JP2014188433A - 携帯用簡易浄水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】特にオフィスや書斎、勉強部屋などに置かれたコップや茶碗の代わりに使用でき、短時間で浄化できる簡単な浄化機構を備えたコップ型の携帯用簡易浄水器を安価に提供する。
【解決手段】カップ状の容器本体10と浄水カートリッジ20とを有する携帯用簡易浄水器1である。前記浄水カートリッジ内には繊維状の活性炭又はイオン交換体から形成されたシート状のろ材40が収容されている。該シート状のろ材の一部が前記浄水カートリッジの内面の一部に固定されている。前記浄水カートリッジは容器本体の内部に交換可能に収容固定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、水道水や井戸水などの原水が容器本体の内部で短時間に飲用水としての水質基準を満足する浄化処理がなされ、その浄化水を容器本体から直接飲むことができる携帯用の簡易浄水器に関する。
一般的な携帯用の簡易浄水器には、大別して2種類の浄水方式が知られている。一つ目は原水を浄水器の貯水容器に集め、この原水をポンプ手段を介して加圧し、容器内に収容されている活性炭やゼオライトなどのろ材に接触させて塩素や臭気を吸着させて、異臭を取り除くとともに、中空糸膜を通して微細な菌類や微生物を濾過して浄化するものであり、二つ目は浄水器の貯水容器に内部に活性炭などのろ材を収納した和紙や不織布などからなる袋体、或いは金網からなる水透過性容器を直接浸漬し、重力を利用して袋体や水透過性容器の内外に出入りする原水をろ材に接触させて浄化するものである。提案されている携帯用の簡易浄水器の大半は、これらの方式を採用している。
一つ目の浄水方式の具体例として、例えば特開平6−336571号公報(特許文献1)、特開平10−137740号公報(特許文献2)、特開2000−301139号公報(特許文献3)、特開2003−311263号公報(特許文献4)などが挙げられ、二つ目の浄水方式の具体例としては、例えば特開昭62−149395号公報(特許文献5)、特開昭62−227489号公報(特許文献6)、特許第3495993号公報(特許文献7)などを挙げることができる。
特許文献1によれば、貯水容器である有底の中空円柱状容器本体が各種合成樹脂からなる薄肉の軟質材料で作られ、この容器本体の口部開口に接続・離脱可能な浄水部を接続し、原水が満たされた容器本体を指で搾圧して、原水を浄水部の水流出開口に向けて押し出す。この押し出しの途中にて原水が中空糸膜及び活性炭に接触しながら流れて、濾過と吸着の浄化処理がなされ、浄水が作り出される。特許文献4により提案されている浄水器も特許文献1と浄水方式は同じであるが、活性炭と中空糸膜とを流れる原水の流れの順序が逆になっている。
また、特許文献2によれば、容器本体が蛇腹状に形成され、その伸縮性を生かしてハンドルを手で操作して容器本体を伸縮させ、取水バルブとドレンバルブとを必要に応じて切り換え、原水を取水源から取水し、或いは浄水をドレンさせる。
一方、特許文献3によれば、上側容器と下側容器とがネジ嵌合により分離可能とされ、上側容器の上部にはポンプレバーを突出させている。また、上側容器のポンプ部に水封状態で連通する浄水吐出ノズルを有している。下側容器には原水導入口が形成され、同下側容器の内部に浄水カートリッジが格納されている。前記原水導入口には原水導入用ホースが挿通され、同ホースの一端を前記カートリッジの原水入口に連結して、同ホースの他端を原水中に没してポンプレバーを操作する。原水を前記ホースを介して浄水カートリッジ内へと導入し、原水を浄化したのち、前記浄水吐出ノズルから吐出させる。
上記特許文献5では、活性炭やイオン交換樹脂などの浄水能を有する物質を、例えば和紙や不織布からなる透水性の膜状物で包んだ浄水パックを水に浸漬して水の浄化を行っている。なお、同特許文献5には、前記パックの使用に際して、やかんなどの容器内の原水に浸漬した前記パックを揺り動かし、又は容器内の水道水を攪拌することにより、塩素の吸着能率が上がる旨が記載されている。
特許文献6もまた浄水能を有する物質を不織布からなる袋体に収納して、これを原水に浸漬して水を浄化している。このときの浄水能を有する物質に活性炭とL−アスコルビン酸及び/又はL−アスコルビン酸塩とを含む浄水材が使われる。また、同文献6では、前記浄水能を有する物質が入った不織布からなる袋を単に水中に浸漬するだけでは浮き上がってしまい、浄化効率が低くなるため、前記袋体を球状の金属製網体からなる沈降具に収容して、これを原水に入れて沈降させ、原水を浄化している。
上記特許文献7の浄活水器は、ペットボトルと同様の形状をもつボトル型容器本体と、ボトル型容器に収納と取出しができる全体に透水開孔を有するカプセルとから構成される。同カプセルは、金属板を使って両端が天蓋部と底部を有する有孔円筒状に成形し、前記金属板の合わせ目を割れ目として残し、外から力が加わらない自然状態では、前記カプセルはボトル型容器本体の呑口開口を通過できない大きさを有しており、その弾性に抗して内側へ押圧することにより前記割れ目の幅を縮小させて前記呑口開口を通過させる。このカプセルには、原水の浄化と活性化とがなされる浄活水剤が収納された前記カプセルをボトル型容器内の原水中に浸漬して浄活水化する。ボトル型容器内のカプセルは呑口よりも大きいため、呑口から抜け出ることがなく、ボトル型容器内に確実に保持される。
特開平6−336571号公報 特開平10−137740号公報 特開2000−301139号公報 特開2003−311263号公報 特開昭62−149395号公報 特開昭62−227489号公報 特許第3495993号公報
ここで、特許文献1〜4により提案されている携帯用簡易浄水器は、いずれもポンプ機能を利用しているため、必然的に浄水器の構造が複雑になる傾向にあり、部品点数も必然的に多く、その組み付け及び分解作業に煩雑なものが多く、生産コストの増加につながりやすく、製品価格への影響も大きい。その点、特許文献5〜7によって提案された携帯用簡易浄水器は、構造が簡単であるがため、部品点数も少なく材料費や製作費も比較的低く抑えることができる。これらの課題に加えて、例えば特許文献1の携帯用簡易浄水器では、その構成から全ての構成部品が使い捨ての対象となっており、資源の再利用を考えたとき更なる改良が望まれる。
ところで、一般に浄水時間を短縮するには浄水材と原水との接触を多くすることが有効であることが知られている。そこで、例えば上記特許文献5によれば、原水中の残留塩素の吸着効率を上げるため、原水に浸漬した浄水用パックを揺り動かすか、或いは原水を攪拌することが良いとしている。しかるに、この特許文献5のような携帯用簡易浄水器にあって、浄水用パックを揺り動かしたり、原水を攪拌しようとすると、容器の蓋を取り外して外から攪拌具を原水中に挿入し、攪拌具を操作する必要があり、周辺に原水が飛び散る虞れが多い。一方、例えば特許文献7のボトル型携帯用浄活水器は、その容器本体が飲み口の小さなペットボトル型であるため、蓋付き容器内部の原水中に入れられた浄活水用カプセルを攪拌具を用いて揺り動かすこと、或いは原水を攪拌すること自体が難しいだけでなく、いざカプセルを容器本体から取り出そうとするとき、容器内でカプセルを外部から変形させることも難しく、浄水器自体を廃棄する全くの使い捨て用に作られている。
一方、前記特許文献7にも記載されていると同様に、特に市街地のオフィスや書斎、勉強部屋などにあって、清浄化された飲用水を飲みたいとき、近くのお店まで出掛けて飲用水などのボトルや缶を買い求めることが面倒なため、最近は屋内に引かれた水道水を直接飲用水として飲用するケースが増えてきている。しかして、このようにオフィスや自宅などで一気に飲む水の量は、精々コップや茶碗一杯ぐらいであって、それ以上の量は飲みきれないし、残った水は次に飲むときまで、机などの上に置きっ放しにすることが多い。しかも飲みたいと思うと、直ぐにでも飲みたくなるのが常である。
近年の浄化技術の発展は著しく、水道水を飲用に供しても健康上には特に影響を及ぼすことは少なくなったが、大型の浄化設備で大量に処理された多くの浄水、特に水道水には塩素消毒が施されており、更には塩素消毒が施された浄水には発癌性をもつと言われるトリハロメタンの発生の懸念がある。また水源となる湖沼や河川の富栄養化の下で繁殖する藻類等の微生物の代謝によるかび臭さや、残留塩素から発せられるカルキ臭さなども飲用には適さない。そのため、前述のようなコップ等で飲む水道水は更に浄化して、残留塩素の量をより低減させると同時に微生物を除去して嫌な臭いを短時間で効率よく排除する必要がある。
本発明は、特にオフィスや書斎、勉強部屋などに置かれたコップや茶碗の代わりに使用でき、短時間で浄化できる簡単な浄化機構を備えたコップ型の携帯用簡易浄水器を安価に提供することを目的としている。
本発明者等は、上記目的を達成すべく様々な検討を重ねた。コップ程度の大きさをもつ浄水器にあって、浄化速度と浄化効率を高めるには、浄水器の内部に収容する浄水材自体の表面積をできるだけ大きくし、その表面に水道水を素早く効率的に接触させる必要がある。また、浄水材自体が安価であり、塩素や臭みを素早く効率的に吸着するものでなくてはならない。かかる要求を満たす浄水材としては、活性炭やイオン交換体などが好適である。
本発明の携帯用簡易浄水器は、上述のように、その形状と大きさとを家庭や職場などで身近におくコップや茶碗程度の形状と大きさとすることを前提とすると、浄水器を手に持って容器ごと揺らす(振とうする)ことができることから、水と浄水材とを効率的に接触させることができる。ただし、浄水器の容器本体自体が小さくなるために手に持って振りやすくなるが、容器本体中の水が飲み口から外にこぼれやすくもなる。これを防ぐには、浄水器の飲み口に取り外し可能でシール性の高い蓋を取り付ける必要がある。ここで振とうとは浄水器を手に持って揺らす動作を言う。
そこで、本発明にあっては、前記浄水カートリッジを浄水器における容器本体に交換可能に固定することが重要である。この浄水カートリッジは、前述のような剛体であれば、その内部に収納された浄水材だけを取り出して廃棄することもできるが、通常はカートリッジと内部浄水材とを分離不能として、全体を交換可能とする構成が採用される。本発明にあっては、容器とともに内部のシート状のろ材を浄水器本体から取り外し廃棄するようにする。
ところで、上述のように、浄水器を手に持って所要時間振とうさせて、浄水器の本体である容器本体に固定された前記浄水カートリッジを一緒に動かす場合、その浄水カートリッジに収納される活性炭やイオン交換体製の細長いシート状のろ材は、カートリッジ内をある程度動くことはあっても、前記シート状のろ材の全体がカートリッジ内で余り動き回ると、浄水カートリッジ内で水の流動を妨げたり、かえって水と接触しにくくなることか
ら浄水効率が低下することとなる。そこで本発明では、この繊維状の活性炭からなるシート状のろ材の一部を浄水カートリッジの内壁面の一部に固定することが望ましいことを知った。この場合、複数のシート状のろ材は離間させることが好ましい。
前記繊維状の活性炭シート状のろ材を作成するには、従来から知られている繊維状ろ材にバインダーを付与したのち、バインダーを固化して少し厚め(3〜4mm)の不織布シートを得る。この出来上がった不織布シートを幅13〜16mm、長さ70〜110mmに切断して得ることができる。このとき使われるバインダーとしては、ポリエチレンやポリエステルなどの非水溶性の合成樹脂材料が使われる。このバインダーの役割が、繊維状の活性炭同士を点接合して不織布形態を保持できれば十分であることから少量でよい。
また、粒状のろ材を繊維に添着してシート状ろ材を作成してもよい。
このようにして得られる活性炭又はイオン交換体などからなるシート状ろ材の複数本のテープ片の一部を1個の浄水カートリッジの内壁面の一部に接合して固定する。このときのテープ片の本数は任意であるが、2本以上であればJIS S3201の規格による、原水濃度を2.00ppmとしたとき、遊離残留塩素を80%以上除去できて浄水器として分類されるようになる。ただし、シート状のろ材の寸法や本数は決められたものではなく、適宜決定すればよい。
前述のように、複数本のシート状のろ材の一部を1個の浄水カートリッジの内壁面の一部に接合固定して、浄水器を所要時間振とうすると、浄水器本体に入っている水が万遍なく浄水カートリッジを流動し、全体が均等に浄化される。このときの複数本のシート状のろ材の固定は、シート状のろ材上端を浄水カートリッジの上端周縁に沿って所要の間隔をもって固定するとともに、各シート状のろ材の下端を浄水カートリッジの底面中央に集めて固定すると、シート状のろ材の姿勢が崩れずシート状のろ材間に間隙ができて、浄水カートリッジ内の水の流動が円滑になされるため、所要の浄水能が確保されるため望ましいことを知った。
こうした様々な検討を重ねた結果、ようやく本発明に到達した。
本発明の基本構成は、携帯容器本体内に、多数の通水孔を有する浄水カートリッジが交換可能に収容固定される携帯用簡易浄水器であって、前記浄水カートリッジ内には活性炭又はイオン交換体から形成されたシート状のろ材が収容されてなり、該シート状のろ材の一部が前記浄水カートリッジの内面の一部に固定されていることを特徴としている。
本発明の好ましい態様としては、前記多数の通水孔が前記浄水カートリッジの全周面に形成されている。また、前記浄水カートリッジが底部及び天蓋を有する合成樹脂製の前記通水孔が形成された中空成形体から構成され、当該浄水カートリッジケースと上記シート状のろ材との間に繊維状の活性炭の飛散防止用の不織布や紙が介装されることが好ましい。更に、前記浄水カートリッジは保形性のある網物、織編物、不織布、紙などからなる袋体から構成されるときは、前記通水孔が前記袋体の作成時に形成される通水空隙であってよい。
また好ましくは、複数の前記シート状のろ材の一ヶ所が前記浄水カートリッジの上部開口周縁に沿って固定され、シート状のろ材の他端が前記浄水カートリッジの底部の内面中央部に固定されているとよい。
実験によれば、人が上記浄水器を手に持って、1回/秒の速度で振とうを続けたとき、1分間続けることが限度であることが分かっている。それ以上振とうを続けることもできなくはないが可能なかぎり60秒以下に抑えることが望ましい。この60秒を越えて更に
強く振とうを続けると、繊維状の活性炭がシート状のろ材から離脱しやすくなり、浄水カートリッジの通水孔を通して浄水器本体の内部へと流れ込む繊維状の活性炭の単繊維量が増加する。
本発明の携帯用簡易浄水器の外観の一例を示す正面図である。 同携帯用簡易浄水器の断面図である。 同浄水器を斜め上方から見た分解斜視図である。 同浄水器に収納固定される浄水カートリッジの正面図である。 前記浄水カートリッジの外観を示す分解斜視図である。 前記浄水器の内部に嵌め込まるカートリッジホルダーの斜視図である。 前記浄水器の内部に収容固定された浄水カートリッジ内に繊維状の活性炭からなるシート状のろ材が収納固定された状態の一例を示す断面図である。 実施例1、2及び比較例1、2の結果を示すグラフである。
以下、本発明を好適な実施の形態に基づいて、図面と表とを参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下に述べる実施形態に限るものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において多様な変更が可能である。
まず本発明の代表的な実施形態である携帯用簡易浄水器の構造について具体的に説明する。なお、以下の説明は浄水材として繊維状の活性炭を使用する例を中心に述べることにする。
図1は本発明の携帯用簡易浄水器の外観の一例を示す正面図、図2は同断面図である。図3は前記浄水器を斜め上方から見た分解斜視図、図4は前記浄水器に収納固定される浄水カートリッジの正面図、図5は同浄水カートリッジの外観を示す分解斜視図である。図6は前記浄水器の内部に嵌め込まるカートリッジホルダーの斜視図であり、図7は前記浄水器の内部に収容固定された浄水カートリッジ内に本発明の最も特徴とする繊維状浄水材であるシート状のろ材が収納固定された状態の一例を示す断面図である。
図示実施形態に係る携帯用簡易浄水器1は、カップ形状をもつ容器本体10と、同容器本体10に取り外し可能に収納固定される浄水カートリッジ20と、同浄水カートリッジ20の上端部を上から保持するカートリッジホルダー30と、容器本体10の上端開口部(飲み口)に取り外し可能にバヨネット機構によって内嵌着される蓋体11とを有している。この蓋体11と前記容器本体10の上端開口部との間にはシールリング12が介装され水密性が保持される。上記容器本体10は、例えばMBS樹脂から構成され、その上端開口(飲み口)の内周面に沿って突起10aが突出しており、容器本体10の底面中央には下面とともに山形状をもつ突出部10bが上方に向けて膨出している。上記蓋体11の材質は、例えばABS樹脂が使われている。因みに、この実施形態では、カートリッジホルダー30の材質はMBS樹脂が使われている。ただし、本発明における各部材の材質は、熱可塑性樹脂であれば特に図示例に限定されない。
本実施形態にあっては、前記蓋体11は、前記容器本体10の上端開口部に内側からバヨネット機構によって嵌着されているが、螺合による固定であってもよい。図示例によれば、容器本体10の上端開口部には、上述のように4個の突起10aが形成され、前記蓋体11における嵌着部外周面には、4個の前記突起10aがそれぞれ嵌着するためのカギ形状をした溝11aが形成されている。この蓋体11が容器本体10の上端開口部に嵌着されると、蓋体11の下端は上記カートリッジホルダー30の、後述する第1リング31の上面に水密性をもって密接する。
本実施形態にあっては、上記浄水カートリッジ20は、有底中空筒体からなる剛性を備えた合成樹脂材料から成形されたカートリッジ本体21と、同カートリッジ本体21の上端開口に取り付けられるカートリッジ蓋22とを備えている。前記カートリッジ本体21は、その周面に沿って縦格子部23と横格子部24とが互いに隣り合って180°の位相差をもって配されている。縦格子部23は縦長方形の複数列の第1開口(通水孔)23aを有しており、横格子部24は横長方形の複数段の第2開口(通水孔)24aを有している。また、同浄水カートリッジ20の上端開口部には、その外周面に沿ってリング状のフランジ部21aが突設されている。このリング状のフランジ部21aの上面は、上記カートリッジホルダー30を下から保持するために水平面とされている。また浄水カートリッジ20の底部下面中央には、上記容器本体10の底部に膨出された山形状の突出部10bの先端を嵌め込むための凹陥部21bが形成されている。浄水カートリッジ20の前記リング状のフランジ部21a上方の周縁部には、90°の位相差をもって4個の係着孔21cが形成されており、この係着孔21cに上記カートリッジ蓋22の後述する係着爪22bが係着して、カートリッジ本体21とカートリッジ蓋22とを一体化する。
前記カートリッジ蓋22は、図4及び図5に示すように、逆お猪口に近似する形状を有し、その下端開口は前記カートリッジ本体21の上部開口と同一形状、同一寸法を有し、その開口周縁に沿って、カートリッジ本体21に形成された4個の上記係着孔21cの形成部位に対応する4ヵ所に都合4個の上記係着爪22bが形成されている。この係着爪22bは、前記カートリッジ蓋22の下端開口部の周縁部内面から垂直下方に延出する垂直片22b’と、同垂直片22b’の下端から屈曲して放射方向に突出する爪片22b”とから構成されている。前記カートリッジ本体21の上部開口を前記カートリッジ蓋22により閉塞するには、各係着爪22bに対応する係着孔21cを対応させて、カートリッジ蓋22の下端開口をカートリッジ本体21の上部開口に突き合わせ状態で押し下げると、各垂直片22b’が弾性変形して、各係着爪22bの爪片22b”が対応する係着孔21cに係着し、カートリッジ本体21とカートリッジ蓋22とが係着一体化される。
こうしてカートリッジ本体21とカートリッジ蓋22とが係着される前に、カートリッジ本体21の内部に浄水材となる繊維状の活性炭やイオン交換体を収容する。本発明にあっては、この繊維状の活性炭やイオン交換体を使って作成された不織布からなる細幅シート状のろ材40(図7参照)を使用することが重要である。また本発明にあっては、前記浄水カートリッジ20内に前記繊維状の活性炭及び/又はイオン交換体を収容することもできる。
また本実施形態にあっては、前記カートリッジ蓋22の天板に2個の通水孔22cが貫通して形成されている。この通水孔22cもまた、カートリッジ本体21に形成される縦格子部23及び横格子部24の第1及び第2開口(通水孔)23a,24aとともに、容器本体内に入っている水の通水開口となって、水の流動の方向を複雑化し、浄水材に対して多方向から水が接触するようになり、浄化効率の向上につながる。なお本発明にあって、カートリッジ蓋22の天板に形成される前記通水孔22cは排除することもできる。更に、カートリッジ蓋22が閉じられたときに、カートリッジ蓋22が内部の水と接する周壁部分を有する場合には、その周壁部分にも通水孔(貫通孔)を形成することができる。
上記カートリッジホルダー30は、図6に示すように、上下に所望の間隔をおいて第1リング31及び第2リング32とが配され、その第1及び第2リング31,32の間を5本の連結杆33で連結している。この連結杆33による連結は直線的でもよいが、第1及び第2リング31,32の間で各連結杆33の連結位置を僅かな位相差をもってずらせて、各連結杆33を連結している。換言すると、第1及び第2リング31,32の間で各連結杆33を捩じるようにして取り付けている。このようにして連結することによって、第1及び第2リング31,32の間隔に多少の変動が生じても、これを受け入れることを可
能にする。
第1リング31の外径は、上記容器本体10の上端開口部の内径にほぼ等しく、その外周面には容器本体10の上端開口部の内周面に沿って突出する上記リング状突起10aを上下から挟着する2本のリング条31a,31bを有している。一方、上記第2リング32の外径は上記浄水カートリッジ20のカートリッジ本体21における上端開口部の外径に等しく、第2リング32の下端はカートリッジ本体21の上端開口部の外周面に沿って突出するリング状の上記フランジ部21aの上面に密接載置される。
いま、浄水カートリッジ20を容器本体10に固定保持させるには、まずカートリッジ本体21のカートリッジ蓋22の側を、カートリッジホルダー30の第2リング32を介して第1リング31に差し込んで、カートリッジホルダー30を浄水カートリッジ20にて下から支持する。次いで、この状態にて浄水カートリッジ20とカートリッジホルダー30とを一緒に容器本体10の開口から差し入れる。このとき、浄水カートリッジ20の底部中央を容器本体10の底部中央に向けて差し込むと、浄水カートリッジ20の底部に形成された凹陥部21bに容器本体10の底部に形成された山形状の突出部10bの上端部が嵌合する。
ここで、蓋体11をもって容器本体10を閉塞すると、上述のとおり、蓋体11の下端が第1リング31の上面に密接しており、浄水カートリッジ20の底部凹陥部21bは携帯用簡易浄水器1の容器本体10の底部から上方に膨出する突出部10bによって下からしっかりと支持された状態となる。こうして、浄水カートリッジ20は、カートリッジホルダー30と、容器本体10の底部に形成された突出部10bとによって上下を挟まれた形で、携帯用簡易浄水器1の容器本体10の内部に位置決め固定される。
浄水時間を短縮するには原水との接触を多くするため容器を揺らすことが有効だが、従来の簡易浄水器ではカートリッジが固定されておらず容器を傷つけたりすることが多かった。
本発明における浄水材である特に繊維状の活性炭は、極めて細く且つ極く短い繊維状であることから単繊維の状態で単独に使用することは難しい。そこで本発明では、繊維状の活性炭を集めて、従来から知られた方法でシート状の不織布を作成する。このシート状の不織布の作成にあたっては、例えばポリエチレンやポリエステルなどの合成樹脂からなるバインダーが使われる。このバインダーの付与は、互いに交絡しにくい繊維状の活性炭同士を点接合させて、不織布としての形態を保持させるためであって、一般の不織布のように繊維同士を強く接合させる必要もないことから、その使用量はできるだけ少なくてよい。
こうして得られるシート状の不織布を所要の寸法をもつシート状のろ材40に切断する。因みに、本実施形態における前記シート状のろ材の寸法は、シート状のろ材の幅が13〜16mm、テープ長さが70〜110mm、厚みが3〜4mmとしたが、これらの寸法に限定されない。要は、こうして得られた繊維状の活性炭やイオン交換体からなるシート状のろ材40が、変形せずにそのままの形態を保って浄水カートリッジ20のカートリッジ本体21の内部に完全に収納される寸法であればよい。複数本(本実施形態では、2本と4本)の前記シート状のろ材40の一端は、前記カートリッジ本体21の上端開口部の周縁内壁面に沿って等間隔で接合固定され、前記シート状のろ材40の他端は、一つに集められて前記カートリッジ本体21の底部内面中央に固定具43をもって固定される。その結果、各シート状のろ材40は互いに離間した状態を保持して僅かに緊張がかけられカートリッジ本体21の内部に収納固定される。また、本実施形態では、シート状の不織布を用いたが、シート状のケースに粒状のろ材を収容してもよい。
なお、図示実施形態にあっては、図7に示すように、浄水カートリッジ20が合成樹脂製形態からなるため、浄水カートリッジ20と上記シート状のろ材40との間に、繊維状の活性炭の飛散防止用の不織布41や紙を介装している。長時間振とうを続けたり繰り返すと、繊維状の活性炭がシート状のろ材から離脱しやすくなって、浄水カートリッジ20の通水孔を通して容器本体10の内部へと流れ込む。前記不織布41や紙は、繊維やフィブリル繊維が複雑に交絡しており、その空隙(通水孔)は極めて小さいため、繊維状の活性炭の単繊維の流れを効果的に阻止できる。なお、前記浄水カートリッジ20が保形性のある網物、織編物、不織布、紙などからなる繊維製中空体から構成されるときは、前記飛散防止用の不織布41や紙は不要となる場合もある。
ここで、様々な実験を積み重ねた結果、既述したとおり、繊維状の活性炭から作成されたシート状のろ材40に効率的に水を接触させるには、浄水器全体を手にて揺らす(振とうする)ことが肝要である。このとき容器本体10を振とうさせると、シート状のろ材40もカートリッジ本体21と一緒に動くため、浄水カートリッジ20の内部を流動する水が確実にシート状のろ材40の全面に接触し、浄水効率が大幅に向上する。更に本発明にあっては、既述したとおり、浄水カートリッジ20の全面に通水孔が形成されているため、携帯用簡易浄水器1の容器本体10の内部入っている水は、浄水カートリッジ20の全面に形成されている通水孔を経て、多方面からの流れとなって浄水カートリッジの内外を流れるため、水の流れがシート状のろ材40に対する多方向の接触が生じて、水に対するより均等な浄化を助長すると同時に浄水効率を著しく向上させる。
以下、本発明を添付図面及び表を参照して具体的な実施例に基づいて詳しく説明する。
#実施条件
使用カートリッジ:本体PP製、カートリッジ蓋MBS製
使用浄水材:繊維状の活性炭から作成された厚み3mm、幅18mm、長さ100mm
のシート状のろ材
使用原水 :塩素濃度2.0ppm
振とう時間:30秒、60秒、90秒、120秒
のとおりとした。
〔実施例1及び比較例1〕
以上の実施条件にて、4本のシート状のろ材を浄水カートリッジの上部開口周面と底面中央の内面に、収納固定した例(実施例1)と、4本のシート状のろ材を固定せずに自由な動きができるように単に収納した例(比較例1)とにつき、遊離残留塩素の測定を3回行い、その平均値を遊離残留塩素の低減率とした。その結果を表1及び図8に示した。図8は表1をグラフ化したものである。これらの表及び図面から、実施例1及び比較例1から、振とう時間が30秒では遊離塩素低減率が80%を越えず、どちらもJIS規格の遊離塩素低減率に達していない。一方、実施例1では、振とう時間が50秒を越えると遊離塩素低減率が80%を越えるのに対して、比較例1では振とう時間が120秒を越えて初めて遊離塩素低減率が80%を越えることが分かる。
〔実施例2及び比較例2〕
上記実施条件にて、2本のシート状のろ材を浄水カートリッジの上部開口周面と底面中央の内面に、収納固定した例(実施例2)と、2本の細幅片固定せずに自由な動きができるように単に収納した例(比較例2)とにつき、遊離残留塩素の測定を3回行い、その平均値を遊離残留塩素の低減率とした。その結果を表1及び図8に示した。これらの表及び図面から、実施例2及び比較例2から、振とう時間が60秒以下では遊離塩素低減率が80%に達せず、双方ともJIS規格の低減率に達していない。実施例2では、振とう時間が60秒を越えると遊離塩素低減率が80%を越えるのに対して、比較例2では振とう時
間が180秒を越えても遊離塩素低減率が80%を越えることがないことが分かる。
上記実施例1及び2と比較例1及び2とから理解できるとおり、シート状のろ材を浄水カートリッジに収納固定する場合と、固定せずに収納する場合とでは、収納固定する場合の方が振とう時間を大幅に短縮することができるだけでなく、実施例1及び2では遊離塩素低減率が80%を越える振とう時間が60秒であれば、通常の人にとって負担とならない時間である。
Figure 2014188433
1 携帯用簡易浄水器
10 カップ状の容器本体
10a 突起
10b 山形状の突出部
11 蓋体
11a 溝
12 シールリング
20 浄水カートリッジ
21 カートリッジ本体
21a リング状のフランジ部
21b 凹陥部
21c 係着孔
22 カートリッジ蓋
22b 係着爪
22b’ 垂直片
22b” 爪片
22c 通水孔
23 縦格子部
23a 第1開口
24 横格子部
24a 第2開口
30 カートリッジホルダー
31 第1リング
31a,31b リング条
32 第2リング
33 連結杆
40 (繊維状の活性炭又はイオン交換体を備えた)シート状のろ材
41 不織布
43 (シート状のろ材)固定具

Claims (5)

  1. 携帯容器本体と、浄水カートリッジとを有する携帯用簡易浄水器であって、
    前記浄水カートリッジ内にはシート状のろ材が収容されてなり、
    前記シート状のろ材の一部が前記浄水カートリッジの一部に固定されてなる、
    携帯用簡易浄水器。
  2. 前記浄水カートリッジが、その側面に多数の通水孔を有する、請求項1記載の携帯用簡易浄水器。
  3. 前記シート状のろ材が、繊維状の活性炭又はイオン交換体から形成される、請求項1又は2に記載の携帯用簡易浄水器。
  4. 前記浄水カートリッジが、浄水カートリッジケースと袋体とを有し、前記袋体が前記シート状のろ材を収容してなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯用簡易浄水器。
  5. 前記袋体が、不織布からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯用簡易浄水器。
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