JP2014504818A - ビデオ符号化 - Google Patents

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Abstract

特にビデオ圧縮との関係で使用されるビデオ符号化のための方法および装置が開示される。多くの市販ビデオエンコーダは一定ビットレート符号化をサポートするが、一定品質符号化をサポートしない。本発明の態様はビデオ符号化のための方法および装置に関係し、方法は一定ビットレートエンコーダのビットレートを判定することを含み、ビデオのセグメントは判定されたビットレートで符号化されるファイルから選ぶことができ、品質がほぼ一定の出力ビットストリームが生成される。ビットストリームセグメントは、圧縮が容易いシーンの場合は低ビットレートビットストリームから選択されてよく、圧縮が困難なシーンの場合は高ビットレートビットストリームから選択されてよい。
【選択図】図11

Description

本発明はビデオ符号化に関する。より具体的に、本発明の態様はビデオ符号化のための方法および装置に関する。好適な実施形態はビデオ圧縮に、特に「準一定」知覚品質でビデオを符号化することに関する。
画像を符号化するときに生成されるビットの数は画像の内容に左右されるため、すなわち画像が以前に符号化された画像にどれくらい似ているか、どの程度のディテールを含んでいるかに、左右されるため、符号化ビデオは必然的に可変ビットレート(VBR)を有する。ビデオシーンには、少数のビットで一定の品質まで符号化できるものもあれば、同じ品質を達成するにあたって大幅に多くのビットを必要とするものもある。一定ビットレート(CBR)符号化を使用する場合は、ビットレート制約に適合するためビデオを時変品質(time varying quality)で符号化しなければならない。これは一定の品質を見ることを望むユーザにとって不十分である。また、ビデオ内容のジャンルに関わりなくビットレートを固定するため、ニュースやドラマのようなジャンルの内容は良好に符号化できても、動きの速いスポーツやミュージックビデオやコンサート等は満足に符号化できない。
ビデオシーケンスの全体的知覚品質は(通常)ビデオシーケンス全体の個々の小さいチャンクの品質の平均ではなく、ビデオシーケンス全体またはその部分で観察される最低品質に偏っている。(全てのシーンが一定の知覚品質レベル以上で符号化されるよう十分に高い一定ビットレートで符号化するのに対し)準一定品質(near-constant quality)で符号化することにより、一部のシーンを他のシーンより必要以上の品質で符号化してビットが浪費されることはなく、一定ビットレート符号化を使用する場合に比べて全体的な符号化ファイルのサイズを小さくすることができる。
ただし、一定知覚品質による符号化は市販のビデオ符号化プラットフォームにより幅広くサポートされておらず、市販のビデオ符号化プラットフォームは一定ビットレート符号化を通常サポートする。
国際特許出願第2009/112801号(「Nilsson」」は一定知覚品質による符号化方法を説明している。画像は可変パラメータによる符号化アルゴリズムを用いて符号化され、符号化の品質は変化する。この方法を詳しく要約する。まずは品質測定パラメータについて目標値が指定される。次に、符号化される各画像(または画像の部分)につき、他の画像とは無関係に、a)その画像領域の目標値、およびb)その画像領域の画像内容に依存するマスキング尺度Cに基づき、可変パラメータQPの値を推定する。次に、推定値を用いて画像が符号化される。マスキング効果に対する符号化品質の効果を考慮するためマスキング尺度は補償できる。
国際特許出願第2009/060178号(「Nilsson」)は、複数の符号化ビデオストリームからビデオチャンクを選択し、準一定知覚品質により単一のビデオストリームを生成する方法を説明している。生成された単一ビデオストリームは、指定クライアントビデオバッファサイズにより一定ビットレートで伝送できる。尚、この文書は、一定ビットレートで伝送するときにバッファ制約に適合するため符号化ビットストリームを選択することに関係している。
米国特許出願第2008/260042号(「Sharら」)は、シーケンスの内容に関わりなく所望の一定知覚品質を達成するため、マルチメディアシーケンスの知覚品質を制御する技法を説明している。具体的に、符号化装置は品質制御法を実施し、シーケンスセグメントをセグメントの内容に基づきコンテンツ「クラス」に対応付け、次にシーケンスセグメントの知覚品質基準を判定し、セグメントの符号化に使用される少なくとも1つの符号化パラメータを調整する。これによりシーケンスセグメントの知覚品質は所望の品質に収束する。
他の引用先行技術を簡潔に参照する。Dongdong Zhangら:「H.264/AVC高精細度ビデオ符号化のための2パスレート制御アルゴリズム(A Two-Pass Rate Control Algorithm for H.264/AVC High-Definition Video Coding)」(信号処理:画像通信、第24巻、第5号(2009年5月1日)、357−367ページ)は、H.264/AVC高精細度ビデオ符号化で一定品質符号化を達成することを目指す2パスレート制御アルゴリズムに関する。
米国特許第6,278,735号(「Mohsenian」)は、リアルタイムシングルパス可変ビットレート制御法およびエンコーダに関する。これはシングルパスにより符号化することに関係し、特に各フレームグループにつき目標ビット数を事前に判定することに関係する。
BT Vision等の現在利用可能な様々なインターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)サービスは、一定ビットレート符号化とネットワーク上での帯域幅予約を使用する。かかるサービスの将来のバージョンは、帯域幅予約を放棄することや一定ビットレート以外のビットレートで符号化する可能性を提供すること等、さらなる柔軟性を可能にすると見込まれる。準一定知覚品質による符号化の使用は、知覚品質目標を維持しながら符号化ファイルサイズを縮小することを可能にし、特にコンテンツ配信コストがバイトボリュームに左右される場合に、コンテンツ配信コストを低減できる。
本発明の第1の態様によると、ビデオ符号化の方法が提供され、方法は、
(a)1つ以上の初期一定ビットレートで符号化されたビデオシーケンスを取得することと、
(b)符号化されたビデオ信号を一時的部分に分割することと、
(c)複数の一時的部分の各々について、所定知覚品質要求を満たすよう一時的部分を符号化する一定ビットレートを判定するため、一時的部分を分析することと、
(d)判定された一定ビットレートの範囲を複数のサブレンジに区分することであって、各サブレンジには複数の異なるビットレートのいずれか1つの選択されたビットレートが対応付けられる、区分することと、
(e)一時的部分が、サブレンジに対応付けられたビットレートで符号化された場合に、所定知覚品質要求を満たすようにするため、サブレンジのいずれか1つのサブレンジに一時的部分を割り当てることと、
(f)シーケンスについて、割り当てられたサブレンジのビットレートで一時的部分が符号化されるにあたって要求されるデータ量を示す第1のビット数尺度と、一定知覚品質要求に合致するにあたって十分なビットレートで一時的部分が符号化されるにあたって要求されるデータ量を示す第2のビット数尺度とを、確立することと、
(g)第1のビット数尺度と第2のビット数尺度との差異レベルを示す差尺度を判定することと、
(h)少なくとも1つのサブレンジに異なるビットレートが対応付けられるようにするため、更新された1セットのビットレートを使用し一定ビットレートの範囲を少なくとも1回は再区分することであって、更新された1セットのビットレートにより、その後のステップ(e)、(f)、および(g)の遂行は差異の減少を示す差尺度の判定に帰結する、再区分することと、
(i)更新された1セットのビットレートからの異なるビットレートでそれぞれ符号化された一時的部分を備える出力ビデオシーケンスを作成することとを、備える。
ビデオシーケンスは初期一定ビットレートで予め符号化された状態で受信されてよく、あるいは受信され、その後符号化されてよく、これにより一定ビットレートで符号化されたビデオシーケンスを取得する。
好適な実施形態によると、取得されるビデオシーケンスは最初に、単一の所定初期一定ビットレートで符号化されてよい。例えばこれは最初に、特定のビデオサービスでコンテンツが符号化される際の最大レートで符号化されてよい。これは、初期一定ビットレート符号化が出力ビデオシーケンスの作成で最後に使用される一定ビットレート符号化の最も高い一定ビットレート符号化となるようにするため、行われてよい。
あるいは、取得されるビデオシーケンスは、またはその部分は、最初に、異なる初期一定ビットレートで符号化されてよい。取得されるビデオシーケンスの各部分は、例えば異なる特性を有するものとして識別されてよく(公知のビデオ分析法等を使用)、その後異なる初期一定ビットレートで符号化されてよく、各部分の初期ビットレートは識別されたそれぞれの特性に基づき判定される。「特性」は、ニュース、ドラマ、スポーツ、ミュージックビデオ、コンサート等、ビデオコンテンツの「ジャンル」に関係してよく、または「ジャンル」によって決定されてよく、または「ジャンル」を指示するよう選択されてよく、これにより、適切に選択された異なる初期符号化を使用しビデオシーケンス全体の異なる部分を別々に扱うことができる。
好適な実施形態によると、一定ビットレートの範囲を再区分するステップは、更新された1セットのビットレートが、初期一定ビットレートを含むように、または2つ以上が使われた可能性がある場合は、(1つ以上の)初期一定ビットレートの少なくとも1つの初期一定ビットレートを含むように、遂行されてよい。出力ビデオシーケンスの作成には初期符号化を使用できるため、全体的な処理の効率が良くなる。かかる実施形態において、一定ビットレートの範囲を再区分することは、対応付けられた特定の1つの初期一定ビットレートより大きいビットレートを有するサブレンジの最適数を識別するステップを備えてよく、最適数のサブレンジは、対応付けられた前記少なくとも1つの初期一定ビットレートより低いビットレートを有する。
望ましくは、符号化に使用される一定ビットレート数は2〜10であり、望ましくは約4である。
特定の実施形態によると、一定ビットレートの範囲を再区分することは、一定ビットレートの範囲を当初使用された数とは異なる数のサブレンジに区分することを含んでよく、各サブレンジには複数の異なるビットレートの選択されたいずれか1つのビットレートが対応付けられる。これは、例えば選択される最初の数(例えば4)により、終了基準が満たされないと判断される場合に、あるいは終了基準が速やかに満たされないと判断される場合に、行われてよい。さらなる反復により終了基準が(より速やかに)満たされるようにするため、手順を継続するときには、より高いサブレンジ数(例えば6または8)が使用されてよい。
特定の実施形態によると、符号化に使用される一定ビットレートは所定の最大ビットレートによって制限されてよい。これは、前記最大ビットレートに要求される配信ビットレートを制約しながら、コンテンツの任意の点でスタートしてコンテンツを配信できるようにする理由のため(しばしばランダムアクセスと呼ばれる)、または別の理由のため、行われてよい。
本発明の他の態様は、第1の態様の方法を遂行する装置およびコンピュータプログラムと、保持手段とに、望ましくはかかるプログラムを保持する磁気または光ディスク(例えばハードドライブまたはCD ROMまたはDVD等)、またはソリッドステートメモリ装置等の有形保持手段とに、関する。
第1の態様との関係で上述した様々な選択肢および好適な実施形態は、他の態様にも適用できる。
本書の「要約」に記載されているように、ここでは特にビデオ圧縮との関係で使用されるビデオ符号化のための方法および装置が開示される。多くの市販ビデオエンコーダは一定ビットレート符号化をサポートするが、通常は一定品質符号化をサポートしない。本発明の態様はビデオ符号化のための方法および装置に関係し、方法は一定ビットレートエンコーダのビットレートを判定することを含み、ビデオのセグメントは判定されたビットレートで符号化されるファイルから選ぶことができ、不必要に多量のビデオを不必要に高いビットレートで符号化することなく、品質がほぼ一定の出力ビットストリームが生成される。ビットストリームセグメントは、圧縮が容易いシーンの場合は低ビットレートビットストリームから選択されてよく、圧縮が困難なシーンの場合は高ビットレートビットストリームから選択されてよい。
上述した国際公開第2009/060178号を再び参照する。これは、一定ビットレートで伝送するときにバッファ制約に適合するため符号化ビットストリームを選択することに関係しており、本発明の好適な実施形態は、一定ビットレート符号化を実行する際のビットレートを選択することに関係している。
図1は、ビデオコーダのブロック図である。 図2は、パラメータの導出を示すグラフである。 図3は、パラメータの導出を示すグラフである。 図4は、パラメータの導出を示すグラフである。 図5は、パラメータの導出を示すグラフである。 図6は、パラメータの導出を示すグラフである。 図7は、パラメータの導出を示すグラフである。 図8は、パラメータの導出を示すグラフである。 図9は、パラメータの導出を示すグラフである。 図10は、パラメータの導出を示すグラフである。 図11は、本発明の好適な実施形態に従い方法を遂行するときの図1等のコーダの動作を説明するフローチャートである。
図1〜11を参照し、好適な実施形態によるビデオ符号化のための方法および装置を説明する。まずは、いくつかの関係コンセプトを手短に述べる。
先に説明したように、画像を符号化するときに生成されるビットの数は画像の内容に左右されるため、すなわち画像が以前に符号化された画像にどれくらい似ているか、どの程度のディテールを含んでいるかに、左右されるため、符号化ビデオは必然的に可変ビットレートを有する。ビデオシーンには、少数のビットで一定の品質まで符号化できるものもあれば、同じ品質を達成するにあたって大幅に多くのビットを必要とするものもある。
ビデオシーケンスの全体的知覚品質はビデオの小さいチャンクの品質の平均ではなく、観察される最低品質に偏っている。準一定品質で符号化することにより、一部のシーンを他のシーンより必要以上の品質で符号化してビットが浪費されることはなく、一定ビットレート符号化を使用する場合に比べて全体的な符号化ファイルのサイズを小さくすることができる。
先に指摘したように、発明者らは、一定知覚品質による符号化が市販のビデオ符号化プラットフォームにより幅広くサポートされていないことを認識している。市販のビデオ符号化プラットフォームは一定ビットレート符号化を通常サポートする。本発明の好適な実施形態は、いくつかの一定ビットレート値でコンテンツを符号化することと、符号化の統計を分析することと、一定ビットレートで符号化されたビデオストリームからビデオチャンクを選択することによって準一定品質ビデオストリームを作成することとに、関係する。特にこれは、符号化数の制約に基づき一定ビットレート符号化で使用するビットレートを選択することに関係する。これにより、各ビデオチャンクは目標品質レベル以上で符号化され、最終的な準一定品質符号化ファイルのサイズは低減される。
図1を参照し、図示された装置は、ビデオ入力2で圧縮されていないデジタル符号化ビデオ信号を受信するビデオインターフェイス1を備える。プロセッサ3はディスクストレージ4に蓄積されたプログラムの制御下で作動し、メモリ5と、ビデオ出力7を供給するビデオ出力バッファ6とに、アクセスする。メモリ5は画像パラメータを一時的に蓄積するメモリ領域51を含む。プログラムは、汎用オペレーティングシステム40と、後述する1つ以上の符号化方法を実施するビデオ符号化ソフトウェアとを、含む。このソフトウェアは数個のプログラム(またはプログラムのグループ)を備える。具体的には次の通りである。
−制御ソフトウェア41
−圧縮ソフトウェア42:この例の圧縮ソフトウェアはITU H.264規格に適合する符号化アルゴリズムを実施する。
−知覚品質評価ソフトウェア43
図2は、「良好」品質である4.0に等しい一定品質でビデオシーケンスを符号化した結果を示す。この例では、参照により本願に援用される先に参照した国際公開第2009/112801号で説明されている一定知覚品質符号化法を用いて符号化が行われるが、これが一定知覚品質で符号化する多数の技法の1つに過ぎないことは理解されよう。この例ではその後、参照により本願に援用される国際特許出願第2007/066066号(「Davis」)で説明されている基準を用いてビデオの品質が測定されるが、言うまでもなく他のビデオ品質測定法も使用できることは理解されよう。
国際公開第2007/066066号を簡潔に要約すると、これは特に、ビデオ信号が、複数のフレームを表す「当初の形態」と、可変量子化器ステップサイズを使用し適当な圧縮アルゴリズムによりビデオ信号が符号化された「符号化された形態」と、符号化されたビデオ信号が少なくとも部分的には当初の形態へ戻された「復号化された形態」とを、有する場合に使用されるビデオ品質測定法に、関する。符号化された信号は量子化器ステップサイズパラメータを含む。国際公開第2007/066066号の技法は、a)量子化器ステップサイズパラメータの関数である第1の品質尺度を生成することと、b)復号化された形態のビデオ信号によって表されるフレームの空間的複雑度の関数である第2の品質尺度を生成することと、c)第1および第2の尺度を組み合わせることとを、備える。
図2に戻り、ビデオシーケンスが符号化され(例えば国際公開第2009/112801号に記載された技法等を使用)、品質基準が決定されたら(例えば国際公開第2007/066066号に記載された技法等を使用)、(この例で)「イントラ」符号化フレーム(「Iフレーム」)で始まる24のフレームである画像の各グループを符号化するのに使われたビットの数が判定される。その後、ビット数は最低から最高までソートされ、図2に示す累積度数曲線を生成する。このグラフは一定品質「累積度数」プロットを表示し、x軸は(単純に「度数」を表すのではなく)0−100%の尺度で「累積度数」を表しているが、x軸はビデオのチャンクを構成する画像グループのビデオコンテンツの「可変性」を示すものとして考えることができ、「可変性」は、空間的変化の量、クロミナンスの変化、および/またはチャンクの間に起こる輝度の変化を、表す。したがってこれは、圧縮が容易い簡素な静止画(範囲の0%端、またはその付近)から、圧縮が困難で急速な動きやクロミナンスおよび/または輝度の大きな変化を含む極めて複雑なシーン(範囲の100%端、またはその付近)にまで、およぶ。
画像グループにより要求されるビットレートが900Kビット/sを中央値とし153Kビット/sから4551Kビット/sまで変化していることが分かる。
言うまでもなく、この曲線は、一定品質符号化動作モードで作動するエンコーダによって生成されたビットストリームの分析により生成されたものである。先に指摘したように、これらは業界で広く実施されておらず、一定ビットレート符号化が広く展開されている。そこで我々は、同じビデオコンテンツ(またはこれの部分)を異なる一定ビットレートで符号化することによって生成されたビットストリームからデータチャンクを組み合わせることにより、準一定品質符号化ビットストリームを生成することを目指す。完全に一定の品質を得るには、ビデオコンテンツにあるデータチャンクと同数の一定ビットレートレベルでビデオコンテンツを符号化する必要がある。まったく同じ品質を達成するには、各チャンクに異なるビットレートが必要となる。一般的に、これは実際的でない。代わりに我々は、一定ビットレートレベルの数を適度に低い数に制限する。これは少なくとも2であり、この例では4である。以降の説明では、最終的な符号化準一定品質ビデオファイルでデータ量を低減させながら、目標一定品質レベル以上の品質レベルでビデオチャンクを表すため、一定ビットレートレベルの値をどのように判断するかの問題を解決する方法を説明する。
これより、一定ビットレートレベルを判断する1つのアルゴリズムを説明する。
まずは、使用する一定ビットレートレベルの数を選択する。上述したように、この数はこの例で4である。この数は、非常に高い処理要求をシステムに課すことなく、また不必要に複雑度を増すことなく、適度の柔軟性を提供することから、便宜上選ばれたものである。(レベル数は理論上は2でもよいが、望ましくは2より大きい)。次に、図2の累積プロットを水平軸に沿ってこの数のセクションに分割し、所望の目標品質を達成するため各セクションで必要とされる最高ビットレートを特定する。既にデータは増加するビットレート要求の順にソートされているため、特定される一定ビットレートレベルは、この累積度数曲線上で各セクションの右端のビットレートの値(縦軸)である。このようにして選択された一定ビットレートレベルと、所望の目標品質を達成するためそれらが適用されるビデオのチャンクを、図3に示す。(この図から、選択された初期一定ビットレートレベルが595Kビット/s、900Kビット/s、1553Kビット/s、および4551Kビット/sであることが分かる。これらの値は、実際には後ほど表示し説明する表1から取ったものである。)
特定のビデオチャンクで一定ビットレート符号化に使用されるビットレートは一定品質符号化に要求されるビットレートであり、2曲線間の垂直距離は一定品質符号化に要求される追加ビットレートを表す。尚、この追加ビットレートによりビデオチャンクは目標品質より高い品質で符号化されるため、追加ビットレートは「浪費」されると考えることができる。また、そのような品質向上は不要とみなされる。そこで、2曲線間の領域(「連続」曲線の上、「階段状点線」曲線の下)は、一定ビットレート符号化を使用するときの合計「浪費」ビットレートを表すものと考える。
この浪費を最小限に抑えるには、2曲線間の領域を最小限に抑える必要がある。
これを試みるため、まずは曲線間の総面積を測定し(この例では4つの独立した領域を合計する)、次にこの総面積を一定ビットレートレベル数(この例では4)で割って領域部分(area fraction)を得る。次に、高ビットレート端からスタートし、それぞれの一定ビットレートレベルに対応付けられた領域が領域部分以上になるまで、ビデオチャンクを(タッギング等により)一定ビットレートレベルに割り当てる。こうして判定される最初の一定ビットレートレベルは、ビデオシーケンスに見られるチャンクに要求される最高ビットレートに等しくなくてはならない(この例では4551Kビット/s)。後続の一定ビットレートレベルは、一定ビットレートレベルにまだ対応付られていないチャンクの最高ビットレートとして判定される。一般的に、最低一定ビットレートレベルに対応付けられた領域(図3では0−25%範囲にある曲線間の領域)は領域部分に満たない。我々は実際のところ、(1回の反復で)それぞれの一定ビットレートレベルに対応付けられた領域を均等化していない。そこで我々は、それぞれの一定ビットレートレベルに対応付けられた領域が所定の「終了基準」を満たすまで反復する。これが満たされると、領域は所定の許容範囲内で等しい。
曲線間の領域を最小にするため一定ビットレートレベルを見つける問題について解決策を見つけるアルゴリズムはほかにもある。他の実施形態ではそのような別のアルゴリズムを使用してよい。
図4はこのアルゴリズムの1反復の結果を示し、図5はこのアルゴリズムの2反復の結果を示す。これらのグラフから、4つの領域の合計(「浪費」ビットレートを表す)が反復のたびに減少していることが分かる。
下の表1は、初期設定と上記アルゴリズムの4反復後で一定ビットレートレベル(Kビット/s単位)と、各レベルの面積および総面積(いずれもMバイト単位)と、初期設定に対する節約率とを示している。
Figure 2014504818
言うまでもなく、使用できる反復終了基準は多数ある。好適な基準では、1回の反復により合計面積が増加した後に停止し、総面積の減少率が1%等の所定閾値未満で増加するときに停止する。あるいは、領域1が他の領域の所定公差内になるときに、例えばこれが他の領域の5%以内になるときに、終了することもできる。
この例では4反復後に終了し、一定ビットレート符号化としてレート799Kビット/s、1457Kビット/s、2454Kビット/s、および4551Kビット/sを選択する。
一定ビットレート符号化
上記の例では、まず一定品質符号化の統計を用いて一定品質符号化に要求されるビットレートの累積度数曲線を割り出し、次に浪費ビットレートを最小限に抑えながら準一定品質符号化を達成するため使用される一定ビットレートレベルを計算した。
ただし実際には、例えば一定品質で符号化するよう構成されたエンコーダを使用する別のプロセスによって一定品質符号化が達成されない場合に、準一定品質符号化を達成するため一定ビットレート符号化を遂行したい。
上記を考慮し、一定品質で符号化する必要性を回避する好適な実施形態によるプロセスをこれより説明する。
まずは、所定の一定ビットレートレベルにより符号化する。これは、符号化されるビデオコンテンツごとに同じビットレートであってよい。あるいは符号化されるビデオコンテンツごとに異なってよい。例えばこれはコンテンツのジャンルによって決定される。選択されるビットレートは、特定のビデオサービスでコンテンツが符号化される最大レートであってもよい。
この例では2Mビット/sで符号化する。次に符号化されたビデオで各画像グループの品質を分析し、ほぼ一定となることが期待されるビットレートを判定する。また、各符号化フレームに対し、各画像グループの平均品質を計算し(この例では、例えば国際公開第2007/066066号に規定された基準を適用することによって判定)、画像グループにわたって値を平均化する。また、画像グループを符号化するため使用される平均量子化パラメータと、画像グループの空間的複雑度の尺度となる画像グループの平均コントラストを、記録する。これらはいずれも、国際公開第2007/066066号の技法を使用し基準を計算する場合に必要となるパラメータである。
目標品質を選択する。全てのコンテンツはこれ以上で符号化したい。この例では「良好」品質に相当する値4.0を選択する。次に、一定ビットレート符号化の計算済みパラメータを使用し、目標品質で画像グループを符号化するのに要求されたビットレートを推定する。これは次の通りに行う。
国際公開第2009/112801号が説明する技法では、国際公開第2007/066066号等に記載された技法を使用し判定された品質基準に対する二次近似を特定することにより、さらに平均量子化パラメータの二次方程式を解くことにより、平均コントラストが既知の場合に一定の目標品質を達成するのに要求される平均量子化パラメータを判定できる。そのような技法をこれらの実施形態で使用し要求される平均量子化パラメータを判定することもできるが、本発明の実施形態がそのような技法を使用する実施形態に限定されないことは理解されよう。言うまでもなく別の技法を使用することもできる。
国際公開第2007/066066号の品質基準に対する二次近似は次の通りであり、Qは平均量子化パラメータであり、Cは平均コントラストである。
これは、平均コントラストを所与とし目標品質を達成するにあたって必要とされる平均量子化指数の解答を与える二次方程式を解く周知の方法により、解くことができる。
Figure 2014504818
次に、この量子化パラメータ値により符号化するため必要とされたビットレートの推定値を計算する。H.264で符号化する場合にビットレートが次式に従い量子化パラメータにともない変化することは周知である。別のビデオ符号化規格で符号化する場合は別の式が適用され、それらの式も周知である。
Figure 2014504818
パラメータKはコンテンツの種類により変化し、またある程度は品質により変化し、通常は4.0〜5.0の範囲にある。この例ではK=4.4と設定する。
一定品質でシーケンス内の各画像グループを符号化するのに要求されるビット数は一定ビット符号化から推定できる。次に、最初のケースのように画像グループを一定品質で符号化するのに要求される推定ビット数の順に画像グループを最低から最高までソートし、累積度数分布をプロットする。
図6は、最初の一定品質符号化の累積度数分布と、一定ビットレート符号化の分析から導き出された推定累積度数分布とを示す。
推定一定品質累積度数が実際の曲線に非常に近く、一定ビットレートによる符号化での一定ビットレートレベルの選択に適していることが分かる。
尚、修正量子化指数により符号化される場合に画像グループに必要とされるビットレートを推定する上記のプロセスは、多くの画像グループの結果がまとめて検討される場合にしばしば不正確な結果を与えるが、全体的な結果は改善される。
前に説明したように、推定一定品質累積度数曲線は一定ビットレート符号化レベルを計算するために使用できる。これが前に説明した通りに行われる場合、一定品質累積度数曲線を推定する目的でコンテンツが符号化されたときのビットレートは、選択されたレートのいずれか1つにならないことが見込まれる。これは場合によっては許容されるが、一定ビットレート符号化レベルの1つとしてこれを利用することが望まれる場合もある。
この場合、手順は次の通りに修正できる。
まずは、使用する一定ビットレートレベルの数を選択する。この例でもこれは4である。次に、最初の一定ビットレート符号化でビットレートが使用されたところで累積プロットを2つのセクションに分割する。
これを図7に示す。ここでは、最初の一定ビットレート符号化で使用されたビットレート2Mビット/sより下の曲線部分が実線で表示されており、最初の一定ビットレート符号化で使用されたビットレートより上の曲線部分は点線で表示されている。
次に、曲線全体について前に説明した通りに2つの曲線部分を処理する。各線分の最適一定ビットレート符号化レベル数は分かっておらず、分かっているのは合計のみだから、追加の反復が必要となる。したがって、各線分につき可能性のある全一定ビットレート符号化レベル数にわたって反復する。この例では、第1の線分で3レベル、第2の線分で1レベル、次に各線分で2レベル、最後に第1の線分で1レベル、第2の線分で3レベルを試みる。最低総面積を与えた解法を選ぶ。
別の応用シナリオでは、最大ビットレートに要求される配信ビットレートを制約しながら、コンテンツの任意の点でスタートしてコンテンツを配信できるようにする理由等のため(しばしばランダムアクセスと呼ばれる)、一定ビットレート符号化レベルとして使用される最大ビットレートを制限したい。
そのような場合は、この最大ビットレートで最初の符号化を実行することが実際的である。このビットレートで目標品質より低い品質で符号化される画像グループは、最終的な「準一定」品質符号化ファイルでこの低い品質で符号化される。他の画像グループは目標品質以上で符号化される。
この場合、この最初の符号化で目標品質より低い品質で符号化される画像グループに要求されるビットレートは推定する必要がない。それらの画像グループを符号化するため使用されるのはこのビットレートである。したがって、最初の符号化で使用されたビットレートで一定品質累積度数曲線を終了できる。この場合は前記の図からの実線曲線となる。さらに、前に説明したようにこれを処理して一定ビットレート符号化レベルを見つけることができる。あるいは、一定品質累積度数曲線で最初の符号化に使用されたビットレートのところでビットレートをクリップ(clip)し、図8に示すように全画像グループにわたって曲線を継続させ、前に説明したようにこれを処理して一定ビットレート符号化レベルを見つけることができる。
これより、最初の一定ビットレート符号化で使用されたビットレートの上下のビットレートで一定ビットレート符号化レベルを選択する例を説明する。
上述したように3つのケースを検討する:1)第1の線分で3つの一定ビットレートレベル、第2の線分で1つの一定ビットレートレベル、2)各線分で2つの一定ビットレートレベル、3)第1の線分で1つの一定ビットレートレベル、第2の線分で3つの一定ビットレートレベル。
図9は3つのケースの一定ビットレートレベルの初期設定を示す。ここで、各線分の水平範囲は等しいパーセンタイルに分割されており、除数は線分の一定ビットレートレベル数である。
図10は、3つの各ケースで反復プロセスが終了した後に選択された一定ビットレートレベルを示す。
下の表は、3つの各ケースで反復後に選択されたビットレートと領域を示す。どのケースでも最高ビットレートは常に画像グループの最大推定ビットレートであり、推定累積度数曲線の下線分で使用される最高ビットレートは常に当初の符号化ビットレートである。
Figure 2014504818
Figure 2014504818
Figure 2014504818
ケース2は最低総面積に収束するため、最良の解法は当初の符号化レートの上に2つの一定ビットレートレベル、その下に2つの一定ビットレートレベルを有することであり、後者のいずれか一方は当初の符号化レートとなる。
また実際には、ケースが増加する番号順に検討された場合ケース3で反復する必要はなかった。なぜなら、推定累積度数曲線の下線分に対応する領域は反復が適用される前でもケース2の総面積より大きく、ケース3で下線分について変化はないためケース3はケース2より良くならない。
図11は、好適な実施形態による方法を遂行する図1に示すようなコーダの動作を説明するフローチャートである。図11を参照し、符号化されるビデオシーケンスは、例えば図1の装置のビデオインターフェイス1の入力2で受信される(ステップ100)。シーケンスは、デジタル符号化ビデオフレームのストリームとして、またはファイルとして、受信されてよい。シーケンスは最初、適当な一定ビットレート(CBR)符号化レートを使って符号化される(ステップ105)。符号化されたシーケンスはビデオチャンクに分割される。目標知覚品質レベルを満たすため符号化に使われる一定ビットレートを判定するため(ステップ115)、それぞれのチャンクは分析される(ステップ110)。この時点で、判定されたビット数をソートすることにより、図2に示すようなグラフを描くことができる(ステップ120)。また、判定された一定ビットレートの範囲を、初期(反復前)一定ビットレートによって境された4つの(または任意に選ばれる数の)サブレンジに区分することにより、図3に示すようなグラフを描くことができる(ステップ125)。これは、プロットをそのx軸に沿って4つの等しいセクションに区分することにより、または他の様々な方法により、果たすことができる。
先に説明したように、図3のx軸沿いの任意の点で表されるビデオチャンクについて、一定品質曲線の上、階段状点線の下の垂直距離は「浪費」される追加ビットレートを表す。これによりビデオチャンクは不必要に高い品質で符号化される(目標品質より上、ただし品質向上により感知できるほどの全体的知覚品質はもたらされないと考えられる)。図3、4、および5を再び参照し、プロセスの次の段階では、選択された一定ビットレートサブレンジ数(この場合は4)以上に曲線を区分せず、「浪費」される追加ビットレートの合計量を減らすため反復を遂行する。
一定品質累積度数曲線は通常は不規則的に伸ばされたS字形曲線となるため、通常は初期設定(x軸沿いに等間隔を置く区分)によりグラフの右端の領域部分は他の領域部分より大幅に大きくなる。この最大領域部分を縮小するよう区分を再配置することにより、他の領域部分は増加することが見込まれるが、最大領域部分の減少を大幅に下回る。総面積(領域部分の合計)は反復のたびに減らされる。
図11のステップ130〜150はこの方法を表している。ステップ130では総面積(区分は図3の初期設定の位置)が計算される。ステップ135ではこの総面積が選択された数(この場合は4)で割られ、ステップ140では区分が再配置され、(以前は大きかった)右側の領域の面積は以前の総面積の僅か4分の1になる。ステップ145では総面積が再計算される(図4に示す再配置された区分)。ステップ150では、先に説明したような所定の終了条件が満たされるか否かを判断する。満たされない場合は、ステップ135、140、および145を繰り返すことによってさらなる反復が遂行され、その後ステップ150で結果を終了条件に照らして再度チェックする。終了条件が満たされる場合、プロセスは次の段階へ継続できる。
一定ビットレートビデオビットストリームからの準一定品質ビデオビットストリームの作成
図11のステップ100〜150を具体的に参照し、ビデオを符号化する一定ビットレートレベルを選択する方法を説明した。これにより各ビットストリームからチャンクを選択し、全てのチャンクが目標品質以上で符号化されるビデオビットストリームを作成し、作成されたビデオビットストリームのサイズは最小限に抑えることができる。
一定ビットレートレベルを選択したら、選択されたレベルの一定ビットレートでビデオコンテンツ(シーケンス全体、またはその部分)が符号化される(ステップ155)。その後、上述したように各画像グループにつき品質基準を判定するため、一定ビットレートで符号化されたビデオビットストリームが分析される(ステップ160)。その後、ビデオコンテンツ内の各画像グループにつき、目標品質以上で符号化された最低ビットレートビデオビットストリームからビットを選択することにより、あるいは符号化で目標品質が達成されなかった場合は最高ビットレートビデオビットストリームからビットを選択することにより、新しいビデオビットストリームを作成する(ステップ165)。
図11の最終ステップ(ステップ165)のプロセスは、説明のため以下に記すフローチャートステップで遂行できる。これはステップ200で始まる。
200 選択された一定ビットレートレベルL(r=1...R)で符号化されたソースビデオコンテンツはチャンクg(g=1...G)に分割される。通常、画像グループはイントラ符号化画像で始まる。符号化されたビデオストリームの各チャンクにつき、知覚品質Qrgが判定される。
210 目標品質Qは出力準一定品質符号化ビットストリームファイルの目標品質に設定される。
220 チャンクインデックスg=1を設定する。
230 ビットレートインデックスr=0を設定する。
240 r=r+1を設定する。
250 (Qrg≦Q)且つ(r<R)である場合、ステップ240へ進む。
260 チャンクgについて出力ビットストリームファイルのビットレートインデックスを設定する、Fg=r。
270 g=g+1を設定する。g≦Gである場合ステップ230へ進み、そうでなければ終了する。
異なるビットレート(先に説明したように選ばれたもの)を各々有する、複数の一定ビットレートビデオビットストリームから取られたビデオコンテンツの一時的部分(「チャンク」)を使用し最終的な準一定品質ビデオビットストリームを作成する最後のプロセスを、上記のフローチャートステップに従って遂行できること、または他の様々な方法で遂行できることは、言うまでもなく明らかであろう。

Claims (12)

  1. ビデオ符号化の方法であって、
    (a)1つ以上の初期一定ビットレートで符号化されたビデオシーケンスを取得することと、
    (b)前記符号化されたビデオシーケンスを複数の一時的部分に分割することと、
    (c)前記複数の一時的部分の各々について、所定知覚品質要求を満たすよう前記一時的部分を符号化する一定ビットレートを判定するため、前記複数の一時的部分を分析することと、
    (d)判定された複数の一定ビットレートの範囲を複数のサブレンジに区分することと、各サブレンジには複数の異なるビットレートのいずれか1つの選択されたビットレートが対応付けられる、
    (e)前記複数の一時的部分が、前記サブレンジに対応付けられた前記ビットレートで符号化された場合に、前記所定知覚品質要求を満たすようにするため、前記複数のサブレンジのいずれか1つのサブレンジに前記複数の一時的部分を割り当てることと、
    (f)前記シーケンスについて、割り当てられた前記複数のサブレンジの前記複数のビットレートで前記複数の一時的部分が符号化されるにあたって要求されるデータ量を示す第1のビット数尺度と、一定知覚品質要求に合致するにあたって十分な複数のビットレートで前記複数の一時的部分が符号化されるにあたって要求されるデータ量を示す第2のビット数尺度とを、確立することと、
    (g)前記第1のビット数尺度と前記第2のビット数尺度との差異レベルを示す差尺度を判定することと、
    (h)少なくとも1つのサブレンジに異なるビットレートが対応付けられるようにするため、更新された1セットのビットレートを使用し複数の一定ビットレートの範囲を少なくとも1回は再区分することと、前記更新された1セットのビットレートにより、その後のステップ(e)、(f)、および(g)の遂行は前記差異の減少を示す差尺度の判定に帰結する、
    (i)前記更新された1セットのビットレートからの複数の異なるビットレートでそれぞれ符号化された複数の一時的部分を備える出力ビデオシーケンスを作成することとを、備える、方法。
  2. 取得される前記ビデオシーケンスは最初に、所定初期一定ビットレートで符号化される、請求項1に記載の方法。
  3. 取得される前記ビデオシーケンスは最初に、特定のビデオサービスでコンテンツが符号化される際の最大レートで符号化される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ビデオシーケンスの複数の部分は複数の異なる特性を有するものとして識別され、複数の異なる初期一定ビットレートで符号化され、複数の部分の前記複数の初期ビットレートは識別された前記複数の特性に基づき判定される、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 複数の一定ビットレートの範囲を再区分する前記ステップは、前記更新された1セットのビットレートが前記1つ以上の初期一定ビットレートの少なくとも1つの初期一定ビットレートを含むように、遂行される、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 複数の一定ビットレートの範囲を再区分することは、対応付けられた前記少なくとも1つの初期一定ビットレートより大きい複数のビットレートを有する複数のサブレンジの最適数を識別するステップを備え、最適数のサブレンジは、対応付けられた前記少なくとも1つの初期一定ビットレートより低い複数のビットレートを有する、請求項5に記載の方法。
  7. 符号化に使用される一定ビットレート数は2〜10であり、望ましくは4である、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
  8. 複数の一定ビットレートの範囲を再区分することは、複数の一定ビットレートの範囲を異なる数のサブレンジに区分することを含んでよく、各サブレンジには複数の異なるビットレートの選択されたいずれか1つのビットレートが対応付けられる、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
  9. 符号化に使用される前記複数の一定ビットレートは所定最大ビットレートによって制限される、請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれかによる方法を遂行する装置。
  11. 請求項1乃至9のいずれかによる方法をデジタルプロセッサに遂行させる複数のプロセッサ実施可能命令。
  12. 請求項11の前記複数のプロセッサ実施可能命令を保持する保持手段。
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