JP2014195512A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像生成部10で生成された所定の画像フレームの輝度値から過去の画像フレームの輝度値を差し引いて画素毎に輝度値の差分ΔIを算出したフレーム相関処理部7は、輝度値の差分ΔIが予め定められた負の閾値T2より小さくなるほど、または、輝度値の差分ΔIが予め定められた正の閾値T1より大きくなるほど所定の画像フレームの重みαを大きく変化させ、且つ、所定の画像フレームの重みαの原点からの変化量が負の閾値T2より小さな領域L3と比べて正の閾値T1より大きな領域L1において小さくなるように所定の画像フレームの重みαを設定し、所定の画像フレームと過去の画像フレームを重み付け加算する。
【選択図】図1
Description
ここで、超音波画像の画像フレーム間で対象が変位している場合、例えば、操作者が超音波探触子を移動させている場合や、心臓などの動きを有する対象を観察する場合には、現在の画像フレームと過去の画像フレームとの間で対象が異なる位置に存在するため、フレーム相関処理を施した超音波画像にブレが生じるといった問題があった。図7に、画像フレーム間で対象が変位している超音波画像にフレーム相関処理を施した一例を示す。このように、超音波画像の全体にブレが生じ、特に、血管内腔Sなどの低輝度な組織では、過去の画像フレームにおいて血管壁Wなどの高輝度な組織が存在していた部分Pにブレが顕著に表れてしまう。
一方、図10に示すように、血管内腔Sと甲状腺Gの両者が存在していた部分にわたって血管壁Wが移動した場合(輝度値の差ΔIが正になる場合)には、血管壁Wと血管内腔Sとの輝度値の差は大きいのに対し、血管壁Wと甲状腺Gとの輝度値の差は小さいため、血管壁Wの輝度値との差分を算出すると、輝度値の差ΔIの絶対値が閾値Tより大きい部分Waと閾値Tより小さい部分Wbがそれぞれ表れることになる。このため、血管内腔Sが位置していた部分Waについては現在の画像フレームにおける血管壁Wの輝度が大きく反映されるのに対し、甲状腺Gが位置していた部分Wbについては過去の画像フレームとの間で平滑化処理が施されるため、フレーム相関処理後の超音波画像には、血管壁Wの輝度値が不均一な部分R、いわゆるぎらつきが発生してしまう。
さらに、フレーム相関処理部は、正の閾値と負の閾値の間の領域において、所定の画像フレームの重みを、ノイズを抑制するような値で一定に保つのが好ましい。
また、過去の画像フレームは、所定の画像フレームとフレーム相関処理する前段階において、過去の画像フレームより以前の画像フレームとの間でフレーム相関処理が施された画像フレームと、過去の画像フレームより以前の画像フレームとの間でフレーム相関処理が施されていない画像フレームとを含むこともできる。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、超音波探触子1を備え、この超音波探触子1に送信回路2と受信回路3がそれぞれ接続されている。受信回路3には信号処理部4が接続され、この信号処理部4にDSC(Digital Scan Converter)5、画像処理部6、フレーム相関処理部7、表示制御部8および表示部9が順次接続されている。そして、信号処理部4、DSC5および画像処理部6により、画像生成部10が形成されている。
また、受信回路3と信号処理部4には受信データメモリ11が接続されると共に、画像処理部6とフレーム相関処理部7には画像メモリ12が接続されている。さらに、送信回路2、受信回路3、信号処理部4、DSC5、画像処理部6、フレーム相関処理部7および表示制御部8には制御部13が接続され、この制御部13に操作部14と格納部15がそれぞれ接続されている。
そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧を印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。
受信回路3は、超音波探触子1のアレイトランスデューサから得られた受信信号を増幅してA/D変換した後、制御部13からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、各受信信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波探触子1で受信した超音波エコーの焦点が絞り込まれたサンプルデータ(音線信号)が生成される。
DSC5は、信号処理部4で生成されたBモード画像データを通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像データに変換(ラスター変換)する。
画像処理部6は、DSC5から入力されるBモード画像データに階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像データをフレーム相関処理部7に出力すると共にBモード画像データをフレーム毎に画像メモリ12に格納する。
フレーム相関処理部7は、画像メモリ12に格納された過去の画像フレームのBモード画像データを読み出して、現在の画像フレームの輝度値から過去の画像フレームの輝度値を差し引いて画素毎に輝度値の差分を算出する。そして、算出された輝度値の差分に応じて過去の画像フレームに対する現在の画像フレームの重みを画素毎に設定し、現在の画像フレームと過去の画像フレームを重み付け加算することにより、フレーム相関処理を施したBモード画像データを生成する。
表示部9は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部8の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
格納部15は、動作プログラム等を格納するもので、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM、SDカード、CFカード、USBメモリ等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
なお、信号処理部4、DSC5、画像処理部6、フレーム相関処理部7および表示制御部8は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。
フレーム相関処理は、現在の画像フレームを過去の画像フレームとの相関に基づいて平滑化処理することにより、フレーム間で不均一に発生する熱雑音などのノイズを低減するために行われ、例えば、現在の画像フレームと1つ前の過去の画像フレームとの間でフレーム相関処理を施して超音波画像(相関処理画像)Pを生成する場合には、P=α×Fn+β×Fn−1で表すことができる。なお、Fnは現在の画像フレーム、Fn−1は1つ前の画像フレームをそれぞれ示している。また、αおよびβはそれぞれ相関係数(重み)を示し、α+β=1で表すことができる。
また、フレーム相関処理部7は、正の閾値T1より大きな領域L2において、過去の画像フレームからの対象の変位に起因して生じる超音波画像のブレを抑制しつつ同一対象の輝度を均一に保つように、現在の画像フレームの重みαを領域L3に対して緩やかに変化させている。なお、領域L2における重みαの変化量と重みβの変化量は、画像フレーム間における対象の移動速度および超音波画像における輝度の分布などに基づいて設定することができる。
まず、送信回路2からの駆動信号に従って、超音波探触子1から被検体内の対象に向けて超音波ビームが発せられる。超音波ビームは、被検体内を伝搬して被検体内の対象により超音波エコーとして反射され、この超音波エコーが超音波探触子1で受信される。超音波エコーが超音波探触子1で受信されると、超音波探触子1から受信信号が受信回路3に出力され、受信回路3は入力された受信信号に基づいてサンプルデータを生成する。続いて、サンプルデータが画像生成部10に出力されて、画像生成部10がサンプルデータに基づいて画像データを順次生成する。そして、生成された画像データは、画像処理部10により画像メモリ12にフレーム毎に格納されると共にフレーム相関処理部7に出力される。
例えば、過去の画像フレームと現在の画像フレームとの間で対象がほとんど変位していない部分、あるいは、図3に示すように甲状腺Gが存在していた位置に同様の輝度値を有する血管壁Wが移動した部分R1など、現在の画像フレームと過去の画像フレームとの間で輝度値の差ΔIが小さい部分(例えば、輝度値の差ΔIが−20dBから20dBの範囲内となる部分)については、正の閾値T1と負の閾値T2の間の領域L1で設定された重みαおよびβによりフレーム相関処理が施される。これにより、画像フレーム間で発生したノイズを除くことができる。
本実施の形態によれば、現在の画像フレームと過去の画像フレームの輝度値の差分に応じた重みで画素毎にフレーム相関処理を行うため、ノイズを除去すると共に、超音波画像のブレを抑制しつつ同一対象の輝度を均一に保つことができる。このため、例えば、操作者が超音波探触子を移動させている場合でも、超音波画像全体のブレを抑制しつつ、血管壁Wや甲状腺Gにおける輝度を一定に保つことができ、超音波画像の観察が輝度のぎらつきによって阻害されるのを抑制することができる。
例えば、図5に示すように、正の閾値T1に対して負の閾値T2を原点Oに近づけると共に、領域L2と領域L3における重みαおよびβを同じ変化量(傾き)で変化させることができる。このように、負の閾値T2を原点Oに近づけることにより、重みαおよびβを変化させる開始位置を領域L2と比べて領域L3において原点Oに近い位置に設定することができる。このため、領域L2と領域L3において重みαおよびβを同じ変化量で変化させても、重みαおよびβの原点Oからの変化量は、領域L3に比べて領域L2において小さくすることができ、上記の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、現在の画像フレームとしては、画像メモリ12に格納された所定の画像フレームを用いることができ、この所定の画像フレームより以前の画像フレームが過去の画像フレームとして用いられる。
実施の形態1では、同一対象の輝度を均一に保つために、現在の画像フレームの重みαの原点Oからの変化量が領域L3と比べて領域L2において小さくなるように重みαを変化させていたが、重みαの原点Oからの変化量が領域L3と比べて領域L2において大きくなるように重みαを変化させることにより、同一対象の輝度を高めて強調することもできる。
これにより、心臓などの動きの速い組織を観察する超音波画像において、ノイズを除去すると共に、弁や心壁などの高輝度な部分のブレを抑制しつつその位置を明瞭に観察することができる。
Claims (10)
- 超音波探触子から被検体内の対象に向けて超音波ビームの送受信を行い、前記超音波探触子から出力される受信信号に基づいて超音波画像を順次生成すると共に生成された所定の画像フレームに対して過去の画像フレームに基づく画像処理を施す超音波診断装置であって、
前記受信信号に基づいて超音波画像をフレーム毎に順次生成する画像生成部と、
前記画像生成部で生成された所定の画像フレームの輝度値から過去の画像フレームの輝度値を差し引いて画素毎に輝度値の差分を算出し、前記輝度値の差分に応じて前記過去の画像フレームに対する前記所定の画像フレームの重みをそれぞれ設定して、前記所定の画像フレームと前記過去の画像フレームを重み付け加算するフレーム相関処理部と
を備え、
前記フレーム相関処理部は、前記輝度値の差分が予め定められた負の閾値より小さくなるほど、または、前記輝度値の差分が予め定められた正の閾値より大きくなるほど前記所定の画像フレームの重みを大きく変化させ、且つ、前記所定の画像フレームの重みの原点からの変化量を前記負の閾値より小さな領域と比べて前記正の閾値より大きな領域において小さくすることを特徴とする超音波診断装置。 - 前記正の閾値と前記負の閾値は、ノイズに起因した輝度値の変化を示す領域と、前記過去の画像フレームからの対象の変位に起因した輝度値の変化を示す領域との境界部分に定められる請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記フレーム相関処理部は、前記正の閾値より大きな領域において、前記過去の画像フレームからの対象の変位に起因して生じる超音波画像のブレを抑制しつつ同一対象の輝度値を均一に保つように、前記所定の画像フレームの重みを変化させる請求項1または2に記載の超音波診断装置。
- 前記フレーム相関処理部は、前記負の閾値より小さな領域において、前記過去の画像フレームからの対象の変位に起因して生じる超音波画像のブレを抑制するように、前記所定の画像フレームの重みを変化させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
- 前記フレーム相関処理部は、前記正の閾値と前記負の閾値の間の領域において、前記所定の画像フレームの重みを、ノイズを抑制するような値で一定に保つ請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
- 前記正の閾値と前記負の閾値は、絶対値が同じ値となるように定められ、
前記フレーム相関処理部は、前記正の閾値より大きな領域と前記負の閾値より小さな領域において前記所定の画像フレームの重みを直線的に変化させ、且つ、その変化の傾きを前記負の閾値より小さな領域と比べて前記正の閾値より大きな領域において緩やかにする請求項5に記載の超音波診断装置。 - 前記過去の画像フレームは、前記所定の画像フレームとフレーム相関処理する前段階において、前記過去の画像フレームより以前の画像フレームとの間でフレーム相関処理が施された画像フレームである請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
- 前記過去の画像フレームは、前記所定の画像フレームとフレーム相関処理する前段階において、前記過去の画像フレームより以前の画像フレームとの間でフレーム相関処理が施されていない画像フレームである請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
- 前記過去の画像フレームは、前記所定の画像フレームとフレーム相関処理する前段階において、前記過去の画像フレームより以前の画像フレームとの間でフレーム相関処理が施された画像フレームと、前記過去の画像フレームより以前の画像フレームとの間でフレーム相関処理が施されていない画像フレームとを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
- 超音波探触子から被検体内の対象に向けて超音波ビームの送受信を行い、前記超音波探触子から出力される受信信号に基づいて超音波画像を順次生成すると共に生成された所定の画像フレームに対して過去の画像フレームに基づく画像処理を施す超音波診断装置であって、
前記受信信号に基づいて超音波画像をフレーム毎に順次生成する画像生成部と、
前記画像生成部で生成された所定の画像フレームの輝度値から過去の画像フレームの輝度値を差し引いて画素毎に輝度値の差分を算出し、前記輝度値の差分に応じて前記過去の画像フレームに対する前記所定の画像フレームの重みをそれぞれ設定して、前記所定の画像フレームと前記過去の画像フレームを重み付け加算するフレーム相関処理部と
を備え、
前記フレーム相関処理部は、前記輝度値の差分が予め定められた負の閾値より小さくなるほど、または、前記輝度値の差分が予め定められた正の閾値より大きくなるほど前記所定の画像フレームの重みを大きく変化させ、且つ、前記所定の画像フレームの重みの原点からの変化量を前記負の閾値より小さな領域と比べて前記正の閾値より大きな領域において大きくすることを特徴とする超音波診断装置。
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