JP2014519690A - 埋め込まれたシールドを有するケーブル被覆物およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

【解決手段】被覆材質でそれぞれ形成された第１の被覆層および第２の被覆層を備えるケーブル被覆物。少なくとも１つの遮蔽テープが、第１の被覆層と第２の被覆層の間に埋め込まれる。遮蔽テープは基板材質で形成され、基板材質は少なくとも１つの導電セグメントを有する。
【選択図】図１

Description

本発明は、埋め込まれたシールドを有するケーブルの被覆物、および被覆物の製造方法に関する。より具体的には、被覆物は、不連続な導電性遮蔽セグメントを有する遮蔽テープであるシールドを有する。遮蔽テープは、遮蔽テープを被覆物と共押出することにより、被覆物と共に埋め込まれる。

従来の通信ケーブルは、通常は保護被覆物内に囲まれる絶縁導線のツイストペアのコアを有する。しばしばエイリアンクロストークと呼ばれる他のケーブルとのクロストークを避けるため、従来のケーブルは、導線のツイストペアのコアの周辺に配置された少なくとも１つの遮蔽層をしばしば有する。ケーブルのペアのコアを絶縁するため、遮蔽層とペアの間の非導電性バリア層もまた設けなければならない。

しかしそのようなケーブルは、遮断層およびバリア層の両方の必要条件のため、しばしばかさ高である。従って、エイリアンクロストークに対して保護し、かさ高でないケーブルのニーズが存在する。

従って、本発明は、それぞれが被覆材質で形成された第１の被覆層および第２の被覆層を備えるケーブル被覆物を提供しうる。少なくとも１つの遮蔽テープを、第１の被覆層と第２の被覆層の間に埋め込んでもよい。遮蔽テープは基板材質で形成され、基板材質は少なくとも１つの導電セグメントを有する。望ましい実施形態では、基板材質と被覆材質が同一であるが、異なる材質を使用してもよい。別の実施形態では、基板材質は、離間された不連続な配列に配置された複数の導電セグメントを有する。さらに他の実施形態では、複数の遮蔽テープが第１の被覆層および第２の被覆層の間に埋め込まれる。

本発明はまた、絶縁導線の少なくとも１つのツイストペア、および絶縁導線のツイストペアを囲む被覆物を備えるケーブルを提供しうる。被覆物は、被覆材質で形成される。遮蔽テープを、被覆物内に埋め込んでもよい。遮蔽テープは、少なくとも１つの導電セグメントを有する基板材質で形成される。ケーブルは、バリア層を有さない。

本発明はさらに、共に束にされた複数のケーブルを備えるケーブル構体を提供しうる。複数のケーブルのそれぞれが、絶縁導線の少なくとも１つのツイストペア、絶縁導線の少なくとも１つのツイストペアを囲む、被覆材質で形成される被覆物、および、被覆物内に埋め込まれた少なくとも１つの遮蔽テープを有する。少なくとも１つの遮蔽テープは基板材質で形成され、基板材質は少なくとも１つの導電セグメントを有し、それによってケーブルは被覆物に囲まれたバリア層を有さない。

本発明はまた、基板材質で形成された基板を有する少なくとも１つの遮蔽テープを提供し、基板は少なくとも１つの導電セグメントを含むステップと、ケーブル被覆物の第１の被覆層と第２の被覆層の間に少なくとも１つの遮蔽テープを挿入し、それぞれの層は被覆材質で形成されるステップと、遮蔽テープを第１および第２の被覆物層と共押出し、共押出ステップの間、基板と第１の被覆層および第２の被覆層が共に接合するように、遮蔽テープの基板材質と第１の被覆層および第２の被覆層の被覆材質が同一であるステップを含む、ケーブル被覆物を製造する方法を提供しうる。

本発明の他の目的、利点および顕著な特徴は、添付の図と併せて本発明の望ましい実施形態を開示する後述の詳細な記載から明らかになるであろう。

以下の添付の図と関連して検討されたとき、後述の詳細な記載を参照して、本発明および多くの付随した利点のより完全な評価が、より理解されるにつれ、より容易になされるであろう。

その中に埋め込まれた複数のシールドを有する被覆物を示す、本発明の例示的な実施形態による被覆物を有するケーブルの横断面図である。 複数の導電セグメントを有するテープとしてのシールドを示す、図１で示されたケーブル被覆物のシールドの平面図である。 共に束にされた複数のケーブルを示す、本発明の実施形態によるケーブル構体の横断面図である。

図１および図２を参照すると、本発明の例示的な実施形態による、通信ケーブルのようなケーブルＣの被覆物１００は、ケーブルＣを接地する必要なしに、外部のケーブル源からくるノイズ、すなわちエイリアンクロストークを最小化する。本発明の被覆物１００は、少なくとも１つの不連続なシールド２００を被覆物の材質と組み合わせることにより、これを達成する。

図１に見られるように、ケーブルＣは、被覆物１００、絶縁導線の１つまたは複数のツイストペア１０２、およびペア１０２を分離するようペア１０２の間に配置された任意のセパレータ１０４を有する。被覆物１００は、１つまたは複数のシールド２００と組み合わせたときに１つの被覆物を形成する、内側層および外側層１１０および１２０を有する。層およびシールドが共に融解して被覆物を形成するように、内側層および外側層１１０および１２０を、シールド２００と共に押出成形することが望ましい。代わりに、層１１０および１２０、およびシールド２００を、接着などのようなあらゆる公知の方法で互いに接合してもよい。内側層および外側層１１０および１２０を、ＰＶＣ、ＨＤＰＥ、ＦＥＰ、難燃性ＰＥ、などのような通信ケーブルのあらゆる公知の被覆材質で形成してもよい。１つまたは複数のシールド２００が被覆物１００内に含まれるので、導線ペア１０２を取り囲む分離遮蔽層は必要とされない。また、内側層１１０は１つまたは複数のシールド２００の間のバリアとして作用し、それによって分離バリア層の必要をなくす。被覆物１００に必要とされる被覆物材質がより少なく、遮蔽層およびバリア層の両方が除去されたので、ケーブル全体の直径は減少する。

図２に見られるように、シールド２００は基板２０２で作られた遮蔽層またはテープであってもよく、基板２０２は被覆物１００の材質と同一の種類および化学的性質であることが望ましい。例えば、被覆物１００の材質がＰＶＣである場合、遮蔽テープの基板もまたＰＶＣである。それが、被覆材質が遮蔽テープ２００の基板材質と適切に接合して１つの被覆物１００を形成するのを可能にする。

遮蔽テープ２００は、アルミニウム、銅、フェライトまたはあらゆる他の導電ブリックのような複数の導電セグメント２０４を有してもよい。接着、熱プレス、レーザ溶発、蒸着により、またはセグメントを形成するよう基板２０２上に導電性粒子を噴霧することにより、セグメント２０４を基板２０２の表面に付けてもよい。代わりに、導電セグメント２０４を基板２００の２つの層の間に挟むことが可能である。図２に見られるように、導電セグメント２０４が互いから離間され、それによって不連続なシールドを形成するのが望ましい。実質的に長方形の形状を有するものとして導電セグメント２０４が示されているが、セグメント２０４は、正方形、台形、ダイヤ型などのような他の形状を有してもよい。また、セグメント２０４は全てが実質的に同一のサイズであってもよく、または種々のサイズを有してもよい。導電セグメント２０４を、基板に沿って無作為のパターンで取り付けてもよい。

本発明の例示的な方法によると、被覆物押出成形処理中に、１つまたは複数の遮蔽テープ２００が被覆物１００内に挿入される。具体的には、被覆物の内側層１１０と外側層１２０の間の被覆物１００の実際のダイヘッド／クロスヘッドまたはツーリングを通して遮蔽テープ２００が引っ張られる。よって、１つまたは複数の遮蔽テープ２００が、内側被覆層１１０と外側被覆層１２０により挟まれうる。共押出処理の間、被覆層１１０および１２０の材質は、融解またはほぼ融解した状態である。遮蔽テープ２００が融解した被覆物材質と接触するとき、被覆材質内で遮蔽テープの接合／融解が起こる。代わりに、２つの被覆層は、ともに接合された（融解しない状態で）予め形成された材質であってもよい。

材質が容易に混ざり互いに接合するように、被覆物１００およびその層１１０および１２０の材質は、遮蔽テープ２００の基板２０２と同一であることが望ましい。これは、被覆物１００内で遮蔽テープ２００がほぼ継ぎ目なく分散する状態を生じる。代わりに、被覆層１１０および１２０を、遮蔽テープ２００の基板２０２と異なる材質で形成してもよい。その場合、接着剤、高圧などのようなあらゆる公知の方法で、被覆層１１０および１２０を遮蔽テープ２００の基板２０２に接合してもよい。他方で、外側被覆層１２０が、遮蔽テープ２００および内側被覆層１１０を所定の位置に保つバリアとして十分かもしれない。

共押出処理中、導電セグメント２０４は被覆物１００内に収容され、一方で遮蔽テープ２００のセグメントの元の位置決めも保持する。そのセグメントの位置決めが、反射減衰量および減衰量のようなケーブルの電気特性の一貫性を確実にする。よって本発明の方法は、引張強度および伸長のような被覆物の物理的特性にマイナスの影響を与えることなく、被覆物１００内に導電性遮蔽セグメント２０４が挿入されるのを可能にする。これは、（１つまたは複数の遮蔽テープ２００と合体した）被覆物１００のほぼ連続した材質が、その元の引張強度ならびに伸長特性を保持するからである。

図３を参照すると、複数のケーブルＣを合わせて束にしてもよい。束のケーブルＣを囲む任意の外側被覆物３００を提供してもよい。それぞれのケーブルＣは、前述のように、被覆物１００を有する。

本発明を説明するのに特定の実施形態を選択したが、添付の請求項に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、その中で種々の変更および修正をしうることが当業者に理解されるであろう。

Claims (30)

1. それぞれが被覆材質で形成された第１の被覆層および第２の被覆層と、
   前記第１の被覆層と第２の被覆層の間に埋め込まれ、基板材質で形成された少なくとも１つの遮蔽テープであって、前記基板材質は少なくとも１つの導電セグメントを有する遮蔽テープと、を備える、ケーブル被覆物。
2. 前記被覆材質と前記基板材質が同一の材質である、請求項１に記載のケーブル被覆物。
3. 前記少なくとも１つの導電セグメントが、実質的に長方形のブリックを形成する、請求項１に記載のケーブル被覆物。
4. 前記基板材質が、離間された不連続な配列に配置された複数の導電セグメントを有する、請求項１に記載のケーブル被覆物。
5. 前記導電セグメントのそれぞれが、アルミニウム、銅、またはフェライトのうちの１つで形成される、請求項４に記載のケーブル被覆物。
6. 前記導電セグメントが、接着、熱プレス、またはレーザ溶発により前記遮蔽テープの前記基板に接合される、請求項４に記載のケーブル被覆物。
7. 前記導電セグメントが、前記遮蔽テープの前記基板内に埋め込まれる、請求項４に記載のケーブル被覆物。
8. 前記導電セグメントを形成するよう、導電性粒子が前記遮蔽テープの前記基板上に噴霧される、請求項４に記載のケーブル被覆物。
9. 前記第１の被覆層および第２の被覆層の間に埋め込まれた複数の遮蔽テープであって、前記遮蔽テープのそれぞれは基板材質を有し、それぞれの前記基板材質は離間された不連続な配列に配置された複数の前記導電セグメントを有し、前記複数の遮蔽テープの前記基板材質と前記被覆材質が同一である遮蔽テープをさらに備える、
   請求項１に記載のケーブル被覆物。
10. 絶縁導線の少なくとも１つのツイストペアと、
    前記絶縁導線の少なくとも１つのツイストペアを囲み、被覆材質で形成される被覆物と、
    前記被覆物内に埋め込まれ、基板材質で形成された少なくとも１つの遮蔽テープであって、前記基板材質は少なくとも１つの導電セグメントを有し、
    それによってケーブルは前記被覆物に囲まれたバリア層を有さない遮蔽テープと、
    を備える、ケーブル。
11. 前記被覆材質と前記基板材質が同一の材質である、請求項１０に記載のケーブル。
12. 前記基板材質が、離間された不連続な配列に配置された複数の導電セグメントを有する、請求項１０に記載のケーブル。
13. 前記導電セグメントのそれぞれが、アルミニウム、銅、またはフェライトのうちの１つで形成される、請求項１２に記載のケーブル。
14. 前記被覆物内に埋め込まれた複数の遮蔽テープであって、前記遮蔽テープのそれぞれは基板材質を有し、それぞれの前記基板材質は離間された不連続な配列に配置された複数の前記導電セグメントを有し、前記複数の遮蔽テープの前記基板材質と前記被覆材質が同一である遮蔽テープをさらに備える、
    請求項１０に記載のケーブル。
15. 前記被覆物に囲まれた前記導線の複数のツイストペアをさらに備える、請求項１０に記載のケーブル。
16. 前記導線の前記複数のツイストペアの間に配置されたセパレータをさらに備える、請求項１５に記載のケーブル。
17. 共に束にされた複数のケーブルであって、前記複数のケーブルのそれぞれが、
    絶縁導線の少なくとも１つのツイストペアと、
    前記絶縁導線の少なくとも１つのツイストペアを囲む、被覆材質で形成される被覆物と、
    前記被覆物内に埋め込まれ、基板材質で形成された少なくとも１つの遮蔽テープであって、前記基板材質は少なくとも１つの導電セグメントを有し、それによってケーブルは前記被覆物に囲まれたバリア層を有さない遮蔽テープと、を有する
    ケーブルを備える、
    ケーブル構体。
18. 前記被覆材質と前記基板材質が同一の材質である、請求項１７に記載のケーブル構体。
19. 前記基板材質が、離間された不連続な配列に配置された複数の導電セグメントを有する、請求項１７に記載のケーブル構体。
20. 前記複数のケーブルのそれぞれの前記被覆物内に埋め込まれた複数の遮蔽テープであって、前記遮蔽テープのそれぞれは基板材質を有し、それぞれの前記基板材質は離間された不連続な配列に配置された複数の導電セグメントを有し、前記複数の遮蔽テープの前記基板材質と前記被覆材質が同一である遮蔽テープをさらに備える、請求項１７に記載のケーブル構体。
21. 前記複数のケーブルのそれぞれの前記被覆物に囲まれた導線の複数のツイストペアをさらに備える、請求項１７に記載のケーブル構体。
22. 前記導線の前記複数のツイストペアの間に配置されたセパレータをさらに備える、
    請求項２１に記載のケーブル構体。
23. 前記複数のケーブルを囲む外側被覆物をさらに備える、請求項２１に記載のケーブル構体。
24. 基板材質で形成された基板を有する少なくとも１つの遮蔽テープを提供し、前記基板は少なくとも１つの導電セグメントを含むステップと、
    ケーブル被覆物の第１の被覆層と第２の被覆層の間に少なくとも１つの遮蔽テープを挿入し、前記第１の被覆層および第２の被覆層のそれぞれは被覆材質で形成されるステップと、
    前記少なくとも１つの遮蔽テープを前記第１の被覆層および第２の被覆層と共押出し、共押出ステップの間、前記基板と前記第１の被覆層および第２の被覆層が共に接合するように、前記少なくとも１つの遮蔽テープの前記基板材質と前記第１の被覆層および第２の被覆層の前記被覆材質が同一であるステップと、
    を含む、ケーブル被覆物を製造する方法。
25. 複数の前記遮蔽テープを提供し、それぞれの前記遮蔽テープは前記基板材質で形成された基板を有し、それぞれの前記基板は離間された不連続な配列の複数の前記導電セグメントを有するステップと、
    前記ケーブル被覆物の前記第１の被覆層と第２の被覆層の間に複数の遮蔽テープを挿入するステップと、
    前記複数の遮蔽テープを前記第１の被覆層および第２の被覆層と共押出し、前記共押出ステップの間、前記基板と前記第１の被覆層および第２の被覆層が共に接合するように、前記遮蔽テープの前記基板材質と前記第１の被覆層および第２の被覆層の前記被覆材質が同一であるステップと、をさらに含む、請求項２４に記載の方法。
26. 前記基板材質が、離間された不連続な配列に位置付けられた複数の前記導電セグメントを有する、請求項２４に記載の方法。
27. 前記導電セグメントの位置が、前記共押出ステップの前および後で同一である、請求項２５に記載の方法。
28. 接着、熱プレス、またはレーザ溶発により前記導電セグメントを前記遮蔽テープに接合するステップをさらに含む、請求項２５に記載の方法。
29. 前記遮蔽テープ上に導電性粒子を噴霧して前記導電セグメントを形成するステップをさらに含む、請求項２５に記載の方法。
30. 前記遮蔽テープ内に前記導電性粒子を埋め込むステップをさらに含む、請求項２５に記載の方法。

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