JP2014194763A - サーバ、データキャッシュ方法、並びにこのサーバを用いた通信システム及び通信方法 - Google Patents

サーバ、データキャッシュ方法、並びにこのサーバを用いた通信システム及び通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、送信ノードのキャッシュ効率を向上する。
【解決手段】サーバは、オリジナルファイル及び前記オリジナルファイルの特性を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記オリジナルファイルを符号化することによって符号化シンボルを生成する符号化部と、少なくとも一つの送信ノードと通信し、前記少なくとも一つの送信ノードから状態情報を取得する情報取得部と、前記記憶部に記憶される前記オリジナルファイルの特性、及び前記情報取得部が取得した前記少なくとも一つの送信ノードの前記状態情報に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出する制御部と、前記制御部が算出した前記符号化シンボルの数に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに前記符号化シンボルを送信する通信部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、サーバ、データキャッシュ方法、並びにこのサーバを用いた通信システム及び通信方法に関し、特に、ユーザ端末が移動端末である場合に複数の送信ノードに符号化データを送信するサーバ、データキャッシュ方法、並びにこのサーバを用いた通信システム及び通信方法に関する。
従来、無線ネットワークにおいて、各基地局には複数のファイルがキャッシュされる。ユーザ端末があるファイルを要求した場合、このファイルが既にユーザ端末が位置する範囲に属する基地局(「ローカル基地局」という)にキャッシュされていると、ローカル基地局から直接このユーザ端末にサービスを提供する。一方、このファイルがローカル基地局にキャッシュされていないと、ローカル基地局は、ネットワークからこのファイルデータを取得してこのユーザ端末に送信する(特許文献1を参照)。特許文献1において、基地局はファイル全体のコンテンツをキャッシュする必要があり、基地局の記憶領域が消費される。
また、特許文献2には、有限なオリジナルパケットから無限に近い符号化パケットを生成することによって、容易に符号化及び復号化を実現するファウンテンコードの代表的な実現手段の一種であるラプターコード(Raptor code)が開示されている。しかし、データ伝送の効率及び信頼性の向上を目的として、ファウンテンコードのデータ伝送における応用を示しているに過ぎず、ファウンテンコードによってデータを符号化し記憶することによって記憶効率を向上することまでは検討されていない。
また、特許文献3には、セルラネットワークにおいて、一つのユーザ端末が複数の基地局からの通信を受信可能である場合、トルネード符号化(Tornado Encoding)若しくはラプター符号化(Raptor Encoding)等のようなレートレス符号化、又はRS符号化(リードソロモン符号化)によって、M個のパケットから構成されたソースデータのブロックを符号化し、各基地局から、異なるサブセットのN個のパケットを送信し、受信端末において複数の基地局からパケットを受信し、N個のパケットのうちK(K=M+A)個(ここで、A<M、M<Nである)のパケットに基づいてソースデータのブロックを導出することができる、マルチソース無線通信システム及び方法が開示されている。
特許文献3において検討されているネットワークにおける無線送信端末は、基地局のみに限定されているが、将来的に、一つのセルラシステム内には、基地局以外にも中継局、小型セルラ、マイクロセルラ等があり、さらには、複数のセルラを収納するマクロセルラがある。そのため、異なる類型の送信端末(カバレッジエリアが重畳する場合も含む)によってどのようにしてユーザ端末に移動受信を提供するかという問題については検討されていない。
また、特許文献3において、ユーザ端末が移動しながらダウンロードすることによるゲインを複数の伝送ソース間のデータキャッシュの最適化に応用することは検討されていない。実際には、ユーザ端末の移動によって、同一のユーザ端末が複数の基地局からデータを受信することが可能となり、ある基地局については、ユーザ端末は、この基地局のカバレッジエリアに進入してからこの基地局のカバレッジエリアから離れるまでの間のみ、この基地局からデータをダウンロードすることができる。
基地局におけるキャッシュデータが、この間にユーザ端末がダウンロードすることができるデータよりも多い場合、一部のデータはダウンロードされることなく、記憶領域の無駄遣いとなり、データのキャッシュ効率が低下する。
一方、基地局にキャッシュデータが少ない場合、ユーザ端末は、この基地局のカバレッジエリアを通過するときに、一部の時間内のみ、データのダウンロードを行い、その他の時間は空き時間になり、時間の無駄遣いとなる。また、ユーザ端末が、この基地局を経由してサーバからデータをダウンロード間に、この基地局のカバレッジエリアから離れると、継続してダウンロードできなくなり、ユーザ端末のダウンロード効率は逆に低下することとなる。
米国特許出願公開第2005/0102300A1号明細書 欧州特許出願公開第2202888A1号明細書 国際公開第2006/121900A2号
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであって、送信ノードのキャッシュ効率及びデータのダウンロード効率が向上するサーバ、データキャッシュ方法、並びにこのサーバを用いた通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の実施例のサーバは、オリジナルファイル及びオリジナルファイルの特性を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されるオリジナルファイルを符号化することによって符号化シンボルを生成する符号化部と、少なくとも一つの送信ノードと通信し、少なくとも一つの送信ノードから状態情報を取得する情報取得部と、記憶部に記憶されるオリジナルファイルの特性、及び情報取得部が取得した少なくとも一つの送信ノードの状態情報に基づいて、少なくとも一つの送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出する制御部と、制御部が算出した符号化シンボルの数に基づいて、少なくとも一つの送信ノードに符号化シンボルを送信する通信部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の実施例のサーバにおいて、オリジナルファイルの特性は、ファイルダウンロードのタイムアウト時間を含み、状態情報は、送信ノードのカバレッジエリア、送信ノード内でのユーザ端末の平均滞在時間、送信ノードにおけるユーザ端末数、送信ノードのトラフィック負荷量、送信ノードの間でのユーザ端末のハンドオーバ頻度、及びユーザ端末と送信ノードとの間の平均的なチャネル状態を含む。
また、本発明の実施例のサーバにおいて、各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出するときに、各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数は、送信ノードのカバレッジエリア、送信ノード内でのユーザ端末の平均滞在時間、送信ノードにおけるユーザ端末の数、及びユーザ端末と送信ノードとの間の平均的なチャネル状態のそれぞれと正の相関を成し、送信ノードのトラフィック負荷量、及び送信ノードの間でのユーザ端末のハンドオーバ頻度とそれぞれ負の相関を成すように算出する。
さらに、本発明の実施例のサーバに用いられるデータキャッシュ方法は、サーバが前記サーバに接続している少なくとも一つの送信ノードに、キャッシュデータを送信するサーバのデータキャッシュ方法であって、サーバに記憶されているオリジナルファイルを符号化することによって符号化シンボルを生成するステップと、少なくとも一つの送信ノードと通信し、少なくとも一つの送信ノードから状態情報を取得するステップと、サーバに記憶されているオリジナルファイルの特性、及び取得された少なくとも一つの送信ノードの状態情報に基づいて、少なくとも一つの送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出するステップと、算出された符号化シンボルの数に基づいて、少なくとも一つの送信ノードに符号化シンボルを送信するステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明の実施例の通信システムは、サーバと、少なくとも一つの送信ノードと、少なくとも一つのユーザ端末とを備えており、サーバと少なくとも一つの送信ノードとは有線によって接続されており、少なくとも一つの送信ノードと少なくとも一つのユーザ端末とは無線によって接続されており、少なくとも一つの送信ノードは、サーバから送信された符号化シンボルを受信してキャッシュし、少なくとも一つのユーザ端末は、少なくとも一つの送信ノードにキャッシュされている符号化シンボルを要求し、サーバは、オリジナルファイル及びオリジナルファイルの特性を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されるオリジナルファイルを符号化することによって符号化シンボルを生成する符号化部と、少なくとも一つの送信ノードと通信し、少なくとも一つの送信ノードから状態情報を取得する情報取得部と、記憶部に記憶されるオリジナルファイルの特性、及び情報取得部が取得した少なくとも一つの送信ノードの状態情報に基づいて、少なくとも一つの送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出する制御部と、制御部が算出した符号化シンボルの数に応じて、少なくとも一つの送信ノードに符号化シンボルを送信する通信部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の実施例の通信システムにおいて、少なくとも一つのユーザ端末は、移動しながら、少なくとも一つの送信ノードにキャッシュされている符号化シンボルを要求する。
また、本発明の実施例の通信システムにおいて、オリジナルファイルの特性は、ファイルダウンロードのタイムアウト時間を含み、状態情報は、送信ノードのカバレッジエリア、送信ノード内でのユーザ端末の平均滞在時間、送信ノードにおけるユーザ端末数、送信ノードのトラフィック負荷量、送信ノードの間でのユーザ端末のハンドオーバ頻度、及びユーザ端末と送信ノードとの間の平均的なチャネル状態を含む。
また、本発明の実施例の通信システムにおいて、各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出するときに、各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数は、送信ノードのカバレッジエリア、送信ノード内でのユーザ端末の平均滞在時間、送信ノードにおけるユーザ端末の数、及びユーザ端末と送信ノードとの間の平均的なチャネル状態のそれぞれと正の相関を成し、送信ノードのトラフィック負荷量及び送信ノードの間でのユーザ端末のハンドオーバ頻度のそれぞれと負の相関を成すように算出する。
さらに、本発明の実施例の通信方法は、サーバと、少なくとも一つの送信ノードと、少なくとも一つのユーザ端末との間の通信に用いられ、サーバと少なくとも一つの送信ノードとは有線によって接続されており、少なくとも一つの送信ノードと少なくとも一つのユーザ端末とは無線によって接続されており、通信方法は、少なくとも一つの送信ノードが、サーバから送信された符号化シンボルを受信してキャッシュするステップと、少なくとも一つのユーザ端末が、少なくとも一つの送信ノードにキャッシュされている符号化シンボルを要求するステップと、サーバに記憶されているオリジナルファイルを符号化することによって符号化シンボルを生成するステップと、少なくとも一つの送信ノードと通信し、少なくとも一つの送信ノードから状態情報を取得するステップと、少なくとも一つの送信ノードに符号化シンボルを送信するステップと、サーバが、サーバに記憶されるオリジナルファイルの特性、及び取得された少なくとも一つの送信ノードの状態情報に基づいて、少なくとも一つの送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出するステップと、算出された符号化シンボルの数に基づいて、少なくとも一つの送信ノードに符号化シンボルを送信するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の一実施形態によれば、ファイルを符号化した後にキャッシュすることによって、無線通信ノードのキャッシュ効率を数倍も向上することができる。さらに、本発明の一実施形態によれば、複数の中継局を有するセルラシステムにおいて、ダウンリンクのエネルギー消費量を効果的に低減することができる。
本発明の実施例の通信システムの一例を示す説明図である。 本発明の実施例の通信システムにおけるサーバの内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施例の通信システムにおける基地局のキャッシュ部の内部構成を示す図である。 本発明の実施例の通信システムにおけるユーザ端末機器のダウンロード部の内部構成を示す図である。 ユーザ端末が移動しながらダウンロード動作の説明図である。 大規模な基地局で同一符号化シンボルを繰り返し使用の説明図である。 本発明の実施例の通信システムにおける符号化シンボル送信のシーケンス図である。 本発明の実施例の通信システムのユーザ端末機器がタイムアウトせずダウンロードを1回行う例のシーケンス図である。 本発明の実施例の通信システムにおけるユーザ端末機器がタイムアウトしてダウンロードを1回行う例のシーケンス図である。 本発明の実施例の通信システムにおけるユーザ端末機器のダウンロード処理のフローチャートである。 本発明の実施例の通信システムにおけるユーザ端末機器のダウンロード処理のフローチャートである。 本発明の実施例の通信システムにおけるユーザ端末機器のダウンロード処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例の通信システムを示す説明図である。図1に示すように、本発明の通信システムは、主に、サーバと、基地局1、基地局2、基地局3と、ユーザ端末とを有する。サーバと各基地局との間は有線で接続されており、ここでは、このようなサーバと各基地局との間の有線接続を「バックボーンネットワーク」と称する。また、基地局1、基地局2、基地局3は、バックボーンネットワークと無線ネットワークとを中継し、空間の無線伝送によってユーザ端末に接続される。ユーザ端末は、無線通信リンク1、無線通信リンク2によって、それぞれ基地局1、基地局2と通信することができる。
図1には、サーバに3台の基地局が接続されている状況を示すが、一つ以上の任意の数の基地局が接続されてもよい。
また、図1においては基地局を例に説明したが、本発明に記載の基地局は、ファイルデータをキャッシュすることができ、ユーザ端末と通信できる送信ノードであればよく、ここでいう送信ノードとは、基地局、マイクロセルラ基地局、小型セルラ基地局等の各種類の基地局又は中継局等である。さらに、通信システムは、1種類の送信ノードのみを有してもよく、複数種類の送信ノードを同時に有してもよい。
また、ユーザ端末は移動性を有しており、同一のユーザ端末が移動によって通信システムにおける複数の基地局と通信してもよい。本実施例におけるユーザ端末は、例えば、携帯電話、モバイル型コンピューター又は卓上型コンピューター内のEVDO又はEVDVカード、PDA(Personal Digital Assistant)又は携帯電話と組み合わせしたPDA等、並びに通常スマートフォン等と呼ばれる組合せ型通信機器及び計算機器等である。図1には、ユーザ端末が無線通信リンク1、無線通信リンク2によって、それぞれ基地局1、基地局2と通信できる状況を示すが、ユーザ端末が基地局3のカバレッジエリア内に移動したときには、基地局3と通信することができることは言うまでもない。
以下、サーバ、基地局及びユーザ端末の内部構成について、それぞれ、図2、図3、及び図4を参照しながら詳しく説明する。
図2は、本発明の実施例のサーバの内部構成を示すブロック図である。
サーバは、オリジナルファイルが記憶しており、制御対象の各送信ノードと通信し、それらに対して協調制御を行う。
本発明のサーバ100は、主に、制御部101と、記憶部102と、符号化部103と、通信部104と、基地局情報管理部105とを有する。
制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)であり、記憶部102、符号化部103、通信部104及び基地局情報管理部105に接続されている。制御部101は、記憶部102に記憶されているプログラムに従って、各部の動作に対する制御等の各種処理を実行する。例えば接続されている各基地局のデータキャッシュ割当処理を制御する。
記憶部102は、ハードディスク又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等から構成され、制御部101が各種処理を実行するのに必要なプログラム及びデータ等が記憶されるほか、オリジナルファイル、オリジナルファイルの属性、オリジナルファイルを符号化した符号化シンボル、接続されている基地局のリスト、及び各基地局の状態等の情報が記憶される。
符号化部103は、記憶部102に記憶されているオリジナルファイルを符号化することによって符号化シンボルを生成し、生成された符号化シンボルを記憶部102に記憶する。また、符号化部103は、符号化シンボルの数を算出する。本実施例では、ファウンテンコードの代表的な実現手段の一種であるラプターコードを採用しているが、ファウンテンコードであればよく、その他の任意の符号化方法で実現してもよい。
通信部104は、特許請求の範囲において符号化シンボルを送信するための通信部に対応する。通信部104は、記憶部102に記憶される符号化シンボルをサーバ100に接続された各基地局に送信する記憶シンボル送信部と、送信された符号化シンボル又はアクセス頻度の低い符号化シンボルで占める記憶領域を必要に応じて解放する記憶領域解放部とを有する。
基地局情報管理部105は、特許請求の範囲の情報取得部に対応し、各基地局の状態情報を取得し、記憶部102に記憶される基地局の情報を管理する機能を有する。記憶部102に記憶される基地局の情報は、基地局状態の記録、基地局状態の照会、基地局状態の更新等を含む。基地局情報管理部105は、独立した部であるが、当然ながら、基地局情報管理部105は、制御部101の一部として制御部101と一体的に構成されてもよい。
図3は、基地局のキャッシュ部の内部構成を示す図である。
図3に示すように、本発明の基地局におけるキャッシュ部は、主に、ユーザ端末要求処理インタフェースと、キャッシュ送信インタフェースと、関連データとを有する。
ユーザ端末要求処理インタフェースは、主に以下の機能を有する。
1)キャッシュファイル情報の照会
ユーザ端末が基地局にファイル情報を要求すると、基地局は、まず、ローカル基地局にこのファイル情報がキャッシュされているかを調べる。キャッシュされていない場合、サーバにファイル情報を要求してユーザ端末に返信する必要がある。
2)キャッシュシンボルリストの照会
ユーザ端末が基地局に、この基地局のキャッシュシンボルリストを要求すると、基地局は、キャッシュシンボルリストを参照し、既にキャッシュされるシンボルリストの最初のシーケンス番号及びシンボル数をユーザ端末に返信する。
3)キャッシュされたシンボル要求の受付
ユーザ端末が基地局に、この基地局にキャッシュされた符号化シンボルを要求すると、基地局は、キャッシュシンボルリストから該当するシンボルを読み出してユーザ端末に返信する。
4)サーバシンボル要求の受付
ユーザ端末が基地局に、ファイルの符号化シンボルを要求すると、このシンボルが基地局にキャッシュされていなければ、基地局は、サーバにこのシンボルを要求してユーザ端末に返信する必要がある。
また、キャッシュ送信インタフェースは、主に以下の機能を有する。
1)キャッシュされたシンボルの受信
キャッシュ可能な新たなコンテンツが現れると、サーバは基地局に送信してキャッシュする。基地局は、まず、このコンテンツを記憶するのに十分な領域があるかを判定し、ない場合には、「キャッシュ領域の解放」を呼び出してキャッシュ領域を解放した後に、送信されたシンボルをキャッシュシンボルリストに書き込む。
2)キャッシュ領域の解放
基地局に十分なキャッシュ領域がない場合に、このモジュールを呼び出す。このモジュールは、各ファイルの最新のアクセス頻度をサーバに要求し、アクセス頻度が最も低いファイルを廃棄する。領域が十分になるまでこの操作を繰り返して行う。
図4は、ユーザ端末機器のダウンロード部の内部構成を示す図である。
図4に示すように、ユーザ端末機器におけるダウンロード部は、主に以下の機能を有する。
1)基地局への要求の送信
この要求は、ファイル情報の要求、キャッシュされた符号化シンボルの要求、及びサーバ符号化シンボルの要求を含む。ファイル情報の要求は、ファイルサイズS、オリジナルシンボル数K、符号化シンボル数N、符号化シンボルサイズL等の情報を基地局に要求することを意味する(ここで、Sは、K×Lより小さく且つK×Lにほぼ等しい)。キャッシュされた符号化シンボルの要求とは、ユーザ端末が基地局に、この基地局にキャッシュされるファイルの符号化シンボルを要求することを意味する。サーバ符号化シンボルの要求とは、後述するタイムアウトタイマがタイムアウトした後に要求可能なキャッシュされた符号化シンボルがないときに、基地局を経由してサーバ(「ソース局」とも言う)にオリジナルシンボルを要求することを意味する。
2)ダウンロード関連データの記憶
このダウンロード関連データには、基地局毎にキャッシュされているシンボルを記憶するキャッシュシンボルリストと、キャッシュされた全てのシンボルが受信済の基地局を記憶する除外基地局リストと、ダウンロードに成功した符号化シンボルを記憶するダウンロード済シンボルリストとを含む。
3)基地局の切り替え
ある基地局における全てのキャッシュされたシンボルのダウンロードが完了した後に、ユーザ端末は、この基地局を除外基地局リストに追加し、除外基地局リストにない他の基地局の信号を検索する。又は、ダウンロード中のシンボルが中断されてダウンロードに失敗した後に、ユーザ端末は、新たに基地局を検索して接続する。
4)ファイル復号化の機能
ダウンロードに成功したシンボル数がKより多い場合、一つのシンボルのダウンロードに成功する度に、復号化を1回試みる。オリジナルファイルへの復号化が可能な場合、ダウンロードを続けて、ダウンロードが成功する。成功しない場合は、継続してダウンロードを行う。
5)タイムアウト判定の機能
この機能は、タイムアウトタイマによって実現される。また、タイムアウト時間は、ユーザ端末がダウンロードするコンテンツの類型により決められ、例えば、ファイル及びビデオデータのプレダウンロードサービスでは、Ttimeout=24時間とし、ファイルのダウンロードサービスでは、Ttimeout=4時間とし、ビデオのリアルタイム放送サービスでは、Ttimeout=0とする。タイマは、ダウンロードが開始してから計時し、ダウンロード時間がタイムアウト時間Ttimeoutを越えるとタイムアウトする。
図5は、ユーザ端末が移動しながらダウンロード動作の説明図である。以下、ユーザ端末が移動しながらダウンロード動作を行う状況について、図5を参照しながら詳しく説明する。図5は、A〜Iの九つの送信ノードを図示しており、これら九つの送信ノードのそれぞれのカバレッジエリアPA〜PIを破線で示す。ユーザ端末は、左上の送信ノードAから右下の送信ノードIに移動し、移動過程においてカバレッジエリアPA、PB、PE、PF、PIを通過する。ユーザ端末が各送信ノードのカバレッジエリアPA、PB、PE、PF、PIに滞在する時間を、それぞれTA、TB、TE、TF、TIとする。ユーザ端末は、各滞在時間内に、該当する送信ノードからデータをダウンロードする。ユーザ端末が複数の送信ノードのカバレッジエリア内に位置する場合、ユーザ端末は、リンクする基地局からデータをダウンロードするが、複数の基地局のうちいずれの基地局にリンクするかは、基地局との通信状況の良否、例えば、チャネル状態(信号強度の大きさ)等によって決定される。通常、ユーザ端末は、トラフィック負荷が小さく、チャネル状態が良好な送信ノードと通信し、ある送信ノードとのチャネル状態がよくない場合、その他の接続可能な送信ノードに切り替えて通信することができる。ユーザ端末が複数の接続可能な送信ノードのうち、いずれの送信ノードと通信するかの決定及び最適化は、各種の方法による公知技術が開示されており、ここでは再び説明しない。当然ながら、ユーザ端末が同時に複数の送信ノードと通信する場合もある。
本発明では、前述のようなユーザ端末が移動しながら送信ノードからデータをダウンロードするときの特徴を利用して、各送信ノード(以下、「基地局」と称するときもある)がデータをキャッシュする方法を改良して、データのキャッシュ効率及びユーザ端末のダウンロード効率を向上する。
前述のように、サーバ100は、符号化部103によって、記憶部102に記憶されるオリジナルファイルを同一長さのK個のオリジナルシンボルに分ける。ファウンテンコードによって、オリジナルシンボルと同一長さのN個(ここで、N≫K)の符号化シンボルに符号化し、N個の符号化シンボルを記憶部102に記憶する。それぞれの符号化シンボルは、一つの唯一のシーケンス番号で表される。ラプターコードは、システムコードであり、すなわち、前からK個の符号化シンボルがオリジナルシンボルである。ユーザ端末では、K+o(K)個(ここで、o≧0)の符号化シンボルを集めた後に、ダウンロードした符号化シンボルを復号化してオリジナルファイルを得ることができる。
例えば、あるユーザ端末が、サイズが8MBのファイルを要求したとすると、このファイルは、それぞれのシンボルサイズがL(L=1kB)であるK(K=8192)個のオリジナルシンボルに分けられ、ラプターコードによってN(N=6553600)個の符号化シンボルに符号化される。
符号化後、サーバ100の制御部101が、符号化シンボル送信インタフェース部(すなわち、通信部104)を通じて、記憶部102に記憶されるN個の符号化シンボルを、接続される複数の基地局に送信してキャッシュする。
以下、制御部101が、N個の符号化シンボルを、接続される複数の基地局に送信してキャッシュする方法について説明する。基地局をi個とし、各基地局が任意数の符号化シンボルをキャッシュすることができ、i個目の基地局がCi個の符号化シンボルをキャッシュする。
ユーザ端末の移動行動及び/又は基地局の状態を統計し、送信ノード毎にキャッシュする符号化シンボルの数を前述の統計の結果に合わせて設定することによって、キャッシュ効率を最適化する。具体的には、制御部101が、ネットワークにおける基地局の状態とファイルの特性とに基づいて各基地局への送信数を決定する。
ファイルの特性は、主にファイルダウンロードのタイムアウト時間Ttimeoutを含む。このタイムアウト時間Ttimeoutは、ユーザ端末がダウンロードするコンテンツの類型によって決定される。また、このパラメータは、コンテンツ提供サーバがコンテンツを送信するときに指定される。
基地局の状態は、基地局のカバレッジエリア、基地局内のユーザ端末の平均滞在時間、基地局のユーザ端末数、基地局のトラフィック負荷、基地局のユーザ端末のハンドオーバ頻度(入ハンドオーバ頻度及び出ハンドオーバ頻度を含む)、及び基地局のユーザ端末の平均的なチャネル状態等を含む。マクロ基地局のユーザ端末の滞在時間Tstay、及びマクロ基地局の平均ユーザ端末数Umacroは、キャリアが平均的な参照値を統計して、キャッシュ部において指定する。また、中継局の平均ユーザ端末数Urelay及びマイクロ基地局の平均ユーザ端末数Umicroは、各基地局でそれぞれ統計し、該当するマイクロ基地局又は中継局のキャッシュ部から取得する。
キャッシュ計画の設計上、基地局の他の状態が同じである場合、ユーザ端末の平均滞在時間が比較的長い基地局の符号化シンボルのキャッシュ量が多く、ユーザ端末数が多い基地局の符号化シンボルのキャッシュ量が多く、トラフィック負荷が大きい基地局の符号化シンボルのキャッシュ量が少なく、チャネル状態が悪い基地局のキャッシュ量が少なく、ハンドオーバ頻度が高い基地局のキャッシュ量が少なくなる。
以下では、制御部101においてネットワークにおける基地局の状態及びファイルの特性に基づいて各基地局への送信数を決定する応用方式を示す。
[応用方式1]
応用方式1では、制御部101は、ホモジニアスセルラネットワークにおける複数の送信ノードに対してキャッシュデータを割り当てる。
ホモジニアスセルラネットワークでは、セルラネットワークにおける全ての送信ノードは、同じ大きさのカバレッジエリアを有し、六角形で規則的にセルラネットワークに配置される。
この場合、各送信ノードのカバレッジエリアが同じであるので、符号化シンボルの送信数が同じであり、タイムアウト時間、ユーザ端末の移動係数(事前に統計によって得られる)、及びファイルサイズに基づいて、各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルを決定することができる。実際のシステムにおいては、ある送信ノードにおけるユーザ端末の平均滞在時間Tstayを統計してもよく、この場合の各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数は、K×Tstay/Ttimeoutである。
[応用方式2]
応用方式2においては、制御部101は、ヘテロジニアスセルラネットワークにおける複数の送信ノードに対してキャッシュデータを割り当てる。
ヘテロジニアスセルラネットワークでは、セルラネットワークにおける全ての送信ノードのカバレッジエリアの大きさは完全に同じではないので、各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数は、送信ノード自体のパラメータ、すなわち、送信ノード内の平均ユーザ端末数等も考慮する必要がある。
例えば、各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数が、この基地局内の平均ユーザ端末数に正比例するようにする。
ここで、マクロ基地局の平均ユーザ端末数をUmacroとし、ある中継局内の平均ユーザ端末数をUrelayとすると、この中継局に割り当てすべき符号化シンボルの数は、K*Tstay/Ttimeout×Urelay/Umacroとなる。
[応用方式3]
通常のセルラネットワークでは、一部の送信ノードが高負荷の状態にあり、一部の送信ノードが低負荷の状態にある。
そのため、トラフィック負荷を考慮して、各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を決定する。低負荷の送信ノードは、送信レートを高くして、短時間で符号化シンボルをより多く送信することができる。これに対して、高負荷の送信ノードは、送信能力が制限されており、符号化シンボルのキャッシュ量を減らすべきである。
例えば、各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数が、各送信ノードのトラフィック負荷と負の相関となるようにすることができる。これにより、高負荷の送信ノードには符号化シンボルのキャッシュを少なくし、低負荷の送信ノードには符号化シンボルのキャッシュを多くする。
[応用方式4]
セル(すなわち、基地局のカバレッジエリア)内の他の条件は同じである。地理的位置に関連するあるファイルに焦点を当てる。このファイルに対するユーザ端末の要求確率はユーザ端末が所在する位置と直接関係がある。この場合、各セルにおいてあるファイルに対するユーザ端末の要求確率をP1、P2、P3、・・・とすると、対応する基地局のコンテンツのキャッシュ比率は、ほぼP1:P2:P3、・・・である。
以上の記載は四つの特別な例に過ぎず、具体的に設計する際には、基地局内のユーザ端末の平均滞在時間、基地局のユーザ端末数、基地局のトラフィック負荷、基地局のユーザ端末のハンドオーバ頻度、基地局のユーザ端末の平均的なチャネル状態、及びファイルダウンロードのタイムアウト時間等を総合的に考慮して決定する必要がある。
本発明の実施例によると、ファイルを符号化してからキャッシュすることによって、無線通信ノードのキャッシュ効率を数倍も向上することができる。また、多くの中継局を有するセルラシステムにおいて、本発明は、ダウンリンクのエネルギー消費量を効率的に低減することができる。
また、各基地局がキャッシュすべきシンボルの数を決定するときに、基地局内のユーザ端末の平均滞在時間、基地局のユーザ端末数、基地局のトラフィック負荷、基地局のユーザ端末のハンドオーバ頻度、基地局のユーザ端末の平均的なチャネル状態、及びファイルダウンロードのタイムアウト時間等の要素を考慮することによって、各基地局に適量のキャッシュデータを割り当て、各基地局のキャッシュ領域を適切に利用し、キャッシュ効率を向上し、基地局のキャッシュデータの利用率を向上し、ユーザ端末のダウンロード速度を向上することができる。
本発明の実施例では、使用するファウンテンコードの種類を限定していない。ファウンテンコードについては、あるファウンテンコードはランダム符号化であり、任意数のシンボルを生成することができるが、ラプターコードのように復号化の品質を確保する必要があるファウンテンコードでは、符号化する数に上限があるが、この上限の数値は非常に大きいものである。そのため、通常の場合には、上述の応用方式1〜4のような方式による符号化シンボルの算出及び割り当てによってキャッシュする場合には、問題が発生しない。しかし、ある極端な場合には、例えば、基地局の数が非常に多いと、基地局毎に一つの符号化シンボルをキャッシュすることが不可能であり、この場合、図6に示すように、基地局間で重複して符号化シンボルを使用する方式を採用することができる。図6において、六角形の枠のそれぞれが一つの基地局を示し、各六角形枠に記載される数字がその基地局にキャッシュされた符号化シンボルを示しており、同一の数字が記載される基地局間で符号化シンボルを重複して使用する。例えば、図6において、数字1が記載される四つの基地局間で符号化シンボルを重複して使用する。
以下、本発明の通信システムについて説明する。本発明の通信システムの実現は、主に、サーバが基地局に符号化シンボルを送信し、基地局においてキャッシュする過程と、ユーザ端末がシンボルをダウンロードする過程との二つの段階に分けられる。
まず、図1に示す本発明の実施例の通信システムにおける、基地局に符号化シンボルを送信する信号交換の処理について、図7を参照しながら説明する。
図7に示すように、先ず、サーバが、バックボーンネットワークを経由して基地局1、2、3に基地局状態の照会要求をそれぞれ送信する。
次に、基地局1、2、3が、サーバから送信されてきた基地局状態の照会要求を受信した後に、自身の基地局の状態をそれぞれサーバに返信する。
次に、サーバが基地局1、2、3のそれぞれからの基地局状態情報を受信した後に、サーバの基地局情報管理部105が、受信した基地局状態情報を用いて基地局の状態を更新する。
次に、サーバは、更新された基地局の状態に基づいて、符号化シンボルの数を算出する。ここでは、符号化シンボルの数の算出は、上述の応用方式1〜4のように、基地局1、2、3の状態情報に基づいて、基地局1、2、3がそれぞれにキャッシュすべき適切なシンボルの数を算出する。
その後、サーバは符号化シンボルを生成する。
次に、サーバは、算出された各基地局がキャッシュすべき符号化シンボルの数に応じて、該当する数の符号化シンボルを基地局1、2、3のそれぞれに送信する。
基地局1、2、3は、サーバから送信された符号化シンボルを受信した後、それらを自身のキャッシュメモリにキャッシュし、受信した符号化シンボルに基づいて、ファイル情報リスト及びキャッシュシンボルリストを生成する。
これにより、本発明の実施例の通信システムの第1の主要処理が完了する。以下、本発明の通信システムの別の主要処理、すなわち、ユーザ端末のダウンロード処理について説明する。
ユーザ端末のダウンロード処理の概要は、以下のとおりである。
1)ダウンロードの開始
ユーザ端末は、ダウンロード要求を送信する場合、最も近い基地局へ照会要求を送信する。基地局は、この基地局のキャッッシュコンテンツの番号(定義されている必要がある)を返信する。ユーザ端末は、受信済シンボルの番号がローカルに記憶しているので、ローカルに記憶されるシンボルの番号、及び基地局から返信されたこの基地局のキャッシュコンテンツの番号に基づいて、この基地局にダウンロードしたい番号があるかを決定する。そして、これに基づいてこの基地局に接続するか、又はこの基地局を除外基地局にするかを決定する。この基地局にダウンロードされていない番号があると判定した場合、ユーザ端末は、それぞれのシンボルを基地局へ要求を開始する。
2)ハンドオーバ
現在接続している基地局において、全てのキャッシュコンテンツのダウンロードが完了した場合、又はユーザ端末が元の基地局のサービス領域から離れる場合、ユーザ端末はハンドオーバを行う必要がある。現在のハンドオーバのフローのように、ユーザ端末は、元の接続している基地局にダウンロードの中止を通知し、新たな基地局へ要求を開始する。ダウンロードを開始するときのように、基地局はこの基地局のキャッシュコンテンツの番号を返信し、ユーザ端末は該当するデータのダウンロード要求をそれぞれ送信する。
3)ダウンロードの一時停止
近くの接続可能な全ての基地局に、ユーザ端末がまだダウンロードしてないコンテンツがなく、且つ、タイムアウト時間Ttimeoutを超えていないと、新たに接続可能な基地局が発見されるまでダウンロードを一時停止する。
4)ダウンロードの完了
ユーザ端末は、K個の符号化パケットを収集すると、復号化を試み始め、復号化が可能な場合、新たなシンボルを要求することなく、ダウンロードが完了したタスクを復号化する。一方、失敗した場合、次のシンボルのダウンロードが完了した後に、再度復号化を試みる。
5)タイムアウト処理
ダウンロードコンテンツの遅延耐性程度に基づいて、一つのタイムアウト時間Ttimeoutを設定する。この時間を越えてもダウンロードが完了しない場合、ダウンロードを一時停止することなく、接続可能な全ての近くの基地局に、ユーザ端末がまだダウンロードしてないコンテンツがないときは、基地局のバックボーンネットワークを経由してインターネット上のコンテンツソースにオリジナルシンボルを補うように直接要求する。
以下、ユーザ端末のダウンロード処理について、図8及び図9を参照して詳しく説明する。
図8は、本発明の実施例の通信システムにおけるユーザ端末機器がタイムアウトせずダウンロードを1回行う例のシーケンス図である。
オリジナルシンボルの数をK=300とし、図8に示す送信処理によって、基地局1にシンボル1〜100、基地局2にシンボル101〜200、基地局3にシンボル201〜300を、それぞれキャッシュする。
図8に示すように、初期の場合には、ユーザ端末は、基地局1のカバレッジエリア内において、常に移動状態にある。ユーザ端末は、基地局1にファイル1の関連情報(ファイルサイズS、オリジナルシンボル数K、符号化シンボル数N、符号化シンボルサイズL)を要求する。基地局1は、サーバにこの情報を要求し、サーバからファイルの情報を受信した後にユーザ端末に返信する。
次に、ユーザ端末は、引き続き、基地局1に基地局内のキャッシュシンボルリストを要求し、基地局1は、自身のキャッシュシンボルリスト(本例においてはシンボル1〜シンボル100)をユーザ端末に返信する。
次に、ユーザ端末は、基地局1に各シンボルを要求する。
59番目のシンボルの受信が完了した後に、ユーザ端末は、基地局1から離れて基地局2及び基地局3のカバレッジエリアに進入する。ここで、ユーザ端末は信号の強い基地局(ここでは基地局2とする)と通信すると仮定すると、ユーザ端末は、基地局2のキャッシュシンボルリストを要求し、基地局2にキャッシュされたシンボルを一つずつ要求する。また、基地局2にキャッシュされた全てのシンボル(101〜200)のダウンロードが完了した後に、ユーザ端末は、基地局2を除外基地局リストに追加する。
次に、ユーザ端末は、まだ基地局3のカバレッジエリア内に位置するので、基地局3に切り替えて基地局3と通信する。先ず基地局3のキャッシュシンボルリストを要求し、その後、基地局3にキャッシュされたシンボルを一つずつ要求する。
基地局3にキャッシュしたシンボル241までダウンロードが完了した後に、ユーザ端末は、受信したシンボル復号化し、ソースファイルを生成して、ファイルのダウンロードを停止し、ダウンロードが完了する。
図9は、本発明の実施例の通信システムにおけるユーザ端末機器がタイムアウトしてダウンロードを1回行う例のシーケンス図である。
図9に示すように、ダウンロード過程は、図8における例と類似するが、ユーザ端末が基地局1から離れてから基地局2のカバレッジエリアに入る点で異なる。ユーザ端末が、基地局2にキャッシュされた全てのシンボルのダウンロードを完了し、除外基地局リストにない基地局がない場合、ユーザ端末は、待機状態に移行する。タイムアウトタイマがタイムアウトを示した後に、ユーザ端末は、基地局2を経由してサーバにオリジナルシンボルを要求してダウンロードを完了する。
図10Aから図10Cは、本発明の実施例の通信システムにおけるユーザ端末機器のダウンロード処理のフローチャートである。
図10Aに示すように、まず、ユーザ端末は、要求ファイルのIDに基づいて、全ての基地局にファイル情報の要求を送信する(ステップS101)。
次に、ユーザ端末が除外基地局リストにない基地局の信号を受信したかを判定する(ステップS102)。受信したと判定した場合(ステップS102において「YES」)、信号を受信した基地局のうち、受信信号が最も強い基地局に接続する(ステップS103)。受信していないと判定した場合(ステップS102において「NO」)、ステップS110に移行する。
ステップS104において、ユーザ端末は、接続している基地局のキャッシュシンボルリストを自身が受信しているかを判定する。受信していると判定した場合(ステップS104において「YES」)、さらに、当該接続している基地局のキャッシュシンボルリストに未受信のシンボルがあるかを判定する(ステップS105)。一方、受信していないと判定した場合(ステップS104において「NO」)、ステップS111に移行する。
ステップS105において、未受信のシンボルがあると判定した場合(ステップS105において「YES」)、ステップS106に移行する。一方、ステップS105において、未受信のシンボルがないと判定した場合(ステップS105において「NO」)、ステップS112に移行し、現在接続している基地局を除外基地局リストに追加する。
ステップS106において、ユーザ端末は、未受信のキャッシュされたシンボルを一つ要求する。
ステップS107において、ユーザ端末は、ダウンロードに成功したかを判定する。ダウンロードに失敗したと判定した場合(ステップS107において「NO」)、ステップS102に戻る。一方、ダウンロードに成功したと判定した場合(ステップS107において「YES」)、ステップS108に移行し、収集したシンボルの数がオリジナルシンボルの数を超えるかを判定する。超えていないと判定した場合(ステップS108において「NO」)、ステップS105に戻る。一方、超えたと判定した場合(ステップS108において「YES」)、復号化を行い、復号化に成功したかを判定し(ステップS109)、復号化に失敗したと判定した場合(ステップS109において「NO」)、ステップS105に戻る。一方、復号化に成功したと判定した場合(ステップS109において「YES」)、処理を終了する。
また、ステップS110においては、タイムアウト時間を経過したかを判定する。タイムアウト時間を経過したと判定した場合(ステップS110における「YES」)、基地局の信号を受信可能であるかを判定し(ステップS113)、受信不可能であると判定した場合、ステップS113を繰り返して実行する。一方、受信可能であると判定した場合(ステップS113における「YES」)、基地局を経由して、番号が最も小さい未受信の符号をサーバに要求し(ステップS114)、復号化し、復号化に成功したかを判定し(ステップS115)、復号化に失敗したと判定した場合(ステップS115において「NO」)、ステップS114に戻る。一方、復号化に成功したと判定した場合(ステップS115における「YES」)、処理を終了する。
また、タイムアウト時間を経過していないと判定した場合(ステップS110において「NO」)、ステップS102に戻る。
以上のように、本発明の通信システムにおけるデータのキャッシュ及びダウンロードの処理について説明した。
本発明の実施例の通信システムによれば、ファイルを符号化してからキャッシュすることによって、無線通信ノードのキャッシュ効率を数倍も向上することができる。多くの中継局を有するセルラについては、この方案は、ダウンリンクのエネルギー消費量を効率的に低減することができる。
また、本発明の実施例の通信システムによれば、各基地局に適量のキャッシュデータを割り当て、各基地局のキャッシュ領域を適切に利用し、キャッシュ効率を向上し、基地局のキャッシュデータの利用率を向上することができる。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例および同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
例えば、上述では通信システムにおけるユーザ端末が一つのみである状況を示すが、通信システムに1以上のユーザ端末が存在してもよいことは言うまでもない。
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。

Claims (9)

  1. オリジナルファイル及び前記オリジナルファイルの特性を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶される前記オリジナルファイルを符号化することによって符号化シンボルを生成する符号化部と、
    少なくとも一つの送信ノードと通信し、前記少なくとも一つの送信ノードから状態情報を取得する情報取得部と、
    前記記憶部に記憶される前記オリジナルファイルの特性、及び前記情報取得部が取得した前記少なくとも一つの送信ノードの前記状態情報に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出する制御部と、
    前記制御部が算出した前記符号化シンボルの数に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに前記符号化シンボルを送信する通信部と、を備えることを特徴とするサーバ。
  2. 請求項1に記載のサーバであって、
    前記オリジナルファイルの特性は、ファイルダウンロードのタイムアウト時間を含み、
    前記状態情報は、送信ノードのカバレッジエリア、送信ノード内でのユーザ端末の平均滞在時間、送信ノードにおけるユーザ端末数、送信ノードのトラフィック負荷量、送信ノードの間でのユーザ端末のハンドオーバ頻度、及びユーザ端末と送信ノードとの間の平均的なチャネル状態を含むことを特徴とするサーバ。
  3. 請求項2に記載のサーバであって、
    前記各送信ノードに送信してキャッシュすべき前記符号化シンボルの数を算出するときに、前記各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数は、前記送信ノードのカバレッジエリア、前記送信ノード内でのユーザ端末の平均滞在時間、前記送信ノードにおけるユーザ端末の数、及び前記ユーザ端末と送信ノードとの間の平均的なチャネル状態のそれぞれと正の相関を成し、前記送信ノードのトラフィック負荷量、及び前記送信ノードの間でのユーザ端末のハンドオーバ頻度とそれぞれ負の相関を成すように算出することを特徴とするサーバ。
  4. サーバが前記サーバに接続している少なくとも一つの送信ノードに、キャッシュデータを送信するサーバのデータキャッシュ方法であって、
    前記サーバに記憶されているオリジナルファイルを符号化することによって符号化シンボルを生成するステップと、
    前記少なくとも一つの送信ノードと通信し、前記少なくとも一つの送信ノードから状態情報を取得するステップと、
    前記サーバに記憶されている前記オリジナルファイルの特性、及び取得された前記少なくとも一つの送信ノードの前記状態情報に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出するステップと、
    算出された前記符号化シンボルの数に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに前記符号化シンボルを送信するステップと、を含むことを特徴とするデータキャッシュ方法。
  5. サーバと、少なくとも一つの送信ノードと、少なくとも一つのユーザ端末とを備える通信システムであって、
    前記サーバと前記少なくとも一つの送信ノードとは有線によって接続されており、
    前記少なくとも一つの送信ノードと前記少なくとも一つのユーザ端末とは無線によって接続されており、
    前記少なくとも一つの送信ノードは、前記サーバから送信された符号化シンボルを受信して、キャッシュし、
    前記少なくとも一つのユーザ端末は、前記少なくとも一つの送信ノードにキャッシュされる前記符号化シンボルを要求し、
    前記サーバは、
    オリジナルファイル及び前記オリジナルファイルの特性を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶される前記オリジナルファイルを符号化することによって符号化シンボルを生成する符号化部と、
    前記少なくとも一つの送信ノードと通信し、前記少なくとも一つの送信ノードから状態情報を取得する情報取得部と、
    前記記憶部に記憶される前記オリジナルファイルの特性、及び前記情報取得部が取得した前記少なくとも一つの送信ノードの前記状態情報に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出する制御部と、
    前記制御部が算出した前記符号化シンボルの数に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに前記符号化シンボルを送信する通信部と、を有することを特徴とする通信システム。
  6. 請求項5に記載の通信システムであって、
    前記少なくとも一つのユーザ端末は、移動しながら、前記少なくとも一つの送信ノードにキャッシュされる前記符号化シンボルを要求することを特徴とする通信システム。
  7. 請求項5又は6に記載の通信システムであって、
    前記オリジナルファイルの特性は、ファイルダウンロードのタイムアウト時間を含み、
    前記状態情報は、送信ノードのカバレッジエリア、送信ノード内でのユーザ端末の平均滞在時間、送信ノードにおけるユーザ端末数、送信ノードのトラフィック負荷量、送信ノードの間でのユーザ端末のハンドオーバ頻度、及びユーザ端末と送信ノードとの間の平均的なチャネル状態を含むことを特徴とする通信システム。
  8. 請求項5又は6に記載の通信システムであって、
    前記各送信ノードに送信してキャッシュすべき前記符号化シンボルの数を算出するときに、前記各送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数は、前記送信ノードのカバレッジエリア、前記送信ノード内でのユーザ端末の平均滞在時間、前記送信ノードにおけるユーザ端末の数、及び前記ユーザ端末と送信ノードとの間の平均的なチャネル状態のそれぞれと正の相関を成し、前記送信ノードのトラフィック負荷量、及び前記送信ノードの間でのユーザ端末のハンドオーバ頻度のそれぞれと負の相関を成すように算出することを特徴とする通信システム。
  9. サーバと、少なくとも一つの送信ノードと、少なくとも一つのユーザ端末との間の通信に用いられる通信方法であって、
    前記サーバと前記少なくとも一つの送信ノードとは有線によって接続されており、
    前記少なくとも一つの送信ノードと前記少なくとも一つのユーザ端末とは無線によって接続されており、
    前記通信方法は、
    前記少なくとも一つの送信ノードが、前記サーバから送信された符号化シンボルを受信してキャッシュするステップと、
    前記少なくとも一つのユーザ端末が、前記少なくとも一つの送信ノードにキャッシュされる前記符号化シンボルを要求するステップと、
    前記サーバが、
    前記サーバに記憶されるオリジナルファイルを符号化することによって前記符号化シンボルを生成するステップと、
    前記少なくとも一つの送信ノードと通信し、前記少なくとも一つの送信ノードから状態情報を取得するステップと、
    前記サーバに記憶される前記オリジナルファイルの特性、及び取得された前記少なくとも一つの送信ノードの前記状態情報に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに送信してキャッシュすべき符号化シンボルの数を算出するステップと、
    算出された前記符号化シンボルの数に基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードに前記符号化シンボルを送信するステップと、を含むことを特徴とする通信方法。
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