JP2014188283A - ミストによる浮遊微粒子除去装置およびミストによる浮遊微粒子除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対象区画内に煙等の浮遊微粒子が発生または流入した際に、浮遊微粒子除去を行うミストによる浮遊微粒子除去装置であって、対象区画内に設置され、対象区画内に水をミストとして噴霧する噴霧ノズル(4)と、対象区画内に煙等の浮遊微粒子が発生または流入した際に、導電率が10μS/cm以下の水に相当する低導電率水を噴霧ノズルに供給する送水装置(2、3、5)とを備える。
【選択図】図1
Description
この特許文献1は、消火剤供給設備により供給された水系の消火剤の噴射粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドと、帯電散布ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部とが必要な構成となっている。このため、電圧印加部にあたる装置が大型化するといった課題がある。
なお、本発明は、実験データに基づいて、ミスト粒子を帯電させて(以下帯電ミストと呼ぶ)煙等の浮遊微粒子の除去を得るための適切な条件を規定している。
図1は、本発明の実施の形態1に係わる帯電ミストによる煙除去装置の全体図である。貯水容器1には、低導電率水があらかじめ貯蔵されている。そして、ポンプ2により貯水容器1から吸い上げられた低導電率水は、バルブ3を開状態とすることで、対象区画内に設けられたドライミストノズル4(噴霧ノズルの一例)から噴霧される。
(1)試料水
低導電率水、および帯電し難い高導電率水として、以下の2つを試料水として使用した。
低導電率水:導電率=0.9μS/cmの脱イオン水
高導電率水:導電率=270μS/cmの水道水
ミストノズルおよびミストポンプとしては、以下の性能のものを使用した。
ミストノズル:6MPa−20mL/min×1個
ミストポンプ:高圧プランジャポンプ(出力0.4kW)
ミスト放出時間:1分間
防護区画に相当する実験区画として、以下の容量のものを使用した。
グローブボックス(容量:100L)
除去対象である煙は、以下の条件で発生させた。
燃料(火皿):自動車用ガソリン(φ25×20mm)
燃焼量:約3mL
(5)測定項目
以下の3つのデータを測定し、低導電率水と高導電率水での煙除去効果を比較した。
測定項目1(減光率):ミスト放出前およびミスト放出後(沈降飽和後)の煙濃度を光学式煙濃度計(以下Cs計と呼ぶ)減光率として測定
測定項目2(沈降飽和時間):一定時間ミストを放出し、ミスト放出を停止した後、煙および水粒子の沈降により減光率の回復(減光率の減少)が飽和するまでの時間を測定
測定項目3(静電気電圧):ミスト放出中におけるノズル近傍のミストパターンから約5cmの距離での電圧をミスト静電気として測定
以下の手順で、検証データを測定した。
ステップ1:グローブボックス内の燃料に点火
ステップ2:燃焼終了後、Cs計光路の窓に付着した煙粒子を拭き取って、グローブボックス内の減光率(煙濃度)を測定
ステップ3:所定時間として1分間ミストを放出し、ミスト放出中、およびミスト放出停止後の減光率の回復状況を継続して測定
ステップ4:減光率回復の飽和後、Cs計光路の窓に付着した水粒子を拭き取って、グローブボックス内の減光率(煙濃度)を測定
(効果1)減光率の改善
ガソリン燃焼煙に対して脱イオン水ミストを約1分間噴霧した結果、放出前に約95%であった減光率が、放出後に約25%にまで回復(減少)している。一方、水道水ミストを同条件で噴霧した際には、放出後の噴霧率の回復は、約59%でとどまっている。従って、低導電水の水を使用することで、減光率の回復が大幅に改善される結果となった。
ミスト噴霧中の1分間において、グローブボックス内を観測した結果、煙粒子が帯電した水粒子に吸着することで、煙粒子の凝集(すなわち、多数の煙粒子が集合体を作る現象)が観測された。その結果、図2に示すように、脱イオン水ミストを約1分間噴霧している間にも、減光率が回復していく測定結果が得られている。
次に、実験区画の規模を拡大して、本発明の帯電ミストによる煙除去方法の効果を検証した検証実験2について、説明する。
低導電率水、および帯電し難い高導電率水として、以下の2つを試料水として使用した。
低導電率水:導電率=1.2μS/cmの脱イオン水
高導電率水:導電率=280μS/cmの水道水
ミストノズルおよびミストポンプとしては、以下の性能のものを使用した。
ミストノズル:6MPa−47mL/min×20個
ミストポンプ:高圧プランジャポンプ(出力0.4kW)
ミスト放出時間:2分間
対象区画に相当する実験区画として、以下の容量のものを使用した。
1.86m×1.86m×1.86m高(容量:6.43m3)
除去対象である煙は、以下の条件で発生させた。
燃料(火皿):自動車用ガソリン(10cm角、深さ10cm)
燃焼量:約50mL
(5)測定項目
以下の2つのデータを測定し、低導電率水と高導電率水での煙除去効果を比較した。
測定項目1(減光率):実験区画内の高さ1.6mと0.8mの2箇所にCs計を接地し、減光率の経時変化を測定
測定項目2(沈降飽和時間):一定時間ミストを放出し、ミスト放出を停止した後、煙および水粒子の沈降により減光率の回復が飽和するまでの時間を測定
以下の手順で、検証データを測定した。
ステップ1:実験区画内の燃料に点火
ステップ2:燃焼終了後、2分間ミストを放出し、ミスト放出中、およびミスト放出停止後の減光率の回復状況を減光率の回復が飽和するまで継続して測定
(効果1)減光率の改善
ガソリン燃焼煙に対して脱イオン水ミストを約2分間噴霧した結果、放出前に約90%であった減光率が、放出後に約10%にまで回復している。一方、水道水ミストを同条件で噴霧した際には、放出後の減光率の回復は、約50%でとどまっている。従って、低導電水の水を使用することで、減光率の回復が大幅に向上する結果となった。
沈降飽和時間に関しては、脱イオン水ミストを噴霧した場合には、2〜3分で減光率が急速に回復しているのに対して、同条件で水道水ミストを採用した場合には、20分以上かかっている。従って、脱イオン水ミストを採用することで、沈降飽和時間を大幅に短縮する効果が得られた。
次に、ドライミストノズル4から噴霧する水の導電率を変えて、本発明の帯電ミストによる煙除去方法の効果を検証した検証実験3について説明する。
低導電率水および帯電し難い高導電率水として、以下の5つを試料水として使用した。
低導電率水(4種):導電率=1,3,6,10μS/cmの脱イオン水
高導電率水:導電率=280μS/cmの水道水
ミストノズルおよびミストポンプとしては、以下の性能のものを使用した。
ミストノズル:6MPa−20mL/min×1個
ミストポンプ:高圧プランジャポンプ(出力0.4kW)
ミスト放出時間:2分間
防護区画に相当する実験区画として、以下の容量のものを使用した。
グローブボックス(容量:100L)
除去対象である煙は、以下の条件で発生させた。
燃料(火皿):自動車用ガソリン(φ25×20mm)
燃焼量:約3mL
(5)測定項目
以下の2つのデータを測定し、低導電率水と高導電率水での煙除去効果を比較した。
測定項目1(減光率):ミスト放出前およびミスト放出後(沈降飽和後)の煙濃度をCs計減光率として測定
測定項目2(沈降飽和時間):一定時間ミストを放出し、ミスト放出を停止した後、煙および水粒子の沈降により減光率の回復が飽和するまでの時間を測定
以下の手順で、検証データを測定した。
ステップ1:グローブボックス内の燃料に点火
ステップ2:燃焼終了後、2分間ミストを放出し、ミスト放出中、およびミスト放出停止後の減光率の回復状況を減光率の回復が飽和するまで継続して測定
(効果1)減光率の改善
ガソリン燃焼煙に対して脱イオン水ミストを約2分間噴霧した結果、放出前に約90%であった減光率が、放出後に1μS/cmの脱イオン水ミストの場合は約20%、3μS/cmの脱イオン水ミストの場合は約25%、6μS/cmの脱イオン水ミストの場合は約35%、10μS/cmの脱イオン水ミストの場合は約50%、にまで回復している。一方、水道水ミストを同条件で噴霧した際には、放出後3分30秒では、減光率の回復の飽和には至らず、回復は約60%となっている。これより水の導電率が低い程、煙除去効果が高いことが確認された。
ミスト噴霧中の2分間において、グローブボックス内を観測した結果、1,3,6μS/cmの脱イオン水ミストでは、煙粒子が帯電した水粒子に吸着することで、煙粒子の凝集(すなわち、多数の煙粒子が集合体を作る現象)が観測された。また、ミスト放出を停止した後にも、同様の凝集が発生し、沈降飽和時間に関しては、1μS/cmの脱イオン水ミストの場合はミスト放出後約1分、3,6μS/cmの脱イオン水ミストの場合はミスト放出後約1分30秒、10μS/cmの脱イオン水ミストの場合でもミスト放出後約2分で減光率が急速に回復して飽和した。一方、水道水ミストは、減光率が急速に回復することはなく、放出後3分30秒経過しても飽和には至らなかった。
次に、ドライミストノズル4から噴霧する放射圧力を変えて、本発明の帯電ミストによる煙除去方法の効果を検証した検証実験4について、説明する。
低導電率水として、以下を試料水として使用した。
低導電率水:導電率=1μS/cmの脱イオン水
ミストノズルおよびミストポンプとしては、以下の性能のものを使用し、放水圧力を変えて実験を行った。なお、総水量が同程度になるように、ミストノズルの数量を調整した。
ミストノズル:6MPa−47mL/min
ミストポンプ:高圧プランジャポンプ(出力0.4kW)
ミスト放出時間:2分間
ミスト放出圧力(3種):1.5,3,6MPa
ミストノズル数量(3種):20個(放出圧力:1.5MPa)、14個(放出圧力:3MPa、)、10個(放出圧力:6MPa)
対象区画に相当する実験区画として、以下の容量のものを使用した。
1.86m×1.86m×1.86m高(容量:6.43m3)
除去対象である煙は、以下の条件で発生させた。
燃料(火皿):自動車用ガソリン(10cm角、深さ10cm)
燃焼量:約50mL
(5)測定項目
以下の2つのデータを測定し、低導電率水と高導電率水での煙除去効果を比較した。
測定項目1(減光率):実験区画内の高さ1.6mと0.8mの2箇所にCs計を接地し、減光率の経時変化を測定
測定項目2(沈降飽和時間):一定時間ミストを放出し、ミスト放出を停止した後、煙および水粒子の沈降により減光率の回復が飽和するまでの時間を測定
以下の手順で、検証データを測定した。
ステップ1:実験区画内の燃料に点火
ステップ2:燃焼終了後、2分間ミストを放出し、ミスト放出中、およびミスト放出停止後の減光率の回復状況を減光率の回復が飽和するまで継続して測定
ガソリン燃焼煙に対して脱イオン水ミストを約2分間噴霧した結果、放出前に約85%であった減光率が、放出後に1.5MPaで放出した場合は約65%、3MPaで放出した場合は約45%、6MPaで放出した場合は約25%にまで回復している。従って、放出水量が同量であれば、ミスト粒径が小さいほど煙除去効果が高い結果となった。
いずれの場合もミスト放出中から減光率の回復が見られ、放出後2〜3分で減光率が急速に減少した。この結果から、本実験の場合1.5MPaで放出した場合の減光率は約65%程度までしか回復していないが、1.5MPaでミスト放出した場合でも、放出量を増やすことで、減光率の回復が期待できる。
Claims (6)
- 対象区画内に浮遊微粒子が発生または流入した際に、前記浮遊微粒子の除去を行うミストによる浮遊微粒子除去装置であって、
前記対象区画内に設置され、前記対象区画内に水をミストとして噴霧する噴霧ノズルと、
前記対象区画内に浮遊微粒子が発生または流入した際に、導電率が10μS/cm以下の水に相当する低導電率水を前記噴霧ノズルに供給する送水装置と
を備えるミストによる浮遊微粒子除去装置。 - 請求項1に記載のミストによる浮遊微粒子除去装置において、
前記噴霧ノズルから噴霧される前記ミストの噴霧粒径を45μm以下とした
ミストによる浮遊微粒子除去装置。 - 請求項2に記載のミストによる浮遊微粒子除去装置において、
前記噴霧ノズルから前記ミストを放出する圧力を1.5MPa以上とした
ミストによる浮遊微粒子除去装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のミストによる浮遊微粒子除去装置において、
前記送水装置の一次側に設けられ、水道水から前記低導電率水を生成する整水器をさらに備える
ミストによる浮遊微粒子除去装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のミストによる浮遊微粒子除去装置において、
前記低導電率水を貯蔵する貯蔵容器をさらに備え、
前記送水装置は、前記貯蔵容器に貯蔵された前記低導電率水を前記噴霧ノズルに供給する
ミストによる浮遊微粒子除去装置。 - 対象区画内に浮遊微粒子が発生または流入した際に、前記浮遊微粒子の除去を行うミストによる浮遊微粒子除去方法であって、
前記対象区画内に浮遊微粒子が発生または流入したことを知らせる外部信号を受信した際に、あらかじめ貯蔵された、導電率が10μS/cm以下の水に相当する低導電率水を、前記対象区画内に設置された噴霧ノズルに供給し、前記対象区画内に水をミストとして噴霧させるステップを備える
ミストによる浮遊微粒子除去方法。
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JPH02198654A (ja) * | 1989-01-25 | 1990-08-07 | Chubu Electric Power Co Inc | 液体の帯電霧化装置 |
JP2009233530A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Nohmi Bosai Ltd | 芳香用ミスト噴霧システム |
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-
2013
- 2013-03-28 JP JP2013068205A patent/JP2014188283A/ja active Pending
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