JP2014217383A - 植物栽培方法、成型培土 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主根張用の成型培土又は成型培土の外周が被覆材でカバーされた被覆成型培土の外側に副根張用の成型培土又は被覆成型培土が配置され、主根張用の成型培土で植物を栽培して生育、成長させて、その植物の根が副根張用の成型培土又は被覆成型培土まで展伸してから、主根張用の成型培土又は被覆成型培土を、副根張用の成型培土又は被覆成型培土の内側から取り除くか、又は副根張用の成型培土又は被覆成型培土を、主根張用の成型培土又は被覆成型培土の周囲から取り除くことにより、前記根を切断して当該根を刺激して新たな発根を促進させる。
【選択図】図1
Description
(1)栽培された植物の根を、副根張用の成型培土に進入させるので、植物が主根張用の成型培土又は副根張用の成型培土で根詰まりすることがなく、根詰まりによる各種弊害が一掃される。また、根張りし易くなるため植物の成長に適し、根が安定する。
(2)展伸後に副根張用の成型培土を主根張用の成型培土から分離したり、副根張用の成型培土を主根張用の成型培土から分離したりするだけで、根を適度に切断(根切り)できるので、新たな根の発育(発根)が促進される。
(1)ブロック状、カプセル状であるため栽培容器の副根張室に手軽にセットでき、培土の入替えを容易且つ迅速に行うことができ、作業性が向上する。
(2)植物の根が通過可能な被覆材でカバーすれば、培土が型崩れしにくくなるので取り扱い易く作業性がよい。カプセル培土の場合も同様の効果がある。
(3)成型培土の被覆材や、カプセル培土のカプセル容器を土中で分解される不織布製や紙製などとすれば、被覆材が分解した後は培土が崩れ易くなるのでその培土を再利用し易い。また、分解した被覆材が土に帰るため食物連鎖が容易になり、環境に優しい培土となる。
植物栽培方法の実施形態の一例について、図1を参照して説明する。図1の植物栽培方法は、容器本体1内に主根張室4と副根張室5が設けられた栽培容器を使用し、その主根張室4内の培土で植物Pを栽培する方法である。図1に示す栽培容器は、容器本体1の外壁2の内側に二枚の仕切り材3を設けて仕切り材3の内側を主根張室4とし、仕切り材3と容器本体1の外壁2との間を副根張室5とし、仕切り材3に通過部6を設けてある。図1では主根張室4内の培土で植物Pを栽培して生育、成長させた植物Pの根が通過部6を通過して、副根張室5内の培土まで展伸(進入)するようにした栽培方法である。
植物栽培方法の実施形態の第2の例として図11(a)に示すものは、ブロック状の複数の副根張培土50を箱状の容器本体1内の中央部を囲って配置し、その副根張培土50の内側にバラの主根張培土40を入れ、前記主根張培土40で栽培した植物の根を副根張培土50に進入させる栽培方法である。
植物栽培方法の実施形態の第2の例として図11(b)に示すものは、ブロック状の複数の主根張培土40を箱状の容器本体1内の略中央部に配置し、その外周にバラの副根張培土50を入れ、前記主根張培土40で栽培した植物の根を副根張培土50に進入させる栽培方法である。
植物栽培方法は、図8(a)(b)に示すような環状(リング状)の栽培容器を使用し、内側の主根張室4の外側に副根張室5を設け、両根張室の間の仕切り材3に通過部(図示せず)を開口し、主根張室4で栽培した植物Pの根がその通過部を通過して副根張室5内の培土に進入できるようにした栽培方法である。リング状の栽培容器を使用する場合、副根張室5は主根張室4の外側又は内側の双方に設けることも、内側だけに設けることもできる。
植物栽培方法の実施形態の一例について、図10(a)(b)を参照して説明する。この実施形態の植物栽培方法は、トレイ状の容器本体1内にブロック状に成型した主根張培土40と副根張培土50を並べ、主根張培土40で植物Pを栽培して生育、成長させた植物Pの根が副根張培土50内に進入するようにした方法である。
前記した植物栽培方法は、いずれも、栽培当初から、主根張室4と副根張室に培土を入れておいて栽培する方法、主根張培土40と副根張培土50を配置しておいて栽培する方法であるが、本発明の植物栽培方法は、主根張室4の培土で植物Pを栽培する当初は副根張室5に培土を入れず、植物Pが生育、成長して根Rが副根張室5の近く又は副根張室5内まで展伸してから副根張室5に培土を入れ、その副根張室5の培土に根Rを進入させることもできる。
本発明における栽培容器の実施形態の一例について図面を参照して説明する。本発明の栽培容器は円形、楕円形、星型等のどのような形状であってもよいが、図1〜図7の実施形態は横長箱状の場合、図8は円形(リング状)の場合である。図1〜図7の栽培容器は主根張室4と副根張室5を備えている。本発明では主根張室4の両外側に副根張室5を設けてあるが、本発明では片外側のみに設けることもできる。図8(a)はリング状の主根張室4の外周囲にリング状の副根張室5を同心円状に設けた場合、図8(b)はリング状の主根張室4の外周と内周の双方にリング状の副根張室5を同心円状に設けてある。
本発明における栽培容器の他の実施形態を、図6を参照して説明する。図6の栽培容器の基本構造は図1(a)(b)に示す栽培容器と同様である。異なるのは、主根張室4と副根張室5とを二枚以上の仕切り材3を間隔をあけて配置して仕切り、夫々の仕切り材3の隙間を通過部6としたことである。主根張室4内で栽培した植物Pの根Rは通過部6を通過して副根張室5内に進入できるようにしてある。この場合、夫々の仕切り材3には、スリット、網目、貫通孔などの通過部6を備えたものを用いることもできるが、通過部6を備えていないものを用いることもできる。この実施形態では、二枚以上の仕切り材3が縦向きに配置されているが、二以上の仕切り材3は横向きにして高さ方向に間隔をあけて配置することもできる。この場合、仕切り材3は容器本体1の上下方向にスライドさせて出し入れ可能とすることも、長手方向両端側から横方向にスライドさせて出し入れ可能とすることもできる。
前記した本発明における栽培容器の実施形態1、2では、主根張室4が横長箱型であり、その両外側に副根張室5を設けてあるが、副根張室5はいずれか一方にのみ設けることも、同一方向に二以上設けることもできる。
本発明における栽培容器の他の実施形態を、図8(a)を参照して説明する。この栽培容器は主根張室4が有底円筒状(リング状)であり、その外側(外周)に有底円筒状の副根張室5を設けたものであるが、副根張室5をリング方向に二以上の分割構造にすることができるなど、他の構造は基本的には実施形態1、2と同じである。
本発明における栽培容器の他の実施形態を、図8(b)を参照して説明する。この栽培容器は主根張室4が有底円筒状であり、その外側(外周)と内側(内周)に有底円筒状の副根張室5を設けたものであるが、他の構造は基本的には実施形態1、2と同じである。
本発明における栽培容器の実施形態を、図10(a)を参照して説明する。図10(a)の本発明における栽培容器は容器本体1としてトレイ状のものを使用し、その上に、植物Pを栽培可能なブロック状に成型された主根張培土40が配置され、その四方外周にブロック状に成型された副根張培土50を配置して、主根張培土40で栽培されて生育、成長した植物Pの根が副根張培土50に展伸できるようにしたものである。副根張培土50の配置は図10(a)以外の配置とすることもできる。いずれの配置の場合も、副根張培土50は主根張培土40の外側に二以上設けて、根詰まりをブロック単位で細かく管理できるようにするのが望ましい。主根張培土40と副根張培土50、又は副根張培土50と副根張培土50は、間隔をあけて収容することもできるが、互いに密着するように配置することもできる。
図10(b)の本発明における栽培容器は容器本体1としてトレイ状のものを使用し、その内部に縦横に仕切り材3を入れて容器本体1内を多数の空間に区画し、それら空間にブロック状に成型された培土を入れ、そのうちの一部の空間を主根張室4とし、その外側の空間を副根張室5とすることもできる。培土はバラのものをいれてもよい。仕切り材3は薄板状、シート状、フィルム状といった各種厚さのものを使用することができ、材質も容器本体1の材質と同じものでも他のもの、例えば、紙、樹脂等でもよい。透水性、通気性のあるものが適する。
本発明の主根張室4、副根張室5に収容する培土は、栽培に必要な性能や目的を備えた汎用の或いは新規な培土を使用することができる。培土はバラでも、ブロック状に成型したもの(成型培土、ブロック培土)でも、カプセルのような容器にバラ或いはブロック状の培土を収容したもの(カプセル培土)であってもよい。カプセル形状の容器は土中で分解されない材質のものでもよい。この場合、使用後にカプセル内の培土を取り出して、そのカプセルに新しい培土を詰めて再利用できるようにしてもよい。
本発明の成型培土12は前記栽培容器の主根張室4、副根張室5に収容できる培土であって、栽培に必要な性能や目的を備えた汎用の或いは新規な培土を副根張室5に収容可能なブロック状に成型したものである。成型培土12はブロック状のままでも良いが、その外周を被覆材14で被覆して型崩れしないようにすることもできる。被覆材14には植物Pの根Rが進入可能な孔、目、隙間等の通過部6を備えたもの、通水性や通気性を備えたもの、土中で分解される紙製のフィルム、シート、不織布等が適する。被覆材14は土中で分解されない材質のものでもよい。
本発明における栽培容器の使用例について説明する。この使用例は、副根張室5が小室11に区画されていない場合の例であるが、小室11に区画されている場合も同様である。
(1)主根張室4に培土を入れる。培土は汎用のものを使用することができる。副根張室5には、主根張室4で栽培される植物Pの根Rが伸びるまでは入れなくてもよい。副根張室5に入れる培土は主根張室4に入れる培土と同じものであっても異なるものであってもよい。また、前記した成型培土12であってもよい。
(2)主根張室4にナス、ピーマン、マンゴーといった植物Pの種を播種したり、苗を定植したりして栽培する。
(3)生育し、成長した植物Pの根Rは主根張室4から通過部6を通って副根張室5に進入し、副根張室5でさらに張る(図7(a))。
(4)図7(b)のように植物Pの根Rが副根張室5内で根詰まりしたら、図7のように副根張室5の上方から仕切り材3の外側に切断具Cを押し込んで副根張室5内の根Rを培土と共に切断する。切断後、又は切断前に図7に示すように容器本体1の外壁2を引き抜いて取り外し、切断した培土と根Rを副根張室5から排出する(取り除く)。
(5)図7(c)のように前記外壁2を戻してから、空の副根張室5内に新たな培土を入れる。この場合、成型培土12を入れることもできる。
2 外壁
3 仕切り材
4 主根張室
5 副根張室
6 通過部
7 ドレイン
8 底材
9 側壁
10 区画材
11 小室
12 成型培土
13 ガイド溝
14 被覆材
15a 嵌合突起
15b 嵌合凹部
16 補強板
16a 受部
17 支持部
18 連結部
40 主根張培土
50 副根張培土
C 切断具
P 植物
R (植物の)根
S 底側空間
Claims (7)
- 植物栽培方法において、
主根張用の成型培土又は成型培土の外周が被覆材でカバーされた被覆成型培土の外側に副根張用の成型培土又は被覆成型培土が配置され、
主根張用の成型培土で植物を栽培して生育、成長させて、その植物の根が副根張用の成型培土又は被覆成型培土まで展伸してから、主根張用の成型培土又は被覆成型培土を、副根張用の成型培土又は被覆成型培土の内側から取り除くか、又は副根張用の成型培土又は被覆成型培土を、主根張用の成型培土又は被覆成型培土の周囲から取り除くことにより、前記根を切断して当該根を刺激して新たな発根を促進させる、
ことを特徴とする植物栽培方法。 - 植物栽培方法において、
主根張用の成型培土又は成型培土の外周が被覆材でカバーされた被覆成型培土の外側に、副根張用の成型培土又は被覆成型培土が配置され、
前記主根張室用の成型培土又は被覆成型培土と副根張室用の成型培土又は被覆成型培土が仕切り材で仕切られ、主根張用の成型培土で植物を栽培して生育、成長させて、その植物の根が副根張用の成型培土又は被覆成型培土まで展伸してから、主根張用の成型培土又は被覆成型培土を、副根張り用の成型培土又は被覆成型培土の内側から取り除くか、又は副根張用の成型培土又は被覆成型培土を、主根張用の成型培土又は被覆成型培土の周囲から取り除くことにより、前記根を切断して当該根を刺激して新たな発根を促進させる、
ことを特徴とする植物栽培方法。 - 植物栽培方法において、
副根張用の培土が成型培土又は被覆成型培土を二以上並べて形成され、その内側に主根張室用のバラの培土が収容され、
前記主根張室用の成型培土又は被覆成型培土で植物を栽培して生育、成長させ、その植物の根が前記服根張用の培土まで展伸してから、前記副根張用の成型培土又は被覆成型培土を取り除くことにより、前記根を切断して当該根を刺激して新たな発根を促進させる、
ことを特徴とする植物栽培方法。 - 植物栽培方法において、
主根張室用の成型培土又は被覆成型培土の周囲に、副根張用のバラの培土が設けられ、
前記主根張用の成型培土又は被覆成型培土で植物を栽培して生育、成長させ、その植物の根が前記副根張室のバラの培土まで展伸してから、主根張室の成型培土又は被覆成型培土を副根張り室から取り除くことにより、又は、副根張り用のバラの培土を主根張り用の成型培土又は被覆培土の外周から取り除くことにより、前記根を切断して、当該根を刺激して新たな発根を促進させる、
ことを特徴とする植物栽培方法。 - 請求項1から請求項4の植物栽培方法に使用できる成型培土であり、
成型培土がピートモス、赤土といった根張りに適した培土を単独で又は二種以上を混合してブロック状に成型された、
ことを特徴とする成型培土。 - 請求項5記載の成型培土の外周が、被覆材でカバーされ、被覆材が通気性のある構造、又は材質製である、
ことを特徴とする成型培土。 - 請求項5記載の成型培土の外周が、被覆材でカバーされ、被覆材が土中で分解する材質である、
ことを特徴とする成型培土。
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