JP2014185338A - タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014185338A JP2014185338A JP2014034719A JP2014034719A JP2014185338A JP 2014185338 A JP2014185338 A JP 2014185338A JP 2014034719 A JP2014034719 A JP 2014034719A JP 2014034719 A JP2014034719 A JP 2014034719A JP 2014185338 A JP2014185338 A JP 2014185338A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- group
- silica
- rubber
- formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】良好なスコーチ性を維持しつつ、耐摩耗性および低発熱性が共に優れるタイヤリムクッション用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、加硫剤、および、加硫促進剤を含有し、上記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムを50〜90質量%含み、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記カーボンブラックの含有量が5〜85質量部であり、上記シリカの含有量が5〜85質量部であり、上記カーボンブラックと上記シリカとの合計含有量が60〜90質量部であり、上記シランカップリング剤は、特定の平均組成式で表されるポリシロキサンであって、その含有量が、上記シリカの含有量に対して2〜20質量%であり、上記加硫促進剤と上記加硫剤との質量比(加硫促進剤/加硫剤)が、1.0〜3.0である、タイヤリムクッション用ゴム組成物。
【選択図】図1
【解決手段】ジエン系ゴム、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、加硫剤、および、加硫促進剤を含有し、上記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムを50〜90質量%含み、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記カーボンブラックの含有量が5〜85質量部であり、上記シリカの含有量が5〜85質量部であり、上記カーボンブラックと上記シリカとの合計含有量が60〜90質量部であり、上記シランカップリング剤は、特定の平均組成式で表されるポリシロキサンであって、その含有量が、上記シリカの含有量に対して2〜20質量%であり、上記加硫促進剤と上記加硫剤との質量比(加硫促進剤/加硫剤)が、1.0〜3.0である、タイヤリムクッション用ゴム組成物。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのビード部の外表面には、タイヤをホイールにリム組みしたときリムに対して密着するようにリムクッションゴムが設けられている。このリムクッションゴムは、空気入りタイヤをホイールにリム組みしたときに、リムシートとリムフランジとに密着するように嵌合することにより、リムに対するリムずれを防止すると共に、エアシール性を保つものでなければならない。このため、リムクッション部を構成するゴム組成物(タイヤリムクッション用ゴム組成物)においては、リムに対する耐摩耗性に優れることと共に、タイヤ回転時に繰り返し与えられる圧縮変形に対して低発熱性に優れることが要求されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明者は、タイヤリムクッション用ゴム組成物に、シリカとシランカップリング剤とを添加して、耐摩耗性および低発熱性を向上させることを試みた。
このとき、シランカップリング剤として、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si69:エボニックデグッサ社製)を用いたところ、耐摩耗性および低発熱性が不十分であった。
そこで、本発明者は、シランカップリング剤として、メルカプト系のシランカップリング剤(例えば、Si363:エボニックデグッサ社製)を用いたところ、低発熱性の改善は見られた一方で、耐摩耗性が低下し、さらに、他の物性であるスコーチ性が大きく劣化することが明らかとなった。
このとき、シランカップリング剤として、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(Si69:エボニックデグッサ社製)を用いたところ、耐摩耗性および低発熱性が不十分であった。
そこで、本発明者は、シランカップリング剤として、メルカプト系のシランカップリング剤(例えば、Si363:エボニックデグッサ社製)を用いたところ、低発熱性の改善は見られた一方で、耐摩耗性が低下し、さらに、他の物性であるスコーチ性が大きく劣化することが明らかとなった。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、良好なスコーチ性を維持しつつ、耐摩耗性および低発熱性が共に優れるタイヤリムクッション用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、タイヤリムクッション用ゴム組成物に、シリカと特定のシランカップリング剤とを併用して添加することで、スコーチ性を低下させずに、耐摩耗性および低発熱性を良好にできることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(I)〜(IV)を提供する。
(I)ジエン系ゴム、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、加硫剤、および、加硫促進剤を含有し、上記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムを50〜90質量%含み、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記カーボンブラックの含有量が5〜85質量部であり、上記シリカの含有量が5〜85質量部であり、上記カーボンブラックと上記シリカとの合計含有量が60〜90質量部であり、上記シランカップリング剤は、後述する式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンであって、その含有量が、上記シリカの含有量に対して2〜20質量%であり、上記加硫促進剤と上記加硫剤との質量比(加硫促進剤/加硫剤)が、1.0〜3.0である、タイヤリムクッション用ゴム組成物。
(II)後述する式(1)中、aが0よりも大きい、上記(I)に記載のタイヤリムクッション用ゴム組成物。
(III)後述する式(1)中、bが0よりも大きい、上記(I)または(II)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(IV)上記(I)〜(III)のいずれかに記載のタイヤリムクッション用ゴム組成物をリムクッションに用いた空気入りタイヤ。
(I)ジエン系ゴム、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、加硫剤、および、加硫促進剤を含有し、上記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムを50〜90質量%含み、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記カーボンブラックの含有量が5〜85質量部であり、上記シリカの含有量が5〜85質量部であり、上記カーボンブラックと上記シリカとの合計含有量が60〜90質量部であり、上記シランカップリング剤は、後述する式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンであって、その含有量が、上記シリカの含有量に対して2〜20質量%であり、上記加硫促進剤と上記加硫剤との質量比(加硫促進剤/加硫剤)が、1.0〜3.0である、タイヤリムクッション用ゴム組成物。
(II)後述する式(1)中、aが0よりも大きい、上記(I)に記載のタイヤリムクッション用ゴム組成物。
(III)後述する式(1)中、bが0よりも大きい、上記(I)または(II)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(IV)上記(I)〜(III)のいずれかに記載のタイヤリムクッション用ゴム組成物をリムクッションに用いた空気入りタイヤ。
本発明によれば、良好なスコーチ性を維持しつつ、耐摩耗性および低発熱性が共に優れるタイヤリムクッション用ゴム組成物を提供することができる。
以下に、本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物、および本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤについて説明する。
〔タイヤリムクッション用ゴム組成物〕
〔タイヤリムクッション用ゴム組成物〕
本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物(以下、単に「本発明のゴム組成物」ともいう。)は、ジエン系ゴム、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、加硫剤、および、加硫促進剤を含有し、上記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムを50〜90質量%含み、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記カーボンブラックの含有量が5〜85質量部であり、上記シリカの含有量が5〜85質量部であり、上記カーボンブラックと上記シリカとの合計含有量が60〜90質量部であり、上記シランカップリング剤は、後述する式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンであって、その含有量が、上記シリカの含有量に対して2〜20質量%であり、上記加硫促進剤と上記加硫剤との質量比(加硫促進剤/加硫剤)が、1.0〜3.0である、タイヤリムクッション用ゴム組成物である。
本発明のゴム組成物によれば、スコーチ性を低下させずに、耐摩耗性および低発熱性を良好にできる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおり推測される。
まず、後述する式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサン(以下、特定ポリシロキサンともいう)は、加水分解性基とメルカプト基とを有する。
本発明のゴム組成物では、上記ジエン系ゴムの架橋によりヒステリシスロスと機械的物性とのバランスに優れた三次元網目構造が形成され、また、上記特定ポリシロキサンのメルカプト基および加水分解性基が、上記網目構造および上記シリカの双方と相互作用してゴム成分中での上記シリカの分散性を向上させ、結果として、優れた耐摩耗性および低発熱性を示すものと考えられる。
さらに、特定ポリシロキサンのポリシロキサン構造により、特定ポリシロキサンのメルカプト基が安定化され、優れたスコーチ性が担保されるものと考えられる。このことは、特定ポリシロキサン以外のメルカプト系シランカップリング剤を使用した場合(後述する比較例2)は、スコーチ性が不十分となる事実からも推測される。
まず、後述する式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサン(以下、特定ポリシロキサンともいう)は、加水分解性基とメルカプト基とを有する。
本発明のゴム組成物では、上記ジエン系ゴムの架橋によりヒステリシスロスと機械的物性とのバランスに優れた三次元網目構造が形成され、また、上記特定ポリシロキサンのメルカプト基および加水分解性基が、上記網目構造および上記シリカの双方と相互作用してゴム成分中での上記シリカの分散性を向上させ、結果として、優れた耐摩耗性および低発熱性を示すものと考えられる。
さらに、特定ポリシロキサンのポリシロキサン構造により、特定ポリシロキサンのメルカプト基が安定化され、優れたスコーチ性が担保されるものと考えられる。このことは、特定ポリシロキサン以外のメルカプト系シランカップリング剤を使用した場合(後述する比較例2)は、スコーチ性が不十分となる事実からも推測される。
以下、本発明のゴム組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
<ジエン系ゴム>
本発明のゴム組成物が含有するジエン系ゴムは、ブタジエンゴム(BR)を50〜90質量%含む。
上記ブタジエンゴムが50質量%未満であると、耐摩耗性、低発熱性等の物性が劣り、スコーチ性も低下し、一方、90質量%を超えると、圧縮永久歪み等の物性が低下するが、上記ブタジエンゴムの割合が上記範囲内であれば、耐摩耗性、低発熱性等の物性が良好になると共に、スコーチ性にも優れる。
上記ジエン系ゴムにおけるブタジエンゴムの割合は、50〜70質量%が好ましい。
本発明のゴム組成物が含有するジエン系ゴムは、ブタジエンゴム(BR)を50〜90質量%含む。
上記ブタジエンゴムが50質量%未満であると、耐摩耗性、低発熱性等の物性が劣り、スコーチ性も低下し、一方、90質量%を超えると、圧縮永久歪み等の物性が低下するが、上記ブタジエンゴムの割合が上記範囲内であれば、耐摩耗性、低発熱性等の物性が良好になると共に、スコーチ性にも優れる。
上記ジエン系ゴムにおけるブタジエンゴムの割合は、50〜70質量%が好ましい。
上記ブタジエンゴムは、ビニル−シスブタジエンゴムであってもよい。
ビニル−シスブタジエンゴムとは、C4留分を主成分とする不活性有機溶媒中における、シス−1,4−重合とシンジオタクチック−1,2重合とからなるポリブタジエンゴム複合体(以下、「VCR」ともいう。)である。
ビニル−シスブタジエンゴムとしては、例えば、シス1,4−結合含量90%以上のシス−1,4−ポリブタジエンゴム97〜80質量%と、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン3〜20質量%とからなる複合体等が挙げられる。
このようなビニル−シスブタジエンゴムとして、例えば、宇部興産社製のUBEPOL−VCR等の市販品を用いることができる。
なお、ビニル−シスブタジエンゴム(VCR)の市販品は、ゴム成分以外の樹脂成分(オイル)を含む場合があるが、後述するシリカ等の各成分の含有量の基準とするに当たっては、この樹脂成分を含む全体を「ブタジエンゴム」とみなす。
ビニル−シスブタジエンゴムとは、C4留分を主成分とする不活性有機溶媒中における、シス−1,4−重合とシンジオタクチック−1,2重合とからなるポリブタジエンゴム複合体(以下、「VCR」ともいう。)である。
ビニル−シスブタジエンゴムとしては、例えば、シス1,4−結合含量90%以上のシス−1,4−ポリブタジエンゴム97〜80質量%と、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン3〜20質量%とからなる複合体等が挙げられる。
このようなビニル−シスブタジエンゴムとして、例えば、宇部興産社製のUBEPOL−VCR等の市販品を用いることができる。
なお、ビニル−シスブタジエンゴム(VCR)の市販品は、ゴム成分以外の樹脂成分(オイル)を含む場合があるが、後述するシリカ等の各成分の含有量の基準とするに当たっては、この樹脂成分を含む全体を「ブタジエンゴム」とみなす。
また、上記ブタジエンゴムは、ポリシロキサン化合物で変性した変性ブタジエンゴムであってもよい。後述するシリカとの親和性が高いポリシロキサン化合物で変性した変性ブタジエンゴムを用いることで、シリカの分散性が向上する。
上記変性ブタジエンゴムにおけるポリシロキサン化合物としては、例えば、特開2009−84413号公報に記載された化合物が挙げられる。
上記変性ブタジエンゴムにおけるポリシロキサン化合物としては、例えば、特開2009−84413号公報に記載された化合物が挙げられる。
上記ジエン系ゴムにおいて、上記ブタジエンゴム以外のゴム成分としては、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、天然ゴムが好ましい。この場合、上記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムおよび天然ゴムのみで構成されていてもよく、さらに他のゴム成分を含んでいてもよい。
これらのうち、天然ゴムが好ましい。この場合、上記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムおよび天然ゴムのみで構成されていてもよく、さらに他のゴム成分を含んでいてもよい。
<カーボンブラック>
本発明の組成物が含有するカーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、FEF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、10〜300m2/gが好ましく、20〜200m2/gがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
また、上記カーボンブラックにおいて、ヨウ素吸着量(IA)は、10〜300mg/gが好ましく、20〜200mg/gがより好ましい。また、ジブチルフタレート(DBP)吸油量は、10〜300mL/100gが好ましく、20〜200mL/100gがより好ましい。
本発明の組成物が含有するカーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、FEF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、10〜300m2/gが好ましく、20〜200m2/gがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
また、上記カーボンブラックにおいて、ヨウ素吸着量(IA)は、10〜300mg/gが好ましく、20〜200mg/gがより好ましい。また、ジブチルフタレート(DBP)吸油量は、10〜300mL/100gが好ましく、20〜200mL/100gがより好ましい。
<シリカ>
本発明のゴム組成物が含有するシリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を挙げられるが、低発熱性の観点から、湿式シリカが好ましい。
本発明のゴム組成物が含有するシリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を挙げられるが、低発熱性の観点から、湿式シリカが好ましい。
上記シリカは、CTAB比表面積が小さいとゴム組成物の発熱が抑制される。もっとも、上記シリカのCTAB比表面積が小さすぎると十分な補強性が確保できない場合がある。
以上の観点から、上記シリカのCTAB比表面積は、50〜230m2/gが好ましく、140〜170m2/gがより好ましい。
ここで、CTAB比表面積は、シリカがシランカップリング剤との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ表面へのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」に従って測定した値である。
以上の観点から、上記シリカのCTAB比表面積は、50〜230m2/gが好ましく、140〜170m2/gがより好ましい。
ここで、CTAB比表面積は、シリカがシランカップリング剤との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ表面へのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」に従って測定した値である。
<カーボンブラックおよびシリカの含有量>
本発明のゴム組成物においては、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記カーボンブラックの含有量が5〜85質量部であり、上記シリカの含有量が5〜85質量部であり、上記カーボンブラックと上記シリカとの合計含有量が60〜90質量部である。
上記シリカおよび上記カーボンブラックが少なすぎると、硬さの低下や耐摩耗性の低下を招き、タイヤリムクッション用ゴム組成物として十分な性能を発揮できない。
一方、上記カーボンブラックおよび上記シリカが多すぎると、低発熱性が低下し、圧縮永久歪みも劣化する。
しかし、上記カーボンブラックおよび上記シリカの含有量が上記範囲内であれば、タイヤリムクッション用ゴム組成物として適切な硬さとなり、かつ、低発熱性等の物性も良好となる。
本発明のゴム組成物においては、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、上記カーボンブラックの含有量が5〜85質量部であり、上記シリカの含有量が5〜85質量部であり、上記カーボンブラックと上記シリカとの合計含有量が60〜90質量部である。
上記シリカおよび上記カーボンブラックが少なすぎると、硬さの低下や耐摩耗性の低下を招き、タイヤリムクッション用ゴム組成物として十分な性能を発揮できない。
一方、上記カーボンブラックおよび上記シリカが多すぎると、低発熱性が低下し、圧縮永久歪みも劣化する。
しかし、上記カーボンブラックおよび上記シリカの含有量が上記範囲内であれば、タイヤリムクッション用ゴム組成物として適切な硬さとなり、かつ、低発熱性等の物性も良好となる。
上記カーボンブラックの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、20〜70質量部が好ましく、40〜60質量部がより好ましい。
上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜60質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。
上記カーボンブラックと上記シリカとの合計含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、60〜80質量部が好ましく、65〜75質量部がより好ましい。
上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜60質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。
上記カーボンブラックと上記シリカとの合計含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、60〜80質量部が好ましく、65〜75質量部がより好ましい。
<シランカップリング剤>
本発明のゴム組成物に含有されるシランカップリング剤は、下記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサン(特定ポリシロキサン)である。
(A)a(B)b(C)c(D)d(E)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
本発明のゴム組成物に含有されるシランカップリング剤は、下記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサン(特定ポリシロキサン)である。
(A)a(B)b(C)c(D)d(E)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
上記式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基(以下、スルフィド基含有有機基ともいう)を表す。なかでも、下記式(2)で表される基が好ましい。
*−(CH2)n−Sx−(CH2)n−* (2)
上記式(2)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数が好ましい。
上記式(2)中、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数が好ましい。
上記式(2)中、*は、結合位置を示す。
上記式(2)で表される基の具体例としては、例えば、*−CH2−S2−CH2−*、*−C2H4−S2−C2H4−*、*−C3H6−S2−C3H6−*、*−C4H8−S2−C4H8−*、*−CH2−S4−CH2−*、*−C2H4−S4−C2H4−*、*−C3H6−S4−C3H6−*、*−C4H8−S4−C4H8−*などが挙げられる。
*−(CH2)n−Sx−(CH2)n−* (2)
上記式(2)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数が好ましい。
上記式(2)中、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数が好ましい。
上記式(2)中、*は、結合位置を示す。
上記式(2)で表される基の具体例としては、例えば、*−CH2−S2−CH2−*、*−C2H4−S2−C2H4−*、*−C3H6−S2−C3H6−*、*−C4H8−S2−C4H8−*、*−CH2−S4−CH2−*、*−C2H4−S4−C2H4−*、*−C3H6−S4−C3H6−*、*−C4H8−S4−C4H8−*などが挙げられる。
上記式(1)中、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。
上記式(1)中、Cは加水分解性基を表し、その具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、下記式(3)で表される基が好ましい。
*−OR2 (3)
上記式(3)中、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(3)中、*は、結合位置を示す。
*−OR2 (3)
上記式(3)中、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(3)中、*は、結合位置を示す。
上記式(1)中、Dはメルカプト基を含有する有機基を表す。なかでも、下記式(4)で表される基が好ましい。
*−(CH2)m−SH (4)
上記式(4)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数が好ましい。
上記式(4)中、*は、結合位置を示す。
上記式(4)で表される基の具体例としては、*−CH2SH、*−C2H4SH、*−C3H6SH、*−C4H8SH、*−C5H10SH、*−C6H12SH、*−C7H14SH、*−C8H16SH、*−C9H18SH、*−C10H20SHが挙げられる。
*−(CH2)m−SH (4)
上記式(4)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数が好ましい。
上記式(4)中、*は、結合位置を示す。
上記式(4)で表される基の具体例としては、*−CH2SH、*−C2H4SH、*−C3H6SH、*−C4H8SH、*−C5H10SH、*−C6H12SH、*−C7H14SH、*−C8H16SH、*−C9H18SH、*−C10H20SHが挙げられる。
上記式(1)中、Eは炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。
上記式(1)中、a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただし、aおよびbのいずれか一方は0ではない。
上記特定ポリシロキサンは、低発熱性がより優れ、加工性が優れるという理由から、aが0よりも大きい(0<a)ことが好ましい。すなわち、スルフィド基含有有機基を有することが好ましい。なかでも、加工性がより優れるという理由から、0<a≦0.50が好ましい。
上記式(1)中、bは、加工性が優れるという理由から、0<bであることが好ましく、0.10≦b≦0.89がより好ましい。
上記式(1)中、cは、加工性が優れ、シリカの分散性がより優れるという理由から、1.2≦c≦2.0であることが好ましい。
上記式(1)中、dは、加工性が優れるという理由から、0.1≦d≦0.8であることが好ましい。
上記式(1)中、cは、加工性が優れ、シリカの分散性がより優れるという理由から、1.2≦c≦2.0であることが好ましい。
上記式(1)中、dは、加工性が優れるという理由から、0.1≦d≦0.8であることが好ましい。
上記特定ポリシロキサンは、上記式(1)中、Aが上記式(2)で表される基であり、上記式(1)中のCが上記式(3)で表される基であり、上記式(1)中のDが上記式(4)で表される基であるポリシロキサンであることが好ましい。
上記特定ポリシロキサンの重量平均分子量は、加工性が優れるという理由から、500〜2,300が好ましく、600〜1,500がより好ましい。本願における特定ポリシロキサンの分子量は、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求めたものである。
上記特定ポリシロキサンの酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、加硫反応性に優れるという観点から、550〜700g/molであるのが好ましく、600〜650g/molであるのがより好ましい。
上記特定ポリシロキサンの酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、加硫反応性に優れるという観点から、550〜700g/molであるのが好ましく、600〜650g/molであるのがより好ましい。
上記特定ポリシロキサンは、シロキサン単位(−Si−O−)を2〜50個有するものであることが好ましい。
なお、上記特定ポリシロキサンの骨格には、ケイ素原子以外の金属(例えば、Sn、Ti、Al)は存在しない。
上記特定ポリシロキサンを製造する方法は特に限定されないが、第1の好適な態様としては、下記式(6)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(7)で表される有機ケイ素化合物とを加水分解縮合する方法が挙げられる。また、第2の好適な態様としては、下記式(5)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(6)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(7)で表される有機ケイ素化合物とを加水分解縮合する方法が挙げられる。また、第3の好適な態様としては、下記式(5)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(6)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(7)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(8)で表される有機ケイ素化合物とを加水分解縮合する方法が挙げられる。
なかでも、低発熱性がより優れるという理由から、上記第2の好適な態様であることが好ましい。
なかでも、低発熱性がより優れるという理由から、上記第2の好適な態様であることが好ましい。
上記式(5)中、R51は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(5)中、R52は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を表す。上記炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例は上記R51と同じである。
上記式(5)中、nの定義および好適な態様は、上記nと同じである。
上記式(5)中、xの定義および好適な態様は、上記xと同じである。
上記式(5)中、yは1〜3の整数を表す。
上記式(5)中、R52は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を表す。上記炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例は上記R51と同じである。
上記式(5)中、nの定義および好適な態様は、上記nと同じである。
上記式(5)中、xの定義および好適な態様は、上記xと同じである。
上記式(5)中、yは1〜3の整数を表す。
上記式(5)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどが挙げられる。
上記式(6)中、R61の定義、具体例および好適な態様は、上記R51と同じである。
上記式(6)中、R62の定義、具体例および好適な態様は、上記R52と同じである。
上記式(6)中、zの定義は、上記yと同じである。
上記式(6)中、pは5〜10の整数を表す。
上記式(6)中、R62の定義、具体例および好適な態様は、上記R52と同じである。
上記式(6)中、zの定義は、上記yと同じである。
上記式(6)中、pは5〜10の整数を表す。
上記式(6)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルメチルジメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ペンチルメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルメチルジエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルメチルジメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記式(7)中、R71の定義、具体例および好適な態様は、上記R51と同じである。
上記式(7)中、R72の定義、具体例および好適な態様は、上記R52と同じである。
上記式(7)中、mの定義および好適な態様は、上記mと同じである。
上記式(7)中、wの定義は、上記yと同じである。
上記式(7)中、R72の定義、具体例および好適な態様は、上記R52と同じである。
上記式(7)中、mの定義および好適な態様は、上記mと同じである。
上記式(7)中、wの定義は、上記yと同じである。
上記式(7)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、α−メルカプトメチルトリメトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、α−メルカプトメチルトリエトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記式(8)中、R81の定義、具体例および好適な態様は、上記R51と同じである。
上記式(8)中、R82の定義、具体例および好適な態様は、上記R52と同じである。
上記式(8)中、vの定義は、上記yと同じである。
上記式(8)中、qは1〜4の整数を表す。
上記式(8)中、R82の定義、具体例および好適な態様は、上記R52と同じである。
上記式(8)中、vの定義は、上記yと同じである。
上記式(8)中、qは1〜4の整数を表す。
上記式(8)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記特定ポリシロキサンを製造する際には必要に応じて溶媒を用いてもよい。溶媒としては特に限定されないが、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。
上記特定ポリシロキサンを製造する際には必要に応じて触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば、塩酸、酢酸などの酸性触媒、アンモニウムフルオリドなどのルイス酸触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどのアミン化合物などが挙げられる。
上記触媒は、金属としてSn、TiまたはAlを含有する有機金属化合物でないことが好ましい。このような有機金属化合物を使用した場合、ポリシロキサン骨格に金属が導入されて、上記特定ポリシロキサン(骨格には、ケイ素原子以外の金属(例えば、Sn、Ti、Al)は存在しない)が得られないことがある。
上記触媒は、金属としてSn、TiまたはAlを含有する有機金属化合物でないことが好ましい。このような有機金属化合物を使用した場合、ポリシロキサン骨格に金属が導入されて、上記特定ポリシロキサン(骨格には、ケイ素原子以外の金属(例えば、Sn、Ti、Al)は存在しない)が得られないことがある。
上記特定ポリシロキサンを製造する際に使用される有機ケイ素化合物として、メルカプト基を有するシランカップリング剤[例えば、式(7)で表される有機ケイ素化合物]およびスルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤[例えば、式(6)や式(8)で表される有機ケイ素化合物]を併用する際、メルカプト基を有するシランカップリング剤とスルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤との混合比(モル比)(メルカプト基を有するシランカップリング剤/スルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤)は、加工性に優れるという観点から、1.1/8.9〜6.7/3.3が好ましく、1.4/8.6〜5.0/5.0がより好ましい。
上記特定ポリシロキサンを製造する際に使用される有機ケイ素化合物として、メルカプト基を有するシランカップリング剤[例えば、式(7)で表される有機ケイ素化合物]およびスルフィド基を有するシランカップリング剤[例えば、式(5)で表される有機ケイ素化合物]を併用する際、メルカプト基を有するシランカップリング剤とスルフィド基を有するシランカップリング剤との混合比(モル比)(メルカプト基を有するシランカップリング剤/スルフィド基を有するシランカップリング剤)は、加工性に優れるという観点から、2.0/8.0〜8.9/1.1が好ましく、2.5/7.5〜8.0/2.0がより好ましい。
上記特定ポリシロキサンを製造する際に使用される有機ケイ素化合物として、メルカプト基を有するシランカップリング剤[例えば、式(7)で表される有機ケイ素化合物]、スルフィド基を有するシランカップリング剤[例えば、式(5)および/またはで表される有機ケイ素化合物]、およびスルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤[例えば、式(6)や式(8)で表される有機ケイ素化合物]を併用する際、メルカプト基を有するシランカップリング剤の量は、前3者の合計量(モル)中の10.0〜73.0%であるのが好ましい。スルフィド基を有するシランカップリング剤の量は、前3者の合計量中の5.0〜67.0%が好ましい。スルフィド基またはメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤の量は、前3者の合計量中の16.0〜85.0%が好ましい。
上記シランカップリング剤の含有量は、上記シリカの含有量に対して2〜20質量%であり、4〜18質量%が好ましく、5〜14質量%がより好ましい。
<加硫剤>
本発明のゴム組成物が含有する加硫剤としては、有機過酸化物または硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等が挙げられ、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィド等が挙げられ、なかでも、硫黄系加硫剤が好ましく、硫黄がより好ましい。
上記加硫剤の含有量は、後述する質量比(加硫促進剤/加硫剤)を満たせば特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1.0〜5.0質量部が好ましく、1.5〜3.0質量部がより好ましい。
本発明のゴム組成物が含有する加硫剤としては、有機過酸化物または硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等が挙げられ、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィド等が挙げられ、なかでも、硫黄系加硫剤が好ましく、硫黄がより好ましい。
上記加硫剤の含有量は、後述する質量比(加硫促進剤/加硫剤)を満たせば特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1.0〜5.0質量部が好ましく、1.5〜3.0質量部がより好ましい。
<加硫促進剤>
本発明のゴム組成物が含有する加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加硫促進剤の含有量は、後述する質量比(加硫促進剤/加硫剤)を満たせば特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1.0〜5.0質量部が好ましく、1.5〜3.0質量部がより好ましい。
本発明のゴム組成物が含有する加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加硫促進剤の含有量は、後述する質量比(加硫促進剤/加硫剤)を満たせば特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1.0〜5.0質量部が好ましく、1.5〜3.0質量部がより好ましい。
<質量比(加硫促進剤/加硫剤)>
タイヤリムクッション用ゴム組成物においては、ある程度の硬さが要求されるものの、加硫により経時的に硬くなることは抑えたい。これは、リムから取り外せなくなるという問題を回避するためである。
本発明のゴム組成物における上記加硫促進剤と上記加硫剤との質量比(加硫促進剤/加硫剤)(以下、単に「質量比」ともいう。)は、1.0〜3.0であり、1.0〜1.5が好ましい。
上記質量比が3.0を超えるとスコーチ性が劣る。一方、上記質量比が1.0未満であると、耐摩耗性、低発熱性、および、圧縮永久歪みが劣る。
しかし、上記質量比が上記範囲内であれば、スコーチ性が優れ、かつ、耐摩耗性、低発熱性、および、圧縮永久歪みも優れる。
タイヤリムクッション用ゴム組成物においては、ある程度の硬さが要求されるものの、加硫により経時的に硬くなることは抑えたい。これは、リムから取り外せなくなるという問題を回避するためである。
本発明のゴム組成物における上記加硫促進剤と上記加硫剤との質量比(加硫促進剤/加硫剤)(以下、単に「質量比」ともいう。)は、1.0〜3.0であり、1.0〜1.5が好ましい。
上記質量比が3.0を超えるとスコーチ性が劣る。一方、上記質量比が1.0未満であると、耐摩耗性、低発熱性、および、圧縮永久歪みが劣る。
しかし、上記質量比が上記範囲内であれば、スコーチ性が優れ、かつ、耐摩耗性、低発熱性、および、圧縮永久歪みも優れる。
<その他の添加剤>
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに、添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、本発明のゴム組成物に含有されるシランカップリング剤以外のシランカップリング剤、シリカおよびカーボンブラック以外の充填剤、加硫助剤、老化防止剤、可塑剤などが挙げられる。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに、添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、本発明のゴム組成物に含有されるシランカップリング剤以外のシランカップリング剤、シリカおよびカーボンブラック以外の充填剤、加硫助剤、老化防止剤、可塑剤などが挙げられる。
<硬さ>
本発明のゴム組成物は、タイヤのリムクッションに用いられるため、ある程度の硬さが要求される。硬さが低すぎると、タイヤをリムに固定する性能が悪化し、タイヤリムクッション用ゴム組成物として不適切となり得る。
このため、本発明のゴム組成物は、加硫後にJIS K6253に準拠して20℃で測定したタイプAデュロメータ硬さ(以下、単に「デュロメータ硬さ」ともいう。)が70以上であるのが好ましく、75以上がより好ましい。
一方、デュロメータ硬さの上限値は、特に限定されないが、85以下が好ましい。
本発明のゴム組成物は、タイヤのリムクッションに用いられるため、ある程度の硬さが要求される。硬さが低すぎると、タイヤをリムに固定する性能が悪化し、タイヤリムクッション用ゴム組成物として不適切となり得る。
このため、本発明のゴム組成物は、加硫後にJIS K6253に準拠して20℃で測定したタイプAデュロメータ硬さ(以下、単に「デュロメータ硬さ」ともいう。)が70以上であるのが好ましく、75以上がより好ましい。
一方、デュロメータ硬さの上限値は、特に限定されないが、85以下が好ましい。
<タイヤリムクッション用ゴム組成物の製造方法>
本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫条件で加硫できる。
本発明のタイヤリムクッション用ゴム組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫条件で加硫できる。
〔空気入りタイヤ〕
本発明の空気入りタイヤ(以下、単に「本発明のタイヤ」ともいう。)は、上述した本発明のゴム組成物をリムクッションに使用した空気入りタイヤである。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
本発明の空気入りタイヤ(以下、単に「本発明のタイヤ」ともいう。)は、上述した本発明のゴム組成物をリムクッションに使用した空気入りタイヤである。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
空気入りタイヤは、左右一対のビード部1およびサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるタイヤトレッド部3とからなる。
左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を空気入りタイヤのリムクッションに用いる以外は特に制限はなく、例えば従来公知の方法に従って製造できる。タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ポリシロキサン1の合成>
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業製 KBE−846)107.8g(0.2mol)、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−803)190.8g(0.8mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール190.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸37.8g(2.1mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液17.0gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで褐色透明液体のポリシロキサン480.1gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は840であり、平均重合度は4.0(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、730g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、下記平均組成式で示される。
(−C3H6−S4−C3H6−)0.071(−C8H17)0.571(−OC2H5)1.50(−C3H6SH)0.286SiO0.75
得られたポリシロキサンをポリシロキサン1とした。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業製 KBE−846)107.8g(0.2mol)、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−803)190.8g(0.8mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール190.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸37.8g(2.1mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液17.0gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで褐色透明液体のポリシロキサン480.1gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は840であり、平均重合度は4.0(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、730g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、下記平均組成式で示される。
(−C3H6−S4−C3H6−)0.071(−C8H17)0.571(−OC2H5)1.50(−C3H6SH)0.286SiO0.75
得られたポリシロキサンをポリシロキサン1とした。
<ポリシロキサン2の合成>
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにγ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−803)190.8g(0.8mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール162.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸32.4g(1.8mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液14.6gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで無色透明液体のポリシロキサン412.3gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は850であり、平均重合度は4.0(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、650g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、下記平均組成式で示される。
(−C8H17)0.667(−OC2H5)1.50(−C3H6−SH)0.333SiO0.75
得られたポリシロキサンをポリシロキサン2とした。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにγ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−803)190.8g(0.8mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール162.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸32.4g(1.8mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液14.6gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで無色透明液体のポリシロキサン412.3gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は850であり、平均重合度は4.0(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、650g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、下記平均組成式で示される。
(−C8H17)0.667(−OC2H5)1.50(−C3H6−SH)0.333SiO0.75
得られたポリシロキサンをポリシロキサン2とした。
<比較ポリシロキサン1の合成>
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(0.1mol)を水および濃塩酸水溶液で加水分解し、その後、エトキシメチルポリシロキサン(100g)を添加し、縮合することでポリシロキサンを得た。得られたポリシロキサンを比較ポリシロキサン1とする。
上記比較ポリシロキサン1は、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのメトキシ基とエトキシメチルポリシロキサンのエトキシ基とが縮合した構造を有する。すなわち、上記比較ポリシロキサン1が有する1価の炭化水素基はメチル基のみである。また、上記比較ポリシロキサン1はスルフィド基を含有する2価の有機基を有さない。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(0.1mol)を水および濃塩酸水溶液で加水分解し、その後、エトキシメチルポリシロキサン(100g)を添加し、縮合することでポリシロキサンを得た。得られたポリシロキサンを比較ポリシロキサン1とする。
上記比較ポリシロキサン1は、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのメトキシ基とエトキシメチルポリシロキサンのエトキシ基とが縮合した構造を有する。すなわち、上記比較ポリシロキサン1が有する1価の炭化水素基はメチル基のみである。また、上記比較ポリシロキサン1はスルフィド基を含有する2価の有機基を有さない。
<比較ポリシロキサン2の合成>
ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド(0.1mol)を水および濃塩酸水溶液で加水分解し、その後、エトキシメチルポリシロキサン(100g)を添加し、縮合することでポリシロキサンを得た。得られたポリシロキサンを比較ポリシロキサン2とする。
上記比較ポリシロキサン2は、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドのエトキシ基とエトキシメチルポリシロキサンのエトキシ基とが縮合した構造を有する。すなわち、上記比較ポリシロキサン2が有する1価の炭化水素基はメチル基のみである。また、上記比較ポリシロキサン2はメルカプト基を含有する有機基を有さない。
ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド(0.1mol)を水および濃塩酸水溶液で加水分解し、その後、エトキシメチルポリシロキサン(100g)を添加し、縮合することでポリシロキサンを得た。得られたポリシロキサンを比較ポリシロキサン2とする。
上記比較ポリシロキサン2は、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドのエトキシ基とエトキシメチルポリシロキサンのエトキシ基とが縮合した構造を有する。すなわち、上記比較ポリシロキサン2が有する1価の炭化水素基はメチル基のみである。また、上記比較ポリシロキサン2はメルカプト基を含有する有機基を有さない。
<比較例1〜9、実施例1〜4>
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち加硫剤および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混合し、その後、ゴムを放出させ、室温冷却させることで、マスターバッチを得た。
次に、得られたマスターバッチに、加硫剤および加硫促進剤を、上記バンバリーミキサーで混合し、リムクッション用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」ともいう。)を得た。
次に、得られたゴム組成物をランボーン摩耗用金型(直径63.5mm、厚さ5mmの円板状)中で、170℃で15分間加硫して加硫ゴムシートを作製した。
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち加硫剤および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混合し、その後、ゴムを放出させ、室温冷却させることで、マスターバッチを得た。
次に、得られたマスターバッチに、加硫剤および加硫促進剤を、上記バンバリーミキサーで混合し、リムクッション用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」ともいう。)を得た。
次に、得られたゴム組成物をランボーン摩耗用金型(直径63.5mm、厚さ5mmの円板状)中で、170℃で15分間加硫して加硫ゴムシートを作製した。
<スコーチ性>
各例のゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じて、L形ロータを使用し、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムを測定した。
下記第1表では、比較例1のスコーチタイムを「100」として、指数表示した。指数表示の値が大きいほど(つまり、スコーチタイムが長いほど)、スコーチ性に優れるものとして評価できる。
各例のゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じて、L形ロータを使用し、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムを測定した。
下記第1表では、比較例1のスコーチタイムを「100」として、指数表示した。指数表示の値が大きいほど(つまり、スコーチタイムが長いほど)、スコーチ性に優れるものとして評価できる。
<耐摩耗性>
各例の加硫シートについて、ASTM−D2228に準拠して、ピコ摩耗試験機を使用して摩耗量を測定した。
下記第1表では、比較例1の摩耗量の逆数を「100」として、指数表示した。指数表示の値が大きいほど(つまり、摩耗量が少ないほど)、耐摩耗性に優れるものとして評価できる。
各例の加硫シートについて、ASTM−D2228に準拠して、ピコ摩耗試験機を使用して摩耗量を測定した。
下記第1表では、比較例1の摩耗量の逆数を「100」として、指数表示した。指数表示の値が大きいほど(つまり、摩耗量が少ないほど)、耐摩耗性に優れるものとして評価できる。
<低発熱性>
各例の加硫シートについて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下で、温度60℃の損失正接tanδ(60℃)を測定した。
下記第1表では、比較例1のtanδ(60℃)の逆数を「100」として、指数表示した。指数表示の値が大きいほど(つまり、tanδ(60℃)が小さいほど)、ヒステリシスロスが小さく低発熱性に優れるものとして評価できる。
各例の加硫シートについて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下で、温度60℃の損失正接tanδ(60℃)を測定した。
下記第1表では、比較例1のtanδ(60℃)の逆数を「100」として、指数表示した。指数表示の値が大きいほど(つまり、tanδ(60℃)が小さいほど)、ヒステリシスロスが小さく低発熱性に優れるものとして評価できる。
<圧縮永久歪み>
各例の加硫シートについて、JIS K6262に準拠して、100℃、72時間、25%圧縮後の圧縮永久歪みを測定した。
下記第1表では、比較例1の測定結果の逆数を「100」として、指数表示した。指数表示の値が大きいほど、圧縮永久歪みが低減しているものとして評価できる。
各例の加硫シートについて、JIS K6262に準拠して、100℃、72時間、25%圧縮後の圧縮永久歪みを測定した。
下記第1表では、比較例1の測定結果の逆数を「100」として、指数表示した。指数表示の値が大きいほど、圧縮永久歪みが低減しているものとして評価できる。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・天然ゴム:RSS#3
・ブタジエンゴム:Nipol BR1220(日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN330(HAF、キャボネットジャパン社製)
・シリカ:ULTRASIL VN−3(エボニックデグッサ社製)
・シランカップリング剤X1:Si69(エボニックデグッサ社製)(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
・シランカップリング剤X2:Si363(エボニックデグッサ社製)(下記式(X)で表されるメルカプト系のシランカップリング剤)
・シランカップリング剤X3:上述のとおり合成された比較ポリシロキサン1
・シランカップリング剤X4:上述のとおり合成された比較ポリシロキサン2
・天然ゴム:RSS#3
・ブタジエンゴム:Nipol BR1220(日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN330(HAF、キャボネットジャパン社製)
・シリカ:ULTRASIL VN−3(エボニックデグッサ社製)
・シランカップリング剤X1:Si69(エボニックデグッサ社製)(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
・シランカップリング剤X2:Si363(エボニックデグッサ社製)(下記式(X)で表されるメルカプト系のシランカップリング剤)
・シランカップリング剤X3:上述のとおり合成された比較ポリシロキサン1
・シランカップリング剤X4:上述のとおり合成された比較ポリシロキサン2
・シランカップリング剤1:上述のとおり合成されたポリシロキサン1
・シランカップリング剤2:上述のとおり合成されたポリシロキサン2
・オイル:エクストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・老化防止剤1:SANTOFLEX 6PPD(フレキシス社製)(N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−1,4−フェニレンジアミン)
・老化防止剤2:FLECTOL TMQ(フレキシス社製)(2,2,4−トリメチルー1,2−ジヒドロキノリン重合体)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸YR(日本油脂社製)
・ワックス:サンノック(大内新興化学工業社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・加硫剤:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤:SANTOCURE TBBS(フレキシス社製)(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド)
・シランカップリング剤2:上述のとおり合成されたポリシロキサン2
・オイル:エクストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・老化防止剤1:SANTOFLEX 6PPD(フレキシス社製)(N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−1,4−フェニレンジアミン)
・老化防止剤2:FLECTOL TMQ(フレキシス社製)(2,2,4−トリメチルー1,2−ジヒドロキノリン重合体)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸YR(日本油脂社製)
・ワックス:サンノック(大内新興化学工業社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・加硫剤:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤:SANTOCURE TBBS(フレキシス社製)(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド)
上記第1表に示す結果から明らかなように、シランカップリング剤X1を用いた比較例1と比較して、メルカプト系のシランカップリング剤X2を用いた比較例2は、低発熱性は向上したものの、耐摩耗性が低下し、スコーチ性が大きく低下した。同様に、所定の平均組成式を満たさないポリシロキサンからなるシランカップリング剤X3およびX4を用いた比較例8および9は、低発熱性の改善効果が少なく、また、圧縮永久歪みが劣っていた。
これに対して、シランカップリング剤1または2を用いた実施例1〜4は、比較例1と同等以上の良好なスコーチ性を維持しつつ、耐摩耗性および低発熱性が共に優れることが分かった。
これに対して、シランカップリング剤1または2を用いた実施例1〜4は、比較例1と同等以上の良好なスコーチ性を維持しつつ、耐摩耗性および低発熱性が共に優れることが分かった。
なお、シランカップリング剤1または2を用いた場合であっても、比較例3〜7は、各種特性が劣っていた。
例えば、ジエン系ゴム中のブタジエンゴムが50質量%未満である比較例3は、スコーチ性、耐摩耗性、および、低発熱性について、全体的に劣化していた。
また、カーボンブラックとシリカとの合計量が60〜90質量部を超える比較例4は、低発熱性が低下し、圧縮永久歪みも劣化していた。
また、シランカップリング剤1の量がシリカに対して2〜20質量%の範囲を超える比較例5は、スコーチ性等が劣っていた。
また、質量比(加硫促進剤/加硫剤)が1.0未満である比較例6は、低発熱性等が劣るほか、圧縮永久歪みが大きく劣化した。
また、質量比(加硫促進剤/加硫剤)が3.0を超える比較例7は、スコーチ性が劣っていた。
例えば、ジエン系ゴム中のブタジエンゴムが50質量%未満である比較例3は、スコーチ性、耐摩耗性、および、低発熱性について、全体的に劣化していた。
また、カーボンブラックとシリカとの合計量が60〜90質量部を超える比較例4は、低発熱性が低下し、圧縮永久歪みも劣化していた。
また、シランカップリング剤1の量がシリカに対して2〜20質量%の範囲を超える比較例5は、スコーチ性等が劣っていた。
また、質量比(加硫促進剤/加硫剤)が1.0未満である比較例6は、低発熱性等が劣るほか、圧縮永久歪みが大きく劣化した。
また、質量比(加硫促進剤/加硫剤)が3.0を超える比較例7は、スコーチ性が劣っていた。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (4)
- ジエン系ゴム、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、加硫剤、および、加硫促進剤を含有し、
前記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムを50〜90質量%含み、
前記ジエン系ゴム100質量部に対して、前記カーボンブラックの含有量が5〜85質量部であり、前記シリカの含有量が5〜85質量部であり、前記カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量が60〜90質量部であり、
前記シランカップリング剤は、下記式(1)の平均組成式で表されるポリシロキサンであって、その含有量が、前記シリカの含有量に対して2〜20質量%であり、
前記加硫促進剤と前記加硫剤との質量比(加硫促進剤/加硫剤)が、1.0〜3.0である、タイヤリムクッション用ゴム組成物。
(A)a(B)b(C)c(D)d(E)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
(式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基を表す。Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基を表す。Cは加水分解性基を表す。Dはメルカプト基を含有する有機基を表す。Eは炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただし、aおよびbのいずれか一方は0ではない。) - 前記式(1)中、aが0よりも大きい、請求項1に記載のタイヤリムクッション用ゴム組成物。
- 前記式(1)中、bが0よりも大きい、請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤリムクッション用ゴム組成物をリムクッションに用いた空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014034719A JP2014185338A (ja) | 2013-02-25 | 2014-02-25 | タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013035075 | 2013-02-25 | ||
JP2013035075 | 2013-02-25 | ||
JP2014034719A JP2014185338A (ja) | 2013-02-25 | 2014-02-25 | タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014185338A true JP2014185338A (ja) | 2014-10-02 |
Family
ID=51833191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014034719A Pending JP2014185338A (ja) | 2013-02-25 | 2014-02-25 | タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014185338A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018030535A (ja) * | 2016-08-26 | 2018-03-01 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
WO2023223593A1 (ja) * | 2022-05-17 | 2023-11-23 | 横浜ゴム株式会社 | リムクッション用ゴム組成物 |
-
2014
- 2014-02-25 JP JP2014034719A patent/JP2014185338A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018030535A (ja) * | 2016-08-26 | 2018-03-01 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
WO2023223593A1 (ja) * | 2022-05-17 | 2023-11-23 | 横浜ゴム株式会社 | リムクッション用ゴム組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5574063B2 (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ | |
JP5846332B2 (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ | |
JP5846331B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ | |
JP6390255B2 (ja) | ゴム組成物および空気入りタイヤ | |
US9920189B2 (en) | Rubber composition for tire tread, and pneumatic tire using same | |
JP6476554B2 (ja) | タイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP2014185343A (ja) | タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ | |
JP2014185342A (ja) | タイヤ用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ | |
JP5907309B2 (ja) | 重荷重タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ | |
JP2014185338A (ja) | タイヤリムクッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP6972839B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |