JP2014507828A - 通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するためのコンポーネント、システム、及び方法 - Google Patents

通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するためのコンポーネント、システム、及び方法 Download PDF

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Abstract

通信ネットワーク内のアプリケーションデータトラフィックを改善するために、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータトラフィックがネットワークの現状に照らして2つの種類に分けられる。第1の種類は、伝送を遅らせることによって伝送できるデータであり、第2の種類は、遅らせるべきでなく、現在の時間で伝送されるべきデータである。両方の種類のデータを伝送することが多量のデータトラフィックをもたらし得ることをネットワークの現在の(平均)負荷の解析が示す場合、一時的な伝送抑制セッションが通信ネットワークの少なくとも1つのエンティティに関して実行され得る。一時的な伝送抑制セッションでは、第2の種類のデータを伝送する間、第1の種類のデータの伝送が中断される。第2の種類のデータの伝送が完了した後、第1の種類のデータの伝送が再開される。

Description

本発明は、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御することに関する。とりわけ、本発明は、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するためのコンポーネント及び方法、そのコンポーネントを含む通信ネットワークのエンティティ、並びにそのエンティティを含むシステム及び通信ネットワークに関する。
テレマネジメント(telemanagement)とも呼ばれる装置又はシステムの遠隔管理が、世界中で高い関心を集めている。遠隔管理又はテレマネジメントは、ビルディングオートメーション、監視アプリケーション、センサ及びセンサアクチュエータシステム、医療アプリケーション、自動車技術、自動化などの複数の分野で利用可能であり、よく知られている。以下、遠隔管理又はテレマネジメントが使用され得るシステムの一例として、屋外照明システムに関して本発明を論じる。ただし、本発明は、適切なさらなるアプリケーションに関して使用されても良いことを指摘しておく必要がある。
近年、屋外電灯(luminaires)システム又は屋外照明(lighting)システムの遠隔管理若しくはテレマネジメントがそれぞれ高い関心を集めている。従って、例えば、テレマネジメントを利用することは、時間、気象条件、季節などに応じて様々な調光パターンを利用可能にし、より優れたエネルギー効率で屋外照明システムを利用可能にする。屋外照明システムでテレマネジメントを使用することにより、例えば遠隔監視電力使用及び/又は電灯の障害を検出し予測することが実現可能になり、このことは、電灯を交換し、電灯を修理し、且つ/又は電灯の動作を調節し若しくは制御するのに一番良い時を決定可能にする。
無線周波(RF)テレマネジメントネットワークは、例えば街灯やパーキングメーターの管理、信号制御、環境計測など、いくつかの同時のアプリケーションの実施を可能にする。しかしながら、いくつかの同時のアプリケーションを実施することは、大量のデータがネットワークを介して伝送されることを含意する。これはネットワーク内の多量のデータトラフィックを往々にしてもたらす。ネットワークが1つのアプリケーションにしか使用されない場合でも、ネットワークはその1つのアプリケーションに関するいくつかの機能、例えばセンサデータの収集、警告、ノードの構成及びプログラミング、並びにノード制御のトラフィックを同時にサポートしなければならない。いくつかの理由から(理由の1つは複雑さ限界(complexity limitation)である)、これらの様々な種類又はタイプのトラフィック及びアプリケーションは、システムを構築するために一緒にされる独立したソフトウェアコンポーネント及び/又はハードウェアコンポーネントとして実施される。以下、これらのコンポーネントをアプリケーションコンポーネントと呼ぶ。これらのアプリケーションコンポーネントは、互いの動作もRFネットワーク(例えばルーティングアルゴリズム)の特性も知らず、このことは配送遅延及びデータ損失に関して次善の成果(performance)をもたらす。
従って、ネットワークの性能が改善されるように、ネットワークを介して伝送される大量のデータの処理を改善する方法が依然として求められている。ネットワーク内の過負荷及び輻輳を回避して時間及び空間効率の良いデータ伝送等をネットワーク内で可能にするために、全ネットワーク内の平衡負荷分散を可能にするよう、データ配送遅延及びデータ損失を減らすことが依然として要求されている。
テレマネジメントネットワークでは、データが、(電灯又はさらなる装置若しくはシステム)ノードから、電灯ノードと制御センターとの間の通信を有効にし管理するように適応されたコレクタノード又はコントローラノードを介して、(電灯又はさらなる装置若しくはシステム)ノードを制御するように適応された制御センターに伝送され、制御センターからコレクタノード又はコントローラノードを介して(電灯又はさらなる装置若しくはシステム)ノードに伝送される。本出願では、用語「コントローラノード」及び「コレクタノード」は同じ意味を有し、電灯ノードと制御センターとの間の通信を有効にし管理するように適応されたノードを指す。本発明によれば、制御センターがコレクタノードの一部として実装される「スタンドアロン」運用が実施されてもよく、即ち、この場合、用語「コントローラノード」及び「コレクタノード」はより全般的な定義を有し、(電灯又はさらなる装置若しくはシステム)ノードを制御するようになされ、ノードからコレクタノードへの通信及びその逆の通信を管理し又は制御するようになされるノードを指す。
テレマネジメントネットワーク又は通信ネットワークのそれぞれを介して伝送される大量のデータを処理することは、例えば電灯のような対応する装置又はシステムが大規模に設置される理由で困難である。照明システムでは、例えば200個を超える電灯が設置され得る。従って、(電灯又はさらなる装置若しくはシステム)ノード、コレクタノード又はコントローラノード、及び制御センターをそれぞれ含むテレマネジメントネットワーク又は通信ネットワークは大規模ネットワークである。そのような大規模ネットワークの拡張性、及び大規模ネットワーク内で実行されるアプリケーション又はプロセスの拡張性は問題をはらみ、限定的であるとして知られ、困難な課題を示す。従って、トラフィックが多い状況における通信ネットワークの自己構成(self-configuration)及び/又は自己回復(self-healing)をさらに可能にし又は少なくともサポートする、テレマネジメントネットワーク又は通信ネットワークのそれぞれを介して伝送される大量のデータをサポートする効率的、ロバスト、且つ拡張性機能が依然として求められている。
(電灯又はさらなる装置若しくはシステム)ノード、コレクタノード又はコントローラノード、及び制御センターを含む通信ネットワークを実装するための既知の解決策は、星状ネットワークの実装及びメッシュネットワークの実装という2つのグループに分けることができる。
図1は、例示的な星状ネットワークを示し、全ての(電灯)ノード13(N)がコントローラノード又はコレクタノード12(DC)に直接接続14によって接続され、「N」は「ノード」の略記であり、「DC」は「データコレクタ」の略記である。コントローラノード又はコレクタノード12(DC)と制御センター10とは、例えばインターネット、セルラーネットワーク又はさらなる通信許容ネットワークとすることができる接続11によって接続される。星状ネットワークは、概して、コレクタノード又はコントローラノード12(DC)などの屋上に配置される高出力/高感度の基地局を必要とし、この解決策を導入するのを煩雑にし、高価にする。或いは、コレクタノード又はコントローラノード12(DC)は、より低い位置に(例えばノードの1つとともに電灯内に)配置されても良いが、そうすることは、とりわけ高層ビルが建つエリア内のセルレンジを大幅に制限する。従って、そのような場合のコントローラノード12(DC)当たりの(電灯)ノード13(N)の数は、典型的には100個をはるかに超えて広がることはない。つまり、多くのコレクタノード又はコントローラノード12(DC)が必要であり、それらのノードは全て、典型的にはサードパーティーネットワークを介したインターネットアップリンクを必要とする。もう1つの不利益は、コントローラノード又はコレクタノード12(DC)が故障した場合、そのコントローラノード又はコレクタノード12(DC)に接続される全ての(電灯)ノード13(N)がもはや接続されなくなることである。
図2は、上記で概説した星状ネットワークの不利益を有さない例示的メッシュネットワークを示す。本発明はメッシュネットワーク構造を有する通信ネットワークを対象とするので、本発明をより詳細に説明するときにメッシュネットワークのより詳細な説明を以下に示す。メッシュネットワークを用いることにより、本発明によれば星状ネットワークの不利益が克服される。
しかしながら、メッシュネットワークを用いることで星状ネットワークの上述の不利益を回避できる場合にも、従来のメッシュネットワークにおいて拡張性の問題は依然として残る。従って、メッシュネットワークにおける拡張性を可能にするための適切な方法が依然として必要である。
米国特許出願公開第2006/0187836A1号は、1つ又は複数のローカルエリアネットワーク(LAN)と、バックボーンネットワークに結合される装置(例えばエッジルータ等)との間のタイムクリティカルなデータの転送を向上させる通信装置を開示する。ネットワーク輻輳又はボトルネックがある、顧客構内又はバックボーンネットワークアクセス回線の顧客エンドにおいて、通信装置によってキュー形式の仮想ボトルネックが導入される。
上記で論じた不利益及び問題に鑑みて、本発明の目的は、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータの改善された制御通信を提供することである。
この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。
本発明は、通信ネットワークにおいて、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータトラフィックを含むデータトラフィックを2つの種類、つまりネットワークの現状において伝送を遅らせることによって伝送され得るデータに相当する第1の種類と、ネットワークの現状に照らし、遅らせるべきでなく現時点で伝送されるべきデータに相当する第2の種類とに分けることができるという考えに基づく。両方の種類のデータを伝送することが多量のデータトラフィックをもたらし得ることをネットワークの現在の(平均)負荷の解析が示す場合、通信ネットワークのあるエンティティ、1組のエンティティに関して、又は全通信ネットワークに関して、一時的な伝送抑制セッション又は一時的な伝送中断セッションのそれぞれが実行されてもよく、(電灯又は他の装置若しくはシステム)ノード、コレクタノード、及び制御センターが通信ネットワークのエンティティに相当する。通信ネットワークの少なくとも1つのエンティティにおいて開始される一時的な伝送抑制セッションでは、第2の種類のデータを伝送する間、第1の種類のデータの伝送が中断される。第2の種類のデータの伝送が完了した後、第1の種類のデータの伝送が再開される。このようにして、本発明によれば、互いを把握するアプリケーションコンポーネントがエンティティ内に提供される。従って、第1の種類のデータトラフィック及び第2の種類のデータトラフィックが、通信ネットワークの全域で必ずしも互いに独立に流れるとは限らない。さらに、通信ネットワークの拡張性が使用可能にされる。
本発明の一態様では、通信ネットワークのエンティティにおいて通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するように構成されるアプリケーショントラフィック制御コンポーネントが提供され、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションの第1の種類のデータ及び第2の種類のデータの伝送が制御され、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、一時的な伝送抑制セッションを開始するようになされ、一時的な伝送抑制セッションの間第1の種類のデータである第1の種類のデータの伝送が(一時的に)中断され、第2の種類のデータである第2のデータが伝送される。このようにして、エンティティにおいてアプリケーションデータを通信/処理し、その通信がアプリケーショントラフィック制御コンポーネントによって制御されるアプリケーションコンポーネントが、互いを把握することが達成され、その結果として通信ネットワークの性能を改善する。さらに、伝達されるデータのより一層のインテリジェンス及び把握により、通信ネットワークのより優れた拡張性が可能となる。加えて、自己回復及び自己構成のためのさらなる可能性も通信ネットワーク内で与えられる。
通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションは、通信ネットワークの実行及び/又はサポート機能(例えば上述の街灯及びパーキングメーターの管理、信号制御、環境計測等)、並びに通信ネットワークの運用の実行及び/又はサポート(例えば警告、エンティティ(例えばノード、コレクタノード)の構成及び/又は制御等)のうちの少なくとも1つを含む。さらに、一時的な伝送抑制セッションの終了後、第1の種類のデータの伝送が(対応するコンポーネント/エンティティによって)再開される、即ち第1の種類のデータが中断後に伝送されることを指摘しておく必要がある。
本発明の一実施形態によれば、エンティティは通信ネットワークのノード、通信ネットワークのコレクタノード、又は通信ネットワークの制御センターである。従って、本発明は通信ネットワークのあらゆる一般的なノードにおいて実装することができ、通信ネットワークの拡張性をネットワークのいくつかのレベルにおいて(例えば対応するエンティティの接続量及びその機能に依存して)サポートする。例えばエンティティが多くの接続を有すれば有するほど、及び/又はエンティティが多くの制御機能を有すれば有するほど、より多くのさらなるエンティティがアプリケーショントラフィック制御コンポーネント及びその一時的な伝送抑制セッションによってアドレス指定可能になり、その逆も同様である。
本発明の一実施形態によれば、第1の種類は、通信ネットワークの制御センターから通信ネットワークの少なくとも1つのノードに伝送されるデータに相当し、第2の種類は、通信ネットワークの少なくとも1つのノードから制御センターに伝送されるデータに相当し、及び/又は第1の種類は、その伝送の遅延が通信ネットワーク内で許容できるデータに相当し、第2の種類は、その伝送の遅延が通信ネットワーク内でクリティカルなデータに相当する。従って、データを柔軟に処理し分類することが可能であり、このことはひいてはネットワーク内の現状に関して柔軟な処理をもたらし、どのデータの伝送が中断され又は抑制されるべきか、どのデータの伝送が中断中の現時点で行われるべきかが柔軟に決定され得る。第1の種類のデータは、例えば、遅延にクリティカルでないデータを指すことができ、第2の種類のデータは、例えば、遅延にクリティカルなデータを指すことができる。遅延にクリティカルなデータは、例えば、通信システムの運営にクリティカルであり得る通信システム内の変化について知らせるノード及び/又は制御ノードからの警告メッセージ、制御センターからの(双方向)構成メッセージ等、即ち、通信ネットワーク内で至急送られなければならず、その伝送遅延が障害、干渉、又はさらなる損害を通信ネットワーク内で引き起こす可能性があるデータを含むことができる。遅延にクリティカルでないトラフィックは、例えば至急送られる必要がなく、その伝送遅延が障害、干渉、又はさらなる損害を引き起こさない、報告データ又はさらなるアプリケーションデータに相当することができる。
本発明の一実施形態によれば、エンティティにおいて通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、エンティティの少なくとも1つのアプリケーションコンポーネントに接続され、その少なくとも1つのアプリケーションコンポーネントは、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションに関係する操作を実行するように構成される。従って、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、通信ネットワークのアプリケーションデータに直接コンタクトしアクセスすることができ、前記のデータはアプリケーションコンポーネントによって提供され、ネットワーク内の現状、例えば高負荷状況に応じたデータ伝送についての素早い決定の可能性によって提供される。
本発明の一実施形態によれば、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、エンティティを構成するようになされるコンポーネントであるエンティティの構成コンポーネントから、一時的な伝送抑制セッションのための要求を受け取り、且つ/又は一時的な伝送抑制セッションが開始されたことを示す第1のモードのメッセージ、及び一時的な伝送抑制セッションの終了を示す第2のモードのメッセージを通信スタックから受け取るように適応される。通信スタックは、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントと通信ネットワークとの間の通信を可能にし又は提供するように構成され、プロトコルスタックとも呼ばれる。一般に、通信スタック又はプロトコルスタックは、通信ネットワーク内で用いられる1組のプロトコルをそれぞれ表し、所定の階層を表し、その階層では最も低い層のプロトコルをスタックの一番下に配置し、より高い層のプロトコルを上部に配置することにより、プロトコルが垂直スタックにグループ化される。従って、エンティティの動作の把握がエンティティのいくつかのコンポーネントにおいてサポートされ、コンポーネントの一層のインテリジェンスによりエンティティのより優れた性能をもたらす。
本発明の一実施形態によれば、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、要求に対する応答を構成コンポーネントに伝送するように適応され、この応答により、一時的な伝送抑制セッションが、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントによって認可される。ここでも、エンティティの動作の把握がエンティティのいくつかのコンポーネントにおいてサポートされる。
本発明の一実施形態によれば、エンティティの少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントが第1の種類のデータを伝送するように適応される場合、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、その少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントによる第1の種類のデータの伝送を(一時的に)中断するために、その少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントに中断開始メッセージを伝送し、(一時的な)中断を終了するために、その少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントに中断終了メッセージを伝送するように適応され、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが第1の種類のデータを伝送するようになされる場合、一時的な伝送抑制セッションの開始後、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、第1の種類のデータの伝送を(一時的に)中断するように適応され、且つ/又はアプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、通信ネットワークの少なくとも1つの第1のエンティティのデータを受け取り、受け取ったデータを通信ネットワーク内の少なくとも1つの第2のエンティティに伝送するように適応される場合であって、伝送されることになる受け取ったデータが第1の種類のデータを含む場合、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、伝送されることになる受け取ったデータ内に含まれる第1の種類のデータの伝送を(一時的に)中断するように適応される。従って、通信ネットワークの少なくとも1つのエンティティの動作の把握についてのさらなるサポートが、少なくとも1つのエンティティのいくつかのコンポーネントにおいてサポートされる。このようにして、通信ネットワーク内のより調整され、平衡したデータ処理が可能となり、このことは、ひいてはネットワーク内の性能及び拡張性の大幅な改善をもたらす。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントは、所定の頻度で第1の種類のデータをサンプリングするように構成され、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、中断開始メッセージを伝送することにより所定の頻度を減らし、中断終了メッセージを伝送することにより所定の頻度をリセットするように構成され、且つ/又はアプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、中断開始メッセージを伝送することにより少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントにおける第1の種類のデータの圧縮を開始し、中断終了メッセージを伝送することにより少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントにおける第1の種類のデータの圧縮を終了するように構成される。従って、一時的な伝送抑制セッションの柔軟な実施が可能となり、その実施はさらに、対応するエンティティのコンポーネントの機能と調整される。
本発明の一実施形態によれば、第1の種類のデータの伝送の(一時的な)中断がアプリケーショントラフィック制御コンポーネントによって実行される場合、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、第1の種類のデータを記憶域(storage)の中にバッファするように構成される。一時的な伝送抑制セッションの終了後、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、バッファされたデータの対応する伝送を実行するように構成され得る。ここでも本発明の柔軟な実施が可能となる。
本発明の一実施形態によれば、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、通信ネットワークの少なくとも1つのさらなるエンティティにおいて(一時的な)中断を実行するための少なくとも1つの(一時的)中断命令を、通信ネットワークの少なくとも1つのさらなるエンティティに、又は少なくとも1つのさらなるエンティティのアプリケーショントラフィック制御コンポーネントに伝送するように適応される。従って、状況に依存したデータ伝送の処理、即ち、一時的な伝送抑制セッションの実行が、ネットワークの一部、あるエリア、及び/又は全域においても適用可能であり、このことは通信ネットワークの優れた、状況に基づく、拡張可能な管理をもたらす。
本発明の一実施形態によれば、エンティティが通信ネットワークの高速経路内に含まれる場合、少なくとも1つのさらなるエンティティ、少なくとも1つの第1のエンティティ、及び少なくとも1つの第2のエンティティが高速経路内に含まれるエンティティであり、少なくとも1つのエンティティ、少なくとも1つの第1のエンティティ、及び少なくとも1つの第2のエンティティは、通信ネットワーク内に含まれる1組の全エンティティのうちのエンティティであり、少なくとも1つのエンティティ、少なくとも1つの第1のエンティティ、及び少なくとも1つの第2のエンティティは、通信ネットワーク内に含まれるエンティティの所定のサブセットのうちのエンティティであり、又は少なくとも1つのエンティティ、少なくとも1つの第1のエンティティ、及び少なくとも1つの第2のエンティティは、通信ネットワーク内に含まれるエンティティのランダムサブセットのうちのエンティティである。用語「高速経路」は、通信ネットワークの少なくとも2つのエンティティを、それらの間の通信接続とともに含み、通信経路の開始エンティティ及び終了エンティティである通信ネットワークの2つのエンティティ間の高速伝送を一定の又は所定の期間にわたって実行するために、通信ネットワーク(例えばコレクタノードや制御センターなど、例えば通信ネットワークのエンティティの1つ)によって確立される通信ネットワーク内の通信経路を指す。従って、高速経路は限られた期間にわたって確立されてもよく、通信ネットワーク内の一時的な伝送経路又は通信経路とみなすことができる。ここでも、通信ネットワークの優れた、柔軟な、状況に基づく、拡張可能な、及び効果的な管理が可能となる。
本発明の一実施形態によれば、一時的な伝送抑制セッションでは、第1の種類のデータの伝送が所定の期間にわたって(一時的に)中断される。従って、第1の種類のデータは、概していくつかの一時的な伝送抑制セッションについて定めることができ、又は対応するセッションについて通信ネットワークの現状に応じて個々に定めることができる、少なくとも所定の期間の後で伝送されることが保証され得る。さらに、第2の種類のデータは、中断されない伝送のための少なくとも所定の期間を有することが保証され得る。このことは通信ネットワークの改善された性能をもたらし、データ損失が回避され、効果的且つ状況に依存した伝送が可能となる。
本発明の一実施形態によれば、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、通信ネットワークの稼働時間のパーセンテージとして所定の期間を決定するように適応される。従って、より状況に依存し、現在の性能を考慮した実施が可能となる。ここでは、所定の期間を決定するさらなる可能性が本発明に従って実施されても良いことを指摘しておく必要がある。
本発明の一実施形態によれば、所定の期間は高速経路の存続時間に相当する。また、このようにして、より状況に依存し、現在の性能を考慮した実施が可能となる。
本発明の一実施形態によれば、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、所定の数以上のエンティティのいくつかの近くのエンティティから一時的な伝送抑制セッション要求を受け取った場合に、一時的な伝送抑制セッションを開始するように適応される。このようにして、一時的な伝送抑制セッションを開始することが通信ネットワーク内で実際に望まれ、必要であり、有用であること、及び通信ネットワークの性能を干渉し得る誤った決定が下されないことが保証される。
本発明の一実施形態によれば、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、近くのエンティティの数が所定の数以上かどうかを判断するための近くのエンティティのリストを含む。また、このようにして、誤った決定のリスクが減らされ、近くのエンティティに焦点を当てることにより、さらなる拡張性の可能性が与えられる。
本発明の一実施形態によれば、リストの中でそれぞれの近くのエンティティに信頼水準(trust level)が割り当てられ、アプリケーショントラフィックコンポーネントは、一時的な伝送抑制セッション要求が有効な場合に近くのエンティティの信頼水準を高め、一時的な伝送抑制セッション要求が無効な場合に近くのエンティティの信頼水準を下げ、いくつかの近くのエンティティの信頼水準の和が所定の閾値を上回る場合に一時的な伝送抑制セッションを開始するようになされる。ここでは、誤った決定のリスクのさらなる低減が実現される。要求について許可されたエンティティから要求が受け取られる場合、及び要求が通信ネットワークの現状に実際に基づき、現状(例えば高負荷)が要求の適切な理由である場合、要求は有効である。
本発明の一実施形態によれば、アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、通信ネットワーク内の第1の種類のデータの現在の負荷、及び伝送される第2のデータの予期される負荷を解析することにより、一時的な伝送抑制セッションの開始を決定するように適応される。
本発明の一態様では、通信ネットワークのエンティティにおいて通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するための方法が提供され、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションの第1の種類のデータの伝送が制御され、第2の種類のデータの伝送が制御され、この方法は、以下でより詳細に説明する、上記で概説したアプリケーショントラフィック制御コンポーネントの対応する動作に関するステップを含む。とりわけ、この方法は、第1の種類のデータである第1の種類のデータの伝送が(一時的に)中断され、一時的な伝送抑制セッションの間第2の種類のデータである第2のデータが伝送される、一時的な伝送抑制セッションを開始するステップを含む。
本発明の一態様では、通信ネットワークのエンティティが提供され、このエンティティは、以下でより詳細に説明する、前記のノード、上記で概説したアプリケーショントラフィック制御コンポーネントを含む。
本発明の一態様では、前記のエンティティを含むシステムが提供される。本発明の一実施形態によれば、このシステムは屋外電灯システム又は屋外照明システムのそれぞれである。
本発明の一態様では、前記のエンティティを含む通信ネットワークが提供される。本発明の一実施形態によれば、この通信ネットワークは屋外電灯通信ネットワーク又は屋外照明通信ネットワークのそれぞれである。
本発明の一実施形態によれば、(電灯又は他のエンティティ、装置、若しくはシステム)ノードが次の特性のうちの少なくとも1つを有し、その特性とは、つまり、ノードが(少なくとも1つのコレクタノードを介して)1つの制御センターにメッセージ、データ、又は情報のそれぞれを伝送し、制御センターからメッセージ、情報、又はデータのそれぞれを受け取るように適応されること、ノードが限られた処理能力を有すること、ノードが定置型ノードであること、ノードが、固定され、場合によっては通信ネットワーク内で知られている位置を有すること、ノードが限られたデータ転送速度のメッセージ、データ、又は情報のそれぞれを伝送することである。本発明のさらなる実施形態によれば、通信ネットワークはメッシュネットワークである。本実施形態の別の実施形態によれば、通信ネットワークは大規模ネットワークである。通信ネットワークの上記で概説した構造を使用することにより、及び前記の特性を有する通信ネットワークのノードを実装することにより、通信ネットワーク及びそのノードのロバスト、効率的且つ拡張可能な運営、とりわけ警告メッセージの嵐、及びデータ、情報、メッセージ伝送のロバスト、効率的且つ拡張可能な処理が可能となる。
従って本発明は、通信ネットワーク内のデータ通信の改善された制御を提供し、この改善された制御は、ロバスト、高速、効果的且つ資源を節約する、通信ネットワークの十分且つ柔軟な拡張性を可能にし、一時的な伝送抑制セッションにより性能を改善することに起因する通信ネットワークの高速且つ効果的な自己回復及び自己構成を可能にし、通信ネットワーク内の状態及び状況と調整されたアプリケーションデータの処理を可能にする。さらに、エンティティ又は通信ネットワークのコンポーネントが、互いの動作及び/又は通信ネットワークの特性をより把握するようになり、それにより、ネットワークの性能を改善することができ、データ損失及びデータ配送遅延を回避することができる。これにより、ネットワークを介して伝送される大量のデータの処理が改善され、全ネットワーク内の平衡負荷分散が提供され、このことはひいては過負荷及び輻輳を回避することにつながり、時間及び空間効率の良いデータ伝送を可能にする。
星状ネットワークとして実装された通信ネットワークを示す。 本発明を実装可能な例示的通信ネットワークを示す。 本発明の一実施形態による、通信ネットワークのエンティティの配置を示す。 本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信の制御を示す。 本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。 本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。 本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。 本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。 本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。 本発明の一実施形態による、アプリケーショントラフィックコントローラの構成を示す。 本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。
図2は、本発明を実装可能な例示的通信ネットワークを示す。図2の実施形態によれば、この通信ネットワークは、複数のノード23(N)及び複数のコレクタノード22(N/DC)を含み、その全てが無線接続24によって互いに接続されるメッシュネットワークである。本発明は(屋外)照明システムの例を用いて説明するので、ノード23(N)は照明システム内の電灯ノードに相当する。しかしながら、以下の内容では、本発明がビルディングオートメーション、監視アプリケーション、センサ及びセンサアクチュエータシステム、医療アプリケーション、自動車技術、自動化などのさらなる分野にも同様に適用でき、(屋外)照明システムだけに限定されないことを示すために、用語「電灯ノード」の代わりに一般的な用語「ノード」も使用する。従って、ノード23(N)は、さらなる装置、エンティティ、又はシステムノードでも良い。ノード23(N)及びコレクタノード22(N/DC)の間に無線接続経路を設けることができ、経路のそれぞれは複数の無線接続24を含む。ノード23(N)は、他のノード23(N)、22(N/DC)に情報又はデータを伝送するように構成され、コレクタノード22(N/DC)は通信ネットワークの特定の種類のノード、つまり、ノード23(N)から情報又はデータを受け取り、通信ネットワークを制御するように適応される装置又はシステムとすることができる制御センター20にこの情報を伝送するように適応されるノードを表す。従って、コレクタノード22(N/DC)は、ノード23(N)からデータ又は情報を受け取り、収集し、対応するデータ又は情報を制御センター(20)に転送する、ノード23(N)と制御センター(20)との間のゲートウェイのような方法で動作することができる。さらに、通信は逆方向に行われてもよく、その場合は、制御センター(20)が、好ましくはノード23(N)を制御するために、コレクタノード22(N/DC)を介してノード23(N)にデータ又は情報を伝送する。ノード23(N)とコレクタノード22(N/DC)との間のデータ又は情報の伝送は、例えば、シングルホップ又はマルチホップ伝送によって実行され得る。制御センター(20)とコレクタノード22(N/DC)との間のデータ又は情報の伝送は、例えば接続21を介して実行され得る。接続21は、例えばインターネット、移動通信ネットワーク若しくはセルラーネットワーク、無線システム、又は他の有線若しくは無線データ伝送システムを介した接続とすることができる。ノード23(N)とコレクタノード22(N/DC)との間の無線通信は、例えば無線接続24又は無線経路のそれぞれを介したRF伝送によって構成され得る。
図1に例示的に示す星状ネットワークに比べ、このメッシュネットワークは、コレクタノード22(N/DC)及び対応するコレクタノード22(N/DC)に関連する対応するノード23(N)のそれぞれの間の直接通信に依拠しない。通信は、マルチホップ通信により、ノード23(N)とコレクタノード22(N/DC)との間で情報又はデータを転送し又は伝送することによって行われる。これは、コレクタノード22(N/DC)がノード23(N)とともに柔軟に導入され得ることを意味する。さらに、コレクタノード22(N/DC)の1つが故障した場合、即ち、その機能を適切に実行できない場合、対応する情報、データ、又はメッセージのそれぞれが通信ネットワーク内の少なくとも1つの他のコレクタノード22(N/DC)にルートされ得るので、図2に例示的に示す本発明が実装される通信ネットワークはロバスト性の要件も満たす。同じことがノード23にも当てはまる。従って、本発明が実装され、図2に例示的に示す通信ネットワークは、導入及びロバスト性に関して利点を有する。
一般に、メッシュネットワークは、フラッディング(flooding)ベースメッシュ及びルーティングベースメッシュという2つのグループに分けることができ、以下で直ちにより詳細に説明する。
フラッディングベースメッシュは、全てのメッセージがネットワーク内の全てのノードによって転送されるメッシュネットワークである。この技術の利点は、この技術が極めて単純なことであり、つまり、ノードはメッセージ、データ、又は情報のそれぞれをどこに転送するのか決める必要がなく、単にそれをブロードキャストするだけであり、フラッディングベースメッシュは、大量のメッセージ、データ、又は情報のそれぞれによりロバストである。フラッディングベースメッシュの不利な点は、大規模ネットワーク(例えば典型的には>数百個のノード)に見られ、それはメッセージ、データ、又は情報のそれぞれを転送することに起因するオーバーヘッドが全体的なデータ転送速度に影響し始めるからである。つまり、情報、データ、又はメッセージそれぞれの衝突が生じ始め、そのため全体的な性能が低減され得る。
ルーティングベースメッシュは、一般に、事前対応方式(proactive scheme)を有するルーティングベースメッシュ、及び事後対応方式(reactive scheme)を有するルーティングベースメッシュという2つの種類に分類することができる。事前対応方式は、例えば定期的なビーコンメッセージを近隣に伝送して効率的なルーティング経路を発見することにより、必要な全てのネットワーク経路を最新に保つ。通信経路を記憶するために、(図2のノード23(N)及びコレクタノード22(N/DC)に対応する)ノードの全てがルーティングテーブルを利用することができる。主な利点は、データ、情報、又はメッセージ伝送における効率性である。ルーティングテーブルの事前対応型の更新は大規模ネットワーク内のネットワーク資源の大部分を消費するので、主な不利益は拡張性である。さらに、大きな(又は完全な)ルーティングテーブルが全てのノード内で必要であり得る。また、ネットワークを始動する際、ルーティングテーブルを構築するために長い時間(及び浪費の多い資源の使用)が必要である。事後対応方式は、必要に応じて経路を発見することにより恒常的なオーバーヘッド及び大きなルーティングテーブルを回避する。事後対応方式は、通信経路を発見し、(図2のノード23(N)及びコレクタノード22(N/DC)に対応する)ノード上にアクティブなルートをキャッシュするためにフラッディングを用いる。利点は、通信の効率的実行である。しかしながら、経路が長い場合、事後対応方式は、事前対応方式の利点及び不利な点の全てに関して事前対応方式に退化する。
従って、フラッディングベースメッシュ及びルーティングベースメッシュに関して上記に概説したように、現在の種類のメッシュネットワークの主な問題は拡張性である。
本実施形態によれば、所要の水準の拡張性を達成しながら、フラッディングベースメッシュ及びルーティングベースメッシュ解決策の有益な特性を組み合わせる通信ネットワークが利用される。従って、本実施形態に従って実装される通信ネットワークを使用することにより、フラッディングベースメッシュ及びルーティングベースメッシュ解決策の利点が達成され、拡張性の問題が解決される。
このために、本実施形態によれば、通信ネットワークは以下の特性のうちの少なくとも1つを有する。
・通信ネットワークが(非常に)非対称的な通信を利用し、即ちデータ、情報、又はメッセージトラフィックのほとんどが、例えば自らの状態及び電力使用を、コレクタノード22(N/DC)を介して、制御センター20に報告するノード23(N)によって生成される。トラフィックは、例えば1日当たり、ノード23(N)ごとに約数キロバイトとすることができる。従って、トラフィックは、例えば、ユニキャストによって実現され得るN対1トラフィックで構成される。逆方向、つまり制御センター20からノード23(N)へのトラフィックは、基本的に、制御センター20からコレクタノード22(N/DC)を介して様々なノード23(N)に伝送される制御コマンド又は制御関連データからなる。従って、逆方向のトラフィックは、例えばユニキャスト、マルチキャスト、又はブロードキャストモードで実現され得る1対1及び1対Nトラフィックで構成される。
・ノード23(N)の数が、大抵200ノード未満を有する既知の無線メッシュネットワークに比べて極めて多い。
・ノード23(N)が、限られた処理能力を有する。例えば照明システムを検討する場合、コスト検討により、電灯ノード内の処理資源及びメモリ資源が限定される。
・ノード23(N)が定置型であり、即ち、ノード23(N)は自らの位置に固定され、不動であり、動かず、静的であり、又は静止状態にある。従って、他のアドホックメッシュネットワークに比べ、本発明のこの実施形態によって利用される通信ネットワークは完全に定置型であり、即ち、一般的な通信ネットワーク内のノードと異なりノード23(N)は動かない。その結果、主に変化する環境が原因で、例えばトラフィックが原因で通信ネットワーク内のネットワークの変更が生じる。さらに、全てのノードが主電源に接続され得る。
・ノード23(N)の位置が分かっており、即ち、ノードの物理的位置に関する知識(例えばGPS座標)がシステム内で分かっており、アクセス可能であり、これはアプリケーションレベルで適用され得る。
・所要のデータ転送速度が限定されている。これは、検討されるアプリケーションは通常、高速データ転送速度を必要としないということを意味する。しかしながら、ある特定の種類のメッセージに関して短い応答時間が必要とされるいくつかの(例えば交通事故の後、交通事故が起きた区画の照明ノードを全出力水準に切り替える)シナリオがあり得る。
図3は、本発明の一実施形態による、図2に例示的に示した上述のネットワークのような通信ネットワークのn個のエンティティ、3_1から3_n(エンティティ1,...,エンティティn)の構成を示す。通信ネットワークのエンティティ3_1から3_n(エンティティ1,...,エンティティn)は、コレクタノード22、(電灯)ノード23、又は制御センター20とすることができる。本実施形態の「アプリケーショントラフィックコントローラ」31_2、3n_2は、上述のアプリケーショントラフィック制御コンポーネントに対応し、アプリケーションコンポーネント31_11から31_1k、3n_11から3n_1k間の通信を可能にする。アプリケーションコンポーネントは、通信ネットワークのアプリケーション又はアプリケーションの一部をサポートすることができ、通信ネットワークのアプリケーションは、例えばノード報告、ノード構成、データ収集、警告、又は通信ネットワークの機能(例えば街灯及びパーキングメーターの管理、信号制御、環境計測等)とすることができる。図3には、本発明を明確に説明するために、具体的なアプリケーション又はアプリケーションコンポーネントがもう2つだけ例示的に示されている。その2つとは、つまり、「ノード報告」31_11、3n_11、及び「ノード構成」31_12、3n_12である。さらなるアプリケーションは、単に四角形31_1k、3n_1k(その他)によって描かれており、通信ネットワークの知られているあらゆる適切なアプリケーションを指すことができる。本実施形態によれば、アプリケーションコンポーネント31_11から31_1k、3n_11から3n_1kは、そのローカルアプリケーショントラフィックコントローラ(ATC)31_2、3n_2を介して通信ネットワークとインターフェイスする。さらに、本実施形態によれば、ローカルアプリケーショントラフィックコントローラ(ATC)31_2、3n_2は通信スタック31_3、3n_3に接続され、これらの通信スタックは、アプリケーションコンポーネント31_11から31_1k、3n_11から3n_1kの、対応するローカルアプリケーショントラフィックコントローラ(ATC)31_2、3n_2を介した通信ネットワークとの通信(即ちアプリケーションコンポーネント31_11から31_1k、3n_11から3n_1kによるデータ、メッセージ、情報の送受信)を可能にする。
アプリケーションコンポーネント「ノード報告」31_11、3n_11に関して、前記のコンポーネントによって伝送される報告データトラフィックは、しばしば、遅延にクリティカルではない。しかしながら、本実施形態によれば、そのようなトラフィックは全てのノード23及びコレクタノード22によって送られる情報(例えばエネルギー消費量)を含み、故に合計すると大量のデータになり得る。さらに、テレマネジメントネットワークは、多くの場合報告データよりも大きくない、遅延にクリティカルなデータの適時配送(timely delivery)も可能にしなければならない。ノード23及びコレクタノード22からの警告トラフィック、並びに制御センター20からの双方向の構成トラフィックが、そのような遅延にクリティカルなデータの2つの例である。潜在的に大量の報告データトラフィックは、とりわけ、全てのデータが流れ込むデータコレクタ22(又はセグメントコントローラ)の近くで通信ネットワーク資源の大部分を消費する場合がある。これが発生すると、遅延にクリティカルなデータトラフィックが、本実施形態によるノード23からの報告データトラフィックによって著しく乱される。
以下、通信ネットワークのアプリケーションの機能として、上記で概説した報告に関して本発明を説明する。ただし、前記の報告は一例を表すに過ぎず、本発明はこのアプリケーション又はアプリケーションの機能に限定されず、さらなるアプリケーション及びその機能に関して適用されても良いことを指摘しておく。
図4は、本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信の制御を示す。本実施形態によれば、3つのエンティティ41、42、43(エンティティn、エンティティn+1、エンティティn+2)が例示的に使用される。n番目のエンティティ41は、例えば無線周波街路照明テレマネジメント(ネットワークの制御センター20、データコレクタ22、又はノード23を表すことができる。n+1番目のエンティティ42及びn+2番目のエンティティ43は、例えば通信ネットワークのさらなるノード20、22、23を表すことができる。
本実施形態によれば、以下、n番目のエンティティ41(例えば制御センター20)のNCとも呼ばれるノード構成アプリケーションコンポーネント411_2が、通信ネットワークの1組のノード42、43を相手に一時的な伝送抑制セッション44を開始する。この一時的な伝送抑制セッションは、それぞれのエンティティ41、42、43の構成を行うためのアプリケーション411_2、421_2、431_2用の優先期間を定める対話型構成セッションなどのさらなる適切なセッションの範囲内で行われてもよく、即ち対話型構成セッションの間、エンティティ41、42、43の構成は、エンティティ41、42、43内の他のプロセスよりも高い優先順位で行われる。一時的な伝送抑制セッション44の間、利用者は一連のタイムクリティカルな構成コマンドをノード42、43へ送ることができる。この点に関して、n番目のエンティティ41のNC411_2が、一時的な伝送抑制セッション44を開始するために以下ATCとも呼ばれる自らのローカルアプリケーショントラフィックコントローラ412に要求を送信し(S401)、本実施形態によれば、ノード報告はノード41、42、43から遅延にクリティカルではないデータとみなされるので、その間、ノード報告アプリケーション411_1、421_1、431_1によって操作されるノード報告は抑制されるものとする。従って本実施形態によれば、その伝送が中断される第1の種類のデータは、ノード報告411_1、421_1、431_1のより遅延にクリティカルでないデータを指し、その伝送が現時点で行われる第2のデータは、利用者によってエンティティ41(例えば制御センター20)に伝送され、タイムクリティカル又は遅延にクリティカルなデータとして解釈される構成コマンドを指す。
その後、n番目のエンティティ41のATC412が、要求の肯定的結果、つまり伝送抑制セッション44の認可を、n番目のエンティティ41の要求側NC411_2並びに図4の影響を受ける全てのエンティティ42、43のATC422、432に伝達する(S402)。本実施形態によれば、ステップS402で伝送される伝送抑制セッション認可メッセージは、伝送抑制セッション44がn番目のエンティティ41のATC412によってその間認可される、所定の期間tを含む。
次に、本実施形態によれば、全てのATC412、422、432が、報告を停止し又は中断するための対応するメッセージにより、報告の定期的伝送を抑制し又は中断するよう、自らのローカルエンティティNRコンポーネント411_1、421_1、431_1にそれぞれ指示する(S403_1、S403_2、S403_3)。所定の期間tの後、報告トラフィックの抑制又は中断のそれぞれが非アクティブになる。従って、n番目のエンティティ41のATC412は、伝送抑制セッション44の満了を指示する対応するメッセージにより、ローカルNCコンポーネント411_2が要求した伝送抑制セッション44の満了を自らのローカルNCコンポーネント411_2に知らせ(S404)、その(すぐ)後に、全てのATC412、422、432が、報告を再開するための対応するメッセージにより、自らのローカルNRコンポーネント411_1、421_1、431_1の報告トラフィックを再びアクティブにする(S405_1、S405_2、S405_3)。
乱されない伝送抑制セッション44を可能にするための報告データの一時的抑制は、一連の構成コマンドを手動で提出する直前に、利用者による明確な要求に基づき開始されても良い。それでも、報告データの一時的抑制を開始することに決めるのは制御センターソフトウェアの責任であり得る。この決定を下すために、制御センターソフトウェアは、例えば提出された構成コマンドの量及び性質並びにネットワーク内の現在の負荷分散を考慮することができる。従って、一般に、伝送抑制セッション44を開始するように適応される対応するエンティティ41、42、43は、通信ネットワーク内の現在の負荷(分散)を解析することにより、とりわけ、その伝送がそれぞれ中断又は抑制され得るデータの負荷、及びその伝送が中断又は抑制なしに現在実行されるべき、起こりそうで(probable)、接近した(approximated)、又は予期される(expected)データの負荷を解析することにより、一時的な伝送抑制セッション44の開始を決定する。
一般に、本実施形態によれば、その伝送が中断又は抑制なしに現在実行されるべき遅延にクリティカルなトラフィックは、例えば誤動作警告、対話型制御セッション、システムのコミッショニング、無線ソフトウェアアップデートなどの散発的事象に関連する。これらの事象はかなりの量の帯域幅を必要とし得るが、一般に(平均的な)通信ネットワークの稼働時間に比べ通常は短い時間だけである。しかしながら、本実施形態によれば、報告データトラフィックの枯渇を回避するために、遅延にクリティカルなトラフィックに起因する報告データトラフィックの抑制は、一定の限度までしか認めることができない。この上限は、例えば利用可能な伝送時間内に規定される、(平均)ネットワーク帯域幅のパーセンテージ(例えば20%以上又は20%以下)として規定されても良い。
ノード報告及び他のトラフィックによる通信ネットワークの平均負荷にもよるが、タイムクリティカルなトランザクション中に定期的報告を抑制する必要が多かれ少なかれあり得る。従って、報告トラフィックの一時的な抑制又は中断が全通信ネットワークに影響を及ぼす必要はない。この一時的な抑制又は中断は、様々な通信ネットワークの範囲又はエリアで行うことができる。この点に関して、少なくとも以下の3つのオプションが明らかにされ得る。
第1に、一時的な抑制又は中断はそれぞれ、通信ネットワークの全てのエンティティ20、22、23に関して適用され得る。ここでは、全通信ネットワークが、本実施形態の報告のような第1の種類の第1の種類のデータの伝送を一時的に停止し、タイムクリティカルトラフィックセッションを可能にする。
第2に、一時的な抑制又は中断はそれぞれ、エンティティ20、22、23の決定的サブセット(例えばエンティティ20、22、23の所定のサブセット)に関して適用され得る。ここでは、ネットワークの明確に識別可能な部分(例えば特定の物理的エリア内に位置する全てのエンティティ20、22、23)が、本実施形態の報告のような第1の種類の第1の種類のデータの伝送を一時的に停止し、タイムクリティカルトラフィックセッションを可能にする。
第3に、一時的な抑制又は中断はそれぞれ、エンティティ20、22、23のランダムサブセットに関して適用され得る。ここでは、ネットワークのランダム部分が報告の伝送を一時的に停止し、タイムクリティカルトラフィックセッションを可能にする。この部分は、第1の種類のデータ(本実施形態によれば報告)の伝送を停止し、中断し、又は抑制することに決めるエンティティ20、22、23のグループによって規定され得る。一実施形態によれば、このために、第1の種類のデータの伝送を抑制し又は中断するための確率Pが全てのエンティティ20、22、23に割り当てられてもよく、確率P(0≦P≦1)は、エンティティ20、22、23が、そのような伝送抑制期間中に1−Pの確率で第1の種類のデータを伝送することも意味する。このことは、平均してエンティティの部分Pが、第1の種類のデータの自らの伝送を中断し又は抑制する結果になる。
さらなる実施形態では、そのようなエンティティ20、22、23は、その確率が所定の確率閾値を上回るランダムサブセットについて選ばれ得る。従って、例えば、第1の種類のデータの伝送を抑制し又は中断することに関して例えばXパーセントより大きい確率Pを有する全てのエンティティが、一時的な伝送抑制セッション44を実行するために選ばれてもよく、Xは0より大きく100未満の値を有することを決定することができる。さらなる実施形態によれば、エンティティ20、22、23のランダムサブセットは、全ネットワークのエンティティ20、22、23のYパーセント、又は第1の種類のデータを伝送し且つ/又は第1の種類のデータを抑制するそのようなエンティティ20、22、23のYパーセントを選ぶことによって決定することができる。
図5は、本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。図5の本実施形態は、図4に示す実施形態に関し、本実施形態によれば、ステップS403_1、S403_2、S403_3、及びS405_1、S405_2、S405_3は実行されない。とりわけ、報告トラフィックの生成を停止し(S403_1、S403_2、S403_3)、再開する(S405_1、S405_2、S405_3)ために自らのローカルNRコンポーネント411_1、421_1、431_1と通信する代わりに、ATC412、422、432は、伝送抑制セッション44中の対応するステップS5_1、S5_2、S5_3内で報告データ(その伝送が中断され又は抑制される第1の種類のデータ)を直接フィルタにかけてバッファし、それにより一種のインテリジェントキューになることができる。この実施形態は、(ATC412、422、432を含む)他のアプリケーションコンポーネントを把握しないアプリケーションコンポーネント(ここではNRコンポーネント411_1、421_1、431_1)の実装を可能にする。しかしながら、この実施形態は、ATCによるアプリケーションコンポーネント間の相乗効果を依然として可能にする。
図6aは、本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。図6aの本実施形態は、図5に示す実施形態に関し、本実施形態によれば、ステップS5_1、S5_2、S5_3は、本実施形態のステップS6を実行することによって置換される。とりわけ、図4及び図5に関して上述した報告トラフィック(第1の種類のデータトラフィック)の抑制はアプリケーション層で常に生じる。これは、ATC412、422、423は、自らのローカルNRコンポーネント411_1、421_1、431_1のトラフィックしか調整することができないことを意味する。それにもかかわらず、本実施形態によれば、伝送抑制セッションを開始するエンティティ41のATC412は、さらなるエンティティ42、43のNRコンポーネント421_1、431_1からのトラフィック、即ち概して前記のエンティティ42、43の他のアプリケーションコンポーネントからのトラフィックも調整することができる。これを達成するために、メッシュネットワーキングでは、エンティティがネットワーク内の他のエンティティのメッセージを転送するという事実が用いられる。本実施形態によれば、ステップS6で、通信ネットワークの他のエンティティ20、22、23の代わりに、エンティティのネットワーキング層(例えば通信スタック)が、転送される必要がある全ての報告メッセージ(即ち第1の種類のデータ)をエンティティ41のATC412へ送る。このようにして、ATC412は、ステップS6で、受け取られる報告メッセージが転送されるべきかどうかの決定を下し、受け取られる報告メッセージの伝送/転送を抑制/中断する。このステップS6で、ATC412は、伝送抑制セッション44中に報告データ(その伝送が中断され又は抑制される第1の種類のデータ)を直接フィルタにかけてバッファし、それにより全てのNRコンポーネント411_1、421_1、431_1のための一種のインテリジェントキューになることができる。このようにして、全ての報告トラフィック(即ち第1の種類のデータ)を一時的にフィルタにかけて除去する一種のネットを構築するように、通信ネットワークの一部(例えばコレクタの周りの装置のリング)が設定され得る。本実施形態では、伝送抑制セッションが認可されたことを示すメッセージをATC412からさらなるATCに伝送するステップ(S420)は、どちらかと言えば任意選択的であり、さらなるアプリケーションコンポーネントのさらなるデータの伝送も伝送抑制セッション44中に行われる必要があり、ATC412が対応するさらなるデータを受け取らない場合に実行され得る。この場合、そのさらなるデータを得るために、ATC422、432においてステップS5_2、S5_3が実行される。伝送抑制セッション44の満了後、ATC422、432から、エンティティ42、43の対応するさらなるアプリケーションコンポーネントに動作再開メッセージが送られる。図6bに、ステップS6のサブステップが示されている。一時的な伝送抑制セッション44内で、ATC412は、ネットワーク又はネットワーク層のそれぞれからエンティティ41、42、43向けのデータを受け取り(S61)、そのデータを転送し又は伝送するか決定する(S62)。データが第2の種類のデータの場合、データは伝送される(S63)。データが第1の種類のデータの場合、一時的な伝送抑制セッション44が終わるまでデータの伝送が抑制され又は中断され、上記で概説したように、データはセッション44の間バッファされ得る。
図7は、本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。図7の本実施形態は本発明のあらゆる実施形態と組み合わせることができ、無線媒体をリスンするエンティティnの通信スタックを扱う本実施形態によれば、上述の一時的な伝送抑制セッション44の開始を要求するステップ(S401)、ATC412からNC411_2に認可を伝送するステップ(S402)、及び一時的な伝送抑制セッション44の満了を示すメッセージを伝送するステップ(S404)は必要ない。本実施形態によれば、そのようなエンティティ41のネットワーキング層は、エンティティ41のATC412へのインターフェイスを含み、それを使用することにより通信スタック7は2つのモードを示し、第1のモードでは一時的な伝送抑制セッション44が開始され、第2のモードでは一時的な伝送抑制セッション44は不要であり、よって終了され得る。本実施形態によれば、この2つのモードは、ビジーモード及び非ビジーモードと呼ばれる。エンティティ41の通信スタックによりビジーモード又は期間が検出される場合(S70)、例えばネットワーク層がタイムクリティカルなメッセージを転送するとき、そのビジーモード又は期間が、エンティティ41の通信スタック7からエンティティ41のATC412に(前記のインターフェイスを介して)信号で知らされる(S71)。これに応答して、ATC412が一時的な伝送抑制セッション44を開始し又は始める(S72)。ネットワーク層が例えば飽和トラフィックパターンを一切観測しない場合、非ビジーモード又は期間が通信スタック7からエンティティ41のATC412に(前記のインターフェイスを介して)信号で知らされる(S73)。これに応答して、ATC412が一時的な伝送抑制セッション44を終了し又はその終了を開始する(S74)。従って、本実施形態では、通信スタック7は、エンティティ41がどの程度ビジーか、及び/又は通信ネットワーク若しくは通信ネットワーク内のエンティティ41の環境がどの程度ビジーかを感知する(S70)ように適応され、前記の環境はエンティティ41の付近の(例えば所定の半径にある)エンティティを含む。このために、ステップS70で、通信スタック7はエンティティ41のトラフィック、通信ネットワークのトラフィック、及び/又は環境のトラフィックを観測することができる。ステップS70で通信スタック7は、例えばある期間内の通過パケット、データ、メッセージ、又は情報の数をそれぞれ解析することにより、エンティティ41、通信ネットワーク、及び/又は環境がどの程度ビジーなのかを推定することができる。この実施形態によれば、例えば、その数が所定の閾値を上回る場合、ビジーモードが検出され又は判定され、さもなければ非ビジーモードが検出され又は判定される。従って、通信スタック7は、エンティティ41、通信ネットワーク、又はエンティティ41の環境が高負荷状況を処理しなければならず、ビジーかどうかを判定する。感知結果に応じて(例えば高負荷−ビジー、低負荷又は平均負荷−非ビジー)、ビジーモード又は非ビジーモードが、通信スタック7によってATC412に指示される(S71、S73)。モードの検出S70は、継続的に、定期的に、又はさらなる適切な方法で実行され得る。
図8は、本発明の一実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するために利用されるステップを示す。とりわけ、図8のステップは本発明のあらゆる実施形態と組み合わせることができ、それらの実施形態では、例えば報告データのような第1の種類のデータの伝送を抑制し又は中断することが、例えばNR411_1、421_1、431_1などのアプリケーションコンポーネントによって実行される。とりわけ、本実施形態は、NR411_1、421_1、431_1などのアプリケーションコンポーネントが自らの報告を長期間伝達できず、重大な結果を有し得る構成に関して適用され得る。例えば、メモリ又は記憶域の不足が原因でデータが失われることがある。単純にするために、NRコンポーネント411_1、421_1、431_1は、そのアプリケーションとして所与の測定を追跡しなければならないと考え、本発明はこのアプリケーションだけに限定されることはない。これを行うために、NRコンポーネント411_1、421_1、431_1は、所与の頻度fで測定値をサンプリングする(S81)。情報又はデータの欠落を回避しながらメモリを安全にするために、頻度fは報告の権利に従って設定され得る。例えば、NRコンポーネント411_1、421_1、431_1が報告することを認められていない場合、そのNRコンポーネントは、より低い頻度fでサンプリングすることにより、より少ない情報を記憶する。従って、一時的な伝送抑制セッション44が開始されるとき(S82)、対応するATC412、422、432は、例えば頻度fが減らされるべきことを指示することができる。ここでは、対応するATC412、422、432が、例えば、頻度fが減らされるべき程度を指示することができる(S83)。その後NRコンポーネント411_1、421_1、431_1は、減らされた頻度fでデータをサンプリングする(S84)。一時的な伝送抑制セッション44の満了後、頻度fは前の(所定の)値にリセットされ得る(S85)。その後NRコンポーネント411_1、421_1、431_1は、前の(所定の)頻度fでデータをサンプリングする(S86)。或いは、頻度fを操作する代わりに、他の可能性も存在する。従って、例えばNRコンポーネント411_1、421_1、431_1は、データ圧縮モジュールを用いて報告データ(即ち第1の種類のデータ)を圧縮することができる。
本発明のあらゆる実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によれば、システム又は通信ネットワークは、ネットワークの2点間のタイムクリティカルな伝送、例えば、交通事故の道からデータコレクタへの警告メッセージを素早くルートするために通信経路を確保することができる。この場合、自らのローカルATC31_2から3n_2、412、422、432を介して通信ネットワーク(即ち通信ネットワークの他のエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_n)に「報告停止」メッセージを伝送するエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nは、最新式のリアクティブ型ルーティングプロトコルによってそのような高速経路を作成することができる。この経路は限られた期間tの間しか存在しない。このようにして、高速経路を使用することにより、一時的な報告抑制の影響を受けるエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nの数が、遅延にクリティカルなメッセージを伝送するために使用される高速経路に沿ったエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nに限られ、即ち、高速経路内に含まれるエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nだけが、対応する一時的な伝送抑制セッション44の実行に関与し、さらなる実施形態によれば、高速経路内に含まれるエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nの(所定の)範囲内にあるエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nもセッション44に関与し得る。高速経路内にないエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nは、報告(即ち、第1の種類のデータ)を伝送することを許される。一時的な高速経路によってブロックされることが原因でたとえメッセージが通常のコレクタに到達できなくても、高速経路内にないエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nは、報告(即ち、第1の種類のデータの伝送)を続けることができ、それらのATC31_2から3n_2、412、422、432は、(高速経路の存続時間に等しい)期間tの間、(例えばメッセージを通常のデータコレクタとは別のデータコレクタに伝送することにより)メッセージがネットワークにわたり異なるようにルートされるべきことをそのネットワーク層が知ることを可能にする。
図9a及び図9bに示す別の実施形態によれば、少なくとも所定数の近くのエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nが対応する要求を伝送した場合、一時的な伝送抑制セッション44が開始される。この実施形態は本発明のあらゆる実施形態と組み合わせることができ、ATC31_2から3n_2、412、422、432とNC31_12から3n_12、411_2、421_2、431_2との間の通信に使用されるステップS401、S402、S404、及び図7のステップは、本実施形態に従って開始する一時的な伝送抑制セッションによって置換される。図9aによれば、ATC9は、近くのエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nのリスト91を含む。ATC9が、一時的な伝送抑制セッション44を開始するための近くのエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nの要求を受け取ると(S91)、ATC9は、その近くのエンティティがリスト91内に含まれ列挙されているかどうか確認する(S92)。含まれている場合、ATC9は、前記の開始のための要求を伝送した近くのエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nの数が、所定の閾値Th以上かどうかを確認する(S93)。所定の閾値Th以上の場合、上記で概説したように、本発明による一時的な伝送抑制セッション44が開始される。従ってローカルATC9は、Thを超える近くのエンティティが要求するとき、且つそのときに限り、報告(即ち第1の種類のデータの伝送)の停止、抑制、又は中断を命令する。
本実施形態に関して、次の3つの例示的状況を想定されたい。第1に、警告が生じ、いくつかのエンティティが、報告を抑制するようにネットワークに要求する前にその警告を伝送することに決める、第2に、故障したエンティティが誤った警告をトリガし、報告を抑制するようにネットワークに要求する、第3に、攻撃者がエンティティを侵害し、一時的な伝送抑制セッションを開始するための「報告停止」メッセージを送り始める。明らかに第1の使用事例は使用可能にされ、認められるべきだが、後者の2つは認められるべきでない。リスト91がATC9内に保持される本実施形態により、ローカルATC9は、Th又はThを超える近くのエンティティが要求するとき、且つそのときに限り、一時的な伝送抑制セッションを開始する。
図9a及び図9bに視覚化した実施形態に基づく本発明のさらなる実施形態によれば、近隣リスト91内の各エントリは信頼水準Trにリンクされ得る。エンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nの信頼水準Trは、ATC9がそのエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nから一時的な伝送抑制セッション44を開始するための「報告停止」メッセージを受け取る度に更新され得る。メッセージが有効又は正当である(即ち、現状に関して通信ネットワーク内で実際に求められる要求に相当する)場合は信頼水準が高められ、さもなければ信頼水準は引き下げられる。信頼水準は公式:Trn,t+1=xS+(1−x)・Trn,tによって更新されてもよく、ただしTrはノードnの時点tにおける信頼水準であり、xはメモリ係数であり、最後の「報告停止」メッセージが正当又は有効であった場合Sは1である。さもなければSはゼロである。そのような設定では、ATC9は、投票するエンティティ20、22、23、41、42、43、3_1から3_nの合計信頼水準が所与の閾値を上回る場合に一時的な伝送抑制セッションを開始することに決める。
上記の説明に従い、エンティティからの遅延にクリティカルでないトラフィック(主に報告トラフィック)が、遅延にクリティカルなトラフィックに有利なように抑制される。しかし、トラフィックの種類に関係なく本発明を適用することも可能である。例えば、ネットワーク内の(ノード23又はコレクタノード22からの、又はそれらへの)全てのデータトラフィックの方向を調整するために、制御センター20がそのような実施形態を使用することができる。従って通信ネットワークは、エンティティへの通信期間をエンティティからの通信期間と交互にすることができる。このようにして、様々な位置から通信ネットワーク内に調整されずに供給されるデータトラフィックの衝突を防ぐことにより、通信ネットワークの拡張性がさらに高められる。
データトラフィックの一時的抑制には、全てのノード又は一部のノードに影響を及ぼす様々な程度があってもよく、トラフィックの種類間の不公平を防ぐために上限が設けられる。先に述べたように、本発明は任意のトラフィックの種類の(ノードへの/ノードからの)方向を調整するためにより広い範囲で使用されてもよく、そうすることは通信ネットワークのデータ配送性能を改善する。
従って、本発明によれば、通信ネットワーク内のアプリケーションデータトラフィックを改善するために、通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータトラフィックがネットワークの現状に照らして2つの種類に分けられる。第1の種類は、伝送を遅らせることによって伝送できるデータであり、第2の種類は、遅らせるべきでなく、現時点で伝送されるべきデータである。両方の種類のデータを伝送することが多量のデータトラフィックをもたらし得ることをネットワークの現在の(平均)負荷の解析が示す場合、一時的な伝送抑制セッションが通信ネットワークの少なくとも1つのエンティティに関して実行され得る。一時的な伝送抑制セッションでは、第2の種類のデータを伝送する間、第1の種類のデータの伝送が中断される。第2の種類のデータの伝送が完了した後、第1の種類のデータの伝送が再開される。
上記の実施形態は、様々な方法で組み合わせることができることが明らかである。上記のアプリケーションデータトラフィックの制御により、大規模通信ネットワーク内の高拡張性の方法が提供され、この方法は、とりわけ通信ネットワーク内のノード及びコレクタノードの効率的且つ効果的な自己回復を、及び自己構成を通信ネットワーク内で可能にする。さらに、通信ネットワークの性能が改善され、データ損失及び配送遅延が回避され、通信ネットワーク内の平衡負荷分散が確実にされる。

Claims (15)

  1. 通信ネットワークのエンティティにおいて前記通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するように構成されるアプリケーショントラフィック制御コンポーネントであって、
    前記通信ネットワークの前記少なくとも1つのアプリケーションの第1の種類のデータ及び第2の種類のデータの伝送が制御され、
    前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、一時的な伝送抑制セッションを開始し、前記一時的な伝送抑制セッションの間、前記第1の種類のデータである第1の種類のデータの伝送が中断され、前記第2の種類のデータである第2のデータが伝送される、
    アプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  2. 前記第1の種類のデータは、前記通信ネットワークの制御センターから前記通信ネットワークの少なくとも1つのノードに伝送されるデータに相当し、前記第2の種類のデータは、前記通信ネットワークの前記少なくとも1つのノードから前記制御センターに伝送されるデータに相当し、及び/又は
    前記第1の種類のデータは、その伝送の遅延が前記通信ネットワーク内で許容できるデータに相当し、前記第2の種類のデータは、その伝送の遅延が前記通信ネットワーク内でクリティカルなデータに相当する、
    請求項1に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  3. 前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、
    前記エンティティを構成するコンポーネントである前記エンティティの構成コンポーネントから、前記一時的な伝送抑制セッションのための要求を受け取り、及び/又は
    前記一時的な伝送抑制セッションが開始されたことを示す第1のモードのメッセージと、前記一時的な伝送抑制セッションの終了を示す第2のモードのメッセージとを通信スタックから受け取る、
    請求項1又は2に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  4. 前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、前記要求に対する応答を前記構成コンポーネントに伝送し、前記応答により、前記一時的な伝送抑制セッションが前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントによって認可される、請求項3に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  5. 前記エンティティの少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントが前記第1の種類のデータを伝送する場合、前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、前記少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントによる前記第1の種類のデータの伝送を中断するために、前記少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントに中断開始メッセージを伝送し、前記中断を終了するために、前記少なくとも1つの特定のアプリケーションコンポーネントに中断終了メッセージを伝送し、
    前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが前記第1の種類のデータを伝送するようになされる場合、前記一時的な伝送抑制セッションの前記開始後、前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、前記第1の種類のデータの伝送を中断し、及び/又は
    前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、前記通信ネットワークの少なくとも1つの第1のエンティティのデータを受け取り、前記受け取ったデータを前記通信ネットワーク内の少なくとも1つの第2のエンティティに伝送する場合であって、伝送されることになる前記受け取ったデータが前記第1の種類のデータを含む場合、前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、伝送されるべき前記受け取ったデータ内に含まれる前記第1の種類のデータの伝送を中断する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  6. 前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、前記通信ネットワークの前記少なくとも1つのさらなるエンティティにおいて前記中断を実行するための少なくとも1つの中断命令を、前記通信ネットワークの少なくとも1つのさらなるエンティティに、又は前記少なくとも1つのさらなるエンティティのアプリケーショントラフィック制御コンポーネントに伝送する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  7. 前記エンティティが前記通信ネットワークの高速経路内に含まれる場合、前記少なくとも1つのさらなるエンティティ、前記少なくとも1つの第1のエンティティ、及び前記少なくとも1つの第2のエンティティが前記高速経路内に含まれるエンティティであり、
    前記少なくとも1つのエンティティ、前記少なくとも1つの第1のエンティティ、及び前記少なくとも1つの第2のエンティティは、前記通信ネットワーク内に含まれる1組の全エンティティのうちのエンティティであり、
    前記少なくとも1つのエンティティ、前記少なくとも1つの第1のエンティティ、及び前記少なくとも1つの第2のエンティティは、前記通信ネットワーク内に含まれるエンティティの所定のサブセットのうちのエンティティであり、又は
    前記少なくとも1つのエンティティ、前記少なくとも1つの第1のエンティティ、及び前記少なくとも1つの第2のエンティティは、前記通信ネットワーク内に含まれるエンティティのランダムサブセットのうちのエンティティである、
    請求項5又は6に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  8. 前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントは、前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、前記エンティティのうちの所定の数以上のいくつかの近くのエンティティから一時的な伝送抑制セッション要求を受け取った場合に、前記一時的な伝送抑制セッションを開始する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  9. 前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、前記近くのエンティティの数が前記所定の数以上かどうかを判断するための前記近くのエンティティのリストを含む、
    請求項8に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  10. 前記リストの中でそれぞれの近くのエンティティに信頼水準が割り当てられ、前記アプリケーショントラフィックコンポーネントが、
    前記一時的な伝送抑制セッション要求が有効な場合に近くのエンティティの前記信頼水準を高め、
    前記一時的な伝送抑制セッション要求が無効な場合に近くのエンティティの前記信頼水準を下げ、
    いくつかの前記近くのエンティティの信頼水準の和が所定の閾値を上回る場合に前記一時的な伝送抑制セッションを開始する、
    請求項9に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  11. 前記アプリケーショントラフィック制御コンポーネントが、前記通信ネットワーク内の第1の種類のデータの現在の負荷、及び伝送される第2のデータの予期される負荷を解析することにより、前記一時的な伝送抑制セッションの開始を決定する、
    請求項1から10のいずれか一項に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネント。
  12. 通信ネットワークのエンティティにおいて前記通信ネットワークの少なくとも1つのアプリケーションのデータ通信を制御するための方法であって、
    前記通信ネットワークの前記少なくとも1つのアプリケーションの第1の種類のデータ及び第2の種類のデータの伝送が制御され、
    前記方法が、一時的な伝送抑制セッションを開始するステップを含み、前記一時的な伝送抑制セッションの間、前記第1の種類のデータである第1の種類のデータの伝送が中断され、前記第2の種類のデータである第2のデータが伝送される、
    方法。
  13. 請求項1から11のいずれか一項に記載のアプリケーショントラフィック制御コンポーネントを含む、通信ネットワークのエンティティ。
  14. 請求項13に記載の少なくとも1つのエンティティを含む、システム。
  15. 前記システムが屋外電灯システムである、請求項14に記載のシステム。
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