JP2014239279A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子アンテナと移相器を接続する線路に同じ長さの線路を用いた場合、送受信モジュールの入力端で反射され素子アンテナより再放射される受信レーダの再放射波は、素子アンテナが並べられた平面に対して平行な等位相面が形成され、アンテナ正面方向に極大をもつ指向性となる。このため、レーダ断面積が大きくなるという課題があった。移相器への入力前に反射が発生するため、移相器を制御しても再放射波を制御できなかった。
【解決手段】 複数の素子アンテナ1と、素子アンテナ1と接続された移相器などの機能をもつ複数の送受信モジュール2と、素子アンテナ1と送受信モジュール2とを接続する線路3を備え、上記線路3の物理長、線路内波長、または送受信モジュール3の反射位相を調整することで再放射波の等位相面を素子アンテナが並べられた平面に対して非平行とした。
【選択図】図1
【解決手段】 複数の素子アンテナ1と、素子アンテナ1と接続された移相器などの機能をもつ複数の送受信モジュール2と、素子アンテナ1と送受信モジュール2とを接続する線路3を備え、上記線路3の物理長、線路内波長、または送受信モジュール3の反射位相を調整することで再放射波の等位相面を素子アンテナが並べられた平面に対して非平行とした。
【選択図】図1
Description
この発明は、レーダ断面積を低減したアンテナ装置に関する。
従来、レーダ断面積を低減するアンテナ装置が知られている。この種のアンテナ装置は、レーダ波の位相を移相させる移相器を有し、素子アンテナが複数個配設されたアレーアンテナと、上記素子アンテナが受信した受信レーダ波を全反射させる開放端子と、上記移相器を制御して、上記開放端子で全反射して上記素子アンテナ外部に放射される受信レーダ波の位相を、上記アレーアンテナの表面で反射する上記レーダ波の位相と逆相になるように移相制御する制御処理装置を備えている(例えば、特許文献1参照)。
Ashok K. Agrawal, Eric L. Holzman,"Beamformer Architectures for ActivePhased-Array Radar Antennas",IEEE TRANSACTIONS ON ANTENNAS AND PROPAGATION, VOL. 47, NO. 3, MARCH 1999.
上記特許文献1に示される従来のアンテナ装置では、素子アンテナと移相器との間にインピーダンス不整合が少なからず存在し、素子アンテナで受信したレーダ波は移相器の入力端子にて反射されて、素子アンテナより再放射される。素子アンテナと移相器を接続する線路が同じ長さの線路の場合、アンテナの正面方向より入射したレーダ波は、素子アンテナで受信された後、等位相で移相器に到達して反射され、等位相で素子アンテナに戻るため、等位相で素子アンテナより再放射される。このとき再放射波は、素子アンテナが並べられた平面に対し平行な等位相面が形成され、アンテナ正面方向に極大をもつ指向性となる。すなわち、アンテナ正面方向のレーダ断面積が大きくなる。移相器に入力される前で反射が発生するため、移相器を制御しても、この反射波を制御することはできない。
また、非特許文献1に示されるようなアクティブフェーズドアレーアンテナにおいても、移相器や増幅器を持った送受信モジュールと素子アンテナとのインピーダンス不整合により送受信モジュールにて反射が起こり、素子アンテナと送受信モジュールを接続する線路に同じ長さの線路を用いた場合、上記と同様に再放射波はアンテナ正面方向に極大をもつ指向性となって、アンテナ正面方向のレーダ断面積が大きくなる。
この発明は、係る課題を解決するために成されたものであり、移相器や送受信モジュール等からの反射波を起因とするアンテナ正面方向のレーダ断面積を低減することのできるアンテナ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るアンテナ装置は、複数の素子アンテナと、上記素子アンテナの各々と線路を介して接続された複数の送受信モジュールとを備え、上記素子アンテナで受信したレーダ波が上記送受信モジュールの入力端で反射されて再放射する再放射波の等位相面は、上記複数の素子アンテナが配置された平面と非平行の関係にある。
以上説明した実施の形態1によるアンテナ装置100によれば、素子アンテナと送受信モジュールを接続する線路の物理長、または上記線路の線路内波長、または送受信モジュールの反射位相を、各々で全て同じにしないことで、相手レーダ波の再放射波の等位相面を、素子アンテナが並べられた平面に対し平行または平面にさせないことにより、アンテナ正面方向の再放射波の指向性の振幅を小さくし、正面方向におけるモノスタティックレーダ断面積を低減できる。
実施の形態1.
図1はこの発明に係る実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示すブロック図である。
図1はこの発明に係る実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示すブロック図である。
図1において、実施の形態1のアンテナ装置100は、素子アンテナ1と、素子アンテナ1に接続された送受信モジュール2と、素子アンテナ1と送受信モジュールと接続する線路3とを備えて構成される。
送受信モジュール2は、移相器や増幅器、減衰器やサーキュレータ、スイッチ等の部品を単独及び組み合わされて構成されており、アンテナ装置100の送信信号と受信信号との両方またはどちらか一方を増幅、減衰、移相などを行うものである。アンテナ装置100への要求機能により、増幅器や移相器等の単独機能となり、また、それらを組み合わせた機能にもなる。
本装置の機能について図1を用いて説明する。素子アンテナ1が並べられた平面の法線方向、すなわちアンテナ装置100の正面方向より到来した相手レーダ波は、素子アンテナで受信され、受信信号は線路3を通り、送受信モジュールの入力端子4に到達する。
入力端子5において受信信号の一部がインピーダンス不整合により反射されて、線路3を通り素子アンテナ1に到達し、素子アンテナ1より再び放射される。
素子アンテナ1に戻ってきた信号の位相、すなわち素子アンテナが並べられた平面における再放射波の位相をΨ(n)とすると、Ψ(n)は式1で表される。
入力端子5において受信信号の一部がインピーダンス不整合により反射されて、線路3を通り素子アンテナ1に到達し、素子アンテナ1より再び放射される。
素子アンテナ1に戻ってきた信号の位相、すなわち素子アンテナが並べられた平面における再放射波の位相をΨ(n)とすると、Ψ(n)は式1で表される。
ここで、L(n)は各線路3の物理長、λg(n)は線路3内の波長、Ψz(n)は送受信モジュールの入力端子5における反射位相とする。
素子アンテナ1より再放射された相手レーダ波の放射指向性は式2で表される。
ここで、fe(θ,φ)は素子アンテナ1の放射指向性、a(n)は各素子アンテナ1に戻ってきた信号の電圧または電流振幅、d(n)は各素子アンテナ1の位置ベクトル、rは観測点の方向ベクトルである
アンテナ装置100の正面方向、すなわち(θ,φ)=(0,0)における放射指向性は式3で表される。
式3は式4の関係がある。
Ψ(n)がnによらず同じであるとき、式4の最右辺となって放射指向性の振幅が最大となる。この場合、再放射波の等位相面が素子アンテナ1が並べられた平面に対し平行に形成されることになる。
上記より、再放射波の等位相面が、素子アンテナ1の並べられた平面に対し平行に形成させないことにより、アンテナ装置100の正面方向の再放射波の放射指向性を、式4のとおり再放射波の等位相面が素子アンテナ1の並べられた平面に対し平行に形成させたときよりも、小さくすることができる。
これは、アンテナ装置100の正面方向におけるモノスタティックレーダ断面積を、再放射波の等位相面が素子アンテナ1の並べられた平面に対し平行に形成させたときよりも低減できることと等価である。
これは、アンテナ装置100の正面方向におけるモノスタティックレーダ断面積を、再放射波の等位相面が素子アンテナ1の並べられた平面に対し平行に形成させたときよりも低減できることと等価である。
再放射波の等位相面を素子アンテナ1が並べられた平面に対し平行に形成させない方法としては、式1からもわかるように、線路3の物理長L(n)、線路3の線路内波長λg(n)、送受信モジュールの入力端子5における反射位相Ψz(n)を、各々において全て同じにしないことでできる。
なお、線路内波長λg(n)を変える方法としては、例えば線路3を構成する媒質の誘電率を変える方法や、例えば導波管のように断面寸法や断面形状を変えるといった方法などがある。
送受信モジュールの入力端子4における反射位相Ψz(n)を変える方法としては、例えば入力端子5から送受信モジュール内にあるサーキュレータやスイッチ、増幅器や移相器等までの配線長を変えるといった方法や、入力端子4に接続される配線にスタブを設ける方法などがある。
次に、再放射波の位相Ψ(n)の設定については、例えばΨ(n)を乱数列とする設定方法が挙げられる。
一例として、素子アンテナ1の間隔が0.5波長の100個の素子(100素子)の直線状アレーアンテナにおける、Ψ(n)を全て同じにした場合の再放射波の指向性と、乱数列にした場合の再放射波の指向性を図2に示す。乱数列として、標準偏差がπラジアン、平均が0ラジアンの正規乱数とする。図2のとおり、アレーアンテナ正面方向(0°方向)の放射指向性の振幅を小さくできている。
一例として、素子アンテナ1の間隔が0.5波長の100個の素子(100素子)の直線状アレーアンテナにおける、Ψ(n)を全て同じにした場合の再放射波の指向性と、乱数列にした場合の再放射波の指向性を図2に示す。乱数列として、標準偏差がπラジアン、平均が0ラジアンの正規乱数とする。図2のとおり、アレーアンテナ正面方向(0°方向)の放射指向性の振幅を小さくできている。
また、再放射波の位相Ψ(n)の他の設定として、アンテナ正面方向から入射した相手レーダの再放射波の等位相面を、素子アンテナ1が並べられた平面に対し所定の角度傾くようにする設定方法が挙げられる。
この場合、アンテナ正面方向、素子アンテナ1が並べられた平面の法線方向と、傾けた等位相面の法線方向が成す角の2倍の角度の方向に、再放射波の指向性は極大を持ち、正面方向の放射指向性を小さくできる。言い換えれば、この極大方向と素子アンテナ1が並べられた平面の法線方向とが成す角の二等分線の方向が、傾けられた等位相面の法線方向となる。
一例として、上記の100素子の直線状アレーアンテナにおいて、素子アンテナ1が並べられた平面に対し、再放射波の等位相面が15°傾くように電気長L(n)を設定した場合の再放射波の放射指向性を図3に示す。
再放射波は30°に極大を持ち、アレーアンテナ正面方向の放射指向性の振幅を、Ψ(n)を全て同じにした場合のよりも小さくできている。
この場合、アンテナ正面方向、素子アンテナ1が並べられた平面の法線方向と、傾けた等位相面の法線方向が成す角の2倍の角度の方向に、再放射波の指向性は極大を持ち、正面方向の放射指向性を小さくできる。言い換えれば、この極大方向と素子アンテナ1が並べられた平面の法線方向とが成す角の二等分線の方向が、傾けられた等位相面の法線方向となる。
一例として、上記の100素子の直線状アレーアンテナにおいて、素子アンテナ1が並べられた平面に対し、再放射波の等位相面が15°傾くように電気長L(n)を設定した場合の再放射波の放射指向性を図3に示す。
再放射波は30°に極大を持ち、アレーアンテナ正面方向の放射指向性の振幅を、Ψ(n)を全て同じにした場合のよりも小さくできている。
本アンテナ装置はレーダ断面積を低くすることが求められる航空機や艦船等に用いられる。
1 素子アンテナ、2 送受信モジュール、3 線路、4 送受信モジュール入力端子、100 アンテナ装置。
Claims (7)
- 複数の素子アンテナと、
上記素子アンテナの各々と線路を介して接続された複数の送受信モジュールと、
を備え、
上記素子アンテナで受信したレーダ波が上記送受信モジュールの入力端で反射されて再放射する再放射波の等位相面は、上記複数の素子アンテナが配置された平面と、非平行の関係にあることを特徴とするアンテナ装置。 - 複数の素子アンテナと、
各々の上記素子アンテナと線路を介して接続された複数の送受信モジュールと、
を備え、
上記素子アンテナで受信したレーダ波が上記送受信モジュールの入力端で反射されて再放射する再放射波の等位相面は、非平面の形状であることを特徴とするアンテナ装置。 - 上記素子アンテナと上記送受信モジュールを接続する各線路の物理長は全て同一ではなく、他の線路の物理長と異なる物理長の線路を有することを特徴とする請求項1、2いずれか記載のアンテナ装置。
- 上記素子アンテナと上記送受信モジュールを接続する各線路の線路内波長は全て同一でなく、他の線路の線路内波長と異なる線路内波長の線路を有することを特徴とする請求項1、2いずれか記載のアンテナ装置。
- 上記送受信モジュールの入力端における反射位相は全て同一ではなく、他の入力端における反射位相と異なる反射位相を示す入力端を有することを特徴とする請求項1、2いずれか記載のアンテナ装置。
- 上記再放射波の等位相面は、上記複数の素子アンテナが配置された平面に対して所定の角度傾いていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 上記複数の素子アンテナが配置された平面における上記再放射波の位相が、乱数列に設定されていることを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
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JP2013119527A JP2014239279A (ja) | 2013-06-06 | 2013-06-06 | アンテナ装置 |
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JP2003069304A (ja) * | 2002-07-08 | 2003-03-07 | Toshiba Corp | マイクロ波移相器 |
JP2012047492A (ja) * | 2010-08-24 | 2012-03-08 | Toshiba Corp | フェーズドアレイアンテナ |
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