以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図43を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことであり、後述する第1入球口64への入球(始動始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。例えば、町中をモチーフにした「町中ステージ」、海をモチーフにした「海ステージ」、山をモチーフにした「山ステージ」等が、ステージとして用意される。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われる。
また、第3図柄表示装置81においてノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口(始動口)64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図6参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、第1入球口64に付随する電動役物が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間が、その他の遊技状態と比して長くなる状態であってもよい。また、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。更に、可変表示装置ユニット80には、予告演出用の可動役物である第1役物87が設けられている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図6,12参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81は、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が第3図柄表示装置81にて行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」、「確変図柄」)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」、「通常図柄」)が揃う変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出したりする等して、予告演出が行われる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って第3図柄表示装置81にて行われる変動演出の一態様として、一の変動表示の中で第3図柄の擬似変動が複数回連続して行われる、いわゆる「擬似連」が行われ得るように構成されている。「擬似連」は、その擬似連が実行される変動表示の結果として大当たりとなる期待度を示唆する予告演出の一種であり、一の変動表示中に、第3図柄の擬似停止と再変動(擬似変動)とが繰り返し行われる態様によって変動演出が行われる。
「擬似連」では、この一の変動表示中に行われる擬似停止および再変動の繰り返し回数(即ち、擬似変動が連続して行われる回数)が多くなる程、その変動表示後に大当たりが付与される期待感が高まるように、その繰り返し回数が決定される。これにより、一の変動表示中に擬似変動が繰り返し行われれば行われる程、遊技者は大当たりとなる可能性が高まっていく感覚を覚えることができる。よって、「擬似連」による変動演出を行うことにより、遊技者に対し遊技への興趣を高めることができる。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80、遊技盤13、又は前面枠12等に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第1役物87は、遊技領域の正面視において円盤状の可動役物であり、予告演出に用いられるものである。第1役物87は、通常時において初期位置として原点位置にあり、センターフレーム86の上側内部に格納されて、遊技者に視認不能となっている。そして、第1役物87による予告演出が行われる場合、第1役物87は次のように動作する。
即ち、第3図柄表示装置81にて行われている第3図柄の変動演出の任意のタイミングで、第1役物87がセンターフレーム86から下降し、ある位置に到達したところで、上下動する。その変動演出が大当たりとなる場合は、第1役物87が上下動した後に、最大下降位置(最大点位置)まで下降し、遊技領域の正面視時計回り(図2の矢印A方向)に回転動作することで、その変動演出において大当たりとなることを予告する予告演出(所謂、一発告知演出)を行う。
一方、その変動演出が外れとなる場合は、第1役物87が上下動した後に最大点位置まで下降せず、上昇して、再びセンターフレーム86の上側内部に格納される。これにより、第1役物87が上下動している間、第1役物87が最大点位置まで下降し、大当たりとなることを遊技者に期待させることができ、遊技への興趣を高めることができる。また、第1役物87が最大点位置まで下降した場合に、大当たりとなることへの大きな喜びや優越感を、遊技者に与えることができる。
第1役物87の回転中心付近には、LED(図示せず)が内蔵されており、第1役物87の回転動作と合わせて、LEDを点灯または点滅させることにより、その予告演出が更に強調される。加えて、第1役物87の動作に合わせて、第1役物87の周囲の明度を高くした画像が、第3図柄表示装置81に表示される。これにより、第1役物87による予告演出がより強調され、遊技者の喜びを更に高めることができる。
ここで、図5(a)を参照して、第1役物87の構成について説明する。第1役物87は、第1役物87を上下動させるための構成として、ラック・アンド・オピニオン方式を採用し、第1役物上下動用モータ87aと、歯車である駆動ギア87b及び従動ギア87cと、スライドギア87dとを有している。また、図示はしていないが、第1役物87を回転動作させるための第1役物回転用モータ87e(図6参照)が設けられている。第1役物回転用モータ87eが駆動されると、第1役物87は遊技領域の正面視時計回り(図2の矢印A方向)に回転動作する。
第1役物上下動用モータ87aは、ステッピングモータであり、パルス信号を加えることで、与えられたステップ単位で駆動ギア87bを駆動回転させる。従動ギア87cは、駆動ギア87bに歯合連結し、駆動ギア87bの回転力によって従動回転する。
第1スライドギア87dは、平板状の棒に歯切りをしたものであって、従動ギア87cに歯合連結し、従動ギア87cの回転に伴って、上下方向に往復移動が可能になっている。この第1スライドギア87dの下端に、第1役物87が接続されている。
よって、第1役物上下動用モータ87aにより、駆動ギア87aをステップ単位で駆動回転させることによって、従動ギア87cを介して、スライドギア87dがステップ単位で上下方向に移動する。これに伴って、第1役物87を原点位置から最大点位置までの範囲で上下動させることができる。本パチンコ機10では、第1役物87が原点位置にある場合に、その第1役物87が下降する方向に100ステップだけ第1役物上下動用モータ87aを駆動すると、第1役物87が最大点位置に到達するように構成されている。
第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動制御は、音声の出力や、電飾部29〜33,表示ランプ34等の点灯および消灯などを制御する後述の音声ランプ制御装置112によって行われる。
スライドギア87dの上端には、突起87fが設けられている。また、第1役物87が原点位置にあるときのスライドギア87dの突起87fの位置に、原点検出センサ88が設けられている。また、第1役物87が最大点位置にあるときのスライドギア87dの突起87fの位置に最大点検出センサ89が設けられている。
ここで、図5(b)を参照して、原点検出センサ88の構成について説明する。図5(b)は、原点検出センサ88の概略構成を示した図である。なお、最大点検出センサ89は、原点検出センサ88と同一の構成であるので、説明を省略する。
原点検出センサ88は、発光素子(図示せず)が取り付けられた発光素子取付部88aと、受光素子(図示せず)が取り付けられた受光素子取付部88bと、発光素子取付部88aの一端と受光素子取付部88bの一端とを、発光素子と受光素子とが所定距離だけ離れて対向配置されるように連結する連結部88cとによって構成されたコの字形状のセンサであり、発光素子取付部88aと受光素子取付部88bと連結部88cとによって検出溝88dを形成している。
検出溝88dに何ら挿入物がない場合、発光素子取付部88aに取り付けられた発光素子から照射された光は、そのまま受光素子取付部88bに取り付けられた受光素子によって受光される。一方、検出溝88dに挿入物が挿入された場合、発光素子取付部88aに取り付けられた発光素子から照射された光が遮断され、該光を受光素子取付部95bに取り付けられた受光素子が受光できない。原点検出センサ88は、該受光素子において光を受光した場合にオフ信号、受光しなかった場合にオン信号を出力することにより、その信号を受信した制御装置において、検出溝88dに何らかの挿入物が挿入されたか否かを判断できる。
この原点検出センサ88は、発光素子取付部88aが正面視前面側、受光素子取付部85bが正面視後面側、連結部88cが正面視左側に配置され、第1役物87が原点位置にあり、スライドギア87dの突起87fが検出溝88d内部に挿入されることにより、発光素子から受光素子へ照射される光が遮断されるように、取り付けられている。よって、原点検出センサ88において、発光素子から受光素子へ照射される光が遮断されたことが検出された場合に、原点検出センサ88からオン信号を出力することによって、制御装置は、第1役物87が原点位置に到達していることを判断できる。
また、最大点検出センサ89は、原点検出センサ88と同じ向きに配置され、第1役物87が最大点位置にあり、スライドギア87dの突起87fが、最大点検出センサ89の検出溝内部に挿入されることにより、発光素子から受光素子へ照射される光が遮断されるように、取り付けられている。よって、最大点検出センサ89において、発光素子から受光素子へ照射される光が遮断されたことが検出された場合に、最大点検出センサ89からオン信号を出力することによって、制御装置は、第1役物87が最大点位置に到達していることを判断できる。
図2に戻り、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口(始動入賞口)64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81における変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81の有効ラインL1上に停止表示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データとして、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c及び外れ用変動パターンテーブル202dが少なくとも格納されている。また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図7及び図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202dについて説明する。まず、図7は、各種カウンタの概要を示す図である。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図16参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図22参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、メイン処理(図22参照)の中で不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203bに適宜格納される。カウンタ用バッファ203bは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファ203bに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア203cが設けられている。保留エリアは、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファ203bから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアである。
MPU201は、第1入球口64への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファ203bの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。
これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファ203bから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリア203cに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図16参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図22参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファ203bに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203cに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留球格納エリア203c(正確には、保留球格納エリア203cの実行エリア)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定する。
ここで、図8(a)を参照して大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図8(a)は、大当たり乱数テーブル202aを模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)を示したものである。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
MPU201は、大当たりの判定を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブル203aから読み出す。そして、MPU201は、大当たりの判定に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブル203aから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図7に戻り、RAM203に設けられた各種カウンタの説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
ここで、図8(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図8(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図8(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図8(b)の例では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図22参照)の中で4ミリ秒毎に1回更新され、更に、メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、変動開始時に、カウンタ用バッファ203bの変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、変動演出で実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。
また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
さて、本実施形態では、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態であるか、もしくは、時短状態を除く通常時の低確率状態かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d2および外れ(通常)用変動パターンテーブル202d1が用意されている。
ここで、図8(c)〜(e)を参照して、各種変動パターンの詳細について説明する。まず、図8(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。図8(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別が15R確変大当たり又は15R通常大当たりである場合に参照される15R大当たり共通と、2R確変大当たりである場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その実行エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、カウンタ用バッファ203bの変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動テーブル202cから決定される。
15R大当たり共通には、変動パターンとして、変動時間が30秒の変動Aと、変動時間が60秒の変動Bと、変動時間が90秒の変動Cとがある。これら変動A〜Cと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが0〜10、変動Bが11〜99、変動Cが100〜198となっている。
変動パターンとして変動A(30秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、ノーマルリーチの態様で変動演出が行われる。変動パターンとして変動B(60秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スーパーリーチの態様で変動演出が行われるか、もしくは、擬似連による変動演出が行われる。また、変動パターンとして変動C(90秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スペシャルリーチの態様で変動演出が行われるか、もしくは、擬似連による変動演出が行われる。
ノールリーチは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンである。スーパーリーチは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンである。また、スペシャルリーチは、スーパーリーチより更に長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)変動パターンである。
15R大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、スペシャルリーチ各種が選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチおよびスーパーリーチも選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できるようになっている。
なお、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により実行されるノーマルリーチ、スーパーリーチ及びスペシャルリーチは、同じ変動時間であっても演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチに加え、有効ラインL1上の2つの図柄が同一図柄となってリーチ状態となったときやその他のタイミングで、所定のキャラクタが表示されるリーチが用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、変動開始前の予告演出が付加されるリーチ、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチなど、演出内容が異なる複数のリーチが用意されている。これにより、多彩な変動演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。
また、本実施形態では、変動パターンとして変動B又は変動Cが決定された場合に、リーチだけでなく、擬似連による変動演出が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって実行され得るようになっており、擬似連によって、遊技者の興趣を更に高めている。
2R確変大当たり専用で選択される変動パターンは、変動時間が59秒の2R変動のみで、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは0〜198となっている。即ち、大当たり種別が2R確変大当たりである場合は、変動種別カウンタCS1の値に関係なく、2R変動(59秒)が変動パターンとして決定される。
変動パターンとして、2R変動(59秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、複数用意された2R確変大当たり専用の変動態様の中から1の態様が選択され、その選択された態様で変動演出が行われる。2R確変大当たり専用の変動態様としては、例えば、「ニワトリ」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様や、通常では出現しない「女の子」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様などが含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、変動時間を±数秒程度で微調整するための他の変動種別カウンタを設けてもよいし、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かを、他の変動種別カウンタにより決定するようにしてもよい。
図8(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図8(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時に、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、カウンタ用バッファ203bの変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンから決定される。
完全外れ専用には、変動パターンとして、7秒と短時間で変動が終了してリーチも成立しない変動Dと、10秒と変動Dより長い変動時間となるがリーチが成立しない変動Eと、変動時間が55秒と長く、一の変動の中で擬似連による擬似変動が5回行われ、最終的にリーチが成立することなく完全外れとなる変動Fとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜98、変動E(10秒)が99〜148、変動F(55秒)が149〜198となっている。また、リーチ共通には、変動パターンとして、上述した変動A(30秒)、変動B(60秒)および変動C(90秒)があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜98、変動B(60秒)が99〜190、変動C(90秒)が191〜198となっている。
図8(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図8(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用と、外れ時の停止種別として前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通とに区分けされている。
そして、区分けされた各グループ毎に、それぞれのグループで選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応づけられている。なお、完全外れ専用が参照される場合に選択される変動パターンに変動F(55秒)は含まれず、変動D(7秒)および変動E(10秒)のみが選択される。また、リーチ共通が参照される場合に選択される変動パターンには、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動A(30秒)、変動B(60秒)及び変動C(90秒)がある。
実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、カウンタ用バッファ203bの変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2において、完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜190、変動E(10秒)が191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜98、変動Bが99〜190、外れスペシャルリーチ各種が191〜198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態または高確率状態にあるときに、完全外れであるにも関わらず変動時間が55秒もある変動Fが行わたり、変動時間の比較的長い変動Eが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、完全外れの場合において、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、変動Fが選択されず、また、遊技状態が時短状態を除く通常状態にあるときよりも、変動Eより変動時間の短い変動Dが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図8(d)及び図8(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、変動D及び変動Eを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、変動Dと変動Eとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
再び、図7に戻って各種カウンタの説明を行う。第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図16参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。
当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図16参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図22参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203b及び保留球格納エリア203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図22参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図21参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図20参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203aを少なくとも有している。保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図19のS1403参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づく変動表示が実行される毎に、1減算される(図17のS1205参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図19のS1406参照)。保留球数コマンドは、第1入球口64へ入球されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ203aが1加算される毎に主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図20参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、第1役物87の駆動、及び、第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。
この音声ランプ制御装置113は、音声ランプ制御装置113の全体を制御する演算装置であるMPU221と、再生する音を生成し、音声出力装置226を駆動して生成した音を出力する音出力LSI301とを有している。MPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したプログラムROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
ここで、図9を参照し、RAM223の詳細について説明する。図9は、RAM223に格納される各種データを模式的に示した模式図である。RAM223は、保留球数カウンタ223a、詳細変動パターン決定カウンタ223b、時短用BGM再生フラグ223c、始動入賞カウンタ223d、枠ボタン操作演出フラグ223e、枠ボタン操作回数カウンタ223f、ポインタ223g、タイマカウンタ223h、経過音発音フラグ223j、音高情報メモリ223kを少なくとも有している。
保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加され、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図25のS2007参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図26のS2107参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数を保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する(図41のS2951参照)。上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留カウンタ403aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の保留カウンタ403aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
詳細変動パターン決定カウンタ223bは、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに基づき、これから開始する変動演出の変動態様(詳細な変動パターン)を決定するためのカウンタであり、プログラムROM222に設けられた詳細変動パターン決定テーブル222a(図6参照)と合わせて用いられるものである。ここでは、詳細変動パターン決定カウンタ223bに合わせて、詳細変動パターン決定テーブル222aの説明も行う。
本実施形態では、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動A(変動時間30秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、30秒の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常のノーマルリーチに加え、所定のキャラクタが変動中に表示されるノーマルリーチが複数用意されている。
変動B(変動時間60秒)が指示された場合に決定される詳細なパターンとしては、60秒の変動時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等する複数のスーパーリーチが用意されている他、60秒の変動時間の間に擬似変動が複数回実行される擬似連が複数用意されている。
変動C(変動時間90秒)が指示された場合に決定される詳細なパターンとしては、90秒の変動時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等する複数のスペシャルリーチが用意されている他、90秒の変動時間の間に擬似変動が複数回実行される擬似連が複数用意されている。
2R変動(変動時間59秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとしては、変動時間が59秒の2R確変大当たり専用の変動態様が複数用意されている。
また、各変動パターン(変動A〜変動F、2R変動)に対し、パチンコ機10の遊技状態が、通常状態か、時短または確変状態かに応じて、異なる詳細な変動パターンが用意されている。
詳細変動パターン決定カウンタ223b及び詳細変動パターン決定テーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドと停止種別コマンドとを受信した場合に、その変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに対して用意された複数の詳細な変動パターンの中から、その変動パターンコマンドに対してこれから実行する変動演出の詳細な変動パターンを1つ決定するために用いられる。
詳細変動パターン決定カウンタ223bはループカウンタにて構成され、その更新は、定期的に(本実施形態ではメイン処理(図24参照)の中で1ms毎に実行されるS1912の処理にて)行われる。詳細変動パターン決定カウンタ223bの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図23参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「0」が設定される。
詳細変動パターン決定テーブル222aには、主制御装置110より通知される変動パターン(変動A,変動B,変動C,2R変動)毎に、それぞれの変動パターンに対して用意されている各種の詳細な変動パターンに対応づけて、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値が定められている。また、詳細な変動パターンと、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値との対応付けは、変動演出が行われるパチンコ機10の遊技状態(通常状態、確変状態、時短状態のいずれであるか)によって、更に、その変動演出において確定表示される図柄が「大当たり」か「外れ」かによって、変動パターン(変動A,変動B,変動C,2R変動)毎に別々に対応付けされている。
MPU221は、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信すると、そのときの詳細変動パターン決定カウンタ223bの値をRAM223から読み出す。そして、パチンコ機10の遊技状態が通常状態であり、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から大当たりと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンに対し、遊技状態が「通常状態」で且つ停止種別が「大当たり」である場合において、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223bの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、詳細変動パターン決定テーブル222aから特定する。また、パチンコ機10の遊技状態が時短状態であり、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から外れと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンに対し、遊技状態が「時短状態」で且つ停止種別が「外れ」である場合において、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223bの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、詳細変動パターン決定テーブル222aから特定する。
MPU221は、この決定した詳細な変動パターンに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114に対して、決定した詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドにより通知する。そして、表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドにより通知された詳細な変動パターンに基づいて、第3図柄表示装置81の変動表示を制御する。これにより、音声出力装置226、ランプ表示装置227、第3図柄表示装置81によって、その決定された詳細な変動パターンによる変動演出が行われる。
尚、主制御装置110から変動パターンコマンドにより変動D(変動時間7秒)が指示された場合は、7秒の変動時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細な変動パターンが、パチンコ機10の遊技状態毎に1つずつ用意されている。変動E(変動時間10秒)が指示された場合は、10秒の変動時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細は変動パターンが、パチンコ機10の遊技状態毎に1つ用意されている。また、変動F(変動時間55秒)が指示された場合は、55秒の変動時間の中で擬似連による擬似変動が5回行われ、最終的にリーチが成立することなく完全外れとなる詳細な変動パターンが1つ用意されている。但し、変動Fが指示されるのは、上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が通常状態の場合のみである。
よって、主制御装置110から変動D,Eのいずれかが指示された場合は、MPU221は、詳細変動パターン決定カウンタ223aの値に関わらず、パチンコ機10の遊技状態に従って、それぞれに対応して用意された詳細な変動パターンを決定し、それに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御したり、その詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114へ通知したりする。また、主制御装置110から変動Fが指示された場合は、MPU221によって221は、詳細変動パターン決定カウンタ223aの値に関わらず、唯一用意された詳細な変動パターンを決定し、それに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御したり、その詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114へ通知したりする。
ここで、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態は、それまでに受信した停止種別コマンドによって示される停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)と、変動回数とに基づいて判断される。
例えば、ある変動演出に対応する停止種別コマンドにおいて、停止種別として15R確変大当たり又は2R確変大当たりが示された場合、その変動演出後の大当たり演出後から、次に大当たりとなるまで、パチンコ機10の遊技状態が確変状態であると判断する。また、ある変動演出に対応する停止種別コマンドにおいて、停止種別として15R通常大当たりが示された場合、その変動演出後の大当たり演出後から、100回の変動演出が行われるまで、又は、次に大当たりとなるまで、パチンコ機10の遊技状態が時短状態と判断される。そして、100回の変動演出後は、次に大当たりとなるまでパチンコ機10の遊技状態が通常状態と判断される。
時短用BGM再生フラグ223cは、背景音楽(以下、「BGM(Back Graund Music)」と称す)として、パチンコ機10の遊技状態が時短状態ある場合に使用されるBGM(以下「時短用BGM」と称す)が再生中であることを示すフラグである。時短中BGM再生フラグ223dがオンの場合に、BGMとして時短用BGMが再生中であることを示し、オフの場合に、BGMとして時短用BGM以外のBGMを再生中であることを示す。
時短用BGM再生フラグ223cは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図23参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値としてオフが設定される。そして、MPU221の制御によって時短用BGMの再生が開始されると、時短用BGM再生フラグ223cがオンに設定される(図28のS2148)。一方、MPU221によって時短用BGMの再生が停止された場合は、時短用BGM再生フラグ223cがオフに設定される(図28のS2149)。
本実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が時短状態にある場合に、第1入球口64への入球(始動入賞)が検出されると、入球があったことを遊技者に報知する入球音を音声出力装置226から出力する。本パチンコ機10では、この入球音の出力が、時短用BGMのリズム(拍)に合わせて出力されるように構成されている。
具体的には、MPU221は、時短用BGM再生フラグ223cがオンの場合に、主制御装置110から保留球数コマンドを受信すると、第1入球口64への入球があったと判断し、一先ずその情報をストックする。また、MPU221は、音声出力装置226より発音される時短用BGMの拍のタイミングを管理する。そして、時短用BGMの拍のタイミング又は拍と拍との真ん中(裏拍)のタイミングで、ストックされた入球に対応する入球音を音声出力装置226より発音する。
これにより、入球音が時短用BGMの拍に合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、時短用BGMのリズムに乗ってリズミカルに遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、MPU221は、第1入球口64への入球が連続してあった場合、時短用BGMの拍のタイミングだけでなく、裏拍(拍と拍との真ん中)のタイミングでも、ストックされた入球に対応する入球音を音声出力装置226より発音する。これにより、入球音によってより複雑なリズムを刻むことができるので、遊技者を更に楽しませることができる。
また、MPU221は、入球音を発音する場合に、その発音タイミングにおける時短用BGMのコード(和音)に基づいて、その入球音の音高を決定する。具体的には、入球音の音高として、コードを構成する構成音の音高から1つ選定する。例えば、入球音の発音タイミングにおける時短用BGMのコードが「C」であった場合、そのコードの構成音「ド」「ミ」「ソ」の中から1つ、入球音の音高を選定する。
これにより、入球音が時短用BGMの拍に合わせて発音されるだけでなく、そのときの時短用BGMのコードに合った音高で発音される。よって、入球音と時短用BGMとで和音が構成されるので、より気持ちのよい音声を遊技者に聴かせることができる。また、第1入球口64への入球が続いた場合、時短用BGMを伴奏としたメロディーを入球音よって構成し、遊技者に聴かせることができる。しかも、そのメロディーは、入球のタイミングや入球数によって異なるものとなる。よって、その時々によって入球音により奏でられる様々なメロディーにより、遊技者を楽しませることができる。
更に、MPU221は、時短用BGMにおける同一コードの中でストックされた入球に対応する入球音を3回連続して発音するときには、1回目の入球音と3回目の入球音とは、構成音から音高を選定し、2回目の入球音は、1回目の構成音と3回目の構成音とを音階的につなぐ経過音を選定する。例えば、入球音を3回連続して発音するときの時短用BGMのコードが「C」であった場合、1回目の入球音の音高を構成音「ド」とし、3回目の入球音の音高を構成音「ミ」とする一方、2回目の入球音の音高を経過音「レ」とする。これにより、3つの入球音が、コード「C」のBGMの拍に合わせながら、「ド」「レ」「ミ」の順で順次発音されるので、入球音によって奏でられるメロディーの幅が広がる。即ち、BGMのリズムに合わせつつ、そのBGMのコードの構成音を音高とする入球音の間に、経過音を音高とする入球音を挿入しながら、入球音を発音させることにより、時短用BGMを伴奏とした入球音によるメロディーにバリエーションを持たせることができる。よって、入球音によるメロディーが単調にならず、遊技者を飽きさせない音声出力を行うことができる。
始動入賞カウンタ223dは、第1入球口64へ入球した球の数、即ち、始動入賞があった数を計数するためのカウンタである。MPU221は、第1入球口64への入球があった場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、始動入賞カウンタ223dに1を加算して、第1入球口64への入球をストックする(図25のS2010)。
そして、時短用BGM再生フラグ223cがオンであり、BGMとして時短用BGMが再生されている場合に、その時短用BGMの拍のタイミングで始動入賞カウンタ223dが1以上の値であれば、即ち、第1入球口64への入球がストックされていれば、その拍のタイミングで、そのときの時短用BGMのコードの構成音の1つを音高とする入球音を発音する(図29参照)。これにより、第1入球口64への入球を表す入球音を、時短用BGMの拍とコードとに合わせて発音させることができ、遊技者をリズミカル且つ気持ちのよい音声を聴かせることができる。
また、時短用BGMの裏拍のタイミングで、始動入賞カウンタ223dの値が2以上であり且つ前の拍で入球音の発音があった場合に、その裏拍のタイミングにおける時短用BGMのコードと次の拍のタイミングにおける時短用BGMのコードとが同一のコードであることを条件として、そのコードの経過音を音高とする入球音を発音する(図30参照)。これにより、第1入球口64への入球が続いた場合に、時短用BGMの裏拍のタイミングも用いて入球音が発音されるので、入球音による複雑なリズムを刻むことができる。また、前後の拍のタイミングでは、入球音がコードの構成音を音高として発音されるのに対し、裏拍のタイミングで発音される入球音は、コードの経過音を音高とするので、上述した通り、入球音によるメロディーにバリエーションを持たせることができる。
始動入賞カウンタ223dは、入球音が発音されると、1だけ減算される(図29のS2167、図30のS2179)。また、始動入賞カウンタ223dは、BGMとして時短用BGMの再生が開始されるときに0に初期化される(図28のS2148)。よって、時短用BGMの再生中に第1入球口64へ入球した球を、始動入賞カウンタ223dを用いてストックさせることができる。
また、始動入賞カウンタ223dは、その値が3となった場合に、第1入球口64への入球があっても(保留球数コマンドを受信しても)、その入球を計数しない(図25のS2009)。つまり、第1入球口64への入球を、3つを超えてストックしない。
本パチンコ機10では、入球音を時短用BGMの拍(又は裏拍)に合わせて発音するため、多くの第1入球口64への入球がストックされると、最後にストックされた入球に対する入球音の発音が、実際の入球から大きく遅延して行われることになり、実際の入球と入球音の発音タイミングとのずれが顕著となって、遊技者に違和感を抱かせてしまうおそれがあるためである。そこで、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球のストックを3球までとすることで、実際の入球と入球音の発音タイミングとのずれが顕著となることを抑制できる。
また、時短用BGMのテンポ(1分間における拍の数)が、例えば160BPM(Beats Per Munute)であるとした場合、球の発射は1分間に100球未満とされているので、1拍の時間で第1入賞口64への入球が3球を超えてストックされることは、ほぼ無いと言ってよい。従って、第1入球口64への入球を、3つを超えてストックしないように制限したとしても、入球音が発音されない第1入球口64への入球が現実的に起こりえず、入球音が発音されないことによって、遊技者に違和感を与えることは無い。
なお、このストック数の上限は、所定時間内に発射される球の数が一定であると仮定して、時短用BGMのテンポに応じて変更されるものであってよい。例えば、時短用BGMのテンポが100BPMである場合、テンポが160BPMの場合よりも1分間における拍の数が少ないので、入球音が発音されるタイミングも少なくなる。よって、ストックさせる入球の数を、例えば4に設定してもよい。これにより、より多くの入球に対して、入球音を発音させることができる。
また、本実施形態では、第1入球口64への入球に対して、ストック数の上限を決めて、入球音を発音させるが、このストック数の上限を設けずに構成してもよい。この場合、上述した通り、多くの第1入球口64への入球がストックされると、最後にストックされた入球に対する入球音の発音が、実際の入球から大きく遅延して行われることになるが、この遅延して発せられる入球音によって奏でられるメロディーにより、遊技者が入球したことへの余韻に浸ることができる。
枠ボタン操作演出フラグ223eは、第3図柄表示装置81にて行われる変動演出において、枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われていることを示すフラグである。枠ボタン22の操作を必要とする演出とは、例えば、枠ボタン22を遊技者に連打させ、第3図柄表示装置81に所定のキャラクタを表示させることで、その変動演出において大当たりとなる可能性を示唆する演出や、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展するときに、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面を第3図柄表示装置81に表示させて、遊技者にスーパーリーチの演出態様を選択させる演出を含むものである。
枠ボタン操作フラグ223eは、オンの場に、枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われていることを示し、オフの場合に、枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われていないことを示す。
この枠ボタン操作演出フラグ223eは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図23参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値としてオフが設定される。そして、変動演出中に枠ボタン22の操作を必要とする演出が開始されると、枠ボタン操作演出フラグ223eはオンに設定される(図28のS2139)。また、枠ボタン22の操作を必要とする演出が終了する場合に、枠ボタン操作演出フラグ223eはオフに設定される(図29のS2141)。
本実施形態では、変動演出において枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われる場合に、遊技者による枠ボタン22の操作が検出されると、枠ボタン22が操作されたことを報知する操作音を音声出力装置226から出力する。本パチンコ機10では、この操作音の出力が、BGMのリズム(拍)に合わせて出力されるように構成されている。
具体的には、MPU221は、枠ボタン操作演出フラグ223eがオンの場合に、枠ボタン操作音出力処理を実行し(図27のS2137)、枠ボタン22から操作されたことを示す信号が入力されると、一先ずその情報をストックする。また、MPU221は、音声出力装置226より発音されるBGMの拍のタイミングを管理する。そして、BGMの拍のタイミング又は拍と拍との真ん中(裏拍)のタイミングで、ストックされた操作に対応する操作音を音声出力装置226より発音する。
これにより、操作音がBGMの拍に合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに枠ボタン22を操作しながら遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、MPU221は、遊技者による枠ボタン22の操作が連続してあった場合、BGMの拍のタイミングだけでなく、裏拍のタイミングでもストックされた操作に対応する操作音を音声出力装置226より発音する。これにより、操作音によってより複雑なリズムを刻むことができるので、遊技者に枠ボタン22の操作を更に楽しませることができる。
また、MPU221は、時短用BGM再生時の入球音の発音と同様に、操作音を発音する場合も、その発音タイミングにおけるBGMのコード(和音)に基づいて、その操作音の音高を決定する。これにより、操作音とBGMとで、リズムを合わせながら和音を構成するので、より気持ちのよい音声を遊技者に聴かせることができる。また、遊技者による枠ボタン22の操作が続いた場合、BGMを伴奏としたメロディーを操作音よって構成し、遊技者に聴かせることができる。しかも、そのメロディーは、操作のタイミングや操作回数によって異なるものとなる。よって、その時々によって操作音により奏でられる様々なメロディーを聴くために、遊技者はいろんなリズムで枠ボタン22を操作したい欲求にかられることになる。したがって、遊技者に更なる遊技の楽しみを与えることができる。
更に、MPU221は、時短用BGM再生時の入球音の発音と同様に、BGMにおける同一コードの中でストックされた操作に対応する操作音を3回連続して発音するときには、1回目の操作音と3回目の操作音とは、構成音から音高を選定し、2回目の操作音は、1回目の構成音と3回目の構成音とを音階的につなぐ経過音を選定する。
これにより、BGMのリズムに合わせつつ、そのBGMのコードの構成音を音高とする操作音の間に、経過音を音高とする操作音を挿入しながら、操作音を発音させることにより、BGMを伴奏とした操作音によるメロディーにバリエーションを持たせることができる。よって、操作音によるメロディーが単調にならず、遊技者を飽きさせない音声出力を行うことができる。
なお、本実施形態では、時短用BGMが再生されている間は、枠ボタン22の操作を必要とする演出は行われないものとする。つまり、第1入球口64への入球を示す入球音が発音される期間中、枠ボタン22の操作があったことを示す操作音が発音されることがない。
枠ボタン操作回数カウンタ223fは、遊技者により枠ボタン22が操作された回数を計数するためのカウンタである。MPU221は、枠ボタン22から操作されたことを示す信号が入力されると、メイン処理の中で実行される枠ボタン入力監視・演出処理(図24のS1907)において、枠ボタン操作回数カウンタ223fに1を加算し、枠ボタン22への操作をストックする。
そして、枠ボタン操作演出フラグ223eがオンであり、第3図柄表示装置81にて行われる変動演出において、枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われている場合に、枠ボタン操作オン出力処理が実行され(図27のS2137)、BGMの拍のタイミングで枠ボタン操作回数カウンタ223fが1以上の値であれば、即ち、枠ボタン22への操作がストックされていれば、その拍のタイミングで、そのときのBGMのコードの構成音の1つを音高とする操作音を発音する処理が行われる。これにより、枠ボタン22への操作を表す操作音を、BGMの拍とコードに合わせて発音させることができ、遊技者をリズミカル且つ気持ちのよい音声を聴かせることができる。
また、BGMの裏拍のタイミングで、枠ボタン操作回数カウンタ223fの値が2以上であり且つ前の拍で操作音の発音があった場合に、その裏拍のタイミングにおけるBGMのコードと次の拍のタイミングにおけるBGMのコードとが同一のコードであることを条件として、そのコードの経過音を音高とする操作音を発音する処理が行われる。これにより、枠ボタン22への操作が続いた場合に、BGMの裏拍のタイミングも用いて操作音が発音されるので、操作音による複雑なリズムを刻むことができる。また、前後の拍のタイミングでは、操作音がコードの構成音を音高として発音されるのに対し、裏拍のタイミングで発音される操作音は、コードの経過音を音高とするので、上述した通り、操作音によるメロディーにバリエーションを持たせることができる。
枠ボタン操作回数カウンタ223fは、操作音が発音されると1だけ減算される。また、枠ボタン操作回数カウンタ223fは、枠ボタン操作演出フラグ223eがオンされる場合に、合わせて0に初期化される(図28のS2139)。よって、枠ボタンの操作を必要とする演出が行われている期間中に枠ボタン22が操作された場合、その操作を枠ボタン操作回数カウンタ223fによってストックさせることができる。
また、枠ボタン操作回数カウンタ223fは、その値が3となった場合に、枠ボタン22への操作があっても、その操作を計数しない。つまり、枠ボタン22への操作を、3つを超えてストックしない。
本パチンコ機10では、操作音をBGMの拍(又は裏拍)に合わせて発音するため、多くの枠ボタン22への操作がストックされると、最後にストックされた操作に対する操作音の発音が、実際の操作から大きく遅延して行われることになり、実際の操作と操作音の発音タイミングとのずれが顕著となって、遊技者に違和感を抱かせてしまうおそれがあるためである。そこで、本パチンコ機10では、枠ボタン22への操作のストックを3つまでとすることで、実際の操作と操作音の発音タイミングとのずれが顕著となることを抑制できる。
なお、枠ボタン22の操作に対し、操作検出無効期間を設けてもよい。即ち、枠ボタン22の操作が検出された場合に、その後一定期間(例えば、0.2秒間)、枠ボタン22が操作されても、その操作を無効にしてもよい。これにより、枠ボタン22を1回操作したにもかかわらず、その操作に起因した振動などに基づいて、枠ボタン22が操作されたと検出され、遊技者が意図した操作とは異なる操作として認識されることを抑制できる。そして、この操作検出無効期間を設けた場合、例えば、0.2秒間の操作検出無効期間を設けた場合は、枠ボタン22が連打されたとしても、少なくとも0.2秒間は枠ボタン22の操作が無効されるので、BGMのテンポが160BPM(1拍の周期が375ミリ秒)であるとした場合、1拍の間でストックされる枠ボタン22の操作数は多くても2つとなる。よって、この場合は、特に枠ボタン22の操作回数に対してストックの上限を設ける必要がない。
また、BGMのテンポに応じて、操作検出無効期間を設定してもよい。例えば、BGMのテンポが120BPM(1拍の周期が500ミリ秒)であった場合に、操作検出無効期間を0.25秒に設定し、BGMのテンポが150BPM(1拍の周期が400ミリ秒)であった場合に、操作検出無効期間を0.2秒に設定してもよい。これにより、1拍の間でストックされる枠ボタン22の操作数は多くても2つとなるので、ストックの上限を設けなくても、BGMの拍と裏拍のタイミングを用いて操作音を発音させることで、枠ボタン22が操作された場合に、遅滞なくその操作音を発音させることができる。
ポインタ223gは、音声ランプ制御装置113において実行すべき各種制御情報が時間順に規定されたデータテーブルから、ある時間において取得すべき各種制御情報が規定されたアドレスを指定するためのものである。データテーブルは、音声ランプ制御装置113にて実行が制御される演出毎に用意され、全ての演出に対応するデータテーブルが、プログラムROM222に設けられたデータテーブル格納エリア222b(図6参照)に格納される。
MPU221は、主制御装置110から受信したコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113にて実行すべき演出を決定すると、その決定した演出に対応するデータテーブルをデータテーブル格納エリア222bから読み出す。MPU221は、その読み出したデータテーブルに従って、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作(第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動)を制御する。
データテーブルの各アドレスには、アドレス「0001H」から順に、そのアドレスで示される時間で音声ランプ制御装置113が実行すべき制御情報が規定されている。つまり、第1の時間において、所定の音声の再生を開始または停止する場合は、その第1の時間に対応するアドレスに対応付けて、所定の音声の開始または停止を指示する情報が規定される。第2の時間において、所定のランプを点灯させる場合は、その第2の時間に対応するアドレスに対応付けて、その所定のランプの点灯を指示する情報が規定される。第3の時間において、第1役物上下動用モータ87aを駆動し、第1役物87を所定のステップ分だけ下降させる場合は、その第3の時間に対応するアドレスに対応付けて、第1役物87を所定のステップ分だけ下降させるよう第1役物上下動用モータ87aを駆動させる情報が規定される。
ポインタ223gは、MPU221によって実行すべき演出が決定され、その演出に対応するデータテーブルの使用が決定されると、一旦0に初期化される(図27のS2147)。そして、MPU221は、データテーブルから制御情報を読み出す前にポインタ223gに1を加算し、そのデータテーブルにおいて、加算後のポインタ223gにて示されるアドレスに対応した制御情報を読み出す。そして、制御情報で指示された内容に従って、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作(第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動)を制御する。
ここで、MPU221は、音声ランプ制御装置113にて実行すべき演出を決定した後、その演出に対応するデータテーブルを新たに読み出す場合、その読み出しの開始をBGMの拍のタイミングで行っている(図27のS2123)。また、ポインタ223gをカウントアップ(1を加算)して、データテーブルから、そのポインタ223gによって示されるアドレスに対応付けられた制御情報を読み出す場合も、BGMの拍のタイミングで行う。これにより、音声ランプ制御装置113は、音声出力装置226からの音声出力の開始または停止、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作(第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動)の開始などを、BGMの拍のタイミングで行うことができる。
従って、パチンコ機10では、音声出力、ランプの点灯・点滅、第1役物87の動作が、BGMのリズムに合わせて行われるので、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。よって、遊技者による遊技への興趣を高めることができる。
ここで、図10を参照して、第1役物87による一発告知を行う場合の第1役物87の動作タイミングについて説明する。図10は、その第1役物87の動作タイミングの例を示したタイミングチャートである。図10に示す通り、第1役物87による一発告知が行われる場合、センターフレーム86の上側内部に格納された第1役物87が、BGMの拍に合わせて、80ステップ分の下降を開始する。そして、BGMの拍に合わせて、第1役物87の下降を停止させると、今度は、第1役物87の上下動を20ステップの幅で複数回行う。このとき、第1役物87の上昇/下降の停止/開始も、BGMの拍に合わせて行う。そして、BGMの拍に合わせて、最終的に第1役物87を最大点位置まで下降させて、やはりBGMの拍に合わせて、最大点位置で第1役物87の回転を開始させる。
このように、MPU221は、音声ランプ制御装置113にて実行すべき演出を決定した後、その演出に対応するデータテーブルを新たに読み出す場合、その読み出しの開始をBGMの拍のタイミングで行い、また、データテーブルから、ポインタ223gによって示されるアドレスに対応付けられた制御情報の読み出しも、BGMの拍のタイミングで行うので、図10に示す通り、例えば、第1役物87の一発告知をBGMの拍に合わせて動作させることができる。よって、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。
続いて、図11を参照して、変動演出の演出実行タイミングを説明する。図11は、変動演出の例として、詳細な変動パターンが擬似連の場合における演出実行タイミングを示したタイミングチャートである。
変動演出の開始は、第1入球口64への入球が保留されていない場合は第1入球口64への球の入球タイミングに基づいて、また、第1入球口64への入球が保留されている場合は、直前まで行われていた変動演出または大当たり演出の終了タイミングに基づいて決定されるものであり、BGMの拍のタイミングに合わせることはできない。
そこで、本実施形態では、本来の変動開始のタイミングからBGMの拍のタイミングとなるまで、第3図柄表示装置81において、第3図柄を上下に振動させる表示を行う(図柄揺れ期間)。そして、本来の変動開始タイミングから最初のBGMの拍のタイミングが到来した場合に、そのタイミングで、その変動演出に対して決定された詳細な変動パターンに対応するデータテーブルの読み出しを開始し、また、第3図柄表示装置81において第3図柄の高速変動を開始させる。
第3図柄表示装置81における変動演出中の各種の演出画像の表示は、BGMの拍に合わせて行われるように予め表示パターンが設定されている。また、その演出画像の表示に合わせた音声の音声出力装置226からの出力と、ランプ表示装置227のランプの点灯・点滅とが、データテーブルに規定されており、これらも上述した通り、BGMの拍に合わせて行われる。例えば、図11に示す擬似連による変動演出においては、変動演出が擬似停止され、再び再変動が行われることを示すチャンスアップ画像の出力が、BGMの拍に合わせて行われる。また、これに合わせて、チャンスアップ画像に対応する音声出力およびランプの点灯・点滅も、BGMの拍に合わせて行われる。
更に、第3図柄表示装置81に表示される変動演出では、本来の確定表示が行われる少し前のBGMの拍のタイミングで、一旦第3図柄を停止表示させ、また、停止表示されたことを表す停止音を音声出力装置226より発音させる。その後、本来の確定表示タイミングとなるまで、第3図柄表示装置81において、第3図柄を上下に振動させる表示を行い(図柄揺れ期間)、本来の確定表示タイミングで第3図柄を確定表示させる。
このように、変動演出は、本来、BGMの拍とは関係なく開始され、また確定表示されるものであるが、本実施形態では、拍のタイミングに合わせて高速変動を開始し、また、一旦停止表示を行う。そして、本来の変動開始タイミングから高速変動が開始されるまでと、一旦停止表示が行われてから本来の確定表示タイミングとなるまでは、図柄揺れ期間として、第3図柄を上下に振動させる表示を行う。これにより、第3図柄表示装置81では、BGMの拍に合わせて変動演出が開始され、また、停止表示が行われたかのように、遊技者に見せることができる。また、変動演出中に表示される各種の演出画像もBGMの拍に合わせて表示させることができ、更に、変動演出に合わせた音声の出力や、ランプ表示装置227の点灯・点滅も、BGMの拍に合わせて行うことができる。従って、変動演出もBGMのリズムに合わせて行われるような感覚を遊技者に与えることができるので、リズミカルな遊技を行わせることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
図9に戻り、説明を続ける。タイマカウンタ223hは、BGMの拍の周期を計数するためのカウンタである。MPU221は、タイマカウンタ223hを使用して、再生中のBGMの拍や裏拍のタイミングを決定する。タイマカウンタ223hは、音声出力装置113より再生されるBGMが変更され、変更後のBGMの再生が開始された場合に、1に初期化される(S28のS2146)。このとき、MPU221は、再生するBGMのテンポ(1分間における拍の数)をROM222から読み出し、そこから拍の周期T(ミリ秒)を算出する。拍の周期T(ミリ秒)は、6000ミリ秒/(BGMのテンポ)を計算することによって算出される。
なお、BGMのテンポは、音声ランプ制御装置113にて再生される全てのBGMに対して予めROM222に規定されている。ここで、各BGMのテンポは、いずれもその拍の周期Tが2ミリ秒の倍数となるように予め決められている。これにより、後述する通り、タイマカウンタ223hを1ミリ秒毎に1加算していく処理を行うだけで、容易に、BGMの拍のタイミングや、裏拍のタイミングを判断することができる。
また、本実施形態では、音声ランプ制御装置113にて再生される全てのBGMに対して、そのBGMのテンポを予めROM222に規定する場合について説明するが、その全てのBGMに対して、そのBGMの拍の周期Tを予めROM222に規定してもよい。この場合、ROM222に規定される各BGMの拍の周期Tが、2ミリ秒の倍数となるように決められたものであってもよい。
その後、1ミリ秒毎に実行される音編集・出力処理の中でタイマカウンタ223hが1ずつ加算される。ただし、タイマカウンタ223hの値が拍の周期Tと一致している場合は、1を加算するかわりに「1」を設定する。これにより、タイマカウンタ223hによって、BGMの拍の周期が計数される。
MPU221は、タイマカウンタ223hの値がTの場合に、BGMの拍のタイミングであるとして、設定されたデータテーブルからポインタ223gによって示されるアドレスに対応付けられた制御情報を読み出し、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作(第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動)を制御する。これにより、BGMのリズムに合わせて、音声出力、ランプの点灯・点滅、第1役物87の動作が行われる。
また、BGMとして時短用BGMが再生されているときには、第1入球口64への入賞があった場合に、タイマカウンタ223hの値がTやT/2となったタイミングで、その入賞に対応する入賞音を発音する制御を行う。枠ボタン22の操作が必要とされる演出が行われているときには、枠ボタン22への操作があった場合に、タイマカウンタ223hの値がTやT/2となったタイミングで、その操作に対応する操作音を発音する制御行う。よって、BGMの拍や裏拍のタイミングで、入球音や操作音が発音されるので、BGMのリズムにあった入球音や操作音を遊技者に聴かせることができる。
経過音発音フラグ223jは、BGMの裏拍でコードの経過音を音高とする入球音または操作音が発音されたことを示すフラグであり、オンの場合に、その経過音を音高とする入球音または操作音が発音されたことを示し、オフの場合に、その経過音を音高とする入球音または操作音が発音されなかったことを示す。
経過音発音フラグ223jは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図23参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値としてオフが設定される。
MPU221は、裏拍のタイミングとなったときに、直前の拍で入球音または操作音が発音され且つストックされた第1入球口64への入球の数または枠ボタン22の操作回数が2以上であった場合に、直前の拍におけるBGMのコードと、直後の拍におけるBGMのコードと一致するか否かを判断する。なお、全てのBGMに対して、コードの進行が予めプログラムROM222に格納されており、MPU221は、BGMの再生の進み具合に応じて、BGMの拍のコードを把握できる。
そして、この場合に、直前の拍におけるBGMのコードと、直後の拍におけるBGMのコードと一致すると判断されると、MPU221は、裏拍のタイミングで、そのコードの経過音を音高とする入球音または操作音を発音し、経過音発音フラグ223jをオンに設定する。ここで、裏拍で経過音を音高とする入球音または操作音を発音するとき、上述した通り、少なくとも2以上の入球数または操作回数がストックされているので、直後の拍においても、必ず入球音または操作音を発音することになる。
この直後の拍において入球音または操作音を発音する場合に、MPU221は、経過音発音フラグ223jを参照する。そして、経過音発音フラグ223jがオンであれば、裏拍のタイミングで経過音を音高とする入球音または操作音が発音されているので、その直後の拍のタイミングでは、発音された経過音に対応する構成音を音高とする入球音または操作音を発音する。これにより、裏拍の経過音に続いて直後の拍で構成音を音高とする入球音または操作音が発音される場合に、裏拍で発音された経過音から外れた音高が発音されることを抑制できる。よって、経過音を挿入しながら入球音または操作音を発音させる場合に、おかしなメロディーとなることを抑制できる。
音高情報メモリ223kは、BGMの拍のタイミングで入球音または操作音が発音された場合に、その発音された音高を格納するためのメモリである。MPU221は、BGMの拍のタイミングで入球音または操作音の発音を決定すると、その音高を音高情報メモリ223kに格納する(図29のS2166)。
ここで、あるBGMの拍でコードの構成音を音高とする入球音または操作音を発音した後、続くBGMの裏拍のタイミングで同一のコードの経過音を音高とする入球音または操作音を発音し、更に次のBGMの拍のタイミングで同一のコードの構成音を音高とする入球音または操作音を発音する場合に、本パチンコ機10では、裏拍での経過音および次の拍での構成音の音高を、最初の拍での構成音の音高に基づいて決定する。最初の拍での構成音の音高と、裏拍での経過音および次の拍での構成音の音高との対応付けは、BGMで取り得るコード毎に、プログラム222に設けられた経過音再生時音高設定テーブル222c(図6参照)にて規定される。
例えば、経過音再生時音高設定テーブル222cでは、コード「C」に対して、最初の拍での構成音「ド」に対応付けて、裏拍での経過音として「レ」、次の拍での構成音として「ミ」を規定し、最初の拍での構成音「ミ」に対応付けて、裏拍での経過音として「ファ」、次の拍での構成音として「ソ」を規定し、最初の拍での構成音「ソ」に対応付けて、裏拍での経過音として「ファ」、次の拍での構成音として「ミ」を規定する。コード「D」に対して、最初の拍での構成音「レ」に対応付けて、裏拍での経過音として「ミ」、次の拍での構成音として「ファ♯」を規定し、最初の拍での構成音「ファ♯」に対応付けて、裏拍での経過音として「ソ」、次の拍での構成音として「ラ」を規定し、最初の拍での構成音「ラ」に対応付けて、裏拍での経過音として「ソ」、次の拍での構成音として「ファ♯」を規定する。また、コード「F」に対して、最初の拍での構成音「ファ」に対応付けて、裏拍での経過音として「ソ」、次の拍での構成音として「ラ」を規定し、最初の拍での構成音「ラ」に対応付けて、裏拍での経過音として「シ」、次の拍での構成音として「ド」を規定し、最初の拍での構成音「ド」に対応付けて、裏拍での経過音として「シ」、次の拍での構成音として「ラ」を規定する。
MPU221は、例えば、あるBGMの拍でのコードが「C」であり、そのときに構成音「ミ」を音高とする入球音または操作音を発音させた場合、その音高「ミ」を音高情報メモリ223kに格納する。続くBGMの裏拍のタイミングでコード「C」の経過音を音高とする入球音または操作音を発音させるときには、音高情報メモリ223kから、直前の拍で発音した入球音または操作音の音高を読み出し(この例では「ミ」)、コード「C」において、構成音「ミ」に対応する経過音の音高を経過音再生時音高設定テーブル222cから特定する。この例では、「ファ」が経過音の音高として特定され、裏拍のタイミングで経過音「ファ」を音高とする入球音または操作音が発音される。
更に、裏拍に続いて次のBGMの拍のタイミングでコード「C」の構成音を音高とする入球音または操作音を発音させるときにも(つまり、経過音発音フラグ223jがオンの場合)、音高情報メモリ223kから、直前の拍で発音した入球音または操作音の音高を読み出し(この例では「ミ」)、コード「C」において、構成音「ミ」に対応する次の拍での構成音の音高を経過音再生時音高設定テーブル222cから特定する。この例では、「ソ」が次の拍での構成音の音高として特定され、次の拍のタイミングで構成音「ソ」を音高とする入球音または操作音が発音される。
これにより、最初のBGMの拍、続く裏拍、更に続く拍のそれぞれにおいて、BGMのコード「C」に対応して「ミ」「ファ」「ソ」の順に入球音または操作音が発音される。よって、コードの構成音を音高する入球音または操作音が発音される拍と拍との間の裏拍において、経過音を音高とする入球音または操作音が発音される場合に、おかしな音高の経過音が発音されたり、裏拍の後の拍において、裏拍で発音された経過音から外れた音高が発音されたりすることを抑制できる。よって、経過音を挿入しながら入球音または操作音を発音させる場合に、きれいなメロディーを奏でることができる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図25参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、変動開始フラグは、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図25のS2004参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図26のS2102参照)。
図6に戻り、説明を続ける。音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、第1役物上下動用モータ87a、第1役物回転用モータ87b、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音出力LSI301は、MPU221と直接接続され、MPU221からの指示に基づいて、再生すべき音を生成し、音声出力装置226から生成した音を出力するDSP(Digital Signal Processor)である。音出力LSI301には、音声データROM306が接続されている。音声データROM306は、種々の音声データが格納されたメモリである。
音出力LSI301は、MPU221より再生開始指令が設定されると、その再生開始指令に含まれる再生を開始すべき音を特定し、その特定した音に対応する音声データを音声データROM306から読み出して再生すべき音を生成し、生成した音を音声出力装置226から出力する。また、MPU221は、MPU221より再生終了命令が設定されると、その再生終了命令に含まれる再生を終了すべき音を特定し、その特定した音の再生を終了する。
音出力LSI301は、16チャンネル分の再生チャンネルを有しており、最大16の音を同時に生成し、合成(ミキシング)した上で、音声出力装置226から出力することができる。
なお、音声データROM306に格納されるデータ形式は、任意のものであってよい。たとえば、音の波形をリニアパルス符号変動方式によってサンプリングしたデータ形式であってもよいし、MP3(MPEG Audio Layer−3)やAAC(Advanced Audio Coding)等の各種音声圧縮方式によってデータ圧縮されたものであってもよい。
或いは、各種の音声を発音させるためのMIDI(Musical Instrulment Digital Interface)規格に準拠したMIDIファイルが音声データROM306に格納されてもよい。この場合、音出力LSI301は、MIDI音源を備え、MPU221から再生開始を指示された種別の音を再生するためのMIDIファイルを音声データROM306より読み出し、読み出したMIDIファイルに従って、MIDI音源を発音させることで、その音の再生を実行する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図12を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図20参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図12を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図12は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入出力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを少なくとも有している。
入出力ポート238には音声ランプ制御装置113が接続されており、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の表示態様を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信する。
入出力ポート238には、また、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。また、プログラムROM232は、表示データテーブル格納エリア232aと、追加データテーブル格納エリア232bとを少なくとも有している。
表示データテーブル格納エリア232aは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる演出毎に用意された表示データテーブルが格納される領域である。表示データテーブルは、その表示データテーブルに対応した演出において、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載したものである。MPU231は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに従って第3図柄表示装置81に表示させる演出を特定し、その演出に対応する表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出す。そして、その読み出した表示データテーブルに従って、第3図柄表示装置81の表示を制御する。
ここで、表示データテーブルの詳細について説明する。表示データテーブルは、音声ランプ制御装置113からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
尚、デモ演出は、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
再始動演出は、変動パターンコマンドにより示された変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されるまでの間に、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
表示データテーブル格納エリア232aには、デモ演出および再始動演出に対応する表示データテーブルがそれぞれ1つずつ格納される。変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンと停止図柄との組み合わせに応じて、1テーブルずつ用意される。また、確定表示演出に対応する表示データテーブルとしては、停止図柄として外れ図柄を確定表示させるものと、確変大当たり(15R確変大当たり又は2R確変大当たり)を確定表示させるものと、通常大当たり(15R通常大当たり)を確定表示させるものとが、それぞれ用意されている。
ここで、図13を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図13は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、人物や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者が枠ボタン22を操作することによって選択されているステージ(「町中ステージ」、「海ステージ」、「山ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応して、どの状態の背面画像を表示すべきかを示す表示状態情報とを規定するようにしてもよい。背面画像は、時間の経過とともに表示範囲や、明るさ、色合いなどが変化して表示される。この表示状態情報は、例えば、初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示状態情報により示される初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、表示状態情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、この表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示データテーブルに基づき画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の状態と、表示状態情報により示される該画像の描画(もしくは、該画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、表示状態情報は、背面種別に応じて、初期状態に対応する背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および表示状態情報とともに、その表示状態情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、表示状態情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、第3図柄に割り当てられた固有の識別番号が記載されている。本実施形態では、第3図柄の一つ一つに、それぞれを識別するための固有の識別番号を付している。例えば、「0」の主図柄には識別番号として「0」が付され、「1」の主図柄には識別番号として「1」が付され、「2」の主図柄には識別番号として「2」が付されている。
また、変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報としては、第3図柄の識別情報を直接規定するのではなく、1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別番号とのオフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に対して付された識別番号の差分を表す情報である。
変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報として、オフセット情報を規定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためである。変動が開始されてから所定時間経過するまでは、各アドレスにおける図柄種別情報として、そのアドレスに対応する時間に表示すべき第3図柄の識別情報と1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別情報との差分(オフセット情報)を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出を開始することができる。
なお、図柄種別情報として、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報から、実際に表示する第3図柄の識別番号そのものに切り換えられる前記所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図13の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定する。その選定した表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、ワークRAM233に設けられた後述の表示データテーブルバッファ233aに格納すると共に、ポインタ233cを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233cを1加算し、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図15参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対しその画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233cの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出を決定するためである。これに対し、パチンコ機などの遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
図12に戻り説明を続ける。追加データテーブル格納エリア232bは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に対し、追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出の表示内容を規定した追加データテーブルを格納する領域である。追加データテーブル格納エリア232bには、追加して表示される演出毎に追加データテーブルが用意され、格納されている。
ここで、「一の演出に対し、追加」するとは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、一の演出において通常は表示されない画像を表示させて、その一の演出に別の演出を重ねて表示させたり、その一の演出における一部または全部の色調を変化させたり、一の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
即ち、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常は表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容や、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。
図14を参照して、追加データテーブルの詳細について説明する。図14は、追加データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。追加データテーブルでは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が詳細に規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
図14の例では、表示データテーブルにおいて規定されるアドレス「0097H」に対応付けて、1つのキャラクタ(キャラクタ1:可動役物の画像に相当)に対して、スプライト種別(キャラクタ種別:第1役物、第2役物・・・等)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブルでは、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNullデータが規定される(図14のアドレス「0001H」が該当)。
なお、追加データテーブルによって規定される表示内容としては、例えば、主制御装置110からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブルによって表示される変動演出に対して追加して表示される、予告演出画像を表示するための表示内容が追加データテーブルによって規定される。
追加データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブルの最終アドレス(図14の例では、「00FDH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その追加データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信し、先に表示が開始された演出に対してこの受信したコマンドにより追加して演出を表示することが決定されると、その追加する演出に対応した追加データテーブルを追加データテーブル格納エリア232bから読み出して、後述するワークRAM233の追加データテーブルバッファ233bに格納する。
そして、ポインタ233cの更新毎に、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図15参照)を作成する。
例えば、図14の例では、ポインタ233gが「0097H」となった場合に、MPU231は、表示データテーブルのアドレス「0097H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブルのアドレス「0097H」に規定されたキャラクタ1のスプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。一方、ポインタ233cが「0001H」である場合、追加データテーブルのアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルのアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
また、追加データテーブルにおいてポインタ233cが示すアドレスで規定される情報が「End」情報であった場合、また、ポインタ233cが追加データテーブルに規定されていないアドレスを指示するものであった場合(例えば、図14の例では、ポインタ233cが「00FEH」以降のアドレスを示すような場合)にも、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルに規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
そして、画像コントローラ237に生成した描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233cの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブルで規定された描画内容が追加されるので、その表示データテーブルと追加データテーブルとで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して、他の演出画像(例えば、第1役物を模した画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出画像に対応する追加データデーブルを追加データテーブルバッファ233bに設定することで、容易にその演出画像をベースの演出画像に追加して表示させることができる。これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が2種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×(1+2)=96種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32+2=34種類の表示および追加データテーブルを用意すればよく、ROM232の容量増大を抑制することができる。よって、ROM232に用意された容量の中で多種態様な演出態様に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブルとして規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルを変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233bに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
また、追加データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに設定された追加データテーブルとから、時間毎にポインタ233cを更新しながらそのポインタに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、音声ランプ制御装置113などによってその他の演出の表示を決定した場合でもあっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブルで規定することによって、少ないデータテーブルから多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
図12に戻り、説明を続ける。ワークRAM233は、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM233は、表示データテーブルバッファ233a、追加データテーブルバッファ223b、ポインタ233c、描画リストエリア233d、計時カウンタ233eを少なくとも有している。
表示データテーブルバッファ233aは、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定し、その演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア223aから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに格納する。
そして、MPU231は、ポインタ233cを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図15参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
追加データテーブルバッファ233bは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出に対応する追加データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルを格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ233bに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
その後、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断し、追加して表示させる演出がある場合は、その演出態様に対応する追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233bに格納する。
そして、MPU231は、ポインタ233cを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいてそのポインタ233cで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図15参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出に、追加データテーブルに対応する演出が追加して表示される。また、追加データテーブルバッファ233bに追加データテーブルが格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ233bにはNullデータが格納されているので、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出がそのまま表示される。
ポインタ233cは、表示データテーブルバッファ233a、追加データテーブルバッファ233bの各バッファに格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233cを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理の中で、ポインタ更新処理が実行され(図のS2905,図42参照)、ポインタ233cの値が1ずつ加算される(図42のS2981参照)。
MPU231は、このようなポインタ233cの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図15参照)を作成する。
これにより、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ233bに追加データテーブルが格納されている場合は、その追加データテーブルに対応する演出が、表示データテーブルに対応する演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、表示データテーブルバッファ233aに格納する表示データテーブルや、追加データテーブルバッファ233bに格納する追加データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
描画リストエリア233dは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルとに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図15を参照して、描画リストの詳細について説明する。図15は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図15に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているアドレスが記述されており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234に設けられた後述のキャラクタ記憶エリア234aのそのアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234より読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、ビデオRAM236に展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルおよび追加データテーブルバッファ233bに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ233cによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納アドレスは、表示データテーブル及び追加データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されるキャラクタ記憶エリア234aのエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されているアドレスを即座に特定し、その情報を、描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブル及び追加データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトを最も前面側に配置させることができるのである。
図12に戻って、説明を続ける。計時カウンタ233eは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図32(b)参照)の表示設定処理(S2603,図39参照)が実行される度に、計時カウンタ233eが1ずつ減算される。その結果、計時カウンタ233eの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データが記憶されたキャラクタ記憶エリア235aを備えている。キャラクタ記憶エリア235aには、記憶するデータ量を少なくするために、上記の画像データが圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、圧縮前の画像データは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトの画像データが、約768Mバイトに圧縮されて、キャラクタ記憶エリア235aに記憶されている。
ビデオRAM236は、第3図柄表示装置81に表示される1フレーム分の画像を記憶するフレームバッファ領域を2フレーム分有するメモリである。
画像コントローラ236は、描画リストに従って、1フレーム分の画像データを生成して、ビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込むと共に、ビデオRAM236の他方のフレームバッファ領域に書き込まれた1フレーム分の画像データを読み出して、読み出した画像データを、出力ポート239を介して第3図柄表示装置81へ出力することで、複数のフレーム画像を連続して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
画像コントローラ237は、描画リストに記述された順番に従って、その描画リストで規定されたスプライトの画像データ(圧縮形式の画像データ)をキャラクタ記憶エリア235aから読み出し、その画像データを解凍した上で、描画リストにて規定された描画情報に従って加工処理を行い、描画リストで指定された表示位置座標に、そのスプライトの画像データをビデオRAMの一方のフレームバッファ領域に書き込む。描画リストに規定された全てのスプライトについて、画像データの解凍・加工・書き込みを行うことで、1フレームで表示させる画像データが生成される。
この一方のフレームバッファ領域への1フレーム分の画像データの書き込みと、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しは、並行して行われ、いずれも20ミリ秒で完了する。そして、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しが完了すると、続いて、一方のフレームバッファ領域から先に書き込まれた1フレーム分の画像データの読み出しが行われ、その間、他方のフレームバッファ領域に対して、次の1フレーム分の画像データの書き込みが行われる。
このように、一方のフレームバッファ領域と他方のフレームバッファ領域とを、交互に、画像データの書き込みおよび画像データの読み出しを行うことによって、連続して複数のフレーム画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
次に、図16から図22のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図16は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S1101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1104)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1105)。なお、変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、それぞれ図17および図19を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S1106)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1107)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1104)について説明する。図17は、この変動処理(S1104)を示すフローチャートである。この変動処理(S1104)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1201)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S1202:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1203)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1203の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1203:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別し(S1204)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0でなければ(S1204:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算し(S1205)、保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフト処理する(S1206)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S1207)。なお、変動開始処理については、図18を参照して後述する。
S1204の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であると判別されると(S1204:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S1208)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S1208:No)、デモコマンドを設定して(S1209)、本処理を終了し、デモ中であると判別された場合は(S1208:Yes)、そのまま本処理を終了する。S1209の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図22参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後所定時間経過したときに変動表示が開始されない場合に、デモコマンドを設定し、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させることができる。
S1202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S1202:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S1210)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S1210:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S1211)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S1210:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1212)。停止図柄の設定は、図18を参照して後述する変動開始処理(S1207)によって予め行われる。即ち、S1206の処理により、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1212の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1213)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1207)について説明する。図18は、変動開始処理(S1207)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1207)は、タイマ割込処理(図16参照)の変動処理(図17参照)の中で実行され、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する抽選(当否判定)処理を行う(S1301)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1301の処理では、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1301の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1301:Yes)、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1302)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブル202cとによって設定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する2R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、に基づいて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S1303)。この変動パターンの決定は、S1302の処理で設定された大当たり種別と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202cとに基づいて行われる。S1303の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1301の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1301:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1304)。S1304の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1305)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(高確率状態か、時短中か、もしくは時短中を除く低確率状態か)と、S1302の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202dとに基づいて行われる。S1305の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1303の処理またはS1305の処理が終わると、そのS1303又はS1305の処理で決定された変動パターン種別を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1306)。次いで、S1302又はS1304の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1307)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図22)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図19のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1105)を説明する。図19は、この始動入賞処理(S1105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S1105)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S1401:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1402)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S1401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S1402:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S1401:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S1402:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S1403)、更に、前記ステップS1103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリア203cの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1404)。
次いで、S1403の処理によって更新された保留球数Nを含めた保留球数コマンドを作成し(S1405)、作成した保留球数コマンドを設定して(S1406)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。この保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図22)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。
図20は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図21を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図21は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も処理をS1611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1611へ移行する。なお、図22のS1712の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1612,S1613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。RAMの初期化処理(S1612,S1613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、払出制御装置111を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、割込みを許可する(S1610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図22を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図22は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図16参照)の中でRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、タイマ割込処理(図16参照)におけるS1101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図19参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S1704)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1705)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1706)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1706:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1707)、既に所定時間が経過していれば(S1707:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1707:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1708,S1709)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1708)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203bにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1709)。
ここで、S1701〜S1705の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1706の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図20のNMI割込処理が実行されたということなので、S1710以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1710)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1711)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1712)、RAM203のアクセスを禁止して(S1713)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1706の処理は、S1701〜S1705で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1708とS1709の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図23から図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図23を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図23は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1918の電源断処理(図24参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1802)。図24を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図24のS1915参照)、S1918の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1918の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1803:Yes)、S1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1803:No)、S1808へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1803:Yes)、S1804へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1803:No)、S1808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1918の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1806)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1805:No)、RAM223の異常を報知して(S1807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1808)。電源断フラグはS1918の電源断処理の実行時にオンされる(図24のS1917参照)。つまり、電源断フラグは、S1918の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1809)、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1809をスキップして、処理をS1810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。
なお、S1809のクリア処理をスキップするのは、S1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至った場合には、S1804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、前回S1901の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1901)、1m秒以上経過していなければ(S1901:No)、S1902〜S1911の処理を行わずにS1913の処理へ移行する。
S1901の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1902〜S1912が表示や音声、第1役物87の動作の設定(即ち、演出の設定)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1913の変動表示処理やS1914のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましいからである。S1914の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1913の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
なお、立ち上げ処理後、メイン処理の実行が開始されて初めてS1901の処理が実行される場合、1ミリ秒以上経過したか否かを判定せずに、そのままS1902の処理へ移行する。或いは、立ち上げ処理後、メイン処理の実行が開始されて初めてS1901の処理が実行される場合、このS1901の処理において1ミリ秒以上経過したものとして、S1902の処理へ移行してもよい。
S1901の処理で1m秒以上経過していれば(S1901:Yes)、まず、S1903〜S1914の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1909の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1903)、その後電源投入報知処理を実行する(S1904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1907の処理へ移行する。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1907)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。
また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1907の処理は省略される。
また、変動演出において枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われている場合、その枠ボタン22が操作された回数を、枠ボタン操作回数カウンタ223fを用いて計数する処理も枠ボタン入力監視・演出処理にて行われる。これにより、枠ボタン操作回数223fによって、枠ボタン22の操作があったことがストックされる。ここでストックされた枠ボタン22の操作は、枠ボタン22の操作があったことを報知する操作音を、BGMの拍に合わせて出力するために用いられる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1907)を終了すると、次いで、音編集・出力処理を実行する(S1908)。音編集・出力処理では、主制御装置110からのコマンドにより設定された演出に対応するデータテーブルに従って、また、第1入球口64へ入球状況や枠ボタン22の操作状況に応じて、音声出力装置226から出力される音声を特定し、音出力LSI301を制御して、各種音声を音声出力装置226から出力する処理を実行する。この音編集・出力処理の詳細については、図27,図28を参照して後述する。
次いで、ランプ編集処理を実行する(S1909)。ランプ編集処理では、主制御装置110からのコマンドにより設定された演出に対応するデータテーブルに従って、また、第1入球口64へ入球状況や枠ボタン22の操作状況に応じて、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。
次いで、第1役物編集駆動処理を実行する(S1910)。第1役物編集駆動処理では、主制御装置110からのコマンドにより設定された演出に対応するデータテーブルに従って、第1役物上下動用モータ87aや第1役物回転用モータ87eを駆動制御し、第1役物87を動作させて、第1役物87による予告演出を実行する。
S1910の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1911)、その後、カウンタ更新処理が行われて(S1912)、S1913の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1909のランプ編集処理が実行される。また、S1908の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
カウンタ更新処理では、RAM223に設けられた各種カウンタの更新が行われる。例えば、詳細変動パターン決定カウンタ223bの更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。詳細変動パターン決定カウンタ223bの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。
S1913の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために一時保存する処理である変動表示処理を実行する。この変動表示処理の詳細については、図26を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1914)。このコマンド判定処理の詳細については、図25を参照して後述する。
S1914の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1915)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1915の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1915:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1917)、電源断処理を実行する(S1918)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1919)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1915の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1915:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1916)、RAM223が破壊されていなければ(S1916:No)、S1901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1916:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。また、音声出力装置226から出力される音声が変化せず、ランプ表示装置227のランプの点灯・点滅も変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1914)について説明する。図25は、このコマンド判定処理(S1914)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1914)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図24参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理は、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2001)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2001:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別(変動A〜F、2R変動のいずれか)を抽出して(S2002)、メイン処理に戻る。
ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図26参照)において、この記憶された変動パターン種別に基づき、詳細な変動パターンが決定される。そして、ここで決定された詳細な変動パターンが、表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知され、その通知された詳細な変動パターンに従って、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2001:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2003)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S2003:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S2004)、更に、その停止種別コマンドで示される停止種別を抽出して、RAM223に記憶する(S2005)。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2003:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S2007)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2008の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
また、S2007の処理の後、S2007の処理によって更新された保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2008)。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる。
次いで、始動入賞カウンタ223dが3か否かを判断し(S2009)、始動入賞カウンタ223dが3でなければ(S2009:No)、始動入賞カウンタ223dに1を加算し(S2010)、メイン処理に戻る。また、始動入賞カウンタ223dが3であれば(S2009:Yes)、S2010の処理をスキップして、メイン処理に戻る。
S2010の処理により、保留球数コマンドの受信にあわせて、始動入賞カウンタ223dに1が加算される。保留球数コマンドは、第1入球口64への入球があった場合に主制御装置110より送信されるコマンドであるので、始動入賞カウンタ223dは、第1入球口64への入球(始動入賞)の数をカウントしていることになる。つまり、音声ランプ制御装置113は、始動入賞カウンタ223dによって、第1入球口64への入球をストックする。
ここでストックされた第1入球口64への入球は、時短用BGM再生フラグ223cがオンであり、BGMとして時短用BGMが再生されている場合に、その時短用BGMの拍のタイミングで、そのときの時短用BGMのコードの構成音の1つを音高とする入球音を発音する発音するために使用される。これにより、第1入球口64への入球を表す入球が、時短用BGMの拍とコードとに合わせて発音されるので、遊技者をリズミカル且つ気持ちのよい音声を聴かせることができる。
また、S2009の判断により、始動入賞カウンタ223dにストックされた第1入球口64への入球の数が3となった場合、これ以上始動入賞カウンタ223dによって第1入球口64への入球がストックされず、たとえ第1入球口64への入球があっても、その入球は、始動入賞カウンタ223dによる計数という観点において無効とされる。
本パチンコ機10では、入球音を時短用BGMの拍(又は裏拍)に合わせて発音するため、多くの第1入球口64への入球がストックされると、最後にストックされた入球に対する入球音の発音が、実際の入球から大きく遅延して行われることになり、実際の入球と入球音の発音タイミングとのずれが顕著となって、遊技者に違和感を抱かせてしまうおそれがあるためである。そこで、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球のストックを3球までとすることで、実際の入球と入球音の発音タイミングとのずれが顕著となることを抑制できる。
また、時短用BGMのテンポ(1分間における拍の数)が、例えば160BPM(Beats Per Munute)であるとした場合、球の発射は1分間に100球未満とされているので、1拍の時間で第1入賞口64への入球が3球を超えてストックされることは、ほぼ無い。従って、第1入球口64への入球を、3つを超えてストックしないように制限したとしても、入球音が発音されない第1入球口64への入球が現実的に起こりえず、入球音が発音されないことによって、遊技者に違和感を与えることは無い。
S2006の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2006:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2011)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドや確定コマンドは、このS2011の処理によって、表示用デモコマンドおよび表示用確定コマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1913)について説明する。図26は、この変動表示処理(S1913)を示したフローチャートである。
この変動表示処理(S1913)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図24参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、また、停止種別コマンドから抽出した停止種別を表示制御装置114へ送信するための表示用停止種別コマンドを生成する処理である。また、変動演出の表示に伴って保留球数カウンタ223aの値を更新して、更新後の保留球数を表示制御装置114に通知するために表示用保留球数コマンドを設定する。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。
一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2102)、次いで、コマンド判定処理(図25参照)のS2002の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(変動A〜F、2R変動のいずれか)と、S2005の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S2103)。
そして、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値を読み出し、その詳細変動パターン決定カウンタ223bの値と、S2103の処理より取得した変動パターン種別および停止種別と、現在のパチンコ機10の遊技状態(通常状態、確変状態、時短状態のいずれであるか)と、詳細変動パターン決定テーブル222aとに基づいて、詳細な変動パターンを決定する(S2104)。
主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、このS2104によって、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。
なお、パチンコ機10の遊技状態は、それまでに受信した停止種別コマンドによって示される停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)と、変動回数とに基づいて判断できる。
例えば、ある変動演出に対応する停止種別コマンドにおいて、停止種別として15R確変大当たり又は2R確変大当たりが示された場合、その変動演出後の大当たり演出後から、次に大当たりとなるまで、パチンコ機10の遊技状態が確変状態であると判断する。また、ある変動演出に対応する停止種別コマンドにおいて、停止種別として15R通常大当たりが示された場合、その変動演出後の大当たり演出後から、100回の変動演出が行われるまで、又は、次に大当たりとなるまで、パチンコ機10の遊技状態が時短状態と判断される。そして、100回の変動演出後は、次に大当たりとなるまでパチンコ機10の遊技状態が通常状態と判断される。
また、主制御装置110から大当たり終了時に送信されるエンディングコマンド(大当たりの終了を示す演出を行うためのコマンド)に、大当たり後のパチンコ機10の遊技状態(確変状態か、時短状態か)を含めておき、音声ランプ制御装置113は、このエンディングコマンドに含まれる遊技状態から、パチンコ機10の遊技状態を判断してもよい。このとき、エンディングコマンドに含まれる大当たり後のパチンコ機10の遊技状態が時短状態であった場合は、100回の変動演出が行われるまでの間を時短状態とし、その後、次の大当たりとなるまで通常状態と判断する。
S2104の処理で、詳細な変動パターンを決定すると、次いで、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するためにRAM223へ一時的に保存する(S2105)。また、S2103の処理により取得した停止種別を表示制御装置114へ通知するための、表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するためにRAM223へ一時的に保存する(S2106)。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、その停止種別に合った停止図柄を選定し、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その選定した停止図柄を表示する。
ここで、本パチンコ機10では、S2105及びS2106の処理によって生成された表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドは、すぐに表示制御装置114へ送信されるのではなく、再生されているBGMの拍のタイミングで送信される。変動演出の開始のタイミングは、主制御装置110の制御により、音声ランプ制御装置113にて出力されるBGMのリズムに関係なく決定される。
しかしながら、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110からの変動パターンコマンドを受信することによって生成した表示用変動パターンコマンドを、再生中のBGMの拍のタイミングで表示制御装置114に対して送信するので、その表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンによる第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示が、BGMの拍のタイミングに合わせて開始される。
また、表示制御装置114では、第3図柄の変動表示において、BGMの拍の周期にあわせて種々のキャラクタを登場させたり、エフェクト画像を表示されたり、擬似停止を行ったり、確定表示される前に一旦停止表示を行ったりするように、表示データテーブルや追加データテーブルが規定されている。
よって、BGMの拍のタイミングに合わせて第3図柄の変動表示を開始することにより、種々のキャラクタの登場や、エフェクト画像の表示や、擬似停止や、確定表示される前の一旦停止表示などが、いずれも、BGMの拍のタイミングで行われる。つまり、第3図柄表示装置81では、BGMの拍に合わせて変動演出が開始され、また、停止表示が行われたかのように、遊技者に見せることができる。また、変動演出中に表示される各種の演出画像もBGMの拍に合わせて表示させることができる。
従って、変動演出もBGMのリズムに合わせて行われるような感覚を遊技者に与えることができるので、リズミカルな遊技を行わせることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S2107)、更新後の保留球数カウンタ223aの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2108)。表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数に応じた数の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された保留球数図柄の数をカウントすることによって、保留された球の数を認識することができる。
次いで、S2104の処理によって決定された詳細な変動パターンに対応するデータテーブルを特定する(S2109)。MPU221では、ここで特定したデータテーブルに従って、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の変動演出にあわせながら、音声出力装置226からの音出力や、ランプ表示装置228の点灯・点滅、第1役物87の動作を制御する。
そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始を通知するための表示用変動開始コマンドを設定し(S2110)、メイン処理へ戻る。ここで設定された表示用変動開始コマンドは、メイン処理(図24参照)のS1902の処理によって、表示制御装置114へ送信される。
前述した通り、S2104の処理によって生成された表示用変動パターンコマンドは、BGMの拍のタイミングとなるまで送信されず、第3図柄表示装置81では、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンによる第3図柄の変動表示が、BGMの拍のタイミングとなるまで非実行とされる。しかしながら、変動演出の開始タイミングは、BGMの拍のタイミングとは無関係に主制御装置110にて決定されるのであって、その主制御装置110から変動演出の開始を指示する変動パターンコマンドが送信されると、第3図柄表示装置81では第3図柄の変動表示を開始しなければならない。
本パチンコ機10では、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信すると、S2110の処理によって、一旦、表示用変動開始コマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114は、この表示用変動開始コマンドを受けて、第3図柄を上下に振動させる表示を行うことで、変動演出を開始する。その後、音声ランプ制御装置113は、BGMの拍のタイミングで表示用変動パターンコマンドを表示制御装置114に対して送信することにより、BGMの拍のタイミングから、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンによる第3図柄の変動表示を開始する。これによって、遊技者には、あたかも変動演出がBGMの拍に合わせて開始されたかのように見せることができる。
次いで、図27及び図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される音編集・出力処理(S1908)について説明する。図27及び図28は、この音編集・出力処理(S1908)を示したフローチャートである。音編集・出力処理は、上述したとおり、主制御装置110からのコマンドにより設定された演出に対応するデータテーブルに従って、また、第1入球口64へ入球状況や枠ボタン22の操作状況に応じて、音声出力装置226から出力される音声を特定し、音出力LSI301を制御して、各種音声を音声出力装置226から出力する処理を実行する。
まず、図27を参照して、音編集・出力処理の実行が開始されると、タイマカウンタ223hの値が、再生中のBGMの拍の周期Tと等しいか否かを判断する(S2121)。上述したとおり、タイマカウンタ223hは、再生中のBGMの拍の周期Tを計数するためのカウンタであり、タイマカウンタ223hの値が拍の周期Tと等しい場合(S2121:Yes)、再生中のBGMにおいて拍のタイミングとなったと判断し、次いで、変動表示処理(図26参照)のS2109の処理等によって、主制御装置110からのコマンドに従って新たな演出の実行が決定され、その演出に対応して使用するデータテーブルが特定されたか否かを判断する(S2122)。
データテーブルは、音声ランプ制御装置113において実行すべき各種制御情報が時間順に規定されたテーブルであり、音声ランプ制御装置113にて実行が制御される全ての演出に対して、その演出後に設けられたものである。
S2122の処理において、使用するデータテーブルが特定されたと判断されると(S2122:Yes)、その特定されたデータテーブルの使用を設定し(S2123)、ポインタ223gを0に初期化して(S2124)、S2125の処理へ移行する。
MPU221は、S2124にて初期化されるポインタ223gを順次カウントアップしながら、S2123の処理により使用を設定されたデータテーブルのポインタ223gにて示されるアドレスに規定された各種制御情報をデータテーブル格納エリア222bから読み出し、その制御情報に従って、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作(第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動)を制御する。
ここで、使用するデータテーブルの設定が、BGMの拍のタイミングで行なわれるので、主制御装置110からのコマンドに従って実行する演出が任意のタイミングで決定されたとしても、その演出に対応した音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作を、BGMの拍のタイミングにあわせて開始させることができる。
S2122の処理の結果、使用するデータテーブルが特定されていない場合は(S2122:No)、S2123及びS2124の処理をスキップして、S2125の処理へ移行する。
S2125の処理では、変動表示処理(図26参照)のS2105及びS2106の処理によって、一時保存された表示用変動パターンコマンドと表示用停止種別コマンドとがあるか否かを判断する(S2125)。そして、一時保存された表示用変動パターンコマンドと表示用停止種別コマンドとがRAM223にある場合は(S2125)、その一時保存された表示用変動パターンコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S2126)、また、一時保存された表示用停止種別コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2127)。そして、S2128の処理へ移行する。ここで設定された表示用変動開始コマンドは、メイン処理(図24参照)のS1902の処理によって、表示制御装置114へ送信される。
このように、本パチンコ機10では、S2105及びS2106の処理によって生成された表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドは、すぐに表示制御装置114へ送信されるのではなく、再生されているBGMの拍のタイミングで送信される。これにより、主制御装置110において、変動演出の開始が任意のタイミングで決定されたとしても、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンによる第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示を、BGMの拍のタイミングに合わせて開始させることができる。
そして、表示制御装置114では、第3図柄の変動表示において、BGMの拍の周期にあわせて種々のキャラクタを登場させたり、エフェクト画像を表示されたり、擬似停止を行ったり、確定表示される前に一旦停止表示を行ったりするように、表示データテーブルや追加データテーブルが規定されている。よって、BGMの拍のタイミングに合わせて第3図柄の変動表示を開始することにより、種々のキャラクタの登場や、エフェクト画像の表示や、擬似停止や、確定表示される前の一旦停止表示などを、いずれも、BGMの拍のタイミングで行わせることができる。従って、変動演出もBGMのリズムに合わせて行われるような感覚を遊技者に与えることができるので、リズミカルな遊技を行わせることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
S2125の処理により、一時保存された表示用変動パターンコマンドと表示用停止種別コマンドとがRAM223にないと判断される場合は(S2125:No)、S2126及びS2127の処理をスキップして、S2128の処理へ移行する。
S2128の処理では、ポインタ223gに1を加算し(S2128)、次いで、S2123の処理により設定されたデータテーブルにおいて、ポインタ223gが示すアドレスに規定された制御情報を読み出す(S2129)。MPU221は、ポインタ223gを1ずつカウントアップしながら、このポインタ223gにより示されるアドレスに規定された制御情報をデータテーブルより読み出すことにより、データテーブルによって時間順に規定された制御情報に基づいて、この音編集・出力処理や、メイン処理(図24参照)のランプ編集処理(S1909)、第1役物編集駆動処理(S1910)によって、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作(第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動)を制御する。
ここで、S2129の処理は、再生しているBGMの拍のタイミングで行なわれる。即ち、再生しているBGMの拍のタイミングで、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が制御される。これにより、パチンコ機10では、音声出力、ランプの点灯・点滅、第1役物87の動作が、BGMのリズムに合わせて行われるので、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。よって、遊技者による遊技への興趣を高めることができる。
次に、S2129の処理により読み出された制御情報に、音再生開始情報があるか否かを判断する(S2130)。その結果、音再生開始情報があれば(S2130:Yes)、その音再生開始情報に従って、再生を開始する音の情報を含む再生開始指令を音出力LSI301に設定し(S2131)、S2132の処理へ移行する。音出力LSIは、設定された再生開始指令に基づいて、その再生開始指令にて示された音の再生を開始し、音声出力装置226より出力する。
S2130の処理において、音再生開始情報がなければ(S2130:No)、S2131の処理をスキップして、S2132の処理へ移行する。S2132の処理では、S2129の処理により読み出された制御情報に、音再生停止情報があるか否かを判断する(S2132)。その結果、音再生停止情報があれば(S2132:Yes)、その音再生停止情報に従って、再生を停止する音の情報を含む再生停止指令を音出力LSI301に設定し(S2133)、S2134の処理へ移行する。音出力LSIは、設定された再生停止指令に基づいて、その再生停止指令にて示された音の再生を停止する。
ここで、S2129の処理によりデータテーブルより読み出された制御情報で、音の再生開始や再生停止が指示されるのは、BGM以外の音である。つまり、BGM以外の音に対して、このS2130〜S2133の処理により、音の再生開始と停止をBGMの拍のタイミングで行なうことができ、遊技者にリズミカルな遊技を行なわせることができる。尚、BGMの音の再生開始および停止は、BGMの拍のタイミングに関係なく、後述するS2143の処理(図28参照)により、BGMの変更タイミングとなった段階で、それまで再生されていたBGMの再生が停止され、新たなBGMの再生が開始される。
S2132の処理により、音再生停止情報がないと判断された場合は(S2132:No)、S2133の処理をスキップしてS2134の処理へ移行する。また、S2121の処理により、タイマカウンタ223hの値がBGMの拍の周期Tとは異なる場合は(S2121:No)、S2122〜S2133の処理をスキップして、S2134の処理へ移行する。
S2134の処理では、時短用BGM再生フラグ223cがオンか否かを判断し(S2134)、時短用BGM再生フラグ223cがオンの場合は(S2134:Yes)、始動入賞音出力処理を実行する(S2135)。始動入賞音出力処理は、BGMとして時短用BGMが再生されている場合に、そのBGMの拍または裏拍のタイミングで、第1入球口64への入球を報知する入球音を、そのときの時短用BGMのコードの構成音の1つを音高で発音させる処理である。この始動入賞音出力処理の詳細については、図29,図30を参照して後述する。
S2134の処理において、時短用BGM再生フラグ223cがオフと判断された場合(S2134:No)、または、始動入賞音出力処理(S2135)が実行された後、次いで、枠ボタン操作演出フラグ223eがオンか否かを判断する(S2136)。その結果、枠ボタン操作演出フラグ223eがオンであれば(S2136:Yes)、枠ボタン操作音出力処理を実行する(S2137)。この枠ボタン操作音出力処理は、枠ボタン22の操作を必要とする演出が行なわれている場合に、そのときに再生されているBGMの拍または裏拍のタイミングで、枠ボタン22が操作されたことを報知する操作音を、そのときのBGMのコードの構成音の1つを音高で発音させる処理である。この枠ボタン操作音出力処理は、始動入賞音出力処理と同様の処理によって構成されており、その詳細については、始動入賞音出力処理の説明の後に説明する。
S2136の処理において、枠ボタン操作演出フラグ223eがオフと判断された場合(S2136:No)、または、枠ボタン操作音出力処理(S2137)が実行された後、次いで、図28に示すS2138の処理へ移行する。S2138の処理では、S2129(図27参照)の処理によって読み出した制御情報の中に、枠ボタン22の操作を必要とする演出の開始情報があるか否かを判断する(S2138)。そして、枠ボタン22の操作を必要とする演出の開始情報があれば(S2138:Yes)、枠ボタン操作演出フラグ223eをオンに設定し、且つ、枠ボタン操作回数カウンタ223fを0に初期化する(S2139)。これにより、上述の枠ボタン操作音出力処理(S2137)が実行され、枠ボタン22の操作を必要とする演出中に枠ボタン22が操作された場合、その操作音がBGMの拍または裏拍のタイミングで出力される処理が実行される。
S2138の処理において、枠ボタン22の操作を必要とする演出の開始情報がないと判断された場合(S2138:No)、または、S2139の処理が実行された後、次いで、S2129(図27参照)の処理によって読み出した制御情報の中に、枠ボタン22の操作を必要とする演出の終了情報があるか否かを判断する(S2140)。そして、枠ボタン22の操作を必要とする演出の終了情報があれば(S2140:Yes)、枠ボタン操作演出フラグ223eをオフに設定する(S2141)。これにより、枠ボタン22の操作音がBGMの拍または裏拍のタイミングで出力される処理の実行が終了する。
S2140の処理において、枠ボタン22の操作を必要とする演出の終了情報がないと判断された場合(S2140:No)、または、S2141の処理が実行された後、次いで、タイマカウンタ223hの値を更新する(S2142)。タイマカウンタ223hの更新は、タイマカウンタ223hの値が、再生中のBGMの拍の周期Tとなっている場合は1を設定し、タイマカウンタ223hの値が周期Tとは異なる値の場合は、タイマカウンタ223hに1を加算する。これにより、タイマカウンタ223hにおいて、再生中のBGMの拍の周期を計数することができる。
ここで、各BGMのテンポは、いずれもその拍の周期Tが2ミリ秒の倍数となるように予め決められている。これにより、タイマカウンタ223hを1ミリ秒毎に1加算していく処理を行うだけで、容易に、BGMの拍のタイミングや、裏拍のタイミングを判断することができる。
次いで、BGMの変更タイミングか否かを判断する(S2143)。BGMの変更タイミングとしては、例えば、大当たりとなって大当たりを通知するときに出力するBGMの再生を開始するタイミングや、大当たり演出時に出力される大当たり演出用BGMの再生を開始または終了するタイミング、変動演出においてリーチ演出が開始され、そのリーチ演出用BGMの再生を開始するタイミングやそのリーチ演出用BGMの再生を終了させるタイミング等がある。これらのタイミングは、その時々で設定されるデータテーブルに規定された制御情報や、主制御装置110より受信するコマンドに従って把握される。
S2143の処理によりBGMの変更タイミングであると判断される場合は(S2143)、データテーブルの制御情報により指定されたBGM、または、主制御装置110より受信したコマンドに応じたBGMを指定した再生開始指令を音出力LSI301に設定する(S2144)。これにより、指定されたBGMの再生が開始され、音声出力装置226より出力される。
次に、再生が開始される種類のBGMのテンポをROM222から読み出し、そのBGMの拍の周期T(ミリ秒)を算出して、RAM223に記憶する(S2145)。このとき、拍の周期T(ミリ秒)は、6000ミリ秒/(BGMのテンポ)を計算することによって算出される。なお、ROM222にBGMのテンポではなく、BGMの拍の周期T(ミリ秒)が予め規定されている場合は、S2145の処理では、再生が開始される種類のBGMの拍の周期をROM222から読み出せばよい。
また、タイマカウンタ223hを1に初期化する(S2146)。このタイマカウンタ223hを1ミリ秒毎に実行される音編集・出力処理の中でカウントアップしながら更新し、S2145の処理にて算出されたBGMの拍の周期Tまで計数することにより、MPU221は、タイマカウンタ223hを用いて再生中のBGMの拍のタイミングを把握することができる。
次に、再生が開始されるBGMが時短用BGMか否かを判断し(S2147)、時短用BGMであれば(S2147:Yes)、時短用BGM再生フラグ223cをオンに設定し(S2148)、時短用BGMでなければ(S2148:No)、時短用BGM再生フラグ223cをオフに設定する(S2149)。これにより、BGMとして時短用BGMが再生されている間、S2134,S2135の処理(図27参照)によって、第1入球口64への入球を報知する入球音が時短用BGMの拍のタイミングで再生される始動入賞音出力処理が実行される。
S2148またはS2149の処理が終了した後、音編集・出力処理を終了してメイン処理に戻る。また、S2143の処理の結果、BGMの変更タイミングではないと判断される場合も(S2143:No)、そのまま音編集・出力処理を終了する。
次いで、図29及び図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される始動入賞音出力処理(S2135)について説明する。図29及び図30は、この始動入賞音出力処理(S2135)を示したフローチャートである。始動入賞音出力処理は、上述したとおり、BGMとして時短用BGMが再生されている場合に、そのBGMの拍または裏拍のタイミングで、第1入球口64への入球を報知する入球音を、そのときの時短用BGMのコードの構成音の1つを音高で発音させる処理である。
図29を参照して、始動入賞音出力処理では、まず、入賞音即再生演出を実行中か否かを判断する(S2151)。入賞音即再生演出とは、変動演出において、入賞音を時短用BGMの拍または裏拍のタイミングで出力するのではなく、第1入球口64への入球があった場合に、時短用BGMの拍または裏拍のタイミングを待たずに、所定の音高で入球音を出力する演出であり、大当たりとなる期待度が高いことを示唆する予告演出の一つである。入賞音即再生演出を実行するか否かは、変動表示処理(図26参照)にて決定される詳細な変動パターンに基づいて決定される。
遊技者は、通常は、時短用BGMのリズムにあわせて、その時短用BGMのコードにあった音高の入球音が出力されるのに対して、入賞音即再生演出が実行されることによって入球音が時短用BGMのリズムとずれ、しかも所定の高さの音高で発音されることで、その変動演出において大当たりとなる期待度が高いことを認識し、遊技への興趣を高めることができる。
入賞音即再生演出が実行中である場合(S2151:Yes)、始動入賞カウンタ223dが0か否かを判断する(S2152)。始動入賞カウンタ223dが0であれば(S2152:Yes)、第1入球口64への入球がないので、そのまま、始動入賞音出力処理を終了する。一方、始動入賞カウンタ223dが0でなければ(S2152)、第1入球口64への入球があったことを意味するので、音高を所定の音高とした始動入賞音の再生開始指令を音出力LSI301に設定する(S2153)。これにより、所定の音高の入賞音が、BGMの拍や裏拍のタイミングを待たずに音声出力装置226より出力される。次いで、始動入賞カウンタ223dを1減算して(S2154)、始動入賞音出力処理を終了する。
S2151の処理の結果、入賞音即再生演出が実行されていないと判断される場合は(S2151:No)、次いで、タイマカウンタ223hの値が、時短用BGMの拍の周期Tと等しいか否かを判断する(S2155)。その結果、タイマカウンタ223hの値が周期Tと等しい場合(S2155:Yes)、時短用BGMの拍のタイミングであるので、第1入球口64への入球に対応する入球音を発音させるための処理を実行する。まず、始動入賞カウンタ223dの値が0であるか中を判断する(S2156)。
始動入賞カウンタ223dの値が0でなければ(S2156:No)、第1入球口64への入球がストックされているので、入球音を発音させる処理を実行する。まず、再生中のBGMにおいて、現在の拍からコードが変更されるか否かを判断する(S2157)。時短用BGMのコードの進行は、ROM222に格納されており、MPU221は時短用BGMの再生の進み具合に応じて、BGMの拍のコードを把握する。
ここでROM222に格納されている時短用BGMのコードの進行は、BGMの再生が開始されてからの経過時間に対応付けて、その経過時間からのBGMのコードが規定されている。例えば、経過時間0ミリ秒に対してコード「D」が対応付けられ、経過時間720ミリ秒に対してコード「G」が対応付けられ、経過時間1440ミリ秒に対してコード「A」が対応付けられ、経過時間2160ミリ秒に対して「D」が対応付けられて、その対応付けが終了する。MPU221は、BGMの音声の再生を開始すると、その再生経過時間を監視し、BGMの再生が開始された直後から、そのBGMの再生経過時間が720ミリ秒となるまで、BGMのコードが「D」であり、BGMの再生開始時間が720ミリ秒から1440ミリ秒となるまで、BGMのコードが「G」であり、BGMの再生開始時間が1440ミリ秒から2160ミリ秒となるまで、BGMのコード「A」であると判断する。そして、BGMの再生開始時間が2160ミリ秒となった場合、BGMのコードが「D」であると判断した後、BGMの再生経過時間を0ミリ秒にリセットし、再び、BGMの再生経過時間を監視しながら、そのときのBGMのコードを判断する。これにより、同じメロディーが繰り返し再生されるBGMに対して、コードの進行を正確に把握することができる。
現在の拍からコードが変更される場合(S2157:Yes)、音高をコードのルート音とした入球音の再生開始指令を音出力LSI301に設定し(S2159)、S2166の処理へ移行する。コードのルート音とは、コードの中で基本となる音である。S2159の処理により、音高をコードのルート音とする入球音が音声出力装置226より出力される。BGMのコードが変更された拍のタイミングで、コードのルート音以外の音高の音が出力されると、遊技者は、その音をコードからはずれた音として認識し、遊技者に違和感を感じさせるおそれがある。これに対し、ルート音を音高とする入球音を発音させることで、入球音を変更後のコードに合った音として遊技者に聴かせることができる。よって、遊技者にとって聴き心地のよい音を聴かせることができる。
S2157の処理の結果、現在の拍でコードが変更されない場合は(S2157:No)、次いで、経過音発音フラグ223jがオンか否かを判断する(S2160)。その結果、経過音発音フラグ223jがオフであれば(S2160:No)、現在の拍におけるコード情報をROM222から読み出し、そのコードを構成する構成音から1つ入賞音の音高として使用する音高を選択し(S2161)、選択した構成音を音高とした入賞音の再生開始指示を音出力LSIに設定し(S2162)、S2166の処理へ移行する。
これにより、コードの構成音を音高とする入賞音が音声出力装置226より出力される。また、入球音が時短用BGMの拍に合わせて発音されるだけでなく、そのときの時短用BGMのコードに合った音高で発音される。よって、入球音と時短用BGMとで和音が構成されるので、より気持ちのよい音声を遊技者に聴かせることができる。加えて、第1入球口64への入球が続いた場合、時短用BGMを伴奏としたメロディーを入球音よって構成し、遊技者に聴かせることができる。しかも、そのメロディーは、入球のタイミングや入球数によって異なるものとなる。よって、その時々によって入球音により奏でられる様々なメロディーにより、遊技者を楽しませることができる。
S2160の処理の結果、経過音発音フラグ223jがオンであると判断される場合は(S2160:Yes)、直前の裏拍のタイミングで経過音を音高とする入球音が発音されたことを意味するので、ここでの拍のタイミングでは、発音された経過音に対応する構成音を音高とする入球音を発音する。具体的には、直前の拍で再生した音高を音高情報メモリ223kから読み出し(S2163)、現在のBGMのコードに対して、前の拍で再生した音高に対応して再生すべき音高を、経過音再生時音高設定テーブル222cより選定する(S2164)。そして、選定した音高とした入賞音の再生開始指令を音出力LSI301に設定して(S2165)、S2166の処理へ移行する。
ここで、あるBGMの拍でのコードが「C」であり、そのときに構成音「ミ」を音高とする入球音を発音させた場合、その音高「ミ」を音高情報メモリ223kに格納する。続くBGMの裏拍のタイミングでコード「C」の経過音を音高とする入球音を発音させるときには、音高情報メモリ223kから、直前の拍で発音した入球音の音高を読み出し(この例では「ミ」)、コード「C」において、構成音「ミ」に対応する経過音の音高を経過音再生時音高設定テーブル222cから特定する。本実施形態では、「ファ」が経過音の音高として特定され、裏拍のタイミングで経過音「ファ」を音高とする入球音が発音される。
そして、裏拍に続いて次のBGMの拍のタイミングでコード「C」の構成音を音高とする入球音を発音させるときにも(つまり、経過音発音フラグ223jがオンの場合)、音高情報メモリ223kから、直前の拍で発音した入球音の音高を読み出し(この例では「ミ」)、コード「C」において、構成音「ミ」に対応する次の拍での構成音の音高を経過音再生時音高設定テーブル222cから特定する。本実施形態では、「ソ」が次の拍での構成音の音高として特定され、次の拍のタイミングで構成音「ソ」を音高とする入球音が発音される。
これにより、最初のBGMの拍、続く裏拍、更に続く拍のそれぞれにおいて、BGMのコード「C」に対応して「ミ」「ファ」「ソ」の順に入球音が発音される。よって、コードの構成音を音高する入球音が発音される拍と拍との間の裏拍において、経過音を音高とする入球音が発音される場合に、おかしな音高の経過音が発音されたり、裏拍の後の拍において、裏拍で発音された経過音から外れた音高が発音されたりすることを抑制できる。よって、経過音を挿入しながら入球音を発音させる場合に、きれいなメロディーを奏でることができる。
S2166の処理では、S2159,S2162,S2165の処理により、入賞音として再生される音高を音高情報メモリ223kに格納する(S2166)。そして、第1入球口64への入球に対する入球音を1つ発音したので、始動入賞カウンタ223dを1減算する(S2167)。その後、経過音発音フラグ223jをオフに設定し(S2168)、始動入賞音出力処理を終了する。
S2156の処理の結果、始動入賞カウンタ223dの値が0の場合(S2156:Yes)、第1入球口64への入球がストックされていないので、経過音発音フラグ223jをオフにした後(S2168)、始動入賞音出力処理を終了する。
S2155の処理の結果、タイマカウンタ223hの値がBGMの拍の周期Tでなない場合(S2156:No)、次いで、図30を参照して、タイマカウンタ223hの値がBGMの拍の周期の半分であるT/2であるか否かを判断する(S2169)。その結果、タイマカウンタ223hの値がT/2でなければ(S2169:No)、そのまま、始動入賞音出力処理を終了する。一方、タイマカウンタ223hの値がT/2である場合は(S2169:Yes)、再生中のBGMの裏拍のタイミングであるので、次いで、始動入賞カウンタ223dが1よりも大きく且つ直前の拍で入球音を発音したか否かを判断する(S2170)。
始動入賞カウンタ223dが1以下の場合、または、直前の拍で入球音を発音していな場合は(S2170:No)、そのまま始動入賞音出力処理を終了する。一方、始動入賞カウンタ223dが1よりも大きく、且つ、直前の拍で入球音を発音していれば(S2170:Yes)、次いで、前の拍のコード情報と次の拍のコード情報をROM222から取得し(S2171)、前の拍のコード情報と次の拍のコード情報とが一致するか否かを判断する(S2172)。
その結果、前の拍のコード情報と次の拍のコード情報とが一致する場合(S2172:Yes)、前の拍で再生した入球音の音高を音高情報メモリ223kから読み出し(S2173)、現在のコードに対して、前の拍で再生した音高に対応して再生すべき音高を、経過音再生時音高設定テーブル222cより選定する(S2174)。そして、選定した音高とした入賞音の再生開始指令を音出力LSI301に設定する(S2175)。これにより、BGMの裏拍のタイミングで、経過音再生時音高設定テーブル222cより選定された音高の入賞音が音声出力装置226から出力される。
ここで、BGMの拍のタイミングで出力される入球音の音高は、コードの構成音であるのに対し、BGMの裏拍のタイミングで経過音再生時音高設定テーブル222cにより選定される音高は、コードの経過音である。これにより、第1入球口64への入球が連続した場合に、コードの標準音だけでなく、BGMの裏拍を使用して、コードの経過音を挿入させながら入球音を発音させるので、より複雑なメロディーを入球音によって奏でることができる。したがって、遊技者の興趣を高めることができる。
また、経過音再生時音高設定テーブル222cによって、前の拍で発音された入球音の音高に基づいて、BGMの裏拍で発音する入球音の音高を決め、更に、次の拍で発音させる入球音の音高も決めている。これにより、コードの構成音を音高する入球音が発音される拍と拍との間の裏拍において、経過音を音高とする入球音が発音される場合に、おかしな音高の経過音が発音されたり、裏拍の後の拍において、裏拍で発音された経過音から外れた音高が発音されたりすることを抑制できる。よって、経過音を挿入しながら入球音を発音させる場合に、きれいなメロディーを奏でることができる。
次に、経過音を発音したことを示す経過音発音フラグ223jをオンに設定し(S2176)、入球に対応した入球音を発音したため、始動入賞カウンタ223dの値を1減算して(S2179)、始動入賞音出力処理を終了する。
一方、S2172の処理の結果、前の拍のコード情報と次の拍のコード情報とが一致しない場合(S2172:No)、現在のBGMのコード情報をROM222から読み出し、そのコードを構成する構成音から1つ入球音の音高を選択し(S2177)、その選択した構成音を音高とした入球音の再生開始指令を音出力LSI301に設定する(S2178)。仮に、ここでコードの経過音が出力されると、次の拍でコードが変更されるので、その経過音が浮いた音となり、おかしなメロディーを遊技者に聴かせることなる。これに対し、本実施形態では、S2177及びS2178の処理により、前の拍と次の拍のコード情報とが一致しない場合は、BGMの裏拍において、コードの構成音を音高とした入球音が音声出力装置226から出力されるので、コードに従ったきれいなメロディーを遊技者に聴かせることができる。
S2178の処理の後、始動入賞カウンタ223dの値を1減算して(S2179)、始動入賞音出力処理を終了する。
ここで、図31及び図32を参照して、始動入賞音出力処理を実行した場合の入球音の発音タイミングについて説明する。まず、図31は、BGMの一拍の間に1球ずつ球が第1入球口64へ入球した場合の入球音の発音タイミングを示した図である。図31に示すとおり、この場合、BGMの拍の途中で第1入球口64に入球された球はストックされ、BGMの拍のタイミングで入球音が発音される。このとき、コードが変更された最初の拍のタイミングでは、そのコード(図31の例では「C」)のルート音(図31の例では「ド」)を音高とする入球音が発音され、その後、コードが変更されない限り、そのコードの構成音(図31の例では「ド」「ミ」「ソ」のいずれか)を音高とする入球音が発音される。
このように、入球音が時短用BGMの拍に合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、時短用BGMのリズムに乗ってリズミカルに遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、入球音を発音する場合に、その発音タイミングにおける時短用BGMのコードに基づいて、その入球音の音高が決定される。具体的には、入球音の音高として、コードを構成する構成音の音高から1つ選定される。これにより、入球音が時短用BGMの拍に合わせて発音されるだけでなく、そのときの時短用BGMのコードに合った音高で発音される。よって、入球音と時短用BGMとで和音が構成されるので、より気持ちのよい音声を遊技者に聴かせることができる。
次いで、図32(a)は、BGMの一拍の間に3球の球が第1入球口64へ入球した場合の入球音の発音タイミングを示した図であり、図32(b)は、BGMのある一拍の間に2球の球が第1入球口64へ入球し、次の一拍の裏拍までの間に更に1球の球が第1入球口64へ入球した場合の入球音の発音タイミングを説明した図であり、図32(c)は、BGMのある一拍の間に1球の球が第1入球口64へ入球し、次の一拍の裏拍までの間に更に2球の球が第1入球口64へ入球した場合の入球音の発音タイミングを説明した図である。
図32(a)〜(c)の場合は、いずれも、1〜3球の球が第1入球口64へ入球した一拍の次の拍のタイミングで、そのうちの1球に対応する入球音が、その拍のタイミングにおけるコードの構成音を音高として発音される。次いで、BGMの裏拍のタイミングで、入球音が発音されていないストック中の第1入球口64への入球の数が2球以上あり、且つ、直前の拍で入球音が発音されたことを条件に、入球音が発音される。つまり、図32(a)〜(c)の例では、いずれもBGMの裏拍で入球音が発音される。そして、その裏拍の次の拍のタイミングにて、更に入球音が発音される。
ここで、BGMの裏拍のタイミングで入球音を発音されるための条件として、入球音が発音されていないストック中の第1入球口64への入球の数が2球以上あり、且つ、直前の拍で入球音が発音されたことを条件としたのは、前の拍と、今の裏拍と、次の拍とで、連続して入球音を発音させるためである。これにより、第1入球口64への入球が連続して行なわれた場合に、拍のタイミングだけでなく、前の拍と、今の裏拍と、次の拍とで、連続して入球音を発音させることにより、より多様なリズムを入球音で刻むことができる。また、拍では入球音が発音されず、裏拍で入球音が発音されることで、入球音のリズムがBGMとなわない印象がもたれることを抑制できる。
また、2つの拍では、コードの構成音を音高とする入球音が発音され、これら2つの拍の間の裏拍では、コードの構成音の経過音を音高とする入球音が発音される。これにより、BGMのリズムに合わせつつ、そのBGMのコードの構成音を音高とする入球音の間に、経過音を音高とする入球音を挿入しながら、入球音を発音させることができる。よって、時短用BGMを伴奏とした入球音によるメロディーにバリエーションを持たせることができる。よって、入球音によるメロディーが単調にならず、遊技者を飽きさせない音声出力を行うことができる。
なお、音編集・出力処理(図27参照)において、枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われている場合に実行される枠ボタン操作音出力処理(S2137)は、その詳細が始動入賞音出力処理(図29,図30参照)とほぼ同一である。具体的には、始動入賞音出力処理において使用される始動入賞カウンタ223dを枠ボタン操作回数カウンタ223fに置き換え、発音する音を入賞音から操作音に置き換えたものが、枠ボタン操作音出力処理となる。枠ボタン操作音出力処理を実行することにより、操作音において、始動入賞音出力処理により出力される入賞音と同様の作用効果を奏することができる。
特に、操作音がBGMの拍に合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに枠ボタン22を操作する等の遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、操作音を発音する場合に、その発音タイミングにおけるBGMのコードに基づいて、その操作音の音高が決定される。よって、枠ボタン22を操作することによって、操作音によるメロディーが奏でられるので、遊技者を飽きさせない音声出力を行うことができる。
次いで、図33〜図43を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、V割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。V割込信号は、画像コントローラ237がMPU231に対して送信する信号で、画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理を完了する20ミリ秒毎にMPU231に対してV割込信号を送信する。
MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図33を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図33は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理では、初期設定処理を実行する(S2401)。具体的には、ワークRAM233、ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始でるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
S2401の処理の後、割込許可を設定し(S2402)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2402の処理によって割込許可が設定されて以降、MPU231は、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図34(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図34(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2501)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図32(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図32(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図15参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。V割込処理では、まず、コマンド判定処理(S2602)を実行し、次いで、表示設定処理(S2603)を実行する。コマンド判定処理(S2602)では、コマンドバッファ領域に格納されたコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。例えば、コマンドバッファ領域に表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、その表示用変動パターンコマンドで示される変動パターン種別に応じた詳細な変動パターンを決定し、その詳細な変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが20ミリ秒の間にコマンドバッファ領域に格納される可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出等の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図35〜図38を参照して後述する。
表示設定処理(S2603)では、コマンド判定処理(S2602)などによって表示データテーブルバッファ233aおよび追加データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブルおよび追加データテーブルの内容に基づき、ポインタ233cが示すアドレスに規定された描画内容に従って、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。
更に、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図39〜図42を参照して後述する。
表示設定処理(S2603)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2604)。このタスク処理では、表示設定処理(S2603)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、描画処理を実行する(S2605)。この描画処理では、タスク処理(S2604)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータから、図15に示す描画リストを生成し、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。描画処理の詳細については、図43を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2606)。そして、V割込処理を終了する。S2606の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
次いで、図35〜図38を参照して、V割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2602)の詳細について説明する。まず、図35は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド割込処理は、表示制御装置114内のMPU231によって実行される。
このコマンド判定処理では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2701)、未処理の新規コマンドがなければ(S2701:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2701:Yes)、オン状態で新規コマンドが処理されたことを表示設定処理(S2603)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2702)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2703)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用保留球数コマンドがあるか否かを判定し(S2704)、表示用保留球数コマンドがあれば(S2704:Yes)、保留球数コマンド処理を実行して(S2705)、S2701の処理に戻る。
ここで、図36(a)を参照して、保留球数コマンド処理(S2705)の詳細について説明する。図36(a)は、保留球数コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用保留球数コマンドに対応する処理を実行するものである。
保留球数コマンド処理では、まず、新規保留球数コマンドフラグをオンする(S2801)。新規保留球数コマンドフラグは、オン状態で表示用保留球数コマンドを処理したことを表示設定処理(S2603)に通知するフラグである。次いで、表示用保留球数コマンドに含まれる保留球数情報を取得する(S2802)。
尚、S2802の処理において、2以上の表示用保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の保留球数情報を取得することができる。
そして、保留球数毎に設けられた個数判別フラグのうち、S2802の処理で取得した保留球数に対応する個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する個数判別フラグをオフにして(S2803)、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、新規保留球数コマンドフラグがオンである場合に、個数判別フラグを参照することで、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄が小領域Ds1に表示されるように、保留画像データを展開する。
図35に戻り、S2704の処理において、表示用保留球数コマンドがないと判別されると(S2704:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S2706)、表示用確定コマンドがあれば(S2706:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S2707)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図36(b)を参照して、確定コマンド処理(S2707)の詳細について説明する。図36(b)は、確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用確定コマンドに対応する処理を実行するものである。
確定コマンド処理(S2707)では、確定コマンドフラグをオンに設定して(S2811)、本処理を終了する。確定コマンドフラグは、オン状態で表示用確定コマンドを受信したことを表示設定処理(S2603)に通知するフラグである。表示設定処理では、確定コマンドフラグの状態を監視し、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理を実行する。また、変動演出の表示の設定を処理した後に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグがオンとならない場合は、再始動演出(第3図柄を上下に揺動させる演出)を第3図柄表示装置81に表示させるように、表示の設定処理を実行する。
また、本実施形態では、BGMの拍のタイミングで、見かけ上、変動演出が停止表示されたかのように見せている。この見せかけの表示は、後に説明する変動用表示データテーブルにより、BGMの拍のタイミングで変動演出が停止表示されるように、本来の変動時間よりも短い時間分だけ変動表表示データテーブルを規定することで実現している。本実施形態では、その後、本来の確定表示タイミングとなるまで、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させ、本来の変動時間を確保する。これにより、遊技者にはBGMのリズムに沿って変動演出が停止されたものとして捉えさせることができるので、BGMのリズムに合わせながら遊技者に遊技を行わせることができる。
図35に戻り、S2706の処理において、表示用確定コマンドがないと判別されると(S2706:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S2708)、表示用デモコマンドがあれば(S2708:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S2709)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図36(c)を参照して、デモコマンド処理(S2709)の詳細について説明する。図36(c)は、デモコマンド処理を示すフローチャートである。このデモコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用デモコマンドに対応する処理を実行するものである。
デモコマンド処理(S2709)では、まず、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから選定して、表示データテーブルバッファ233aに設定する(S2821)。次いで、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んでその内容をクリアする(S2822)。
次いで、デモ演出に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S2823)、ポインタ233cを0に初期化する(S2824)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定すると共に、デモ表示フラグをオンに設定し、更に、確定表示フラグをオフに設定して(S2825)、コマンド判定処理に戻る。尚、デモ表示フラグは、オン状態で第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されることを示すフラグである。確定表示フラグは、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示すフラグである。
このデモコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2824の処理によって初期化されたポインタ233cを更新しながら、S2821の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定されたデモ用表示データテーブルから、ポインタ233cに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。また、表示設定処理では、S2823の処理によってデモ演出に対応する時間データの設定された計時カウンタ233eを用いて、デモ用表示データテーブルで規定されたデモ演出の時間を計時すると共に、S2825の処理によって設定されたデモ表示フラグおよび確定表示フラグの状態に基づいて、表示設定制御計時カウンタ233eの計時によってデモ用表示データテーブルにおけるデモ演出が終了したと判断された場合に、次に表示すべき演出として、再度デモ演出が表示されるように制御する。
また、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドとデモコマンドとがいずれも格納されている場合は、上述の確定コマンド処理(S2707)が先に実行され、確定コマンドフラグがオンに設定されるが、次いで、このデモコマンド処理(S2709)が実行され、S2825の処理により確定コマンドフラグがオフされる。
これにより、このような場合には、確定表示演出は行われずにデモ演出が表示される。主制御装置110は、確定コマンドを送信した後、所定時間(例えば、5分)経過後に変動演出の開始タイミングとならなければ、デモコマンドを送信するように構成されているので、本来であれば、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドとデモコマンドとが共に格納されることはあり得ない。よって、それらのコマンドが、コマンド判定処理の実行開始時にコマンドバッファ領域にいずれも格納されている場合は、コマンドの送受信が正常に行われていない可能性が高い。
表示制御装置114は、このような場合に、遊技に直接関係のないデモ演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させるので、誤った確定表示演出が第3図柄表示装置81に未表示とされ、遊技者に遊技結果に対する誤解を与えることを抑制できる。また、確定表示演出が行われずにデモ演出が開始されることで、異常が発生していることを遊技者に容易に認識させることができる。よって、遊技者はすぐにホール関係者を呼んで対処の依頼を行うことができる。
図35に戻り、SS2708の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S2708:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動開始コマンドがあるか否かを判別し(S2710)、表示用変動開始コマンドがあれば(S2710:Yes)、変動開始コマンド処理を実行して(S2711)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図37(a)を参照して、変動開始コマンド処理(S2711)の詳細について説明する。図37(a)は、変動開始コマンド処理を示すフローチャートである。この変動開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動開始コマンドに対応する処理を実行するものである。表示用変動開始コマンドは、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110より変動開始を指示する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信した場合に、表示制御装置114に向けて送信されるコマンドである。表示制御装置114は、この表示用変動開始コマンドを音声ランプ制御装置113より受信することによって、第3図柄表示装置81において変動演出を開始する。
変動開始コマンド処理では、まず、再始動演出に対応する再始動表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア232aから選定して、表示データテーブルバッファ233aに設定する(S2826)。次いで、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んでその内容をクリアする(S2827)。
次いで、再始動演出に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S2828)、ポインタ233cを0に初期化する(S2829)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定すると共に、デモ表示フラグをオフに設定し、更に、確定表示フラグをオフに設定して(S2830)、コマンド判定処理に戻る。
このように、表示制御装置114は、表示用変動開始コマンドを受けて、まず、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示する。つまり、主制御装置110において変動演出の開始が決定された場合に、変動演出の開始直後は、第3図柄表示装置81において第3図柄を上下に揺動する表示を行う。これにより、第3図柄による変動演出を開始する。
一方、音声ランプ制御装置113は、表示用変動開始コマンドを送信した後、再生中のBGMの拍のタイミングに合わせて、表示用変動パターンコマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114は、これら表示用変動パターンコマンドを受信することにより、その表示用変動パターンコマンドによって示される詳細な変動パターンに従って変動演出の実行を開始し、第3図柄の高速変動を開始する。これにより、遊技者には、第3図柄の変動演出がBGMの拍のタイミングで開始されたと見せかけることができる。よって、遊技者に、変動演出がBGMのリズムに沿って変動演出が開始されたものとして捉えさせることができるので、BGMのリズムに合わせながら遊技者に遊技を行わせることができる。
なお、S2830の処理により、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをオフに設定することによって、主制御装置110にて変動演出の開始が決定された場合に、表示中のデモ演出や確定表示演出に代えて、第3図柄表示装置81に変動演出を表示させることができる。また、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドと表示用変動開始コマンドとがいずれも格納されている場合は、上述の確定コマンド処理(S2707)が先に実行され、確定コマンドフラグがオンに設定されるが、次いで、この変動開始コマンド処理(S2711)が実行され、S2830の処理により確定コマンドフラグがオフされる。
図35に戻り、S2710の処理において、表示用変動開始コマンドがないと判別されると(S2710:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2712)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2712:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2713)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図37(b)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2713)の詳細について説明する。図37(b)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される詳細な変動パターンを抽出する(S2831)。次いで、抽出した詳細は変動パターンに対応した変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する(S2832)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2832の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することとなり、変動中の第3図柄が突然停止表示されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせる恐れがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233aに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は再始動演出を変動演出の一環として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S2833)。次いで、S2832の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルによって表示が制御される時間を表す時間データを計時カウンタ233eに設定する(S2834)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S2835)、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定する(S2836)。そして、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2835の処理によって初期化されたポインタ233cを更新しながら、S2832の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ233cに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。
また、表示設定処理では、S2834の処理によって変動時間データの設定された計時カウンタ233eを用いて、変動用表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動用表示データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示する。また、変動演出終了後に確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
ここで、本実施形態では、上述した通り、BGMの拍のタイミングで、見かけ上、変動演出が停止表示されたかのように見せており、この見せかけの表示は、変動用表示データテーブルにより、BGMの拍のタイミングで変動演出が停止表示されるように、本来の変動時間よりも短い時間分だけ変動用表示データテーブルを規定することで実現している。本実施形態では、変動表表示データテーブルに従って見かけ上の変動演出の停止表示を第3図柄表示装置81に表示させた後、本来の確定表示タイミングとなるまで再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させ、本来の変動時間を確保する。これにより、遊技者にはBGMのリズムに沿って変動演出が停止されたものとして捉えさせることができるので、BGMのリズムに合わせながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、表示用確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2836の処理のように、表示用確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用確定コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、表示用デモコマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用デモコマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用デモコマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用デモコマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2832の処理のように、表示用デモコマンドによって表示データテーブルバッファ233aに設定されたデモ用表示データテーブルを上書きによって変動用表示データテーブルに書き換えることができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用デモコマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
更に、表示用変動開始コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納される場合がある。これは、主制御装置110により決定された変動開始のタイミングと、再生中のBGMの拍のタイミングとが揃った場合である。この場合、表示用変動開始コマンドに対応する処理を優先させてしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われず、表示用変動開始コマンドに伴う再始動演出が確定表示されるまで行われてしまう。
これに対し、本コマンド判定処理では、表示用変動開始コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用変動開始コマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2832の処理のように、表示用変動開始コマンドによって表示データテーブルバッファ233aに設定された再始動表示データテーブルを上書きによって変動用表示データテーブルに書き換えることができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用変動開始コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図35に戻り、S2712の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2712:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2714)、表示用停止種別コマンドがあれば(S2714:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2715)、S2701の処理へ戻る。
ここで、図38を参照して、停止種別コマンド処理(S2715)の詳細について説明する。図38は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、特殊停止図柄のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2841)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図34(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2842)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2842の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2843)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動用表示データテーブルでは、所定時間以後のアドレスに対応する描画内容において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2842の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2604)では、変動が開始されてから上記の所定時間が経過して以後、S2843によって設定された停止図柄判別フラグからS2842の処理によって設定された停止図柄を特定し、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたキャラクタ記憶エリア234aのアドレスを特定する。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2841の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2842の処理によって設定される。なお、このような場合において、停止種別を完全外れの中でも特殊停止図柄であると仮定して、停止種別テーブルを決定してもよい。
ここで、仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、外れであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させる恐れがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
図35に戻り、S2714の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2714:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2722)、S2701の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2701の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2701:Yes)、再びS2702〜S2722の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2701〜S2722の処理が繰り返し実行され、S2701の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると(S2701:No)、このコマンド判定処理を終了する。
次いで、図39〜図42を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2603)の詳細について説明する。まず、図39及び図40は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図39に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2901)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S2901:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S2902〜S2904の処理をスキップし、S2905の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S2901:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S2902)、S2903,S2904の各処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S2903の処理では、新規保留球数コマンドフラグはオンであるか否かを判別し(S2903)、新規保留球数コマンドフラグがオンであれば(S2903:Yes)、先のコマンド判定処理において表示用保留球数コマンドが処理されたと判断して、保留画像設定処理を実行する(S2904)。
ここで、図41を参照して、保留画像設定処理の詳細について説明する。図41は、保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、表示用保留球数コマンドが処理されたことに合わせて、音声ランプ制御装置113より通知された保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるために、その画像データを展開するための処理である。
保留画像設定処理では、まず、個数判別フラグを参照し、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1(図4参照)に表示させる保留画像データを展開する(S2951)。タスク処理では、この展開された保留画像データを元に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
保留画像設定処理では、S2951の処理の後、新規保留球数コマンドをオフに設定して(S2952)、表示設定処理に戻る。
図39に戻り、保留画像設定処理(S2904)の後、又は、S2903の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2903:No)、次いで、S2905の処理へ移行する。
S2905では、ポインタ更新処理を実行する(S2905)。ここで、図42を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図42は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル及び追加データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するポインタ233cの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233cに1を加算する(S2981)。即ち、ポインタ233cは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233aに格納されるのに合わせてポインタ233cの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S2981の処理によって、ポインタ233cの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233cで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S2982)。その結果、End情報であれば(S2982:Yes)、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233cが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233aに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであるか否かを判別して(S2983)、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであれば(S2983:Yes)、ポインタ233cを1に設定し(S2984)、更に、表示データテーブルバッファ233aに設定されているデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定して(S2985)、S2987の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出または再始動演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S2983の処理において、表示データテーブルバッファ233aに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでも、再始動表示データテーブルでもないと判別された場合は(S2983:No)、ポインタ233cの値を1だけ減算して(S2986)、S2987の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233aにデモ用表示データテーブルおよび再始動表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動用表示データテーブルや確定表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。
S2982の処理の結果、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、S2981の処理による更新後のポインタ233cで示されるアドレスのデータがEnd情報ではないと判別される場合は(S2982:No)、S2983〜S2986の処理をスキップして、S2987の処理へ移行する。
S2987の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2987)、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2987:No)、そのままポインタ更新処理を終了して表示設定処理に戻る。一方、確定コマンドフラグがオンであれば(S2987:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ233aに設定されている表示データバッファにおいてEnd情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ233cの値を設定し(S2988)、更に、計時カウンタの値を1に設定して(S2989)、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブルの最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
図39に戻り、ポインタ更新処理(S2905)の後、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブルおよび追加データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233cで示されるアドレスの描画内容を展開する(S2906)。タスク処理では、先に展開された保留画像と共に、S2906の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。尚、追加データテーブルにおいて、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。追加データテーブルバッファ233bがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233bから展開されることになる。
次いで、計時カウンタ233eの値を1だけ減算し(S2911)、減算後の計時カウンタ233eの値が0以下であるか否かを判別する(S2912)。そして、計時カウンタ233eの値が1以上である場合は(S2912:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233eの値が0以下である場合は(S2912:Yes)、表示データテーブルバッファ233aに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233aに変動用表示データテーブルが設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS2913の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S2913)。
その結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S2913:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、停止図柄判別フラグによって示される停止図柄に応じた確定表示演出の態様を決定し、その態様の確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んで、その内容をクリアする(S2914)。次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S2915)、更に、ポインタ233cの値を0に初期化する(S2916)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定し(S2917)、次いで、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定後(S2918)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S2919)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233aに変動用表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、S2919の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄から開始されるため、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまで、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が規定されている。タスク処理(S2604)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S2919によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前の変動演出における停止図柄を特定する。そして、その特定した停止図柄に対して、上述の変動用表示データテーブルに規定された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S2913の処理において、確定コマンドフラグがオンではなくオフであれば(S2913:No)、図40に示すS2920の処理へ移行し、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2920)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S2920:Yes)、S2912の処理における判定の結果(S2912:Yes)は、確定表示演出が終了したことを意味するので、確定表示フラグをオフに設定した後(S2921)、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定し(S2922)、次いで、データ表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定する(S2923)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S2924)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S2925)、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
尚、S2920:Yesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S2914の処理によって、追加データテーブルバッファ233bはその内容がクリアされている。よって、S2922の処理では、それらのデータテーブルバッファのクリア処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。
S2920の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S2920:No)、次いで、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2926)。そして、デモ表示フラグがオンであれば(S2926:Yes)、S2912の処理における判定の結果(S2912:Yes)は、デモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S2926の処理において、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S2926:No)、S2912の処理における判定の結果(S2912:Yes)は、変動演出が終了したことを意味する。そこで、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込んで、その内容をクリアする(S2929)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233eに設定し(S2930)、更に、ポインタ233cの値を0に初期化して(S2931)、V割込処理に戻る。
ここで、本実施形態では、変動用表示データテーブルにより、BGMの拍のタイミングで変動演出が見かけ上停止表示されるように、本来の変動時間よりも短い時間分だけ変動表表示データテーブルを規定する。そして、見かけ上停止表示された後、S2929の処理によって再始動表示データテーブルを設定することにより、本来の確定表示タイミングとなるまで、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させ、本来の変動時間を確保する。これにより、遊技者にはBGMのリズムに沿って変動演出が停止されたものとして捉えさせることができるので、BGMのリズムに合わせながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、表示制御装置114では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
尚、再始動表示データテーブルによって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理によって、再び再始動表示データテーブルの先頭から描画内容が展開される。従って、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信したり、新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。ここで、再始動演出は、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させる態様で第3図柄表示装置81に表示させるものであり、その再始動表示データテーブルでは、第3図柄を少なくとも1回揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを規定する。そして、この再始動表示データテーブルの先頭から繰り返し描画内容を展開することで、第3図柄表示装置81に第3図柄を繰り返し振動させた再始動演出が表示される。このように、再始動演出を、第3図柄表示装置81に第3図柄を振動させて表示させる演出とすることで、その再始動表示データテーブルを、少なくとも1回第3図柄を揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを記憶させておけばよいので、再始動表示データテーブルを記憶するために必要な容量を小さく抑えることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信した場合は、図39に示すS2914の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには確定表示データテーブルが設定される。これにより、再始動演出中であっても表示用確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄判別フラグで示される停止図柄で第3図柄の停止表示がなされ、確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図37(b)のS2832の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには、変動用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81に変動演出が表示される。また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用デモコマンドを受信した場合は、図36(c)のS2821の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233aには、デモ用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから、本来受信されるべき主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合に表示される演出であるため、ノイズや誤動作等の影響により、再始動演出が表示されている間も確定コマンドが受信されない可能性がある。これに対し、本実施形態では、再始動演出中に表示用変動パターンコマンドや表示用デモコマンドを受信すれば、そのコマンドに対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができるので、第3図柄表示装置81における各種演出をパチンコ機10の遊技状態に合わせて行わせることができる。
次いで、図43を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2605)の詳細について説明する。図43は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)から、図15に示す描画リストを生成する(S3001)。即ち、S3001の処理では、タスク処理(S2604)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されているキャラクタ記憶エリア234aのアドレスを特定し、その特定されたアドレスに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されているキャラクタ記憶エリア234aのアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ(図示せず)によって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3002)。ここでは、描画対象バッファフラグが0である場合は、描画対象バッファ情報としてビデオRAM236に設けられた第1フレームバッファに、描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。また、描画対象バッファフラグが0である場合は、描画対象バッファ情報としてビデオRAMに設けられた第2フレームバッファに、描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3002の処理の後、描画対象バッファフラグを更新する(S3003)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、ビデオRAM236の第1フレームバッファと第2フレームバッファとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図34(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファが指定される。よって、先に第1フレームバッファに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファが指定される。よって、先に第2フレームバッファに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファおよび第2フレームバッファをそれぞれ交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態におけるパチンコ機10によれば、第1入球口64への入球(始動入賞)が検出されると、入球があったことを遊技者に報知する入球音を、BGMの拍や裏拍のタイミングに合わせて出力する。また、枠ボタン22の操作があった場合に、その操作があったことを遊技者に報知する操作音を、BGMの拍や裏拍のタイミングに合わせて出力する。
これにより、入球音や操作音がBGMのリズムに合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、入球音や操作音を発音する場合に、その発音タイミングにおけるBGMのコード(和音)の構成音や経過音を用いて、その入球音または操作音の音高を決定する。これにより、入球音や操作音がBGMの拍に合わせて発音されるだけでなく、そのときのBGMのコードに合った音高で発音される。よって、BGMを伴奏としたメロディーを入球音や操作音によって構成し、遊技者に聴かせることができる。しかも、そのメロディーは、入球や操作のタイミング、及び、入球数や操作回数によって異なるものとなる。よって、その時々によって入球音や操作音により奏でられる様々なメロディーにより、遊技者を楽しませることができる。
また、本第1実施形態におけるパチンコ機10によれば、本来の変動開始のタイミングからBGMの拍のタイミングとなるまで、第3図柄表示装置81において、第3図柄を上下に振動させる表示を行う(図柄揺れ期間)。そして、本来の変動開始タイミングから最初のBGMの拍のタイミングが到来した場合に、そのタイミングで、その変動演出に対して決定された詳細な変動パターンに対応するデータテーブルの読み出しを開始し、第3図柄表示装置81において第3図柄の高速変動を開始させる。
ここで、第3図柄表示装置81における変動演出中の各種の演出画像の表示は、BGMの拍に合わせて行われるように予め表示パターンが設定されている。また、その演出画像の表示に合わせた音声の音声出力装置226からの出力と、ランプ表示装置227のランプの点灯・点滅とが、データテーブルに規定されており、これらもBGMの拍に合わせて行われる。
更に、第3図柄表示装置81に表示される変動演出では、本来の確定表示が行われる少し前のBGMの拍のタイミングで、一旦第3図柄を停止表示させ、また、停止表示されたことを表す停止音を音声出力装置226より発音させる。その後、本来の確定表示タイミングとなるまで、第3図柄表示装置81において、第3図柄を上下に振動させる表示を行い(図柄揺れ期間)、本来の確定表示タイミングで第3図柄を確定表示させる。
このように、変動演出は、本来、BGMの拍とは関係なく開始され、また確定表示されるものであるが、本実施形態では、拍のタイミングに合わせて高速変動を開始し、また、一旦停止表示を行う。そして、本来の変動開始タイミングから高速変動が開始されるまでと、一旦停止表示が行われてから本来の確定表示タイミングとなるまでは、図柄揺れ期間として、第3図柄を上下に振動させる表示を行う。
これにより、第3図柄表示装置81では、BGMの拍に合わせて変動演出が開始され、また、停止表示が行われたかのように、遊技者に見せることができる。また、変動演出中に表示される各種の演出画像もBGMの拍に合わせて表示させることができ、更に、変動演出に合わせた音声の出力や、ランプ表示装置227の点灯・点滅、更には第1役物87の動作も、BGMの拍に合わせて行うことができる。従って、変動演出もBGMのリズムに合わせて行われるような感覚を遊技者に与えることができるので、リズミカルな遊技を行わせることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
次いで、図44〜図46を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、BGMの変更タイミング、例えば、大当たりとなって大当たりを通知するときに出力するBGMの再生を開始するタイミングや、大当たり演出時に出力される大当たり演出用BGMの再生を開始または終了するタイミングなどで、BGMが一旦変更されると、変動演出の開始および停止に関係なくBGMが再生し続け、変動演出の見せかけの開始(高速変動の開始)や、見せかけの停止表示(第3図柄の一旦停止)を、BGMの拍のタイミングで実行する場合について説明した。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、変動演出の開始に合わせてBGMの再生が開始され、変動演出の終了に合わせてBGMの再生が終了する場合について説明する。
第2実施形態では、詳細な変動パターンが決定された場合に設定されるデータテーブルに、変動演出に応じたBGMの音再生開始情報および音再生終了情報が規定されている。具体的には、BGMの音再生開始情報は、そのデータテーブルの最初のアドレス(0001H)に規定されている。また、BGMの音再生終了情報は、その詳細な変動パターンによる変動演出が終了する時間に対応するアドレスに対応付けられて、データテーブルに規定されている。また、BGMの音再生終了情報が規定されたアドレスには、変動演出の停止表示がされたことを示す停止音の音再生開始情報も規定される。
MPU221は、このデータテーブルを参照することにより、変動演出の開始に合わせてBGMの再生を開始し、変動演出の終了に合わせてBGMの再生を終了し、あわせて、変動演出の停止音を発音することとなる。
ここで、第2実施形態では、BGMの拍のタイミングで変動演出が終了するように、変動時間が規定されている。よって、変動演出がBGMの拍のタイミングで終了し、また、変動演出の停止音もBGMの拍のタイミングで発音される。よって、変動演出がBGMのリズムと合わせて停止されることを遊技者に認識させることができる。従って、リズミカルに変動演出を終了させることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される変動表示処理(S1913)、音編集・出力処理(S1909)、始動入賞音出力処理(S2133)、枠ボタン操作オン出力処理の一部処理が異なる点で、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の各種処理、及び、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図44を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される変動表示処理(S1913)について説明する。図44は、その変動表示処理(S1913)を示すフローチャートである。
この変動表示処理では、まず、第1実施形態と同様に、S2101〜S2104の処理を実行した後、S2104の処理にて決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3501)。また、S2103の処理により取得された停止図柄を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3502)。
ここで、設定された表示用変動パターンコマンドと、表示用停止種別コマンドとは、メイン処理(図24参照)の中でその後に実行されるコマンド出力処理(S1902)によって、表示制御装置114へ送信される。
つまり、第1実施形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したタイミングで生成された表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを直ぐに表示制御装置113へ送信するのではなく、RAM223に一時保存し、代わりに表示用変動開始コマンドを表示制御装置113へ送信して、再始動演出を開始することで変動演出を開始し、その後、BGMの拍のタイミングで表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを表示制御装置113へ送信して、変動演出の高速変動を開始することにより、見かけ上BGMの拍のタイミングで変動演出を開始させるようにしたが、第2実施形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したタイミングで生成された表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドをすぐに表示制御装置113へ送信して、変動演出の高速変動を開始する。
S3502の処理の後、第1実施形態と同じS2107,S2108の処理を行い、次いで、S2104の処理により決定され詳細な変動パターンに対応するデータテーブルを設定する(S3503)。そして、ポインタ223gを0に初期化して(S3504)、変動表示処理を終了する。
これにより、MPU221は、S3504の処理により初期化されるポインタ223gを順次カウントアップしながら、S3403の処理により設定されたデータテーブルのポインタ223gにて示されるアドレスに規定された各種制御情報をデータテーブル格納エリア222bから読み出し、その制御情報に従って、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作(第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動)を制御する。
ここで、データテーブルからの各種制御情報の読み出しは、音編集・出力処理(図45参照)の中で、第1実施形態と同様に、BGMの拍のタイミングで行われる。よって、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作を、BGMの拍のタイミングにあわせて開始させることができるので、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。従って、遊技者による遊技への興趣を高めることができる。
また、上述した通り、BGMの音再生開始情報がデータテーブルの最初のアドレス(0001H)に規定され、BGMの音再生終了情報が詳細な変動パターンによる変動演出が終了する時間に対応するアドレスに対応付けられて、データテーブルに規定されている。また、BGMの音再生終了情報が規定されたアドレスには、変動演出の停止表示がされたことを示す停止音の音再生開始情報も規定される。MPU221は、このデータテーブルを参照することにより、変動演出の開始に合わせてBGMの再生を開始し、変動演出の終了に合わせてBGMの再生を終了し、あわせて、変動演出の停止音を発音することとなる。ここで、第2実施形態では、BGMの拍のタイミングで変動演出が終了するように、変動時間が規定されているので、変動演出がBGMの拍のタイミングで終了し、また、変動演出の停止音もBGMの拍のタイミングで発音される。よって、変動演出がBGMのリズムと合わせて停止されることを遊技者に認識させることができる。従って、リズミカルに変動演出を終了させることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図45を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される音編集・出力処理(S1908)について説明する。図45は、その音編集・出力処理(S1908)を示すフローチャートである。
この音編集・出力処理では、まず、ポインタ223gが0か否かを判断する(S3511)。そして、ポインタ233gが0でなければ(S3511:No)、タイマカウンタ223hの値が、再生中のBGMの拍の周期Tと等しいか否かを判断する(S2121)。第1実施形態の説明で上述した通り、タイマカウンタ223hは、再生中のBGMの拍の周期Tを計数するためのカウンタである。S2121の処理の結果、タイマカウンタ223hの値が拍の周期Tと等しい場合(S2121:Yes)、再生中のBGMにおいて拍のタイミングとなったと判断して、S2128の処理へ移行し、ポインタ223gに1を加算し(S2128)、設定されたデータテーブルにおいて、加算後のポインタ223gが示すアドレスに規定された制御情報を読み出す(S2129)。そして、以後、第1実施形態と同じ処理を実行する。
これにより、再生しているBGMの拍のタイミングで、データテーブルに規定された各種制御情報に従い、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が制御される。
また、S3531の処理の結果、ポインタ233gが0であると判断される場合は(S3531:Yes)、MPU221によりデータテーブルが設定された直後であるので、S2121の判断処理をスキップして、そのままS2128の処理へ移行する。つまり、データテーブルが設定された直後は、BGMの再生が開始されていないので、S2121の判断処理によるBGMの拍のタイミングを判断することができない。そこで、ポインタ233gが0の場合は、そのままS2128の処理へ移行することにより、データテーブルの最初のアドレス(0001H)に規定された各種制御情報に従って、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が制御される。
ここで、MPU221によりデータテーブルが設定されるのは、例えば、変動演出が開始されるタイミングである。よって、変動演出の開始とあわせて、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作を開始させることができる。
次いで、図46を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される始動入賞音出力処理(S2122)について説明する。図46は、その始動入賞音出力処理(S2122)を示すフローチャートである。
この始動入賞音出力処理では、まず、ポインタ223gの値が1か否かを判断する(S3521)。そして、ポインタ223gの値が1でなければ(S3521:No)、S2151の処理へ移行し、以後、第1実施形態と同様の処理を実行する。
これにより、第1入球口64への入球(始動入賞)が検出されると、入球があったことを遊技者に報知する入球音を、BGMの拍や裏拍のタイミングに合わせて出力する。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、入球音を発音する場合に、その発音タイミングにおけるBGMのコード(和音)の構成音や経過音を用いて、その入球音の音高を決定するので、そのときのBGMのコードに合った音高で発音される入球音によって、BGMを伴奏としたメロディーを遊技者に聴かせることができる。しかも、そのメロディーは、入球のタイミングや入球数によって異なるものとなるので、その時々によって入球音により奏でられる様々なメロディーにより、遊技者を楽しませることができる。
一方、S3512の処理により、ポインタ223gの値が1であると判断される場合は(S3512:Yes)、音編集・出力処理(図45参照)のS2128によって、ポインタ223gの値が0から1にカウントアップされた直後の処理であること、即ち、詳細な変動パターンが決定され、それに伴って新たにデータテーブルが設定されてから初めて実行された処理であることを意味するので、始動入賞カウンタ223dを0に設定して(S3521)、始動入賞音出力処理を終了する。これにより、決定された詳細な変動パターンに基づく変動演出が開始されてからの第1始動口64への入球数を始動入賞カウンタ223dによって計数することができる。よって、その変動演出が開始されてから第1始動口64へ入球した球に対応する入球音を、音声出力装置226より出力させることができる。
なお、音編集・出力処理(図45参照)において、枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われている場合に実行される枠ボタン操作音出力処理(S2137)は、第1実施形態と同様に、その詳細が始動入賞音出力処理とほぼ同一である。即ち、始動入賞音出力処理において使用される始動入賞カウンタ223dを枠ボタン操作回数カウンタ223fに置き換え、発音する音を入賞音から操作音に置き換えたものが、枠ボタン操作音出力処理となる。枠ボタン操作音出力処理を実行することにより、操作音において、始動入賞音出力処理により出力される入賞音と同様の作用効果を奏することができる。
特に、操作音がBGMの拍に合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに枠ボタン22を操作する等の遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図47〜図59を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態および第2実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110からのコマンド等に基づき決定した演出に基づいて、音声出力装置226から出力させる音声、ランプ表示装置227の点灯・点滅の態様、第1役物87の動作(第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動)の態様を決定し、制御する場合について説明した。
これに対し、第3実施形態におけるパチンコ機10は、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される表示内容を特定し、特定された表示内容を表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から通知された表示内容に従って、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、及び、第1役物87の動作を制御する。
また、これに伴い、第1実施形態および第2実施形態では、音声ランプ制御装置113にて、BGMの拍の周期(T)を計数していたのに対し、第3実施形態では、表示制御装置114にてBGMの拍の周期(T)を計数し、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、BGMの拍や裏拍のタイミングを通知する。
以下、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図47を参照し、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の詳細について説明する。図23は、そのRAM223に格納される各種データを模式的に示した模式図である。
この第3実施形態におけるRAM223が、第1実施形態におけるRAM223(図9参照)と相違する点は、タイマカウンタ223hの代わりに、一拍フラグ223lと裏拍フラグ223mとが設けられた点である。第3実施形態では、音声ランプ制御装置113にてBGMの拍の周期(T)を計数しないため、タイマカウンタ223hが不要となっている。
一拍フラグ223lは、BGMの拍のタイミングであることを示すフラグであり、オンの場合にBGMの拍のタイミングであることを示し、オフの場合にBGMの拍のタイミングではないことを示す。また、裏拍フラグ223mは、BGMの裏拍のタイミングであることを示すフラグであり、オンの場合にBGMの裏拍のタイミングであることを示し、オフの場合にBGMの裏拍のタイミングではないことを示す。
一拍フラグ223l及び裏拍フラグ223mは、いずれも、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図23参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「オフ」が設定される。ここで、表示制御装置114からは、BGMの拍のタイミングで、その拍のタイミングであることを示す拍コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、BGMの裏拍のタイミングで、その裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。
MPU221は、表示制御装置114からBGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドを受信した場合に、一拍フラグ223lをオンに設定する。また、表示制御装置114からBGMの裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドを受信した場合に、裏拍フラグ223mをオンに設定する。
一拍フラグ223lは、音編集・出力処理(図56,図57参照)にて参照され、拍フラグ223lがオンの場合に、BGMの拍のタイミングであるとして、第1実施形態と同じS2128〜S2133の処理を実行する。
BGMの拍のタイミングでS2128〜S2133の処理が行われることにより、データテーブルからの各種制御情報の読み出しがBGMの拍のタイミングで行われ、読み出した各種制御情報に従って、BGMの拍のタイミングで、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が制御される。例えば、S2130〜S2133の処理によって、音の再生開始と停止をBGMの拍のタイミングで行なうことができる。また、MPU221により実行されるメイン処理(図53)のランプ編集処理(S1909)の処理や、第1役物編集駆動処理(S1910)によって、ここで読み出された各種制御情報に基づいて、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が制御される。
これにより、パチンコ機10では、音声出力、ランプの点灯・点滅、第1役物87の動作が、BGMのリズムに合わせて行われるので、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。よって、遊技者による遊技への興趣を高めることができる。例えば、S2130〜S2133の処理によって、音の再生開始と停止をBGMの拍のタイミングで行なうことができるので、遊技者にリズミカルな遊技を行なわせることができる。
なお、第1実施形態における音声ランプ制御装置113にて使用されるデータテーブルは、主制御装置110からのコマンド等に従って音声ランプ制御装置113にて決定される演出毎に設けられていた。これに対し、第3実施形態における音声ランプ制御装置113にて使用されるデータテーブルは、表示制御装置114から通知される全ての表示内容に対して1つずつ設けられている。
また、一拍フラグ223lは、始動入賞音出力処理(図58,図59参照)や枠ボタン操作音出力処理にて参照され、拍フラグ223lがオンの場合に、BGMの拍のタイミングであるとして、第1実施形態と同様に、S2156〜S2168の処理を実行する。更に、裏拍フラグ223mも、始動入賞音出力処理(図58,図59参照)や枠ボタン操作音出力処理にて参照され、裏拍フラグ223mがオンの場合に、BGMの裏拍のタイミングであるとして、第1実施形態と同様に、S2170〜S2179の処理を実行する。
これにより、入球音や操作音がBGMの拍や裏拍のタイミングに合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、入球音や操作音を発音する場合に、その発音タイミングにおけるBGMのコード(和音)の構成音や経過音を用いて、その入球音または操作音の音高を決定する。これにより、入球音や操作音がBGMの拍や裏拍に合わせて発音されるだけでなく、そのときのBGMのコードに合った音高で発音される。よって、BGMを伴奏としたメロディーを入球音や操作音によって構成し、遊技者に聴かせることができる。しかも、そのメロディーは、入球や操作のタイミング、及び、入球数や操作回数によって異なるものとなる。よって、その時々によって入球音や操作音により奏でられる様々なメロディーにより、遊技者を楽しませることができる。
一拍フラグ223lと裏拍フラグ223mとは、音編集・出力処理(図56,図57参照)において、始動入賞音出力処理(図58,図59参照)や枠ボタン操作音出力処理も含めて、これらのフラグを参照する処理が行われた後に、いずれもオフに設定される(図57のS4002,S4003)。
次いで、図48を参照して、第3実施形態における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図48は、その表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態における表示制御装置114が、第1実施形態における表示制御装置114と相違する点は、ワークRAM233にタイマカウンタ233fが設けられている点と、表示データテーブル格納エリア232aに格納されている表示データテーブルに規定される内容が一部異なる点である。
タイマカウンタ233fは、表示制御装置114にてBGMの拍の周期を計数するためのカウンタである。MPU231は、タイマカウンタ233fを使用して、再生中のBGMの拍や裏拍のタイミングを決定する。MPU231では、表示設定処理(S2603)の中で、音声ランプ制御装置113より新規に受信したコマンドに基づき、BGMの変更タイミングか否かを判断し、BGMの変更タイミングであると判断した場合に、音声ランプ制御装置113に対して、変更後のBGMの種別に関する情報を含むBGM再生開始コマンドを送信して音声ランプ制御装置113に新たなBGMの再生開始を指示すると共に、タイマカウンタ233fを1に初期化する(図51のS3611〜S3614)。
また、プログラムROM232には、再生される全てのBGMに対して、そのテンポが格納されており、MPU231は、再生するBGMのテンポをプログラムROM232から読み出して、そこから拍の周期Tを算出する(図51のS3613)。
その後、20ミリ秒毎に実行される表示設定処理の中でタイマカウンタ233fが1ずつ加算される。ただし、タイマカウンタ233fの値が拍の周期Tと一致している場合は、1を加算するかわりに「1」を設定する。これにより、タイマカウンタ233fによって、BGMの拍の周期が計数される。
MPU231は、タイマカウンタ233fの値がTの場合に、BGMの拍のタイミングであるとして、音声ランプ制御装置113に対してBGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドを送信する。音声ランプ制御装置113では、BGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドを受信することによって、BGMの拍のタイミングを把握する。また、MPU231は、タイマカウンタ233fの値がT/2の場合に、BGMの裏拍のタイミングであるとして、音声ランプ制御装置113に対してBGMの裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドを送信する。音声ランプ制御装置113では、BGMの裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドを受信することによって、BGMの拍の裏拍のタイミングを把握する。
音声ランプ制御装置113は、BGMの拍のタイミングで、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作(第1役物上下動用モータ87a及び第1役物回転用モータ87eの駆動)を制御する。これにより、BGMのリズムに合わせて、音声出力、ランプの点灯・点滅、第1役物87の動作が行われる。
また、音声ランプ制御装置113は、BGMの拍や裏拍のタイミングで、第1入球口64への入球があったことを報知する入球音や、枠ボタン22への操作があったことを報知する操作音を発音する制御行う。よって、BGMの拍や裏拍のタイミングで、入球音や操作音が発音されるので、BGMのリズムにあった入球音や操作音を遊技者に聴かせることができる。
なお、表示制御装置114は、タイマカウンタ223fの値を20ミリ秒毎に更新するため、BGMの拍の周期を20ミリ秒間隔でしか計数できない。よって、第3実施形態におけるパチンコ機10では、BGMの拍の周期が20ミリ秒の倍数となるように、BGMのテンポを定めている。つまり、BGMのテンポは、表示制御装置114においてタイマカウンタ223fの値の更新間隔に基づいて決定される。例えば、V割込処理が30ミリ秒毎に実行される場合、タイマカウンタ223fの値も30ミリ秒毎に更新されることになる。従って、BGMの拍の周期が30ミリ秒の倍数となるように、BGMのテンポが定められる。
次いで、図49を参照して、第3実施形態における表示制御装置114の表示データテーブル格納エリア232aに格納される表示データテーブルの詳細について説明する。図49は、その表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
第3実施形態における表示データテーブルが、第1実施形態における表示データテーブルと相違する点は、描画内容のほかに、一部のアドレスにおいて、これから第3図柄表示装置81に表示させる画像の表示内容を規定している点である。例えば、変動演出における高速変動を表示させる場合は、表示内容として「高速変動表示」と規定し、女の子のキャラクタ画像を表示させる場合には、表示内容として「女の子キャラクタ表示」と規定し、発光エフェクト画像を表示させる場合は、表示内容として「発光エフェクト表示」と規定する。
なお、表示内容は、追加データテーブルにも含まれる。即ち、表示データテーブルに基づき第3図柄表示装置81に表示される画像に対して追加して表示すべき画像の表示を規定した追加データテーブルにおいて、一部のアドレスに表示内容が規定される。
表示データテーブル及び追加データテーブルに規定される表示内容は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81に表示される表示内容を通知するために用いられる。即ち、MPU231は、表示データテーブル又は追加データテーブルにおいてポインタ223cにて示されるアドレスに表示内容が規定されていると、その表示内容を示す情報を含む表示種別コマンドを、音声ランプ制御装置113に対して送信する。
音声ランプ制御装置113は、表示種別コマンドを表示制御装置114より受信すると、その表示種別コマンドによって示された表示内容に対応する音声を音声出力装置226より出力し、ランプ表示装置227を点灯・点滅させ、第1役物87を動作させる制御を行う。これにより、表示内容に合あわせて、容易に音声を音声出力装置226から出力させ、ランプ表示装置227を点灯・点滅させ、或いは、第1役物87を動作させることができる。
ここで、表示データテーブル及び追加データテーブルでは、BGMの拍のタイミングに合わせて第3図柄表示装置81に新たな画像が表示されたり、画像が消去されたり、画像が変更されたりするように、描画内容を規定し、また、表示内容を規定している。よって、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作も、BGMの拍のタイミングに合わせて実行が開始される。そして、上述した通り、音声ランプ制御装置113では、BGMの拍のタイミングに合わせて、実行が開始された音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作を制御する。従って、第3図柄表示装置81における画像の表示や、音声出力装置226からの音声出力、ランプ制御装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が、BGMのリズムに合わせて行われるので、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。従って、遊技者による遊技への興趣を高めることができる。
次いで、図50を参照して、第3実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理(図35参照)の一処理である変動パターンコマンド処理(S2713)の詳細について説明する。図50は、その変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における変動パターンコマンド処理では、S2831の処理により、表示用変動パターンコマンドによって示される詳細な変動パターンを抽出した後、その抽出した詳細な変動パターンに対応する詳細変動パターンフラグをオンに設定し、それ以外の詳細な変動パターンに対応する詳細変動パターンフラグをオフに設定する(S3601)。ここで、詳細変動パターンフラグは、全ての詳細な変動パターンに対して設けられるフラグであり、オンとなった詳細変動パターンフラグに対応する詳細な変動パターンによって、変動演出が行なわれることを示す。
次いで、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定する(S3602)。そして、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込むことでその内容をクリアした後(S2833)、S3602の処理により表示データテーブルバッファ233aに設定された再始動表示データテーブルによって規定された再始動演出の時間を表す時間データを計時カウンタ233eに設定する(S3603)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S2835)、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定する(S2836)。そして、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2835の処理によって初期化されたポインタ233cを更新しながら、S3602の処理により表示データテーブルバッファ233aに設定された再始動表示データテーブルから、ポインタ233cに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。
つまり、MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンドを受信すると、まずは、再始動演出(第3図柄が上下動に陽動する演出)を第3図柄表示装置にて実行する。そして、BGMの拍のタイミングとなった場合に、S3601の処理によりオンに設定された詳細変動パターンフラグに対応する詳細な変動パターンに従った変動演出を開始し、まずは第3図柄の高速変動を第3図柄表示装置81に表示させる。
また、詳細な変動パターンに従った変動演出を実行するための表示データテーブルである変動用表示データテーブルでは、第3図柄の変動演出がBGMの拍のタイミングで見かけ上、変動演出が停止表示されたかのように見せている。具体的には、この見せかけの表示は、変動用表示データテーブルにより、BGMの拍のタイミングで変動演出が停止表示されるように、本来の変動時間よりも短い時間分だけ変動表表示データテーブルを規定することで実現している。本実施形態では、第1実施形態と同様に、その後、本来の確定表示タイミングとなるまで、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させ、本来の変動時間を確保する。これにより、遊技者にはBGMのリズムに沿って変動演出が停止されたものとして捉えさせることができる。
よって、遊技者にはBGMの拍に合わせて変動演出が開始され、また、停止表示されるかのように見せることができる。よって、遊技者をBGMのリズムにのせて変動演出を楽しませることができる。
次いで、図51を参照して、第3実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行される表示判定処理(S2603)の詳細について説明する。図51は、その表示設定処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における表示判定処理では、新規コマンドフラグがオンであり、先のコマンド判定処理において新規コマンドが判定されたと判断された場合に(S2901:Yes)、保留画像設定処理(S2904)の後、又は、S2903の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2903:No)、次いで、BGMの変更タイミングか否かを判断する(S3611)。このBGMの変更タイミングか否かは、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて判断する。例えば、そのコマンドに基づいて、大当たりとなって大当たりを通知するときに出力するBGMの再生を開始するタイミングや、大当たり演出時に出力される大当たり演出用BGMの再生を開始または終了するタイミング等であると判断される場合に、BGMの変更タイミングとして判断する。
そして、BGMの変更タイミングであると判断される場合は(S3611:Yes)、変更後のBGMの種別に関する情報を含めたBGM再生開始コマンドを生成し、音声ランプ制御装置113へ送信する(S3612)。これにより、音声ランプ制御装置113において、BGM再生開始コマンドに含まれる種別のBGMの再生が開始され、音声出力装置226より出力される。
次いで、再生が開始される種類のBGMのテンポをプログラムROM232から読み出し、そのBGMの拍の周期Tを算出して、ワークRAM233に記憶する(S3613)。また、タイマカウンタ233fを1に初期化する(S3614)。このタイマカウンタ233fを20ミリ秒毎に実行される表示設定処理の中でカウントアップしながら更新し、S3613の処理にて算出されたBGMの拍の周期Tまで計数することにより、MPU231は、タイマカウンタ233fを用いて再生中のBGMの拍のタイミングを把握することができる。
S2901の処理の結果、新規コマンドフラグがオフであると判断された場合(S2901:No)、S3611の処理の結果、BGMの変更タイミングではないと判断された場合(S3611:No)、または、S3614の処理の後、S3615の処理へ移行する。S3615の処理では、タイマカウンタ233fの値が再生中のBGMの拍の周期Tと等しいか否かを判断する(S3615)。その結果、タイマカウンタ233fの値が再生中のBGMの拍の周期Tと等しい場合は(S3615:Yes)、BGMの拍のタイミングであるので、BGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドを設定する(S3616)。
ここで設定された拍コマンドは、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで音声ランプ制御装置113へ送信される。音声ランプ制御装置113は、この拍コマンドを受信することによって、BGMの拍のタイミングを把握することができる。なお、拍コマンドの送信は、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで行なわれるので、V割込処理が実行される20ミリ秒間隔でその送信が許可されることになる。V割込処理の中で実行される表示設定処理は、その前にコマンド判別処理があり、必ずしも20ミリ秒間隔で実行されるわけではなく、若干のずれがある。したがって、拍コマンドの生成も20ミリ秒間隔で正確に行なわれるわけではないので、生成された拍コマンドをそのまま音声ランプ制御装置113へ送信すると、音声ランプ制御装置113において把握されるBGMの拍の間隔がずれてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、拍コマンドを、V割込処理が実行される20ミリ秒間隔でその送信を許可するので、音声ランプ制御装置113において把握するBGMの拍の間隔を正確に保たせることができる。
次いで、変動パターンコマンド処理(図50参照)のS3601の処理による詳細変動パターンフラグの設定があるか否かを判断する(S3617)。そして、詳細変動パターンフラグの設定がある場合は(S3617:Yes)、詳細変動パターン設定処理を実行する(S3618)。
ここで、図52を参照して、詳細変動パターン設定処理(S3618)の詳細について説明する。図52は、表示制御装置114のMPU231によって実行される詳細変動パターン設定処理(S3618)のフローチャートである。この詳細変動パターン設定処理は、詳細な変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定し、詳細な変動パターンに基づく変動演出を実行させる処理である。
この詳細変動パターン設定処理では、まず、詳細変動パターンフラグがオンに設定された詳細な変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定する(S3631)。次に、追加データテーブルバッファ233bにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S3632)。
次いで、S3631の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルによって表示が制御される時間を表す時間データを計時カウンタ233eに設定する(S3633)。そして、ポインタ233cを0に初期化し(S3634)、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグ、確定表示フラグおよび全ての詳細変動パターンフラグをいずれもオフに設定する(S3635)。その後、表示設定処理に戻る。
これにより、表示設定処理では、S3634の処理によって初期化されたポインタ233cを更新しながら、S3631の処理によって表示データテーブルバッファ233aに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ233cに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。よって、S3631の処理によって設定された変動用表示データテーブルに従って、詳細な変動パターンに基づく変動演出を第3図柄表示装置81にて実行させることができる。
ここで、MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、すぐに、表示用変動パターンコマンドにて示される詳細な変動パターンに従って変動演出を実行するのではなく、一旦、再始動演出を実行する。そして、BGMの拍のタイミングで、詳細変動パターン設定処理を実行し、表示用変動パターンコマンドにて示される詳細な変動パターンに従った変動演出の実行を開始する。具体的には、第3図柄の高速変動を第3図柄表示装置81に表示させる。
また、上述した通り、詳細な変動パターンに従った変動演出を実行するための表示データテーブルである変動用表示データテーブルでは、第3図柄の変動演出がBGMの拍のタイミングで見かけ上、変動演出が停止表示されたかのように見せている。これにより、遊技者にはBGMのリズムに沿って変動演出が停止されたものとして捉えさせることができる。よって、遊技者にはBGMの拍に合わせて変動演出が開始され、また、停止表示されるかのように見せることができるので、遊技者をBGMのリズムにのせて変動演出を楽しませることができる。
図51に戻り、説明を続ける。詳細変動パターン設定処理(S3618)の実行後、または、S3617の処理により、詳細変動パターンフラグの設定がないと判断された場合は(S3617:No)、次いで、タイマカウンタ233fの値を1に設定する(S3619)。これにより、再び、タイマカウンタ233fによってBGMの拍の周期Tの計数を開始する。そして、S2905の処理へ移行する。
S3615の処理の結果、タイマカウンタ233fの値がBGMの拍の周期Tと等しくない場合(S3615:No)、次いで、タイマカウンタ233fの値がBGMの拍の周期の半分(T/2)と等しいか否かを判断する(S3620)。そして、タイマカウンタ233fの値がBGMの拍の周期の半分(T/2)と等しい場合は(S3620:Yes)、BGMの裏拍のタイミングであるので、BGMの裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドを設定する(S3621)。
ここで設定された拍コマンドも、拍のタイミングであることを示す拍コマンドと同様に、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで音声ランプ制御装置113へ送信される。音声ランプ制御装置113は、このBGMの裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドによって、BGMの裏拍のタイミングを把握することができる。なお、BGMの裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドを、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで音声ランプ制御装置113へ送信する理由は、BGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドを、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで音声ランプ制御装置113へ送信する理由と同じである。つまり、拍コマンドを、V割込処理が実行される20ミリ秒間隔でその送信を許可することで、音声ランプ制御装置113において把握するBGMの拍や裏拍の間隔を正確に保たせることができる。
S3621の処理の後、または、S3620の処理により、タイマカウンタ233fの値がBGMの拍の周期の半分(T/2)と等しくないと判断される場合は(S3620:No)、S3622の処理へ移行し、タイマカウンタ233fの値に1を加算して、タイマカウンタ233fを更新する(S3622)。そして、S2905の処理へ移行する。
S2905の処理では、第1実施形態と同じポインタ更新処理を実行する(S2905)。その後、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブルおよび追加データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233cで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3623)。タスク処理では、先に展開された保留画像と共に、S3623の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。尚、追加データテーブルにおいて、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。追加データテーブルバッファ233bがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233bから展開されることになる。
S3623の処理では、また、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル及び追加データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに、これから第3図柄表示装置81に表示させる表示内容(図49参照)が規定されている場合は、その表示内容を音声ランプ制御装置113へ通知する表示種別コマンドを生成し、生成した表示種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。
これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力し、ランプ表示装置227を点灯・点滅させ、第1役物87を動作させる制御が行われる。
ここで、上述した通り、表示データテーブル及び追加データテーブルでは、BGMの拍のタイミングで、画像が新たに表示されたり、変更されたり、消去されたりするように、描画内容を規定し、合わせて表示内容を規定している。つまり、BGMの拍のタイミングとなるアドレスに対応付けて、表示内容が規定され、BGMの拍のタイミングで、表示種別コマンドが、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して送信される。
これにより、音声ランプ制御装置113において、表示内容に合わせた音声の再生、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が、BGMの拍のタイミングで開始される。このように、表示内容に従った音声の出力や、第1役物87の駆動の開始が、BGMのリズムに合わせて行われるので、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。従って、遊技者による遊技への興趣を高めることができる。
S3623の処理の後、第1実施形態と同じS2911の処理へ移行し、以後は、第1実施形態と同一の処理を実行する。
次いで、図53を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113により実行されるメイン処理の詳細について説明する。図53は、そのメイン処理を示すフローチャートである。
第3実施形態におけるメイン処理が、第1実施形態におけるメイン処理と相違する点は、コマンド判定処理(S1914)の後に、表示コマンド判定処理(S3701)を実行する点である。この表示コマンド判定処理(S3701)では、表示制御装置114より受信したコマンドに応じた処理を行う。
ここで、図54を参照して、この表示コマンド判定処理(S3701)の詳細について説明する。図54は、音声ランプ制御装置113にて実行される表示コマンド判定処理を示すフローチャートである。なお、表示制御装置114より受信したコマンドは、RAM223に設けられた表示制御コマンド記憶領域(図示せず)に一旦格納される。
表示コマンド判定処理では、まず、その表示制御コマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち表示制御装置114より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、表示制御装置110より表示種別コマンドを受信したか否かを判別する(S3801)。そして、表示種別コマンドを受信したと判別された場合(S3801:Yes)、その受信した表示種別コマンドから第3図柄表示装置81においてこれから表示される表示内容(表示種別)を抽出する(S3802)。そして、その表示内容に対応したデータテーブルをROM222から読み出して設定し(S3803)、ポインタ223gを0の初期化して(S3804)、表示コマンド判定処理を終了する。
これにより、音声ランプ制御装置113は、S3803の処理により設定されたデータテーブルに従って、第3図柄表示装置81の表示内容に沿った音声を再生し、音声出力装置226より出力する。また、そのデータテーブルに従って、ランプ表示装置227を点灯・点滅させる制御を行い、更に、第1役物87を動作させるために第1役物上下動用モータ87aや第1役物回転用モータ87eを駆動する制御を行う。
ここで、表示種別コマンドは、上述した通り、再生中のBGMの拍のタイミングで表示制御装置114より送信されるコマンドである。よって、音声ランプ制御装置113は、その表示種別コマンドにて示される表示内容に対応した音声の再生や、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作を、BGMの拍のタイミングから開始できる。
一方、S3801の処理の結果、表示種別コマンドを受信していないと判別された場合(S3801:No)、次いで、表示制御装置114よりBGM再生開始コマンドを受信したか否かを判別する(S3808)。その結果、BGM再生開始コマンドを受信したと判別される場合(S3808:Yes)、BGM再生開始コマンドにより指定された種別のBGMの再生開始指令を音出力LSI301に設定する(S3809)。これにより、指定されたBGMの再生が開始され、音出力装置226より出力される。
次いで、再生が開始されるBGMが時短用BGMか否かを判断し(S3810)、時短用BGMであれば(S3810:Yes)、時短用BGM再生フラグ223cをオンに設定し(S3811)、時短用BGMでなければ(S3810:No)、時短用BGM再生フラグ223cをオフに設定する(S3812)。これにより、BGMとして時短用BGMが再生されている間、音編集・出力処理のS2134,S2135の処理(図56参照)によって、第1入球口64への入球を報知する入球音が時短用BGMの拍のタイミングで再生される始動入賞音出力処理が実行される。S3811又はS3812の処理が終了すると、表示コマンド判定処理を終了する。
一方、S3808の処理の結果、BGM再生開始コマンドを受信していないと判別された場合(S3808:No)、次いで、表示制御装置114より拍コマンドを受信したか否かを判断する(S3813)。そして、拍コマンドを受信したと判別される場合(S3813:Yes)、次いで、BGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドか否かを判断する(S3814)。
その結果、BGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドである場合は(S3814:Yes)、一拍フラグ223lをオンに設定し(S3815)、表示コマンド判定処理を終了する。これにより、MPU221は、オンされた一拍フラグ223lに基づき、BGMの拍のタイミングであることを判断しながら制御を行う。
一方、S3814の処理の結果、BGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドではない場合(S3814:No)、S3813の処理により受信が確認された拍コマンドは、BGMの裏拍のタイミングを示す拍コマンドであるので、裏拍フラグ223mをオンに設定し(S3816)、表示コマンド判定処理を終了する。これにより、MPU221は、オンされた裏拍フラグ223mに基づき、BGMの裏拍のタイミングであることを判断しながら制御を行う。
S3813の処理の結果、拍コマンドを受信していないと判別された場合(S3813:No)、次いで、表示制御装置114よりその他のコマンドを受信したか否かを判別する(S3817)。そして、その他のコマンドを受信していなければ(S3817:No)、そのまま表示コマンド判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。一方、その他のコマンドを受信していれば(S3817:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S3818)、表示コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
値で、図55を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113にて実行される変動表示処理(S1913)の詳細について説明する。図55は、この変動表示処理(S1913)を示すフローチャートである。
この変動表示処理では、まず、第1実施形態と同様に、S2101〜S2104の処理を実行した後、S2104の処理にて決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3501)。また、S2103の処理により取得された停止図柄を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3502)。
ここで、設定された表示用変動パターンコマンドと、表示用停止種別コマンドとは、メイン処理(図24参照)の中でその後に実行されるコマンド出力処理(S1902)によって、表示制御装置114へ送信される。
つまり、第1実施形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したタイミングで生成された表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを直ぐに表示制御装置113へ送信するのではなく、RAM223に一時保存し、代わりに表示用変動開始コマンドを表示制御装置113へ送信して、再始動演出を開始することで変動演出を開始し、その後、BGMの拍のタイミングで表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを表示制御装置113へ送信して、変動演出の高速変動を開始することにより、見かけ上BGMの拍のタイミングで変動演出を開始させるようにしたが、第3実施形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信したタイミングで生成された表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドをすぐに表示制御装置113へ送信する。そして、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドを受信すると、まずは、再始動演出を実行し、再生中のBGMの拍のタイミングで、表示用変動パターンコマンドにて示される詳細な変動パターンに基づいて、変動演出を実行する。
S3502の処理の後、第1実施形態と同じS2107,S2108の処理を行い、変動表示処理を終了する。
次いで、図56,図57を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113にて実行される音編集・出力処理(S1908)の詳細について説明する。図56,図57は、この音編集・出力処理(S1908)を示すフローチャートである。
第3実施形態における音編集・出力処理では、まず、図57に示す通り、一拍フラグ223lがオンか否かを判断する(S4001)。そして、一発フラグ223lがオフの場合(S4001:No)、S2134の処理へ移行する一方、一発フラグ223lがオンの場合(S4001:Yes)、再生中のBGMの拍のタイミングであるので、第1実施形態と同じS2128〜S2133の処理を実行して、S2134の処理へ移行する。即ち、再生中のBGMの拍のタイミングで、ポインタ223gを順次カウントアップしながら、設定されたデータテーブルのポインタ223gが示すアドレスに対応付けられた制御情報を読み出し、音再生開始情報があれば、再生を開始する音の情報を含む再生開始指令を音出力LSI301に設定し、音再生停止情報があれば、再生を停止する音の情報を含む再生停止指令を音出力LSI301に設定する。
つまり、データテーブルからの各種制御情報の読み出しがBGMの拍のタイミングで行われ、読み出した各種制御情報に従って、BGMの拍のタイミングで、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が制御される。例えば、S2130〜S2133の処理によって、音の再生開始と停止をBGMの拍のタイミングで行なうことができる。また、MPU221により実行されるメイン処理(図53)のランプ編集処理(S1909)の処理や、第1役物編集駆動処理(S1910)によって、ここで読み出された各種制御情報に基づいて、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が制御される。
これにより、パチンコ機10では、音声出力、ランプの点灯・点滅、第1役物87の動作が、BGMのリズムに合わせて行われるので、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。よって、遊技者による遊技への興趣を高めることができる。例えば、S2130〜S2133の処理によって、音の再生開始と停止をBGMの拍のタイミングで行なうことができるので、遊技者にリズミカルな遊技を行なわせることができる。
S2134〜S2137の処理と、及び、図57に示すS2138〜S2141の処理は、第1実施形態と同一の処理である。そして、S2141の処理を終了した後、又は、S2140の処理の結果、枠ボタン22の操作を必要とする演出の終了情報があると判断される場合(S2140:No)、第3実施形態では、S4002の処理へ移行し、一拍フラグ223lをオフに設定する(S4002)。更に、裏拍フラグ223mをオフに設定し(S4003)、音編集・出力処理を終了する。
次いで、図58,図59を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113にて実行される始動入賞音出力処理(S2135)の詳細について説明する。図58,図59は、この始動入賞音出力処理(S2135)を示すフローチャートである。
第3実施形態における始動入賞音出力処理は、第1実施形態における始動入賞音出力処理と比べて、再生中のBGMの拍および裏拍のタイミングであるか否かの判断が相違する他は、第1実施形態における始動入賞音出力処理と同一です。具体的には、第1実施形態におけるS2155の処理に変えてS4101の処理を実行し、一拍フラグ223lがオンか否かを判断することで、再生中のBGMの拍のタイミングか否かを判断する(S4101)。そして、一拍フラグ223lがオンであれば(S4101:Yes)、再生中のBGMの拍のタイミングであるので、第1実施形態と同じS215〜S2168の処理を実行する。
一方、S4101の処理の結果、一拍フラグ223lがオフである場合は(S4101:No)、第1実施形態のS2169の処理に代えて図49に示すS4102の処理を実行する。即ち、裏拍フラグ223mがオンか否かを判断することで、再生中のBGMの裏拍のタイミングか否かを判断する(S4102)。
そして、裏拍フラグ223mがオンであれば(S4102:Yes)、再生中のBGMの裏拍のタイミングであるので、第1実施形態と同じS2170〜S2179の処理を実行する。一方、S4102の処理の結果、裏拍フラグ223mがオフであれば(S4102:No)、始動入賞音出力処理を終了する。
なお、第3実施形態における始動入賞音出力処理において、S2151〜S2154の処理も、第1実施形態と同一の処理である。
従って、MPU221は、第3実施形態における始動入賞音出力処理を実行することによって、第1実施形態における始動入賞音出力処理と同一の作用効果を奏することができる。
また、第3実施形態における枠ボタン操作音出力処理(S2137)も、その詳細が第3実施形態における始動入賞音出力処理とほぼ同一であり、具体的には、始動入賞音出力処理において使用される始動入賞カウンタ223dを枠ボタン操作回数カウンタ223fに置き換え、発音する音を入賞音から操作音に置き換えたものが、枠ボタン操作音出力処理となる。よって、MPU221は、第3実施形態における枠ボタン操作音出力処理を実行することによって、第1実施形態における枠ボタン操作音出力処理と同一の作用効果を奏することができる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10によれば、表示制御装置114において、再生中のBGMの拍の周期を計数し、BGMの拍および裏拍のタイミングを検出して、音声ランプ制御装置113へ通知する。そして、音声ランプ制御装置113では、BGMの拍または裏拍のタイミングで、音声の再生、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が行われるように、制御する。これにより、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
即ち、第1入球口64への入球(始動入賞)が検出されると、入球があったことを遊技者に報知する入球音を、BGMの拍や裏拍のタイミングに合わせて出力する。また、枠ボタン22の操作があった場合に、その操作があったことを遊技者に報知する操作音を、BGMの拍や裏拍のタイミングに合わせて出力する。
これにより、入球音や操作音がBGMのリズムに合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、入球音や操作音を発音する場合に、その発音タイミングにおけるBGMのコード(和音)の構成音や経過音を用いて、その入球音または操作音の音高を決定する。これにより、入球音や操作音がBGMの拍に合わせて発音されるだけでなく、そのときのBGMのコードに合った音高で発音される。よって、BGMを伴奏としたメロディーを入球音や操作音によって構成し、遊技者に聴かせることができる。しかも、そのメロディーは、入球や操作のタイミング、及び、入球数や操作回数によって異なるものとなる。よって、その時々によって入球音や操作音により奏でられる様々なメロディーにより、遊技者を楽しませることができる。
また、本第3実施形態におけるパチンコ機10によれば、本来の変動開始のタイミングからBGMの拍のタイミングとなるまで、第3図柄表示装置81において、第3図柄を上下に振動させる表示を行う(図柄揺れ期間)。そして、本来の変動開始タイミングから最初のBGMの拍のタイミングが到来した場合に、そのタイミングで、その変動演出に対して決定された詳細な変動パターンに対応するデータテーブルの読み出しを開始し、第3図柄表示装置81において第3図柄の高速変動を開始させる。
ここで、第3図柄表示装置81における変動演出中の各種の演出画像の表示は、BGMの拍に合わせて行われるように予め表示パターンが設定されている。また、その演出画像の表示に合わせた音声の音声出力装置226からの出力と、ランプ表示装置227のランプの点灯・点滅とが、データテーブルに規定されており、これらもBGMの拍に合わせて行われる。
更に、第3図柄表示装置81に表示される変動演出では、本来の確定表示が行われる少し前のBGMの拍のタイミングで、一旦第3図柄を停止表示させ、また、停止表示されたことを表す停止音を音声出力装置226より発音させる。その後、本来の確定表示タイミングとなるまで、第3図柄表示装置81において、第3図柄を上下に振動させる表示を行い(図柄揺れ期間)、本来の確定表示タイミングで第3図柄を確定表示させる。
このように、変動演出は、本来、BGMの拍とは関係なく開始され、また確定表示されるものであるが、本実施形態では、拍のタイミングに合わせて高速変動を開始し、また、一旦停止表示を行う。そして、本来の変動開始タイミングから高速変動が開始されるまでと、一旦停止表示が行われてから本来の確定表示タイミングとなるまでは、図柄揺れ期間として、第3図柄を上下に振動させる表示を行う。
これにより、第3図柄表示装置81では、BGMの拍に合わせて変動演出が開始され、また、停止表示が行われたかのように、遊技者に見せることができる。また、変動演出中に表示される各種の演出画像もBGMの拍に合わせて表示させることができ、更に、変動演出に合わせた音声の出力や、ランプ表示装置227の点灯・点滅、更には第1役物87の動作も、BGMの拍に合わせて行うことができる。従って、変動演出もBGMのリズムに合わせて行われるような感覚を遊技者に与えることができるので、リズミカルな遊技を行わせることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態または第2実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、対応する実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図60を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第3実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態と同様に、BGMの変更タイミング、例えば、大当たりとなって大当たりを通知するときに出力するBGMの再生を開始するタイミングや、大当たり演出時に出力される大当たり演出用BGMの再生を開始または終了するタイミングなどで、BGMが一旦変更されると、変動演出の開始および停止に関係なくBGMが再生し続け、変動演出の見せかけの開始(高速変動の開始)や、見せかけの停止表示(第3図柄の一旦停止)を、BGMの拍のタイミングで実行する場合について説明した。
これに対し、第4実施形態におけるパチンコ機10では、第2実施形態と同様に、変動演出の開始に合わせてBGMの再生が開始され、変動演出の終了に合わせてBGMの再生が終了する。なお、第4実施形態におけるパチンコ機10は、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される表示内容を特定して、特定された表示内容を表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して通知し、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から通知された表示内容や従って、音声出力装置226からの音声出力、ランプ表示装置227の点灯・点滅、及び、第1役物87の動作を制御する点で、第3実施形態と共通する。また、表示制御装置114にてBGMの拍の周期(T)を計数し、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、BGMの拍や裏拍のタイミングを通知する点で第3実施形態と共通する。
以下、第4実施形態におけるパチンコ機10について、第3実施形態と相違する点を中心に説明する。以下の説明において、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図60を参照し、第4実施形態における表示制御装置114において実行される表示設定処理(S2603)の詳細について説明する。図60は、その表示設定処理(S2603)を示すフローチャートである。
第4実施形態における表示設定処理では、第3実施形態における表示設定処理にて実行されたS3611〜S14の処理と、S3615〜S3622の処理とが非実行とされる。また、ポインタ更新処理(S2905)が実行された後、S3624の処理に代えて、S4201〜S4210の処理が実行される。第4実施形態におけるその他の処理は、第3実施形態における表示設定処理と同一の処理が実行される。
まず、S4201の処理では、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブルおよび追加データテーブルから、ポインタ更新処理(S2905)によって更新されたポインタ233cで示されるアドレスの描画内容を展開する(S4201)。タスク処理では、先に展開された保留画像と共に、S3623の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。尚、追加データテーブルにおいて、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。追加データテーブルバッファ233bがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233bから展開されることになる。
S4201の処理では、また、表示データテーブルバッファ233a及び追加データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル及び追加データテーブルにおいて、ポインタ233cが示すアドレスに、これから第3図柄表示装置81に表示させる表示内容(図49参照)が規定されている場合は、その表示内容を音声ランプ制御装置113へ通知する表示種別コマンドを生成し、生成した表示種別コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。
これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示種別コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力し、ランプ表示装置227を点灯・点滅させ、第1役物87を動作させる制御が行われる。
ここで、変動用表示データテーブルが設定されている場合、その最初のアドレス(0001H)には、高速変動表示が表示内容として規定されており、これに従って、MPU231は音声ランプ制御装置113に対して、変動用表示データテーブルに対応する詳細な変動パターンの高速変動表示を示す表示種別コマンドを送信する。音声ランプ制御装置113は、その表示種別コマンドを受信すると、表示種別コマンドが示す詳細な変動パターンに対応するBGMの再生を開始する。つまり、変動演出の開始に合わせてBGMの再生が開始される。
また、変動用表示データテーブルにおいて、変動演出の終了時間に対応する最後のアドレスに、表示内容として停止表示が規定されており、これに従って、MPU231は音声ランプ制御装置113に対して、停止表示を示す表示種別コマンドを送信する。音声ランプ制御装置113は、その表示種別コマンドを受信すると、変動演出の停止表示がされたことを示す停止音を発音すると共に、BGMの再生を停止する。
ここで、第4実施形態では、BGMの拍のタイミングで変動演出が終了するように、変動時間が規定されている。よって、変動演出がBGMの拍のタイミングで終了し、また、変動演出の停止音もBGMの拍のタイミングで発音される。よって、変動演出がBGMのリズムと合わせて停止されることを遊技者に認識させることができる。従って、リズミカルに変動演出を終了させることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、第4実施形態においても、表示データテーブル及び追加データテーブルは、BGMの拍のタイミングで、画像が新たに表示されたり、変更されたり、消去されたりするように、描画内容を規定し、合わせて表示内容を規定している。つまり、BGMの拍のタイミングとなるアドレスに対応付けて、表示内容が規定され、BGMの拍のタイミングで、表示種別コマンドが、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して送信される。
これにより、音声ランプ制御装置113において、表示内容に合わせた音声の再生、ランプ表示装置227の点灯・点滅、第1役物87の動作が、BGMの拍のタイミングで開始される。このように、表示内容に従った音声の出力や、第1役物87の駆動の開始が、BGMのリズムに合わせて行われるので、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。従って、遊技者による遊技への興趣を高めることができる。
S4201の処理の後、BGMの変更タイミングか否かを判断する(S4202)。BGMの変更タイミングとしては、例えば、上述した変動演出の開始タイミングのほか、大当たりとなったことを示す表示を開始するタイミングや、大当たり演出を開始するタイミング、大当たり演出の終了を示す表示を開始するタイミングなどがある。これらのタイミングは、設定された表示データテーブルや追加データテーブルに規定される表示内容に基づいて判断される。
S4202の処理の結果、BGMの変更タイミングであると判断されると(S4202:Yes)、再生が開始される種類のBGMのテンポをプログラムROM232から読み出し、そのBGMの拍の周期Tを算出して、ワークRAM233に記憶する(S4203)。また、タイマカウンタ233fを1に初期化する(S4204)。このタイマカウンタ233fを20ミリ秒毎に実行される表示設定処理の中でカウントアップしながら更新し、S4203の処理にて算出されたBGMの拍の周期Tまで計数することにより、MPU231は、タイマカウンタ233fを用いて再生中のBGMの拍のタイミングを把握することができる。
S4204の処理の後、または、S4202の処理の結果、GMの変更タイミングでないと判断された場合は(S4202:No)、次いで、タイマカウンタ233fの値が再生中のBGMの拍の周期Tと等しいか否かを判断する(S4205)。その結果、タイマカウンタ233fの値が再生中のBGMの拍の周期Tと等しい場合は(S4205:Yes)、BGMの拍のタイミングであるので、BGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドを設定する(S4206)。
ここで設定された拍コマンドは、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで音声ランプ制御装置113へ送信される。音声ランプ制御装置113は、この拍コマンドを受信することによって、BGMの拍のタイミングを把握することができる。よって、第1入球音64への入球を報知する入球音や、枠ボタン22の操作があったことを報知する操作音などを、音声ランプ制御装置113により、BGMの拍のタイミングで発音させることができる。
なお、拍コマンドの送信は、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで行なわれるので、V割込処理が実行される20ミリ秒間隔でその送信が許可されることになる。V割込処理の中で実行される表示設定処理は、その前にコマンド判別処理があり、必ずしも20ミリ秒間隔で実行されるわけではなく、若干のずれがある。したがって、拍コマンドの生成も20ミリ秒間隔で正確に行なわれるわけではないので、生成された拍コマンドをそのまま音声ランプ制御装置113へ送信すると、音声ランプ制御装置113において把握されるBGMの拍の間隔がずれてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、拍コマンドを、V割込処理が実行される20ミリ秒間隔でその送信を許可するので、音声ランプ制御装置113において把握するBGMの拍の間隔を正確に保たせることができる。
次いで、タイマカウンタ233fの値を1に設定する(S4607)。これにより、再び、タイマカウンタ233fによってBGMの拍の周期Tの計数を開始する。そして、S2911の処理へ移行する。
S4205の処理の結果、タイマカウンタ233fの値がBGMの拍の周期Tと等しくない場合(S4205:No)、次いで、タイマカウンタ233fの値がBGMの拍の周期の半分(T/2)と等しいか否かを判断する(S4208)。そして、タイマカウンタ233fの値がBGMの拍の周期の半分(T/2)と等しい場合は(S4208:Yes)、BGMの裏拍のタイミングであるので、BGMの裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドを設定する(S4209)。よって、入球音や操作音などを、音声ランプ制御装置113により、BGMの拍のタイミングだけでなく、裏拍のタイミングも使用して発音させることができる。
ここで設定された拍コマンドも、拍のタイミングであることを示す拍コマンドと同様に、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで音声ランプ制御装置113へ送信される。音声ランプ制御装置113は、このBGMの裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドによって、BGMの裏拍のタイミングを把握することができる。なお、BGMの裏拍のタイミングであることを示す拍コマンドを、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで音声ランプ制御装置113へ送信する理由は、BGMの拍のタイミングであることを示す拍コマンドを、次にV割込処理の実行が開始されるタイミングで音声ランプ制御装置113へ送信する理由と同じである。つまり、拍コマンドを、V割込処理が実行される20ミリ秒間隔でその送信を許可することで、音声ランプ制御装置113において把握するBGMの拍や裏拍の間隔を正確に保たせることができる。
S4209の処理の後、または、S4208の処理により、タイマカウンタ233fの値がBGMの拍の周期の半分(T/2)と等しくないと判断される場合は(S4208:No)、次いで、タイマカウンタ233fの値に1を加算して、タイマカウンタ233fを更新する(S4210)。そして、S2911の処理へ移行する。
以上より、第4実施形態のパチンコ機10においても、BGMとして時短用BGMが再生されている間、第1入球口64への入球(始動入賞)が検出されると、入球があったことを遊技者に報知する入球音を、BGMの拍や裏拍のタイミングに合わせて出力することができる。また、枠ボタン22の操作を必要とする演出が行なわれている間、枠ボタン22の操作があったことを遊技者に報知する操作音を、BGMの拍や裏拍のタイミングに合わせて出力することができる。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、入球音や操作音を発音する場合に、その発音タイミングにおけるBGMのコード(和音)の構成音や経過音を用いて、その入球音または操作音の音高を決定するので、そのときのBGMのコードに合った音高で発音される入球音または操作音によって、BGMを伴奏としたメロディーを遊技者に聴かせることができる。しかも、そのメロディーは、入球のタイミングや入球数、はたは、枠ボタン22の操作のタイミングや操作回数によって異なるものとなるので、その時々によって入球音や操作音により奏でられる様々なメロディーにより、遊技者を楽しませることができる。
特に、操作音がBGMの拍に合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに枠ボタン22を操作する等の遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10は、第1〜第3実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、対応する実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図61及び図62を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1〜第4実施形態では、あるBGMの拍でコードの構成音を音高とする入球音または操作音を発音した後、続くBGMの裏拍のタイミングで同一のコードの経過音を音高とする入球音または操作音を発音し、更に次のBGMの拍のタイミングで同一のコードの構成音を音高とする入球音または操作音を発音する場合の、裏拍での経過音および次の拍での構成音の音高が、経過音再生時音高設定テーブル222c(図6参照)によって、最初の拍での構成音の音高に対応付けられて規定される場合について説明した。
これに対し、第5実施形態では、このような場合における裏拍での経過音および次の拍での構成音の音高を、再生中のBGMのキー(BGM全体の主調)と、現在のBGMのコードと、最初の拍の音高とから、演算によって算出する。
以下、第5実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。なお、第5実施形態において第1実施形態に代えて実現される発明を、第2〜第4実施形態のパチンコ機10にも適用可能であることは言うまでもない。
図61及び図62は、第5実施形態における音声ランプ制御装置113にて実行される始動入賞音出力処理(S2122)の詳細について説明する。図61及び図62は、その始動入賞音出力処理(S2122)を示すフローチャートである。
第5実施形態における始動入賞音出力処理が、第1実施形態における始動入賞音出力処理と相違する点は、BGMの裏拍のタイミングで入賞音として経過音を出力する場合に(S2172:Yes)、第1実施形態のS2174(図30参照)の処理に代えてS4402(図62参照)の処理を実行する点と、BGMの拍のタイミングで入賞音を出力する場合に、直前の裏拍で経過音が発音されていれば(S2160:Yes)、S2164(図29参照)の処理に代えてS4401(図61参照)の処理を実行する点である。始動入賞音出力処理の中で実行されるその他の処理(S2151〜S2163,S2165〜S2173,S2175〜2179)は、第1実施形態と同一の処理が実行される。
S4402(図62)の処理では、直前に実行されるS2173の処理により音高情報メモリ223kから読み出された、前の拍で再生した入賞音の音高と、再生中のBGMのキーと、現在のBGMのコードとから、コードの経過音を音高とする入賞音の、その音高を算出する(S4402)。
例えば、再生中のBGMのキー(例えば、C Major)において、キーの主音(この例では「C」)と、現在のコードとが一致し(この例では「C」)、且つ、前の拍で再生した入賞音の音高が現在のコードのルート音と一致する(完全1度)の場合(上記の例では「ド」)、裏拍で発音する入賞音の音高(経過音)として、コードのルート音から長2度高い音高(上記の例では「レ」)を算出する。
再生中のBGMのキー(例えば、C Major)において、キーの主音(この例では「C」)と、現在のコードとが一致し(この例では「C」)、且つ、前の拍で再生した入賞音の音高が現在のコードのルート音に対して長3度高い場合(上記の例では「ミ」)、裏拍で発音する入賞音の音高(経過音)として、コードのルート音から完全4度の音高(上記の例では「ファ」)を算出する。
再生中のBGMのキー(例えば、C Major)において、キーの主音(この例では「C」)に対して現在のコードが長4度高く(この例では「F」)、且つ、前の拍で再生した入賞音の音高が現在のコードのルート音と一致する(完全1度)の場合(上記の例では「ファ」)、裏拍で発音する入賞音の音高(経過音)として、コードのルート音から長2度高い音高(上記の例では「ソ」)を算出する。
また、再生中のBGMのキー(例えば、C Major)において、キーの主音(この例では「C」)に対して現在のコードが長4度高く(この例では「F」)、且つ、前の拍で再生した入賞音の音高が現在のコードのルート音に対して長3度高い場合(上記の例では「ラ」)、裏拍で発音する入賞音の音高(経過音)として、コードのルート音から増4度高い音高(上記の例では「シ」)を算出する。
S4401(図61)の処理もS4402(図62)の処理と同様に、直前に実行されるS2163の処理により音高情報メモリ223kから読み出された、前の拍で再生した入賞音の音高と、再生中のBGMのキーと、現在のBGMのコードとから、コードの経過音を音高とする入賞音の、その音高を算出する(S4401)。
例えば、再生中のBGMのキー(例えば、C Major)において、キーの主音(この例では「C」)と、現在のコードとが一致し(この例では「C」)、且つ、前の拍で再生した入賞音の音高が現在のコードのルート音と一致する(完全1度)の場合(上記の例では「ド」)、現在の拍で発音する入賞音の音高(構成音)として、コードのルート音から長3度高い音高(上記の例では「ミ」)を算出する。つまり、この場合、前の拍で現在のコードのルート音を音高とする入賞音が発音され、直前の裏拍で現在のコードのルート音から長2度高い音高の入賞音が発音され、現在の拍で現在のコードのルート音から長3度高い音高の入賞音が発音される(上記の例では「ド」「レ」「ミ」の順で入賞音が発音される)。
再生中のBGMのキー(例えば、C Major)において、キーの主音(この例では「C」)と、現在のコードとが一致し(この例では「C」)、且つ、前の拍で再生した入賞音の音高が現在のコードのルート音に対して長3度高い場合(上記の例では「ミ」)、現在の拍で発音する入賞音の音高(構成音)として、コードのルート音から完全5度の音高(上記の例では「ソ」)を算出する。つまりこの場合、前の拍で現在のコードのルート音から長3度高い音高の入賞音が発音され、直前の裏拍で現在のコードのルート音から完全4度高い音高の入賞音が発音され、現在の拍で現在のコードのルート音から完全5度高い音高の入賞音が発音される(上記の例では「ミ」「ファ」「ソ」の順で入賞音が発音される)。
再生中のBGMのキー(例えば、C Major)において、キーの主音(この例では「C」)に対して現在のコードが長4度高く(この例では「F」)、且つ、前の拍で再生した入賞音の音高が現在のコードのルート音と一致する(完全1度)の場合(上記の例では「ファ」)、現在の拍で発音する入賞音の音高(構成音)として、コードのルート音から長3度高い音高(上記の例では「ラ」)を算出する。つまりこの場合、前の拍で現在のコードのルート音を音高とする入賞音が発音され、直前の裏拍で現在のコードのルート音から長2度高い音高の入賞音が発音され、現在の拍で現在のコードのルート音から長3度高い音高の入賞音が発音される(上記の例では「ファ」「ソ」「ラ」の順で入賞音が発音される)。
また、再生中のBGMのキー(例えば、C Major)において、キーの主音(この例では「C」)に対して現在のコードが長4度高く(この例では「F」)、且つ、前の拍で再生した入賞音の音高が現在のコードのルート音に対して長3度高い場合(上記の例では「ラ」)、現在の拍で発音する入賞音の音高(構成音)として、コードのルート音から完全5度高い音高(上記の例では「ド」)を算出する。つまりこの場合、前の拍で現在のコードのルート音から長3度高い音高の入賞音が発音され、直前の裏拍で現在のコードのルート音から増4度高い音高の入賞音が発音され、現在の拍で現在のコードのルート音から完全5度高い音高の入賞音が発音される(上記の例では「ラ」「シ」「ド」の順で入賞音が発音される)。
このように、前の拍で再生した入賞音の音高と、再生中のBGMのキーと、現在のBGMのコードとから、コードの経過音を音高とする入賞音の音高を演算により算出できるのは、BGMに対して設定されたキーに応じて決定される音階(スケール)が、そのキーに応じて主音の高さが変わるだけで、音階を構成する各音の音程(音の高さの関係)は、常に一定であるからである。
以上の通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、あるBGMの拍でコードの構成音を音高とする入球音または操作音を発音した後、続くBGMの裏拍のタイミングで同一のコードの経過音を音高とする入球音または操作音を発音し、更に次のBGMの拍のタイミングで同一のコードの構成音を音高とする入球音または操作音を発音する場合の、裏拍での経過音および次の拍での構成音の音高を、再生中のBGMのキーと、現在のBGMのコードと、最初の拍の音高とから、演算によって算出するので、第1〜第4実施形態におけるパチンコ機10において設けた経過音再生時音高設定テーブル222cを不要とすることができる。即ち、第5実施形態におけるパチンコ機10では、BGMで取り得るコード毎に、最初の拍での構成音の音高と、裏拍での経過音および次の拍での構成音の音高とを対応付けて記憶させておく必要がないので、プログラムROM222に必要な記憶容量が増大することを抑制できる。
なお、第5実施形態においても、音編集・出力処理(図27参照)において、枠ボタン22の操作を必要とする演出が行われている場合に実行される枠ボタン操作音出力処理(S2137)は、その詳細が始動入賞音出力処理(図61,図62参照)とほぼ同一である。具体的には、始動入賞音出力処理において使用される始動入賞カウンタ223dを枠ボタン操作回数カウンタ223fに置き換え、発音する音を入賞音から操作音に置き換えたものが、枠ボタン操作音出力処理となる。枠ボタン操作音出力処理を実行することにより、操作音において、始動入賞音出力処理により出力される入賞音と同様の作用効果を奏することができる。つまり、BGMで取り得るコード毎に、最初の拍での構成音の音高と、裏拍での経過音および次の拍での構成音の音高とを対応付けて記憶させておく必要がないので、プログラムROM222に必要な記憶容量が増大することを抑制できる。
その他、第5実施形態におけるパチンコ機10は、第1〜第4実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、対応する実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
尚、上記実施形態に記載の「第3図柄」が、特許請求の範囲および下記の各遊技機に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動表示」が、特許請求の範囲および下記の各遊技機に記載の「識別情報の動的表示」に対応する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
例えば、上記各実施形態において、BGMとして時短用BGMが再生されている間に、第1始動口64へ球が入賞した場合に、その入賞をストックし、その入賞を報知するための入賞音を時短用BGMの拍や裏拍のタイミングで発音する場合について説明したが、この入賞音のBGMの拍や裏拍のタイミングでの発音が、必ずしも時短用BGMの拍が再生されている間に限られるものではなく、任意のBGMに対して、入賞音の発音をそのBGMの拍や裏拍等のタイミングで発音してもよい。これにより、入賞音がBGMの拍等に合わせて発音されるので、リズム感のある音声が出力される。よって、遊技者は、BGMのリズムに乗ってリズミカルに遊技を行うことができるので、遊技者の遊技に対する気持ちを高揚させることができる。従って、遊技への興趣を高めることができる。
また、大当たり演出が行われている間に、特別入賞口(大開放口)65aへ球が入賞した場合に、その入賞をストックし、その入賞を報知するための入賞音を大当たり演出用BGMの拍や裏拍のタイミングで発音してもよい。これにより、大当たり演出期間中に特別入賞口65aへ球が入賞して多くの賞球が得られることへの喜びが、BGMのリズムに合わせて発音される入賞音によってより高められ、遊技者をより満足させることができる。また、この入賞音に対して、上記各実施形態で説明したような方法で音高を変化させることにより、大当たり演出用BGMのコード進行にあわせたメロディーを、入賞音によって奏でることができる。従って、このメロディーにより、より遊技者の満足感を高めることができる。
上記各実施形態では、第1入球口64への入球が続けて行われた場合、または、枠ボタン22の操作が続けてあった場合に、BGMの裏拍のタイミングでストックされた入球数または操作回数が2以上あり、直前の拍のタイミングで入球音または操作音の発音があり、且つ、そのBGMの裏拍のタイミングでのBGMのコードと、直後のBGMの拍のタイミングでのBGMのコードとが一致することを条件として、そのコードの経過音を音高とする入球音または操作音を発音させる場合について説明した。そして、BGMの裏拍のタイミングで発音されたコードの経過音を音高とする入球音または操作音を、直前のBGMの拍のタイミングで発音されたコードの構成音を音高とする入球音または操作音と、直後のBGMの拍のタイミングで発音されたコードの構成音を音高とする入球音または操作音とで挟み込むことで、入球音または操作音により奏でられるメロディーがBGMのコードに沿ったものとなる印象を遊技者に与える場合について説明した。これに対し、第1入球口64への入球が続けて行われた場合、または、枠ボタン22の操作が続けてあった場合に、BGMの裏拍のタイミングでストックされた入球数または操作回数が2以上あり、直前の拍のタイミングで入球音または操作音の発音があれば、そのBGMの裏拍のタイミングでのBGMのコードと、直後のBGMの拍のタイミングでのBGMのコードとが一致するか否かにかかわらず、そのBGMの裏拍のタイミングで経過音を音高とする入球音または操作音を発音してもよい。この場合、直後のBGMの拍のタイミングにおいて発音される入球音または操作音の音高を、そのタイミングでのBGMのコードの構成音の中から、前の拍での音高(前の拍におけるコードの構成音)と、裏拍のタイミングでの音高(そのときのコードの経過音)とに基づいて、そのBGMのキーに応じて設定されるスケールに沿った音高を選択すればよい。これによって、入球音または操作音の音高としてそのときのコードの経過音を選択し、直後の拍のタイミングでコードが変更されたとしても、BGMのコード進行に沿った違和感のないメロディーを、入球音または操作音によって奏でることができる。
上記各実施形態では、第1入球口64への入球が続けて行われた場合、または、枠ボタン22の操作が続けてあった場合に、BGMの拍のタイミングだけでなく、BGMの裏拍のタイミングも使用して、入球音または操作音を発音する場合について説明した。これに対し、更に、BGMの拍や裏拍だけでなく、BGMの拍の1/4のタイミングでも入球音や操作音を発音してもよい。これにより、入球音や操作音によってより複雑なリズムを刻むことができるので、入球音や操作音によって、遊技者をより楽しませることができる。
上記各実施形態では、例えば、時短用BGMが再生されている場合の入球音の発音に対し、入賞音即再生演出を用意する場合について説明した。即ち、大当たりとなる期待度が高いことを示唆する予告演出として、変動演出において、入賞音を時短用BGMの拍または裏拍のタイミングで出力するのではなく、第1入球口64への入球があった場合に、時短用BGMの拍または裏拍のタイミングを待たずに、所定の音高で入球音を出力する演出を用意する場合について説明した。この大当たりとなる期待度が高いことを示唆する予告演出として、入賞音即再生演出に追加して、又は、入賞音即再生演出に代えて、入賞音ズレ連出を用意してもよい。即ち、第1入球口64への入球があった場合に、時短用BGMの拍または裏拍のタイミングから若干ずらして、例えば拍の周期の1/10だけずらして、入球音を発音する演出を用意してもよい。時短用BGMの拍または裏拍のタイミングよりもずれて入球音が発音されることにより、遊技者に対して違和感を感じさせることで、大当たりという特別な遊技状態へ移行するのではないか、という期待感を強く持たせることができる。
また、上記各実施形態に対し、操作音に対して、操作音即再生演出や操作音ズレ演出を用意してもよい。即ち、操作ボタン22を必要とする演出が行われている間、操作ボタン22が操作された場合に、操作音をBGMの拍や裏拍のタイミングで発音させるのではなく、操作ボタン22が操作された場合に即座に操作音を発音する演出を設けてもよい。または、操作ボタン22を必要とする演出が行われている間、操作ボタン22が操作された場合に、操作音をBGMの拍や裏拍のタイミングから若干ずらして、例えば拍の周期の1/10だけずらして、操作音を発音する演出を設けてもよい。枠ボタン22を操作する遊技者は、BGMの拍や裏拍のタイミングで操作音が発音されると思っていたにもかかわらず、枠ボタン22が操作された場合に即座に操作音が発音されたり、BGMの拍や裏拍のタイミングからずれて操作音が発音されたりすることで、大当たりという特別な遊技状態へ移行するのではないか、という期待感を強く持たせることができ、枠ボタン22の操作をより楽しみながら行わせることができる。
また、上記の入賞音即再生演出や、入賞音を時短用BGMの拍または裏拍のタイミングからずらして発音させる演出、或いは、上記の操作音即再生演出や操作音ズレ演出を、複数の変動演出にまたがって連続して実行する所謂連続予告演出の一態様として実行させてもよい。例えば、ある始動入賞を契機として取得された第1当たり乱数カウンタC1が大当たりを示すものであった場合に、そのときの保留されていた全ての変動演出に対して、上記の入賞音即再生演出や、入賞音を時短用BGMの拍または裏拍のタイミングからずらして発音させる演出、或いは、操作音即再生演出や操作音ズレ演出を実行するようにしてもよい。これにより、複数の変動演出にまたがって、第1入球口64への入球があった場合や枠ボタン22の操作があった場合に、時短用BGMの拍または裏拍のタイミングを待たずに、所定の音高で入球音または操作音を出力したり、入賞音または操作音を時短用BGMの拍または裏拍のタイミングからずらして発音させたりすることができるので、そのような入賞音や操作音を遊技者により多く聴かせることができ、遊技のバリエーションの多さを遊技者に認識させることができる。
上記各実施形態において、BGMの拍または裏拍のタイミングで発音された入賞音や操作音を記憶させておき、大当たりが発生した場合に、その記憶した入賞音や操作音を大当たり演出中に再生するようにしてもよい。これにより、再生された入賞音や操作音によるメロディーを聴きながら、遊技者の大当たりに対する優越感を高めることができる。また、遊技終了後に遊技者が枠ボタン22を操作することで、第3図柄表示装置81に、その記憶した入賞音や操作音の情報を含むQRコード(登録商標)を表示し、遊技者がそのQRコードをカメラ付き携帯電話で撮影して、所定のサーバに登録できるようにしてもよい。そして、遊技者が同じ機種のパチンコ機で遊技を行う場合、その所定のサーバから取得したパスワードをそのパチンコ機に入力することで、サーバに登録されていた入賞音や操作音を、大当たりが発生したときに再生できるようにしてもよい。これにより、過去に再生された入賞音や操作音によるメロディーを聴くことで、遊技者の大当たりに対する優越感を高めることができる。また、上記各実施形態において、入賞音や操作音をBGMの拍または裏拍のタイミングで発音させたり、発音させる入賞音や操作音の音高をBGMのコードにあわせて決定したり、又は、コードの経過音をも用いて入賞音や操作音の音高を決定したりする機能を、上記所定のサーバから取得したパスワードがパチンコ機に入力された場合に限り実行されるようにしてもよい。これにより、特定の遊技者に対してのみ、このような機能を提供できるので、演出の特殊性を出すことで遊技者の興趣を高めることができる。
上記各実施形態において、音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ223aの値が更新された場合に、遅滞なく表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する場合について説明したが、音声ランプ制御装置113において、保留球数カウンタ223aの値が更新された情報をストックしておき、BGMの拍または裏拍のタイミングで、その更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信してもよい。これにより、表示制御装置114では、BGMの拍または裏拍のタイミングで、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に更新後の保留球数に対応する保留球数図柄が表示される。つまり、保留球数図柄の追加・消滅が、BGMのリズムに合わせて行われることになるので、遊技者にリズミカルな遊技を行わせることができる。
また、BGMの拍または裏拍のタイミングで入球音を発音させる場合、少なくともそのようなタイミングで入球音が発音される間は、その入球音の発音が行われるタイミングで、そのときの保留球数カウンタ223aの値を示す表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信してもよい。これにより、入球音の発音と合わせて第3図柄表示装置81の小領域Ds1に更新後の保留球数に対応する保留球数図柄が表示されるので、遊技者に、よりリズミカルな遊技を行わせることができる。
また、上記第3,第4実施形態において、表示ランプ制御装置114は、音声ランプ制御装置113より表示用保留球数コマンドを受信した場合に、遅滞なく、その表示用保留球数コマンドにより示される保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示させる場合について説明したが、表示ランプ制御装置114は、音声ランプ制御装置113より表示用保留球数コマンドを受信した場合に、表示制御装置114において管理している再生中のBGMの拍や裏拍のタイミングを待って、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示させてもよい。これにより、保留球数図柄の追加・消滅が、BGMのリズムに合わせて行われることになるので、遊技者にリズミカルな遊技を行わせることができる。
上記第2,第4実施形態において、変動演出の変動時間をBGMの拍の周期に合わせて設定し、BGMの拍のタイミングで変動演出を終了させる場合について説明した。これに対し、変動演出の変動時間をBGMの拍の周期に関係なく設定し、変動演出の終了直前のBGMの拍のタイミングで、第3図柄表示装置81において変動演出を見かけ上で停止表示させ、その後、本来の停止表示タイミングとなるまで、第3図柄を上下に揺動させる表示を行ってもよい。これにより、遊技者にはBGMの拍のタイミングで第3図柄表示装置81における変動演出が終了したと見せることができ、BGMのリズムに合わせて変動演出が行われたとの印象を遊技者にあわせることができる。なお、この場合、第3図柄の停止音も、変動演出の終了直前のBGMの拍のタイミングで、第3図柄表示装置81において変動演出を見かけ上で停止表示されるときに合わせて発音させてもよい。これにより、遊技者に対して、BGMの拍のタイミングで第3図柄表示装置81における変動演出が終了したと、より強く印象付けることができる。
上記第1,第3実施形態では、BGMの変更タイミングとなった場合に、BGMを最初から再生開始する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、時短用BGMを再生中にリーチが発生し、そのリーチ用のBGMを再生するときには、時短用BGMをミュートして消音状態で再生し続け、リーチが終了した後に、リーチ用のBGMの再生停止と合わせて、時短用BGMのミュートを解除することで、時短用BGMの出力を再開してもよい。この場合、時短用BGMは、リーチ用のBGMが再生されている間も再生され続けているので、BGMの拍のタイミングを計数するタイマカウンタ223hは、時短用BGMをミュートしている間も計数し続ける必要がある。これにより、時短用BGMの再生中にリーチ用のBGMの再生が行われても、時短用BGMの拍や裏拍のタイミングを正確に判断することができる。また、時短用BGMを再生中にリーチが発生し、そのリーチ用のBGMを再生するときには、時短用BGMの再生を一時停止し、リーチが終了した後に、リーチ用のBGMの再生停止と合わせて、時短用BGMの一時停止を解除し、一時停止されたところから再生を再開してもよい。この場合、BGMの拍のタイミングを計数するタイマカウンタ223hは、時短用BGMを一時停止している間も保持し続ける必要がある。これにより、時短用BGMの再生中にリーチ用のBGMの再生が行われても、時短用BGMの拍や裏拍のタイミングを正確に判断することができる。
上記第1,第3実施形態において、大当たり終了後にBGMの再生を開始する場合、変動演出の開始と合わせてBGMの再生を開始してもよい。この場合、変動演出の変動時間や、変動演出が連続して行われる場合の各変動演出の間に設けられた変動演出が非実行とされる時間を、BGMの拍の周期の倍数となるように設定してもよい。これにより、少なくとも、変動演出の保留回数が0となるまで、変動演出はBGMの拍のタイミングで開始され、また、終了するので、BGMのリズムに合わせたリズミカルな遊技を遊技者に提供できる。
上記各実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置313へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、一の第1入球口は、拡大・縮小動作(または、開閉動作)する羽根部材が設けられ、羽根部材が拡大状態(または開放状態)にある場合に球が入球し易くなり、羽根部材が縮小状態(または閉鎖状態)にある場合に球が入球し難い(または、入球できない)状態となるものであってもよい。このとき、一の第1入球口において、遊技状態が確変状態または時短状態にある場合に、通気状態が通常状態にある場合よりも、羽根部材が拡大状態になりやすく構成されてもよい。一方、他の第1入球口は、羽根部材がなく、常に球が入球し易い状態となるものであってもよい。また、一の第1入球口への入球に伴って行われる大当たり抽選の結果大当たりとなる場合は、他の第1入球口への入球に伴って行われる大当たり抽選の結果大当たりとなる場合よりも、遊技者に有利な種別の大当たり(例えば、15R確変大当たり)が選択されやすくなるように構成してもよい。パチンコ機がこれらの構成を有している場合、遊技状態が通常状態の場合は、他の第1入球口へ球を入球させ、大当たり抽選が多く行われるように、遊技者に球を発射させ、遊技状態が確変状態または通常状態の場合は、羽根部材が拡大状態となりやすい一の第1入球口へ球を入球させ、遊技者に有利な種別の大当たりが得られるように、遊技者に球を発射させることができる。よって、遊技者における遊技の仕方にバリエーションを持たせることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、一の第1入球口への入球に対応して保留されている変動演出が、他の第1入球口への入球に対応して保留されている変動演出よりも優先して実行されてもよい。特に、一の第1入球口への入球に伴って行われる大当たり抽選の結果大当たりとなる場合は、遊技者に有利な種別の大当たり(例えば、15R確変大当たり)が選択されやすくなるように構成された場合は、その一の第1入球口への入球に対応して保留されている変動演出が優先して実行されることにより、遊技者に対して、有利な種別の大当たりを付与されやすくすることができる。よって、遊技者の期待感を高めることができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、全ての第1入球口に対して入球があった場合に、その入球音を発音してもよい。このとき、どの第1入球口に入球があったかにかわらず、入球があれば、入球1回毎に、BGMの拍または裏拍のタイミングで入球音を発音させてもよい。多くのBGMの拍または裏拍のタイミングで入球音が発音されるので、間延びのしないメロディーを遊技者に聴かせることができる。一方、第1入球口毎に、入球があった場合の入球音の発音させるタイミングを制御してもよい。つまり、この場合、複数の第1入球口に対してほぼ同時期に入球があれば、同じBGMの拍または裏拍のタイミングで各第1入球口に対する入球音が発音される。そして、このとき、各入球音の音高が、そのときのBGMのコードに合った和音を発音するように決定されてもよい。これにより、遊技者に音楽の響きを味合わせることができるので、より楽しい遊技を提供できる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、前記した一の第1入球口へ球が入球した場合のみ、入球音を発音するようにしてもよい。この一の第1入球口が、例えば、遊技者に有利な種別の大当たり(例えば、15R確変大当たり)が選択されやすくなるように構成されたものであれば、入球音が発音される度に、その遊技者に有利な種別の大当たりが選択されやすい一の第1入球口に入球があったことを、遊技者は容易に知ることができ、遊技に対する期待感を高めることができる。また、その入球音が、BGMの拍または裏拍のタイミングで発音されることで、BGMのリズムに合わせて発音される入球音に従って期待感を高めることができ、遊技者はリズミカルに遊技を楽しむことができる。特に、本実施形態では、その入球音の発音が、遊技状態が時短状態にあるときに行われるが、一の第1入球口が時短状態において通常状態の場合よりも入球し易い状態になるものであれば、遊技者は、時短状態にあるとき、その一の第1入球口へ入球があったか否かを強く知りたい状態にある。そういった状況下で、時短用BGMが再生されている間、その一の第1入球口に入球があった場合のみ入球音が発音されるようにすることで、遊技者は、その一の第1入球口に入球があったことを、時短用BGMのリズムに合わせて、その時短用BGMのコードにあった音高で発音される入球音により知ることができる。よって、遊技者は、BGMのリズムに合わせながら、遊技に対する期待感を高めていくことができる。また、この場合、一の第1入球口への入球に対応して保留されている変動演出が優先して実行されるものであれば、一の第1入球口への入球に対応した変動演出はどんどん消化されるので、保留球数が最大保留球数一杯となって、一の第1入球口へ入った球が保留されずに無効となることが少ない。本実施形態では、音声ランプ制御装置113が主制御装置110より保留球数コマンドを受信した場合に入球があったとして入球音を発音するのであり、保留されなかった第1入球口への入球に対して入球音は発音されない。これに対し、変動演出が優先して実行される一の第1入球口への入球に対して入球音を発音させることにより、保留された変動演出が消化され続けるので、新たな一の第1入球口への入球が保留され易く、よって、一の第1入球口への入球に対する入球音を多く発音させることができる。従って、その入球音による発音を継続的に行うことができ、遊技者を楽しませることができる。逆に、他の第1入球口への入球に対する変動演出は、一の第1入球口への入球に対する変動演出が全て実行されるまで保留され続けるので、他の第1入球口に対して保留される変動演出がすぐに最大保留球数まで到達し、そこから保留が減っていかない事態が生じる。よって、他の第1入球口に対する入球音を発音させたとしても、最大保留球数分の変動演出が保留され続けている間は、他の第1入球口に入球があっても、入球音が発音されないので、入球音によるメロディーが途切れた印象を遊技者に与えてしまう。これに対し、一の第1入球口へ球が入球した場合のみ、入球音を発音するようにすれば、このような事態が生じることを抑制できる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113が主制御装置110より保留球数コマンドを受信した場合に入球があったとして入球音を発音するように構成した。即ち、保留されなかった第1入球口64への入球に対して入球音は発音されない。これに対し、主制御装置110は、第1入球口64への入球を検出した場合に、保留されたか否かにかかわらず、第1入球口64への入球があったことを通知するコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113は、そのコマンドを受信することでその入球を一旦ストックして、入球音を発音するようにしてもよい。これにより、入球音が保留されなかった入球に対してまで発音されることにはなるものの、より多くの入球に対して入球音が発音されることになるので、より複雑なリズムやメロディーをBGMに合わせて発音される入球音によって奏でることができる。よって、遊技者をより楽しませることができる。
上記各実施形態では、入球音や操作音を、BGMの拍や裏拍のタイミングに合わせて、そのBGMのコードに合った音高で発音する場合について説明したが、これに代えて、BGMの拍や裏拍のタイミングにかかわらず、第1入球口64への入球や、枠ボタン22の操作があったことが検出されたタイミングで遅滞なく、そのときのBGMのコードに合った音高で、入球音または操作音を発音させてもよい。これにより、BGMを伴奏としたメロディーを入球音や操作音によって構成し、遊技者に聴かせることができる。しかも、そのメロディーは、入球や操作のタイミング、及び、入球数や操作回数によって異なるものとなる。よって、その時々によって入球音や操作音により奏でられる様々なメロディーにより、遊技者を楽しませることができる。
上記各実施形態では、第3図柄表示装置81におけるフレームレート(フレームの更新周期)と、BGMのテンポ(拍の周期)とについて考慮していない。しかしながら、例えば、上記実施形態では、第3図柄表示装置81におけるフレームの更新周期は20ミリ秒である一方、BGMのテンポが160BPMであれば拍の周期が375ミリ秒となるので、厳密には、第3図柄表示装置81におけるフレームの更新タイミングと、BGMの拍のタイミングとに最大で15ミリ秒のずれが生じる。一般的に、画像と音声とのずれは、フレームの更新周期よりも少なければ問題とはならない。ただし、BGMの拍のタイミングに正確に合わせて第3図柄表示装置81に画像を表示させたい場合もあり得る。この場合は、例えば、音声ランプ制御装置113において、第3図柄表示装置81におけるフレームの更新タイミングを監視し、ある拍のタイミングで第3図柄表示装置81に所定の演出画像を表示させ、それに合わせて音を発音させる場合は、その拍のタイミングの直後に訪れるフレームの更新タイミングで、第3図柄表示装置81に所定の演出画像を表示させると共に、音出力LSI301に、その演出画像の表示に応じた音の発音を指示するようにしてもよい。これにより、本来のBGMの拍のタイミングから若干ずれるものの、ほぼ拍のタイミングで、第3図柄表示装置81に所定の演出画像を表示させると共に、その表示に応じた音声を出力させることができる。なお、音声ランプ制御装置113における第3図柄表示装置81におけるフレームの更新タイミングの監視は、例えば、電源が投入された直後に音声ランプ制御装置113が表示制御装置114に対して、第3図柄表示装置81の駆動開始を指示した後、表示制御装置114では、その指示に基づいて第3図柄表示装置81に表示させるフレームの更新を20ミリ秒間隔で行う一方、音声ランプ制御装置113では、その指示から常に20ミリ秒を計数することで行ってもよい。また、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114からV割込信号を受信することで、音声ランプ制御装置113における第3図柄表示装置81におけるフレームの更新タイミングの監視を行うようにしてもよい。
また、BGMの拍の周期が、第3図柄表示装置81におけるフレームの更新周期の倍数となるように、BGMのテンポを代えて音出力LSI301にBGMの再生を指示してもよい。例えば、BGMのテンポが160BPMであった場合、拍の周期が例えば380ミリ秒となるように、BGMのテンポが157.9BPMとなるように、そのBPMの出力を音出力LSI301に対して指示してもよい。これにより、第3図柄表示装置81におけるフレームの更新タイミングと、BGMの拍のタイミングとを常に一致させることができるので、BGMの拍のタイミングに正確に合わせて第3図柄表示装置81に画像を表示させることができる。また、BGMの拍の周期が、第3図柄表示装置81におけるフレームの更新周期の倍数の中で、本来のBGMの拍の周期に最も近い値となるように、BGMのテンポを決めれば、BGMのテンポは大きく変わらないので、違和感なくBGMを遊技者に聴かせることができる。
上記各実施形態では、パチンコ機10の電源がオンされると、音声ランプ制御装置113内のMPU221において実行される立ち上げ処理の中で、RAM223に設けられた各種フラグやメモリ等に初期値が設定され(図23のS1810)、初期化される場合について説明した。つまり、上記各実施形態では、パチンコ機10の電源が一旦オフされ、再びオンされた場合に、音声ランプ制御装置113は必ず初期状態から動作が開始される場合について説明した。これに対し、パチンコ機10の電源がオンされた場合、主制御装置110は、その主制御装置110においてバックアップされていたパチンコ機10の遊技の状態(通常状態、確変状態、時短状態など)や、保留球数をコマンドによって音声ランプ制御装置113へ通知し、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信したコマンドに合わせて、RAM223に設けられた各種フラグやメモリ等に値を設定するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、パチンコ機10の電源がオンされた直後から、主制御装置110にてバックアップされた状態を反映した音声出力、ランプ出力を行い、また、表示制御装置114に対して、主制御装置110にてバックアップされた状態を反映した画像を第3図柄表示装置81に表示させるよう指示することができる。よって、例えば瞬間的な停電が発生した場合に、停電直前の状態から音声出力、ランプ出力、及び、第3図柄表示装置81における画像表示が行われることになるので、遊技者は、安心して遊技を継続することができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な要素に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記各実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記各実施形態において、表示データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、保留球数カウンタ223aの値を1減らす場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理において、変動開始処理(S1207)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値を主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドや、役物の動作開始を指示する役物動作開始コマンドを、音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。このとき、表示制御装置が、主制御装置110から直接受信したコマンドに基づいて、詳細な変動パターンを決定し、その詳細な変動パターンに基づいて、表示制御装置から音声ランプ制御装置に対して、各音声の出力、ランプの点灯・点滅、可動役物の動作開始を指示するコマンドを送信してもよい。このとき、BGMの拍や裏拍のタイミングを、表示制御装置にて管理し、そのBGMの拍や裏拍のタイミングで、表示制御装置から音声ランプ制御装置に対して、各音声の出力、ランプの点灯・点滅、可動役物の動作開始を指示するコマンドを送信してもよい。
さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知するコマンドに代えてフラグを生成し、そのフラグに基づいて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定したり、警告画像などの各種画像データを生成したりしてもよい。また、表示制御装置114で生成して音声ランプ制御装置113に通知する表示種別コマンドに代えて、表示種別フラグを生成し、その表示種別フラグに基づいて、音声の出力、ランプの点灯・点滅、第1役物87の動作を制御してもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞、および、スルーゲート67への球の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。スロットマシンでは、例えば、操作レバーが操作された後の図柄の変動が、BGMの拍のタイミングで開始され、また、その変動開始に合わせて音声が発音されるようにすることで、BGMのリズムに合わせた遊技を遊技者に提供できる。また、コインが投入されたときの投入音や、コインの投入の代わりに予め貯留されたコインの中からベット数を設定するためのベットボタンが操作され、ベット数が設定されたときの設定音が、BGMの拍のタイミングで発音されるようにすることで、BGMのリズムに合わせた遊技を遊技者に提供できる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段と、その出力手段により出力される音楽の拍のタイミングを判断する判断手段と、その判断手段により判断された前記音楽の拍のタイミングに合わせて演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。ここで、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。この出力手段により出力される音楽の拍のタイミングが判断手段により判断される。そして、判断手段により判断された音楽の拍のタイミングに合わせて、演出実行手段により演出が実行される。これにより、音楽のリズムに合わせて演出が行われるので、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機A1において、遊技の進行によって生じる事象の発生を契機として、その事象の発生を報知するための報知音の発音を設定する設定手段を備え、前記演出実行手段は、その設定手段により設定された前記報知音を、前記判断手段により判断された前記音楽の拍のタイミングに合わせて発音させる発音手段であることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。即ち、遊技の進行によって生じる事象の発生を契機として、その事象の発生を報知するための報知音の発音が設定手段により設定される。そして、その設定された報知音が、判断手段により判断された音楽の拍のタイミングに合わせて、発音手段により発音される。つまり、遊技の進行によって生じる事象の発生を報知するために報知音が、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に出力される音楽の拍のタイミングに合わせて発音される。これにより、音楽のリズムに合わせて報知音が発音されるので、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機A2において、遊技の制御を行う主制御手段と、前記出力手段、前記判断手段、及び、前記発音手段を少なくとも有し、前記主制御手段からのコマンドに基づいて音の出力を制御する音制御手段と、を備え、その音制御手段は、前記出力手段により出力される前記音楽の拍の周期を取得する取得手段を備え、前記判断手段は、前記出力手段により前記音楽の出力が開始されてからの時間の経過と、前記取得手段により取得された前記音楽の拍の周期とに基づいて、前記出力手段により出力される音楽の拍のタイミングを判断するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により遊技の制御が行われ、その主制御手段からのコマンドに基づいて、音の出力が音制御手段によって制御される。その音制御手段は、出力手段、判断手段、及び、発音手段を少なくとも有している。ここで、出力手段により出力される音楽の拍の周期が取得手段によって取得される。そして、出力手段により音楽の出力が開始されてからの時間の経過と、取得手段により取得された音楽の拍の周期とに基づいて、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングが、判断手段により判断される。そして、ここで判断された音楽の拍のタイミングに合わせて、設定手段により設定された報知音が、発音手段により発音される。このように、音楽の出力と、その出力された音楽の拍の周期の取得と、その出力された音楽の拍のタイミングの判断と、その判断に基づく音楽の拍のタイミングでの報知音の発音とが、音制御手段の中で行われる。従って、音楽の拍のタイミングを正確に判断し、その正確に判断された音楽の拍のタイミングに正確に合わせて報知音を報知させることができるという効果がある。
遊技機A2において、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段からのコマンドに基づいて前記表示手段における表示を制御する表示制御手段と、前記出力手段、前記判断手段、及び、前記発音手段を少なくとも有し、前記主制御手段からのコマンドと前記表示制御手段からのコマンドとに基づいて、音の出力を制御する音制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記主制御手段からのコマンドに基づいて前記出力手段による前記音楽の出力の開始を判断する出力開始判断手段と、その出力開始判断手段により、前記出力手段による前記音楽の出力の開始が判断された場合に、前記音楽の出力の開始を指示する指示コマンドを前記音制御手段へ送信する送信手段と、その送信手段により送信された前記指示コマンドにより出力の開始が指示された前記音楽の拍の周期を取得する取得手段と、前記送信手段により前記指示コマンドが送信されてからの時間の経過と、前記取得手段により取得された前記音楽の拍の周期とに基づいて、前記出力手段により出力される音楽の拍のタイミングを判断し、前記音制御手段へその拍のタイミングを通知する通知手段と、を備え、前記判断手段は、前記通知手段より前記音楽の拍のタイミングが通知されたことに基づいて、前記出力手段により出力される音楽の拍のタイミングを判断するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により遊技の制御が行われ、その主制御手段からのコマンドに基づいて、表示手段における表示が表示制御手段により制御される。また、主制御手段からのコマンドと表示制御手段からのコマンドに基づいて、音の出力が音制御手段によって制御される。音制御手段において、音の出力が表示制御手段からのコマンドにも基づいて制御されるので、表示手段に表示された画像に合わせて、音を容易に出力させることができる。その音制御手段は、出力手段、判断手段、及び、発音手段を少なくとも有している。ここで、表示制御手段では、主制御手段からのコマンドに基づいて、出力手段による音楽の出力の開始が、出力開始判断手段により判断される。その出力開始判断手段により、出力手段による音楽の出力の開始が判断されると、音楽の出力の開始を指示する指示コマンドが、表示制御手段の送信手段によって、音制御手段へ送信される。また、その送信手段により送信された指示コマンドにより出力の開始が指示された音楽の拍の周期が、表示制御手段の取得手段により取得される。そして、送信手段により前記指示コマンドが送信されてからの時間の経過と、取得手段により取得された前記音楽の拍の周期とに基づいて、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングが判断され、音制御手段へその拍のタイミングが、通知手段により通知される。音制御手段の判断手段では、この通知手段より音楽の拍のタイミングが通知されたことに基づいて、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングが判断される。そして、ここで判断された音楽の拍のタイミングに合わせて、設定手段により設定された報知音が、発音手段により発音される。このように、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングが表示制御手段によって判断され、音制御手段へ通知されることで、出力手段により出力される拍のタイミングに合わせた画像を表示手段に表示させつつ、その拍のタイミングに合わせて報知音を発音できる。よって、BGMのリズムに合った画像を遊技者に見せながら、そのリズムに合わせて報知音を出力することができる。よって、遊技者を映像と音とを通して、出力手段により出力される音楽のリズムに乗せながら遊技を楽しませることができるという効果がある。
遊技機A2〜A4のいずれかにおいて、所定の遊技価値を賭数として設定するための賭数設定手段を備え、前記所定の始動条件は、前記賭数設定手段により前記賭数が設定された状態で、遊技者により操作され得る始動用操作手段が操作されたことを条件とするものであり、前記設定手段は、前記賭数設定手段により前記賭数が設定された場合に、その賭数の設定を報知するための報知音を設定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2〜A4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、賭数設定手段により所定の遊技価値を賭数として設定された状態で、遊技者により始動用操作手段が操作されたことを所定の始動条件として、判定手段により判定が行われ、識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。このとき、賭数設定手段により賭数が設定された場合に、その賭数の設定を報知するための報知音が設定手段により設定される。これにより、その設定された報知音が、判断手段により判断された音楽の拍のタイミングに合わせて、発音手段により発音されるので、即ち、賭数が設定されたことが、音楽のリズムに合わせて発音される報知音によって認識できるので、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、遊技盤と、その遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球を発射するための発射手段と、前記遊技領域に設けられた所定領域を遊技球が通過した場合に、その遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段により前記所定領域の遊技球の通過が検出された場合に、遊技者に所定数の遊技球を払い出す払出手段と、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段と、その出力手段により出力される音楽の拍のタイミングを判断する判断手段と、前記検出手段により前記所定領域の遊技球の通過が検出されたことに基づいて、その所定領域の遊技球の通過を報知するための報知音の発音を設定する設定手段と、その設定手段により設定された前記報知音を、前記判断手段により判断された前記音楽の拍のタイミングに合わせて発音させる発音手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。遊技盤に設けられた遊技領域に向けて発射手段により遊技球が発射され、遊技領域に設けられた所定領域を遊技球が通過した場合に、検出手段によってその遊技球の通過が検出される。そして、検出手段により所定領域の遊技球の通過が検出された場合に、遊技者に所定数の遊技球が払出手段によって払い出される。また、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。この出力手段により出力される音楽の拍のタイミングが判断手段により判断される。一方、検出手段により所定領域の遊技球の通過が検出されたことに基づいて、その所定領域の遊技球の通過を報知するための報知音の発音が設定手段により設定される。そして、その設定された報知音が、判断手段により判断された音楽の拍のタイミングに合わせて、発音手段により発音される。つまり、遊技領域に向けて発射された遊技球が、遊技領域に設けられた所定領域を通過した場合に、その通過を報知する報知音が、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に出力される音楽の拍のタイミングに合わせて発音される。これにより、遊技球の払出をも意味する報知音が音楽のリズムに合わせて発音されるので、遊技者は、遊技球の払出をも意味する報知音をその音楽のリズムに乗りながら聞くことで、遊技に対する楽しさを高めることができる。よって、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記判断手段は、前記出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに加えて、拍を複数等分した場合のその等分された位置のタイミングをも判断するものであり、前記発音手段は、前記設定手段により発音が設定された前記報知音であって、未発音の報知音の数が所定数以上ある場合に、前記判断手段により判断された前記等分された位置のタイミングをも使用して、前記報知音を発音させることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに加えて、拍を複数等分した場合のその等分された位置のタイミングが判断手段により判断される。そして、設定手段により発音が設定された報知音であって、未発音の報知音の数が所定数以上ある場合に、判断手段により判断された、等分された位置のタイミングをも使用して、発音手段によって報知音が発音させられる。これにより、遊技盤の所定領域を遊技球が多く通過した場合は、音楽の拍のタイミングだけでなく、その拍が副数等分された場合のその等分された位置のタイミングでも、報知音が発音されるので、より複雑なリズムを報知音によって刻むことができる。よって、複雑なリズムが刻まれるほど、所定領域を遊技球が通過していること、即ち、多くの遊技球の払い出しが行われることを意味する。従って、出力手段より出力される音楽に対し、報知音が複雑なリズムを刻むことで、そのリズムによって遊技者に楽しませることができると共に、多くの遊技球の払出が行われることを遊技者に容易に報知できるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記所定の始動条件の成立とは、前記検出手段により前記所定領域の遊技球の通過が検出された場合を含むことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、検出手段により前記所定領域の遊技球の通過が検出された場合、それは所定の始動条件の成立となるので、判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与される。これにより、遊技球の払出だけでなく、所定の遊技価値の付与につながる識別情報の動的表示をも意味する報知音が音楽のリズムに合わせて発音されるので、遊技者は、その報知音をその音楽のリズムに乗りながら聞くことで、遊技に対する期待感を高めることができる。よって、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機B1〜B3のいずれかにおいて、前記検出手段は、前記遊技領域に設けられ、遊技者に所定の遊技価値が付与される期間のみ遊技球が通過可能に構成された領域を、遊技球が通過した場合に、その遊技球の通過を検出するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1〜B3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域に設けられ、遊技者に所定の遊技価値が付与される期間のみ遊技球が通過可能に構成された領域を、遊技球が通過した場合に、その遊技球の通過が、検出手段によって検出される。そして、検出手段によりこの領域の遊技球の通過が検出されたことに基づいて、その遊技球の通過を報知するための報知音の発音が設定手段により設定される。そして、その設定された報知音が、判断手段により判断された音楽の拍のタイミングに合わせて、発音手段により発音される。このように、遊技者に所定の遊技価値が付与される期間において、その期間のみ遊技球が通過可能に構成された領域を遊技球が通過した場合に、報知音が音楽のリズムに合わせて発音される。この報知音は、所定の遊技価値が付与される期間における特別な領域への遊技球の通過を報知するものとなるので、遊技者は、その報知音を音楽のリズムに合わせながら喜びをもって聞くことができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段と、遊技の進行によって生じる事象の発生を契機として、その事象の発生を報知するための報知音を発音させる発音手段と、を備え、その発音手段は、その発音させるタイミングにおける前記音楽のコードを特定するコード特定手段と、そのコード特定手段により特定されたコードに基づいて、その発音させる前記報知音の音高を決定する音高決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。また、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。一方、遊技の進行によって生じる事象の発生を契機として、その事象の発生を報知するための報知音が、発音手段により発音される。このとき、報知音が発音されるタイミングにおける音楽のコードがコード特定手段により特定され、その特定されたコードに基づいて、その発音させる報知音の音高が、音高決定手段により決定される。これにより、報知音は、単に音楽のリズムに合わせて発音されるだけでなく、音楽のコード進行に合った音高で発音される。よって、音楽に合ったメロディーが報知音によって奏でられる。よって、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記音高決定手段は、前記発音させる前記報知音の音高を、前記コード特定手段により特定されたコードを構成する構成音の中から決定することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発音させる報知音の音高が、コード特定手段により特定されたコードを構成する構成音の中から、音高決定手段により決定されるので、報知音は、音楽のコードと和音が形成される音高で発音される。よって、音楽と和音を構成する気持ちのよいメロディーを報知音によって奏でることができ、遊技者を楽しませることができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記音高決定手段は、前記コード特定手段により特定されたコードが、そのタイミングにおいて新たなコードに変更されたものである場合に、そのタイミングで発音させる前記報知音の音高として、前記コードのルート音を決定することを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、コード特定手段によりコードを特定する場合に、その特定されたコードが、そのタイミングにおいて新たなコードに変更されたものであれば、そのタイミングで発音させる報知音の音高として、そのコードのルート音が音高決定手段により決定される。音楽のコードが変更された拍のタイミングで、コードのルート音以外の音高の音が報知音として出力されると、遊技者は、その報知音をコードからはずれた音として認識し、遊技者に違和感を感じさせるおそれがある。これに対し、ルート音を音高とする報知音を発音させることで、報知音を変更後のコードに合った音として遊技者に聴かせることができる。よって、遊技者にとって聴き心地のよい音を聴かせることができるという効果がある。
遊技機C1〜C3のいずれかにおいて、前記コード特定手段は、その発音させるタイミングにおける前記音楽のコードと合わせて、その発音させるタイミングよりも前に報知音の発音がなされたタイミングにおける前記音楽のコードと、その発音させるタイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける前記音楽のコードとを特定し、前記音高決定手段は、前記コード特定手段により特定された各コードがいずれも同じコードであり、この発音させるタイミングよりも前に発音された報知音の音高が前記コードの構成音であった場合、このタイミングで発音させる前記報知音の音高として、前記コードの経過音を決定することを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1〜C3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、今回の発音させるタイミングにおける音楽のコードと合わせて、その発音させるタイミングよりも前に報知音の発音がなされたタイミングにおける音楽のコードと、その発音させるタイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける音楽のコードとが、コード特定手段により特定される。そして、特定された各コードがいずれも同じコードであり、この発音させるタイミングよりも前に発音された報知音の音高がコードの構成音であった場合は、このタイミングで発音させる報知音の音高として、コードの経過音が、音高決定手段により決定される。これにより、音楽のコードの構成音を音高とする報知音に交えて、コードの経過音を音高とする報知音を挿入しながら、報知音を発音させることにより、音楽を伴奏とした報知音によるメロディーにバリエーションを持たせることができる。よって、報知音によるメロディーが単調にならず、遊技者を飽きさせない音声出力を行うことができるという効果がある。
遊技機C4において、前記音高決定手段は、前記経過音を音高とする報知音の発音タイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける該報知音の音高として、前記コードの構成音を決定することを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の効果に加え、経過音を音高とする報知音の発音タイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける該報知音の音高として、コードの構成音が音高決定手段により決定される。これにより、コードの経過音を音高とする報知音が、コードの構成音を音高とする報知音に挟まれて発音されるので、コードの経過音を音高とする報知音が発音された場合であっても、その報知音によって奏でられるメロディーが音楽のコードにあったものとして、違和感なく遊技者に聴かせることができるという効果がある。
遊技機C4又はC5において、前記音高決定手段は、前記コード特定手段により特定された各コードがいずれも同じコードであり、この発音させるタイミングよりも前に発音された報知音の音高が前記コードの構成音であった場合、前記コードと、前記構成音の音高と、前記音楽の主調とに基づいて、このタイミングで発音させる前記報知音の音高として、経過音の音高を演算より算出するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4又はC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、コード特定手段により特定された各コード、つまり、発音させるタイミングにおける音楽のコードと、その発音させるタイミングよりも前に報知音の発音がなされたタイミングにおける音楽のコードと、その発音させるタイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける音楽のコードとが、いずれも同じコードであり、この発音させるタイミングよりも前に発音された報知音の音高がコードの構成音であった場合、音高決定手段によって、該コードと、該構成音の音高と、音楽の主調とに基づいて、このタイミングで発音させる報知音の音高として、経過音の音高が演算により算出される。よって、経過音を決定するために、音楽のコードと、前に発音された構成音の音高と、音楽の主調とに対応付けて経過音を決定するためのテーブルを用意する必要がないので、そのテーブルを記憶させるためのメモリ領域が不要となる。よって、メモリの記憶容量の増大を抑制できるという効果がある。
遊技機C1〜C6のいずれかにおいて、遊技盤と、その遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球を発射するための発射手段と、前記遊技領域に設けられた所定領域を遊技球が通過した場合に、その遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段により前記所定領域の遊技球の通過が検出された場合に、遊技者に所定数の遊技球を払い出す払出手段と、を備え、前記発音手段は、前記検出手段により前記所定領域の遊技球の通過が検出されたことに基づいて、その所定領域の遊技球の通過を報知するための報知音を発音させるものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1〜C6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて発射手段により遊技球が発射され、遊技領域に設けられた所定領域を遊技球が通過した場合に、検出手段によってその遊技球の通過が検出される。そして、検出手段により所定領域の遊技球の通過が検出された場合に、遊技者に所定数の遊技球が払出手段によって払い出される。また、検出手段により所定領域の遊技球の通過が検出されたことに基づいて、その所定領域の遊技球の通過を報知するための報知音が、発音手段により発音される。このとき、報知音が発音されるタイミングにおける音楽のコードがコード特定手段により特定され、その特定されたコードに基づいて、その発音させる報知音の音高が、音高決定手段により決定される。これにより、所定数の遊技球が払出手段により払い出されることになる所定領域に遊技球が通過する度に、その報知音が、音楽のコード進行に合った音高で発音される。よって、その報知音によって奏でられる音楽のコード進行に合ったメロディーにより、遊技者は遊技球が払い出される喜びを更に高めることができるという効果がある。
遊技機C1〜C7のいずれかにおいて、その出力手段により出力される音楽の拍のタイミングを判断する判断手段と、遊技の進行によって生じる事象の発生を契機として、その事象の発生を報知するための前記報知音の発音を設定する設定手段と、を備え、前記発音手段は、前記設定手段により設定された前記報知音を、前記判断手段により判断された前記音楽の拍のタイミングに合わせて発音させることを特徴とするC8。
遊技機C8によれば、遊技機C1〜C7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングが判断手段により判断される。また、遊技の進行によって生じる事象の発生を契機として、その事象の発生を報知するための報知音の発音が設定手段により設定される。そして、その設定された報知音が、判断手段により判断された音楽の拍のタイミングに合わせて、発音手段により発音される。つまり、報知音が、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に出力される音楽の拍のタイミングに合わせて発音される。これにより、音楽のリズムとコードにあったメロディーが報知音により奏でられるので、遊技者は、遊技に対する楽しさを高めることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段と、その出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、前記表示手段に新たな画像の表示、画像の停止、または、画像の消去を制御する表示制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。ここで、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。この出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、表示手段に新たな画像の表示、画像の停止、または、画像の消去が、表示制御手段によって制御される。つまり、出力手段により出力される音楽のリズムに合わせて、表示手段に新たな画像が表示され、画像が停止され、または、画像が消去される。これにより、音楽のリズムに合わせて表示手段に表示される画像を視認できるので、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記表示制御手段は、前記出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、前記動的表示実行手段により実行中の前記識別情報の動的表示を1回以上、擬似的に停止表示させる制御を行うことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、動的表示実行手段により実行中の識別情報の動的表示を1回以上、擬似的に停止表示させる制御が、表示制御手段によって行われる。これにより、音楽のリズムと一体となって、識別情報の動的表示が、擬似的な停止表示を繰り返しながら、例えば、大当たりとなる期待度を高めていく演出を遊技者に見せることができ、音楽のリズムと合わせて、遊技への興趣を高めていくことができる。このように、識別情報の動的表示も音楽のリズムに合わせて行われるような感覚を遊技者に与えることができるので、リズミカルな遊技を行わせることができ、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記表示制御手段の制御により、前記表示手段にて行われる新たな画像の表示、画像の停止、または、画像の消去に合わせて発音すべき音を設定する設定手段と、その設定手段により設定された前記音を、前記出力手段より出力される音楽の拍のタイミングに合わせて発音させる発音手段と、を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示制御手段の制御により、表示手段にて行われる新たな画像の表示、画像の停止、または、画像の消去に合わせて発音すべき音が、設定手段により設定される。そして、設定された音が、出力手段より出力される音楽の拍のタイミングに合わせて発音手段により発音される。これにより、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、表示手段に新たな画像の表示、画像の停止、または、画像の消去が行われるだけでなく、それに合わせた音も、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて発音される。よって、音楽のリズムに合わせて表示手段に表示される画像を視認するだけでなく、音も合わせて聴くことができるので、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段を備え、前記動的表示実行手段は、前記出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、前記識別情報の動的表示における、その識別情報の視認不能状態を開始する開始手段を備えることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。ここで、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。この出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、識別情報の動的表示における、その識別情報の視認不能状態が開始手段によって開始される。よって、識別情報の動的表示が、音楽の拍のタイミングで開始されるように遊技者に見せることができ、識別情報の動的表示を、音楽のリズムに合わせて行われるような感覚に遊技者をさせることができる。従って、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記開始手段は、前記識別情報の動的表示の開始タイミングが、前記音楽の拍のタイミングと異なる場合に、前記開始タイミングから前記音楽の拍のタイミングとなるまで前記識別情報を視認可能な状態で動的表示させ、前記音楽の拍のタイミングに合わせて、前記識別情報の動的表示における、その識別情報の視認不能状態を開始することを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示の開始タイミングが、音楽の拍のタイミングと異なる場合に、その開始タイミングから音楽の拍のタイミングとなるまで識別情報を視認可能な状態で動的表示させ、音楽の拍のタイミングに合わせて、識別情報の動的表示における、その識別情報の視認不能状態を開始するように、開始手段が識別情報の動的表示を実行する。これにより、遊技者には、識別情報の動的表示の開始タイミングが、音楽の拍のタイミングと異なっていても、音楽の拍のタイミングに合わせて、識別情報の動的表示が開始されたかのように見せることができる。よって、識別情報の動的表示が、音楽のリズムに合わせて行われるような感覚に遊技者をさせることができるという効果がある。
遊技機E1又はE2において、前記動的表示実行手段は、前記出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、前記識別情報の動的表示における停止表示を実行する停止表示実行手段を備えることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、識別情報の動的表示における停止表示が、停止表示実行手段によって実行される。よって、識別情報の動的表示が、音楽の拍のタイミングで停止表示されるように遊技者に見せることができ、識別情報の動的表示を、音楽のリズムに合わせて行われるような感覚に遊技者をさせることができる。従って、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機E3において、前記停止表示実行手段は、前記識別情報の動的表示の停止表示タイミングが、前記音楽の拍のタイミングと異なる場合に、前記音楽の拍のタイミングで前記識別情報の動的表示を擬似的に停止表示させ、続いて前記識別情報を視認可能な状態で動的表示させた後、前記停止表示タイミングで前記識別情報の動的表示を停止表示させることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示の停止表示タイミングが、音楽の拍のタイミングと異なる場合に、音楽の拍のタイミングで識別情報の動的表示を擬似的に停止表示させ、続いて識別情報を視認可能な状態で動的表示させた後、停止表示タイミングで識別情報の動的表示を停止表示させるように、停止表示実行手段が識別情報の動的表示を実行する。これにより、遊技者には、識別情報の動的表示の停止表示タイミングが、音楽の拍のタイミングと異なっていても、音楽の拍のタイミングに合わせて、識別情報の動的表示が停止表示されたかのように見せることができる。よって、識別情報の動的表示が、音楽のリズムに合わせて行われるような感覚に遊技者をさせることができるという効果がある。
遊技機E1〜E4のいずれかにおいて、前記出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、前記開始手段により開始される、前記識別情報の動的表示におけるその識別情報の視認不能状態は、識別情報を高速に動的表示させる状態であることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1〜E4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音楽の拍のタイミングに合わせて、識別情報の高速な動的表示が開始手段によって開始される。よって、識別情報の動的表示が、音楽の拍のタイミングで開始されるように遊技者に見せることができ、識別情報の動的表示を、音楽のリズムに合わせて行われるような感覚に遊技者をさせることができる。従って、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、遊技者により操作され得る操作手段と、その操作手段が操作されたことを検出する操作検出手段と、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段と、その出力手段により出力される音楽の拍のタイミングを判断する判断手段と、前記操作検出手段により前記操作手段の操作が検出されたことに基づいて、その操作があったことを報知するための報知音の発音を設定する設定手段と、その設定手段により設定された前記報知音を、前記判断手段により判断された前記音楽の拍のタイミングに合わせて発音させる発音手段と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。また、遊技者により操作され得る操作手段が設けられ、操作手段が操作された場合に、その操作が操作検出手段によって検出される。一方、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。この出力手段により出力される音楽の拍のタイミングが判断手段により判断される。ここで、操作検出手段により操作手段の操作が検出されたことに基づいて、その操作があったことを報知するための報知音の発音が設定手段により設定される。そして、その設定された報知音が、判断手段により判断された音楽の拍のタイミングに合わせて、発音手段により発音される。つまり、遊技者が操作手段を操作すると、報知音が音楽の拍のタイミングに合わせて発音される。これにより、遊技者は、報知音をその音楽のリズムに乗りながら聞くことで、遊技に対する楽しさを高めることができる。また、音楽のリズムに乗った報知音を聴くために、操作手段の操作を楽しませることができ、また、積極的に操作手段を操作させることができる。よって、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記判断手段は、前記出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに加えて、拍を複数等分した場合のその等分された位置のタイミングをも判断するものであり、前記発音手段は、前記設定手段により発音が設定された前記報知音であって、未発音の報知音の数が所定数以上ある場合に、前記判断手段により判断された前記等分された位置のタイミングをも使用して、前記報知音を発音させることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに加えて、拍を複数等分した場合のその等分された位置のタイミングが判断手段により判断される。そして、設定手段により発音が設定された報知音であって、未発音の報知音の数が所定数以上ある場合に、判断手段により判断された、等分された位置のタイミングをも使用して、発音手段によって報知音が発音させられる。これにより、遊技者による操作手段の操作が短い間隔で複数回行われた場合は、音楽の拍のタイミングだけでなく、その拍が副数等分された場合のその等分された位置のタイミングでも、報知音が発音されるので、より複雑なリズムを報知音によって刻むことができる。よって、出力手段より出力される音楽に対し、報知音が複雑なリズムを刻むことで、そのリズムによって遊技者に楽しませることができると共に、その複雑なリズムによる報知音を聴くために、積極的に操作手段を遊技者に操作させることができるという効果がある。
遊技機F1又はF2において、前記発音手段は、その発音させるタイミングにおける前記音楽のコードを特定するコード特定手段と、そのコード特定手段により特定されたコードに基づいて、その発音させる前記報知音の音高を決定する音高決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知音が発音されるタイミングにおける音楽のコードがコード特定手段により特定され、その特定されたコードに基づいて、その発音させる報知音の音高が、音高決定手段により決定される。これにより、報知音は、単に音楽のリズムに合わせて発音されるだけでなく、音楽のコード進行に合った音高で発音される。よって、音楽に合ったメロディーが報知音によって奏でられる。よって、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。また、そのメロディーを聴くために、積極的に操作手段を遊技者に操作させることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、遊技者により操作され得る操作手段と、その操作手段が操作されたことを検出する操作検出手段と、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段と、前記操作検出手段により前記操作手段の操作が検出されたことに基づいて、その操作があったことを報知するための報知音を発音させる発音手段と、を備え、その発音手段は、その発音させるタイミングにおける前記音楽のコードを特定するコード特定手段と、そのコード特定手段により特定されたコードに基づいて、その発音させる前記報知音の音高を決定する音高決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。また、遊技者により操作され得る操作手段が設けられ、操作手段が操作された場合に、その操作が操作検出手段によって検出される。一方、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。そして、操作検出手段により操作手段の操作が検出されたことに基づいて、その操作があったことを報知するための報知音が、発音手段により発音される。このとき、報知音が発音されるタイミングにおける音楽のコードがコード特定手段により特定され、その特定されたコードに基づいて、その発音させる報知音の音高が、音高決定手段により決定される。これにより、報知音は、単に音楽のリズムに合わせて発音されるだけでなく、音楽のコード進行に合った音高で発音される。よって、音楽に合ったメロディーが報知音によって奏でられる。よって、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。また、そのメロディーを聴くために、積極的に操作手段を遊技者に操作させることができるという効果がある。
遊技機F3又はF4において、前記音高決定手段は、前記発音させる前記報知音の音高を、前記コード特定手段により特定されたコードを構成する構成音の中から決定することを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F3又はF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発音させる報知音の音高が、コード特定手段により特定されたコードを構成する構成音の中から、音高決定手段により決定されるので、報知音は、単に音楽のリズムに合わせて発音されるだけでなく、音楽のコードと和音が形成される音高で発音される。よって、音楽と和音を構成する気持ちのよいメロディーを報知音によって奏でることができ、遊技者を楽しませることができるという効果がある。
遊技機F3〜F5のいずれかにおいて、前記音高決定手段は、前記コード特定手段により特定されたコードが、そのタイミングにおいて新たなコードに変更されたものである場合に、そのタイミングで発音させる前記報知音の音高として、前記コードのルート音を決定することを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F3〜F6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、コード特定手段によりコードを特定する場合に、その特定されたコードが、そのタイミングにおいて新たなコードに変更されたものであれば、そのタイミングで発音させる報知音の音高として、そのコードのルート音が音高決定手段により決定される。音楽のコードが変更された拍のタイミングで、コードのルート音以外の音高の音が報知音として出力されると、遊技者は、その報知音をコードからはずれた音として認識し、遊技者に違和感を感じさせるおそれがある。よって、遊技者に操作手段の操作をやめさせてしまうおそれがある。これに対し、ルート音を音高とする報知音を発音させることで、報知音を変更後のコードに合った音として遊技者に聴かせることができる。よって、遊技者にとって聴き心地のよい音を聴かせることができるという効果がある。
遊技機F3〜F6のいずれかにおいて、前記コード特定手段は、その発音させるタイミングにおける前記音楽のコードと合わせて、その発音させるタイミングよりも前に報知音の発音がなされたタイミングにおける前記音楽のコードと、その発音させるタイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける前記音楽のコードとを特定し、前記音高決定手段は、前記コード特定手段により特定された各コードがいずれも同じコードであり、この発音させるタイミングよりも前に発音された報知音の音高が前記コードの構成音であった場合、このタイミングで発音させる前記報知音の音高として、前記コードの経過音を決定することを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F3〜F6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、今回の発音させるタイミングにおける音楽のコードと合わせて、その発音させるタイミングよりも前に報知音の発音がなされたタイミングにおける音楽のコードと、その発音させるタイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける音楽のコードとが、コード特定手段により特定される。そして、特定された各コードがいずれも同じコードであり、この発音させるタイミングよりも前に発音された報知音の音高がコードの構成音であった場合は、このタイミングで発音させる報知音の音高として、コードの経過音が、音高決定手段により決定される。これにより、音楽のリズムに合わせつつ、その音楽のコードの構成音を音高とする報知音に交えて、コードの経過音を音高とする報知音を挿入しながら、報知音を発音させることにより、音楽を伴奏とした報知音によるメロディーにバリエーションを持たせることができる。よって、報知音によるメロディーが単調にならず、遊技者を飽きさせない音声出力を行うことができるという効果がある。
遊技機F7において、前記音高決定手段は、前記経過音を音高とする報知音の発音タイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける該報知音の音高として、前記コードの構成音を決定することを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の効果に加え、経過音を音高とする報知音の発音タイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける該報知音の音高として、コードの構成音が音高決定手段により決定される。これにより、コードの経過音を音高とする報知音が、コードの構成音を音高とする報知音に挟まれて発音されるので、コードの経過音を音高とする報知音が発音された場合であっても、その報知音によって奏でられるメロディーが音楽のコードにあったものとして、違和感なく遊技者に聴かせることができるという効果がある。
遊技機F7又はF8において、前記音高決定手段は、前記コード特定手段により特定された各コードがいずれも同じコードであり、この発音させるタイミングよりも前に発音された報知音の音高が前記コードの構成音であった場合、前記コードと、前記構成音の音高と、前記音楽の主調とに基づいて、このタイミングで発音させる前記報知音の音高として、経過音の音高を演算より算出するものであることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F7又はF8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、コード特定手段により特定された各コード、つまり、発音させるタイミングにおける音楽のコードと、その発音させるタイミングよりも前に報知音の発音がなされたタイミングにおける音楽のコードと、その発音させるタイミングよりも後に報知音の発音がなされるタイミングにおける音楽のコードとが、いずれも同じコードであり、この発音させるタイミングよりも前に発音された報知音の音高がコードの構成音であった場合、音高決定手段によって、該コードと、該構成音の音高と、音楽の主調とに基づいて、このタイミングで発音させる報知音の音高として、経過音の音高が演算により算出される。よって、経過音を決定するために、音楽のコードと、前に発音された構成音の音高と、音楽の主調とに対応付けて経過音を決定するためのテーブルを用意する必要がないので、そのテーブルを記憶させるためのメモリ領域が不要となる。よって、メモリの記憶容量の増大を抑制できるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、遊技の進行に基づいて動作する可動役物と、その可動役物を駆動する駆動手段と、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段と、その出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、前記可動役物が動作するように駆動手段を制御する駆動制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。また、遊技の進行に基づいて動作する可動役物が設けられており、駆動手段により可動役物が駆動される。ここで、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。この出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、可動役物が動作するように駆動手段が駆動制御手段によって制御される。これにより、音楽のリズムに合わせて可動役物が動作するので、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、遊技の進行に基づいて点灯または点滅する発光手段と、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段と、その出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、前記発光手段が点灯または点滅するように制御する発光制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。また、遊技の進行に基づいて点灯または点滅する発光手段が設けられている。ここで、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。この出力手段により出力される音楽の拍のタイミングに合わせて、発光手段が点灯または点滅するように発光制御手段によって制御される。これにより、音楽のリズムに合わせて発光手段が点灯または点滅するので、遊技者は、その音楽のリズムに乗って遊技を行うことができ、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段とを備え、動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に音楽を出力する出力手段と、遊技の進行によって生じる事象の発生を契機として、その事象の発生を報知するための報知音を発音させる発音手段と、を備え、その発音手段は、前記出力手段により出力される音楽の主調を特定する主調特定手段と、その発音させるタイミングにおける前記音楽のコードを特定するコード特定手段と、そのコード特定手段により特定されたコードと、前記主調特定手段により特定された主調とに基づいて、その発音させる前記報知音の音高を決定する音高決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、所定の始動条件の成立を契機として判定手段により判定が行われ、その判定結果に基づいて、表示手段に識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合、遊技者に所定の遊技価値が付与されることで、遊技者に興趣を与える。また、少なくとも遊技者による遊技が行われている期間中に、出力手段によって音楽が出力される。一方、遊技の進行によって生じる事象の発生を契機として、その事象の発生を報知するための報知音が、発音手段により発音される。このとき、出力手段により出力される音楽の主調が主調特定手段より特定され、報知音が発音されるタイミングにおける音楽のコードがコード特定手段により特定される。そして、その特定されたコードと音楽の主調とに基づいて、その発音させる報知音の音高が、音高決定手段により決定される。これにより、報知音は、音楽の主調により定まる音階に則って、コード進行に合った音高で発音されるので、音楽に合ったメロディーが報知音によって奏でられる。よって、遊技に対する興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機H1において、前記音高決定手段は、そのコード特定手段により特定されたコードと、前記主調特定手段により特定された主調とに基づいて、前記主調の主音と前記コードとの関係から、前記主調により定まる音階に従って、報知音の音高を算出することを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、コード特定手段により特定されたコードと、主調特定手段により特定された主調とに基づいて、主調の主音と前記コードとの関係から、主調により定まる音階に従って、報知音の音高が、音高決定手段により算出される。このように算出によって音高を決定できるのは、音楽に対して設定された主調に応じて定まる音階が、その主調の主音の高さが変わるだけで、音階を構成する各音の音程(音の高さの関係)は、常に一定であるからである。そのため、音高を決定するためのテーブルを用意する必要がなく、そのテーブルを記憶させるためのメモリ領域が不要となる。よって、メモリの記憶容量の増大を抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A5,B1〜B4,C1〜C8,D1〜D3,E1〜E5,F1〜F9,G1,G2,H1,H2のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機I1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1〜A5,B1〜B4,C1〜C8,D1〜D3,E1〜E5,F1〜F9,G1,G2,H1,H2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機I2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1〜A5,B1〜B4,C1〜C8,D1〜D3,E1〜E5,F1〜F9,G1,G2,H1,H2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機I3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。