JP2014225800A - 管理装置、管理システム、および管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送波周波数の異なる光信号の干渉を抑制し、かつ、伝送容量の増大化を図る。【解決手段】管理装置701が、搬送波周波数が異なる光信号を多重化して出力する複数のノードを経由して光信号を伝送する複数のパスを、各パスにおいて光信号が通過するノードのノード段数に基づいて複数のグループに分類し、ノード段数の増減に応じて光信号の伝送劣化度合いが増減する伝送ペナルティが、多重化により配置される周波数帯域が隣り合う光信号間の周波数間隔が拡大するほど減少し縮小するほど増大するという伝送ペナルティ特性に基づいて、分類された各グループについてノード段数に応じた伝送ペナルティを特定し、ノード段数の増加に応じて減少する雑音比と伝送ペナルティとに基づいてグループの所属パスでの光信号の伝送可否を判定し、伝送可能と判定された場合、隣り合う光信号間の周波数間隔を決定し、周波数間隔を所属パスを構成する各ノードに通知する。【選択図】図9

Description

本発明は、伝送網内のノードを管理する管理装置、管理システム、および管理方法に関する。
従来、異なる波長の光信号が多重化された波長多重光を光ファイバを用いて伝送することにより伝送容量を増やす、WDM(Wavelength Division Multiplexing)伝送方式を用いた光通信システムでは、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)によって、基準周波数に対してある一定の間隔で配置された周波数グリッドが推奨されている。一般的には、多重化される光信号は、周波数グリッド(ITU−Grid)に配置され、隣接する光信号間は一定の周波数間隔が保たれる。なお、光の周波数と光の波長の積は光の速度である。
現在の最新商用システムでは、1本の伝送ファイバに異なる80波程度の伝送レート100[Gbit/s]の光信号をITU−Grid50[GHz]間隔で収容することで、有効周波数帯域内で最大8[Tbit/s]程度の伝送容量を実現できる。今後も引き続き、伝送容量の増大は進むと予想され、1波長あたりの伝送容量をさらに増加させる必要がある。
従来通りの伝送容量増大方法として、変調速度の増加が挙げられる。しかし、変調速度を高速化すると、光信号の周波数帯域幅も拡がるため、同じ周波数間隔に収容すると隣接する光信号同士が干渉を引き起こす問題がある。光信号同士が影響を及ぼさないためには、周波数間隔を広げることが必要であるが、それにより周波数利用効率は改善されないという、トレードオフの関係が課題にある。
そこで、変調速度の変更は実施せずに、ITU−Gridにとらわれずに波長配置を実施するグリッドレスの概念を取り入れ、より高密度に波長多重して周波数利用効率の改善を図る技術がある(たとえば、下記特許文献1を参照。)。特許文献1の技術は、光信号の波長に応じて光ファイバの波長分散が異なっているため最適な波長間隔が波長によって異なることに基づき、波長多重が可能な波長帯の全域を複数の帯域ブロックに帯域分割する。つぎに、特許文献1の技術は、分割された帯域ブロックごとに収容された波長多重信号の受信情報を取得し、受信情報に基づいて、送信側より送信される波長多重信号の波長間隔をITU−Gridにとらわれずに制御する。
特開2010−226169号公報
しかしながら、上述した特許文献1では、任意波長の光信号の挿入または分岐を可能とするノードで構成される異なる経路の複数の光パスにおいては、以下の問題がある。
まず、任意の光伝送システムに収容される波長多重信号が同じ波長間隔となる帯域ブロック内に、始点と終端が異なる複数の光パスが収容された場合、それぞれの光パスに依って、光伝送システムを構成する伝送路の伝送距離や光ノードの通過回数が異なる。このため、ノードの通過回数と波長間隔に依存して増加する伝送ペナルティ量の異なる光パスが混在して波長配置される。
伝送ペナルティ量が異なる光パスが混在する場合、収容される光パスのすべての伝送品質を確保するため、光伝送システムに収容される光パスのうち、伝送を実現するために許容される波長間隔が最も広い光パスに合わせて、波長間隔が決定される。すなわち、異なる経路の複数の光パスが収容される光伝送システムでは、光ノードの通過回数が最も多い光パスの伝送を実現するように、帯域ブロック内の波長間隔が決定される。したがって、特許文献1による制御方法では伝送容量の増大が困難であるという問題がある。
本発明は、搬送波周波数の異なる光信号の干渉を抑制し、かつ、伝送容量の増大化を図ることを目的とする。
本願において開示される発明の一側面となる管理装置、管理システム、および管理方法は、管理装置が、周波数が異なる光信号を多重化して出力する複数のノードを経由して前記光信号を伝送する複数のパスを、各パスにおいて前記光信号が通過するノードのノード段数に基づいて、複数のグループに分類し、前記ノード段数の増減に応じて前記光信号の伝送劣化度合いが増減する伝送ペナルティが、多重化により配置される周波数帯域が隣り合う光信号間の周波数間隔が拡大するほど減少し縮小するほど増大するという伝送ペナルティ特性に基づいて、分類された複数のグループの各々のグループについて、前記ノード段数に応じた伝送ペナルティを特定し、前記複数のグループの各々について、前記ノード段数の増加に応じて減少する雑音比と、特定された伝送ペナルティと、に基づいて、前記グループの所属パスでの前記光信号の伝送可否を判定し、前記複数のグループの各々について、伝送可能と判定された場合、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を決定し、前記複数のグループの各々について、決定された周波数間隔を、前記所属パスを構成する各ノードに通知することを特徴とする。
本発明の代表的な実施の形態によれば、搬送波周波数の異なる光信号の干渉を抑制し、かつ、伝送容量の増大化を図ることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
伝送網とパスの関係を示す説明図である。 光信号の搬送波周波数配置例1を示す説明図である。 光信号の搬送波周波数配置例2を示す説明図である。 隣り合う光信号との周波数間隔を一定とした場合における伝送ペナルティ特性を示すグラフである。 伝送ペナルティ分類3に分類される非線形ペナルティを示すグラフである。 伝送ペナルティ分類3に分類されるフィルタリングペナルティを示すグラフである。 管理システムのシステム構成例を示す説明図である。 管理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 管理装置の機能的構成例1を示すブロック図である。 分類部による分類例を示す説明図である。 算出部による伝送マージンMの算出例を示す説明図である。 決定部による決定結果の一例を示す説明図である。 管理装置による管理処理手順例を示すフローチャートである。 図13に示した伝送可否判定処理(ステップS1306)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。 ノードのハードウェア構成例を示すブロック図である。 光信号の追加例1を示す説明図である。 光信号の追加例2を示す説明図である。 管理装置の機能的構成例2を示すブロック図である。 管理装置による追加処理手順例を示すフローチャートである。
(実施例1)
<伝送網とパスの関係>
図1は、伝送網とパスの関係を示す説明図である。伝送網100は、光信号が伝送されるネットワークである。伝送網100は、伝送路101と、伝送路101の間に設置され光信号を中継する複数のノードN1〜Nm(mは2以上の整数)と、により構成される。任意のノードをN#(#は、1〜mの間の整数)と表記する。図1の伝送網100は、リニアネットワークの一例である。本発明は、リニアネットワークに限らず、リングネットワークやメッシュネットワークにも適用可能である。ノードN#は任意波長の光信号の通過、挿入、分岐を可能とする伝送装置である。図示はしないが、各ノードN1〜Nmには光信号の伝送元や伝送先となる通信装置が接続される。通信装置は、たとえば、サーバや端末である。
<搬送波周波数配置例>
図2は、光信号の搬送波周波数配置例1を示す説明図である。図2において、横軸は光信号の搬送波周波数、縦軸は光信号の光強度である。横軸の目盛は、ITU−Gridであり、たとえば、50[GHz]間隔とする。図2において、(a)は、図1の監視ポイントAにおける光信号の搬送波周波数配置例であり、(b)は、図1の監視ポイントBにおける光信号の搬送波周波数配置例であり、(c)は、図1の監視ポイントCにおける光信号の搬送波周波数配置例である。
(a)は、ノードN1から出力された光信号S1の搬送波周波数配置を示す。光信号S1は、パスP1により伝送される光信号である。(b)は、ノードN2から出力された光信号S1、S2の搬送波周波数配置を示す。光信号S2は、パスP2により伝送される光信号である。ノードN2では、光信号S1、S2が多重化される。(c)は、ノードN3から出力された光信号S1〜S3の搬送波周波数配置を示す。光信号S3は、パスP3により伝送される光信号である。ノードN3では、光信号S1〜S3が多重化される。
図3は、光信号の搬送波周波数配置例2を示す説明図である。図3において、(a)は、従来手法により、図2(c)における多重化された光信号S1〜S3の周波数間隔を調整した例である。伝送網内のパスでは、通過するノードのノード段数が多いほど、干渉抑制のため、隣り合う光信号の周波数間隔を広げる必要がある。光信号が多重化された場合、ノードからの伝送を可能にするには、周波数間隔が最も広いパスに合わせる必要がある。
本例では、パスP1〜P3のうちノード段数が最も多いパスをパスP1、最も少ないパスをパスP3とすると、パスP1で伝送可能な周波数間隔が最も広くなり、パスP3で伝送可能は周波数間隔が最も狭くなる。このため、(a)において各光信号S1〜S3を多重化して伝送するためには、各光信号S1〜S3の周波数間隔をパスP1で伝送可能な周波数間隔に設定しなければならず、伝送量が増大する。本例では、パスP1で伝送可能な周波数間隔を100[GHz]とする。
(b)は、本発明の手法により、図2(c)における多重化された光信号S1〜S3の周波数間隔を調整した例である。(b)では、光信号S1〜S3が複数のグループに分類される。グループG1〜G3は、それぞれノード段数により分類されたグループである。具体的には、グループ内の光信号を伝送するパスのノード段数は同一である。これにより、グループG1に所属する光信号S3は、パスP1〜P3の中でノード段数が最小であるため、グループG1内での周波数間隔を、他のグループG2、G3よりも狭くすることができる。
また、グループG2に所属する光信号S2は、ノード段数がパスP1よりも少ないため、グループG2内での周波数間隔を、グループG3よりも狭くすることができる。グループG3に所属する光信号S3の周波数間隔は、(a)と同様、100[GHz]である。このように、周波数間隔が最も広い100[GHz]の光信号S1だけであり、他の光信号S2、S3の周波数間隔は、100[GHz]よりも狭く設定することができる。これにより、光信号間の干渉を抑制しつつ、伝送容量の増大化を図ることができる。
<伝送ペナルティ特性>
本実施の形態では、伝送ペナルティにより光信号の伝送可否が判定される。ここで、伝送ペナルティとは、ノード段数の増減に応じて増減する光信号の伝送劣化度合いである。
図4は、隣り合う光信号との周波数間隔を一定とした場合における伝送ペナルティ特性を示すグラフである。伝送ペナルティ特性とは、伝送ペナルティが、多重化により配置される周波数帯域が隣り合う光信号間の周波数間隔が拡大するほど減少し縮小するほど増大するという性質である。図4において、横軸は、パスを通過するノード段数であり、縦軸は、伝送ペナルティ(単位はdB)である。縦軸の伝送ペナルティは、たとえば、静的なペナルティ量と動的なペナルティ量との累積値である。伝送ペナルティは、数値シミュレータによる算出結果でも、データベースに基づいて出力された結果でも、実験による結果でもよい。
なお、図4中、太破線で示した曲線410は、受信OSNR(Optical Signal−to−Noise Ratio、光信号雑音比)である。受信OSNR410は、光信号が通過するノード段数が増加するほど減少していることがわかる。受信OSNR410が減少するのは、ノードN#内の光アンプによって発生するASE(Amplified Spontaneous Emission)光雑音が増加するためである。
パスでの光信号の伝送可否は、受信OSNR410に比べて、伝送ペナルティ特性400が下回っている(伝送マージンが正の)場合に伝送可能と判断され、上回っている(伝送マージンが負の)場合に伝送不可と判断される。伝送マージンとは、あるノード段数において、受信OSNR410の伝送ペナルティ量からペナルティ特性400の伝送ペナルティ量を減算した伝送ペナルティ量である。n1をパスP1のノード段数、n2をパスP2のノード段数、n3をパスP3のノード段数とすると、パスP2およびパスP3は伝送マージンが正のため、伝送可能であり、パスP1は伝送マージンが負のため、伝送不可であると判断される。
つぎに、伝送ペナルティ特性400について詳細に説明する。伝送ペナルティ特性400は、トランシーバの性能と3つの伝送ペナルティ分類1〜3に分けられる。トランシーバの性能とは、所望のBER(Bit Error Rate)を達成するために必要な最小のOSNRのことで、OSNR耐力とも呼ばれ、通過するノード段数に対して不変である。符号401は、トランシーバの性能の伝送ペナルティ量を示す。
伝送ペナルティ分類1は、ノード段数と周波数間隔のどちらにも依存しない伝送ペナルティである。たとえば、波長分散ペナルティやDGD(Differential Group Delay)ペナルティが該当する。符号402は、トランシーバの性能とペナルティ分類1との累積ペナルティ量を示す。
伝送ペナルティ分類2は、ノード段数に依存するが、周波数間隔に依存しない伝送ペナルティである。たとえば、光部品のPDL(Polarization Dependent Loss)によって発生するPDLペナルティが該当する。また、光伝送路の入力レベルを一定とした場合、光信号の光伝送路の通過スパン数(ノード段数から1を差し引いた数)に応じて増加するSPM(Self−Phase Modulation)ペナルティが該当する。符号403は、トランシーバの性能とペナルティ分類1とペナルティ分類2との累積ペナルティ量を示す。
なお、波長分散ペナルティやDGDペナルティは、伝送距離に応じて増加するため、本来は伝送ペナルティ分類2に属するが、デジタルコヒーレント方式であれば、デジタル信号処理にて補償され、直接検波方式であれば、分散補償ファイバあるいは電気分散補償回路にて補償可能なため、伝送ペナルティ分類1としてよい。
伝送ペナルティ分類3は、ノード段数と、周波数間隔に依存する伝送ペナルティである。たとえば、光伝送路の入力レベルを一定とした場合、異なる波長の光信号との波長間隔に依存して増加する非線形ペナルティ(XPM:Cross Phase Modulation,FWM:Four Wave Mixing)や、光ノード内に具備される合波器や分波器を通過することによって生じるフィルタリングペナルティである。
ITU−Gridにとらわれない周波数間隔で周波数配置を実施する場合、隣接周波数の光信号との重なり合いによる伝送ペナルティ(クロストークペナルティ)を軽減するため、ノードN#において、透過帯域幅を可変とする合波器や分波器の透過帯域幅を縮小する必要がある。そのため、フィルタリングペナルティは周波数間隔に依存して増減する。
なお、図4では、理解の容易のために伝送ペナルティ特性400をグラフで表現したが、伝送ペナルティ特性400は、たとえば、ノード段数を変数とした関数として記憶デバイスに実装される。
図5は、伝送ペナルティ分類3に分類される非線形ペナルティを示すグラフである。図5に示すように、非線形ペナルティは、ノード段数が増加すると増加し、ノード段数が減少すると減少する。また、矢印aに示すように、非線形ペナルティは、周波数間隔が縮小されると勾配がより急峻になり、同一ノード段数で比較した場合に非線形ペナルティが増加する。また、矢印bに示すように、非線形ペナルティは、周波数間隔が拡大されると勾配がより緩やかになり、同一ノード段数で比較した場合に非線形ペナルティが減少する。
図6は、伝送ペナルティ分類3に分類されるフィルタリングペナルティを示すグラフである。図6に示すように、フィルタリングペナルティは、ノード段数が増加すると増加し、ノード段数が減少すると減少する。また、矢印aに示すように、フィルタリングペナルティは、周波数間隔が縮小されると勾配がより急峻になり、同一ノード段数で比較した場合にフィルタリングペナルティが増加する。また、矢印bに示すように、フィルタリングペナルティは、周波数間隔が拡大されると勾配がより緩やかになり、同一ノード段数で比較した場合にフィルタリングペナルティが減少する。すなわち、ノード段数が増加する場合、ノード段数と周波数間隔の両方に依存する伝送ペナルティを一定に保つためには、周波数間隔を広げる必要があることがわかる。
<管理システムのシステム構成例>
図7は、管理システムのシステム構成例を示す説明図である。管理システム700は、管理装置701と、伝送網100と、により構成される。ここでは、伝送網100を、リニアネットワークを例に挙げて説明する。伝送網100は、伝送路101と伝送路101に対し光信号を伝送するノード群(N1〜N16)とを有する。
管理装置701は、伝送網100内のノード群(N1〜N16)を管理する。管理装置701は、各ノードN1、N8、N16に物理的または論理的に接続されており、管理情報を通知する。管理情報には、ノードに設定されるべき周波数間隔が含まれる。管理装置701と物理的に接続されていないノードは、管理装置701と物理的に接続されているノードN2〜N7、N9〜N15を経由して管理情報を取得する。
また、ここでは一例として、ノードN1を始点ノードとしノードN16を終点ノードとする伝送経路をパスP1とし、ノードN1を始点ノードとしノードN11を終点ノードとする伝送経路をパスP2とし、ノードN1を始点ノードとしノードN6を終点ノードとする伝送経路をパスP3とする。したがって、パスP1のノード段数は「16」、パスP2のノード段数は「11」、パスP3のノード段数は「6」となる。なお、始点ノードと終点ノードは任意のノードで構わない。また、本発明はパスの本数やノード段数に依らず適用可能である。
<管理装置701のハードウェア構成例>
図8は、管理装置701のハードウェア構成例を示すブロック図である。管理装置701は、プロセッサ801と、記憶デバイス802と、入力デバイス803と、出力デバイス804と、通信インターフェース(通信IF805)と、を有する。プロセッサ801、記憶デバイス802、入力デバイス803、出力デバイス804、および通信IF805は、バスにより接続される。プロセッサ801は、管理装置701を制御する。記憶デバイス802は、プロセッサ801の作業エリアとなる。また、記憶デバイス802は、各種プログラムやデータを記憶する。
記憶デバイス802は、たとえば、非一時的な記憶媒体であり、より具体的には、たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリがある。入力デバイス803は、データを入力する。入力デバイス803としては、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル、テンキー、スキャナがある。出力デバイス804は、データを出力する。出力デバイス804としては、たとえば、ディスプレイ、プリンタがある。通信IF805は、ネットワークと接続し、データを送受信する。
<管理装置701の機能的構成例1>
図9は、管理装置701の機能的構成例1を示すブロック図である。管理装置701は、分類部901と、特定部902と、算出部903と、判定部904と、決定部905と、変更部906と、通知部907と、を有する。分類部901〜通知部907は、具体的には、たとえば、図8に示した記憶デバイス802に記憶されたプログラムを、プロセッサ801に実行させることによりその機能を実現する。
分類部901は、周波数が異なる光信号を多重化して出力する複数のノードを経由して光信号を伝送する複数のパスを、各パスにおいて光信号が通過するノードのノード段数に基づいて、複数のグループに分類する。具体的には、たとえば、分類部901は、ノード段数が同一であるパスどうしを同一グループにする。図7に示した例では、パスP1がノード段数が16個のグループに分類され、パスP2がノード段数が11個のグループに分類され、パスP3がノード段数が6個のグループに分類される。
なお、本例では、ノード段数が同一のパスどうしでグループ化したが、同一である場合に限らない。たとえば、ノード段数が2以上10未満のグループ、10以上20未満のグループ、21以上30未満のグループ、…といったように、グループに定義されるノード段数に幅をもたせてもよい。この場合、パスP1がノード段数が2以上10未満のグループに分類され、パスP2、P3がノード段数が10以上20未満のグループに分類される。なお、各グループにおいて分類されたパスの本数が、当該グループ内に収容される光信号の数(波長数ともいう)となる。
特定部902は、上述した伝送ペナルティ特性400に基づいて、分類部901によって分類された複数のグループの各々のグループについて、ノード段数に応じた伝送ペナルティを特定する。具体的には、たとえば、特定部902は、図4に示した伝送ペナルティ特性400により、グループのノード段数に応じた伝送ペナルティを特定する。たとえば、特定部902は、パスP1の場合、伝送ペナルティ特性400においてノード段数に「16」を与えた場合の伝送ペナルティ量を特定する。なお、ノード段数が2以上10未満のグループといったように、グループのノード数に幅がある場合、ノード段数の最小値、最大値、中央値、または平均値を当該グループの代表的なノード段数として、伝送ペナルティを特定してもよい。
算出部903は、ノード段数の増加に応じて減少する雑音比から伝送ペナルティを減算することにより伝送マージンを算出する。雑音比とは、図4に示した受信OSNR410である。算出部903は、図4に示した受信OSNR410から特定部902によって特定された伝送ペナルティを減算する。
判定部904は、複数のグループの各々について、雑音比と、特定部902によって特定された伝送ペナルティと、に基づいて、グループの所属パスでの光信号の伝送可否を判定する。具体的には、たとえば、判定部904は、算出部903によって算出された伝送マージンが0よりも大きい場合は、当該グループの所属パスでの光信号の伝送が可能であると判定する。一方、伝送マージンが0以下である場合、伝送不可と判定する。
決定部905は、複数のグループの各々について、判定部904によって伝送可能と判定された場合、隣り合う光信号間の周波数間隔を決定する。周波数間隔のデフォルト値を、たとえば、50[GHz]とする。決定部905は、伝送可能である場合は、周波数間隔を、たとえば、デフォルト値である50[GHz]に決定する。
また、決定部905は、伝送マージンの大きさに応じて周波数間隔を決定することとしてもよい。たとえば、伝送マージンをMとすると、0<M≦T(Tは0よりも大きいしきい値。たとえば、T=1)の場合、周波数間隔を、たとえば、デフォルト値である50[GHz]に決定する。
変更部906は、伝送マージンがさらにしきい値より大きい場合、隣り合う光信号間の周波数間隔を第1の周波数間隔よりも短い第2の周波数間隔に変更する。具体的には、例えば、変更部906は、伝送マージンMがTより大きい場合、周波数間隔を、デフォルト値の50[GHz]から、デフォルト値よりも短い周波数間隔に変更する。これにより、周波数利用効率の向上を図ることができる。
すなわち、伝送マージンMがしきい値Tよりも大きい場合、周波数間隔を狭めても干渉しないため、周波数間隔を狭めることにより、より多くの波長を収容することができ、伝送効率の向上を図ることができる。なお、変更幅は、変更後の周波数間隔が0以下にならなければ、任意に設定できる。ここでは、たとえば、12.5[GHz]とする。なお、一定の変更幅ではなく、変更幅は、変更直前の周波数間隔を超えない範囲(たとえば、変更直前の周波数間隔の半分)としてもよい。
またこの場合、特定部902は、変更部906によって変更された第2の周波数間隔と伝送ペナルティ特性400とに基づいて、伝送ペナルティを再特定し、算出部903は、雑音比から、再特定された伝送ペナルティを減算することにより伝送マージンMを再算出する。つぎに、判定部904は、算出部903によって再算出された伝送マージンMが0より大きくしきい値以下である場合、伝送可能と判定する。これにより、決定部905は、判定部904によって伝送可能と判定された場合、隣り合う光信号間の周波数間隔を第2の周波数間隔に決定する。
すなわち、特定部902は、変更後の周波数間隔について、図5の非線形ペナルティおよび図6のフィルタリングペナルティを求め、伝送ペナルティを再特定し、算出部903は、再特定した伝送ペナルティで伝送マージンMを再算出する。これにより、判定部904は、再度伝送マージンMの大きさを判定することができる。このように、伝送マージンMが0<M≦Tに収束するまで、周波数間隔の狭小、伝送ペナルティの再特定、伝送マージンMの再算出および再判定、周波数間隔の再決定が実行される。
また、変更部906は、判定部904によって伝送不可と判定された場合、隣り合う光信号間の周波数間隔を第1の周波数間隔よりも長い第3の周波数間隔に変更する。具体的には、たとえば、変更部906は、伝送マージンMが0以下である場合、周波数間隔を、デフォルト値の50[GHz]から、デフォルト値よりも長い周波数間隔に変更する。これにより、周波数利用効率の向上を図ることができる。
すなわち、伝送マージンMが0以下である場合、周波数間隔を干渉抑制のため広くすることにより、波長を収容可能な状態とすることで、伝送効率の向上を図ることができる。なお、変更幅は、任意に設定できる。ここでは、たとえば、12.5[GHz]とする。
またこの場合、特定部902は、変更部906によって変更された第3の周波数間隔と伝送ペナルティ特性400とに基づいて、伝送ペナルティを再特定し、算出部903は、雑音比から、再特定された伝送ペナルティを減算することにより伝送マージンMを再算出する。つぎに、判定部904は、算出部903によって再算出された伝送マージンMが0より大きくしきい値以下である場合、伝送可能と判定する。これにより、決定部905は、判定部904によって伝送可能と判定された場合、隣り合う光信号間の周波数間隔を第3の周波数間隔に決定する。
すなわち、特定部902は、変更後の周波数間隔について、図5の非線形ペナルティおよび図6のフィルタリングペナルティを求め、伝送ペナルティを再特定し、算出部903は、再特定した伝送ペナルティで伝送マージンMを再算出する。これにより、判定部904は、再度伝送マージンMの大きさを判定することができる。このように、伝送マージンMが0<M≦Tに収束するまで、周波数間隔の拡大、伝送ペナルティの再特定、伝送マージンMの再算出および再判定、周波数間隔の再決定が実行される。
また、決定部905は、グループが異なる光信号の周波数帯域が重複しないようにグループ間の周波数間隔を決定する。具体的は、たとえば、決定部905は、グループ内の光信号を決定した周波数間隔で配置するとともに、グループ間についても周波数間隔をあけて配置する。これにより、グループ間の光信号の干渉を防止することができる。
有効周波数帯域はあらかじめ設定されるものとし、グループごとの周波数間隔と収容される光信号の数もグループの所属パス数により特定される。したがって、たとえば、決定部905は、番号の最も若いグループG1を配置すべき周波数帯域の始端を、有効周波数帯域の最小周波数とし、周波数間隔ごとに配置位置を決定する。以降のグループについては、直前のグループ(グループG2の場合はグループG1)の終端の配置位置から、グループG2の周波数間隔を加算した周波数を、グループG2の周波数帯域の始端に決定し、周波数間隔ごとに配置位置を決定する。
通知部907は、複数のグループの各々について、決定部905によって決定された周波数間隔を、所属パスを構成する各ノードN#に通知する。通知を受けたノードN#は、通知内容にしたがって調整される。
図10は、分類部901による分類例を示す説明図である。(A)は、分類前のパス群のノード段数を示す表である。始点ノードとは、そのパスの始端となるノードN#であり、終点ノードとは、そのパスの終端となるノードN#である。ノード段数は、始点ノードから終点ノードまでに光信号が通過するノードN#の台数となる。
(B)は、ノード段数が16個であるパスを含むグループG1を示す表であり、(C)は、ノード段数が11個であるパスを含むグループG2を示す表であり、(D)は、ノード段数が16個であるパスを含むグループG3を示す表である。
図11は、算出部903による伝送マージンMの算出例を示す説明図である。各グループG1〜G3の伝送マージンMは、受信OSNR410から、トランシーバ性能、伝送ペナルティ分類1〜3を減算した値となる。図11の例では、いずれのグループG1〜G3も、伝送マージンMが、0<M≦T(T=1)の範囲内に収まっている。
図12は、決定部905による決定結果の一例を示す説明図である。決定部905は、グループごとに、ノード段数、周波数間隔、および収容開始周波数、収容光信号数を決定する。各グループの決定結果は、通知部907により、グループに所属するパスを構成するノードN#に通知される。
<管理処理手順>
図13は、管理装置701による管理処理手順例を示すフローチャートである。管理装置701は、各パスのノード段数を取得する(ステップS1401)。たとえば、管理者が入力デバイスを操作入力することで、管理装置701はノード段数を取得する。つぎに、管理装置701は、分類部901によりパスをグループ化する(ステップS1302)。そして、グループ番号のインデックスkをk=1とし(ステップS1303)、管理装置701は、特定部902によりグループGkの伝送ペナルティを特定する(ステップS1304)。そして、管理装置701は、算出部903により、グループGkの伝送マージンMを算出し(ステップS1305)、判定部904により、伝送可否判定処理を実行する(ステップS1306)。伝送可否判定処理(ステップS1306)の詳細については図14で後述する。
伝送可否判定処理(ステップS1306)のあと、管理装置701は、決定部905により、グループGkの周波数間隔および周波数開始位置を決定する(ステップS1307)。このあと、管理装置701は、インデックスkをインクリメントし(ステップS1308)、k>nであるか否かを判断する(ステップS1309)。nは分類部901によって分類されたグル―プ総数である。k>nでない場合(ステップS1309:No)、ステップS1304に戻る。一方、k>nである場合(ステップS1309:Yes)、管理装置701は、通知部907により、図12に示した決定結果を通知する通知処理を実行する(ステップS1410)。これにより、管理装置701は一連の処理を終了する。
図14は、図13に示した伝送可否判定処理(ステップS1306)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。まず、管理装置701は、判定部904により、伝送マージンMが0<M≦Tであるか否かを判定する(ステップS1401)。0<M≦Tである場合(ステップS1401:Yes)、ステップS1307に移行する。
一方、0<M≦Tでない場合(ステップS1401:No)、管理装置701は、M>Tであるか否かを判定する(ステップS1402)。M>Tである場合(ステップS1402:Yes)、伝送マージンMが過大であるため、変更部906は、周波数間隔を縮小する(ステップS1403)。変更対象となる周波数間隔は、初回はデフォルト値、2回目以降は直前の周波数間隔となる。そして、管理装置701は、算出部903により、縮小後の周波数間隔で伝送ペナルティを再特定し(ステップS1404)、算出部903により伝送マージンMを再算出する(ステップS1405)。
このあと、管理装置701は、判定部904により、再算出された伝送マージンMが0<M≦Tであるか否かを判定する(ステップS1406)。0<M≦Tである場合(ステップS1406:Yes)、ステップS1307に移行する。一方、0<M≦Tでない場合(ステップS1401:No)、ステップS1403に戻る。
また、ステップS1402において、M>Tでない場合(ステップS1402:No)、伝送マージンMが0以下であるため、変更部906は、周波数間隔を拡大する(ステップS1407)。変更対象となる周波数間隔は、初回はデフォルト値、2回目以降は直前の周波数間隔となる。そして、管理装置701は、算出部903により、拡大後の周波数間隔で伝送ペナルティを再特定し(ステップS1408)、算出部903により伝送マージンMを再算出する(ステップS1409)。
このあと、管理装置701は、判定部904により、再算出された伝送マージンMが0<M≦Tであるか否かを判定する(ステップS1410)。0<M≦Tである場合(ステップS1410:Yes)、ステップS1307に移行する。一方、0<M≦Tでない場合(ステップS1410:No)、ステップS1407に戻る。これにより、伝送可否判定処理(ステップS1306)が終了する。
<ノードN#のハードウェア構成例>
図15は、ノードN#のハードウェア構成例を示すブロック図である。ノードN#は、伝送路101に接続される。ノードN#は、受信アンプ1501と、Drop用グリッドレス分波器1502と、Add用グリッドレス合波器1503と、送信アンプ1504と、グリッドレス分波器1505と、グリッドレス合波器1506と、複数の光送受信器1507(1507a〜1507z)と、ノード制御部1508を、を有する。
受信アンプ1501は、伝送路101上を伝搬する光信号または光多重信号が伝送路101によって減衰した光パワーを補償する。Drop用グリッドレス分波器1502は、受信アンプ1501で光増幅された光信号または光多重信号を分岐する。Add用グリッドレス合波器1503は、光信号または光多重信号を追加する。
送信アンプ1504は、光信号または光多重信号を伝送路101に送信するために光増幅する。グリッドレス分波器1505は、Drop用グリッドレス分波器1502によって分岐された光信号を後段につながる受信器に伝搬するために数本の光ファイバを有する。
グリッドレス合波器1506は、前段に設置されたノードN#から伝搬されてくる光信号を合波するために数本の光ファイバを有し、合波した光信号、すなわち光多重信号を後段に接続されたAdd用グリッドレス合波器1503に伝搬する。複数の光送受信器1507は、それぞれ、グリッドレス分波器1505から伝搬された光信号を受信し、光信号に重畳されたデータ信号を復号する。また、複数の光送受信器は、それぞれ、データ信号を光信号に重畳し、グリッドレス合波器1506に送信する。
ノード制御部1508は、管理装置701からの情報、たとえば、図12に示した決定結果に基づいて、ノードの各構成要素を制御する。なお、Drop用グリッドレス分波器1502は、光信号を分岐するだけでなく、そのまま通過させて後段につながるAdd用グリッドレス合波器1503に伝搬することができる。また、Drop用グリッドレス分波器1502の透過帯域幅および中心波長は、ノード制御部1508によって制御される。
Add用グリッドレス合波器1503は、光信号を追加するだけでなく、光ファイバを介して前段に接続するDrop用グリッドレス分波器1502から伝搬されてきた光信号を通過させることができる。また、Add用グリッドレス分波器1505の透過帯域幅および中心波長は、ノード制御部1508によって制御される。
Drop用グリッドレス分波器1502およびAdd用グリッドレス合波器1503は、たとえば、グリッドレスWSS(Wavelength Selective Switch)により構成されてもよい。グリッドレスWSSは、シリコン基板の上に液晶を形成した反射型の液晶素子を利用し、光ファイバからなる光伝送路中を伝搬する任意に選択した波長または全波長のパスの通過、ブロック、等化、追加、分岐をダイナミックに制御する。
また、光送受信器1507a〜1507zは、ITU−Gridに依存しない波長の光信号を送受信することができる。また、データ信号を光信号に変調する方式(光変復調方式)は、光の振幅に変調するオンオフキーイング方式でも、光電界の位相に変調する位相シフトキーイング方式でも、光電界の振幅と位相に変調するQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調方式でも、直交する光の偏波それぞれに変調する偏波多重方式でもよい。
また、光信号をデータ信号に復調する方式は、デジタルコヒーレント方式でも直接検波方式でもよい。なお、ここでは詳細な記述を行わないが、光送受信器1507a〜1507zは、複数の変調フォーマットで変調することができ、光伝送諸元(ノード段数や周波数間隔に依存して増加する伝送ペナルティ)に基づいて、変調フォーマットを最適化して、周波数利用効率を高める方法をとってもよい。
ノード制御部1508は、Add用グリッドレス合波器1503と送信アンプ1504を制御することで、分類部901によって分類されたグループごとの入力光強度を最適化し、受信OSNR410を増加させて、より高密度に周波数配置してもよい。
このように、実施例1では、図3(b)に示したように光信号が配置されるため、周波数の異なる光信号の干渉を抑制し、かつ、伝送容量の増大化を図ることができる。
(実施例2)
つぎに、実施例2について説明する。実施例2では、実施例1でグループごとに配置された光信号群の一部が欠落した場合に、光信号を追加する例である。なお、実施例2では、実施例1との相違点および変更点のみ説明する。
<光信号の追加例>
図16は、光信号の追加例1を示す説明図である。図16において、(a)は、図3(b)の次状態を示す。(a)は、図3(b)の状態からグループG1に所属するあるパスが廃止された場合の配置例である。グル―プG1内の点線で示した光信号が、廃止されたパスにより伝送されていた光信号である。したがって、この点線で示した光信号の配置位置が空き帯域となる。
(b)は、(a)の次状態を示す。あらたにパスが追加された場合、当該追加パスがどのグループに所属するか否か判定される。グループG1に所属する場合には、(a)の空き帯域に追加パスの光信号が配置される。
図17は、光信号の追加例2を示す説明図である。図17において、(a)は、図3(b)の次状態を示す。(a)は、図3(b)の状態からグループG2に所属するあるパスが廃止された場合の配置例である。グル―プG2内の点線で示した光信号が、廃止されたパスにより伝送されていた光信号である。したがって、この点線で示した光信号の配置位置が空き帯域となる。
(b)は、(a)の次状態を示す。(b)は、(a)で発生した空き帯域のシフト例である。あらたにパスが追加された場合、当該追加パスがどのグループに所属するか否か判定される。グループG1に所属する場合には、グループG1には空き領域がないが、グループG2には空き領域がある。このため、グループG2のうち空き領域の手前側の光信号(図17中、点線矩形)を空き領域側に伝送エラーが発生しないようにシフトさせ、グループG1に空き領域を確保する。
この場合、移動される光信号の周波数帯域に追随して、ノードは、光信号が通過するDrop用グリッドレス分波器1502およびAdd用グリッドレス合波器1503の中心周波数も移動させる。なお、復調方式にコヒーレント方式を用いている場合は、送信側の主信号の搬送波周波数と、受信側の局発光の光周波数を同時に移動することになる。
(c)は、(b)の次状態を示す。(c)では、追加パスの光信号がグループG1に配置される。なお、図17では、追加パスの所属グループが、空き領域が発生したグループの隣接グループである例について説明したが、追加パスの所属グループと空き領域が発生したグループは、隣接していなくてもよい。この場合、両グループ間のグループも、(b)に示したように空き領域側にシフトされることになる。
<管理装置701の機能的構成例2>
図18は、管理装置701の機能的構成例2を示すブロック図である。ここでは、図19に示した機能との相違点や変更点についてのみ説明する。分類部901は、追加パスのノード段数に基づいて、追加パスを複数のグループのいずれかのグループに分類する。具体的には、たとえば、分類部901は、追加パスのノード段数を操作入力などにより取得し、すでに分類されている複数のグループのうちどのグループに所属可能かを判断する。
たとえば、ノード段数が同一のグループがあれば、当該グループに所属可能である。たとえば、追加ノードのノード段数が11であれば、分類部901は、追加ノードをグループG2に分類する。また、分類部901は、追加パスがいずれのグループにも該当しない場合には、分類部901は、追加パスを所属させる新たなグループを生成する。
そして、決定部905は、追加パスの光信号について、当該追加パスの所属グループに空き領域が有る場合、追加パスの光信号の配置位置を当該空き領域に決定する。
設定部1800は、追加パスの所属グループにおいて未配置の周波数帯域を設定する。具体的には、たとえば、設定部1800は、追加パスの所属グループ内において光信号の欠落がなく、かつ、追加パスの所属グループ以外の他のグループにおいて光信号の欠落が存在する場合に実行される。すなわち、図17の(a)で説明したように、グループG2に空き領域はあるが、追加パスを所属させるべきグループがグループG2でない場合に、追加パスの所属グループにおいて未配置の周波数帯域を設定する。
具体的には、設定部1800は、他のグループ内の光信号の配置位置を周波数間隔が等しくなるよう移動させることにより、追加パスの所属グループにおいて未配置の周波数帯域を設定する。すなわち、図17の(b)に示したように、点線矩形で囲まれたグループG2の光信号の配置位置を周波数間隔が等しくなるよう移動させて、グループG1に空き領域を作る。これにより、決定部905は、設定部1800によって設定された空き領域を、追加パスの光信号の配置位置に決定する。
<追加処理手順>
図19は、管理装置701による追加処理手順例を示すフローチャートである。管理装置701は、追加パスのノード段数を取得すると(ステップS1901)、分類部901により追加パスを所属させるべきグループに分類する(ステップS1902)。そして、管理装置701は、既存グループに分類されたか否かを判断する(ステップS1903)。
既存グループに分類された場合(ステップS1903:Yes)、ステップS1905に移行する。一方、既存グループに分類されなかった場合(ステップS1803:No)、管理装置701は、分類部901により、追加パスについてあらたなグループを生成し(ステップS1904)、追加パス設定処理を実行する(ステップS1905)。
追加パス設定処理(ステップS1905)は、図13に示したステップS1303〜S1309までの処理であり、処理対象となるグループは、既存のグループと、ステップS1904で生成されたグループとを含むグループ群である。追加パス設定処理(ステップS1905)のあと、ステップS1906に移行する。
ステップS1906では、管理装置701は、追加パスの所属グループ内に追加可能な周波数帯域(空き帯域)があるか否かを判断する(ステップS1906)。追加パスの所属グループ内に追加可能な周波数帯域がある場合(ステップS1906:Yes)、管理装置701は、決定部905により、追加パスを配置させる収容周波数帯域を決定し(ステップS1907)、通知部907により、追加パスを構成するノードに通知する(ステップS1908)。
また、ステップS1906において、追加パスの所属グループ内に追加可能な周波数帯域がない場合(ステップS1906:No)、管理装置701は、他グループに追加可能な周波数帯域があるか否かを判断する(ステップS1909)。他グループに追加可能な周波数帯域がある場合(ステップS1909:Yes)、管理装置701は、設定部1800による設定処理を実行して(ステップS1910)、ステップS1907に移行する。これにより、ステップS1907では、管理装置701は、図17の(b)に示したような設定後の状態で、追加パスの光信号についての収容周波数帯域を決定することになる。
一方、ステップS1909において、他グループに追加可能な周波数帯域がない場合(ステップS1909:No)、管理装置701は、追加不可を示す情報を、出力デバイスに出力する(ステップS1911)。これにより、管理装置701は、一連の処理を終了する。
このように、追加パスが存在する場合であっても、追加パスの光信号の配置位置を、追加パスの所属グループに応じて決定することができるため、グループの再編をすることなく、搬送波周波数の異なる光信号の干渉を抑制し、かつ、伝送容量の増大化を図ることができる。したがって、運用中であっても追加パスの設定をおこなうことができ、伝送の中断を防止することができる。
以上、本発明を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。
100 伝送網
400 伝送ペナルティ特性
700 管理システム
701 管理装置
901 分類部
902 特定部
903 算出部
904 判定部
905 決定部
906 変更部
907 通知部
1800 設定部
N# ノード

Claims (14)

  1. 搬送波周波数が異なる光信号を多重化して出力する複数のノードを経由して前記光信号を伝送する複数のパスを、各パスにおいて前記光信号が通過するノードのノード段数に基づいて、複数のグループに分類する分類部と、
    前記ノード段数の増減に応じて前記光信号の伝送劣化度合いが増減する伝送ペナルティが、多重化により配置される周波数帯域が隣り合う光信号間の周波数間隔が拡大するほど減少し縮小するほど増大するという伝送ペナルティ特性に基づいて、前記分類部によって分類された複数のグループの各々のグループについて、前記ノード段数に応じた伝送ペナルティを特定する特定部と、
    前記複数のグループの各々について、前記ノード段数の増加に応じて減少する雑音比と、前記特定部によって特定された伝送ペナルティと、に基づいて、前記グループの所属パスでの前記光信号の伝送可否を判定する判定部と、
    前記複数のグループの各々について、前記判定部によって伝送可能と判定された場合、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を決定する決定部と、
    前記複数のグループの各々について、前記決定部によって決定された周波数間隔を、前記所属パスを構成する各ノードに通知する通知部と、
    を有することを特徴とする管理装置。
  2. 前記雑音比から前記伝送ペナルティを減算することにより伝送マージンを算出する算出部を有し、
    前記判定部は、前記算出部によって算出された伝送マージンに基づいて、前記所属パスでの前記光信号の伝送可否を判定し、
    前記決定部は、前記判定部によって伝送可能と判定された場合、前記伝送マージンの大きさに基づいて、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を決定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
  3. 前記判定部は、前記伝送マージンが0より大きい場合、伝送可能と判定することを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
  4. 前記決定部は、前記伝送マージンが0より大きく、かつ、しきい値以下である場合、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を第1の周波数間隔に決定することを特徴とする請求項3に記載の管理装置。
  5. 前記伝送マージンがさらにしきい値より大きい場合、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を前記第1の周波数間隔よりも短い第2の周波数間隔に変更する変更部を有し、
    前記特定部は、前記変更部によって変更された第2の周波数間隔と前記伝送ペナルティ特性とに基づいて、前記伝送ペナルティを再特定し、
    前記算出部は、前記雑音比から前記再特定された伝送ペナルティを減算することにより伝送マージンを再算出し、
    前記判定部は、前記算出部によって再算出された伝送マージンが0より大きく、かつ、前記しきい値以下である場合、伝送可能と判定し、
    前記決定部は、前記判定部によって伝送可能と判定された場合、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を前記第2の周波数間隔に決定することを特徴とする請求項3に記載の管理装置。
  6. 前記判定部は、前記伝送マージンが0以下である場合、伝送不可と判定することを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
  7. 前記判定部によって伝送不可と判定された場合、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を前記第1の周波数間隔よりも長い第3の周波数間隔に変更する変更部を有し、
    前記特定部は、前記変更部によって変更された第3の周波数間隔と前記伝送ペナルティ特性とに基づいて、前記伝送ペナルティを再特定し、
    前記算出部は、前記雑音比から前記再特定された伝送ペナルティを減算することにより伝送マージンを再算出し、
    前記判定部は、前記算出部によって再算出された伝送マージンが0より大きく、かつ、前記しきい値以下である場合、伝送可能と判定し、
    前記決定部は、前記判定部によって伝送可能と判定された場合、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を前記第3の周波数間隔に決定することを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
  8. 前記決定部は、グループが異なる光信号の周波数帯域が重複しないようにグループ間の周波数間隔を決定し、
    前記通知部は、さらに、前記グループ間の周波数間隔を、前記所属パスを構成する各ノードに通知することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
  9. 前記分類部は、追加パスのノード段数に基づいて、前記追加パスを前記複数のグループのいずれかのグループに分類することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
  10. 前記分類部は、前記追加パスが所属すべきグループが存在しない場合、前記追加パスが所属すべきグループを生成することにより、前記追加パスを含む前記複数のパスを、当該生成されたグループを含む前記複数のグループに分類することを特徴とする請求項9に記載の管理装置。
  11. 前記決定部は、前記追加パスの所属グループ内において光信号の欠落が存在する場合、前記追加パスを伝送する光信号が配置される周波数帯域を、前記欠落した光信号が配置されていた周波数帯域に決定することを特徴とする請求項9に記載の管理装置。
  12. 前記追加パスの所属グループ内において光信号の欠落が存在せず、かつ、前記追加パスの所属グループ以外の他のグループにおいて光信号の欠落が存在する場合、前記他のグループ内の光信号の配置位置を周波数間隔が等しくなるよう移動させることにより、前記追加パスの所属グループにおいて未配置の周波数帯域を設定する設定部を有し、
    前記決定部は、前記追加パスを伝送する光信号が配置される周波数帯域を、前記設定部によって設定された周波数帯域に決定することを特徴とする請求項8に記載の管理装置。
  13. 搬送波周波数が異なる光信号を多重化して出力する複数のノードと、前記複数のノードを管理する管理装置と、を有する管理システムであって、
    前記管理装置は、
    搬送波周波数が異なる光信号を多重化して出力する複数のノードを経由して前記光信号を伝送する複数のパスを、各パスにおいて前記光信号が通過するノードのノード段数に基づいて、複数のグループに分類する分類部と、
    前記ノード段数の増減に応じて前記光信号の伝送劣化度合いが増減する伝送ペナルティが、多重化により配置される周波数帯域が隣り合う光信号間の周波数間隔が拡大するほど減少し縮小するほど増大するという伝送ペナルティ特性に基づいて、前記分類部によって分類された複数のグループの各々のグループについて、前記ノード段数に応じた伝送ペナルティを特定する特定部と、
    前記複数のグループの各々について、前記ノード段数の増加に応じて減少する雑音比と、前記特定部によって特定された伝送ペナルティと、に基づいて、前記グループの所属パスでの前記光信号の伝送可否を判定する判定部と、
    前記複数のグループの各々について、前記判定部によって伝送可能と判定された場合、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を決定する決定部と、
    前記複数のグループの各々について、前記決定部によって決定された周波数間隔を、前記所属パスを構成する各ノードに通知する通知部と、
    を有することを特徴とする管理システム。
  14. 異なる波長の光信号が多重化された光信号を伝送する複数のノードを管理する管理装置が、
    搬送波周波数が異なる光信号を多重化して出力する複数のノードを経由して前記光信号を伝送する複数のパスを、各パスにおいて前記光信号が通過するノードのノード段数に基づいて、複数のグループに分類する分類手順と、
    前記ノード段数の増減に応じて前記光信号の伝送劣化度合いが増減する伝送ペナルティが、多重化により配置される周波数帯域が隣り合う光信号間の周波数間隔が拡大するほど減少し縮小するほど増大するという伝送ペナルティ特性に基づいて、前記分類手順によって分類された複数のグループの各々のグループについて、前記ノード段数に応じた伝送ペナルティを特定する特定手順と、
    前記複数のグループの各々について、前記ノード段数の増加に応じて減少する雑音比と、前記特定手順によって特定された伝送ペナルティと、に基づいて、前記グループの所属パスでの前記光信号の伝送可否を判定する判定手順と、
    前記複数のグループの各々について、前記判定手順によって伝送可能と判定された場合、前記所属パスにより伝送される前記隣り合う光信号間の周波数間隔を決定する決定手順と、
    前記複数のグループの各々について、前記決定手順によって決定された周波数間隔を、前記所属パスを構成する各ノードに通知する通知手順と、
    を実行することを特徴とする管理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016208519A (ja) * 2015-04-23 2016-12-08 富士通株式会社 伝送基準に基づくスーパーチャネルパワーフリープリエンファシス
JP2017208714A (ja) * 2016-05-18 2017-11-24 富士通株式会社 光伝送制御装置及び光信号波長決定方法

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