JP2014230130A - ゲートウェイ、端末、通信システムおよびコネクション管理方法 - Google Patents

ゲートウェイ、端末、通信システムおよびコネクション管理方法 Download PDF

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栄一 堀内
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Abstract

【課題】接続可能なTCPコネクションが増加した場合の処理付加を抑えることが可能なゲートウェイを得ること。【解決手段】端末間で確立された通信コネクションについて他のゲートウェイとの間で遅延防止の送信制御を行うゲートウェイ2,5であって、前記通信コネクションについての端末情報、状態情報および優先度情報を含むコネクション情報を保持するコネクション管理テーブル16と、前記コネクション管理テーブル16を参照し、端末から受信したコネクション確立要求に関するコネクションの優先度を判定し、当該優先度に基づいて前記送信制御の実施の可否を判定するコネクション受付制御部15と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ゲートウェイに関する。
従来、データセンタ内等のサーバ(クラウドシステム)と、各拠点の設備・センサ等の各種の機器とを接続して、エネルギー管理、設備管理等の遠隔通信を伴うクラウドサービスが実現されている。各拠点では、設置されたサーバ等の装置が、拠点内の機器を監視し、収集したデータを集約して遠隔のシステムへ転送する、また、設置された装置が、遠隔のシステムからの制御を一旦受け付けた後、各種の機器に対して実際の制御を実行する、という構成がとられていた。しかし、今後は、システム構築、運用の容易性の観点から、遠隔のサーバが、遠隔の各拠点内の機器と直接接続して機器を監視制御する形態が増加すると考えられる。また、サービスの発展、無線LAN等の通信機能、CPUの性能向上に伴い、より多くの機器がネットワークに接続されるようになり、機器数は増大する。
例えば、拠点間を接続する2台のゲートウェイ装置では、それぞれ、携帯回線、光回線等でインターネットと接続し、一方は、Ethernet(登録商標)、無線LAN等で接続先拠点の各機器と接続し、他方はサーバと接続する。サーバと各機器は、このようなネットワークによりIP接続可能であり、TCP接続、WebSocketを使ったコネクション型の通信を行う。この際、サーバと各機器の通信経路は、場合によっては数10kmから数100km、あるいは数1000kmとなることもある。また、インターネット上のルータ、伝送装置も含めて多数の装置を経由する。そのため、遠隔接続では、拠点内での直接監視と比較して、サーバと各機器との間のデータ転送による遅延時間が長くなり、数10msec以上の遅延が発生する。この際、TCP接続では、定められた通信手順に基づき、サーバと各機器のそれぞれにおいて送信データのバッファリング、Ackの送受、Ackによる送達未確認時の再送等の処理が発生するため、転送遅延時間が増大し、また、スループットが低下する。
このような問題を解決する技術として、下記特許文献1では、サーバ−各機器間のTCP通信の遅延削減、スループットを向上せるため、中間にゲートウェイ装置2台を配置して、サーバ−ゲートウェイ装置間およびゲートウェイ装置−各機器間で擬似的にゲートウェイ装置がAckを送信する等のTCP通信を行い、サーバおよび各機器のTCP通信状態と矛盾しないように、ゲートウェイ装置間で別途データのバッファリング、送達確認、選択的再送を行うTCP通信高速化の送信制御についての技術が開示されている。
特開2002−247132号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、ゲートウェイ装置では、TCP通信高速化として各機器から送信されたデータのバッファリング、送達確認、選択的再送等の送信制御を行うため、機器間の通信に関して機器のIPアドレス、ポート番号、TCP通信のシーケンス番号、Ack待ちの状態等の情報を管理し、再送のためのバッファの割り当て、タイマの起動・停止・タイムアウト検出、データの送受信等の処理を行う。このような情報の管理は、機器のIPアドレス等が予め既知であれば予めテーブルに登録しておくことが可能であるが、接続される機器の種別、IPアドレス、数等が変動する場合には、TCPコネクションの確立要求、すなわち、SYNパケット受信時にテーブルのエントリの作成、必要なバッファの確保等の処理を行う。しかし、今後、接続する機器数が増大すると、TCPコネクションの数も増え、TCP通信高速化の処理を全てのTCPコネクションに実行するのは処理負荷上困難になる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、接続可能なTCPコネクションが増加した場合の処理付加を抑えつつ遅延を低減可能なゲートウェイを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、端末間で確立された通信コネクションについて他のゲートウェイとの間で遅延防止の送信制御を行うゲートウェイであって、前記通信コネクションについての端末情報、状態情報および優先度情報を含むコネクション情報を保持するコネクション管理テーブルと、前記コネクション管理テーブルを参照し、端末から受信したコネクション確立要求に関するコネクションの優先度を判定し、当該優先度に基づいて前記送信制御の実施の可否を判定するコネクション受付制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、接続可能なTCPコネクションが増加した場合の処理付加を抑えつつ遅延を低減できる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1の通信システムの構成例を示す図である。 図2は、ゲートウェイの構成例を示す図である。 図3は、コネクション管理テーブルの構成例を示す図である。 図4は、2つのゲートウェイを用いた通信システムにおけるTCPコネクション確立時の各装置の動作を示すシーケンス図である。 図5は、2つのゲートウェイを用いた通信システムにおけるTCPコネクション確立後にWAN回線が切断される場合の各装置の動作を示すシーケンス図である。
以下に、本発明にかかるゲートウェイの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態の通信システムの構成例を示す図である。通信システムは、サーバ1と、ゲートウェイ2と、インターネット3と、接続先拠点4と、を備える。また、接続先拠点4は、ゲートウェイ5と、機器6,7,8,9と、を備える。拠点間を接続するゲートウェイ2,5が設置され、2台のゲートウェイ2,5は、携帯回線または光回線とインターネット3で構成するWAN回線で接続する。接続先拠点4では、ゲートウェイ5と機器6〜9は、Ethernet(登録商標)または無線LAN等により接続している。サーバ1および機器6〜9は、このようなネットワーク(通信システム)によりIP接続可能であり、TCP接続またはWebSocket等を使ったコネクション型の通信を行う。
なお、図1において、サーバ1とゲートウェイ2との間、およびゲートウェイ5と機器6〜9との間では、Proxy処理されたTCP通信を行う。また、ゲートウェイ2,5の間はVPNトンネルで接続されており、ゲートウェイ2,5では、この区間で前述の特許文献1に記載のTCP高速化が可能である。
なお、以降の説明において、サーバ1および機器6〜9を端末として呼ぶことがある。また、以降の説明において、TCPコネクションを単にコネクションと呼ぶことがある。
図2は、ゲートウェイの構成例を示す図である。図1において、ゲートウェイ2,5は、同一の構成を備えるものとする。ゲートウェイ2,5は、パケット送受信部11と、受信バッファ12と、送信バッファ13と、高速化処理部14と、コネクション受付制御部15と、WAN回線接続制御部17と、タイマ18と、を備える。また、コネクション受付制御部15は、コネクション管理テーブル16を備える。
パケット送受信部11は、TCPパケットを送受信するとともに、対抗する端末(サーバ1または機器6〜9)からの受信パケットの内容を解析する。
受信バッファ12は、対向する端末(サーバ1または機器6〜9)から受信するTCPパケットを記憶する。
送信バッファ13は、対向する端末(サーバ1または機器6〜9)へ送信するTCPパケットを記憶する。
高速化処理部14は、サーバ1と機器6〜9間のTCPコネクションの通信高速化を実現するためにTCPパケットの送達確認、再送処理等の送信制御を行う。高速化処理の内容は前述の特許文献1の内容と同様のため、詳細な説明については省略する。
コネクション受付制御部15は、接続先の機器6〜9/サーバ1とのTCPコネクションの確立要求受信時に、コネクション確立を受け付けるか否かの制御を行う。
コネクション管理テーブル16は、コネクション受付制御部15が参照し、コネクション確立を受け付けるか否かの判断に使用するとともに、TCPコネクションの状態の管理のために用いる。
WAN回線接続制御部17は、WAN側の回線の切断/接続状態を制御する。
タイマ18は、コネクション受付制御部15が、TCPコネクション状態を監視する際、また、TCPコネクションの確立を受け付けるか否かの動作を変更するための契機を得るために使用する。
図3は、コネクション管理テーブルの構成例を示す図である。コネクション管理テーブル16は、ゲートウェイ2,5が扱うTCPコネクションを管理するために用いる。テーブルの1行(例えば、111、112)は、1つのTCPコネクションの情報を保持する。本テーブルへのTCPコネクション情報の登録は、事前に行われるか、または、TCPコネクションの確立時に行われる。
具体的に、ゲートウェイ2の場合について説明すると、個々のTCPコネクションに関して、IP−a101はサーバ1のIPアドレスを示し、IP−z102は機器6〜9のいずれかの機器のIPアドレスを示す。Port−a103はサーバ1側のTCP Port番号を示し、Port−z104は機器6〜9側のTCP Port番号を示す。優先度105はTCPコネクションの優先度を示し、状態106はTCPコネクションに関して未確立/確立待ち/確立済み等の状態を示し、高速化107はそのTCPコネクションに対して高速化の処理を実施するか否かを示す。
本実施の形態では、ゲートウェイ2,5は、処理する各TCPコネクションの優先度を以下の通り分類して、それぞれの優先度に応じてTCPコネクションの処理を制御する。
(1)優先度1は、優先的にTCPコネクションの接続を維持する必要があるTCPコネクションに対して設定する。最も応答性とスループットが求められるアプリケーションに対して適用する。
(2)優先度2は、優先的にTCPコネクションの確立が必要であるが、常時の接続は必要としないTCPコネクションに対して設定する。応答性は必要ではないが、スループットが求められるアプリケーションに対して適用する。
(3)優先度3は、TCP高速化の処理が必ずしも必要ではないが、スループット向上が好ましいTCPコネクションに対して設定する。
(4)優先度4は、TCP高速化によるスループット向上を必要としないTCPコネクションに対して設定する。
つづいて、ゲートウェイ2,5におけるTCPコネクション確立時の動作について説明する。図4は、2つのゲートウェイを用いた通信システムにおけるTCPコネクション確立時の各装置の動作を示すシーケンス図である。
接続先拠点4の機器(ここでは機器6〜8とする)において、サーバ1と通信を開始するための契機となるイベントが発生する(ステップS1)。ここでは、最初に、機器6が、TCPコネクションの確立を要求するTCPコネクション確立要求パケット(SYNパケット)を送信する(ステップS2)。
ゲートウェイ5では、機器6からSYNパケットを受信すると(ステップS2)、パケット送受信部11は、パケット種別の判断とともに、送信元、宛先のIPアドレスおよびPort番号を参照し、コネクション受付制御部15に通知する。なお、ゲートウェイ2,5間の接続が携帯回線のために切断されている状態の場合、ゲートウェイ2,5では、以降に行う処理に先立って事前にゲートウェイ間で回線を確立して接続を行う(ステップS3,S4)。
コネクション受付制御部15は、コネクション管理テーブル16を参照し、同一の送信元、宛先のIPアドレス、Port番号のコネクション情報を検索する。そのTCPコネクションに関する優先度105を参照して、TCPコネクションの優先度を判定する(ステップS5)。
まず、コネクションを確立しようとしているTCPコネクションの優先度105が優先度1の場合について説明する。コネクション受付制御部15では、優先度1と判定した場合は高速化処理が必要と判断する(ステップS6:Yes)。コネクション受付制御部15は、コネクション管理テーブル16にTCPコネクションの情報を登録する(ステップS7)。
ここで、コネクション受付制御部15は、受信したSYNパケットについてのTCPコネクションの情報が予めコネクション管理テーブル16に登録されている場合は、状態106の情報を更新する。一方、コネクション受付制御部15は、受信したSYNパケットについてのTCPコネクションの情報が予めコネクション管理テーブル16に登録されていない場合は、例えば、パケット種別またはPort番号等からTCPコネクションの優先度を判定し、当該TCPコネクションについてのコネクション情報(IP−a101〜高速化107)をコネクション管理テーブル16に登録する。
ゲートウェイ5は、対向するゲートウェイ2へSYNパケットを転送する(ステップS8)。
対向するゲートウェイ2は、SYNパケットを受信すると(ステップS8)、SYNパケットをサーバ1へ転送し(ステップS9)、また、コネクション受付制御部15が、コネクション管理テーブル16にコネクション情報の登録を行う(ステップS10)。
サーバ1がゲートウェイ2へSYN/ACKパケットを送信すると(ステップS11)、ゲートウェイ2がゲートウェイ5へSYN/ACKパケットを転送し(ステップS12)、ゲートウェイ5が機器6へSYN/ACKパケットを転送する(ステップS13)。そして、機器6がゲートウェイ5へACKパケットを送信することで(ステップS14)、TCPコネクションが確立する。
以上の処理により、コネクション確立の受付処理が完了する。その後、同TCPコネクションに関わる機器6からのTCPパケットを受信すると、ゲートウェイ5では、前述の特許文献1と同様、コネクション管理テーブル16、受信バッファ12を参照して、データのバッファリング、ゲートウェイ2,5間の通信、Ackの送受、再送を行い、サーバ1−機器6間のTCP通信高速化の動作を行う。具体的には、機器6からは警報等の通知を行い(ステップS15)、サーバ1からは状態の読み出し、制御等を行う(ステップS16)。
以降、サーバ1と機器7,8との間でも同様のパケットの送受信を行う。なお、記載の簡略化のため、サーバ1と機器7との間でのTCPコネクション確立要求処理(ステップS17)は上記ステップS2〜S10と同様であり、応答(ステップS18)は上記ステップS11〜S14と同様である。コネクション確立後、機器7からは警報等の通知を行い(ステップS19)、サーバ1からは状態の読み出し、制御等を行う(ステップS20)。また、サーバ1と機器8との間でのTCPコネクション確立要求処理(ステップS21)は上記ステップS2〜S10と同様であり、応答(ステップS22)は上記ステップS11〜S14と同様である。コネクション確立後、機器8からは警報等の通知を行い(ステップS23)、サーバ1からは状態の読み出し、制御等を行う(ステップS24)。
つぎに、ステップS5において、コネクションを確立しようとしているTCPコネクションの優先度105が優先度2の場合について説明する。この場合、ゲートウェイ2では、優先度1の場合と同様の処理を行う。
つぎに、ステップS5において、コネクションを確立しようとしているTCPコネクションの優先度105が優先度3の場合について説明する。優先度3と判定した場合、ゲートウェイ5では、コネクション受付制御部15は、コネクション管理テーブル16を参照して確立済みの優先度3のTCPコネクション数を確認し、予め規定した数(規定数)以下の場合、受信したSYNパケットについての情報のコネクション管理テーブル16へ登録を許可し、上記優先度1と同様の処理を行う。
一方、コネクション受付制御部15は、確立済みの優先度3のTCPコネクション数が規定数を超えている場合、高速化処理は不要として(ステップS6:No)、受信したSYNパケットについての情報をコネクション管理テーブル16には登録せず、対向するゲートウェイ2へSYNパケットを転送する(ステップS8)。ゲートウェイ2は、SYNパケットをサーバ1へ転送して(ステップS9)、TCPコネクション確立要求処理が終了する。以後は、応答としてサーバ1と機器との間でSYN/ACKパケットおよびACKパケットが送受信され、TCPコネクションが確立する。その後、当該TCPコネクションに関して、機器からデータの転送が行われた際、ゲートウェイ5は、コネクション管理テーブル16、送信バッファ13を参照した高速化処理を実施せず、単純に、パケットの転送のみを実施する。
つぎに、ステップS5において、コネクションを確立しようとしているTCPコネクションの優先度105が優先度4の場合について説明する。優先度4と判定した場合、ゲートウェイ5では、コネクション受付制御部15は、高速化処理は不要として(ステップS6:No)、受信したSYNパケットについての情報をコネクション管理テーブル16には登録せず、対向するゲートウェイ2へSYNパケットを転送する(ステップS8)。以降の処理は確立済みの優先度3のTCPコネクション数が規定数を超えている場合と同様である。
上記の動作により、ゲートウェイ2,5を用いた通信システムにおいて、複数のTCPコネクションの確立要求が多数発生した場合でも、優先的なTCPコネクションを優先させることで高速化処理が可能である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、2つのゲートウェイを用いた通信システム(ネットワーク)では、サーバ、機器間のTCPコネクション数が多い環境において、アプリケーションの要求に応じて、高速化するTCPコネクションを選択することが可能となるため、高速化のために必要となるバッファの削減と、コネクション受付処理の処理負荷を削減することが可能となり、従来に比べて安価な構成で高速化(遅延の低減)を実現できる。
なお、本実施の形態では、図2に示すように、コネクション受付制御部15の内部にコネクション管理テーブル16を含む構成としているが、一例であり、これに限定するものではない。ゲートウェイ2,5において、コネクション受付制御部15の外部にコネクション管理テーブル16を備える構成にすることも可能である。
実施の形態2.
前述の特許文献1において、ゲートウェイ間の接続(WAN回線)に携帯回線を使う場合があり、回線の帯域が必ずしも十分でない場合がある。また、WAN回線を常時接続せず、機器の通信が必要となった際にWAN回線を接続してからTCPコネクションの確立を行う場合がある。この場合、ゲートウェイでは、回線接続した際には多数のTCPコネクションのコネクション確立手順の処理のため遅延が発生し、コネクション確立後のデータ送受信が可能となるまでの遅延が発生する、という問題があった。この結果、後続の未接続のTCPコネクションは、さらに処理が待たされることになり、実際に必要なデータをやりとりするまでの遅延が増大する。
本実施の形態では、ゲートウェイ2,5間でインターネット3との接続回線で携帯電話回線が使用されており、WAN回線の切断が発生する場合のゲートウェイ2,5の動作について説明する。このような形態では、一定時間以上のデータ通信が発生しなかった場合等において、回線使用料削減のため、また回線接続の電力削減のためにWAN回線の切断を実施する。回線が切断されると、回線を再び確立するまではゲートウェイ2,5間の通信が途絶するため、端末間のTCPコネクションは切断される。
ここでは、ゲートウェイ2,5は、以下の動作により、予め登録された情報に基づいて、これまで接続していたTCPコネクションを維持する処理を行う。図5は、2つのゲートウェイを用いた通信システムにおけるTCPコネクション確立後にWAN回線が切断される場合の各装置の動作を示すシーケンス図である。
ゲートウェイ2,5間の回線が切断中において(ステップS31)、ゲートウェイ2,5では、コネクション受付制御部15は、周期的にタイマ18を起動し、タイムアウト発生時、コネクション管理テーブル16に登録されている優先度1の全てのTCPコネクションについて、対向するサーバ1または機器に対してタイムアウトまでにデータの送信が発生しなかった場合、keep−aliveのためにデータのサイズがゼロのTCPパケットを送信する。
具体的に、ゲートウェイ2はサーバ1へデータのサイズがゼロのTCPパケットを送信し(ステップS32)、サーバ1が応答を返信する(ステップS33)。同様に、ゲートウェイ5は機器6(ここでは、機器6が優先度1として登録されているものとする)へデータのサイズがゼロのTCPパケットを送信し(ステップS34)、機器6が応答を返信する(ステップS35)。このように、ゲートウェイ2,5では、TCPパケットを継続して送信することで、対向するサーバ1または機器6でのタイムアウトによるコネクション切断への状態遷移を抑止することが可能となる。
その後、ゲートウェイ2,5間で回線が再び確立されると(ステップS36,37)、ゲートウェイ5は、回線の確立時、WAN回線接続制御部17からの通知に基づいてタイマ18を起動する(ステップS38)。
ゲートウェイ5では、タイマ18が満了するまでの間、TCPコネクション確立要求処理(ステップS39)においてSYNパケットを受信すると、パケット送受信部11は、送信元、宛先のIPアドレスおよびPort番号を参照し、コネクション受付制御部15に通知する。
コネクション受付制御部15は、コネクション管理テーブル16を参照し、登録された優先度2(ここでは、機器7が優先度2とする)のTCPコネクションについては、直ちに擬似的なコネクション応答(SYN/ACK)を返し、優先的にゲートウェイ内のリソースの割り当て(処理のためのバッファ、CPU資源の確保、管理情報の更新)を行う。サーバ1までSYNパケットが到達すると、以降の応答の処理(ステップS40)は図4と同様である。
一方、その他の優先度3,4のTCPコネクションについて、ゲートウェイ5では、TCP高速化のリソース割り当てを行わない。または、リソース割り当てを直ちに実施せず、優先度1,2のTCPコネクションに対するリソース割り当て後に、TCPコネクションの接続制御をする。そのため、コネクション受付制御部15は、優先度3,4の機器からSYNパケットを受信すると、受信したSYNパケットを受信バッファ12に格納する。タイマ18でのタイムアウトを検出すると、コネクション受付制御部15は、受信バッファ12に格納したデータ、すなわちSYNパケットを順次読み出し、WAN回線側に送信する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、携帯回線のように一時的に回線接続されて通信の復旧を行うような環境において、ゲートウェイは、優先度の高い端末に対してはパケットの送受信を行って接続を維持する処理を行うこととした。これにより、実施の形態1の効果に加えて、迅速にデータ転送を必要とするアプリケーションの通信復旧時間を削減することができる。
実施の形態3.
ゲートウェイ2,5では、コネクション受付制御部15は、端末に対して、予めSYNパケットを含むTCPコネクションに関するパケット送信の送信可能タイミングを設定する。例えば、ある端末に対しては、時刻T0を基点としてt秒周期でのみパケット送信可能とし、別の端末に対しては、時刻T0+1秒後を基点としてt秒周期より長い、例えば2t秒周期でのみデータ送信可能とする。各端末は、TCPコネクションの確立要求、データ等の送信要求が発生した場合、予め設定されたタイミングにおいてパケットの送信処理を実行する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ゲートウェイ2,5は、端末に対して異なるパケット送信可能タイミングを設定することで、各端末がパケット送信するタイミングを変更するとともに、優先すべきTCPコネクションについては、短い周期のタイミングとする設定を行う。これにより、端末数が多く、ゲートウェイ装置間のTCPコネクションが多数となる環境において、特定のアプリケーションに関するTCPコネクションの通信処理を優先的に実施することが可能となり、特定のアプリケーションの応答性能を向上させることが可能となる。
以上のように、本発明にかかるゲートウェイは、複数のゲートウェイを備えた通信システムに有用であり、特に、コネクション型の通信を行う場合に適している。
1 サーバ、2 ゲートウェイ、3 インターネット、4 接続先拠点、5 ゲートウェイ、6,7,8,9 機器、11 パケット送受信部、12 受信バッファ、13 送信バッファ、14 高速化処理部、15 コネクション受付制御部、16 コネクション管理テーブル、17 WAN回線接続制御部、18 タイマ。

Claims (16)

  1. 端末間で確立された通信コネクションについて他のゲートウェイとの間で遅延防止の送信制御を行うゲートウェイであって、
    前記通信コネクションについての端末情報、状態情報および優先度情報を含むコネクション情報を保持するコネクション管理テーブルと、
    前記コネクション管理テーブルを参照し、端末から受信したコネクション確立要求に関するコネクションの優先度を判定し、当該優先度に基づいて前記送信制御の実施の可否を判定するコネクション受付制御手段と、
    を備えることを特徴とするゲートウェイ。
  2. 前記コネクション受付制御手段は、端末から受信したコネクション確立要求に対応するコネクション情報が前記コネクション管理テーブルに保持されていない場合、当該コネクション確立要求に基づくコネクション情報を当該コネクション管理テーブルに登録する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のゲートウェイ。
  3. 前記コネクション受付制御手段は、前記送信制御を実施する優先度のコネクションについて、前記コネクション管理テーブルにコネクション情報を登録または更新し、前記送信制御を実施しない優先度のコネクションについて、前記コネクション管理テーブルにコネクション情報を登録しない、
    ことを特徴とする請求項2に記載のゲートウェイ。
  4. 前記コネクション受付制御手段は、他のゲートウェイとの間の通信回線が切断された場合、前記端末が接続状態を遷移する時間内において、前記コネクション管理テーブルに登録されたコネクションについての端末との間でパケットの送受信が発生しなかったときは、当該端末へパケットを送信する、
    ことを特徴とする請求項1,2または3に記載のゲートウェイ。
  5. 前記コネクション受付制御手段は、他のゲートウェイとの間の通信回線が切断から確立に遷移した場合、タイマを起動し、当該タイマが満了するまでの間は、端末から受信したコネクション確立要求に対して、当該コネクション確立要求に関するコネクションの優先度に基づいて受け付けるかどうかを判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のゲートウェイ。
  6. 前記コネクション受付制御手段は、受け付けないと判定したコネクション確立要求についてはバッファに格納し、前記タイマ満了後に受け付けを行う、
    ことを特徴とする請求項5に記載のゲートウェイ。
  7. 前記コネクション受付制御手段は、接続する各端末に対して、コネクションの優先度に基づいてパケットの送信周期および送信タイミングを設定する、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のゲートウェイ。
  8. 端末間で確立された通信コネクションについて他のゲートウェイとの間で遅延防止の送信制御を行うゲートウェイと通信システムを構成する前記端末であって、
    請求項7に記載のゲートウェイによって設定された送信周期および送信タイミングでパケットを送信する、
    ことを特徴とする端末。
  9. 請求項7に記載の複数のゲートウェイと、
    請求項8に記載の端末と、
    を備えた通信システム。
  10. 端末間で確立された通信コネクションについて他のゲートウェイとの間で遅延防止の送信制御を行うゲートウェイのコネクション管理方法であって、
    前記ゲートウェイが、前記通信コネクションについての端末情報、状態情報および優先度情報を含むコネクション情報を保持するコネクション管理テーブルを備える場合に、
    前記コネクション管理テーブルを参照し、端末から受信したコネクション確立要求に関するコネクションの優先度を判定する優先度判定ステップと、
    前記優先度に基づいて前記送信制御の実施の可否を判定するコネクション受付制御ステップと、
    を含むことを特徴とするコネクション管理方法。
  11. さらに、
    端末から受信したコネクション確立要求に対応するコネクション情報が前記コネクション管理テーブルに保持されていない場合、当該コネクション確立要求に基づくコネクション情報を当該コネクション管理テーブルに登録する登録ステップ、
    を含むことを特徴とする請求項10に記載のコネクション管理方法。
  12. 前記登録ステップでは、前記送信制御を実施する優先度のコネクションについて、前記コネクション管理テーブルにコネクション情報を登録または更新し、前記送信制御を実施しない優先度のコネクションについて、前記コネクション管理テーブルにコネクション情報を登録しない、
    ことを特徴とする請求項11に記載のコネクション管理方法。
  13. さらに、
    他のゲートウェイとの間の通信回線が切断された場合、前記端末が接続状態を遷移する時間内において、前記コネクション管理テーブルに登録されたコネクションについての端末との間でパケットの送受信が発生しなかったときは、当該端末へパケットを送信するパケット送信ステップ、
    を含むことを特徴とする請求項10,11または12に記載のコネクション管理方法。
  14. 前記コネクション受付制御ステップでは、他のゲートウェイとの間の通信回線が切断から確立に遷移した場合、タイマを起動し、当該タイマが満了するまでの間は、端末から受信したコネクション確立要求に対して、当該コネクション確立要求に関するコネクションの優先度に基づいて受け付けるかどうかを判定する、
    ことを特徴とする請求項13に記載のコネクション管理方法。
  15. 前記コネクション受付制御ステップでは、受け付けないと判定したコネクション確立要求についてはバッファに格納し、前記タイマ満了後に受け付けを行う、
    ことを特徴とする請求項14に記載のコネクション管理方法。
  16. さらに、
    接続する各端末に対して、コネクションの優先度に基づいてパケットの送信周期および送信タイミングを設定するパケット送信タイミング設定ステップ、
    を含むことを特徴とする請求項10〜15のいずれか1つに記載のコネクション管理方法。
JP2013108823A 2013-05-23 2013-05-23 ゲートウェイ、端末、通信システムおよびコネクション管理方法 Pending JP2014230130A (ja)

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