JP2014186410A - 障害メッセージパターン定義支援システム及び障害メッセージパターン定義支援方法 - Google Patents

障害メッセージパターン定義支援システム及び障害メッセージパターン定義支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】障害メッセージから適切なワークアラウンドを特定すること。
【解決手段】障害メッセージパターン定義部100が設定した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を最下層検索式に展開し、定義リストデータベース200に格納した障害メッセージパターン定義の検索式を最下層検索式に展開し、該展開した両最下層検索式のオートマトンを生成して比較することによって、最下層検索式が重複する検索式を判定し、該重複した最下層検索式を論理否定するように検索式を修正する障害メッセージパターン定義支援システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、障害監視装置が検知したインシデントにサービスデスクがワークアラウンド(一次対応)を自動的に付与するための障害メッセージパターンの定義を支援することができる障害メッセージパターン定義支援システム及び障害メッセージパターン定義支援方法に関する。
近年のコンピュータシステムにおいては、日々発生する監視対象機器(顧客コンピュータ、仮想マシン)からの解決すべき案件や課題を含むメッセージに対して迅速かつ正確にワークアラウンド(一次対応)を行う際に、これらメッセージをインシデントとしてコンピュータ管理するインシデント管理システムが採用されている。このインシデント管理システムでは、監視対象機器からのメッセージに加えて顧客からの問合せや作業依頼もインシデントとしてとらえ、インシデント管理システムに登録し、この障害監視運用業務においては、サービスデスクが監視対象の機器などから日々発生するインシデントに対し、業務への影響を最小限に抑えることを目的として、関係者への連絡や一次対応を行っている。
サービスデスクが実施するこれらのワークアラウンドは、顧客のコンピュータシステムの拡大や複雑化に伴い処理件数の増加や手順の複雑化を招き、この対策として、ランブックオートメーションなどの作業自動実行システムを導入して、発生したインシデントの障害メッセージを障害メッセージパターン定義に基づいて分析し、分析結果に応じてワークアラウンドを自動的に付与する技術が提案されている。
なお、プログラムのテストデータを自動的に生成する技術が記載された文献としては、下記の特許文献が挙げられ、特許文献1には、設計書情報に基づいてテストケース別のテストデータを自動生成する技術が記載され、特許文献2には、予め登録された設計情報及びテストパターンに基づいてテスト対象のプログラムを構成する操作部品ごとに適切なテストデータを生成し、GUIプログラムのテスト作業において、テストの自動実行を実現することで網羅的かつ効率的なプログラムテストを実現する技術が記載されている。
特開2013−3729号公報 特開2006−244195号公報
前述の特許文献に記載技術は、プログラムに対するテストデータを生成する技術が記載されているものの、システムのエラーメッセージに基づいてワークアラウンド(一次対応)を自動的に付与するための障害メッセージパターン定義の生成を支援することは考慮されていないという課題があった。
この課題を具体的に説明する。まず、従来技術によるワークアラウンドを選択するための障害メッセージパターン定義は、その障害メッセージから適切なワークアラウンドを特定するため、障害メッセージのパターンを示す条件式とワークアラウンドの関連付けを障害メッセージパターンとして正規表現により定義している。しかしながら、データセンタにおいてはITシステム運用の対象が数万サーバにも達し、障害メッセージパターン定義数も比例して増加し、障害メッセージパターン定義内容が重複した際には不適切なワークアラウンドが選択されてしまうものであるが、人手による重複除去作業は膨大な障害メッセージパターンを解析しなければならず、実現困難であり、従来技術においては障害メッセージパターン定義の生成を支援することが困難であるという課題があった。
例えば、障害メッセージパターンとして、「”^.*ノードが停止しました。.*$”」と「”^.*ノードが停止しました。フェールオーバーによりシステムは継続稼動しています。.*$”」が定義されている場合、前者が後者を包含しているため、常に前者に対応するワークアラウンドが実施されてしまい、適切な定義とするには、前者の条件式に後者の条件式の否定を付加する等の変更が必要となるが、条件式は数万におよぶため、手作業で確認し定義変更していくことは非常に時間もかかり確認誤りも発生する可能性があるという課題があった。なお、前記「”」は電子出願の外字のため本来はダブルミュートをダブルクォーテーションにした代用であり、正規表現については後述する。
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決しようとするものであり、障害メッセージパターンの生成を支援することができる障害メッセージパターン定義支援システム及び障害メッセージパターン定義支援方法を提供することである。
前記目的を達成するため本発明は、障害メッセージを解析して障害メッセージに応じたワークアラウンドを選択するための文字列を正規表現により定義した条件式を含む複数の障害メッセージパターン定義を格納する定義リストデータベースと、複数の警告メッセージを受信し、前記障害メッセージパターン定義を参照してワークアラウンドを特定するワークアラウンド特定処理部と、サービスデスクからの操作によってインシデントに対するワークアラウンドを実行するインシデント処理部と、該インシデント処理部によるインシデント処理内容を格納するワークアラウンド選択統計情報データベースと、該ワークアラウンド選択統計情報データベースに格納した統計情報に基づいて前記定義リストデータベースの障害メッセージパターン定義を修正する定義修正処理部と、前記障害メッセージパターン定義を設定する障害メッセージパターン定義部と、該障害メッセージパターン定義部からの指示に基づいて障害メッセージパターン定義を追加する定義追加処理部と、前記障害メッセージパターン定義部により設定した障害メッセージパターンの検索式と内容が重複した定義リストデータベースの障害メッセージパターン定義を判定する追加定義の重複チェック処理部と、該追加定義の重複チェック処理部により判定したテスト用の障害メッセージを格納する障害メッセージテストデータデータベースとを備える障害メッセージパターン定義支援システムであって、
前記追加定義の重複チェック処理部が、
前記障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第1工程と、
前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第2工程と、
該第1工程により展開した最下層検索式と前記第2工程により展開した最下層検索式とを比較することによって、前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の最下層検索式が重複する障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式を判定する第3工程と、
該第3工程により判定した重複した最下層検索式を障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式に対して論理否定するように修正する第4工程とを実行することを第1の特徴とする。
また、本発明は、第1の特徴の障害メッセージパターン定義支援システムにおいて、前記追加定義の重複チェック処理部が、前記第3工程において重複する最下層検索式を判定するとき、前記第1工程により展開した最下層検索式のオートマトンを生成する第5工程と、前記第2工程により展開した最下層検索式のオートマトンを生成する第6工程と、該第5工程及び第6工程により生成したオートマトンを初期状態を共通として合成する第7工程と、該第7工程により合成した合成オートマトンの初期状態から受理状態に到達するまでの複数の経路を抽出し、該複数の経路を経由する文字列の有無によって、最下層検索式が重複する検索式を判定することを第2の特徴とし、前記何れかの特徴の障害メッセージパターン定義支援システムにおいて、前記ワークアラウンド選択統計情報データベースが格納するインシデント処理部によるインシデント処理内容が、障害メッセージに対応してサービスデスクにより選択された障害メッセージパターン定義の選択回数とワークアラウンドを採用する閾値とを含み、前記定義修正処理部が、前記ワークアラウンド選択統計情報データベースに格納した障害メッセージパターン定義の選択回数が前記閾値を越えたと判定したとき、前記定義リストデータベースの定義パターン定義を更新することを第3の特徴とする。
更に、本発明は、障害メッセージを解析して障害メッセージに応じたワークアラウンドを選択するための文字列を正規表現により定義した条件式を含む複数の障害メッセージパターン定義を格納する定義リストデータベースと、複数の警告メッセージを受信し、前記障害メッセージパターン定義を参照してワークアラウンドを特定するワークアラウンド特定処理部と、サービスデスクからの操作によってインシデントに対するワークアラウンドを実行するインシデント処理部と、該インシデント処理部によるインシデント処理内容を格納するワークアラウンド選択統計情報データベースと、該ワークアラウンド選択統計情報データベースに格納した統計情報に基づいて前記定義リストデータベースの障害メッセージパターン定義を修正する定義修正処理部と、前記障害メッセージパターン定義を設定する障害メッセージパターン定義部と、該障害メッセージパターン定義部からの指示に基づいて障害メッセージパターン定義を追加する定義追加処理部と、前記障害メッセージパターン定義部により設定した障害メッセージパターンの検索式と内容が重複した定義リストデータベースの障害メッセージパターン定義を判定する追加定義の重複チェック処理部と、該追加定義の重複チェック処理部により判定したテスト用の障害メッセージを格納する障害メッセージテストデータデータベースとを備えるコンピュータシステムの障害メッセージパターン定義支援方法であって、
前記追加定義の重複チェック処理部に、
前記障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第1工程と、
前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第2工程と、
該第1工程により展開した最下層検索式と前記第2工程により展開した最下層検索式とを比較することによって、前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の最下層検索式が重複する障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式を判定する第3工程と、
該第3工程により判定した重複した最下層検索式を障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式に対して論理否定するように修正する第4工程とを実行させることを第4の特徴とする。
また、本発明は、第4の特徴の障害メッセージパターン定義支援方法において、前記追加定義の重複チェック処理部に、前記第3工程において重複する最下層検索式を判定させるとき、前記第1工程により展開した最下層検索式のオートマトンを生成する第5工程と、前記第2工程により展開した最下層検索式のオートマトンを生成する第6工程と、該第5工程及び第6工程により生成したオートマトンを初期状態を共通として合成する第7工程と、該第7工程により合成した合成オートマトンの初期状態から受理状態に到達するまでの複数の経路を抽出し、該複数の経路を経由する文字列の有無によって、最下層検索式が重複する検索式を判定させることを第5の特徴とし、前記何れかの特徴の障害メッセージパターン定義支援方法において、前記ワークアラウンド選択統計情報データベースが格納するインシデント処理部によるインシデント処理内容が、障害メッセージに対応してサービスデスクにより選択された障害メッセージパターン定義の選択回数とワークアラウンドを採用する閾値とを含み、前記定義修正処理部に、前記ワークアラウンド選択統計情報データベースに格納した障害メッセージパターン定義の選択回数が前記閾値を越えたと判定したとき、前記定義リストデータベースの定義パターン定義を更新させることを第6の特徴とする。
本発明による障害メッセージパターン定義支援システム及び障害メッセージパターン定義支援方法は、追加定義の重複チェック処理部が、前記障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第1工程と、前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第2工程と、該第1工程により展開した最下層検索式と前記第2工程により展開した最下層検索式とを比較することによって、前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の最下層検索式が重複する障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式を判定する第3工程と、該第3工程により判定した重複した最下層検索式を障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式に対して論理否定するように修正する第4工程とを実行することによって、障害メッセージから適切なワークアラウンドを特定し、障害メッセージパターンの生成を支援することができる。
本発明の実施形態による障害メッセージパターン定義支援システムを含むコンピュータシステム示す図。 本発明の実施形態による障害メッセージパターン定義−条件式を示す図。 本発明の実施形態による重複チェック処理の条件式の展開と比較ペアの生成を説明するための図。 本発明の実施形態による直積オートマトンを利用した重複有無のチェックを説明するための図。 本発明の実施形態による直積オートマトンを利用した重複有無のチェックを説明するための図。 本発明の実施形態による重複チェック処理のオートマトンからのマッチするデータの生成を説明するための図。 本発明の実施形態による障害メッセージテストデータベースを示す図。 本発明の実施形態によるワークアラウンド選択統計情報データベースを示す図。 本発明の実施形態による定義修正処理を説明するための図。 本発明の原理を説明するための図。
以下、本発明による障害メッセージパターン定義支援システム及び障害メッセージパターン定義支援方法の一実施形態を図面を参照して詳細に説明するが、まず、正規表現及び本発明の原理について説明する。
[正規表現]
本実施形態の前提となる正規表現(regular expression)とは、文字列の集合を一つの文字列(メタ文字又は演算子と呼ぶ。)で表現する方法の一つであって、特定の集合にマッチする何らかの正規表現が存在すれば、無限の数のそのような表現があり、正規表現を構築するのには例えば次のメタ文字を演算子として提供している。
(1)縦棒「|」:縦棒は選択肢を区切る選言としてのメタ文字。
(2)丸括弧「()」:スコープと演算子の優先順位を定義するグループ分けとしてのメタ文字。
(3)疑問符「?」:直前の表現が0個か1個あることを示すメタ文字。
(4)アスタリスク「*」:直前の表現が0個以上あることを示すメタ文字。
(5)プラス「+」:直前の表現が1個以上あることを示すメタ文字。
(6)「^」:テキストの先頭文字を選択するメタ文字。
(7)「.」:任意の文字であることを示すメタ文字(ワイルドカード)。
(8)「$」:行の終わりの文字を指定するメタ文字。
(9)「!」:!に続く正規表現を否定する否定演算子のメタ文字。
(10)「||」:論理和を表すメタ文字。
(11)「&&」:論理積を表すメタ文字。
これらのメタ文字(演算子)を使用する構文は任意の複雑な表現を形成するために組み合わされて使用され、本実施形態においては障害メッセージに含まれる文字列を論理演算する際の条件式として使用され、例えば、障害メッセージパターン「”^.*ノードが停止しました。.*$”」は、警告メッセージの先頭文字が「ノードが停止しました。」を含むメッセージのみを抽出する条件式であり、障害メッセージパターン「”^.*ノードが停止しました。フェールオーバーによりシステムは継続稼動しています。.*$”」は、警告メッセージの先頭文字が「ノードが停止しました。フェールオーバーによりシステムは継続稼動しています。」を含むメッセージのみを抽出する条件式であることを表している。
[原理]
さて、本発明は、前例のように前者が後者を包含しているため、常に前者に対応するワークアラウンドが実施されてしまい、適切な定義とするには前者の条件式に後者の条件式の否定を付加する等の変更が必要となるため、この重複する条件式を判定することを主な特徴とし、この重複条件式の判定方法を次に説明する。なお、この説明においては、正規表現のメタ文字では論理式が一般的ではないため、一般の論理式(and[*と表す],or[+と表す],not[#と表す])を用いて説明する。
まず、図9(イ)に示す如く、「(a+b)*(c+d)」の第1条件式と、「(a+c)*(b+d)」の第2条件式の重複部分を判定する場合、各第1及び第2条件式はカッコを展開することによって図9(ロ)及び(ハ)に示す如く、第1条件式が「a*c」「a*d」「b*c」「b*d」に展開され、第2条件式が「a*b」「a*d」「c*b」「c*d」に展開され、展開後の検索式が計8つの展開後条件式となる。本発明においては、これら2つの条件式から展開した個々4つの展開後条件式の順列組み合わせが16(4×4=16)通りであることから、図9(ニ)に示す16通りの組み合わせに対して後述するオートマトン(入力に対して内部の状態に応じた処理を行い、結果を出力する仮想的な自動機械機能)を作成して重複するか否かの判定を行い、これら16通りの直積オートマンによる判定によって重複する組み合わせがない場合は第1条件式と第2条件式が重複しないと判定することができ、1つの組み合わせでも重複した場合は第1条件式と第2条件式が重複ありと判定することができ、重複すると判定したときには重複した展開条件式を一方の条件式から論理否定(NOT)することによって、第1条件式と第2条件式の重複部分を除去することができる。
なお、この原理説明では理解を容易にするために一般の論理条件を用いて説明したが、本発明による障害メッセージパターン定義支援は前述の正規表現を用いた処理を対象としているため、前記重複した条件式の判定は他の手法によって判定するものであり、この判定手法は後述する。
このように本発明は、障害メッセージに基づいてワークアラウンド(一次対応)を選択する際の条件式である障害メッセージパターン定義を比較するとき、各論理式(検索条件)を式形成の最小単位である最下層検索式の条件式に展開し、該展開した最下層条件式を比較することによって重複部分を判定することができると共に、該判定した重複条件式を一方の元の検索式から除く論理式に修正することによって、障害メッセージパターンの生成を支援することを基本原理とする。
[構成]
さて、本実施形態による障害メッセージパターン定義支援方法を適用する障害メッセージパターン定義支援システムを含むコンピュータシステムは、図1に示す如く、障害メッセージを解析して障害メッセージに応じたワークアラウンドを選択するための基準となる複数の障害メッセージパターン定義210(条件式211及びワークアラウンド212を含む)を格納する定義リストデータベース200と、複数のITシステム群110からの警告メッセージ111を受信してワークアラウンドを特定するためのワークアラウンド特定処理部112と、サービスデスク120からの操作によってインシデントに対するワークアラウンドを実行するインシデント処理部113と、該インシデント処理部113によるインシデント処理内容を格納するワークアラウンド選択統計情報データベース109と、該ワークアラウンド選択統計情報データベース109に格納した統計情報に基づいて前記定義リストデータベース200の障害メッセージパターン定義210を修正する定義修正処理部108と、前記障害メッセージパターン定義210を設定する障害メッセージパターン定義部100と、該障害メッセージパターン定義部100からの指示に基づいて障害メッセージパターン定義を追加する定義追加処理部106と、前記障害メッセージパターン定義部100により設定した障害メッセージパターンの検索式と内容が重複した定義リストデータベース200の障害メッセージパターン定義210を判定する追加定義の重複チェック処理部102と、該追加定義の重複チェック処理部102により判定したテスト用の障害メッセージを格納する障害メッセージテストデータデータベース103と、該テスト用障害メッセージテストデータを用いて適切なワークアラウンドが選定できるか否かのシミュレーションを実行するシミュレーション処理部104と、テストインシデントを格納するテストインシデントデータベース105とを備え、前記追加定義の重複チェック処理部102と定義修正処理部108とワークアラウンド選択統計情報データベース109が本実施形態による追加機能である。
前記追加定義の重複チェック処理部102は、既存の定義リストから1個ずつパターン定義を取り出し、追加分のパターン定義と比較し、条件式の重複有無をチェックし、条件式の重複が検出されたとき、追加分のパターン定義の条件式に既存パターン定義の条件式の否定を付加すると共に、シミュレーション処理部104に利用できるように障害メッセージテストデータを生成するように動作し、定義修正処理部108は、サービスデスク120による選択をワークアラウンド選択統計情報データベース109に蓄積しておき、閾値を超過した場合に自動的にパターン定義の条件式を修正するように動作し、これら重複チェック処理部102と定義修正処理部108とワークアラウンド選択統計情報データベース109は、既設のワークアラウンド処理を行うコンピュータシステムに組み込んだものである。
前記障害メッセージテストデータデータベース103は、図6に示す如く、文字列からなる障害メッセージテストデータと、該障害メッセージテストデータの種別を表すタイプと、生成元パターン定義IDリストと、マッチング結果の各項目情報とから成り、レコード1からレコード4が任意の文字列のパターン定義を格納し、例えば、レコード1は、障害メッセージテストデータが「abd」、タイプが「パターン定義」、生成元パターン定義IDリストが「PTN001,PTN002」、マッチング結果が「PTN001,PTN002」であり、レコード5は、障害メッセージテストデータが「プロセスが停止しました。」、タイプが「実メッセージ」、生成元パターン定義IDリストが「なし」、マッチング結果が「PTN002」であることを格納している。
前記ワークアラウンド選択統計情報データベース109は、図7(a)に示す如く、障害メッセージと、マッチング結果と、選択された障害メッセージパターンを示す障害と、選択された回数の各項目情報とから構成され、例えば、レコード1の障害メッセージ「×××××」のマッチング結果が「PTN001,PATN002」であり、選択された対象が「PTN001」、選択された回数が4回であることと、ワークアラウンド(WA)を選択した設定ファイルを定義修正処理部108による障害メッセージパターン定義210を更新する際の最小限の閾値が5回であることが格納されている。
即ち、本実施形態においては、定義修正処理部108がワークアラウンド選択統計情報データベース109を参照し、同一の障害メッセージ(文字列)に対して同一の障害メッセージパターンのワークアラウンドが5回以上選択された場合に障害メッセージパターン定義210を更新することがワークアラウンド選択統計情報データベース109に格納されている。
上記のように本実施形態は、選択回数が閾値を越えたときに候補のワークアラウドと関連付けられている障害メッセージパターン定義の条件式の修正は、元の障害パターンが、図8(a)に示す如く、障害パターン「PTN001」が「”^abc.*$”」のワークアラウドが「WA1」であり、障害パターン「PTN002」が「”^abcX.*$”」のワークアラウドが「WA2」であり、障害メッセージ「”abcXXX”」に対してPATN001の選択回数が閾値5を越えた場合、次会からPTN001のワーククラウドが、図8(b)に示す如く、「(”^abc.*$”)&&(!(”^abcXXX$!))」の如く特定されるように動作するものである。
[動作]
次に、本実施形態による障害メッセージパターン定義支援システムにおける障害メッセージパターン定義及び該障害メッセージパターン定義に含まれる条件式の重複処理等について説明する。
まず、本例で説明する障害メッセージパターン定義210の正規表現で表されたメタ文字(演算子)は、例えば図2に示す如く、条件式を否定する「!」で表される否定演算子と、2つの条件式の論理和を示す「||」で表される論理和演算子と、2つの条件式の論理積を示す「&&」で表される論理和演算子とする。
次いで、比較対象の条件式が、図3のパターン定義1「((”^.*aaa.*$”)||(”^z.*z$”))&&(”^z.*$”)」とパターン定義2「(”^bbb.*$”」の場合、パターン定義1は、1−(1)及び1−(2)の如く展開され、パターン定義2は最下層(最小単位)なので2−(1)となる。
ここで、パターン定義1及び2の展開後の最下層検索式の比較ペアとして「1−(1)」と「2−(1)」との論理積(&&)と、「1−(2)」と「2−(2)」との論理積を生成する。
次いで、本実施形態による障害メッセージパターン定義支援システムは、時間及び順番との関連で検索式を表現するための表記法の時相論理式である直積オートマトン(状態遷移図)を利用して検索式の重複有無のチェックを行うように動作する。この動作は、図4Aに示す如く、正規表現の検索式がR1「^b*a(b*ab*a)*b*$」とR2「^a*b(a*ba*b)*a*$」を想定したとき、これら検索式は、状態と入力によって次に遷移すべき状態が一意に定まる有限オートマトンの一種である決定性有限オートマトン(Deterministic Finite Automaton)によって図4A(a)及び(b)の如く図形的表現を行うことができる。
この図形的表現は、R1「^b*a(b*ab*a)*b*$」の場合、図4A(a)の如く、符号41で示す初期状態「I1」から符号42で示す状態「02」に推移し、この状態「02」においては文字「b」では自己に帰還し、文字「a」により符号43で示す状態「F1」に推移し、該状態「F1」においては文字「b」では自己に帰還し、文字「a」では前記状態「01」へ受理することを表しており、R2「^a*b(a*ba*b)*a*$」の場合、図4A(b)の如く、符号44で示す初期状態「I2」から符号45で示す状態「02」に推移し、該状態「02」において文字「a」では自己に帰還し、文字「b」により符号46で示す状態「F2」に推移し、該状態「F2」においては文字「a」では自己に帰還し、文字「b」では前記状態「02」に受理することを表している。なお、図中の「I」は初期状態を表し、「F」は受理状態を表している。
本例においては、一般的に正規表現R1、R2に対して、DFA(決定性有限オートマトン)A1、A2が決まり、各正規表現R1、R2を、初期状態I1及びI2を共通の起点として遷移するように合成した図4A(c)の如く、受理状態F1及びF2が共通の終点となるパス、即ち、直積オートマトンに対してI(初期状態)からF(受理状態)までのパスが存在するため、正規表現R1、R2に同時にマッチする文字列が存在すること、換言すれば条件式が重複することを判定することができる。
他方、図4Bに示す如く、正規表現の検索式がR1「^a.*b$」とR2「^c.cd$」を想定したとき、これら検索式は、図4B(a)の如く、R1「^a.*b$」では符号41で示す初期状態「I1」から符号42で示す状態「01」に推移し、この状態「01」においては文字「a」のみで状態「11」に推移し、該状態「11」において任意文字では同状態「01」に戻り、文字「b」のみで符号43で示す状態「F1」へ受理することを表し、R2「^c.cd$」では、図4B(b)に示す如く、符号44で示す初期状態「I2」から符号45で示す状態「02」に推移し、この状態「02」においては文字「c」のみで状態「I2」に推移し、該状態「I2」において任意文字では同状態「I2」に戻り、文字「d」のみで符号46で示す状態「F2」へ受理することを表しており、図4B(c)の如く、前記同様に初期状態I1及びI2を共通の起点として遷移するように合成したとき、どんな文字がきても受理状態(F1,F2)にならないため、条件式の重複がないと判定することができる。
また、本実施形態による障害メッセージパターン定義支援システムは、オートマトンからのマッチするデータを生成し、該マッチするデータの有無によって最上層の検索式の内容が重複するか否かを判定するものであって、このオートマトンからのマッチするデータの生成は、例えば、正規表現「”^a(b|c)(d|(ef*g))$”」を想定したとき、図5に示す如く、初期状態「I」から文字「a」のみにより次の状態に推移し、この状態では文字「b」又は「c」により次の状態に推移し、この状態から文字「d」の場合は受理状態「F」へ受理し、前記状態から文字「e」の場合は次の状態に推移し、この状態では文字「d」の場合に自己に帰還し、文字「g」の場合に受理状態「F」へ受理すると表すことができ、初期状態「I」から受理状態「F」へ到達する経路としては「abd」「abeg」「acd」「aceg」の計4つのマッチするデータの文字列を生成することができる。
なお、前述の説明は、正規表現における検索式の重複判定方法をオートマトンの遷移図を用いて説明したが、コンピュータ処理においては、正規表現による比較対象の2つの最上層の検索式を前述の如く展開して最下層(最小単位)の複数の比較用検索式に展開し、一方の最下層の比較用検索式と他方の最下層の比較用検索式とを順列組み合わせで比較し、1つでも同一の比較用検索式がヒットした場合、当該比較対象の2つの最上層検索式は重複し、前記ヒットした同一比較用検索式が重複した検索式であると判定することができ、本実施形態においては、追記定義の重複チェック処理部102が前述の検索式の重複を図5を参照して説明したマッチするデータの文字列の有無により判定し、重複と判定したときに重複を判定した検索式を一方の最上層の検索式に対して否定(NOT)することによって、障害メッセージのパターンを示す条件式とワークアラウンドの関連付けを障害メッセージパターンとして正規表現により定義するとき、障害メッセージから適切なワークアラウンドを特定し、障害メッセージパターンの生成を支援することができる。
100 障害メッセージパターン定義部、102 重複チェック処理部、
103 障害メッセージテストデータデータベース、
104 シミュレーション処理部、105 テストインシデントデータベース、
106 定義追加処理部、108 定義修正処理部、
109 ワークアラウンド選択統計情報データベース、110 システム群、
111 警告メッセージ、112 ワークアラウンド特定処理部、
113 インシデント処理部、120 サービスデスク、
200 定義リストデータベース、210 障害メッセージパターン定義
211 条件式、212 ワークアラウンド

Claims (6)

  1. 障害メッセージを解析して障害メッセージに応じたワークアラウンドを選択するための文字列を正規表現により定義した条件式を含む複数の障害メッセージパターン定義を格納する定義リストデータベースと、複数の警告メッセージを受信し、前記障害メッセージパターン定義を参照してワークアラウンドを特定するワークアラウンド特定処理部と、サービスデスクからの操作によってインシデントに対するワークアラウンドを実行するインシデント処理部と、該インシデント処理部によるインシデント処理内容を格納するワークアラウンド選択統計情報データベースと、該ワークアラウンド選択統計情報データベースに格納した統計情報に基づいて前記定義リストデータベースの障害メッセージパターン定義を修正する定義修正処理部と、前記障害メッセージパターン定義を設定する障害メッセージパターン定義部と、該障害メッセージパターン定義部からの指示に基づいて障害メッセージパターン定義を追加する定義追加処理部と、前記障害メッセージパターン定義部により設定した障害メッセージパターンの検索式と内容が重複した定義リストデータベースの障害メッセージパターン定義を判定する追加定義の重複チェック処理部と、該追加定義の重複チェック処理部により判定したテスト用の障害メッセージを格納する障害メッセージテストデータデータベースとを備える障害メッセージパターン定義支援システムであって、
    前記追加定義の重複チェック処理部が、
    前記障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第1工程と、
    前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第2工程と、
    該第1工程により展開した最下層検索式と前記第2工程により展開した最下層検索式とを比較することによって、前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の最下層検索式が重複する障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式を判定する第3工程と、
    該第3工程により判定した重複した最下層検索式を障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式に対して論理否定するように修正する第4工程とを実行することを特徴とする障害メッセージパターン定義支援システム。
  2. 前記追加定義の重複チェック処理部が、前記第3工程において重複する最下層検索式を判定するとき、前記第1工程により展開した最下層検索式のオートマトンを生成する第5工程と、前記第2工程により展開した最下層検索式のオートマトンを生成する第6工程と、該第5工程及び第6工程により生成したオートマトンを初期状態を共通として合成する第7工程と、該第7工程により合成した合成オートマトンの初期状態から受理状態に到達するまでの複数の経路を抽出し、該複数の経路を経由する文字列の有無によって、最下層検索式が重複する検索式を判定することを特徴とする請求項1記載の障害メッセージパターン定義支援システム。
  3. 前記ワークアラウンド選択統計情報データベースが格納するインシデント処理部によるインシデント処理内容が、障害メッセージに対応してサービスデスクにより選択された障害メッセージパターン定義の選択回数とワークアラウンドを採用する閾値とを含み、前記定義修正処理部が、前記ワークアラウンド選択統計情報データベースに格納した障害メッセージパターン定義の選択回数が前記閾値を越えたと判定したとき、前記定義リストデータベースの定義パターン定義を更新することを特徴とする請求項1又は2記載の障害メッセージパターン定義支援システム。
  4. 障害メッセージを解析して障害メッセージに応じたワークアラウンドを選択するための文字列を正規表現により定義した条件式を含む複数の障害メッセージパターン定義を格納する定義リストデータベースと、複数の警告メッセージを受信し、前記障害メッセージパターン定義を参照してワークアラウンドを特定するワークアラウンド特定処理部と、サービスデスクからの操作によってインシデントに対するワークアラウンドを実行するインシデント処理部と、該インシデント処理部によるインシデント処理内容を格納するワークアラウンド選択統計情報データベースと、該ワークアラウンド選択統計情報データベースに格納した統計情報に基づいて前記定義リストデータベースの障害メッセージパターン定義を修正する定義修正処理部と、前記障害メッセージパターン定義を設定する障害メッセージパターン定義部と、該障害メッセージパターン定義部からの指示に基づいて障害メッセージパターン定義を追加する定義追加処理部と、前記障害メッセージパターン定義部により設定した障害メッセージパターンの検索式と内容が重複した定義リストデータベースの障害メッセージパターン定義を判定する追加定義の重複チェック処理部と、該追加定義の重複チェック処理部により判定したテスト用の障害メッセージを格納する障害メッセージテストデータデータベースとを備えるコンピュータシステムの障害メッセージパターン定義支援方法であって、
    前記追加定義の重複チェック処理部に、
    前記障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第1工程と、
    前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の正規表現により定義した検索式を式形成の最小単位である最下層検索式に展開する第2工程と、
    該第1工程により展開した最下層検索式と前記第2工程により展開した最下層検索式とを比較することによって、前記定義リストデータベースに格納した障害メッセージパターン定義の最下層検索式が重複する障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式を判定する第3工程と、
    該第3工程により判定した重複した最下層検索式を障害メッセージパターン定義部が設定した障害メッセージパターン定義の検索式に対して論理否定するように修正する第4工程とを実行させることを特徴とする障害メッセージパターン定義支援方法。
  5. 前記追加定義の重複チェック処理部に、前記第3工程において重複する最下層検索式を判定させるとき、前記第1工程により展開した最下層検索式のオートマトンを生成する第5工程と、前記第2工程により展開した最下層検索式のオートマトンを生成する第6工程と、該第5工程及び第6工程により生成したオートマトンを初期状態を共通として合成する第7工程と、該第7工程により合成した合成オートマトンの初期状態から受理状態に到達するまでの複数の経路を抽出し、該複数の経路を経由する文字列の有無によって、最下層検索式が重複する検索式を判定させることを特徴とする請求項4記載の障害メッセージパターン定義支援方法。
  6. 前記ワークアラウンド選択統計情報データベースが格納するインシデント処理部によるインシデント処理内容が、障害メッセージに対応してサービスデスクにより選択された障害メッセージパターン定義の選択回数とワークアラウンドを採用する閾値とを含み、前記定義修正処理部に、前記ワークアラウンド選択統計情報データベースに格納した障害メッセージパターン定義の選択回数が前記閾値を越えたと判定したとき、前記定義リストデータベースの定義パターン定義を更新させることを特徴とする請求項4又は5記載の障害メッセージパターン定義支援方法。
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