JP2014515507A - レートが取り決められた、標準化クーポン金融商品及び取引方法 - Google Patents

レートが取り決められた、標準化クーポン金融商品及び取引方法 Download PDF

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Abstract

本発明の原理に基づいたレートが取り決められた、標準化されたクーポン金融商品及び取引方法が提供される。2当事者間でクーポンが取り決められる。少なくとも1つのフォワードカーブとディスカウントカーブが、取り決めされたクーポンと一致するように包含ないし近似される。別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値が決定される。コンシステント価値は、2つの金利支払いレグの現在価値の差として記載される金利スワップの純現在価値(NPV)を含むことができる。バニラ金利スワップの場合、2つのレグは固定クーポン支払いと変動クーポン支払いに対応する。ベーシス・スワップの場合、一方のレグは、基準レート+固定クーポンを備えた変動クーポン支払いであり、他方のレグは、別個の基準レートを備えた変動クーポン支払いである。本発明に係る金融商品は、レートにより取り決めされた金融商品を、調整された価格で、別個のクーポンレートを備えた商品における等価ポジションに置き換える。

Description

本発明は、金融商品、及び、このような金融商品の電子清算及び決済方法に関するものである。
世界中で様々な種類の金融商品が取り引きされている。金融商品としてはキャッシュコントラクト、および、デリバティブを例示することができる。キャッシュコントラクトは、特定のアセットの引き渡しについての取り決めである。デリバティブは、その価値が、コモディティの潜在的なプライス、アセット、レート、インデックス、通貨、イベントの生起や重大性にリンクした金融商品である。デリバティブの典型例には、先物、フォワード、オプション、スワップが含まれる。
最も一般的に、スワップは、当事者である2者がある設定した期間においてキャッシュフローのシーケンス(sequence)を交換する取り決めである。通常、スワップが開始される時には、一連のキャッシュフローの少なくとも1つが、金利、外国為替レート、株価、商品価格のような変数である指標あるいはアセットを基準とすることが行われる。スワップは、また、満期(債権)、発行の質(株や債券)を変更するため、あるいは投資目的における変更を促すために、ある担保と他の担保を交換することにも用いられる。
ある特定のスワップの特徴を記述するための命名が行われている。プレーンバニラ("plain-vanilla")スワップは、最もシンプルなスワップであり、最も一般的な条件である。スポット・スターティング("spot" starting)スワップは、スワップの経済的側面が、当事者である2者が当該スワップを締結するとほとんど即時に開始されるスワップである。シーズンド("seasoned")スワップは、ある期間において存在するスワップである。フォワード・スターティング("forward-starting")スワップは、スワップの最初の計算日が将来の指定された時点まで開始されないようなスワップである。フォワード・スターティング・スワップの当事者は、彼らの義務を実行する責任があるが、この義務は当事者がスワップ契約を結んでから所定期間は開始されない。オフマーケット("off-market")スワップは、開始時点で0以外の価値を有するスワップである。
最初のスワップは、1981年IBMと世界銀行との間で行われた。スワップは1980年代から取引されているにすぎないが、爆発的な人気を呼んでいる。1987年には、スワップマーケットの概念的な全体価値は8656億ドルであり、2006年中頃までには、数字は250兆ドルを越えた。これは、米国の上場株式市場の15倍以上である。
最も一般的なタイプのスワップは、金利スワップである。プレーンバニラ、すなわち金利スワップでは、当事者である2者は、典型的には一方の支払いが固定レートで他方の支払いが原資産基準レート(underlying reference rate)のパフォーマンスにしたがって変化する場合に、定期的な金利支払いを交換することを合意する。一般に、金利スワップは、特にパー・スワップでは、利回り期間で価格が提示される。概念的には、金利スワップは、フォワードのポートフォリオとして、あるいは、変動利付債券におけるショート(ロング)ポジションと対となる、固定利付債券におけるロング(ショート)ポジションと考えることができる。一般に、米国ドル建て金利スワップでは、提示されるレートは、3ヶ月ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)、あるいは、スワップにおいて特定された原資産基準レート、を差し引いたマーケットが期待する固定レートである。LIBORは、ロンドンホールセールインターバンクマーケットで銀行が他行から無担保資金を借りる時の日割りの基準レートである。キャッシュは、固定利率と変動利率との差異に依存して、売り手と買い手との間で一定期間を基準として流れる。例えば、ある当事者(当事者A)が他の当事者(当事者B)に対して、ある特定された期間にわたり、特定日における想定元本についての予め決定された固定金利を支払うことを合意し、同時に、当事者Bが当事者Aに対して、同じ特定された期間にわたり、同じ特定日における想定元本と同額についての変動金利を支払うことを合意する。支払い金利は、年ごと、四半期ごと、月ごと、あるいは、当事者によって決定された他のいかなる期間において行われる。
プレーンバニラ金利スワップの他には、フロート・フォー・フロート・スワップ(ベーシス・スワップとして知られる)がヘッジ及び投資ツールとして市場で広く用いられている。フロート・フォー・フロート・スワップは、カウンターパーティ間の異なる基準金利での2つの変動支払いの交換を含む。2つの変動支払いの回数は同じでもそうでなくてもよい。例えば、3/6LIBORベーシス・スワップでは、一方の当事者(当事者A)は、他方の当事者(当事者B)に3ヶ月毎に所定の想定元本について3ヶ月物LIBORに紐付けられた変動金利を支払うことを同意し、同時に、当事者Bは当事者Aに6ヶ月毎に同額の想定元本について6ヶ月物LIBOR に紐付けられた変動金利を支払うことを同意する。Fed Funds/LIBORベーシス・スワップでは、一方の変動支払いは、所定期間のフェデラルファンド実効オーバーナイトレートによって決定され、他方の変動支払いはLIBORによって決定される。Fed Funds/LIBORベーシス・スワップにおいて、利払いは、一般に、四半期毎に行われる。フェデラルファンド実効オーバーナイトレートは、ある預貯金取扱金融機関が直ぐ利用できるファンドを他の預貯金取扱金融機関にオーバーナイトで貸し付ける金利である。
標準化されたデリバティブは、従来、取引所で取引されるものであり、中央清算される金融商品である。これに対して、スワップは、従来、カスタマイズされた金融商品であり、OTCマーケットで相対取引されている。OTCマーケットは、最も一般的には、当事者2者間で個々に交渉された取引を意味し、中央清算されない(すなわち、クリアリングされない)。各当事者は、履行について他の当事者のみを見ており、したがって、他の当事者の信用リスク(しばしばカウンターパーティーリスクと称される)に晒される。中央清算される金融商品と異なり、履行についての独立した保証機関はない。クリアリングされないスワップは、しばしば、国際スワップデリバティブ協会(ISDA)マスター文書にしたがって取引される。ISDA、360 マジソン アベニュー、16階、ニューヨーク、ニューヨーク10017、は参加当事者を代表する個々に処理されるデリバティブマーケットによって作られた協会である。
担保において、クリアリングされないポジションの変化にしたがって持ち札を変えることは一般的である。未決済でクリアリングされないポジションに関する未知の損失を有する当事者は、債務を保証するために、未知の利益を有する当事者に対して担保を差し出す。一般的な担保の形式は、米国債(例えば、財務省債券、手形、証券)の債務証書である。米国債務証書が担保として差し入れられると、金融商品を差し入れた当事者である担保の所有者に対する金融商品及びクーポン支払いの利益が発生することで価格が変動する。キャッシュを担保として差し出してもよく、この場合、担保としてキャッシュを受け取った当事者は、キャッシュ担保を差し出した当事者に対して、当事者間の取り決めによって設定された利率で金利を支払う義務がある。取引を解消したり満期終了したりした時には、担保を保有している当事者は他方の当事者に当該担保を返し、取引は最終的に決済される。
取引所で取引される金融商品は、クリアリングされない金融商品と本来的に異なる。これらの2つの経済的側面は類似しているが、先物及び先物オプションは取引所の規則にしたがって取引される。取引の条件を当事者が設定するクリアリングされない金融商品とは異なり、取引所に上場された先物及び先物オプションは標準化されている。この条件には、想定元本、利益毎の価格変更、期日、期日に金融商品をどのように決済するか(現金決済、あるいは、現物渡し)が含まれる。先物において当事者が交渉すべきことは、いずれの当事者が買い手、売り手であるか以外には、取引される金融商品の数量と価格のみである。
全ての先物及び先物オプションは、カウンターバーティ間での定期的な支払い及び徴収を交換する中央清算機関によって、中央清算(セントラルクリアリング)される。これは、上述のクリアリングされない金融商品と全く異なる。中央清算(セントラルクリアリング)は、カウンターパーティーリスクが取り除かれることを意味する。取引の当事者は互いに取引先となることがなくなり、各当事者は中央清算機関(クリアリングハウス)に相対し、取引の清算、証拠金の徴収及び維持、引き渡しの規制、取引データの報告については中央清算機関のみを見ていればよい。伝統的な非清算型OTC金利スワップは、2つのカテゴリーに分類される。1つは、パー・スワップであり、2つのレグ(1の当事者が支払い、受け取るような支払い)の初期価値は同じである。もう1つはオフマーケット・スワップであり、純現在価値(NPV)で見積もった時に一方のレグ(leg)が他方のレグ(leg)よりも価値がある。
非清算型のパー・スワップでは、カウンターパーティは典型的には取引時にキャッシュや有価証券を交換しない。ポジションの価値は、スワップの商品寿命の間にパーから逸脱するため、カウンターパーティは、ISDA規則の規定にしたがって担保を交換する。クリアリングされるパー・スワップでは、契約履行保証として知られる初期証拠金として、カウンターパーティは典型的には取引時にクリアリングエージェントにキャッシュや他の有価証券を差し出すことが求められる。初期証拠金の目的は、一方のカウンターパーティが後の段階の取引時に必要とされる支払いが出来ずに債務不履行となった時に、クリアリングエージェントが、他方のカウンターパーティに支払うべき全額を支払うため、ポジションを換金して利用できる十分な資本金(換金したスワップポジションの価値、初期証拠金として差し出された元の担保の換金価値、を含む)を有することを保証することにある。
典型的には、プレーンバニラ商品のパー・スワップの契約を望むトレーダーは、ある一定の特徴によって定義されるパー・スワップとして当該ディーラが提供し得る固定クーポンレートが何であるかを見出すために、ディーラに接触する。これらの特徴には、実効日、フィックシングデート(fixing date)、テナー(tenor)、満期日、指数、固定レグ支払い間隔、変動レグ支払い間隔、固定レグ日数計算慣習、変動レグ日数計算慣習、休日カレンダー、その他が含まれる。パー・クーポンレートは、想定価値のパーセンテージとして表され、固定レグ支払者から固定レグ受け取り者へ支払うべき一年周期の支払い総額を定義する。例えば、100億ドルの想定価値のスワップについての3.005%のパー・クーポンレートは、スワップのテナーのため固定レグ支払い者が固定レグ受け取り者に対して年毎に$3,005,000を支払うことを合意することを意味しており、このような年額は、年間の支払い回数によって均等に分割される。最も広く用いられている固定レグ支払い間隔は半年であり、この例では、6ヶ月毎の$1,502,500の支払いを意味する。
パー・スワップ取引を完了させる前に、カウンターパーティは、スワップの特徴や予想される先物金利を考慮しつつ、NPVが0となるような固定レートクーポンであるパー・クーポンについて合意する必要がある。スワップトレーダーは、適切なパー・クーポンレートを計算するために様々な公的に利用可能なあつらえのツールを採用し、その中には、市場データサービス(例えば、ブルームバーグ・エル・ピー、レキシントン アベニュー、ニューヨーク、ニューヨーク10022やトムソンロイター、3 タイムズスクエア、ニューヨーク、ニューヨーク10036)、分析ソフトウェアパッケージ(例えば、リスクヴァル・フィナンシャル・ソリューション、120ウエスト 31ストストリート、ニューヨーク、ニューヨーク10001から入手可能なリスクヴァルRVFIプラットフォームやスーパーデリバティブ・インク、545、マジソン アベニュー、17スフロア、ニューヨーク、ニューヨーク10022から入手可能なスーパーデリバティブSDX金利)、及び、特定用途向けに構築されたスプレッドシート、が含まれる。
スワップトレーダーによって所与のスワップのパー・クーポンの計算に広範囲に用いられているツールの典型的な例は、ブルームバーグSWPMスワップマネージャーである。ブルームバーグSWPMスワップマネージャーでは、スワップトレーダーが上述したスワップの特徴を入力すると、SWPMスワップマネージャーが、現時点で予測される金利を見積もり、NPVゼロ(固定レグPV−変動レグPV=0)を含む固定クーポンレートを計算し、この値をパー・クーポンとしてユーザに出力する。
バニラ・スワップにおけるパー・クーポンと同様に、パーでのベーシス・スワップを取引するカウンターパーティは、パー・スプレッドについて合意する必要がある。パー・スプレッドは、取引時に、一方の変動レグの現在価値が他方の変動レグの現在価値と等しくなるように一方の変動レグに足される金利支払いである。
オフマーケット・スワップは、定義では、取引時にゼロ以外のNPVを持つスワップである。取引が完了する前に、NPVについてカウンターパーティ間で合意がなされる必要がある。クリアリングされないスワップにおいては、取引時に、取り決めたNPVは一方のカウンターパーティから他方のカウンターパーティへ、アップフロント・ペイメント、一般的にはキャッシュ、として支払われる。今のところ、クリアリングされる金利スワップやクリアリングされるスワップ先物のために中央清算機関にオフマーケット・スワップを受け入れさせるような明確な標準市場慣習は登場していない。1つの手法は、インターナショナル・デリバティブ・クリアリング・グループ・エル・エル・シー (IDCG)、150 イースト 52ンド ストリート、フィフス フロア、ニューヨーク、ニューヨーク10022に採用されているものであって、カウンターパーティは、二者間で中央清算機関が携わることなく、取引時にアップフロント・ペイメントを交換するものである。他の手法は、クリアリングされる金利スワップについてCMEクリアリングに採用されているものであって、取り決めたアップフロント・ペイメント額と中央清算機関によって決定された公正市場価値からの実際の逸脱との起こり得るいかなる小さな差異を除いて、取引がアップフロント・ペイメントを行ったカウンターパーティの利益として特徴付けられ、支払い額が有効にネットアウト(netting out)された同じ日に中央清算機関を通してカウンターパーティ間でアップフロント・ペイメントが行われるようにしたものである。3番目の手法は、エリス・エクスチェンジ先物の清算のためにCMEクリアリングに採用されているものであって、 取り決めたアップフロント・ペイメント額を取引自体の価格に埋め込み、先物の公正価値が将来の取引価格から外れた時に限り、当事者間で変動証拠金の支払い/徴収を行うようにするものである。
与えられたオフマーケット・スワップのNPVの取り決めを開始するために、カウンターパーティは先ず上記のスワップ特徴について合意する必要がある。さらに、カウンターパーティは、スワップのNPVを評価するための十分なデータを提供するために、バニラ・スワップの固定レートクーポン(ベーシス・スワップの場合はスプレッド)についても合意する必要がある。カウンターパーティにより取り決められたNPVについて合意すると、取引が完了する。以下の表は、バニラ・パー・スワップ及びオフマーケット・スワップについて、NPV及び固定レートの合意の仕方をまとめたものである。
Figure 2014515507
ベーシス・スワップにおけるスプレッドは、クーポンの特別な形式であるとみなすことができるので、以下においてクーポンという用語及びスプレッドという用語ははっきりとは区別されない。クーポンは、バニラ・スワップにおける固定レートクーポン、ベーシス・スワップにおけるスプレッドの両方を示し得るものである。
多くの理由によって、金利スワップマーケットのトレーダーの大多数は、それについて市場参加者による明確な選択が示されているパー・スワップとしてレートにより取り決められる。OTCパー・スワップは、典型的には、カウンターパーティ間のキャッシュのアップフロント・ペイメント交換を含まない。多くのISDAスワップは、カウンターパーティに初期証拠金を差し出すことを必要とせず、また、定義によりパー・スワップは取引時にゼロのNPVを有するため、取引の初めに一方のカウンターパーティから他方のカウンターパーティへ担保を差し入れることを必要としない。
これに対して、クリアリングされるパー・スワップ・デリバティブは、各カウンターパーティに、中央清算機関(CCP)へ初期証拠金を差し出すことを必要とする。OTCオフマーケット・スワップは、先物キャッシュフローの予想される価値の差を相殺するように、カウンターパーティ間でキャッシュのアップフロント・ペイメント交換を必要とする。他の条件が同等であり、一方のカウンターパーティから交換された価値は、当該スワップの寿命を通して他方のカウンターパーティに定期的に分割された払い戻されることにおいて、市場関係者は適切に、この取引に埋め込まれた黙示的イローンを認識する。この貸し付けにより得られる適切なリターンを保証するために、OTCディーラの多くは銀行において内部ファンディングモデルを採用し、スワップトレーダーが全てのオフマーケット・スワップのアップフロント・ペイメント及び契約解消に係る取消支払いにおいて貸出及び借入レートを適切に組み込むことを保証する。
さらに、オフマーケット・スワップは、しばしば、スワップ・カウンターパーティにおいて望ましくないとみなされる会計処理を必要とする。幾つかのファームは、FAS133に規定された米国財務会計基準審議会(FASB)基準に基づくヘッジ会計処理の特定アプリケーションを得られるようにスワップを構築できる時にのみスワップを用いる。この取り扱いを受けることは、スワップの存続期間にわたる当該スワップの価値の変化を当該ファームのインカムステートメントを通して報告する必要がないことを保証する。アップフロント・ペイメントを伴うオフマーケット・スワップは一般に、この会計処理の形式を受ける資格が無い。FASBは、金融会計及び非政府機関の報告の基準を確立する。
オフマーケット・スワップに関連する要因、特に、望ましくない会計処理を生じ、ファンディングを必要とするオフバランスシートローンに相当するアップフロント・ペイメント、は市場参加者において、OTC金利スワップをパー・スワップとして取引する明確な選択を説明するさらなる理由となる。これはアップフロント・ペイメント問題として言及される。オフマーケット・スワップに対するパー・スワップの比較的な人気の高さは、主としてこのアップフロント・ペイメント問題に帰するものであるが、時間にともなう自己強化にも帰するであろう。スワップ市場の成熟やトレーダーに利用可能なパー・スワップについての分析に着目するツールの量を考えると、パー・スワップとして取引されないスワップと同種の商品を上場する試みは、ここで言うパー・スワップ選好問題を乗り越えなければならない。
伝統的な先物は、一般的には月や四半期である満期日によって定義され、取引量は3ヶ月〜2年間の間の所与の取引日に満期となる月物先物あるいは四半期物先物に集中する傾向がある。今日、当事者が6ヶ月で満了する10-ユーロドル先物を買う(ロング)ことができ、この6ヶ月内におけるいかなる取引日において、同じ満了日を有する10-ユーロドル先物を売る(ショート)ことで、市場に再参入し、イニシャルポジションを取引で解消することができる。各取引について取り決めされた先物価格にかかわらず、2つの取引の結果について、トレーダーはいかなる責任も負わず、ポジションを持たず、すなわち、先物業界用語における「ネットフラット」である。複数の取引参加者は四半期で満了する先物を様々な価格で取引するビット及びオファーを出すため、先物の標準化特性は、中央指値オーダーブック内での流動性の集中をもたらす。
中央清算される金利スワップデリバティブ(クリアリングされる金利スワップ、あるいは、フレキシブルクーポンを伴うスポット・スターティング金利スワップ先物)の特徴は、伝統的な先物とは大きく異なる取引及び流動性特徴を含んでいる。今日のスポット・スターティング商品は明日のスポット・スターティング商品と異なる。そして、所定の日およびテナー(tenor)のパーとして取引される各クーポンレートは独立した商品である。伝統的に、最も頻繁に取引される スポット・スターティング・スワップは、1年刻みで取引される(例えば、2年、3年、5年、7年、10年)、いわゆる標準満期日すなわち標準テナー(tenor)を有している。
取引に用いられる商品の粒状化(グラニュラリゼーション)は、各個別の商品について生じる比較的に低いレベルの未決済建玉をもたらし、このことは、所与のトレーダーにおいて、リーズナブルな価格でカウンターパーティとして行動する意思のある買い手及び売り手を見付けることに困難性を付加する。これは、粒状化(グラニュラリゼーション)問題として参照される。
各金融商品は、日々の評価の目的のために指定される価値を備えており、セントラルクリアリングされるマーケットでは、クリアリングハウスがこの価値を指定する。先物のポジションの価値を決定するために、市場参加者は先物毎の価格を用い、この価値をカウンターパーティによって所有される先物の総数に掛ける。スワップポジションの価値を決定するために、市場参加者は残存キャッシュフローのNPVを用いる。
エリス・エクスチェンジ、イリノイ州 60616、シカゴ、スイート 950、311 サウス ワッカー ドライブは、米国商品先物取引委員会 (CFTC)の管轄下で免除取引所(exempt board of trade)として機能する先物取引所、は2010年8月にエリス・エクスチェンジ金利スワップ先物("エリス金利スワップ先物") を導入した。この金融商品は、先物として規制されるが、典型的に金利スワップに関連付けられた経済的かつ柔軟な特徴を含んでいる。例えば、エリス金利スワップ先物は、カウンターパーティが、上述したように、固定クーポンレートを取り決めることによってパー・スワップポジションを開始することを可能とする。市場参加者は、将来における30年間までのいかなる有効なビジネスデイで満期となる実効日t+2(取引日から2営業日)のスポット・スターティング商品を取引する。この商品は、CMEグループのCMEクリアリング、イリノイ州 60606、シカゴ、サウス ワッカー ドライブ20によって清算され、スポット・スターティング・エリスIRスワップ先物の日々の時価評価プロセスは、両方の契約(エリス金利スワップ先物、OTC金利スワップ)が共通のディスカウント・ファクターセットを用いるとして、市場参加者が同一に構築されたOTC金利スワップから導出されるであろうトータルキャッシュフローと同様のキャッシュフローをもたらす。この柔軟性は、CMEグループのシカゴ商品取引所、5年物金利スワップ先物、10年物金利スワップ先物("CBOTスワップ先物")、標準化固定レート4%を含み、スポット・スターティングでない、と対象的であり、四半期毎の満期(日々でない)を提供し、等価のスワップポジションの経済性を複製しない。市場参加者が先物形式において金利スワップデリバティブの取引を行うことを可能とすることによって、エリス・エクスチェンジは、複数のカウンターパーティに電子取引プラットフォームを通して中央指値オーダーブックにおいて匿名のビット及びオファーを出すことを可能とする。
先物価格の取り決めを通しての中央指値オーダーブックにおける伝統的な先物の取引の特徴と固定レートの取り決めを通しての中央指値オーダーブックにおけるパー・スワップの取引の特徴の間には重大な違いがある。伝統的な先物商品の中央指値オーダーブックへ大きなマーケットオーダを出した市場参加者は、全体の需要量を満たすのに必要な数の複数の価格レベルで生じる一連の取引をもたらす(オーダに対して要求された量がベストプライスレベルで得られる量よりも大きいと仮定する)。電子取引プラットフォームは、マッチング手法にしたがってオーダをマッチングし、複数の価格レベルで生じた複数の取引に関する市場参加者に情報を送信する。生じた取引の数や含まれる価格レベルの数にかかわらず、市場参加者はオーダのマッチングの結果として単一の金融商品について単一のネットポジションを有することになる。
例えば、CME e-mini S&P先物のような伝統的な先物市場の仮想シナリオを考える。2013年3月に満了する先物の中央指値オーダーブックにおいて、4つのオーダが置かれていると仮定する。
・ビット#1:60先物 価格1210
・オファー#1:20先物 価格1212
・オファー#2:30先物 価格1213
・オファー#3:15先物 価格1215
60先物を買うマーケットオーダを出した市場参加者は、3つの取引についてカウンターパーティになる。
・取引#1:20先物 価格1212
・取引#2:30先物 価格1213
・取引#3:10先物 価格1215
この例は、60先物を買うために、市場参加者は3つの個別の価格レベルでオファーを挙げる必要がある。全ての3つの取引は、同じ商品 2016年3月CME e-mini S&P先物についてのものである。最終結果として、市場参加者は、ロング60先物のネットポジションを有する。
・ロング60先物 2016年3月満了 CME e-mini S&P先物
この点をさらに説明すると、市場参加者は「60先物売り」という単一のマーケットオーダを出すことで、全体のポジションを換金することを進めることができ、これは、置かれたビット(ビット#1)に対する1つの取引によって履行され得る。
・取引#4:60先物 価格1210
この4番目の取引の結果は、市場参加者がフラット、すなわち、ネットポジションはゼロである。
一方、カウンターパーティがパー・クーポンについて取り決めを行うスワップデリバティブの中央指値オーダーブックに同様のオーダを出した市場参加者は、複数の価格レベルにおける複数の取引のみならず、複数の金融商品において複数の未決済ポジションを有することになる。ここで、スワップデリバティブは、スワップ及びスワップ先物の両方を含む。パー・スワップ・デリバティブの本来的な限界は、ここで、マルチプル・ポジション問題として言及される。
2番目の例として、スポット・スターティング10年物エリス金利スワップ先物、当該先物においては先物の買い手はスワップデリバティブについて固定レグ支払い者(変動レグ受け手)となることを同意し、売り手は固定レグ受け手(変動レグ支払い者)となることを同意する、の仮想シナリオについて考える。中央指値オーダーブックの10年物先物において、第1の例の構造と同様に4つのオーダが置かれていると仮定する。
・ビット#1:60先物 固定レート3.442%
・オファー#1:20先物 固定レート3.445%
・オファー#2:30先物 固定レート3.446%
・オファー#3:15先物 固定レート3.448%
60先物60を買うマーケットオーダを出した市場参加者は、3つの取引についてカウンターパーティとなる。
・取引#1:20先物 固定レート3.445%
・取引#2:30先物 固定レート3.446%
・取引#3:15先物 固定レート3.448%
前述の例と同様に、60先物を買うために、市場参加者は3つの個別の固定レートレベルでオファーを挙げる必要がある。しかしながら、前述の例と異なり、市場参加者は、3つの別個の代替不可能な金融商品についてネットポジションを持つことになる。
・ロング20先物 5年満期、スポット・スターティング・エリス金利スワップ先物 3.445%クーポン
・ロング30先物 5年満期、スポット・スターティング・エリス金利スワップ先物 3.446%クーポン
・ロング10先物 5年満期、スポット・スターティング・エリス金利スワップ先物3.448%クーポン
さらに、実勢レートである3.442%でビットをヒットすることによって市場参加者が60先物を売る4番目の取引について考える。
・取引#4:60先物 固定レート3.442%
4番目の取引によって市場参加者がフラット(すなわち、市場においてネットポジションを持たない)となる前述の例とは異なり、この場合、4番目の取引は追加の未決済ポジションをもたらす。
・ロング20先物 5年満期、スポット・スターティング・エリス金利スワップ先物 3.445%クーポン
・ロング30先物 5年満期、スポット・スターティング・エリス金利スワップ先物 3.446%クーポン
・ロング10先物 5年満期、スポット・スターティング・エリス金利スワップ先物 3.448%クーポン
・ショート60先物 5年満期、スポット・スターティング・エリス金利スワップ先物 3.442%クーポン
この例において市場参加者がポジションをフラットとして全ての未決済ポジションから脱するために、各4つの先物について相殺取引となるようなオーダを置く必要がある。
伝統的な先物のユーザは、しばしば、当該ユーザが複数の取引の出来高加重平均を用いることを可能とする特徴を備えた、いわゆる平均価格システム(APS)の利点を享受する。APSを用いる幾つかの利点には、ブローカファームが複数の顧客に代わって単一のオーダで実行し、結果として得られる取引の出来高加重平均価格で各顧客に取引を配分し、全ての顧客が他の顧客に比べて公正な取り扱いを受けることを保証することが含まれる。
例えば、上述の一番目の例において、市場参加者がブローカであり、それぞれ「ロング10先物」を求める6人の個別の顧客の代わりにロングを取る便利な手法として、60先物を買うための単一のマーケットオーダを実行するものと仮定する。取引及び規制的制限によって、ブローカは、同一のオーダを満たす価格特性に関して全ての顧客を同じに取り扱うことが要求されるが、一番目の例の取引1〜3の場合は、同じ顧客において異なる価格の取引を割り振ることが求められる。この問題に対する1つの解法は、ブローカが、CMEクリアリングを含む幾つかの取引及びクリアリング・ヴェニューによって提供されるAPS機能を利用することである。1番目の例において、取引#1、#2、#3の出来高加重平均価格は、60先物 価格1213であり、これによって、ブローカは顧客に対して同一の価格で取引を割り振ることができる。
しかしながら、2番目の例では、ブローカはAPS機能を利用することができない。なぜなら、単一のオーダの提出は、単一の先物における複数の取引をもたらすのではなく、別個の先物における個別の取引をもたらすからである。現在、清算機関はある個別の先物における平均価格に対してのみAPS機能を提供し、複数の商品をまたいで価格を平均することを認めていない。複数のポジションをまたいでAPS機能を用いることができないということは、マルチプル・ポジション問題に課題を有するいかなる製品においても重大な欠点である。
スワップは伝統的にクリアリングされてこなかったが、最近は、スワップをセントラルクリアリングに移行させる圧力があり、このような圧力には、2010年7月21日にオバマ大統領によって署名されたドッド・フランク・ウォールストリート・リフォーム及び消費者保護法("ドッド・フランク法")(Pub.L. 111-203,H.R.4173)に基づく指令がある。クリアリングされない金融商品のより大きい透明性の政治的圧力の結果、2008年から2009年にかけての金融危機によって、ドッド・フランク法は法制化された。2008年から2009年の間、クリアリングされない金融商品についての多くの参加者が義務を果たせないカウンターパーティと向き合うことになった。
上述のように、現存するスワップデリバティブ商品は、構造面で利点及び欠点を備えている。政府による新しい規制環境下において、伝統的なパー・スワップ、オフマーケット・スワップ、先物の取引における本来的なトレードオフを克服することは、重大な挑戦であることが判る。一見したところでは、これらの問題に対する解法は、標準化クーポンにおけるフォワード・スターティング・スワップの先物商品を作ることによって全て対処できるように思える。フォワード・スターティングで標準化クーポンを備えた先物を上場することによって、粒状化(グラニュラリゼーション)問題の効果が緩和される。そして、先物はアップフロント・ペイメントを課すことを必要とせず、したがって、アップフロント・ペイメント問題を回避することができる。
シカゴ商品取引所の10年物金利スワップ先物は、標準化されたクーポンに基づくフォワード・スターティング・スワップの経済性を伴う先物商品を上場することを試みている。 http://www.CMEgroup.com/trading/interest-rates/files/IR145_SwapFC_lo-res_web.pdf(2011年5月17アクセス)を参照のこと。しかしながら、数年間やってみたところ、10年物金利スワップ先物取引の日々の出来高レベルは、金利スワップ市場の出来高に対して低く、このことは、金利スワップの真の代替としてこれらを採用することに市場が失敗したことを示唆する。2011年5月17日での未決済建玉はCMEグループによって報告されており、想定価値10億6千9百万ドルと同等な11,694契約であり
(http://www.CMEgroup.com/daily_bulletin/preliminary_voiA^
OIREPORT.pdf, 2011年5月17日アクセス)、これに対して、2011年3月ISDAが見積もった金利デリバティブの未決済建玉の想定価値は364兆ドルであり
(http://online.wsj.com/article/BT-CO-20110329-709826.html2011年5月17日アクセス)、0.0003%.である。
先物市場の発展は、商品設計、ディストリビューション、テクノロジー、流動性、マクロ経済要因を含む多くの要因の組み合わせを必要とするため、先物商品の可能性のある成功の評価や成功の欠如の説明は簡単ではない。商業的成功の欠如に寄与するであろうCBOTスワップ先物の設計に関連する問題は、商品はトレーダーに対して単一のクーポンレートでの取引のみを許容し、粒状化(グラニュラリゼーション)問題を最小化するために厳格な標準化を課してしまうことを含む。商品の開始から2009年12月までに満了する契約についてのレートは6.0%であり、それ以降は取引所において4.0%に設定されている。さらに、CBOTスワップ先物は、スワップ市場においてより一般的なパー・クーポンやNPVプロトコルではなく、CBOTウェブサイトによって、 "価格で取引され、ポイントでクオートされる("traded in price and quoted in points")。
http://www.CMEgroup.com/trading/interest-rates/files/IR145
_SwapFC_lo-res_web.pdf (2011年5月17アクセス)。
商業的成功の欠如に寄与するであろうCBOTスワップ先物の設計に関連するもう一つの問題は、商品がスワップの全体の満期に亘るスワップの経済性をまねることを追求していないということである。商品は、スワップのフォワード期間の終結時に消滅し現金決済される。例えば、2011年9月CBOT10年物金利スワップ先物は2011年9月19日に満了するが、その時点でポジションは中央清算機関により決済され、未決済建玉が無くなる。比較するOTC金利スワップは、フォワード期間が2011年9月に終了することは含むが、スワップ自体は2021年9月まで満期にならない。さらに、CBOTスワップ先物は、LIBORあるいはオーバーナイトインデックススワップ(OIS)レートでキャッシュフローを割り引くスワップ慣習に固着せず、単純な現在価値分析を用いている。
厳格な標準化、OTC取引プロトコルからの逸脱、フォワード期間後の満了は、CBOT金利スワップ先物がOTC金利スワップの構築から逸脱する最も顕著な特徴である。
2011年5月より、エリス・エクスチェンジのエリス金利スワップ先物は、パー・スワップを提供しており、この商品は、フォワード・スターティング・スワップモデルに容易に適用可能である。この先物商品の構築は、スワップの出来高を先物商品へ移行する従前の試みの商品設計を妨げる幾つかの問題を軽減する。しかしながら、エリス金利スワップ先物は、粒状化(グラニュラリゼーション)問題を軽減することはなく、また、マルチプル・ポジション問題を持ち出すことなくパー・スワップ選好問題を克服するものではない。
本発明の原理に基づいて、レートが取り決められた、標準化されたクーポン金融商品(a rate -negotiated, standardized-coupon financial instrument)及び取引方法は、複数の標準化クーポンを提供することにより粒状化(グラニュラリゼーション)問題を緩和すると共に、マルチプル・ポジション問題を生じることなくパー・スワップ選好問題を解決するというフォワード・スターティング様式におけるエリス金利スワップ先物の幾つかの利点を統合するものである。
本発明の原理に基づいて、レートが取り決められた、標準化クーポン金融商品は、2当事者間で取り決めされたクーポンを含んでいる。少なくとも1つのフォワードカーブとディスカウントカーブが、取り決めされたクーポンと一致するように包含(implied)ないし近似される。別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値(consistent value)が決定される。
コンシステント価値は、2つの金利支払いレグの現在価値の差として記載される金利スワップの純現在価値(NPV)を含むことができる。バニラ金利スワップの場合、2つのレグは固定クーポン支払いと変動クーポン支払いに対応する。ベーシス・スワップの場合、一方のレグは、基準レート+固定クーポンを備えた変動クーポン支払いであり、他方のレグは、別個の基準レートを備えた変動クーポン支払いである。
本発明に係るレート取り決めされた標準化クーポン金融商品は、レートを条件として(in rate terms)で取り決めされた金融商品を、調整された価格で、別個のクーポンレートを備えた商品における等価ポジションに置き換えることを提供する。
図1は、金利スワップ(レシーバ)の純現在価値(NPV)を決定する実施例のフローチャートを示す。 図2は、本金利スワップ(レシーバ)の純現在価値(NPV)を決定する実施例のフローチャートを示す。 図3は、金利スワップ(レシーバ)の純現在価値(NPV)を決定する実施例のフローチャートを示す。 図4は、本発明に係るレート取り決めされた標準化クーポン金融商品の電子取引を実行するシステムを実行するために用い得るハードウェアインフラストラクチャの非限定実施形態を示す。
本発明の実施形態をエリス・エクスチェンジ イリノイ州 60616、シカゴ、スイート 950、311 サウス ワッカー ドライブにおける取引について例示し説明するが、本発明はそのように限定されるものではなく、米国内にあるか外国にあるか、プライベートネゴシエーションを通した取引であるか、米国ドル以外の通貨での取引であるか、先物、クリアリングされるスワップ、他のタイプの金融商品であるか、にかかわらず、いかなる他の取引所や取引プラットフォームにおいても取引される。本明細書において、取引所及び取引プラットフォームという用語は、株、コモディティ、デリバティブ、他の金融商品が取り引きされる市場(marketplace)を広く意味するものであり、必ずしも限定されるものではないが、指定契約市場、免除取引所、指定清算機関、株式取引所、スワップ実行機関、電子通信ネットワーク、等を含む。
上述のように、2011年5月より、エリス・エクスチェンジのエリス金利スワップ先物が、パー・スワップとして提供されており、この商品は、フォワード・スターティング・スワップモデルに容易に適用可能である。この先物商品の構築は、スワップの出来高を先物商品へ移行する従前の試みの商品設計を妨げる幾つかの問題を軽減する。レートによって取引されるフォワード・スターティング・パー・スワップについてエリス金利スワップ先物のヴァージョンを上場する可能性について考える。この商品は、フォワード・スターティング特性を通して粒状化(グラニュラリゼーション)問題を低減するであろう。二者間の支払いを必要としない方法によりCMEクリアリングによってクリアリングされる先物として、この商品はアップフロント・ペイメント問題を低減する。この商品はレートによって取引されるので、トレーダーは、多くの価格ツールによってサポートされている馴染みのある価格環境で業務を行うことができる。この商品は、フォワード期間の終わりではなく、スワップ・テナー(tenor)の終わりに満期となるので、OTC金利スワップとよく似ているものである。一方、パー・クーポンを取り決めることに関連する粒状化(グラニュラリゼーション)問題及びマルチプル・ポジション問題は低減されず、より少ない数の先物における流動性の集中ではなく、複数のクーポンに亘る未決済建玉の拡散をもたらすであろう。
次に、複数の標準化クーポンを備え、NPVで取引されるフォワード・スターティング・オフマーケット・スワップについてエリス金利スワップ先物のヴァージョンの上場の他の可能性について考える。この商品は、そのフォワード・スターティング特性及び標準クーポンセットへの流動性の出資によって、前記選択に比べてより完全に粒状化(グラニュラリゼーション)問題を低減するであろう。先物として、この商品はアップフロント・ペイメント問題を低減する。OTC慣習に従い、また、マルチプル・ポジション問題を低減する点において、NPVによる先物の取引は魅力的であるが、この商品は、レートで取引されないため、パー・スワップ選好問題の影響を受ける。
よって、複数の標準化クーポンを提供することによって粒状化(グラニュラリゼーション)問題の低減し、及び、マルチプル・ポジション問題をもたらすことなくパー・スワップ選好問題を解決するフォワード・スターティング・ファッションでのエリス金利スワップ先物の幾つかの利点を合わせた商品が望まれる。
本発明は、レートを条件として(in rate terms)取り決められた金融商品が、調整された価格で、別個のクーポンレートを備えた金融商品における等価のポジションに置き換えられるようなメカニズムを提供する。本明細書において、等価という用語は、量、価値、測定量、フォース、効果、重大性等においてニアリーイコールであることを意味し、調整された価格の別個のクーポンレートを備え、殆ど等価であるが経済的に満足できるポジションを備えた金融商品を包含する。本発明の原理にしたがって、レートが取り決めされた、標準化されたクーポン金融商品及び取引方法が提供される。最初に図1を参照すると、バニラ金利スワップの純現在価値(NPV)を決定するための一般的な例のフローチャートが示してある。提示されたレート及び、例えば、預金金利、スワップレート、スプレッド等のカーブ入力データが、カーブ構築器に入力される。バニラ金利スワップ(レシーバ)の純現在価値(NPV)は、固定クーポン支払いと変動クーポン支払いの現在価値の差として記載することができる。固定クーポンCを備えたスワップの価格は
Figure 2014515507
であり、ここで、
L(t,Tl,i)は、Tl,iでの変動支払いに関連する、tでのフォワードレート、
DF(t,s)は、tからs、t≦s、のディスカウント・ファクター、
τc,i、τl,iは、それぞれ、固定支払い、変動支払いの利付期間のイヤー・フラクションである。
ディスカウント・レート及びフォワードレートは、同じイールドカーブから導出してもよく、そうでなくてもよい。例えば、2007年前にバニラ金利スワップをモデリングする時には、市場慣習では、これらの両方のレートを導出するのにLIBORカーブを用いていた。一方、金融危機後には、ディスカウント・レートを導出するのにOISカーブを用い、フォワードレートを計算するのにLIBORカーブを用いることにコンセンサスが益々移行している。数々の仮説やカーブ構築手法は、本発明の適用に影響を与えるものではない。
本発明の原理にしたがって、2当事者間でクーポンが取り決められるが、フォワードカーブ及びディスカウントカーブが取り決められたクーポンと一致するように包含(implied)ないし近似される。そして、例えば上記NPV式1のような純現在価値が用いられる、すなわち、別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント(consistent)価値を生成するように近似される。
合計
Figure 2014515507
をA(t)で表すと、A(t)は、スワップのアニュイティと呼ばれ、また、ベーシスポイント(PV01)の現在価値として知られており、ディスカウント(ファンディング)カーブによって決定される。同じ特徴、−変動レグ・インデックス(floating leg index)、スタート日、支払いスケジュール、日数計算、休日慣習−、を有する2つのスワップについて、NPVにおける差は、
Figure 2014515507
である。
この着目に基づいて、レートが取り決めされた、標準化されたクーポン金融商品及び取引方法の他の実施例が提供される。図2を参照すると、金利スワップの純現在価値(NPV)を決定するための第2の例のフローチャートが示してある。取引は、パースワップレートで取り決められ、提示される。cが提示されたレートで、NPV(c2,t)=0、を含蓄するものとする。そして、所与のクーポンcを備えたスワップには、
Figure 2014515507
と同じになるようなNPVが割り当てられる。アニュイティを計算するために、カーブ構築のためデポジットレート、スワップレート、スプレッド等のような入力データが必要となるが、このカーブ構築において、提示されたパースワップレートは用いられても、用いられなくてもよい。
本発明の他の実施例では、所与のクーポンのNPVは、パースワップレートの変化に関するそのセンシティビティー(sensitivity)と共に、事前に計算される。センシティビティーはしばしば"DV01"として言及される。cが固定クーポンで、時点t0において同じ特徴を備えたスワップがcのパー・クーポンを有するとする。NPV(c1,t0)を計算するために実勢のフォワードカーブ及びディスカウントカーブが用いられ、
Figure 2014515507
となる。時点tでパー・クーポンを用いて取引が取り決められた時に、所与のクーポンcを備えたスワップには、価値
Figure 2014515507
が割り当てられる。
図3を参照すると、本発明の原理にしたがうベーシス・スワップの純現在価値(NPV)を決定するための一般的の例のフローチャートが示してある。ベーシス・スワップのNPVは、2つの変動クーポン支払いの現在価値の差として書くことができる。固定クーポンを備えたスワップの価格は、
Figure 2014515507
であり、ここで、
L1(t, T1,i)、L2(t, T2,i)は、それぞれ、T1,i、T2,iにおける変動支払いに関連する、tにおいて2つのフォワードカーブによって決定されたレートであり、
DF(t,s)は、tからs、t≦s、のディスカウント・ファクターであり、
τ1,i、τ2,iは、それぞれ、2つの変動支払いの利付期間の イヤー・フラクションである。
べーシス・スワップにおけるクーポンはしばしば2つのフォワードカーブの差を示す。バニラ・スワップと同様に、2当事者間でクーポンが取り決められるが、フォワードカーブ及びディスカウントカーブが取り決められたクーポンと一致するように包含ないし近似される。そして、例えば上記NPV式4のNPVのような純現在価値が用いられる、すなわち、別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を生成するように近似される。
バニラ・スワップに適用される取り決めたクーポンから固定クーポンスワップ価格を決定する同じ手法がベーシス・スワップにも適用可能である。例えば、合計
Figure 2014515507
はA(t)によって表され、同じ特徴、−変動レグ・インデックス(floating leg index)、スタート日、支払いスケジュール、日数計算、休日慣習−、を有する2つのスワップについて、NPVにおける差は、
Figure 2014515507
である。
を提示されたパー・クーポンとすると、これは、NPV(c2,t)=0、を包含する。次に、所与のクーポンcを備えたベーシス・スワップに、(c1-c2)A(t)と同じであるNPVを割り当てる。アニュイティを計算するために、カーブ構築のためデポジットレート、スワップレート、スプレッド等のような入力データが必要となるが、このカーブ構築において、提示されたパースワップレートは用いられても、用いられなくてもよい。
固定クーポンの導出されたNPVはクリアリングされるスワップの価格として直接用いてもよい。本発明に従う他の実施例では、価格を得るためにNPVに定数を足したり、あるいは定数を引いたりしてもよい。一般に、クリアリングされるスワップの損益は価格変動のみによるものなので、よって、定数による価格プロセスの修正はスワップの性質に影響を与えない。
以下に、取り決めたクーポンを、固定クーポンを備えたスワップの価格へと変換する非限定的実施例を示す。特にことわらない限り、固定クーポンのNPVが価格として用いられ、全てのNPVは、レシーバの観点から計算される。
[実施例1]
この実施例は、スポット・スターティング・スワップの取り決めたパー・クーポンが、式1を直接用いることで固定クーポンスワップの価格に変換できることを示す。
想定元本$1,000,000のスポット・スターティング10年LIBOR金利スワップについて考える。固定クーポンは3.5%に設定され、取引は、パー・クーポンを用いて取り決めされる。ディスカウントカーブがOISカーブで、フォワードカーブがLIBORカーブであると仮定する。LIBORスワップレート、ユーロドルレート、スワップスプレッドのセットがOISカーブ及びLIBORカーブを構築するのに用いられる。取引が完了し、パー・クーポンについて合意されると、このクーポンがイールドカーブ構築への入力として受け渡され、それによってフォワードレート及びディスカウント・ファクターが更新される。そして、式1が3.5%スワップの価格を計算することに用いられる。表1は、提示されたクーポン及び対応する価格の例である。
Figure 2014515507
[実施例2]
この実施例は、スポット・スターティング・スワップの取り決めたパー・クーポンが、式2を用いることで固定クーポンスワップの価格に変換できることを示す。これは、実施例1と同じ結果が生じる。
実施例1と同様に、想定元本$1,000,000のスポット・スターティング10年LIBOR金利スワップについて考える。スワップレートにおける変更は、本実施例におけるカーブ構築手法による割引(OIS)カーブに影響を与えるので、式2におけるアニュイティは、パー・クーポンが取引で提示された時に更新される必要がある。表2は、提示されたパー・クーポンの様々なレベルでの3.5% クーポンスワップの価格及びアニュイティを示す。
Figure 2014515507
例えば、提示されたパー・クーポン=3.44%である3番目のコラムについて説明すると、3.5%クーポンの価格は、100*(3.5-3.44)*882.97=5298である。
[実施例3]
この実施例は、アニュイティが事前計算された時に良い近似が得られることを示す。実施例2の同じ設定が用いられる。
ほとんどのカーブ構築手法において、パー・クーポンに関するアニュイティのセンシティビティーは、存在していたとしても小さい。よって、実務上は、アニュイティは事前計算されて定期的に公表される。パー・クーポンが取引において取り決められた場合に、パー・クーポンは直接式2に入力され、更新せずに価格を計算する。
実施例2と同じスワップ例について考える。市場で実勢10年物スワップレートが3.44%の時に、最新の更新されたアニュイティが882.97であると仮定する。表3は、提示されたパー・クーポンから固定アニュイティを用いて3.5%クーポンスワップの価格へ変換することを示す。
Figure 2014515507
例えば、提示されたパー・クーポン=3.4%である1番目のコラムについて説明すると、3.5%クーポンの価格は、100*(3.5-3.40)*882.97=8830である。
[実施例4]
この実施例は、スポット・スターティング・スワップの取り決めたパー・クーポンが、より小さい近似誤差を備えたDV01手法である、式3を用いることで固定クーポンスワップの価格に変換できることを示す。
前の実施例と同じスワップについて考える。実勢10年物スワップレートが3.44%の時の3.50%クーポンスワップのNPV及びDV01を計算することを仮定する。
NPV(3.5%,ty)= 5298、DV01(3.5%,ty)=-883.36とすると、表4は式3を用いた変換結果を示す。
Figure 2014515507
例えば、提示されたパー・クーポン=3.4%である1番目のコラムについて説明すると、3.5%クーポンの価格は、5298-100*(3.4-3.44)*883.36=8831である。
前述の全ての実施例は、フォワード・スターティング・スワップに適用可能である。
[実施例5]
この実施例は、式2が、フォワード・スターティング・スワップの取り決めたパー・クーポンが同じスターティングデート及び満期日を有する固定クーポンフォワードスワップのコンシステント価格へ変換することに用いられ得ることを示す。
想定元本$1,000,000の3ヶ月フォワード・スターティング10年物金利スワップについて考える。3ヶ月フォワード10年物スワップの実勢パー・クーポンが3.5653%の時、このフォワード・スワップのアニュイティが875.63と等しいと仮定する。表5は、変換結果を示す。
Figure 2014515507
[実施例6]
この実施例は、式2が、スポット・スターティング・ベーシススワップの取り決めたパー・スプレッドを同じ条件の固定スプレッド・ベーシス・スワップのコンシステント価格へ変換することに用いられることを示す。
想定元本$1,000,000のスポット・スターティング10年物3/6 LIBORベーシス・スワップについて考える。固定スプレッドは0.05%、すなわち、5ベーシスポイント(bp)に設定され、取引はパー・スプレッドを用いて取り決めされる。ディスカウントカーブがOISカーブであり、一方のフォワードカーブが3ヶ月テナー(利払発生期間)のLIBORから構築され、他方のフォワードカーブが6ヶ月テナーのLIBORから構築される。LIBORスワップレート、ユーロドルレート、スワップスプレッドのセットがこれらのカーブを構築するのに用いられる。取引時にアニュイティが事前に計算され879.35であると仮定すると、取り決めたパー・スプレッドが式2に入力され、5bpスプレッドのベーシス・スワップの価格が計算される。次の表は、様々な提示されたパー・スプレッドに対応する価格を示す。
Figure 2014515507
ここで、上述は取り決めたクーポンを、固定クーポンを伴うスワップの価格へと変換する非限定的な実施例である。
本発明の実施例を複数の標準化されたクーポンを備えたスポット・スターティング・スワップデリバティブと結合することによって、パー・スワップ選好問題を解決するためにレートを条件として商品を取り決める能力を犠牲にすることなく、クーポン標準化を通して粒状化(グラニュラリゼーション)問題の影響を低減する商品の生成を可能とする。本発明に係る複数の手法の1つを用いることによる、クーポンが取り決められた価値から別個の価格の新しいポジションへの変換は、取引が行われた時や取引日のような期間の終了時に行うことができる。この変換は、取引プロセスの幾つかの要素や行為者、具体的には、執行ベニュー(例えば、先物取引所やスワップ執行機関)、中央清算機関(例えば、指定クリアリング機関)、より少ない場合であるがクリアリングファームや市場参加者、のいずれかによって実行され得る。
本発明の原理にしたがって、最終決済価値を毎日公表するために、清算機関、取引所、先物取引業者、他の市場参加者は、この目的のために特に設計されたソフトウェアを備えたコンピュータを用いることができる。本発明に係る最終価値の計算は、反復かつ複雑であり、この目的には特別なソフトウェアが必要となる。このソフトウェアは、データライン、ネットワーク、あるいはインターネットを通して中央市場に接続されており、価格がシームレスに公表される。清算機関は、ある所与の瞬間にデータベースで存在している各金融商品の日々の価格を格納し、市場に電子的に公表してもよい。
図4を参照して、本発明のシステムを実行するのに用いることができるハイレベルハードウェア手段の非限定実施例を説明する。インフラストラクチャーは、限定されないものの、ワイドエリアネットワーク接続、ローカルエリアネットワーク接続、適切なネットワークスイッチ及びルータ、電源(バックアップ電源)、ストレージエリアネットワークハードウェア、サーバクラスコンピューティングハードウェア、例えば、レッドハットリナックスエンタープライズASオペレーティングシステム(レッドハット、インク、1801ヴァーシティドライブ、ラレイ、ノースキャロライナ、から入手可能)のようなオペレーティングシステム、を備えている。
清算・決済及び管理アプリケーションソフトウェアサーバは、例えば、3.33 GHzのプロセッサベース周波数、192GBまでのRAM、2 PCIE拡張スロット、1GBないし10GBのネットワークコントローラ、ホットプラグSFF SATAドライブ、余剰電源を備えたマルチプルインテルXeon5600シリーズプロセッサを備えたHP ProLiant DL 360 G6サーバ(ヒューレッドパッカード、インク、3000ハノーバストリート、パロアルト、カリフォルニア、から入手可能)上で実行される。データベースサーバは、例えば、3.33GHzのプロセッサベース周波数、192GBまでのRAM、6 PCIE拡張スロット、16SFFSATAドライブベイ、インテグレートP410i インテグレートストレージコントローラ、余剰電源を備えたマルチプルインテルXeon5600シリーズプロセッサを備えたHP ProLiant DL 360 G6サーバ(ヒューレッドパッカードから入手可能)上で実行される。
本発明について具体的な実施形態に基づいて説明したが、他の代替、修正、変更は当業者にとって明白である。したがって、そのような代替、修正、変更の全てが添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に含むことを意図する。

Claims (24)

  1. レートが取り決めされた、標準化されたクーポン金融商品の生成方法であって、
    2当事者間でクーポンを取り決め、
    少なくとも1つのプロセッサにおいて、少なくとも1つのフォワードカーブ及びディスカウントカーブを、取り決められたクーポンと一致するように電子的に包含ないし近似させ、
    少なくとも1つのプロセッサにおいて、別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定し、
    それによって、レートを条件として取り決められた金融商品が、調整された価格で、別個のクーポンレートを備えた金融商品における等価のポジションに置き換えられる、
    方法。
  2. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定することは、金利スワップの純現在価値(NPV)を2つの金利支払いレグの現在価値の差として記述することで決定するものである、請求項1に記載の方法。
  3. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定することは、金利スワップの純現在価値(NPV)を、固定クーポン支払いの現在価値と変動クーポン支払いの現在価値の差として記述することで決定するものである、請求項2に記載の方法。
  4. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定することは、金利スワップの純現在価値(NPV)を、基準レートと固定クーポンを備えた変動クーポン支払いの現在価値と別個の基準レートを備えた変動クーポン支払いの現在価値の差として記述することで決定するものである、請求項2に記載の方法。
  5. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定することは、以下の式を用いるものである、請求項2に記載の方法。
    Figure 2014515507
    ここで、cは固定クーポンであり、
    L(t,Tl,i)は、Tl,iでの変動支払いに関連する、tでのフォワードレート、
    DF(t,s)は、tからs、t≦s、のディスカウント・ファクター、
    τc,i、τl,iは、それぞれ、固定支払い、変動支払いの利付期間のイヤー・フラクション、である。
  6. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定することは、以下の式を用いるものである、請求項2に記載の方法。
    Figure 2014515507
    ここで、
    は固定クーポンであり、
    は提示されたパー・スワップであり、NPV(c,t)=0を包含し、
    Figure 2014515507
    である。
  7. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定することは、以下の式を用いるものである、請求項2に記載の方法。
    Figure 2014515507
    ここで、
    は固定クーポン、
    cは提示されたパー・クーポン、である。
  8. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定することは、以下の式を用いるものである、請求項2に記載の方法。
    Figure 2014515507
    ここで、
    cは固定クーポン、
    L1(t, T1,i)、L2(t, T2,i)は、それぞれ、T1,i、T2,iにおける変動支払いに関連する、tにおいて2つのフォワードカーブによって決定されたレート、
    DF(t,s)は、tからs、t≦s、のディスカウント・ファクター、
    τ1,i、τ2,iは、それぞれ、2つの変動支払いの利付期間の イヤー・フラクション、である。
  9. 少なくとも1つのフォワードカーブ及びディスカウントカーブを電子的に包含ないし近似させることは、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)カーブを用いるものである、請求項1に記載の方法。
  10. 少なくとも1つのフォワードカーブを電子的に包含ないし近似させることは、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)カーブを用いるものであり、ディスカウントカーブを電子的に包含ないし近似させることは、オーバーナイトインデックススワップ(OIS)カーブを用いるものである、請求項1に記載の方法。
  11. NPVに定数を足し、あるいは、引くことで前記価格を得る、請求項1に記載の方法。
  12. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定することは、スポット・スターティング・スワップのコンシステント価値を電子的に決定するものである請求項1に記載の方法。
  13. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を電子的に決定することは、フォワード・スターティング・スワップのコンシステント価値を電子的に決定するものである請求項1に記載の方法。
  14. 清算型のレートが取り決めされた、標準化されたクーポンスワップを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
  15. レートが取り決めされた、標準化されたクーポン先物を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 1つのプロセッサ、複数のプロセッサ、これらの組み合わせからなる群から少なくとも一つのマイクロプロセッサを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
  17. レートが取り決めされた、標準化されたクーポン金融商品であって、当該商品は以下の方法によって得られる。
    2当事者間でクーポンを取り決め、
    少なくとも1つのフォワードカーブ及びディスカウントカーブを、取り決められたクーポンと一致するように包含ないし近似し、
    別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を決定し、
    それによって、レートを条件として取り決められた金融商品が、調整された価格で、別個のクーポンレートを備えた商品における等価のポジションに置き換えられる、
    金融商品。
  18. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値の決定は、金利スワップの純現在価値(NPV)を金利支払いレグの現在価値の差として記述することを用いるものである、請求項17に記載の方法により得られた金融商品。
  19. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値の決定は、金利スワップの純現在価値(NPV)を、固定クーポン支払いの現在価値と変動クーポン支払いの現在価値の差として記述することで決定するものである、請求項18に記載の方法により得られた金融商品。
  20. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値の決定は、金利スワップの純現在価値(NPV)を、基準レートと固定クーポンを備えた変動クーポン支払いの現在価値と別個の基準レートを備えた変動クーポン支払いの現在価値の差として記述することで決定するものである、請求項18に記載の方法により得られた金融商品。
  21. レートが取り決められた、標準化されたクーポン金融商品を電子的に清算し決済する一連のステップを実行するようにプログラムされた汎用デジタルコンピュータであって、前記一連のステップは、
    2当事者間でクーポンを取り決め、
    少なくとも1つのフォワードカーブ及びディスカウントカーブを、取り決められたクーポンと一致するように包含ないし近似し、
    別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を決定し、
    それによって、レートを条件として取り決められた金融商品が、調整された価格で、別個のクーポンレートを備えた商品における等価のポジションに置き換えられる、
    汎用デジタルコンピュータ。
  22. 別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値の決定は、金利スワップの純現在価値(NPV)を金利支払いレグの現在価値の差として記述することを用いるものである、請求項23に記載の汎用デジタルコンピュータ。
  23. コンピュータ可読プログラムコードが具現化されたコンピュータで使用可能な媒体を備えたコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラムコードはノンバイアス金融商品を清算し決済する方法を実行するように適合されており、前記方法は、
    2当事者間でクーポンを取り決め、
    少なくとも1つのフォワードカーブ及びディスカウントカーブを、取り決められたクーポンと一致するように包含ないし近似し、
    別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を決定し、
    それによって、レートを条件として取り決められた金融商品が、調整された価格で、別個のクーポンレートを備えた商品における等価のポジションに置き換えられる、
    コンピュータプログラム製品。
  24. 2当事者間でクーポンを取り決め、
    少なくとも1つのフォワードカーブ及びディスカウントカーブを、取り決められたクーポンと一致するように包含ないし近似する手段、
    別個のクーポンを備えたスワップのコンシステント価値を決定する手段、
    を備え、
    それによって、レートを条件として取り決められた金融商品が、調整された価格で、別個のクーポンレートを備えた商品における等価のポジションに置き換えられる、
    ノンバイアス金融商品。
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