JP2014194220A - スラスタ及び推進発生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な噴射速度を実現し、汎用性を有する、また製造容易で軽量、かつ故障耐性のあるスラスタを実現する。
【解決手段】スラスタ1は、管2内にメインチャンバ6を有している。この管の長手方向軸は、推力の軸4を定める。インジェクタ8は、この管2のメインチャンバ6の一端にイオン化ガスを噴射する。イオナイザは、前記メインチャンバ6に噴射したガスをイオン化する。第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18は、前記推力の軸4方向に沿って前記イオナイザの下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成している。スラスタ1は、ガスをイオン化し、磁化重動力により電子とイオンの両方を加速する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スラスタ(反動推進エンジン)に関するものである。
スラスタは、典型的には2km/秒〜50km/秒を越える噴出速度、1N/m程度あるいはそれ未満の推力密度で宇宙船を推進させるために使用される。
スラスタが押し付けるか乗り出すための物質が存在しないので、スラスタは宇宙船の質量部の噴出に依存している。
噴出速度はスラスタの効率評価についての重要な要素であり、通常最大化されるべきである。
宇宙用スラスタにおいては、種々の解決方法が提案されている。
米国特許第5241244号は、いわゆるイオングリッドスラスタを開示している。
この装置においては、まず推進ガスがイオン化され、その結果たるイオンは、グリッド間に作られる静電磁場によって加速される。
加速したイオンは、電子流によって中性化される。
この文献は、推進ガスをイオン化する場合、磁気状態の調節を行い、閉じ込め磁場、および磁場のECR(電子サイクロトロン共鳴)振動数で電磁場を同時に使用することを提案している。
同様のスラスタは、FR―A―2799576に開示されており、ガスをイオン化するため誘導を用いている。
この種のスラスタは、2.5kw電力の場合、噴出速度が約30km/秒であり、推進密度が1N/m未満である。
米国特許第6205769号
この種の装置の問題の一つは、加速グリッド間に高電圧が必要となることである。
別の問題は、イオン衝突によるグリッドの浸食である。
最後に、中和器やグリッドは、一般に非常に影響を受けやすい装置である。
米国特許第5581155号は、ホール効果のスラスタを開示している。
このスラスタは、陽電荷化した粒子を加速する電磁場も使用している。
このスラスタの噴出速度は約15km/秒であり、1.3kWパワーの場合5N/m未満の推力密度である。
イオングリッドスラスタと同様に、浸食の問題や中和器が存在することにより、スラスタが故障しやすいという問題がある。
米国特許第6205769号(DJ. Sullivan et al.,Development of a microwave resonant cavity electrothermal thruster prototype,IEPC 1993,No.36,pp.337−354)は、マイクロ波の電熱スラスタにつき検討している。
このスラスタは、マイクロ波フィールドによる推進ガスの加熱に依拠している。
加熱ガスは、推力を発生させるようノズルから放出される。
このスラストの噴出速度は、約9〜12km/秒であり、200〜2000Nの推力である。
文献(D.A.Kaufman et al.,Plume characteristic of an ECR plasma thruster,IEPC 1993 No.37,pp.355−360)および文献(H.Tabara et al.,Performance characteristic of a space plasma simulator using an electron cyclotron resonance plasma accelerator and its application to material and plasma interaction research,IEPC 1997 No.163,pp.994−1000)は、ECRプラズマスラスタにつき検討している。
このスラスタにおいては、磁気ノズルの電子サイクロトロン共鳴を使用して、プラズマが生成される。
磁気双極子モーメント力により電子が軸方向に加速し、イオンを加速し推力を発生する電場を作り出す。
すなわち、減少する磁力線に沿って、プラズマが自然に流動する。
このスラスタの噴出速度は、最高で35km/秒である。
米国特許第6293090号は、RFプラズマスラスタにつき検討しており、これは同じ原理で動作するが、主な違いは、ECRフィールドではなく低域混成波によってプラズマを生成するところにある。
米国特許第6334302号および文献(F.R.Chang−Diaz,Design characteristic of the variable Isp plasma rocket,IEPC 1991,No.128)は、可変比推マグネトプラズマスラスタ(VaSIMRと略される)につき開示している。
このスラスタは、プラズマ射出、加熱、磁気タンデムミラー型形状の制御放出という3つの処理段階を使用する。
プラズマ供給源はヘリコンジェネレータであり、プラズマ加熱装置はサイクロトロンジェネレータである。
ノズルは、磁場から径方向に逸れている。
ECRやRFプラズマスラスタと同様に、イオン化粒子は加速していないが、減少する磁力線に沿って流動している。
このスラストの噴出速度は約10〜300km/秒であり、50〜1000Nの推力である。
別の分野において、米国特許第4641060号および米国特許第5442185号は、真空ポンピングやイオン注入に使用されるECRプラズマジェネレータにつき検討している。
その他のプラズマジェネレータの例としては、米国特許第3160566号が挙げられる。
米国特許第3571734号は、粒子加速の方法および装置につき検討している。
この目的は、核融合反応のための粒子ビームを生成するところにある。
軸方向および径方向の重畳磁場による円柱状の共振空洞にガスが噴射される。
ガスイオン化のためECR振動数の電磁場が適用される。
磁場の強さは共振空洞の軸に沿って減少するので、イオン化粒子がこの軸に沿って流動する。
また、この加速装置は、文献(Compte Rendu de l’Academie des Sciences,November 4,1963,vol.257,p.2804−2807)に開示されている。
この装置の目的は、核融合反応のための粒子ビームを生成するところにあり、噴出速度は約60km/秒であるものの、推力密度は非常に低く、通常1.5N/m未満である。
米国特許第3425902号には、イオン化ガスを発生し閉じ込める装置が開示されている。
磁場は、ガスがイオン化されるチャンバの両端で最高になる。
欧州特許第03290712号は、重動力(ponderomotive force)による推力を利用したスラスタを開示する。
図1は、従来のスラスタの断面を示した概略図である。
図1のスラスタ1は、プラズマを発生する電子サイクロトロン共鳴に依存しており、また推力を生じるようこのプラズマを加速する磁化重動力に依存している。
この重動力とは、高周波電磁場の密度勾配によってプラズマに与えられる力である。
この重動力は、文献(H.Motz and C.J.H.Watson(1967),Advances in electronics and electron physics 23,pp.153−302)に開示されている。磁場が存しないため、この重動力は、以下に示す式で表される。
Figure 2014194220
Figure 2014194220
一様な磁場が存しないため、この力は以下の式で表される。
Figure 2014194220
図1の装置は、管(チューブ)2を有している。
この管の長手方向軸4は、推力の軸を定めるものであり、実際にスラスタ1が発生する推力は、この軸に案内される(もっとも、図10〜図13で説明されるように案内されることもある)。
管の内部は、推力ガスがイオン化および加速されるところであるチャンバ6を構成する。
図1の例によると、前記管は円筒状管である。
これは、磁場や電磁場がチャンバ内に発生するよう非導電材料からなり、低誘電率のセラミック、クオーツ、ガラス等が使用される。
また管は、二次電子放出率の高い材料、例えばBN、Al、BCからなる。
これによりチャンバ内の電子密度が高められ、イオン化を向上する。
管はスラスタ1に沿って延伸しており、管の端部でガスが噴射される。
もっとも、管は様々な形状に設計することもできる。
例えば、管の断面が円形となった本例は、スラスタ1の出力端で必要なプラズマ流に応じて別の形状にすることができる。
また、管がインジェクタとスラスタ出力端との間を連続して延伸する必要はない(この場合、管は、W、Mo、Al、Cu、Th−W、またはCu−Wのような材料または合金からなり、酸化バリウムまたは酸化マグネシウムで被覆されるか、イオン化を強化するため放射性同位元素からなる)。
以下に説明するよう、プラズマは管によって閉じ込められるものではなく、むしろスラスタ1にかけられる磁場および電磁場によって閉じ込められるものである。
このように、管は、二つの分離した区分によって構成され、またこの区分の間をチャンバがスラスタ1に沿って延長しうる。
管の一端においては、インジェクタ8が設けられている。
このインジェクタは、図1の矢印10に示すように、イオン化可能ガスを管に噴射する。
このガスは、Xe,Ar,Ne,Kr,Heのような希ガス、H、N、NH、N、HO、CHのような化合物、さらにはCs、Na、K、Li(アルカリ金属)、Hgのような金属からなることができる。
もっとも一般的に使用されるものは、イオン化にエネルギーをあまり要しないXeおよびHである。
さらに、スラスタ1は、チャンバ6内に磁場を発生させる磁場発生器(ジェネレータ)を備えている。
図1の例においては、磁場発生器は、二つのコイル12、14を備えている。
これらのコイルは、チャンバ6内に磁場Bを発生させるが、その縦成分が図2に示されている。
図2に示すように、磁場の縦成分は、二つの最高点を有しており、その位置はコイルの位置に対応している。
第1コイル12に対応する第1の最高点Bmax1は、インジェクタ付近に位置する。
これは、プラズマ閉じ込めに役立つのみであり、スラスタ1の動作には必ずしも必要ではない。
しかし、これには、長手方向にプラズマ電子を閉じ込めて磁気瓶効果によるイオン化が容易になるという利点があるとともに、さらに管の端部およびインジェクタノズルが浸食から保護されるという利点がある。
第2コイル14に対応する第2の最高点Bmax2により、プラズマをチャンバ内に閉じ込めることが可能となる。
またこれにより、スラスタ1のイオン化ボリューム(この最高点の上流側)と加速ボリューム(第1最高点の下流側)とに分割される。
磁場最高点の縦成分の値は、以下のように適合化される。
二つの最高点の間(あるいはガスが噴射される第2最高点の下流側)においては、磁場の値は低い。
図1の例においては、チャンバのほぼ中央で磁場が最低値Bminとなっている。
スラスタ1のイオン化ボリューム(図1の例による磁場の二つの最高点の間)においては、磁場の径方向および垂直径方向の成分(すなわちスラスタ1の長手方向軸に対して垂直な平面における磁場の成分)は、スラスタ1の動作とは無関係であって、これらは、磁場の縦成分よりも強度が小さい方が好ましい。
実際に、磁場の径方向および垂直径方向の成分は、チャンバ内のイオンおよび電子の壁側への不要な動きを誘発して、スラスタ1の効率を減少させるだけである。
スラスタ1の加速ボリューム(図1の例における磁場の第2最高点Bmax2の右側(下流側))において、磁場の方向がほぼ推力の方向となる。
したがって、磁場は、推力の軸に沿っていることが好ましい。
磁場の径方向および垂直径方向の成分は、できるだけ小さい方が好ましい。
したがって、イオン化ボリュームのみならず加速ボリュームにおいて、磁場は、スラスタ1の軸と実質的に平行になっているのが好ましい。
磁場とスラスタ1の軸4との間の角度は、好ましくは45°未満であり、より好ましくは20°未満である。
図1および図2の例においては、この角度は、ほぼ0°であるので、図2は、スラスタ1の軸に沿って描かれた磁場の強度のみならず、磁場の軸成分に対応している。
磁場発生器により発生した磁場の強度(Bmax1、Bmax2、Bmin)は、好ましくは以下のように選択される。
最高値は、プラズマの電子がチャンバ内に閉じ込められるように選択される。
すなわち、Bmax/Bminのミラー比の値が高くなればなるほど、電子がチャンバ内に多く閉じ込められる。
この値は、要望の(質量流量)推力密度や電磁イオン化フィールドのパワー(あるいは所定流量のパワー)に応じて選択することができ、磁場の第2最大点の通過後には90%以上のガスがイオン化する。
下の値Bminはコイルの位置に左右される。
これは、図4および図5の実施例を除いては、あまり関連性がない。
磁気瓶からの電子喪失率は、以下のように示される。
Figure 2014194220
所定質量流量および所定推力の場合、αlostが小さければ、同じ流量およびイオン化率においてイオン化力が減少する。
さらに、磁場は、好ましくはイオンが磁場にほとんど反応しないように選択される。
すなわち、磁場の値は、推進ガスのイオンが磁場によって逸脱しないよう充分に低い。
この状態により、推力ガスのイオンが管内をほぼ真っ直ぐに飛び、これにより推力を改善する。
イオンサイクロトロン振動数は、以下のように表される。
ICR=q.Bmax/2πM
イオンサイクロトロン振動数がイオン衝突数よりもかなり小さい(あるいはイオンホール比率が1未満)場合、イオンは磁化していないと定義される。
ICR<<fion−collision
ここでqは電荷であり、Mはイオン質量であり、Bmaxは磁場の最高値である。
この制約において、fICRはイオンサイクロトロン共鳴振動数であって、イオンが磁力線周囲を旋回する振動数である。
この制約は、衝突周期と比較して、磁場によってイオンの動きがほとんど変化しないほどチャンバ内での旋回時間は長いという事実を表している。
ion−collisionは、それ自体公知であるが以下のように定義される。
ion−collision=N.σ.VTH
ここで、Nは電子密度量であり、σは電子−イオン衝突断面積であり、VTHは電子熱速度である。
熱速度は、以下のように表される。
Figure 2014194220
ここでKはマイクロスコピカルボルツマン定数であり、Tは温度であり、mcは電子質量である。
ion−collisionは、密度Nおよび温度Tの電子雲において1イオンが1秒あたり衝突する数を表す。
好ましくは、磁場の最大値を
ICR<fion−collision/2
となるように、さらには、
ICR<fion−collision/10
とさえなるように選択する。
このように、スラスタ1のイオンサイクロトロン共鳴周期は、チャンバ内またはスラスタ1内のイオン衝突周期より少なくとも2倍長い。
これは、スラスタ1のイオン化ボリューム内でのガス閉じ込めが充分なためなお可能であり、以下に示す数値例によって証明される。
まず、イオンは磁場にほとんど反応しないという事実は、イオンおよび電子ビームを集中させる際にスラスタ1の出力を助力し、それによってスループットを増加させる。
またこれは、イオンがスラスタ1から出た後に磁場線に残留するのを避けることになるのであって、正味推力の発生を確実にする。
さらに、スラスタ1は、チャンバ6内に電磁場を発生させる電磁場発生器を備えている。
図1の例においては、電磁場発生器は、それぞれコイル12、14付近に位置する第1共振空洞16と第2共振空洞18とからなる。
第1共振空洞16は、空洞内の二つの磁場最高点の間に、あるいは少なくとも、最高点Bmax2側からインジェクタ側(上流側)に、振動電磁場を発生するように構成されている。
この振動電磁場はイオン化フィールドであって、900MHz〜80GHzのマイクロ波領域の振動数fE1を有する。
この電磁場の振動数は、好ましくは、磁場の局所値(local value)に適合しており、イオン化の主要部が電子サイクロトロン共鳴によるものである。
具体的には、磁場の所定値Bresの場合、電子サイクロトロン共鳴振動数fECRは、以下の式で与えられる。
ECR=eBres/2πm
ここでeは電荷であり、mは電子質量である。
この電磁場振動数値は、電子サイクロトロン共鳴による推力ガスのイオン化を最大化するように適合している。
電磁場振動数値fE1は、電磁場が最高になる計算した電子サイクロトロン共鳴(ECR)振動数と等しいことが好ましい。
もちろん、これは近似値に他ならない。
なぜなら、磁場の強度は軸に沿って変化するものであるし、電磁場は局所的に与えられており単独点に与えられるものではないからである。
この好ましい値とは、厳密には同じではない振動数値を選択できるのであって、ECR振動数から±10%の範囲が好ましい。
±5%の範囲であれば、より良好な結果となる。
また、イオン化ボリュームまたはチャンバを通過する際に、少なくとも50%の推進ガスがイオン化することが好ましい。
このようなイオン化ガスの量は、イオン化のため電子サイクロトロンを利用することで可能となる。
もし電磁場の振動数が上記所定の±10%の範囲を超えて変化する場合、推力ガスのイオン化の程度は、好ましい値である50%よりも低下しがちである。
イオン化ボリュームにおける電磁場の電気成分の方向は、好ましくは磁場方向に垂直である。
すなわち、どのような場所においても、局所磁場と電磁場の局所振動電気成分との間の角度が、好ましくは60〜90°、より好ましくは75〜90°である。
これはECRによるイオン化を最適化に適合したものである。
図1の例において、電磁場の電子成分は、垂直径方向または径方向であり、長手方向軸に対して垂直な平面内に含まれ、長手方向を通過するこの平面の直線に対して直交している。
これは共振空間の共振モードを選択することで容易に得られる。
図1の例において、電磁場は、TE111モードで共振する。
また、垂直径方向のフィールドは、イオン化ボリューム内のプラズマ閉じ込めを改善したり、チャンバ壁との接触を制限したりするにつき有利である。
電磁場の電子成分の方向は、この好ましい垂直径方向から変化しうるものの、好ましくは、電磁場と垂直径方向との間の角度は、45°未満、より好ましくは20°未満である。
加速ボリュームにおいては、電磁場の振動数は、好ましくはECR振動数と同じか近似値になるよう選択される。
これにより、上記第2式で示されるように、磁化重動力の強度が、電磁場最大点の両面で加速する。
再び、電磁力の振動数は、ECR振動数と厳密に等しいものである必要はない。
上記の同じ範囲が振動数に、また磁場と電磁場との間の角度に当てはまる。
この段階においては、イオン化および加速に使用される電磁場の振動数は、等しいことに注目すべきであるが、これにより電磁場発生器を単純化できる。
なぜなら、両共振空間を駆動するため同じマイクロ波発生器を使用することが可能となるからである。
さらに、電磁場の電子成分は、磁化重動力を最大化するよう、径方向または垂直径方向にあることが好ましい。
さらに、垂直径方向の電磁場の電子成分は、スラスタ1の出力部でプラズマビームを集中させる。
電磁場の電子成分と径方向または垂直径方向とは、繰り返すが、好ましくは45°未満、より好ましくは20°未満である。
図2は、図1のスラスタ1の軸に沿った磁場および電磁場の強度を示すグラフである。
磁場および電磁場の強度は、垂直軸に沿ってプロットされている。
スラスタ1の軸に沿った位置が、水平軸に沿ってプロットされている。
上に記したとおり、スラスタ1の軸にほぼ平行な磁場の強度は、二つの最高点を有している。
電磁場の電子成分の強度は、第1最高点Emax1を第1共振空間の中央面に有しており、第2最高点Emax2を第2共振空間の中央面に有している。
第1最高点の強度値は、イオン化チャンバ内の質量流量とともに選択される。
第2最高点の強度値は、スラスタ1の出力部で必要なIspに適合している。
図2の例において、電磁場の第1最高点と第2最高点の振動数は等しい。
実際にも、共振空洞は等しいものであり、同じマイクロ波発生器によって駆動している。
図2の例において、スラスタ1の軸に沿った発生源は、インジェクタのノズル部である。
以下の数値は、本発明を例証するものである。
ガス流は6mg/秒であり、またマイクロ波出力は約1550Wであり、これにつき〜350Wはイオン化のためであり〜1200Wは約120mN推力の加速のためである。
マイクロ波振動数は、約3GHzである。
磁場の強度は、約180mTの最大点と、−57mTの最小点とを有している。
また、図2は、共振空洞配置位置における磁場のBres値を示している。
上記のように、電磁場の振動数は、好ましくはECR振動数eBres/2πmに等しい。
以下の数値は、20km/秒の噴射速度および100N/mを越える推力密度をもたらすスラスタ1の例示である。
前記管は、内径40mm、外径48mmで長さ260mmのBN管である、インジェクタは、管に入ったときには130m/秒で、質量流量−6mg/秒でXeを供給する。
第1磁場最高点Bmax1は、インジェクタのノズルから20mmのXB1に位置し、磁場強度Bmax1は、〜180mTである。
電磁場の第1共振空洞は、インジェクタのノズルから125mmのXE1に位置し、電磁場強度Eは、〜41000V/mである。
第1磁場最高点Bmax2は、インジェクタのノズルから170mmのXB2位置し、磁場強度Bmax2は、〜180mTである。
電磁場の第2共振空洞は、インジェクタのノズルから205mmのXE2に位置し、電磁場強度E2は、〜77000V/mである。
加速ボリューム(X>XB2)に流入する約90%のガスがイオン化される。
q=eでありM=130オームであるので、fICRは15.9Mhzである。
このように、イオンホールパラメータは、0.2であり、よってイオンは磁場の影響をほとんど受けない。
この値は例示である。
これらは、本発明のスラスタ1は、同時に15km/秒を越える噴射速度および100N/mを越える推力密度を可能にすることを例証している。
工程に関しては、図1のスラスタ1は、以下のように動作する。
ガスがチャンバへ噴射される。
それから、第1磁場および第1電磁場を受け、それから少なくとも部分的にイオン化する。
部分的にイオン化したガスは、磁場のピーク値を超えて通過する。
それからイオン化したガスは、磁化重動力によりそれを加速させる第2磁場および第2電磁場を受ける。
イオン化と加速とは別々のものであり、順に生じ、独立して制御可能である。
しかし、ここに記載のスラスタは、ECRに依拠しており、図1の例においては、スラスタは要望の磁場を発生させるコイルに依存している。
ECRは非常に有用なガスイオン化の方法であるものの、そのような放出を開始することは困難である。
また、インピーダンスの整合実現も困難である。
さらに、軸方向の磁場発生用コイルの使用は、出力を消費するものである。
またさらに、コイルがスラスタ外部に発生する磁場は、その他の装置に著しく影響を与え、破壊さえすることがある。
その他、コイルが超伝導物質でない限り、発熱してしまう。
このように、コイルはスラスタのエネルギー効率に悪影響を与え、またコイル用に熱制御システムを設ける必要があるので、システム全体質量に悪影響を与える。
このように、良好な噴射速度および汎用性を有するスラスタが必要である。
また、容易に製造できるスラスタが必要である。
さらに、従来技術よりも強力で、使用容易で、軽量のスラスタが必要である。
その上、熱発生が少なく、故障耐性のあるスラスタが必要である。
これは、定方向の体積力を与えることにより両粒子が高速で加速する装置である。
そこで、本発明は、以下のスラスタを提供するものである。
推力の軸(4)を画定するメインチャンバ(6)と、
このメインチャンバ(6)内にイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ(8)と、前記メインチャンバ(6)内の噴射ガスをイオン化するように構成したイオナイザ(124)と、前記推力軸(4)上の推力の方向に沿って前記イオナイザ(124)の下流側に磁化動重加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器(12、14)および電磁場発生器(18)と、少なくとも1つの共振空洞(112)とを有するスラスタ(1)であって、
前記電磁場発生器(18)は共振空洞(112)のモードを制御するように構成され、スラスタ(1)は共振空洞(112)内に固形物質手段(122)をさらに含み、前記固形物質手段(122)はその電気誘導率および/または誘磁率により共振空洞(112)のモードを制御するように構成されていることを特徴とする。
推力の軸(4)を画定するメインチャンバ(6)と、
このメインチャンバ(6)内にイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ(8)と、前記メインチャンバ(6)内の噴射ガスをイオン化するように構成したイオナイザ(124)と、前記推力軸(4)上の推力の方向に沿って前記イオナイザ(124)の下流側に磁化動重加速フィールドを発生するようにこのイオナイザ(124)の下流側に配置して構成した少なくとも1つの磁場発生器(14)および電磁場発生器(18)と、少なくとも1つの共振空洞(112)とを有するスラスタ(1)であって、
前記電磁場発生器(18)は共振空洞(112)のモードを制御するように構成され、スラスタ(1)は共振空洞(112)内に固形物質手段(122)をさらに含み、前記固形物質手段(122)はその電気誘導率および/または誘磁率によって共振空洞(112)のモードを制御するように構成されていることを特徴とする。
推力の軸(4)を画定するメインチャンバ(6)と、
このメインチャンバ(6)内にイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ(8)と、前記メインチャンバ(6)内の噴射ガスをイオン化するように構成したイオナイザ(124)と、前記推力軸(4)上の推力の方向に沿って前記イオナイザ(124)の下流側に磁化動重加速フィールドを発生するように一部(12)をこのイオナイザ(124)の上流側に、他の一部(14)を下流側に配置して構成した第1磁場発生器(12、14)および電磁場発生器(18)と、少なくとも1つの共振空洞(112)とを有するスラスタ(1)であって、
前記電磁場発生器(18)は共振空洞(112)のモードを制御するように構成され、スラスタ(1)は共振空洞(112)内に固形物質手段(122)をさらに含み、前記固形物質手段(122)はその電気誘導率および/または誘磁率によって共振空洞(112)のモードを制御するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、以下からなる推力発生方法を提供するものである。
推力発生方法において、
メインチャンバ(6)内にガスを噴射するステップと、
メインチャンバ(6)を部分的に妨害するステップと、
ガスの少なくとも一部分をイオン化するステップと、
磁化動重力により、部分的イオン化ガスを加速するための第1磁場および電磁場をガスに実質的に印加するステップと、
からなる推力発生方法であって、
共振空洞(112)内の固形物質手段(122)を用いてその電気誘導率および/または誘磁率により共振空洞(112)のモードを制御するステップも含むことを特徴とする。
推力発生方法において、
メインチャンバ(6)内にガスを噴射するステップと、
ガスの少なくとも一部分をイオン化するステップと、
磁化動重力により、部分的イオン化ガスを加速するための第1磁場および電磁場をガスに実質的に印加するステップと、
からなる推力発生方法であって、
共振空洞(112)内の固形物質手段(122)を用いてその電気誘導率および/または誘磁率により共振空洞(112)のモードを制御するステップも含むことを特徴とする。
この発明によれば、良好な噴射速度および汎用性を有するスラスタを実現できる。
また、スラスタを容易に製造できる。
さらに、従来技術よりも強力で、使用容易で、軽量のスラスタを実現できる。
その上、熱発生が少なく、故障耐性のあるスラスタを実現できる。
図1は従来技術によるスラスタの概略断面図である。 図2は図1のスラスタの軸に沿った磁場および電磁場の強度を示すグラフである。 図3は本発明の種々の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図4は本発明の種々の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図5は本発明の種々の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図6は本発明の種々の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図7は本発明の種々の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図8は本発明の種々の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図9は本発明の種々の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図10は図9のスラスタの軸に沿った磁場の強度を示すグラフである。(実施例) 図11は本発明の別の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図12は図11のスラスタの軸に沿った磁場の強度を示すグラフである。(実施例) 図13は本発明の別の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図14は図13のスラスタの軸に沿った磁場の強度を示すグラフである。(実施例) 図15は本発明の別の実施例によるスラスタの概略断面図である。(実施例) 図16は図15のスラスタの軸に沿った磁場の強度を示すグラフである。(実施例) 図17は種々の実施例によるスラスタの概略図であって、推力方向が変化しているものである。(実施例) 図18は種々の実施例によるスラスタの概略図であって、推力方向が変化しているものである。(実施例) 図19は種々の実施例によるスラスタの概略図であって、推力方向が変化しているものである。(実施例) 図20は種々の実施例によるスラスタの概略図であって、推力方向が変化しているものである。(実施例) 図21は本発明の別の実施例によるスラスタの概略図である。(実施例) 図22は図21のスラスタの断面図である。(実施例) 図23は図21のスラスタの軸に沿った磁場および電磁場の強度を示すグラフである。(実施例) 図24は本発明の別の実施例によるスラスタの断面図である。(実施例) 図25は本発明の別の実施例によるスラスタの断面図である。(実施例) 図26は本発明の別の実施例によるスラスタの断面図である。(実施例) 図27は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図28は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図29は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図30は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図31は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図32は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図33は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図34は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図35は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図36は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図37は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図38は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図39は本発明の別の実施例によるスラスタのイオナイザ124の概略断面図である。(実施例) 図40は本発明の別の実施例によるシステムの概略図である。(実施例)
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
まず最初に、推進剤は、その噴射により推力を生じる物質と定義される。
例えば、推進剤はガスである。
それは固体でもありうる。
図3は、本発明の第1実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図3のスラスタ1は、インジェクタ8とメインチャンバ6との間に、メインチャンバ6を部分的に妨害するように構成した妨害手段50を有している。
すなわち、図3においては、第1に、推力の軸4を定めるメインチャンバ6を有するスラスタ1と、第2に、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8と、第3に、メインチャンバ6内に噴射されたガスをイオン化するように構成したイオナイザ124と、第4に、前記軸4の推力方向に沿って前記イオナイザ124の下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18と、第5に、インジェクタ8の下流側でメインチャンバ6の上流側に位置する、メインチャンバ6を部分的に妨害するように構成した妨害手段50とが示されている。
これにより、噴射したガスが、まずメインチャンバ6に沿って妨害手段の側面を通過する前に妨害手段によって反射する。
反射した後、上流側圧力が下流側圧力よりも強いため、ガスはメインチャンバ下流側に戻る。
これにより、メインチャンバ6内での流動が均一になるとともにメインチャンバ6内の中性原子の密度勾配が制限され、エネルギー性電子がイオン化領域内部で多かれ少なかれ均一に分配される。
妨害手段50は、メインチャンバ6内で磁場および電磁場が発生するよう不導体物質で形成されるが、低誘電率のセラミックスやクオーツやガラスやその他の材料を使用できる。
したがって、磁場および電磁場はあまり混乱しない。妨害手段50の形状は、スラスタ1の出力部で必要なプラズマ流に適合させている。
この形状は、例えば管2の形状のように形成されている。
図3の例においては、妨害手段50は、メインチャンバを部分的に妨害する二つの複合体からなる。
第1妨害手段50は、ディスク51である。
第2妨害手段は、環状隔壁(ダイアフラム)49である。
図4は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図4のスラスタ1は、クワイエットチャンバ48を有している。
すなわち、図4においては、第1に、推力の軸4を画定するメインチャンバ6を有するスラスタ1と、第2に、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8と、第3に、メインチャンバ6内に噴射されたガスをイオン化するように構成したイオナイザ124と、第4に、前記軸4の推力方向に沿って前記イオナイザ124の下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18と、第5に、インジェクタ8の下流側でメインチャンバ6の上流側に位置する、イオン化可能ガスを受け入れるように構成したクワイエットチャンバ48とが示されている。
このクワイエットチャンバ48は、メインチャンバ6の上流側に位置する。
クワイエットチャンバ48は、磁場の第1最大点Bmax1によって作られるバリアを越えて通過することがある高エネルギーの電子からインジェクタノズルを保護するという利点がある。
このようなクワイエットチャンバ48は、メインチャンバ6における流動均一性を改良し、チャンバ内の密度勾配を制限する。
このようなクワイエットチャンバ48は、メインチャンバ6における流動均一性を改良しチャンバ内の密度勾配を制限するために、妨害手段と結合させることもできる。
クワイエットチャンバ48が妨害手段50と結合した場合には、クワイエットチャンバ48は妨害手段50の上流側に配置する。
図5は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図5のスラスタ1は、圧縮チャンバ58を有している。
この圧縮チャンバ58はインジェクタ8である。
かかる圧縮チャンバ58は、例えば温度変化により推進剤を要望の圧力にするように構成されている。
また推進剤は、機械的に閉鎖チャンバの体積を減少させることによって要望の圧力にすることもできる。
また、圧縮チャンバ58には上流側連絡手段59と下流側連絡手段61とを設け、上流側連絡手段59の表面合計が下流側孔部の表面合計よりも大きくなっているというような連続した手段でガスを圧縮することも可能である。
よって、圧縮チャンバ58は、流れ方向にほぼ収束した形状でありうる。
図5の例においては、圧縮チャンバは、テーパ状になっている。
これにより、例えば気体雰囲気のようなスラスタ1を包囲するガスを圧縮する。
スラスタを有する宇宙船の場合は、スラスタを包囲するガスは、スラスタ外部のガス(宇宙船外部のガス)である。
このガスは、メインチャンバ上流側で要望の圧力および密度を得るため圧縮される。
このような圧力および密度は、スラスタの状態(すなわち要望の推力および特定のインパルス)を制御するに適するようになっている。
したがって、推進剤を貯留する必要はない。
このような圧縮チャンバは、非常に希薄な状態の超高層大気を利用し、さらには太陽風として知られた惑星間プラズマを利用することさえもできる。
より低い高度では、気体雰囲気の圧力は、スラスタ1に必要な圧力よりも大きい。
図6は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図6のスラスタ1は、膨張チャンバ60を有している。
この膨張チャンバ60はインジェクタ8である。
膨張チャンバ60には、上流側連絡手段59と下流側連絡手段61とを設ける。
下流側連絡手段61の表面合計は、上流側連絡手段59の表面合計よりも大きくなっている。
よって、膨張チャンバ60は、流れ方向にほぼ広がった形状でありうる。
これにより、メインチャンバ6上流側で要望の圧力および密度を得るため、例えば気体雰囲気のようなスラスタ1を包囲するガスが膨張することになる。
したがって、推進剤を貯留する必要はない。このような膨張チャンバは、気体雰囲気の圧力および密度が必要以上に大きいところの気体雰囲気を利用できる。
上流側連絡手段59は、膨張チャンバ60壁の開口部でありうる。
上流側連絡手段59は、バルブで制御される。
すなわち、図5および図6においては、第1に、推力の軸4を画定するメインチャンバ6を有するスラスタ1と、第2に、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8と、第3に、メインチャンバ6内に噴射されたガスをイオン化するように構成したイオナイザ124と、第4に、前記軸4の推力方向に沿って前記イオナイザ124の下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18とを開示し、前記噴射されたイオン化可能ガスはスラスタ1を包囲するガスであるものを開示している。
再び、これにより、推進剤の貯蔵の必要性をなくすか減少させる。
図7は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図7のスラスタ1は、イオン化可能ガスをメインチャンバ6のイオン化領域に直接噴射するように構成したインジェクタ8を備えている。
すなわち、図7においては、第1に、推力の軸4を画定するメインチャンバ6を有するスラスタ1と、第2に、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8と、第3に、メインチャンバ6内に噴射されたガスをイオン化するように構成したイオナイザ124と、第4に、前記軸4の推力方向に沿って前記イオナイザ124の下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18とを開示し、前記インジェクタ8は、イオン化可能ガスをメインチャンバ6のイオン化フィールドに噴射するように構成したものを開示している。
これは、エネルギー電子密度が最も高くなるところにイオン化可能ガスを噴射できるという利点がある。
したがって、イオン化衝突数が多くなる。
この噴射は、メインチャンバ6の管2の壁に設けたスロット54を介してなしうる。
噴射ガス流はスロットの噴射ガス流と対称となるため、噴射したガスの均一性を改良できる。
また、噴射は、メインチャンバ6の管2の壁に設けた少なくとも一つの孔56を介してもなしうる。
これにより、噴射ガスの流圧によってより迅速にメインチャンバ6の高エネルギー電子密度の状態の中央領域に到着するため、イオン化効率も改良できる。
図7の例においては、スロット54および孔56を介してガスがメインチャンバ6のイオン化領域に噴射される。
エネルギー電子がイオン化領域で均一に分布していない場合でも電子分布が最大となる同じ位置で中性原子密度を高めることにより、イオン化効率を改良できる。
したがって、スラスタの全体エネルギー効率が改良される。
図8は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図8のスラスタ1は、メインチャンバ6に沿ってイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8を有している。
これにより、軸方向の均一性に対する上流側噴射の影響を制限できる。
したがって、これにより、メインチャンバ6に沿ったガスの均一性を改良できる。
図8の例においては、ガスは、管2の壁の一定間隔で離間した開口部を介して噴射される。
図9は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図10は、図9のスラスタ1の軸に沿った磁場の強度を示すグラフである。
図9のスラスタ1は、第1に、推力の軸4を画定するメインチャンバ6を有している。
またスラスタ1は、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8を有している。
さらに、スラスタ1は、前記軸4に沿って少なくとも一つの第1最高点を有しており、前記軸4に沿って軸方向に減少する磁場を発生するように構成した第1磁場発生器12を有している。
またスラスタ1は、前記第1最高点の下流側にメインチャンバ6にイオン化領域と、このマイクロ波イオン化フィールドの下流側に磁化重動加速フィールドとを発生するように構成したイオナイザ124を有している。
すなわち、図9においては、第1に、推力の軸4を画定するメインチャンバ6を有するスラスタ1と、第2に、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8と、第3に、メインチャンバ6内に噴射されたガスをイオン化するように構成したイオナイザ124と、第4に、前記軸4の推力方向に沿って前記イオナイザ124の下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18とを開示し、前記第1磁場発生器12、14は、コイルを有していないものを開示している。
これにより、スラスタ1は重動力の使用が可能となり、軸方向で減少する磁場を利用できる。
これにより、磁場発生器12につきコイルではなく磁石および電磁石の使用が可能となり、よってコイルの質量や熱といった問題を回避できる。
この実施例においては、スラスタ1は、真空の透磁率を越える物質で形成される磁気回路68を有している。
これにより、有用な位置で効率的に磁場をかけることができる。
さらに、それにより、他の宇宙船サブシステムに外乱を与えうる大きなスラスタ外部のフリンジ磁場を回避できる。
また、これにより、要望の位置で同様の磁場発生のために使用される電磁石の消費出力の減少が可能となる。
電磁回路68は、メインチャンバ6の軸とほぼ平行に磁場を発生するように構成されている。
これは、重動力を発生させそれを良好にするという利点がある。
この電磁回路68の磁場は、下流側で広がっている。
これにより、下流側でのプラズマの磁場からの引き離しが容易になる。
これにより、プラズマビームの広がりを少なくし、よって推力を改良できる。
磁気回路は、非連続のものでもよい。
すなわち、磁気回路は、真空の比透磁率と等しい比透磁率を有する領域または要素を有している。
磁気回路の形状は、スラスタ出力で必要なプラズマ流に適合するようになっている。
この形状は、例えば管2の形状となっている。
この磁気回路68の別の利点は、複合体を使用できることである。
磁場発生器12、14は、少なくとも一つの磁石64からなる。
磁石64は、電源に依存せず、熱も発生しない点で、コイルや電磁石と比較して非常に有利である。
またこの磁場発生器12、14は、少なくとも一つの電磁石64でもある。
電磁石66は、消費電力をより少なくすることや発熱が少ない点で、コイルと比較して非常に有利である。
電磁石66は、制御可能性の点では磁石64よりも有利である。
図11は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図12は、スラスタの軸に沿った磁場の強度を示すグラフである。
図11のスラスタは、第1磁場と重畳する磁場を発生するように構成した少なくとも一つの第2磁場発生器70を有している。
この磁場は、少なくとも一つの、軸4に沿って第2磁場強度最高点を発生させる。
この第2最高点は、前記第1最高点の下流側であり、かつ磁化重動加速フィールドの上流側に位置する。
すなわち、図11は、軸4に沿って磁化重動加速フィールドの上流側に磁場を発生するとともに磁気瓶効果を発生させるように構成した少なくとも一つの第2磁場発生器70を有するスラスタ1を開示している。
実際にも、かかる磁場発生器は磁気瓶効果を発生させる。
実際にも、第2磁場最高点は、第1磁場最高点の下流側かつ磁化重動加速フィールドの上流側に生じる。
すなわち、第2磁場発生器70は、軸4に沿って磁場を発生させ、これは第1磁場発生器12、14によって発生した磁場と同じ方向を有する。
このように、第2磁場最高点の垂直に第2磁場発生器70を追加すると、第1磁場最高点の下流側かつ磁化重動加速フィールドの上流側で、軸4の全体磁場強度を増加させる。
よって、メインチャンバ6は、管2の壁ではなく磁力線によって制限される。
これにより、チャンバ壁材と衝突するイオンおよび電子の流束を制限することで、全体的推力効率が増加する。
この第2磁場発生器70は、図10の例と同様に、コイルを使用することによって実現され、そのエネルギーはコイルのみを使用した構成よりも、低エネルギーで足りる。
図13は、本発明の別の実施例によるスラスタの概略断面図である。
図14は、図13のスラスタの軸に沿った磁場の強度を示すグラフである。
図13のスラスタにおいては、第1磁気回路68がメインチャンバ6のマイクロ波イオン化フィールド下流側、磁化重動加速フィールド上流側で閉鎖するように構成されている。
また、軸4に沿って少なくとも一つの第3最高点を有する磁場を発生するように構成した第3磁場発生器72を有している。
前記第3磁場発生器72は、第1磁場発生器12、14の下流側であり、かつ磁化重動加速フィールドと少なくとも重複している。
軸に沿って第1磁場発生器12、14および第3磁場発生器72によって発生した第1、第3磁場は、同極性または反対極性である。
この装置は、第1磁場発生器12、14とコイルを有する第2磁場発生器70とを使用した場合に比較して、より軽量であり、必要とされる電力はより少ない。
この装置は、電磁瓶効果を発生させる。
また、第3磁場発生器72の上流側に、カスプすなわち磁場が存しない領域を生じさせる。
したがって、推進軸が発生カスプを通過しない場合、管2の壁をこの磁場なしの領域の境界線近傍に位置させつつこの領域の通過を回避させるとよい。
第1磁場発生器12、14、第3磁場発生器72は、第1共通コンパウンド74を備えている。
もし共通コンパウンド74が設けられている場合、カスプの真下に配置できる。
推進軸がカスプを通過する場合、プラズマ流が磁力線に従うとしても、プラズマは磁場勾配強度が非常に有力な領域から反発する。
これが反射効果である。
これは、第1磁場発生器12、14および第3磁場発生器70の共通コンパウンド74の近傍においては、磁場の勾配が大きいためである。
プラズマが管の壁から反射するため、軸に沿ってプラズマが閉じ込められる。
第1共通コンパウンド74は、磁石、電磁石、あるいはコイルからなる。
この実施例は、上記の磁石や電磁石を使用した場合と同じ利点を有している。
また、加速フィールド上流側でスラスタ軸4に沿った磁気瓶効果も有している。
図15は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図16は、図15のスラスタの軸に沿った磁場の強度を示すグラフである。
図15のスラスタは、軸4に沿って少なくとも一つの第3最高点を有する磁場を発生するように構成した第4磁場発生器76を有している。
前記第4磁場発生器76は、第3磁場発生器72の下流側に位置する。
軸に沿って、第4磁場発生器76、第3磁場発生器72によって発生した第4、第3磁場は、反対極性である。
第4磁場発生器76、第3磁場発生器72によって発生した第4、第3磁場は反対極性であると、カスプが発生し、スラスタ1の軸4が発生カスプを通過する。
これによりプラズマがより容易に磁場から漏出する。
実際に、これは磁場が存しない加速領域の下流側領域を拡大するものに相当する。
このように、この加速領域において磁場勾配は増大する。
したがって、プラズマビームの広がりを減少させることができる。
また、磁場発生器72、76との間でミラー効果も生じる。
別の実施例においては、第4磁場発生器76と第3磁場発生器72とは、第2共通コンパウンド78を有している。
この第2共通コンパウンド78は、磁石、電磁石、あるいはコイルからなる。
この実施例は、上記の磁石、電磁石、またはコイルを使用した場合と同じ利点を有している。
また第4磁場発生器が何らかの方法で制御可能である場合、加速領域と外側領域とに対して制御性が大きくなり、スラスタの汎用性を高める。
図17〜図20は、推力方向を変化させるスラスタの様々な実施例を示す概略図である。
この推力方向変化能力は、推力偏向と呼ばれる。
上記のように、重動力は、磁場線に沿って導かれる。
よって、スラスタ加速領域の内部や下流の磁場線の方向や強度を修正すると、推力方向が変化することになる。
図20は、別の実施例のスラスタの断面図である。
このスラスタは、図1のものに類似する。
図20のスラスタは、加速フィールド内および加速フィールド下流側の磁場を修正するように構成した第5磁場発生器82を有している。
これにより、方向を変化させることが可能となる。
すなわち、図20においては、第1に、推力の軸4を画定するメインチャンバ6を有するスラスタ1と、第2に、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8と、第3に、メインチャンバ6内に噴射されたガスをイオン化するように構成したイオナイザ124と、第4に、前記軸4の推力方向に沿って前記イオナイザ124の下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18と、第5に、磁化重動加速フィールドの下流側の磁場方向を変化させるように構成した磁場発生器82とを開示している。
図20の例においては、スラスタには、この例においては、磁化重動加速フィールドの下流側に位置する4つの方向制御電磁石84、86、88、90からなる第5磁場発生器82が設けられている。
これらの電磁石は、最も下流に位置する磁場発生器より下流側の磁場方向を変化せるため、推力軸からオフセットさせる必要がある。
さらに、これらの電磁石は、メインチャンバ6の軸4から等距離に位置している。
図19は、4つの電磁石84、86、88、90および管6を示した正面図である。
さらに、これらの電磁石を一つ以上通電することによって発生する様々な磁場を示している(これらは管2内の矢印で示されている)。
好ましくは、電磁石が上流側の磁場発生器12、14によって作られる磁場に対して反対方向の磁場を発生させ、さらに磁場勾配ひいては推力を増大させる。
さらに、電磁石を可逆電流で通電すると、広汎な領域において推力方向を変化させることができるとともに、より複雑な電源供給部の代わりにより少ない電磁石(4個ではなく2〜4個)を使用することができる。
また、単一の磁石を使用することもできる。
ただし、下流側磁場を変化させるため、周囲を移動させる必要がある。
図17は、図19に類似する正面図であるが、スラスタは2つの追加電磁石84、88のみを有している。
図18は、図19に類似する正面図であるが、スラスタは3つの追加電磁石84、88のみを有している。
図17〜図20の例において、方向制御用の第5磁場発生器82は、加速ボリューム内の磁場あるいは加速ボリュームに近接した磁場に作用するよう、できるだけ第2空洞に(すなわち磁化重動加速フィールドに)接近して配置される。
方向制御用の第5磁場発生器82の磁場強度は、磁場が依然としてスラスタ下流と連続して減少するように選択するとよい。
これにより、プラズマ電子が局部的に閉じ込められるミラー効果を回避できる。
方向制御用第5磁場発生器82によって発生される磁場の値は、磁化重動加速フィールド内の磁場の方向がどこも逆転しないよう、好ましくはメインフィールドの5%〜95%である。
図21は、スラスタの別の実施例による概略図である。
図22は、図21のスラスタの概略断面図である。
図23は、図21の推力軸に沿った磁場および電磁場の強度を示すグラフである。
図21は、軸4の垂直面にイオン化ガスを閉じ込めるように構成した第6磁場発生器96を示している。
すなわち、図21においては、第1に、推力の軸4を画定するメインチャンバ6を有するスラスタ1と、第2に、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8と、第3に、メインチャンバ6内に噴射されたガスをイオン化するように構成したイオナイザ124と、第4に、前記軸4の推力方向に沿って前記イオナイザ124の下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18と、磁化重動加速フィールドの上流側のイオン化ガスを閉じ込めるように構成した第6磁場発生器96とを開示している。
この第6磁場発生器96は、第1磁場発生器12、14の下流側に位置する。
第6磁場発生器96は、磁場発生器12の下流側および/またはイオナイザ124の上流側かつイオナイザ124の下流側からスラスタ排出まで位置することができる。
好ましくは、第6磁場発生器96は、イオナイザ124の下流側かつ磁化重動加速フィールド18の発生器の上流側の区間において有用なものとなる。
これは、加速前の電荷粒子をより良好に閉じ込める。
したがって、第6磁場発生器96は、磁気瓶効果の発生手段の少なくとも内側に位置する。
この閉じ込めは、軸4およびその近傍を構成するカスプ発生時に実現される。
この近傍は、第6磁場発生器96の磁場線に接している。
これは、メインチャンバ6の軸4に対する垂直面においてミラー効果を発生させることが可能である。
したがって、プラズマが軸4側へ反発する。
これにより、エネルギー損失を限定できる。
また、管の壁を熱から保護できる。
さらに、同様のイオン化エネルギーに対してプラズマ密度が大きいので、スラスタのエネルギー効率を改良できる。
これは、例えば一対となった複数の磁場発生器96〜106のセットによって実現される。
これら磁場発生器96〜106のそれぞれの磁軸は、磁場発生器の各磁極の中央(重心)の間の直線を構成する。
この磁軸は、管2壁の局所接線とほぼ平行しているとともに、メインチャンバ6の長手方向軸4に対してほぼ垂直となっている。
別の実施例においては、磁軸は局所接線とメインチャンバ6の長手方向軸4とに対して垂直になっている。磁 場発生器96〜106は、それぞれの極が隣り合った同じ極性を有する磁場発生器96〜106の極に面するように配置される。
あるいは、磁場発生器のそれぞれの極は、メインチャンバ6の軸4に対して対称反対側の磁場発生器の極と同じ極性を有している(例えば図21の磁場発生器96と102、106と100)。
また、磁場発生器96〜106は、少なくとも一つのメインチャンバ6の軸4と垂直な管2の断面に含まれるように配置される。
好ましくは、少なくとも4つの磁場発生器が設けられている。
これにより、全ての軸方向にミラー効果が存するため、プラズマの軸方向の漏出を防止できる。
実際に、もし磁場発生器が2つだけ設けられている場合には、磁場線をカバーすることによって、すなわちメインチャンバ6の軸4に垂直面においてプラズマ流出を防止する磁場線によって、接しない方向が一つ存する。
この実施例には、磁石、電磁石、コイルによって実現される。
図24は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図24は、スラスタの少なくとも二つの複合体を固定するように構成した固定手段94を有している。
すなわち、図24においては、第1に、推力の軸4を画定するメインチャンバ6を有するスラスタ1と、第2に、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8と、第3に、メインチャンバ6内に噴射されたガスをイオン化するように構成したイオナイザ124と、第4に、前記軸4の推力方向に沿って前記イオナイザ124の下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18と、スラスタ1の少なくとも二つの複合体を固定するように構成した固定手段94とを開示している。
これにより、スラスタの複合体間の距離をセットできる。
スラスタの複合体は、実施例において使用される装置からなる。
図24の例においては、この複合体は、インジェクタ8、第1磁場発生器12、14、管2、電磁場発生器18である。
したがって、複合体の移動を防止できる。
これにより、複合体の破壊を防止できる。またそれらの距離を制御できる。
これは、鋳造可能な物質(すなわち、セラミックやガラスや樹脂のような硬化して固体になる一部流動材料)でスラスタの複合体を接着または造型することによって実現できる。
この材料は重く加熱することがあるが、複合体の動き(例えば複合体への接近)を防止する。
好ましくは、固定手段は、複合体が1ギガニュートンを超える力を受けた場合でも複合体の移動を防ぐように構成されている。
注目すべきは、これは、ロケット軌道発射時に宇宙船部が受けるものと同様の強度の持続した加速時、振動時、衝撃時の移動を防ぐ。
この固定手段は、グリッド、プレート、バーあるいは軸4に沿ったウェブである。
これらの固定手段94の選択は、スラスタ1の重量、体積、形状との妥協に左右される。
固定手段は、スラスタに適合するような形状となっている。
図24の例においては、固定手段は二つのバーである。
モードは、共振空洞112内の電磁エネルギー場の強度と位相の空間分布と定義される。
加速領域においては、メインチャンバ6内に又は管2内に電磁エネルギー最高点が存するようにモードを選択するとよい。
これにより、重動力を増加することができる。
もっとも、共振空洞112においては、プラズマの電気誘電率により、共振空洞112でのモードが変化することがある(さらに/あるいはその振動数が変化することがある)。
したがって、本発明の別の実施例においては、スラスタ1は、第1に、推力の軸4を画定するメインチャンバ6を有するスラスタ1と、第2に、メインチャンバ6内でイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ8と、第3に、メインチャンバ6内に噴射されたガスをイオン化するように構成したイオナイザ124と、第4に、前記軸4の推力方向に沿って前記イオナイザ124の下流側に磁化重動加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器12、14および電磁場発生器18と、さらに少なくとも一つの共振空洞112とを有しており、前記電磁場発生器18は、共振空洞112のモードを制御するように構成されている。
図25は、本発明の別の実施例によるスラスタの概略断面図である。
図25の電磁場発生器18は、さらに、共振空洞112内に定常電磁波を発生するように構成したハウジング110を有している。
ハウジング110は、一つ以上の連結手段を介して共振空洞112にマイクロ波エネルギーを供給するとともに、それらの間に所定の位相関係を共振空洞112に与えるように構成したシステムであると定義される。
このハウジング110は、電磁波を共振空洞112に案内する。
したがって、定常波がハウジング110内で発生すると、定常電磁波が共振空洞112に提供される。
それから、定常電磁波によって、共振空洞112のモードを制御される。
定常波は、例えば、プラズマが閉じ込められるところである(あるいはメインチャンバ6が通過するところである)軸に沿って要望の電磁エネルギー最大値を与えるように選択することができる。
定常電磁波を得るため少なくとも一寸法が充分に大きなハウジング110を設けると有利である。
ただし、これによりスラスタ1の重量が増加してしまう。
図24の例においては、ハウジング110は、共振空洞112を含むように構成されている。
これにより、プラズマによるモードパターンの修正および/または共振空洞112のモード振動数の変化を限定できる。
実際に、プラズマは共振空洞112内に含有されるのであって、ハウジングのその他の領域には含まれない。
したがって、プラズマは共振空洞112外部のハウジング内のモードを修正できない(および/または振動数変化もできない)。
相互に、空洞外のハウジング内の定常波は、空洞内のモード変化を防止する。
すなわち、プラズマが、空洞に含まれその他残部のハウジング内には含まれない完全な定常波パターン部分のみに影響を与えるため、モード全体がより強固になっている。
このように、モードはあまり修正されない。
すなわち所定モードの修正にはより多くのエネルギーが必要となる。
したがって、モードが共振空洞外部から固定されている。
ハウジング110は、磁場ループ、スロット、電気双極子アンテナのような種々の連結手段によって電磁場発生器18に連結している。
この連結手段の選択や連結位置の選択によって、既存のモードが定まる。
スラスタの軸4の外側にいくつかの電磁エネルギー最大点を有しているモードの場合、管2やメインチャンバ6の形状や位置は、最大点の軸方向位置に適合させる。
例えば、管は、複数の第2管に分割できる。
これにより、軸4に沿った最小点を有するモードが使用可能になる。
これにより、排気面とフットプリント(スラスタ取付に必要な断面全体)との比率の最適化が可能となる。
図26は、本発明の別の実施例によるスラスタ1の概略断面図である。
図26は、共振空洞112内側かつメインチャンバ6外側の固体物質手段122からなる。
この固体物質手段は、その電気誘電率および/または透磁率のため、モードを変更するに適するものである。
このように、固体物質手段122は、モード選択および制御に使用される。
この固体物質手段122は、好ましくは、メインチャンバ6の外側に設けられている。
なぜなら、もし内部に設けると、強いエネルギーイオン衝撃を受けることになるからである。
これらの固体物質手段122は、共振空洞の動的チューニングが可能となるように可動である。
これにより、エネルギー結合効率が改善される。
図27〜図38は、本発明のその他の実施例によるスラスタの種々のイオナイザ124の概略断面図である。
図27〜図38は、インジェクタ8とイオナイザ124を有している。
図27のイオナイザ124は、少なくとも一つの金属表面126を有している。
この金属表面126は、推進剤の第一イオン化ポテンシャルよりも大きな仕事関数を有する。
かかるイオナイザは、接触イオン化構造体と定義される。
これは、文献(Contact Ionization Ion sources for Ion Cyclotron Resonance Separation”,Jpn.J.Appl.Phys.33 (1994) 4247−4250,Tatsuya Suzuki,Kazuko Takahashi,Masao Nomura,Yasuhiko Fujii and Makoto Okamoto)に開示されている。
接触イオン化構造体はイオンの第1プロバイダとして使用できるため、それをイオナイザ124として使用できる。
接触イオン化構造体は、イオン化可能媒体(例えばガス)と接触する金属表面126を有しており、多孔質の金属断面の形状であり、これを介してメインチャンバ6内にガスが噴射される。
仕事関数とは、例えば光電子放出によって電子を固体物質から放出するに必要な最小エネルギーであると定義される。
推進剤は、その第1イオン化ポテンシャルが固体物質表面の仕事関数よりも低い場合、イオン化される。
図28は、インジェクタ8とイオナイザ124を有している。
図28のイオナイザ124は、少なくとも一つの電子エミッタ128からなる。
実際に、噴射ガスのイオン化は、噴射ガスに対し電子衝撃を与えることによって得られる。
実際に、電子や中性原子が衝突する場合、もし電子の運動エネルギーが原子のイオン化エネルギーよりも高いならば、中性原子はイオン化される。
非常に単純な電子衝撃イオン化構造体は、メインチャンバ6内の電子エミッタ128からなる。
電子エミッタは、電子銃、熱陰極、冷陰極、中空陰極、放射線源、あるいは圧電クリスタルである。
電子平均運動エネルギーが推進剤のイオン化エネルギーのほぼ2〜5倍であると、通常は最も高いイオン化確率に達する。
これは、より効率化のためには、イオン化構造体は、このエネルギー領域(通常約50〜200eV)まで自由電子の運動エネルギーを増大する手段を有していなければならないことを意味する。
このようなイオナイザ124は、文献(”The performance and plume characterization of a laboratory gridless ion thruster with closed drift acceleration”,AIAA Joint Propulsion Conference ,AIAA−2004−3936,2004 by Paterson Peter Y.and Galimore Alec D)に開示される電子エミッタ128を少なくとも一つ有している。
図29は、インジェクタ8およびイオナイザ124からなる。
図29のイオナイザは、メインチャンバ6内にそれぞれ異なった電位の少なくとも二つの電極130を有している。
これにより、永久電場を与えることで電子の運動エネルギーを増大させることができる。
イオナイザ124は、メインチャンバ6内の異なった電位の二つの電極からなることができる。
マイナス側(カソード)は、電子プロバイダとして機能するものであり、好ましくは、イオンのカソードへの侵害・浸食の可能性を減らすため推進剤噴射部近傍に配置されている。
このようなイオナイザ124は、メインチャンバ6内にそれぞれ異なった電位の少なくとも二つの電極130を有している。
別の実施例においては、スラスタ1は、スラスタの少なくとも一つのコンパウンドから熱を除去するように構成した冷却手段167を有している。
すなわち、二つの電極130は、大電流(100mAを越える)を維持するように構成されている。
さらに、システムの残りは、電極130および/または管2またはスラスタ1のその他の部位を受動的または積極的に冷却することによって、このような大電流に伴う熱影響に耐えるように構成されている。
これにより、プラズマ密度が低電流放出よりも高くなる。
別の実施例においては、いくつかのスラスタコンパウンドから除去される熱の部分は、推進剤に伝達され、ガス状でなければ熱の状態を変化させるか、熱エネルギー含量を増大させる(冷却スラスト)。
このような冷却は、再生冷却と呼ばれる。
図30は、インジェクタ8とイオナイザ124を示している。
図30のイオナイザ124は、メインチャンバ6内にそれぞれ異なった電位の少なくとも二つの電極130を有しているとともに、少なくとも二つの電極130の間に第7磁場を発生するように構成されている第7磁場発生器132を有している。
イオン化は、第7磁場をイオン化領域に適用することによって改善されているが、これは、第7磁場によって電子が磁場線の周囲を旋回するからである。
これにより、電極間の経路長が延長する。
そして、イオン化衝突の可能性を高めることになる。
さらに、第1磁場発生器12、14によって発生した第1磁場は、また第7磁場発生器132によって発生した第7磁場として使用される。
図31は、インジェクタ8とイオナイザ124を示している。
図31のイオナイザ124においては、少なくとも二つの電極130は、リングアノード134と、このリングアノード134の上流側と下流側にそれぞれ配置した二つのリングカソード136、138とからなる。
少なくとも電極134〜138の間に第7磁場を発生するように構成されている第7磁場発生器132も示されている。
この実施例は、ペニング放出と呼ばれる。
この装置は、電子が二つの電極間で振動するものである。
よって、電子の噴射ガスを通る通路は、より長いものとなる。
このようなイオナイザ124は、文献(F.M.Penning,Physica,4,71,1937)に記載されている。
この実施例は、第8磁場を発生するとともに、アノード周囲の磁場強度と比較してカソード周囲の磁場強度を高める磁気瓶効果を発生させるように構成されている第8磁場発生器と組み合わせることもできる。
この実施例においては、第8磁場は、軸4周囲で非均一である。
これによりイオン化を向上させる。
さらに、第7磁場発生器132によって発生した第7磁場は、また第8磁場発生器133によって発生した第8磁場として使用される。
このようなイオナイザ124は、文献(F.M.Penning,Physica,4,71,1937)に記載されている。
図39は、イオナイザ124を示している。
図39のイオナイザ124においては、少なくとも二つの電極130は、短く強度のある電流パルスを固体の推進剤160の表面に沿って伝達して各インパルス部位において推進剤160の小層を剥離イオン化する二つの電極である。
好ましくは、この電極130は、固体推進剤の下流側表面と接触を保っている。
この接触により結合効率を確実にするが、これは推進剤160の蒸発およびイオン化により多くのエネルギーが使用されることによる。
例えば、イオナイザ124は、軸4に平行しており固体推進剤の長さにわたってメインチャンバ6に沿って配置した二つのレール状電極129を有している。
推進剤160が消費されると、下流側表面が凹む(すなわち、下流側表面がスラスタ1の上流側に移動する)。
レール状電極130により、電極が推進剤160の下流側表面と接触し続ける。
また、このようなレール状電極は、下流端により磁場発生器に連絡している。
これにより、固体推進剤160の下流側表面における放出が確実となる。
実際に、固体推進剤160の下流側表面は、低インダクタンスの伝導経路を提供する。
別の実施例においては、その軸方向長さがスラスタ長よりも非常に短い電極130と、固体推進剤160の下流側表面が電極130への接触を維持するように固体推進剤160を押す手段とを備えている。
図32は、インジェクタ8とイオナイザ124を示している。
図32のイオナイザ124は、メインチャンバ6内に交番電磁場を発生するように構成されている少なくとも一つの電磁場発生器140を備えている。
実際に、ガス中に自然に存する自由電子か電子エミッタ128によって追加提供された電子に例えば結合アンテナ(電極139)を使用する際に交番磁場を適用することにより、それにエネルギーが与えられる。
好ましくは、少なくとも一つの電磁場発生器140の振動数は、2GHz未満である。
これにより、最大積載質量(特にスラスタ1を有する宇宙船の連絡手段)の問題を回避できる。
図33の例においては、少なくとも一つの電磁場発生器140は、高周波発生器140に連結した容量結合電極142を有している。
容量結合電極141は、異なった電位の一対の電極141であると定義される。
これら容量結合電極141は、高周波エネルギー源に連絡している。
この例においては、容量結合電極141は、プラズマを含有する管2の外部に配置しており、これは電極142が粒子衝突による浸食を受けない容量放電を意味している。
図33の例においては、リング結合した一対の電極141が存する。
この容量放電においては、容量結合電極141は管2の外部に位置するため、いかなる部位もプラズマと直接接触する必要はない。
したがって、浸食のリスクを減少することになる。
図34の例において、少なくとも一つの電磁場発生器140は、高周波発生器140に連絡した誘導的結合コイル144を有している。
交流が供給されるコイルを使用して、交番磁場がイオン化領域に与えられる。
交流により、交番電場を含む交番磁場を作り出す。
容量放電と同様に、この誘導放電においては、容量結合電極141は管2の外部に位置するため、いかなる部位もプラズマと直接接触する必要はない。
したがって、浸食のリスクを減少することになる。
明らかな筒形コイル形状の他に、別のコイル形状を使用することもできる。
このようなイオナイザ124は、米国特許第4010400号(Hollister,”Light generation by an electrodeless Fluorescent lamp”)や、米国特許第5231334号(Paranjpe,”Plasma source and method of manufacturing”)に開示されている。
これらの両実施例(すなわち容量結合電極142と誘導結合コイル144)においては、第9磁場発生器により発生される第9磁場により、好ましくは、高周波電磁場発生器140の使用周波数が、イオンや電子のサイクロトロン周波数、プラズマ振動数、上下混成周波数のようなプラズマ特性共振周波数に近い場合に、エネルギー伝達がより効率的になるので、改良される。
図35は、インジェクタ8とイオナイザ124を示している。
図35のイオナイザ124は、高周波発生器140に連絡した、少なくとも一つのヘリコンアンテナ146を有している。
また図35は、メインチャンバ6の軸4にほぼ平行して第10磁場を発生するように構成されている第10磁場発生器148を示している。
ヘリコン型のアンテナおよび周波数は、高密度プラズマを発生するため有利である。
このようなイオナイザ124は、文献(R.W.Boswell,”Very efficient Plasma Generation by whistler waves near the lower hybrid frequency”,Plasma Physics and Controlled Fusion,vol.26,No.10,ppl 147−1162,1984)、文献(R.W.Boswell,”Large Volume high density RF inductively coupled plasma”,App.Phys.Lett.,vol.50,p.1130,1987)、米国特許第4810935号(R.W.Boswell,”Method and apparatus for producing large volume magnetoplasmas”)、米国特許第5146137号(Gesche et al.,”Device for the generation of a plasma”)に開示されている。
別の実施例において、上記高周波イオナイザ(すなわち容量放電、誘導放電、共振、ヘリコンアンテナ)は、少なくとも一つの電子エミッタ128をメインチャンバ6内部に使用することができる。
これは、放出開始をより容易にすることや、プラズマ密度をより高くすることができるという利点がある。
図36は、インジェクタ8とイオナイザ124とを示している。
図36のイオナイザ124は、波長が5mm未満であって焦点152にビームを集中させるように構成した少なくとも一つの放射源150を有している。
第1に、これにより焦点の直径がメインチャンバ6の直径よりも短くなる。
したがって、焦点直径が通常の集中対象間の距離より短くなる。
これに対し、もし波長が5mmを越える場合、メインチャンバ6の直径は5cmを越えなければならない。
これは、スラスタ1がより低推力密度となることを意味している。
第2に、5mm未満の波長を使用することで、放射源のパワーが500W未満であったとしても、焦点内で1GPaを越える圧力に達することができる。
このような高圧は、高プラズマ密度を生じるので望ましい。
さらに、放射源のパワーが低ければ低いほど、スラスタ1の全体効率がより高くなる。
5mm未満波長の放射源150は、イオン化に充分な界強度を生じることが可能となるし、メインチャンバ6内へ、すなわちメインチャンバ6の容積内部へ(これは米国特許第3955921号(Tensmeyer)および米国特許第4771168号(Gunderson等)に開示されている)、あるいは管2へ(これは米国特許第5990599号(Jackson等)に開示されている)の電子放出が可能となる。
図36の例においては、焦点152は、管2の表面に存する。
また、管2には、波が管2を通過する透過部位が存する。
図37の例においては、焦点152は、メインチャンバ6内の焦点ボリュームである。
放射源150は、フラッシュランプ放射源154および反射体156を有している。
また管には、管2を通って波を通過させる透過部158も設けられている。
図37は、高圧にすべくメインチャンバ6内部の小さな焦点ボリューム152へ強力放射を集中させることによって推進剤をイオン化するため、放射源150が使用される実施例を示している。
この圧力は、単位ボリュームあたりのエネルギーと定義される。
例えば、例としては、レーザ励起に使用されるものと同様の、使用波長に対して透過性のある物質(例えば光学UV波長のクオーツ)からなる管2を有するメインチャンバを包囲する強烈な円筒フラッシュバルブが挙げられる。
このような放射源は、集中効果を高めるため反射体および/またはレンズ156とともに設けられる。
個々の光子エネルギーがイオン化エネルギー以上となるように波長が選択される場合(ほとんどの場合、UV波長は450nm未満であって、個々のエネルギーは1eVを越える)、光電効果による電子を生じるため、推進剤は光イオン化によりイオン化されるか、あるいはメインチャンバ内部の固体表面に放射が集中する。
かかる装置の別の考えられる実施例としては、レーザビームをメインチャンバ内部の専用表面に与えることである。
これにより、メインチャンバ6内部に物質部なしにプラズマが生じる。
これにより、インピーダンス順応問題またはRFやマイクロ波システム(特にプラズマ直径がマイクロ波より非常に大きなシステム)で生じるプラズマ密度制限問題を減少することができる。
このような問題は、電磁場のシールドを引き起こすプラズマ浸入度を原因とするものである。
さらに、放射源は、スラスタおよび/または宇宙船から離間して設けることができる。
図39は、イオナイザ124を示している。
図39のイオナイザ124は、少なくとも一つの5mm未満波長の放射源150であって、焦点152にビームを集中させるように構成されている。
さらに、図39のイオナイザ124は、少なくとも一つの固体推進剤160を有しており、少なくとも一つの放射源150は前記固体推進剤160に集中するように構成されている。
実際に、もし放射強度が充分に強力である場合、推進剤(Na、Li等)が固体状態でメインチャンバ内部に貯蔵され、それと同時に強力なレーザ衝撃によって蒸発・イオン化されるシステムを設計することが可能である。
この装置によると、専用の蒸発システムなしに固体推進剤を使用できるとともに、非常に密度の高いプラズマのパルスを得ることが可能となる。
本発明の別の実施例においては、システムは、少なくとも一つのスラスタと、このスラスタにパワーを供給する少なくとも一つのマイクロ波供給源114とを有している。
これにより、複数のスラスタをともに使用することができる。
各スラスタにはそれぞれのマイクロ波供給源114から(あるいは複数スラスタまたは混合システムの独自のマイクロ波供給源114から)パワーが供給される。
また、このシステムは制御装置を有することもできる。
それから、マイクロ波供給源114が停止、破壊、充分な推力供給不能の場合、この制御装置は別のマイクロ波供給源114に推力供給するよう指令を出す。
マイクロ波供給源114は、衛星のマイクロ波通信やデータ転送に使用するものに由来できる。
これにより、ほとんどの衛星に存するマイクロ波供給源114をスラスタが使用することが可能となる。
実際に、地上との通信のため、あるいはその他の任務達成のために、衛星はそのようなマイクロ波供給源114を有している。
図40は、本発明の別の実施例を示す概略図である。
図40は、宇宙船本体120と、この宇宙船本体120を直進または回転させるように構成されている少なくとも一つのスラスタ1とを有するシステムを示している。
このスラスタ1は、推力偏向技術を利用することができる。
3つのスラスタ1が宇宙船本体120の異なった三側面に配置される場合、宇宙船本体120があらゆる方向に移動または回転するにつき充分なものとなる。
二つのスラスタ1が宇宙船本体120の二側面に配置される場合、スラスタは二方向のみに回転することになる。
それでもなお、三方向に移動することは可能である。
また、これにより、宇宙船本体側面に機械的にジンバルを行う必要のある従来技術のスラスタを使用する必要がなくなる。
方法についての実施例は、これらのスラスタおよびシステムについての実施例から演繹される。
この方法実施例は、これらのスラスタおよびシステムについての実施例と同じ利点を有している。
本発明は上記の実施例に限定されるものではない。
特に、上記の種々の解決手段を組み合わせることができる。
例えば、図3〜図8に開示されるガス噴射を改良するための解決手段は、図17〜図20に開示される推力方向誘導を改良する解決手段と組み合わせて使用することもできる。
種々の磁場を発生させるコイルや、図9〜図16に開示されるコイルなしの解決手段を使用することもできる。
また、同じ目的のための種々の解決手段を組み合わせることもできる(例えば、図5、図13、図18のガス噴射手段を組み合わせる)。
好ましい実施例は、以下の通りである。
−図38、図25、図21の解決手段の組み合わせ、
−図35、図8、図15の解決手段の組み合わせ、
−図31、図4、図19の解決手段の組み合わせ。
また、磁場発生器によって発生した磁場の軸4に沿った最大点の上流側に存するマイクロ波イオン化フィールドをメインチャンバ6内に発生するように構成されている少なくとも一つの電磁場発生器を有するイオナイザ124を使用するという組み合わせも可能である。
1 スラスタ
6 メインチャンバ
8 インジェクタ
12、14 第1磁場発生器
18 電磁場発生器
48 クワイエットチャンバ
49 環状隔壁(ダイアフラム)
50 妨害手段
51 ディスク
124 イオナイザ

Claims (7)

  1. 推力の軸(4)を画定するメインチャンバ(6)と、
    このメインチャンバ(6)内にイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ(8)と、前記メインチャンバ(6)内の噴射ガスをイオン化するように構成したイオナイザ(124)と、前記推力軸(4)上の推力の方向に沿って前記イオナイザ(124)の下流側に磁化動重加速フィールドを発生するように構成した第1磁場発生器(12、14)および電磁場発生器(18)と、少なくとも1つの共振空洞(112)とを有するスラスタ(1)であって、
    前記電磁場発生器(18)は共振空洞(112)のモードを制御するように構成され、スラスタ(1)は共振空洞(112)内に固形物質手段(122)をさらに含み、前記固形物質手段(122)はその電気誘導率および/または誘磁率により共振空洞(112)のモードを制御するように構成されていることを特徴とするスラスタ。
  2. 推力の軸(4)を画定するメインチャンバ(6)と、
    このメインチャンバ(6)内にイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ(8)と、前記メインチャンバ(6)内の噴射ガスをイオン化するように構成したイオナイザ(124)と、前記推力軸(4)上の推力の方向に沿って前記イオナイザ(124)の下流側に磁化動重加速フィールドを発生するようにこのイオナイザ(124)の下流側に配置して構成した少なくとも1つの磁場発生器(14)および電磁場発生器(18)と、少なくとも1つの共振空洞(112)とを有するスラスタ(1)であって、
    前記電磁場発生器(18)は共振空洞(112)のモードを制御するように構成され、スラスタ(1)は共振空洞(112)内に固形物質手段(122)をさらに含み、前記固形物質手段(122)はその電気誘導率および/または誘磁率によって共振空洞(112)のモードを制御するように構成されていることを特徴とするスラスタ。
  3. 推力の軸(4)を画定するメインチャンバ(6)と、
    このメインチャンバ(6)内にイオン化可能ガスを噴射するように構成したインジェクタ(8)と、前記メインチャンバ(6)内の噴射ガスをイオン化するように構成したイオナイザ(124)と、前記推力軸(4)上の推力の方向に沿って前記イオナイザ(124)の下流側に磁化動重加速フィールドを発生するように一部(12)をこのイオナイザ(124)の上流側に、他の一部(14)を下流側に配置して構成した第1磁場発生器(12、14)および電磁場発生器(18)と、少なくとも1つの共振空洞(112)とを有するスラスタ(1)であって、
    前記電磁場発生器(18)は共振空洞(112)のモードを制御するように構成され、スラスタ(1)は共振空洞(112)内に固形物質手段(122)をさらに含み、前記固形物質手段(122)はその電気誘導率および/または誘磁率によって共振空洞(112)のモードを制御するように構成されていることを特徴とするスラスタ。
  4. 前記電磁場発生器(18)は、共振空洞(112)内で定常電磁波を発生するように構成されたハウジング(110)をさらに含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスラスタ。
  5. 前記ハウジング(110)は、少なくとも部分的に共振空洞(112)を収容するように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスラスタ。
  6. 推力発生方法において、
    メインチャンバ(6)内にガスを噴射するステップと、
    メインチャンバ(6)を部分的に妨害するステップと、
    ガスの少なくとも一部分をイオン化するステップと、
    磁化動重力により、部分的イオン化ガスを加速するための第1磁場および電磁場をガスに実質的に印加するステップと、
    からなる推力発生方法であって、
    共振空洞(112)内の固形物質手段(122)を用いてその電気誘導率および/または誘磁率により共振空洞(112)のモードを制御するステップも含むことを特徴とする推力発生方法。
  7. 推力発生方法において、
    メインチャンバ(6)内にガスを噴射するステップと、
    ガスの少なくとも一部分をイオン化するステップと、
    磁化動重力により、部分的イオン化ガスを加速するための第1磁場および電磁場をガスに実質的に印加するステップと、
    からなる推力発生方法であって、
    共振空洞(112)内の固形物質手段(122)を用いてその電気誘導率および/または誘磁率により共振空洞(112)のモードを制御するステップも含むことを特徴とする推力発生方法。
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