JP2014215099A - 回転電機の絶縁診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定子コイル絶縁層の絶縁劣化を精度良く評価できること。【解決手段】本発明の回転電機の絶縁診断方法は、上記課題を解決するために、回転電機の固定子コイルに交流電圧を突印し、該突印に対応して発生した部分放電信号に基づいて固定子コイル絶縁層の劣化を診断することを特徴とする。具体的には、前記突印に対応して発生した部分放電信号が、前記突印に対応せず定常的に発生している部分放電信号より大きければ劣化が顕在化し、小さければ劣化が認められないと診断するようにしたものである。【選択図】図9
Description
本発明は回転電機の絶縁診断方法に係り、例えば、誘導電動機や発電機などのマイカ層をレジンで固着した固定子コイルの絶縁診断に好適な回転電機の絶縁診断方法に関する。
従来の回転電機の固定子コイル絶縁層では、常規電圧で印加電圧1サイクルに1回程度の発生頻度で発生する部分放電電荷量の値(最大部分放電電荷量)や、誘電正接に代表される特性の絶対値の経年変化を監視することで絶縁診断を行い、コイル絶縁層の絶縁余寿命を推定することが知られている。
例えば、特許文献1には、運転中の電気機械の絶縁監視の方法が示され、その評価指標として最大放電電荷量、総合電荷量、平均放電電流、放電発生位相‐電荷量‐発生頻度特性を用いることにより、絶縁層内の異常を精度よく評価できることが記載されている。
また、非特許文献1には、Δ2(2kVの誘電正接と定格電圧の誘電正接の差)が評価指標の1つとして示され、相対的なボイド放電の量を表すことで固定子コイルの絶縁診断を行うことが記載されている。
電気学会技術報告第752号
しかしながら、絶縁層の多様化に伴い、マイカをレジンで固着した固定子コイル絶縁層において、欠陥が進展する際に、その進展方向をマイカが阻害し、進展方向が電界方向と必ずしも一致しないことがあった。
そのため、上記従来の診断指標の1つである最大部分放電電荷量と劣化進展の程度に相関が現れにくく、劣化の状態を精度良く評価することが困難であるという問題があった。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、固定子コイル絶縁層の絶縁劣化を精度良く評価できる回転電機の絶縁診断方法を提供することにある。
本発明の回転電機の絶縁診断方法は、上記目的を達成するために、回転電機の固定子コイルに交流電圧を突印し、該突印に対応して発生した部分放電信号に基づいて固定子コイル絶縁層の劣化を診断することを特徴とする。
具体的には、前記突印に対応して発生した部分放電信号が、前記突印に対応せず定常的に発生している部分放電信号より大きければ劣化が顕在化し、小さければ劣化が認められないと診断することを特徴とする。
本発明によれば、固定子コイルの絶縁劣化状態を精度良く評価できる効果がある。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の回転電機の絶縁診断方法を説明する。なお、符号は、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
先ず、本発明の実施例を説明する前に、本発明の回転電機の絶縁診断方法が適用される回転電機の構造について図1及び図2を用いて簡単に説明する。
図1に示す如く、回転電機1は、回転子2と固定子3とから概略構成される。固定子3は、図2に示すように、固定子鉄心4と鉄心スロット5及び固定子コイル6からなり、固定子コイル6は、上コイル6aと底コイル6bから構成され、固定子コイル6を鉄心スロット5に固定するための楔7、上コイル6aと底コイル6bの間のスペースを確保するための絶縁部材スペーサ8が配置されている。なお、固定子コイル6は、固定子鉄心4の外部で電気的に接続される。
前記固定子コイル6は、図2に示す如く、素線絶縁10を施した数本の素線9aが整列され、この素線9aを束ね絶縁詰め物11を施し一体化した素線固めコイル9により構成されており、素線固めコイル9の周囲には、ガラスクロスなどを裏打ち材としたマイカテープを所定回数巻回し主絶縁層12が形成されている。
また、固定子コイル6は、例えば、含浸槽にてエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を主絶縁層12に加圧含浸し、その後、熱硬化性樹脂を加熱硬化させたものや、予めエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含んだ半硬化状態のプリプレグマイカテープを熱プレスし形成したものがある。
上述に代表される処理工程により、ボイドに代表される欠陥の少ない絶縁特性の良好な主絶縁層12を備えた固定子コイル6を得ることができる。
上述した主絶縁層12は、マイカテープ層と熱硬化性樹脂が完全に充填されていることが望まれるが、発電機用のコイルにはボイドや剥離といった欠陥がある程度存在する。内部にボイドや剥離が存在する主絶縁層12に部分放電開始電圧以上の電圧が加わるとボイドや剥離といった微小欠陥部で部分放電が発生する。
主絶縁層12内に初期から存在していた微小欠陥に加え、主に熱的及び機械的ストレスにより新たに微小欠陥が形成される。長期間の運転により熱的、機械的、電気的、その他のストレスが加わると、これらが進展していくので、絶縁破壊電圧や機械強度が低下していくことが知られている。
従来の最大部分放電電荷量は、所定の電圧まで徐々に電圧を昇圧または降圧した時の値を用いていたため、劣化が進展して欠陥が大きくなると、大きな欠陥部には、所定の電圧までの昇圧または降圧の過程で発生した部分放電により電荷が蓄積され、部分放電が発生し辛くなる傾向が顕著となることが考えられる。そのため、劣化が進展した際には、劣化の程度に比べて部分放電電荷量が小さくなり、劣化の進展を見落とす可能性があった。
そこで、本発明では、その問題を解決するために、回転電機の固定子コイルに交流電圧を突印し、この突印に対応して発生した部分放電信号に基づいて固定子コイル絶縁層の劣化を診断するようにしたものである。即ち、所定の交流電圧を突印することで、上述した昇圧または降圧の過程で発生する電荷の蓄積を除去した状態で計測することができ、劣化部の真の部分放電信号を測定することが可能となり、劣化進展の見落としを低減可能となる。以下、その詳細について説明する。
なお、本実施例中で記載する突印とは、印加電圧がゼロまたはゼロと見做せる程度の電圧から、交流電圧を設定した電圧まで昇圧することを指す。
図3に、本発明の回転電機の絶縁診断方法の実施例1を示し、交流電圧を突印した際に発生する部分放電信号に基づく測定フローであり、図4に、図3の測定フローを行う測定装置の概略構成を示す。
該図に示す如く、高電圧電源21で予め印加電圧を設定(ステップS1)した後、スイッチ22を投入する(ステップS2)と、接続端子27を介して予め設定された電圧を、測定対象である回転電機1の固定子コイル6に突印(ステップS3)することができる。この方法で電圧を突印した時に突印に対応して発生する部分放電信号と印加電圧(ステップS4)、及び突印後、任意のサイクル数経過後の突印に対応せず定常的に発生している部分放電信号を診断システム23で測定(ステップS5)する。
この時、突印に対応して発生する部分放電信号の内、前記電荷の蓄積の影響が無い1サイクル目の部分放電信号を用いた診断が望ましい。また、この時の電圧の突印開始位相は、前記電圧履歴の影響が無い方が望ましいため、電圧のゼロ点である0°または180°の何れかから突印することが望ましい。
また、本実施例では、電圧印加の容易さなどの観点から正弦波の交流電圧の印加した際の特性を記載しているが、三角波や矩形波などの正弦波以外の波形の電圧信号を印加した場合の特性による評価を行っても良い。また、印加する電圧の周波数に関しては、本実施例中では、商用周波数の測定結果を示すが、特に規定はしない。
上記方法で得られた突印に対応して発生した部分放電信号を含む測定結果の一例を図5及び図6に、突印に対応せず定常的に発生する部分放電信号の測定結果の一例を図7及び図8にそれぞれ示す。なお、図5乃至図8には、加速劣化したコイルと新品コイルの測定結果を示している。
この結果を用いた診断フローを図9に示す。加速劣化したコイルでは、図6に示すように、突印に対応して発生した部分放電信号を含む測定結果(図9のステップS1)では、突印直後1サイクル目に、大きな部分放電信号が発生している。一方、図8に示すように、突印後、任意のサイクル数経過後に突印に対応せず定常的に発生する部分放電信号と印加電圧測定結果では、図6に示すような大きな部分放電は発生していない(図9のステップS2)。これは、加速劣化を与えたことにより、欠陥が形成・進展し、前記電圧履歴の影響による電荷の蓄積の影響が大きいこと、即ち、突印に対応して発生した部分放電信号が、突印に対応せず発生している部分放電信号より大きいことを示しており、劣化が顕在化(図9のステップS3)と判定する。
一方、図5に記載の新品コイルでは、突印に対応して発生した部分放電信号を含む測定結果(図9のステップS1)では、突印直後1サイクル目には、加速劣化を与えたコイルのような大きな部分放電信号は発生しておらず、図7に示す突印後、任意のサイクル数経過後に突印に対応せず定常的に発生する部分放電信号とほぼ同等レベルの信号となっている(図9のステップS2)。これは、上述の通り、新品コイルでは初期から存在していた微小欠陥しか存在しないため、電圧履歴の影響による電荷の蓄積の影響が小さいこと、即ち、突印に対応して発生した部分放電信号が、突印に対応せず発生している部分放電信号より小さいことを示しており、劣化が認められない(図9のステップS4)と判定する。
上記の診断を可能とする診断システムの構成の一例を図10に示す。また、この時の測定フローを図11に示す。
図10に示す診断システムは、測定部24、評価部25、表示装置26から構成されており、固定子コイル絶縁層に印加される電圧及び発生する部分放電信号を測定部24にて測定する。測定して得られた信号の内、評価部25にて突印に対応して発生した部分放電信号と、突印後、任意のサイクル数経過後に突印に対応せず定常的に発生する部分放電信号を測定する。ここで、突印に対応せず発生する部分放電信号は、任意のサイクル数経過後に定常的に発生する部分放電のことを指す。
この2つの信号の大きさを評価部25にて比較し、劣化の有無を評価する。その評価結果及び測定部24で測定した部分放電信号及び印加電圧信号を、表示装置26に表示する。なお、測定部24と評価部25及び表示装置26は、一体となっていても良い。
図11で示す測定フローを説明する。先ず、印加電圧Vを高電圧電源21にて予め設定(ステップS1)する。測定部24は、交流電圧が突印されたことに対応して測定を開始するように設定(ステップS2)する。設定後、交流電圧を突印するためスイッチ22を投入(ステップS3)する。測定部24では、電圧が突印されたことに対応して、印加電圧信号及び部分放電信号の計測を開始(ステップS4)し、突印に対応して発生した部分放電信号と、任意サイクル数経過後の突印に対応せず定常的に発生する部分放電信号を計測(ステップS5)する。その後、印加電圧を降圧(ステップS6)し、測定を終了(ステップS7)する。
このように、交流電圧を突印した際に、突印に対応して発生した部分放電信号と突印に対応せず定常的に発生する部分放電信号を比較することで、回転電機の固定子コイル絶縁層の劣化の有無を精度良く検出することができる。
本実施例は、実施例1で説明した交流電圧を突印した際に、突印に対応して発生した部分放電信号と突印に対応せず定常的に発生する部分放電信号の比較法として、発生する部分放電信号の強度比を用いることで、より詳細な診断を可能とする絶縁診断方法である。
図12に、本発明の回転電機の絶縁診断方法の実施例2の測定フローを、図13に、その診断フローを示す。
図12に示す如く、高電圧電源21で予め印加電圧を設定(ステップS1)した後、スイッチ22を投入する(ステップS2)と、接続端子27を介して前記設定された電圧を回転電機1の固定子コイル6に突印(ステップS3)することができる。
この方法で電圧を突印した時に、突印に対応して発生する部分放電信号と印加電圧(ステップS4)、及び突印後、任意のサイクル数経過後の突印に対応せず定常的に発生している部分放電信号を診断システム23で測定(ステップS5))する。計測した信号の内、交流電圧突印直後1サイクル目の部分放電信号の最大値と、1サイクル目以降の部分放電信号の大きさを比較し、その大きさの比を取る。
なお、1サイクル目以降の部分放電信号の大きさは、任意のサイクル時点での最大値などを用いても良いが、本実施例では、任意のサイクル数経過後、1秒間当たり50回、即ち、1サイクル当たり1回の部分放電が発生するレベルの部分放電信号の大きさとしている。商用周波数が60Hzの地域では、1秒間当たり60回の部分放電信号の大きさを用いても良い。
図14に、加速劣化の内、加速熱劣化のみ、加速熱劣化後に機械劣化を与えたコイル、新品コイルの突印に対応せず発生している部分放電信号と、突印に対応して発生した部分放電信号の大きさの比を取った時の比較結果を示す。
該図から明らかなごとく、新品コイル(黒塗り三角)に比べ、加速熱劣化を与えたコイル(黒塗り四角)の方が、その比が大きくなっており、劣化したことで欠陥が形成され、前記電圧履歴の影響による電荷の蓄積の影響が大きいことを示す結果となっている。また、劣化条件ごとで比較すると、加速熱劣化(黒塗り四角)のみに比べて、加速熱劣化後に機械劣化させたコイル(黒塗り丸)の方が、その比が大きくなっている。
図13の診断フローでは、図14に示した傾向に基づき、2つの判定値AとBを予め設定しておき、得られた測定結果(ステップS1)に基づき、上述した比が判定値Aよりも小さか否かを判定(ステップS2)し、測定結果が判定値A以下であれば監視レベル(現状問題なし、定期的な監視継続要)と判定(ステップS3)する。測定結果が判定値Aを越えれば判定値Bよりも小さか否かを判定(ステップS4)し、判定値B以下であれば警戒レベル(急速な劣化進展もあり得るため、診断期間短縮などの対策要)と判定(ステップS5)する。測定結果が判定値Bを越えれば危険レベル(抜き取り検査を含む詳細な診断要)と判定(ステップS6)する。なお、判定値Aと判定値Bの関係は、判定値Aに比べて判定値Bの方が大きな値である。
熱劣化では、マイカテープの沿層方向に広がる剥離や大きなボイドが進展しているため、それらにより固定子コイル絶縁層の機械的強度が低下し、振動や電磁力、遠心力などにより固定子コイル絶縁層に亀裂が生じやすくなっており、将来的に、絶縁破壊電圧に代表される絶縁性能の急激な低下が推定でき、また、機械劣化では、固定子コイル絶縁層の貫層方向に微小な亀裂や亀裂を介した剥離、ボイドの結合が生じており、貫層方向に進展する欠陥は、固定子コイル絶縁層に対して致命的な欠陥であり、絶縁破壊電圧に代表される絶縁性能の大幅な低下が生じている可能性がある。
前述のように、熱劣化では、マイカテープの沿層方向に広がる剥離や大きなボイドが進展しているのに対して、熱劣化後に機械劣化を与えた場合では、熱劣化によって形成された複数の沿層方向の欠陥が、機械劣化によって形成された貫層方向の微小な亀裂などを介して結合し進展したため、比が大きくなっていると考えられる。
また、予め絶縁破壊電圧と上記比の大きさや1サイクル目の部分放電信号の大きさなどの相関を基礎データとして取得しておき、そのデータと比較を行っても良い。
このように、交流電圧突印直後1サイクル目の部分放電信号と、任意のサイクル数経過後、定常的に発生する部分放電信号を組み合わせることで、固定子コイル絶縁層の状態を詳細に評価することが可能となり、固定子コイル絶縁層の劣化レベルの評価が可能となる。
なお、実施例2では、任意のサイクル数経過後の部分放電信号の例として、突印後、1サイクル目の部分放電信号について説明したが、任意のサイクル数経過後の部分放電信号として、2サイクル経過後或いは3サイクル経過後の部分放電信号であっても同様な効果を得ることができる。
本実施例は、実施例1又は実施例2の絶縁診断方法において、突印開始位相を0°とした時と、180°とした時の特性を比較し、その結果を基に、固定子コイル絶縁層内での劣化部位の推定を行う絶縁診断方法としたものである。
図15に、本発明の回転電機の絶縁診断方法の実施例2の測定フローを、図16に、その診断フローを示す。
図15に示す如く、先ず、印加電圧Vを高電圧電源21にて予め設定(ステップS1)する。測定部24は、交流電圧が突印されたことに対応して測定を開始するように設定(ステップS2)する。設定後、交流電圧を突印するためにスイッチ22を投入(ステップS3)する。測定部24では、電圧が突印されたことに対応して、印加電圧信号及び部分放電信号の計測を開始し、突印に対応して発生した部分放電信号を計測(ステップS4)する。
この計測は、突印開始位相を0°、即ち、交流電圧の正極性から突印した時の突印に対応して発生した部分放電信号と、180°、即ち、交流電圧の負極性から突印した時の突印に対応して発生した部分放電信号をそれぞれ測定(ステップS5)し、正極性、負極性での部分放電信号の極性差を評価し、結果を表示する(ステップS6)。極性差の判定指標として、具体的には部分放電信号の大きさ、或いは所定の大きさ以上の部分放電信号の発生数を用いる。なお、前記判定指標を組み合わせて評価を行っても良い。その後、印加電圧を降圧(ステップS7)し、測定を終了(ステップS8)する。
次に、図16を用いて診断フローを説明する。図15に示した測定フローで測定した結果(ステップS1)で、極性差を比較(S2)し、極性差が認められない場合(極性差なし)は、固定子コイル縁層内部で平均的に劣化が進展していると判定(ステップS3)できる。また、印加電圧正極性から突印した際の部分放電信号の方が、負極性から突印した場合に比べて、大きく発生数が多い場合(ステップS4の判定指標が0°>180°)には、固定子コイル絶縁層の中でも固定子コイル導体側に劣化による欠陥が形成されていることを示すため、固定子コイル導体側の劣化が進展と判定(ステップS5)し、逆に、負極性が正極性に比べて部分放電信号が大きいまたは発生数が多い場合(ステップS4の判定指標が0°<180°)には、固定子コイル絶縁層の接地側の劣化が進展(ステップS6)と判定する。
このように本実施例によれば、固定子コイル絶縁層内の劣化進展部位を判定することが可能となり、より信頼性の高い絶縁診断方法を提供することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…回転電機、2…回転子、3…固定子、4…固定子鉄心、5…鉄心スロット、6…固定子コイル、6a…上コイル、6b…底コイル、7…楔、8…絶縁部材スペーサ、9…素線固めコイル、9a…素線、10…素線絶縁、11…絶縁詰め物、12…主絶縁層、21…高電圧電源、22…スイッチ、23…診断システム、24…測定部、25…評価部、26…表示装置、27…接続端子。
Claims (11)
- 回転電機の固定子コイルに交流電圧を突印し、該突印に対応して発生した部分放電信号に基づいて固定子コイル絶縁層の劣化を診断することを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。
- 請求項1に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
前記固定子コイル絶縁層の劣化の診断は、前記突印に対応して発生した部分放電信号と、突印に対応せず定常的に発生している部分放電信号の大きさとを比較し、その結果に基づいて行われることを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。 - 請求項2に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
前記突印に対応して発生した部分放電信号が、前記突印に対応せず定常的に発生している部分放電信号より大きければ劣化が顕在化し、小さければ劣化が認められないと診断することを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。 - 請求項1に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
前記固定子コイル絶縁層の劣化の診断は、前記突印に対応して発生した部分放電信号と、突印後、任意のサイクル数経過後に突印に対応せず定常的に発生している部分放電信号の大きさを比較し、その結果に基づいて行われることを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。 - 請求項4に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
前記突印に対応して発生した部分放電信号は、突印後、1サイクル目の部分放電信号であることを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。 - 請求項4又は5に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
前記電圧の突印開始位相は、電圧のゼロ点である0°又は180°のいずれかであることを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。 - 請求項4に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
前記突印後、任意のサイクル数経過後に突印に対応せず定常的に発生している部分放電信号と、前記突印に対応して発生した部分放電信号との大きさの比を取り、その比の値に基づいて固定子コイル絶縁層の劣化を診断することを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。 - 請求項7に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
前記突印後、任意のサイクル数経過後に突印に対応せず定常的に発生している部分放電信号と前記突印に対応して発生した部分放電信号との比の大きさと、予め設定した判定値とを比較し、監視レベル、警戒レベル、危険レベルと判定することを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。 - 請求項8に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
予め2つの判定値Aと判定値Bを設定しておき、得られた測定結果の比が判定値A以下であれば前記監視レベルと判定し、得られた測定結果の比が判定値B以下であれば前記警戒レベルと判定し、得られた測定結果の比が判定値Bを越えれば前記危険レベルと判定することを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。 - 請求項6に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
前記突印開始位相が0°である交流電圧の正極性から突印した時の突印に対応した部分放電信号と、前記突印開始位相が180°である交流電圧の負極性から突印した時の突印に対応した部分放電信号をそれぞれ測定し、前記正極性及び負極性での部分放電信号の極性差を比較し、その結果に基づいて固定子コイル絶縁層の劣化を診断することを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。 - 請求項10に記載の回転電機の絶縁診断方法において、
前記正極性及び負極性での部分放電信号の極性差を比較し、極性差が認められない場合は、前記固定子コイル絶縁層の内部で平均的に劣化が進展していると判定し、正極性の方が前記負極性より大きい場合には、前記固定子コイル絶縁層の導体側の劣化が進展している判定し、前記負極性の方が前記正極性に比べて大きい場合には、前記固定子コイル絶縁層の接地側の劣化が進展していると判定することを特徴とする回転電機の絶縁診断方法。
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