JP2014236289A - 局側装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光通信システムにおける構成を簡易化し、かつ動作を効率化することが可能な局側装置を提供する。【解決手段】局側装置101は、宅側装置202から受信した光信号からデータを再生し、かつデータを光信号に変換して宅側装置202へ送信するための複数の光回線カード12と、上位ネットワークから受信したデータを光回線カード12へ出力するとともに、光回線カード12から受けたデータを上位ネットワークへ送信するための集線カード13と、光回線カード12および集線カード13を着脱可能であり、光回線カード12および集線カード13間の電気信号を伝送するためのバックプレーン51と、光回線カード12および集線カード13間の光信号を伝送するための光配線16とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、局側装置に関し、特に、複数の光回線カードを備える局側装置に関する。
近年、インターネットが広く普及しており、利用者は世界各地で運営されているサイトの様々な情報にアクセスし、その情報を入手することが可能である。これに伴って、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)およびFTTH(Fiber To The Home)等のブロードバンドアクセスが可能な装置も急速に普及してきている。
IEEE Std 802.3ah(登録商標)−2004(非特許文献1)には、複数の宅側装置(ONU:Optical Network Unit)が光通信回線を共有して局側装置(OLT:Optical Line Terminal)とのデータ伝送を行なう媒体共有形通信である受動的光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)の1つの方式が開示されている。すなわち、PONを通過するユーザ情報およびPONを管理運用するための制御情報を含め、すべての情報がイーサネット(登録商標)フレームの形式で通信されるEPON(Ethernet(登録商標) PON)と、EPONのアクセス制御プロトコル(MPCP(Multi-Point Control Protocol))およびOAM(Operations Administration and Maintenance)プロトコルとが規定されている。局側装置と宅側装置との間でMPCPフレームをやりとりすることによって、宅側装置の加入、離脱、および上りアクセス多重制御などが行なわれる。また、非特許文献1では、MPCPメッセージによる、新規宅側装置の登録方法、帯域割り当て要求を示すレポート、および送信指示を示すゲートについて記載されている。
なお、1ギガビット/秒の通信速度を実現するEPONであるGE−PONの次世代の技術として、IEEE802.3av(登録商標)−2009として標準化が行なわれた10G−EPONすなわち通信速度が10ギガビット/秒相当のEPONにおいても、アクセス制御プロトコルはMPCPが前提となっている。
IEEE Std 802.3ah(登録商標)-2004
局側装置が、ONUと光信号を送受信するための複数のOSU(Optical Subscriber Unit)を備えている場合、局側装置と上位ネットワークにおける装置との間にはOSUごとに複数の通信回線が必要となる。
しかしながら、このような構成では、局側装置および上位ネットワーク間の配線が煩雑となり、また、10G−EPON等、通信回線が高速化されている場合、夜間等の通信トラフィックが減少する時間帯において、局側装置および上位ネットワークにおける装置の通信動作の無駄が顕著になる。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、光通信システムにおける構成を簡易化し、かつ動作を効率化することが可能な局側装置を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる局側装置は、宅側装置から受信した光信号からデータを再生し、かつデータを光信号に変換して前記宅側装置へ送信するための複数の光回線カードと、上位ネットワークから受信したデータを前記光回線カードへ出力するとともに、前記光回線カードから受けたデータを前記上位ネットワークへ送信するための集線カードと、前記光回線カードおよび前記集線カードを着脱可能であり、前記光回線カードおよび前記集線カード間の電気信号を伝送するためのバックプレーンと、前記光回線カードおよび前記集線カード間の光信号を伝送するための光配線とを備える。
本発明によれば、光通信システムにおける構成を簡易化し、かつ動作を効率化することができる。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る局側装置は、宅側装置から受信した光信号からデータを再生し、かつデータを光信号に変換して前記宅側装置へ送信するための複数の光回線カードと、上位ネットワークから受信したデータを前記光回線カードへ出力するとともに、前記光回線カードから受けたデータを前記上位ネットワークへ送信するための集線カードと、前記光回線カードおよび前記集線カードを着脱可能であり、前記光回線カードおよび前記集線カード間の電気信号を伝送するためのバックプレーンと、前記光回線カードおよび前記集線カード間の光信号を伝送するための光配線とを備える。
このように、集線カードを設ける構成により、各光回線カードおよび上位ネットワーク間の通信回線をまとめることができるため、局側装置および上位ネットワーク間の配線を簡素化し、かつ通信動作の無駄を抑制することができる。したがって、光通信システムにおける構成を簡易化し、かつ動作を効率化することができる。さらに、光回線カードと集線カードとを光配線を用いて接続する構成により、光回線カードおよび集線カード間の配線数の増大およびコネクタの大型化を抑制し、バックプレーンの大型化を抑制することができるため、局側装置を小型化することができる。また、通信回線の高速化に伴い開発時における設計難度および開発コストが高くなることを抑制し、局側装置の大型化および高コスト化を抑制することができる。たとえば、特定の材質を用いた高価なバックプレーンを用いることなく、高速信号を伝送することができる。また、装置内の通信インタフェースに関するアップグレードまたはダウングレードを、配線部分を交換することなくユニットの交換で実現することができるため、装置の拡張性を向上させることができる。
(2)好ましくは、前記局側装置は、冗長構成用を含めて前記集線カードを複数備え、
前記局側装置は、さらに、前記集線カード間の光信号を伝送するための光配線を備える。
前記局側装置は、さらに、前記集線カード間の光信号を伝送するための光配線を備える。
このような構成により、集線カードが冗長化された局側装置において、装置を小型化および低コスト化し、また、通信速度の変更等について装置の拡張性を向上させることができる。
(3)好ましくは、前記光回線カードおよび前記集線カードの少なくともいずれか一方は、前記光配線を介した光信号の伝送の良否を判定し、判定結果を示す光判定信号を出力し、前記バックプレーンと前記光回線カードまたは前記集線カードとの電気的接続の良否の判定結果を示す信号、および前記光判定信号に基づいて、故障判定が行なわれる。
このような構成により、各カード間に光配線を採用した局側装置において、電気配線と光配線との優劣に関わらず、バックプレーンと各カードとの接続の良否をより正確に判定することができる。
(4)好ましくは、前記光回線カードおよび前記集線カードの少なくともいずれか一方は、前記光配線において伝送される光信号のデータレートを変更可能である。
一般に、通信速度が上昇すると、通信トラフィックを処理する半導体電子部品の消費電力が上昇する。このため、通信トラフィックが少量の場合に通信レートを低速に変更することにより、局側装置における消費電力を低減することができる。また、集線カードを設けることで局側装置および上位ネットワーク間における通信動作を効率化することに加えて、局側装置内における通信動作を効率化することができる。
(5)好ましくは、前記バックプレーンの主表面のうち、前記光回線カードおよび前記集線カードが取り付けられるカード面には、前記光回線カードごとに、光信号用の接続部と、低速信号用の接続部と、電源用の接続部とが一列に配置され、前記カード面と反対側の前記主表面に前記光配線が取り付けられる。
このような構成により、光信号を含めた各カードの各種信号および電力の伝送を、簡易な構成で良好に行なうことができる。
(6)好ましくは、前記光配線は、第1コネクタと、複数の第2コネクタと、前記第1コネクタと前記複数の第2コネクタとの間に接続された光ファイバとを含み、前記第1コネクタが前記集線カードに接続され、前記複数の第2コネクタが前記複数の光回線カードにそれぞれ接続される。
このような構成により、光信号の伝送に関し、集線カードには各光回線カードで共通のコネクタを設ければよくなることから、集線カード側のコネクタを小型化し、ひいてはバックプレーンを小型化することができるため、局側装置の小型化に大きく貢献することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るPONシステムの構成を示す図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るPONシステムの構成を示す図である。
図1を参照して、PONシステム301は、局側装置101と、光ファイバであるN本のPON回線1〜N(203−1〜203−N)と、N個の光カプラ204−1〜204−Nと、複数の宅側装置(ONU)202とを備える。局側装置101は、OSUである光回線カード1〜N+1(12−1〜12−N+1)と、集線カード1,2(13−1,13−2)と、光スイッチ部14と、局側装置101の全体的な制御を行なう全体制御部11と、光配線15,16とを備える。ここで、Nは1以上の整数である。また、宅側装置から上位ネットワーク(以下「アップリンク」とも称する。)への方向を上り方向と称し、アップリンクから宅側装置への方向を下り方向と称する。
ここでは、PONシステム301において、各PON回線は10ギガビット/秒の通信速度を実現するEPONである10G−EPONに対応しており、アップリンクは10ギガビット/秒の通信速度を実現するイーサネット(登録商標)に対応すると仮定して説明する。また、MPCPフレームによってONUの登録、離脱、ONUへの帯域割り当て、ONUからの帯域要求等が行なわれると仮定して説明する。
局側装置101は、10G−EPONに対応するPON回線を複数回線収容する。1本のPON回線には1または複数のONUが接続される。局側装置101は、これらのPON回線からのデータを1または複数の通信回線を有するアップリンクに多重する。また、局側装置101は、アップリンクからのデータを振り分けて各PON回線における各ONU202へ送信する。また、局側装置101は、PON回線の上り帯域および下り帯域を各ONU202に割り当てる。たとえば、各ONU202から局側装置101への上り光信号はバースト信号であり、局側装置101から各ONU202への下り光信号は連続的な信号である。PONシステム301では、各ONU202から局側装置101への光信号が時分割多重される。
具体的には、局側装置101は、N本のPON回線1〜Nに接続され、このN本のPON回線を終端する。各光回線カードは、PON回線に対応して設けられ、対応のPON回線に接続された1または複数のONUとフレームを送受信する。PON回線1〜Nは、光カプラ204−1〜204−Nにそれぞれ接続されており、これらの光カプラを介して各ONU202に接続されている。
局側装置101は、たとえば、N:1の冗長構成を有している。すなわち、N+1枚の光回線カードのうち、光回線カード1〜Nが運用系(現用)光回線カードであり、光回線カードN+1が待機系(予備)光回線カードである。なお、局側装置101は、2枚以上の待機系光回線カードを含む構成であってもよい。
全体制御部11は、ONU202とフレームを送受信すべき光回線カードを、運用系の光回線カードから待機系の光回線カードへ切り替える冗長切り替えを行なう。
光スイッチ部14は、全体制御部11からの指示に従い、N+1枚の光回線カード1〜N+1(12−1〜12−N+1)と、N本のPON回線1〜N(203−1〜203−N)との間の通信経路を切り替える。
集線カード13は、複数の光回線カード経由で各ONUから受信した上りフレームをアップリンクへ送信する。具体的には、集線カード13は、光回線カード1〜N+1(12−1〜12−N+1)からの上りフレームを多重してアップリンクに送信するとともに、アップリンクから受信した下りフレームを適切な光回線カードに振り分ける処理を行なう。
光スイッチ部14および光回線カード12は、光ファイバを含む光配線15を介して接続されている。より詳細には、光スイッチ部14および光回線カード12−1〜12−N+1は、光配線15−1〜15−N+1を介してそれぞれ接続されている。
各光回線カード12および集線カード13は、光ファイバを含む光配線16を介して接続されている。各光回線カード12および集線カード13の接続態様は、スター型である。すなわち、1枚の集線カード13がすべての光回線カード12と接続されている。より詳細には、光回線カード12および集線カード13−1,13−2は、光配線16−1,16−2を介してそれぞれ接続されている。
なお、局側装置101は、集線カード13−1,13−2を1枚だけまたは3枚以上備える構成であってもよい。また、複数の集線カード13のうち、少なくともいずれか1枚が待機系集線カードとして使用されてもよいし、あるいは、すべての集線カード13が運用系集線カードとして使用され、故障または保守交換等によりいずれかの集線カード13を停止させる構成であってもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置における光回線カードおよび集線カード間の光配線の構成を示す図である。
図2を参照して、光配線16は、1対多の光ファイバ構造を有する。より詳細には、光配線16は、コネクタ21と、コネクタ22−1〜22−N+1と、光ファイバ23と、光ファイバ24−1〜24−N+1とを含む。
光ファイバ23および光ファイバ24−1〜24−N+1は、コネクタ21とコネクタ22−1〜22−N+1との間に接続されている。コネクタ21が集線カード13に接続され、コネクタ22−1〜22−N+1が光回線カード12−1〜12−N+1にそれぞれ接続される。
より詳細には、コネクタ21は、複数の光ファイバを収容可能であり、たとえばIEEE802.3 ba(登録商標)で規定されたMPOコネクタである。
コネクタ22−1〜22−N+1からそれぞれ伸びる光ファイバ24−1〜24−N+1は、光ファイバ23として1本のケーブル状に束ねられる。たとえば、光ファイバ24−1〜24−N+1の各々は、対応の光回線カード12から集線カード13への光信号用の1本の光ファイバと、集線カード13から対応の光回線カード12への光信号用の1本の光ファイバとを含む。また、光ファイバ23は、各光回線カード12から集線カード13への光信号用の(N+1)本の光ファイバと、集線カード13から各光回線カード12への光信号用の(N+1)本の光ファイバとを含む。
ここで、集線カード13と光回線カード12とを1対1の光ファイバで接続した場合、たとえば、光ファイバが2×(N+1)本必要になり、また、集線カード13の光ファイバ用コネクタも2×(N+1)個必要になる。
局側装置101では、図2に示すような1対多の多芯光ファイバを用いる構成により、集線カード13側の光ファイバ用コネクタを1個に集約し、小型化を実現している。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置におけるバックプレーンと各カードとの接続態様の一例を示す図である。
図3を参照して、局側装置101は、バックプレーン51を備える。図3は、バックプレーン51を上端または下端から見た状態を示している。
バックプレーン51は、各カード間の電気信号を伝送する。光回線カード12および集線カード13間の光配線16は、光回線カード12および集線カード13間の光信号を伝送する。
より詳細には、バックプレーン51は、表面である主表面52と、裏面である主表面53とを有する。バックプレーン51は、たとえば多層プリント基板を含み、各層に電気配線であるパターン配線が設けられている。
光回線カード12−1〜12−N+1、集線カード13−1,13−2、および全体制御部11に相当する制御カードは、バックプレーン51に着脱可能に取り付けられる。バックプレーン51は、パターン配線を介して光回線カード12および集線カード13間、集線カード13間、制御カードおよび光回線カード12間、ならびに制御カードおよび集線カード13間の電気信号を伝送する。
また、光配線16は、コネクタによってバックプレーン51の主表面53に取り付けられており、光配線16を介して集線カード13および光回線カード12間の光信号が伝送される。
より詳細には、バックプレーン51の主表面52には、図示しない複数のコネクタAが設けられており、また、各カードのバックプレーン接続側の端部には、図示しない1または複数のコネクタBが設けられている。バックプレーン51および各カードは、コネクタAとコネクタBとが嵌合することにより接続される。すなわち、コネクタAおよびBを介して光信号および電気信号が伝送される。
なお、光配線16における光ファイバは、バックプレーン51と間隔を隔てて配設されてもよいし、バックプレーン51の主表面53に接するように配設されてもよい。
ここで、フレーム等の主信号は光信号として光配線16を介して伝送され、主信号以外の制御信号等は、電気信号としてバックプレーン51のパターン配線を介して伝送される。
低速の制御信号まで光配線を用いて伝送すると、低速の制御信号を光信号に変換する必要があり、また、制御信号が複数存在する場合、すべての制御信号に対して光ファイバを用意する必要が生じる。このため、局側装置が複雑化し、高価となり、また、大型化してしまう。
局側装置101では、上記のように高速信号は光配線を使用し、低速信号は電気配線を使用し、光配線および電気配線を適切に使い分けることにより、局側装置の低コスト化および小型化を実現することができる。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置におけるバックプレーンのカード面を概略的に示す図である。
図4を参照して、バックプレーン51は、各カードが取り付けられる主表面52において、制御カードが接続される領域64と、集線カード13が接続される領域65と、光回線カード12が接続される領域66とを有する。
領域66において、光回線カード12ごとに、光信号用の接続部61と、低速信号用の接続部62と、電源用の接続部63とが一列に配置される。これらの接続部は、たとえばコネクタである。
なお、接続部61〜63は、別個のコネクタであってもよいし、一部または全部が1つのコネクタとして一体化されてもよい。また、各接続部は、出力用および入力用等の別により複数のコネクタに分割されてもよい。
また、バックプレーン52は、たとえば略鉛直に設置する。光信号用の接続部61は、低速信号用の接続部62および電源用の接続部63よりも、上側に配置すると好ましい。低速信号用の接続部62は、電源用の接続部63よりも上側に配置すると好ましい。
なぜならば、光信号用の接続部61は耐塵性に劣りやすい、具体的には、コネクタを嵌合する際に塵埃を噛み込むと、悪影響が生じやすいからである。また、低速信号用の接続部62は、光信号用の接続部61の次に耐埃性に劣りやすいからである。塵埃は上から下に降りやすいので、上記のような配置にすることで、塵埃による悪影響を軽減することができる。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置における光回線カードの構成を示す図である。
図5を参照して、光回線カード12は、光IF(Interface)部31と、制御IF部32と、受信処理部33と、送信処理部34と、PON送受信部35と、PON制御部36と、上りフレームを蓄積するFIFO37と、下りフレームを蓄積するFIFO38とを含む。
PON送受信部35は、PON線路の親局側起点として、PON回線である1本の光ファイバと光スイッチ部14を介して接続される。PON送受信部35は、この光ファイバを介して各ONUと双方向通信が行なえるように、特定の波長、たとえば1310nm帯の上り光信号を受信し、電気信号に変換して受信処理部33に出力するとともに、送信処理部34から受けた電気信号を別波長の下り光信号に変換して送信する。たとえば、PON送受信部35は、送信処理部34から受けた10Gbpsの電気信号を1570nm帯の下り光信号に変換して送信する。
受信処理部33は、PON送受信部35から受けた電気信号からフレームを再生するとともに、フレームの種別に応じてPON制御部36またはFIFO37にフレームを振り分ける。具体的には、データフレームをFIFO37に出力し、制御フレームをPON制御部36に出力する。
また、受信処理部33は、どのロジカルリンクからフレームをいつ受信するかを示すグラント情報を送信処理部34から受けて、バースト受信を支援するための制御信号をPON送受信部35へ出力してもよい。また、受信処理部33は、このグラント情報を受けて、当該グラント情報に示されていない受信フレームをフィルタリングする、すなわち廃棄するようにしてもよい。
光IF部31は、FIFO37から受けた電気信号を光信号に変換して集線カード13へ出力するとともに、集線カード13から受けた光信号を電気信号に変換してFIFO38またはPON制御部36へ出力する。具体的には、光IF部31は、FIFO37に蓄積された上りフレームを含む光信号を集線カード13へ出力する。また、光IF部31は、集線カード13から受けた光信号からフレームを再生し、当該フレームが通常のデータフレームである場合にはFIFO38に出力し、当該フレームが制御フレームである場合にはPON制御部36へ出力する。
光IF部31は、PON制御部36から制御フレームを受けた場合には、FIFO37からのフレーム列の合間において、当該制御フレームをFIFO37からのフレームよりも優先して集線カード13へ出力する。
また、光IF部31は、光配線16を介した光信号の伝送の良否を判定し、判定結果を示すSD信号を制御IF部32経由で全体制御部11へ出力する。
送信処理部34は、FIFO38またはPON制御部36が送信すべきフレームを有する場合、優先順位に従ってそのフレームを受け取り、PON送受信部35に出力する。
PON制御部36は、MPCPおよびOAMなど、PON回線の制御および管理に関する局側処理を行なう。すなわち、PON回線に接続されている各ONUとMPCPメッセージおよびOAMメッセージをやりとりすることによって、ONUの登録、離脱および帯域割り当てを含めた上りアクセス制御、下りアクセス制御、ならびにONUへのスリープ指示を含めたONUの運用管理などを行なう。
たとえば、PON制御部36は、各ONU202から受けたPON回線における上り帯域の割り当て要求に基づいて、PON回線における上り帯域を各ONU202に割り当てる。具体的には、PON制御部36は、ONU202から受けたPON回線における帯域の割り当て要求を示すレポートフレームに基づいて、PON回線における帯域をONU202に割り当てる、すなわちグラントを記したゲートフレームをONU202へ送信する。PON制御部36は、ゲートフレームを用いて、ONU202に対して、上りフレームの送信開始タイミングおよび送信可能データ長を通知する。
制御IF部32は、全体制御部11からの指示に基づいて、光IF部31、受信処理部33、送信処理部34、PON送受信部35およびPON制御部36への設定を行ない、これら各ユニットの状態を全体制御部11に通知する。また、これら各ユニットに異常が発生した場合は、全体制御部11からの指示に依らず、異常が発生したユニットの状態を全体制御部11に通知する。全体制御部11は、たとえばこれらの情報に基づいて、光回線カード12の冗長切り替えを行なう。PON送受信部35への設定および状態通知は、受信処理部33を経由して行なわれる。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置における集線カードの構成を示す図である。
図6を参照して、集線カード13は、光IF部41−1〜41−N+1と、スイッチ部42とを含む。
スイッチ部42は、たとえばレイヤ2スイッチであり、アップリンクから受信した下りフレームを振り分けて各光IF部41へ出力するとともに、各光IF部41から受けた上りフレームを多重化してアップリンクへ送信する。また、スイッチ部42は、他の集線カード13におけるスイッチ部42との間でフレームおよび各種制御信号を送受信することが可能である。
光IF部41−1〜41−N+1は、バックプレーン51および光配線16を介して光回線カード12−1〜12−N+1にそれぞれ接続されている。光IF部41は、スイッチ部42から受けた電気信号を光信号に変換して対応の光回線カード12へ出力するとともに、対応の光回線カード12から受けた光信号を電気信号に変換してスイッチ部42へ出力する。
具体的には、光IF部41は、スイッチ部42から受けた下りフレームを含む光信号を対応の光回線カード12へ出力する。また、光IF部41は、対応の光回線カード12から受けた光信号から上りフレームを再生してスイッチ部42へ出力する。
また、光IF部41は、光配線16を介した光信号の伝送の良否を判定し、判定結果を示すSD信号をバックプレーン51経由で全体制御部11へ出力する。
局側装置101における全体制御部11は、バックプレーン51と光回線カード12または集線カード13との電気的接続の良否の判定結果を示す電気接続信号を、たとえばバックプレーン51から取得可能である。
全体制御部11は、光回線カード12の電気接続信号と、光回線カード12における光IF部31または集線カード13における光IF部41から受けたSD信号とに基づいて、光回線カード12とバックプレーン51との接続不良等の故障判定を行なう。
また、全体制御部11は、集線カード13の電気接続信号と、光回線カード12における光IF部31または集線カード13における光IF部41から受けたSD信号とに基づいて、集線カード13とバックプレーン51との接続不良等の故障判定を行なう。
具体的には、全体制御部11は、電気接続信号が「良」を示し、かつSD信号が「良」を示す場合、光回線カード12または集線カード13とバックプレーン51とが良好に接続されていると判断し、それ以外の場合、光回線カード12または集線カード13とバックプレーン51との接続不良が存在すると判断する。
なお、全体制御部11が上記のような故障判定を行なう構成に限らず、光回線カード12または集線カード13等、他のユニットが故障判定を行なう構成であってもよい。
また、光回線カード12における光IF部31および集線カード13における光IF部41の両方がSD信号を出力する構成に限らず、いずれか一方がSD信号を出力する構成であってもよい。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置における光スイッチ部の接続を示す図である。
図7を参照して、光スイッチ部14は、PON回線1〜Nにそれぞれ接続されるポート75−1〜75−Nと、運用系光回線カード12−1〜12−Nにそれぞれ接続されるポート76−1〜76−Nと、待機系光回線カード12−N+1に接続されるポート76−N+1とを含む。
光スイッチ部14は、通常時、ポート75−1〜75−Nとポート76−1〜76−Nとをそれぞれ接続する。そして、運用系光回線カード12−1〜12−Nのいずれかの故障等が発生すると、当該運用系光回線カード12に対応するポート76とポート75との接続を切断し、当該ポート75とポート76−N+1とを接続する。
ここで、待機系光回線カード12へ切り替える契機は、たとえば以下のようなものがある。すなわち、全体制御部11は、光回線カード12のPON送受信部35における発光回路および受光回路等の故障を検知した場合、光回線カード12の冗長切り替えを行なう。また、全体制御部11は、オペレータから切替設定を受けた場合、光回線カード12の冗長切り替えを行なう。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置における光回線カードの冗長切り替えの一例を示す図である。
図8を参照して、全体制御部11は、たとえば光回線カード12−2が故障した場合、光スイッチ部14を制御して、光回線カード12−2から光回線カード12−N+1への冗長切り替えを行なう。
より詳細には、光スイッチ部14は、PON回線203−2に接続される光回線カード12を、光回線カード12−2から光回線カード12−N+1へ切り替える。
このように、冗長切り替えを行なう構成により、光回線カード12の故障が発生しても局側装置101およびONU202間の通信接続を維持し、局側装置101およびONU202間の通信の信頼性を向上することができる。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置の比較例1を示す図である。
図9を参照して、比較例1では、光スイッチ部14と局側装置151とが別個に設けられていることから、光配線15が装置間において必要となり、また、制御信号を伝送するための電気配線17が装置間において必要となる。
また、局側装置151は、集線カード13を備えていないことから、局側装置151およびアップリンク間のLANケーブル等の配線が光回線カード12ごとに必要となり、また、10G−EPON等、通信回線が高速化されている場合、夜間等の通信トラフィックが減少する時間帯において、局側装置151とアップリンクにおける装置との通信動作の無駄が顕著になる。
これに対して、局側装置101では、光スイッチ部14および局側装置101が一体化されていることから、光スイッチ部14および局側装置101間の光配線15および電気配線17を局側装置101の筐体内に収容することができ、光回線カード12の冗長構成を有するシステム全体としての小型化を図ることができる。
また、局側装置101では、集線カード13を備える構成により、各光回線カード12およびアップリンク間の通信回線をまとめることができるため、局側装置101およびアップリンク間の配線を簡素化し、かつ通信動作の無駄を抑制することができる。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置の比較例2を示す図である。
図10を参照して、比較例2の局側装置152は、比較例1の局側装置151と比べて、さらに、集線カード13−1,13−2を備える。
これにより、各光回線カード12およびアップリンク間の通信回線をまとめることができるため、局側装置101およびアップリンク間の配線を簡素化し、かつ通信動作の無駄を抑制することができる。
ここで、局側装置152では、光回線カード12および集線カード13間の主信号は、バックプレーン51における電気配線71を介して伝送される。
電気配線を介して高速信号を伝送する場合、通常はP(Positive)ラインおよびN(Negative)ラインの対を用いる差動信号を伝送する。
局側装置152では、複数の光回線カード12と集線カード13とが電気配線71によって接続されることから、集線カード13に対して多数の信号が入出力される。
そして、1枚の光回線カード12ごとに、送信信号および受信信号の各々についてPライン、Nラインおよびグランドラインが必要となる。すなわち、集線カード13のバックプレーン51に対するインタフェースすなわちコネクタには、1枚の光回線カード12を集線カード13に接続させるだけで6つのピンが必要になる。たとえば、1枚の集線カード13に16枚の光回線カード12が接続される場合、集線カード13のコネクタにおいて合計96ピンが必要となる。
このように、集線カード13を備える局側装置152では、光回線カード12および集線カード13間の配線が増大してしまう。たとえば、各カードのバックプレーン接続用コネクタのピン数を多くする必要があり、特に集線カード13のコネクタが大型化し、局側装置152のサイズが大きくなってしまう。
さらに、10G−EPON等、通信回線が高速化すると、光回線カード12および集線カード13間で一定レベルの伝送品質を確保するために高度な設計および検証が必要になり、開発時における設計難度および開発コストが高くなってしまう。
このような開発の難度を下げるために主信号のパラレル伝送を行なう方法が考えられるが、信号ライン数が増加することになり、ピン数のさらなる増加によってバックプレーン接続用コネクタが大型化し、局側装置152のサイズがさらに大きくなってしまう。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置の比較例3を示す図である。
図11を参照して、比較例3の局側装置153は、各々が、たとえば2つのPON回線を収容する光回線カード12−1〜12−N+1を備える。光回線カード12は、集線カード13のような集線機能を有していない。各光回線カード12および集線カード13の接続態様は、ダブルスター型となる。
光回線カード12および集線カード13間の帯域は、収容するPON回線の数に応じた量が必要となる。たとえば、光回線カード12が10GbpsのPON回線を2つ収容する場合、光回線カード12および集線カード13間には20Gbpsの通信を可能とする配線が必要となる。
すなわち、局側装置153では、光回線カード12および集線カード13間に複数回線分の主信号線路が存在することから、バックプレーン51のコネクタのピン数の多さはさらに顕著となる。また、バックプレーン51におけるパターン配線がさらに複雑になることから、バックプレーンの設計難度、および通信品質確保のためのシミュレーション等により開発コストがさらに高くなってしまう。
これに対して、局側装置101では、光回線カード12と集線カード13とが光配線16によって接続されることから、たとえば送信および受信ごとに1つの配線を用いてカード間の信号伝送を行なうことができる。
さらに、図2に示すような1対多の光ファイバ構造を有する光配線16を用いる構成により、光信号の伝送に関し、集線カード13には各光回線カード12で共通のコネクタ、たとえば図2に示すコネクタ21を1つだけ設け、複数の光ファイバ24を複数のコネクタ22を用いて複数の光回線カード12にそれぞれ接続する。これにより、集線カード13側のコネクタを小型化し、ひいてはバックプレーン51を小型化することができるため、局側装置101の小型化に大きく貢献することができる。
すなわち、局側装置153において、局側装置101と同様に光回線カード12と集線カード13とを光配線16によって接続すれば、光回線カード12を高密度化してPON回線単位での局側装置のサイズを小型化しながら、当該高密度化による局側装置のサイズの増大を抑制することが可能となる。
ここで、高速伝送路を電気配線を用いて実現する場合、伝送路の損失を抑えるために、バックプレーンに高価な基材すなわち基板材料を使用する必要がある。すなわち、バックプレーンの設計およびシミュレーションにかかる開発コスト、および製造時の基材コストの両方が増大してしまう。
これに対して、局側装置101では、複数の光回線カード12と集線カード13とが光配線16によって接続される。光配線16では規格に準拠した汎用の光ファイバおよび光ファイバ用コネクタを使用することができ、光ファイバおよびコネクタ自体を独自に設計する必要がないことから、バックプレーン51の設計およびシミュレーションにかかる開発コスト、および製造時の基材コストの増大を防ぐことができる。
そして、このように小型化および低コスト化を実現しながら、光回線カード12の冗長構成を実現し、また、光スイッチ部14を局側装置101の筐体内に収容することにより、光スイッチ部14および局側装置101間の光配線15および電気配線17を局側装置101の筐体内に収容することができる。そして、光スイッチ部14を収容しながらも局側装置101の小型化を維持することができる。
このように、局側装置101では、通信システムの簡素化、通信の高速化、および信頼性の向上を実現しながら、これらに伴う装置の大型化を抑制することができる。
[装置の拡張性]
バックプレーンの高速伝送路に関する規格として、シリアル信号を使った1Gbpsのバックプレーン通信規格である1000BASE−KX(IEEE802.3−2008,Clause 70)、パラレル信号を使った10Gbpsのバックプレーン通信規格である10GBASE−KX4(IEEE802.3−2008,Clause 71)およびシリアル信号を使った10Gbpsのバックプレーン通信規格である10GBASE−KR(IEEE802.3−2008,Clause 72)がある。
バックプレーンの高速伝送路に関する規格として、シリアル信号を使った1Gbpsのバックプレーン通信規格である1000BASE−KX(IEEE802.3−2008,Clause 70)、パラレル信号を使った10Gbpsのバックプレーン通信規格である10GBASE−KX4(IEEE802.3−2008,Clause 71)およびシリアル信号を使った10Gbpsのバックプレーン通信規格である10GBASE−KR(IEEE802.3−2008,Clause 72)がある。
10GBASE−KR用に設計したバックプレーンを1000BASE−KXとして使用することは、同じシリアル信号を用いることから可能である。
しかしながら、10GBASE−KRおよび10GBASE−KX4、あるいは1000BASE−KXおよび10GBASE−KX4を同じバックプレーンで実現することはできない。
つまり、通信速度を変えると、バックプレーンの変更が必要になる場合がある。さらに、通信速度が上がるほどプリント基板上での伝送路損失が大きくなるため、設計の難度が高くなり、また、高速伝送用のバックプレーンとして特定の材質の高価な基板を採用しなければならなくなる。
これに対して、局側装置101では、光回線カード12および集線カード13間で光配線16が用いられることから、シングルモードまたはマルチモードなど、対応する光ファイバの仕様が共通であれば、変更したい通信速度に対応する光トランシーバ等のユニットを用いることにより、通信速度の変更が可能となる。つまり、通信速度に応じて光配線およびバックプレーンを変更する必要はない。
また、局側装置101では、主信号線路をすべて光配線化する、すなわち光スイッチ部14および光回線カード12間、ならびに光回線カード12および集線カード13間を光配線化することにより、各ユニットが別個の通信規格に準拠する場合であっても、光信号のインタフェース部分だけ規格を合わせておけば、種々の通信規格に対応することができる。
具体的には、電気信号を使ったバックプレーンの高速伝送路に関する規格には、IEEE 802.3apで標準化された10Gbpsのシリアル配線の規格である10GBASE−KR、およびIEEE 802.3ba−2010で標準化された、10Gbps×4本で40Gbpsを実現するパラレル配線の規格である40GBASE−KR4がある。
たとえば、局側装置において、光回線カード12および集線カード13間の接続が10GBASE−KRに従う場合、これを次世代機で40GBASE−KR4にアップグレードするためには、光回線カード12および集線カード13間のシリアル配線をパラレル配線に変更する必要があり、光回線カード12および集線カード13だけでなくバックプレーン51も変更しなければならない。
これに対して、局側装置101では、光回線カード12および集線カード13間で光配線16が用いられることから、40GBASE−KR4にアップグレードする場合、各ユニットの光通信規格のアップグレードは必要であるが、光回線カード12および集線カード13等のユニットをアップグレードすればよく、光配線16およびバックプレーン51はそのまま流用することができる。
また、たとえば、局側装置101の現行品が光回線カード12および集線カード13間にマルチモードファイバを使用する、IEEE標準の10Gbpsの通信規格である10GBASE−SRである場合、IEEE標準の40Gbpsの通信規格である高速化した40GBASE−SRを次世代機で採用するためには、たとえば光回線カード12および集線カード13等のユニットをアップグレードすればよく、光配線すなわちマルチモード光ファイバを置き換える必要はない。
また、局側装置101では、通信の高速化または低速化を図る場合、たとえば光回線カード12および集線カード13等のユニットを置き換えて、装置のアップグレードまたはダウングレードを行なう。たとえば、光回線カード12が1つのPON回線を収容する局側装置101において、GE−PONを10G−EPONにアップグレードする場合、光回線カード12の処理すべき通信速度が約10倍になるので、光回線カード12に加えて集線カード13も置き換える。すなわち、バックプレーン51等を含め、局側装置101において全体的な置き換えを行なうことなく、10G−EPON用光回線カード12およびこれに対応する集線カード13への交換を行なうことで足りる。
ところで、局側装置が、ONUと光信号を送受信するための複数のOSUを備えている場合、局側装置と上位ネットワークにおける装置との間にはOSUごとに複数の通信回線が必要となる。しかしながら、このような構成では、局側装置および上位ネットワーク間の配線が煩雑となり、また、10G−EPON等、通信回線が高速化されている場合、夜間等の通信トラフィックが減少する時間帯において、局側装置および上位ネットワークにおける装置の通信動作の無駄が顕著になる。
また、局側装置の通信容量の増大に伴って局側装置および上位ネットワーク間の配線が増大する問題を解決するために、局側装置において、各OSUおよび上位ネットワーク間の通信回線をまとめることにより、局側装置および上位ネットワーク間の通信回線を少なくするための集線機能を設ける、たとえば集線機能を有する集線カードを設けることが考えられる。
しかしながら、このような集線カードを局側装置に設ける構成では、前述のように、光回線カードおよび集線カード間の配線が増大してしまう。
具体的には、たとえば、光回線カードおよび集線カードがバックプレーンに装着される構成の場合、各カードのバックプレーン接続用コネクタのピン数を多くする必要があり、当該コネクタが大型化し、局側装置のサイズが大きくなってしまう。
さらに、10G−EPON等、通信回線が高速化すると、一定レベルの伝送品質を確保するために高度な設計および検証が必要になり、開発時における設計難度および開発コストが高くなってしまう。そして、このような開発の難度を下げるために主信号のパラレル伝送を行なう場合、信号ライン数が増加することになり、ピン数の増加によってバックプレーン接続用コネクタが大型化し、局側装置のサイズが大きくなってしまう。また、高速信号を伝送するために、特定の材質を用いた高価なバックプレーンが必要となってしまう。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置では、集線カード13は、アップリンクから受信したデータを光回線カード12へ出力するとともに、光回線カード12から受けたデータをアップリンクへ送信する。バックプレーン51は、光回線カード12および集線カード13を着脱可能であり、光回線カード12および集線カード13間の電気信号を伝送する。光配線16は、光回線カード12および集線カード13間の光信号を伝送する。
このように、集線カードを設ける構成により、各光回線カード12およびアップリンク間の通信回線をまとめることができるため、局側装置101およびアップリンク間の配線を簡素化し、かつ通信動作の無駄を抑制することができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置では、光通信システムにおける構成を簡易化し、かつ動作を効率化することができる。
さらに、光回線カード12と集線カード13とを光配線16を用いて接続する構成により、光回線カード12および集線カード13間の配線数の増大およびコネクタの大型化を抑制し、バックプレーン51の大型化を抑制することができるため、局側装置101を小型化することができる。
また、通信回線の高速化に伴い開発時における設計難度および開発コストが高くなることを抑制し、局側装置101の大型化および高コスト化を抑制することができる。たとえば、特定の材質を用いた高価なバックプレーン51を用いることなく、高速信号を伝送することができる。
また、装置内の通信インタフェースに関するアップグレードまたはダウングレードを、配線部分を交換することなくユニットの交換で実現することができるため、装置の拡張性を向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置では、光回線カード12および集線カード13の少なくともいずれか一方は、光配線16を介した光信号の伝送の良否を判定し、判定結果を示す光判定信号すなわちSD信号を出力する。そして、バックプレーン51と光回線カード12または集線カード13との電気的接続の良否の判定結果を示す信号、および光判定信号に基づいて、故障判定が行なわれる。
このような構成により、各カード間に光配線を採用した局側装置101において、電気配線と光配線との優劣に関わらず、バックプレーン51と各カードとの接続の良否をより正確に判定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置では、バックプレーン51の主表面のうち、光回線カード12および集線カード13が取り付けられるカード面すなわち主表面52には、光回線カード12ごとに、光信号用の接続部61と、低速信号用の接続部62と、電源用の接続部63とが一列に配置される。当該カード面と反対側の主表面53に光配線16が取り付けられる。
このような構成により、光信号を含めた各カードの各種信号および電力の伝送を、簡易な構成で良好に行なうことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置では、光配線16は、コネクタ21と、複数のコネクタ22と、コネクタ21と複数のコネクタ22との間に接続された光ファイバ23,24とを含む。コネクタ21が集線カード13に接続され、複数のコネクタ22が複数の光回線カード12にそれぞれ接続される。
このような構成により、光信号の伝送に関し、集線カード13には各光回線カード12で共通のコネクタを設ければよくなることから、集線カード13側のコネクタを小型化し、ひいてはバックプレーン51を小型化することができるため、局側装置101の小型化に大きく貢献することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る局側装置は、冗長構成として待機系の光回線カード12を有する構成であるとしたが、これに限定するものではない。局側装置101は、待機系の光回線カード12を備えない構成であってもよい。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る局側装置と比べて光配線の使用範囲を拡張した局側装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る局側装置と同様である。
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る局側装置と比べて光配線の使用範囲を拡張した局側装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る局側装置と同様である。
図12は、本発明の第2の実施の形態に係るPONシステムの構成を示す図である。
図12を参照して、集線カード13−1および13−2は、光配線19を介して接続されている。光配線19は、集線カード13間の光信号を伝送する。また、図示はしていないが、光配線19は、光配線16と同様に、バックプレーン51の主表面53に取り付けられている。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る局側装置における集線カードの構成を示す図である。
図13を参照して、集線カード13は、図6に示す集線カード13と比べて、さらに、光IF部43を含む。
スイッチ部42は、他の集線カード13におけるスイッチ部42との間でフレームおよび各種制御信号を光IF部43経由で送受信することが可能である。
光IF部43は、バックプレーン51および光配線19を介して他の集線カード13の光IF部43に接続されている。光IF部43は、スイッチ部42から受けた電気信号を光信号に変換して他の集線カード13へ出力するとともに、他の集線カード13から受けた光信号を電気信号に変換してスイッチ部42へ出力する。
具体的には、光IF部43は、スイッチ部42から受けた上りフレームまたは下りフレームを含む光信号を他の集線カード13へ出力する。また、光IF部43は、他の集線カード13から受けた光信号から上りフレームまたは下りフレームを再生してスイッチ部42へ出力する。
また、光IF部43は、光配線19を介した光信号の伝送の良否を判定し、判定結果を示すSD信号を全体制御部11へ出力する。
全体制御部11は、集線カード13の電気接続信号と、集線カード13における光IF部43から受けたSD信号とに基づいて、集線カード13とバックプレーン51との接続不良等の故障判定を行なう。
また、バックプレーン51の主表面のうち、光回線カード12および集線カード13が取り付けられるカード面すなわち主表面52と反対側の主表面53に光配線16および光配線19が取り付けられる。
このように、本発明の第2の実施の形態に係る局側装置では、光配線19は、集線カード13間の光信号を伝送する。
このような構成により、集線カード13が冗長化された局側装置101において、装置を小型化および低コスト化し、また、通信速度の変更等について装置の拡張性を向上させることができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る局側装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態に係る局側装置と比べて装置内の通信速度を制御する局側装置に関する。以下で説明する内容以外は第2の実施の形態に係る局側装置と同様である。
本実施の形態は、第2の実施の形態に係る局側装置と比べて装置内の通信速度を制御する局側装置に関する。以下で説明する内容以外は第2の実施の形態に係る局側装置と同様である。
全体制御部11は、光回線カード12および集線カード13間のトラフィック量に応じて、光回線カード12および集線カード13間の光通信速度を変更する。
具体的には、たとえば、全体制御部11は、光回線カード12の配下に接続されているONU202の台数をPON制御部36からの報告等により把握する。そして、全体制御部11は、当該台数が所定値K以下の場合には、当該光回線カード12および集線カード13間の光通信速度を低速に変更する。一方、全体制御部11は、当該台数が所定値Kより大きい場合には、当該光通信速度を高速に変更する。
他の方法として、全体制御部11は、光回線カード12におけるPON制御部36、または集線カード13におけるスイッチ部42の有する送受信フレームカウンタを定期的にモニタする。そして、全体制御部11は、当該送受信フレームカウンタのカウント値の上昇レートが所定値L以下の場合には当該光通信速度を低速に変更する。一方、全体制御部11は、当該送受信フレームカウンタのカウント値の上昇レートが所定値Lより大きい場合には当該光通信速度を高速に変更する。
全体制御部11は、光回線カード12および集線カード13間の光信号の各伝送路について、個別に通信速度を設定することができる、すなわち光回線カード12ごとに光通信速度を設定可能である。
また、全体制御部11は、集線カード13間のトラフィック量に応じて、集線カード13間の光通信速度を変更する。
具体的には、たとえば、全体制御部11は、集線カード13におけるスイッチ部42の有する送受信フレームカウンタを定期的にモニタする。そして、全体制御部11は、当該送受信フレームカウンタのカウント値の上昇レートが所定値M以下の場合には集線カード13間の光通信速度を低速に変更する。一方、全体制御部11は、当該送受信フレームカウンタのカウント値の上昇レートが所定値Mより大きい場合には集線カード13間の光通信速度を高速に変更する。
すなわち、光回線カード12および集線カード13は、光配線16または光配線19において伝送される光信号のデータレートを変更可能である。
より詳細には、光回線カード12において、PON制御部36および受信処理部33は、全体制御部11からの指示を受けて、光IF部31へ出力する上りフレームのデータレートを変更する。
また、集線カード13において、スイッチ部42は、全体制御部11からの指示を受けて、光IF部41へ出力する下りフレームのデータレートを変更する。また、スイッチ部42は、全体制御部11からの指示を受けて、光IF部43へ出力する下りフレームまたは上りフレームのデータレートを変更する。
ここで、光回線カード12および集線カード13間の光インタフェースとして、たとえば1000BASE−X、10GBASE−R、40GBASE−Rおよび100GBASE−R等の規格を用いることができる。なお、他の通信規格を用いてもよいし、局側装置の筐体内での通信であることから、独自の仕様を用いてもよい。
具体的には、たとえば、光回線カード12および集線カード13間の光インタフェースとして、10GBASE−R等の10Gbpsの規格が用いられており、当該光インタフェースにおいて100Mbpsのトラフィックしか流れていない状態を考える。
このとき、全体制御部11は、光回線カード12および集線カード13間の光インタフェースを一時的に1000BASE−Xに変更する。
このように、本発明の第3の実施の形態に係る局側装置では、光回線カード12および集線カード13は、光配線16または光配線19において伝送される光信号のデータレートを変更可能である。
一般に、通信速度が上昇すると、通信トラフィックを処理する半導体電子部品の消費電力が上昇する。
このため、通信トラフィックが少量の場合に通信レートを低速に変更することにより、局側装置101における消費電力を低減することができる。また、集線カード13を設けることで局側装置101およびアップリンク間における通信動作を効率化することに加えて、局側装置101内における通信動作を効率化することができる。
なお、本発明の第3の実施の形態に係る局側装置では、全体制御部11は、光回線カード12および集線カード13間の光通信速度、ならびに集線カード13間の光通信速度の両方を変更する構成であるとしたが、これに限定するものではない。全体制御部11は、光回線カード12および集線カード13間の光通信速度と、集線カード13間の光通信速度とのいずれか一方を変更する構成であってもよい。
また、全体制御部11は、光回線カード12および集線カード13間の双方向の光通信速度、ならびに集線カード13間の双方向の光通信速度を変更する構成であるとしたが、これに限定するものではない。全体制御部11は、光回線カード12および集線カード13間の片方向の光通信速度を変更する構成であってもよいし、集線カード13間の片方向の光通信速度を変更する構成であってもよい。
その他の構成および動作は第2の実施の形態に係る局側装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 全体制御部
12,12−1〜12−N+1 光回線カード
13,13−1,13−2 集線カード
14 光スイッチ部
15,16,19 光配線
17,71 電気配線
21,22−1〜22−N+1 コネクタ
23,24−1〜24−N+1 光ファイバ
31 光IF部
32 制御IF部
33 受信処理部
34 送信処理部
35 PON送受信部
36 PON制御部
37,38 FIFO
41−1〜41−N+1,43 光IF部
42 スイッチ部
51 バックプレーン
52,53 主表面
61,62,63 接続部
64,65,66 領域
75−1〜75−N,76−1〜76−N+1 ポート
101、151,152,153 局側装置
202 ONU(宅側装置)
203−1〜203−N PON回線
204−1〜204−N 光カプラ
301 PONシステム
12,12−1〜12−N+1 光回線カード
13,13−1,13−2 集線カード
14 光スイッチ部
15,16,19 光配線
17,71 電気配線
21,22−1〜22−N+1 コネクタ
23,24−1〜24−N+1 光ファイバ
31 光IF部
32 制御IF部
33 受信処理部
34 送信処理部
35 PON送受信部
36 PON制御部
37,38 FIFO
41−1〜41−N+1,43 光IF部
42 スイッチ部
51 バックプレーン
52,53 主表面
61,62,63 接続部
64,65,66 領域
75−1〜75−N,76−1〜76−N+1 ポート
101、151,152,153 局側装置
202 ONU(宅側装置)
203−1〜203−N PON回線
204−1〜204−N 光カプラ
301 PONシステム
Claims (6)
- 宅側装置から受信した光信号からデータを再生し、かつデータを光信号に変換して前記宅側装置へ送信するための複数の光回線カードと、
上位ネットワークから受信したデータを前記光回線カードへ出力するとともに、前記光回線カードから受けたデータを前記上位ネットワークへ送信するための集線カードと、
前記光回線カードおよび前記集線カードを着脱可能であり、前記光回線カードおよび前記集線カード間の電気信号を伝送するためのバックプレーンと、
前記光回線カードおよび前記集線カード間の光信号を伝送するための光配線とを備える、局側装置。 - 前記局側装置は、冗長構成用を含めて前記集線カードを複数備え、
前記局側装置は、さらに、
前記集線カード間の光信号を伝送するための光配線を備える、請求項1に記載の局側装置。 - 前記光回線カードおよび前記集線カードの少なくともいずれか一方は、前記光配線を介した光信号の伝送の良否を判定し、判定結果を示す光判定信号を出力し、
前記バックプレーンと前記光回線カードまたは前記集線カードとの電気的接続の良否の判定結果を示す信号、および前記光判定信号に基づいて、故障判定が行なわれる、請求項1または請求項2に記載の局側装置。 - 前記光回線カードおよび前記集線カードの少なくともいずれか一方は、前記光配線において伝送される光信号のデータレートを変更可能である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の局側装置。
- 前記バックプレーンの主表面のうち、前記光回線カードおよび前記集線カードが取り付けられるカード面には、前記光回線カードごとに、光信号用の接続部と、低速信号用の接続部と、電源用の接続部とが一列に配置され、
前記カード面と反対側の前記主表面に前記光配線が取り付けられる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の局側装置。 - 前記光配線は、第1コネクタと、複数の第2コネクタと、前記第1コネクタと前記複数の第2コネクタとの間に接続された光ファイバとを含み、
前記第1コネクタが前記集線カードに接続され、前記複数の第2コネクタが前記複数の光回線カードにそれぞれ接続される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の局側装置。
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