JP2014198096A - 光刺激装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】着用者に眩しさを感じさせることなく、黄斑部の周囲の網膜面にのみ光を照射することが可能な光刺激装置を提供する。【解決手段】光刺激装置10は、着用者の眼部に着用されるメガネ型のフレーム12と、フレーム12に保持されたレンズ11に設けられ、フレーム12を着用者が着用したとき、着用者の瞳孔の前方に位置する透過部19と、透過部19の周囲に設けられ、フレーム12を着用した着用者が透過部19を介して前方を視るとき、着用者の黄斑部の周囲の網膜面に光を照射する面光源15とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、光刺激装置に関する。
光刺激装置が照射する高照度の光で刺激して、生体リズムや睡眠覚醒リズムを調整する高照度光療法が知られている。高照度光療法によって、良質な睡眠がとれるようになり、様々な疾患の症状に良い影響があることが報告されている。
市販の光刺激装置は、例えば特許文献1に記載されているように床置き型であり、使い勝手が悪い。そこで、眼鏡式の光刺激装置が提案されている。例えば特許文献2には、着用者の眼の前方少し下方に2個のLEDが左右に間隔を隔てて配置されている光刺激装置が記載されている。LEDから発光される青色光が網膜面の一部を刺激する。
しかしながら、上記特許文献2に記載の眼鏡式の光刺激装置においては、高輝度の点光源であるLEDを使用しているので、視る方向が少しでもずれると、着用者は光を直視して眩しさを感じる。また、点光源であるため、光照射される網膜面の領域が狭く、光刺激の効果が低い。
本発明は、以上の点に鑑み、網膜面の広い範囲に低輝度の光を照射でき、かつ黄斑部への照射を避けて着用者に眩しさを感じさせない光刺激装置を提供することを目的とする。
本発明は、着用者の網膜面に光を照射する光刺激装置であって、前記着用者の眼部に着用されるフレームと、前記フレームに設けられ、前記フレームを前記着用者が着用したとき、前記着用者の瞳孔の前方に位置する透過部と、前記透過部の周囲に設けられ、前記フレームを着用した前記着用者が前記透過部を介して前方を視るとき、前記着用者の黄斑部の周囲の網膜面に光を照射する面光源とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、面光源から照射された光は着用者の瞳孔を介して眼球内に入るが、フレームを着用した着用者が透過部を介して前方を視る状態にあるとき、着用者の黄斑部の周囲の網膜面に光が照射されるが、黄斑部には光が照射されない。よって、着用者は、眩しさを感じることなく、黄斑部の周囲の網膜面に光刺激を受けることができる。
さらに、上記特許文献2に記載の光刺激装置におけるLEDと比較して面光源は単位面積当たりの輝度が低くても、網膜面の照度を同程度とすることができる。よって、面光源の単位面積当たりの輝度はLEDより低く、視る方向が少しずれても、着用者は然程眩しさを感じない。
さらに、上記特許文献2に記載の光刺激装置の2個のLEDで照射される領域と比較して、面光源で照射される網膜面の領域は広い。よって、光刺激の効果が優れたものとなる。
さらに、着用者は、面光源が設けられていない透過部を介して前方を視ることができるので、読書などを行いながら、光刺激を受けることが可能となる。なお、着用者の眼部に着用されるフレームとは、着用者の頭部や顔部、又はスタンドなどにフレームが装着されて、着用者の眼部の前方にフレームが配置されることを意味する。
本発明において、例えば、前記面光源は、有機ELであればよい。
また、本発明において、例えば、前記面光源は、点光源と、前記点光源から導入した光を面状に広げて光出射面から出射させる導光板又は前記点光源が発光した光を面状に拡散して光出射面から出射させる拡散カバーとを備えていてもよい。点光源は、例えばLEDである。
また、本発明において、前記フレームは、眼鏡型フレームであり、前記フレームが保持するレンズの中央部分が前記透過部となり、前記面光源は前記透過部を取り囲むように、前記レンズに固定されていることが好ましい。
この場合、着用者は通常の眼鏡と同様にフレームを着用するだけで、着用者が前方を視るとき、黄斑部の周囲の網膜面に広く光が照射され、黄斑部には光が照射されないようにすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る光刺激装置10について図面を参照して説明する。
図1に示すように、光刺激装置10は、眼鏡型であり、左右の2枚のレンズ11と、レンズ11を保持する眼鏡型のフレーム12と、フレーム12のブリッジ部分に取り付けられた鼻パッド13と、フレーム12の左右両端にヒンジによって開閉自在にそれぞれ取り付けられたテンプル14とを備えている。光刺激装置10は、通常の眼鏡と同様の方法で着用者の頭部に着用される。
レンズ11は、通常の眼鏡又はサングラスと同様に、樹脂、ガラスなどから形成されており、透明又は略透明である。レンズ11は度無しレンズでよい。また、レンズ11は、サングラスで使用されるレンズのように低透明度であってもよい。フレーム12、鼻パッド13及びテンプル14は、通常の眼鏡又はサングラスと同様に、金属、樹脂、木材などから形成されている。
さらに、光刺激装置10は、面光源15、面光源15に電力を供給するバッテリなどの電源ユニット16、電源ユニット16から面光源15に供給する電力をオン・オフするスイッチ17、及び電源ユニット16から面光源15に供給する電力量を調整するコントローラ18を備えている。
例えば、電源ユニット16、スイッチ17及びコントローラ18は、着用者の胸部、腰部などに装着される。また、電源ユニット16、スイッチ17及びコントローラ18を、フレーム12のブリッジ部や耳掛け部などに設けてもよい。
レンズ11の裏面、即ち、光刺激装置10を着用した着用者の眼に近い面に、面光源15が配置されている。面光源15で周囲を取り囲まれた部分は、透過部19であり、空間又は透明或いは略透明となっている。
なお、面光源15をレンズ11の表面側に配置してもよい。ただし、面光源15をレンズ11の裏面側に配置すれば、面光源15が眼に近づくので、透過部19を小さくでき、面光源15から照射される光の多くが着用者の眼内に入り、効率が良い。また、面光源15は、図1では円環状であるが、その形状は、円環状に限定されず、楕円形、卵形、及びこれらに類似した形状であってもよい。
面光源15は、ここでは、有機EL(Electro Luminescence)パネル又は有機ELフィルムなどの有機EL照明である。面光源15は、自然光に近い白色光源又は擬似白色光源であることが好ましい。
面光源15は、輝度が15000cd/m2以下、色温度が約4000K〜6000Kの間で可変、演色性が平均演色評価数Raで90以上であることが好ましい。
図2に示すように、光刺激装置10を着用したとき、着用者の角膜と面光源15との距離は距離Lとなる。距離Lは、例えば、10mm〜15mm程度、好ましくは12mm程度である。そして、円環状の面光源15で取り込まれる透過部19の中心は、着用者の瞳孔の前方、又は瞳孔から少し下方の前方に位置する。
ここで、室内での瞳孔径2mm〜5mm、眼球の直径23mm〜24mm、黄斑の直径1.5mm〜2mmを有する標準的な日本人を着用者として想定する。この場合、面光源15の外径D1を30mm、面光源15の内径、即ち透過部19の外形D2を10mm、距離Lを12mmとすれば、円環状の面光源15から照射された光は着用者の瞳孔を介して眼球内に入り、広い範囲の網膜面Bには照射されるが、黄斑部Aには照射されない。
このように、光刺激装置10を通常の眼鏡と同様に着用者が着用するだけで、黄斑部Aには光が照射されないので着用者が眩しさを感じることがない。さらに、広い範囲の網膜面Bに光が照射され、光刺激は効率良く効果的なものとなる。また、着用者の視る方向が少しずれても、面光源15の輝度は低いので、然程眩しさを感じない。
さらに、光刺激装置10を着用した着用者は、面光源15で取り囲まれた透過部19を介して前方を視ることができるので、読書などを行いながら、光刺激を受けることが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る光刺激装置20について図面を参照して説明する。図3に示すように、光刺激装置20は、前述した光刺激装置10とは、面光源15が、点光源であるLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)21を光源とする面光源22から構成されることのみが相違する。
図4に示すように、面光源22は、LED21と、LED21から導入した光を面状に広げて光出射面から出射させる導光板23と、導光板23の光出射面に対向させて配置された拡散板24と、導光板23の光出射面と反対側の面に配置された反射板25とから構成されている。そして、導光板23及び拡散板24は円環状に形成されている。
LED21は、自然光(波長帯380nm〜780nm)に近い白色光又は擬似白色光を発光するLEDであることが好ましい。
一般的な白色LED又は擬似白色LEDは、眼に有害といわれる青色光(波長帯450nm〜500nm程度)の割合が非常に大きい。そこで、特性の異なる複数のLEDを組み合せて青色光成分の割合を抑えて自然光に近い光を構成することが好ましい。例えば、RGB成分の光をそれぞれ発光するLED、低色温度の白色光を発光するLED、高色温度の白色光を発光するLEDなど、複数種類のLEDを組み合せて、LED21を構成すればよい。
一般的な白色LED又は擬似白色LEDは、眼に有害といわれる青色光(波長帯450nm〜500nm程度)の割合が非常に大きい。そこで、特性の異なる複数のLEDを組み合せて青色光成分の割合を抑えて自然光に近い光を構成することが好ましい。例えば、RGB成分の光をそれぞれ発光するLED、低色温度の白色光を発光するLED、高色温度の白色光を発光するLEDなど、複数種類のLEDを組み合せて、LED21を構成すればよい。
また、青色光を減退させる機能を有するフィルタをレンズ11に貼り付けてもよい。さらに、レンズ11の表面側に面光源15を設ける場合には、青色光を減退させる機能を有するフィルタをレンズ11に貼り付けてもよい。
このように構成された光刺激装置20は、光刺激装置10と同様の作用効果を奏する。なお、導光板23の代わりに、LED21が発光した光を面状に拡散して光出射面から出射させる拡散カバーを用いてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、光刺激装置10,20が眼鏡型である場合について説明した。しかし、これに限定されず、光刺激装置10,20は、ゴーグル型、サンバイザー型、帽子型、ヘルメット型、額帯鏡類似の型などであってもよい。
また、面光源15,22をレンズ11の表面に設ける場合について説明した。しかし、これに限定されず、面光源15,22をレンズ11の裏面に設けてもよく、面光源15,22自体をレンズ形状としてレンズ11と置き換えてもよい。さらに、ワンタッチクリップ式サングラスのように面光源15,22をフレーム12に取り付けてもよい。
また、面光源15,22は円環状などである場合について説明した。しかし、これに限定されず、着用者の瞳孔の前方又は前方より少し下方に位置する円状又は略円状の透過部19に面光源15,22が設けられていなければよく、例えば、透過部19の左右又は上下の部分のみなど、円環状などの一部分からなる形状の面光源15,22を設けてもよい。さらには、面光源15,22の外形形状をレンズ11の外形形状と一致させてもよい。
10,20…光刺激装置、 11…レンズ、 12…フレーム、 13…鼻パッド、 14…テンプル、 15…面光源、 19…透過部、 21…LED(点光源)、 22…面光源、 23…導光板、 24…拡散板、 25…反射板。
Claims (4)
- 着用者の網膜面に光を照射する光刺激装置であって、
前記着用者の眼部に着用されるフレームと、
前記フレームに設けられ、前記フレームを前記着用者が着用したとき、前記着用者の瞳孔の前方に位置する透過部と、
前記透過部の周囲に設けられ、前記フレームを着用した前記着用者が前記透過部を介して前方を視るとき、前記着用者の黄斑部の周囲の網膜面に光を照射する面光源とを備えることを特徴とする光刺激装置。 - 前記面光源は、有機ELであることを特徴とする請求項1に記載の光刺激装置。
- 前記面光源は、
点光源と、前記点光源から導入した光を面状に広げて光出射面から出射させる導光板、又は前記点光源が発光した光を面状に拡散して光出射面から出射させる拡散カバーとを備えるする請求項1に記載の光刺激装置。 - 前記フレームは、眼鏡型フレームであり、
前記フレームが保持するレンズの中央部分が前記透過部となり、
前記面光源は前記透過部を取り囲むように、前記レンズに固定されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光刺激装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013074158A JP2014198096A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 光刺激装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109350827A (zh) * | 2018-11-22 | 2019-02-19 | 复旦大学 | 一种头戴式情绪干预治疗系统 |
JP2021514227A (ja) * | 2018-02-13 | 2021-06-10 | エシロール・アンテルナシオナル | ユーザの光感受性閾値を測定する着用可能両眼光電子デバイス |
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