JP2014216109A - 信号伝送用フラットケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波周波数帯域における信号伝送特性の低下を抑止することができる信号伝送用フラットケーブルを提供する。
【解決手段】信号導体1、接地導体2、2および電気絶縁基体3をケーブル厚さ方向の上下から被覆する上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5を備える。保護遮蔽層8は、金属層6と電気絶縁プラスチック層7からなり、金属層が内側に、電気絶縁プラスチック層が外側に位置するように上部および下部電気絶縁薄膜層の外周を包囲する。保護遮蔽層は、ケーブル長手方向に沿った一方の端縁部10と他方の端縁部11が突き合わされて前記外周を包囲する。また、上部および下部電気絶縁薄膜層4、5と金属層6とが接着により一体化される。
【選択図】図1
【解決手段】信号導体1、接地導体2、2および電気絶縁基体3をケーブル厚さ方向の上下から被覆する上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5を備える。保護遮蔽層8は、金属層6と電気絶縁プラスチック層7からなり、金属層が内側に、電気絶縁プラスチック層が外側に位置するように上部および下部電気絶縁薄膜層の外周を包囲する。保護遮蔽層は、ケーブル長手方向に沿った一方の端縁部10と他方の端縁部11が突き合わされて前記外周を包囲する。また、上部および下部電気絶縁薄膜層4、5と金属層6とが接着により一体化される。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄型でかつ優れた電気特性を有する信号伝送用フラットケーブル、特に、携帯電話やノートパソコン等の内部配線に適した信号伝送用フラットケーブルに関するものである。
携帯電話やノートパソコンのような高密度配線電子機器に使用される信号伝送用フラットケーブルには、狭い空間での配線を可能とするために薄型でかつ高周波帯域での伝送損失が小さいことが要求される。
このような信号伝送用フラットケーブルとして、図3に示すようなものが知られている(特許文献1)。図3は従来の信号伝送用フラットケーブルの横断面図であり、金属薄膜からなる信号導体31と、信号導体31のケーブル幅方向の両側に配置され、金属薄膜からなる接地導体32と、信号導体31および接地導体32が積層された電気絶縁基体33と、信号導体31、接地導体32および電気絶縁基体33をケーブル厚さ方向の上下から被覆する上部電気絶縁薄膜層34および下部電気絶縁薄膜層35と、金属層36の一方面に電気絶縁プラスチック層37が積層され、電気絶縁プラスチック層37が外側となるようにして上部電気絶縁薄膜層34および下部電気絶縁薄膜層35の直接外周に設けられた保護遮蔽層38とを備えている。
保護遮蔽層38は、ケーブル横断面において上部電気絶縁薄膜層34および下部電気絶縁薄膜層35を一括包囲すると共に、ケーブル長手方向において一方の端縁部39を他方の端縁部310の外側に重ね合わせることにより形成された重ね合わせ部311を有している。
特許文献1に記載された信号伝送用フラットケーブルでは、保護遮蔽層38は、ケーブル横断面において上部電気絶縁薄膜層34および下部電気絶縁薄膜層35を一括包囲するとともに、ケーブル長手方向において一方の端縁部が他方の端縁部の外側に重ね合わせることにより形成された重ね合わせ部311を有しており、かつ上部電気絶縁薄膜層34および下部電気絶縁薄膜層35と金属層36とは、上部電気絶縁薄膜層34および下部電気絶縁薄膜層35を溶融させることにより接着一体化されており、ケーブルの形崩れを防止できるという特徴がある。
しかしながら、この信号伝送用フラットケーブルでは、重ね合わせ部311がケーブル幅方向の中央部に形成されており、上部電気絶縁薄膜層34および下部電気絶縁薄膜層35を保護遮蔽層38で一括包囲した状態でケーブルの上下方向に加圧すると、重ね合わせ部311の厚さによって上部電気絶縁薄膜層34および下部電気絶縁薄膜層35が凹み、中央部が他の部分よりも薄くなってしまう。信号導体31が位置するケーブル幅方向の中央部は電界強度が最も大きい部分であり、ここで上部電気絶縁薄膜層34および下部電気絶縁薄膜層35の厚さが変化すると、高周波周波数帯域における信号伝送特性が低下することになる。
そこで、本発明は、ケーブルの形崩れを防止でき、しかも高周波周波数帯域における信号伝送特性の低下を抑止することができる信号伝送用フラットケーブルを提供することを課題とする。
上記課題を達成する本発明は、
金属薄膜からなる信号導体と、
前記信号導体のケーブル幅方向の両側に配置された金属薄膜からなる接地導体と、
前記信号導体および前記接地導体が積層された電気絶縁基体と、
前記信号導体、前記接地導体および前記電気絶縁基体をケーブル厚さ方向の上下から被覆する上部電気絶縁薄膜層および下部電気絶縁薄膜層と、
金属層と電気絶縁プラスチック層からなり、金属層が内側に、電気絶縁プラスチック層が外側に位置するように前記上部電気絶縁薄膜層および下部電気絶縁薄膜層の外周を包囲する保護遮蔽層と、を備え、
前記保護遮蔽層は、ケーブル長手方向に沿った一方の端縁部と他方の端縁部が突き合わされて前記外周を包囲するとともに、前記上部および下部電気絶縁薄膜層と金属層とが接着により一体化されていることを特徴とする。
金属薄膜からなる信号導体と、
前記信号導体のケーブル幅方向の両側に配置された金属薄膜からなる接地導体と、
前記信号導体および前記接地導体が積層された電気絶縁基体と、
前記信号導体、前記接地導体および前記電気絶縁基体をケーブル厚さ方向の上下から被覆する上部電気絶縁薄膜層および下部電気絶縁薄膜層と、
金属層と電気絶縁プラスチック層からなり、金属層が内側に、電気絶縁プラスチック層が外側に位置するように前記上部電気絶縁薄膜層および下部電気絶縁薄膜層の外周を包囲する保護遮蔽層と、を備え、
前記保護遮蔽層は、ケーブル長手方向に沿った一方の端縁部と他方の端縁部が突き合わされて前記外周を包囲するとともに、前記上部および下部電気絶縁薄膜層と金属層とが接着により一体化されていることを特徴とする。
このような構成では、保護遮蔽層は、ケーブル長手方向において一方の端縁部が他方の端縁部に重ね合わせることなく突き合わせることにより上部電気絶縁薄膜層および下部電気絶縁薄膜層をケーブル横断面において一括包囲して形成され、かつ上部電気絶縁薄膜層および下部電気絶縁薄膜層と金属層とは、接着一体化されているので、ケーブルの形崩れを防止でき、しかも高周波周波数帯域における信号伝送特性の低下を抑止することができる。
また、保護遮蔽層の一方と他方の両端縁部が突き合わされて形成される突合せ部が、接地導体上に位置し、信号導体から離れていることにより、高周波周波数帯域における信号伝送特性の低下を抑止することができる。
突合せ部は、好ましくは、接地導体の信号導体と反対側の端部と接地導体のケーブル幅方向中央部との間の領域上に位置する。
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示す信号伝送用フラットケーブル100の横断面を示した斜視図であり、電気絶縁基体3の一方面に金属薄膜からなる信号導体1と、金属薄膜からなる接地導体2、2とが配置されている。接地導体2、2は信号導体1のケーブル幅方向の両側に配置されており、それぞれのケーブル幅方向の長さは等しくなっている。本明細書において、ケーブル幅方向とは、信号伝送用フラットケーブル100が長く延びる図1でLで示したケーブル長手方向と直交する方向で、図1で左右に延びるWで示した方向である。また、ケーブル厚さ方向は、L、Wと直交する図1で上下に延びるDで示した方向である。
上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5は、信号導体1、接地導体2、2および電気絶縁基体3をケーブル厚さ方向の上下から被覆するように設けられている。また、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5の直接外周には、金属層6の一方面に電気絶縁プラスチック層7が積層された保護遮蔽層8が、電気絶縁プラスチック層7が外側となるようにして設けられている。
保護遮蔽層8は、ケーブル長手方向において一方の端縁部10が他方の端縁部11に重ね合わせることなく突き合わせることにより上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5をケーブル横断面において一周包囲して形成されている。すなわち、保護遮蔽層8は、ケーブル横断面の左上隅付近において端縁部10と端縁部11とがケーブル長手方向に連続して突き合わされて突合せ部12を形成している。突合せ部12は、ケーブル幅方向に見て信号導体1から離れた位置にあり、左側の接地導体2上に位置している。保護遮蔽層8は、突合せ部12が可能な限り信号導体1から離間した位置に形成されるように、突き合わせるのが好ましい。また、突合せ部12がケーブルの幅方向端部に近づくと、突き合せが困難となるので、突合せ部12は、図1に示したように、接地導体2のケーブル幅方向の幅をXとして、接地導体2の信号導体1と反対側の端部と接地導体のケーブル幅方向中央部との間のX/2の幅の領域上に形成されている。突合せ部12は、図1では、左側の接地導体2上に位置しているが、右側の接地導体2上に位置するように、保護遮蔽層8を突き合わせるようにしてもよい。このように、突合せ部12を信号導体1から離間させることにより、信号導体に与える影響が少なくなり、高周波周波数帯域における信号伝送特性の低下を抑止することができる。
金属層6と電気絶縁プラスチック層7とを積層一体化した保護遮蔽層8を上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5の外周に被覆形成した状態で、保護遮蔽層8の上下方向から加熱加圧(ホットプレス)を施すことにより、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5が軟化溶融されて金属層6と接着一体化され、これによって、保護遮蔽層8の形崩れを防止できる。
また、保護遮蔽層8の端縁部10と端縁部11とを重ね合わせることなく突き合わせただけで開口の発生を防止できるので、加熱加圧時における上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5の厚さがケーブル幅全体において一定となり、高周波周波数帯域における信号伝送特性の低下を抑止することが可能となる。
本実施形態においては、接地導体2、2と電気絶縁基体3とを積層した端部を下部電気絶縁薄膜層5の端部に折り曲げることにより折り曲げ部9を形成し、この折り曲げ部9の接地導体2、2を金属層6側に位置させており、接地導体2、2と金属層6とは安定した電気的接触がなされるようになり、信号伝送用フラットケーブルの高周波周波数帯域における信号伝送損失の増大を抑止できる。なお、折り曲げ部9は、図3に示したように、上部電気絶縁薄膜層4側に形成するようにしてもよい。
信号導体1および接地導体2、2は、共に良導電性の金属で形成されており、具体的には、産業的に良導電性金属として一般的である銅(導電率:5.76×107ジーメンス/m)を箔状に加工したものを電気絶縁薄膜層4あるいは電気絶縁基体3に積層することにより、または銅を電気絶縁薄膜層4あるいは電気絶縁基体3に蒸着あるいはめっきを施すことにより形成することができ、銅以外の金属としてはアルミニウム(導電率:3.96×107ジーメンス/m)をあげることができる。
なお、携帯電話やノートパソコンのように2GHzを越えるような高周波信号が伝送される電子機器では、所謂表皮効果と呼ばれる現象によって数ミクロンの表面層に電流が集中するので、導電率が銅やアルミニウムより小さいニッケルのようなめっき層は伝送損失を増大させることから、このようなめっき層を信号導体1や接地導体2、2の表面に形成しないようにする必要がある。
保護遮蔽層8を形成する金属層6は、信号導体1や接地導体2、2と同様に、銅またはアルミニウムのような良導電性の金属で形成することが好ましい。なお、従来の信号伝送用フラットケーブルにおいては金属層6の表面に導電性接着層を形成して上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5と金属層6とを接着させていたが、導電性接着層は、前述したように、2GHzを越えるような高周波信号が伝送される電子機器では伝送損失を増大させるので、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5と金属層6との間には導電性接着層は形成しないようにする必要がある。
本実施形態では、上部電気絶縁薄膜層4の厚さを0.125mm、電気絶縁基体3の厚さを0.025mmとし、下部電気絶縁薄膜層5の厚さを0.100mmとすることにより、信号導体1および接地導体2、2の上部と下部の絶縁体の厚さを等しくして(各々0.125mm)、特性インピーダンスが50Ωの丸型同軸ケーブルと同様の信号伝送特性を有する信号伝送用フラットケーブル100を実現できる。厚さ0.025mmの電気絶縁基体と銅箔とを積層した銅張積層板は市販されており、このような市販品を使用することにより、信号伝送用フラットケーブルのコストダウンをはかることができる。
上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5は、加熱によって溶融接着する性質を有する熱可塑性樹脂材料からなっており、保護遮蔽層8の外側から加えられる熱によって上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5と金属層6とが溶融接着されることにより、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5と保護遮蔽層8とが剥離されにくくなり、保護遮蔽層8の形崩れを防止でき、また、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5と金属層6とは伝送損失の増加要因となる接着剤の介在なしに直接接着されているので、低損失での伝送が可能となる。
電気絶縁プラスチック層7は、加熱によって溶融接着する性質を有する熱可塑性プラスチック材料からなっている。このため、保護遮蔽層8は、金属層6を内側、電気絶縁プラスチック層7を外側にして両者を接着剤等の介在物なしで直接積層形成した状態でケーブル横断面において上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5を一括包囲している。すなわち、保護遮蔽層8は、接着剤等の介在物なしで金属層6と電気絶縁プラスチック層7とを積層したものであり、接着剤が存在しない分だけ薄く形成することができ、薄型の信号伝送用フラットケーブルを実現できる。
また、保護遮蔽層8は、ケーブル長手方向において一方の端縁部10と他方の端縁部11とが突き合わされて突合せ部12が形成されている。この場合、金属層6と電気絶縁プラスチック層7とが電気絶縁プラスチック層7の加熱による溶融によって接着一体化されており、端縁部10と端縁部11との突合せ部12およびその近辺において開口が発生しにくくなり、遮蔽効果の低下を抑止することができる。
なお、保護遮蔽層8を上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5の外周に被覆形成した状態で、保護遮蔽層8の上下方向からホットプレスを行う場合、ホットプレスによって電気絶縁プラスチック層7が変形しないようにするため、または変形しにくくするため、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5と電気絶縁プラスチック層7とは同種の材料を使用すること、または、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5の方が電気絶縁プラスチック層7よりも低温で熱軟化する材料を選択して使用することが好ましい。
上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5は加熱によって溶融接着する性質を有し、かつ、2GHzを越えるような高周波帯域での誘電率および誘電正接が小さい材料であることが好ましく、このような材料としては、液晶ポリマーやポリテトラフルオロエチレンをあげることができる。
液晶ポリマーは、溶融時に光学的異方性を示す熱可塑性樹脂であり、具体的には、全芳香族系もしくは半芳香族系のポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエステルアミド、あるいはこれらを含有する樹脂組成物があげられ、なかでも(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物が好ましい。
電気絶縁プラスチック層7は、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5と同様に加熱によって溶融接着する性質を有し、かつ、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5と金属層6とを加熱により接着させるときに加えられる熱によっては変形しないまたは変形しにくい性質を有する必要があり、このような材料としては、電気絶縁薄膜層4を液晶ポリマーで形成したときは、液晶ポリマーあるいは極性有機溶媒可溶性ポリアミドイミド樹脂とフッ素系樹脂とを含有するプラスチック組成物をあげることができる。
極性有機溶媒可溶性ポリアミドイミド樹脂単独で形成した被膜の誘電率は3.5以上、誘電正接は0.012以上(誘電率、誘電正接はいずれも空洞共振器摂動により周波数1GHzで測定)であるが、極性有機溶媒可溶性ポリアミドイミド樹脂とフッ素系樹脂とを含有するプラスチック組成物で形成した被膜(電気絶縁プラスチック層7)は、誘電率が3.20以下、誘電正接が0.01以下(誘電率、誘電正接はいずれも空洞共振器摂動により周波数1GHzで測定)となり、電気特性が著しく向上する。
フッ素系樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及びテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等から選ばれた1種又は2種以上が使用される。
本実施形態の信号伝送用フラットケーブルの製造方法を図2に基づいて説明すると、電気絶縁基体3の上面に電気絶縁基体3と等しい横幅寸法を有する銅箔Cを積層した銅張積層板を用意し(図2(a))、銅箔Cをエッチングすることにより信号導体1および接地導体2、2を形成する(図2(b))。このとき、信号導体1がケーブル幅方向のほぼ中央に位置するように、エッチングする。
次に、信号導体1および接地導体2、2の上部に上部電気絶縁薄膜層4を積層すると共に、電気絶縁基体3の下部に下部電気絶縁薄膜層5を設け(図2(c))、電気絶縁基体3のケーブル幅方向の両端部を接地導体2のケーブル幅方向端部と一体に折り曲げることにより折り曲げ部9を形成する(図2(d))。
続いて、図1に示すように、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5の外周に保護遮蔽層8を被覆形成し、保護遮蔽層8の上下方向から加熱加圧(ホットプレス)を施すことにより、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5が軟化溶融されて金属層6と接着されて信号伝送用フラットケーブル100が作製される。
本実施形態の信号伝送用フラットケーブルは、電気絶縁基体3が金属薄膜である信号導体1および接地導体2、2を補強する役目を担っており、電気絶縁基体3と銅箔Cとを積層した銅張積層板の使用は、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5よりも横幅が大なる接地導体2、2の取り扱い性を大幅に改善しており、これによって、折り曲げ部9の形成が容易化される。
前記実施形態においては、電気絶縁基体3のケーブル幅方向の両端部を接地導体2、2のケーブル幅方向端部と一体に下部電気絶縁薄膜層5側に折り曲げることにより折り曲げ部9を形成しているが、上部電気絶縁薄膜層4側に折り曲げることにより折り曲げ部を形成してもよい。この場合、信号導体1および接地導体2、2を電気絶縁基体3の上方に設けることにより、折り曲げによって接地導体2、2と金属層6とが接触するようにし、かつ、上部電気絶縁薄膜4の厚さが電気絶縁基体3の厚さと下部電気絶縁薄膜5の厚さとを加えた厚さと等しくなるようにして、信号導体1および接地導体2、2の上下の絶縁体の厚さを等しくするように構成することが好ましい。
本発明によれば、電気絶縁薄膜層と保護遮蔽層との間の剥離発生に起因する保護遮蔽層の形崩れの防止をはかることができるとともに、上部電気絶縁薄膜層4および下部電気絶縁薄膜層5のケーブル幅方向での厚さの変化を抑えることができるので、高周波周波数帯域における信号伝送特性の低下を抑止することができる。
1:信号導体
2:接地導体
3:電気絶縁基体
4:上部電気絶縁薄膜層
5:下部電気絶縁薄膜層
6:金属層
7:電気絶縁プラスチック層
8:保護遮蔽層
9:折り曲げ部
12:突合せ部
2:接地導体
3:電気絶縁基体
4:上部電気絶縁薄膜層
5:下部電気絶縁薄膜層
6:金属層
7:電気絶縁プラスチック層
8:保護遮蔽層
9:折り曲げ部
12:突合せ部
Claims (5)
- 金属薄膜からなる信号導体と、
前記信号導体のケーブル幅方向の両側に配置された金属薄膜からなる接地導体と、
前記信号導体および前記接地導体が積層された電気絶縁基体と、
前記信号導体、前記接地導体および前記電気絶縁基体をケーブル厚さ方向の上下から被覆する上部電気絶縁薄膜層および下部電気絶縁薄膜層と、
金属層と電気絶縁プラスチック層からなり、金属層が内側に、電気絶縁プラスチック層が外側に位置するように前記上部電気絶縁薄膜層および下部電気絶縁薄膜層の外周を包囲する保護遮蔽層と、を備え、
前記保護遮蔽層は、ケーブル長手方向に沿った一方の端縁部と他方の端縁部が突き合わされて前記外周を包囲するとともに、前記上部および下部電気絶縁薄膜層と金属層とが接着により一体化されていることを特徴とする信号伝送用フラットケーブル。 - 前記保護遮蔽層の一方と他方の両端縁部が突き合わされて形成される突合せ部が、接地導体上に位置することを特徴とする請求項1に記載の信号伝送用フラットケーブル。
- 前記突合せ部が、接地導体の信号導体と反対側の端部と接地導体のケーブル幅方向中央部との間の領域上に位置することを特徴とする請求項2に記載の信号伝送用フラットケーブル。
- 前記電気絶縁基体のケーブル幅方向の両端部と、各接地導体の信号導体と反対側の端部は、接地導体と保護遮蔽層の金属層が電気的に接触するように、一体的に折り曲げられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の信号伝送用フラットケーブル。
- 上部電気絶縁薄膜の厚さを、電気絶縁基体の厚さと下部電気絶縁薄膜の厚さとを加えた厚さと等しくなるようにして、信号導体および接地導体の上部と下部の絶縁体の厚さを等しくするようにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の信号伝送用フラットケーブル。
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2013
- 2013-04-24 JP JP2013090853A patent/JP2014216109A/ja active Pending
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