じて周方向の範囲が、第1の換気用開口部426の切り抜きよりも狭い。喫煙品の位置合わせ可能な開口部は、長手方向および/または周方向の寸法が種々あり、種々の方法で形成してもよい。
これとは別に第2の換気用開口部427の寸法および形成方法は、上記の第1の換気用開口部426の寸法および形成方法と同じである。加えて、またはこれとは別に、第1の換気用開口部426の寸法および形成方法は、上記の第2の換気用開口部427の寸法および形成方法と同じである。第1および第2の換気用開口部の形態は同じでもまたは異なってもよく、任意に組み合せてもよい。
図43は、実質的に任意の実施態様で説明したような構成要素を有する喫煙品430の分解図である。喫煙品430はタバコロッド431、第1のフィルター432、および第2のフィルター434を備え、先に説明したように同軸に配置されている。第1および第2のフィルター432、434は、別々のフィルター部であって互いに接しており、それぞれがフィルター材で構成され、多孔質のシート材で囲まれている。第1のフィルター432は、吸着剤添加物、例えば木炭のような炭素を備える。吸着剤添加物は、第1のフィルター432のフィルター材内に分布されてもよい。吸着剤添加物はフィルター材、例えばセルロースアセテートトウに実質的に均一に分布されてもよい。吸着剤添加物は顆粒状の炭素でもよく、または任意のふさわしい吸着剤添加物でもよい。第2のフィルター434は吸着剤添加物を何ら含まない。
第1のフィルター432は、図38で説明したように、制限部435で囲まれている。制限部435は、第1の割送り部438の周りに配置された管(例えば円筒管)の形態でもよい。制限部485は第1の割送り部の外面に貼り付けられている。制限部435は、周方向に延びる開口部の形態をした窓435aを画定している。第1および第2の接触面は、窓435aの周方向の両端に画定されている。
第1のフィルター432は、タバコロッド431に連結部445で取り付けられており、シート材の円筒状のラッパーで構成されている。シート材は紙、例えばチッピング紙でもよい。ラッパーは、第1のフィルター432の比較的短い距離だけ延び、第1の割送り部には延びていない。ラッパー445は制限部435の内側に配置されても、または外側に配置されてもよく、図示のように制限部435の外側に配置されてもよい。
半径方向内向きに延びる係止爪439を有する係止爪部437は、窓435a内に配置され、第1の割送り手段に係合している。係止爪部437および係止爪439は任意の実施態様の説明と同様であり、具体的には図39の説明と同様である。
係止爪支持部443は、係止爪部437および制限部435を取り囲んでいる。係止爪支持部437は係止爪部437を所定の位置に支持し、係止爪部の回転を可能にしている。係止爪支持部は管(例えば円筒管)の形態でもよく、シート材、例えば紙で形成されている。係止爪部437は係止爪支持部443の内面に貼り付けられており、例えば係止爪439の両側の接着剤で貼り付けられている。係止爪支持部443は、第1のフィルター432と実質的に同じ長さを有する。係止爪支持部443は、制限部435には貼り付けられておらず、制限部435の周りを回転可能である。係止爪支持部443は、係止爪部437を窓435a内に支持するように構成されており、係止爪部437が長軸周りに回転できるようにしている。
スリーブ433は、先に説明したように、円筒状のスリーブの形態で示されている。スリーブ433は、係止爪支持部443および第2のフィルター434を取り囲み、それらに貼り付けられている。スリーブ433は、タバコロッドの周囲の一部、および他の全ての構成要素の周囲全体に延びている。
喫煙品は拘束手段を有し、拘束手段は第1および第2の係合面を備え、図11で説明したように、スリーブ433のタバコユニット431、432に対する後方への相対移動を防いでいる。第1の係合面447aは、喫煙材源431と第1のフィルター432を連結している連結部445の前縁部で形成してもよい。第2の係合面447bは、スリーブを形成している円筒管の内面に、例えば一部を内向きかつ後向きに折り曲げて設けられている。
タバコロッド431、第1のフィルター432、連結部445、および制限部435によって、共に回転可能な1つの部分が形成され、これを喫煙品の第1の部分とする。係止爪部437、係止爪支持部443、第2のフィルター434、およびスリーブ433によって、共に回転可能な1つの部分が形成され、これを喫煙品の第2の部分とする。第1および第2の部分は、互いに相対的に複数の割送り位置の制限範囲を回転することができる。相対回転の位置は、任意の実施態様で説明したような換気用開口部の位置合わせによって、喫煙品の換気を選択するように構成されている。
これとは別に喫煙品430に係止爪支持部443が設けられていなくてもよい。係止爪部437は、スリーブ433に直接貼り付けられてもよい。
図44は、本発明による、具体的には図43に示した実施態様による喫煙品を製造する方法500を概略的に示している。方法500は、直列に喫煙品を製造するように構成されている。
喫煙品は組立工程550で組み立てられ、組み立てには、割送り第1のフィルターの製造工程510、割送り部の製造工程520または530、および第2のフィルターの製造工程540で形成された構成要素が用いられる。ここで、これらの製造工程について説明する。これらの製造工程は、1個、2個、または4個の喫煙品を同時に製造し、その後それらを切断して個々の喫煙品を形成するのに適した構成要素を提供するように構成してもよい。
割送り第1のフィルター製造工程510は、図43の制限部435で説明したような制限部を形成することを含む。シート材源、例えば紙を供給する(段階511)。シート材から窓を切り抜き(段階512)、窓の材料を廃材として除去する(段階513)。制限部に接着剤を塗布して(段階514)、上記の過程520または530で製造された第1のフィルターと第1の割送り部を貼り合わせる。窓を第1の割送り部に位置合わせし(段階515)、制限部を第1のフィルターの周りに円筒状にラッパーとして接着する(段階516)。連結された複数の第1のフィルターと制限部を有する長尺の棒を切断して、所定数、例えば4個の第1のフィルターを含むロッドにする(段階517)。
割送り部製造工程520、530は、図43の第1の割送り部、第1のフィルター432を有するフィルターを形成することを含む。割送り部製造工程520は、セルロースアセテートフィルムを提供すること(段階521)、および溝および凸条を有する割送り形状を、例えば対向したローラーを用いて型押しすること(段階522)を含む。製造工程520はさらに、フィルター材の標準トウ、例えばセルロースアセテートトウを提供すること(段階523)を含む。トウを円筒状に形成し(段階524)、吸着剤添加物、例えば炭素粒子を添加する(段階525)。割送り形状が付けられたフィルムをトウの周りに巻いて第1のフィルターを形成する(段階526)。
割送り部製造工程530は工程520の代わりの工程である。割送り部製造工程530は、セルロースアセテートトウを提供すること(段階531)を含み、そのセルロースアセテートトウを、例えば熱、圧力、および蒸気の少なくとも1つを用いて開口部を通過させて成形する(段階532)。セルロースアセテート材料を例えばローラーの間で圧縮して(段階533)、セルロースアセテートフィルムを形成する。フィルムに、溝および凸条を有する割送り形状を、例えば対向したローラーを用いて型押しする(段階534)。製造工程530はさらに、フィルター材の標準トウ、例えばセルロースアセテートトウを提供すること(段階535)を含む。トウを円筒状に形成し(536)、吸着剤添加物、例えば炭素粒子を添加する(段階537)。割送り形状が付けられたフィルムをトウの周りに巻いて第1のフィルターを形成する(段階538)。第1の割送り面の割送り形状が付けられたフィルムでフィルター材を囲み、保持する。
第2のフィルター製造工程540は、従来のフィルター材、例えばセルロースアセテートトウの形態のフィルター材を供給することを含む(段階541)。トウを円筒状に形成する(段階542)。フィルター材をシート材、例えばプラグラッパーのような紙で包む。包まれたフィルター材からなる長尺のロッドを切断して、複数の、例えば4つの第2のフィルターを形成する部片にする。
組立工程550は、第1の割送り部を有する第1のフィルターを製造工程510から受け取る(段階551)。組立工程550はタバコロッドを供給すること(段階552)および円筒状のラッパー用のシート材のブランクで構成された連結部を供給すること(段階553)をさらに含む。2本分の長さの第1のフィルターを2個のタバコロッドに連結部で連結する(段階554)。即ち、第1の割送り面を備えるこの部分は、第2の割送り面の係合の前に、喫煙材源に取り付けられる。係止機構のシート材即ち溝付きフィルターの周りのスリーブを、例えばレーザーで切断する(段階555)。係止機構のシート材は、例えば紙、セルロースアセテートフィルム、または紙とセルロースアセテートフィルム積層体の任意の材料でよい。1つ以上の可変の換気用開口部を第1のフィルターに、例えばレーザーで形成する(段階556)。第1のフィルターを横方向に切断して2つの部分にし、その2つの部分を分離する(段階557)。
組立工程550は、標準の第2のフィルターを製造工程540から供給すること(段階558)を備える。2つの第2のフィルター(例えば2本分の長さの第2のフィルター)を、分離された第1のフィルターの間に挿入する(段階559)。
組立工程550は、係止爪部を供給することをさらに含む。係止爪部が以下によって形成される。セルロースアセテートフィルムを供給し(段階560)、そこからブランクを切断する(段階561)。そのブランクを分離し(段階562)、例えばローラーで折り曲げて、係止爪の形状を形成し、必要に応じて第1および第2の止め部の形状を形成する(段階563)。圧力接着剤をブランクの基部に塗布する(段階564)。
スリーブは、シート材、例えばチッピング紙を供給すること(段階565)によって形成される。シート材の縁部を折り返して係合面を形成する(段階566)。1つ以上の換気用開口部をブランクに切り込み(段階567)、開口部の材料を廃材として除去する(段階568)。2つの喫煙品用のスリーブを提供するように、ブランクを形成してもよい。
係止爪部をスリーブブランクに貼り付ける(段階569)。一部の態様では、2つの係止爪部が2本分の長さのスリーブブランクに貼り付けられる。係止爪を制限部の窓と位置合わせして、スリーブブランクを第1および第2のフィルターの周りに配置する(段階570)。スリーブブランクを第1および第2のフィルターおよびタバコロッドの周りに円筒状に固定して、2本分の長さの喫煙品を形成する(段階571)。換気用開口部を、例えばレーザーで、スリーブに形成して基準量の換気を提供する(段階572)。2本分の長さの第2のフィルターを横方向に切断して2つの別々の喫煙品を形成する(段階573)。スリーブをタバコロッドに対し相対的に回転させて、各喫煙品の初期換気を設定する(段階574)。
図45は、本発明による、および具体的には図43に示した実施態様による、喫煙品を製造する方法600の概略を示している。方法600は、割送り機構が、組立工程の前に構成単位として組み込まれる喫煙品を製造するように構成されている。
喫煙品は組立過程650で組み立てられ、それには割送り機構製造工程610および第2のフィルター製造工程540で形成された構成要素が用いられる。これらの製造工程について説明を行う。これらの製造工程は、1個、2個、または4個の喫煙品を同時に製造し、その後それらを切断して個々の喫煙品を形成するのに適した構成要素を提供するように構成されている。
割送り機構の製造工程610は、図43で説明したような第1および第2の割送り部を形成することを含む。割送り機構製造工程610は係止爪部を形成することを含む。係止爪部は以下によって形成される。セルロースアセテートフィルムを供給し(段階601)、それをブランクに切断する(段階602)。ブランクを分離し(段階603)、例えばローラーで折り曲げて係止爪の形状を形成し、必要に応じて第1および第2の止め部を形成する(段階604)。圧力接着剤をブランクの基部に塗布する(段階605)。
割送り機構製造工程610は係止爪支持部を形成することを更に備える。シート材、例えば紙、例えばプラグラッパーのような多孔質の紙を供給する(段階606)。そのシート材に接着剤を塗布して(段階607)、係止爪に貼り付ける。接着剤をグラビア印刷で塗布して(段階608)、ブランクを円筒状に固定する。各工程で用いられる接着剤は、各機能に同じ種類の接着剤(糊)でもよく、または異なる機能に異なる種類の接着剤を備えてもよい。
塗布した接着剤で、係止爪部および係止爪支持部を貼り合わせる(段階609)。接着剤を不連続に塗布する(段階611)。
第1の割送り部は製造工程520または530で、図44に関して説明したように形成される。
割送り機構製造工程610は、図43の制限部435で説明したような制限部を形成することを含む。シート材源、例えば紙を供給する(段階621)。そのシート材から窓を切り抜き(段階622)、窓の材料を廃材として除去する(段階623)。
窓を製造工程520または530の第1の割送り部に位置合わせし(段階624)、制限部を第1のフィルターの周りに円筒状に接着して囲む(段階625)。係止爪部が付いた係止爪支持部を第1の割送り部の周りに巻き(段階626)、所定の位置に接着する。即ち、第1および第2の割送り面を含む部分が、喫煙材料源の取り付け前に係合される。複数の連結された第1のフィルターおよび割送り機構を含む長尺のロッドを切断して所定数、例えば4個、の第1のフィルターを含む1つのロッドにしてもよい(段階627)。
第2のフィルターは製造工程540で、図44に関して説明したように形成される。
組立工程650は、割送り機構を有する第1のフィルターを製造工程510から受け取る(段階651)。組立工程650はタバコロッド供給すること(段階652)および円筒状のラッパー用のシート材のブランクで構成された連結部を供給すること(段階653)をさらに含む。2本分の長さの第1のフィルターを連結部が付いた2つのタバコロッドに連結する(段階654)。係止機構のシート材、即ち溝が付けられたフィルターの周りのスリーブを、例えばレーザーで切断する(段階655)。1つ以上の可変の換気用開口部を第1のフィルターに、例えばレーザーで形成する(段階656)。第1のフィルターを横方向に切断して2つの部分にし、それを分離する(段階657)。
組立工程650は製造工程540から標準の第2のフィルターを供給することを含む(段階658)。2つの第2のフィルター(例えば2本分の長さの第2のフィルター)を、分離された第1のフィルターの間に挿入する(段階659)。
スリーブは、シート材、例えばチッピング紙を供給して形成される(段階665)。シート材の縁部を折り返して係合面を提供する(段階666)。1つ以上の換気用開口部をブランクに切り込み(段階667)、開口部の材料を廃材として除去する(段階668)。好ましくは、ブランクは2つの喫煙品用のスリーブを提供するように形成される。
スリーブブランクを第1および第2のフィルターおよびタバコロッドの周りに円筒状に固定して、2個分の長さの喫煙品を形成する(段階671)。換気用開口部をスリーブに、例えばレーザーで形成して、基準量の換気を提供する(段階672)。2本分の長さの第2のフィルターを横方向に切断して2つの別々の喫煙品を形成する(段階673)。スリーブをタバコロッドに対し相対的に回転させて各喫煙品の初期換気を設定する(段階674)。
上記の1つ以上の実施態様は、スリーブおよび/またはタバコユニットに形成された換気用開口部について説明している。換気用開口部は、空気がスリーブまたはタバコユニットに流入できるように形成されている。具体的には、タバコユニットはフィルターまたは小室を取り囲む紙のラッパーの1つ以上の層を備えてもよい。紙のラッパーの1つ以上の層は、プラグラッパー、および/またはフィルター材を含むフィルターを取り囲む他の材料、および/またはフィルターをタバコロッドに繋いでいるチッピング紙で構成してもよい。換気用開口部は、紙のラッパーの1つ以上の層および任意の他の材料を貫通して延びているため、空気が通気性のフィルター材または小室まで流れるようになっている。換気用開口部が形成される材料は実質的に空気流に対して非透過性であるか、または所定の透過性を有して基準量の換気をもたらす。
任意の実施態様の換気用開口部は、切断による開口部の形態でも、通気性材料の形態でも、または通気性材料で覆われた開口部の形態でもよい。換気用開口部とは、通気性がある領域を意味する。しかし通気性領域は、形成されたら換気領域と呼ぶ。
喫煙品の第2の部分に対する第1の部分の相対移動は、喫煙品の換気を変えることと説明される。これとは別にまたはそれに加えて、喫煙品の第2の部分に対する第1の部分の相対移動は、以下のうちの1つ以上を変化させてもよい。即ち、芳香剤の放出または含有、煙が通過する吸着剤添加物の量、および/またはフィルター材の有効長の制御によるろ過の量。
喫煙品の実施態様は、第1の部分と第2の部分の間に小室即ち内部の自由空間を有しないと説明されている。これとは別に任意の実施態様は、長手方向の長さが固定された小室を、第1の部分と第2の部分の間に有してもよく、具体的には第1および第2の部分のフィルターの間に有してもよい。換気を、第1および第2の部分の間の回転によって変化させ、小室の長さを変化させる長手方向の相対移動を拘束手段によって防止してもよい。これとは別に喫煙品は、タバコユニットの周りの外側スリーブを長手方向に移動させるように構成し、例えば換気を変化させてもよい。その場合、任意の小室がタバコユニットの中にあり、その長さは外側スリーブの移動に影響を受けない。割送り機構は可聴音を発するように説明されている。これとは別に喫煙品は、割送り機構とは別に、または割送り機構無しで、回転および/または長手方向の移動によって音を発生するように構成してもよい。
スリーブおよび/またはタバコユニットの換気用開口部はレーザーで形成してもよい。具体的には、レーザーによって、位置合わせされた換気用開口部をスリーブおよびタバコユニットに同時に生じさせてもよい。これとは別に換気用開口部は機械的な切断工具で細長い開口部として形成してもよい。これとは別に換気用開口部は切り抜き領域として形成してもよい。これとは別に換気用開口部は通気性材料で形成してもよく、この通気性材料は透過性材料として製造されたものでも、または開口部や加工によって通気性を持たせたものでもよい。
図1〜5に関して説明したような制御機構の任意の微細構造は任意の他の実施態様に適用してもよい。制御機構の凹み形成部は溝であると説明された。これとは別に凹みは、他の第1または第2の部分の微細構造に係合する任意の形状を有してもよい。具体的には、凹みは四角形または円形でもよい。
隣接した凹みの間の凸条によって、係合する微細構造の隣接した凹みの間の移動に対して抵抗が最大の点が周方向に1つ画定される。代わりに、凸条は、隣接した凹みの間の周方向の距離は実質的に一定の半径を有する山でもよい。第1または第2の部分の凹みは、他の第1または第2の部分の任意の形状の突起に係合するように構成してもよい。
任意の実施態様の任意の微細構造は、任意の他の実施態様の任意の微細構造と組み合わせてもよい。具体的には、喫煙品の任意の実施態様は、タバコの円筒に隣接するフィルター部が有っても無くてもよく、および/またはスリーブの吸い口端にフィルター部が無くてもよい。具体的には、スリーブは、それに取り付けられたフィルターが無くてもよく、吸い口端に凹みを画定してもよく、または吸い口端の縁部が第1のフィルターの後端と位置合わせされてもよい。任意の実施態様の拘束手段または制限手段を任意の他の実施態様と共に用いて、第1の部分の第2の部分に対する、または他の部分の移動可能な任意の部分に対する、相対的な長手方向移動および/または回転移動を防止または制御してもよい。具体的な長手方向位置または回転位置の換気は説明したようなものでもよく、これとは別に例えば1つ以上の換気用開口部の位置を変えて、別の位置に適用してもよい。
フィルターとは、隣接した同軸の2つのフィルターを指してもよい。1つ以上のフィルターを、フィルター材料の1部分に形成してもよく、または複数部分に形成してもよい。複数部分に形成されたフィルターは、異なる材料で作られた部分を備えても、または異なるろ過特性を有する部分を備えてもよい。具体的には、フィルターは、セルロースアセテートトウの標準部分に加え、木炭を含むフィルター材の部分をさらに備えてもよい。これとは別にフィルターは、例えば木炭の形態の炭素を入れた単一部分でもよい。
割送り機構は、方向または感覚の両方で等しい相対回転が可能になるように構成されている。即ち、時計回りに回転すると、第2の部分が第1の部分に対して反時計回りに回転するときと同じ音および抵抗が発生する。そのような任意の回転は制限機構に支配される。「係止爪」は、一方向のみの回転を可能にする係止機構の一部ではない。これとは別に割送り機構は、ある方向の回転が制限された係止機構として構成してもよい。これとは別に第1および/または第2の割送り手段は、ある方向の回転に、反対方向の場合より大きな力が必要なように、非対称でもよい。
喫煙品は、異なる複数の位置の間で割送り動作を行うように構成された割送り機構を有すると説明してきた。これとは別に喫煙品は制限機構を備えてもよく、割送り機構が無くてもよい。
本発明の実施態様は、例えば非限定の実施例、排出に関する規制、構成成分、試験法、および/またはそのようなものによって、適用法および/または規制に適合するように構成されている。例えば、本発明は、本発明を実施する喫煙品が、使用者による調整の前後に、適用法に適合するように構成されていてもよい。そのような実施は、全ての使用者の選択可能位置で適用法に適合するように構成されていてもよい。一部の実施態様では、本発明は、本発明を実施する喫煙品が全ての使用者の選択可能位置で、必要な規制法試験に、例えば非限定の実施例、試験閾値/紙巻きタバコ排出および/または煙構成成分の上限によって、合格するまたはそれを上回るように構成されている。