第1の態様において、本発明は、細胞を培養し且つ1つ以上の細胞により及ぼされた機械的力を検出する細胞培養装置であって、底板と、この底板と共に細胞培養チャンバの容積を囲む側壁を有する本体とを有する、細胞培養チャンバを備え、側壁を有する本体が一体型として製造され、細胞培養チャンバが、細胞培養チャンバの底板と反対の側に開放しており、細胞培養チャンバが、細胞培養チャンバ内の底板上に配置された力センサアレイをさらに備え、力センサアレイが、1つ以上の細胞への接着部位を与えるように構成された可撓性マイクロカラムのアレイを有し、各マイクロカラムが、1つ以上の細胞により及ぼされた機械的力に応じて元の位置から撓み位置まで撓むように構成されている、細胞培養装置を提供する。
本発明による装置は、最初に細胞培養をし、次いで、細胞又は細胞を含む容器を別の装置に移す必要なく、1つの同じ装置中で、細胞により及ぼされた機械的力を検出できるように構成されている。
機械的力の検出は、定性的性質のみを有していてもよいし、細胞により及ぼされた機械的力の測定、特に、定量的測定を含むものであってもよい。好適な実施形態において、機械的力の検出は、機械的力を測定することを伴う。
力センサアレイは、細胞培養装置の一部として設けられる。特に、力センサアレイは、細胞培養装置に固く接続されている。力センサアレイは、底板に直接接続してもよいし、1つ以上の中間層又は構造を介して底板に接続してもよい。細胞培養装置は、力センサアレイの上及び隣の細胞培養チャンバ内部で細胞が成長できるように構成されている。本発明の装置は、当該分野の専門家に対してだけでなく、その操作が簡単である点において有利である。また、細胞培養において標準的なツール以外の如何なる追加ツールも必要でない。別のフローチャンバ、測定チャンバ等へ細胞を移す及び/又は入れる必要がないので、細胞が損傷を受けることがなく、望ましくない細胞死から人工産物が生じる可能性が排除される。
本発明の例示的実施形態において、底板の少なくとも一部に、透明な板が設けられるか、さもなければ、底板の少なくとも一部は透明である。さらなる実施形態において、底板は透明な板である。また好ましくは、力センサアレイは透明で、底板の透明な部分の上に配置されて、底板の上の力センサアレイアセンブリを透明にする。それにより、細胞培養装置のいずれかの側からも細胞の光学検査と機械的力の検出が可能になる。
底板は硬い、すなわち実質的に不撓性の材料で作られているのが最も好ましい。例示的な実施形態において、透明な板はガラス板である。このガラス板は、例えば、簡単な顕微鏡のスライドつまりカバースライドであってもよい。
本体は、底板を保持する保持構造を備えてもよい。1つの例示的実施形態によれば、保持構造は、好ましくは側壁で囲まれた領域の少なくとも外側で、平板等の側壁を囲む平らな部分を単に備える又は単にそのような平らな部分からなるものであってよい。換言すれば、平らな部分は、側壁で囲まれた領域の内部に開口を有する平板によってもたらされるものであってよい。その後、底板が少なくとも開口の領域に配置されるのが好ましいであろう。この平らな部分(平板)は、底板の表面と並行に走る平面を与えることができ、それに底板が固定されてもよい。あるいは、保持構造は、底板を全側面で囲む、好ましくは底板を全側面でタイトに囲むように適合された大きさの開口又は少なくとも凹部を有する平らな部分を備えてもよい。この開口又は凹部は、そのようなタイトな嵌合を底板にもたらすように設計されてよく、底板を開口又は凹部に挿入して単に摩擦でその中に保持することができる。あるいは、凹部は、同様に、底板の表面に並行に走る平らな部分の平面を備えてもよく、それに底板が固定されてもよい。これらの実施形態において、凹部と底板を備えた平面全長に及ぶ平面が実質的に平坦となるように、凹部は、凹部からの平面に対し測定したとき、凹部に挿入された底板の厚さと一致する深さを有するのが好ましい。
底板は、クランプ留め又はその他の機械的手段、特に、底板を再度離すことができる手段等による様々な方法で本体に固定されてもよい。しかし、底板は本体に永続的に固定されるのが好ましい。これは、例えば、接着、溶接、又はボンディングによって行うことができる。溶接には、例えば、超音波溶接を伴うものであってよい。
その他の例示的実施形態において、底板は、本体の一体的部分、つまり本体と一体型に形成される。上記の実施形態において、底板を本体に固定する追加ステップが不要となるので、製造時間と製造費用を節約できる。
好適な実施形態において、本体は高分子材料、好ましくは透明な高分子材料で作られている。さらなる好適な実施形態において、本体は射出成型によって製造される。本体製造用に特に高分子材料を射出成型と組み合わせて用いることで、コスト効率の高い大量生産が可能になる。
その結果として、本発明による装置は、使い捨て装置であるのが好ましい。使い捨て装置は、一回の使用後に廃棄してもよい。このような完全に使い捨てのシステムにより、前の実験からの相互感染の危険性が無く、無菌の細胞培養が可能になる。
本体及び/又は底板は、例えば、炭素系ポリマーで作られていてもよい。一例として、本体及び/又は底板は、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、アセチルセルロース系ポリマー等で作られていてもよい。あるいは、本体及び/又は底板は、シリコーン系ポリマー、例えば、ポリ(オルガノ)シロキサンで作られていてもよい。
底板は、カバースライドの厚さを有してもよい。底板は、0.05〜0.5mmの間の範囲の厚さ、例えば、0.07〜0.25mmの厚さを好適に有する。
側壁は、1〜50mm、好ましくは2〜30mm、より好ましくは5〜20mmの間の高さ、及び/又は0.1〜5mm、好ましくは0.2〜3mm,及びより好ましくは0.5〜2mmの範囲の厚さを有してもよい。この高さは、細胞培養チャンバのいずれかの側の開口(1つの開口は底板で密封されている)によって規定される2つの平面の間の距離を特定する。また、この厚さは、開口により規定される平面における寸法を特定する。細胞培養チャンバは、例えば、2〜50mm、好ましくは3〜30mm、より好ましくは5〜20mmの幅を有してもよい。
細胞培養チャンバは、例えば、0.01〜10ml、好ましくは0.05〜5ml、より好ましくは0.1〜3mlの範囲の容積を有してもよい。
細胞培養チャンバの一つの側に開口があることで、(上からの)容易なアクセスを可能にする。これにより、内部の流体を分配又は交換するために手動ピペット又はロボットディスペンサーを用いることが可能になる。さらに、開放細胞培養装置により、液浸レンズを用いた共焦点顕微鏡の使用が可能になる。
本発明の例示的実施形態において、細胞培養装置は、2つ以上の細胞培養チャンバを備えている。こうして、本体は、全ての細胞培養チャンバに共通のプラットフォームを提供するであろう。細胞培養装置は、任意の所望の形態を有していてよい。例えば、細胞培養装置は、約76mm×26mmの大きさを有してもよい。他の実施形態において、細胞培養装置は、96の細胞培養チャンバを有する標準的な96ウェルプレートの大きさ、及び/又は96ウェルプレートの96ウェルと実質的に同様に配置された96の観察スポットを有してもよい。観察スポットは、1個又は数個の細胞により及ぼされた機械的力を検出するのに十分な多数のマイクロカラムのアレイである。力センサアレイは、少なくとも1つの観察スポット、典型的には複数の観察スポットを備えている。
力センサアレイは、細胞培養チャンバ内の底板の上に配置されている。力センサアレイは、1つ以上の細胞の接着部位を与えるように構成された可撓性マイクロカラムのアレイを備え、各々のマイクロカラムは、1つ以上の細胞により及ぼされた機械的力に応じて、元の位置から撓んだ位置まで撓むように構成されている。さらに以下に詳述するように、力センサアレイは互いに離間した複数の別個の観察スポットを備え、各観察スポットが複数の可撓性マイクロカラムを備えているのが好ましい。上述したように、力センサアレイ自体は従来から知られている。これらの力センサアレイが基づく原理を、図1を参照しながら以下に簡単に説明する。
図1は、本発明による細胞培養チャンバを備えた細胞培養装置の断面を示す。図1の上部は(側面から見た)断面を示す。図1の下部は、力センサアレイの観察スポットの上面図を示す。観察スポットは、例えば、ガラスカバープレートでもよい底板15の上にある。観察スポットは、支持ベースホイル14とその上に配置された複数のマイクロカラム13を備えている。典型的には、マイクロカラムと支持ベースホイルは、一体的に製造され、例えば、PDMSで作られてもよい。図1の左側には、複数のマイクロカラム、より詳しくはその上部に広げられて付着された細胞11が示されている。その段階で、マイクロカラムは依然として元の規則パターンで配置されている。マイクロカラムの元の位置を参照符号19で示す。液滴16で示すように、化学的刺激等の刺激は、細胞反応を引き起こし、細胞は収縮又は弛緩する。次いで、収縮した細胞12は、図1の右側から明らかなように、元の位置19から離れた撓み位置18にマイクロカラムを撓ませる。元の位置から撓み位置への撓みは、力ベクトル17で表すことができる。そのため、各マイクロカラムは力センサである。Tan他が述べたように、小さな撓みに対して、マイクロカラムは、細胞により及ぼされた力に正比例するばねのように挙動する。撓みと細胞により及ぼされた機械的力の数学的説明のより詳細な説明については、John L. Tan et al., "Cells lying on a bed of microneedles: An approach to isolate mechanical force", PNAS, Vol. 100, No. 4, pp. 1484-1489 (February 2003)に詳しく掲っており、その全体をここで参照として援用する。
各々又は少なくとも複数の力センサアレイのマイクロカラムは、上(すなわち力センサアレイが配置された底板に垂直)からみたとき、例えば、実質的に円形、実質的に楕円形、実質的に矩形、実質的に菱形つまり正方形形状を有してもよい。マイクロカラムは、全て同じ又は異なる形状を有してもよい。少なくとも観察スポット内の顕微鏡は、同じ形状を有するのが好ましい。
マイクロカラムの材料、辺長ないし直径、及び高さの選択は、マイクロカラムの剛性を決定し、特定の用途ひいては1つ以上の細胞により及ぼされる力により課せられる要求を満たすように調整することができる。
力センサアレイのマイクロカラムの各々は、0.5〜50μm、例えば、1〜45μm、2〜40μmの間の高さを有することができる。
1つの例示的実施形態において、1つの観測点のマイクロカラムの各々、又は力センサアレイのマイクロカラムの各々は、直径が0.5〜50μmの範囲の実質的に円形形状を有している。例示的実施形態において、直径は0.75〜40μmの範囲にあるが、1〜25μmの間にあってもよい。さらなる例示的実施形態において、直径は2〜12μmの間であろう。
1つの例示的実施形態において、1つの観察スポットのマイクロカラムの各々、又は力センサアレイのマイクロカラムの各々は、正方形、菱形、又は0.5〜50μmの範囲の辺長で特徴付けられる矩形形状を有している。例示的実施形態において、辺長は0.75〜40μmの範囲にあるが、1〜25μmの間でもよい。さらなる例示的実施形態において、辺長は2〜12μmの間にあるだろう。1つの観察スポット中のマイクロカラムは、形状及び/又は寸法、及び/又は剛性に関して同じ又は形状及び/又は寸法ひいては剛性に関して互いに異なってもよい。さらに、観察スポットのマイクロカラムは、均等に離間していてもよいし、特定の用途に応じて、規則的でも不規則でもよいパターン状に配置されてもよい。例えば、観察スポットは、マイクロカラムが第1の剛性及び/又は形状を有し、第1の間隔で配置された第1の領域と、マイクロカラムが第2の剛性及び/又は形状を有し、第2の間隔で配置された少なくとも第2の領域とを備えてもよく、ここで第1と第2の剛性及び/又は形状、及び/又は第1と第2の間隔は互いに異なっている。1つの例示的実施形態において、1つの観察スポットのマイクロカラムは、均等に離間している、及び/又は同じ剛性、特に形状と寸法を有している。さらなる実施形態において、1つの観察スポットのマイクロカラムは、別の観察スポットのマイクロカラムと、剛性が異なっていてよく、例えば、形状、寸法、及び/又は間隔が異なってもよい。例えば、力センサアレイは、1つの観察スポットのマイクロカラムの剛性及び/又は間隔(密度)が、隣接する観察スポットのマイクロカラムの剛性及び/又は間隔(密度)と異なる複数の観察スポットを備えてもよい。マイクロカラムの間隔及び/又は形状、及び/又は剛性に関して互いに異なる観察スポットを含むことは、異なる細胞型に対し好ましい条件を与える点において有利である。異なる細胞型には、異なるマイクロカラム配置、例えば、マイクロカラム(マイクロカラム密度)間の異なる間隔が望まれる。また、細胞は異なるマイクロカラム構成に対して違った方法で反応してもよく、この反応により細胞挙動の貴重な識見が得られる。例えば、基準点又はアンテナの形成は、環境に応じて違ってもよい。癌細胞は、観察スポット上で動く又は動かされてもよい。観察スポットが、マイクロカラムの配置及び/又は剛性、及び/又は形状が異なる領域を含む場合、癌細胞の移動方向と移動速度は、例えば、細胞骨格についての貴重な情報を与えることができる。
力センサアレイのマイクロカラム、特に少なくとも一つの観察スポットにおけるマイクロカラムは、1〜50μmの範囲の距離、例えば、5〜45μmの範囲の距離、又は10〜40μmの間の距離だけ離間されてもよい。この距離は、マイクロカラムの1つの中心から最も近いマイクロカラムの中心まで測定される。
典型的には、マイクロカラムは、支持ベースホイルと一体的に形成される。支持ベースホイルは、0.05〜45mm、例えば、0.5〜1mmの厚さを適宜有してもよい。そして、支持ベースホイルは、細胞培養チャンバの底板の上で典型的には底板と並行に配置される。こうして、センサアレイの全厚が、長距離レンズだけでなく多くの液浸レンズに対する作動距離基準を満たす。
力センサアレイは、例えば、シリコーンエラストマー、シリコーンエラストマーの混合物、又はシリコーンエラストマーとシリコーン流体の混合物等の各種の適切な透明な材料で作られたものであってよい。透明なシリコーンエラストマーは、例えば、好ましくはポリジメチルシロキサン(PDMS)である。適切なPDMS材料は、例えば、Sylgard(登録商標)の商品名で知られている。シリコーンエラストマーのヤング率を考慮すると、上記のマイクロカラムのばね定数は、各マイクロメートル変位に対し数十ナノニュートンの範囲内にある。力センサアレイ及び/又は細胞培養装置の材料は、(混じり気のない)材料の特性を変更する1つ以上の化合物、例えば材料に色特性及び/又は磁気特性を付与する化合物を含んでもよい。その他の機能材料を用いて材料の屈折率及び/又は導電率を変更してもよい。換言すれば、この材料は、着色料、導電又は絶縁材料、磁性化合物、及び/又は当該材料の屈折率と異なる屈折率を有する化合物を含んでもよい。
力センサアレイは、当業界において従来知られた方法で製造することができる。例えば、力センサアレイは、標準的なリソグラフィー方法によりアレイのネガパターンを生成することにより製造できる。例えば、次いでPDMSの液状プレポリマーを用いてネガパターンを充填する。ガラス板が底板として用いられるこれらの実施形態において、ガラス板をプラズマ処理により活性化し、PDMSの液状プレポリマー上に置くことができ、これにより底板とPDMSの表面との間に結合をもたらし、いったん硬化されるとその後支持ベースホイルになる。製造の別の方法は、マイクロカラムを含むシリコンテンプレートからのPDMSの穴のアレイを備えたテンプレートの準備を含むレプリカ成形を使用することである。そのため、マイクロカラムの製造は、穴のアレイを含むテンプレートをPDMSプレポリマーで充填し、硬化させ、テンプレートを剥離することから成る。
マイクロカラムへの細胞の付着を促進するため、マイクロカラムが少なくとも部分的に処理されるのが好ましい。適切な処理としては、例えば、力センサアレイを適切な溶液に浸漬させること又はマイクロカラムの少なくとも一部の上への微小コンタクトプリンティングにより、フィブロネクチン、ラミニン、又はコラーゲンで被覆することが挙げられる。
マイクロカラムの側面への細胞の付着を抑制するため、マイクロカラムが少なくとも部分的に処理されるのが好ましい。適切な処理としては、例えば、力センサアレイを適切な溶液に浸漬させること又はマイクロカラムの少なくとも一部の上への微小コンタクトプリンティングにより、プルロニック127溶液又はウシ血清アルブミン(BSA)で被覆することが挙げられる。
本発明の例示的実施形態において、細胞培養装置は、灌流システムをさらに備えている。灌流システムは、細胞培養装置、あるいは細胞培養装置が1つ以上の細胞培養チャンバを備えている場合にはおそらく複数の細胞培養チャンバへ液体を送達し且つそれ(ら)から液体を除去するように機能する。液体は、例えば、細胞培養液であってもよい。また、液体は、化学的刺激薬であってもよい。
灌流システムは、本体の一体化部分を形成するのが好ましい、すなわちその構造の少なくとも一部又は全体が、本体の構成要素として形成されているのが好ましい。例示的実施形態において、灌流システムは、細胞培養チャンバの外側の本体上に位置するコネクタと細胞培養チャンバの間を流体連通させる少なくとも1つのマイクロ流体導管を備えている。灌流システムは、2つ以上のマイクロ流体導管と所望によりコネクタとを備えてもよい。
例えば、灌流システムは、細胞培養チャンバの外部の本体上に位置する第1のコネクタと細胞培養チャンバの間を流体連通させて、細胞培養チャンバへ液体を送達する第1のマイクロ流体導管と、細胞培養チャンバの外側の本体上に位置する第2のコネクタと細胞培養チャンバの間を流体連通させて、細胞培養チャンバから流体を除去する第2の別のマイクロ流体導管を備えることができる。
第1及び/又は第2のコネクタは、任意の適切な形態で設けてもよい。最も簡単な形態は、本体の表面に単に開口を設けることであろう。第1及び/又は第2のコネクタは、流体送達システム又は流体除去システムへの簡易接続を可能にする形式、例えば、チューブ、特に、本体の表面から細胞培養チャンバの側壁と同じ方向に延びる当該分野で一般的な丸いチューブの形態で設けられるのが有利である。適切な流体送達システム又は流体除去システムは、ほんの数例を挙げれば、真空ポンプ、蠕動ポンプ、シリンジポンプ、又は従来のチューブを介してコネクタに接続し得る静水圧に基づく送達システムであってもよい。さらに考えられる実施形態において、第1のコネクタは、細胞培養チャンバの底板より比較的大きい十分な容積を有し、そこから流体が静水圧により細胞培養チャンバへと動かされる貯水槽として機能し得る。これらの検討事項は、第1及び/又は第2のコネクタに追加で設けてもよい任意のコネクタに対しても同様に適用される。
灌流システムの取り扱いを容易にするため、第1及び/又は第2のコネクタは灌流システムに関連し、注入口(送達)と排出口(除去)としてのそれらの機能を特定するインジケータを備えてもよい。インジケータは、同じでも異なる種類でもよく、矢印や数字等の1つ以上の文字や記号でもよい。
また、特に、第1のマイクロ流体導管は、所望により1つ以上のコネクタと組み合わせて、1つ以上のマイクロ流体導管部を備えるマイクロ流体導管システムを備えてもよい。第1のマイクロ流体導管は、複数の相互接続したマイクロ流体導管部を備えるマイクロ流体導管システムを備えてもよい。例えば、第1のマイクロ流体導管は、T型継手又はY型継手で接続された3つのマイクロ流体導管部を備えてよく、その内、1つのマイクロ流体導管は、上述したように、細胞培養チャンバに延び、さらなるマイクロ流体導管部は、第1のコネクタに接続され、さらなるマイクロ流体導管部は、さらなるコネクタに接続されている。そのような構成によれば、例えば、細胞培養チャンバ中への流体の移送時に、1つ以上の流体を混合することが可能になる。また、流体中に含まれる成分の反応も可能にするであろう。さらに、そのような構成を採ることで2つ以上の異なる培養液間の高速な切り替えを可能にする。
第2のマイクロ流体導管は、細胞培養チャンバの底板に垂直に測定して、細胞培養チャンバ内の細胞培養チャンバの底板から、少なくとも100mm、好ましくは少なくとも200mm、少なくとも500mm、又は少なくとも1mmの所定の間隔で形成された開口により細胞培養チャンバに接続してもよい。開口は、装置を動作させたとき、所定の充填量を越える流体が開口に流入し、細胞培養チャンバから流出するように形成されるのが好ましい。こうして、そのような構成は、オーバーフローシステムとして機能し、このシステムにおいて、細胞培養チャンバ中の過剰流体は細胞培養チャンバから自動的に流れ出し、それにより細胞培養チャンバを所定容積の液体の充填するのを非常に容易にし、且つ/又は細胞培養チャンバ内の液体の一定の充填レベルを維持することができる。
そのような構成は、勿論、細胞培養チャンバ当たりたった1つのマイクロ流体導管の場合でも同様に考えられ、この場合、その構成は第1(及び唯一)のマイクロ流体導管に関係するであろう。さらなる想到し得る実施形態において、対応する開口を有する複数のそのような第2のマイクロ流体導管を細胞培養チャンバ内に設けてもよい。
本発明のこの態様、各々の特徴は、マイクロ流体潅流の一部である一体式液体レベル調節として機能してもよい。細胞培養チャンバから液体を容易に除去できる。そのため、この開口は、以下では、充填レベルオーバフロー開口と称することがある。細胞培養チャンバを閉じて細胞培養チャンバ内の制限雰囲気を一定に維持するこれらの実施形態において、これは特に有利である。
別の実施形態において、第2のコネクタを第2のマイクロ流体導管に接続する開口を細胞培養チャンバ内の任意の適切な位置に形成してもよい。そのような灌流システムを設けることで、培養液の交換と化学刺激薬の供給を可能にするのみでなく、規定のせん断条件も与えることができる。
これらの実施形態において、例えば、第1及び第2のマイクロ流体導管ひいては流入口及び排出口を設け、第1の入口(第1のコネクタ)からの制御流入と出口(第2のコネクタ)での吸入の間の比を設定することで、細胞培養チャンバを通る定常流の維持を可能にする。これにより、規定のせん断条件下での細胞の成長又は収縮実験を自動的に行うことが可能になる。
1つの例示的実施形態において、開口(充填レベルオーバフロー開口)は、細胞培養チャンバの側壁又は側壁に隣接して形成される。製造を容易にすることと機械的安定性に関して、開口を側壁と一体的に形成、すなわち側壁との一体型として形成した場合には有利かもしれない。
他の想到し得る実施形態において、開口を細胞培養チャンバ内の独立した特徴、例えば、チューブとして設けてもよい。
好ましくは、チューブは漏斗形状であるため、開口への液体の流入を容易にできる。
本体は、例えば、本体の側壁及びコネクタと反対の側、つまり本体の底側にマイクロ流体導管又は複数のマイクロ流体導管を配置して、側壁とコネクタを担持する平板を設けてもよい。そして、マイクロ流体導管を一方の側で底板により密封してもよい。
少なくとも1つのマイクロ流体導管は、例えば、0.05〜5mmの幅及び/又は0.05〜5mmの高さを有することができる。1mm未満の幅及び/又は高さが好ましいが、0.5mm未満がより好ましい。
本発明のさらなる態様によれば、ここと請求項1で述べた細胞培養装置は、上述した灌流システムを備えているが、力センサアレイを備えていない。
上述したように、細胞培養装置の片側(使用中の上側)は開放している。本発明による例示的実施形態において、細胞培養装置は、細胞培養チャンバを閉じる蓋をさらに備えている。
細胞培養装置が、1つ以上の細胞培養チャンバを備えているこれらの実施形態において、細胞培養装置は、各細胞培養チャンバのための蓋を備えていてもよいし、あるいは1つ以上の細胞培養チャンバを同時に閉じるのに適した共通の蓋を備えていてもよい。後者の場合において、共通の蓋は、1つ以上の細胞培養チャンバの各々に対し相互接続された蓋のアレイを備えてもよい。
蓋は、有利には2つの閉鎖モードを与える構造的特徴を備えていてもよい。すなわち、第1の閉鎖モードでは、蓋が側壁に気密性を与え、第2の閉鎖モードでは、蓋と側壁の間に隙間を設けるか、又は蓋の部分と側壁両方を貫通する開口を形成して、細胞培養チャンバと細胞培養チャンバの外部の環境との間のガス交換を可能にする。構造的特徴はスペーサであってよい。
典型的には、第1の閉鎖モードにおいて、蓋は、第1の位置の側壁に適用され、第2の閉鎖モードにおいて、蓋は、第1の位置と異なる第2の位置の側壁に適用されている。換言すれば、蓋の位置が異なることで、ガス交換をしない場合も含む制御ガス交換のための2つの閉鎖モードでの動作を可能にする。
例示的実施形態において、細胞培養チャンバ又は本体は、蓋が第1の位置の細胞培養チャンバに置かれたとき、構造的特徴が第2の閉鎖モードで接触するか又はそうでなければ係合し、且つ、蓋が第1の位置と異なる第2の位置の細胞培養チャンバに置かれたとき、構造的特徴が接触も係合もせず、それにより第1の閉鎖モードをもたらすような、対応する構造的特徴を備えている。例えば、矩形状細胞培養チャンバの場合、第1の位置は、第2の位置に対して90度回転してもその逆でもよい。本体は、蓋が第1の位置に留まるように、蓋の上に設けられた構造的特徴を追加するように構成された構造的特徴を備えてもよい。例えば、蓋の上に設けられたスペーサを、対応するスペーサ受容部(例えば、スペーサ形状に形成された凹部)に収容してもよい。この構造的特徴は、細胞培養チャンバの側壁の上又は側壁に隣接して配置されてよく、あるいは独立した構造的特徴でもよい。
細胞培養チャンバの側壁の上の構造的特徴は、例えば、細胞培養チャンバの側壁の周囲に設けられた縁の陥凹又は貫通穴であってよく、蓋の上に設けられた構造的特徴は、陥凹又は貫通穴に嵌合するように構成された突起でもよい。
細胞培養チャンバの側壁の上の構造的特徴は突起でよく、蓋の上に設けられた構造的特徴は、例えば、蓋が第1の位置に留まるよう突起を収容するように構成された陥凹又は凹部でもよい。
蓋は、細胞培養チャンバに対する蓋の第1及び/又は第2の位置を示す1つ以上の記号又はその他のインジケータをさらに備えてもよい。それに加え又はその代わりに、本体は、細胞培養チャンバに対する第1及び/又は第2の位置を示す1つ以上の記号又はインジケータを備えてもよい。
本発明のさらなる態様は、そういうものとして上述した蓋に関する。また、本発明のさらなる態様は、上述した蓋を備える細胞培養装置を備えているが、力センサアレイを備えていない細胞培養装置に関する。
よって、本発明による細胞培養装置は、上述したような、灌流システム及び/又は蓋を備えてもよい。細胞培養装置が、灌流システムと蓋両方を備えるこれらの実施形態において、細胞培養装置内部の液体にアクセスするには、マイクロ流体導管の上から又はマイクロ流体を通してアクセスする2つの方法がある。当然のことながら。蓋を取り除けば上(すなわち細胞培養チャンバの開放側から)からアクセスすることが可能になる。上述したように、これにより、内部の流体を交換するのに手動ピペットやロボットディスペンサーを用いることが可能になる。さらに、開放細胞培養装置により、浸漬レンズを用いた共焦点顕微鏡による検査が可能になる。
一方、マイクロ流体導管を通してアクセスすることで、たとえ細胞培養チャンバが蓋で閉じられたときでも、細胞培養チャンバ内部の連続流体交換を可能にする。細胞培養装置がポンプに接続されている場合、例えば、細胞反応誘発化合物(刺激薬)のために、事前に決められた濃度勾配を含めて自動化できる。細胞培養チャンバ内部の流体レベルは、流動パラメータを調整することで調節できる。さらに、規定の流動条件(せん断応力)の下で細胞が成長できる。
細胞培養装置の例示的実施形態において、底板には、好ましくは細胞培養チャンバ内部に、1つ以上の電極が取り付けられていてもよい。1つ以上の電極は、各種目的に使い得る。すなわち、1つ以上の電極は、1つ以上の細胞に刺激を与える電位を印加するために設けられてもよく、例えば、pH、インピーダンス、温度、又は導電率を測定するために設けられてもよい。また、1つ以上の電極は、細胞培養チャンバを暖めるのにも設けてよい。後者の場合、1つ以上の電極は、細胞培養チャンバの側壁の上及び/又は外側に設けてもよい。
これらの実施形態において、1つ以上の電極は、例えば、金、プラチナ若しくはルテニウム等の金属、又はグラファイト、酸化インジウムタングステン(ITO)、又は導電性エトキシカルボニル系有機材料等で作られたものであってよい。ITO電極は、可視光に透過性がある点で有利である。ITO、金、及びルテニウム電極は、1つ以上の細胞に刺激を与える等の電位印加に好ましい。ルテニウム電極が酸素検出のために含まれていてもよい。
本発明のさらなる実施形態において、底板はシリコンウェハでもよい。シリコンウェハは、未加工シリコンウェハでも、又は1つ以上の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)でもよい。シリコンウェハは、1つ以上の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)で支持された1つ以上の電極をさらに備えてもよい。
さらなる実施形態において、力センサアレイの底部支持ホイルは、CMOSセンサアレイ又はその他の電極配置に積層してもよい。これらの実施形態において、力センサアレイの底部支持ホイルを非常に薄く、例えば、約75μm以下、好ましくは50μm以下にするのが有利である。
さらなる態様によれば、本発明は、特に、上述したような細胞培養装置の一部として用いる力センサアレイを提供し、ここで、力センサアレイは、互いに離間して配置された複数の別々の観察スポットを備え、各観察スポットは複数の可撓性マイクロカラムを備え、各観察スポットは、隣接して配置された複数の特有の標識を有し、各々の観察スポットを特定及び/又は位置決定することを可能にする。このように、力センサアレイは、固有の案内システムを備えている。
各標識は、少なくとも1つの記号、文字、数字、装飾、又はそれらの組み合わせを含むものであってよい。
観察スポットは、行と列から成るマトリックス状等のアレイ状に好適に配置され、各標識は、関連する観察スポットが位置する観察スポットの行と列、又はより一般的にアレイ中の位置を特定する。
さらに好ましくは、観察スポットの複数のマトリックス(又は、アレイ)は、観測領域に配置され、各標識は、観測領域内と観察スポットマトリックス両方の位置を特定する。これらの実施形態において、好ましくは、各標識は4つの変数を備えている。第1の変数は、観察スポットマトリックスの行を示し、第2の変数は、観察スポットマトリックスの列を示し、第3の変数は、観測領域の行を示し、第4の変数は、観測領域の列を示す。あるいは、より一般的に、アレイが行と列内にない場合は、アレイ内の各々の位置を示す。より一般的に表せば、各観察スポットは、多数の変数を含む標識に関連し、異なる観察スポットの標識は、少なくとも1つの変数が異なる。
このような固有の案内システムにより、実験並びに特定の細胞形成の再配置を行いながら、より良い配向を可能にする。これはその後の着色と定着処置に特に有効である。上記に提示した固有の案内システムの実施形態は、全センサ領域(力センサアレイ)を観察領域に分割する階層構造を有し、複数のレベルを備えている。
例示的実施形態において、単一の細胞培養チャンバの全力センサアレイは、12×8個の観察スポットに分割された6×9個の観測領域を有しているため、これにより、特有の標識を有する5184個の別々のセンサアレイを製作できる。各観察スポット(少数の単細胞を収容するのに十分)内に12×12個のマイクロカラムの設計を採用することで、このような力センサアレイは、13×12.5mm2の領域内にほぼ750000個の別々のマイクロカラム(力センサ)を備えている。より一般的に、全力センサは、2〜50×2〜50の観測領域、例えば、3〜30×3〜30の観測領域、好ましくは、各観測領域を2〜50×2〜50の観察スポット、例えば、4〜40×4〜40の観察スポットに分割される。別の例示的実施形態において、単一の細胞培養チャンバの全力センサアレイは、4×4の観測領域を有し、各々12×8の観察スポットに細分されている。
ここで述べた力センサアレイのための固有の案内システムは、高い倍率(例えば、10倍レンズかそれ以上)の顕微鏡を用いて、センサアレイを探索しながら、ユーザに対する主要な位置確認を非常に容易にする。また、長期の実験に特に関心が持たされている、同じ細胞セットに対する様々の実験で得られたデータの文書化と相関関係を簡素化する。各観察スポットに標識を付けることで、制御されたモーター駆動ステージが無くとも、正確な位置特定が特異的に可能になる。さらに、たとえ顕微鏡台から細胞培養装置が取り除かれたとしても、同じ観察スポットでの繰り返し調査に非常に貴重である。
さらなる態様によれば、力センサアレイは、特に、本発明による細胞培養装置の一部として用いるために設けられ、力センサアレイが、互いに離間して配置された複数の別個の観察スポットを有し、各観察スポットが、複数の可撓性マイクロカラムを備え、観察スポットが、行と列のマトリックス状、より一般的には所定のパターンで配置され、観察スポットの複数のマトリックスが、観測領域に配置され、力センサアレイが、アレイ内の観察スポットの位置を示す位置マーカーをさらに備えている。
この後者の実施形態は、前の実施形態に対して上述したように、必ずしも改良された階層を備える必要はないが、力センサアレイの主要な位置確認を可能にする。
さらなる態様によれば、本発明は、細胞を培養し且つ1つ以上の細胞により及ぼされた機械的力を測定する方法、
(i)細胞培養装置の力センサアレイ、好ましくは上述した本発明の細胞培養装置の力センサアレイ上に1つ以上の細胞を置き、
(ii)1つ以上の細胞を培養し、
(iii)1つ以上の細胞により及ぼされた力を検出、好ましくは測定することを含む方法を提供する。
力センサアレイの上に1つ以上の細胞を置くことは、一般的に、力センサアレイの観察スポットの上に1つ以上の細胞を置くことを包含する。
例えば、細胞は、細胞培養チャンバの内部で数日又は少なくとも数時間培養されるが、これは適切な表面との局所接着点を確立するのに細胞が必要とする時間である。局所接着は、細胞骨格を複雑なタンパク質構造を有する外部細胞マトリックスに結合する。このことは、ここで述べたマイクロカラムを上述したラミニン、フィブロネクチン、コラーゲン等のタンパク質で被覆により好ましくシミュレートされる。
本発明による方法のステップ(ii)は、例えば灌流システムを介して、培養液を交換することをさらに含んでもよい。本発明による方法のステップ(ii)は、例えば灌流システムを介して、例えば自動的に、培養液を連続交換することをさらに含んでいてもよい。
本発明による方法は、ステップ(ii)後及び/又はステップ(iii)中に、(1つ以上の接着された細胞に)化学的及び/又は機械的及び/又は電気的刺激を与えるステップをさらに含んでもよい。
上述したように、刺激に反応する細胞は、その形状を変化させるので、力センサアレイ内のマイクロカラム(力センサ)の位置を再配置できる。この方法のビデオ映像は、この方法の詳細な情報を提供する。各マイクロカラムの撓みが及ぼされた力の値を示す。ビデオ映像から得られたデータのその後の解析により、この方法を図示する2次元ベクトル場を描画することが可能になる。
特に、特定の細胞内構造、例えばアクチン繊維の蛍光標識と組み合わせて、センサの撓み量を細胞内で起こるプロセスと関連付けることができる。さらなる実施形態において、本発明による方法は、1つ以上の細胞の蛍光標識を付けるステップを含む。蛍光標識は、例えば、アクチン繊維、細胞膜,及び/又は細胞核に付けてもよい。このような実施形態は、1つ以上の蛍光標識が付けられた細胞により及ぼされた力、特にマイクロカラムの撓みを、例えば、標準的な顕微鏡又は位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡等の顕微鏡により測定するステップをさらに含むのが好ましい。このような実施形態は、蛍光標識が付けされた細胞で生成された蛍光を検出するステップをさらに含むのが好ましい。このような実施形態は、検出した蛍光を測定した力に相関付けるステップを含むのがさらに好ましい。
機械的刺激をせん断条件により加えてもよい。せん断条件は、細胞培養チャンバ中に流体を流して、特に上述した本発明の灌流システムを利用して制御できる。ステップ(ii)及び/又はステップ(iii)はせん断条件の付加を含んでもよい。
典型的には、ステップ(iii)は、光学手段による1つ以上のマイクロカラムの撓みを検出することを含む。この検出は、透過光、蛍光及びその他の任意の手段を、例えば標準的な顕微鏡、位相差顕微鏡又は微分干渉顕微鏡により検出することを含んでいてもよい。上述したように、撓みを検出することは、一般的に、マイクロカラムの第1の位置を検出すること、同じマイクロカラムの第2の位置を検出すること、及び第1と第2の位置に基づき力ベクトルを決定することを含む。
例示的実施形態において、追加の細胞を力センサアレイに隣接して培養してもよい。
ステップ(i)は、力センサアレイ上の第1の位置、例えば第1の観察スポットに第1のタイプの1つ以上の細胞を配置し、力センサアレイ上の第2の位置、例えば第2の観察スポットに第2のタイプの1つ以上の細胞を配置することを含み、第1のタイプの細胞は第2のタイプの細胞と異なり、第1の位置は第2の位置と異なる。
ステップ(iii)は、化学的刺激剤等の物質を1つ以上の細胞に添加して、この物質が1つ以上の細胞に機械的力を生じさせる否か検査することをさらに含んでもよい。
さらなる態様によれば、本発明は、細胞を培養し且つ1つ以上の培養した細胞により及ぼされた機械的力をその後測定するここで述べた任意の態様による装置の使用を提供する。
以下に、本発明の例示的実施形態を図面を参照しながら説明する。