JP2014205984A - 階段及び階段用コンクリートブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】 蹴込み寸法を確保した形状を有しており、作業員の経験や熟練度に左右されず、狭小地での施工に対応し易く、施工に掛かる期間が短縮可能な階段及びその階段用のコンクリートブロックを提供する。【解決手段】 屋外の地盤の上に設けられる階段S1であって、雛壇状に配列された複数のコンクリートブロック10を備え、コンクリートブロック10のそれぞれは、矩形平板状の基部11と、基部の一辺から、基部に対し直角に立ち上がって広がる矩形板状の蹴上げ形成部12と、蹴上げ形成部の、基部に続く辺とは反対側の辺から基部と同じ向きに広がった矩形平板状であり、蹴上げ形成部から先端までの長さが、基部における蹴上げ形成部から先端までの長さよりも短い踏面前縁形成部13とを有し、複数のコンクリートブロック10のそれぞれは、踏面前縁形成部13の上面が、隣接するコンクリートブロックの基部11の上面と共通の平面を成す。【選択図】図1

Description

本発明は、階段及び階段用コンクリートブロックに関し、特に屋外の地盤の上に設けられる階段及び階段用コンクリートブロックに関する。
屋外の階段、例えば階下である道路や駐車場から階上である建物の玄関まで至る通路等に設けられる、いわゆる外構の階段は、屋外における耐久性を確保するため、建築コンクリートブロック(空洞コンクリートブロックともいう)又は現場打ちのコンクリートで形成されることが多い。
階段の各段に見られる構造として、蹴込み(蹴込み寸法、又は鼻の出寸法)を有する構造、すなわち蹴込み板に相当する部分が奥まった位置に配置される構造がある。特に建物の玄関などに至る階段などは、建物の外観に対する印象にも影響を与えることから、階段を上りやすくするとともに、立体感を強調して重厚感を高める目的からも、蹴込み寸法を有する構造に対する要望が高い。
屋外の階段を施工する施工法には、例えば、建築コンクリートブロックを階段状つまり雛壇状に並べて造成する方法、又はコンクリートを地盤の上に階段状つまり雛壇状に打設する方法がある。しかし、建築コンクリートブロックによる造成又はコンクリートの打設のみでは、蹴込み寸法(又は鼻の出寸法)を有する構造を形成することが困難である。そこで、造成した建築コンクリートブロック又は打設したコンクリートの各段の上に例えばコンクリート製や石材製の化粧板を載せ、化粧板の前縁側、すなわち階下側の縁部分を、段の垂直面よりも突出させて配設することが行われる。化粧板の突出した部分によって、各段の蹴込み寸法(又は鼻の出寸法)が形成されることとなる。
この方法で用いられる化粧板は、突出した部分が積載荷重や物品の落下・衝突等の衝撃によって折れたりしない程度の厚みを有しており、したがってその厚みに伴う重量も有している。このため、階段の施工において、打設したコンクリートの硬化が十分でないときに上記の化粧板を上に載せると、化粧板の重量によってコンクリートが変形するおそれがある。特に、コンクリートの変形によって、この化粧板は、段の垂直面よりも突出した手前側が下に沈み込む向きに傾く可能性が高い。このような事態を防止するため、階段の施工において、コンクリートを打設した後は、コンクリートの硬化が十分に保障できる程度の余裕を見た養生期間を経てからでないと、化粧板を据え付けることができない。特に、階段を形成する程度の大量のコンクリートを打設した場合には硬化までの期間が長期化するため、階段全体の施工期間が長期化し、しかもこの期間は階段を使用することができない事態となる。
そこで、予めコの字状に成型しておいたコンクリート製のブロックを階段状に並べて設置することによって階段を施工する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に示されたコンクリート製のブロックは、断面がコの字を有しており、階段下地へ据え付ける水平方向の据付部と、この据付部と平行する踏板部とが、後側で垂直方向の連結部により結合されている。コ字状のブロックを並べることによって、蹴込み寸法(又は鼻の出寸法)を有する段が形成される。
実用新案登録第3086659号公報
特許文献1に示されたコンクリート製のブロックを用いると、各段に蹴込み寸法を有する階段が施工できる。しかしながら、コンクリート製のブロックを用いる場合には、コンクリートを階段状に打設する場合に比べて、各段の結合度が低下しやすい傾向がある。
階段の各段における踏面を見た場合、階段を上り下りする人の足から受ける荷重の最大値は、踏面の手前側(すなわち階下側)の縁に掛かることが多い。特許文献1に示す断面コ字状のブロックを並べて形成した階段の場合、荷重の最大値は、水平に広がる踏板部のうち、垂直方向に広がる連結部から最も離れた、先端縁部分に掛かることとなる。この場合、踏面の手前の縁部分に最大荷重を受けたブロックは、荷重を受けた部分が局所的に沈む向きに傾くおそれ、つまり、水平方向の据付部内の線を回転中心として手前側部分が下がるように回転するおそれがある。このようなブロックの回転を防ぐためには、ブロックが載る下地部分を、ブロックの手前側が局所的な荷重によって沈まないよう、十分な余裕を持って硬化させる必要がある。この結果、ブロックを用いるにも拘わらず、施工に掛かる期間が短縮できない。なお、ブロックの手前側が沈み、踏面が傾く可能性は、先に説明した、建築コンクリートブロックを階段状に並べ、この各段の上に例えばコンクリート製や石材製の化粧板を載せた構成でも生じる。また、建築コンクリートブロックを用いた施工方法では、その基礎構造(コンクリート厚、幅、配筋の配置等)施工における作業員の経験、熟練度によって品質にばらつき生じやすい。
また、コ字状のブロックを用いる方法では階段を各段ごとに施工できる反面、当然ながら、施工は最低限ブロックの単位で行う必要がある。ここで、特許文献1に示す断面コ字状のブロックにおいて、踏板部が連結部から延びる長さ、すなわち据付部連結部から延びる長さは、階段の仕様である踏面寸法に合わせたものとする必要がある。また、踏板部は、踏板部に掛かる積載荷重や物品の落下・衝突等の衝撃によって折れたりしない程度の厚みを有する必要がある。このような寸法を有する特許文献1のブロックは、ブロックの長さ(階段でいうところの階段有効幅に対応するブロックの長さ)当たりの重量が重く、運搬や据付が容易でない。例えば、ブロックの長さ(階段における幅に相当)を、一般的なプレキャストコンクリート製品の単位寸法(例えば300mm)とした場合の重量は、作業員が運搬できないほど重い。この結果、施工にはクレーンやパワーショベル等の重機を用いる必要がある。このため施工可能な場所が限定される。また、重機を導入することで、施工にはかえって時間が掛かることとなる。また、ブロックの長さを短くした場合には、一つの段に並べるブロックの個数が増加することとなるため、施工期間の短縮が図れない。したがって、ブロックを用いて階段を施工する方法においては、工期を短縮するため、ブロックの単位寸法当たりの重量を少しでも軽量化することも求められていた。
本発明の課題は、蹴込み寸法を確保しつつ施工に掛かる期間が短縮可能な階段及びその階段用のコンクリートブロックを提供することである。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされた発明であり、以下の構成を採用する。
(1) 屋外の地盤の上に設けられる階段であって、
前記階段の段数に応じた個数が雛壇状に配列された複数のコンクリートブロックを備え、
前記複数のコンクリートブロックのそれぞれは、
矩形平板状の基部と、
前記基部の一辺から、前記基部に対し直角に立ち上がって広がる矩形板状の蹴上げ形成部と、
前記蹴上げ形成部の、前記基部に続く辺とは反対側の辺から前記基部と同じ向きに広がった矩形平板状であり、前記蹴上げ形成部から先端までの長さが、前記基部における前記蹴上げ形成部から先端までの長さよりも短い踏面前縁形成部と
を有し、
前記踏面前縁形成部を前記基部の上に配置した姿勢で配置されるとともに、当該姿勢における前記踏面前縁形成部の上面が、隣接する前記コンクリートブロックの前記基部の上面と共通の平面を成す位置に配置されたことを特徴とする階段。
(1)における階段に備えられるコンクリートブロックは、矩形平板状の基部と、基部に対し直角に立ち上がった矩形平板状の蹴上げ形成部と、蹴上げ形成部から基部と同じ向きに広がった矩形平板状の踏面前縁形成部とを備える。したがって、このコンクリートブロックが複数個雛壇状に配列されて構築される階段の各段には、踏面前縁形成部によって、蹴込み寸法が確保される。すなわち、蹴込み板に相当する蹴上げ形成部が、踏面の前端よりも奥まった位置に引っ込んだ構造が形成される。このコンクリートブロックは、最上部分である踏面前縁形成部における蹴上げ形成部から先端までの長さが、基部における前記蹴上げ形成部から先端までの長さよりも短い。しかしながら、(1)における階段では、コンクリートブロックの踏面前縁形成部の上面が、隣接するコンクリートブロックの基部の上面と共通の平面を成す位置に配置されている。したがって、階段の各段の踏面に相当する部分は、コンクリートブロックの踏面前縁形成部と、隣接するコンクリートブロックの基部によって形成されている。このため、階段の各段の踏面に相当する部分の十分な長さを確保しつつ、踏面前縁形成部における長さを短縮することができる。したがって、コンクリートブロックの単位寸法当たりの重量が軽量化している。また、1つの踏面に受ける荷重は、2つのコンクリートブロックによって分担される。
ここで、人が階段を上り下りする場合、階段を上り下りする人の足から受ける荷重は、踏面の手前側(すなわち階下側)の縁部分の方が、奥部分よりも大きい傾向が強い。これに対し、(1)における階段では、踏面の手前側(すなわち階下側)の縁に掛かる荷重は、コンクリートブロックにおける踏面前縁形成部、特に踏面前縁形成部の、蹴上げ形成部から延びた先の縁付近に掛かる。コンクリートブロックの踏面前縁形成部における蹴上げ形成部から先端までの長さは、基部における蹴上げ形成部から先端までの長さよりも短いことから、踏面前縁形成部における先端部分は、基部の中央寄り部分の真上に位置している。このため、踏面前縁形成部における先端部分に掛かった荷重は、平板状の基部の一部でなく、基部の面全体で支えられることなる。したがって、踏面の手前側の縁部分に掛かる大きな荷重によって基部の一部が沈み込むことが抑えられ、荷重が基部全体で支えられる。基部の一部が局所的に沈み込む事態が抑えられる分、コンクリートブロックが載る下地の硬化期間は短く設定することが可能である。このように、(1)の階段は、コンクリートブロック自体の重量が軽量化することによって施工時における運搬及び据付けが容易になるので、階段の工期を短縮させることができ、重機の使用を必要としないので狭小地での施工も容易となる。さらに、変形に対する強度を確保しつつ、下地の硬化期間を短く設定することができるので、工期を短縮することができる。したがって、(1)の階段によれば、蹴込み寸法を確保しつつ施工に掛かる期間の短縮が可能である。また、(1)のコンクリートブロックを使用することで、建築コンクリートブロックを使用する場合と比べて、施工が容易になり、品質のばらつきも低減される。
なお、本発明において「直角」及び「平行」とは、厳密な直角のみならず、実質的な直角及び実質的な平行も含むものとする。コンクリートブロックの製造においては、コンクリート型から硬化したコンクリートを取り出しやすくするため、勾配を設けることが一般的である。したがって、本発明において「直角」及び「平行」の角度は、特に指定しない限り−5%以上+5%以下の範囲を含むものである。
(2) 前記踏面前縁形成部における前記蹴上げ形成部から先端までの長さが、前記基部における前記蹴上げ形成部から先端までの長さの1/4以上3/4以下であることを特徴とする(1)の階段。
階段を上り下りする人の足から受ける最大荷重が掛かりやすい踏面前縁形成部の先端部分は、基部の中央、すなわち基部の、蹴上げ形成部から先端までの距離の1/2の位置の上にあることが理想的である。しかし、踏面前縁形成部の先端部分が、基部における蹴上げ形成部から中央までの中間点すなわち1/4よりも中央寄りであり、かつ、基部における中央から先端までの中間点すなわち3/4よりも中央寄りであれば、上記最大荷重に対するブロックの一部分の局所的な沈み込みの抑制効果が高い。したがって、(2)の構成によれば、コンクリートブロックが載る下地の硬化期間をより短く設定することができ、施工に掛かる期間が短縮される。
(3) 前記蹴上げ形成部は、前記基部との間に面取り部を有し、前記踏面前縁形成部との間に断面直角の峰を成したものであることを特徴とする(1)又は(2)の階段。
階段の施工において、コンクリートブロックは、例えば粒状体又は粉状体である砕石やモルタル等の下地の上に載せられる。(3)の構成によれば、コンクリートブロックを載せた後、コンクリートブロックの位置及び姿勢を調整する際に、粒状体又は粉状体を基部の面取り部から挿入しやすいので精密な位置の調整が行いやすい。この一方、踏面前縁形成部と蹴上げ形成部との間には面取り部が無く断面直角の峰を成しているので、隣のコンクリートブロックの基部との間に生じる隙間を最小限にすることができる。
(4) 前記踏面前縁形成部を前記基部の上に配置するとともに前記基部の下面を水平にした姿勢における前記基部の上面は、前記踏面前縁形成部の上面と同じ勾配で、前記基部の先端に向かって下向きに傾斜していることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1の階段。
(4)の構成によれば、各段を水平に整えた下地の上に複数のコンクリートブロックを載せることによって、一つのコンクリートブロックの踏面前縁形成部と隣接するコンクリートブロックの基部の上面とが、連続した勾配を有する1つの踏面を形成する。この勾配によって、踏面上の水等が、基部の上から踏面前縁形成部の上を経て手前側に排水される。
(5) 前記コンクリートブロックにおける上向きの面を覆った平板状の覆い板部を有する、前記階段の各段ごとに設けられた複数の覆い部材をさらに備え、
前記覆い板部は、一部分が、一つのコンクリートブロックの踏面前縁形成部の上部に固着され、残りの部分が、上記一つのコンクリートブロックと隣接するコンクリートブロックの基部の上部に固着されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1の階段。
(5)の構成によれば、覆い板部が、互いに隣接する2つのコンクリートブロックの上に亘って配置され、これら2つのコンクリートブロックと固着された状態となる。したがって、階段を上り下りする人の荷重が、覆い板部を介して2つのコンクリートブロックに分散されるとともに、この覆い板部によって、2つのコンクリートブロックが強固に固定される。したがって、基部の一部が局所的に沈み込む事態がさらに確実に抑えられる。
(6) 屋外の地盤の上に設けられる階段を構成するため、前記階段の段数に応じた個数が雛壇状に配列される階段用コンクリートブロックであって、
前記階段用コンクリートブロックは、
矩形平板状の基部と、
前記基部の一辺から、前記基部に対し直角に立ち上がって広がる矩形板状の蹴上げ形成部と、
前記蹴上げ形成部の、前記基部に続く辺とは反対側の辺から前記基部と同じ向きに広がった矩形平板状であり、前記蹴上げ形成部から先端までの長さが、前記基部における前記蹴上げ形成部から先端までの長さよりも短い踏面前縁形成部と
を有し、
前記踏面前縁形成部を前記基部の上に配置した姿勢で前記階段の段数に応じた個数配列された状態で、前記踏面前縁形成部の上面が、隣接するコンクリートブロックの前記基部の上面と共通の平面を成す位置に配置されることを特徴とする階段用コンクリートブロック。
(6)の階段用コンクリートブロックによれば、重量が軽量化して運搬及び据付けが容易になり、階段の施工工期の短縮に貢献するとともに、階段全体としての強度を確保しつつ、施工の際に下地の硬化期間を短く設定することができるので、工期を短縮することができる。したがって、(6)の階段用コンクリートブロックによれば、階段の蹴込み寸法を確保しつつ階段の施工に掛かる期間が短縮できる。また作業員の経験、熟練度に左右されない成果品が築造できる。
本発明によれば、蹴込み寸法を確保しつつ施工に掛かる期間が短縮された階段及びその階段用のコンクリートブロックを提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る階段の構造を模式的に示す断面図である。 図1に示す階段に備えられる階段用のコンクリートブロック10の外観を示す斜視図である。 図2に示すコンクリートブロックの外観を示す投影図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)は平面図、そして、(E)は底面図である。 人の足から受ける荷重の影響を説明する断面図である。 本発明の第2実施形態に係る階段の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る階段の構造を模式的に示す断面図である。 図6に示すコンクリートブロックの外観を示す投影図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)は平面図、そして、(E)は底面図である。
以下、本発明の実施形態に係る階段について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る階段の構造を模式的に示す断面図である。
図1に示す階段S1は、屋外の地盤Gの上に設けられる外構階段である。階段S1は、例えば道路や駐車場である階下Dから、例えば建物の玄関である階上Uまで至る通路等に設けられる。
階段S1は、コンクリート製であり、具体的には、雛壇状に配列された複数の階段用のコンクリートブロック10(10A〜10D)を備えている。コンクリートブロック10は、階段S1の段数に応じた個数配置されており、下地施工された地盤Gの上に据え付けられている。コンクリートブロック10は、本発明における階段用コンクリートブロックの一例である。図1に示す複数のコンクリートブロック10は、いずれも互いに同一形状を有している。そこでまず、コンクリートブロック10について説明する。
図2は、図1に示す階段に備えられる階段用のコンクリートブロック10の外観を示す斜視図である。また、図3は、図2に示すコンクリートブロック10の外観を示す投影図である。図3の(A)はコンクリートブロック10の正面図であり、(B)は右側面図である。また、図3の(C)は背面図であり、(D)は平面図であり、(E)は底面図である。
図2および図3に示すコンクリートブロック10は、コンクリート製であり、より詳細には、階段S1(図1参照)を施工する前に予めコンクリート型を用いて成型したプレキャストコンクリート製である。コンクリートブロック10の内部には、コンクリートブロック10の構造を支持するための鉄筋が配置されているが、内部構造である鉄筋については図示及び説明を省略する。
コンクリートブロック10は、断面及び側面視において「J」字状となる概略形状を有しており、階段S1(図1参照)を構成する段階では、図1〜3に示すように「J」字(またはその鏡文字)が横向きに回転した姿勢の概略形状を有する。以降、図1,2、および図3の(B)における上下方向を、コンクリートブロック10における上下方向として説明を続ける。
コンクリートブロック10は、大まかに3つの部分を備えている。具体的には、コンクリートブロック10は、基部11と、蹴上げ形成部12と、踏面前縁形成部13とを備えている。基部11は、矩形平板状であり、下地施工された地盤G(図1参照)の上に据え付けられる部分である。蹴上げ形成部12は、基部に対し直角に立ち上がって広がる矩形板状の部分である。踏面前縁形成部13は、矩形板状である蹴上げ形成部12の、基部11に続く辺とは反対側の辺から基部11と同じ向きに広がった矩形平板状の部分である。つまり、踏面前縁形成部13は、基部11と対向配置されている。
踏面前縁形成部13における、蹴上げ形成部12から先端13eまでの長さL1(図3の(B)参照)によって、階段S1(図1参照)における蹴込み寸法が確保される。すなわち、踏面前縁形成部13の先端13eよりも、蹴上げ形成部12が階上側に奥まった構造が形成される。また、踏面前縁形成部13における、蹴上げ形成部12から先端13eまでの長さL1、すなわち蹴上げ形成部12の背面12fから踏面前縁形成部13の先端13eまでの長さL1は、基部11における、蹴上げ形成部12から先端11eまでの長さL2、すなわち蹴上げ形成部12の背面12fから基部11の先端11eまでの長さL2よりも短い。この寸法の差異により、コンクリートブロック10の概略形状は、「コ」字状や「U」字状ではなく、「J」字状となっている。コンクリートブロック10の各部の寸法としては、階段S1を構成可能な範囲の種々の寸法を取り得る。ただし、後に説明する荷重バランスの観点から、蹴上げ形成部12から先端13eまでの長さL1は、好ましくは、基部11における、蹴上げ形成部12から先端11eまでの長さL2の1/4以上、3/4以下の範囲内の長さである。なお、上述した長さL1,L2は、階段S1の平面視において階段S1の階下D部分から階上U部分に向かう方向における長さである。
踏面前縁形成部13は、基部11と対向配置されているが、踏面前縁形成部13及び基部11のそれぞれの上面13t,11tには勾配が設けられている。すなわち、図2、及び図3の(A)〜(C)に示すように、踏面前縁形成部13を基部11の上に配置するとともに基部11の下面11bを水平にしたコンクリートブロック10の姿勢において、基部11の上面11tは、基部11の先端11eに向かって下向きに傾斜している。つまり、基部11は、踏面前縁形成部13から先端に向かって厚みが漸減する形状となっている。そして、基部11の上面11tは、踏面前縁形成部13の上面13tと同じ勾配を有している。基部11の上面11tの勾配と、踏面前縁形成部13の上面13tの勾配は、階段S1(図1参照)における水捌けと、人が上り下りするときの水平間隔により設定されるものであり、0.5%以上3%以下の範囲であることが好ましい。また、基部11及び踏面前縁形成部13の双方が、踏面前縁形成部13から先端に向かって厚みが漸減する形状を有することにより、コンクリートブロック10を製造する際に型から取り出しやすい。なお、基部11の上面11tと、踏面前縁形成部13の上面13tとは、滑り止め及び美観を向上するためブラスト加工による粗面化処理がなされている。ただし、仕様に応じて、粗面化は省略される場合もある。
「J」字状であるコンクリートブロック10の外側面において、蹴上げ形成部12は、基部11との間に面取り部12mを有している一方、踏面前縁形成部13との間に断面直角の峰12sを成している。すなわち、コンクリートブロック10の外側において、蹴上げ形成部12と基部11とが繋がる部分には、面取り部12mの斜面が設けられている。これに対し、コンクリートブロック10の外側において、蹴上げ形成部12と踏面前縁形成部13とが繋がる部分は、面取り部が形成されていない。また、基部11の蹴上げ形成部12から延びた先端11eの面と、蹴上げ形成部12における基部11とは反対側を向いた背面12fとは平行に形成されている。より詳細には、蹴上げ形成部12の背面12fは、基部11の下面11bに対し垂直であり、基部11の先端11eの面もまた、基部11の下面11bに対し垂直である。
ここで、再び図1も参照して、階段S1におけるコンクリートブロック10について説明する。図1に示す4つのコンクリートブロック10のそれぞれは、いずれも上述した構成を有しており、また、隣接するコンクリートブロックとは同様の配置関係を有しているが、それぞれの位置を区別するため10A〜10Dの符号が付されている。
図1に示す階段S1を施工する方法としては、まず、コンクリートブロック10を載せる地盤Gの下処理を行う。例えば、地盤の上に、大きさがC−40程度の砕石に代表される小石を敷設し段の高さを調整して、硬化剤を小石の間に充填するように配置する。硬化剤は、例えば空練モルタルであるが、モルタル以外にも例えば樹脂であってもよい。また、小石と硬化剤は予め混合してから敷設しても良い。次に、敷設した小石の上に散水し最下段のコンクリートブロック10Aを運んできて載せ、位置を調整する。なお、樹脂の場合散水は不要である。硬化剤が水と反応することで、コンクリートブロック10Aの下にある小石を含んだ地盤Gが硬化していく。同様の作業を階上Uに向かって繰り返しながら、コンクリートブロック10A〜10Dを雛壇状に配列していくことによって、図1に示す階段S1が完成する。
図1に示す階段S1において、コンクリートブロック10A〜10Dのそれぞれは、踏面前縁形成部13を基部11の上にした姿勢で配置されている。ここで、一例として最下段のコンクリートブロック10Aと、これに隣接するコンクリートブロック10Bに着目すると、これらのコンクリートブロック10A,10Bは、コンクリートブロック10Bの基部11の先端11eの面が、コンクリートブロック10Aの蹴上げ形成部12の背面12fに突き当てられるように配置されている。また、コンクリートブロック10A,10Bは、コンクリートブロック10Bの基部11の先にコンクリートブロック10Aの踏面前縁形成部13が延伸したように配置されている。さらに、コンクリートブロック10Bの基部11の先端11eの面と、コンクリートブロック10Aの蹴上げ形成部12の背面12fが対向する部分では、これらの上端が同じ高さに配置されている。すなわち、コンクリートブロック10Bの基部11の先端11eの面と、コンクリートブロック10Aの蹴上げ形成部12の背面12fが対向する部分では、コンクリートブロック10Aの踏面前縁形成部13の上面13tが、隣接するコンクリートブロック10Bの基部11の上面11tと同じ高さに位置している。つまり、コンクリートブロック10Aの踏面前縁形成部13の上面13tは、隣接するコンクリートブロック10Bの基部11の上面11tと共通の平面を成す位置(いわゆる面一)に配置される。ここで、この共通の平面は、踏面F1を形成している。この結果、階段S1の1つの段の踏面F1は、コンクリートブロック10Aの踏面前縁形成部13と、隣接するコンクリートブロック10Bの基部11によって形成されている。このため、本実施形態に係るコンクリートブロック10は、階段の各段の踏面F1の十分な長さを確保しつつ、踏面前縁形成部13における長さL1(図3参照)を短縮することができる。そしてこのことにより、コンクリートブロック10の単位寸法当たりの重量が軽量化している。また、1つの踏面F1に受ける荷重は、2つのコンクリートブロック10A,10Bによって分担される。したがって、コンクリートブロック10A,10Bのそれぞれが分担する荷重は半減するため、地盤の強度が不十分な状態における、コンクリートブロック10A,10Bの沈み込みが抑えられる。なお、2つのコンクリートブロック10A,10Bの位置関係は、残りのコンクリートブロック10B〜10Dについても同様である。
図1に示す階段S1において、荷重が2つのコンクリートブロック10A,10Bによって分担されるのは、階段S1を上り下りする人の足が踏面F1の中央寄りの領域にある場合である。ただし、階段S1を上り下りする人の足から受ける荷重は、踏面F1における手前側(すなわち階下D側)の縁部分の方が、奥部分(すなわち階上U側)よりも大きい傾向が強い。
図4は、人の足から受ける荷重の影響を説明する断面図である。図4の(A)は、図1に示した階段S1の一部分であり、図4の(B)は、参考としての比較例である。
図4の(B)に示す比較例では、階段を構成するコンクリートブロック90A,90Bの基部91と、本実施形態でいう踏面前縁形成部13に相当する上面部93とが、同じ長さを有している。つまり、比較例におけるコンクリートブロック90A,90Bは、「U」字状のコンクリートブロックである。比較例におけるコンクリートブロック90A,90Bは、基部91の長さと上面部93の長さが同じであるため、各段の踏面F9が1つのコンクリートブロック90Aのみによって形成されている。このため、2つのコンクリートブロック90A,90Bによる荷重の分担がない。また、図の(B)に示すように、踏面における手前側(すなわち階下側)の縁部分に大きな荷重が掛かった場合、この荷重の力は、地盤に対してコンクリートブロック90Aの荷重を支える基部91の手前側の先端部分に及ぶこととなる。基部91の先端部分に荷重を受けたコンクリートブロック90Aは、荷重を受けた部分だけが局所的に沈む向きに傾くおそれ、つまり、基部91に含まれる軸線を回転中心として手前側部分が下がるように回転するおそれがある。このようなコンクリートブロック90Aの回転を防ぐためには、コンクリートブロック90Aが載る下地部分を、コンクリートブロック90Aの手前側が局所的な荷重によって沈まないよう、十分な余裕を持って硬化させる必要がある。この結果、コンクリートブロック90Aを用いるにも拘わらず、階段の施工に掛かる期間は長期に及ぶこととなってしまう。
これに対し、図4の(A)に一部を示す階段S1では、踏面F1の手前側(すなわち階下側)の縁に掛かる荷重は、コンクリートブロック10Aにおける踏面前縁形成部13、特に踏面前縁形成部13の、蹴上げ形成部12から延びた先端13eの縁の付近に掛かる。ここで、コンクリートブロック10Aの踏面前縁形成部13における蹴上げ形成部12から先端13eまでの長さL1(図3参照)は、基部11における蹴上げ形成部12から先端11eまでの長さL2(図3参照)よりも短いことから、踏面前縁形成部13における先端部分は、基部11の中央寄り部分の真上に位置している。このため、踏面前縁形成部13における先端部分に掛かった荷重は、平板状の基部11の一部でなく基部11の面全体で支えられることなる。したがって、踏面F1の手前側の縁部分に掛かる大きな荷重によって基部11の一部が沈み込もうとせず、荷重が基部11の全体で支えられる。基部11の一部が局所的に沈み込む事態が抑えられるため、コンクリートブロック10Aが載る下地の硬化期間は相対的に短く設定することが可能である。ここで、階段を上り下りする人の足から受ける最大荷重が掛かりやすい踏面前縁形成部13の先端部分は、基部11の中央C(図3の(B)参照)、すなわち基部11の、蹴上げ形成部12から先端11eまでの距離の1/2の位置の上にあることが理想的である。しかし、踏面前縁形成部13の先端13eの部分が、基部11における蹴上げ形成部12から中央Cまでの中間点すなわち1/4よりも中央寄りであり、かつ、基部11における中央Cから先端までの中間点すなわち3/4よりも中央寄りであれば、上記の最大荷重に対するコンクリートブロック10Aの一部分の局所的な沈み込みの抑制効果が高い。
また、図4の(A)と(B)に対比して示されるように、本実施形態に係るコンクリートブロック10A,10Bについて、踏面F1は、コンクリートブロック10Aの踏面前縁形成部13と、隣接するコンクリートブロック10Bの基部11によって形成されているこのため、踏面前縁形成部13における長さが、比較例のコンクリートブロック90A,90Bと比較して短い。したがって、本実施形態に係るコンクリートブロック10A,10Bは、重量が軽量化することによって施工時における運搬及び据付けが容易になる。通常の階段において、踏面F1,F9の踏面寸法Dと、蹴上げ寸法Hの間には、
2H + D =600mm
の目安基準があり、コンクリートブロックもこの基準に沿った寸法を有することが求められる。例えば、コンクリートブロック10の基部11における、蹴上げ形成部12から先端11eまでの長さL2(図3の(B)参照)を300mmとし、コンクリートブロック10の長さ(階段における幅に相当)を、一般的なプレキャストコンクリート製品の単位寸法である300mmとした場合の重量は、作業員が人手で運搬できる範囲に収めることができる。本実施形態の階段S1によれば、施工時における運搬及び据付けが容易になることで、工期を短縮させることができ、狭小地での施工、現場の状況に応じた改変も容易である。さらに、変形に対する強度を確保しつつ、下地の硬化期間を短く設定することができるので、工期を短縮することができる。
再び図1を参照して、階段S1におけるコンクリートブロック10A〜10Dについて説明する。階段S1の踏面F1は、コンクリートブロック10Aの踏面前縁形成部13と、隣接するコンクリートブロック10Bの基部11によって形成されている。ここで、図3を参照して説明したように、基部11の下面11bを水平にした姿勢で、基部11の上面11tは、基部11の先端11eに向かって下向きに傾斜している。また、基部11の上面11tは、踏面前縁形成部13の上面13tと同じ勾配を有している。そして、基部11の上面11tは、基部11の先端11eに向かって下向きに傾斜している。したがって、コンクリートブロック10A,10Bは、それぞれの基部11の下面11bが水平になるように設置された場合、コンクリートブロック10Aの踏面前縁形成部13の上面13tと、コンクリートブロック10Bの踏面前縁形成部13の上面13tによって、連続した勾配を有する踏面F1が形成されることとなる。この踏面F1は、階下Dに向かって下向きに傾斜しているので、上部の水等が踏面F1に滞留することなく、階下Dに排水される。この踏面F1の傾斜は、コンクリートブロック10A,10Bが載る下地を、傾斜させるように調整整地するのではなく、単に水平となるように整地することによって実現する。したがって、下地の整地において特定の傾斜を形成する必要が無いため、施工が容易である。
また、図3に示すように、コンクリートブロック10の外側において、蹴上げ形成部12と踏面前縁形成部13とが繋がる部分は、面取り部が形成されておらず、断面直角の峰12sを成している。また、基部11の蹴上げ形成部12から延びた先端11eの面と、蹴上げ形成部12における基部11とは反対側を向いた背面12fとは平行に形成されている。このため、コンクリートブロック10Aの蹴上げ形成部12と、隣接するコンクリートブロック10Bの基部11との間の溝や隙間が小さくできるので、溝にモルタル等を充填する必要がない。また、踏面F1の継ぎ目が細いので、美観にも優れる。
この一方で、コンクリートブロック10の外側において、基部11と踏面前縁形成部13とが繋がる部分は、面取り部12m(図3参照)が形成されている。階段S1の施工において、コンクリートブロック10Aは、粒状体及び粉状体である砕石及びモルタルからなる下地の上に載せられる。コンクリートブロック10Aを載せた後、コンクリートブロック10Aの位置及び姿勢を調整する際に、粒状体や粉状体を基部の面取り部12m(図3参照)から挿入しやすいので精密な位置の調整が行いやすい。
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、コンクリートブロック10が階段S1の踏面に露出した形態を説明したが、本発明の階段は、コンクリートブロックの上を別の部材で覆った構造であってもよい。続いて、コンクリートブロックの上が別の部材で覆われた第2実施形態の階段について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る階段の構造を模式的に示す断面図である。
本実施形態の階段S2は、図1を参照して説明した第1実施形態の階段S1に対し、覆い部材をさらに備えた点が異なり、他の点は、第1実施形態の階段S1と同様である。したがって、第1実施形態と共通の要素には第1実施形態と同じ符号を付すか又は符号を省略し、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
図5に示す階段S2は、コンクリートブロック10(10A〜10D)に加え、階段S2の各段ごとに設けられた複数の覆い部材20(20A〜20D)を備えている。覆い部材20は、階段S2の外装を成す化粧板である。覆い部材20は、例えばコンクリート製であり、例えば、滑り止めや美観を高める目的で小石を混在させたカラーコンクリート製である。ただし、覆い部材20の材料としては、コンクリート以外にも、例えば天然石やタイル、強化樹脂が採用可能である。
覆い部材20のそれぞれは、コンクリートブロック10における上向きの面を覆った平板状の覆い板部21を有する。より詳細には、覆い部材20のそれぞれは、覆い板部21と、段鼻覆い部22とを有する。覆う段鼻覆い部22は、コンクリートブロック10の踏面前縁形成部13の先端13eを覆う部分である。覆い板部21は矩形平板状であり、段鼻覆い部22は、覆い板部21の一辺から直角に広がった矩形平板状である。つまり、覆い部材20は、段鼻覆い部22と覆い板部21とからなる「L」字状の部材である。覆い部材20は、コンクリートブロック10と対向する部分が、接着剤としての図示しないモルタルを介して、コンクリートブロック10に全面的に固着している。
覆い部材20の覆い板部21は、第1実施形態の階段S1にいう各段の踏面を覆っており、本実施形態における階段S2の踏面F2を成している。ここで、複数のコンクリートブロック10のうち、一つのコンクリートブロック10Aに着目すると、覆い板部21の一部は、このコンクリートブロック10Aの踏面前縁形成部13の上部に固着されており、覆い板部21の残りの部分は、コンクリートブロック10Aと隣接するコンクリートブロック10Bの基部11の上部に固着されている。つまり覆い板部21が、互いに隣接する2つのコンクリートブロック10A,10Bの上に亘って配置され、これら2つのコンクリートブロック10A,10Bと固着された状態となる。したがって、階段を上り下りする人の荷重は、覆い板部21を介して2つのコンクリートブロック10A,10Bに分散される。またさらに、この覆い板部21によって、2つのコンクリートブロック10A,10Bが互いに強固に固定される。このため、本実施形態の階段S2によれば、コンクリートブロック10A,10Bの一部が荷重によって局所的に沈み込む事態がさらに確実に抑えられる。本実施形態における他のコンクリートブロック10B〜10Dと、その上に配置された覆い部材20の関係も、2つのコンクリートブロック10A,10Bの場合と同様である。
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記第2実施形態では、覆い部材20が覆い板部21と段鼻覆い部22とを有するものとして説明したが、例えば覆い部材は、段鼻覆い部を備えず、覆い板部のみからなる平板状の部材であっても良い。
また、上記実施形態では、コンクリートブロック10が基部11と、蹴上げ形成部12と、踏面前縁形成部13とを備えることを説明したが、本発明のコンクリートブロックは、これら以外の部分を備えたものであってもよい。続いて、照明ガードが設けられた本発明の第3実施形態について説明する。以下の実施形態では、上述した実施形態と同様の構成部分には同じ符号を付すかまたは符号を省略し、上述した実施形態との相違点を主に説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る階段の構造を模式的に示す断面図である。また、図7は、図6に示すコンクリートブロックの外観を示す投影図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)は平面図、そして、(E)は底面図である。
図6及び図7に示すコンクリートブロック30は、蹴上げ形成部12の基部11と対向する面に、照明ガード34が設けられている。照明ガード34は、形状の踏面前縁形成部13の先端13eの縁すなわち蹴上げ形成部12とは反対側の端縁から折れ曲がって、基部11に向かって突出している。照明ガード34は、階段S3の幅方向に延びた突条である。基部11、蹴上げ形成部12、踏面前縁形成部13、及び照明ガード34は一体に形成されている。
図6に示す階段S3には、照明器Lが設けられている。照明器Lは、例えばLEDである。照明器Lは、各コンクリートブロック30(30A,30B,30C,30D)の照明ガード34と、蹴上げ形成部12の間に配置されている。本実施形態では、照明器Lが、照明ガード34の、蹴上げ形成部12と対向する面に取り付けられている。
また、図6に示す階段S3では、覆い部材40(40A,40B,40C,40D)のそれぞれが、コンクリートブロック10における上向きの面を覆った平板状の覆い板41と、この覆い板41とは別体の、段鼻覆い板42とを有する。覆い板41及び段鼻覆い板42のそれぞれは矩形平板状である。覆い板41及び段鼻覆い板42のそれぞれは、例えばタイルや自然石、あるいは化粧が施されたコンクリート二次製品の平板である。そのほか、強化樹脂が採用可能である。覆い板41は、第1実施形態の階段S1にいう各段の踏面を覆っており、本実施形態における階段S3の踏面F2を成している。覆い板41の一部は、コンクリートブロック30Aの踏面前縁形成部13の上部に固着されており、覆い板41の残りの部分は、コンクリートブロック30Aと隣接するコンクリートブロック30Bの基部11の上部に固着されている。つまり覆い板41が、互いに隣接する2つのコンクリートブロック30A,30Bの上に亘って配置され、これら2つのコンクリートブロック30A,30Bと固着された状態となっている。覆い板41は、コンクリートブロック30Bの基部11の上面のうち、蹴上げ形成部12に近い奥側つまり階上側は、覆い板41に覆われておらずこの部分には玉砂利等の小石が敷かれている。コンクリートブロック30Bは、奥側部分も小石に隠れて表面に見えない。これによって、覆い板41として、標準的な踏面寸法(例えば300mm)に基づいて形成された標準品を使用することができる。段鼻覆い板42は、コンクリートブロック30の踏面前縁形成部13の先端13e、つまり格段の段鼻の正面を覆っている。
照明器Lは、踏面F2、特に、踏面F2の踏面前縁形成部13の下方にある部分を照明する。照明器Lは、踏面前縁形成部13の下面のうち、照明ガード34よりも蹴上げ形成部12の側、すなわち階上側の部分に配置されている。照明ガード34は、人の足や物が照明器Lに接触することを防止する。照明ガード34は、照明器Lの光が踏面前縁形成部13の先端13eにある段鼻覆い板42に照射されることを確実に防止する。照明器Lによって、踏面F2の踏面前縁形成部13の下方を明るく照らすと同時に、段鼻覆い板42に陰を形成することによって、強いコントラストが生じる。したがって、例えば高齢者のような視力が比較的弱い人でも各段の形状が判別しやすくなるので、階段のバリアフリー化が図られる。また階段の美観も向上する。
また、照明ガード34は、踏面前縁形成部13の先端13eの端縁から折れ曲がって、基部11に向かって延びているので、各段の段鼻の上下寸法は、照明ガード34の分、大きくなっている。このため、段鼻覆い板42の接合がより強固になる。また、足の引っ掛かりが抑えられるとともに、階段S3の重厚感が増大する。
なお、上述した実施形態では、照明器Lが照明ガード34に取り付けられている例を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。照明器Lは、踏面前縁形成部13の、基部11と対向する面に配置されてもよい。また、本発明のコンクリートブロックは、照明器に電力を供給する電線を配置させるための溝や貫通孔を備えたものであってもよい。
また、上述した実施形態では、照明器Lが取り付けられた例を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば第1実施形態、または第2実施形態で説明した構成を有するコンクリートブロックに照明器が取り付けられていてもよく、また、第3実施形態で説明した構成を有するコンクリートブロックに照明器が取り付けられていなくても良い。
また、上述した第3実施形態では、覆い部材40のそれぞれが、互いに別体の覆い板41と段鼻覆い板42とを有する例を説明したが、本発明はこれに限られない。第3実施形態で説明したコンクリートブロックを有する階段が、第2実施形態で説明した構造の覆い部材を備えていてもよい。
S1,S2,S3 階段
10,30(10A〜10D,30A〜30D) コンクリートブロック
11 基部
11t 上面
11b 下面
11e 先端
12 蹴上げ形成部
12m 面取り部
13 踏面前縁形成部
13t 上面
13e 先端
34 照明ガード
20,40 覆い部材
21 覆い板部
22 段鼻覆い部
41 覆い板
42 段鼻覆い板
F1,F2 踏面
G 地盤
L 照明器

Claims (6)

  1. 屋外の地盤の上に設けられる階段であって、
    前記階段の段数に応じた個数が雛壇状に配列された複数のコンクリートブロックを備え、
    前記複数のコンクリートブロックのそれぞれは、
    矩形平板状の基部と、
    前記基部の一辺から、前記基部に対し直角に立ち上がって広がる矩形板状の蹴上げ形成部と、
    前記蹴上げ形成部の、前記基部に続く辺とは反対側の辺から前記基部と同じ向きに広がった矩形平板状であり、前記蹴上げ形成部から先端までの長さが、前記基部における前記蹴上げ形成部から先端までの長さよりも短い踏面前縁形成部と
    を有し、
    前記踏面前縁形成部を前記基部の上に配置した姿勢で配置されるとともに、当該姿勢における前記踏面前縁形成部の上面が、隣接する前記コンクリートブロックの前記基部の上面と共通の平面を成す位置に配置されたことを特徴とする階段。
  2. 前記踏面前縁形成部における前記蹴上げ形成部から先端までの長さが、前記基部における前記蹴上げ形成部から先端までの長さの1/4以上3/4以下であることを特徴とする請求項1に記載の階段。
  3. 前記蹴上げ形成部は、前記基部との間に面取り部を有し、前記踏面前縁形成部との間に断面直角の峰を成したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の階段。
  4. 前記踏面前縁形成部を前記基部の上に配置するとともに前記基部の下面を水平にした姿勢における前記基部の上面は、前記踏面前縁形成部の上面と同じ勾配で、前記基部の先端に向かって下向きに傾斜していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の階段。
  5. 前記コンクリートブロックにおける上向きの面を覆った平板状の覆い板部を有する、前記階段の各段ごとに設けられた複数の覆い部材をさらに備え、
    前記覆い板部は、一部分が、一つのコンクリートブロックの踏面前縁形成部の上部に固着され、残りの部分が、上記一つのコンクリートブロックと隣接するコンクリートブロックの基部の上部に固着されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の階段。
  6. 屋外の地盤の上に設けられる階段を構成するため、前記階段の段数に応じた個数が雛壇状に配列される階段用コンクリートブロックであって、
    前記階段用コンクリートブロックは、
    矩形平板状の基部と、
    前記基部の一辺から、前記基部に対し直角に立ち上がって広がる矩形板状の蹴上げ形成部と、
    前記蹴上げ形成部の、前記基部に続く辺とは反対側の辺から前記基部と同じ向きに広がった矩形平板状であり、前記蹴上げ形成部から先端までの長さが、前記基部における前記蹴上げ形成部から先端までの長さよりも短い踏面前縁形成部と
    を有し、
    前記踏面前縁形成部を前記基部の上に配置した姿勢で前記階段の段数に応じた個数配列された状態で、前記踏面前縁形成部の上面が、隣接するコンクリートブロックの前記基部の上面と共通の平面を成す位置に配置されることを特徴とする階段用コンクリートブロック。
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