JP2014202971A - 感光性樹脂構成体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 感光性樹脂層とその支持体であるポリエステルフィルムが、実際の印刷条件でも支障がない程度に強固でしかも経時的に安定した接着力を有する、例えばフレキソ印刷版用の感光性構成体を提供する。【解決手段】 本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなるポリエステルフィルム支持体を用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ウレタン樹脂を含有する塗布層を有し、当該塗布層上に感光性樹脂層が設けられてなることを特徴とする感光性樹脂構成体に存する。【選択図】 なし
Description
本発明は感光性樹脂構成体に関するものであり、例えば、フレキソ印刷版の製版等に好適に用いられ、接着力が良好で剥離しにくい感光性樹脂構成体に関するものである。
一般的なフレキソ印刷版用感光性構成体はポリエステルフィルムの支持体と、その上に設けられた感光性樹脂層とからなっている。このフレキソ印刷版を製版する手順は、まず支持体を通して全面に紫外線露光を施し(バック露光)、薄い均一な硬化層を設け、ついでネガフィルムを通して感光性樹脂層の面に画像露光(レリーフ露光)をおこなった後、未露光部分を現像用溶剤で洗い流して所望の画像、すなわちレリーフ像を形成せしめ印刷版を得るという手順をとっている。
得られた版は印刷機の版胴に、両面テープや真空引きなどで固定されて印刷に供されるが、印刷中の版胴と圧胴の間の煎断応力により、支持体と感光性樹脂層とが剥離するようなことがあってはならない。また印刷が終了して再度の印刷に備えて保管するために、印刷版を版胴からとりはずすが、その際に感光性樹脂層の部分をもって引き剥がそうとして感光性樹脂層に大きな力が加わった場合でも、印刷版が破損しないで支持体としっかりと接着している必要がある。
そのためには支持体と感光性樹脂層との良好な接着力が必要であり、その目安は、180°の角度で強制剥離した場合、1kg/cm以上の接着力があることが望ましい。このような観点から支持体と感光性樹脂層の間に接着剤層を設けることが一般的となっており、それにより支持体と光硬化樹脂層との接着を強固なものとしているのである。
しかし、一般的に支持体であるポリエステルフィルムとゴム成分を主体とする感光性樹脂層は極性の差が大きく、この両者に対して親和性がある接着剤を選択することは極めて困難である。また、たとえ両者に対してある程度バランスがとれた親和性のある接着剤を選択したとしても、接着剤層は感光性樹脂層に直に接するため、感光性樹脂中の成分が経時的に接着剤層中に移行し、その結果本来の接着剤の機能が阻害されるということがしばしば起こるのである。
そして感光性樹脂層の開始剤やモノマーが接着剤層中に移行すると、露光工程でこれらのモノマーが接着剤層中でも重合を起こし、その時の硬化収縮応力の残留により、支持体と接着剤層との間で界面剥離が発生しやすくなるという問題が生じるのである。
このように支持体と感光性樹脂層の接着力は双方の組成の組み合わせに依存しているのであり、強固な接着力を得るためにはこのことに十分配慮しなければならない。しかしながら現実には優れた機械的物性やレリーフの再現性をもちながら、支持体との接着力も強固である感光性樹脂層と接着剤、支持体の組み合わせを見いだすことは困難であった。
本発明は感光性樹脂層とその支持体であるポリエステルフィルムが、実際の印刷条件でも支障がない程度に強固でしかも経時的に安定した接着力を有する、例えばフレキソ印刷版用の感光性構成体を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなるポリエステルフィルム支持体を用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ウレタン樹脂を含有する塗布層を有し、当該塗布層上に感光性樹脂層が設けられてなることを特徴とする感光性樹脂構成体に存する。
本発明の感光性樹脂構成体によれば、従来よりも強固であり、しかも接着剤層を必要とせずに、経時的に安定した接着力を有する感光性樹脂構成体を提供することができ、その工業的価値は高い。
本発明における感光性樹脂構成体のポリエステルフィルム支持体を構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
ポリエステルの重合触媒としては、特に制限はなく、従来公知の化合物を使用することができ、例えば、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、マンガン化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等が挙げられる。この中でも、チタン化合物やゲルマニウム化合物は触媒活性が高く、少量で重合を行うことが可能であり、フィルム中に残留する金属量が少ないことから、フィルムの輝度が高くなるため好ましい。さらに、ゲルマニウム化合物は高価であることから、チタン化合物を用いることがより好ましい。
本発明のフィルムのポリエステル層中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することも可能である。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。
これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、粒子の平均粒径は、通常5μm以下、好ましくは0.01〜3μmの範囲である。平均粒径が5μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において種々の感光性樹脂層等を形成する場合に不具合が生じる場合がある。
さらにポリエステル層中の粒子含有量は、通常5重量%未満、好ましくは0.0003〜3重量%の範囲である。粒子が無い場合、あるいは少ない場合は、フィルムの透明性が高くなり、良好なフィルムとなるが、滑り性が不十分となる場合があるため、塗布層中に粒子を入れることにより、滑り性を向上させる等の工夫が必要な場合がある。また、粒子含有量が5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、寸法安定性の面から、通常10〜350μm、好ましくは50〜300μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法や液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては感光性樹脂構成体を構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
次に本発明における感光性樹脂構成体を構成する塗布層の形成について説明する。塗布層に関しては、ポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であることから、インラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に、延伸後のポリエステルフィルムの熱処理工程で、塗布層を高温で処理することができるため、塗布層上に形成され得る各種の表面機能層との密着性や耐湿熱性等の性能を向上させることができる。また、延伸前にコーティングを行う場合は、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることもでき、オフラインコーティングに比べ、薄膜コーティングをより容易に行うことができる。すなわち、インラインコーティング、特に延伸前のコーティングにより、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造することができる。
本発明においては、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ウレタン樹脂を含有する塗布層を有することを必須の要件とするものである。
ウレタン樹脂とは、ウレタン結合を分子内に有する高分子化合物のことである。通常ウレタン樹脂はポリオールとイソシアネートの反応により作成される。ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類が挙げられ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。
ポリカーボネートポリオール類は、多価アルコール類とカーボネート化合物とから、脱アルコール反応によって得られる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられ、これらの反応から得られるポリカーボネート系ポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
ポリエステルポリオール類としては、多価カルボン酸(マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジメタノールベンゼン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、アルキルジアルカノールアミン、ラクトンジオール等)の反応から得られるものが挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
感光性樹脂層との接着性を向上させるために、上記ポリオール類の中でもポリカーボネートポリオール類がより好適に用いられる。
ウレタン樹脂を得るために使用されるポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が例示される。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。
ウレタン樹脂を合成する際に鎖延長剤を使用してもよく、鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する活性基を2個以上有するものであれば特に制限はなく、一般的には、水酸基またはアミノ基を2個有する鎖延長剤を主に用いることができる。
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1 ,8−オクタンジアミン、1 ,9−ノナンジアミン、1 ,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロビリチンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1 ,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。
本発明におけるウレタン樹脂は、溶剤を媒体とするものであってもよいが、好ましくは水を媒体とするものである。ウレタン樹脂を水に分散または溶解させるには、乳化剤を用いる強制乳化型、ウレタン樹脂中に親水性基を導入する自己乳化型あるいは水溶型等がある。特に、ウレタン樹脂の骨格中にイオン基を導入しアイオノマー化した自己乳化タイプが、液の貯蔵安定性や得られる塗布層の耐水性、透明性、密着性に優れており好ましい。
また、導入するイオン基としては、カルボキシル基、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、第4級アンモニウム塩等、種々のものが挙げられるが、カルボキシル基が好ましい。ウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、重合反応の各段階の中で種々の方法が取り得る。例えば、プレポリマー合成時に、カルボキシル基を持つ樹脂を共重合成分として用いる方法や、ポリオールやポリイソシアネート、鎖延長剤などの一成分としてカルボキシル基を持つ成分を用いる方法がある。特に、カルボキシル基含有ジオールを用いて、この成分の仕込み量によって所望の量のカルボキシル基を導入する方法が好ましい。例えば、ウレタン樹脂の重合に用いるジオールに対して、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ブタン酸等を共重合させることができる。またこのカルボキシル基はアンモニア、アミン、アルカリ金属類、無機アルカリ類等で中和した塩の形にするのが好ましい。特に好ましいものは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンである。かかるポリウレタン樹脂は、塗布後の乾燥工程において中和剤が外れたカルボキシル基を、他の架橋剤による架橋反応点として用いることが出来る。これにより、塗布前の液の状態での安定性に優れる上、得られる塗布層の耐久性、耐溶剤性、耐水性、耐ブロッキング性等をさらに改善することが可能となる。
また、導入するイオン基としては、カルボキシル基、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、第4級アンモニウム塩等、種々のものが挙げられるが、カルボキシル基が好ましい。ウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、重合反応の各段階の中で種々の方法が取り得る。例えば、プレポリマー合成時に、カルボキシル基を持つ樹脂を共重合成分として用いる方法や、ポリオールやポリイソシアネート、鎖延長剤などの一成分としてカルボキシル基を持つ成分を用いる方法がある。特に、カルボキシル基含有ジオールを用いて、この成分の仕込み量によって所望の量のカルボキシル基を導入する方法が好ましい。例えば、ウレタン樹脂の重合に用いるジオールに対して、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ブタン酸等を共重合させることができる。またこのカルボキシル基はアンモニア、アミン、アルカリ金属類、無機アルカリ類等で中和した塩の形にするのが好ましい。特に好ましいものは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンである。かかるポリウレタン樹脂は、塗布後の乾燥工程において中和剤が外れたカルボキシル基を、他の架橋剤による架橋反応点として用いることが出来る。これにより、塗布前の液の状態での安定性に優れる上、得られる塗布層の耐久性、耐溶剤性、耐水性、耐ブロッキング性等をさらに改善することが可能となる。
本発明者らは、各種検討を行った結果、一般的な樹脂の中でウレタン樹脂、その中でも特にポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂が良好な接着性を有することを見出した。さらにウレタン樹脂に関する検討を重ねた結果、炭素−炭素二重結合を有するウレタン樹脂を有するウレタン樹脂が感光性樹脂層との接着性をさらに向上できることを見出した。解決のためのメカニズムに関して詳細は分かっていないが、感光性樹脂層を形成するときに照射する紫外線により炭素−炭素二重結合が開裂し、感光性樹脂層と化学的・物理的な相互作用を起こして接着性が向上するものと推測している。
炭素−炭素二重結合を有するウレタン樹脂とは、ウレタン樹脂の中に炭素−炭素二重結合を有するものであり、従来公知の材料を使用することができる。例えば、ウレタン樹脂にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、アリル基等の形で導入することが挙げられる。
炭素−炭素二重結合には各種の置換基を導入することができ、例えば、メチル基やエチル基等のアルキル基、フェニル基、ハロゲン基、エステル基、アミド基等やあるいは共役二重結合のような構造を有していても良い。また、置換基の量としては、特に制限はなく、1置換体、2置換体、3置換体、あるいは4置換体いずれも使用することが可能であり、反応性を考慮すると1置換体、あるいは2置換体が好ましく、さらには1置換体がより好ましい。
ウレタン樹脂への導入の容易さと感光性樹脂層と化学的・物理的な相互作用を考慮すると、立体障害が小さい、置換基がないアクリレート基やメタクリレート基が好ましく、特に置換基がないアクリレート基がより好ましい。
また、炭素−炭素二重結合部のウレタン樹脂全体に対する割合は好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1.0重量%以上、さらに好ましくは1.5重量%以上である。炭素−炭素二重結合部の樹脂全体に対する割合が0.5重量%以上であると効果的に接着性が向上する。
炭素−炭素二重結合部の骨格としては、ポリエステル構造を有するウレタン樹脂やポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂が好ましい。
本発明の感光性樹脂構成体における塗布層形成には、塗布外観、透明性や接着性の向上等のために各種のポリマーを併用することも可能である。
ポリマーの具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。
また、本発明のフィルムにおける塗布層形成には、塗布層の塗膜を強固にし、感光性樹脂層との十分な接着性、耐湿熱特性を向上させるために、架橋剤を併用することが好ましい。
架橋剤としては、例えば、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、シランカップリング化合物等が挙げられる。その中でも接着性向上の観点からオキサゾリン化合物やエポキシ化合物が好ましく、特にオキサゾリン化合物とエポキシ化合物を併用すると格段に接着性が向上するために好ましい。
オキサゾリン化合物とは、分子内にオキサゾリン基を有する化合物であり、特にオキサゾリン基を含有する重合体が好ましく、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β−不飽和モノマー類;スチレン、α−メチルスチレン、等のα,β−不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを使用することができる。
オキサゾリン化合物に含有されるオキサゾリン基の含有量は、オキサゾリン基量で、通常0.5〜10mmol/g、好ましくは1〜9mmol/g、より好ましくは3〜8mmol/g、さらに好ましくは4〜6mmol/gの範囲である。上記範囲での使用が、感光性樹脂層への接着性が向上し好ましい。
エポキシ化合物とは、分子内にエポキシ基を有する化合物であり、例えば、エピクロロヒドリンとエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ビスフェノールA等の水酸基やアミノ基との縮合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等がある。ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等が挙げられる。
メラミン化合物とは、化合物中にメラミン骨格を有する化合物のことであり、例えば、アルキロール化メラミン誘導体、アルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。エーテル化に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等が好適に用いられる。また、メラミン化合物としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できるし、メラミン化合物の反応性を上げるために触媒を使用することも可能である。
イソシアネート系化合物とは、イソシアネート、あるいはブロックイソシアネートに代表されるイソシアネート誘導体構造を有する化合物のことである。イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等が例示される。また、これらイソシアネートのビュレット化物、イソシアヌレート化物、ウレトジオン化物、カルボジイミド変性体等の重合体や誘導体も挙げられる。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。上記イソシアネートの中でも、紫外線による黄変を避けるために、芳香族イソシアネートよりも脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートがより好ましい。
ブロックイソシアネートの状態で使用する場合、そのブロック剤としては、例えば重亜硫酸塩類、フェノール、クレゾール、エチルフェノールなどのフェノール系化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノールなどのアルコール系化合物、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、ε‐カプロラクタム、δ‐バレロラクタムなどのラクタム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドの酸アミド化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物が挙げられ、これらは単独でも2種以上の併用であってもよい。
また、本発明におけるイソシアネート系化合物は単体で用いてもよいし、各種ポリマーとの混合物や結合物として用いてもよい。イソシアネート系化合物の分散性や架橋性を向上させるという意味において、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂との混合物や結合物を使用することが好ましい。
カルボジイミド系化合物とは、カルボジイミド構造を有する化合物のことであり、分子内にカルボジイミド構造を1つ以上有する化合物であるが、より良好な接着性等のために、分子内に2つ以上有するポリカルボジイミド系化合物がより好ましい。
カルボジイミド系化合物は従来公知の技術で合成することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物の縮合反応が用いられる。ジイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、芳香族系、脂肪族系いずれも使用することができ、具体的には、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
さらに本発明の効果を消失させない範囲において、ポリカルボジイミド系化合物の水溶性や水分散性を向上するために、界面活性剤を添加することや、ポリアルキレンオキシド、ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩などの親水性モノマーを添加して用いてもよい。
なお、これら架橋剤は、乾燥過程や、製膜過程において、反応させて塗布層の性能を向上させる設計で用いている。できあがった塗布層中には、これら架橋剤の未反応物、反応後の化合物、あるいはそれらの混合物が存在しているものと推測できる。
また、滑り性やブロッキングを改良するために、塗布層の形成に粒子を併用することが好ましい。
粒子の平均粒径はフィルムの透明性の観点から好ましくは1.0μm以下の範囲であり、さらに好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.2μm以下の範囲である。
使用する粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化金属等の無機粒子、あるいは架橋高分子粒子等の有機粒子等を挙げることができる。特に、塗布層への分散性や得られる塗膜の透明性の観点からは、シリカ粒子が好適である。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、塗布層の形成には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、発泡剤、染料等を併用してもよい。
本発明のフィルムにおける塗布層を形成する塗布液中の全不揮発成分に対する割合として、ウレタン樹脂は、通常20〜90重量%、好ましくは30〜85重量%、より好ましくは45〜75重量%の範囲である。上記の範囲を外れる場合は、感光性樹脂層との接着性が十分でない場合がある。
また、本発明のフィルムにおける塗布層を形成する塗布液中の全不揮発成分に対する割合として、架橋剤は、通常80重量%以下、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%の範囲である。上記範囲を外れる場合、耐湿熱性や接着性が十分でない場合がある。
本発明のフィルムにおける塗布層を形成する塗布液中の全不揮発成分に対する割合として、粒子は、粒径やポリエステルフィルムの特性によっても滑り性やブロッキング特性は変化するので一概には言えないが、好ましくは25%以下、より好ましくは3〜15%、さらに好ましくは、5〜10%の範囲であることがさらに好ましい。25%を超える場合は塗布層の透明性が低下する場合や接着性が低下する場合がある。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、上述した塗布層を設けた面と反対側の面にも塗布層を設けることも可能である。例えば、感光性樹脂層を形成した反対側にハードコート層等の機能層を形成する場合に、当該機能層との密着性を向上させることが可能である。反対側の面に形成する塗布層の成分としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等のポリマー、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物等の架橋剤等が挙げられ、これらの材料を単独で用いてもよいし、複数種を併用して用いてもよい。また、上述してきたようなウレタン樹脂を用いた塗布層(ポリエステルフィルムに両面同一の塗布層)であってもよい。
塗布層中の成分の分析は、例えば、TOF−SIMS、ESCA、蛍光X線等の分析によって行うことができる。
インラインコーティングによって塗布層を設ける場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の膜厚は、通常0.002〜1.0μm、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.2μmの範囲である。膜厚が上記範囲より外れる場合は、接着性、塗布外観、ブロッキング特性が悪化する場合がある。
本発明の塗布層を形成する方法としては、例えば、グラビアコート、リバースロールコート、ダイコート、エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、バーコート、カーテンコート、ナイフコート、トランスファロールコート、スクイズコート、含浸コート、キスコート、スプレーコート、カレンダコート、押出コート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
一方、インラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
感光性樹脂層を画像露光して得られるレリーフ体は、フレキソ印刷版に要求される特性を備えていなければならない。すなわち厚紙や軟質のプラスチックフィルム等の被印刷体に対しても、良好な印刷性能を発揮するものでなければならない。そのような特性を有する感光性樹脂層のバインダーポリマーの例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体に代表されるモノビニル置換芳香族化合物と共役ジエンからなる熱可塑性エラストマーが挙げられる。
さらには必要に応じて親水性の官能基を有するポリアミドやウレタンなどを合わせて用いることもできる。これらバインダーポリマーは、最終的に得られるフレキソ版の機械物性が実用的なレベルとなるためには、感光性樹脂全体に対して、通常50〜95重量%である。
モノマーとしてはヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、などのエチレン性不飽和結合をその分子中に2個有する化合物を、すくなくとも1種以上を含むものである。より良好な接着力を有するためには、好ましくは、これらモノマーはジアクリレート化合物である。
これらモノマーは感光性樹脂全体に対し、1〜10重量%の範囲で用いることで、所期の効果が得られる。
また上記モノマーに加え、必要に応じて用いることができるその他のモノマーの例としては、t−ブチルアルコールやラウリルアルコールなどのアルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステルやラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体、あるいはジオクチルフマレートなどのアルコールとフマール酸のエステルなどが挙げられる。
光開始剤としては芳香族ケトン類やベンゾインエーテル類など公知のラジカル重合開始剤、具体例を挙げると、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジエトキシフェニルアセトフェノン等の中から選択し、また組み合わせて使用することができる。
さらにこの感光性樹脂層に要求される特性に応じて、増感剤,熱重合禁止剤,可塑剤,着色剤などの添加剤を含むことができる。
感光性組成物は種々の方法で調製することができる。例えば上記の配合される原料を適当な溶媒、例えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることができる。また溶剤を用いず、ニーダーあるいはロールミルで混練し、押し出し機、射出成形機、プレスなどにより所望の厚さの板に成形することもできる。
感光性樹脂層はその組成によっては粘着性を有するので、場合によっては製版時にその上に重ねられる透明画像担体との接触性をよくするために、或いはその透明画像担体の再使用を可能にするために、樹脂層表面にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレンなどの薄いフィルムがラミネートされる。
このフィルムはその上に重ねて置いた透明画像担体を通しての露光が終了してから剥ぎとられる。同様の目的のためにフィルムの代わりに、現像液に可溶性の薄いたわみ性の保護層を設けてもよい。この場合は透明画像担体を通しての露光が終了してから未露光部を洗い出しする際に、この薄いたわみ性の保護層も同時に除去される。
現像液に可溶な薄いたわみ性の保護層、例えば現像液に可溶性のポリアミド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロースエステルなどの層を感光性樹脂層の表面に設けようとする場合には、これらを適当な溶剤に溶かしてその溶液を直接感光性樹脂層にコーティングしてもよいし、一度ポリエステル、ポリプロピレン等のフィルムにコーティング(保護フィルム)し、その後この保護フィルムを感光層にラミネートまたはプレス圧着して保護膜を転写させてもよい。
接着剤を塗布した支持体や保護フィルムは通常感光性樹脂組成物のシート成形後、ロールラミネートにより、感光層に密着される。ラミネート後加熱プレスすると一層厚み精度の良い感光性樹脂層を得ることができる。
感光性樹脂層を光硬化するのに用いられる紫外線光源としては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、太陽光などがある。
紫外線を、透明画像担体を通して感光性樹脂層に露光することにより所望のレリーフ像を得ることができるが、支持体と感光性樹脂層との接着をより強固にするために、さらにはレリーフ像を未硬化部の洗い出し時の応力に対してより安定なものにするために、支持体の側から全面露光を行うことが有効である。この透明画像担体の側からの露光と支持体の側からの露光は、どちらを先におこなっても良いし、また両方を同時におこなってもよいが、画像再現性の観点からは支持体側からの露光を先に行うのが好ましい。
感光性樹脂層に透明画像担体を通して紫外線を照射して画像を形成させた後、未露光部を洗い出すのに用いられる現像溶剤としては、例えば1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロルエチレン等の塩素系有機溶剤や、ヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類、石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類やこれらにプロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類を混合したものをあげることができる。
さらには水系の現像液としては水とアルコールの混合溶液、界面活性剤を添加した水なども用いることができる。未露光部の洗い出しはノズルからの噴射によって、またはブラシによるブラッシングでおこなわれる。得られた印刷版はリンス洗浄し、乾燥後に後露光を実施して仕上げをする。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定方法
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径の測定方法
TEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 H−7650、加速電圧100V)を使用して塗布層を観察し、粒子10個の粒径の平均値を平均粒径とした。
TEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 H−7650、加速電圧100V)を使用して塗布層を観察し、粒子10個の粒径の平均値を平均粒径とした。
(3)ウレタン樹脂中の炭素−炭素結合部の重量
ウレタン樹脂を減圧乾燥後、NMR(Bruker Biospin社製 AVANCEIII600)を用いて、1Hと13Cの各ピークを帰属し、計算により求めた。
ウレタン樹脂を減圧乾燥後、NMR(Bruker Biospin社製 AVANCEIII600)を用いて、1Hと13Cの各ピークを帰属し、計算により求めた。
(4)塗布層の膜厚測定方法
塗布層の表面をRuO4で染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuO4で染色し、塗布層断面をTEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 H−7650、加速電圧100V)を用いて測定し、10箇所の平均値を塗布層の膜厚とした。
塗布層の表面をRuO4で染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuO4で染色し、塗布層断面をTEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 H−7650、加速電圧100V)を用いて測定し、10箇所の平均値を塗布層の膜厚とした。
(5)接着力の評価方法
得られた感光性樹脂構成体において、ウレタン樹脂を含有する塗布層を有するポリエステルフィルムと感光性樹脂の剥離強度について、得られた感光性樹脂構成体に対し、紫外線蛍光灯にて全面露光を行ない、樹脂層を硬化させ、接着をより強固なものとした後、1cm幅の短冊状に切断したサンプルから、ポリエステルフィルムと感光性樹脂層とを一部強制的に剥がし、引っ張り試験機(島津製作所(株)製 島津オートグラフAG−1kNI)を用いて180゜の角度で、50mm/分の速度でポリエステルフィルムと感光性樹脂層とを剥離することで評価した。剥離強度が5.0kg/cm以上の場合を◎、2.5kg/cm以上5.0kg/cm未満の場合を○、1.0kg/cm以上2.5kg/cm未満の場合を△、1.0kg/cm未満の場合を×とした。また、20℃条件にて14日間エージング後の接着力についても同様の方法で評価した。
得られた感光性樹脂構成体において、ウレタン樹脂を含有する塗布層を有するポリエステルフィルムと感光性樹脂の剥離強度について、得られた感光性樹脂構成体に対し、紫外線蛍光灯にて全面露光を行ない、樹脂層を硬化させ、接着をより強固なものとした後、1cm幅の短冊状に切断したサンプルから、ポリエステルフィルムと感光性樹脂層とを一部強制的に剥がし、引っ張り試験機(島津製作所(株)製 島津オートグラフAG−1kNI)を用いて180゜の角度で、50mm/分の速度でポリエステルフィルムと感光性樹脂層とを剥離することで評価した。剥離強度が5.0kg/cm以上の場合を◎、2.5kg/cm以上5.0kg/cm未満の場合を○、1.0kg/cm以上2.5kg/cm未満の場合を△、1.0kg/cm未満の場合を×とした。また、20℃条件にて14日間エージング後の接着力についても同様の方法で評価した。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、エチルアシッドフォスフェートを生成ポリエステルに対して30ppm、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して100ppmを窒素雰囲気下、260℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、テトラブチルチタネートを生成ポリエステルに対して50ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.3kPaまで減圧し、さらに80分、溶融重縮合させ、極限粘度0.63のポリエステル(A)を得た。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、エチルアシッドフォスフェートを生成ポリエステルに対して30ppm、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して100ppmを窒素雰囲気下、260℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、テトラブチルチタネートを生成ポリエステルに対して50ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.3kPaまで減圧し、さらに80分、溶融重縮合させ、極限粘度0.63のポリエステル(A)を得た。
<ポリエステル(B)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して900ppmを窒素雰囲気下、225℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、正リン酸を生成ポリエステルに対して3500ppm、二酸化ゲルマニウムを生成ポリエステルに対して70ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.4kPaまで減圧し、さらに85分、溶融重縮合させ、極限粘度0.64のポリエステル(B)を得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して900ppmを窒素雰囲気下、225℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、正リン酸を生成ポリエステルに対して3500ppm、二酸化ゲルマニウムを生成ポリエステルに対して70ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.4kPaまで減圧し、さらに85分、溶融重縮合させ、極限粘度0.64のポリエステル(B)を得た。
<ポリエステル(C)の製造方法>
ポリエステル(A)の製造方法において、溶融重合前に平均粒径2μmのシリカ粒子を0.3重量部添加する以外はポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。
ポリエステル(A)の製造方法において、溶融重合前に平均粒径2μmのシリカ粒子を0.3重量部添加する以外はポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・炭素−炭素二重結合を有するウレタン樹脂:(IA)
ヒドロキシエチルアクリレートユニット:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートユニット:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体ユニット:カプロラクトンユニット:エチレングリコールユニット:ジメチロールプロパン酸ユニット=18:12:22:26:18:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が2.0重量%であるウレタン樹脂。
(化合物例)
・炭素−炭素二重結合を有するウレタン樹脂:(IA)
ヒドロキシエチルアクリレートユニット:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートユニット:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体ユニット:カプロラクトンユニット:エチレングリコールユニット:ジメチロールプロパン酸ユニット=18:12:22:26:18:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が2.0重量%であるウレタン樹脂。
・炭素−炭素二重結合部を有するウレタン樹脂:(IB)
ヒドロキシエチルアクリレートユニット:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートユニット:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体ユニット:カプロラクトンユニット:エチレングリコールユニット:ジメチロールプロパン酸ユニット=23:12:22:24:15:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が2.6重量%であるウレタン樹脂。
ヒドロキシエチルアクリレートユニット:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートユニット:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体ユニット:カプロラクトンユニット:エチレングリコールユニット:ジメチロールプロパン酸ユニット=23:12:22:24:15:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が2.6重量%であるウレタン樹脂。
・炭素−炭素二重結合部を有するウレタン樹脂:(IC)
ヒドロキシエチルアクリレートユニット:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートユニット:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体ユニット:カプロラクトンユニット:エチレングリコールユニット:ジメチロールプロパン酸ユニット=8:10:20:38:20:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が1.0重量%であるウレタン樹脂。
ヒドロキシエチルアクリレートユニット:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートユニット:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体ユニット:カプロラクトンユニット:エチレングリコールユニット:ジメチロールプロパン酸ユニット=8:10:20:38:20:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が1.0重量%であるウレタン樹脂。
・炭素−炭素二重結合部を有するウレタン樹脂:(ID)
ヒドロキシエチルアクリレートユニット:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートユニット:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体ユニット:カプロラクトンユニット:エチレングリコールユニット:ジメチロールプロパン酸ユニット=6:10:20:38:22:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が0.7重量%であるウレタン樹脂。
ヒドロキシエチルアクリレートユニット:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートユニット:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体ユニット:カプロラクトンユニット:エチレングリコールユニット:ジメチロールプロパン酸ユニット=6:10:20:38:22:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が0.7重量%であるウレタン樹脂。
・カーボネート系のウレタン樹脂:(IE)
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオールを84部、ネオペンチルグリコールを2部、イソホロンジイソシアネート12部、ジメチロールブタン酸が2部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られる、ウレタン樹脂の水分散体。
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオールを84部、ネオペンチルグリコールを2部、イソホロンジイソシアネート12部、ジメチロールブタン酸が2部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られる、ウレタン樹脂の水分散体。
・カーボネート系のウレタン樹脂:(IF)
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール80部、数平均分子量400のポリエチレングリコール4部、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)12部、ジメチロールブタン酸4部からなるウレタン樹脂をトリエチルアミンで中和した、ウレタン樹脂の水分散体。
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール80部、数平均分子量400のポリエチレングリコール4部、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)12部、ジメチロールブタン酸4部からなるウレタン樹脂をトリエチルアミンで中和した、ウレタン樹脂の水分散体。
・ポリエステル樹脂:(IG)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
・アクリル樹脂:(IH)
下記組成で重合したアクリル樹脂の水分散体
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
下記組成で重合したアクリル樹脂の水分散体
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
・オキサゾリン化合物:(IIA)
オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー
(オキサゾリン含量=4.5mmol/g、株式会社日本触媒製)
オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー
(オキサゾリン含量=4.5mmol/g、株式会社日本触媒製)
・エポキシ化合物:(IIB)ポリグリセロールポリグリシジルエーテル。
・粒子:(III)平均粒径0.07μmのシリカゾル
実施例1:
(ポリエステルフィルムの作製)
ポリエステル(A)、(B)、(C)をそれぞれ89%、5%、6%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ95%、5%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=1:18:1の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。
次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示す塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、塗布層の膜厚(乾燥後)が0.03μmの塗布層を有する厚さ125μmのポリエステルフィルムを得た。
(ポリエステルフィルムの作製)
ポリエステル(A)、(B)、(C)をそれぞれ89%、5%、6%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ95%、5%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=1:18:1の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。
次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示す塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、塗布層の膜厚(乾燥後)が0.03μmの塗布層を有する厚さ125μmのポリエステルフィルムを得た。
(感光性樹脂構成体の調製)
スチレン−ブタジエンブロックコポリマー60重量部、ポリブタジエン30重量部、1,9−ノナンジオールアクリレート7重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン2重量部、2,6−ジーt−ブチルーp−クレゾール1重量部からなる感光性樹脂組成物をニーダーで混練し、上記で得られたポリエステルフィルムと4〜6μm厚みのポリアミド(マクロメルト6900,ヘンケル白水株式会社製)の保護層を有するポリエステルフィルムとで挟み、保護膜と感光性樹脂組成物が接するように約1.2mmのスペーサーを用いてプレス機で130℃の条件で4分間、200kg/cm2の圧力をかけて加圧成形をおこない、感光性樹脂構成体を得た。その後、紫外線蛍光灯にて全面露光を行ない、樹脂層を硬化させた感光性樹脂構成体の剥離強度について評価したところ、表2に示すとおり接着力は良好であった。また、20℃条件にて14日間エージング後、接着力を測定したところ、表2に記載のとおり良好な接着力を維持していた。
スチレン−ブタジエンブロックコポリマー60重量部、ポリブタジエン30重量部、1,9−ノナンジオールアクリレート7重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン2重量部、2,6−ジーt−ブチルーp−クレゾール1重量部からなる感光性樹脂組成物をニーダーで混練し、上記で得られたポリエステルフィルムと4〜6μm厚みのポリアミド(マクロメルト6900,ヘンケル白水株式会社製)の保護層を有するポリエステルフィルムとで挟み、保護膜と感光性樹脂組成物が接するように約1.2mmのスペーサーを用いてプレス機で130℃の条件で4分間、200kg/cm2の圧力をかけて加圧成形をおこない、感光性樹脂構成体を得た。その後、紫外線蛍光灯にて全面露光を行ない、樹脂層を硬化させた感光性樹脂構成体の剥離強度について評価したところ、表2に示すとおり接着力は良好であった。また、20℃条件にて14日間エージング後、接着力を測定したところ、表2に記載のとおり良好な接着力を維持していた。
実施例2〜15:
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、感光性樹脂層を得た。でき上がったフレキソ印刷版は表2に示すとおりであり接着性は良好であった。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、感光性樹脂層を得た。でき上がったフレキソ印刷版は表2に示すとおりであり接着性は良好であった。
比較例1および2:
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、感光性樹脂構成体を得た。でき上がった感光性樹脂構成体を接着力評価したところ、表2に示すとおりであり、いずれも1.0kg/cmを下回っており、接着性が弱いものであった。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、感光性樹脂構成体を得た。でき上がった感光性樹脂構成体を接着力評価したところ、表2に示すとおりであり、いずれも1.0kg/cmを下回っており、接着性が弱いものであった。
本発明によれば、強固でしかも経時的に安定した接着力を有する感光性樹脂構成体を提供することができる。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ウレタン樹脂を含有する塗布層を有し、当該塗布層上に感光性樹脂層を有することを特徴とする感光性樹脂構成体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013080038A JP2014202971A (ja) | 2013-04-08 | 2013-04-08 | 感光性樹脂構成体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013080038A JP2014202971A (ja) | 2013-04-08 | 2013-04-08 | 感光性樹脂構成体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014202971A true JP2014202971A (ja) | 2014-10-27 |
Family
ID=52353427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013080038A Pending JP2014202971A (ja) | 2013-04-08 | 2013-04-08 | 感光性樹脂構成体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014202971A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111316164A (zh) * | 2017-11-06 | 2020-06-19 | 旭化成株式会社 | 感光性树脂层叠体及抗蚀图案的制造方法 |
-
2013
- 2013-04-08 JP JP2013080038A patent/JP2014202971A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111316164A (zh) * | 2017-11-06 | 2020-06-19 | 旭化成株式会社 | 感光性树脂层叠体及抗蚀图案的制造方法 |
CN111316164B (zh) * | 2017-11-06 | 2023-12-29 | 旭化成株式会社 | 感光性树脂层叠体及抗蚀图案的制造方法 |
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