JP2014190729A - ガンマ線放射能測定に用いるu−8容器の密封用スペーサー材、及び充填試料の密封方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガンマ線放射能測定用容器として多用されているU−8容器の蓋はねじ口なので嵌合が不完全であり、水や土壌を充填後にねじ蓋を閉めて横倒しや逆さまにした際、水が漏れたり土壌の微粒子がねじ部に侵入して密封性が低かった。さらに液体試料の場合、必ずしも漏洩を防止できるか不安があり、土壌からのセシウム抽出液などの酸に対する耐性に配慮がなされてなかった。
【解決手段】U−8容器のねじ蓋を外した容器開口部と同じ円形に加工した市販の樹脂板を、試料充填後のU−8容器開口部に載せ、ねじ蓋を閉めることにより、安価で効率的に試料を密封する方法であり、樹脂の材質を選定したり硬化性樹脂を使って容器開口部に接着したりすることにより、さらに密封性を向上させることを可能とするガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材、及び測定試料の密封方法。
【選択図】図1
【解決手段】U−8容器のねじ蓋を外した容器開口部と同じ円形に加工した市販の樹脂板を、試料充填後のU−8容器開口部に載せ、ねじ蓋を閉めることにより、安価で効率的に試料を密封する方法であり、樹脂の材質を選定したり硬化性樹脂を使って容器開口部に接着したりすることにより、さらに密封性を向上させることを可能とするガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材、及び測定試料の密封方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、河川や水道水、飲料水、或いは放射性セシウム抽出液、その他水分を含む牛乳や土壌、海底土等、或いは災害廃棄物等の粉砕物や焼却物の粉末、煤塵等について、小型容器として通常多用されているU−8容器を使用しゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線放射能測定を行う場合、U−8容器内からの水分の蒸発、或いは放射性物質を含む水分や土壌、煤塵等の微粉末の漏洩を防止するため、安価で簡易的、且つ効率的であり優れた密封性を可能とするU−8容器用の密封用スペーサー材、及び密封方法である。
2011年3月11日に発生した東日本大震災および巨大津波は、被災地に大惨事をもたらしただけでなく、福島第1原子力発電所の事故により何十年と及ぶ深刻な放射能問題も引き起こした。
その中で、昭和61年に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故に伴い、斉一性のある放射能評価データを得るため関係省庁が規格化し発行してきたマニュアル(公定法)を基に、各自治体や民間企業、団体が各種食品や環境中の大気や水、土壌等について放射能汚染の実態調査を行い、モニターを続けている。
放射能測定では主にサーベイメーターの線量測定器とガンマ線スペクトロメーターの2種類に分けられるが、どのエネルギーのガンマ線(=核種)がどの程度あるか(定量)を測定する場合は、後者のガンマ線スペクトロメーターで測定・解析しなければならない。ガンマ線スペクトロメーターは主にNAI(Tl)シンチレーション検出器とゲルマニウム半導体検出器(以下、Ge検出器と略す)があるが、エネルギー分解能は後者のGe検出器の方が数十倍優れており定量精度が高い。従って、基準値は主にGe検出器による定量値が指標となっており、前処理を含む測定方法について、関係省庁から公定法が発行されている。
Ge検出器による放射能測定の試料容器としては、公定法で規定された測定方法があり、精度の高い定量分析を行うために必要な効率校正用の標準体積線源も頒布されている大容量の2Lマリネリ容器と約100ml容量のU−8容器の主に2種類ある。
2Lマリネリ容器は試料量が多くできるのでガンマ線の検出感度が高く測定時間の短くて済むが、逆に試料が多く必要であり容器自体も高価なため使い捨ては通常できない。一方、小型容器のU−8容器は試料量が少ないので測定時間は長いが、逆に試料量が少なくて済み、安価なため使い捨てが可能である。
そのため、原発事故による放射能汚染地域の河川や土壌等、そして震災との二重災害で発生した膨大な量の災害廃棄物等は測定数が非常に多いことから、U−8容器を使用して測定する場合が多い。
但し、試料を採取後直ぐに測定し適確に廃棄すれば問題は無いが、採取後日数が経過してから測定したり、或いは再測定用として保管したり、さらに放射能濃度が高い試料の場合は、そのまま保管廃棄(放射能が十分減衰するまで保管する廃棄手段)こともあり、これらの場合においては、U−8容器内から水分が蒸発すると正確な放射能濃度が測定できなくなったり、放射性物質を含む水分や土壌等の試料の漏洩する危険性がある。
JIS Z 4520「ゲルマニウムγ線検出器の試験方法」に記載されている様に、U−8容器の蓋はねじ口なので嵌合が不完全と考えられ、我々は実際にU−8容器に水や土壌を充填し、ねじ蓋を閉めて横倒しや逆さまにした際、水が漏れたり土壌の微粒子がねじ部に侵入して密封性が低いことを確認した。
従来、これらの課題に対するU−8容器の密封性を上げる方法としては、例えば、U−8容器に試料を入れた後、中蓋(=落とし蓋)とクッションボールを入れ、ねじ蓋を閉めた後、ビニールテープ止めする方法(非特許文献1)や、U−8容器に試料を入れた後、内蓋(=落とし蓋)をして、その上にシール材を充填して上蓋をし、さらに上蓋と容器の隙間を硬化性樹脂によって密封する方法(特許文献1)などがある。
しかしながら、前者では容器と蓋をビニールテープで止めているだけなので、密封性が十分とは言えず、後者は密封性が十分と言えるものの、作業の効率性が低く多数の試料測定には適当とは言い難かった。また、水や牛乳等の液体試料の場合、必ずしも漏洩を防止できるか疑問の余地があり、また、特に原発事故後、有機酸等の酸性水溶液を使って土壌からセシウムを抽出して放射能セシウムを測定するケースも多くあり、酸に対する耐性が無いと長期の密封性に不安があった。
また、水蒸気バリア性に優れ耐酸性も有する市販のポリ塩化ビニリデン系ラップを使って、試料充填後のU−8容器の上に被せて、ねじ蓋を閉める方法が考えられるが、前述同様に実際に検討した所、静置していれば水分減少量は抑制できるものの、横倒しや数回振ると水が漏れてしまうことが分かり、課題を有していることを確認した。
開発成果報告書、放射能分析用 土壌認証標準物質 (公社)日本分析化学会(2012年5月29日)
本発明は、上記の技術的背景を考慮してなされたものであり、U−8容器のねじ蓋を外した容器開口部と同じ円形に加工した市販の樹脂板を試料充填後のU−8容器開口部に載せねじ蓋を閉めることにより、安価で効率的に試料を密封する方法であり、樹脂の材質を選定したり硬化性樹脂を使って容器開口部に接着したりすることにより、さらに密封性を向上させることを可能とするガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材、及び測定試料の密封方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、ガンマ線放射能測定に用いるU−8容器のねじ蓋を外した容器開口部と同じ円形に加工した樹脂板であることを特徴とするガンマ線放射能測定に用いるU−8小型容器の密封用スペーサー材である。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1記載のスペーサー材の厚さが1mm〜1.5mmまでの厚さであることを特徴とするガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材である。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または2に記載のスペーサー材の材質樹脂の特性として、25℃、90%RHの環境下、厚さ25μm換算の水蒸気透過度が20g/m2/24hであることを特徴とするガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材である。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜3のいずれかに記載のスペーサー材の材質樹脂の特性として、耐酸性であることを特徴とするガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材である。
また、請求項5に記載の発明は、U−8容器内の試料を密封するための方法であって、前記請求項1〜4のいずれかに記載のスペーサー材を、U−8容器に測定試料充填した容器開口部上に載せて、ねじ蓋を閉めることを特徴とする充填試料の密封方法である。
また、請求項6に記載の発明は、U−8容器内の試料を密封するための方法であって、請求項1〜4のいずれかに記載のスペーサー材を、U−8容器開口部に硬化性接着剤を使用して接着後、U−8容器用のねじ蓋を閉めることを特徴とする充填試料の密封方法である。
以上の様に、本発明のガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材、及び充填試料の密封方法によれば、河川や水道水、飲料水、或いは放射性セシウム抽出液、その他水分を含む牛乳や土壌、海底土等、或いは災害廃棄物等の粉砕物や焼却物の粉末、煤塵等について、小型容器として通常多用されているU−8容器を使用しゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線放射能測定を行う場合、U−8容器内からの水分の蒸発、或いは放射性物質を含む水分や土壌、煤塵等の微粉末の漏洩を防止する上で、安価で簡易的、且つ効率的であり優れた密封性を可能とする利点を有している。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明者が、通常使用されるU−8容器の内部構造を鋭意測長した所、U−8容器をねじ蓋で閉めた際、容器本体の開口部上部とねじ蓋上面内側の間に1mmの隙間があることを発見し、元々容器本体とねじ蓋との嵌合が不完全な上、ねじ構造部が試料を充填した容器内部に直接曝されるため、充填試料中の水分や微粒子がねじ部から漏洩し易いことが分かった[なお、通常使用されるU−8容器とは、(公社)日本アイソトープ協会から供給されているU−8容器タイプの効率校正用標準線源に使用されているU−8容器と同じメーカー製、或いは同一形状・規格のものである。何故なら、Ge検出器によるガンマ線放射能測定において精度の高い定量分析を行うためには、効率校正に使用したU−8容器と幾何学的効率が同じであることが必要]。
本発明者が、通常使用されるU−8容器の内部構造を鋭意測長した所、U−8容器をねじ蓋で閉めた際、容器本体の開口部上部とねじ蓋上面内側の間に1mmの隙間があることを発見し、元々容器本体とねじ蓋との嵌合が不完全な上、ねじ構造部が試料を充填した容器内部に直接曝されるため、充填試料中の水分や微粒子がねじ部から漏洩し易いことが分かった[なお、通常使用されるU−8容器とは、(公社)日本アイソトープ協会から供給されているU−8容器タイプの効率校正用標準線源に使用されているU−8容器と同じメーカー製、或いは同一形状・規格のものである。何故なら、Ge検出器によるガンマ線放射能測定において精度の高い定量分析を行うためには、効率校正に使用したU−8容器と幾何学的効率が同じであることが必要]。
そのため、水蒸気バリア性に優れた市販のポリ塩化ビニリデン系ラップを試料充填後のU−8容器の上に被せて、ねじ蓋を閉めても、静置状態であれば水分減少量は抑制できるものの、横倒しや数回振るとラップが試料の圧力に押され、容器本体の開口部上部とねじ蓋上面内側の1mmの隙間の影響により、ラップと容器本体の開口部上部に僅かな隙間が発生して、そこから試料が漏れてしまうことが分かった。
そこで、U−8容器のねじ蓋を外した容器開口部と同じ円形に加工した樹脂板を開口部に載せて、容器本体とねじ蓋の間にスペーサー材として挟むことで、優れた密封性を具現化できることを見出した。
より具体的には、本発明に係わる樹脂板はプラスチック加工業者から入手でるもので良く、加工方法としては特に限定は無いが、金型による打ち抜き加工やレーザー加工等が挙げられる。
また、スペーサー材となる樹脂板の厚さは、U−8容器本体の開口部上部とねじ蓋上面内側の間の隙間に相当する1mm以上が好ましく、1.5mm以上の厚さになると、U−8容器本体とねじ蓋の間に挟んでねじ蓋閉めた場合、十分なねじ締めが出来なくなり、ねじ蓋が外れ易くなるため好ましくない。この際、スペーサー材の厚さが隙間と同じ1mmでも、ねじ蓋上面内側のねじ構造周辺部には、約25μm厚の円周状突起があるため、1mm弱の隙間となった突起部と容器開口部の間で十分に固定化できる。
そして、U−8容器開口部と同じ円形に加工した厚さが1mm〜1.5mmの樹脂板を、容器本体の開口部に載せてねじ蓋を閉めることにより元々あった隙間が埋まり、密封性が改善できる。但し、厚さが1mm以下であっても、後述の硬化性接着剤により容器開口部に接着すれば、厚さの低下分の水蒸気バリア性が低くなるが、ある程度の密封性は達成できる。
スペーサー材の材質樹脂の特性としては、JIS K 7129「プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法(機器測定法)」等による評価結果で。25、90%RHの環境下、厚さ25μm換算の水蒸気透過度が20g/m2/24hであることが好ましい。理由としては、市販ラップの材質であるポリ塩化ビニリデンの水蒸気透過度が同環境下0.5g/m2/24hであるとすると、同レベルの特性を発現するのに、水蒸気バリア性は樹脂の厚さにほぼ比例することから、1mm×0.5/25μm=20(g/m2/24h)となるからである。該当する具体的な樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートやポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられ、何れも安価に入手できる。
また、土壌等からのセシウム抽出液は酸性であることが多いので、その様な試料をU−8容器に充填した時は、JIS K 7114「プラスチックの耐薬品性試験方法」等による評価結果で耐酸性が良好な樹脂材質のスペーサー材で用いれば、長期保管した場合の劣化が無く、密封性が保持できる。該当する具体的な樹脂としては、前記水蒸気バリア性の良好な樹脂とほぼ一致するが、ポリアクリロニトリル、ポリスチレンなどは若干劣る。
さらに密封性を向上させたい場合は、本発明のスペーサー材をU−8容器開口部の上に載せる時に硬化性接着剤を塗布して接着することが有効的である。U−8容器の開口部を含めた側面の厚さは1mmあるので、開口部外周に接着剤を塗布してスペーサー材と接着すれば良い。具体的な硬化性接着剤としては、市販されているプラスチック用途のもので構わないが、U−8容器の材質は通常接着剤による接着が難しいポリプロピレン製のため、専用の接着剤が好ましい。例えば、合成ゴム系やプライマー剤を併用したシアノアクリレート系などが挙げられる。また、これらの硬化性接着剤でスペーサー材を接着すると、試料を廃棄する際にスペーサー材を剥がす必要があるが、従来の特許文献1に記載のある様なU−8容器本体とねじ蓋が合わさるねじ構造部に硬化性接着剤を挟んで接着している方法に比べれば、本発明に係わる接着方法の方が試料を取り出し易く接着作業の効率性も高い利点を有している。
そして、土壌や海底土等、或いは災害廃棄物等の粉砕物や焼却物の粉末、煤塵等の固体の試料の場合は、従来の技術を併用しても構わない。すなわち、従来の非特許文献1に記載がある様に固体の試料をU−8容器に充填後、試料上に落とし蓋を入れて、さらにその上にクッションボール(例えば、市販の発泡ポリスチレンビーズ)をU−8容器開口部付近まで入れてから、本発明に係わるスペーサー材を載せてねじ蓋を閉めれば、固体試料はU−8容器内部で固定化されて移動することがなく、密封性も良好となる。
以上の様に、本発明に係るガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材、及び充填試料の密封方法によれば、河川や水道水、飲料水、或いは放射性セシウム抽出液、その他水分を含む牛乳や土壌、海底土等、或いは災害廃棄物等の粉砕物や焼却物の粉末、煤塵等について、小型容器として通常多用されているU−8容器を使用しゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線放射能測定を行う際、U−8容器内からの水分の蒸発、或いは放射性物質を含む水分や土壌、煤塵等の微粉末の漏洩を防止する上で、安価で簡易的、且つ効率的であり優れた密封性を可能とする利点を有している。
次に本発明を、具体的な実施例を挙げて以下に説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。
<実施例1>
プラスチック加工業者から入手したポリエチレンテレフタレート板(厚さ:1mm)をU−8容器本体開口部と同じ丸形(直径:50.5mm)に加工して、本発明に係わるスペーサー材を作製した。次に、通常使用されるU−8容器に市販純水を約80g充填し、容器開口部に前記作製したスペーサー材を載せて、ねじ蓋を閉め、U−8容器を使用した測定用試料を得た。なお、評価を2種類実施したので測定試料数は2個作り、試料充填量と充填後のU−8容器を含む測定試料全体量を、JCSS校正証明書付き電子天秤(0.01gまで秤量可能)により0.01gの桁まで秤量し記録した。
プラスチック加工業者から入手したポリエチレンテレフタレート板(厚さ:1mm)をU−8容器本体開口部と同じ丸形(直径:50.5mm)に加工して、本発明に係わるスペーサー材を作製した。次に、通常使用されるU−8容器に市販純水を約80g充填し、容器開口部に前記作製したスペーサー材を載せて、ねじ蓋を閉め、U−8容器を使用した測定用試料を得た。なお、評価を2種類実施したので測定試料数は2個作り、試料充填量と充填後のU−8容器を含む測定試料全体量を、JCSS校正証明書付き電子天秤(0.01gまで秤量可能)により0.01gの桁まで秤量し記録した。
<実施例2>
プラスチック加工業者から入手したポリ塩化ビニル板(厚さ:1mm)をU−8容器本体開口部と同じ丸形(直径:50.5mm)に加工して、本発明に係わるスペーサー材を得た。以下は実施例1と同様の操作を行ってU−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量も同様)。
プラスチック加工業者から入手したポリ塩化ビニル板(厚さ:1mm)をU−8容器本体開口部と同じ丸形(直径:50.5mm)に加工して、本発明に係わるスペーサー材を得た。以下は実施例1と同様の操作を行ってU−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量も同様)。
<実施例3>
実施例1において、スペーサー材を容器開口部に載せる際、市販の合成ゴム系接着剤を容器開口部に塗布して接着させる以外は、同様の操作を行ってU−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量も同様)。
実施例1において、スペーサー材を容器開口部に載せる際、市販の合成ゴム系接着剤を容器開口部に塗布して接着させる以外は、同様の操作を行ってU−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量も同様)。
<実施例4>
実施例2において、スペーサー材を容器開口部に載せる際、市販の合成ゴム系接着剤を容器開口部に塗布して接着させる以外は、同様の操作を行ってU−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量も同様)。
実施例2において、スペーサー材を容器開口部に載せる際、市販の合成ゴム系接着剤を容器開口部に塗布して接着させる以外は、同様の操作を行ってU−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量も同様)。
<比較例1>
通常使用されるU−8容器に市販純水を約80g充填し、そのまま、ねじ蓋を閉め、U−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量は実施例1と同様)。
通常使用されるU−8容器に市販純水を約80g充填し、そのまま、ねじ蓋を閉め、U−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量は実施例1と同様)。
<比較例2>
通常使用されるU−8容器に市販純水を約80g充填し、市販のポリ塩化ビニリデン系ラップ(厚さ:11μm)を容器開口部に被せて、ねじ蓋を閉め、U−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量は実施例1と同様)。
通常使用されるU−8容器に市販純水を約80g充填し、市販のポリ塩化ビニリデン系ラップ(厚さ:11μm)を容器開口部に被せて、ねじ蓋を閉め、U−8容器を使用した測定用試料を得た(測定試料数も充填量の秤量は実施例1と同様)。
次に、実施例1〜4、及び比較例1〜2の各測定試料2個の内、1個について同時に同じ環境下(温度:22±5℃、湿度:30〜50%RH)に1ヶ月保管後、U−8容器を含む測定試料全体量を、JCSS校正証明書付き電子天秤(0.01gまで秤量可能)により0.01gの桁まで秤量し、保管前の測定試料全体量からの減少量を充填試料の減少量とした。そして、その減少量を保管前の充填量で除して重量%に換算した評価結果を、表1に示す。
表1の結果より、本発明に係わる実施例1及びと2は、比較例1に比べて重量減少量が約1/10以下となり、水蒸気バリア性に優れた市販のポリ塩化ビニリデン系ラップを使用した比較例2と同程度の良好な結果となった。また、同じく本発明の係わる実施例3及び4は、比較例1に比べて重量減少量が約1/25以下となり、水蒸気バリア性に優れた市販のポリ塩化ビニリデン系ラップを使用した比較例2に比べて1/2以下の非常に良好な結果となった。
次に、実施例1〜4、及び比較例1〜2の各測定試料2個の内、1個について、横に倒した状態(下に紙製タオルを敷く)で同時に同じ環境下(温度:22±5℃、湿度:30〜50%RH)に1ヶ月保管後、試料の漏洩の目視により確認し水が漏れていた場合は紙製タオルで拭き取った後、U−8容器を含む測定試料全体量を、JCSS校正証明書付き電子天秤(0.01gまで秤量可能)により0.01gの桁まで秤量し、保管前の測定試料全体量からの減少量を充填試料の減少量とした。そして、その減少量を保管前の充填量で除して重量%に換算した評価結果、及び漏洩についての目視結果を、表2に示す。
表2の結果より、本発明に係わる実施例1及び2は表1の結果に比べて多少減少量が増えたが、実施例3及び4は殆ど変化が無かった。それに対して、比較例1は充填試料量の約1/4が漏洩し、比較例2も充填試料量の約5%が漏洩したことが分かった。
1・・・スペーサー材
2・・・U−8容器
3・・・U−8容器用のねじ蓋
4・・・水試料
5・・・硬化性接着剤
2・・・U−8容器
3・・・U−8容器用のねじ蓋
4・・・水試料
5・・・硬化性接着剤
Claims (6)
- ガンマ線放射能測定に用いるU−8容器のねじ蓋を外した容器開口部と同じ円形に加工した樹脂板であることを特徴とするガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材。
- 前記密封用スペーサー材の厚さが1mm〜1.5mmであることを特徴とする請求項1に記載のガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材。
- 前記密封用スペーサー材の材質樹脂は、25℃、90%RHの環境下、厚さ25μm換算の水蒸気透過度が20g/m2/24hであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材。
- 前記密封用スペーサー材の材質樹脂が、耐酸性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガンマ線放射能測定に用いるU−8容器の密封用スペーサー材。
- U−8容器内の試料を密封するための方法であって、前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の密封用スペーサー材を、U−8容器に測定試料を充填した容器開口部上に載せて、ねじ蓋を閉めることを特徴とする充填試料の密封方法。
- U−8容器内の試料を密封するための方法であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の密封用スペーサー材を、U−8容器開口部に硬化性接着剤を塗布して接着後、U−8容器用のねじ蓋を閉めることを特徴とする充填試料の密封方法。
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WO2019088415A1 (ko) * | 2017-11-06 | 2019-05-09 | 한국표준과학연구원 | 나사식 밀폐형 뚜껑을 적용한 감마선분광분석용 마리넬리 비이커 |
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