JP2014188148A - 超音波測定装置、超音波トランスデューサーデバイス及び超音波画像装置 - Google Patents

超音波測定装置、超音波トランスデューサーデバイス及び超音波画像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測定環境の判断処理を簡素な構成で高速にできる超音波測定装置、超音波トランスデューサーデバイス及び超音波画像装置等を提供すること。
【解決手段】超音波測定装置100は、複数の超音波トランスデューサー素子を有する超音波トランスデューサーデバイス310と、超音波の送信処理を行う送信部110と、超音波エコーの受信処理を行う受信部120と、超音波測定の制御処理を行う処理部130とを含む。処理部130は、複数の超音波トランスデューサー素子のうちの超音波の測定環境の判断用に設けられた超音波トランスデューサー素子UEPについての受信信号に基づいて、測定環境の判断処理を行い、複数の超音波トランスデューサー素子のうちの被検体の超音波測定用に設けられた複数の超音波トランスデューサー素子UEXについての受信信号に基づいて、被検体の超音波測定処理を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、超音波測定装置、超音波トランスデューサーデバイス及び超音波画像装置等に関する。
対象物に向けて超音波を照射し、対象物内部における音響インピーダンスの異なる界面からの反射波を受信して対象物の画像を取得するための装置として、超音波画像装置がある。しかし、この装置に慣れていないユーザーにとっては、超音波プローブと被検体との密着状態(音響整合状態)などの測定環境が適正な状態であるか否かを判断することが難しいという問題がある。
この課題に対して例えば特許文献1には、超音波画像に対して画像処理を行って超音波プローブの配置状態を検出する手法が開示されている。
特開2011−104194号公報
しかしながらこの手法では、超音波画像に対して画像処理を行うために装置が複雑になる、処理に時間がかかるなどの課題がある。
本発明の幾つかの態様によれば、測定環境の判断処理を簡素な構成で高速にできる超音波測定装置、超音波トランスデューサーデバイス及び超音波画像装置等を提供できる。
本発明の一態様は、複数の超音波トランスデューサー素子を有する超音波トランスデューサーデバイスと、前記超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送信処理を行う送信部と、前記超音波トランスデューサーデバイスが送信した超音波の超音波エコーの受信処理を行う受信部と、前記受信部からの受信信号の処理及び前記送信部への出力信号の処理を含む制御処理を行う処理部とを含み、前記処理部は、前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの超音波の測定環境の判断用に設けられた超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて、前記測定環境の判断処理を行い、前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの被検体の超音波測定用に設けられた複数の超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて、前記被検体の超音波測定処理を行う超音波測定装置に関係する。
本発明の一態様によれば、処理部が複数の超音波トランスデューサー素子のうちの超音波の測定環境の判断用に設けられた超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて測定環境の判断処理を行うことができるから、簡素な構成で高速な判断処理を行うことができる。その結果、測定環境の判断処理を効率良く行うことなどが可能になる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記測定環境が適正であると判断した場合には、前記被検体の前記超音波測定処理を行ってもよい。
このようにすれば、処理部は超音波測定処理に先立って測定環境の判断処理を行い、測定環境が適正であると判断した場合に、被検体の超音波測定処理を行うことができる。その結果、超音波測定装置の操作に慣れていないユーザーであっても、適正な測定環境の状態で超音波測定を行うことができる。
また本発明の一態様では、前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの被検体の超音波測定用に設けられた複数の超音波トランスデューサー素子は、アレイ状に配置されてもよい。
このようにすれば、被検体の超音波測定用に設けられた複数の超音波トランスデューサー素子を効率的に配置することができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記測定環境の状態を報知する報知データを生成して出力してもよい。
このようにすれば、ユーザーは測定環境の状態を認識することができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記測定環境として、前記超音波トランスデューサーデバイスと前記被検体との間の音響整合状態を判断してもよい。
このようにすれば、処理部は超音波測定処理に先立って音響整合状態の判断処理を行い、音響整合状態が適正であると判断した場合に、被検体の超音波測定処理を行うことができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記音響整合状態が適正であるか否かを報知する前記報知データを生成して出力してもよい。
このようにすれば、ユーザーは音響整合状態を認識することができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記測定環境として、前記超音波トランスデューサーデバイスと前記被検体との間の距離情報を判断してもよい。
このようにすれば、処理部は超音波測定処理に先立って距離情報の判断処理を行い、距離情報が適正であると判断した場合に、被検体の超音波測定処理を行うことができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記距離情報を報知する前記報知データを生成して出力してもよい。
このようにすれば、ユーザーは距離情報を認識することができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記測定環境として、前記超音波の測定環境の判断用に設けられた超音波トランスデューサー素子についての前記受信信号の振幅を判断してもよい。
このようにすれば、処理部は、超音波測定処理に先立って受信信号の振幅の判断処理を行い、受信信号の振幅が適正であると判断した場合に、被検体の超音波測定処理を行うことができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記受信信号の振幅を所定の値と比較し、比較結果に基づいて前記受信信号の振幅が適正であるか否かを判断してもよい。
このようにすれば、処理部は、受信信号の振幅が所定の値以上である場合に、受信信号の振幅が適正であると判断することができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記受信信号の振幅を報知する前記報知データを生成して出力してもよい。
このようにすれば、ユーザーは受信信号の振幅を認識することができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記測定環境の変更を指示する前記報知データを生成して出力してもよい。
このようにすれば、ユーザーは報知データに基づいて測定環境の変更を行って、測定環境の状態を適正にすることができる。
本発明の他の態様は、複数の超音波トランスデューサー素子を有する超音波トランスデューサーデバイスと、前記超音波トランスデューサーデバイスに対し超音波の送信処理を行う送信部と、前記超音波トランスデューサーデバイスが送信した超音波の超音波エコーの受信処理を行う受信部と、前記受信部からの受信信号の処理及び前記送信部への出力信号の処理を含む制御処理を行う処理部とを含み、前記処理部は、前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの一部の超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて、超音波の測定環境の判断処理を行い、前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの前記一部の超音波トランスデューサー素子よりも多い数の超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて、被検体の超音波測定処理を行う超音波測定装置に関係する。
本発明の他の態様によれば、処理部が複数の超音波トランスデューサー素子のうちの一部の超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて測定環境の判断処理を行うことができるから、簡素な構成で高速な判断処理を行うことができる。
本発明の他の態様は、1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子と、複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子とを含み、前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子は、超音波測定装置による測定環境の判断処理において測定環境判断用の超音波の送受信に用いられ、前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子は、前記超音波測定装置による被検体の超音波測定処理において超音波測定用の送受信に用いられる超音波トランスデューサーデバイスに関係する。
本発明の他の態様によれば、超音波測定装置が測定環境の判断処理を行う際に、1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて測定環境の判断処理を行うことができる。
また本発明の他の態様では、測定環境判断用の信号端子と、前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子と前記測定環境判断用の信号端子とを接続する測定環境判断用の信号配線と、超音波測定用の信号端子と、前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子と前記超音波測定用の信号端子とを接続する超音波測定用の信号配線とを含んでもよい。
このようにすれば、超音波測定装置は、測定環境の判断処理を行う際に、測定環境判断用の信号端子に対して送信信号を出力し、測定環境判断用の信号端子から受信信号を受け取ることができる。
また本発明の他の態様では、複数の開口が配置された基板を含み、前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子及び前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子の各素子は、前記複数の開口の各開口ごとに設けられ、前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子及び前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子の各素子は、前記開口を塞ぐ振動膜と、前記振動膜の上に設けられる圧電素子部とを有し、前記圧電素子部は、前記振動膜の上に設けられる下部電極と、前記下部電極の少なくとも一部を覆うように設けられる圧電体膜と、前記圧電体膜の少なくとも一部を覆うように設けられる上部電極とを有してもよい。
このようにすれば、各超音波トランスデューサー素子は、上部電極と下部電極との間に電圧が印加されることで振動膜が振動し、振動膜が振動することで超音波を出射することができる。
また本発明の他の態様では、前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子の共振周波数は、前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子の共振周波数と異なってもよい。
このようにすれば、測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子の共振周波数を複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子の共振周波数より低くすることができる。その結果、超音波が被検体内部のより深いところまで到達するから測定環境の判断処理を効果的に行うことなどが可能になる。
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載の超音波測定装置と、表示用画像データを表示する表示部とを含む超音波画像装置に関係する。
図1(A)、図1(B)は、超音波トランスデューサー素子の基本的な構成例。 超音波トランスデューサーデバイスの第1の構成例。 超音波トランスデューサーデバイスの第2の構成例。 超音波トランスデューサーデバイスの第3の構成例。 超音波測定装置及び超音波画像装置の基本的な構成例。 測定環境の判断処理及び超音波測定処理のフローチャートの一例。 音響整合状態の判断処理のフローチャートの一例。 図8(A)、図8(B)、図8(C)は、音響整合状態の判断処理の第1の例。 図9(A)、図9(B)、図9(C)は、音響整合状態の判断処理の第2の例。 図10(A)、図10(B)、図10(C)は、音響整合状態の判断処理における報知データの例。 距離情報の判断処理のフローチャートの一例。 図12(A)、図12(B)は、距離情報の判断処理の例。 受信信号の振幅の判断処理のフローチャートの一例。 図14(A)、図14(B)は、受信信号の振幅の判断処理の例。 図15(A)、図15(B)は、超音波画像装置の具体的な構成例。図15(C)は、超音波プローブの具体的な構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.超音波トランスデューサー素子
図1(A)、図1(B)に、超音波トランスデューサー素子UE(薄膜圧電型超音波トランスデューサー素子)の基本的な構成例を示す。超音波トランスデューサー素子UEは、振動膜50と、圧電素子部20とを有する。圧電素子部20は、下部電極21、圧電体膜30、上部電極22を有する。なお、本実施形態の超音波トランスデューサー素子UEは図1(A)、図1(B)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図1(A)は、基板60(シリコン基板)に形成された超音波トランスデューサー素子UEの、素子形成面側の基板に垂直な方向から見た平面図である。図1(B)は、図1(A)のA−A’に沿った断面を示す断面図である。
下部電極21(第1電極層)は、振動膜50の上層に例えば金属薄膜で形成される。この下部電極21は、図1(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子UEに接続される配線であってもよい。
圧電体膜30(圧電体層)は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)薄膜により形成され、下部電極21の少なくとも一部を覆うように設けられる。なお、圧電体膜30の材料は、PZTに限定されるものではなく、例えばチタン酸鉛(PbTiO)、ジルコン酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO)などを用いてもよい。
上部電極22(第2電極層)は、例えば金属薄膜で形成され、圧電体膜30の少なくとも一部を覆うように設けられる。この上部電極22は、図1(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子UEに接続される配線であってもよい。
振動膜50(メンブレン)は、例えばSiO薄膜とZrO薄膜との2層構造により開口45を塞ぐように設けられる。この振動膜50は、下部電極21、圧電体膜30及び上部電極22を支持すると共に、圧電体膜30の伸縮に従って振動し、超音波を発生させることができる。
開口45は、基板60に配置される。開口45による空洞領域40は、基板60の裏面(素子が形成されない面)側から反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)等によりエッチングすることで形成される。この空洞領域40の形成によって振動可能になった振動膜50のサイズによって超音波の共振周波数が決定され、その超音波は圧電体膜30側(図1(A)において紙面奥から手前方向)に放射される。
超音波トランスデューサー素子UEの下部電極21は、第1電極層により形成され、上部電極22は、第2電極層により形成される。具体的には、第1電極層のうちの圧電体膜30に覆われた部分が下部電極21を形成し、第2電極層のうちの圧電体膜30を覆う部分が上部電極22を形成する。即ち、圧電体膜30は、下部電極21と上部電極22に挟まれて設けられる。
圧電体膜30は、下部電極21と上部電極22との間、即ち第1電極層と第2電極層との間に電圧が印加されることで、面内方向に伸縮する。超音波トランスデューサー素子UEは、薄手の圧電素子部20と振動膜50を貼り合わせたモノモルフ(ユニモルフ)構造を用いており、圧電素子部20が面内で伸び縮みすると貼り合わせた振動膜50の寸法はそのままであるため反りが生じる。従って、圧電体膜30に交流電圧を印加することで、振動膜50が膜厚方向に対して振動し、この振動膜50の振動により超音波が放射される。圧電体膜30に印加される電圧は、例えば10〜30Vであり、周波数は例えば1〜10MHzである。
バルクの超音波トランスデューサー素子の駆動電圧がピークからピークで100V程度であるのに対して、図1(A)、図1(B)に示すような薄膜圧電型超音波トランスデューサー素子では、駆動電圧をピークからピークで10〜30V程度に小さくすることができる。
超音波トランスデューサー素子UEは、出射された超音波が対象物で反射されて戻ってくる超音波エコーを受信する受信素子としても動作する。超音波エコーにより振動膜50が振動し、この振動によって圧電体膜30に圧力が加わり、下部電極21と上部電極22との間に電圧が発生する。この電圧を受信信号として取り出すことができる。
なお、以下では必要に応じて、超音波の測定環境の判断に用いられる超音波トランスデューサー素子にはUEPの符号を付し、超音波測定に用いられる複数の超音波トランスデューサー素子にはUEXの符号を付して区別する。
2.超音波トランスデューサーデバイス
図2に、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイス310の第1の構成例を示す。本構成例の超音波トランスデューサーデバイス310は、1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子UEP(UEP1〜UEP5)、アレイ状に配置された複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子UEX、測定環境判断用の信号端子P1〜P5、測定環境判断用の信号配線PL1〜PL5、超音波測定用の信号端子X1〜Xn(nは2以上の整数)、超音波測定用の信号配線XL1〜XLn、コモン電圧端子COM及びコモン電極線CL1〜CLm(mは2以上の整数)を含む。図2では、例としてm=8、n=12の場合を示すが、これ以外の値であってもよい。なお、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイス310は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えば、測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子UEPの個数は1個であってもよいし、2個以上であってもよい。
なお、以下の説明では、測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子を「測定環境判断用素子」、超音波測定用の超音波トランスデューサー素子を「超音波測定用素子」とも呼ぶ。
複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子UEX(超音波測定用素子)は、被検体の超音波測定用に設けられた素子であって、m行n列のマトリックス状(アレイ状)に配置される。例えば図2に示すように、X方向に8行、そしてX方向に交差するY方向に12列に配置される。超音波測定用素子UEXは、例えば図1(A)、図1(B)に示した構成とすることができる。
超音波測定用の信号配線XL1〜XL12は、X方向に配線され、複数の超音波測定用素子UEXと超音波測定用の信号端子X1〜X12とを接続する。具体的には、超音波測定用の信号配線XL1〜XL12のうちの第j(jは1≦j≦12である整数)の信号配線XLjは、第j列に配置される各超音波測定用素子UEXが有する第1の電極(例えば上部電極)と第jの超音波測定用の信号端子Xjとを接続する。
超音波測定用の信号端子X1〜X12は、超音波トランスデューサーデバイス310のX方向側に設けられる。
超音波測定処理において、超音波を出射する送信期間には、後述する送信部110からの送信信号VT1〜VT12が超音波測定用の信号端子X1〜X12に入力され、各超音波測定用素子UEXに供給される。また、超音波エコー信号を受信する受信期間には、各超音波測定用素子UEXからの受信信号VR1〜VR12が超音波測定用の信号端子X1〜X12から後述する受信部120に対して出力される。
コモン電極線CL1〜CL8は、Y方向に配線される。超音波測定用素子UEXが有する第2の電極(例えば下部電極)は、コモン電極線CL1〜CL8のうちのいずれかに接続される。具体的には、例えば図2に示すように、コモン電極線CL1〜CL8のうちの第i(iは1≦i≦8である整数)のコモン電極線CLiは、第i列に配置される各超音波測定用素子UEXが有する第2の電極に接続される。
コモン電極線CL1〜CL8は、コモン電圧端子COMに共通接続される。コモン電圧端子COMには、コモン電圧が供給される。このコモン電圧は一定の直流電圧であればよく、0V即ちグランド電位(接地電位)でなくてもよい。
なお、複数の超音波測定用素子UEXの配置は、図2に示すm行n列のマトリックス配置に限定されない。例えば奇数番目の列にm個の素子が配置され、偶数番目の列にm−1個の素子が配置される、いわゆる千鳥配置であってもよい。
1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子UEP(測定環境判断用素子)は、超音波の測定環境の判断用に設けられた素子であって、上述したアレイ状に配置された超音波測定用素子UEXとは別に設けられる。即ち、超音波測定用素子UEXが配置されるアレイとは異なる位置に配置される。具体的には、例えば図2に示すように、第1〜第4の測定環境判断用素子UEP1〜UEP4は超音波トランスデューサーデバイス310の第1〜第4のコーナー部に設けられ、第5の測定環境判断用素子UEP5は超音波トランスデューサーデバイス310の中央部に設けられる。なお、測定環境判断用素子UEPの個数及び配置は図2に示すものに限定されない。
測定環境判断用の信号端子P1、P2は超音波トランスデューサーデバイス310のX方向側に設けられ、測定環境判断用の信号端子P3、P4、P5は超音波トランスデューサーデバイス310の−X方向側に設けられる。
測定環境判断用の信号配線PL1〜PL5は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5と測定環境判断用の信号端子P1〜P5とを接続する。具体的には、測定環境判断用の信号配線PL1〜PL5のうちの第k(kは1≦k≦5である整数)の信号配線PLkは、第kの測定環境判断用素子UEPkが有する第1の電極(例えば上部電極)と第kの測定環境判断用の信号端子Pkとを接続する。
測定環境判断用素子UEP1〜UEP5が有する第2の電極(例えば下部電極)は、コモン電極線CL1〜CL8のうちのいずれかに接続される。例えば、測定環境判断用素子UEP1、UEP2の第2の電極はコモン電極線CL8に接続され、測定環境判断用素子UEP3、UEP4の第2の電極はコモン電極線CL1に接続され、測定環境判断用素子UEP5の第2の電極はコモン電極線CL4に接続される。なお、測定環境判断用のコモン電極線をコモン電極線CL1〜CL8とは別に設けて、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5の第2の電極に接続してもよい。
測定環境の判断処理において、送信期間には、後述する送信部110からの送信信号が測定環境判断用の信号端子P1〜P5に入力され、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5に供給される。また、受信期間には、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5からの受信信号が測定環境判断用の信号端子P1〜P5から後述する受信部120に対して出力される。
測定環境判断用素子UEP1〜UEP5の共振周波数を、超音波測定用素子UEXの共振周波数と異なるものにすることができる。例えば測定環境判断用素子UEP1〜UEP5の共振周波数を超音波測定用素子UEXの共振周波数よりも低くすることができる。こうすることで、測定環境の判断処理において、低い周波数(例えば1〜3MHz)の超音波を効率良く出射することができる。周波数が低いほど被検体内部における超音波の減衰が小さく、より深いところまで超音波が到達するから、測定環境の判断処理に適している。
測定環境の判断処理は、後述する処理部130によって処理される。処理部130は、複数の超音波トランスデューサー素子のうちの超音波の測定環境の判断用に設けられた超音波トランスデューサー素子UEP(測定環境判断用素子)についての受信信号に基づいて、測定環境の判断処理を行う。そして複数の超音波トランスデューサー素子のうちの被検体の超音波測定用に設けられた複数の超音波トランスデューサー素子UEX(超音波測定用素子)についての受信信号に基づいて、被検体の超音波測定処理を行う。
処理部130は、超音波測定処理に先立って測定環境の判断処理を行い、測定環境が適正であると判断した場合には、被検体の超音波測定処理を行う。こうすることで、超音波測定装置の操作に慣れていないユーザーであっても、適正な測定環境の状態で超音波測定を行うことができる。なお、処理測定環境の判断処理の詳細については、後述する。
超音波測定における測定環境が適正とは、例えば超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との間の音響整合状態が適正であること、或いは、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との間の距離が適正であること、或いは対象物からの超音波エコーによる受信信号の振幅が適正であることなどである。測定環境が適正である場合には、超音波測定によって対象物についての所望の情報を正確に得ることができるが、測定環境が適正でない場合には、対象物についての所望の情報を正確に得ることができないか、或いは困難になる。
音響整合状態とは、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との間の音響インピーダンスの整合(マッチング)状態であって、音響整合状態が適正な状態とは、両者の間の音響インピーダンスが整合している状態である。音響インピーダンス整合が不良の場合には、超音波が減衰してしまうために、正確な測定ができなくなる。例えば、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との間に空気が介在する場合などである。
距離情報とは、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との間の距離に関する情報である。ユーザーが超音波プローブ300を強く押し当てるほど、この距離が短くなり、反対に押し当てが弱くなるほどこの距離が長くなる。超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との間の距離が適正な状態とは、押し当ての強さが適正である状態である。押し当てが強すぎる場合には、被検体の脂肪層や筋肉層などが変形して正確な測定ができなくなる。
受信信号の振幅とは、対象物からの超音波エコーによる受信信号の振幅(信号強度)である。例えば、出射された超音波のビームが対象物の方向に正しく向いていない場合には、対象物からの超音波エコーによる受信信号の振幅は小さくなる。受信信号の振幅が小さい場合には、鮮明な超音波画像などを取得することが困難になり、正確な測定ができなくなる。受信信号の振幅が適正な状態とは、受信信号の振幅が、対象物について所望な情報を正確に得るために必要な振幅以上である状態である。
図3に、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイス310の第2の構成例を示す。本構成例の超音波トランスデューサーデバイス310は、1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子UEP(UEP1〜UEP5)、複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子UEX、測定環境判断用の信号端子P1〜P5、測定環境判断用の信号配線PL1〜PL5、超音波測定用の信号端子X1〜Xn(nは2以上の整数)、超音波測定用の信号配線XL1〜XLn、コモン電圧端子COM及びコモン電極線CL1〜CLm(mは2以上の整数)を含む。図3では、例としてm=8、n=12の場合を示すが、これ以外の値であってもよい。なお、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイス310は図3の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えば、測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子UEP(測定環境判断用素子)の個数は1個であってもよいし、2個以上であってもよい。
第2の構成例では、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5の配置が上述した第1の構成例(図2)と異なる。即ち、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5は、複数の超音波測定用素子UEXと共に1つのアレイ状に配置される。例えば図3に示すように、8行12列のアレイ状に配置された素子のうち、第8行第1列の素子が測定環境判断用素子UEP1として設けられ、第8行第12列の素子が測定環境判断用素子UEP2として設けられ、第1行第1列の素子が測定環境判断用素子UEP3として設けられ、第1行第12列の素子が測定環境判断用素子UEP4として設けられ、第4行第6列の素子が測定環境判断用素子UEP5として設けられる。これ以外の素子は、超音波測定用素子UEXとして設けられる。なお、測定環境判断用素子UEPの個数及び配置は図3に示すものに限定されない。
上述した第1の構成例と同様に、測定環境判断用の信号端子P1、P2は超音波トランスデューサーデバイス310のX方向側に設けられ、測定環境判断用の信号端子P3、P4、P5は超音波トランスデューサーデバイス310の−X方向側に設けられる。測定環境判断用の信号配線PL1〜PL5は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5が有する第1の電極(例えば上部電極)と測定環境判断用の信号端子P1〜P5とを接続する。測定環境判断用素子UEP1〜UEP5が有する第2の電極(例えば下部電極)は、コモン電極線CL1〜CL8のうちの対応するコモン電極線に接続される。
超音波測定用素子UEX、超音波測定用の信号端子X1〜X12、超音波測定用の信号配線XL1〜XL12、コモン電圧端子COM及びコモン電極線CL1〜CL8については、第1の構成例と同様であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
図4に、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイス310の第3の構成例を示す。本構成例の超音波トランスデューサーデバイス310は、複数の超音波トランスデューサー素子UE(UEP、UEX)、信号端子X1〜Xn(nは2以上の整数)、信号配線XL1〜XLn、コモン電圧端子COM及びコモン電極線CL1〜CLm(mは2以上の整数)を含む。図4では、例としてm=8、n=12の場合を示すが、これ以外の値であってもよい。なお、本実施形態の超音波トランスデューサーデバイス310は図4の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
第3の構成例では、アレイ状に配置された複数の超音波トランスデューサー素子UEのうちの一部の素子が、測定環境の判断処理において、測定環境判断用素子UEPとして用いられる。複数の超音波トランスデューサー素子UEのうちの測定環境判断用素子UEP(広義には一部の超音波トランスデューサー素子)よりも多い数の超音波トランスデューサー素子が、超音波測定処理において超音波測定用素子UEXとして用いられる。
具体的には、例えば図4に示すように、第1列の8個の素子が測定環境判断用素子UEP1として用いられ、第12列の8個の素子が測定環境判断用素子UEP2として用いられ、第6列の8個の素子が測定環境判断用素子UEP3として用いられる。これらの素子を除く複数の超音波トランスデューサー素子は、超音波測定用素子UEXとして用いられる。なお、測定環境判断用素子UEP1〜UEP3は、超音波測定処理において、他の素子と共に超音波測定用素子UEXとして用いられてもよい。
超音波測定用素子UEX、超音波測定用の信号端子X1〜X12、超音波測定用の信号配線XL1〜XL12、コモン電圧端子COM及びコモン電極線CL1〜CL8については、第1の構成例と同様であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
後述する処理部130は、複数の超音波トランスデューサー素子のうちの一部の超音波トランスデューサー素子(例えば図4のUEP1〜UEP3)についての受信信号に基づいて、超音波の測定環境の判断処理を行う。そして複数の超音波トランスデューサー素子のうちの一部の超音波トランスデューサー素子よりも多い数の超音波トランスデューサー素子(例えば図4のUEX)についての受信信号に基づいて、被検体の超音波測定処理を行う。
第3の構成例では、測定環境の判断処理のための専用の素子、信号端子及び信号配線が不要となるから、超音波トランスデューサーデバイスの構成を簡素にすることができ、実装コストを低減することなどが可能になる。
本実施形態の超音波トランスデューサーデバイス310に含まれる素子は、上述した薄膜圧電型超音波トランスデューサー素子に限定されず、例えば容量性微細加工超音波トランスデューサー素子(CMUT:Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)であってもよい。
3.超音波測定装置
図5に、本実施形態の超音波測定装置100及び超音波画像装置400の基本的な構成例を示す。超音波測定装置100は、超音波プローブ300、送信部110、受信部120及び処理部130を含む。超音波プローブ300は、超音波トランスデューサーデバイス310を含む。超音波画像装置400は、超音波測定装置100及び表示部410を含む。なお、本実施形態の超音波測定装置100及び超音波画像装置400は図5の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
超音波プローブ300は、超音波トランスデューサーデバイス310を含む。超音波トランスデューサーデバイス310については既に説明したので、ここでは詳細な説明を省略する。
送信部110は、超音波トランスデューサーデバイス310に対して超音波の送信処理を行う。具体的には、送信部110が超音波トランスデューサーデバイス310に対して送信信号(駆動信号)を出力し、超音波トランスデューサーデバイス310が電気信号である送信信号を超音波に変換して、対象物に対して超音波を出射する。送信部110の少なくとも一部は、超音波プローブ300に設けられてもよい。
受信部120は、超音波トランスデューサーデバイス310が送信した超音波の超音波エコーの受信処理を行う。具体的には、超音波トランスデューサーデバイス310が対象物からの超音波エコーを電気信号に変換する。そして受信部120は、超音波トランスデューサーデバイス310からの電気信号である受信信号(アナログ信号)に対して増幅、検波、A/D変換、位相合わせなどの受信処理を行い、受信処理後の信号である受信信号(デジタルデータ)を処理部130に対して出力する。受信部120の少なくとも一部は、超音波プローブ300に設けられてもよい。
処理部130は、受信部120からの受信信号の処理及び送信部110への出力信号の処理を含む制御処理を行う。具体的には、処理部130は、超音波測定処理に先立って測定環境の判断処理を行い、測定環境が適正であると判断した場合には、被検体の超音波測定処理を行う。
処理部130は、複数の超音波トランスデューサー素子のうちの超音波の測定環境の判断用に設けられた超音波トランスデューサー素子(測定環境判断用素子)(例えば図2、図3のUEP1〜UEP5)についての受信信号に基づいて、測定環境の判断処理を行う。そして複数の超音波トランスデューサー素子のうちの被検体の超音波測定用に設けられた複数の超音波トランスデューサー素子(超音波測定用素子)UEXについての受信信号に基づいて、被検体の超音波測定処理を行う。
また処理部130は、複数の超音波トランスデューサー素子のうちの一部の超音波トランスデューサー素子(例えば図4のUEP1〜UEP3)についての受信信号に基づいて、測定環境の判断処理を行う。そして複数の超音波トランスデューサー素子のうちの一部の超音波トランスデューサー素子よりも多い数の超音波トランスデューサー素子UEXについての受信信号に基づいて、被検体の超音波測定処理を行うこともできる。
処理部130は、測定環境の状態を報知する報知データを生成して報知部420に対して出力する。さらに、ユーザーに測定環境の変更を指示する報知データを生成して報知部420に対して出力することもできる。報知データは、表示部410に表示させるための表示用画像データの他、スピーカーから出力させるための音声データなどを含んでもよい。具体的には、報知データは、測定環境の状態や測定環境の変更を指示する画像(イメージ)、或いは測定環境の変更を促す音声メッセージのデータである。或いは、報知データは、ビープ音のピッチ又は音量を変化させる制御信号、LEDを発光・点滅させる制御信号、或いはバイブレーターを振動させる制御信号などについてのデータである。
報知部420は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部410やスピーカー(図示せず)等であって、処理部130からの報知データをユーザーに対して報知する。表示部410は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置であって、処理部130からの表示用画像データを表示する。報知部420は、例えばビープ音を発生するビーパー、又は発光・点滅するLED、又は振動するバイブレーターなどであってもよい。
このように本実施形態の超音波測定装置100によれば、超音波測定処理に先立って測定環境の判断処理を行い、測定環境が適正であると判断した場合に、被検体の超音波測定処理を行うことができる。また、ユーザーに対して測定環境の状態を報知し、さらに測定環境の変更を指示することができる。こうすることで、超音波測定装置の操作に慣れていないユーザーであっても、適正な測定環境の状態で超音波測定を行うことができる。
また、本実施形態の超音波測定装置100によれば、複数の超音波トランスデューサー素子のうちの超音波の測定環境の判断に用いられる素子(測定環境判断用素子)からの受信信号に基づいて測定環境の判断処理を行うことができる。即ち、対象物の超音波画像データを取得せずに測定環境の判断処理を行うことができる。従って、被検体(対象物)の超音波画像データを取得し、画像処理によって測定環境の判断処理を行う方法と比較して、より簡素な構成でより高速な判断処理を行うことができる。
図6は、本実施形態の超音波測定装置100による測定環境の判断処理及び超音波測定処理のフローチャートの一例である。図6に示す処理は、処理部130によって実行される。
最初に音響整合状態の判断処理が実行される(ステップS1)。音響整合状態とは、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との間の音響インピーダンスの整合状態である。音響整合状態が適正でない場合、即ち音響インピーダンスの整合(マッチング)が不良の場合には、超音波トランスデューサーデバイス310から出射された超音波が減衰してしまうために、正確な測定ができなくなる。例えば、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との間に空気が介在する場合などである。
次に、距離情報の判断処理が実行される(ステップS2)。距離情報とは、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との間の距離に関する情報である。ユーザーが超音波プローブ300を強く押し当てるほど、この距離が短くなるから、距離情報によって押し当ての強さ(押し圧)が適正であるか否かを判断することができる。押し当てが強すぎる場合には、被検体の脂肪層や筋肉層などが変形して正確な測定ができなくなる。
次に、受信信号の振幅の判断処理が実行される(ステップS3)。受信信号の振幅とは、超音波の測定環境の判断に用いられる超音波トランスデューサー素子(測定環境判断用素子)についての受信信号の振幅である。超音波プローブ300の被検体に対する角度が適正でない場合には、対象物からの超音波エコーによる受信信号の振幅は小さくなる。従って、測定環境判断用素子からの受信信号の振幅によって、超音波プローブ300の被検体に対する角度が適正であるか否かを判断することができる。
音響整合状態の判断処理、距離情報の判断処理及び受信信号の振幅の判断処理においてそれぞれ適正であると判断された場合には、超音波測定処理が実行される(ステップS4)。
図7は、音響整合状態の判断処理のフローチャートの一例である。図7に示す処理は、処理部130によって実行される。以下では、超音波トランスデューサーデバイス310の第1、第2の構成例(図2、図3)の測定環境判断用素子UEP1〜UEP5を例として説明するが、他の構成でも同様である。
最初に、処理部130は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5の送受信処理を行う(ステップS11)。具体的には、処理部130の制御処理に基づいて、送信部110が測定環境判断用素子に対して送信信号を出力し、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5が超音波を送信する。そして送信後に最初に戻ってくる被検体表面(例えば人体の皮膚)からの反射波(第1反射波)を測定環境判断用素子UEP1〜UEP5が受信して受信部120に出力する。受信部120は測定環境判断用素子UEP1〜UEP5からの受信信号に対して受信処理を行って処理部130に出力する。
次に、処理部130は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5について第1反射波の受信信号の振幅を比較する(ステップS12)。
次に、処理部130は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5について第1反射波の受信信号の遅延を比較する(ステップS13)。
次に、処理部130は、測定環境判断用素子UEPについての第1反射波の受信信号の振幅及び遅延の比較結果に基づいて、音響整合状態が適正であるか否かを判断する(ステップS14)。例えば、第1〜第5の測定環境判断用素子UEP1〜UEP5が受信した5つの受信信号について、振幅の最大値と最小値との差が所定の値以下であって、且つ、遅延の最大値と最小値との差が所定の値以下である場合には、処理部130は音響整合状態が適正であると判断する。それ以外の場合には、音響整合状態が適正でないと判断する。
音響整合状態が適正であるときは各受信信号間の振幅及び遅延のばらつきは小さいが、音響整合状態が適正でないときは各受信信号間の振幅及び遅延のばらつきが大きくなる。従って受信信号の振幅及び遅延を比較することで、音響整合状態が適正であるか否かを判断することができる。
処理部130が音響整合状態は適正であると判断した場合には、音響整合状態が適正であることをユーザーに報知する報知データを生成し出力する(ステップS15)。
一方、処理部130が音響整合状態は適正でないと判断した場合には、ユーザーに対して音響整合状態を適正にするために必要な処置(広義には測定環境の変更)を指示する報知データを生成し出力する(ステップS16)。そしてステップS11に戻り、処理を繰り返す。
図8(A)、図8(B)、図8(C)に、音響整合状態の判断処理の第1の例を示す。図8(A)は、超音波トランスデューサーデバイス310における測定環境判断用素子UEP1〜UEP5の配置を示す。図8(B)は、超音波トランスデューサーデバイス310と音響整合層200との間に空気が介在する場合を示す。音響整合層200は、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との音響整合を得るための部材であって、例えばジェルシートやジェルなどである。図8(C)は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5からの受信信号(第1反射波の受信信号)を示す。
図8(C)に示すように、超音波トランスデューサーデバイス310と音響整合層200との間に空気が介在する場合には、超音波トランスデューサーデバイス310の中央部に配置された測定環境判断用素子UEP5からの受信信号の振幅が他の受信信号と比べて著しく小さくなる。従って、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5からの受信信号の振幅を比較することで、空気の介在を検出することができる。さらに超音波トランスデューサーデバイス310のどの部分に空気が介在しているかを検出することができる。
図9(A)、図9(B)、図9(C)に、音響整合状態の判断処理の第2の例を示す。図9(A)は、超音波トランスデューサーデバイス310における測定環境判断用素子UEP1〜UEP5の配置を示す。図9(B)は、超音波トランスデューサーデバイス310が被検体表面に対して傾いている場合を示す。図9(C)は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5からの受信信号(第1反射波の受信信号)を示す。
超音波トランスデューサーデバイス310が被検体表面に対して傾いている場合には、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5からの受信信号の遅延が異なる。例えば図9(B)に示すように超音波トランスデューサーデバイス310が−Y方向に傾いている場合には、図9(C)に示すように−Y方向側に配置された測定環境判断用素子UEP1、UEP3からの受信信号の遅延が短くなり、+Y方向側に配置された測定環境判断用素子UEP2、UEP4のからの受信信号の遅延が長くなる。従って、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5からの受信信号の遅延を比較することで、超音波トランスデューサーデバイス310の被検体表面に対する傾きを検出することができる。
図10(A)、図10(B)、図10(C)に、音響整合状態の判断処理における報知データの例を示す。具体的には、処理部130により生成された表示用画像データに基づいて表示部410が表示する画像である。
図10(A)は、図8(B)に示したような超音波トランスデューサーデバイス310と音響整合層200との間に空気が介在する場合であって、超音波トランスデューサーデバイス310の中央部に空気があることを示す画像である。
図10(B)は、図9(B)に示したような超音波トランスデューサーデバイス310が傾いている場合であって、超音波トランスデューサーデバイス310が−Y方向に傾いていることを示す画像である。
図10(C)は、処理部130が音響整合状態は適正であると判断した場合であって、音響整合状態は適正であることを示す画像である。
なお、図10(A)、図10(B)、図10(C)に示した画像と共に、例えば「空気が入っています」、「傾いています」、「適正な状態です」などの音声メッセージを出力してもよい。
図11は、距離情報の判断処理のフローチャートの一例である。図11に示す処理は、処理部130によって実行される。以下では、超音波トランスデューサーデバイス310の第1、第2の構成例(図2、図3)の測定環境判断用素子UEP1〜UEP5を例として説明するが、他の構成でも同様である。
最初に、処理部130は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5の送受信処理を行う(ステップS21)。この送受信処理は、音響整合状態の判断処理と同様であるからここでは詳細な説明を省略する。
次に、処理部130は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5についての受信信号に基づいて距離情報を取得する(ステップS22)。具体的には、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5についての第1反射波の受信信号に基づいて、超音波トランスデューサーデバイス310から被検体表面(例えば人体の皮膚)までの距離情報を取得する。
次に、処理部130は、取得した距離情報と所定の距離情報とを比較する(ステップS23)。ここで所定の距離情報とは、例えば超音波プローブ300が適正な押し当ての強さ(押し圧)で被検体に押し当てられた場合の音響整合層200の厚さに相当する距離である。或いは、過去の超音波測定時に取得された距離情報であって超音波測定装置100の記憶部に記憶された距離情報であってもよい。
次に、処理部130は、距離情報の比較結果に基づいて、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との距離が適正であるか否かを判断する(ステップS24)。具体的には、取得した距離情報と所定の距離情報とが一致する場合、或いは取得した距離情報と所定の距離情報との差が規定値以下である場合には、処理部130は超音波トランスデューサーデバイス310と被検体との距離が適正であると判断する。それ以外の場合には、適正でないと判断する。
処理部130が被検体との距離は適正であると判断した場合には、被検体との距離が適正であることをユーザーに報知する報知データを生成し出力する(ステップS25)。
一方、処理部130が被検体との距離は適正でないと判断した場合には、ユーザーに対して被検体との距離を適正にするために必要な処置(広義には測定環境の変更)を指示する報知データを生成し出力する(ステップS26)。そしてステップS21に戻り、処理を繰り返す。
図12(A)、図12(B)に、距離情報の判断処理の例を示す。図12(A)は、超音波プローブ300を被検体に押し当てた状態を示す。
処理部130は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5についての第1反射波の受信信号に基づいて、超音波トランスデューサーデバイス310から被検体表面(例えば人体の皮膚)までの距離情報DAを取得する。そして処理部130は、取得した距離情報と所定の距離情報とを比較して、超音波トランスデューサーデバイス310と被検体表面との距離が適正であるか否かを判断する。
処理部130は、被検体表面からの反射波による受信信号ではなく、さらに深い部分からの反射波による受信信号に基づいて距離情報を取得することもできる。例えば図12(A)に示すように、被検体の組織1と組織2との界面からの反射波による受信信号に基づいて距離情報DBを取得することができる。被検体の組織1とは、例えば人体の脂肪層や筋肉層であって、組織2とは例えば骨部である。
図12(B)は、距離情報の判断処理における報知データの例を示す。具体的には、処理部130により生成された表示データに基づいて表示部410が表示する画像である。
被検体との距離が所定値より大きく、処理部130が被検体との距離は適正でないと判断した場合には、超音波プローブ300と被検体との距離関係を示す画像及び押し当てを強くする指示を示す画像が表示される。
被検体との距離が所定値より小さく、処理部130が被検体との距離は適正でないと判断した場合には、超音波プローブ300と被検体との距離関係を示す画像及び押し当てを弱くする指示を示す画像が表示される。
処理部130が被検体との距離は適正であると判断した場合には、被検体との距離は適正であることを示す画像が表示される。
なお、図12(B)に示す画像と共に、例えば「もっと強く押して下さい」、「もっと弱く押して下さい」、「適正な状態です」などの音声メッセージを出力してもよい。
図13は、受信信号の振幅の判断処理のフローチャートの一例である。図13に示す処理は、処理部130によって実行される。以下では、超音波トランスデューサーデバイス310の第1、第2の構成例(図2、図3)の測定環境判断用素子UEP1〜UEP5を例として説明するが、他の構成でも同様である。
最初に、処理部130は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5の送受信処理を行う(ステップS31)。この送受信処理は、音響整合状態の判断処理と同様であるからここでは詳細な説明を省略する。
次に、処理部130は、測定環境判断用素子UEP1〜UEP5についての受信信号の振幅を検出する(ステップS32)。
次に、処理部130は、検出した受信信号の振幅を所定の値(所定値)と比較し、比較結果に基づいて受信信号の振幅が適正であるか否かを判断する。具体的には、受信信号の振幅が所定値(基準値)以上であるか否かを判断する(ステップS33)。超音波プローブ300の被検体に対する角度が適正でない場合には、対象物からの反射波による受信信号の振幅は小さくなるから、検出した受信信号の振幅によって超音波プローブ300の被検体に対する角度が適正であるか否かを判断することができる。この所定値は、対象物を所望の精度で測定するために必要な受信信号の振幅(信号強度)である。
検出した受信信号の振幅が所定値以上である場合には、受信信号の振幅が適正であると判断して、その旨を報知する報知データを生成し出力する(ステップS34)。
一方、検出した受信信号の振幅が所定値より小さい場合には、受信信号の振幅が適正でないと判断して、その旨を報知する報知データを生成し出力する。或いは、超音波プローブ300の角度を適正にするために必要な処置(広義には測定環境の変更)を指示する報知データを生成し出力する(ステップS35)。そしてステップS31に戻り、処理を繰り返す。
図14(A)、図14(B)に、受信信号の振幅の判断処理の例を示す。図14(A)は、超音波プローブ300の被検体に対する角度を変えた場合の超音波の出射方向を示す。
超音波プローブ300の角度が図14(A)のA1に示す場合には、超音波の出射方向はB1に示す方向になる。この場合には、超音波の出射方向は対象物がある方向に向いている。また、超音波プローブ300の角度がA2に示す場合には、超音波の出射方向はB2に示す方向になる。この場合には、超音波の出射方向は僅かに対象物がある方向に向いている。また、超音波プローブ300の角度がA3に示す場合には、超音波の出射方向はB3に示す方向になる。この場合には、超音波の出射方向は対象物がある方向から完全に外れている。
図14(B)は、受信信号の振幅の判断処理における報知データの例を示す。具体的には、処理部130により生成された表示データに基づいて表示部410が表示する画像である。
図14(A)のA1に示す場合には、受信信号の振幅が所定値より高いことを示す画像が表示される。図14(A)のA2、A3に示す場合には、受信信号の振幅が所定値より低いことを示す画像及び超音波プローブ300の角度を調整する指示を示す画像が表示される。
なお、図14(B)に示す画像と共に、例えば「信号が弱いです。プローブの角度を調節して下さい。」などの音声メッセージを出力してもよい。或いは、受信信号の振幅に応じて音量又は高さが変化するビープ音を出力してもよい。
以上説明したように、本実施形態の超音波測定装置100によれば、処理部130が超音波測定処理に先立って測定環境の判断処理を行い、測定環境が適正であると判断した場合には、被検体の超音波測定処理を行うことができる。このようにすることで、超音波測定装置の操作に慣れていないユーザーであっても、適正な測定環境の状態で超音波測定を行うことができる。また、測定環境の判断処理において、測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子からの受信信号の振幅、遅延及び距離情報に基づいて測定環境の判断処理を行うことができるから、超音波画像を取得して画像処理を行う方法と比較して簡素な構成で高速な判断処理を行うことができる。
4.超音波画像装置
図15(A)、図15(B)に、本実施形態の超音波画像装置400の具体的な構成例を示す。図15(A)は携帯型の超音波画像装置400を示し、図15(B)は据置型の超音波画像装置400を示す。
携帯型及び据置型の超音波画像装置400は共に、超音波測定装置100、超音波プローブ300、ケーブル350及び表示部410を含む。超音波プローブ300は、超音波トランスデューサーデバイス310を含み、ケーブル350により超音波測定装置100に接続される。表示部410は、表示用画像データを表示する。
超音波測定装置100が有する送信部110、受信部120及び処理部130の少なくとも一部を超音波プローブ300に設けることもできる。
図15(C)に、本実施形態の超音波プローブ300の具体的な構成例を示す。超音波プローブ300はプローブヘッド315及びプローブ本体320を含み、図15(C)に示すように、プローブヘッド315はプローブ本体320と脱着可能である。
プローブヘッド315は、超音波トランスデューサーデバイス310、プローブ基体311、プローブ筐体312、プローブヘッド側コネクター313を含む。
プローブ本体320は、プローブ本体側コネクター323を含む。プローブ本体側コネクター323は、プローブヘッド側コネクター313と接続される。プローブ本体320は、ケーブル350により超音波測定装置100に接続される。なお、超音波測定装置100が有する送信部110、受信部120の少なくとも一部をプローブ本体320に設けることもできる。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また超音波測定装置、超音波トランスデューサーデバイス及び超音波画像装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
21 第1電極層(下部電極)、22 第2電極層(上部電極)、
30 圧電体膜(圧電体層)、40 空洞領域、45 開口、50 振動膜、
60 基板、
100 超音波測定装置、110 送信部、120 受信部、130 処理部、
300 超音波プローブ、310 超音波トランスデューサーデバイス、
311 プローブ基体、312 プローブ筐体、313 プローブヘッド側コネクター、
315 プローブヘッド、320 プローブ本体、323 プローブ本体側コネクター、
350 ケーブル、400 超音波画像装置、410 表示部、420 報知部、
UE 超音波トランスデューサー素子、UEP 測定環境判断用素子、
UEX 超音波測定用素子

Claims (18)

  1. 複数の超音波トランスデューサー素子を有する超音波トランスデューサーデバイスと、
    前記超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送信処理を行う送信部と、
    前記超音波トランスデューサーデバイスが送信した超音波の超音波エコーの受信処理を行う受信部と、
    前記受信部からの受信信号の処理及び前記送信部への出力信号の処理を含む制御処理を行う処理部とを含み、
    前記処理部は、
    前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの超音波の測定環境の判断用に設けられた超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて、前記測定環境の判断処理を行い、
    前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの被検体の超音波測定用に設けられた複数の超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて、前記被検体の超音波測定処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。
  2. 請求項1において、
    前記処理部は、
    前記測定環境が適正であると判断した場合には、前記被検体の前記超音波測定処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの被検体の超音波測定用に設けられた複数の超音波トランスデューサー素子は、アレイ状に配置されることを特徴とする超音波測定装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記測定環境の状態を報知する報知データを生成して出力することを特徴とする超音波測定装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記測定環境として、前記超音波トランスデューサーデバイスと前記被検体との間の音響整合状態を判断することを特徴とする超音波測定装置。
  6. 請求項5において、
    前記処理部は、
    前記音響整合状態が適正であるか否かを報知する前記報知データを生成して出力することを特徴とする超音波測定装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記測定環境として、前記超音波トランスデューサーデバイスと前記被検体との間の距離情報を判断することを特徴とする超音波測定装置。
  8. 請求項7において、
    前記処理部は、
    前記距離情報を報知する前記報知データを生成して出力することを特徴とする超音波測定装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記測定環境として、前記超音波の測定環境の判断用に設けられた超音波トランスデューサー素子についての前記受信信号の振幅を判断することを特徴とする超音波測定装置。
  10. 請求項9において、
    前記処理部は、
    前記受信信号の振幅を所定の値と比較し、比較結果に基づいて前記受信信号の振幅が適正であるか否かを判断することを特徴とする超音波測定装置。
  11. 請求項9又は10において、
    前記処理部は、
    前記受信信号の振幅が適正であるか否かを報知する前記報知データを生成して出力することを特徴とする超音波測定装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記測定環境の変更を指示する前記報知データを生成して出力することを特徴とする超音波測定装置。
  13. 複数の超音波トランスデューサー素子を有する超音波トランスデューサーデバイスと、
    前記超音波トランスデューサーデバイスに対し超音波の送信処理を行う送信部と、
    前記超音波トランスデューサーデバイスが送信した超音波の超音波エコーの受信処理を行う受信部と、
    前記受信部からの受信信号の処理及び前記送信部への出力信号の処理を含む制御処理を行う処理部とを含み、
    前記処理部は、
    前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの一部の超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて、超音波の測定環境の判断処理を行い、
    前記複数の超音波トランスデューサー素子のうちの前記一部の超音波トランスデューサー素子よりも多い数の超音波トランスデューサー素子についての受信信号に基づいて、被検体の超音波測定処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。
  14. 1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子と、
    複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子とを含み、
    前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子は、超音波測定装置による測定環境の判断処理において測定環境判断用の超音波の送受信に用いられ、
    前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子は、前記超音波測定装置による被検体の超音波測定処理において超音波測定用の送受信に用いられることを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  15. 請求項14において、
    測定環境判断用の信号端子と、
    前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子と前記測定環境判断用の信号端子とを接続する測定環境判断用の信号配線と、
    超音波測定用の信号端子と、
    前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子と前記超音波測定用の信号端子とを接続する超音波測定用の信号配線とを含むことを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  16. 請求項14又は15において、
    複数の開口が配置された基板を含み、
    前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子及び前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子の各素子は、前記複数の開口の各開口ごとに設けられ、
    前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子及び前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子の各素子は、
    前記開口を塞ぐ振動膜と、
    前記振動膜の上に設けられる圧電素子部とを有し、
    前記圧電素子部は、
    前記振動膜の上に設けられる下部電極と、
    前記下部電極の少なくとも一部を覆うように設けられる圧電体膜と、
    前記圧電体膜の少なくとも一部を覆うように設けられる上部電極とを有することを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  17. 請求項16において、
    前記1又は複数の測定環境判断用の超音波トランスデューサー素子の共振周波数は、前記複数の超音波測定用の超音波トランスデューサー素子の共振周波数と異なることを特徴とする超音波トランスデューサーデバイス。
  18. 請求項1乃至13のいずれかに記載の超音波測定装置と、
    表示用画像データを表示する表示部とを含むことを特徴とする超音波画像装置。
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