JP2014518046A - オーディオ・システム及びオーディオ・システムのための方法 - Google Patents

オーディオ・システム及びオーディオ・システムのための方法 Download PDF

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Abstract

オーディオ・システムは、入力オーディオ信号を受信する受信機を有する。デコンポーザー103は、入力オーディオ信号を、少なくとも過渡成分信号及び非過渡成分信号に少なくとも分解する。出力回路105、107、109は、その後、過渡成分信号及び非過渡成分信号の重み付けされた組み合わせに応じて第一出力オーディオ信号を生成する。当該組み合わせにおいて、過渡成分信号の重み付けは、非過渡成分信号の重み付けとは異なる。特定の音響特性に異なる強調をした新たな信号が得られる。このアプローチは、特に既存の空間オーディオ・チャンネルから新たな空間オーディオ・チャンネルを生成するように、例えば、低位置チャンネルのオーディオ信号から高位置チャンネルを生成するように適応させることができる。

Description

本発明は、オーディオ・システム及びオーディオ・システムのための方法に関連し、限定的ではないが、特に空間オーディオ・システムに関連する。
オーディオ(音声、音楽又は音響)再生は、ここ数十年でますます複雑且つ多様になってきた。従来、オーディオは単一のモノラル信号、又は場合によっては空間的な2チャンネル(ステレオ)信号として再生されてきた。また、オーディオの調整や適合は、通常はレベル調整又はレベル合わせに限定されていた。しかし、今日では、サラウンド・ホーム・シネマ・システム等の空間オーディオ・システムを含め、多様且つ複雑なオーディオ・システムが広く使用されている。また、信号処理や信号適合はますます複雑になり、レンダリングされるサウンドの多様なパラメーターを調節するために、例えばチャンネル間の相対遅延差、会話音声の強調等、高度な信号処理技術が用いられている。
しかし、オーディオ・レンダリング、オーディオ再生のさらなる発展、強化、及び改良が依然として望まれている。実際に、改良された、又はより多様化されたオーディオ信号をユーザーに提供し得る、さらなるアプローチを開発する要望がある。特に、改良された空間ユーザー体験を提供するサウンド・レンダリングは、強く望まれている。
実際に、最近、従来の二次元空間オーディオ・システム(例えば、5.1サラウンド・システム)を、その水平二次元平面外にある追加のスピーカーを用いることで改良することが提案されている。特に、従来のフロント(又はセンター)・スピーカーよりも高い位置に配置された高位置スピーカーを追加することが提案されている。しかし、オーディオ・コンテンツは通常従来の二次元サラウンドのフォーマットでのみ利用可能であるため、既存の二次元チャンネルからこれらの高位置サウンド・チャンネルを生成する必要がある。このような高位置サウンド・チャンネルを、異なるチャンネル内の信号成分間の相関に基づいて生成することが提案されている。しかし、現行のアプローチではしばしば最適なパフォーマンスを提供することができず、多くの場合において、望まれるほどには納得のいかない空間体験をもたらす結果となっている。実際に、高位置スピーカーの空間効果は、一般的には不十分であると考えられている。
本質的には、同様の制限は、聴音(リスニング)領域の両端に配置されたスピーカー、並びに、指向性音声(サウンド)再生手段(例えば、音響反射板として壁及び部屋の他の表面を利用する指向性再生)及び所望の方向におけるサウンドの消去(例えば、ダイポール(双極)音響源を使用)によってつくり出されるバーチャル・サラウンド・スピーカーにも当てはまる。
したがって、改良されたオーディオ・システムは有益であり、特に、さらなる柔軟性、新たな又は改良されたオーディオ効果、レンダリング・オーディオの調整及び/又は変更の改良、改良された空間体験、追加の空間チャンネル(特に、高位置チャンネル)の生成の改良、及び/又は性能(パフォーマンス)の改良を可能にするシステムは、有益であろう。
したがって、本発明は上記の問題点の一つ又は複数を、単独で又は組み合わせによって、好適に軽減、低減、又は除去することを目的とする。
本発明のある側面によれば、入力オーディオ信号を受信する受信機と、前記入力オーディオ信号を、少なくとも過渡成分信号及び非過渡成分信号に少なくとも部分的に分解するデコンポーザーと、前記過渡成分信号及び前記非過渡成分信号の重み付けされた組み合わせに応じて第一出力オーディオ信号を生成する第一回路とを有し、前記過渡成分信号の重み付けは、前記非過渡成分信号の重み付けとは異なる、オーディオ・システムが提供される。
本発明は、改良されたオーディオ・システムを可能にし得る。本発明のオーディオ・システムは、多くの場合において、追加のオーディオ効果及び処理を提供し、また多くの場合おいて、より柔軟、可変的、且つ/又は改良されたオーディオ体験を提供する。
本発明のオーディオ・システムは、例えば空間オーディオ・システムにおいて、例えばユーザーに異なる空間特性を提供する信号を生成し得る。いくつかの実施形態においては、オーディオ・システムは、信号内の急速且つ突発的な変化が、よりゆっくりとした変化に比べて弱く又は強く強調されたオーディオ信号を生成し得る。このアプローチは、例えば特定の種類の音を強調又はあまり強調しないために用いることができる(例えば、爆発音等のサウンドを強調又はあまり強調しないことができる)。
上記組み合わせは、重み付けされた重ね合わせ(加重)であり得る。
いくつかの実施形態においては、第一回路は、第一の重みを過渡成分信号につけて第一の重み付けされた信号を生成する第一重み回路と、第一の重みとは異なる第二の重みを非過渡成分信号につけて第二の重み付けされた信号を生成する第二重み回路と、第一の重み付けされた信号と第二の重み付けされた信号とを合成することによって第一出力信号を生成する回路とを備え得る。
第一出力信号は、サウンド・トランスデューサー(音響変換器)によって再生され得るサウンド・レンダリング信号である。第一出力信号は、特に、サウンド・トランスデューサー駆動信号、例えばスピーカー駆動信号であり得る。オーディオ・システムは、サウンド・トランスデューザーから第一出力信号をレンダリングするための手段を有し得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記入力オーディオ信号は、第一空間オーディオ・チャンネルの信号であり、前記第一出力信号は、前記第一空間オーディオ・チャンネルの基準位置とは異なる基準位置に関連付けられた第二空間オーディオ・チャンネルの信号であり、基準位置は、空間オーディオ・チャンネルがレンダリングされる位置である
本発明は、空間オーディオ・システムに改良された効果を提供し得る。特に、本発明のアプローチは、入力空間チャネルに基づいて新たな空間チャンネルを生成し得る。典型的なオーディオ環境においては、新たな空間チャンネルは、例えば異なる方向からのサウンドと関連付けられた異なるサウンド特性を反映し得る。例えば、本発明のアプローチは、従来のサウンド(音響)位置とは異なる位置/方向からレンダリングされるのに適したサウンドを生成し得る。特に、本発明のアプローチは、非高位置(通常の高さの)空間チャンネル用の入力オーディオ信号から高位置に対応する空間チャンネル用に適したオーディオ、及び/又は、近い位置用の入力信号からワイド位置に対応する空間チャンネル用に適したオーディオを、効率的且つ好適に生成する方法を提供し得る。
過渡成分信号及び非過渡成分信号の独立した重み付けは、異なる位置(特に、異なる高さ)からのサウンドにおいて典型的に知覚される違いに対応する特性に、特に好適なバリエーションを提供する。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記過渡成分信号の重み付け、及び前記非過渡成分信号の重み付けのうちの少なくとも一つが、周波数依存である。
これは、高度なサウンド効果を可能にし、また、リスナーに適切な知覚的キューを提供するためのサウンド・レンダリングの改良された適合を可能にし得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、上記オーディオ・システムは、重み付けされた前記過渡成分信号と前記非過渡成分信号との組み合わせに応じて第二出力オーディオ信号を生成する第二回路をさらに有し、前記過渡成分信号の重み付け及び前記非過渡成分信号の重み付けは、前記第一出力オーディオ信号に対するものとは異なる。
上記オーディオ・システムは、一つの入力オーディオ信号を二つ(又は三つ以上)の出力オーディオ信号にアップミックスし得る。複数の出力信号は異なる特性を有することができ、リスナーに異なる知覚的インパクトを与え得る。特に、急速且つ突発的なサウンド成分が、より持続的なサウンド成分とは異なる強調をされた信号を提供することができる。
本発明の任意選択の特徴によれば、上記オーディオ・システムは、さらに前記第一出力オーディオ信号を第一スピーカーからレンダリングし、前記第二出力オーディオ信号を第二スピーカーからレンダリングするドライバをさらに有する。
これは、空間サウンド出力の好適な生成を提供する場合があり、また、特に強化された空間体験を多くの実施形態において提供し得る。多くの実施形態において、各サウンド・トランスデューサーからレンダリングされるサウンドの特性が異なるように、一つの空間チャンネルを二つ(又は三つ以上)のサウンド・トランスデューサーからレンダリングすることができる。典型的なサウンド環境においては、当該異なる特性は、異なる方向として知覚される典型的な特性の違いを反映し得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記入力オーディオ信号は、第一空間オーディオ・チャンネルの信号であり、前記第一出力オーディオ信号は、第二空間オーディオ・チャンネルの信号であり、前記第二出力オーディオ信号は、前記第二空間オーディオ・チャンネルとは異なる基準位置に関連付けられた第三空間オーディオ・チャンネルの信号である。
上記オーディオ・システムは、一つの入力チャンネルから複数の空間チャンネルを生成する空間的アップミキシングを提供し得る。当該アプローチは、追加の空間チャンネルを可能にすることによって、強化された空間経験を提供し得る。追加の空間チャンネルは、互いに異なる知覚的特性を有するように生成されてもよいし、特に、典型的には複数の音響源と関連付けられたサウンド特性に対応するよう生成されてもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記第一空間オーディオ・チャンネルの基準位置は、前記第二空間オーディオ・チャンネルの基準位置より高い位置にある。
当該アプローチは、空間チャンネルをアップミキシングして、当該空間チャンネルより高い位置に対応する新たな空間チャンネルを生成する特に好適な方法を提供し得る。例えば、特に好適な高位置フロント・チャンネルは、従来の二次元空間信号、例えば2チャンネル・ステレオ信号、又は5.1チャンネル・サラウンド信号のフロント・チャンネルから生成され得る。
急速且つ突発的な変化と、より定常的なサウンドにおける強調の違いは、サウンド・トランスデューサー位置の高さと関連付けられた特性を特に好適に調整し得る。
第二空間オーディオ・チャンネルの基準位置は、多くの実施形態において、入力信号の空間入力チャンネルの基準位置より好適に高くされてもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記過渡成分信号の、前記非過渡成分信号に対する相対的な重み付けは、前記第二出力オーディオ信号においてより、前記第一出力オーディオ信号において高い。
これは、多くの実施形態において、改良された空間体験を提供し得る。特に、リスナーは、自然なサラウンド・ステージを知覚し得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記第一出力オーディオ信号内の前記非過渡成分信号の重み付けは、前記過渡成分信号の重み付けの少なくとも10分の1より低い。
これは、多くの場合において、特に好適なパフォーマンスを提供し得る。特に、多くの場合において、高位置サウンド・トランスデューサーから改良された知覚的特性が提供され得る。多くの実施形態において、第一出力信号の非過渡成分の重み付けは、好適にゼロであり得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記第一出力オーディオ信号内の前記過渡成分の重み付け、及び前記第二出力オーディオ信号内の前記過渡成分信号の重み付けは、周波数依存である。
これは、より柔軟且つ/又は改良されたサウンド・レンダリングを提供し得る。これは、多くの実施形態において、改良された、より自然に聴こえる空間体験を提供し得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記第一出力オーディオ信号内の前記過渡成分の前記重み付けは、周波数の増加に対して増加し、前記第二出力オーディオ信号内の前記過渡成分信号の前記重み付けは、周波数の増加に対して減少する。
これは、より柔軟且つ/又は改良されたサウンド・レンダリングを提供し得る。これは、多くの実施形態において、改良された、より自然に聴こえる空間体験を提供し得る。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記第一出力オーディオ信号内、及び前記第二出力オーディオ信号内の前記過渡成分の組み合わされた重み付けは、実質的に一定である。
これは、多くの実施形態において、改良されたサウンド・レンダリングを提供し得る。組み合わされた重み付けは、オーディオ・バンド内の周波数においては、実質的に一定でもよい。例えば、組み合わされた重み付けの変化は、周波数バンド400Hz〜4kHzにおいて10%以内でもよい。過渡成分信号は、配分が周波数に応じて異なるよう、二つの出力信号に分配されてもよい。
本発明の任意選択の特徴によれば、前記オーディオ・システムはさらに、前記第一出力オーディオ信号から、第一周波数バンド内の第一空間出力オーディオ信号を生成するための第一フィルターと、前記第一出力オーディオ信号から第二周波数バンド内の第二空間出力オーディオ信号を生成するための第二フィルターとを有し、前記第一周波数バンドと前記第二周波数バンドとは互いに異なり、前記第一空間出力オーディオ信号は、前記第二空間出力オーディオ信号とは異なる基準位置に関連付けられている。
これは、より柔軟且つ/又は改良されたサウンド・レンダリングを提供し得る。これは、多くの実施形態において、改良された、より自然に聴こえる空間体験を提供し得る。
本発明の任意選択によれば、前記第一周波数バンドは、前記第二周波数バンドより高い周波数を有し、前記第一空間出力オーディオ信号の基準位置は、前記第二空間出力オーディオ信号の基準位置に対して高い位置にある。
これは、多くの実施形態において、改良された、より自然に聴こえる空間体験を提供し得る。
本発明のある側面は、オーディオ・システムの動作方法であって、入力オーディオ信号を受け取ることと、前記入力オーディオ信号を、少なくとも過渡成分信号及び非過渡成分信号に少なくとも部分的に分解することと、前記過渡成分信号及び前記非過渡成分信号の重み付けされた組み合わせに応じて第一出力オーディオ信号を生成することとを含み、前記過渡成分信号の重み付けは、前記非過渡成分信号の重み付けとは異なる方法を提供する。
本発明のこれら及び他の側面、特徴、及び利点は、以下に記載される実施形態を参照して説明されることによって明らかになるであろう。
本発明の実施形態は、あくまで例示的である図面を参照して説明される。
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係るオーディオ・システムの要素の例を示す。 図2は、空間オーディオ・システムのスピーカー構成の例を示す。 図3は、空間オーディオ・システムのスピーカー構成の例を示す。 図4は、空間オーディオ・システムのスピーカー構成の例を示す。 図5は、本発明のいくつかの実施形態に係るオーディオ・システムの要素の例を示す。 図6は、本発明のいくつかの実施形態に係るオーディオ・システムの要素の例を示す。 図7は、本発明のいくつかの実施形態に係るオーディオ・システムのクロスオーバー・フィルター構成の例を示す。
以下の記載は、本発明の実施形態のうち、空間サラウンド・システム、特にホーム・シネマ・オーディオ・システムに応用することができる実施形態に焦点を当てている。しかし、本発明はこの用途には限定されず、他の多数のオーディオ・レンダリング及び処理用に用いることもできる。
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係るオーディオ・システムの要素の例を示す。
オーディオ・システムは、入力オーディオ信号を受信する受信機101を有する。入力オーディオ信号は、任意の適切な内部又は外部発信源、例えばDVDプレイヤー、メモリ、及びネットワーク接続等から受信することができる。いくつかの実施形態においては、受信されるオーディオ信号は符号化されたオーディオ信号でもよく、受信機101は、復号されたオーディオ信号を提供するための、符号化された信号を復号する機能を有してもよい。
受信機101は、オーディオ信号を受信するデコンポーザー(分解装置)103に接続されている。デコンポーザー103は、オーディオ信号を過渡成分信号と、非過渡成分信号とに分解するよう構成されている。下記において、オーディオ信号は過渡成分信号及び非過渡成分信号のみに分解されるが、いくつかの実施形態においては、より多くの成分、例えば正弦波信号にも分解され得ることを理解されたい。
本実施例においては、オーディオ信号は上記のように、主に信号の特性の突発的な変化を示す信号成分と、主に信号のより遅い静的な特性を示す別の信号成分とに分離される。
過渡成分は、長時間(例えば、>200ms)信号振幅に対して所定の閾値(例えば、1dB)を上回る信号振幅の短時間(例えば、1〜200ms)の上昇であって、二つ以上の重複しない周波数バンド(バンド幅は、例えばオクターブの1/3)で同時に発生するものとして考えられ得る。
信号振幅は、信号のRMS値として解釈することができ、信号は、固定又は適応フィルタを用いたスペクトル・ホワイトニング又はスペクトル重み付けを含んでもよい。
デコンポーザー103は、過渡成分信号が供給される第一重み回路105に接続されている。第一重み回路105は、過渡成分信号に重みをつけ、重みづけされた過渡成分信号を生成するように構成されている。簡単な例として、重みは単純なスカラー乗算でもよい。より複雑な実施形態においては、周波数依存の及び/又は複雑な重みがつけられてもよく、又は、重みが過渡成分信号のフィルタリングを含んでもよい。
デコンポーザー103は、非過渡成分信号が供給される第二重み回路107にも接続されている。第二重み回路107は、非過渡成分信号に重みをつけ、重み付けされた非過渡成分信号を生成するように構成されている。簡単な例として、重みは単純なスカラー乗算でもよい。より複雑な実施形態においては、周波数依存の及び/又は複雑な重みがつけられてもよく、又は、重みが非過渡成分信号のフィルタリングを含んでもよい。
第一及び第二の重み回路105、107は、重み付けされた過渡成分信号と重み付けされた非過渡成分信号とを合成する(組み合わせる)ことによってオーディオ出力信号を生成するコンバイナ(合成部)109に接続されている。あまり複雑ではない実施例においては、コンバイナ109は単純に前記二つの重み付けされた信号を重ねる。
本実施形態のシステムにおいては、過渡成分信号の重みと非過渡成分信号の重みとは異なる。したがって、システムは、過渡特性及び非過渡特性が異なる強調をされた出力信号を生成する。いくつかの実施形態では、入力オーディオ信号の過渡特性は出力オーディオ信号において減衰されていてもよく、他の実施形態では、入力オーディオ信号の過渡特性が出力オーディオ信号において増幅されていてもよい。あるいは、いくつかの実施形態においては、過渡特性の強調は、自動(例えば、信号の特性に依存して)又は手動により動的に変更されてもよい。
発明者らは、信号の過渡成分と非過渡成分との間の関係性を変更することにより、提供されるサウンドに対する人体の知覚を大きく改善できることに気付いた。本発明者らは、特に過渡成分及び非過渡成分の相対的強調を変更することにより、オーディオ信号からの空間的知覚及び体験を改善できることに気付いた。
他の例として、図1のアプローチは、ユーザーにとって好ましいレンダリング・サウンド・レベル(音量)への適合を改良するために用いられてもよい。
具体的な例として、多くのアクション映画のサウンド・トラックは、爆発の大音響を多数含む場合があり、それらはステレオ又はサラウンド・オーディオ・ミックスの全チャンネル内に存在し得る。多くの人にとって、そのような音響はうるさすぎると感じられるため、そういった人は再生音量を下げることを好む。しかし、これはサウンド・トラック内の会話や他の重要なサウンドの可聴性をも減ずることになる。この問題は、サウンドの大音量部分の振幅を小音量部分よりも小さくする非線形圧縮を用いて波形を圧縮することで解決できると提案されている。しかし、通常、爆発音の実際の振幅は、オーディオ信号の他の部分より著しく大きいわけではない。したがって、サウンドの大音量部分の減衰のために非線形圧縮を用いることは、例えば銃声及び人の声の両方の振幅を同様に下げることになる。
この問題は、図1のシステムにおいて、非過渡成分信号の重みに対して過渡成分信号の重みを相対的に減らし、より柔軟且つ好適なレンダリング・サウンド・レベル(音量)の調整を提供することにより解決できる。例えば、会話の音量を下げることなく爆発の音量を下げることができる。
図1の具体例においては、入力オーディオ信号は、ある空間オーディオ・チャンネルの信号であり、出力オーディオ信号は、別の空間オーディオ・チャンネルとして供給される。空間オーディオ・チャンネルは、基準位置と関連付けられている。したがって、空間オーディオ・チャンネルは、単純にユーザーにレンダリングされるよう意図されているわけではなく、リスナー(聴音者)に対して特定の位置(又は領域)からレンダリングされるよう意図されている。空間チャンネルの基準位置は、他の空間チャンネルに対する相対的な位置であってもよいし、且つ/又は他の空間チャンネルに対する相対的な位置でもよい。
例えば、広く使用されている空間サラウンド・システムは5チャンネル・システムを含み、空間チャンネルは、聴音位置のまわりに配置されるスピーカー、すなわち聴音位置の真正面のスピーカー(センター・スピーカー)、聴音位置の左前方のスピーカー(左前スピーカー)、聴音位置の右前方のスピーカー(右前スピーカー)、聴音位置の左後方のスピーカー(左サラウンド・スピーカー)、及び聴音位置の右後方のスピーカー(右サラウンド・スピーカー)の位置に対応して提供される。
図1のアプローチは、別の空間チャンネルから新たな空間チャンネルを生成するために使用してもよい。特に、過渡信号成分と非過渡信号成分との間で強調を変えるとき、入力信号の基準位置からレンダリングするよりも他の位置からレンダリングするのに適した信号を生成してもよい。特に、発明者らは、このような変更及び過渡成分信号選択的レンダリングは、知覚される三次元空間サウンドのイメージを操作するための様々な魅力的な方法を提供することに気が付いた。例えば、過渡成分をより強く強調すると、例えば入力信号から相対的に高位置、又は極端にワイドな位置からのレンダリングに適した信号を提供することができる。
したがって、図1のアプローチは、例えば入力チャンネルに対して相対的に高位置の空間チャンネルを生成するために用いてもよいし、入力チャンネルの基準位置よりも横方向の位置からレンダリングされることを意図したワイドな空間チャンネルを生成するために用いてもよい。このアプローチは、このようにして既存の空間オーディオ・システムに追加の空間チャンネルを生成するために用いてもよく、したがって入力信号を効果的にアップミックスし得る。このアプローチは、特に追加の高位置チャンネルを生成するために用いてもよく、それによって水平二次元サラウンド・システムを三次元サラウンド・システムに拡張してもよい。あるいは、又はさらに、このアプローチは、よりワイドな位置からレンダリングされるための空間チャンネルを生成するために用いられてもよく、それによってワイドバンド・サウンド・ステージを提供してもよい。
新たに生成されるチャンネルは、元のチャンネルのレンダリングの代わりに、入力チャンネルの基準位置とは異なる位置のスピーカーから生成されてもよく、また、元のチャンネルに加えてレンダリングされてもよい。いくつかの実施形態においては、元のチャンネルは、二つの変更(修正又は変形)された信号のレンダリングに置き換えられてもよい。例えば、元の信号を基準位置からレンダリングする代わりに、コンテンツを二つ(又は三つ以上)のスピーカーを用いてレンダリングしてもよい。これにより、入力空間信号の分散空間レンダリングを用いることができる。
下記では、少なくとも一つの受信されたチャンネルを、複数の出力チャンネルを提供するようにアップミックスするマルチチャンネル・サラウンド・システムがより詳細に説明される。具体例では高位置空間チャンネルの生成及びレンダリングに焦点があてられているが、これは単なる例であり、他の実施形態においては他の空間チャンネルが生成されることを理解されたい。
サラウンド・システムは、基準位置又は基準位置の近くに配置された複数のスピーカーを用いて空間体験を提供する。空間マルチチャンネル信号は、多数のチャンネルによって提供され、多数のチャンネルのそれぞれが、対応する基準位置にあるスピーカーからレンダリングされることを意図した信号を保持する。図2は、5チャンネル・サラウンド・システムの典型的な基準構成の例を示す。
この例においては、スピーカーは、聴音位置201のまわり、すなわち聴音位置201の真正面のスピーカー(センター・スピーカー203)、聴音位置の左前方のスピーカー(左前スピーカー205)、聴音位置の右前方のスピーカー(右前スピーカー207)、聴音位置の左後方のスピーカー(左サラウンド・スピーカー209)、及び聴音位置の右後方のスピーカー(右サラウンド・スピーカー211)の位置に配置されていると仮定する。
空間オーディオ信号は、スピーカーが聴音位置に対して基準構成のとおりに配置されるとき、所望の空間体験を提供する。したがって、最適な空間体験を得るためには、ユーザーは、スピーカーを聴音位置に対して特定の位置に配置しなければならない。
このようなシステムは興味深い、エキサイティングな空間体験を提供し得るが、限定された個数のスピーカーからのサウンド・レンダリングは、しばしば不完全な空間効果を提供する。特に、スピーカー位置が水平二次元平面に設けられるため、提供されるサウンド・ステージは、比較的水平になりがちである。
このため、空間体験を改善するために、追加の空間チャンネルを加えることが提案されており、特に追加のチャンネルを二次元平面外に加えることが提案されている。特に、図3に示されるように、二つの高位置フロント・スピーカー301、303を加えることが提案されている。これらのスピーカーは、図4に例示されるように、リスナーの前側側方の高位置に配置されるよう意図されている。図4は、二つの高位置スピーカー401、403を有する例示的な基準スピーカー構成を示す。
しかし、ほとんどのコンテンツは、従来の5チャンネル(場合によっては7チャンネル)二次元システムでしか存在せず、これらのチャンネルの駆動(ドライビング)は、他のチャンネル内の既存の信号から導出しなければならない。しかし、例えば5つの既存のチャンネル信号に基づく5つから7つのチャンネルへのアップミキシングは、合成された空間体験が改良され、自然に見えるようになされなければならない。この達成は難しく、例えば単に前側側方チャンネルを高位置前方チャンネルに再利用すると、しばしば次善(準最適)の空間体験が提供されることになる。特に、特定ポイント音響源がより拡散して感じられる可能性があり、その場合、より拡散したサウンド・ステージになる。
次の例は、図1のアプローチが、空間チャンネルをアップミックスするためにどのように用いられるかを説明する。この例は、対応する低位置フロント(前方)空間チャンネルからの高位置フロント空間チャンネルの生成に焦点を当てるが、他の実施形態においては、他の空間チャンネルも生成されることを理解されたい。
図1のアプローチは、前側側方チャンネルから前方高位置チャンネルを生成するために用いられ得る。高位置空間チャンネルは、受信されたチャンネルの基準位置より高い基準位置に関連付けられる。したがって、入力チャンネルは、入力チャンネルの基準位置に基づいてレンダリングされてもよいが、さらに、より高い位置からレンダリングされる新たなチャンネルが生成される。新たなチャンネルは、入力信号を過渡成分及び非過渡成分に分け、両成分に異なる重み付けをし、重み付けされた成分を合成してドライブ信号を生成することによって生成される。
本実施例のシステムは、特に、高位置チャンネルにおいて、入力信号の過渡成分を非過渡成分に比べて強調する。したがって、高位置空間チャンネルは、低位置空間チャンネルから導出される(生成される)が、音空間における突発的及び短時間のサウンドが大きく強調されている。発明者らは、このような過渡成分の強調は、高位置からのレンダリングに非常に適した空間信号を提供することに気が付いた。実際に、過渡成分が強調された追加の高位置空間チャンネルを加えると、はるかに多様化且つ拡張されたサウンド・ステージが知覚される。さらに、高位置スピーカーからより強い効果(エフェクト)を提供することが可能になる。自然に聴こえるサウンド・ステージが、垂直方向における拡張の付加的知覚を伴って提供され得る。
いくつかの実施形態においては、非過渡成分信号の重み付けは、過渡成分信号よりはるかに小さくてもよい。実際に、多くの実施形態において、過渡成分信号が非過渡成分信号より十倍以上重み付けされた高位置チャンネルを生成することにより、非常に好適なサウンド・ステージを生成することができる。多くの実施形態において、非過渡成分信号の重み付けをゼロにして、過渡成分のみを高位置スピーカー位置からレンダリングしてもよい。
上記の例においては、追加の空間チャンネルが受信された空間チャンネルから生成されるが、受信された空間チャンネルは変更されることなくレンダリングされる。しかし、他の実施形態においては、受信された空間チャンネルが、オーディオ・システムによって生成される別の空間チャンネルによって置換されてもよい。したがって、受信された単一の空間サウンド・チャンネルは、当該受信された空間チャンネルに代わってレンダリングされる二つ(又は三つ以上)の空間チャンネルにアップミックスされてもよい。これは、多くの実施形態において、非常に好適なサウンド・ステージを提供し得る。
図5は、一つの入力空間チャンネルから二つの出力空間チャンネルが生成され、入力空間チャンネルのレンダリングが二つの出力空間チャンネルによって置換されるオーディオ・システムを示す。
この例においては、図1のオーディオ・システムに関連して説明したように、オーディオ・システムは受信機101、デコンポーザー103、第一重み回路105、及び第二重み回路105を有する。しかし、このアプローチにおいては、第一空間チャンネルは第一重み回路105の出力から生成され、第二空間チャンネルは第二重み回路107の出力から生成される。したがって、本実施例においては、第一空間チャンネルの過渡成分信号と非過渡成分信号との組み合わせ(合成信号)は、過渡成分信号のみを含み(非過渡成分信号の重みゼロに対応)、第二空間チャンネルの過渡成分信号と非過渡成分信号の組み合わせは、非過渡成分信号のみを含む(過渡成分信号の重みゼロに対応)。
本実施例において、第一空間チャンネルの信号はスピーカー401を駆動する第一駆動(ドライバ)回路501に供給され、第二空間チャンネルの信号はスピーカー205を駆動する第二駆動回路503に供給される。したがって、本実施例においては、一つのスピーカーが入力信号の過渡成分信号をレンダリングし、別のスピーカーが入力信号の非過渡成分信号をレンダリングする。したがって、入力空間チャンネルは二つの出力チャンネルにかけて分配され、各チャンネルの特性は、異なる空間知覚を提供するのに特に適している。特に、過渡特性が強調された信号を高位置からレンダリングするとともに、過渡特性がそれほど強調されていない信号を定位置スピーカーからレンダリングすることによって提供される空間サウンド・ステージは、非常に好適な空間システムを提供する。したがって、このアプローチは、非常に効果的に空間入力信号を複数の追加の空間チャンネルにアップミキシングする方法を提供し、特に高位置空間チャンネルを効果的に提供する。
図5のシステムにおいて、第一及び第二の重み回路105、107は、定常的又は固定された重みをつけてもよく、例えば信号の単純なゲイン設定に対応してもよい。
いくつかの実施形態においては、アップミックスされた両チャンネルは、過渡成分信号及び非過渡成分信号両方からの寄与を含むように生成されている。図6は、このような実施形態の例を示す。この例においては、図1に関連して説明されたように、高位置空間チャンネルのための信号は、過渡成分信号及び非過渡成分信号の組み合わせとして生成される。さらに、オーディオ・システムは、過渡成分信号に第三の重みをつける第三重み回路601と、非過渡成分信号に第四の重みをつける第四重み回路603とを有する。第三及び第四重み回路601、603は、重み付けされた信号を合成して低位置空間サウンド・チャンネルのための出力信号を生成する第二のコンバイナ605に接続されている。
本実施形態においては、過渡特性と非過渡特性との間の重み付けは、ある入力信号に関して、両出力信号で変更される。さらに、両チャンネルの重み付けは異なる。
図6のシステムにおいては、非常に柔軟な新空間チャンネルの生成が実現可能であり、特に、突発的又は予期されないサウンドの正確な強調又は軽微な強調を、特定のスピーカー構成やユーザーの好み等に合わせて適合できるようになる。
このアプローチは、特に垂直方向の次元を提供する拡張サウンド・ステージを生成する。これは、低位置に対応する入力チャンネルから生成された高位置サウンド・チャンネルを追加することで達成できる。高位置音響源の使用は、高位置音響源のリアルなイリュージョンをつくり出すことで、サラウンド聴音感覚に、より没入できるようにする。このアプローチの利点は、発生するサウンド・ステージが拡散して又は不自然に感じられることなく、高位置から、より顕著な空間効果を生み出すことができる。これは、特に、過渡成分信号に、低位置チャンネルよりも高位置チャンネルにおいて、より高い重み付けをすることで達成できる。
高位置音響源は、様々な方法で提供することができ、任意の適切なアプローチがとられ得ることを理解されたい。
例えば、スピーカーを、聴音空間において物理的に高い位置、例えば天井近くに配置してもよい。他の例として、二つ以上のスピーカーをともに作動し、強調された過渡サウンドの高位置ファントム(ファントム・イメージ)を提供してもよい。他の例として、スピーカー・アレイ又は超音波スピーカーを用いて天井方向に狭い音響ビームを向け、天井からの反響を発生させることで音響源が聴音空間における高位置にあるという錯覚(イリュージョン)を生み出してもよい。
また、本発明から逸脱することなく、信号を過渡成分信号と非過渡成分信号とに分解する任意の適切なアプローチを利用することができる。
図1、5、及び6のシステムにおいて、過渡成分信号は、そのオーディオ信号と、信号の以前の特徴から生成されたオーディオ信号の予測バージョンとの間の誤差(差)が閾値を超える信号成分に該当すると考えられる。具体的には、入力信号に予測アルゴリズムを適用して予測信号を生成してもよい。入力信号と予測信号との間の差を表す誤差信号が生成され、閾値と比較される。誤差信号が閾値を超える場合、入力オーディオ信号は過渡成分に該当すると考えられ、誤差信号が閾値以下の場合、オーディオ信号は非過渡成分に該当すると考えられる。したがって、本実施例においては、入力オーディオ信号は過渡成分に該当する時間区間と、非過渡成分に該当する時間区間とに分割される。
いくつかの実施形態においては、処理は周波数選択的でもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、過渡信号と非過渡信号とへの分割は、個々の周波数バンドにおいて実行されてもよい。
より詳細には、入力信号はx(n)によって表されてもよい。この例においては、分解は、X(k,ω)によって表される時間―周波数表示に対して行われてもよい(k:時間指数、ω:周波数変数)。
信号x(n)内で過渡イベントが起こった時を示す指標を提供する関数が生成される。この関数は、「検出関数(detection function:DF)」と言う。この例においては、入力信号は、(例えばFFTによって)複数の周波数バンドに分割される。これによりサブ・バンド信号のセットx(n)が得られる(k=1,2,..M)(Mは信号が分解される周波数バンドの数)。
(n)が得られると、各(時間ドメイン)サブ・バンド信号の短時間フレームに適応線形予測誤差フィルターが適用される。この検出は、過渡イベントが開始すると、予測の出力は正確な予測ではなくなり、よってサブ・バンド信号と予測サブ・バンド信号との間の誤差信号の値が増加するという考えに基づくものである。誤差信号はDFとして用いられ、その後、過渡成分に該当する時間区間と、非過渡成分に該当する時間区間とを識別するために閾値と比較される。
その結果は、各周波数バンドにおける過渡成分時系列(transient time series:TTS)である。
その後、検出された過渡事象の位置に基づくマスク関数の合成が行われる。



ここで、


であり、w(n,ω)は、過渡事象のオンセットをマスクするために設計された既定のウィンドウである。
マスク関数を用いることで、過渡成分信号及び非過渡成分信号を計算することができる。

上記式において、yは過渡成分信号、yは非過渡成分信号を示す。
あるいは又はさらに、重みは周波数の関数として変化してもよい。周波数の変化はサブ・バンドの生成と関連付けられてもよく、又はサブ・バンドとは独立していてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、周波数選択的分解が非周波数依存重みと組み合わされてもよく、他の実施形態においては、周波数依存重みを用いる一方、非周波数選択的分解を行ってもよい。
具体的な例として、重み付けは、高位置空間チャンネルにおいて、過渡成分の高周波数成分が過渡成分の低周波数成分よりも強く強調されるように、重み付けを周波数選択的に行ってもよい。したがって、第一重み回路109によって与えられる重みは、周波数の増加に対して増加してもよく、且つ/又は、第二重み回路109によって与えられる重みは、周波数の増加に対して減少してもよい。
いくつかの実施形態においては、低位置空間チャンネルのための重み付けは、対応して、しかし反対に変更されてもよい。したがって、いくつかの実施形態においては、第三重み回路601によってつけられる重みは増加する周波数に対して減少してもよく、且つ/又は、第四重み回路603によってつけられる重みは増加する周波数に対して増加してもよい。
特に、いくつかの実施形態においては、過渡成分信号及び/又は非過渡成分信号の組み合わされた重み(重み付け)が、オーディオ・バンド内の周波数において実質的に一定であると好適な場合がある。例えば、過渡成分信号(又は非過渡成分信号)のための組み合わされた重みは、周波数域500Hz〜3kHzにおいて、生成される合成(組み合わされた)オーディオ信号のエネルギーの変動が10%以内になるような範囲で変化しもよい。
したがって、入力空間オーディオ・チャンネルの二つの空間出力チャンネルへの分配は、知覚特性を反映するように、特に、顕著な周波数選択的歪みを生じることなく改良された没入型空間感覚を提供するように、周波数に応じて変更され得る。
具体的な例として、二つのスピーカー(一方が高位置、もう一方が地表レベル)を用いてサウンドのファントムをつくり出してもよい。以下において、高位置空間チャンネルのための駆動信号はSで表され、低位置空間チャンネルのための駆動信号はSで表される。駆動信号は、以下のとおりに生成されてもよい。

上の式において、A(ω)及び1−A(ω)は、上記二つのチャンネルにかけてサウンド・エネルギーを阻害する周波数領域ウィンドウを反映する、周波数依存重みである。
簡単な例として、関数A(ω)は以下で示されてもよい。



上の式において、ωはナイキスト周波数である。この関数は、高周波数成分が高位置スピーカーの近くから聞こえ、低周波数成分が地表レベルのスピーカーの近くから発生しているように聞こえるよう、過渡サウンドをパンする。これは、改良された空間体験を提供し得る。
いくつかの実施形態においては、二つの空間チャンネルが、変更された信号の異なる周波数バンドに該当するように生成されてもよい。例えば、図1のオーディオ・システムにおいて、オーディオ出力が、異なる周波数バンドを選択する二つ(又は三つ以上)のフィルターによってフィルタリングされてもよい。各フィルターの出力は、異なる位置でレンダリングされる空間チャンネルのための信号として用いられてもよい。特に、強調された過渡特性を有するオーディオ信号を、高位置のスピーカーに高めの周波数バンドが供給され、低位置のスピーカーに低めの周波数バンドが供給されるようフィルタリングすることにより、好適なパフォーマンスを達成し得る。
このようなアプローチは、全ての過渡サウンドが、必ずしも上方から再生されることが好ましいわけではないことを表し得る。例えば、キック・ドラムの音は過渡性であるが、通常は床に近い位置から聞こえてくるはずであり、そのためレコーディング・スタジオやライブ・コンサートでは通常の構成を反映させる。したがって、過渡サウンドの高さは、周波数選択的アプローチに基づいて分配され得る。
例えば、過渡サウンドが、一つ又は複数の垂直方向に配置されたスピーカーからレンダリングされるとき、角度(高さ)θにおけるあるスピーカーのための入力信号Sθは、以下の式によって得られる。

ここで、Aθ(k,ω)は、図7に示されるようなクロスオーバー・ネットワークに使用されるような周波数領域ウィンドウである。
以上の明瞭さのための説明において、本発明の実施形態を、異なる機能的回路、ユニット(又は装置)、及びプロセッサに言及して説明した。しかし、本発明から逸脱することなく、機能的回路、ユニット、又はプロセッサ間において、あらゆる適切な機能性の分配を行うことができる。例えば、別々のプロセッサ又は制御装置(コントローラ)によって実行されると説明された機能が、同じプロセッサ又は制御装置によって実行されてもよい。したがって、特定の機能的ユニット又は回路への言及は、ある機能性を提供するための適切な手段への言及として見なされるべきであり、論理的又は物理的に厳密な構造又は組織を示すものではない。
本発明は、一つ又は複数のデータ・プロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータ・ソフトウェアとして、少なくとも部分的に実行されてもよい。本発明の要素及び部品は、物理的、機能的、及び論理的にいかなる適切な方法で実現されてもよい。実際に、機能性は、単一のユニット、複数のユニット、又は他の機能的ユニットの一部として実現されてもよい。よって、本発明は単一のユニットによって実現されてもよく、物理的及び機能的に、異なるユニット、回路、及びプロセッサ間で分配されてもよい。
本発明はいくつかの実施形態に関連付けて説明されてきたが、本明細書において記載された特定の形態に限定されるべきではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。また、ある特徴が特定の実施形態と関連付けて説明されているように思われたとしても、当業者は、記載された実施形態の多様な特徴が、本発明に基づいて組み合わされ得ることを認識するであろう。特許請求の範囲において、含む(又は有する、備える)という単語は他の要素又はステップ(工程)の存在を否定しない。
さらに、複数の手段、要素、回路、又は方法のステップが別個に列記されていたとしても、それらを例えば単一の回路、ユニット、又はプロセッサによって実現してもよい。また、個々の特徴が別の請求項に含まれていたとしても、それらの特徴を好適に組み合わせてもよく、異なる請求項に含まれていることは、特徴の組み合わせが実現可能及び/又は有利ではないことを示唆するものではない。また、ある特徴が一つのカテゴリーの請求項に含まれていることは、このカテゴリーへの限定を示唆せず、特徴は、他のカテゴリーの請求項に等しく且つ適切に適用可能である。さらに、請求項内の特徴の順番は、特徴が作用しなければならない特定の順番を意味するものではなく、特に、方法クレームにおける個々のステップの順番は、それらのステップがその順番で実行されなければならないという意味ではない。むしろ、ステップは任意の適切な順番で実行できる。また、単数での言及は、複数を除外しない。したがって、「複数の」という記載がない場合、「第一」又は「第二」等の記載がある場合においても、複数は除外されない。請求項内の参照符号は単に明確化のための例であり、特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないと解釈されるべきである。

Claims (15)

  1. 入力オーディオ信号を受信する受信機と、
    前記入力オーディオ信号を、少なくとも過渡成分信号及び非過渡成分信号に少なくとも部分的に分解するデコンポーザーと、
    前記過渡成分信号と前記非過渡成分信号との重み付けされた組み合わせに応じて第一出力オーディオ信号を生成する第一回路とを有し、前記過渡成分信号の重み付けは、前記非過渡成分信号の重み付けとは異なる、オーディオ・システム。
  2. 前記入力オーディオ信号は、第一空間オーディオ・チャンネルの信号であり、前記第一出力信号は、前記第一空間オーディオ・チャンネルの基準位置とは異なる基準位置に関連付けられた第二空間オーディオ・チャンネルの信号である、オーディオ・システム。
  3. 前記過渡成分信号の重み付け、及び前記非過渡成分信号の重み付けのうちの少なくとも一つが、周波数依存である、請求項1に記載のオーディオ・システム。
  4. 前記過渡成分信号と前記非過渡成分信号との重み付けされた組み合わせに応じて第二出力オーディオ信号を生成する第二回路をさらに有し、前記過渡成分信号の重み付け及び前記非過渡成分信号の重み付けは、前記第一出力オーディオ信号に対するものとは異なる、請求項1に記載のオーディオ・システム。
  5. 前記第一出力オーディオ信号を第一スピーカーからレンダリングし、前記第二出力オーディオ信号を第二スピーカーからレンダリングするドライバをさらに有する、請求項4に記載のオーディオ・システム。
  6. 前記入力オーディオ信号は、第一空間オーディオ・チャンネルの信号であり、前記第一出力オーディオ信号は、第二空間オーディオ・チャンネルの信号であり、前記第二出力オーディオ信号は、前記第二空間オーディオ・チャンネルとは異なる基準位置に関連付けられた第三空間オーディオ・チャンネルの信号である、請求項5に記載のオーディオ・システム。
  7. 前記第一空間オーディオ・チャンネルの基準位置は、前記第二空間オーディオ・チャンネルの基準位置より高い位置にある、請求項6に記載のオーディオ・システム。
  8. 前記過渡成分信号の、前記非過渡成分信号に対する相対的な重み付けは、前記第二出力オーディオ信号においてより、前記第一出力オーディオ信号において高い、請求項7に記載のオーディオ・システム。
  9. 前記第一出力オーディオ信号内の前記非過渡成分信号の重み付けは、前記過渡成分信号の重み付けの少なくとも10分の1より低い、請求項4に記載のオーディオ・システム。
  10. 前記第一出力オーディオ信号内の前記過渡成分の重み付け、及び前記第二出力オーディオ信号内の前記過渡成分信号の重み付けは、周波数依存である、請求項4に記載のオーディオ・システム。
  11. 前記第一出力オーディオ信号内の前記過渡成分の前記重み付けは、周波数の増加に対して増加し、前記第二出力オーディオ信号内の前記過渡成分信号の前記重み付けは、周波数の増加に対して減少する、請求項10に記載のオーディオ・システム。
  12. 前記第一出力オーディオ信号内、及び前記第二出力オーディオ信号内の前記過渡成分の組み合わされた重み付けは、実質的に一定である、請求項10に記載のオーディオ・システム。
  13. 前記第一出力オーディオ信号から、第一周波数バンド内の第一空間出力オーディオ信号を生成するための第一フィルターと、
    前記第一出力オーディオ信号から第二周波数バンド内の第二空間出力オーディオ信号を生成するための第二フィルターとを有し、
    前記第一周波数バンドは前記第二周波数バンドとは異なり、前記第一空間出力オーディオ信号は、前記第二空間出力オーディオ信号とは異なる基準位置に関連付けられている、請求項1に記載のオーディオ・システム。
  14. 前記第一周波数バンドは、前記第二周波数バンドより高い周波数を有し、前記第一空間出力オーディオ信号の基準位置は、前記第二空間出力オーディオ信号の基準位置に対して高い位置にある、請求項13に記載のオーディオ・システム。
  15. オーディオ・システムの動作方法であって、
    入力オーディオ信号を受け取ることと、
    前記入力オーディオ信号を、少なくとも過渡成分信号及び非過渡成分信号に少なくとも部分的に分解することと、
    前記過渡成分信号及び前記非過渡成分信号の重み付けされた組み合わせに応じて第一出力オーディオ信号を生成することとを含み、前記過渡成分信号の重み付けは、前記非過渡成分信号の重み付けとは異なる、方法。
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