JP2014207868A - 植物育成装置および植物育成方法 - Google Patents

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浩輝 大平
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晃弘 小村
Akihiro Komura
晃弘 小村
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太郎 石堂
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Abstract

【課題】植物の地下部に光が照射されてしまうのをより確実に抑制することのできる植物育成装置および植物育成方法を得る。
【解決手段】植物育成装置10は、地上部Aで合成した養分を地下部Bに蓄積する植物40を育成するものである。この植物育成装置10は、育苗部11と、当該育苗部11に設けられて複数の育苗部11を連結する連結部12と、を備えている。また、育苗部11は、底部11eに形成された底部開口部11bと、頂部11dに形成された頂部開口部11aと、底部11eから頂部11dに向かうにつれて径が小さくなる側部11cと、を有している。そして、頂部開口部11aのサイズを、植物40の成長した茎43とほぼ同一のサイズとなるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、地上部で合成した養分を地下部に蓄積する植物を育成する植物育成装置および植物育成方法に関する。
従来、植物育成装置として、発泡スチロール製の支持材によって栽培槽の開口部を覆うようにし、栽培槽内への光の侵入を抑制するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−010651号公報
しかしながら、上記従来の技術では、栽培槽の開口部が、遮光性の小さい発泡スチロールで形成された支持部によって覆われているため、光が支持部を透過して栽培槽内へと侵入してしまうおそれがある。また、支持部を遮光材で覆うことも考えられるが、支持部を遮光材で覆ったとしても、株元周辺には隙間ができてしまうため、当該隙間から光が栽培槽内へと侵入し、植物の地下部に光が照射されてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、植物の地下部に光が照射されてしまうのをより確実に抑制することのできる植物育成装置および植物育成方法を得ることを目的とする。
本発明の第1の特徴は、地上部で合成した養分を地下部に蓄積する植物を育成する植物育成装置であって、底部に形成された底部開口部と、頂部に形成された頂部開口部と、前記底部から前記頂部に向かうにつれて径が小さくなる側部と、を有する育苗部と、前記育苗部の前記側部に設けられた連結部と、を備え、前記頂部開口部は、前記植物の成長した茎が挿通されるものであり、前記頂部開口部のサイズが、前記植物の成長した茎とほぼ同一のサイズであることを要旨とする。
本発明の第2の特徴は、前記頂部開口部は、前記植物の成長した茎が複数挿通されるものであり、当該茎の伸長方向を矯正する機能を有していることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、前記育苗部の側部が遮光性を有していることを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、前記育苗部の側部が不透水性を有していることを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、前記植物育成装置を用いた植物育成方法であって、前記育苗部を用いて水耕栽培前の育苗を行う工程と、複数の前記育苗部を隣接する前記連結部で連結して水耕栽培を行う工程と、を有することを要旨とする。
本発明によれば、植物の地下部に光が照射されてしまうのをより確実に抑制することのできる植物育成装置および植物育成方法を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる植物育成装置を模式的に示す斜視図である。 植物育成装置を用いずに育苗ポットにて育苗を行った状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる植物育成装置を用い、育苗ポットにて育苗を行った状態を模式的に示す斜視図である。 図3の育苗ポットの内部を透視して示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる植物育成装置を連結した状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる植物育成装置を用いて栽培容器にて水耕栽培を行った状態を模式的に示す斜視図である。 図6の栽培容器の内部を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下では、地上部で合成した養分を地下部に蓄積する植物としてジャガイモを例示する。
本実施形態にかかる植物育成装置10は、図1に示すように、略四角錐台状の育苗部11と、当該育苗部11に設けられて複数の育苗部11を連結する連結部12と、を備えている。この植物育成装置10は、地上部Aで合成した養分を地下部Bに蓄積する植物40を育成するものである。
育苗部11は、底部11eに形成された底部開口部11bと、頂部11dに形成された頂部開口部11aと、底部11eから頂部11dに向かうにつれて径が小さくなる側部11cと、を有している。この育苗部11は、内部に中空部11fが形成されており、この中空部11fに、植物40の栄養体(種芋)41が収納されるようになっている。なお、植物40の栄養体41は、単一の栄養体41から複数の芽を発芽可能な植物であり、単一の栄養体41から複数の茎43が成長するものである。
そして、頂部開口部11aは、中空部11fに収納された単一の栄養体41から成長した複数の茎43を挿通させることができるようになっている。すなわち、中空部11f内の栄養体41から伸びた複数の茎43が、先端から頂部開口部11aを通過して、先端部を育苗部11の外部に露出させることができるようになっている。
連結部12は、本実施形態ではフック状をしており、側部11cの4つの壁部11gの略中央部にそれぞれ形成されている。この連結部12は、1つの育苗部11に別の育苗部11を連結する際に用いられるものであり、それぞれに設けられた連結部12を互いに係合することで、2つの育苗部11が連結されるようになっている。本実施形態では、2つの育苗部11を連結した際(互いの連結部12を係合させた際)に、2つの育苗部11の壁部11gの下辺が互いに当接した状態となるように、連結部12の長さを設定している(図5参照)。なお、連結部12は、壁部11gのそれぞれの壁部11gの略中央部に設ける必要はなく、側部11cの複数の壁部11gのうちの少なくともいずれか1つの壁部11gに設けるようにしてもよい。また、側部11cの壁部11gの底部開口部11bの周縁部やその近傍に連結部12を設けるようにしてもよい。
ここで、本実施形態では、頂部開口部11aのサイズが、植物40の成長した茎43とほぼ同一のサイズとなるようにしている。すなわち、植物40の成長した複数の茎43を頂部開口部11aに挿通した状態で、頂部開口部11aと複数の茎43との間に形成される隙間を極力なくすことができるように、頂部開口部11aのサイズを設定している。
このように、本実施形態では、頂部開口部11aのサイズは、植物40の茎43が成長した際にほぼその成長体(茎43)を収容可能なサイズとなっている。
なお、本実施形態では、単一の栄養体41から複数の茎43が成長する植物40を用い、成長した複数の茎43が頂部開口部11aを通過できるようにしたものを例示するが、単一の栄養体から1本の茎が成長する植物を用いることも可能である。この場合、頂部開口部11aのサイズは、1本の茎とほぼ同一の大きさとなる。また、単一の栄養体から1本の茎が成長する植物を用い、1本の茎が成長する栄養体を複数個、中空部11fに収納し、全体として複数の茎が頂部開口部11aを通過するようにして育苗を行うことも可能である。
また、本実施形態では、育苗部11の側部11cが遮光性を有しているとともに、不透水性を有している。なお、育苗部11の側部11cは、遮光性または不透水性を有するものであってもよい。
次に、この植物育成装置10を用いた植物育成方法について説明する。
まず、育苗ポット20を用い、育苗ポット20内に充填された土壌30内に栄養体41を埋設して発芽させる。このとき、植物育成装置10を用いずに、栄養体41を発芽させると、図2に示すように、様々な位置から茎43が成長することとなる。しかしながら、植物育成装置10を用い、育苗部11の中空部11fに栄養体41を収納した状態で、植物育成装置10ごと土壌30内に埋設すれば、栄養体41の様々な部位から成長した茎43が、伸長方向を矯正されながら地上に露出することとなる。このとき、それぞれの茎43は、頂部開口部11aを通過して地上に露出することとなる(図3および図4参照)。なお、植物育成装置10を用いずに栄養体41を発芽させ、図2に示すように、茎43をある程度成長させた後に、植物育成装置10を用いて育苗し、様々な位置から成長した茎43を図3の状態となるように矯正させてもよい。
その後、植物40の茎43のサイズ(複数の茎43の頂部開口部11aにおける断面積の合計)が、頂部開口部11aのサイズ(開口面積)とほぼ同一となるように、茎43を成長させる。
そして、植物40の茎43が、頂部開口部11aとほぼ同一の大きさとなるまで成長したら、栄養体41を植物育成装置10ごと育苗ポット20から取り出して栽培容器50に定植する。
このとき、複数の植物育成装置10を連結部12によって連結した状態で、栽培容器50への定植を行う。
そして、栽培容器50を用いて栄養体41に液体としての養液70を供給する水耕栽培を行う。
栽培容器50は、上方に開口する略直方体状に形成されており、養液70を通さない材料(例えば、プラスチック等)で形成されている。そして、栽培容器50の開口は遮光板51で覆われており、この遮光板51を栽培容器50に設置することで、地上空間と地下空間とが画成されている。
遮光板51は、地下空間への光の照射を遮る材料で形成されており、この遮光板51には、植物40の茎43が貫通する貫通穴51aが形成されている。このように、遮光板51を設けて地下空間における遮光性を高めることで、地下空間への光の進入を抑制し、後述する塊茎45の緑化およびソラニン含有量の増加を抑制できるようにしている。なお、栽培容器50も地下空間への光の照射を遮る材料で形成されている。
また、栽培容器50内には、植物40の栄養体41を載置して支持する支持板60が配置されており、この支持板60の上部が、栽培容器50内の養液70の液面から露出している。この支持板60に栄養体41を載置することで、栄養体41が養液70に浸されてしまうのを抑制している。そして、図7では、支持板60に載置された栄養体41は、育苗部11によって覆われており、栄養体41から成長した根42は、底部開口部11bから下方に伸びて、先端が養液70に浸されるようになっている。
また、本実施形態では、茎43から成長したストロン44やストロン44に形成される塊茎45が、育苗部11の外部に存在するようにしている。すなわち、根42とストロン44とを育苗部11の側部11cによって空間的に分離させている。
なお、茎43のストロン44が形成される部位が、育苗部11の頂部開口部11a近傍もしくは、育苗部よりも外側(上側)に存在するように、育苗部11の形状や大きさを設計するのが好ましい。こうすれば、形成されるストロン44をより確実に育苗部11の外部に向けて成長させるようにすることができるようになる。本実施形態では、植物育成装置10の育苗部11を、根42よりも上方、かつ、地下部Bとしての茎43(遮光板51よりも下方に位置する茎43)よりも下方に位置するように配置している。こうすることで、根42とストロン44とをより確実に空間的に分離させることができるようにしている。
かかる構成の栽培容器50を用い、地下空間に存在する地下部Bの根42に養液70を供給しつつ、地上空間に存在する地上部Aの茎43や葉43aに、太陽光や照明(電球、蛍光灯、LED等)による光を照射することで、植物40を生育させるようにしている。このとき、植物40の葉43aが光合成を行うことで養分が合成され、この養分が、茎43を介して地下部Bの栄養体41に蓄積される。そして、栄養体41に蓄積された養分がストロン44に供給されて、ストロン44に塊茎45が形成され、この塊茎45が成長することで収穫物たるジャガイモが形成される。
なお、根42への養液70の供給方法は、NFT方式やノズルによる噴霧等、公知の方法を用いることができる。
このように、本実施形態にかかる植物育成方法は、育苗ポット20に栄養体41を収容して土壌内で発芽させることで、植物40の育苗を行い、育苗によって根42や茎43がある程度の長さまで成長したら、植物40を栽培容器50に定植させるようにしたものである。
そして、この植物育成方法は、育苗部11を用いて水耕栽培前の育苗を行う工程と、複数の育苗部11を隣接する連結部12で連結して水耕栽培を行う工程と、を有している。
以上、説明したように、本実施形態では、植物育成装置10は、育苗部11と、当該育苗部11に設けられて複数の育苗部11を連結する連結部12と、を備えている。そして、育苗部11は、底部11eに形成された底部開口部11bと、頂部11dに形成された頂部開口部11aと、底部11eから頂部11dに向かうにつれて径が小さくなる側部11cと、を有している。さらに、頂部開口部11aのサイズが、植物40の成長した茎43とほぼ同一のサイズとなっている。
かかる構成の植物育成装置10用い、育苗ポット20に挿入して育苗を行なうことで、栄養体41から成長する複数の茎43の伸長方向を矯正することができる。その結果、栽培容器50への定植時に、形成される貫通穴51aの面積(総面積)が大きくなってしまうのが抑制され、地下部Bに光が照射してしまうのを抑制することができるようになる。
ところで、植物育成装置10を用いずに、育苗ポット20にて栄養体41を発芽させると、図2に示すように、様々な位置から茎43が成長することとなる。そのため、栽培容器50への定植時に、1つの栄養体41に対して複数の貫通穴51aを形成せねばならず、茎43と貫通穴51aとの隙間の総面積を小さくすることが難しい。
しかしながら、本実施形態のように、植物育成装置10を用い、育苗ポット20にて栄養体41を発芽させると、出芽範囲を所定の径に抑えることができる。すなわち、図3に示すように、1つの栄養体41から成長する複数の茎43を1箇所で束ねたような状態とすることができる。そのため、1つの栄養体41に対して1つの貫通穴51aを形成するだけで済み、茎43と貫通穴51aとの隙間の総面積をより容易に小さくすることが可能となる。したがって、光が茎43と貫通穴51aとの隙間を通って地下空間に侵入するのを抑制することができ、地下部Bに光が照射してしまうのを抑制することができるようになる。
特に、本実施形態では、単一の栄養体41から複数の芽を発芽可能な植物40を用い、単一の栄養体41から成長する複数の茎43の伸長方向を頂部開口部11aにて矯正するようにしている。このように、植物40の成長した茎43が複数挿通される頂部開口部11aに、茎43の伸長方向を矯正する機能を持たせるようにすることで、より容易に出芽範囲を所定の径に抑えることができるようになる。
また、本実施形態では、根42とストロン44とを育苗部11の側部11cによって空間的に分離させている。そのため、ストロン44や塊茎45が養液70に浸漬してしまうのが抑制され、塊茎45の皮目肥大や腐敗等を抑制することが可能となる。特に、本実施形態では、角錐台状(四角錐台状)の育苗部11とし、当該育苗部11を連結部12により連結した状態で、塊茎45を成長させるようにしている。このような構成とすることで、互いに隣り合う育苗部11の間にV字状の溝が形成されることとなり、当該溝によって、ストロン44や塊茎45が養液70に浸漬してしまうのをより確実に抑制することができるようになる。また、互いに連結させた連結部12も、ストロン44や塊茎45が養液70に浸漬してしまうのを抑制する部材として機能させることができる。
また、本実施形態では、育苗部11の側部11cが遮光性を有している。そのため、栽培容器50による水耕栽培時に、育苗部11の中空部11fに収納した栄養体41に光が照射してしまうのをより確実に抑制することができる。また、育苗ポット20から取り出し、植物育成装置10を連結する際や、栽培容器50へ定植する際に、栄養体41に光が照射されてしまうのを抑制することができるという利点もある。
また、本実施形態では、育苗部11の側部11cが不透水性を有している。そのため、ストロン44や塊茎45が養液70に浸漬してしまうのをより確実に抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、育苗部や栽培容器の形状、植物の配置方法等は適宜に設定することが可能である。
また、上記実施形態では、育苗部を用いて水耕栽培前の育苗を行う工程では、育苗部を単独で用いて育苗したもの、すなわち、1つの育苗ポットに1つの植物育成装置を埋設して育苗を行ったものを例示したが、これに限られるものではない。例えば、1つの育苗ポットに複数の植物育成装置を埋設させるようにして育苗を行うようにしてもよい。このとき、複数の植物育成装置を連結させた状態で埋設させてもよいし、連結させずに埋設させてもよい。
また、上記実施形態では、複数の育苗部を直線状に連結させた状態で栽培容器に定植させたものを例示したが、複数の育苗部を平面状に連結させた状態で栽培容器に定植させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、植物としてジャガイモを例示したが、地上部で合成した養分を地下部に蓄積する植物であれば本発明を実施できる。
また、連結部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
10 植物育成装置
11 育苗部
11a 頂部開口部
11b 底部開口部
11c 側部
11d 頂部
11e 底部
12 連結部
40 植物
43 茎
A 地上部
B 地下部

Claims (5)

  1. 地上部で合成した養分を地下部に蓄積する植物を育成する植物育成装置であって、
    底部に形成された底部開口部と、頂部に形成された頂部開口部と、前記底部から前記頂部に向かうにつれて径が小さくなる側部と、を有する育苗部と、
    前記育苗部の前記側部に設けられた連結部と、
    を備え、
    前記頂部開口部は、前記植物の成長した茎が挿通されるものであり、
    前記頂部開口部のサイズが、前記植物の成長した茎とほぼ同一のサイズであることを特徴とする植物育成装置。
  2. 前記頂部開口部は、前記植物の成長した茎が複数挿通されるものであり、当該茎の伸長方向を矯正する機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の植物育成装置。
  3. 前記育苗部の側部が遮光性を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の植物育成装置。
  4. 前記育苗部の側部が不透水性を有していることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の植物育成装置。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の植物育成装置を用いた植物育成方法であって、
    前記育苗部を用いて水耕栽培前の育苗を行う工程と、
    複数の前記育苗部を隣接する前記連結部で連結して水耕栽培を行う工程と、
    を有することを特徴とする植物育成方法。
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