JP2014210023A - 陰圧治療装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置内部への排液の流入を防止しつつ、容器が満杯状態になるまで排液を収容できる陰圧治療装置を提供すること。
【解決手段】陰圧治療装置10において、創傷部Wを覆う被覆シートSの内側を陰圧状態に保ちながら、被覆シートSの内側から吸引流路11a,11bを通じて流体を吸引する吸引手段11と、吸引流路11a,11bに配設され、吸引手段11により吸引された流体を収容する容器12と、容器12または吸引流路11a,11bに配設され、流体から気泡を除去する消泡手段13と、を備えるように構成した。
【選択図】図1
【解決手段】陰圧治療装置10において、創傷部Wを覆う被覆シートSの内側を陰圧状態に保ちながら、被覆シートSの内側から吸引流路11a,11bを通じて流体を吸引する吸引手段11と、吸引流路11a,11bに配設され、吸引手段11により吸引された流体を収容する容器12と、容器12または吸引流路11a,11bに配設され、流体から気泡を除去する消泡手段13と、を備えるように構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、いわゆる陰圧閉鎖療法に用いられる陰圧治療装置に関するものである。
従来、陰圧治療装置として、皮膚潰瘍や組織欠損等の創傷部を覆う被覆シートの内側を陰圧状態に保ちながら、創傷部から滲出する体液を吸引し、被覆シートの内側から排出する治療装置が知られている。かかる陰圧治療装置によれば、壊死細胞や細菌等を創傷部から吸引除去するとともに、陰圧によって創傷部の血流を促進し、創傷部の治療効果を高めることができる。こうした創傷部の治療は「陰圧閉鎖療法」と呼ばれている。
陰圧閉鎖療法において被覆シートで覆われた内側から排出された滲出液は、吸引流路に配設された容器へ収容され、その後、排液として廃棄される。ただ、この陰圧閉鎖療法では、陰圧治療装置を継続的に動作させておく必要があり、治療に要する期間は、創傷部の初期症状や治癒の進捗次第で数ヶ月間にわたることも少なくない。このため、陰圧治療装置が作動している間に容器が排液で満杯になれば、その容器を新しいものに取り替える必要がある。
ところが、容器へ収容される排液は泡立ちやすいという性質がある。容器内の排液が泡立った状態だと、たとえ排液の液面レベルが満杯状態まで到達していなくても、気泡状態の排液が陰圧治療装置の内部へ流入してしまうおそれがある。その場合、陰圧治療装置の機能が失われて正常な治療が行えなくなるだけでなく、装置自体を廃棄せざるを得ない状況に陥る可能性もある。一方で、容器が満杯状態になるまで排液を収容できなければ、消耗品である容器の許容容積が有効利用されず非経済的である。
そこで、陰圧治療装置内への排液の流入を防止する技術として、例えば、容器内が排液で満杯になったことを検知して吸引ポンプの有効作動を解除する手段が設けられた治療装置(特許文献1)が開示されている。また、容器に収容された排液の泡立ちを抑制する技術として、排液収容空間の内壁に消泡剤を塗布した排液バッグ(特許文献2)が開示されている。これらの技術を用いれば、排液バッグの許容容積を可能な限り有効利用しつつ、陰圧治療装置の内部へ排液が流入する事故を未然に防止することができる。
しかしながら、消泡剤の効果によって一旦は気泡が消失した排液であっても、種々の要因から気泡が再度発生する場合がある。同時に、満杯検知に用いられる静電容量式の液体センサは気泡状態の液体を高感度で検知し難いという問題もある。したがって、仮に、消泡剤の消泡能力を超えて排液が泡立ってしまった場合には、積極的に消泡する手立てがないうえ満杯検知も有効に機能しない可能性があり、装置内へ排液が流入する事故を未然に防止できないおそれがある。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、装置内部への排液の流入を防止しつつ、容器が満杯状態になるまで排液を収容できる陰圧治療装置を提供することを目的とする。
本発明の陰圧治療装置は、創傷部を覆う被覆シートの内側を陰圧状態に保ちながら、該被覆シートの内側から吸引流路を通じて流体を吸引する吸引手段と、前記吸引流路に配設され、前記吸引手段により吸引された流体を収容する容器と、前記容器または前記吸引流路に配設され、前記流体から気泡を除去する消泡手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の陰圧治療装置は、前記消泡手段が前記流体に振動を与える振動子であることを特徴とする。
本発明の陰圧治療装置は、前記消泡手段が前記流体と接触する位置に設けられていることを特徴とする。
本発明の陰圧治療装置は、前記消泡手段が前記流体と非接触であることを特徴とする。
本発明の陰圧治療装置は、前記容器または前記吸引流路の一部に形成された異径部を備えることを特徴とする。
本発明の陰圧治療装置は、前記容器から下流側の前記吸引流路に配設され、該吸引流路内における液体の存在を検知する液体検知手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る陰圧治療装置によれば、消泡手段を備えているため、容器内に収容した排液に泡立ちが生じたとしても当該排液に含まれる気泡を強制的に除去することができる。これにより、容器が排液で十分に満杯状態になる前であるにもかかわらず、気泡状態の排液が装置内部へ流入してしまうような事態を未然に防止することが可能となる。同時に、吸引手段の作動中、容器の内部空間が確実に満杯状態になるまで排液を収容し続けることができるため、容器の許容容積を最大限に有効利用することができる。これにより、容器の交換時期のタイミングを予め逆算し易くなるとともに、消耗品である容器の無駄な浪費を抑制することができ非常に経済的である。
また、本発明において前記消泡手段として前記流体に振動を与える振動子を用いれば、簡単な構成でありながら容器内の排液に生じた気泡を効果的に除去することができる。特に、消泡手段として超音波振動子を用いることで、本来であれば消泡が非常に困難である粘度が比較的高い液体に生じた気泡であっても、より短時間で確実に除去することが可能となる。また、振動子は動作制御が容易であるため、誤作動が生じる可能性が低く、仮に誤作動が生じたとしても、通常とは異なるタイミングで気泡除去が行われるに過ぎない。そのため、創傷部の治療効果に悪影響を与えることがないという利点がある。
前記消泡手段を前記流体と接触する位置に設ければ、この消泡手段が発生させた振動を直接的に排液まで伝搬させることができる。これにより、消泡手段から排液までの振動の伝搬効率が高められ、消泡に要する時間を短縮することができる。特に、超音波振動は周波数が高く減衰し易い性質を有するため、このような配置は、消泡手段として超音波振動子を用いる場合に特に有効である。
前記消泡手段を前記流体と非接触となる位置に設ければ、仮に、異なる患者に対する治療を同一の装置を用いて行う場合であっても、消泡手段を交換したり、治療完了後に入念な洗浄・消毒等を行ったりする必要がない。そのため、消泡手段の耐用期間を長期間にわたって確保しやすく、装置管理及び装置の取扱いが極めて簡便であるという利点がある。
前記容器または前記吸引流路の一部に異径部を設ければ、吸引流路内を流動する流体の流動圧力の変動を利用して気液分離を促進させることができると考えられる。これにより、容器内に収容される排液中における溶存気体の含有量を低減させることができ、容器の内部空間内における排液の泡立ちを抑制することが期待できる。また、異径部と上述した消泡手段とを併用すれば、排液の泡立ちをより効果的に低減させることが可能になる。
前記容器から下流側の前記吸引流路に液体検知手段を設ければ、上述の消泡手段との相乗効果により、仮に容器から排液が吸引流路へ進入したとしても、これを確実に検知することができる。これにより、液体検知手段からの検知信号に基づいて吸引手段を即時停止させる制御を正確に実行させることが可能となり、排液が誤って装置内部へ流入してしまうような事態を確実に防止することができる。
以下、本発明に係る陰圧治療装置の実施形態について図面を用いて説明する。図1に示すように、本実施形態の陰圧治療装置10は、流体を吸引する吸引手段11と、流体を収容する容器12と、流体から気泡Bを除去する消泡手段13と、を備えている。なお、以下の説明において、容器12から見て吸引手段11側(下流側)を吸引流路11a、被覆シートS側(上流側)を11bとする。
吸引手段11は、皮膚潰瘍や組織欠損等の創傷部Wを覆う被覆シートSの内側を陰圧状態に保ちながら、被覆シートSの内側から吸引流路11a,11bを通じて流体(空気および創傷部Wから滲出した体液)を吸引する。本実施形態の吸引手段11は、例えば、ダイヤフラム式真空ポンプ、チューブポンプ、ベーンポンプ等から構成され、吸引流路11aを通じて容器12内の空気を吸引することで容器12内を減圧し、被覆シートSの内側から引き出された吸引流路11bを通じて創傷部Wから滲出した体液を吸引する。各吸引流路11a,11bには、エアリークのない柔軟なチューブ等が用いられている。
容器12は、吸引手段11により吸引された流体に含まれる液体(創傷部Wから滲出した体液等の排液)を内部に収容する。本実施形態では、容器12の内部空間に各吸引流路11a,11bの開口端部が配置されており、これらの吸引流路11a,11bが容器12の内部空間を介して被覆シートSの内側から吸引手段11まで連通するように構成されている。即ち、本実施形態の容器12は、吸引手段11による流体の吸引流路11aと吸引流路11bとの間に配設されている。また、容器12は、内部視認性の点から、ガラスや透明樹脂などの透明材料を用いるのが好ましく、排液の廃棄処理等を考慮すれば、安価で消耗品としての取扱いが容易な樹脂製容器を用いるのがより好ましい。
消泡手段13は、流体(創傷部Wから滲出した体液等の排液)から気泡Bを除去するための構成である。本実施形態の消泡手段13は、容器12の内部に収容された液体(創傷部Wから滲出した体液等の排液)に振動を与える振動子から構成されている。本実施形態で用いられる振動子としては、例えば、圧電セラミックス、圧電高分子膜、ZnO圧電薄膜等の圧電素子を用いた超音波振動子が挙げられる。超音波振動子は、圧電素子に電圧を印加することにより振動を発生させる。その振動を容器12の内部に収容された液体に伝搬させて液中に圧力差を生じさせることにより、当該液体から気泡Bが除去(消泡)される。
消泡手段13は、被覆シートSで覆われた内側から吸引手段11まで連通するように形成された流体の吸引流路11a,11bにおいて、流体の流動方向に対し容器12から上流側に配設されている。本実施形態では、排液が収容される容器12の内部空間内に消泡手段13が配設されている。つまり、本実施形態の消泡手段13は、気泡除去の対象となる液体(創傷部Wから滲出した体液等の排液)と接触する位置に設けられている。このため、振動子が発生させた振動は大きな減衰を受けることなく排液まで伝搬される。
消泡手段13の動作(例えば、作動タイミングや作動時間等)は、陰圧治療装置10に所望の動作を実行させる制御プログラムが組み込まれた中央処理装置(CPU)等から構成される制御手段(図示省略)によって制御される。例えば、振動子を手動操作により任意のタイミングで所要の時間だけ動作させるように制御してもよいし、あるいは、吸引手段11の継続作動時間に応じて又は各種センサ(例えば、液面レベルセンサ等)の検知信号に基づいて振動子を間欠的に複数回にわたって定期動作させるなど、制御手段による自動制御を行うように構成してもよい。消泡手段13の動作制御は、創傷部Wの症状や治療に要する期間、陰圧治療装置10の動作環境等に応じて適宜設定を変更することが可能である。
消泡手段13が発生させる振動の周波数については、容器12内の液体から気泡Bを除去(消泡)可能である限り特に限定されない。本実施形態では、いわゆる超音波とよばれる周波数帯域の振動(以下、これを「超音波振動」と示す)を発生させるように構成されている。具体的には、概ね20kHz以上の周波数帯域の振動を振動子で発生させ、その振動を容器12内に収容された液体へ伝搬させる。本実施形態のように液体の「消泡」等を行う場合には、例えば、40kHz〜3MHzの範囲の周波数帯域の振動が特に適していると考えられる。なお、消泡手段13が発生させる超音波振動の周波数帯域の上限については、使用する超音波振動子の性能等に応じて相違するため、特に制限はない。
次に、本実施形態の陰圧治療装置10の動作について説明する。陰圧治療装置10は、医師からの処方箋に基づく所定の動作設定で吸引手段11を動作させ、吸引流路11aを通じて容器12内の空気を吸引することで容器12内を減圧し、被覆シートSで覆われた内側から引き出された吸引流路11bを通じて創傷部Wから滲出した体液を吸引する。こうして被覆シートSの内側から吸引排出された排液は、吸引流路11bの開口端部から滴下し、容器12内へ収容される。容器12が排液で満杯になれば、新たな容器12に取り替えるか、あるいは、容器12内から排液を排出し、既に収容された排液を廃棄する。
ここで、吸引手段11により被覆シートSで覆われた内側から吸引排出される排液は、その多くが創傷部Wから滲出する体液であるため、患者の身体における創傷部Wの位置、創傷部Wの症状、治癒の進捗等によって程度が相違するものの、粘度が比較的高い液体である場合が多い。そのため、容器12内の排液に生じた気泡Bが自然消泡し難くなり、当該排液中に残存し続ける傾向が強くなる。その結果として、図1に示すように、容器12内に収容された排液の泡立ちが生じ易くなる。
そこで、本実施形態の陰圧治療装置10は、消泡手段13を動作させることによって、容器12内の排液に生じた気泡Bを強制的に除去する。具体的には、図2に示すように、容器12の内部空間内に配設された消泡手段13を排液と接触する位置まで移動させる。もしくは、排液が消泡手段13と接触する状態になるまで、容器12の内部に排液を収容する。続いて、消泡手段13と排液とが、容器12内において互いに接触した状態で所要の振動(本実施形態では、超音波振動)を発生させる(図2(a)参照)。このとき、消泡手段13が発生させた超音波振動は、大きな減衰を受けることなく直接的に排液まで伝搬される。
消泡手段13から超音波振動を与えられた排液では、超音波振動の作用により液中に高圧部と低圧部が生成される。排液に含まれる気泡Bは低圧部において膨張し、圧力の低い部分へさらに集合しようとする。こうして、排液中において多数の気泡Bが膨張と集合を繰り返しつつ互いにぶつかり合いながらさらに膨張し、排液の液面へ浮上する。気泡Bが液面まで浮上すると、排液が薄膜状になって空気中に突出した状態となるが、この薄膜状の部分は圧力差や超音波振動の影響を受けやすいため、その後速やかに崩壊し気泡Bが消失する。本実施形態では、消泡手段13を連続的に又は間欠的に一定時間動作させ続けて、かかる作用を排液中で繰り返し生じさせることにより、以上のようなメカニズムで容器12内に収容された排液に含まれる気泡Bが除去されるものと推定される(図2(b)参照)。
このように、本実施形態の陰圧治療装置10によれば、上述した消泡手段13を備えているため、容器12内に収容した排液に泡立ちが生じたとしても当該排液に含まれる気泡Bを強制的に除去することができる。これにより、容器12が排液で十分に満杯状態になる前であるにもかかわらず、気泡状態の排液が陰圧治療装置10の内部へ流入してしまうような事態を未然に防止することが可能となる。同時に、吸引手段11の作動中、容器12の内部空間が確実に満杯状態になるまで排液を収容し続けることができるため、容器12の許容容積を最大限に有効利用することができる。これにより、容器12の交換時期のタイミングを予め逆算し易くなるとともに、消耗品である容器12の無駄な浪費を抑制することができ非常に経済的である。
また、消泡手段13として振動子を用いれば、簡単な構成でありながら容器12内の排液に生じた気泡Bを効果的に除去することができる。特に、本実施形態のように超音波振動子を用いることで、本来であれば消泡が非常に困難である粘度が比較的高い液体に生じた気泡Bであっても、より短時間で確実に除去することが可能となる。また、振動子は動作制御が容易であるため誤作動が生じる可能性が低く、仮に誤作動が生じたとしても、通常とは異なるタイミングで気泡除去が行われるに過ぎない。そのため、創傷部Wの治療効果に悪影響を与えることがないという利点がある。
さらに、本実施形態の消泡手段13は、容器12内に収容された排液と接触する位置に設けられているため、消泡手段13が発生させた振動を直接的に排液まで伝搬させることができる。これにより、消泡手段13から排液までの振動の伝搬効率が高められ、消泡に要する時間を短縮することができる。特に、超音波振動は周波数が高く減衰し易い性質を有するため、かかる配置は、消泡手段13として超音波振動子を用いる場合に特に有効である。
以上、本実施形態に係る陰圧治療装置10について説明したが、本発明に係る陰圧治療装置は、その他の形態で実施することができる。
例えば、図3に示す陰圧治療装置20のように、容器12内に収容された液体(創傷部Wから滲出した体液等の排液)と非接触となる位置に消泡手段23を配設した形態であってもよい。消泡手段23は、上述した消泡手段13と同様の振動子(超音波振動子)から構成されており、容器12の外側壁面に振動面を密着させて不図示のホルダ等により取り付けられている。容器12に対する消泡手段23の取付け形態は任意であり、例えば、容器12内の排液量に応じて任意に配置変更できるように構成してもよいし、消泡手段23を容器12の外面の所定位置に固定してもよい。
消泡手段23は、容器12の壁面を介して当該容器12の内部に収容された液体に対し間接的に振動を与える。その振動によって当該液体に上述と同様の作用を生じさせることで、容器12内の液体に含まれる気泡Bが除去される。消泡手段23が発生させる振動の周波数については、必ずしも超音波振動の周波数帯域である必要はないが、振動伝搬媒体(容器12)を介在させることに伴う振動の減衰の程度等を考慮したうえで適宜調整される。
陰圧治療装置20によれば、消泡手段23が容器12内の液体と非接触であるため、異なる患者に対する治療を同一の装置を用いて行う場合であっても、消泡手段23を交換したり、治療完了後に入念な洗浄・消毒等を行ったりする必要がない。そのため、消泡手段23の耐用期間を長期間にわたって確保しやすく、装置管理及び装置の取扱いが極めて簡便であるという利点がある。
なお、消泡手段23は、当該液体に所要の振動を与えることが可能である限り、必ずしも容器12の外面と接触している必要はない。例えば、図4に示す陰圧治療装置30のように、消泡手段23を液槽Tの所定位置(例えば、槽壁など)に配設し、当該液槽Tに貯留された液体を伝搬媒体として、所要の振動を容器12内の液体に与えるように構成することもできる。かかる実施形態においても、実質的には消泡手段23を容器12に取り付けているのと同じであり、前述した陰圧治療装置20と同様の作用・効果を得ることが可能である。
また、上述した各実施形態に係る陰圧治療装置10〜30は、いずれも容器12の内部空間内において消泡手段13,23による気泡除去を行うように構成されているが、本発明は、例えば、容器12よりも上流側の吸引流路11bを流動する流体(創傷部Wから滲出した体液等の排液)中に溶存する酸素や二酸化炭素等の気体を含む気泡を除去するための手段を備えた形態で実施することもできる。
例えば、図5に示すように、被覆シートSで覆われた内側から引き出されて容器12の内部空間まで通じる吸引流路11bにおいて、この吸引流路11bの一部に形成された異径部33をさらに備えた形態であってもよい。異径部33は、吸引流路11bの主流路となる部分の内径R1よりも内径R2の寸法が小さい縮径部33a,33b(図5(a),(b)参照)であってもよいし、吸引流路11bの主流路となる部分の内径R1よりも内径R3の寸法が大きい拡径部33c(図5(c)参照)であってもよい。
縮径部33aは、柔軟なチューブから成る吸引流路11bの外面を任意の押圧部材331によって押圧し部分的に弾性変形させることによって形成されている。押圧部材331として超音波振動子を配設してもよい。縮径部33bは、吸引流路11bの内部空間に絞り部材332を配設することによって形成されている。拡径部33cは、例えば、吸引流路11bを構成するチューブを内面から押し拡げて部分的に塑性変形させることにより形成することができる。あるいは、図示を省略するが、吸引流路11bの主流路の肉厚よりも薄い薄肉部を部分的に形成してもよい。
異径部33を形成する位置については特に限定されないが、治療中の患者が姿勢を変えても容器12に対する相対的な変位が生じ難いことから、容器12の内部に配置される開口端部に近い位置に形成するのが好ましい。また、異径部33の数については、図1及び図4に示すように、吸引流路11bにおいて一箇所にのみ形成されていてもよく、あるいは図3に示すように、吸引流路11bの複数箇所に形成されていてもよい。
異径部33では、吸引流路11b内を容器12へ向かう方向へ流動する流体(創傷部Wから滲出した体液等の排液)の流動圧力を異径部33において強制的に変動させることにより、吸引流路11b内の流体に圧力差を生じさせる。この圧力変動を利用して異径部33を通過する流体の気液分離を促進させる。気液分離した流体のうち、液体部である排液は吸引流路11bの開口端部から滴下して容器12内に収容される。一方、酸素や二酸化炭素を含む気体部については、容器12の内部空間内の空気とともに吸引手段2により吸引される。
かかる実施形態によれば、吸引流路11bに異径部33を設けたことで、吸引流路11b内を流動する流体の流動圧力の変動を利用して気液分離を促進させ、容器12内に収容される排液中における溶存気体の含有量を低減させることができると考えられる。これにより、容器12の内部空間内における排液の泡立ちを抑制することが期待できる。また、かかる異径部33を、上述した消泡手段13,23(振動子)と併用することで、排液の泡立ちをより効果的に低減させることが可能になる。
なお、図5に示す各異径部33(縮径部33a,33b、及び拡径部33c)は、吸引流路11bの途中に形成されていることを前提として図示されているが、吸引流路11b内を流動する流体の流動圧力を変動させることが可能である限り、必ずしも吸引流路11bの途中に形成されている必要はない。例えば、容器12の内部に配置される吸引流路11bの開口端部に異径部33を形成することもできる。その場合、例えば、吸引流路11bの開口端部から絞り部材332の一部を挿入して取り付けることで異径部を形成することができる。このとき絞り部材332が吸引流路11bの内部から露出した状態であっても、特に問題はない。また、吸引流路11bの途中に異径のコネクタを挿入し、異径部33を形成してもよい。
さらに、図1〜図4に示すように、上述した各実施形態に係る陰圧治療装置10〜30は、吸引流路11a内における液体の存在を検知する液体検知手段14を備えていてもよい。液体検知手段14は、光学式や静電容量式の液体センサ等から構成され、容器12から下流側の吸引流路11aに配設されている。また、装置内部への排液進入をより確実に防止する観点から、吸引流路11aには、液体検知手段14よりも下流側であって吸引手段11よりも上流側に相当する所定位置に、例えば、防液性・通気性を有する不図示のフィルタ等を設けるのが望ましい。併せて、容器12内に収容された排液の液面レベルを検知する不図示の液面レベルセンサを設けておけば、より望ましい。
かかる実施形態によれば、液体検知手段14を設けたことで、仮に容器12から排液が吸引流路11aへ進入したとしても、これを確実に検知することができる。これにより、液体検知手段14からの検知信号に基づいて吸引手段11を即時停止させる制御を正確に実行させることが可能となり、排液が誤って装置内部へ流入してしまうような事態を確実に防止することができる。
当該実施形態において、液体検知手段14の高い検知精度を実現できるのは、消泡手段13,23及び異径部33により容器12内の排液から気泡を強制的に除去することで得られる相乗効果である。即ち、容器12内の排液から気泡を除去することで、気泡状態の排液が吸引流路11aに進入するような事態が回避され、仮に吸引流路11aに排液が進入するような事態が生じたとしても、液体検知手段14が配設された位置を通過するのは液体状の排液のみとなるからである。これと同様の理由から、本来、気泡を検知し難い液面レベルセンサの検知精度をも高めることが可能となる。
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
例えば、上述した陰圧治療装置10〜30において、消泡手段13,23、及び異径部33は、容器12から上流側の吸引流路(即ち、容器12の内部及び吸引流路11b)に設けられていたが、これらの各構成は、容器12から下流側の吸引流路(即ち、容器12の内部及び吸引流路11a)に設けられた形態であってもよい。その場合、液体検知手段14の検知精度向上を期待できる点から、容器12の内部に配置される吸引流路11aの開口端部に近い位置に消泡手段13,23、及び異径部33を設けるのがより望ましい。
特に、消泡手段13,23を当該配置で設ければ、吸引流路11aの開口端部へ僅かに流入した気泡状態の排液の液状化を促進させ、排液の自重又は振動の作用により排液を容器12内へ逆流させることもできると考えられる。その場合、液体検知手段14の検知信号に基づいて吸引手段11の動作を停止させるように制御するのが好ましい。
また、上述した陰圧治療装置10〜30は、患者の創傷部Wの症状次第で、洗浄液バッグから供給流路を通じて供給された流体(洗浄液)を、送出流路を通じて創傷部Wを覆う被覆シートSの内側へ送出する不図示の送出手段を備えた形態であってもよい。送出手段としては、例えば、チューブポンプ、ピストンポンプ、ダイアフラムポンプ、あるいはベーンポンプ等の定量ポンプを採用することができる。
さらに、これらの陰圧治療装置10〜30は、院内の治療設備の一つとして一定の場所に備え付けられた状態で使用するものであってもよく、あるいはバッテリー等を動力源とする携行式のものであってもよい。
10、20、30:陰圧治療装置
11 :吸引手段
11a、11b :吸引流路
12 :容器
13、23 :消泡手段
33 :異径部
33a、33b :縮径部
33c :拡径部
14 :液体検知手段
W :創傷部
S :被覆シート
B :気泡
11 :吸引手段
11a、11b :吸引流路
12 :容器
13、23 :消泡手段
33 :異径部
33a、33b :縮径部
33c :拡径部
14 :液体検知手段
W :創傷部
S :被覆シート
B :気泡
Claims (6)
- 創傷部を覆う被覆シートの内側を陰圧状態に保ちながら、該被覆シートの内側から吸引流路を通じて流体を吸引する吸引手段と、
前記吸引流路に配設され、前記吸引手段により吸引された流体を収容する容器と、
前記容器または前記吸引流路に配設され、前記流体から気泡を除去する消泡手段と、を備えることを特徴とする陰圧治療装置。 - 前記消泡手段が、前記流体に振動を与える振動子であることを特徴とする請求項1に記載の陰圧治療装置。
- 前記消泡手段が、前記流体と接触する位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陰圧治療装置。
- 前記消泡手段が、前記流体と非接触であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陰圧治療装置。
- 前記容器または前記吸引流路の一部に形成された異径部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一つに記載の陰圧治療装置。
- 前記容器から下流側の前記吸引流路に配設され、該吸引流路内における液体の存在を検知する液体検知手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一つに記載の陰圧治療装置。
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---|---|---|---|
JP2013087350A JP2014210023A (ja) | 2013-04-18 | 2013-04-18 | 陰圧治療装置 |
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JP2013087350A JP2014210023A (ja) | 2013-04-18 | 2013-04-18 | 陰圧治療装置 |
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JP2014210023A true JP2014210023A (ja) | 2014-11-13 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016079075A1 (de) * | 2014-11-19 | 2016-05-26 | Paul Hartmann Ag | Elektronischer flüssigkeitssensor für unterdrucktherapie-vorrichtung |
JP2018514293A (ja) * | 2015-04-27 | 2018-06-07 | スミス アンド ネフュー ピーエルシーSmith & Nephew Public Limited Company | 減圧装置および方法 |
KR20180080644A (ko) * | 2017-01-04 | 2018-07-12 | 한국수력원자력 주식회사 | 거품 제거 장치 |
-
2013
- 2013-04-18 JP JP2013087350A patent/JP2014210023A/ja active Pending
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US10898388B2 (en) | 2015-04-27 | 2021-01-26 | Smith & Nephew Plc | Reduced pressure apparatuses and methods |
KR20180080644A (ko) * | 2017-01-04 | 2018-07-12 | 한국수력원자력 주식회사 | 거품 제거 장치 |
KR101899295B1 (ko) | 2017-01-04 | 2018-09-18 | 한국수력원자력 주식회사 | 거품 제거 장치 |
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