JP2014500030A - 新しいレタス植物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、内側から外側葉まで実質的に同じ面積の葉を含んでなるレタス植物に関する。本発明に従ったレタス植物は、結球を制御し、したがってレタスが緊密な結球を形成せず、葉が良く分離して、実質的に同じ長さになるようにする形質を含んでなる。レタス植物は、有利には、パッケージされたサラダを製造するために生鮮カット産業で使用し得る。

Description

本発明は、新しい結球形質を呈示する新しいレタス植物、産業加工のためのこのような新しい結球形成型レタス植物の使用、ならびに既存の結球レタス植物と形態学的に異なるレタス植物を得るために、その他のレタス植物を形質転換するための新しい結球レタスの使用に関する。
当今、多数のレタス変種が、市場に出ている。1000を超える異なる栽培品種が入手でき、植物形態学に応じて異なる型に分けられる。一方では、緩い直立結球があるロメインまたはコス型レタス、しゃきっとした結球のアイスバーグ型、およびバターヘッド型を含んでなる、結球タイプのレタスが見られる。他方では非結球レタス群は、主にオークリーフレタスおよびルーズリーフレタスを含んでなる。
アイスバーグおよびロメインなどの結球レタス群では、その特定の形態のために、内側葉は小さく外側葉ははるかにより大きい。さらに結球レタス型では、結球芯は、程度の差はあるが閉じており、光が届かない。その結果、内側葉と外側葉の間には、サイズと色の観点から確かに大きな不均一性がある。結球を形成する葉は密接に配置され、内側葉が小さくて幅狭く、白色またはクリーム色である一方、外側葉はより長くて幅広く、緑色がより濃い。それぞれ一緒になって、アイスバーグとロメインレタスの双方の葉は、例えばオークリーフとは逆に個別化されておらず、追加の処理を要する。
アイスバーグレタスは、少数の非常に大きな緑色の外葉で取り囲まれる、キャベツと似た堅く閉まった球を形成する。収穫時には大きな外側葉は廃棄され、閉まった結球のみが保持される。アイスバーグ結球は、通常、脱水から保護するプラスチック箔でくるまれた後に、そのようなものとして市販される。アイスバーグレタスは、そのしゃきっとした歯触りが評価されて、サラダ、サンドイッチ、ハンバーガーなどの中で消費される。その緊密さのために、サラダミックスまたはハンバーガーのための適切なサラダ葉部分を得るために、アイスバーグレタスはスライスまたは千切りされる。確かに、それらの凸形状のために、アイスバーグの葉は、そのままではサンドイッチ中で使用されない。均質サイズのサラダ片を得るために、外側葉のカッティングおよび千切りを何度か繰り返す必要がある一方で、内側葉はこのような多大なカッティングを必要としない。カッティングを制御することは不可能なため、より小さな内側葉は損傷を被り、それによって端の褐変が生じ、そのため外観が低下する。より小さな葉を保護するためにカッティングを制限すると、より大きな外側葉は十分に切断されず、これらのより大きな葉は、廃棄したり、あるいは別に処理したりする必要がある。これらの全ての加工処理は、アイスバーグレタスから得られる加工サラダ製品のコストを顕著に増大させる。
ロメインレタスについても、外側葉は内側葉と比較して長く幅広く、妥当なサイズのカット葉を得るために大規模なカッティングを要することから、問題は多かれ少なかれ同じである。
均質なサイズ低下を達成するためのこのような大規模な葉のカッティングは、カット葉の端の褐変を誘発する。
ロメインおよびアイスバーグレタスはまた、自家製サラダのために、それらのサクサク感と新鮮味が消費者に評価される。しかし個別の葉を得るために、アイスバーグレタスの何がしかの剥離が必要であり、外側と内側葉のサイズの大きな違いのために、そしそれらの湾曲形状のために、それらをさらにカッティングし千切りする必要があることから、それらの調製は面倒である。ロメインはまた、はるかにより小さな内側葉に近いサイズを得るために、より大きな外側葉の分離とカッティングを要する。
したがって前述の問題に対処する、レタス型植物に対する必要性がある。
したがって本発明は、非結球表現型を引き起こす遺伝性遺伝形質を含んでなる、所与の型のレタス植物を提供する。
本明細書で「非結球形質」としてもまた定義される「非結球表現型」は、レタス植物が閉まった結球を形成せず、その結果、本発明に従ったレタス植物の実質的に全ての葉が、内側葉から外側葉まで、長さおよび幅、すなわち面積の観点から、実質的に同じ寸法を有することを意味する。これは、同じ所与の型の標準的レタス植物と比較して、本発明に従ったレタス植物が、幅および長さのより大きな内側葉を呈示して、したがってその結果、サイズが外側葉と同様であることを意味する。本発明に従ったレタス植物は、全て実質的に同じ面積を有する葉を含んでなる。したがって一実施様態に従って、葉が実質的に同じ幅と長さを有するために、本発明に従ったレタス植物は、実質的に同じ面積を有する葉を含んでなる。
本発明に従ったレタス植物に関する「所与の型」のレタス植物という用語は、UPOV regulations,1991に従って、区別性、均一性、および安定性を有するという必要基準を満たす、多様なレタス植物を意味し得る。
「レタス植物」という用語は、本発明に従った植物に適用される場合、一実施形態では野生レタス植物を意味し得る。一実施形態では、それは栽培レタス植物を意味する。一実施形態では、レタス植物はレタス(Lactuca sativa)である。
本発明に従った非結球植物の恩恵は、当業者には容易に分かる。したがって、一実施形態では、本発明に従ったレタス植物は非結球表現型を持たない植物と比較して、増大した収量を有する。一実施形態では、本発明に従った植物は、非結球表現型を持たない植物と実質的に同じサイズの葉を得るために、より少ないカッティングを要する。一実施形態では、本発明に従った植物は、カッティング工程中により少ない酵素的褐変を被る。
本発明の植物は、非結球表現型に加えて、いくつかの重要な作物栽培学的形質を有し得る。一実施形態では、本発明に従った植物は、べと病に耐性を示す。一実施形態では、本発明に従った植物はナソノビア(Nasonovia)属に耐性を示す。
IN9098.1系統の植物に対応する、15個のレタスヘッド上で測定された平均の葉の長さと幅を示す。 植物LS9487の15個のレタスヘッド上で測定された平均の葉の長さと幅を示す。 内側葉から外側葉までの15植物の各葉の平均の長さと幅を示す。 2010年のIN9098における葉幅および葉長の比較を示す。 2010年のLS9487における葉幅および葉長の比較を示す。 2011年のLS9487における葉幅および葉長の比較を示す。 先行技術Salanova型における葉幅および葉長の比較を示す。 2011年のIN9098における葉幅および葉長の比較を示す。 結球型Cos Barracudaを示す。 非結球型Cos LS9487を示す。
一実施様態に従って、発明に従ったレタス植物は、非結球表現型が、実質的にレタスの全ての葉が実質的に同じ面積を有する表現型に対応することを特徴とする。各葉の面積は、収穫を控えた成長段階で測定される。一実施形態では、収穫を控えた段階は、Murcia,Spainの気候におけるレタス栽培に典型的な条件下で栽培した場合、移植の45〜60日後である。一実施形態では、これらの条件下で栽培した場合、収穫を控えた段階は、移植の50〜55日後である。
本発明に従った植物は、植物の葉が実質的に同じ幅と実質的に同じ長さを有するために、実質的に同じ面積の葉を有する。例えば良く知られているサラノバ(Salanova)などの多数の先行技術植物は、実質的に同じ幅と実質的に同じ長さの組み合わせがある葉を有さない。したがって本発明に従ったレタス植物は、当業者によって先行技術レタス植物と容易に区別され得る。
一実施様態に従って、本発明に従ったレタス植物は、ロメイン型およびアイスバーグ型レタスからなる群から選択され、好ましくは本発明に従ったレタス植物は、ロメインまたはアイスバーグレタス植物の全ての特徴を有するが、非結球表現型を有する。
本発明の別の実施形態に従って、レタス植物はアイスバーグ型に属し、好ましくは本発明に従ったレタス植物は、アイスバーグレタス植物の特徴の全てを有するが、非結球表現型を有する。
本発明の別の実施形態に従って、レタス植物はロメイン型に属し、好ましくは本発明に従ったレタス植物は、ロメインレタス植物の特徴の全てを有するが、非結球表現型を有する。
一実施形態では、本発明に従ったレタス植物は、レタス(Lactuca sativa)である。一実施形態では、本発明に従った植物はハイブリッドである。別の実施形態では、本発明のレタス植物は近交系である。
レタス植物の「実質的に全ての葉」という表現は、最高75%、好ましくは最高76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89の、または最高90%にさえ至るレタス植物の葉を意味する。
「同じ寸法」という表現は、一方で、レタス植物の実質的に全ての葉の長さが、内側葉から外側葉まで実質的に同じ数からなり、他方ではレタス植物の実質的に全ての葉の幅が、実質的に内側葉から外側葉まで同じであることを意味する。
「実質的に同じ面積」という表現は、実質的に全ての葉の面積が、約+/−15%、特に+/−12%、より特には+/−10%の偏差内のほぼ同じ平均値からなることを意味する。具体的には、一例として、それは、平均面積値が100cm2である場合、実質的に全ての葉の面積は、85〜115cm2、特に88〜112cm2、より特には90〜110cm2の範囲であってもよいことを意味する。
実用的理由から、本明細書で記載されるように、葉の面積は、植物から外した後に、葉の幅に長さを乗じて計算される。幅はそのより高い値で、すなわち葉の幅に沿った最も幅広い点で測定され、長さは植物から外した後に、葉の上部から葉の下端までとして測定される。
本発明は、ヘッド部の葉が開いており、密接に閉じた結球の代わりに開いたヘッドに配置される、非結球表現型を与える遺伝性形質に関するという事実のために、非結球の遺伝性形質は、あらゆるレタス、特にあらゆるアイスバーグまたはロメインレタスに遺伝子移入し得るので、葉の長さと幅の絶対値そのものとは、特に関係性はない。遺伝性非結球形質は、本発明のレタス葉の絶対長および幅でなく、むしろそれらの分散に影響を与える。
通常のアイスバーグレタス型に対応する、実施例の節で例示されるようなアイスバーグレタスの場合、葉の数が多いために、そして平均長が短いために、実質的に全ての葉の平均の葉長は、12〜18cm、特に13〜17cm、より特には14〜17cmの範囲を含んでなる。同様に、本発明に従ったアイスバーグレタス型の実質的に全ての葉の平均の葉幅は、約12〜18cm、特に約13〜17cm、より特には約14〜17cmの範囲を含んでなる。しかしこの場合もやはり、非結球形質を遺伝子移入するアイスバーグレタス型の遺伝的背景次第で、葉幅は植物毎に異なってもよい。本発明は、葉幅の絶対値でなく、実質的に全ての葉の幅が狭い範囲内にあることにある。本発明に従った非結球形質は、葉幅を増大または低下させないが、内側葉から外側葉まで、葉幅を均質にする。
通常のアイスバーグレタス型に対応する、実施例の節で例示されるようなアイスバーグレタスの場合、葉の数が多いために、そして外側葉の平均長が短いために、実質的に全ての葉の平均の葉長は、約18〜24cm、特に約19〜23cm、より特には約19〜22cmの範囲を含んでなる。同様に、本発明に従ったアイスバーグレタス型の実質的に全ての葉の平均の葉幅は、約7〜10cm、特に約8〜10cmの範囲を含んでなる。しかしこの場合もやはり、非結球形質を遺伝子移入するアイスバーグレタス型の遺伝的背景次第で、葉長は植物毎に異なってもよい。本発明は、葉長の絶対値でなく、実質的に全ての葉の長さが狭い範囲内にあることにある。本発明に従った非結球形質は、葉長を増大または低下させないが、内側葉から外側葉まで、葉長さを均質にする。
本発明に従ったレタス植物の全ての葉は、実質的に同じ寸法(長さおよび幅)を有するので、本発明に従ったレタス植物の実質的に全ての葉は、実質的に同じ面積を有する。葉の面積に関しては、このような面積は、本発明に従った「非結球」形質が遺伝子移入される遺伝的背景に密接に左右されるため、値を与えることは一般に可能でない。確かに、数千のレタス栽培品種の中で、特にロメインおよびアイスバーグ栽培品種では、葉の表面に大きい変動がある。面積数または値を得るために、葉長に葉幅を乗じて葉の面積を評価してもよい。
非結球形質に関与する遺伝性遺伝的決定基を別の植物に移入するために、戻し交雑育種を使用し得る。そのために、望ましいホモ接合栽培品種または同系交雑は、反復親である。移入される形質の起源は、供与親と称される。得られた植物は、反復親(例えば栽培品種)の属性と、供与親から移入された望ましい形質とを有することが予測される。最初の交雑後、供与親の表現型(非結球形質、すなわち実質的に全ての葉が同じ寸法を有する)を保持する個体を選択し、反復親と繰り返し交雑する(戻し交雑)。得られた植物は、反復親(例えば栽培品種)の属性と、供与親から移入された望ましい形質とを有することが予測される。赤い着色の遺伝形質が、その他の所望の形質、または形質組み合わせの遺伝形質よりも複雑である場合、赤色芯葉がある親を反復親として使用し得て、その他の所望の形質、または形質組み合わせがある親を供与親として使用し得る。異なる形質および作物のために通常使用されるその他の育種法の説明は、いくつかの参考文献にある(例えば“Principles of Plant Breeding”John Wiley and Son,pp.115−161,1960;Allard,1960;Simmonds,1979;Sneep et al.,1979;Fehr,1987)。
本発明に従った非結球形質のための適切な供与親は、その代表種子が、2010年11月16日にNCIMB(Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB219YA,Scotland)に、No.NCIMB 41774の下に寄託されているレタス植物、レタス(Lactuca sativa)IN 9098.1であってもよい。
本発明に従った非結球形質のための別の適切な供与親は、その代表種子が、2010年11月16日にNCIMB(Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB219YA,Scotland)に、No.NCIMB 41775の下に寄託されているレタス植物、レタス(Lactuca sativa)LS 9487であってもよい。
レタス植物LS 9487は、それが遺伝性非結球形質を含有するという事実以外は、ロメイン型レタスと遺伝的に近いので、あらゆるロメインレタス背景に非結球形質を遺伝子移入するのに特に適している。
レタス植物IN 9098.1は、それが遺伝性非結球形質を含有するという事実以外は、アイスバーグ型レタスと遺伝的に近いので、あらゆるアイスバーグレタス背景に非結球形質を遺伝子移入するのに特に適している。
本出願で開示される植物は、本明細書に記載されるような非結球形質を含んでなり、その非結球形質はその代表種子が、2010年11月16日にNCIMB(Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB219YA,Scotland)に、No.NCIMB 41774の下に寄託されている、IN 9098.1と称されるレタス植物から得られる。
本出願で開示される植物は、本明細書に記載されるような非結球形質を含んでなり、その非結球形質はその代表種子が、2010年11月16日にNCIMB(Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB219YA,Scotland)に、No.NCIMB 41775の下に寄託されている、LS9487と称されるレタス植物から得られる。
したがって当業者は、本発明の説明に基づいて、代表種子が受入番号NCIMB 41775の下に寄託されているLS9487と称されるレタス植物を保有すれば、当該技術分野で周知のあらゆる育種技術を使用して、本発明の非結球形質を様々な型のその他のレタス植物へ難なく移入する。
非結球形質を定める遺伝情報は、その代表種子が受入番号NCIMB 41775の下に寄託されている、LS9487と称されるレタス植物から、または形質を含んでなるその植物の子孫から得られる。
非結球形質を定める遺伝情報は、その代表種子が受入番号NCIMB 41774の下に寄託されている、IN9098.1と称されるレタス植物から、または形質を含んでなるその植物の子孫から得られる。
本明細書で開示される教示を使用して、例えばその代表種子が受入番号NCIMB 41775の下に寄託されている、LS9487と称されるレタス植物、または非結球形質を含んでなる寄託植物の子孫を別のロメインレタス植物に交雑して、非結球形質を定める遺伝情報を前記植物に移入し得て、交雑子孫の形質の存在を判定し得る。
一実施形態では、本発明のレタス植物は、サラノバ(Salanova)変種でない。別の実施形態では、本発明のレタス植物はCarolus Rijk Zwaan変種でない。別の実施形態では、本発明のレタス植物は、Baby Leaf変種でない。
本明細書で開示される教示を使用して、例えばその代表種子が受入番号NCIMB 41774の下に寄託されている、IN9098.1と称されるレタス植物、または非結球形質を含んでなる寄託植物の子孫を別のアイスバーグレタス植物に交雑して、非結球形質を定める遺伝情報を前記植物に移入し得て、交雑子孫の形質の存在を判定し得る。
本出願のレタス植物の発明者らによって、非結球形質が、メンデル遺伝学に従って、1世代から次世代へ単純な様式で遺伝することが、驚くことに発見された(実施例5を参照されたい)。一実施形態では、非結球形質に関与する遺伝子は一遺伝子性である。一実施形態では、非結球形質に関与する遺伝子は劣性である。一実施形態では、非結球形質に関与する遺伝子は一遺伝子性かつ劣性である。一実施形態では、本発明に従った植物のF2世代は75%の結球表現型植物と、25%の非結球表現型植物を含んでなる。子孫植物の表現型に対する非結球遺伝子の効果は、当業者には容易に分かる(実例として実施例5を参照されたい)。一実施形態では、非結球形質がある本発明の植物は、実質的に凸状の葉を有する。
非結球形質を有する本発明に従ったレタス植物形態学的特徴のお陰で、この新しい型のレタス植物の使用は、生鮮カットサラダ産業、特にパッケージされたサラダ食品の製造のために特に有利である。
したがって、一実施形態では、本発明は、袋入りサラダなどのパッケージされた食品を製造するための本発明に従ったレタス植物の使用に関する。
本発明に従ったレタス植物の全ての葉は実質的に同じ面積を有すると言う事実のために、より大きなまたはより小さな葉のいずれかを切断して廃棄する必要性は、古典的結球レタスと比較してはるかに低下する。その結果、パッケージされたサラダ製品の製造歩留まりが増大する。一実施形態では、本発明は、本発明に従ったレタス植物を使用して、パッケージされたサラダ食品の製造における歩留りを増大させる方法に関する。
さらに本発明に従ったレタス植物の葉は大規模なカッティングを必要としないので、これらの葉が被る損傷はより少なく、その結果より少ない酵素的褐変を呈示して、パッケージされた加工サラダ製品の場合は貯蔵寿命が増大する。したがって一実施形態では、本発明は、本発明に従ったレタス植物を使用して、パッケージされたサラダ食品の貯蔵寿命を増大させる方法に関する。
本明細書に記載される実施例は本発明を例証するものであり、それを制限することは意図されない。本発明の異なる実施形態が、本発明に従って記載される。本発明の精神と範囲を逸脱することなく、本明細書で記載され例証される方法および植物に、多数の修正および変更を加えてもよい。
実施例1:アイスバーグレタスIN 9098.1の系統および育種
Figure 2014500030
育種系統IN9098.1は、入手できる市販の変種である、レタス(Lactuca sativa)栽培変種Longifolia Carolusと、レタス(Lactuca sativa)栽培変種capitata Icevicとを交雑して、2005年に創出された。目標は、作物栽培学的形質、べと病およびナソノビア(Nasonovia)属耐性と、葉の形状と重なりにおいて結球遺伝子に影響を及ぼす可能な変動とを組み合わせた、育種系統を得ることであった。
F3系統を2006年に野外圃場に栽植して作物栽培学的形質の選択を開始し、5個体が結球発現をもたらさない、ユニークな凸性と厚いアイスバーグ葉を示した。
2007および2008年に、凸性と厚いアイスバーグ葉の固定に重点を置いて、結球発現を回避して、F4およびF5の選択過程を野外圃場で実施した。
最も一様なF6がIN9098.1と命名され、非結球形質をはじめとする異なる形質発現において、異なる季節を通じて均一性を示した。
IN9098.1の15の植物を栽培し、収穫を控えた段階で収穫した。葉を数えて、それらの幅と長さを測定した。
図1は、IN9098.1系統の植物に対応する、15個のレタスヘッド上で測定された平均の葉の長さと幅を示す。レタス植物の全ての葉の平均の長さと幅の双方が、実質的に同一に保たれ、したがって15の全ての植物の実質的に全ての葉の面積が、値の範囲に保たれることに気付かれ得る。全ての葉の計算された葉の平均面積は、約225cm2(15cm*15cm)であり、極値を除いて、全ての葉は実質的にその面積を有する。
実施例2:ロメインレタスLS9487の系統および育種
Figure 2014500030
育種系統LS9487は、SYGNENTA系統(LSA1306−74/XP4347A)1−と、レタス(Lactuca sativa)栽培変種Carolusとを交雑育種して、2004年に創出された。目標は、狭い凸状の葉と組み合わされた、作物栽培学的形質、べと病およびナソノビア(Nasonovia)属耐性が組み合わされた、育種系統を得ることであった。
F3系統を2006年に野外圃場に栽植して作物栽培学的形質の選択を開始し、2個体が結球発現をもたらさない、ユニークな凸状の細い葉を示した。
2007および2008年に、凸性と細い葉の固定に重点を置いて、F4およびF5の選択過程を野外圃場で実施した。
最も一様なF6がLS9487と命名され、異なる形質発現において、異なる季節を通じて均一性を示した。
図2は、植物LS9487の15個のレタスヘッド上で測定された平均の葉の長さと幅を示す。レタス植物の全ての葉の平均の長さと幅の双方が、実質的に同一に保たれ、したがって15の全ての植物の実質的に全ての葉の面積が、値の範囲に保たれることに気付かれ得る。
図3は、内側葉から外側葉までの15植物の各葉の平均の長さと幅を示す。本例のロメインレタスでは、植物あたりの葉の総数は、図3に見られるように約50枚であり、全ての葉は、実質的に同じ長さと幅を呈示し、または少なくとも双方の寸法は10〜15%の範囲を超えて変動しない。
全ての葉の計算された葉の平均面積は、約180cm2(20cm*9cm)であり、極値を除いて、全ての葉は実質的にその面積を有した。
実施例3:LS9487と非結球レタスの交雑
LS9487と、結球形状の従来のロメインレタスである市販のロメインレタスBarracudaとを交雑した。
F2集団を播種して、従来のレタス温室で栽培した。
F2集団中で、本発明に従った非結球形質がある15%の植物を見つけることが可能であり、したがって寄託材料と非結球形質を含有しないあらゆるその他のレタス材料との交雑後に、この非結球形質が遺伝性であり、子孫に伝達可能であることが示された。
実施例4:Expedition、IN9098、LS9487、およびSalanovaの比較
試験を行って、いくつかの変種における葉幅および葉長を比較した。データは、2010年および2011年に収集された。
2010年からのデータ収集は、IN9098(図4)およびLS9487(図5)に関した。
2011年からのデータ収集は、Expeditionにおける明らかな変動を示す(内側葉は外側葉よりも細い)。LS9487およびIN9098は、%W/L値の範囲が非常に狭い(それぞれ図6および8を参照されたい)。これは先行技術Salanova型と明らかに異なる(図7)。Salanovaでは、幅は外側葉から内側葉にかけて劇的に変化する。
実施例5:非結球表現型の遺伝形質
非結球形質が1世代から次世代に遺伝する様式を判定する実験では、結球型Cos Barracudaと非結球型Cos LS9487の間で交雑を実施した。交雑のF2子孫は、75%が結球性で25%が非結球性であることが、驚くことに分かった。これらの双方の形質の例は、それぞれ図9および10にある。したがって形質は、一遺伝子性で劣性と説明される。本研究のF2集団では、劣性遺伝子が非結球に関与するようである。劣性遺伝子を同型接合に含有する25%の非結球植物が凸状傾向の葉を有する一方、F2集団のその他の75%は結球できる。結球子孫の葉は、発生間際になって凹面になる。この観察は、以前、文献中で記載されていない。

Claims (10)

  1. 非結球表現型を引き起こす遺伝性遺伝形質を含んでなる、所与の型のレタス植物。
  2. 前記非結球表現型が、実質的にレタスの全ての葉が実質的に同じ面積を有する表現型に相当することを特徴とする、請求項1に記載のレタス植物。
  3. 実質的に全ての葉の面積が、約+/−15%、特に約+/−12%、より特には約+/−10%の偏差内のほぼ同じ平均値を含んでなることを特徴とする、請求項2に記載のレタス植物。
  4. 最高75%まで、好ましくは最高76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89まで、または最高90%にさえ至る葉が、実質的に同じ面積を有する、請求項2または3に記載のレタス植物。
  5. 前記レタス植物が、ロメイン型およびアイスバーグ型レタスからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のレタス植物。
  6. その代表種子が、2010年11月16日にNCIMB(Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB219YA,Scotland)に、No.NCIMB 41774の下に寄託されている、IN 9098.1と称されるレタス植物から得られる非結球形質を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のレタス植物。
  7. その代表種子が、2010年11月16日にNCIMB(Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB219YA,Scotland)に、No.NCIMB 41775の下に寄託されている、LS 9487と称されるレタス植物から得られる非結球形質を含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のレタス植物。
  8. 袋入りサラダなどのパッケージされた食品を製造するための請求項1〜7のいずれか一項に記載のレタス植物の使用。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のレタス植物を使用して、パッケージされたサラダ食品の製造における歩留りを増大させる方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のレタス植物を使用して、パッケージされたサラダ食品の貯蔵寿命を増大させる方法。
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