JP2014231488A - バイオイメージング用蛍光標識剤 - Google Patents

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州司 日沼
公平 曽我
Kohei Soga
公平 曽我
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Abstract

【課題】本発明の課題は、1000nm〜1800nmの波長領域の近赤外光蛍光を発し、希土類を含有しない蛍光標識剤を提供すること、さらに、該蛍光標識剤を用いて、鮮明で深部に及ぶバイオイメージングを実現する方法を提供すること。
【解決手段】波長900nm〜1000nmの照射光により励起して、波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有し、希土類元素を含有しないことを特徴とする、バイオイメージング用蛍光標識剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、近赤外線の波長領域を利用するバイオイメージングに用いる蛍光標識剤に関する。
生命現象を可視化して計測するためのバイオイメージングは、生命化学や医学の発展のための基礎となる重要な技術である。例えば近年ノーベル賞を受けた緑色発光タンパク質に関する研究は、新たなバイオイメージング技術の開発が様々な生命現象の解明に寄与した好例である。
中でも蛍光バイオイメージングは現象の動的観察、多色観察、高感度観察が可能なイメージングであり、例えば、マウスの全身における物質の移動や分布を観察したり計測したりするためのin vivo 蛍光バイオイメージング(IFBI)は、生命化学や医学の研究領域で不可欠なツールとなっている。
ところで、蛍光バイオイメージング技術において1000nm〜1800nmの近赤外の波長領域は「生体の窓」と呼ばれ、生体組織における透過性が高い領域である。この近赤外領域(Near Infrared Region: NIR)に蛍光を有するプローブ(標識物質)は、細胞障害性の低さや散乱光の小ささなどのバイオイメージングにおける利点から非常に有用であると考えられている。
しかしながら、蛍光バイオイメージングの蛍光標識剤として用いられている比較的長波長領域の蛍光を発する蛍光体であるインドシアニングリーン(ICG)の蛍光波長は、約800nm前後である。特許文献1及び2には、シアニン色素の誘導体を用いた蛍光標識剤が開示されている。しかしながら、これらに開示されている好ましいとされる化合物も、蛍光波長が1000nm以下のものである。
近赤外領域においては、波長が短いほど、光散乱の割合が多くなるため、これまでの測定で用いられていた1000nm以下の蛍光では、鮮明で深部に及ぶイメージングを得ることはできていなかった。
非特許文献1には、800nm〜1700nmの波長域での撮像が可能なCCDカメラを用い、希土類含有セラミックス粒子を蛍光標識剤として使用することで1550nmの蛍光によるバイオイメージングで鮮明な画像を撮像できたことが開示されている。しかしながら、希土類は生体異物であるため生体に対して必ずしも安全ではない。
さらに、希土類元素は自然界に存在している状態から、単体の分離抽出が化学的に困難であることから、工業的生産が困難であり、高価格であり、安定調達についての懸念も有している。
したがって、バイオイメージングにおいて、より鮮明で、深部に及び画像を得るために1000nm〜1800nmの波長領域の近赤外光蛍光を発し、且つ、比較的安価であり、安定的に供給され得て、人体にとって安全なバイオイメージング用蛍光標識剤の開発が望まれていた。
特許第3507060号公報 特開2005−145819号公報
「NIR励起バイオメディカルイメージングとその応用」曽我公平、バイオマテリアル−生体材料、pp95−103、29−2,2011
上記の情況を鑑み、本発明が解決しようとする主な課題は、1000nm〜1800nmの波長領域の近赤外光蛍光を発し、希土類を含有しない蛍光標識剤を提供することである。さらに、該蛍光標識剤を用いて、鮮明で深部に及ぶバイオイメージングを実現する方法を提供することも、本発明の課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、波長900nm〜1000nmの照射光により励起して、波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有させることで、希土類元素を含有しないバイオイメージング用蛍光標識剤を調製できるとの新知見を得た。本発明者等は、さらに検討を行い、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有し、希土類元素を含有しないことを特徴とする、バイオイメージング用蛍光標識剤。
(2)生体外及び/又は生体内から波長900nm〜1000nmの照射光を照射し、生体内から放射される波長1000nm〜1800nmの蛍光を検出することによって生体内を観察するために用いる、前記(1)記載の蛍光標識剤。
(3)癌、糖尿病、循環器疾患、網膜症、関節炎、血管狭窄の診断及び/又は治療に用いる前記(1)又は(2)記載の蛍光標識剤。
(4)前記照射光が950nm〜1000nmである前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
(5)研究用試薬である前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
(6)再生医療に用いるための前記(1)〜(5)のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
(7)前記有機化合物が、天然色素、合成色素、発色団、石油由来成分、リグニン、セルロース、ペプチド、タンパク質、及びこれらの誘導体からなる群から選択される1種以上である前記(1)〜(6)記載のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
(8)前記有機化合物が、少なくとも1つの芳香環を有し、さらに、少なくとも1つの共役二重結合、少なくとも1つの酸素原子、少なくとも1つの窒素原子、又は少なくとも1つの硫黄原子を1種以上含む化合物である前記(1)〜(6)記載のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
(9)前記有機化合物が、担体に担持されている前記(1)〜(8)記載のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
(10)波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有し、希土類元素を含有しないバイオイメージング用蛍光標識剤を用いて、生体の内部を観察する方法。
(11)レーザー波長が980nm、レーザー出力が5.6W、励起方式がレーザースキャン、有効範囲が50mm×50mmである励起光源部、
センサー素子がInGaAS、検出波長領域が900〜1700nm、フレームレイトが100Hz、画素数が320×256、冷却方式がペルチェ冷却3段、自動上下機構の可動範囲が±20mmである検出部、及び
検体観察機構としてCCDカメラを装備し、
前記(10)記載の方法に用いるためのバイオイメージングシステム。
本発明によれば、バイオイメージングにおいて、より鮮明で深部に及ぶ画像を実現するめの蛍光標識剤を、比較的安価に、また安定的に提供することができる。すなわち、本発明によれば、波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有し、希土類元素を含有しないことを特徴とする、バイオイメージング用蛍光標識剤を提供することができる。
また、本発明によれば、生体外及び/又は生体内から波長900nm〜1000nmの照射光を照射し、生体内から放射される波長1000nm〜1800nmの蛍光を検出することによって生体内を観察するため比較的安価且つ安定供給可能な蛍光標識剤を提供することができ、また、該観察方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、生きたままの動物の数cmに渡る深部の3次元での蛍光イメージングを可能にすることで、生命科学・生命工学・医学における最先端の研究現場でのニーズに応えることができる。
実施例1の蛍光測定結果を示す:左側がアスファルト60/80、右側がEr/Yb/ NaYF4である。 実施例1の蛍光測定結果を示す:左側がアスファルト80/100、右側がEr/Yb/ NaYF4である。
特に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。
本発明において、「バイオイメージング」とは、好ましくは、標的とする器官、組織、又は細胞等を発光物質により標識し、発光物質を発光させることにより、生体の内部を、生体の外部から観察する技術を包含し、細胞の中のタンパク質等を蛍光物質で光らせその働きをリアルタイムで観察する技術をも包含する用語である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有し、希土類元素を含有しないことを特徴とする、バイオイメージング用蛍光標識剤に関する。
前記「波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物」(以降、「蛍光を発する有機化合物」と言う。)について説明する。
本発明において、前記蛍光を発する有機化合物は、波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発すれば、特に限定されず、天然化合物であってもよく、化学合成化合物であってもよい。
前記蛍光を発する有機化合物は、下記の方法を用いることにより蛍光を測定することにより、既知化合物又は既知物質の中から容易に探索することができる。
<測定試料の調製>
測定する物質又は化合物を100mg/mlの濃度で有機又は無機溶媒に溶解し、プラスチック製のチューブに入れる。適した溶媒としては、例えば、水、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液等)、クロロホルム、トルエン、エーテル、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等)及びそれらの任意の割合の混合物等が挙げられる。
<近赤外蛍光を検出するための装置>
OTN近赤外in vivo蛍光バイオイメージング装置NIS−OPT(島津製作所社製)
<測定方法>
励起レーザー(波長980nm、レーザー出力1500mA)を被験物質に照射し、シリコンフィルター(1100nm以下の波長をカット)を装着したInGaAs−CCDカメラにより近赤外蛍光(波長1100−1700nm)画像を得た。露光時間は100mSecで撮像する。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物は、植物由来成分又は生物由来成分等の生体由来成分、アスファルト等の石油由来成分、又はこれらの誘導体等であってもよい。
本発明の別のひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物は、天然色素、合成色素、発色団等であってもよい。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物は、リグニン、セルロース、ペプチド、タンパク質、又はこれらの誘導体等であってもよい。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物は、ポリフェノール化合物であってもよい。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物は、少なくとも1つの芳香環を有する有機化合物である。また、さらに、少なくとも1つの共役二重結合、少なくとも1つの酸素原子、少なくとも1つの窒素原子、又は少なくとも1つの硫黄原子を1種又は2種以上含む化合物であってもよい。
本発明の別のひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物は、
(ただし、式中Bは任意の一価アニオンを表す。)、
リボフラビン及びこれらの誘導体からなる群から選択される1種以上である。
前記アニオンとしては、特に限定されないが、例えば、ClO 、Cl等が挙げられる。
本発明の蛍光標識剤は、前記蛍光を発する有機化合物に加えて、担体を有していてもよい。本発明の好ましいひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物は、担体に担持されている。
本発明において、「担体」とは、リポソーム担体、樹枝状(dendritic)担体、ナノ材料(nanomaterial)担体、生体構造(biostructural)担体又はミセル担体を含む、様々なタイプの物質を指すのに用いることができる。担体は、前記蛍光を発する有機化合物と作動可能に結合していてもよい。
本発明において、「作動可能に結合している」とは、担体と、前記蛍光を発する有機化合物との間の電子的相互作用を指す。かかる相互作用は、とくに限定されず、共有結合、極性共有結合、イオン結合、静電結合、配位共有結合、芳香族結合、水素結合、双極子又はファンデルワールス相互作用を含む化学結合の形をとってもよい。
本発明において、好ましくは、担体は、これと作動可能に結合している前記蛍光を発する有機化合物を、生体の一つの部分から標的細胞又は組織あるいは標的細胞内又は組織内への輸送を容易にする物質である。
前記担体は、電子的に荷電(例えば、負に荷電又は正に荷電)していても、又は電子的に中性であってもよい。
本発明の蛍光標識剤に用いる担体は特に限定されず、通常この分野で使用される種々の担体を用いてもよい。本発明に用いる担体として具体的には、例えば、上記したリポソーム担体、樹枝状担体、ナノ材料担体、生体構造担体、ミセル担体が挙げられ、これらの他、通常この分野で担体として用いられるものが支障なく使用され得る。
前記リポソーム担体について具体的に説明する。
本発明において、リポソーム担体は、好ましくは、極性の親水性基に付着した脂質を含む、脂質二重層構造を指す。前記リポソーム担体は、単一の脂質二重層を含んでもよく(すなわち、ユニラメラ)、2層以上の童心の脂質二重層を含んでもよい(すなわち、マルチラメラ)。前記リポソーム担体は、略球状又は略楕円状の形状であってもよい。
本発明において、リポソーム担体は、特に限定されず、脂質二重層の剛性(rigidity)、脂質二重層の電子電荷、本発明に用いる蛍光を発する有機化合物との適合性等に基づいて選択してよい。
本発明のひとつの態様において、リポソーム担体はリン脂質を含んでもよい。前記リン脂質としては特に限定されず、天然リン脂質、合成リン脂質のいずれを用いてもよい。
前記天然リン脂質としては、特に限定されないが、具体的には、例えば卵ホスファチジルコリン、卵ホスファチジルエタノールアミン、大豆ホスファチジルコリン、レシチン又はスフィンゴミエリン等が挙げられる。
前記合成リン脂質としては、特に限定されないが、合成ホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン及びこれらの誘導体が挙げられる。また、前記合成リン脂質は種々の方法で誘導体化されていてもよく、例えば、1以上のポリエチレングリコール部分を含む、PEG化リン脂質であってもよい。
本発明のひとつの態様において、前記リポソーム担体はカチオン性であってもよく、電気的に中性であってもよく、アニオン性であってもよい。当業者は所望により、リポソーム担体の電子電荷を選択することができ、所望の電子電荷を得るために種々の脂質を選択してよい。
前記樹枝状担体について具体的に説明する。
本発明において、「樹枝状担体」は、好ましくは、前記蛍光を発する有機化合物と作動可能に結合し得るデンドリマー、デンドロン又はこれらの誘導体を指す。
前記「デンドリマー」は、好ましくは、コアを有し、且つ、コアから広がる分枝構造の複数のシェル(shell)を有する巨大分子を指す。前記「デンドロン」は、好ましくは、焦点(focal point)から広がる分枝を有するタイプのデンドリマーである。デンドリマー及びデンドロンの両方に関して、分枝はコアに直接又は連結基を介して結合していてもよい。デンドリマーは、一般的に複数のシェル又は「世代(generation)」を含む。各々の世代をデンドリマーに加えるのに、一連の反応の繰返しを用いて製造されてもよい。
樹枝状担体の形状及び寸法は様々であってよい。ある場合において、樹枝状担体は、略球状又は略球形の形状であってもよい。さらにまた、樹枝状担体は、約15オングストローム(Å)〜約250Åの範囲の直径を、対応する範囲の分子量、例えば、約500ダルトン(Da)〜約200万Daの範囲の分子量とともに有してもよい。本発明の樹枝状担体は、種々の給源から商業的に入手してもよく、この分野において公知の方法によって合成してもよい。
前記樹枝状担体は、特に限定されず、樹枝状担体の所望の特性又は本発明の前記蛍光を発する有機化合物との適合性に基づいて選択してよい。
前記樹枝状担体は、コア分子を含む。典型的なコア分子は、特に限定されず、アルキルジアミン(例えば、エチレンジアミン、1,4−ジアミンブタン、1,6−ジアミノヘキサン又は1,12−ジアミノデカン等)、アミン(例えば、アンモニア等)、シスタミン、アルキルイミン(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)等)、又は塩素化リン分子(例えば、シクロトリホスファゼン又はチオホスホリル等)等が挙げられる。
前記樹枝状担体は、通常1個以上の分枝基を含む。前記分枝基としては、特に限定されず、アルキルイミン(例えば、DAB−Am−16等のポリプロピレンイミン(PPI)等)、第三級アミン(例えば、ポリアミドアミン(PAMAM)等)、ポリリジン等のポリアミノ酸等)、又はフェノキシメチル(PMMH)等が挙げられる。
本発明の前記樹枝状担体の分岐の数は特に限定されず、2本又は3本以上の分枝を含んでもよい。別の態様において、樹枝状担体は、3本又は4本以上の分枝を含んでもよい。さらに他の態様において、樹枝状担体は、4本又は5本以上の分枝を含んでもよい。さらに、また、樹枝状担体は、1又は2以上の世代を含んでもよい。分枝基の各々の世代は、化学反応の反復又は繰り返しによって合成することができる。ひとつの態様において、樹枝状担体は、1世代の分枝基を含んでもよく、2世代の分枝基を含んでもよい。さらに別のひとつの態様において、樹枝状担体は、2世代又は3世代以上の分枝基を含んでもよい。
本発明のひとつの態様において、樹枝状担体の少なくとも一部分は疎水性であってもよい。また、別のひとつの態様において、樹枝状担体の少なくとも一部分は親水性であってもよい。さらに別のひとつの態様において、樹枝状担体は疎水性部分と親水性部分とを含んでいてもよい。
本発明のひとつの態様において、樹枝状担体はカチオン性であってもよく、電子的に中性であってもよく、又はアニオン性であってもよい。
所望の特性を示す樹枝状担体を得るために様々な出発原料を選択してもよい。
前記ナノ材料担体について具体的に説明する。
本発明において、「ナノ材料担体」は、好ましくは、約1nm〜約100nmの範囲の最長寸法を有し、前記蛍光を発する有機化合物と作動可能に結合し得る材料を指す。前記ナノ材料担体は、例えば、ナノ粒子、ナノポリマー又はナノスフェアを含み得る。
前記「ナノポリマー」は、好ましくは、重合の際に集合してナノ粒子、例えばナノロッド、ナノファイバー又はナノスフェア等を形成するポリマーを指す。
前記「ナノスフェア」は、好ましくは、略球状の形状のタイプのナノ粒子を指す。ある態様において、ナノスフェアは、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤と作動可能に結合し得る中空のコアを有してもよい。
前記ナノ材料担体は、特に限定されず、通常この分野で用いられる種々のナノ材料担体を用いてもよい。本発明のひとつの態様において、ナノ材料担体は、ナノ粒子であってもよい。
前記ナノ粒子は、金属を含んでいてもよい。本発明のひとつの態様において、前記ナノ粒子は金ナノ粒子であってもよく、前記金ナノ粒子は正に荷電されていてもよく、負に荷電されていてもよい。
前記ナノ粒子は、シリコン、ケイ素化合物、ガラス繊維、動物繊維、植物繊維、糖、又はタンパク質等を含んでいてもよい。
また本発明の別のひとつの態様において、ナノ粒子はナノスフェアであってもよい。
本発明のひとつの態様において、前記ナノ粒子はナノポリマーであってもよい。ナノポリマーを形成するポリマーは特に限定されず、具体的には、例えば、ポリ−乳酸−コ−グリコール酸(PLGA)、ポリアルキルシアノアクリレート(PACA)、ポリイプシロン−カプロラクトン(PCL)、又はポリ乳酸(PLA)等が挙げられる。これらは、ポリエチレングリコールを含んでいてもよい。
本発明のひとつの態様において、ナノ材料担体は、PLGA及びポリエチレングリコール(PEG)を含む。
本発明の別のひとつの態様において、前記ナノ粒子はフラーレンであってもよい。本発明において「フラーレン」は、例えば、球状フラーレン(例えばC60)、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体及びナノチューブ誘導体を含む、カーボン分子の同素体を指してよい。
前記フラーレンの形状としては、特に限定されず、球状、楕円状、円筒状、平面状を含む様々な形状で存在してもよい。
本発明のひとつの態様において、前記円筒形状のフラーレンナノ粒子は、カーボンナノチューブであってもよい。前記カーボンナノチューブは、単一壁であってもよく、又は多重壁であってもよい。前記カーボンナノチューブの構造は特に限定されず、アームチェア型、らせん型、ジグザグ型、又はこれらが混合されている構造のいずれであってもよい。カーボンナノチューブの直径は、約0.1nm〜約10nmの範囲にあってもよい。また、前記カーボンナノチューブは、所望の官能基が付加されていてもよい。例えば、細胞膜を横切る輸送を促進するために、カーボンナノチューブの末端に親水基が付加されていてもよい。
前記生体構造担体について具体的に説明する。
本発明において、「生体構造担体」は、好ましくは、生体構造担体の多数(majority)の単位がアミノ酸及び/又はサッカリドであり、且つ、前記蛍光を発す有機化合物と作動可能に結合しているポリマー又は化合物を指す。前記生体構造担体は、糖、タンパク質及びペプチド、並びにこれらの半合成誘導体等を含む。
本発明において、前記「糖」は、単糖、オリゴ糖又は多糖を指してもよい。前記「多糖」は、グリコシド結合で繋がった単糖の繰返し単位を含むポリマーであってよい。前記「オリゴ糖」は、グリコシド結合で繋がった2〜10個の単糖単位を含む糖であってよい。本発明において、「糖」は天然に存在するものであっても、合成物であってもよい。糖としては、特に限定されないが、例えば、グルコール(デキストロース)、フルクトース、ガラクトース、キシロース、リボース、スクロース、セルロース、シクロデキストリン又はデンプン等が挙げられる。
前記「シクロデキストリン」は、好ましくは、α−(1,4)グリコシド結合により付着したグルコピラノースの繰返し単位を含む環状多糖を指す。本発明において、シクロデキストリンは、オリゴ糖であってもよい。シクロデキストリンは、特に限定されないが、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、及びγ−シクロデキストリンを含むものであってよい。シクロデキストリンは、非置換であっても、置換されていてもよい。
前記「タンパク質」は、好ましくは、ペプチド結合で繋がった約50以上のアミノ酸単位を含む、天然化合物又は合成化合物を指す。前記タンパク質は、三次元構造、例えば、三次構造に折り畳まれたアミノ酸鎖であってもよい。また、前記「ペプチド」は、好ましくは、ペプチド結合で繋がった2〜約49個のアミノ酸単位を含む、天然化合物又は合成化合物を指す。前記ペプチドは、線状のコンフォメーション又は折り畳まれたコンフォメーションを有してもよい。タンパク質及びペプチドを構成するアミノ酸は、天然に存在するものであっても、天然に存在しないものであっても、又はこれらの任意の割合の組合せであってもよい。
前記生体構造担体における多数の単位は、サッカリド単位であってもよい。多数の単位がサッカリドである生体構造担体は、例えば、糖であってもよい。
本発明のひとつの態様において、前記生体構造担体は、単糖又はその半合成誘導体であってもよく、又はオリゴ糖又はその半合成誘導体、あるいは、多糖又はその半合成誘導体であってもよい。半合成誘導体は公知方法に従って製造されてよい。
前記多糖としては、例えば、非環状多糖(線状多糖、分枝多糖等)、環状多糖等が挙げられる。
前記非環状多糖としては、特に限定されないが、例えばデキストランが挙げられる。
前記環状多糖としては、特に限定されないが、シクロデキストリン等が挙げられる。前記シクロデキストリンとしては、特に限定されず、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等が挙げられる。前記シクロデキストリンは非置換であってもよく、置換されていてもよい。
本発明のひとつの態様において、前記シクロデキストリンは、1個又は2個以上のペンダントヒドロキシル基が、別の置換基で置換されていてもよい。前記置換基としては、特に限定されず、例えば、アルキル基、ジアルキル基、カルボキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、スルホアルキル基又はグルコース基が挙げられる。
本発明のひとつの態様において、置換シクロデキストリン生体構造担体は、特に限定されないが、具体的には、例えば、メチルβ−シクロデキストリン、ジメチル−β−シクロデキストリン、カルボキシメチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、トリ−O−メチル−β−シクロデキストリン、又はグルコシル−β−シクロデキストリン等が挙げられる。前記置換基の種類の選択又は置換度は、前記生体構造担体の所望の特性、例えば極性及び/又は疎水性等に基づいて選択してよい。
前記生体構造担体に存在するサッカリド単位の数は、多様であってよく、特に限定されない。前記サッカリド単位の数は、例えば、1個以上としてもよく、5個以上としてもよく、10個以上としてもよく、5〜50個の範囲としてもよく、又は5〜20個の範囲としてもよい。
本発明の別のひとつの態様において、生体構造担体の多数の単位は、アミノ酸単位であってもよい。多数の単位がアミノ酸である生体構造担体としては、特に限定されないが、例えば、タンパク質又はペプチド等が挙げられる。前記タンパク質及びペプチドは、天然由来であってもよく、合成品(例えば、組換えヒト血清アルブミン(rHSA)等)であってもよい。
本発明のひとつの態様において、前記生体構造担体は、アルブミンを含んでもよい。本発明において、「アルブミン」は、好ましくは、加熱により凝固する水性タンパク質のクラスを指す。前記アルブミンは、例えば、血清、ミルク又は卵に見出すことができる。
前記アルブミンとしては、特に限定されず、例えば、C反応性タンパク質、コンアルブミン、ラクトアルブミン、オボアルブミン、パルアルブミン、血清アルブミン、又はテクネチウムTC99m凝集アルブミン等が挙げられる。前記血清アルブミンとしては、特に限定されず、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)又はウシ血清アルブミン(BSA)等が挙げられる。
前記生体構造担体に存在するアミノ酸単位の数は多様であってよく、特に限定されないが、例えば、2〜1500個のアミノ酸単位を含んでもよい。アミノ酸単位の数は、例えば、2〜50個の範囲としてもよく、8〜35個の範囲としてもよく、15〜30個の範囲としてもよく、80〜1250個の範囲としてもよく、100〜1000個の範囲としてもよく、又は200〜700個の範囲としてもよい。
本発明のひとつの態様において、前記生体構造担体の少なくとも一部分は疎水性であってもよい。また別のひとつの態様において、前記生体構造担体の少なくとも一部分は親水性であってもよい。さらに別のひとつの態様において、前記生体構造担体は疎水性部分と親水性部分を含んでいても良い。
また、本発明のひとつの態様において、前記生体構造担体はカチオン性であってもよく、電子的に中性であってもよく、又はアニオン性であってもよい。
所望の特性を示す前記生体構造担体を得るために種々の出発原料を選択してもよい。
前記生体構造担体の分子量は、特に限定されない。前記生体構造担体が多数のサッカリド単位を含む場合、分子量は、例えば、約500ダルトン(Da)〜約2,500Daの範囲であってもよく、約1,000Da〜約2,000Daの範囲であってもよい。また、前記生体構造担体が多数のアミノ酸単位を含む場合、分子量は、例えば、20,000Da〜約100,000Daの範囲であってもよく、約30,000Da〜約70,000Daの範囲であってもよく、約50,000Da〜約100,000Daの範囲であってもよい。ただし、上記分子量には、蛍光を発する有機化合物の分子量は含まれない。
前記ミセル担体について具体的に説明する。
本発明において「ミセル担体」は、好ましくは、前記蛍光を発する有機化合物と作動可能に結合し得る両親媒性分子の集合体を指す。前記ミセル担体は、疎水性コア又は親水性コアを有してもよく、略球状を含む様々な形状を有してもよい。
本発明に用いる前記ミセル担体は、特に限定されず、通常この分野で用いられる種々のものを採用してよい。
本発明のひとつの態様において、前記ミセル担体は脂質を含んでもよい。前記脂質としては、特に限定されず、脂肪酸又はリン脂質等が挙げられる。
本発明の別のひとつの態様において、前記ミセル担体は、ポリマーを含んでもよい。前記ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー又はこれらの混合物であってもよい。
前記ホモポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)等)、ポリアミノ酸(例えば、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸(PGA)等)、ポリ−γ−L−グルタミルグルタミン(PGGA)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)、又はポリ乳酸等が挙げられる。
前記コポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリ乳酸−コ−グリコール酸(PLGA)を含んでも良い。
前記ブロックコポリマーは、特に限定されないが、例えば、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー等が挙げられる。前記ジブロックコポリマーは、極性繰り返し単位と、非極性繰り返し単位とを含んでもよい。前記極性繰り返し単位としては、特に限定されないが、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール等)、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド等)、又は親水性アミノ酸等が挙げられる。前記非極性繰り返し単位としては、特に限定されないが、例えば、γ−L−グルタミルグルタミン、グルタミン酸、乳酸−コ−グリコール酸、フェニレンオキシド、ε−カプロラクトン、乳酸、スチレン、ブチレンオキシド、炭化水素、又は疎水性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸等)が挙げられる。
本発明の別のひとつの態様において、前記ミセル担体はポリマーを含まない非ポリマーミセル担体であってもよい。
本発明のひとつの態様において、前記ミセル担体はカチオン性であってもよく、電子的に中性であってもよく、アニオン性であってもよい。所望の電子電荷を有するミセル担体を得るために、種々の出発材料を選択してもよい。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光標識剤は、担体に加えて、種々のターゲティング剤を含んでいてもよい。前記「ターゲティング剤」は、好ましくは、特定の標的器官又は組織に対して選択性を示す化合物を指す。ターゲティング剤は、前記担体及び/又は前記蛍光を発する有機化合物を、特定の標的器官又は組織に向かわせる目的で用いてもよい。前記ターゲティング剤は、特に限定されず、例えば、レチノイド等を用いてもよい。
本発明において、「レチノイド」は、好ましくは、ヘッド−トゥ−テイル(head-to-tail)式に連結した4個のイソプレのイド単位で構成される化合物のクラスメンバーを指す(例えば、G.P.Moss, “Biochemical Nomenclature and Related Documents,” 2nd Ed. Portland Press, pp.247-251(1992)参照。)。本発明において、前記レチノイドは、第一世代、第二世代及び第三世代レチノイドを含む、天然レチノイド及び合成レチノイドを含み得る。前記天然レチノイドとしては、特に限定されないが、例えば、11−シス−レチナール、オルトランスレチノール、パルミチン酸レチニル、オールトランスレチノイン酸又は13−シス−レチノイン酸が挙げられる。また、前記レチノイドは、レチノール、レチナール及びレチノイン酸を含み得る。
本発明に用いる前記レチノイドとしては、特に限定されないが、具体的に例えば、レチノール、レチナール、レチノイン酸、レキシノイド又はその誘導体もしくは類似物等が挙げられる。前記レチノールとしては、特に限定されないが、例えば、ビタミンA、オールトランスレチノール、パルミチン酸レチニル又は酢酸レチニル等が挙げられる。前記レチナールとしては、例えば、11−シス−レチナール等が挙げられる。前記レキシノイドは、レチノイドXレセプター(RXR)に対して選択的なレチノイド化合物であってよい。前記レキシノイドとしては、例えば、ベキサロテン等が挙げられる。また、他のレチノイド誘導体又は類似物としては、例えば、エトレチネート、アシトレチン、タザロテン、ベキサロテン、アダパレン又はフェンレニチド等が挙げられる。本発明のひとつの態様において、前記レチノイドは、レチノール、レチナール、レチノイン酸、オールトランスレチノール、オールトランスレチノイン酸、パルミチン酸レチニル、11−シス−レチナール及び13−シス−レチノイン酸からなる群から選択される1種以上であってよい。
前記ターゲティング剤は、好ましくは、特定の標的器官又は組織への治療組成物の送達選択性を高めることができる。前記標的器官としては、例えば、肝臓、膵臓、腎臓、肺、食道、喉頭、骨髄及び脳を含み得る。
本発明の好ましい態様において、前記ターゲティング剤を用いることによる前記送達選択性の向上は、ターゲティング剤を用いない場合と比較して、少なくとも約2倍であってもよく、少なくとも約3倍であってもよい。
本発明の別の好ましい態様において、前記ターゲティング剤を用いることによる前記送達選択性の向上は、ターゲティング剤を用いない場合と比較して、少なくとも10%増大させることができる。また、別の態様において、前記送達選択性は、ターゲティング剤を用いない場合と比較して、好ましくは、少なくとも25%増大させることができ、より好ましくは、少なくとも50%増大させることができ、特に好ましくは、少なくとも75%増大させることができる。
続いて、前記担体と、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤とを作動可能に結合方法について説明する。本発明においては、前記結合方法は種々の方法を採用してもよい。例えば、静電結合を介して作動可能に結合していてもよく、また共有結合を介して作動可能に結合していてもよく、連結基を介して作動可能に結合していてもよい。なお、本発明においては、前記ターゲティング剤は、前記担体と作動可能に結合していてもよく、又は前記蛍光を発する有機化合物と作動可能に結合しいてもよい。
前記共有結合を介した結合においては、通常この分野で用いられる種々のメカニズムを採用でき、特に限定されないが、例えば、縮合反応等を用いてもよい。
連結基を介した担体と作動可能な結合について説明する。前記連結基としては、特に限定されないが、例えば、比較的低分子量の基、高分子量の連結基が挙げられる。前記低分子量の連結基としては、例えば、アミド、エステル、炭酸塩又はエーテル等が挙げられる。前記高分子量の連結基としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)などを含む。
本発明のひとつの態様において、前記連結基は酸に不安定であってもよい。
ひとつの態様において、担体の内側及び/又は外側部分又は表面は、連結基を含ませるために修飾されていてもよい。1又は2以上の連結基は、担体と蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤を互いに反応させるときに、連結基を形成する部分を含ませるために、担体、前記蛍光を発する有機化合物又はターゲティング剤の1又は2以上を修飾することによって導入することができる。これらは公知方法によって行われ得る。
前記連結基を形成する部分としては、特に限定されないが、例えば、二重結合等が挙げられる。修飾されたターゲティング剤、有機化合物、及び/又は担体は、さらに、公知の方法を用いて、ミカエル反応(例えば、J. March, Advanced Organic Chemistry 3rd Ed., pp. 711-712 (1985)参照。)等を介して互いに反応させることができる。
本発明において、前記担体と、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤との作動可能な結合は、当業者に既知の複数の異なる手法で行うことができる。ひとつの態様において、作動可能な結合は、溶液中で行ってもよい。他の態様において、作動可能な結合は、固相で生じてもよい。作動可能に結合するための1つの方法は、熱(例えばマイクロ波法を用いた熱など)を用いるものである。ある態様において、反応を約100℃〜約150℃の範囲の温度まで加熱することができる。別の態様において、材料を加熱する時間は、約5〜約40分の範囲である。必要に応じて、反応混合物は室温に冷却してもよい。これらの工程は、手動で、自動化されたシステムにより、又は両者の組合せにより行うことができる。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物とターゲティング剤とは、別々に、あるいは、組合せて、担体と反応させ、混合物を形成してもよい。混合物は、好適な条件で処理し(例えばインキュベートし)、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤が担体と作動可能に結合するようにしてもよい。好ましいひとつの態様においては、前記蛍光を発する有機化合物又はターゲティング剤の一方と担体とを、他方の前記蛍光を発する有機化合物又はターゲティング剤の添加の前に反応させることができる。いくつかの態様において、前記蛍光を発する有機化合物の添加の前に、ターゲティング剤と担体とを組合せることができる。他の態様において、ターゲティング剤の添加の前に、前記蛍光を発する有機化合物と担体とを組合せることができる。さらに他の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤を、ほぼ同時に担体と組合せることができる。
他の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤は、担体が形成された後に、担体と作動可能に結合してもよい。一部の態様において、担体は、前記蛍光を発する有機化合物と作動可能に結合する前に、ターゲティング剤と作動可能に結合してもよい。他の態様において、担体は、それを前記蛍光を発する有機化合物と作動可能に結合した後に、ターゲティング剤と作動可能に結合してもよい。一部の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤の両方と、担体とを静電的に結合させてもよい。他の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤の両方を、担体に共有結合してもよい。さらに他の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及又はターゲティング剤の一方を担体と静電的に結合させてもよく、もう一方の前記蛍光を発する有機化合物又はターゲティング剤を担体に共有結合してもよい。
ナノ材料担体を用いる一部の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤は、エマルジョン合成によりナノ材料担体と作動可能に結合してもよい。ある態様において、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤は、二重エマルジョン溶媒拡散法、例えば水中油中水エマルジョン溶媒拡散法を介して、ナノ材料担体と作動可能に結合してもよい。別の態様において、エマルジョン蒸発法を用いてもよい。
糖を含む生体構造担体は、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤と、特に限定されないが、同時粉砕、混練、固体分散、溶媒蒸発、共沈、噴霧乾燥、マイクロ波加熱及び凍結乾燥を含む様々な方法によって作動可能に結合することができる。同様に、生体構造担体がタンパク質又はペプチドである場合、生体構造担体を、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤に作動可能に結合するのに様々な方法を用いることができる。タンパク質又はペプチドと作動可能に結合する典型的な方法は、ソニケーション、キャビテーション及び超音波乳化を含む。
上記反応は、任意の好適な温度、例えば室温などで行なうことができる。この分野において公知の適切な溶媒、カップリング剤、触媒、促進剤及び/又はバッファーを、担体、前記蛍光を発する有機化合物、及びターゲティング剤を作動可能に結合するために用いることができる。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤、担体における種々の位置で作動可能に結合していてもよい。かかる位置は固定的(例えば、担体の中央(middle)、末端又は側鎖)であっても、相対的であってもよく、例えば、カチオンポリマー担体は特定の媒体(例えば水性媒体など)中で、内側部分及び外側部分を有するような構造を示し得る。ある態様において、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤は、担体の外側部分又は外側表面と作動可能に結合していてもよい。ひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤は、担体の内側部分又は内側表面と作動可能に結合していてもよい。ある態様において、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤は、担体内に少なくとも部分的に包含されていてもよい。別の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤は、担体内に実質的に完全に包含されていてもよい。
担体がリポソーム担体である一部の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤上は、脂質二重層内に、部分的に又は完全に包含されていてもよい。例えば、前記蛍光を発する有機化合物及び/又はターゲティング剤は、リポソーム担体の脂質二重層の2枚の脂質層の間に、部分的に又は完全に包含されていてもよい。
担体が樹枝状担体である一部の態様において、ターゲティング剤の1又は2以上は、樹枝状担体の分枝の外側部分と作動可能に結合していてもよい。ひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤は、分枝の内側部分又は樹枝状担体のコアと作動可能に結合していてもよい。
担体が、ナノ材料担体、生体構造担体及びミセル担体から選択されるひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤は、担体の外側表面と作動可能に結合していてもよい。別の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤は、担体の内側表面と作動可能に結合していてもよい。例えば、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤は、担体内に、部分的に又は完全に被包されていてもよい。
ひとつの態様において、前記蛍光を発する有機化合物又はターゲティング剤の一方があるひとつの部分で担体と作動可能に結合している一方で、他方の前記蛍光を発する有機化合物又はターゲティング剤が別の部分で担体と作動可能に結合していてもよい。例えば、ターゲティング剤は担体の外側部分又は外側表面と作動可能に結合していてもよく、かつ、前記蛍光を発する有機化合物は担体の内側部分又は内側表面と作動可能に結合していてもよい。代替的に、担体の外側部分又は外側表面と作動可能に結合していてもよく、かつ、ターゲティング剤は担体の内側表面又は内側部分、例えばコアなどと作動可能に結合していてもよい。他の態様において、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤は、ほぼ同じ部分で担体と作動可能に結合していてもよい。例えば、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤が、担体の内側部分又は内側表面と結合していてもよい。代替的に、前記蛍光を発する有機化合物及びターゲティング剤は、担体の外側部分又は外側表面と結合していてもよい。
本発明に用いるリポソーム担体は、例えば、NDF CorporationからCoatsome ELの商標名で入手してもよく、又はこの分野で公知の方法を用いて調製することができる(例えば、その全体を本明細書に援用するLiposome Technology, 3d Ed., Informa Healthcare, New York (2006)を参照。)。
本発明に用いる樹枝状担体は、様々な給源、例えばDendritech, Midland, Michiganなどから商業的に入手してもよく、又はこの分野で公知の方法(例えば、ダイバージェント合成又はコンバージェント合成等(例えば、J. Peterson, et al., Synthesis and CZE Analysis of PAMAM Dendrimers with an Ethylenediamene Core, Proc. Estonian Acad. Sci. Chem., 50(3):156-166 (2001)、CJ. Hawker, J.M.J. Frechet, Preparation of Polymers with Controlled Molecular Architecture, A New Convergent Approach to Dendritic Macromolecules, J. Am. Chem. Soc. 112: 7638-7647 (1990)参照。))を用いて調製してもよい。
本発明に用いるナノ材料担体は、様々な方法に従って調製してもよい。例えば、PLGA、金ナノ粒子及びカーボンナノチューブ等は、商業的に入手してもよく、又は当業者に既知の方法を用いて調製してもよい。カーボンナノチューブは、例えば、商業的給源から得てもよく、あるいは、限定されずに、アーク放電、レーザアブレーション、高圧一酸化炭素及び化学蒸着を含む様々な方法によって調製してもよい。
本発明に用いるミセル担体は、商業的に入手してもよく、又はこの分野で公知の方法を用いて調製してもよい。当業者は、多くのミセル担体が、その出発両親媒性分子、例えば脂質及び/又はポリマーなどから、両親媒性分子の臨界ミセル濃度(cmc)及び臨界ミセル温度(cmt)で自己組織化し得ることを理解している。
さらに、この分野で公知の種々の方法を用いて、本発明の蛍光標識剤を単離及び/又は精製してもよい。例えば、反応混合物を酸性の水溶液中で濾過することができる。次いで、形成されるあらゆる沈殿物を濾過し、水で洗浄することができる。任意に、沈殿物を当業者に既知の任意の好適な方法で精製することができる。例えば、沈殿物をアセトン中に移し、溶解することができ、得られる溶液を重炭酸ナトリウム溶液中で再度濾過することができる。必要に応じて、得られる反応溶液をセルロース膜を用いて水中で透析することができ、ポリマーを凍結乾燥及び単離することができる。蛍光標識剤の形成後、担体と作動可能に結合していないターゲティング剤又は前記蛍光を発する有機化合物のあらゆる遊離量を測定してもよい。例えば、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて、治療組成物において残存している遊離の治療剤が実質的に存在しないことを確認してもよい。
要するに、本発明に関与するあらゆる化学的、物理的、又は電気的な反応は、公知方法又は自体公知の方法によって行われてよい。
本発明の蛍光標識剤は、さらに、発光物質を含有していてもよい。
前記発光物質は特に限定されず、900nm〜1000nm、好ましくは940nm〜1000nmの波長光を放射するものでればよい。
本発明の蛍光標識剤は、さらに、生理学的に許容し得る界面活性剤、医薬担体、賦形剤、平滑剤、懸濁化剤、防腐剤、酸化防止剤、緩衝液、等張化剤、安定化剤、染料、甘味料、フレグランス、着色料等の1種又は2種以上の組合せを含有してもよい。
前記界面活性剤としては、アルコール、エステル、硫酸化脂肪族アルコール等が挙げられる。
前記賦形剤としては、スクロース、グルコース、ラクトース、デンプン、結晶セルロース、マンニトール、軽質無水ケイ酸塩、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸性炭酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等が挙げられる。
前記「医薬担体」は、上述の担体とは異なって、これに追加される第2の化学物質であり、化合物の細胞又は組織への組込みを容易にするものを指す。例えば、生体の細胞又は組織内への多くの有機化合物の取り込みを容易にする目的で、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を用いてもよい。
前記平滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油等が挙げられる。
前記懸濁化剤としては、特に限定されないが、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等、ココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、大豆油等の食用油、フタル酸エステル等の可塑剤、酢酸フタル酸セルロース、メチルアセテート−メタクリレートコポリマー等が挙げられる。
前記防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸及びp−ヒドロキシ安息香酸エステル類、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、及びソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール及びシステイン等が挙げられる。
前記緩衝液としては、特に限定されないが、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、生理食塩水、トリス緩衝液、炭酸緩衝液(CBS)、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノプロパンスルホン酸緩衝液(TAPS)、2−[4−(2−ヒドロキシルエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)、グッド緩衝液(例えば、2−モルホリノエタンスルホン酸、モノヒドレート(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−tris)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン(Bis−trisプロパン)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミンクロリド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−3−プロパンスルホン酸(HEPPS)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(Tricine)、アミノアセトアミド(グリシンアミド)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)及びN−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等)等が挙げられる。
前記等張化剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、及びD−マンニトール等が挙げられる。
本発明の蛍光標識剤は、対象に任意の好適な手段で投与することができる。投与方法の非限定例は、なかでも、活性化合物を生体組織と接触させるために当業者が適切と考える、(a)経口経路を介した投与(当該投与は、カプセル、錠剤、顆粒、スプレー、シロップなどの形態での投与を含む)、(b)非経口経路を介した投与、例えば、直腸投与、膣内投与、尿道内投与、眼内投与、鼻腔内投与又は耳介内投与等(当該投与は、水性懸濁液もしくは油性製剤等としての、又は、滴剤、スプレー、坐薬、膏薬、軟膏等としての投与を含む)、(c)注射、例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、筋肉内注射、皮内注射、眼窩内注射、嚢内注射、脊髄内注射、胸骨内注射等(注入ポンプ送達を含む)、(d)局部(locally)投与、例えば、腎臓又は心臓領域における直接注射、例えば、デポ移植によるもの、ならびに(e)局所投与を含む。
本発明の蛍光標識剤は、自体公知の方法で、例えば、慣用の混合、溶解、造粒、糖衣剤作製、粉末化、乳化、カプセル化、封入又は打錠処理によって製造することができる。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光標識剤は、経口投与用である。経口投与用の本発明の蛍光標識剤は、当該技術分野で周知の薬学的に許容し得る担体と組合せることによって製造してよい。経口投与用の前記蛍光標識剤の剤形は、特に限定されないが、例えば、ピル、糖衣剤、カプセル、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などが挙げられる。
本発明のひとつの態様において、前記経口投与用の蛍光標識剤は、賦形剤を含有する。好適に用いられる賦形剤としては、特に限定されないが、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトール等の糖、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース調製物、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。
また、本発明の別の好ましい態様において、本発明の経口投与用の蛍光標識剤は、崩壊剤を含有する。前記崩壊剤としては、特に限定されないが、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム等)等が挙げられる。
本発明のひとつの態様において、前記経口投与用の蛍光標識剤は、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル、ならびに、ゼラチン及び可塑剤(例えば、グリセロール又はソルビトール等)で作製されたシールされたソフトカプセルを含む。前記プッシュフィットカプセルは、充填剤(例えば、ラクトース等)、結合剤(例えば、デンプン等)、滑沢剤(例えば、タルク又はステアリン酸マグネシウム等)、及び安定化剤を含み得る。ソフトカプセルにおいて、前記蛍光を発する有機化合物を含む活性化合物は、好適な液体、例えば脂肪油、流動パラフィン又は液体ポリエチレングリコールなどの中に溶解又は懸濁していてもよい。
経口投与用の全ての蛍光標識剤は、かかる投与に適した投薬量であることが好ましい。
本発明のひとつの態様において、経粘膜投与のために、透過すべき障壁に適した浸透剤を蛍光標識剤に含有させてもよい。
本発明のひとつの態様において、バッカル投与のために、前記蛍光標識剤は、慣用の手法で製剤された錠剤又はロゼンジ剤の形態をとってもよい。
本発明のひとつの態様において、吸入による投与のために、前記蛍光標識剤は、加圧パック(pressurized pack)又はネブライザーから、好適なプロペラント、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適なガスにより、エアゾールスプレー物の形態で有利に送達することができる。加圧エアゾールの場合、投薬単位は、計量された量を放出するためのバルブを提供することにより決定することができる。吸入器又はインサフレーターに用いるカプセル及びカートリッジ、例えばゼラチン製のものは、例えば、粉末基剤(例えば、ラクトース又はデンプン等の粉末混合物)を含んだ蛍光標識剤としてもよい。
本発明の別のひとつの態様において、前記蛍光標識剤は、直腸組成物、例えば坐剤又は保持浣腸等の形態としてもよい。本態様において、蛍光標識剤は、例えば、慣用の坐剤基剤(例えば、ココアバター又は他のグリセリド等)を含んでいてもよい。
本発明の別のひとつの態様において、前記蛍光標識剤は、注射剤である。前記注射剤は、溶液又は懸濁液として、あるいは注射前に液体に溶解又は懸濁するのに適した固体形態として、若しくはエマルジョンとして、慣用の形態に調製することができる。本態様に用いる好適な賦形剤は、特に限定されないが、例えば、水、食塩水、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、塩酸システイン等が挙げられる。さらに、注射可能な蛍光標識剤は、所望により、少量の無毒性補助物質、例えば湿潤剤、緩衝液、吸収増強製剤等を含有してもよい。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光標識剤は、眼内、鼻腔内、及び耳介内送達を含む用途について医薬分野においてよく知られた種々の組成物であってよい。これらの用途のための好適な浸透剤は、当該技術分野で一般的に知られている。かかる好適な医薬製剤は、ほとんどの場合、そして、好ましくは、無菌、等張、かつ安定性及び快適性のために緩衝された製剤として製造される。鼻腔内送達のための蛍光標識剤はまた、通常の線毛作用の維持を保証するために多くの点で鼻内分泌物を模するようにしばしば調製されている点鼻剤及びスプレーを含んでもよい。その全体を本明細書に援用するRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA (1990)に開示されているとおり、及び、当業者に周知のとおり、好適な製剤は、ほとんどの場合、そして、好ましくは等張であり、5.5〜6.5のpHを維持するためにわずかに緩衝されており、ほとんどの場合、そして、好ましくは抗菌保存剤及び適切な薬物安定化剤を含む。耳介内の送達のための医薬製剤は、耳内での局所適用のための懸濁剤及び軟膏を含む。かかる耳用製剤のための一般的な溶媒は、グリセリン及び水を含む。
なお、本発明の蛍光標識剤の調製において、pH、等張性、安定性等を考慮することは、当業者の技術範囲内である。
また、本発明のひとつの態様において、本発明の蛍光標識剤は、蛍光助剤を含有していてもよい。本発明において、前記「蛍光助剤」とは、前記蛍光を発する有機化合物と組合せることで前記蛍光標識剤の蛍光強度を増強させる物質をいう。前記蛍光助剤は、前記蛍光を発する化合物に作用し、蛍光強度を増強させる物質であれば特に限定されず、例えば、シリコン、ケイ素化合物、ガラス繊維、動物繊維(例えば、絹、羊毛、アルパカ、アンゴラ、カシミヤ、モヘア等)、植物繊維(例えば、綿、麻、ジュート等)、カーボンナノチューブ等を用いることができる。前記蛍光助剤の形状は、助剤としての効果を奏すれば特に限定されず、上記した本発明の蛍光標識剤の剤形、投与経路等に応じて適宜選択してよい。
前記蛍光助剤に用いる前記ケイ素化合物としては、特に限定されないが、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、亜酸化ケイ素、アリルトリメチルシラン、アリルオキシトリメチルシラン、マロン酸ビストリメチルシリル等が挙げられる。
本発明の蛍光標識剤によって診断又は観察する疾患としては、特に限定されないが、例えば、SPARC、キュビリン、又はTGFβのようなアルブミン結合タンパク質が主要な役割を果たすと共に正常組織に比べて過剰発現されている疾患を対象としてもよい。すなわち、本発明の蛍光標識剤は、SPARC発現組織の検出剤として機能し、SPARCが関与する病態全般に対する診断薬として使用することができる。本発明の蛍光標識剤として用いることが適した病態としては、軟組織、結合組織、骨、固形臓器、血管等を含めた任意の肉体組織中での、増殖の異常形態、組織再構築、過形成、過度の創傷治癒が挙げられる。具体的には例えば、癌、糖尿病性又は他の網膜症、炎症、関節炎、血管又は人工血管移植片又は、血管内装置における再狭窄等が挙げられる。
また、本発明の蛍光標識剤によって診断又は観察する疾患として、他に循環器疾患、糖尿病等が挙げられる。
さらに、本発明の蛍光標識剤は、肝細胞癌の可視化、悪性黒色腫、胃癌又は大腸癌におけるセンチネルリンパ節の探索、胆嚢又は胆管造影、肝臓移植の際の血管又は血流評価、皮弁(皮膚移植片)の血流評価、慢性閉塞性動脈硬化症における下肢虚血の評価、心臓バイパス手術における術中血管又は血流評価、センチネルリンパ節の術中診断支援等に使用してもよい。
本発明の前記蛍光標識剤における、前記蛍光を発する有機化合物の量は、前記蛍光標識剤が本発明の効果を奏する限り、特に限定されないが、例えば、前記蛍光を発する有機化合物の量は、前記蛍光標識剤の100重量%中、約25重量%〜約75重量%、約30重量%〜約60重量%、約40重量%〜約60重量%の範囲であってもよい。
本発明の蛍光標識剤の用量は、用いる蛍光を発する有機化合物、投与経路、処置する対象の生物種(ヒトを含む)、対象の年齢又は体重、観察又は検査する標的器官又は組織、臨床処置で用いられる装置等によって広範に変化し得、適宜調整することができる。
本発明の蛍光標識剤は、ヒト以外の多様な動物に適宜使用することができる。投与の形態、経路及び用量は対象動物の体重及び状態によって適当に決定される。
また、本発明は、生体外及び/又は生体内から波長900nm〜1000nmの照射光を照射し、生体内から放射される波長1000nm〜1800nmの蛍光を検出することによって生体内を観察するために用いる蛍光標識剤に関する。該蛍光標識剤は、前記蛍光を発する有機化合物を含有し、さらに所望により担体、ターゲティング剤、その他の添加剤を含んでいてもよい。担体、ターゲティング剤、その他の添加剤は、上記と同様であってよい。また、該蛍光標識剤の剤形、調製方法、投与方法は、上記と同様であってよい。
本発明において、前記蛍光標識剤に励起光を照射する方法は特に限定されず、光源を用いて生体の外側から照射してもよく、前記蛍光標識剤に含有させた発光物質を発光させることにより生体内で照射してもよく、前記蛍光標識剤とは別に対象に投与した発光物質を発光させることにより前記蛍光標識剤に励起光を照射してもよい。
なお、発光物質によって、生体内で蛍光物質に励起光を照射する技術は、例えばBRET(生物発光共鳴エネルギー転移)の分野で用いられる技術を応用することができる。
生体外から励起光を照射するための、励起光の光源としては、特に限定されず、種々のレーザー(例えば、イオンレーザー、色素レーザー又は半導体レーザー等)、ハロゲン光源、キセノン光源等の様な通常の励起光光源を用いてもよい。所望により、種々の光学フィルターを使用して最適な励起波長を得てもよい。
本発明において、前記励起光の波長は、好ましくは900nm〜1000nm、より鮮明で深部における画像を得る観点から、より好ましくは940nm〜1000nmである。
励起光の照射により、蛍光標識剤から発光された蛍光を検出するための検出機は、特に限定されず、1000nm〜1800nmの波長光を検出できるものであればよい。前記検出機は例えば、CCDカメラを用いることができる。より具体的には、INGaAs−CCDカメラを用いることができる。なお、蛍光の検出において、種々の光学フルターを使用して、所望の波長光のみを検出してもよい。
本発明において、前記検出機で検出する蛍光の波長は、好ましくは1000〜1800nm、より鮮明でノイズの少ない画像を得る観点から、より好ましくは1300nm〜1800nmである。
本発明の好ましいひとつの態様において、励起光の照射により蛍光標識剤から放射される蛍光を、検出機で検出した後、蛍光を蛍光情報としてデータ処理し、このデータを元に記録可能な蛍光イメージを生成させてもよい。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光イメージは、標的組織を含む広い領域に励起光を照射して、CCDカメラで蛍光を検出し、得られた蛍光情報をイメージ処理することにより生成させてもよい。或いは、光学CT装置を使用したり、内視鏡を使用したり、眼底カメラを使用してもよい。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光標識剤は研究用試薬である。
本発明の別のひとつの態様において、前記蛍光標識剤は、再生医療用である。
本発明のひとつの態様において、前記蛍光標識剤は、所望により、さらに治療剤を含有してもよい。治療剤を含有させて、標的とした器官、組織、細胞等の変化をリアルタイムで観察することにより、治療剤の効果を確認することも可能である。
本発明は、波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有し、希土類元素を含有しないバイオイメージング用蛍光標識剤を用いて、生体の内部を観察する方法をも包含する。ひとつの態様において、鮮明な画像を得る観点から、好ましくは、前記照射光は940nm〜1000nm、検出する蛍光は1300nm〜1800nmである。励起光の照射光源は上記と同様であってよい。また、蛍光を検出する検出機は上記と同様であってよい。本態様の方法は、疾患の診断、治療、研究等に使用してもよい。
本発明の、波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有し、希土類元素を含有しないバイオイメージング用蛍光標識剤を用いて、生体の内部を観察する方法に用いるバイオイメージングシステムとしては、特に限定されないが、具体的には、島津製作所製のNIS OPTが挙げられる。
前記NIS OPT(島津製作所)は、励起光源部、検出部、検体観察機構、及び検体試料台を備えている。
該装置は、前記励起光源部に、半導体レーザーを採用している。具体的には、レーザー波長の代表値が980nmであり、レーザー出力の最大値が5.6Wであり、励起方式がレーザースキャン、及び有効範囲が50mm×50mmである励起光源部を備えている。
また、前記検出部は、センサー素子がInGaAs、検出波長領域が900〜1700nm、フレームレイトが100Hz、画素数が320×256、冷却方式がペルチェ冷却3段、及び自動上下機構の可動範囲が±20mmである。さらに、前記検体観察機構は、CCDカメラである。
このバイオイメージングシステムを用いれば、小動物の深部蛍光イメージングが可能である。
次に、実験例、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<実施例1> アスファルトの近赤外蛍光の検出
アスファルトはJX日鉱日石エネルギー株式会社より分与されたストレートアスファルト60/80及び80/100を使用した。近赤外蛍光を検出するための装置には、OTN近赤外in vivo蛍光バイオイメージング装置NIS−OPT(島津製作所社製)を使用した。励起レーザー(波長980nm、レーザー出力1500mA)を被験物質に照射し、シリコンフィルター(1100nm以下の波長をカット)を装着したInGaAs−CCDカメラにより近赤外蛍光(波長1100−1700nm)画像を得た。露光時間は100mSecで撮像した。検体としてはアスファルトを100mg/mlの濃度でクロロホルムに溶解し、プラスチック製のチューブに入れた。対照物質としてEr及びYbをドープした粒子(Er:2mol%,Yb:18mol%)(Er/Yb/NaYF)を40 mg/mlとなるようHEPES緩衝水溶液に分散させたものを使用した。図1及び図2に示すように100mg/mlのアスファルト60/80及びアスファルト80/100は40mg/mlのEr/Yb/ NaYFとほぼ同等の赤外蛍光強度を示した。
本発明の蛍光標識剤は、生化学研究から医療診断までの幅広い分野におけるバイオイメージング用蛍光標識として応用可能であり、例えば、遺伝子診断分野、便益診断分野、医療開発分野、再生医療分野、環境試験分野、バイオテクノロジー分野、蛍光検査等における蛍光標識等として使用することができる。

Claims (11)

  1. 波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有し、希土類元素を含有しないことを特徴とする、バイオイメージング用蛍光標識剤。
  2. 生体外及び/又は生体内から波長900nm〜1000nmの照射光を照射し、生体内から放射される波長1000nm〜1800nmの蛍光を検出することによって生体内を観察するために用いる、請求項1記載の蛍光標識剤。
  3. 癌、糖尿病、循環器疾患、網膜症、関節炎、血管狭窄の診断及び/又は治療に用いる請求項1又は2記載の蛍光標識剤。
  4. 前記照射光が950nm〜1000nmである請求項1〜3のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
  5. 研究用試薬である請求項1〜4のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
  6. 再生医療に用いるための請求項1〜5のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
  7. 前記有機化合物が、天然色素、合成色素、発色団、石油由来成分、リグニン、セルロース、ペプチド、タンパク質、及びこれらの誘導体からなる群から選択される1種以上である請求項1〜6記載のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
  8. 前記有機化合物が、少なくとも1つの芳香環を有し、さらに、少なくとも1つの共役二重結合、少なくとも1つの酸素原子、少なくとも1つの窒素原子、又は少なくとも1つの硫黄原子を1種以上含む化合物である請求項1〜6記載のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
  9. 前記有機化合物が、担体に担持されている請求項1〜8記載のいずれか1項記載の蛍光標識剤。
  10. 波長900nm〜1000nmの照射光により励起して波長1000nm〜1800nmの蛍光を発する有機化合物を含有し、希土類元素を含有しないバイオイメージング用蛍光標識剤を用いて、生体の内部を観察する方法。
  11. レーザー波長が980nm、レーザー出力が5.6W、励起方式がレーザースキャン、有効範囲が50mm×50mmである励起光源部、
    センサー素子がInGaAS、検出波長領域が900〜1700nm、フレームレイトが100Hz、画素数が320×256、冷却方式がペルチェ冷却3段、自動上下機構の可動範囲が±20mmである検出部、及び
    検体観察機構としてCCDカメラを装備し、
    請求項10記載の方法に用いるためのバイオイメージングシステム。
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