JP2014234517A - 相転移インク用の非晶質物質としての酒石酸エステルおよびクエン酸エステルの混合物 - Google Patents

相転移インク用の非晶質物質としての酒石酸エステルおよびクエン酸エステルの混合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2014234517A
JP2014234517A JP2014104732A JP2014104732A JP2014234517A JP 2014234517 A JP2014234517 A JP 2014234517A JP 2014104732 A JP2014104732 A JP 2014104732A JP 2014104732 A JP2014104732 A JP 2014104732A JP 2014234517 A JP2014234517 A JP 2014234517A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ester
tartaric acid
ink
tartrate
citrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014104732A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6280442B2 (ja
JP2014234517A5 (ja
Inventor
モリミツ ケンタロウ
Kentaro Morimitsu
モリミツ ケンタロウ
アデラ・ゴレデマ
Adela Goredema
ナヴィーン・チョプラ
Naveen Chopra
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Xerox Corp
Original Assignee
Xerox Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Xerox Corp filed Critical Xerox Corp
Publication of JP2014234517A publication Critical patent/JP2014234517A/ja
Publication of JP2014234517A5 publication Critical patent/JP2014234517A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6280442B2 publication Critical patent/JP6280442B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/38Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/34Hot-melt inks

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】コーティングされた基材を持つコート紙において信頼性の高い印刷物を得るため、酒石酸のエステルと、クエン酸のエステルとを含む、相転移インク用使用のために好適な非晶質物質の提供。【解決手段】酒石酸のエステルと、クエン酸のエステルと、の混合物を含む、相転移インクの成分として使用するための非晶質物質であって、ガラス転移温度が約−20〜50℃である非晶質物質であり、粘度が約100〜140℃の温度において約1〜200cPであり、酒石酸エステル対クエン酸エステルのmol%比が約10:90〜90:10である非晶質物質。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、酒石酸のエステルと、クエン酸のエステルとを含む、相転移インク用使用のために好適な非晶質物質に関する。
固体インクには、限定されないが、室温(例えば、20℃〜27℃)において固体であり、かつ、高い温度において融解し、その高い温度において融解インクが基体に塗布されることによって特徴づけられる様々な相転移インク組成物が含まれる。これらの相転移インク組成物はインクジェット印刷のために使用することができる。
インクジェット印刷プロセスでは、室温において固体であり、かつ、高い温度において液体であるインクが用いられる場合がある。そのようなインクは、固体インク、ホットメルトインク、相転移インクなどと呼ばれる場合がある。ホットメルトインクを用いるピエゾ型インクジェット印刷プロセスでは、相転移インクが印刷装置内のヒーターによって融解され、従来のピエゾ型インクジェット印刷と類似する同様な様式で液体として利用される(噴射される)。印刷用記録媒体と接触したとき、融解インクは急速に固化し、このことは、着色剤が、毛管作用によって記録媒体(例えば、紙)の中に運ばれる代わりに、記録媒体の表面に実質的に留まることを可能にし、それにより、液体インクを用いて一般に得られるよりも大きいプリント濃度を可能にする。したがって、インクジェット印刷における相転移インクの利点には、取り扱い時におけるインクの起こり得る漏出がなくなること、広範囲に及ぶ様々なプリント濃度およびプリント品質、紙の最小限のしわおよびゆがみ、ならびに、ノズルにキャップを付けない場合でさえ、ノズルの目詰まりの危険性を伴うことなく無限の非印刷期間を可能にすることが挙げられる。
一般に、相転移インク(これは時には「ホットメルトインク」と呼ばれる)は周囲温度において固相であり、しかし、インクジェット印刷デバイスの高い操作温度では液相として存在する。ジェット噴射温度において、液状インクの液滴が印刷デバイスから吐出され、そして、インク液滴が直接に記録媒体の表面と接触したとき、または、中間の加熱された転写ベルトもしくは転写ドラムを介して記録媒体の表面と接触したときのどちらにおいても、記録媒体の表面と接触したとき、インク液滴は急速に固化して、固化したインク滴からなる所定のパターンを形成する。
カラー印刷用の相転移インクは典型的には、相転移インク適合性の着色剤と組み合わされる相転移インクキャリア組成物を含む。具体的な実施形態において、一連の有色の相転移インクが、インクキャリア組成物を適合性の減法混色の原色系着色剤と組み合わせることによって形成され得る。減法混色の原色系の有色相転移インクは、4つの成分染料または成分顔料、すなわち、シアン、マゼンダ、イエローおよびブラックを含むことができ、だが、インクはこれら4つの色に限定されない。これらの減法混色の原色系の有色インクは、ただ1つだけの染料または顔料、あるいは、様々な染料または顔料の混合物を使用することによって形成され得る。例えば、マゼンタを、ソルベントレッド染料の混合物を使用することによって得ることができ、または、適合し得るブラックを、数種の染料を混合することによって得ることができる。
相転移インクは、輸送および長期貯蔵などの期間中は室温において固相のままであるので、インクジェットプリンターのために望ましい。加えて、液状のインクジェット用インクに関してインクが蒸発することの結果としてのノズルの目詰まりに伴う問題がほとんど解消されており、それにより、インクジェット印刷の信頼性が改善されている。さらに、インク液滴が最終的記録媒体(例えば、紙、透明材など)に直接に塗布される相転移インクジェットプリンターでは、液滴が記録媒体と接触すると、液滴は直ちに固化し、その結果、印刷媒体に沿ったインクの移動が阻止され、ドットの品質が改善されている。
上記の従来の相転移インク技術は、鮮やかな像をもたらすこと、ならびに、多孔性の紙におけるジェット使用の経済性および基体の許容度を提供することにおいて成功しているが、そのような技術は、コーティングが施された基体については満足できるものではなかった。したがって、公知である様々な組成物およびプロセスがそれらの意図された目的のためには好適であるが、さらなる手段が、像をコート紙基体の表面に形成させるために、または、コート紙基体に印刷するために依然として求められている。そのようなものとして、相転移インク組成物のための代替となる組成物を見出す必要があり、また、望ましいインク成分として使用するために好適である種々の種類の材料を選択し、特定することを含めて、すべての基体における優れた像品質を顧客に提供するための将来の印刷技術を見出す必要がある。
本明細書中に例示される実施形態によれば、酒石酸のエステルと、クエン酸のエステルとの混合物を含む、相転移インクの成分として使用するための非晶質物質であって、ガラス転移温度が約−20℃〜約50℃である非晶質物質が提供される。
具体的には、本発明の実施形態は、下記の式、
(式中、RおよびRのそれぞれが独立して、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、かつ、さらに、酒石酸骨格が、L−(+)−酒石酸、D−(−)−酒石酸、DL−酒石酸、メソ酒石酸およびそれらの混合から選択される)
を有する酒石酸のエステルと、下記の式、
(式中、R、RおよびRのそれぞれが独立して、下記の基、
からなる群から選択される)
を有するクエン酸のエステルとの混合物を含む、相転移インクの成分として使用するための非晶質物質であって、ガラス転移温度が約−20℃〜約50℃である非晶質物質を提供する。
さらなる実施形態において、L−酒石酸ジベンジル、L−酒石酸ジフェネチル、L−酒石酸ビス(3−フェニル−1−プロピル)、L−酒石酸ビス(2−フェノキシエチル)、L−酒石酸ジフェニル、L−酒石酸ビス(4−メチルフェニル)、L−酒石酸ビス(4−メトキシフェニル)、L−酒石酸ビス(4−メチルベンジル)、L−酒石酸ビス(4−メトキシベンジル)、L−酒石酸ジシクロヘキシル、L−酒石酸ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ならびにそれらのいずれかの立体異性体および混合からなる群から選択される酒石酸のエステルと、クエン酸トリス(3−フェニルプロピル)、クエン酸トリス(2−フェノキシエチル)、クエン酸トリシクロヘキシル、クエン酸トリベンジル、クエン酸トリス(3,5,5−トリメチルヘキシル)、クエン酸トリ−DL−メンチル、クエン酸トリ−L−メンチル、クエン酸トリス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)、クエン酸トリス(2−フェニルエチル)、クエン酸トリシクロペンチルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるクエン酸のエステルとの混合物を含む、相転移インクの成分として使用するための非晶質物質であって、ガラス転移温度が約−20℃〜約50℃である非晶質物質が提供される。
図1は、非晶質性を確認する、本発明の実施形態による非晶質物質の示差走査熱量測定法(DSC)データである(DSCデータを、−50℃から200℃、その後、−50℃の10℃/分の速度でQ1000示差走査熱量計(TA Instruments)で得た)。 図2は、本発明の実施形態による非晶質物質のレオロジーデータを例示するグラフである。 図3は、本発明の実施形態によって製造される非晶質物質を含むインクサンプルのレオロジーデータを例示するグラフである。
本発明の実施形態は、(1)酒石酸のエステルと、(2)クエン酸のエステルとの、一般には約10:90(それぞれ)〜約90:10(それぞれ)のmol%比での混合物を含む、相転移インクの非晶質成分としての物質を提供する。より具体的な実施形態において、酒石酸エステル対クエン酸エステルのmol%比は約15:85〜約85:15であり、または、約20:80〜約80:20であり、または、約25:75〜約75:25である。
一般に、本発明の実施形態の非晶質物質は典型的な非晶質特徴を示す。例えば、非晶質物質は、約−20℃〜約50℃、約−17℃〜約40℃、または、約−15℃〜約30℃のガラス転移温度(Tg)を有する場合がある。
非晶質物質は、比較的低い粘度(200cP未満、または、約1cP〜約200cP、または、約5cP〜約150cP)をジェット噴射温度の近くで(140℃以下、または、約100℃〜約140℃、または、約105℃〜約140℃)、しかし、非常に大きい粘度(10cP超)を室温において示す場合がある。
本発明の実施形態の非晶質物質に存在する酒石酸のエステルは下記の式を有する場合がある。
式中、RおよびRのそれぞれが独立して、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である。アルキル基は、直鎖型、分岐型または環状、飽和型または不飽和型、置換型または非置換型が可能であり、約1個〜約40個の炭素原子または約1個〜約20個の炭素原子を有する。アルキル基は1つまたは複数のアリール基またはヘテロアリール基により置換され得る。RおよびRのアリール基またはヘテロアリール基は置換型または非置換型が可能である。アリール基またはヘテロアリール基は、約4個〜約40個の炭素原子または約5個〜約20個の炭素原子を有することができる。酒石酸骨格が、L−(+)−酒石酸、D−(−)−酒石酸、DL−酒石酸またはメソ酒石酸およびそれらの混合から選択され得る。1つの実施形態において、RおよびRのそれぞれがアルキル基であることが可能である。具体的な実施形態において、RおよびRのそれぞれがシクロヘキシル基であることが可能である。
具体的な実施形態において、酒石酸のエステルは、L−酒石酸ジベンジル、L−酒石酸ジフェネチル、L−酒石酸ビス(3−フェニル−1−プロピル)、L−酒石酸ビス(2−フェノキシエチル)、L−酒石酸ジフェニル、L−酒石酸ビス(4−メチルフェニル)、L−酒石酸ビス(4−メトキシフェニル)、L−酒石酸ビス(4−メチルベンジル)、L−酒石酸ビス(4−メトキシベンジル)、L−酒石酸ジシクロヘキシル、L−酒石酸ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ならびにそれらのいずれかの立体異性体および混合物であることが可能である。
酒石酸のエステルは酒石酸のエステル化反応により合成することができる。
本発明の実施形態の非晶質物質に存在するクエン酸のエステルは下記の式を有する場合がある。
式中、R、RおよびRのそれぞれが独立して、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである。アルキル基は、直鎖型、分岐型または環状、飽和型または不飽和型、置換型または非置換型が可能であり、約1個〜約40個の炭素原子または約1個〜約20個の炭素原子を有する。アルキル基は1つまたは複数のアリール基またはヘテロアリール基により置換され得る。R、RおよびRのアリール基またはヘテロアリール基は置換型または非置換型が可能である。アリール基またはヘテロアリール基は、約4個〜約40個の炭素原子または約5個〜約20個の炭素原子を有することができる。1つの実施形態において、R、RおよびRのそれぞれがアルキル基であることが可能である。具体的な実施形態において、R、RおよびRのそれぞれがシクロヘキシル基であることが可能である。特定の実施形態において、R、RおよびRのそれぞれが独立して、下記の基、
からなる群から選択され得る。
具体的な実施形態において、クエン酸のエステルは、クエン酸トリス(3−フェニルプロピル)、クエン酸トリス(2−フェノキシエチル)、クエン酸トリシクロヘキシル、クエン酸トリベンジル、クエン酸トリス(3,5,5−トリメチルヘキシル)、クエン酸トリ−DL−メンチル、クエン酸トリ−L−メンチル、クエン酸トリス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)、クエン酸トリス(2−フェニルエチル)、クエン酸トリシクロペンチルならびにそれらのいずれかの立体異性体および混合物であることが可能である。
酒石酸およびクエン酸のエステルの混合物は、本開示の特定の実施形態の非晶質物質の調製を例示するスキーム1に示される簡便なワンポット反応において、酒石酸化合物およびクエン酸化合物をアルコールと反応することによって調製することができる。
本発明の実施形態とともに使用されるための好適なアルコールが、アルキルアルコールからなる群から選択される場合があり、ただし、この場合、アルコールのアルキル部分は、直鎖型、分岐型または環状、飽和型または不飽和型、置換型または非置換型(ただし、約1個〜約40個の炭素原子の炭素原子を有する)、あるいは、置換または非置換の芳香族基またはヘテロ芳香族基、および、それらの混合が可能である。様々な実施形態において、アルコールには、下記のアルコールが含まれる場合がある。
様々な実施形態において、酒石酸およびクエン酸のエステルの混合物を製造するための反応において使用され得るアルコールの量は、出発物質、すなわち、酒石酸およびクエン酸のモル当量の総和以上(すなわち、2x+3yと同等以上)である場合がある。
様々な実施形態において、非晶質物質は、相転移インク組成物を形成するために結晶性物質と配合される。インク組成物は良好なレオロジープロフィルを示す。K−プルーフによるコート紙に相転移インク組成物によってもたらされる像サンプルは優れた堅牢性を示す。
K−プルーファーは印刷所における一般的な試験用取付け具である。この場合、プルーファーは、印刷用プレートを加熱して相転移インクを融解するために改変されている。使用されたK−プルーファーは、それぞれがおよそ9.4×4.7cmである3つの三角形のグラビアパターンを有する。第1の三角形のセル密度が通常は100%であり、第2の三角形のセル密度が80%であり、第3の三角形のセル密度が60%である。実際には、このKプルーフプレートは、厚さ(または高さ)が約5ミクロンであるフィルム(または画素)を生じさせる。試験インクが、加熱されたグラビアプレートを覆って広げられ、試験プリントが、ワイピングブレードを、試験紙が取り付けられているゴムロールのすぐ後でプレート表面の端から端まで動かすことによって作成される。紙ロールが通るとき、インクがグラビアセルから紙に移される。
様々な実施形態において、相転移インク組成物が、エステル化反応における酒石酸およびクエン酸ならびにアルコールの混合物から合成される本開示の非晶質物質を使用することによって得られる。相転移インク組成物は、本発明の実施形態の非晶質物質を結晶性物質および必要に応じて使用される着色剤との組合せで含む。
相転移インク組成物は結晶性成分を含み、非晶質成分が、本発明の実施形態の酒石酸のエステルおよびクエン酸のエステルを一般には約60:40(それぞれ)〜約95:5(それぞれ)の重量比で含む。より具体的な実施形態において、結晶性成分対非晶質成分の重量比が約65:35〜約95:5であり、または、約70:30〜約90:10である。他の実施形態において、結晶性成分および非晶質成分が、約1.5〜約20の重量比で、または、約2.0〜約10の重量比でそれぞれブレンドされる。
様々な実施形態において、結晶性物質が、インク組成物の総重量の約60重量%〜約95重量%の量で、または、約65重量%〜約95重量%の量で、または、約70重量%〜約90重量%の量で存在する。様々な実施形態において、非晶質物質が、インク組成物の総重量の約5重量%〜約40重量%の量で、または、約5重量%〜約35重量%の量で、または、約10重量%〜約30重量%の量で存在する。
本発明の実施形態は、所望されるレベルの粘度を維持しながら、液体から固体への鮮明の相転移を実現し、また、硬調かつ堅牢な印刷像を容易にするために、非晶質物質および結晶性物質のある一定のバランスを含む。このインクを用いて作成されるプリントは、市販のインクを上回る利点(例えば、引っかきに対するより良好な堅牢性など)を明らかにした。したがって、相転移インクのための非晶質成分を提供する酒石酸のエステルおよびクエン酸のエステルの本発明の混合物は、望ましいレオロジープロフィルを有する堅牢なインクで、インクジェット印刷のための多くの要求を満たす堅牢なインクをもたらすことが発見されている。
様々な実施形態のインクはさらに、従来からの添加物を、そのような従来からの添加物に伴う公知の機能性を利用するために含む場合がある。そのような添加物には、例えば、少なくとも1つの酸化防止剤、消泡剤、スリップ剤および均展材、清澄剤、粘度調節剤、接着剤および可塑剤などが含まれる場合がある。
インクは必要に応じて、像を酸化から保護し、かつ、加熱された融解物としてインクリザーバーに存在しながら、インク成分もまた酸化から保護するかもしれない酸化防止剤を含有する場合がある。好適な酸化防止剤の例には、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド(IRGANOX1098、BASFから入手可能)、2,2−ビス(4−(2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ))エトキシフェニル)プロパン(TOPANOL−205、Vertellusから入手可能)、トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌラート(Aldrich)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フルオロホスホニト(ETHANOX−398、Albermarle Corporationから入手可能)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニルジホスホニト(ALDRICH46)、ペンタエリトリトールテトラステアラート(TCI America)、次亜リン酸トリブチルアンモニウム(Aldrich)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール(Aldrich)、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(4−メトキシベンジル)フェノール(Aldrich)、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール(Aldrich)、4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノール(Aldrich)、4−ブロモ−2−ニトロフェノール(Aldrich)、4−(ジエチルアミノメチル)−2,5−ジメチルフェノール(Aldrich)、3−ジメチルアミノフェノール(Aldrich)、2−アミノ−4−tert−アミルフェノール(Aldrich)、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール(Aldrich)、2,2’−メチレンジフェノール(Aldrich)、5−(ジエチルアミノ)−2−ニトロソフェノール(Aldrich)、2,6−ジクロロ−4−フルオロフェノール(Aldrich)、2,6−ジブロモフルオロフェノール(Aldrich)、α−トリフルオロ−o−クレゾール(Aldrich)、2−ブロモ−4−フルオロフェノール(Aldrich)、4−フルオロフェノール(Aldrich)、4−クロロフェニル−2−クロロ−1,1,2−トリ−フルオロエチルスルホン(Aldrich)、3,4−ジフルオロフェニル酢酸(Aldrich)、3−フルオロフェニル酢酸(Aldrich)、3,5−ジフルオロフェニル酢酸(Aldrich)、2−フルオロフェニル酢酸(Aldrich)、2,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸(Aldrich)、エチル−2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェノキシ)プロピオナート(Aldrich)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニルジホスホニト(Aldrich)、4−tert−アミルフェノール(Aldrich)、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェネチルアルコール(Aldrich)、ならびに、NAUGARD76、NAUGARD445、NAUGARD512およびNAUGARD524(これらは、Chemtura Corporationによって製造される)など、同様にまた、それらの混合物が含まれる。酸化防止剤は、存在するときには、どのような量であれ、所望される量または効果的な量で、例えば、インクの約0.25重量%から約10重量%の量で、または、インクの約1重量%から約5重量%の量でインクに存在する場合がある。
様々な実施形態において、本明細書中に記載される相転移インク組成物はまた、着色剤を含む場合がある。所望される着色剤または効果的な着色剤がインクキャリアに分散または溶解され得るならば、所望される着色剤または効果的な着色剤はどれも、染料、顔料、それらの混合物などを含めて、相転移インク組成物において用いることができる。染料または顔料をインクキャリアに分散または溶解させることができ、かつ、その染料または顔料がそれ以外のインク成分と適合し得るならば、どのような染料または顔料も選ばれる場合がある。相変化キャリア組成物を従来からの相転移インク着色剤物質と組み合わせて使用することができ、例えば、Color Index(C.I.)ソルベント染料、分散染料、修飾された酸性染料および直接染料、塩基性染料、イオウ系染料、バット染料などと組み合わせて使用することができる。好適な染料の例には、Neozapon Red 492(BASF)、Orasol Red G(Pylam Products)、Direct Brilliant Pink B(Oriental Giant Dyes)、Direct Red 3BL(Classic Dyestuffs)、Supranol Brilliant Red 3BW(Bayer AG)、Lemon Yellow 6G(United Chemie)、Light Fast Yellow 3G(Shaanxi)、Aizen Spilon Yellow C−GNH(Hodogaya Chemical)、Bemachrome Yellow GD Sub(Classic Dyestuffs)、Cartasol Brilliant Yellow 4GF(Clariant)、Cibanone Yellow 2G(Classic Dyestuffs)、Orasol Black RLI(BASF)、Orasol Black CN(Pylam Products)、Savinyl Black RLSN(Clariant)、Pyrazol Black BG(Clariant)、Morfast Black 101(Rohm&Haas)、Diaazol Black RN(ICI)、Thermoplast Blue 670(BASF)、Orasol Blue GN(Pylam Products)、Savinyl Blue GLS(Clariant)、Luxol Fast Blue MBSN(Pylam Products)、Sevron Blue 5GMF(Classic Dyestuffs)、Basacid Blue 750(BASF)、Keyplast Blue(Keystone Aniline Corporation)、Neozapon Black X51(BASF)、Classic Solvent Black 7(Classic Dyestuffs)、Sudan Blue 670(C.I.61554)(BASF)、Sudan Yellow 146(C.I.12700)(BASF)、Sudan Red 462(C.I.26050)(BASF)、C.I.Disperse Yellow 238、Neptune Red Base NB543(BASF、C.I.Solvent Red 49)、Neopen Blue FF−4012(BASF)、Lampronol Black BR(C.I.Solvent Black 35)(ICI)、Morton Morplas Magenta 36(C.I.Solvent Red 172)および金属フタロシアニンなどが含まれる。ポリマー系染料もまた使用することができ、例えば、Milliken&Companyから、Milliken Ink Yellow 869、Milliken Ink Blue 92、Milliken Ink Red 357、Milliken Ink Yellow 1800、Milliken Ink Black 8915−67として市販されている染料、uncut Reactint Orange X−38、uncut Reactint Blue X−17、Solvent Yellow 162、Acid Red 52、Solvent Blue 44、および、uncut Reactint Violet X−80などを使用することができる。
顔料もまた、相転移インクのための好適な着色剤である。好適な顔料の例には、PALIOGEN Violet 5100(BASF)、PALIOGEN Violet 5890(BASF)、HELIOGEN Green L8730(BASF)、LITHOL Scarlet D3700(BASF)、SUNFAST Blue 15:4(Sun Chemical)、Hostaperm Blue B2G−D(Clariant)、Hostaperm Blue B4G(Clariant)、Permanent Red P−F7RK、Hostaperm Violet BL(Clariant)、LITHOL Scarlet 4440(BASF)、Bon Red C(Dominion Color Company)、ORACET Pink RF(BASF)、PALIOGEN Red 3871K(BASF)、SUNFAST Blue 15:3(Sun Chemical)、PALIOGEN Red 3340(BASF)、SUNFAST Carbazole Violet 23(Sun Chemical)、LITHOL FAST Scarlet L4300(BASF)、SUNBRITE Yellow 17(Sun Chemical)、HELIOGEN Blue L6900、L7020(BASF)、SUNBRITE Yellow 74(Sun Chemical)、SPECTRA PAC C Orange 16(Sun Chemical)、HELIOGEN Blue K6902、K6910(BASF)、SUNFAST Magenta 122(Sun Chemical)、HELIOGEN Blue D6840、D7080(BASF)、Sudan Blue OS(BASF)、NEOPEN Blue FF4012(BASF)、PV Fast Blue B2GO1(Clariant)、IRGALITE Blue GLO(BASF)、PALIOGEN Blue 6470(BASF)、Sudan Orange G(Aldrich)、Sudan Orange 220(BASF)、PALIOGEN Orange 3040(BASF)、PALIOGEN Yellow 152、1560(BASF)、LITHOL Fast Yellow 0991K(BASF)、PALIOTOL Yellow 1840(BASF)、NOVOPERM Yellow FGL(Clariant)、Ink Jet Yellow 4G VP2532(Clariant)、Toner Yellow HG(Clariant)、Lumogen Yellow D0790(BASF)、Suco−Yellow L1250(BASF)、Suco−Yellow D1355(BASF)、Suco Fast Yellow D1355、D1351(BASF)、HOSTAPERM Pink E02(Clariant)、Hansa Brilliant Yellow 5GX03(Clariant)、Permanent Yellow GRL02(Clariant)、Permanent Rubine L6B05(Clariant)、FANAL Pink D4830(BASF)、CINQUASIA Magenta(DU PONT)、PALIOGEN Black L0084(BASF)、Pigment Black K801(BASF)、および、カーボンブラック(例えば、REGAL330(商標)(Cabot)、Nipex150(Evonik)、Carbon Black 5250、および、Carbon Black 5750(Columbia Chemical)など)、ならびに、それらの混合物が含まれる。
インク基剤における顔料分散物が相乗剤および分散剤によって安定化される場合がある。一般に、好適な顔料は有機物または無機物である場合がある。磁性材料に基づく顔料はまた、例えば、堅牢な磁気インク文字認識(MICR)インクを製造するために好適である。磁性顔料には、磁性ナノ粒子(例えば、強磁性ナノ粒子など)が含まれる。
様々な実施形態において、ソルベント染料が用いられる。本明細書での使用のために好適であるソルベント染料の一例には、本明細書中に開示されるインクキャリアとのその適合性のために、揮発性溶剤可溶性の染料が含まれる場合がある。好適な揮発性溶剤可溶性の染料の例には、Neozapon Red 492(BASF)、Orasol Red G(Pylam Products)、Direct Brilliant Pink B(Global Colors)、Aizen Spilon Red C−BH(Hodogaya Chemical)、Kayanol Red 3BL(Nippon Kayaku)、Spirit Fast Yellow 3G、Aizen Spilon Yellow C−GNH(Hodogaya Chemical)、Cartasol Brilliant Yellow 4GF(Clariant)、Pergasol Yellow 5RA EX(Classic Dyestuffs)、Orasol Black RLI(BASF)、Savinyl Black RLS(Clariant)、Morfast Black 101(Rohm and Haas)、Orasol Blue GN(Pylam Products)、Thermoplast Blue 670(BASF)、Savinyl Blue GLS(Sandoz)、Luxol Fast Blue MBSN(Pylam)、Sevron Blue 5GMF(Classic Dyestuffs)、Basacid Blue 750(BASF)、Keyplast Blue E(Keystone Aniline Corporation)、Neozapon Black X51(C.I.Solvent Black、C.I.12195)(BASF)、Sudan Blue 670(C.I.61554)(BASF)、Sudan Yellow 146(C.I.12700)(BASF)、Sudan Red 462(C.I.260501)(BASF)、および、それらの混合物などが含まれる。
着色剤は、所望される色または色相を得るために、どのような量でも所望される量または効果的な量で相転移インクに存在させてもよく、例えば、少なくともインクの約0.1重量%からインクの約50重量%の量で、また、少なくともインクの約0.2重量%〜インクの約20重量%の量で、また、少なくともインクの約0.5重量%〜インクの約10重量%の量で相転移インクに存在させてもよい。
様々な実施形態において、溶融状態では、相転移インク用のインクキャリアは、約1cPから約22cPの粘度、または、約4cPから約15cPの粘度、または、約6cPから約12cPの粘度をジェット噴射温度において有する場合がある。ジェット噴射温度は典型的には、約100℃から約140℃の範囲に含まれる。様々な実施形態において、相転移インクは、約10cPを超える粘度を室温において有する。様々な実施形態において、相転移インクは、10℃/分の速度でのDSCによって求められる場合、融解温度(Tmelt)が約65℃〜約150℃であり、または、約70℃〜約140℃であり、約80℃〜約135℃であり、結晶化温度(Tcrys)が約40℃〜約140℃であり、または、約45℃〜約130℃であり、約50℃〜約120℃である。
様々な実施形態において、得られた相転移インクは、約1cP〜約22cPの粘度、または、約4cP〜約15cPの粘度、または、約6cP〜約12cPの粘度を約100℃〜約140℃のジェット噴射範囲において有する。様々な実施形態において、相転移インクは、約10cPを超える粘度を室温において有する。様々な実施形態において、相転移インクは、10℃/分の速度でのDSCによって求められる場合、Tmeltが約65℃〜約150℃であり、または、約70℃〜約140℃であり、約80℃〜約135℃であり、Tcrysが約40℃〜約140℃であり、または、約45℃〜約130℃であり、約50℃〜約120℃である。
インク組成物は、いずれかの所望される方法または好適な方法によって調製することができる。例えば、インクキャリアの成分のそれぞれを混合して一緒にし、その後、混合物を少なくともその融点に、例えば、約60℃〜約150℃に、80℃〜約145℃に、また、85℃〜約140℃に加熱することができる。着色剤が、インク成分が加熱されてしまう前に、または、インク成分が加熱された後で加えられる場合がある。顔料が、選択された着色剤であるときには、溶融混合物は、インクキャリアにおける顔料の分散に影響を与えるための磨砕機もしくはボールミル装置または他の高エネルギー混合設備での粉砕に供される場合がある。加熱された混合物はその後、実質的に均質な一様の溶融物を得るために約5秒間〜約30分間またはそれ以上にわたって撹拌され、その後、インクは周囲温度(典型的には約20℃〜約25℃)に冷却される。インクは周囲温度において固体である。具体的な実施形態において、この形成プロセスの期間中において、その溶融状態にあるインクは、インクスティックを形成するために鋳型に注がれ、その後、冷却および固化させられる。好適なインク調製技術が米国特許第7,186,762号に開示される(その開示はその全体において参照によって本明細書中に組み込まれる)。
上記インクは、直接的な印刷のインクジェットプロセスのための装置において、また、間接的な(オフセット)印刷のインクジェット適用において用いることができる。本明細書中に開示される別の実施形態が、本明細書中に開示されるようなインクをインクジェット印刷装置に組み込むこと、インクを融解すること、および、融解インクの液滴を記録用基体の表面に像様パターンで吐出させることを含むプロセスに関する。本明細書中に開示されるさらに別の実施形態が、本明細書中に開示されるようなインクをインクジェット印刷装置に組み込むこと、インクを融解すること、融解インクの液滴を中間転写部材の表面に像様パターンで吐出させること、および、インクを中間転写部材から最終的記録用基体の表面に当該像様パターンで転写することを含むプロセスに関する。具体的な実施形態において、中間転写部材は、最終的記録シートの温度よりも高く、かつ、印刷装置における融解インクの温度よりも低い温度に加熱される。別の具体的な実施形態において、中間転写部材および最終的記録シートの両方が加熱される;この実施形態では、中間転写部材および最終的記録シートの両方が、印刷装置における融解インクの温度よりも低い温度に加熱される;この実施形態では、中間転写部材および最終的記録シートの相対的温度は、(1)中間転写部材が、最終的記録用基体の温度よりも高く、かつ、印刷装置における融解インクの温度よりも低い温度に加熱されるようにすることができ、または、(2)最終的記録用基体が、中間転写部材の温度よりも高く、かつ、印刷装置における融解インクの温度よりも低い温度に加熱されるようにすることができ、または、(3)中間転写部材および最終的記録シートがほぼ同じ温度に加熱されるようにすることができる。1つの具体的な実施形態において、印刷装置は、インクの液滴が圧電振動素子の振動によって像様パターンで吐出させられる圧電印刷プロセスを用いる。本明細書中に開示されるようなインクはまた、他のホットメルト印刷プロセスにおいて用いることができ、例えば、ホットメルト・アコースティック・インクジェット印刷、ホットメルト・サーマル・インクジェット印刷、ホットメルト連続流インクジェット印刷またはホットメルト偏向インクジェット印刷などにおいて用いることができる。本明細書中に開示されるような相転移インクはまた、ホットメルト・インクジェット印刷プロセス以外の印刷プロセスにおいて使用することができる。
好適な基体または記録シートはどれも用いることができ、これには、普通紙(例えば、XEROX(登録商標)4200紙、XEROX(登録商標)Image Series紙、Courtland(登録商標)4024DP紙など)、罫線入りノート用紙、ボンド紙、シリカコート紙(例えば、Sharp Companyのシリカコート紙など)、Jujo紙、HAMMERMILL LASERPRINT(登録商標)紙など、光沢コート紙(例えば、XEROX(登録商標)Digital Color Elite Gloss、Sappi Warren Papers LUSTROGLOSS(登録商標)など)、特殊紙(例えば、Xerox DURAPAPER(登録商標)など)、透明材料、布地、織物製品、プラスチック、ポリマーフィルム、無機の記録媒体(例えば、金属および木材など)、透明材料、布地、織物製品、プラスチック、ポリマーフィルム、無機基体(例えば、金属および木材など)が含まれる。
本明細書中に記載されるインクがさらに、下記の実施例において例示される。すべての部および百分率は、別途示される場合を除き、重量%である。
実施例1
非晶質物質の合成
本開示の特定の実施形態による非晶質物質をスキーム2に従って合成することができる。アルコールと、L−酒石酸およびクエン酸の混合物との間におけるエステル化反応を簡便なワンポット反応により行った。シクロヘキサノールを、対応するエステルを形成させるために酸(すなわち、L−酒石酸およびクエン酸)の様々な比率で反応させた。得られたエステルの物理的性質を表1に示す。
実施例2
サンプルK−71の合成
Dean−Starkトラップを備える500mLのフラスコにおいて、L−酒石酸(12.0g、80mmol)、クエン酸(10.24g、53.3mmol)、シクロヘキサノール(32.0g、320mmol)およびキシレン(200ml)を加えて、懸濁物を得た。p−トルエンスルホン酸一水和物(0.61g、3.2mmol)を加え、混合物を水の共沸除去とともに3時間還流した。反応混合物を室温にまで冷却し、NaHCO水溶液(1回)およびブライン(1回)により洗浄し、その後、MgSOで乾燥した。ろ過および溶媒除去の後、残渣を100℃で撹拌しながら真空下で乾燥して、34.0g(収率:70.2%)の非晶質固体を得た。H NMRは、所望の生成物が形成されていることを示した。
K−68、K−74、K−65およびK−66のサンプルを、L−酒石酸およびクエン酸の量を表1に示されるmol%比率に従って変化させたことを除いて、サンプルK−71の合成の場合と同じ記載された手順に従って調製した。
実施例3
物質の性質
図1はサンプルK−71の示差走査熱量測定法(DSC)のデータを示す。DSCデータは、サンプルK−71のガラス転移温度(Tg)が−14℃であること、および、結晶化ピークが何ら記録されないことを示し、このことは、この物質が非晶質の固体であることを示している。表1に示されるように、他のサンプルもまたガラス転移を示した。このことは非晶質固体の特徴である。
サンプルK−71のレオロジーを、ペルチエ加熱プレートを備え、25mmの平行プレートを使用するRFS3制御型ひずみレオメーター(TA instruments)を使用して測定し、図2に示した。使用された方法は、5℃の温度刻み、各温度の間における120秒の浸漬(平衡)時間、および、1Hzの一定の振動数における高温から低温への温度掃引であった。
サンプルK−71のレオロジー曲線は比較的低い粘度(200cP未満)を高い温度(100℃超)において有し、しかし、非常に大きい粘度(10cP超)を室温において有する。サンプルK−65およびサンプルK−74は、非晶質成分がインク配合物の約20%であるという事実のために、サンプルK−71よりも大きい粘度を有しており、そのような粘度範囲により、適切なインク配合によるジェット噴射可能なインクを提供することができた。
実施例4
インクの特徴づけ
インクサンプルを、非晶質物質(サンプルK−71、サンプルK−74およびサンプルK−65)、結晶性物質、すなわち、下記に示される構造を有するテレフタル酸ジステアリル(DST)、および、顔料高濃度物から配合した。
配合物を表2に示す。これらのインクサンプルを、インクA、インクBおよびインクCとしてそれぞれ標識した。顔料高濃度物は、DST(結晶性)、シアン顔料B4G、米国特許第7,973,186号に記載されるポリエチレインイミン(PEI)分散物、および、SunFlo SFD−B124相乗剤を含有した。顔料高濃度物の顔料含有量が20%であった。そのような比率は、それぞれの得られたインクに、2%の顔料負荷をもたらした。
実施例5
図3は、インクA、インクBおよびインクCのレオロジーデータを示す。これらのインクは、10cP超への鮮明な相転移をおよそ85℃〜90℃において示した。140℃におけるインクAおよびインクBの粘度がそれぞれ、約5.75cPおよび7.42cPであった。これらは、許容され得るジェット噴射粘度(10cP)を下回っている。レオロジーに基づく予想されたジェット噴射温度がそれぞれ、105℃および120℃であった。インクCは、より大きい粘度(17.20cP)を同じ温度において示した;粘度における低下を、粘度調節剤を使用することによって、または、非晶質物質の量を減らすことによって達成することができる。
実施例6
堅牢性性能
インクA、インクBおよびインクCを、低い圧力で設定される圧力ロールが装備されるK−プルーファー・グラビア印刷プレートを使用して、Xerox(登録商標)Digital Color Elite Gloss、すなわち、120gsmの(DCEG)コート紙に印刷した。グラビアプレート温度を142℃で設定したが、実際のプレート温度は約134℃である。K−プルーファー装置(これは、PK Print Coat Instrument Ltd.(Litlington、Royston、Heris、SG8 0OZ、UK)によって製造される)が、様々なインクを小規模でスクリーニングするための、また、様々な基体における像の品質を評価するための有用な印刷用具である。これらのインクは、基体から容易に取り除くことができない堅牢な像を与えた。湾曲した先端を垂直〜約15°の角度で有する金属先端が、528gの重りが加えられたまま、およそ13mm/sの速度で像の端から端まで引っ張られたとき、インクはどれも、目に見えるほどに像から取り除かれなかった。この先端は、およそ12mmの曲率半径を有する旋盤用の丸先切削ビットと類似している。

Claims (10)

  1. 酒石酸のエステルと、
    クエン酸のエステルと、
    の混合物を含む、相転移インクの成分として使用するための非晶質物質であって、ガラス転移温度が約−20℃〜約50℃である非晶質物質。
  2. ガラス転移温度が約−17℃〜約40℃である、請求項1に記載の非晶質物質。
  3. 粘度が約100℃〜約140℃の温度において約1cP〜約200cPである、請求項1に記載の非晶質物質。
  4. 前記酒石酸エステル対前記クエン酸エステルのmol%比が約10:90〜約90:10である、請求項1に記載の非晶質物質。
  5. 酒石酸の前記エステルが、下記の式、
    (式中、RおよびRのそれぞれが独立して、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、かつ、さらに、酒石酸骨格が、L−(+)−酒石酸、D−(−)−酒石酸、DL−酒石酸、メソ酒石酸およびそれらの混合から選択される)
    を有する、請求項1に記載の非晶質物質。
  6. クエン酸の前記エステルが、下記の式、
    (式中、R、RおよびRのそれぞれが独立して、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である)
    を有する、請求項1に記載の非晶質物質。
  7. 下記の式、
    (式中、RおよびRのそれぞれが独立して、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、かつ、さらに、酒石酸骨格が、L−(+)−酒石酸、D−(−)−酒石酸、DL−酒石酸、メソ酒石酸およびそれらの混合から選択される)
    を有する酒石酸のエステルと、
    下記の式、
    (式中、R、RおよびRのそれぞれが独立して、下記の基、
    からなる群から選択される)
    を有するクエン酸のエステルと
    の混合物を含む、相転移インクの成分として使用するための非晶質物質であって、ガラス転移温度が約−20℃〜約50℃である非晶質物質。
  8. およびRのそれぞれがシクロヘキシル基である、請求項7に記載の非晶質物質。
  9. 、RおよびRのそれぞれがシクロヘキシル基である、請求項7に記載の非晶質物質。
  10. L−酒石酸ジベンジル、L−酒石酸ジフェネチル、L−酒石酸ビス(3−フェニル−1−プロピル)、L−酒石酸ビス(2−フェノキシエチル)、L−酒石酸ジフェニル、L−酒石酸ビス(4−メチルフェニル)、L−酒石酸ビス(4−メトキシフェニル)、L−酒石酸ビス(4−メチルベンジル)、L−酒石酸ビス(4−メトキシベンジル)、L−酒石酸ジシクロヘキシル、L−酒石酸ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ならびにそれらのいずれかの立体異性体および混合物からなる群から選択される酒石酸のエステルと、
    クエン酸トリス(3−フェニルプロピル)、クエン酸トリス(2−フェノキシエチル)、クエン酸トリシクロヘキシル、クエン酸トリベンジル、クエン酸トリス(3,5,5−トリメチルヘキシル)、クエン酸トリ−DL−メンチル、クエン酸トリ−L−メンチル、クエン酸トリス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)、クエン酸トリス(2−フェニルエチル)、クエン酸トリシクロペンチルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるクエン酸のエステルと
    の混合物を含む、相転移インクの成分として使用するための非晶質物質であって、ガラス転移温度が約−20℃〜約50℃である非晶質物質。
JP2014104732A 2013-06-04 2014-05-20 相転移インク用の非晶質物質としての酒石酸エステルおよびクエン酸エステルの混合物 Active JP6280442B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/909,975 US9090791B2 (en) 2013-06-04 2013-06-04 Mixtures of ester of tartaric acid and ester of citric acid as amorphous materials for phase change inks
US13/909,975 2013-06-04

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014234517A true JP2014234517A (ja) 2014-12-15
JP2014234517A5 JP2014234517A5 (ja) 2017-06-29
JP6280442B2 JP6280442B2 (ja) 2018-02-14

Family

ID=51899666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014104732A Active JP6280442B2 (ja) 2013-06-04 2014-05-20 相転移インク用の非晶質物質としての酒石酸エステルおよびクエン酸エステルの混合物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9090791B2 (ja)
JP (1) JP6280442B2 (ja)
KR (1) KR20140143088A (ja)
DE (1) DE102014210120A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3677651B1 (en) * 2019-01-04 2021-10-27 Canon Production Printing Holding B.V. Radiation-curable inkjet ink composition
US20240052190A1 (en) * 2021-05-11 2024-02-15 Samsung Sdi Co., Ltd. Ink composition, layer using same, and electrophoresis device and display device comprising same
KR20220153375A (ko) * 2021-05-11 2022-11-18 삼성에스디아이 주식회사 잉크 조성물, 이를 이용한 막, 이를 포함하는 전기영동 장치 및 디스플레이 장치
KR20240033956A (ko) * 2022-09-06 2024-03-13 삼성에스디아이 주식회사 잉크 조성물, 이를 이용한 막, 이를 포함하는 전기영동 장치 및 디스플레이 장치

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012233183A (ja) * 2011-04-27 2012-11-29 Xerox Corp 相分離インク

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4490731A (en) 1982-11-22 1984-12-25 Hewlett-Packard Company Ink dispenser with "frozen" solid ink
US4889560A (en) 1988-08-03 1989-12-26 Tektronix, Inc. Phase change ink composition and phase change ink produced therefrom
US4889761A (en) 1988-08-25 1989-12-26 Tektronix, Inc. Substrates having a light-transmissive phase change ink printed thereon and methods for producing same
US5195430A (en) 1989-05-24 1993-03-23 Tektronix, Inc. Dual roller apparatus for pressure fixing sheet material
US5231135A (en) 1989-09-05 1993-07-27 Milliken Research Corporation Lightfast colored polymeric coatings and process for making same
US5221335A (en) 1990-05-23 1993-06-22 Coates Electrographics Limited Stabilized pigmented hot melt ink containing nitrogen-modified acrylate polymer as dispersion-stabilizer agent
US5621022A (en) 1992-11-25 1997-04-15 Tektronix, Inc. Use of polymeric dyes in hot melt ink jet inks
US5372852A (en) 1992-11-25 1994-12-13 Tektronix, Inc. Indirect printing process for applying selective phase change ink compositions to substrates
US6221137B1 (en) 1999-06-18 2001-04-24 Xerox Corporation Metal phthalocyanine colorants for phase change inks
US6726755B2 (en) 2002-02-08 2004-04-27 Xerox Corporation Ink compositions containing phthalocyanines
US6472523B1 (en) 2002-02-08 2002-10-29 Xerox Corporation Phthalocyanine compositions
US6476219B1 (en) 2002-02-08 2002-11-05 Xerox Corporation Methods for preparing phthalocyanine compositions
US6576747B1 (en) 2002-06-27 2003-06-10 Xerox Corporation Processes for preparing dianthranilate compounds and diazopyridone colorants
US6755902B2 (en) 2002-06-27 2004-06-29 Xerox Corporation Phase change inks containing azo pyridone colorants
US6590082B1 (en) 2002-06-27 2003-07-08 Xerox Corporation Azo pyridone colorants
US6663703B1 (en) 2002-06-27 2003-12-16 Xerox Corporation Phase change inks containing dimeric azo pyridone colorants
US6576748B1 (en) 2002-06-27 2003-06-10 Xerox Corporation Method for making dimeric azo pyridone colorants
US6696552B2 (en) 2002-06-27 2004-02-24 Xerox Corporation Process for preparing substituted pyridone compounds
US6673139B1 (en) 2002-06-27 2004-01-06 Xerox Corporation Phase change inks containing dimeric azo pyridone colorants
US6713614B2 (en) 2002-06-27 2004-03-30 Xerox Corporation Dimeric azo pyridone colorants
US6646111B1 (en) 2002-06-27 2003-11-11 Xerox Corporation Dimeric azo pyridone colorants
US6821327B2 (en) 2002-09-27 2004-11-23 Xerox Corporation Phase change inks
US7053227B2 (en) 2002-09-27 2006-05-30 Xerox Corporation Methods for making colorant compounds
US6958406B2 (en) 2002-09-27 2005-10-25 Xerox Corporation Colorant compounds
US7186762B2 (en) 2003-11-25 2007-03-06 Xerox Corporation Processes for preparing phase change inks
US7381831B1 (en) 2007-04-04 2008-06-03 Xerox Corporation Colorant compounds
US7427323B1 (en) 2007-06-07 2008-09-23 Xerox Corporation Quinacridone nanoscale pigment particles
US8293444B2 (en) * 2009-06-24 2012-10-23 Xerox Corporation Purified polyester resins for toner performance improvement
US7973186B1 (en) 2009-12-18 2011-07-05 Xerox Corporation Low molecular weight pigment dispersants for phase change ink
US8506040B2 (en) * 2011-04-27 2013-08-13 Xerox Corporation Solid ink compositions comprising crystalline-amorphous mixtures

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012233183A (ja) * 2011-04-27 2012-11-29 Xerox Corp 相分離インク

Also Published As

Publication number Publication date
US9090791B2 (en) 2015-07-28
US20140352576A1 (en) 2014-12-04
JP6280442B2 (ja) 2018-02-14
KR20140143088A (ko) 2014-12-15
DE102014210120A1 (de) 2014-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5865764B2 (ja) 相転移インクおよびそれを製造する方法
CA2774667C (en) Phase change inks and methods of making the same
JP5789217B2 (ja) 結晶性の酒石酸エステルを含む固体インク組成物
JP5849002B2 (ja) クエン酸の非晶質エステルを含む固体インク組成物
JP5798516B2 (ja) 相転移インク構成成分およびその製造方法
US9938422B2 (en) Phase change inks comprising crystalline amides
CA2813480C (en) Phase change ink compositions comprising crystalline sulfone compounds and derivatives thereof
US8741040B2 (en) Phase change ink compositions comprising aromatic ethers
JP6280442B2 (ja) 相転移インク用の非晶質物質としての酒石酸エステルおよびクエン酸エステルの混合物
JP6199802B2 (ja) 非晶質物質としての酒石酸エステルおよびクエン酸エステルの混合物を含む相転移インク組成物
KR20140098680A (ko) 상 변화 잉크용 비결정성 물질로서의 말산 유도체

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170519

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170519

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170907

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6280442

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250