JP2014215184A - 電子機器および衝撃検知プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】落下により所定の閾値以上の衝撃が加わったことを検知できる電子機器および衝撃検知プログラムを提供する。【解決手段】計測部40は、加速度センサ20により加速度を周期的にサンプリングし、サンプリングされる加速度に基づき、自由落下時間および落下の衝撃の収束時間を計測する。判定部41は、計測部40により計測された自由落下時間と収束時間とに基づき、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器および衝撃検知プログラムに関する。
電子機器には、例えば、携帯電話やスマートフォンなどのように携帯可能なものがある。このような電子機器は、落下させた場合、落下の衝撃により故障してしまう場合がある。電子機器は、一般的に、一定期間、故障を無償で修理する保証がメーカによって定められている。しかし、電子機器は、故障の原因が落下による保証の範囲を超えた衝撃によるものである場合、有償による修理となる。そこで、落下の衝撃を推定する技術として、例えば、自由落下の時間を計測し、自由落下の時間から落下距離を求めて落下の衝撃を推定する技術が知られている。
特開2009−198495号公報 特開2009−36782号公報 特表2010−525243号公報 特開平11−271286号公報
しかしながら、電子機器は、同じ高さから落下しても、落下した床などの落下面の硬さによって加わる衝撃が異なる。このため、落下距離を求めたとしても電子機器に加わった衝撃を推定できない。
また、例えば、携帯電話、スマートフォンなどの加速度センサが搭載された電子機器では、加速度センサにより落下時の衝撃を計測することも考えられる。しかし、加速度センサによる計測は、落下時の衝撃の加速度が加速度センサの計測レンジを超えてしまい、加わった衝撃を計測できない場合もある。
一側面では、落下により所定の閾値以上の衝撃が加わったことを検知できる電子機器および衝撃検知プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、電子機器は、加速度センサと、計測部と、判定部とを有する。計測部は、加速度センサにより加速度を周期的にサンプリングし、サンプリングされる加速度に基づき、自由落下時間および落下の衝撃の収束時間を計測する。判定部は、計測部により計測された自由落下時間と収束時間とに基づき、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定する。
本発明の一側面によれば、落下により所定の閾値以上の衝撃が加わったことを検知できる。
図1は、電子機器の機能的構成を示すブロック図である。 図2は、収束時間テーブルのデータ構成の一例を示す図である。 図3は、電子機器を落下させた際の加速度の変化を模式的に示した図である。 図4Aは、60cmの高さからカーペットに電子機器を落下させて検出した加速度の変化の一例を示す図である。 図4Bは、60cmの高さからスポンジに電子機器を落下させて検出した加速度の変化の一例を示す図である。 図5Aは、60cmの高さからカーペットに電子機器を落下させて検出した角速度の変化の一例を示す図である。 図5Bは、60cmの高さからスポンジに電子機器を落下させて検出した角速度の変化の一例を示す図である。 図6は、衝撃検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図7は、衝撃検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、衝撃検知プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
以下に、本発明にかかる電子機器および衝撃検知プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。以下では、調査システムに本発明を適用した場合について説明する。
[電子機器の構成]
本実施例に係る電子機器10の機能的構成について説明する。図1は、電子機器の機能的構成を示すブロック図である。電子機器10は、利用者が携帯可能な装置である。電子機器10は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯端末である。なお、電子機器10は、ノートパソコン、タブレット端末などの携帯可能な端末装置であってもよい。
図1に示すように、電子機器10は、加速度センサ20と、ジャイロセンサ21と、記憶部22と、制御部23とを有する。なお、電子機器10は、図1に示した機能部以外にも既知の携帯端末や端末装置が有する各種の機能部を有してもよい。例えば、電子機器10は、各種の情報を表示する液晶画面等の表示部や、タッチパネル、操作ボタン等の入力部などを有することとしてもかまわない。また、電子機器10は、ネットワークを介して通信を行うネットワークインタフェースや、アンテナ、キャリア網を介して通信を行うキャリア通信部、GPS(Global Positioning System)受信機などを有することとしてもかまわない。
加速度センサ20は、加速度を検出するセンサである。例えば、加速度センサ20は、互いに直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3軸方向の加速度を測定する3軸加速度センサである。一態様としては、加速度センサ20は、制御部23からの制御により3軸方向の加速度を検出し、検出された3軸方向の加速度の情報を制御部23へ出力する。かかる加速度の検出方式には、半導体式を始め、機械式や光学式などの任意の方式を採用できる。なお、以下では、加速度センサ20は、3軸方向の加速度を測定する3軸加速度センサとしたが、重力方向の加速度を検出するG(gravitation)センサとしてもよい。
ジャイロセンサ21は、角速度を検出するセンサである。一態様としては、ジャイロセンサ21は、制御部23からの制御により角速度を検出し、検出された角速度の情報を制御部23へ出力する。かかる角速度の検出方式には、振動式を始め、光学式、回転式、流体式などの任意の方式を採用できる。なお、以下では、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いてチップ化した振動型のジャイロセンサを用いた場合を想定するが、他の構成のジャイロセンサを用いてもよい。
記憶部22は、各種のデータを記憶する記憶デバイスである。例えば、記憶部22は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部22は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)などのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
記憶部22は、制御部23で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部22は、落下の衝撃の検知に用いる各種のプログラムを記憶する。さらに、記憶部22は、制御部23で実行されるプログラムで用いられる各種データを記憶する。例えば、記憶部22は、収束時間テーブル30と、落下ログ情報31とを記憶する。
収束時間テーブル30は、落下により所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かの判定に用いるデータを記憶したテーブルである。
ここで、電子機器10は、同じ高さから落下しても、落下した落下面の硬さによって加わる衝撃が異なる。例えば、電子機器10は、落下距離が同じであっても、硬い落下面の場合、落下面でのバウンドが収束するまでの収束時間は短いが、加わる衝撃が大きく、やわらかい落下面の場合、収束時間は長いが、加わる衝撃が小さい傾向がある。そこで、この関係を利用して、本実施例では、電子機器10が自由落下している自由落下時間と、バウンドの収束時間から電子機器10に加わった衝撃が所定の閾値以上であるかを判定する。この衝撃の閾値は、例えば、電子機器10についてメーカが動作を保証する値とする。
収束時間テーブル30には、自由落下時間毎に、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定する収束時間の閾値が記憶されている。この自由落下時間毎の収束時間の閾値は、例えば、実験やコンピュータシミュレーション等により定められる。
図2は、収束時間テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図2に示すように、収束時間テーブル30は、「自由落下時間」、「落下距離」、「加速度収束時間」、「角速度収束時間」の各項目を有する。自由落下時間の項目は、自由落下時間をミリ秒単位で記憶する領域である。落下距離の項目は、自由落下時間での落下距離をセンチメートル単位で記憶する領域である。加速度収束時間の項目は、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定する加速度の収束時間をミリ秒単位で記憶する領域である。角速度収束時間の項目は、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定する角速度の収束時間をミリ秒単位で記憶する領域である。
図2の例では、自由落下時間が「280」msの場合は、落下距離が「38」cmであり、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定する加速度の収束時間の閾値が「700」msであり、角速度の収束時間の閾値が「750」msであることを示す。
図1に戻り、落下ログ情報31は、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かの推定結果を記憶したデータである。例えば、落下ログ情報31は、ログ情報の初期値がゼロとされており、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定された場合、ログ情報が1に更新される。
制御部23は、電子機器10を制御するデバイスである。制御部23としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部23は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部23は、各種のプログラムが動作することにより各種のシステムが動作しており、各種の処理部として機能する。例えば、制御部23は、処理部として、計測部40と、判定部41と、記録部42とを有する。
計測部40は、自由落下時間および収束時間を計測する処理部である。例えば、計測部40は、加速度センサ20により加速度を所定の周期で周期的にサンプリングする。そして、計測部40は、サンプリングされる加速度に基づき、自由落下時間および落下の衝撃が収束するまでの収束時間を計測する。
ここで、電子機器10を落下させた際の加速度の変化を説明する。図3は、電子機器を落下させた際の加速度の変化を模式的に示した図である。図3の縦軸は検出される3軸の加速度を合計した合計の加速度を示している。図3の横軸は時間を示している。図3の例では、時刻t1は、落下開始時刻である。時刻t2は、自由落下開始時刻である。時刻t3は、落下面に衝突した衝突時刻である。時刻t4は、落下の衝撃が収束した時刻である。時刻t2から時刻t3までの時間が自由落下時間であり、時刻t3から時刻t4までの時間が落下の衝撃の収束時間である。
図3の例では、加速度センサ20により測定される加速度の合計値の波形を実線により示している。また、図3の例では、発生したと推定される加速度の合計値の波形を破線により示している。加速度センサ20は、時刻t1まで重力による加速度が検出されるが、落下を開始すると検出される加速度がゼロ近傍となる。また、加速度センサ20は、時刻t3から時刻t4の間の実線の波形に示すように、落下時の衝撃の加速度が計測可能な計測レンジを振り切ってしまう場合がある。このため、例えば、図3に示すように所定の閾値Aが計測レンジ以上の場合、加速度センサ20では、閾値A以上の衝撃が加わった否かを判定できない。
計測部40は、加速度がゼロ近傍の所定値以下となった場合、電子機器10が落下しているものと判定し、加速度が所定値以下となっている期間を自由落下時間として計測する。この所定値は、自由落下しているものと判定可能な値に定める。例えば、加速度センサ20から出力される加速度には、オフセット誤差などの誤差が含まれる場合がある。このため、所定値は、重力による加速度以下かつ誤差分の加速度よりも大きい値の範囲に定める。例えば、所定値は、自由落下している際に検出される加速度を基準に所定のマージンを加算した値に定める。
また、計測部40は、電子機器10が自由落下しているものと判定した後に、加速度が最初に所定値以上となった場合、落下面に衝突したものと判定して、加速度が定常状態に収束するまでの収束時間を計測する。例えば、計測部40は、電子機器10が自由落下しているものと判定した後に、加速度が最初に所定値以上となった時刻t3から、検出される加速度が重力による加速度を基準とした所定範囲内に収束する時刻t4までの時間を計測する。なお、計測部40は、収束時間として、検出される加速度の変化が収束して加速度が略一定となる時刻までの時間を計測してもよい。
ここで、電子機器10を落下させた際の加速度の変化の一例を説明する。図4Aは、60cmの高さからカーペットに電子機器を落下させて検出した加速度の変化の一例を示す図である。図4Bは、60cmの高さからスポンジに電子機器を落下させて検出した加速度の変化の一例を示す図である。図4Aおよび図4Bの縦軸は検出される3軸の加速度を合計した合計の加速度を示している。図4Aおよび図4Bの横軸は時間を示している。
図4Aおよび図4Bに示すように、加速度の収束時間Tatは、カーペットの方がスポンジよりも固いため、図4Aの方が図4Bよりも短くなっている。一方、最大の加速度は、カーペットの方がスポンジよりも柔らかいため、図4Bの方が図4Aよりも小さい値となっている。
また、計測部40は、ジャイロセンサ21により角速度を所定の周期で周期的にサンプリングする。そして、計測部40は、サンプリングされる角速度に基づき、落下の衝撃の収束時間を計測する。例えば、計測部40は、加速度により電子機器10が自由落下しているものと判定した後に、角速度が定常状態に収束するまでの収束時間を計測する。例えば、計測部40は、ジャイロセンサ21により検出される角速度が最初に所定値以上となった時刻から、角速度が所定値以下に収束するまでの収束時間を計測する。この所定値は、電子機器10が落下によって回転しているものと判定可能な値に定める。電子機器10は、落下した場合、急激に回転するため、通常に携帯されている場合より角速度が大きくなる。例えば、所定値は、通常に携帯されている場合の角速度に所定のマージンを加算した値に定める。なお、計測部40は、電子機器10が自由落下しているものと判定した後に、加速度が最初に所定値以上となった時刻t3から、角速度が所定値以下に収束するまでの時間を収束時間として計測してもよい。また、計測部40は、収束時間として、角速度の変化が収束するまでの時間を計測してもよい。
ここで、電子機器10を落下させた際の角速度の変化の一例を説明する。図5Aは、60cmの高さからカーペットに電子機器を落下させて検出した角速度の変化の一例を示す図である。図5Bは、60cmの高さからスポンジに電子機器を落下させて検出した角速度の変化の一例を示す図である。図5Aおよび図5Bの縦軸は検出される角速度を示している。図5Aおよび図5Bの横軸は時間を示している。
図5Aおよび図5Bに示すように、角速度の収束時間Tωtは、カーペットの方がスポンジよりも柔らかいため、図5Aの方が図5Bよりも短くなっている。
判定部41は、計測部40により計測される自由落下時間と収束時間とに基づき、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定する。例えば、判定部41は、計測部40により計測された自由落下時間に対応する加速度収束時間および角速度収束時間を収束時間テーブル30から読み出す。なお、判定部41は、計測部40により計測される自由落下時間に対応する加速度収束時間および角速度収束時間が収束時間テーブル30に無い場合、計測された自由落下時間がより近い自由落下時間の加速度収束時間および角速度収束時間を読み出してもよい。また、判定部41は、計測された自由落下時間の前後の自由落下時間の加速度収束時間および角速度収束時間から線形補間などによって対応する加速度収束時間および角速度収束時間を求めてもよい。
そして、判定部41は、計測部40により計測された加速度の収束時間Tatが、読み出した加速度収束時間以下の場合、または、角速度の収束時間Tωtが、読み出した角速度収束時間以下の場合、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定する。
記録部42は、判定部41により所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定された場合、落下面に衝突したものと判定した日時と、衝撃が加わったと推定されたことを示すログ情報を落下ログ情報31に記録する。例えば、記録部42は、落下ログ情報31に、落下面に衝突したものと判定した日時を格納する。また、記録部42は、落下ログ情報31のログ情報を1に更新される。
これにより、電子機器10は、落下ログ情報31のログ情報を参照することにより、後から落下により所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを特定できる。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る電子機器10により所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを検知する衝撃検知処理の流れについて説明する。図6および図7は、衝撃検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。この衝撃検知処理は、例えば、電子機器10の起動したタイミングで実行される。
図6に示すように、計測部40は、自由落下時間カウンタC1、加速度収束時間カウンタC2および角速度収束時間カウンタC3の値をそれぞれゼロに初期化する(S10)。また、計測部40は、自由落下期間フラグF1、加速度収束期間フラグF2および角速度収束期間フラグF3の値をそれぞれゼロに初期化する(S11)。
判定部41は、処理終了が指示されたか否かを判定する(S12)。例えば、判定部41は、電子機器10の電源のオフが指示された場合や、不図示の入力部から処理終了を指示する所定の操作が入力された場合、処理終了が指示されたとする。処理終了が指示された場合(S12肯定)、処理を終了する。
一方、処理終了が指示されていない場合(S12否定)、計測部40は、加速度センサ20およびジャイロセンサ21により加速度および角速度を検出する(S13)。そして、計測部40は、検出された加速度が所定値以下であるか否かを判定する(S14)。加速度が所定値以下ではない場合(S14否定)、自由落下中ではないため、後述のS18へ移行する。
一方、加速度が所定値以下の場合(S14肯定)、計測部40は、自由落下期間フラグF1の値が1であるか否かを判定する(S15)。自由落下期間フラグF1の値が1ではない場合(S15否定)、計測部40は、自由落下を開始したため、自由落下期間フラグF1の値を1に更新し(S16)、後述のS18へ移行する。一方、自由落下期間フラグF1の値が1である場合(S15肯定)、計測部40は、既に自由落下期間中であるため、自由落下時間カウンタC1の値に1を加算し(S17)、後述のS18へ移行する。
計測部40は、自由落下期間フラグF1の値が1であり、かつ、検出された加速度が所定値よりも大きいか判定する(S18)。すなわち、計測部40は、自由落下が終了したか否かを判定する。自由落下期間フラグF1の値が1であり、かつ、検出された加速度が所定値よりも大きい場合(S18肯定)、計測部40は、自由落下時間カウンタC1の値にサンプリング周期を乗算して、自由落下時間を算出する(S19)。そして、計測部40は、自由落下期間フラグF1の値をゼロに更新する(S20)。また、計測部40は、加速度収束期間フラグF2および角速度収束期間フラグF3の値を1に更新し(S21)、後述のS22へ移行する。一方、自由落下期間フラグF1の値が1ではない場合、または、検出された加速度が所定値以下の大きい場合(S18否定)、後述のS22へ移行する。
計測部40は、加速度収束期間フラグF2の値が1であるか否かを判定する(S22)。加速度収束期間フラグF2の値が1ではない場合(S22否定)、計測部40は、後述のS24へ移行する。一方、加速度収束期間フラグF2の値が1である場合(S22肯定)、計測部40は、加速度の収束期間中であるため、加速度収束時間カウンタC2の値に1を加算し(S23)、後述のS24へ移行する。
計測部40は、角速度収束期間フラグF3の値が1であるか否かを判定する(S24)。角速度収束期間フラグF3の値が1ではない場合(S24否定)、計測部40は、後述のS26へ移行する。一方、角速度収束期間フラグF3の値が1である場合(S24肯定)、計測部40は、角速度の収束期間中であるため、角速度収束時間カウンタC3の値に1を加算し(S25)、後述のS26へ移行する。
図7に示すように、計測部40は、加速度収束期間フラグF2の値が1であり、かつ、検出される加速度が定常状態に収束したか否かを判定する(S26)。すなわち、計測部40は、加速度の収束期間が終了したか否かを判定する。加速度収束期間フラグF2の値が1であり、かつ、検出される加速度が定常状態に収束した場合(S26肯定)、計測部40は、加速度収束時間カウンタC2の値にサンプリング周期を乗算して加速度の収束期間Tatを算出する(S27)。そして、計測部40は、加速度収束期間フラグF2の値を2に更新し(S28)、後述のS29へ移行する。一方、加速度収束期間フラグF2の値が1ではない場合、または、検出される加速度が定常状態に収束していない場合(S26否定)、後述のS29へ移行する。
計測部40は、角速度収束期間フラグF3の値が1であり、かつ、検出される角速度が定常状態に収束したか否かを判定する(S29)。すなわち、計測部40は、角速度の収束期間が終了したか否かを判定する。角速度収束期間フラグF3の値が1であり、かつ、検出される角速度が定常状態に収束した場合(S29肯定)、計測部40は、角速度収束時間カウンタC3の値にサンプリング周期を乗算して角速度の収束期間Tωtを算出する(S30)。そして、計測部40は、角速度収束期間フラグF3の値を2に更新し(S31)、後述のS32へ移行する。一方、角速度収束期間フラグF3の値が1ではない場合、または、検出される角速度が定常状態に収束していない場合(S29否定)、後述のS32へ移行する。
計測部40は、加速度収束期間フラグF2および角速度収束期間フラグF3の値が共に2であるか否かを判定する(S32)。すなわち、計測部40は、加速度の収束期間および角速度の収束期間が終了したか否かを判定する。加速度収束期間フラグF2および角速度収束期間フラグF3の値が2でない場合(S32否定)、図6に示した上述のS12へ移行する。
一方、加速度収束期間フラグF2および角速度収束期間フラグF3の値が共に2である場合(S32肯定)、判定部41は、自由落下時間に対応する加速度収束時間および角速度収束時間を収束時間テーブル30から読み出す(S33)。そして、判定部41は、算出した加速度の収束時間Tatが加速度収束時間以下であるか判定する(S34)。加速度の収束時間Tatが加速度収束時間以下ではない場合(S34否定)、判定部41は、算出した角速度の収束時間Tωtが角速度収束時間以下であるか判定する(S35)。角速度の収束時間Tωtが角速度収束時間以下でもない場合(S35否定)、図6に示した上述のS10へ移行する。
一方、加速度の収束時間Tatが加速度収束時間以下の場合(S34肯定)及び角速度の収束時間Tωtが角速度収束時間以下の場合(S35肯定)、S36へ移行する。記録部42は、落下面に衝突したものと判定した日時と、衝撃が加わったと推定されたことを示すログ情報を落下ログ情報31に記録し(S36)、図6に示した上述のS10へ移行する。
[効果]
上述してきたように、本実施例に係る電子機器10は、加速度センサ20により加速度を周期的にサンプリングし、サンプリングされる加速度に基づき、自由落下時間および落下の衝撃の収束時間を計測する。そして、電子機器10は、計測された自由落下時間と収束時間とに基づき、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定する。これにより、電子機器10は、落下により所定の閾値以上の衝撃が加わったことを検知できる。また、電子機器10は、自由落下時間および落下の衝撃の収束時間に基づいて、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定するので、加速度センサ20が所定の閾値の衝撃を検出できない測定レンジのものでも、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定できる。
また、本実施例に係る電子機器10は、ジャイロセンサ21により角速度を周期的にサンプリングし、サンプリングされる角速度に基づき、落下の衝撃の収束時間を計測する。そして、電子機器10は、自由落下時間と、加速度による落下の衝撃の収束時間と、角速度による落下の衝撃の収束時間とに基づき、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定するので、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かをより精度良く判定できる。
また、本実施例に係る電子機器10は、自由落下時間毎に、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定する加速度収束時間および角速度収束時間を記憶部22に記憶する。そして、電子機器10は、加速度による落下の衝撃の収束時間が、自由落下時間に対応する加速度収束時間以下の場合、または、角速度による落下の衝撃の収束時間が、自由落下時間に対応する角速度収束時間以下の場合、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定する。これにより、電子機器10は、実際に加わった最大の衝撃を計測しなくても、自由落下時間、加速度による落下の衝撃の収束時間および角速度による落下の衝撃の収束時間から所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定できる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、開示の技術は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
例えば、上記の実施例では、自由落下時間、加速度の収束時間、角速度の収束時間から所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定する場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、自由落下時間、加速度の収束時間から所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定してもよい。すなわち、電子機器10は、ジャイロセンサ21が無く、加速度センサ20を有する構成としてもよい。
また、上記の実施例では、ジャイロセンサ21により角速度を検出する場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、地磁気から方向を検出する地磁気センサを設けて、地磁気センサにより検出される方向の変化から角速度を検出してもよい。
また、上記の実施例では、ジャイロセンサ21により角速度を常時サンプリングする場合について説明したが、角速度を常時サンプリングした場合、消費電力が多くなる。そこで、例えば、計測部40は、加速度により電子機器10が自由落下しているものと判定したタイミングでジャイロセンサ21による角速度の検出を開始し、収束時間を計測完了後、角速度の検出を停止するようにしてもよい。これにより、電子機器10は、電力消費を少なく抑えることができる。
また、上記の実施例では、自由落下時間カウンタC1、加速度収束時間カウンタC2および角速度収束時間カウンタC3の値にサンプリング周期を乗算して、自由落下時間や各収束時間を求める場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、自由落下開始時刻や、落下面に衝突した衝突時刻、衝撃が収束した時刻を特定して時刻から自由落下時間や各収束時間を求めてもよい。
また、上記の実施例では、落下した際にリアルタイムで自由落下時間や、加速度の収束時間、角速度の収束時間を求める場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、周期的にサンプリングした加速度や角速度のデータを記憶部22に記憶し、記憶したデータから自由落下時間や、加速度の収束時間、角速度の収束時間を求めて、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定してもよい。
また、上記の実施例では、自由落下時間、加速度の収束時間、角速度の収束時間から所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定する場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、さらに他の条件を加えて所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定してもよい。例えば、収束時間内で加速度センサ20により計測された加速度が計測レンジを振り切っているかや、所定値以上であるか、加速度や角速度の変化にバウンドしたこと示す振幅のピークが順次小さくなる振動が発生しているかなどを加えて判定してもよい。さらに、収束時間が所定の下限値以上であるかを加えて判定してもよい。この所定の下限値は、例えば、電子機器10が落下面で1回バウンドする標準的な時間とし、自由落下時間毎に定めてもよい。これにより、例えば、落下した電子機器10が手などでキャッチされたためにバウンドせず、閾値以上の衝撃も加わっていない場合を判別できる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、電子機器10の計測部40、判定部41および記録部42の各処理部が適宜統合されてもよい。また、各処理部の処理が適宜複数の処理部の処理に分離されてもよい。さらに、各処理部にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
[衝撃検知プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。図8は、衝撃検知プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図8に示すように、コンピュータ300は、CPU(Central Processing Unit)310、HDD(Hard Disk Drive)320、RAM(Random Access Memory)340を有する。これら300〜340の各部は、バス400を介して接続される。
HDD320には上記の電子機器10の計測部40、判定部41および記録部42と同様の機能を発揮する衝撃検知プログラム320aが予め記憶される。なお、衝撃検知プログラム320aについては、適宜分離しても良い。
また、HDD320は、各種情報を記憶する。例えば、HDD320は、OSや落下の衝撃の検知に用いる各種データを記憶する。
そして、CPU310が、衝撃検知プログラム320aをHDD320から読み出して実行することで、実施例の各処理部と同様の動作を実行する。すなわち、衝撃検知プログラム320aは、計測部40、判定部41および記録部42と同様の動作を実行する。
なお、上記した衝撃検知プログラム320aについては、必ずしも最初からHDD320に記憶させることを要しない。
例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
10 電子機器
20 加速度センサ
21 ジャイロセンサ
22 記憶部
23 制御部
30 収束時間テーブル
31 落下ログ情報
40 計測部
41 判定部
42 記録部

Claims (5)

  1. 加速度センサと、
    前記加速度センサにより加速度を周期的にサンプリングし、サンプリングされる加速度に基づき、自由落下時間および落下の衝撃の収束時間を計測する計測部と、
    前記計測部により計測された自由落下時間と収束時間とに基づき、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定する判定部と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  2. 角速度を計測するセンサをさらに有し、
    前記計測部は、前記センサにより角速度を周期的にサンプリングし、サンプリングされる角速度に基づき、落下の衝撃の収束時間を計測し、
    前記判定部は、前記自由落下時間と、加速度による落下の衝撃の収束時間と、角速度による落下の衝撃の収束時間とに基づき、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記自由落下時間毎に、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定する加速度収束時間および角速度収束時間を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記判定部は、加速度による落下の衝撃の収束時間が、前記記憶部に記憶された自由落下時間に対応する加速度収束時間以下の場合、または、角速度による落下の衝撃の収束時間が、前記記憶部に記憶された自由落下時間に対応する角速度収束時間以下の場合、所定の閾値以上の衝撃が加わったと判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記計測部は、サンプリングされる加速度に基づき、自由落下していると判定されるタイミングで前記センサによる角速度の周期的なサンプリングを開始する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の電子機器。
  5. コンピュータに、
    加速度センサにより加速度を周期的にサンプリングし、サンプリングされる加速度に基づき、自由落下時間および落下の衝撃の収束時間を計測し、
    計測された自由落下時間と収束時間とに基づき、所定の閾値以上の衝撃が加わったか否かを判定する、
    処理を実行させることを特徴とする衝撃検知プログラム。
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