JP2014203425A - 電子ペンを備えた画像表示システム - Google Patents

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貴彦 折口
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秀彦 庄司
石塚 光洋
Mitsuhiro Ishizuka
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Abstract

【課題】画像表示面から離れた位置から画像表示装置への入力を行う電子ペンの使い勝手を向上する。
【解決手段】画像表示システム100は、y座標検出サブフィールドおよびx座標検出サブフィールドを発生する画像表示装置30と、y座標検出サブフィールドおよびx座標検出サブフィールドの発光を受光して位置座標を算出する電子ペン50とを備える。そして、算出した位置座標を描画に用いる検出有効領域とそれ以外の非検出領域とを設け、電子ペン50から出力される切替え信号にもとづき検出有効領域と非検出領域の大きさを変更する。
【選択図】図1

Description

本開示は、画像表示装置に文字や図画を入力する電子ペンを備えた画像表示システムに関する。
画像表示装置の画像表示面に、「電子ペン」や「ライトペン」と呼ばれるペン型のポインティングデバイスを使用して、文字や図画を手書き入力することができる機能を有するものがある。
例えば、特許文献1には、表示画面にライトペンにより直接記入し、画面表示を行う電子黒板に関する技術が開示されている。
特許文献2には、プラズマディスプレイパネル上の座標位置を光センサを用いて検出するプラズマディスプレイパネルの座標位置検出装置および座標位置検出方法が開示されている。
特開平4−141498号公報 特開2001−318765号公報
本開示は、画像表示面から離れた位置から画像表示装置への入力が可能な電子ペンを備えた画像表示システムにおいて、使い勝手を向上することを目的とする。
本開示における画像表示システムは、y座標検出サブフィールドおよびx座標検出サブフィールドを発生する画像表示装置と、受光素子を有し、y座標検出サブフィールドおよびx座標検出サブフィールドにおいて画像表示装置の画像表示領域に発生する発光を受光して位置座標を算出する電子ペンとを備え、位置座標にもとづき画像表示領域に描画を行う。この画像表示システムでは、算出した位置座標を画像表示装置における描画に用いる検出有効領域と、それ以外の非検出領域とを設ける。そして、電子ペンから出力される切替え信号にもとづき検出有効領域と非検出領域の大きさを変更する。
また、本開示における画像表示システムは、検出有効領域と非検出領域との大きさの比率にもとづき位置座標を補正し、補正後の位置座標にもとづき描画を行ってもよい。
また、本開示における画像表示システムは、補正後の位置座標が画像表示領域の全面に拡大するように補正を行ってもよい。
また、本開示における画像表示システムは、補正に用いる補正係数がリセットされるまで維持されてもよい。
また、本開示における画像表示システムは、位置座標を算出するときの基準となる座標基準信号を電子ペンが発生するための同期検出サブフィールドを画像表示装置が発生し、電子ペンは、同期検出サブフィールドにおいて画像表示領域に発生する発光にもとづき座標基準信号を発生する同期検出部を備え、同期検出部は、同期検出サブフィールドの発光を所定時間検出できないときにリセットを発生する構成であってもよい。
また、本開示における画像表示システムは、画像表示装置が、y座標検出サブフィールドとして近接用y座標検出サブフィールドと遠隔用y座標検出サブフィールドとを発生し、x座標検出サブフィールドとして近接用x座標検出サブフィールドと遠隔用x座標検出サブフィールドとを発生し、電子ペンは、近接用y座標検出サブフィールドおよび近接用x座標検出サブフィールドの少なくとも一方において画像表示領域に発生する発光にもとづき電子ペンから画像表示装置までの距離を判定する距離判定部を備え、電子ペンは、遠隔用y座標検出サブフィールドおよび遠隔用x座標検出サブフィールドにおいて画像表示領域に発生する発光にもとづき位置座標を算出するときは、距離判定部が判定の結果を切替え信号として発生する構成であってもよい。
また、本開示における画像表示システムでは、電子ペンは、遠隔用y座標検出サブフィールドおよび遠隔用x座標検出サブフィールドにおいて画像表示領域に発生する発光を画像表示装置から離れた位置で受光するための集光レンズを備えたアタッチメントを着脱可能に装着するとともに、アタッチメントが装着されたことを検出するスイッチを有し、スイッチから出力される信号にもとづき距離判定部が動作するように構成してもよい。
本開示における電子ペンおよび電子ペンを備えた画像表示システムは、画像表示面から離れた位置から画像表示装置への入力を行う際に電子ペンの使い勝手を向上するのに有効である。
本発明の実施の形態1における画像表示システムの一構成例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における画像表示装置に用いるパネルの構造の一例を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態1における画像表示装置に用いるパネルの電極配列の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1における画像表示サブフィールドにおいてパネルの各電極に印加する駆動電圧波形の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における座標検出サブフィールにおいてパネルの各電極に印加する駆動電圧波形の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における画像表示システムにおいて電子ペンを近接使用するときの位置座標検出動作の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における画像表示システムにおいて電子ペンを遠隔使用するときの位置座標検出動作の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における電子ペンおよび電子ペン用アタッチメントの外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における画像表示システムにおいて電子ペンを近接使用するときの動作の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における画像表示システムにおいて電子ペンを遠隔使用するときの動作の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における画像表示システムにおいて電子ペンによる手書き入力を行うときの動作の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における画像表示システムにおいて電子ペンをポインタとして使用するときの動作の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における電子ペンを遠隔使用しているときの電子ペンの受光範囲の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における電子ペンを遠隔使用しているときの電子ペンの受光範囲の他の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における電子ペンを遠隔使用しているときのパネルにおける検出有効領域と非検出領域の一設定例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における電子ペンを遠隔使用しているときのパネルにおける検出有効領域と非検出領域の他の設定例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態1における検出座標と表示座標との関係を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態2における画像表示システムの一構成例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態2における画像表示システムにおいて電子ペンを近接使用するときの位置座標検出動作の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態2における画像表示システムにおいて電子ペンを遠隔使用するときの位置座標検出動作の一例を概略的に示す図である。 本発明の実施の形態2における画像表示システムの他の構成例を概略的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態における電子ペンについて、図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態では、一例として、本発明の実施の形態における電子ペンを、プラズマディスプレイ装置を構成要素に含む画像表示システムに用いる構成を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100の一構成例を概略的に示す図である。
本実施の形態に示す画像表示システム100は、画像表示装置30、描画装置40、および電子ペン50を構成要素に含み、電子ペン50と描画装置40との間で無線通信を行う。図1には、1本の電子ペン50を示しているが、画像表示システム100は複数の電子ペン50を備えていてもよい。
画像表示装置30は、画像を表示するディスプレイデバイス、およびそのディスプレイデバイスを駆動する駆動回路を備えている。以下、ディスプレイデバイスとしてプラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)10を有するプラズマディスプレイ装置を画像表示装置30として用いる例を説明するが、画像表示装置30は、例えば、液晶パネル、有機ELパネル、LEDパネル等、他のディスプレイデバイスを用いたものであってもよい。
描画装置40は、受信部42と描画部46を備えている。
電子ペン50は、第1の受光素子52、第2の受光素子54、接触スイッチ53、複数(または単数)の手動スイッチ83、同期検出部56、座標算出部57、送信部58、およびアタッチメント検出スイッチ86を備えている。なお、図1には、手動スイッチ83を2つ示しているが、電子ペン50が備える手動スイッチ83は2つに限定されない。以下、第1の受光素子、第2の受光素子をそれぞれ単に「受光素子」とも記す。
また、本実施の形態における電子ペン50は、集光レンズ84を備えた電子ペン用アタッチメント(以下、単に「アタッチメント」と記す)80を着脱可能に装着することができる。
以下、まず、画像表示装置30について図1、図2、図3を用いて説明し、次に画像表示装置30で発生する駆動電圧波形について図4、図5を用いて説明し、次に電子ペン50、描画装置40について説明する。
図1に示すように、画像表示装置30は、駆動回路として、画像信号処理回路31、データ電極駆動回路32、走査電極駆動回路33、維持電極駆動回路34、タイミング発生回路35、および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。そして、これらの駆動回路によりパネル10が駆動される。
図2は、本発明の実施の形態1における画像表示装置30に用いるパネル10の構造の一例を示す分解斜視図である。
ガラス製の前面基板11上には、走査電極12と維持電極13とからなる表示電極対14が複数形成され、表示電極対14を覆うように誘電体層15が形成され、その誘電体層15上に保護層16が形成されている。前面基板11は画像が表示される画像表示面となる。
背面基板21上にはデータ電極22が複数形成され、データ電極22を覆うように誘電体層23が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁24が形成されている。隔壁24の側面および誘電体層23の表面には蛍光体層25(赤色(R)に発光する蛍光体層25R、緑色(G)に発光する蛍光体層25G、および青色(B)に発光する蛍光体層25B)が設けられている。
これら前面基板11と背面基板21とを、放電空間を挟んで表示電極対14とデータ電極22とが交差するように対向配置し、その放電空間に放電ガスを封入する。
図3は、本発明の実施の形態1における画像表示装置30に用いるパネル10の電極配列の一例を示す図である。
パネル10には、第1の方向に延長されたn本の走査電極SC1〜SCn(図2の走査電極12)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図2の維持電極13)が配列され、第1の方向に直交する第2の方向に延長されたm本のデータ電極D1〜Dm(図2のデータ電極22)が配列されている。
以下、第1の方向を行方向(または水平方向、またはライン方向、またはx座標方向)と呼称し、第2の方向を列方向(または垂直方向、またはy座標方向)と呼称する。
1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した領域に放電セルが1つ形成される。そして、互いに隣接する赤、緑、青の放電セルが一組となって1つの画素を構成する。
図1に示したように、画像信号処理回路31には、外部から入力される画像信号、描画装置40から出力される描画信号、およびタイミング発生回路35から供給されるタイミング信号が入力される。画像信号処理回路31は、画像信号と描画信号とを合成し、その合成後の信号にもとづき各放電セルに赤、緑、青の各階調値(1フィールドで表現される階調値)を設定し、各階調値を、サブフィールド毎の点灯・非点灯を示す画像データ(発光・非発光をデジタル信号の「1」、「0」に対応させたデータのこと)に変換して出力する。
タイミング発生回路35は、画像信号として送信されて来る信号から水平同期信号および垂直同期信号を分離し、その水平同期信号および垂直同期信号にもとづき、各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生する。そして、発生したタイミング信号をそれぞれの回路ブロック(データ電極駆動回路32、走査電極駆動回路33、維持電極駆動回路34、および画像信号処理回路31等)へ供給する。
データ電極駆動回路32は、画像信号処理回路31から出力される画像データとタイミング発生回路35から供給されるタイミング信号とにもとづいて駆動電圧波形を発生し、各データ電極D1〜Dmに印加する。
維持電極駆動回路34は、維持パルス発生回路、電圧Veを発生する回路(図示せず)を備え、タイミング発生回路35から供給されるタイミング信号にもとづいて駆動電圧波形を発生し、各維持電極SU1〜SUnに印加する。
走査電極駆動回路33は、傾斜波形電圧発生回路、維持パルス発生回路、走査パルス発生回路(図示せず)を備え、タイミング発生回路35から供給されるタイミング信号にもとづいて駆動電圧波形を発生し、各走査電極SC1〜SCnに印加する。
次に、本実施の形態における画像表示装置30において発生する駆動電圧波形について図4、図5を用いて説明する。
本実施の形態においては、1フィールドに、パネル10に画像を表示するための複数の画像表示サブフィールド(図4に示す)と、電子ペン50の「位置座標」を検出するための複数の座標検出サブフィールド(図5に示す)とを備える。なお、「位置座標」とは、パネル10の画像表示領域において電子ペン50によって示される位置の座標(電子ペン50の位置を示す座標)のことである。
各画像表示サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。以下、画像表示サブフィールドを単にサブフィールドとも記す。
初期化期間における初期化動作には、放電セルに強制的に初期化放電を発生する「強制初期化動作」と、直前のサブフィールドの書込み期間で書込み放電を発生した放電セルだけに選択的に初期化放電を発生する「選択初期化動作」がある。
なお、1フィールドの画像表示サブフィールドの数は例えば8つ(サブフィールドSF1〜SF8)であり、各サブフィールドの輝度重みは例えば(1、34、21、13、8、5、3、2)である。
図4は、本発明の実施の形態1における画像表示サブフィールドのサブフィールドSF1〜SF3においてパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の一例を概略的に示す図である。
強制初期化動作を行うサブフィールドSF1の初期化期間Pi1の前半部では、データ電極D1〜Dm、維持電極SU1〜SUnのそれぞれに電圧0(V)を印加する。走査電極SC1〜SCnには、電圧0(V)を印加した後に、電圧Vi1から電圧Vi2まで緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を印加する。
初期化期間Pi1の後半部では、データ電極D1〜Dmには電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnには正の電圧Veを印加する。走査電極SC1〜SCnには、電圧0(V)から負の電圧Vi4まで緩やかに下降する下り傾斜波形電圧を印加する。
この強制初期化動作によって各放電セルに初期化放電が生じ、各電極上の壁電圧は、続く書込み期間Pw1での書込み動作に適した電圧に調整される。以下、初期化期間Pi1に発生する上述の駆動電圧波形を強制初期化波形とする。
なお、傾斜波形電圧によって生じる初期化放電は書込み放電や維持放電と比較して弱い放電であり、初期化放電による発光は書込み放電や維持放電による発光と比較して輝度も低い。
なお、強制初期化動作において強制初期化波形を印加する放電セルは、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルであってもよいが、例えば、画像表示領域内にある一部の放電セルであってもよい。これは、以下の説明における強制初期化動作を行う全てのサブフィールドについても同様である。
サブフィールドSF1の書込み期間Pw1では、1行目の走査電極SC1に負の電圧Vaの負極性の走査パルスを印加し、データ電極D1〜Dmのうちの1行目において発光するべき放電セルのデータ電極Dkに正の電圧Vdの正極性の書込みパルスを印加する。
同様の書込み動作を、走査電極SC2、SC3、SC4、・・・、SCnという順番で、n行目の放電セルに至るまで順次行う。
なお、走査パルスおよび書込みパルスの各電圧は、書込み放電が維持放電と比較して弱い放電となるように調整される。これは、書込み放電による発光を、維持放電による発光と比較して低い輝度にし、パネル10に画像を表示する際の妨げとならないようにするためである。
サブフィールドSF1の維持期間Ps1では、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに、輝度重みに所定の輝度倍数を乗じた数の維持パルスを交互に印加する。直前の書込み期間Pw1において書込み放電を発生した放電セルは、輝度重みに応じた回数の維持放電が発生し、輝度重みに応じた輝度で発光する。
なお、維持放電は、初期化放電や書込み放電と比較して、強い放電であり発光輝度も高い。
そして、維持パルスの発生後(維持期間Ps1において維持動作が終了した後)には、維持電極SU1〜SUnおよびデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加したまま、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から正の電圧Vrまで緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を印加する消去動作を行う。
これにより、維持放電を発生した放電セルに微弱な放電(消去放電)が発生し、放電セル内の不要な壁電荷が消去される。
選択初期化動作を行うサブフィールドSF2の初期化期間Pi2では、データ電極D1〜Dmには電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnには正の電圧Veを印加する。走査電極SC1〜SCnには、放電開始電圧未満となる電圧(例えば、電圧0(V))から負の電圧Vi4まで下降する下り傾斜波形電圧を印加する。
この選択初期化動作により、直前のサブフィールドSF1の維持期間Ps1に維持放電を発生した放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、各電極上の壁電圧は、続く書込み期間Pw2での書込み動作に適した壁電圧に調整される。直前のサブフィールドSF1の維持期間Ps1に維持放電を発生しなかった放電セルでは、初期化放電は発生しない。以下、初期化期間Pi2に発生する上述の駆動電圧波形を選択初期化波形とする。
続く書込み期間Pw2および維持期間Ps2は、維持パルスの発生数を除き、書込み期間Pw1および維持期間Ps1と同様の駆動電圧波形を各電極に印加する。
サブフィールドSF3以降の各サブフィールドでは、維持パルスの発生数を除き、サブフィールドSF2と同様の駆動電圧波形を各電極に印加する。
次に、座標検出サブフィールドで発生する駆動電圧波形を、図5を用いて説明する。座標検出サブフィールドは、同期検出サブフィールドSFo、近接用y座標検出サブフィールドSFy1、近接用x座標検出サブフィールドSFx1、遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2、および遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2の総称である。
なお、以下、近接用y座標検出サブフィールドSFy1と遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2の総称として「y座標検出サブフィールドSFy」を用い、近接用x座標検出サブフィールドSFx1と遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2の総称として「x座標検出サブフィールドSFx」を用いる。
画像表示領域内において電子ペン50によって示される位置(以下、「電子ペン50の位置」とも記す)は、x座標とy座標で表される。x座標検出サブフィールドSFx、y座標検出サブフィールドSFyは、画像表示領域内における電子ペン50の位置(位置座標)のx座標、y座標を検出するためのサブフィールドである。本実施の形態では、行方向の座標をx座標とし、列方向の座標をy座標としている。
なお、近接用y座標検出サブフィールドSFy1および近接用x座標検出サブフィールドSFx1は、使用者が電子ペン50の先端部をパネル10に直接接触させて(またはパネル10に比較的近い位置で)使用する「近接使用」時に、電子ペン50の位置座標の検出に用いるサブフィールドである。遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2および遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2は、使用者が電子ペン50をパネル10から離れた位置で使用する「遠隔使用」時に、電子ペン50の位置座標の検出に用いるサブフィールドである。
なお、電子ペン50によって示される位置とは、電子ペン50の受光素子52または受光素子54が、x座標検出サブフィールドSFxで表示されるx座標検出パターンの発光およびy座標検出サブフィールドSFyで表示されるy座標検出パターンの発光を検知する画像表示面内の位置のことである。
また、本実施の形態における画像表示システム100では、電子ペン50と描画装置40との間で無線通信を行う。電子ペン50は、電子ペン50の内部で電子ペン50の位置座標を算出し、算出した位置座標のデータを電子ペン50から描画装置40へ無線通信によって送信する。
同期検出サブフィールドSFoは、画像表示装置30に座標検出サブフィールドが発生するタイミングを、電子ペン50が正確に把握するためのサブフィールドである。電子ペン50は、同期検出サブフィールドSFoで生じる発光を受光することで、画像表示装置30と同期をとり、位置座標を算出するための基準となる信号(座標基準信号)を高い精度で発生することが可能になる。
なお、座標検出サブフィールドは、必ずしも毎フィールドに設けなくともよい。
図5は、本発明の実施の形態1における座標検出サブフィールにおいてパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の一例を概略的に示す図である。
同期検出サブフィールドSFoは、初期化期間Pio、書込み期間Pwo、および同期検出期間Poを有する。
初期化期間Pioでは、画像表示サブフィールドのサブフィールドSF2の初期化期間Pi2と同様の駆動電圧波形を各電極に印加して同様の選択初期化動作を行うので、説明を省略する。
同期検出サブフィールドSFoの書込み期間Pwoでは、データ電極D1〜Dmには電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnには電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnには電圧Vcを印加する。
次に、データ電極D1〜Dmに電圧Vdの書込みパルスを印加するとともに走査電極SC1〜SCnに電圧Vaの走査パルスを印加し、各放電セルに書込み放電を発生させる。
本実施の形態の書込み期間Pwoでは、図5に示すように、全てのデータ電極D1〜Dmに書込みパルスを印加したまま、全ての走査電極SC1〜SCnに一斉に走査パルスを印加して、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルに一斉に書込み放電を発生させているが、例えば、走査電極SC1から走査電極SCnまでの各電極に順次走査パルスを印加する書込み動作であってもよい。
パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルに書込み放電を発生し終えた後は、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加する。また、走査電極SC1〜SCnには電圧Vcを印加し、その後、電圧0(V)を印加する。本実施の形態では、時刻to0から時間To0の間、この状態を維持する。この期間は、放電セルに最後の書込み放電が発生した後、放電が発生しない状態が維持される。なお、時刻to0は、最後の書込み放電を発生させるための走査パルスを走査電極SCnに印加した時刻である。
そして、本実施の形態では、時間To0を、後述する時間To1、時間To2、時間To3のいずれよりも長い時間に設定する。本実施の形態では、時間To0は、例えば、約50μsecである。
次に、同期検出サブフィールドSFoの同期検出期間Poでは、電子ペン50における位置座標算出時の基準となる複数回の発光(同期検出用の発光)をパネル10に生じさせる。
図5に示す例では、時刻to0から時間To0が経過した後の時刻to1において、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加するとともに走査電極SC1〜SCnに電圧Vsoの同期検出パルスV1を印加する。次に、時刻to1から時間To1が経過した後の時刻to2において、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧Vsoの同期検出パルスV2を印加する。次に、時刻to2から時間To2が経過した後の時刻to3において、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加するとともに走査電極SC1〜SCnに電圧Vsoの同期検出パルスV3を印加する。次に、時刻to3から時間To3が経過した後の時刻to4において、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧Vsoの同期検出パルスV4を印加する。
これにより、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルに4回の同期検出放電が発生し、パネル10の画像表示面の全面が4回発光する(同期検出用の発光)。
このように、同期検出期間Poでは、あらかじめ定められた所定の時間間隔(例えば、時間To1、時間To2、時間To3)で、パネル10の画像表示領域内の全ての放電セルに同期検出放電を複数回(例えば、4回)発生させ、同期検出用の発光を複数回生じさせる。
そして、電子ペン50は、あらかじめ定められた所定の時間間隔(例えば、時間To1、時間To2、時間To3)で発生する複数回(例えば、4回)の同期検出用の発光を受光して座標基準信号(電子ペン50の位置座標(x座標,y座標)を算出する際に基準となる信号)を作成する。
同期検出サブフィールドSFoでは、パネル10の画像表示面の全面が同じタイミングで一斉に光るので、電子ペン50は、パネル10の画像表示領域内のどの位置でこの発光を受光したとしても、同じタイミングで受光することができる。
本実施の形態では、例えば、時間To1は約40μsecであり、時間To2は約20μsecであり、時間To3は約30μsecである。しかし、本発明は時間To0〜To3の各時間が何ら上述した数値に限定されるものではない。各時間は画像表示システム100の仕様等に応じて適切に設定すればよい。
同期検出サブフィールドSFoの同期検出期間Poにおいて、同期検出パルスV4の発生後(同期検出期間Poの最後)には、サブフィールドSF1の維持期間Ps1の最後に行う消去動作と同様の消去動作を行う。これにより、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルに微弱な消去放電が発生する。
続いて、近接用y座標検出サブフィールドSFy1と近接用x座標検出サブフィールドSFx1を発生する。
近接用y座標検出サブフィールドSFy1は、初期化期間Piyとy座標検出期間Py1と消去期間Peyとを有する。
初期化期間Piyでは、画像表示サブフィールドのサブフィールドSF2の初期化期間Pi2と同様の選択初期化動作を行う。
同期検出期間Poではパネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルに同期検出放電が発生するので、初期化期間Piyでは、それら全ての放電セルに微弱な初期化放電が発生し、それら全ての放電セルの壁電圧が、続くy座標検出期間Py1における近接用y座標検出パターン表示動作に適した壁電圧に調整される。
近接用y座標検出サブフィールドSFy1のy座標検出期間Py1では、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加したまま、あらかじめ設定された「第1の本数」の走査電極12に同時にy座標検出パルスを印加する動作を、走査電極SC1〜SCnに対して順次行う。本実施の形態では、「第1の本数」を例えば「1本」とするが、「第1の本数」は2本以上であってもよい。
時刻ty01に始まるy座標検出期間Py1では、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。
次に、時刻ty01から期間Ty01の後に、データ電極D1〜Dmに正極性のy座標検出電圧Vdyを印加し、1行目の走査電極SC1に電圧Vayの負極性のy座標検出パルスを印加する。なお、図5では、このy座標検出パルスのパルス幅をTy11として示している。
y座標検出電圧Vdyを印加したデータ電極D1〜Dmと、電圧Vayのy座標検出パルスを印加した走査電極SC1との交差部にある1行目の放電セルでは、放電が発生する。以下、この放電を「y座標検出放電」とも記す。
このようにして、1行目を構成する全ての放電セルに放電が発生し、それらの放電セルが一斉に発光する。そして、この発光は、電子ペン50を近接使用するときのy座標検出用の発光となる。
以下、1つの行を構成する放電セルの集合体を「放電セル行」と記し、1つの行を構成する画素の集合体を「画素行」と記す。本実施の形態では、放電セル行と画素行とは実質的に同じものであり、上述の動作では、1行目の画素行(1行目の放電セル行)が一斉に発光する。
同様の動作を、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加したまま、走査電極SC2、走査電極SC3、・・・、走査電極SCnという順番で、n行目の放電セルに至るまで順次行い、2行目からn行目(例えば、1080行目)までの各画素行(放電セル行)にy座標検出のための発光を順次発生させる。
これにより、近接用y座標検出サブフィールドSFy1のy座標検出期間Py1では、発光する1本の横線(すなわち、発光する1つの画素行)が、パネル10の画像表示領域の上端部(1行目の画素行)から下端部(n行目の画素行)まで1行ずつ順次移動するパターン(近接用y座標検出パターン)が表示される。
以下、y座標検出期間Py1で発生するx座標方向に延長した「第1の本数」の幅の1本の発光線を、「第1の発光線」とも記す。すなわち、y座標検出期間Py1で発生する近接用y座標検出パターンは、x座標方向に延長した第1の発光線がy座標方向に順次移動する(画像表示領域の1行目からn行目までの各画素行が、例えば1行毎に順次発光する)パターンである。
y座標検出期間Py1でパネル10に近接用y座標検出パターンを表示すると、画像表示領域の1行目からn行目までの各画素行が、例えば1行毎に順次発光するので、電子ペン50の先端部がパネル10の画像表示領域内のどこに接触しているかによって、電子ペン50がこの発光を受光するタイミングは変化する。したがって、電子ペン50を近接使用するときには、電子ペン50で第1の発光線を受光するタイミングを検出することで、画像表示領域における電子ペン50の位置座標(x,y)のy座標を検出することができる。
本実施の形態では、y座標検出期間Py1で走査電極SC1〜SCnのそれぞれにy座標検出パルスを印加する時間をTy11とする。このTy11は、例えば、約1μsecである。
近接用y座標検出サブフィールドSFy1の消去期間Peyでは、サブフィールドSF1の維持期間Ps1の最後に行う消去動作と同様の消去動作を行う。これにより、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルに微弱な消去放電が発生する。
続く近接用x座標検出サブフィールドSFx1は、初期化期間Pixとx座標検出期間Px1と消去期間Pexとを有する。
初期化期間Pixでは、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加したまま、近接用y座標検出サブフィールドSFy1の初期化期間Piyと同様の選択初期化動作を行う。
y座標検出期間Py1ではパネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルにy座標検出放電が発生するので、初期化期間Pixでは、それら全ての放電セルに初期化放電が発生し、それら全ての放電セルの壁電圧が、続くx座標検出期間Px1における近接用x座標検出パターン表示動作に適した壁電圧に調整される。
近接用x座標検出サブフィールドSFx1のx座標検出期間Px1では、走査電極SC1〜SCnにx座標検出電圧Vaxを印加したまま、あらかじめ設定された「第2の本数」のデータ電極22に同時にx座標検出パルスを印加する動作を、データ電極D1〜Dmに対して順次行う。本実施の形態では、「第2の本数」を例えば「3本」とするが、「第2の本数」は3本以外の数であってもよい。
時刻tx01に始まるx座標検出期間Px1では、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに負極性のx座標検出電圧Vaxを印加する。
次に、時刻tx01から期間Tx01の後に、走査電極SC1〜SCnにx座標検出電圧Vaxを印加したまま、1〜3列目のデータ電極D1〜D3に電圧Vdxの正極性のx座標検出パルスを印加する。なお、図5では、このx座標検出パルスのパルス幅をTx11として示している。
なお、データ電極D1〜D3は、1つの画素を構成する赤の放電セル、緑の放電セル、青の放電セルに対応しており、この画素は、例えば画像表示領域の左端に配置された画素である。
電圧Vdxのx座標検出パルスを印加したデータ電極D1〜D3と、x座標検出電圧Vaxを印加した走査電極SC1〜SCnとの交差部にある1〜3列目の放電セルでは、放電が発生する。以下、この放電を「x座標検出放電」とも記す。
このようにして、1列目を構成する全ての画素に放電が発生し、それらの画素が一斉に発光する。そして、この発光は、電子ペン50を近接使用するときのx座標検出用の発光となる。
以下、1つの列を構成する放電セルの集合体を「放電セル列」と記す。また、互いに隣接する3列の放電セル列で構成される放電セルの集合体(画素の列)を「画素列」と記す。上述の動作では、1列目の画素列(すなわち、1列目、2列目および3列目の放電セル列)が一斉に発光する。
同様の動作を、走査電極SC1〜SCnにx座標検出電圧Vaxを印加したまま、データ電極D4〜D6、データ電極D7〜D9、・・・、データ電極Dm−2〜Dmという順番で、互いに隣接する3本のデータ電極22毎に、m列目の放電セルに至るまで順次行い、2列目から最終列目(例えば、1920列目)までの各画素列にx座標検出のための発光を順次発生させる。
これにより、近接用x座標検出サブフィールドSFx1のx座標検出期間Px1では、発光する1本の縦線(すなわち、発光する1つの画素列)が、パネル10の画像表示領域の左端部(1列目の画素列)から右端部(m/3列目の画素列)まで1列ずつ順次移動するパターン(近接用x座標検出パターン)が表示される。すなわち、この近接用x座標検出パターンは、画像表示領域の1列目から最終列目までの各画素列が、1列毎に順次発光するパターンである。言い換えると、この近接用x座標検出パターンとは、互いに隣接する3つの放電セル列が、画像表示領域の左端部(1列目)から右端部(m列目)まで、3列ずつ順次発光するパターンである。
以下、x座標検出期間Px1で発生するy座標方向に延長した「第2の本数」の幅の1本の発光線を、「第2の発光線」とも記す。すなわち、x座標検出期間Px1で発生する近接用x座標検出パターンは、y座標方向に延長した第2の発光線がx座標方向に順次移動する(画像表示領域の1列目からm/3列目までの各画素列が、例えば1列毎に順次発光する)パターンである。
x座標検出期間Px1でパネル10に近接用x座標検出パターンを表示すると、画像表示領域の1列目から最終列目までの各画素列が、例えば1列毎に順次発光するので、電子ペン50の先端部がパネル10の画像表示領域内のどこに接触しているかによって、電子ペン50がこの発光を受光するタイミングは変化する。したがって、電子ペン50を近接使用するときは、電子ペン50で第2の発光線を受光するタイミングを検出することで、画像表示領域における電子ペン50の位置座標(x,y)のx座標が検出される。
本実施の形態では、x座標検出期間Px1でデータ電極D1〜Dmのそれぞれにx座標検出パルスを印加する時間をTx11とする。このTx11は、例えば、約1μsecである。
近接用x座標検出サブフィールドSFx1の消去期間Pexでは、近接用y座標検出サブフィールドSFy1の消去期間Peyで行う消去動作と同様の消去動作を行う。これにより、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルに微弱な消去放電が発生する。
続いて、遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2と遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2を発生する。
遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2は、初期化期間Piyとy座標検出期間Py2と消去期間Peyとを有する。
初期化期間Piyでは、近接用y座標検出サブフィールドSFy1の初期化期間Piyと同様の選択初期化動作を行う。これにより、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルの壁電圧が、続くy座標検出期間Py2における遠隔用y座標検出パターン表示動作に適した壁電圧に調整される。
遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2のy座標検出期間Py2では、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加したまま、あらかじめ設定された「第3の本数」の走査電極12に同時にy座標検出パルスを印加する動作を、走査電極SC1〜SCnに対して順次行う。「第3の本数」は近接用y座標検出サブフィールドSFy1のy座標検出期間Py1の「第1の本数」よりも大きい数値であり、本実施の形態では、「第3の本数」を例えば「8本」とし「第1の本数」の8倍とするが、「第3の本数」は8本以外の数であってもよい。
時刻ty02に始まるy座標検出期間Py2では、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。
次に、時刻ty02から期間Ty02の後に、データ電極D1〜Dmに正極性のy座標検出電圧Vdyを印加し、1〜8行目の走査電極SC1〜SC8に電圧Vayの負極性のy座標検出パルスを同時に印加する。なお、図5では、このy座標検出パルスのパルス幅をTy12として示している。
y座標検出電圧Vdyを印加したデータ電極D1〜Dmと、電圧Vayのy座標検出パルスを印加した走査電極SC1〜SC8との交差部にある1〜8行目の放電セルでは、y座標検出放電が発生する。
このようにして、1〜8行目を構成する8本の放電セル行(8本の画素行)に放電が発生し、それらの放電セル行(画素行)が一斉に発光する。そして、この発光は、電子ペン50を遠隔使用するときのy座標検出用の発光となる。
同様の動作を、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加したまま、走査電極SC9〜SC16、走査電極SC17〜SC24、・・・、走査電極SCn−7〜SCnという順番で、n行目の放電セルに至るまで順次行う。
これにより、遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2のy座標検出期間Py2では、発光する1本の横線(すなわち、発光する8本の画素行)が、パネル10の画像表示領域の上端部(1行目の画素行)から下端部(n行目の画素行)まで8行ずつ順次移動するパターン(遠隔用y座標検出パターン)が表示される。
以下、y座標検出期間Py2で発生するx座標方向に延長した「第3の本数」の幅の1本の発光線を、「第3の発光線」とも記す。すなわち、y座標検出期間Py2で発生する遠隔用y座標検出パターンは、x座標方向に延長した第3の発光線がy座標方向に順次移動する(画像表示領域の1行目からn行目までの各画素行が、例えば8行毎に順次発光する)パターンである。
第3の発光線は、上述した近接用の第1の発光線よりも幅が広く輝度が高い発光線である。したがって、電子ペン50が第3の発光線の発光を受光できるパネル10までの距離は、第1の発光線の発光を受光できる距離よりも大きい。
y座標検出期間Py2でパネル10に遠隔用y座標検出パターンを表示すると、画像表示領域の1行目からn行目までの各画素行が、例えば8行毎に順次発光するので、電子ペン50の位置座標がパネル10の画像表示領域内のどこにあるかによって、電子ペン50がこの発光を受光するタイミングは変化する。したがって、電子ペン50を遠隔使用するときには、電子ペン50で第3の発光線を受光するタイミングを検出することで、画像表示領域における電子ペン50の位置座標(x,y)のy座標を検出することができる。
本実施の形態では、y座標検出期間Py2で走査電極SC1〜SCnのそれぞれにy座標検出パルスを印加する時間をTy12とする。このTy12は、例えば、約1μsecである。
遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2の消去期間Peyでは、近接用y座標検出サブフィールドSFy1の消去期間Peyで行う消去動作と同様の消去動作を行う。これにより、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルに微弱な消去放電が発生する。
続く遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2は、初期化期間Pixとx座標検出期間Px2と消去期間Pexとを有する。
初期化期間Pixでは、近接用x座標検出サブフィールドSFx1の初期化期間Pixと同様の選択初期化動作を行う。これにより、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルの壁電圧が、続くx座標検出期間Px2における遠隔用x座標検出パターン表示動作に適した壁電圧に調整される。
遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2のx座標検出期間Px2では、走査電極SC1〜SCnにx座標検出電圧Vaxを印加したまま、あらかじめ設定された「第4の本数」のデータ電極22に同時にx座標検出パルスを印加する動作を、データ電極D1〜Dmに対して順次行う。「第4の本数」は近接用x座標検出サブフィールドSFx1のx座標検出期間Px1の「第2の本数」よりも大きい数値であり、本実施の形態では、「第4の本数」を例えば「24本」とし「第2の本数」の8倍とするが、「第4の本数」は24本以外の数であってもよい。
時刻tx02に始まるx座標検出期間Px2では、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに負極性のx座標検出電圧Vaxを印加する。
次に、時刻tx02から期間Tx02の後に、走査電極SC1〜SCnにx座標検出電圧Vaxを印加したまま、1〜24列目のデータ電極D1〜D24に電圧Vdxの正極性のx座標検出パルスを印加する。なお、図5では、このx座標検出パルスのパルス幅をTx12として示している。
電圧Vdxのx座標検出パルスを印加したデータ電極D1〜D24と、x座標検出電圧Vaxを印加した走査電極SC1〜SCnとの交差部にある1〜24列目の放電セルでは、x座標検出放電が発生する。
このようにして、1〜8列目を構成する8本の画素列(24本の放電セル列)に放電が発生し、それらの画素列が一斉に発光する。そして、この発光は、電子ペン50を遠隔使用するときのx座標検出用の発光となる。
同様の動作を、走査電極SC1〜SCnにx座標検出電圧Vaxを印加したまま、データ電極D25〜D48、データ電極D49〜D72、・・・、データ電極Dm−23〜Dmという順番で、m列目の放電セルに至るまで順次行う。
これにより、遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2のx座標検出期間Px2では、発光する1本の縦線(すなわち、発光する8本の画素列)が、パネル10の画像表示領域の左端部(1列目の画素列)から右端部(m/3列目の画素列)まで8列ずつ順次移動するパターン(遠隔用x座標検出パターン)が表示される。すなわち、この遠隔用x座標検出パターンは、画像表示領域の1列目から最終列目までの各画素列が、8列毎に順次発光するパターンである。言い換えると、この遠隔用x座標検出パターンとは、互いに隣接する24本の放電セル列が、画像表示領域の左端部(1列目)から右端部(m列目)まで、24列ずつ順次発光するパターンである。
以下、x座標検出期間Px2で発生するy座標方向に延長した「第4の本数」の幅の1本の発光線を、「第4の発光線」とも記す。すなわち、x座標検出期間Px2で発生する遠隔用x座標検出パターンは、y座標方向に延長した第4の発光線がx座標方向に順次移動する(画像表示領域の1列目からm/3列目までの各画素列が、例えば8列毎に順次発光する)パターンである。
第4の発光線は、上述した近接用の第2の発光線よりも幅が広く輝度が高い発光線である。したがって、電子ペン50が第4の発光線の発光を受光できるパネル10までの距離は、第2の発光線の発光を受光できる距離よりも大きい。
x座標検出期間Px2でパネル10に遠隔用x座標検出パターンを表示すると、画像表示領域の1列目から最終列目までの各画素列が、例えば8列毎に順次発光するので、電子ペン50の位置座標がパネル10の画像表示領域内のどこにあるかによって、電子ペン50がこの発光を受光するタイミングは変化する。したがって、電子ペン50を遠隔使用するときには、電子ペン50で第4の発光線を受光するタイミングを検出することで、画像表示領域における電子ペン50の位置座標(x,y)のx座標が検出される。
本実施の形態では、x座標検出期間Px2でデータ電極D1〜Dmのそれぞれにx座標検出パルスを印加する時間をTx12とする。このTx12は、例えば、約1μsecである。
遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2の消去期間Pexでは、近接用x座標検出サブフィールドSFx1の消去期間Pexで行う消去動作と同様の消去動作を行う。これにより、パネル10の画像表示領域内にある全ての放電セルに微弱な消去放電が発生する。
以上が、同期検出サブフィールドSFo、y座標検出サブフィールドSFyおよびx座標検出サブフィールドSFxの駆動電圧波形の概要である。
以上のように、本実施の形態においては、近接用y座標検出サブフィールドSFy1では、発光輝度は相対的に低いが位置座標の算出精度は相対的に高いy座標検出パターンをパネル10に表示し、遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2では、位置座標の算出精度は相対的に粗いが発光輝度は相対的に高いy座標検出パターンをパネル10に表示する。同様に、近接用x座標検出サブフィールドSFx1では、発光輝度は相対的に低いが位置座標の算出精度は相対的に高いx座標検出パターンをパネル10に表示し、遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2では、位置座標の算出精度は相対的に粗いが発光輝度は相対的に高いx座標検出パターンをパネル10に表示する。
電子ペン50を遠隔使用するときは、第3の発光線および第4の発光線を検出の対象とすることで、パネル10から離れた位置にある電子ペン50においても、位置座標を算出することが可能になる。
したがって、電子ペン50をパネル10に接触させて使用(または、接触直前程度の近距離で使用)する近接使用時には、近接用y座標検出サブフィールドSFy1および近接用x座標検出サブフィールドSFx1で生じる発光を検出対象とすることによって相対的に高い精度で位置座標を算出することができる。また、電子ペン50を遠隔使用するときには、発光輝度が相対的に高い遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2および遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2で生じる発光を検出対象とすることによって、パネル10から離れた位置(例えば、8m程度)にある電子ペン50においても位置座標を算出することが可能になる。
なお、上述と同様の考え方にもとづいて、発光輝度が互いに異なる3つ以上のy座標検出サブフィールドSFyおよび3つ以上のx座標検出サブフィールドSFxを発生してもよい。
なお、本実施の形態において各電極に印加する電圧値は、例えば、電圧Vi1=150(V)、電圧Vi2=350(V)、電圧Vi3=200(V)、電圧Vi4=−175(V)、電圧Va=電圧Vay=電圧Vax=−200(V)、電圧Vc=−50(V)、電圧Vs=電圧Vso=205(V)、電圧Vr=205(V)、電圧Ve=155(V)、電圧Vd=電圧Vdy=電圧Vdx=55(V)である。
また、初期化期間Pi1に発生する上り傾斜波形電圧の勾配は約1.5(V/μsec)であり、初期化期間Pi1〜Pi8、Pio、Piy、Pixに発生する下り傾斜波形電圧の勾配は約−2.5(V/μsec)である。また、維持期間Ps1〜Ps8、同期検出期間Po、消去期間Pey、Pexに発生する上り傾斜波形電圧の勾配は約10(V/μsec)である。
しかし、上述した電圧値や勾配等の具体的な数値は単なる一例に過ぎず、各電圧値や勾配等は、パネル10の放電特性や画像表示装置30の仕様等にもとづき最適に設定することが望ましい。
なお、時間To0を、時間To1、To2、To3のいずれの時間よりも長い時間に設定するのは、電子ペン50が、同期検出サブフィールドSFoの書込み期間Pwoにおいて発生する書込み放電による発光を、同期検出放電による発光と誤認識することを防止するためである。
次に、電子ペン50について説明する。
電子ペン50は、棒状に形成されており、使用者が、電子ペン50の先端部をパネル10に直接接触させて(近接使用)、あるいは、パネル10から離れた位置から(遠隔使用)、画像表示装置30の画像表示領域に、文字や図画等を手書き入力したり(ペン機能)カーソルを表示する(ポインタ機能)ことに使用される。電子ペン50は、座標検出サブフィールドによってパネル10に生じる発光を受光することで位置座標を検出する。位置座標の検出は、上述したように、電子ペン50が、パネル10に表示されるy座標検出パターンの発光を受光してy座標を算出し、パネル10に表示されるx座標検出パターンの発光を受光してx座標を算出することによって行われる。
電子ペン50は、図1に示したように、受光素子52、54、接触スイッチ53、複数(または単数)の手動スイッチ83、同期検出部56、座標算出部57、送信部58、およびアタッチメント検出スイッチ86を備えている。
なお、図1には示していないが、電子ペン50は、電源スイッチ、パイロットランプ等も有する。電源スイッチは、電子ペン50の電源オン・オフを制御するためのスイッチである。パイロットランプは、複数の発光色を切替えて発光することが可能な発光素子(例えば、LED等)で構成され、電子ペン50の動作状態を発光・非発光または発光色の切替えによって表示する。
第1の受光素子52は、電子ペン50の長手方向の一方の端部(以下、「近接側」端部と記す)に設けられ、第2の受光素子54は、電子ペン50の長手方向の他方の端部(以下、「遠隔側」端部と記す)に設けられている。受光素子52、54は、画像表示装置30の画像表示面に生じる発光を受光して電気信号(受光信号)に変換する。この受光信号は、受光した光の光量に応じて変化し、光量が大きいほど受光信号も大きくなる。そして、それらの受光信号は、同期検出部56と座標算出部57に出力される。なお、本実施の形態において、電子ペン50の位置座標(x,y)とは、受光素子52または受光素子54が画像表示装置30の画像表示面に生じる発光を受光する位置のことである。
接触スイッチ53は、電子ペン50の受光素子52が取付けられた側(近接側)の先端部に設けられ、電子ペン50の近接側端部が画像表示装置30の画像表示面に接触したかどうかを検知する。接触スイッチ53は、電子ペン50の近接側端部がパネル10に接触していればオンになってS1=「1」を出力し、接触していなければオフになってS1=「0」を出力する。
手動スイッチ83の1つは、遠隔使用時の描画用スイッチとして用いられる。この手動スイッチ83は、使用者によってオン・オフが切り替えられ、オンのときはS1’=「1」を出力し、オフのときはS1’=「0」を出力する。また、手動スイッチ83の他の1つは、使用者の操作により描画モードS0(例えば描画に用いる線の色、線の太さ、線の種類、等)を任意に切り替えることができる。また、手動スイッチ83の他の1つは、電子ペン50を遠隔使用するときに、後述する非検出領域の切替えに使用され、非検出領域の切替え信号S3=「1」または「0」を出力する。また、他の手動スイッチ83には、例えば、選択ボタンとしての機能を有するものや、表示画像を拡大/縮小する機能を有するもの等がある。
電子ペン50は、集光レンズ84を備えたアタッチメント80を、遠隔側端部に着脱可能に装着することができる。アタッチメント80を装着することで、電子ペン50の受光素子54は、パネル10に表示される座標検出サブフィールドの発光を、画像表示装置30から数メートル離れた位置でも受光することができるようになる。これにより、電子ペン50を、画像表示装置30から数メートル(例えば、8m程度)離れた位置からでも使用すること(遠隔使用)が可能になる。
そして、アタッチメント検出スイッチ86は、アタッチメント80が電子ペン50に装着されているときにオン状態となってS2=「1」を出力し、装着されていなければオフ状態となってS2=「0」を出力する。
なお、アタッチメント検出スイッチ86に代えて、手動スイッチ83の1つによってS2=「1」or「0」を切替える構成であってもよい。
このように、本実施の形態における電子ペン50は、受光素子52を設けた近接側端部を画像表示装置30の画像表示面に直接接触させて(またはパネル10に比較的近い位置で)使用する「近接使用」と、受光素子54を設けた遠隔側端部にアタッチメント80を装着し、集光レンズ84をパネル10の方向に向け、画像表示装置30の画像表示面から離れた位置で使用する「遠隔使用」の2通りの使用が可能である。
そして、電子ペン50を近接使用するときには、受光素子52が受光する近接用y座標検出サブフィールドSFy1および近接用x座標検出サブフィールドSFx1の発光を位置座標の算出用に使用し、電子ペン50を遠隔使用するときには、アタッチメント80の集光レンズ84を通して受光素子54が受光する遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2および遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2の発光を位置座標の算出用に使用する。
なお、電子ペン50にアタッチメント80を装着しないときは、受光素子54を設けた遠隔側端部を、例えば、文字や図画を消去する「消去機能」に使用してもよい。
同期検出部56は、受光素子52または受光素子54から出力される受光信号にもとづき、同期検出サブフィールドSFoの同期検出期間Poに発生する同期検出用の発光(同期検出放電によって生じる発光)を検出する。具体的には、同期検出部56は、同期検出部56が有するタイマー(図示せず)を用いて、複数(例えば、5回)の発光の発生間隔を計測する。そして、その発生間隔があらかじめ定められた所定の時間間隔(例えば、時間To0、To1、To2、To3)に合致するかどうかを、同期検出部56に設定された複数のしきい値(例えば、時間To0、To1、To2、To3に相当するしきい値)と計測された時間間隔とを比較することで判定する。
そして、同期検出部56は、その連続する複数回(例えば、5回)の発光のうちの1つを基準にして座標基準信号を作成する。例えば、同期検出サブフィールドSFoの同期検出期間Poの時刻to1に発生した発光を基準にして座標基準信号を作成する。時刻to1は、同期検出サブフィールドSFoの同期検出期間Poにおいて走査電極SC1〜SCnに1回目の同期検出パルスV1を印加する時刻である。
同期検出部56の動作を図6、図7を交えて説明する。
図6は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100において電子ペン50を近接使用するときの位置座標検出動作の一例を概略的に示す図である。
図6には、電子ペン50の近接側端部(受光素子52を設けた側の先端部)をパネル10に接触(または近接)させて使用するときの電子ペン50の位置座標算出動作の一例を示す。
図7は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100において電子ペン50を遠隔使用するときの位置座標検出動作の一例を概略的に示す図である。
図7には、電子ペン50の遠隔側端部(受光素子54を設けた側の先端部)にアタッチメント80を装着し、パネル10から離れた位置で電子ペン50を使用するときの電子ペン50の位置座標算出動作の一例を示す。
図6、図7には、走査電極SC1、SCn、データ電極D1、Dmのそれぞれに印加する駆動電圧波形、座標算出部57に入力される座標基準信号、および受光素子52(または受光素子54)から出力される受光信号を示す。なお、図6、図7に示す駆動電圧波形は、図4、図5に示した駆動電圧波形と同じものである。
本実施の形態における画像表示装置30では、時刻to1から時刻ty01までの時間Toy1、時刻to1から時刻tx01までの時間Tox1、時刻to1から時刻ty02までの時間Toy2、時刻to1から時刻tx02までの時間Tox2のそれぞれは、あらかじめ定められている。
したがって、同期検出部56は、時刻to1を特定できれば、図6に示す時刻ty01と時刻tx01とのそれぞれに立上りエッジがある座標基準信号、および図7に示す時刻ty02と時刻tx02とのそれぞれに立上りエッジがある座標基準信号を発生し、座標算出部57に出力することができる。
時刻to1は、上述したように、同期検出部56が、発光の間隔が順に時間To0、時間To1、時間To2、時間To3となる連続する5回の発光(これらの発光にもとづき受光素子52から出力される受光信号)を検出することで、特定される。
なお、同期検出部56では、受光信号をあらかじめ設定された受光しきい値th1と比較し、受光しきい値th1以上の受光信号に関して微分値を算出する等して局所的なピークが発生する時刻を検出する。こうして、各時刻や各時間を検出する。
また、放電セルに放電を発生するための電圧を印加する時刻と、実際に放電が発生して発光のピークが電子ペン50で検出される時刻には、放電特性に起因する時間差が生じるが、その時間差をあらかじめ測定し、オフセット値として各時刻の補正に用いてもよい。
そして、同期検出部56は、アタッチメント80が電子ペン50に装着されておらず、アタッチメント検出スイッチ86がS2=「0」を出力しているときは、近接用y座標検出サブフィールドSFy1および近接用x座標検出サブフィールドSFx1の発光にもとづき位置座標の算出が行えるように、座標基準信号を発生する。すなわち、図6に示すように、時刻ty01(近接用y座標検出サブフィールドSFy1のy座標検出期間Py1の開始時刻)と時刻tx01(近接用x座標検出サブフィールドSFx1のx座標検出期間Px1の開始時刻)のそれぞれに立上りエッジがある座標基準信号を発生し、後段の座標算出部57に出力する。
また、同期検出部56は、アタッチメント80が電子ペン50に装着されており、アタッチメント検出スイッチ86がS2=「1」を出力しているときは、遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2および遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2の発光にもとづき位置座標の算出が行えるように、座標基準信号を発生する。すなわち、図7に示すように、時刻ty02(遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2のy座標検出期間Py2の開始時刻)と時刻tx02(遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2のx座標検出期間Px2の開始時刻)のそれぞれに立上りエッジがある座標基準信号を発生し、後段の座標算出部57に出力する。
このように、同期検出部56は、同期検出用の発光にもとづき時刻to1を特定し、時刻to1を基準にして、時刻ty01と時刻tx01とのそれぞれに立上りエッジがある座標基準信号、または時刻ty02と時刻tx02とのそれぞれに立上りエッジがある座標基準信号を発生する。
なお、本実施の形態では、時刻to1を基準にして座標基準信号を発生する例を説明しているが、座標基準信号は、時刻to2、または時刻to3、または時刻to4を基準にして発生してもよい。
なお、座標基準信号は、何ら上述の信号に限定されるものではなく、y座標検出パターンによる発光およびx座標検出パターンによる発光を受光素子52または受光素子54が受光したときに、その時刻を特定するための基準にすることができる信号であればよい。
座標算出部57は、時間の長さを計測するカウンタと、カウンタの出力に演算を施す演算回路とを備える(図示せず)。
そして、座標算出部57は、座標基準信号および受光信号にもとづき、y座標検出パターンの発光を示す信号およびx座標検出パターンの発光を示す信号を受光信号から選択的に取り出し、画像表示領域における電子ペン50の位置座標(x,y)を算出する。
具体的には、座標算出部57は、アタッチメント80が電子ペン50に装着されておらずアタッチメント検出スイッチ86がS2=「0」を出力しているときは、図6に示すように、座標基準信号にもとづき、時刻ty01から、時刻ty01以降に最初に受光素子52で発光が受光される時刻tyy1までの時間Tyy1をカウンタで測定する。そして、演算回路において時間Tyy1から時間Ty01(時刻ty01から最初の近接用y座標検出パルスが発生するまでの時間)を減算し、その減算結果を時間Ty11(近接用y座標検出パルスのパルス幅)で除算する。こうして近接使用時の画像表示領域における電子ペン50の位置のy座標を算出する。
次に、座標算出部57は、座標基準信号にもとづき、時刻tx01から、時刻tx01以降に最初に受光素子52で発光が受光される時刻txx1までの時間Txx1をカウンタで測定する。そして、演算回路において時間Txx1から時間Tx01(時刻tx01から最初の近接用x座標検出パルスが発生するまでの時間)を減算し、その減算結果を時間Tx11(近接用x座標検出パルスのパルス幅)で除算する。こうして近接使用時の画像表示領域における電子ペン50の位置のx座標を算出する。
アタッチメント80が電子ペン50に装着されアタッチメント検出スイッチ86がS2=「1」を出力しているときは、座標算出部57は、図7に示すように、座標基準信号にもとづき、時刻ty02から、時刻ty02以降に最初に受光素子54で発光が受光される時刻tyy2までの時間Tyy2をカウンタで測定する。そして、演算回路において時間Tyy2から時間Ty02(時刻ty02から最初の遠隔用y座標検出パルスが発生するまでの時間)を減算し、その減算結果を時間Ty12(遠隔用y座標検出パルスのパルス幅)で除算する。こうして遠隔使用時の画像表示領域における電子ペン50の位置のy座標を算出する。
次に、座標算出部57は、座標基準信号にもとづき、時刻tx02から、時刻tx02以降に最初に受光素子54で発光が受光される時刻txx2までの時間Txx2をカウンタで測定する。そして、演算回路において時間Txx2から時間Tx02(時刻tx02から最初の遠隔用x座標検出パルスが発生するまでの時間)を減算し、その減算結果を時間Tx12(遠隔用x座標検出パルスのパルス幅)で除算する。こうして遠隔使用時の画像表示領域における電子ペン50の位置のx座標を算出する。
なお、時刻tyy1または時刻tyy2は、電子ペン50の受光素子52または受光素子54がy座標検出パターンによりパネル10に生じる発光を受光した時刻であり、時刻txx1または時刻txx2は、電子ペン50の受光素子52または受光素子54がx座標検出パターンによりパネル10に生じる発光を受光した時刻である。
座標算出部57は、このようにして算出した電子ペン50の位置座標(x,y)を送信部58に出力する。
なお、座標算出部57において電子ペン50の位置座標(x,y)を算出する手法は何ら上述した計算方法に限定されるものではない。例えば、y座標検出パルスのパルス幅およびx座標検出パルスのパルス幅に相当する時間間隔で動作するタイマーを用い、タイマーの計数値がそのままy座標およびx座標になるように構成する等、他の手法により位置座標を算出してもよい。
なお、本実施の形態では、受光しきい値th1は、電子ペン50を遠隔使用するときに電子ペン50がパネル10から約8m離れていても位置座標の算出が行えるように設定する。しかし、本発明は受光しきい値th1が何らこの数値に限定されるものではなく、受光しきい値th1は、画像表示システム100の仕様等に応じて適切に設定すればよい。
送信部58は、電気信号をエンコードし、エンコード後の信号を例えば赤外線等の無線信号に変換して発信する発信回路を有する(図示せず)。そして、電子ペン50に個別に付与されている固有の識別番号(ID)、電子ペン50の描画モードS0(例えば描画に用いる線の色、線の太さ、線の種類、等)、接触スイッチ53の状態S1、手動スイッチ83の状態S1’、アタッチメント検出スイッチ86の状態S2、非検出領域の切替え信号S3、座標算出部57が算出した電子ペン50の位置座標(x,y)を表す信号等をそれぞれエンコードした後に無線信号に変換し、描画装置40の受信部42に無線送信する。
次に、描画装置40について説明する。
描画装置40は、電子ペン50の座標算出部57が算出した位置座標(x,y)および描画モードS0等にもとづく描画信号を作成し、画像表示装置30に出力する。この描画信号は、使用者が手書き入力した画像や、ポインタとして使用するカーソルをパネル10に表示するための信号であり、画像信号と実質的に同じものである。
図1に示したように、描画装置40は、受信部42と描画部46を備えている。
受信部42は、電子ペン50の送信部58から無線送信される無線信号を受信し、その受信信号をデコードして電気信号に変換する変換回路を有する(図1には示さず)。そして、送信部58から無線送信される無線信号を、電子ペン50の識別番号(ID)、描画モードS0、状態S1、S1’、S2、切替え信号S3、位置座標(x,y)を表す信号に変換して描画部46に出力する。電子ペン50が複数のときは、各電子ペン50から送信されてくる各信号をそれぞれ受信してデコードする。
なお、電子ペン50の描画モードS0、状態S1、S1’、S2、切替え信号S3、位置座標(x,y)を表す信号は時間tによって変化する変数であるため、以下、受信部42から出力される各信号を、描画モードS0(t)、状態S1(t)、状態S1’(t)、状態S2(t)、切替え信号S3(t)、位置座標(x(t),y(t))と記す。
描画部46は、画像メモリ47と座標変換部48を備える。
以下、電子ペン50において検出される位置座標を「検出座標」と記し、座標変換部48において補正された後の位置座標を「表示座標」と記す。
座標変換部48は、アタッチメント検出スイッチ86の状態S2(t)、切替え信号S3(t)および検出座標(x(t),y(t))が入力され、表示座標(X(t),Y(t))を出力する。なお、座標変換部48には、切替え信号S3=「1」と「0」のそれぞれに対応する補正係数があらかじめ記憶されている。
そして、座標変換部48は、状態S2(t)=0であれば、アタッチメント80は電子ペン50に装着されておらず電子ペン50は近接使用されていると判断して、検出座標(x(t),y(t))に何も補正を施さず、検出座標(x(t),y(t))をそのまま表示座標(X(t),Y(t))として出力する。状態S2(t)=1であれば、アタッチメント80は電子ペン50に装着され電子ペン50は遠隔使用されていると判断して、切替え信号S3(t)にもとづく補正係数を検出座標(x(t),y(t))に乗算して表示座標(X(t),Y(t))を算出する。なお、座標変換部48における補正係数の詳細は後述する。
そして、描画部46は、座標変換部48から出力される表示座標(X(t),Y(t))に対応する画素を中心に、描画モードS0(t)に応じた色および大きさの描画パターン(例えば、白色の丸等のパターン)の描画信号を作成し、画像メモリ47に書込む。
描画部46は、状態S1(t)=1(接触スイッチ53がオンの状態)、または状態S2(t)=1かつ状態S1’(t)=1(アタッチメント80が電子ペン50に装着され、かつ描画用の手動スイッチ83がオンの状態)のときには、作成した描画信号を画像メモリ47に蓄積する。したがって、これらの状態が維持されている期間は、電子ペン50の過去の表示座標の軌跡に現在の電子ペン50の表示座標が加えられた描画信号が画像メモリ47に蓄積される。
また、描画部46は、状態S1(t)=0(接触スイッチ53がオフの状態)、または状態S2(t)=1かつ状態S1’(t)=0(アタッチメント80が電子ペン50に装着され、かつ描画用の手動スイッチ83がオフの状態)のときには、1フィールド前の表示座標(X(t−1),Y(t−1))に対応する描画信号を画像メモリ47から消去する。したがって、これらの状態が維持されている期間に画像メモリ47に蓄積される描画信号は、接触スイッチ53がオンの状態であったとき、またはアタッチメント80が電子ペン50に装着され、かつ描画用の手動スイッチ83がオンの状態であったときの電子ペン50の表示座標の過去の軌跡と、電子ペン50の現在の表示座標を表す信号(ポインタ機能)になる。
また、描画部46は、状態S1(t)=0かつ状態S2(t)=0(接触スイッチ53がオフの状態であり、アタッチメント80が電子ペン50に装着されていない)、かつ描画消去用のスイッチ(図示せず)がオンの状態のときには、画像メモリ47に蓄積されている描画信号を、受光素子54の受光信号から算出した表示座標(X(t),Y(t))にもとづき画像メモリ47から消去する(消去機能)。
画像表示システム100で使用されている電子ペン50の数が複数であれば、描画部46は、各電子ペン50の軌跡が互いに混同しないように表示座標(X(t),Y(t))を互いに区別して、各電子ペン50に対して上述の動作を行う。
そして、描画部46は、画像メモリ47に蓄積された描画信号を画像表示装置30に出力する。
次に、電子ペン50およびアタッチメント80について、図8を用いて説明する。
図8は、本発明の実施の形態1における電子ペン50および電子ペン用アタッチメント80の外観を示す斜視図である。
図8に示すように、電子ペン50は、筒型の本体ケース60、近接側ペン先カバー61、遠隔側ペン先カバー62、近接側ペン先部64、および遠隔側ペン先部65を有する。
図8に示すように、遠隔側ペン先カバー62には、アタッチメント80を固定するためのリム63が設けてある。
アタッチメント80は、筒型の形状であり、一方の端部に集光レンズ84を有し、他方の端部には、筒内に、リム63と嵌合するフランジが設けてある。そして、フランジとリム63が嵌合するようにアタッチメント80を電子ペン50に装着することで、アタッチメント80は電子ペン50の遠隔側の端部に固定される。
アタッチメント80は、電子ペン50に装着されたときに、集光レンズ84の光軸上の焦点距離に受光素子54が位置するように、アタッチメント80の本体の長さ、集光レンズ84の設置位置、および集光レンズ84の焦点距離が設定されている。
そして、アタッチメント80を装着した電子ペン50の遠隔側端部(遠隔側の光軸)をパネル10の方向に向けることで、パネル10に生じる発光は、アタッチメント80の集光レンズ84および受光孔68を通って受光素子54に届く。
なお、図8には示していないが、電子ペン50は、アタッチメント80を電子ペン50に装着したときにオンとなってS2=「1」を出力し、アタッチメント80が電子ペン50に装着されていなければオフとなってS2=「0」を出力するアタッチメント検出スイッチを備えている。
本体ケース60には、図8に示すように、本体ケース60上面側に、電源スイッチ81、電源スイッチ81と一体に設けられたパイロットランプ82、複数の押し込み型の手動スイッチ83が設けられている。また、本体ケース60背面側の遠隔側端部近傍に、押し込み型のアタッチメント検出スイッチと、転がり防止用のリブが設けられている。
次に、本実施の形態における画像表示システム100の動作について説明する。
図9は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100において電子ペン50を近接使用するときの動作の一例を概略的に示す図である。
図10は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100において電子ペン50を遠隔使用するときの動作の一例を概略的に示す図である。
図9に示すように、近接用y座標検出サブフィールドSFy1のy座標検出期間Py1では、画像表示領域の上端部(1行目)から下端部(n行目)まで順次移動する第1の発光線Ly1がパネル10に表示される。また、近接用x座標検出サブフィールドSFx1のx座標検出期間Px1では、画像表示領域の左端部(1列目の画素列)から右端部(m/3列目の画素列)まで順次移動する第2の発光線Lx1がパネル10に表示される。
したがって、電子ペン50の近接側端部がパネル10の画像表示面の「座標(x,y)」に接触(または近接)していれば、第1の発光線Ly1が座標(x,y)を通過する時刻tyy1と、第2の発光線Lx1が座標(x,y)を通過する時刻txx1において、受光素子52は発光を受光する。
これにより、電子ペン50は、図6に示したように、受光素子52が第1の発光線Ly1の発光を受光したことを示す受光信号を時刻tyy1において出力し、受光素子52が第2の発光線Lx1の発光を受光したことを示す受光信号を時刻txx1において出力する。
図10に示すように、遠隔用y座標検出サブフィールドSFy2のy座標検出期間Py2では、画像表示領域の上端部(1行目)から下端部(n行目)まで順次移動する第3の発光線Ly2がパネル10に表示される。また、遠隔用x座標検出サブフィールドSFx2のx座標検出期間Px2では、画像表示領域の左端部(1列目の画素列)から右端部(m/3列目の画素列)まで順次移動する第4の発光線Lx2がパネル10に表示される。
したがって、電子ペン50の遠隔側端部に装着したアタッチメント80の光軸がパネル10の画像表示面の「座標(x,y)」に向いていれば、第3の発光線Ly2が座標(x,y)を通過する時刻tyy2と、第4の発光線Lx2が座標(x,y)を通過する時刻txx2において、受光素子54は発光を受光する。
これにより、電子ペン50は、図7に示したように、受光素子54が第3の発光線Ly2の発光を受光したことを示す受光信号を時刻tyy2において出力し、受光素子54が第4の発光線Lx2の発光を受光したことを示す受光信号を時刻txx2において出力する。
そして、座標算出部57は、上述した手法により、画像表示領域における電子ペン50の位置座標(検出座標)(x,y)を算出する。
図11は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100において電子ペン50による手書き入力を行うときの動作の一例を概略的に示す図である。
なお、図11には電子ペン50を近接使用するときの例を示すが、電子ペン50にアタッチメント80を装着して遠隔使用するときの動作は、接触スイッチ53に代えて描画用の手動スイッチ83を用いる以外は近接使用時と同様であるので、図面を用いての説明を省略する。
描画部46は、座標変換部48から出力される表示座標(X(t),Y(t))に対応する画素を中心に、描画モードS0(t)に応じた色および大きさの描画パターン(例えば、白色の丸等のパターン、以下、「カーソル101」と記す)の描画信号を発生する。この描画信号は描画部46の画像メモリ47に順次書込まれ、状態S1(t)=1(接触スイッチ53がオンの状態)、または状態S2(t)=1かつ状態S1’(t)=1(アタッチメント80が電子ペン50に装着され、かつ描画用の手動スイッチ83がオンの状態)の期間の描画信号は画像メモリ47に蓄積される。そして、画像表示装置30は、描画部46の画像メモリ47に蓄積された描画信号にもとづく画像をパネル10に表示する。
したがって、例えば図11に示すように、使用者が電子ペン50の近接側端部をパネル10の画像表示面に接触させたまま移動させると(遠隔使用時には、描画用の手動スイッチ83をオンにしたまま電子ペン50の位置座標を移動させると)、その移動の軌跡を示す図柄がパネル10に表示される。こうして、パネル10には、電子ペン50を用いて手書き入力された図画が表示される。
図12は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100において電子ペン50をポインタとして使用するときの動作の一例を概略的に示す図である。
なお、図12には電子ペン50を遠隔使用するときの例を示すが、電子ペン50を近接使用するときの動作は、描画用の手動スイッチ83に代えて接触スイッチ53を用いる以外は遠隔使用時と同様であるので、図面を用いての説明を省略する。
本実施の形態では、電子ペン50にアタッチメント80を装着して遠隔使用するときに描画用の手動スイッチ83をオンにしなければ(あるいは近接使用時に接触スイッチ53をオンにしなければ)、電子ペン50をポインタとして使用することが可能である。
状態S2(t)=1かつ状態S1’(t)=0(アタッチメント80が電子ペン50に装着され、かつ描画用の手動スイッチ83がオフの状態)の期間は受光素子54がパネル10の発光を受光できれば(または、状態S1(t)=0(接触スイッチ53がオフの状態)の期間は受光素子52がパネル10の発光を受光できれば)、描画部46は、電子ペン50の現時点の描画信号(表示座標(X(t),Y(t))、および描画モードS0(t)にもとづく描画信号)を画像メモリ47に書込むとともに、1フィールド前の描画信号(表示座標(X(t−1),Y(t−1))にもとづく描画信号)を画像メモリ47から消去する。
したがって、例えば、遠隔使用時に使用者が描画用の手動スイッチ83をオフにしたまま電子ペン50の表示座標を移動させると(あるいは、近接使用時に近接側端部をパネル10に接触させずに移動させると)、その間の移動の軌跡はパネル10に表示されず、電子ペン50の現在の表示座標を示すカーソル101が、パネル10に表示される。
このようにして、電子ペン50をポインタとして用いることも可能である。
なお、電子ペン50の受光素子52、54がパネル10の発光を受光できないときには、パネル10にカーソル101を表示しない、あるいは、受光素子52または受光素子54がパネル10の発光を最後に受光したときの座標位置にカーソル101を表示する、等、適切に設定すればよい。
なお、電子ペン50を遠隔使用するとき、電子ペン50の受光素子54が受光することができるパネル10上の範囲(受光範囲)は、電子ペン50からパネル10までの距離に応じて変化する。
図13は、本発明の実施の形態1における電子ペン50を遠隔使用しているときの電子ペン50の受光範囲の一例を概略的に示す図である。
図14は、本発明の実施の形態1における電子ペン50を遠隔使用しているときの電子ペン50の受光範囲の他の一例を概略的に示す図である。
図13に示すように、電子ペン50の受光範囲は、電子ペン50からパネル10までの距離が近くなれば狭くなり、遠くなれば広くなる。
一方、図14に示すように、電子ペン50の位置座標がパネル10の端部付近にあると、電子ペン50の受光範囲がパネル10の画像表示領域外にはみ出すことがある。そのようなとき、電子ペン50の受光量は、受光範囲の全てがパネル10の画像表示領域内にあるときと比較して低下する。そのため、電子ペン50は、座標検出サブフィールドで発生する発光を十分に受光できず、位置座標の検出動作が不安定になるおそれがある。
そこで、本実施の形態では、電子ペン50を遠隔使用するとき、パネル10の画像表示領域に「検出有効領域」と「非検出領域」とを設け、「検出有効領域」内で検出した位置座標だけを描画に用い、「非検出領域」では位置座標の検出を行わない、もしくは「非検出領域」で検出した位置座標を描画に用いないようにする。このように、位置座標の検出範囲を制限することで、パネル10の端部付近で位置座標の検出動作が不安定になることを防止する。
図15は、本発明の実施の形態1における電子ペン50を遠隔使用しているときのパネル10における検出有効領域と非検出領域の一設定例を概略的に示す図である。
図16は、本発明の実施の形態1における電子ペン50を遠隔使用しているときのパネル10における検出有効領域と非検出領域の他の設定例を概略的に示す図である。
なお、図15、図16では、便宜上「検出有効領域」を黒色で表し「非検出領域」を灰色で表しているが、実際のパネル10にこのような輝度差が生じるわけではない。
以下、パネル10の画像表示領域のx座標方向、y座標方向の大きさをそれぞれ100%として説明する。
本実施の形態では、例えば、非検出領域の切替え信号S3=「0」のときには、S3=「1」のときよりも、検出有効領域を縮小し、非検出領域を拡大する。すなわち、画像表示システム100では、S3=「0」のときは、電子ペン50からパネル10までの距離が比較的遠いものとして非検出領域を設定し、S3=「1」のときは、電子ペン50からパネル10までの距離が比較的近いものとして非検出領域を設定する。こうして、非検出領域の切替え信号S3に応じて、検出有効領域および非検出領域を変更する。
非検出領域の切替え信号S3=「1」のときには、例えば図15に示すように、y座標方向に対して左右両端5%ずつ、x座標方向に対して上下両端5%ずつの周辺領域を非検出領域とし、非検出領域を除くy座標方向90%、x座標方向90%の領域を検出有効領域とする。
非検出領域の切替え信号S3=「0」のときには、例えば図16に示すように、y座標方向に対して左右両端10%ずつ、x座標方向に対して上下両端10%ずつの周辺領域を非検出領域とし、非検出領域を除くy座標方向80%、x座標方向80%の領域を検出有効領域とする。
このように、本実施の形態では、電子ペン50を遠隔使用するときに、S3=「1」のときには非検出領域を比較的狭い範囲に設定し、S3=「0」のときには非検出領域を比較的広い範囲に設定する。S3=「1」のときの設定は、電子ペン50からパネル10までの距離が比較的近く、電子ペン50の受光範囲が比較的狭いときに有効な設定であり、S3=「0」のときの設定は、電子ペン50からパネル10までの距離が比較的遠く、電子ペン50の受光範囲が比較的広いときに有効な設定である。こうして、電子ペン50を遠隔使用するときに、電子ペン50の受光範囲がパネル10の画像表示領域外にはみ出すことを防止し、電子ペン50において位置座標の検出動作が不安定になることを防止することができる。
なお、この状態で電子ペン50の位置座標に応じた描画を行うと、検出有効領域内の任意の場所に描画やカーソル表示を行うことはできても、パネル10の非検出領域では描画やカーソル表示を行うことはできない。そこで、本実施の形態では、検出有効領域と非検出領域との比率に応じて位置座標に補正を施し、補正後の位置座標にもとづき描画を行うものとする。この補正が、座標変換部48で行う補正である。
図17は、本発明の実施の形態1における検出座標と表示座標との関係を概略的に示す図である。
図17には、一例として、図16に示したy座標方向に対して左右両端10%ずつ、x座標方向に対して上下両端10%ずつの周辺領域を非検出領域とし、非検出領域を除くy座標方向80%、x座標方向80%の領域を検出有効領域とするときの位置座標の補正例を示す。
本実施の形態では、表示座標の算出を容易にするために、便宜上、パネル10の画像表示領域の中央を原点(0,0)とする。
図17に示す例では、原点(0,0)からx座標方向の非検出領域の端(x2,0)または(−x2,0)までの距離と、原点(0,0)からx座標方向の検出有効領域の端(x1,0)または(−x1,0)までの距離の比は、5:4となる。同様に、原点(0,0)からy座標方向の非検出領域の端(0,y2)または(0,−y2)までの距離と、原点(0,0)からy座標方向の検出有効領域の端(0,y1)または(0,−y1)までの距離の比は、5:4となる。
そこで、図17に示す例では、原点から検出座標までの距離を5/4倍する補正によって表示座標を算出する。具体的には、検出座標を(x,y)とすると、
表示座標(X,Y)=(5/4×x、5/4×y)
とする。したがって、この「5/4」が、S3=「0」のときの座標変換部48における補正係数となる。
このように、本実施の形態では、座標変換部48において、検出座標に、原点(0,0)から非検出領域の端までの距離と、原点(0,0)からの検出有効領域の端までの距離の比に応じて設定される補正係数を乗算して表示座標を算出する。これにより、検出有効領域で検出した位置座標にもとづく描画やカーソル表示がパネル10の画像表示領域全面に拡大するので、非検出領域に電子ペン50による描画やカーソル表示を行うことが可能となる。
なお、図示はしないが、図15に示した例では、原点(0,0)から非検出領域の端までの距離と、原点(0,0)から検出有効領域の端までの距離の比は、x座標方向、y座標方向ともに10:9となるので、検出座標を(x,y)とすると
表示座標(X,Y)=(10/9×x、10/9×y)
となる。したがって、この「10/9」が、S3=「1」のときの座標変換部48における補正係数となる。
このように、補正係数は、原点(0,0)から非検出領域の端までの距離と、原点(0,0)から検出有効領域の端までの距離の比によって設定される数値である。
なお、座標変換部48にはパネル10の画像表示領域の大きさに応じたリミッタが設定されている。したがって、「非検出領域」の範囲に含まれる検出座標に補正を施すと、このリミッタによって補正後の値が制限されるため、表示座標がパネル10の画像表示領域外の数値になることはない。こうして、本実施の形態では、「非検出領域」で検出した位置座標を描画に用いないようにしている。このことは、「描画装置40では、補正係数によって「非検出領域」を設定することができる」と言い換えることができる。すなわち、本実施の形態では、座標変換部48において切替え信号S3にもとづき補正係数を変化させることで「非検出領域」を変化させている。
以上のように、本実施の形態では、パネル10の画像表示領域に非検出領域を設定する。これにより、電子ペン50の受光範囲がパネル10の画像表示領域外にはみ出すことを防止し、電子ペン50において位置座標の検出動作が不安定になることを防止することができる。また、座標変換部48では切替え信号S3にもとづき補正係数を変化させることで非検出領域を変更することができるので、電子ペン50からパネル10までの距離に応じて切替え信号S3を変化させることで、電子ペン50の受光範囲に応じて非検出領域を設定することが可能となり、電子ペン50の使い勝手を向上することができる。
なお、電子ペン50の座標算出部57において算出した位置座標が「非検出領域」の範囲に含まれるとき、検出有効領域において最後に算出された位置座標を座標算出部57から出力するように電子ペン50を構成してもよい。こうすることで、「非検出領域」に該当する位置座標を電子ペン50から描画装置40に送信しないようにすることも可能である。
なお、本実施の形態では、切替え信号S3=「1」のときの非検出領域と、切替え信号S3=「0」のときの非検出領域の2通りで非検出領域を切替える構成を説明したが、例えば、切替え信号S3を複数ビットにし、非検出領域を3通り以上で切替える構成としてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、電子ペン50を遠隔使用するときに、非検出領域の大きさを、手動スイッチ83によって設定される切替え信号S3に応じて切替える構成を説明したが、非検出領域を自動的に切替える構成とすることも可能である。実施の形態2では、その構成を説明する。
図18は、本発明の実施の形態2における画像表示システム110の一構成例を概略的に示す図である。
図18に示す画像表示システム110は、画像表示装置30、描画装置40、および電子ペン150を構成要素に含み、電子ペン150と描画装置40との間で無線通信を行う。図18には、1本の電子ペン150を示しているが、画像表示システム110は複数の電子ペン150を備えていてもよい。
図18に示す画像表示装置30および描画装置40は、実施の形態1において説明した画像表示装置30および描画装置40と同様の構成、動作であるので、説明を省略する。
電子ペン150は、距離判定部91を備えるとともに同期検出部56に代えて同期検出部156を備えている点を除き、実施の形態1において説明した電子ペン50と同様の構成、動作である。以下、同期検出部156および距離判定部91の動作について説明し、他の詳細な説明は省略する。
同期検出部156の動作を図19、図20を交えて説明する。
図19は、本発明の実施の形態2における画像表示システム110において電子ペン150を近接使用するときの位置座標検出動作の一例を概略的に示す図である。
図20は、本発明の実施の形態2における画像表示システム110において電子ペン150を遠隔使用するときの位置座標検出動作の一例を概略的に示す図である。
図19に示す駆動電圧波形は図6に示した駆動電圧波形と同等であり、図20に示す駆動電圧波形は図7に示した駆動電圧波形と同等であるが、同期検出部156が距離検出信号を発生して距離判定部91に入力する点が異なる。
本実施の形態における同期検出部156は、アタッチメント80が電子ペン150に装着され、アタッチメント検出スイッチ86がS2=「1」を出力しているときは、図20に示すように、近接用y座標検出サブフィールドSFy1で発生する近接用y座標検出パターンの発光、および近接用x座標検出サブフィールドSFx1で発生する近接用x座標検出パターンの発光を検出するための「距離検出信号」を、時刻to1を基準にして発生し、後段の距離判定部91に出力する。この距離検出信号は、距離判定部91に受光信号の受け入れを許可する信号であり、例えば、y座標検出期間Py1の期間および座標検出期間Px1の期間はHiとなり他はLoとなる信号である。
ただし、同期検出部156は、アタッチメント80が電子ペン150に装着されておらず、アタッチメント検出スイッチ86がS2=「0」を出力しているときは、図19に示すように、距離検出信号をLoに維持したままにする。したがって、S2=「0」のとき距離判定部91は受光信号を受け付けない。
なお、本実施の形態では、時刻to1を基準にして距離検出信号を発生する例を説明しているが、距離検出信号は、時刻to2、または時刻to3、または時刻to4を基準にして発生してもよい。
なお、アタッチメント検出スイッチ86に代えて、手動スイッチ83の1つによってS2=「1」or「0」を切替える構成であってもよい。
距離判定部91には、同期検出部156が出力する距離検出信号と、受光素子54が出力する受光信号が入力される。
距離判定部91は、アタッチメント80が電子ペン150に装着されアタッチメント検出スイッチ86がS2=「1」を出力しているときは、同期検出部156から出力される距離検出信号および受光素子54から出力される受光信号にもとづき、電子ペン150からパネル10までの距離を判定する。
具体的には、距離判定部91は、図20に示すように、距離検出信号がHiの期間に受光素子54から出力される受光信号を受け入れ、その受光信号をあらかじめ設定した距離しきい値Th2と比較する。そして、受光信号が距離しきい値Th2以上であれば、電子ペン150からパネル10までの距離は比較的近いと判定してS3’=「1」を出力し、受光信号が距離しきい値Th2未満であれば、電子ペン150からパネル10までの距離は比較的遠いと判定してS3’=「0」を出力する。
近接用y座標検出パターンの発光は遠隔用y座標検出パターンの発光よりも輝度が低く、近接用x座標検出パターンの発光は遠隔用x座標検出パターンの発光よりも輝度が低い。したがって、パネル10と電子ペン150との間が、遠隔用y座標検出パターンの受光信号および遠隔用x座標検出パターンの受光信号を受光しきい値th1以上で受光できる距離の範囲内に、近接用y座標検出パターンの発光および近接用x座標検出パターンの発光による受光信号が距離しきい値Th2未満になる距離が存在する。このことを利用して、電子ペン150とパネル10との間が、受光信号が距離しきい値Th2以上となる距離なのか、受光信号が距離しきい値Th2未満となる距離なのかを判定することができる。
本実施の形態における距離判定部91は、近接用y座標検出パターンの発光による受光信号および近接用x座標検出パターンの発光による受光信号がともに距離しきい値Th2未満のときにS3’=「0」を出力し、それ以外ではS3’=「1」を出力するが、例えば、少なくとも一方が距離しきい値Th2未満のときにS3’=「0」を出力し、それ以外ではS3’=「1」を出力するように構成してもよい。
なお、本実施の形態では、距離しきい値Th2は、電子ペン150がパネル10から2m以上離れたときにS3’=「0」となるように設定する。しかし、本発明は距離しきい値Th2が何らこの数値に限定されるものではなく、距離しきい値Th2は、画像表示システム110の仕様等に応じて適切に設定すればよい。
そして、送信部58は、実施の形態1に示した手動スイッチ83で発生する切替え信号S3に代えて、距離判定部91が出力する判定結果S3’を描画装置40の受信部42に無線送信する。
座標変換部48には、実施の形態1で説明したのと同様に、判定結果S3’=「1」と「0」のそれぞれに対応する補正係数があらかじめ記憶されている。例えば、判定結果S3’=「1」のときは図15に示したように非検出領域を設定し、判定結果S3’=「0」のときは図16に示したように非検出領域を設定したとすると、判定結果S3’=「1」のときの補正係数は「10/9」となり、判定結果S3’=「0」のときの補正係数は「5/4」となる。そして、座標変換部48は、切替え信号S3に代えて、判定結果S3’にもとづき補正係数を設定し、検出座標(x,y)に補正係数を乗算して表示座標(X,Y)を算出する。
そして、描画部146は、座標変換部48から出力される表示座標(X,Y)にもとづく描画信号を発生して画像表示装置30に出力する。
以上示したように、本実施の形態において、電子ペン150は距離判定部91を備え、距離判定部91は、電子ペン150を遠隔使用するときの電子ペン150からパネル10までの距離を、近接用y座標検出パターンの発光および近接用x座標検出パターンの発光を利用して判定する。そして、その判定結果S3’が電子ペン150から描画装置40に送信されることで、本実施の形態における画像表示システム110では、電子ペン150からパネル10までの距離が比較的遠いときに、電子ペン150からパネル10までの距離が比較的近いときよりも検出有効領域を縮小し非検出領域を拡大する動作を、自動的に行うことができる。
なお、使用者が電子ペン150を使用中、非検出領域が意図せず切り替わることを避けるため、例えば、非検出領域の変更を、リセット信号をトリガーにして行う構成とすることも可能である。
例えば、同期検出部156は、同期検出期間Poに発生する同期検出用の発光を所定時間(例えば、0.25秒)以上検出しなければ、リセット信号(図示せず)を発生する。具体的には、同期検出部156は、発生間隔があらかじめ定められた所定の時間間隔(例えば、時間To0、To1、To2、To3)に合致する受光信号を検出できない時間を計測し、その計測時間をリセット時間しきい値(例えば、0.25秒)と比較する。そして、その計測時間がリセット時間しきい値以上になれば、同期検出部156は、リセット信号を発生して距離判定部91に出力する。ただし、同期検出部156は、同期検出用の発光を受光すれば、直ちにリセット信号を解除する。
そして、距離判定部91は、最初に行った判定を、同期検出部156からリセット信号が入力されるまで維持する。例えば、最初の判定がS3’=「1」であれば、その後、受光信号がともに距離しきい値Th2未満になったとしても、同期検出部156からリセット信号が入力されるまではS3’=「1」を維持する。あるいは、最初の判定がS3’=「0」であれば、その後、受光信号が距離しきい値Th2以上になったとしても、同期検出部156からリセット信号が入力されるまではS3’=「0」を維持する。なお、「最初に行う判定」とは、リセットが解除された直後、または電子ペン150の電源がオンになった直後の判定のことである。
あるいは、電子ペン150から描画装置40にリセット信号を無線送信して座標変換部48に入力するように構成するとともに、座標変換部48は、最初に設定された補正係数を、リセット信号が入力されるまで維持するように構成してもよい。例えば、最初の補正係数がS3’=「1」の補正係数であれば、その後、S3’=「0」に変化したとしても、リセット信号が入力されるまではS3’=「1」の補正係数を維持する。あるいは、最初の補正係数がS3’=「0」の補正係数であれば、その後、S3’=「1」に変化したとしても、リセット信号が入力されるまではS3’=「0」の補正係数を維持する。なお、「最初の補正係数」とは、リセット信号が解除された直後、または電子ペン150の電源がオンになった直後に設定される補正係数のことである。
このような動作をするように同期検出部156、距離判定部91または座標変換部48を構成してもよい。これにより、使用者が電子ペン150を使用中、非検出領域が意図せず切り替わることを防止することができる。
しかし、本実施の形態における座標変換部48は何ら上述した動作に限定されるものではなく、例えば、判定結果S3’に応じて補正係数を適宜変更する構成であってもよい。
なお、上述した座標変換部48を電子ペンに備えることも可能である。図21は本発明の実施の形態2における画像表示システムの他の構成例を概略的に示す図である。図21に示す画像表示システム200は、画像表示装置30、描画装置140、および電子ペン250を構成要素に含む。画像表示システム200は複数の電子ペン250を備えていてもよい。図21に示す画像表示装置30は図18に示した画像表示装置30と同じ構成、動作であり、描画装置140は座標変換部48を備えていない点を除き図18に示した描画装置40と同じ構成、動作である。また、電子ペン250は、図18に示した座標変換部48と同様の動作をする座標変換部148を備えている点を除き、図18に示した電子ペン150と同じ構成、動作である。
図21に示す電子ペン250では、距離判断部91の判断結果が座標変換部148に入力される。座標変換部148では、座標変換部48と同様に、距離判断部91の判断結果にもとづき「検出有効領域」と「非検出領域」を設定し、その設定にもとづく補正係数を用いて検出座標から表示座標を算出する。そして、算出した表示座標を、送信部58を介して描画装置140に無線送信する。例えばこのような構成であっても、上述と同様の動作を実現し、同様の効果を得ることは可能である。
なお、リセット信号は、例えば、手動スイッチによって発生してもよい。
なお、本実施の形態では、距離検出信号をy座標検出期間Py1の期間のみHiとなる信号とし、近接用y座標検出パターンによる発光だけを、電子ペン50からパネル10までの距離の判定に用いる構成としてもよい。あるいは、距離検出信号をx座標検出期間Px1の期間のみHiとなる信号とし、近接用x座標検出パターンによる発光だけを、電子ペン50からパネル10までの距離の判定に用いる構成としてもよい。
なお、本実施の形態では、接触スイッチ53を電子ペン50の先端部に取付ける構成を説明したが、例えば、接触スイッチ53に相当する手動スイッチを電子ペン50の側面等に設け、近接使用時においても使用者が手動スイッチのオン・オフにより描画を行えるように構成してもよい。
なお、本実施の形態において、各座標検出サブフィールドの発生順は、何ら上述した発生順に限定されない。例えば、遠隔用の座標検出サブフィールドの後に近接用の座標検出サブフィールドを発生してもよく、あるいは、先にx座標検出用サブフィールドを発生し、次にy座標検出用サブフィールドを発生してもよい。
なお、本実施の形態では、描画装置と電子ペンとの間で無線通信を行う例を説明したが、本発明は何らこの構成に限定されない。例えば、描画装置と電子ペンとの間を電気ケーブル等によって電気的に接続し、その電気ケーブルを介して電子ペンと描画装置との間で信号の送受信を行う構成であってもよい。
なお、本実施の形態では、描画装置を画像表示装置と独立に備えた構成を示したが、この構成の一例としては、例えば、画像表示装置に接続したコンピュータに描画装置に相当する機能を持たせ、そのコンピュータを用いて描画信号を作成する構成等がある。しかし、例えば、描画装置を単独の機器として設けてもよく、あるいは描画装置を画像表示装置に備える構成であってもよい。
なお、本発明における実施の形態に示した各回路ブロックは、実施の形態に示した各動作を行う電気回路として構成されてもよく、あるいは、実施の形態に示した各動作と実質的に同じ動作をするようにプログラミングされたマイクロコンピュータ等を用いて構成されてもよい。
なお、本発明の実施の形態において示した具体的な数値は、単に実施の形態における一例を示したものに過ぎず、本発明はこれらの数値に何ら限定されるものではない。各数値は電子ペン充電システムの仕様等にあわせて最適に設定することが望ましい。
本開示は、画像表示面から離れた位置から画像表示装置への入力が可能な電子ペンにおいて使い勝手を向上することができる電子ペンおよび電子ペンを備えた画像表示システムとして有用である。
10 パネル
11 前面基板
12 走査電極
13 維持電極
14 表示電極対
15,23 誘電体層
16 保護層
21 背面基板
22 データ電極
24 隔壁
25,25R,25G,25B 蛍光体層
30 画像表示装置
31 画像信号処理回路
32 データ電極駆動回路
33 走査電極駆動回路
34 維持電極駆動回路
35 タイミング発生回路
40,140 描画装置
42 受信部
46,146 描画部
47 画像メモリ
48,148 座標変換部
50,150,250 電子ペン
52,54 受光素子
53 接触スイッチ
56,156 同期検出部
57 座標算出部
58 送信部
60 本体ケース
61 近接側ペン先カバー
62 遠隔側ペン先カバー
63 リム
64 近接側ペン先部
65 遠隔側ペン先部
68 受光孔
80 電子ペン用アタッチメント
81 電源スイッチ
82 パイロットランプ
83 手動スイッチ
84 集光レンズ
86 アタッチメント検出スイッチ
91 距離判定部
100,110,200 画像表示システム
101 カーソル
Ly1 第1の発光線
Lx1 第2の発光線
Ly2 第3の発光線
Lx2 第4の発光線
SF1〜SF8 画像表示サブフィールド
SFo 同期検出サブフィールド
SFy1 近接用y座標検出サブフィールド
SFx1 近接用x座標検出サブフィールド
SFy2 遠隔用y座標検出サブフィールド
SFx2 遠隔用x座標検出サブフィールド

Claims (7)

  1. y座標検出サブフィールドおよびx座標検出サブフィールドを発生する画像表示装置と、
    受光素子を有し、前記y座標検出サブフィールドおよび前記x座標検出サブフィールドにおいて前記画像表示装置の画像表示領域に発生する発光を受光して位置座標を算出する電子ペンと、
    を備え、前記位置座標にもとづき前記画像表示領域に描画を行う画像表示システムであって、
    算出した前記位置座標を前記画像表示装置における描画に用いる検出有効領域とそれ以外の非検出領域とを設け、
    前記電子ペンから出力される切替え信号にもとづき前記検出有効領域と前記非検出領域の大きさを変更する
    ことを特徴とする画像表示システム。
  2. 前記検出有効領域と前記非検出領域との大きさの比率にもとづき前記位置座標を補正し、補正後の位置座標にもとづき描画を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
  3. 前記補正後の位置座標が前記画像表示領域の全面に拡大するように前記補正を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像表示システム。
  4. 前記補正に用いる補正係数は、リセットされるまで維持される
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示システム。
  5. 前記画像表示装置は、前記位置座標を算出するときの基準となる座標基準信号を前記電子ペンが発生するための同期検出サブフィールドを発生し、
    前記電子ペンは、前記同期検出サブフィールドにおいて前記画像表示領域に発生する発光にもとづき前記座標基準信号を発生する同期検出部を備え、
    前記同期検出部は、前記同期検出サブフィールドの発光を所定時間検出できないときに前記リセットを発生する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像表示システム。
  6. 前記画像表示装置は、前記y座標検出サブフィールドとして近接用y座標検出サブフィールドと遠隔用y座標検出サブフィールドとを発生し、前記x座標検出サブフィールドとして近接用x座標検出サブフィールドと遠隔用x座標検出サブフィールドとを発生し、
    前記電子ペンは、前記近接用y座標検出サブフィールドおよび前記近接用x座標検出サブフィールドの少なくとも一方において前記画像表示領域に発生する発光にもとづき前記電子ペンから前記画像表示装置までの距離を判定する距離判定部を備え、
    前記電子ペンは、前記遠隔用y座標検出サブフィールドおよび前記遠隔用x座標検出サブフィールドにおいて前記画像表示領域に発生する発光にもとづき前記位置座標を算出するときは、前記距離判定部が前記判定の結果を前記切替え信号として発生する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
  7. 前記電子ペンは、
    前記遠隔用y座標検出サブフィールドおよび前記遠隔用x座標検出サブフィールドにおいて前記画像表示領域に発生する発光を前記画像表示装置から離れた位置で受光するための集光レンズを備えたアタッチメントを着脱可能に装着するとともに、前記アタッチメントが装着されたことを検出するスイッチを有し、
    前記スイッチから出力される信号にもとづき前記距離判定部が動作する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像表示システム。
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