JP2014189481A - フッ素溶出抑制方法及びスラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】電気炉酸化スラグを含む原料からのフッ素の溶出抑制を効果的に達成することができるフッ素溶出抑制方法、及び該方法により得られたスラグの提供。
【解決手段】本発明のフッ素溶出抑制方法は、少なくとも電気炉酸化スラグを含んでなる主原料に、シリカ含有物質及びカルシウム含有物質を添加して原料組成物を調製し、該原料組成物を水熱処理することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素溶出抑制方法及びスラグに関し、特に、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制を効果的に達成することができるフッ素溶出抑制方法、及び該方法により得られたスラグに関する。
近年、廃棄物の再資源化(いわゆるリサイクル)のための研究開発が盛んに行われており、(i)鉄鉱石から発生する鉄鋼スラグや、(ii)スクラップ、合金鉄等を再融解して得られる電気炉酸化スラグを、下層路盤材にリサイクル製品として用いることが検討されている。他方、国や地方公共団体等は、このようなリサイクル製品の有効活用を奨励する一方で、リサイクル製品が環境に悪影響を及ぼすことを厳しく規制しており、例えば、リサイクル製品からの有害物質(例えば、フッ素)の溶出量を規制値以下にすることを義務付ける土壌環境基準を策定している。ここで、鉄鋼スラグは、フッ素の溶出量が少ないため、フッ素溶出量の土壌環境基準が問題となることはないが、電気炉酸化スラグは、フッ素の溶出量が多いため、フッ素溶出量の土壌環境基準が問題となることがある。
かかる状況下、電気炉酸化スラグにセメント等のカルシウム源を添加してフッ化カルシウムを形成させる技術が検討されているが、フッ素溶出抑制効果が十分でないという問題がある。
また、従来より、水中のフッ化物イオンを処理する技術として、被処理水にカルシウム塩を添加してフッ化物イオンをフッ化カルシウム化することが知られている。しかしながら、フッ化カルシウムは水100gあたり1.6g程度の溶解度を有するため、単なるフッ化カルシウム化では、フッ素溶出量を0.8mg/L(ミリグラム/リットル)以下に抑制しなければならないという近年の環境基準を達成することは難しい。このフッ化カルシウム化に代替するものとして、フッ化物イオンをフルオロアパタイト化して固定することが提案されており、かかる着想に基づいてフッ素汚染土壌を処理する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1のフッ素汚染土壌の処理方法では、フッ素で汚染された土壌中にリン酸イオン及びカルシウムイオンを解離した状態で存在せしめ、その後にこれらを化学的に結合させて水に難溶性のカルシウムフルオロアパタイト[Ca10(PO]を形成することにより、土壌から溶出するフッ素溶出の低減を図っている。
特許文献2のフッ素汚染土壌の処理剤及び処理方法では、リン酸水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)を粉状のままで、又は水懸濁液の状態でフッ素汚染土壌と混合し、当該土壌中のフッ素をフッ素アパタイトとして不溶化することにより、汚染土壌からのフッ素溶出の低減を図っている。
さらに、鋳物砂を原料とする無機多孔質体からのフッ素溶出抑制を目的として、少なくとも鋳物砂を含んでなる主原料に、副原料としてのリン酸三カルシウムを添加して原料組成物を調製し、この原料組成物から所定形状の成形物を成形し、この成形物を焼成して無機多孔質体を得る方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1及び2の技術は、いずれも、リン酸イオン成分やリン酸水素カルシウムをフッ素汚染土壌に混入して土壌中のフッ素をアパタイト化し、土壌からフッ素溶出を抑制するという技術であり、特許文献3の技術は、鋳物砂を原料とする無機多孔質体からのフッ素溶出を抑制するという技術である。つまり、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素溶出抑制を目的とするものではない。このように、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素溶出を抑制する方法は、未だ開発されておらず、その開発が強く望まれていた。
特開2005−305387号公報 特開2007−216156号公報 特許第4998927号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制を効果的に達成することができるフッ素溶出抑制方法、及び該方法により得られたスラグを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、電気炉酸化スラグを含む主原料に、シリカ源としてのシリカ含有物質と、カルシウム源としてのカルシウム含有物質とを添加して水熱処理を行うことにより、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制を効果的に達成することができることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、本発明のフッ素溶出抑制方法は、少なくとも電気炉酸化スラグを含んでなる主原料に、シリカ含有物質及びカルシウム含有物質を添加して原料組成物を調製し、該原料組成物を水熱処理することを特徴とする。
電気炉酸化スラグを含む主原料にシリカ含有物質とカルシウム含有物質とを添加して水熱処理を行うことにより、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制を効果的に達成することができる。
本発明のフッ素溶出抑制方法は、前記シリカ含有物質が、珪藻土、珪砂、及びパーライトからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記シリカ含有物質が、珪藻土、珪砂、及びパーライトからなる群より選択される少なくとも1種を含むことにより、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制をより効果的に達成することができる。
本発明のフッ素溶出抑制方法は、前記主原料100質量部に対する前記シリカ含有物質の添加量が、4質量部〜50質量部であることが好ましい。
前記主原料100質量部に対する前記シリカ含有物質の添加量が、4質量部〜50質量部であることにより、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制をより効果的に達成することができる。
本発明のフッ素溶出抑制方法は、前記カルシウム含有物質が、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記カルシウム含有物質が、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことにより、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制をより効果的に達成することができる。
本発明のフッ素溶出抑制方法は、前記主原料100質量部に対する前記カルシウム含有物質の添加量が、5質量部〜60質量部であることが好ましい。
前記主原料100質量部に対する前記カルシウム含有物質の添加量が、5質量部〜60質量部であることにより、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制をより効果的に達成することができる。
本発明のフッ素溶出抑制方法は、前記水熱処理が、100℃〜200℃の温度で1時間〜8時間行う処理であることが好ましい。
前記水熱処理が、100℃〜200℃の温度で1時間〜8時間行う処理であることにより、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制をより効果的に達成することができる。
本発明のスラグは、本発明のフッ素溶出抑制方法により得られたスラグであって、表面の少なくとも一部に珪酸カルシウム層が形成されたことを特徴とする。
スラグ表面の少なくとも一部に珪酸カルシウム層が形成されたことにより、電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制を効果的に達成することができる。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、
電気炉酸化スラグを原料として含むスラグからのフッ素の溶出抑制を効果的に達成することができるフッ素溶出抑制方法、及び該方法により得られたスラグを提供することができる。
以下、本発明について、具体的に説明する。
(フッ素溶出抑制方法)
本発明のフッ素溶出抑制方法は、少なくとも、原料組成物調製工程と、水熱処理工程と、を含み、必要に応じて、その他の工程を含む。
<原料組成物調製工程>
前記原料組成物調製工程は、少なくとも電気炉酸化スラグを含んでなる主原料に、シリカ含有物質及びカルシウム含有物質を添加して原料組成物を調製する工程である。
−主原料−
前記主原料としては、少なくとも電気炉酸化スラグを含んでなる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記主原料における前記電気炉酸化スラグ以外の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄鋼スラグ、焼却灰、建築廃材などが挙げられる。
−−電気炉酸化スラグ−−
前記電気炉酸化スラグは、電気炉にスクラップや合金鉄及び副原料を投入溶解して鋼を製造する際に副産物として生成される製鋼スラグから分類されるものであり、粗鋼1tあたり約70kg発生する。前記製鋼スラグから分類された電気炉酸化スラグに対して、その後、徐冷処理、破砕加工処理、蒸気エージング処理、などの処理が行われてもよい。
なお、蒸気エージング処理は、海洋向けのコンクリート用骨材等にしようする際に、膨潤、粉砕、ひび割れ、などしないようにするために行う加圧処理のことであり、例えば、40tのオートクレーブにて、5気圧、168℃で実施される。
前記電気炉酸化スラグの化学組成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記表1に示す範囲の化学組成である。
Figure 2014189481
前記主原料中における前記電気炉酸化スラグの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%〜100質量%が好ましい。
前記電気炉酸化スラグの含有量が、40質量%未満であると、電気炉酸化スラグを効率的にリサイクルすることができない。
−シリカ含有物質−
前記シリカ含有物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、珪藻土、珪砂、パーライト、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、珪藻土が、多孔質で比表面積が大きい点で、好ましい。
前記シリカ含有物質の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、主原料100質量部に対して、4質量部〜50質量部が好ましく、10質量部〜50質量部がより好ましく、20質量部〜50質量部が特に好ましい。
前記シリカ含有物質の添加量が、4質量部未満であると、フッ素溶出量が環境基準を超えてしまうことがある。一方、前記シリカ含有物質の添加量が、前記より好ましい範囲内、又は、前記特に好ましい範囲内であると、フッ素溶出量が環境基準を満たすことができる点で有利である。
−カルシウム含有物質−
前記カルシウム含有物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルシウム含有物質の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、主原料100質量部に対して、5質量部〜60質量部が好ましく、10質量部〜50質量部がより好ましく、20質量部〜50質量部が特に好ましい。
前記カルシウム含有物質の添加量が、5質量部未満であると、フッ素溶出量が環境基準を超えてしまうことがある。一方、前記カルシウム含有物質の添加量が、前記より好ましい範囲内、又は、前記特に好ましい範囲内であると、フッ素溶出量が環境基準を満たすことができる点で有利である。
−カルシウム含有物質のシリカ含有物質に対する添加量比−
前記カルシウム含有物質のシリカ含有物質に対する添加量比(カルシウム含有物質の添加量/シリカ含有物質の添加量)(モル比)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2〜1.0が好ましく、0.4〜1.0がより好ましい。
前記添加量比が、0.2未満であると、イオン化したフッ素と反応するカルシウムの量が不足することがあり、1.0超であると、強アルカリ性となり、結晶化したCaFが再溶解することがある。
<水熱処理工程>
前記水熱処理工程は、所定条件(温度、処理時間)で原料組成物を水と反応させる工程である。この工程を経ることで、表面の少なくとも一部に珪酸カルシウム層が形成されたスラグを得ることができる。
前記水熱処理に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧力釜、などが挙げられる。 前記水熱処理における温度条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜200℃が好ましく、110℃〜200℃がより好ましく、130℃〜180℃が特に好ましい。
前記温度が、100℃未満であると、珪酸カルシウムを生成できないことがあり、200℃超であると、過剰に燃料が消費されることがある。一方、前記温度が、前記より好ましい範囲内、又は、前記特に好ましい範囲内であると、効率よく珪酸カルシウムを生成することができる点で有利である。
前記水熱処理の処理時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間〜8時間が好ましく、2時間〜8時間がより好ましく、3時間〜8時間が特に好ましい。
前記処理時間が、1時間未満であると、珪酸カルシウムを生成できないことがあり、8時間超であると、過剰に燃料が消費されることがある。一方、前記処理時間が、前記より好ましい範囲内、又は、前記特に好ましい範囲内であると、効率よく珪酸カルシウムを生成することができる点で有利である。
(スラグ)
本発明のスラグは、少なくとも電気炉酸化スラグを含んでなる主原料に、シリカ含有物質及びカルシウム含有物質を添加して原料組成物を調製し、該原料組成物を水熱処理することにより得られるスラグであり、表面の少なくとも一部に珪酸カルシウム層が形成されているスラグである。
スラグ表面の少なくとも一部に珪酸カルシウム層が形成されたことにより、フッ素の溶出抑制を効果的に達成することができる。
−珪酸カルシウム層−
前記珪酸カルシウム層は、原料組成物を水熱処理することにより形成されるものであり、スラグ表面の少なくとも一部に形成されていればよいが、フッ素の溶出抑制をより効果的に達成する観点からは、スラグ表面全体に亘って形成されていることが好ましい。
なお、スラグ表面に珪酸カルシウム層が形成されているか否かは、例えば、粉末X線回折装置などを用いて測定及び評価することができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)サンプル1の作製方法
まず、ヤスキハガネを製造する製鋼工程の副産物として発生した製鋼スラグから分類された酸化スラグを徐冷し、クラッシャー及びスクリーンにより破砕加工し、さらに、ハンマーで粉砕し、乾式篩で2mm以下の粉砕スラグを得た。
主原料としての上述した粉砕スラグ50gに、シリカ含有物質としての珪藻土(昭和化学工業(株)製)と、カルシウム含有物質としての水酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製)との混合物50g(珪藻土:23.6g、水酸化カルシウム26.4g)を添加して原料組成物を調製し、圧力0.49MPa、温度150℃の条件で7.5時間水熱処理を行って、スラグを得て、これをサンプル1とした。
(2)サンプル1のフッ素溶出量の分析
作製したサンプル1(70g)に、溶媒(純水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)(630mL)を混合した。振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して振とうし、30分間静置し、毎分約3000回転で20分間遠心分離し、上澄み液をメンブレンフィルター(孔径45μm)で濾過し、濾液中のフッ素濃度を、ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法(JIS K0102 34.1)により、測定した。結果を表2に示す。
Figure 2014189481
(比較例1)
(1)サンプル2の作製方法
上記「サンプル1の作製方法」における粉砕スラグをサンプル2とした。
(2)サンプル2のフッ素溶出量の分析
サンプル2について、実施例1における「サンプル1のフッ素溶出量の分析」と同様に、フッ素溶出量を分析した。結果を上記表2に示す。
(実施例2)
(1)サンプル3の作製方法
主原料としての「サンプル1の作製方法」で上述した粉砕スラグ50gに、シリカ含有物質としての珪藻土(昭和化学工業(株)製)と、カルシウム含有物質としての水酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製)との混合物2.5g(珪藻土:1.2g、水酸化カルシウム1.3g)を添加して原料組成物を調製し、圧力0.49MPa、温度150℃の条件で7.5時間水熱処理を行って、スラグを得て、これをサンプル3とした。
(2)サンプル3のフッ素溶出量の分析
作製したサンプル3について、実施例1における「サンプル1のフッ素溶出量の分析」と同様に、フッ素溶出量を分析した。結果を上記表2に示す。
(実施例3)
(1)サンプル4の作製方法
主原料としての「サンプル1の作製方法」で上述した粉砕スラグ50gに、シリカ含有物質としての珪藻土(昭和化学工業(株)製)と、カルシウム含有物質としての水酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製)との混合物5.0g(珪藻土:2.4g、水酸化カルシウム2.6g)を添加して原料組成物を調製し、圧力0.49MPa、温度150℃の条件で7.5時間水熱処理を行って、スラグを得て、これをサンプル4とした。
(2)サンプル4のフッ素溶出量の分析
作製したサンプル4について、実施例1における「サンプル1のフッ素溶出量の分析」と同様に、フッ素溶出量を分析した。結果を上記表2に示す。
(実施例4)
(1)サンプル5の作製方法
サンプル1の作製方法において、シリカ含有物質として、珪藻土(昭和化学工業(株)製)を添加するのに代えて、パーライト(東興パーライト工業(株)製)を添加したこと以外は、サンプル1の作製方法と同様にして、スラグを得て、これをサンプル5とした。サンプル5の表面に、珪酸カルシウム層が形成されていることを、粉末X線回折装置を用いて確認した。
(2)サンプル5のフッ素溶出量の分析
作製したサンプル5について、実施例1における「サンプル1のフッ素溶出量の分析」と同様に、フッ素溶出量を分析した。結果を上記表2に示す。
(実施例5)
(1)サンプル6の作製方法
サンプル1の作製方法において、カルシウム含有物質として、水酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製)を添加するのに代えて、酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製)を添加したこと以外は、サンプル1の作製方法と同様にして、スラグを得て、これをサンプル6とした。サンプル6の表面に、珪酸カルシウム層が形成されていることを、粉末X線回折装置を用いて確認した。
(2)サンプル6のフッ素溶出量の分析
作製したサンプル6について、実施例1における「サンプル1のフッ素溶出量の分析」と同様に、フッ素溶出量を分析した。結果を上記表2に示す。
(実施例6)
(1)サンプル7の作製方法
サンプル1の作製方法において、カルシウム含有物質として、水酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製)を添加するのに代えて、炭酸カルシウム(和光純薬工業(株)製)を添加したこと以外は、サンプル1の作製方法と同様にして、スラグを得て、これをサンプル7とした。サンプル7の表面に、珪酸カルシウム層が形成されていることを、粉末X線回折装置を用いて確認した。
(2)サンプル7のフッ素溶出量の分析
作製したサンプル7について、実施例1における「サンプル1のフッ素溶出量の分析」と同様に、フッ素溶出量を分析した。結果を上記表2に示す。
表2の結果より、少なくとも電気炉酸化スラグを含んでなる主原料に、シリカ含有物質及びカルシウム含有物質を添加して原料組成物を調製し、該原料組成物を水熱処理することにより得られたサンプル1、3〜7(実施例1〜6)は、水熱処理を行っていないサンプル2(比較例1)と比較して、フッ素の溶出抑制を効果的に達成することができることが分かった。
本発明のフッ素溶出抑制方法は、下層路盤材等として用いられるスラグからのフッ素の溶出を抑制する方法として、好適に利用可能である。

Claims (7)

  1. 少なくとも電気炉酸化スラグを含んでなる主原料に、シリカ含有物質及びカルシウム含有物質を添加して原料組成物を調製し、
    該原料組成物を水熱処理することを特徴とする、フッ素溶出抑制方法。
  2. 前記シリカ含有物質が、珪藻土、珪砂、及びパーライトからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフッ素溶出抑制方法。
  3. 前記主原料100質量部に対する前記シリカ含有物質の添加量が、4質量部〜50質量部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフッ素溶出抑制方法。
  4. 前記カルシウム含有物質が、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のフッ素溶出抑制方法。
  5. 前記主原料100質量部に対する前記カルシウム含有物質の添加量が、5質量部〜60質量部であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のフッ素溶出抑制方法。
  6. 前記水熱処理が、100℃〜200℃の温度で1時間〜8時間行う処理であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のフッ素溶出抑制方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のフッ素溶出抑制方法により得られたスラグであって、
    表面の少なくとも一部に珪酸カルシウム層が形成されたことを特徴とするスラグ。
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