JP2014503731A - 圧縮するためのマイクロシステム、および圧力差を変位に変換するためのマイクロシステム - Google Patents

圧縮するためのマイクロシステム、および圧力差を変位に変換するためのマイクロシステム Download PDF

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Abstract

流体内の圧力差を機械的変位に変換するマイクロシステムであって、少なくとも1つの補強部材(70〜73)を備え、補強部材(70〜73)の一方の側は、少なくとも1つの平面に固着され、他方の側は、可動部分(12、14)の遠位部分(16、17)に固着、または摺接し、可動部分(12、14)の変位の長手方向と直角な横方向への可動部分(12、14)の変形を抑止している。
【選択図】図4

Description

本発明は、流体を圧縮するためのマイクロシステム、および流体内の圧力差を機械的変位に変換するためのマイクロシステムに関する。
マイクロシステムの例は、MEMS(微小電気機械システム)である。このようなマイクロシステムは、その製造方法において、巨視的機械システムとは異なっている。このようなマイクロシステムは、マイクロ電子チップの製造時におけるバッチ製造方法と同じバッチ製造方法により製造される。例えば、マイクロシステムは、フォトリソグラフィ、およびエッチング(例えば、DRIE(深堀り反応性イオンエッチング))によって加工され、および/または、金属材料のエピタキシャル成長および堆積によって構成された、単結晶シリコンまたはガラスのスライスから製造される。
これらの製造方法を実施した場合には、マイクロシステムは、小さく、少なくとも1つの寸法が、マイクロメートル程度の大きさを有する加工部、または加工部の一部を有している。マイクロメートルの寸法は、一般的に、200μm未満であり、例えば、1〜200μmである。
例えば、ONERAは、流体の流れを機械的変位に変換するマイクロタービンを開発している。同じ機能を実行する別のマイクロシステムが、例えば、特許文献1、2に開示されている。
これらの文献に開示されているマイクロシステムは、圧力差を機械的変位に変換することができる。しかしながら、これらのマイクロシステムは、いくつかの欠点を有している。
これらのマイクロシステムのいくつかは、回転可能に取り付けられた部材(一般的に、回転子と呼ばれる)を必要とする。回転子は、別の不動部分(一般的に、固定子と呼ばれる)に対して、相対的に回転する。この回転子は、例えば、マイクロタービンである。回転子のこの回転運動は、摩擦損失を引き起こす。この摩擦損失は、相当に大であり、マイクロシステムのエネルギー効率を低下させる可能性がある。エネルギー効率は、生成される機械エネルギーと、流体流量または圧力差の形でマイクロシステムに供給されるエネルギーとの比を意味している。
また、回転部分を備えるマイクロシステムの製造方法は、複雑であり、その製造のためには、多くの場合、多数の半導体ウェハの積層を必要とする。
最後に、公知のマイクロシステムは、流体の流量が高い場合だけに、良いエネルギー効率を発揮することができる。反対に、低いか、または非常に低い流体流量に対しては、効率は低下する。
従来技術として、特許文献3〜8を挙げることができる。
国際特許出願第WO03056691号明細書 国際特許出願第WO2006/095039号明細書 米国特許第US5932940A号明細書 米国特許第US6368065B1号明細書 米国特許第US2004126254A1号明細書 米国特許第US2006/057004A1号明細書 国際特許出願第WO9641080A1号明細書 米国特許第US2006/010871A1号明細書 国際特許出願第WO2007082894号明細書 フランス国特許第FR2897486号明細書
これらの欠点を改善するために、本出願人は、膨張弁の原理に従って、流体内の圧力差を機械的変位に変換するマイクロシステム、または流体を圧縮するマイクロシステムを開発した。このマイクロシステムは、次に示すものを備えている。
− 流体の入力ノズル、および流体の出力ノズル。
− 少なくとも2つの部分であって、その中の少なくとも1つは可動であり、前記部分を互いに相対的に変位させることにより、これら2つの部分の間を流体が流れ、入力ノズルから出力ノズルへ通過し、これら2つの部分は、例えば、渦巻き状、または円形状に形成され、一方が他方の間に入るインターリーブ構造とされ、これにより、前記部分が変位する間に、前記部分は、入力ノズルから遠ざかって、出力ノズルに到達する可変体積の流体の、少なくとも1つのポケットを画定している、少なくとも2つの部分。
− 互いの間に前記部分が挿入され、該部分の間に流れている流体を含んでいる、頂面および底面。
− 頂面および底面のそれぞれに対して相対的に変位可能に取り付けられている可動部分であって、
・流体が沿って流れる、張り出した形状の遠位部分であって、可動部分の形状に合致した形状の一部分を形成している遠位部分と、
・連結部を介して底面または頂面と機械的に連結し、これにより、長手方向における並進変位だけが可能となる近位部分とを備えている可動部分と、
− 少なくとも1つの補強部材であって、一方の側は、前記面の少なくとも1つに固着され、他方の側は、可動部分の遠位部分に固着または摺接し、これにより、長手方向に直角な横方向における、可動部分の変形を抑制するようになっている、少なくとも一つの補強部材。
更に具体的には、本発明の主題は、圧力差を機械的変位に変換するマイクロシステムである。このマイクロシステムは、次のものを備えている。
− 圧縮流体の入力ノズル、および膨張流体の出力ノズルと、
− 少なくとも2つの部分であって、その中の少なくとも1つは可動であり、前記部分を互いに相対的に変位させることにより、該2つの部分の間を流体が流れ、入力ノズルから出力ノズルへ通過し、該2つの部分は、同じ形状をしており、一方が他方の間に入るインターリーブ構造とされ、これにより、前記部分が変位する間に、前記部分は、入力ノズルから遠ざかって出力ノズルに、体積が増加しながら到達する流体の、少なくとも1つのポケットを画定している、少なくとも2つの部分と、
− 頂面および底面であって、これらの面の間に前記部分が挿入され、該部分の間に流れている流体を含んでいる、頂面および底面と、
− 頂面および底面のそれぞれに対して相対的に変位可能に取り付けられているそれぞれの可動部分であって、
・流体が沿って流れる、張り出した形状の遠位部分であって、可動部分の形状に合致した形状の一部分を形成している遠位部分と、
・近位部分であって、連結部を介して底面または頂面と機械的に連結し、これにより、長手方向における並進変位だけが可能となる近位部分とを備えているそれぞれの可動部分と、
− 少なくとも1つの補強部材であって、一方の側は、前記面の少なくとも1つに固着され、他方の側は、可動部分の遠位部分に固着または摺接され、これにより、長手方向に直角な横方向における、可動部分の変形を抑制するようになっている、少なくとも1つの補強部材。
この変換マイクロシステムの実施形態は、次に示す特徴を備えることができる。
・マイクロシステムは、可動部分の変位によって生成される機械エネルギーを、別のエネルギーに変換するようになっている少なくとも1つのトランスデューサを備えている。
また、本発明の主題は、流体を圧縮するマイクロシステムである。このマイクロシステムは、次に示すものを備えている。
− 膨張流体の入力ノズル、および圧縮流体の出力ノズルと、
− 少なくとも2つの部分であって、その中の少なくとも1つは可動であり、前記部分を互いに相対的に変位させることにより、これらの部分の間を流体が流れ、入力ノズルから出力ノズルへ通過し、これら2つの部分は、同じ形状をしており、片方が他方の間に入るインターリーブ構造とされ、これにより、前記部分が変位する間に、前記部分は、入力ノズルから遠ざかって、出力ノズルに、体積が減少しながら到達する流体の、少なくとも1つのポケットを画定している、少なくとも2つの部分と、
− 頂面および底面であって、これらの面の間に前記部分が挿入され、これらの部分の間に流れている流体を含んでいる、頂面および底面と、
− 頂面および底面のそれぞれに対して相対的に変位可能に取り付けられている可動部分であって、
・流体が沿って流れる、張り出した形状を有し、可動部分の形状と合致した形状の部分を形成している遠位部分と、
・連結部を介して、底面または頂面と機械的に連結し、これにより、長手方向における並進変位だけが可能となる近位部分とを備えているそれぞれの可動部分と、
− これらの可動部分を変位させるようになっている少なくとも1つの作動装置と、
− 一方の側面は、前記面の少なくとも1つに固着され、他方の側面は、可動部分の遠位部分に固着または摺接され、これにより、長手方向と直角な横方向における、可動部分の変形を抑制する、少なくとも1つの補強部材。
この圧縮マイクロシステムの実施形態は、次に示す特徴を備えることができる。
・マイクロシステムの外部エネルギーを機械エネルギーに変換するようになっている少なくとも1つのトランスデューサを備え、これにより、可動部分の変位が可能となるようにしている。
このマイクロシステムは、非常に低い流体流量に対しても、良好なエネルギー効率を示す。
更に、可動部分は、流体のポケットを画定し、そのポケットは、入力ノズルから移動して変位して行くので、入力ノズルに対する逆止弁を設ける必要はない。
また、可動部分は、初期には出力ノズルから離れている流体のポケットを画定するので、出力ノズルにおいても、逆止弁を設ける必要はない。
各可動部分は、底面および頂面に対して相対的に変位可能なように取り付けられているため、片方が他方の間に入るインターリーブ構造の、2つの可動部分を同時に製造することができる。従って、2つの可動部分を別々に製造した後に、一方を他方の中に嵌め込むという作業の必要はなくなる。
最後に、補強部材により、これら遠位部分の間を流れる流体によって加えられる圧力の影響で生ずる遠位部分の変形を抑制することができる。その理由は、マイクロシステムにおいては、遠位部分の厚さは薄いからである。この薄い厚さは、1mm未満であり、典型的には、0.5mm未満、または250μm未満である。遠位部分のこの薄い厚さのために、遠位部分は、流れている流体によって加えられる圧力の影響で、大きく変形する可能性がある。横方向への変形が過大であれば、遠位部分の中の1つは、他の遠位部分と機械的に接触し、それにより、他の遠位部分の変位を阻止する可能性がある。補強部材は、この横方向への変形を抑制し、従って、高圧の場合におけるマイクロシステムの機能停止を防止することができる。
このマイクロシステムの実施形態では、次に示す特徴の1つ以上を備えることができる。
・可動部分の遠位部分は、ハウジングを有し、ハウジングの内部に補強部材が収容される。
・補強部材は、主として横方向に延びている少なくとも1つの可撓性ブレードを備え、可撓性ブレードの近位端部は、頂面または底面の少なくとも一方に、自由度がない状態で固着され、遠位端部は、可動部分の遠位部分に自由度がない状態で固着されている。
・補強部材は、少なくとも2つの可撓性ブレードを備え、これらの可撓性ブレードは、長手方向に平行な軸に関して対称であり、横方向に平行な軸の同じ側に傾斜し、可動部分の変位時に、引きモードだけで動作する。
・補強部材は、少なくとも1つのガイドを備え、このガイドは、頂面または底面の少なくとも一方に、自由度がない状態で固着され、この固着された面に対して直角に延び、遠位部分は、横方向に対して直角な平坦な表面を有し、ガイドに摺接している。
・前記2つの部分は、それぞれ、同一直線上にない長手方向に、頂面および底面に対して相対的に変位することができる。
・このマイクロシステムは、2つの可動部分の間に挿入された機械的移相器を備え、これら2つの可動部分の往復変位の間に位相シフトを導入することができる。
・このマイクロシステムは、2つの可動部分の間における少なくとも1つの連結部と、1つの制御ユニットとを備えている。連結部は、該部分を使用して、共振周波数で共振するシステムを形成し、制御ユニットは、プログラムによって、各可動部分の変位を制御し、各可動部分の往復運動の周波数を、共振周波数に固定している。
・この連結部はばねであり、ばねの各端部は、可動部分の1つに機械的に接続されている。
このマイクロシステムの実施形態はまた、次に示す利点を有している。
− 補強部材を可動部分の内部に収容することにより、マイクロシステムの大きさを抑えることができる。
− 可撓性ブレードを使用して補強部材を形成することにより、マイクロシステムの製造を容易にすることができる。その理由は、これらのブレードは、可動部分と同時に製造することができるからである。
− 互いに対称な2つの可撓性ブレードを使用することにより、遠位部分のガイドを改善することができ、これらの可撓性ブレードを有利に引きモードで動作させることにより、座屈の可能性を回避することができる。
− 機械的移相器を使用することにより、電気機械トランスデューサの制御だけで位相シフトを得ると考えた場合に比べて、マイクロシステムのエネルギー消費を抑制することができる。
− 共振周波数で動作させることにより、エネルギー消費を低減することができる。
単に非限定的な例として示す以下の説明を読み、添付の図面を参照することにより、本発明をより明確に理解することができると思う。
流体内の圧力差を機械的変位に変換するマイクロシステムを示す図である。 図1に示すマイクロシステムの可動部分の変位を時間の関数として示すグラフである。 図1に示すマイクロシステムの動作を示す図である。 図1に示すマイクロシステムの1つの可能な実施形態を示す図である。 図4に示すマイクロシステムの可動部分の1つだけを示す図である。 図1に示すマイクロシステムを製造する方法のフローチャートである。 図1に示すマイクロシステムを製造する方法の異なるステップにおける断面図である。 図1に示すマイクロシステムを製造する方法の異なるステップにおける断面図である。 図1に示すマイクロシステムを製造する方法の異なるステップにおける断面図である。 図1に示すマイクロシステムを組み込んだ圧力差センサを示す図である 図10に示すセンサを組み込んだホイールの一部破断斜視図である。 図11に示すホイールにおける弁の断面図である。 図1に示すマイクロシステムを使用したマイクロモータを組み込んだ燃料電池を示す断面図である。 図1に示すマイクロシステムと同様の圧縮マイクロシステムを組み込んだ電子チップの断面図である。 図4に示すマイクロシステムの補強部材の、異なる実施形態を示す図である。 図4に示すマイクロシステムの補強部材の、異なる実施形態を示す図である。 図4に示すマイクロシステムの補強部材の、異なる実施形態を示す図である。 図4に示すマイクロシステムの補強部材の、異なる実施形態を示す図である。 図4に示すマイクロシステムの補強部材の、異なる実施形態を示す図である。 図4に示すマイクロシステムの補強部材の、異なる実施形態を示す図である。 図4に示すマイクロシステムの補強部材の、異なる実施形態を示す図である。 マイクロシステムの可動部分に対する別の可能な実施形態を示す図である。
これらの図において、同一の要素には、同一の符号を付してある。
本明細書の以下の説明において、当業者に公知の特徴および機能に関しては、詳細な説明は行わない。
図1は、流体の圧力差を機械的変位に変換するマイクロシステム2を示す。この流体は圧縮性流体である。流体は例えば気体である。
マイクロシステム2は、流体的に閉じたチャンバ4を備え、この流体的に閉じたチャンバ4は、入力ノズル6を介して圧縮流体に接続され、出力ノズル8を介して、膨張流体に流体接続されている。チャンバ4は気密封止され、このチャンバ内の膨張流体が、ノズル8以外の出口を通して外に漏れるのを防いでいる。
チャンバ4の内部では、ノズル6は、渦巻き体を用いた膨張弁10に流体接続されている。渦巻き体を用いた膨張弁はまた、スクロール膨張弁としても公知である。
膨張弁10は、互いに相対的に可動な2つの部分12および14を備えている。可動部分12および14は、同一形状をしており、かみ合っており、ノズル6を通して受け入れた流体の影響で、可動部分12および14が変位する間に、体積を増加させながら、ノズル6から離れてノズル8に向かって移動する流体の、少なくとも1つのポケットを画定している。例えば、各可動部分12、14は、張り出した形状の遠位部分(それぞれ、16、17)、および近位部分(それぞれ、20、21)を備えている。
遠位部分16、17は、渦巻き状に形成されており、一方が他方の間に入るインターリーブ構造とされている。各渦巻きは、少なくとも1回の巻き数、あるいは複数の巻き数を備え、流体の複数のポケットを画定している。複数のポケットは、ノズル6からノズル8へ、同時に変位して行く。この実施形態においては、各渦巻きの巻き数は、3以上である。この例では、近位部分は、矩形のビームを形成している。
可動部分12、14は、水平の底面22と頂面96(図9)との間に収容されている。これらの面は、図1に示す直交するX方向とY方向に平行に延びている。これらの頂面と底面は、可動部分12、14の間のポケット内部に流体を保持している。この例では、可動部分12、14のそれぞれは、これらの底面および頂面のそれぞれに相対的に変位する。この目的のために、可動部分12、14は、底面と頂面に同時に面接触している。従って、底面、および頂面、および可動部分12、14の間には、間隙が存在している。この間隙は、十分に狭く、間隙を通しての流体の漏れを抑えている。典型的に、この間隙は、10μm未満であり、1μm未満、または0.1μm未満であることが望ましい。
各近位部分20、21は、アーティキュレーションまたは機械連結部(それぞれ、24および25)を介して、同一の底面22に直接機械的に接続されている。ここでは、「アーティキュレーション」という用語は、しっかりと取り付けられた2つの部分が、互いに相対的に移動する一定の能力を保持することができる機械的な連結部であることを意味している。従って、ピボット連結部は、必要ではない。これに対して、本実施形態では、連結部24および25によって、近位部分20、21は、それぞれ、X方向およびY方向への並進変位だけが可能になる。
連結部24および25は、弾性を有し、外部応力のない状態では、対応する遠位部分を、休止位置に自動的に戻すことができることが望ましい。
連結部24は、同じ摺動軸27を共有する2つの摺動連結部26Aおよび26Bを備えている。軸27は、X方向と平行である。
摺動連結部26Aおよび26Bは、同一のものである。従って、連結部26Aだけについて、更に詳細に説明する。
この例では、摺動連結部26Aは、軸27に関して対称に配置された2つの可撓性ブレード28Aおよび28Bによって形成されている。更に、これらは、本質的に軸27に対して直角に延びている。可撓性ブレード28Aおよび28Bのそれぞれの遠位端部は、近位部分20に自由度がない状態で固着されている。これらの可撓性ブレードの近位端部29Aと29Bとは、平面22の上に自由のない状態で固着されている。これらの近位端部29Aおよび29Bは、アンカーポイントを形成している。
軸27に沿っての近位部分20の変位は、可撓性ブレード28Aおよび28Bの弾性変形によって可能になる。この目的のために、Y方向への可撓性ブレード29A、29Bの剛性Kは、X方向へのこれらの可撓性ブレードの剛性Kと比較して、少なくとも10倍、更には1000倍より大きいことが望ましい。
軸27に沿っての近位部分20の変位を妨げないように、この近位部分の慣性モーメントは、典型的に、各可撓性ブレード28A、28Bの慣性モーメントの、少なくとも1000倍である。例えば、これは、X方向への可撓性ブレード28A、28Bの厚さeが、Y方向への近位部分20の厚さeppの、1/10以下であるように選定することにより得られる。例えば、厚さeppは、500μmより厚いのに対し、厚さeは、50μm以下であり、更には、20μm以下であることが望ましい。近位部分20の長さは、典型的には、500μmより長く、更には1mmより長いことが望ましい。
摺動連結部26Aと26Bとの組み合わせは、「二重平行四辺形」として公知の形状を形成している。
軸27に沿っての近位部分20の変位の長さは、20〜100μmである。この例では、40μm程度である。
例えば、連結部24および25は、連結部25の摺動連結部の摺動軸がY方向に平行であることを除いて、両者は同一である。従って、ここでは、連結部25の詳細な説明は行わない。
各可動部分12、14はまた、それぞれの電気機械トランスデューサ30、31に機械的に接続されている。各電気機械トランスデューサは、可動部分の機械的な運動を電気エネルギーに変換するようになっている。
これらの電気機械トランスデューサ30、31のそれぞれは、その出力のところで、電気エネルギー蓄積装置34に接続されている。例えば、電気エネルギー蓄積装置34はキャパシタである。
この例では、トランスデューサ30および31は、電気エネルギーに変換される機械エネルギーの量を設定するように制御されることができる電気機械トランスデューサである。従って、これらはまた、制御可能な制動装置の機能を果たす。
これらのトランスデューサ30および31は、制御ユニット36によって制御される。制御ユニット36は、それぞれ、トランスデューサ30および31によって生成される電力を表す物理量のセンサ38および39に接続されている。センサ38および39は、生成される電力の位相を測定することもできる。
機械的移相器40は、可動部分12および14の近位部分20と21との間に機械的に接続されている。この移相器40の機能は、可動部分12および14の振動(往復)運動の間に、π/2ラジアンの位相シフトを生成するのを機械的に支援することである。この例では、この移相器40は、近位部分20、21に機械的に接続されたばね41によって形成されている。例えば、このばね41は、ばねブレードである。このばね41は、2つの可動部分12および14と共に、共振周波数を生成する共振系を形成している。可動部分12、14の振動運動の間の位相シフトがπ/2ラジアンであるときに、共振が得られる。この共振周波数のところで、マイクロシステム2のエネルギー効率が最大となる。
制御ユニット36は、共振周波数で動作させるべく、トランスデューサ30および31を制御するようなっている。例えば、センサ38および39によって測定された情報に基づいて、制御ユニット36は、可動部分12、14の振動運動の間の位相シフトを算出し、この位相シフトを値π/2に固定する。
動作時におけるマイクロシステム2によって消費されるエネルギーを制限するために、制御ユニット36は、トランスデューサ30および31によって生成される電気エネルギーから給電される。この目的のために、例えば、制御ユニット36は、電気エネルギー蓄積装置34に電気的に接続されている。
図2は、それぞれ、可動部分12、14の、X方向とY方向における変位の時間的変化を示す。更に具体的には、曲線44および46は、それぞれ、可動部分の14および12の変位を表している。これらの変位は、正弦波であり、互いに相対的にπ/2ラジアンだけ位相シフトしている。
図2においては、各可動部分は、定常動作では、2つの極限位置の間で振動または往復運動を行うように描かれている、これらの極限位置は、可動部分12に対しては、XmaxおよびXminであり、可動部分14に対しては、YmaxおよびYminである。
可動部分12、14の変位は、体積を増加させながら、ノズル6からノズル8へ円周方向に変位する流体の複数のポケットを画定している。更に具体的には、流体の各ポケットは、ノズル6の周囲を回転しながら、また同時にノズル6から離れるように変位して行く。
図3は、ノズル6からノズル8へ変位して行く流体のポケット50を詳細に示している。
初期(状態I)には、ポケット50は、ノズル6と流体連通している。従って、このポケット50は、圧縮流体で充填されている。その後(状態II)、可動部分12および14は、互いに相対的に変位し、このポケット50をノズル6から流体分離する。
次に、連続する状態(状態IIIから状態VI)が示すように、ポケット50は、ノズル6の周囲に渦巻きを描くことにより、ノズル6からノズル8へ変位して行く。更に具体的には、可動部分12および14が、それぞれ、1回の往復運動を完了した後には、ポケット50は、状態Iに示されているポケット50の位置から、状態Iに示されている位置52に移動する。従って、ノズル6の周りに完全な1回の回転が実行される。
この例では、渦巻き形状をした遠位部分16、17は、ノズル6の周囲に複数回巻かれているので、可動部分12および14の振動の次のサイクルの間に、ポケット50は、ノズル6の周りに新たに完全な周回を行う。しかし、ノズル6から少し遠くに移動するだけである。更に具体的には、ポケット50は、新たな完全な周回の後に、位置54(状態I)を占有する。最終的に、ポケット50は、その最後の周回で、位置56(状態I)を占有する。位置56では、ポケットはノズル8と流体連通し、これにより、膨張した流体は解放される。
この例では、可動部分12および14は、少なくとも2つ(少なくとも6つであることが望ましい)のポケットを、同時に画定するように形成されており、これらのポケットは、体積を増加させながら、ノズル6からノズル8に同時に変位して行く。図3に示す特定の場合には、可動部分12および14は、流体の6つのポケットを画定するように形成されており、これらのポケットは、ノズル6からノズル8へ同時に変位する。
従って、流体が膨張弁10の中で膨張したときには、この膨張によるエネルギーは、可動部分12および14の機械的変位に変換される。図1に示す特定の場合には、この機械的変位は、トランスデューサ30および31によって、電気エネルギーに変換される。
図4は、マイクロシステム2の典型的な実施形態を示す。この例では、移相器40は省略され、またエネルギー蓄積装置34、制御ユニット36、およびセンサ38、39は、示していない。図を理解し易くするために、可動部分12、14は、異なる方向に網掛けされている。
この実施形態においては、トランスデューサ30、31は、可変容量キャパシタの形で実現されており、可動部分12、14の変位によって生成された機械エネルギーを、電気エネルギーに変換する。可変容量キャパシタを使用して機械エネルギーを電気エネルギーに変換する方法は、公知である。例えば、特許文献9、10の中で使用されている。従って、この変換機構に関しては、詳細な説明は行わない。
例えば、トランスデューサ30および31は、異なる場所に配置されているが、同一のものである。従って、トランスデューサ30だけについて、詳細に説明することにする。この例では、トランスデューサ30は、インターディジタルコム(Interdigital comb)を使用して製造されたキャパシタを備えている。更に具体的には、このキャパシタの一方の電極板66は、自由度がない状態で近位部分20に固着されている。このキャパシタの他方の電極板68は、自由度がない状態で面22に固着されている。従って、近位部分20が変位すると、この変位は、キャパシタの容量を変化させ、この変化を利用して、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する。キャパシタの電極板の少なくとも1つはエレクトレットを備えていることが望ましい。実際の動作では、これにより、トランスデューサ30は、外部の電気エネルギー源から電気エネルギーを事前に供給されることなく、電気エネルギーの生成を開始することができる。
マイクロシステム2はまた、各遠位部分16、17の変位をその長手方向に導くための補強部材を備えている。可動部分12、14の長手方向は、それぞれ、X方向とY方向とに対応している。更に具体的には、これらの補強部材のそれぞれは、この遠位部分の並進における自由度を抑止することなく、長手方向に直交した方向における遠位部分の変形を制限する。実際、遠位部分の厚さが薄いので、遠位部分16、17は、遠位部分16と17との間に流れる流体によって加えられる圧力の影響で、変形する可能性がある。更に具体的には、ここで説明している場合では、遠位部分16と17との間の流体の圧力は、渦巻きの巻きを解く方向に作用する。この圧力が非常に大きい場合には、遠位部分のこの変形によって、可動部分12および14が機械的にブロックされる結果になることがある。このようなブロッキングは、遠位部分16および17が、この変形の影響で互いに機械的に接触したときに発生する。
この例では、マイクロシステム2は、4つの補強部材70〜73を備えている。補強部材70、72、および71、73は、それぞれ、遠位部分16および17の横方向の変形を抑制する。
更に具体的には、補強部材70は、Y方向と反対方向における、遠位部分16の変形を抑制し、補強部材部材72は、Y方向におけるこの変形を抑制する。
この実施形態においては、補強部材70および72は、開口部6の両側に配置されている。
補強部材70および72の構造は同一であり、従って、ここでは、補強部材70の構造だけについて、詳細に説明する。
補強部材70は、可撓性ブレード74(図中で太線で示されている)を使用して生成される。可撓性ブレード74の近位端部75は、自由度がない状態で底面22に直接に固着されている。近位端部75の反対にある遠位端部76は、自由度がない状態で遠位部分16に固着されている。
ブレード74は、本質的にY方向に延びている。このブレード74は、本質的に、弾性変形可能である。「弾性変形可能」という表現は、ここでは、このブレード74は、マイクロシステム2の正規な動作では、いずれの塑性変形を被らないということを意味している。この目的のために、Y方向への可撓性ブレード74の剛性Kは、X方向への可撓性ブレードの剛性Kの、少なくとも10倍であり、更には、少なくとも1000倍であることが望ましい。剛性Kは、X方向における可撓性ブレード74の厚さと、この可撓性ブレード74を製造するために使用された材料のヤング率とに比例する。例えば、この場合には、X方向における可撓性ブレード74の厚さは、100μm未満であり、更に、50μm未満、または25μm未満であることが望ましい。この例では、可撓性ブレード74の厚さは、20μmである。可撓性ブレード74を製造するために使用された材料のヤング率は、10GPa、または50GPaより大きいことが望ましい。使用される材料は、典型的にはシリコンであるが、他の材料にも明らかに好適なものがありうる。
可撓性ブレード74のY方向における長さは、その厚さの、数10倍、更には、数100倍であることが望ましい。例えば、可撓性ブレード74の長さは、200μm、または300μmよりも長い。
更に、可撓性ブレード74の慣性モーメントは、可動部分12の並進変位を妨げないようにするために、可動部分12の慣性モーメントの1/100であり、更には、1/1000より小さいことが望ましい。可撓性ブレード74の慣性モーメントと可動部分12の慣性モーメントとの間の、上記した差異もまた、可撓性ブレード74の厚さを、遠位部分16の平均厚さの1/10より小さい値に選定することによって得られる。遠位部分16の厚さは、渦巻きの中心に対して半径方向に測定される。この中心は、この例では、開口部分6の中心と一致している。
この実施形態では、可撓性ブレード74は、遠位部分16の厚さの範囲内にくり抜かれたハウジング78の内部に収容されている。典型的には、このハウジング78は、貫通ハウジングであり、可撓性ブレード74は、底面22の上に直接に固着されている。
補強部材71および73は、それらの角度が90°異なっていること、および遠位部分17にくり抜かれたハウジングの中に収容されていることを除けば、それぞれ、補強部材70および72と同一である。
次に、図5により、補強部材の動作を詳細に説明する。図5は、可動部分12の平面図を示す。図を簡略化するために、遠位部分16は、矩形の棒の形で表してある。矢印P1、P2は、この遠位部分16に沿って流れる流体によって加えられる力を表している。これらの力P1およびP2は、渦巻きの巻きを解く方向に作用する。従って、これらの力は、遠位部分を横方向に変形させるように作用する。補強部材70および72は、遠位部分16の内側に配置され、これらの横方向の変形を抑止している。
更に具体的には、可撓性ブレード74は、Y方向には、殆ど延びることはない。従って、各可撓性ブレード74の遠位端部76は、可動部分12がX方向に並進変位したときに、近位端部75を中心とした円弧を描く。しかし、補強部材70、72による遠位部分16の移動は、直線的である。実際、可動部分12がX方向に変位したときに、Y方向における、遠位端部76の変位の振幅が、X方向における、端部76の変位の振幅の、1/100より小さければ(更に、1/1000より小さいことが望ましい)、遠位部分16の移動は、X方向に直線であると考えることができる。
次に、マイクロシステム2を製造する典型的な方法を、図6を参照して、また図7〜図9を使用して説明する。
まず、ステップ80において、中間に犠牲層82を有するプレートを、エッチングによって形成する。典型的には、このプレートは、SOI(Silicon On Insulator)プレートである。従って、このプレートは、犠牲層82を挟んで、一方の側にシリコン層84、および他方の側に絶縁体層86を有している。ステップ80において、可動部分12、14、連結部24、25、トランスデューサ30、31の可動電極板66、および補強部材70〜73が、エッチングによって、同一の層84の中に同時に形成される。図7においはて、このようにエッチングによって形成された可動部分12、14、および電極板66は、ブロック90の形で示されている。ブロック90は、犠牲層82の上に位置している。
次に、ステップ92において、犠牲層82の、ブロック90の下に位置している部分は除去される。例えば、化学的浸食によって、犠牲層は除去される。この時点から、可動部分12、14、および電極板66は、絶縁体層86の頂面(図8参照)によって形成される面22に対して、相対的に並進変位することができる。
次に、ステップ94において、キャップ96が形成され、このキャップは、シリコン層84の頂部に取り付けられる。このキャップ96は、可動部分12、14の間に液体を含むようになっている頂面を形成している。例えば、キャップ96は、ガラスで形成されている。ノズル6および8は、このキャップ96の中に形成される。図9には、ノズル6だけが示されている。
シリコン層84にアクセスするための孔もまた、キャップ96の中に生成され、トランスデューサ30および31を、制御ユニット36およびエネルギー蓄積装置34に接続する。図9には、層84にアクセスするためのひとつの孔98だけが示されている。
可動部分12、14と、それぞれ、底面または頂面との間に存在する間隙を示すために、犠牲層82の厚さ、およびキャップ96とブロック90との間の空間は、図7〜図9では誇張されていることに注意されたい。実際には、犠牲層82の厚さ、およびキャップ96とブロック90との間の空間は、十分に小さく、膨張弁10の中で膨張する流体は、可動部分12と14の間に存在しているままである。
マイクロシステム2は、多くの応用が可能である。
例えば、図10は、マイクロシステム2から構成された圧力差センサ100を示す。この圧力差センサ100は、可動部分12および14の変位によって生ずる機械エネルギーに依存する、ノズル6とノズル8との間の圧力差を感知しやすい寸法になっている。更に、トランスデューサ30および31によって生成される電気エネルギーは、加えられた機械エネルギーに比例するので、この電気エネルギーはまた、ノズル6とノズル8との間の圧力差に依存する。センサ100を製造するために使用されるのは、マイクロシステム2のこの特性である。
センサ100は、エネルギー蓄積装置34、制御ユニット36、およびマイクロシステム2を備えている。センサ100はまた、装置34の充電と放電とを管理する回路102、および、ノズル6とノズル8との間の圧力差を表す情報を、遠隔無線受信機に伝えるようになっている無線送信機104を備えている。
例えば、センサ100は、エネルギー蓄積装置34の充電レベルが所定の閾値Fを超過するとすぐに、送信機104を駆動して、特性信号を送信させる。従って、2つの送信の間の経過時間は、測定された圧力差に比例する。従って、ノズル6とノズル8との間の圧力差は、受信したデータから導出することができる。
この例では、閾値Fは、送信機が特性パルスを送信できるまで給電するように設定される。従って、この実施形態においては、センサ100は、作動するためにいずれの外部電源も必要としない。実際、センサ100が使用する唯一のエネルギー源は、ノズル6とノズル8との間に存在する圧力差である。
図11は、センサ100を装備したホイール110を示す。ホイール110は、内部に圧縮空気を含んでいるタイヤ112を備えている。このタイヤ112は、リム114の上に装着されている。センサ100は、タイヤ112の内部に配置され、タイヤ112は、センサに対する保護被覆として機能する。
動作させるためには、ノズル8を、タイヤ112の外部に流体接続する必要がある。
図12は、このことを行うために、タイヤ112の内部にセンサ100を取り付けるための可能な例を示す。具体的には、タイヤ112は、弁116を有し、弁116を通してホイール110に空気を注入することができる。従来、この弁は、自由度のない状態でタイヤ112に固着されている管状体118と、可動弁120とで構成されていた。この可動弁120は、タイヤを気密封止する休止位置と、タイヤ112の中に圧縮空気を注入することができる活性位置との間を変位することができる。
この例では、弁120を通して孔124が開けられており、ノズル8は、この弁120を貫通することができる。これにより、ノズル8を外気に接続することができる。
この実施形態においては、センサ100は、自由度がない状態で弁120に固着されている。
このように、弁120がその休止位置にあるときには、圧縮空気は、センサ100および孔124を通して漏れる。空気漏れの流量は、非常に低く、すなわち、1mL/s未満である。例えばこの例では、孔124は、空気漏れとして100μL/s未満、更に望ましくは、10μL/s以下を許容する寸法になっている。
100μL/sの流量の場合には、弁120を通しての漏れは、空気の量が3.94×10−2に等しいタイヤに対しては、6ヶ月後の圧力降下として、8ミリバールであり、これは無視できる量である。従って、車両の所有者は、6ヶ月以上に亘って、タイヤ110に空気を再注入することなく、センサ100を作動させることができる。
図13は、マイクロシステム2を組み込んだマイクロモータを装備した燃料電池130を示す。マイクロモータには、圧縮マイクロシステム132を組み込んである。例えば、この圧縮マイクロシステム132は、ノズル133を通して受け入れた膨張流体を圧縮するように制御されることを除いて、マイクロシステム2と同様のものである。実際には、マイクロシステム2の動作は、可逆的である。特に、この動作モードでは、トランスデューサ30および31を使用して、例えば、装置34から供給された電気エネルギーを、可動部分12および14の機械的変位に変換することができる。この条件では、可動部分12および14の往復変位に対して、π/2だけの位相シフトを確保しなければならない。その後、膨張流体が、ノズル133(ノズル8に対応する)を通して注入され、圧縮流体はノズル6を通して排出される。
マイクロシステム132により圧縮された流体は、マイクロモータの燃焼チャンバ134の中に排出される。この例では、圧縮された流体は、燃料と酸化剤の可燃性混合物である。チャンバ134の中で、この可燃性の混合物は爆発し、更に圧縮された排気ガスが生成される。そして排気ガスは、ノズル6を通してマイクロシステム2の内部に導入され、マイクロシステム2は、このように生成された圧力差を、機械運動に、そして電気エネルギーに変換する。この電気エネルギーは、燃料電池の端子に接続された負荷に給電される。この負荷は、図示されていない。膨張した排気ガスは、ノズル8を通して排出される。
図14は、マイクロチャネル142を装備した電子チップ140を示す。このマイクロチャネル142は、トランジスタ等の電子素子144を支持する基板の内部に生成されている。マイクロチャネル142は、入力口146と出力口148とを有する。熱伝達流体は、入力口146から出力口148に循環する。
この実施形態においては、熱伝達流体を圧縮するマイクロシステム150は、入力口146と出力口148との間に接続されている。このマイクロシステム150は、例えば、マイクロシステム132と同様のものである。
マイクロチャンネル142は、膨張容器または膨張弁を形成し、マイクロシステム150によって入力口146の中に排出された圧縮された熱伝達流体は、マイクロチャネルの中で膨張する。これにより、電子素子を冷却することができる。その後、この熱伝達流体は、出力口148を通してマイクロシステム150に戻り、再圧縮される。
このようにして、効率よく、かつ簡単に電子チップ140を冷却することができる。
図15〜図21は、遠位部分16、17に対する補強部材の異なる実施形態を示す。これらの図を簡略化するために、図5における図面と同じ図面を使用している。
図15では、補強部材70および72は、単一の補強部材200に置き換えられている。補強部材70および72とは異なり、この補強部材200は、遠位部分16の中にくり抜かれたハウジングの内部に収容されてはいない。逆にこの例では、この補強部材200は、遠位部分16の外周に直接機械的に接続されている。この実施形態においては、補強部材200は、ブレード204により形成され、ブレード204の遠位端部202は、自由度がない状態で遠位部分16に機械的に接続され、ブレード204の近位端部206は、自由度がない状態で、面22に機械的に接続されている。
図16に示す実施形態においては、補強部材70および72は、遠位部分16の中にくり抜かれた、1つかつ同一のハウジング214の中に収容された、2つの補強部材210と212とに置き換えられている。例えば、補強部材210および212は、それらが互いにヘッドトゥーテールに配置されていることを除いて、互いに同一である。例えば、これら補強部材210および212の構造は、補強部材70の構造と同一である。この実施形態においては、これらの補強部材210および212は、片側が面22に固着され、他方の側が遠位部分16に固着されている可撓性ブレードからなっている。この実施形態では、X方向における遠位部分16の変位の直線性を増加させることができる。
図17に示す実施形態は、補強部材220が摺動軸27に関して、ブレード204と対称的なブレード222を備えていることを除いて、図15に示す実施形態と同一である。ブレード204および222は、Y方向に対して、同じ側に傾斜している。これにより、これらのブレードは、正規の動作時には、常に引きモードで動作する。ブレード222は、ブレード204と同様に、面22および遠位部分16に固着されている。ブレード222を加えることにより、X方向における遠位部分16の変位を増加させることができる。
図18に示す実施形態においては、ハウジング78は、本質的に、摺動軸27に沿って延びている長円ハウジング230と置き換えられている。このハウジング230は、2つの平行な表面232および234を有している。表面232および234は、面22と直角であり、摺動軸27と平行である。表面232および234は、互いに対向している。ガイドが、このハウジング230の内側に収容され、自由度がない状態で面22に固着されている。この実施形態においては、ガイドは、2つのガイドピン236、238によって形成されている。これらのガイドピン236、238は、ハウジング230の内部で、面22から垂直に突出している。これらの各ガイドピンは、表面232および234の両側に摺接している。従って、各ガイドピンは、表面232および234のそれぞれとスポット連結部を形成し、接触点におけるスポット連結部の法線は、軸27に対して直交している。
図19に示す実施形態は、ガイドがガイドピン236、238によって形成されているのではなく、ガイドは、ガイド板240によって形成されているということを除いて、図18に示す実施形態と同じである。ガイド板240は、ハウジング230の中に突出している。このガイド板240は、実質的に、摺動軸27と平行に延びている。更に具体的には、このガイド板240は、摺動軸27と平行で面22と直角な2つの対向した表面242、244を有している。これらの表面は、ハウジング230の表面232および234に摺接し、遠位部分16をX方向に案内している。この図では、図を理解し易くするために、表面232、234、242、および244の間に存在する間隙は、誇張されている。
図20は、1つの実施形態を示し、この実施形態においては、ガイドは、遠位部分の中にくり抜かれたハウジングの内部に収容されているのではなく、この遠位部分16の外側に配置されている。この実施形態においては、ガイドは、3つのガイドピン250〜252で構成されている。これらのガイドピン250〜252のそれぞれは、遠位部分16の外部表面に摺接している。これらの外部表面は、面22に対して直角である。従って、各ガイドピンは、少なくとも1つのスポット連結部を形成し、接触点におけるスポット連結部の法線は、摺動軸27に対して直角である。
ガイドピン250〜252は、垂直軸を中心に遠位部分16が回転する自由度を、互いに抑止するように配置されている。
図21に示す実施形態においては、補強部材は、ガイドピン250〜252が、ガイド板260および262によって置き換えられていることを除いて、図20を参照して説明した場合と同様の様式で構成される。ガイド板260、262は、遠位部分16の両側に配置され、この遠位部分16の外部表面に摺接している。
図22は、流体内の圧力差を機械的変位に変換するマイクロシステム300を示す。この目的のために、このマイクロシステム300は、可動部分12および14が、それぞれ、可動部分302および304で置き換えられていることを除いて、例えば、マイクロシステム2と同一である。可動部分302、304においては、それらの張り出した形状の遠位部分306および308は、それぞれ、渦巻き状ではなくて、円形状に形成されているということだけが、可動部分12、14とは異なっている。更に具体的には、遠位部分306は、この例においては、中央がくり抜かれた円である。遠位部分308は、中央がくり抜かれた円であり、垂直なスロット310を有する。従って、遠位部分308の水平断面は、「C」の形状をしている。遠位部分306は、遠位部分308の中央の空間内に収容されている。可動部分302の近位部分20は、スロット310の内部に収容されている。
流体入力ノズル6および流体出力ノズル8は、それぞれ、近位部分20の右側および左側で、また遠位部分306の外周と遠位部分308の内周との間に形成されている空間の内部に配置されている。
可動部分302および304は、頂面および底面に対して相対的に変位する。この変位は、それぞれ、X方向およびY方向に、並進するだけである。この目的のために、連結部24および25が使用される。
遠位部分306、308の垂直壁の厚さは薄い。従って、遠位部分308は、補強部材312および314を必要とする。補強部材312および314は、Y方向における遠位部分308の並進を可能にしながら、可動部分302と304との間を流れる流体の影響で生ずるX方向への遠位部分308の変形を抑制している。例えば、これらの補強部材は、近位部分20の両側に配置されている。この例では、これらの補強部材は、遠位部分308の中央の空間の外側に配置されている。これらは、前述した場合と同様な様式で生成される。この例では、補強部材は、補強部材70と同様の様式で生成される。各補強部材312および314のブレードの端部は、近位部分21よりもスロット310に近い位置に置かれることが望ましい。
オプションとして、遠位部分306にもまた、補強部材316を加えることができる。補強部材316は、X方向における遠位部分306の並進を可能にしながら、可動部分302と304との間を流れる流体の影響で生ずるY方向への遠位部分306の変形を抑制している。例えば、補強部材316もまた、補強部材70と同様の様式で生成される。この例では、補強部材316は、遠位部分306の中央の空間内に収容されている。
例えば、マイクロシステム300の動作に必要な他の要素は、マイクロシステム2に関して既に説明したものと同一である。図22では、簡略化するために、それらは図示されていない。
マイクロシステム300が動作しているときには、遠位部分306の外周は、接触320の垂直線に沿って、遠位部分308の内周に接触している。可動部分302および304は、ノズル6からノズル8へと流れる流体によって変位する。この変位では、接触320の線は、遠位部分308の内周を掃引する。この例では、掃引は、反時計方向に行われる。この円運動は、ノズル6からノズル8に向かって、体積を増加させながら、ノズル6から遠ざかる流体のポケットを画定している。
図22においては、理解し易くするために、遠位部分306と遠位部分308のとの間の空間の寸法は、誇張されている。しかし、実際には、この空間はずっと狭く、スロット310のX方向への幅は、非常に狭くなっている。スロット310の幅を減少させることによって、このスロットを通る流体が漏れる可能性が抑制される。
マイクロシステム300は、流体を圧縮するために使用することもできる。この場合には、マイクロシステム300は、可動部分302および304を変位させる作動装置を備えていなければならない。
他の多くの実施形態も可能である。例えば、可動部分には、事前に機械応力を与えておくことができ、これにより、これらの可動部分の位置に拘わらず、弾性を有する少なくとも1つの連結部24または25が、常に存在するようにすることができる。この連結部24または25は、ゼロでない延びを有し、すなわち、休止位置にはない連結部である。
可動部分の遠位部分として、他の多くの形状が可能である。例えば、渦巻きは、異なる形状で形成することができる。それらは、立体、アルキメデスの渦巻き、方形渦巻き、あるいは反転部分を有する渦巻きであってもよい。各可動部分は、1つ以上の渦巻きを備えることができる。また、遠位部分306および308は、必ずしも円である必要はない。例えば、それらの水平横断面は楕円であってもよい。
1つの変形例として、可動部分の1つを、基板上に自由度がない状態で固着し、他の部分だけを可動とし、これら他の部分を変位させることにより、図3または図22に関して説明した様式と同じ様式で、流体の1つ以上のポケットを変位させることもできる。この実施形態においては、可動部分は、XおよびYの両方向への並進変位を行うことができる。例えば、固着部分は、可動部分の場合における犠牲層上に堆積された層のエッチングによってではなく、基板上に堆積された層のエッチングによって生成される。この場合には、補強部材を使用して可動部分をガイドするとすれば、これらの補強部材によって、X方向およびY方向への遠位部分の並進を同時に行うことが可能になる。
連結部24および25に対する他の実施形態も可能である。例えば、連結部24および25は、可撓性ブレード、ボールジョイント、滑り軸受、または類似のもの、およびそれらの組み合わせを用いて実現することができる。
圧縮流体は、燃焼によって、または燃焼を使用しない手段によって得ることができる。後者の場合には、圧縮流体は、圧縮流体のタンクから得ることができる。例えば、図13に示す実施形態においては、マイクロシステム132、および燃焼チャンバ134は、圧縮流体のタンクと置き換えることができる。これにより、タンク内に格納された圧縮流体の膨張によって電気を発生させる電池が得られる。本明細書において説明している電池の構成要素の全ては、1つかつ同一の箱の中に収容され、箱からは、外部電気回路に電気的に接続するための端子が出ていることが望ましい。外部の電気回路内の電池と簡単に交換できるように、この箱は、取り外し可能である。従って、これらの端子は、外部の電気回路に電気的に接続するか、あるいはこの回路から切断することができるように、外部の電気回路の電気端子に対応するようになっている。
可動部分は、直交する2つの軸のそれぞれに沿って並進するように取り付けられている必要はない。実際、可動部分が沿って変位する軸は、互いに平行でないというだけで十分である。これらの軸の間の角度が、π/2ラジアンと異なる場合には、可動部分の2つの振動運動の間の位相シフトは、その角度に適合させればよい。
また、可動部分は、共振周波数で動作する必要もない。
簡略化した実施形態においては、機械的移相器36を、省略することができる。この場合には、電気作動装置(例えば、電気機械トランスデューサ等)によって、可動部分の動きの間の所定の位相シフトを確保することができる。
機械的移相器は、ばねを使用しないものとすることができる。例えば、機械的移相器を、結合ロッド、およびクランクの機構を使用して構成することができる。
圧力差を機械的変位に変換することに関しては、このように生成された機械エネルギーの電気エネルギーへの変換は、1つのオプションである。実際、マイクロシステム2を作動させるためには、制御可能な制動装置を有するだけで十分であり、これにより、可動部分の変位を固定して、適切な位相シフトを維持することができる。
制御ユニット36、または他の関連する電子素子(センサ100の構成要素等)の給電に対して、必ずしも、可動部分の変位により生成される電気エネルギーを使用する必要はない。
マイクロシステム2を製造するための他の多くの方法が可能である。具体的には、エッチングのステップは、堆積のステップで置き換えることができる。同様に、犠牲層の使用を省略することができる。この場合には、一方が他方の間に入るように構成されたインターリーブ構造の2つの可動部分を同時に製造することができるステップであれば、他のステップでもよい。例えば、2つの可動部分は、これらの可動部分と可動部分の間の空間とを画定している貫通スロットの基板と同じ基板をくり抜いて、その中に作ることができる。各可動部分の一端は、基板に固着されたままに保持される。次いで、基板のそれぞれの面の上に、板を気密に接合して空洞を密封する。この空洞の内部で、流体が可動部分の間で膨張、または圧縮される。
マイクロシステム2の中に存在する補強部材の数は、状況に応じて変化させることができる。例えば、各遠位部分に対する補強部材の数は、1つまたは厳密に2以上とすることができる。この数は、各遠位部分に対して同じであってもよいし、異なっていてもよい。
補強部材は、面22と頂面の両方に固着することができる。
補強部材が、可撓性ブレードで構成されている場合には、この可撓性ブレードの近位端部は、底面22または頂面のどちらにも固着することができる。
遠位部分に加えられる圧力が十分に低く、マイクロシステム2の機械的ブロッキングを発生させる可能性がある、この遠位部分の変形を誘発しない場合には、補強部材を省略することができる。
最後に、センサ、電子チップ、マイクロモータ、および電池に関して上述した実施形態においては、流体内の圧力差を機械的変位に(またはその逆に)変換するためには、マイクロシステム2は、別のマイクロシステムで置き換えることができる。例えば、マイクロシステム2を、マイクロシステム300、または圧力差を機械的変位に変換するためのタービンを備えるマイクロシステムと置き換えることができる。
2 マイクロシステム
4 流体的に閉じたチャンバ
6 入力ノズル
8 出力ノズル
10 膨張弁
12、14 可動部分
16、17 遠位部分
20、21 近位部分
22 底面
24 アーティキュレーション
25 機械連結部
26A、26B 摺動連結部
27 摺動軸
28A、28B 可撓性ブレード
29A、29B 近位端部
30、31 電気機械トランスデューサ
34 電気エネルギー蓄積装置
36 制御ユニット
38、39 センサ
40 機械的移相器
41 ばね
44、46 曲線
50 ポケット
52、54、56 位置
66、68 電極板
70、71、72、73 補強部材
74 可撓性ブレード
75 近位端部
76 遠位端部
78 ハウジング
80 最初のステップ
82 犠牲層
84 シリコン層
86 絶縁体層
90 可動部分12、14、および電極板66を含むブロック
92 犠牲層82を除去するステップ
94 キャップ96を生成するステップ
96 キャップ、頂面
98 孔
100 圧力差センサ
102 回路
104 無線送信機
110 ホイール
112 タイヤ
114 リム
116 弁
118 管状体
120 可動弁
124 孔
130 燃料電池
132 圧縮マイクロシステム
133 ノズル
134 燃焼チャンバ
140 電子チップ
142 マイクロチャネル
144 電子素子
146 入力口
148 出力口
150 マイクロシステム
200 補強部材
202 遠位端部
204、222 ブレード
206 近位端部
210、212、220 補強部材
214 ハウジング
230 長円ハウジング
232、234 平行な表面
236、238、250、251、252 ガイドピン
240、260、262 ガイド板
242、244 対向した表面
300 マイクロシステム
302、304 可動部分
306、308 遠位部分
310 スロット
312、314、316 補強部材
320 接触
I、II、III、IV、V、VI ポケットの状態
P1、P2 力

Claims (13)

  1. 膨張弁の原理に従って、流体内の圧力差を機械的変位に変換するマイクロシステムであって、
    − 圧縮流体の入力ノズル(6)、および膨張流体の出力ノズル(8)と、
    − 少なくとも2つの部分(12、14)であって、その中の少なくとも1つは可動であり、部分(12、14)を互いに相対的に変位させることにより、前記2つの部分の間を前記流体が流れ、前記入力ノズルから前記出力ノズルへと通過し、これらの部分(12、14)は、同じ形状をしており、片方が他方の間に入るインターリーブ構造で配置され、これにより、前記部分が変位する間に、前記部分は、前記入力ノズルから遠ざかって前記出力ノズルに、体積が増加しながら到達する流体の、少なくとも1つのポケットを画定している、少なくとも2つの部分(12、14)と、
    − 頂面および底面(22)であって、これらの面の間に可動部分(12、14)が挿入され、これらの部分(12、14)の間に流れている前記流体を含んでいる、頂面および底面(22)と、
    − 前記頂面および底面のそれぞれに対して相対的に変位可能に取り付けられているそれぞれの可動部分(12、14)であって、
    ・前記流体が沿って流れる、張り出した形状の遠位部分(16、17)であって、前記可動部分の形状に合致した形状の一部を形成している遠位部分と、
    ・近位部分(20、21)であって、連結部を介して底面(22)または前記頂面と機械的に連結し、これにより、近位部分(20、21)の長手方向における並進変位だけが可能となる近位部分(20、21)とを備えている可動部分(12、14)と、
    − 少なくとも1つの補強部材(70〜73)であって、一方の側は、前記面の少なくとも1つに固着され、他方の側は、前記可動部分の前記遠位部分に、固着または摺接し、これにより、長手方向に直角な横方向における前記可動部分の変形を抑制する、少なくとも1つの補強部材(70〜73)とを備えていることを特徴とするマイクロシステム。
  2. 前記可動部分の前記変位によって生成される前記機械エネルギーを別のエネルギー変換するようになっている、少なくとも1つのトランスデューサ(30、31)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロシステム。
  3. 流体を圧縮するマイクロシステムであって、
    − 膨張流体の入力ノズル(8)、および圧縮流体の出力ノズルと(6)、
    − 少なくとも2つの部分(12、14)であって、その中の少なくとも1つは可動であり、部分(12、14)を互いに相対的に変位させることにより、前記2つの部分の間を前記流体が流れ、前記入力ノズルから前記出力ノズルへと通過し、これらの部分(12、14)は、同じ形状をしており、片方が他方の間に入るインターリーブ構造で配置され、これにより、前記部分が変位する間に、前記部分は、前記入力ノズルから遠ざかって前記出力ノズルに、体積が減少しながら到達する流体の、少なくとも1つのポケットを画定している、少なくとも2つの部分(12、14)と、
    − 頂面および底面(22)であって、これらの面の間に可動部分(12、14)が挿入され、これらの部分(12、14)の間に流れている前記流体を含んでいる、頂面および底面(22)と、
    − 前記頂面および底面のそれぞれに対して相対的に変位可能に取り付けられている可動部分(12、14)であって、
    ・前記流体が沿って流れる、張り出した形状の遠位部分(16、17)であって、前記可動部分の形状に合致した形状の一部を形成している遠位部分と、
    ・近位部分(20、21)であって、連結部を介して底面(22)または前記頂面と機械的に連結し、これにより、近位部分(20、21)の長手方向における並進変位だけが可能となる近位部分(20、21)とを備えている可動部分(12、14)と、
    − 少なくとも1つの補強部材(70〜73)であって、一方の側は、前記面の少なくとも1つに固着され、他方の側は、前記可動部分の前記遠位部分に、固着または摺接し、これにより、長手方向に直角な横方向における前記可動部分の変形を抑制する、少なくとも1つの補強部材(70〜73)とを備えていることを特徴とするマイクロシステム。
  4. 前記マイクロシステムの外部エネルギーを機械エネルギーに変換し、これにより、前記可動部分の前記変位を可能にするようになっている少なくとも1つのトランスデューサを備えていることを特徴とする、請求項3に記載のマイクロシステム。
  5. 前記可動部分の遠位部分(16、17)は、ハウジング(78、214、230)を有し、ハウジング(78、214、230)の内部に前記補強部材が収容されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロシステム。
  6. 補強部材(70〜73、200、210、212、220)は、主として横方向に延びている少なくとも1つの可撓性ブレード(74、204)を備え、補強部材(70〜73、200、210、212、220)の近位端部(75、206)は、前記頂面または底面(22)の中の少なくとも1つに、自由度がない状態で固着され、遠位端部(76、202)は、前記可動部分の前記遠位部分に、自由度がない状態で固着されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロシステム。
  7. 補強部材(220)は、少なくとも2つの可撓性ブレードを備え、前記少なくとも2つの可撓性ブレードは、長手方向に平行な軸に関して対称であり、長手方向の横方向に平行な軸の同じ側に傾斜し、前記可動部分の変位の間に、引きモードだけで動作することを特徴とする、請求項6に記載のマイクロシステム。
  8. 前記補強部材は、少なくとも1つのガイド(236、238、240、250〜252、260、262)を備え、前記少なくとも1つのガイド(236、238、240、250〜252、260、262)は、前記頂面または底面(22)の中の少なくとも1つに、自由度がない状態で固着され、前記面に対して直角の方向に延び、前記遠位部分は、前記横方向に対して直角な平坦な面(232、234)を有し、前記ガイドに摺接していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロシステム。
  9. 2つの部分(12、14)は、それぞれ、同一線上にない長手方向に、前記頂面および底面に対して相対的に可動であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロシステム。
  10. 2つの可動部分(12、14)の間に挿入された機械的移相器(40)を備え、前記2つの可動部分の往復変位の間に位相シフトを導入することを特徴とする、請求項9に記載のマイクロシステム。
  11. 2つの可動部分(12、14)の間に置かれ、前記部分を使用して、共振周波数で共振する系を構成する少なくとも1つの連結部(41)と、
    各可動部分の前記往復運動の周波数を、前記共振周波数に固定するようにプログラムされ、これにより、各可動部分の前記変位を制御するユニット(36)とを備えていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロシステム。
  12. 連結部(41)は、ばねであり、前記ばねの各端部は、前記可動部分の中の1つに機械的に接続されていることを特徴とする、請求項11に記載のマイクロシステム。
  13. 各遠位部分(16、17)は、渦巻き、または円形の形状をしていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロシステム。
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