以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、チェリー入賞,第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,ベル入賞,第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞がある。中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール32Lと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール32Mの「チェリー」図柄と、左リール32L及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。ここで、中リール32Mの中段は4本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、4本全ての有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=1×4)枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として5枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、第2スイカ入賞の場合には、左リール32Lについて有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。また、各リール32L,32M,32Rのうち2つのリールの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、残り1つのリールの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。例えば、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞と第2BB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第13再遊技入賞がある。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2再遊技入賞となる。左リール32L及び右リール32Rの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第4再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第5再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は、左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第6再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第7再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第8再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第9再遊技入賞となる。左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第10再遊技入賞となる。左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第11再遊技入賞となる。左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第12再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「白ベル」図柄又は「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第13再遊技入賞となる。
また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行し、第4再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行し、第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第5RT状態に移行し、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が第6RT状態に移行し、第13再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第7RT状態に移行する。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第3特殊ベル図柄の組合せとは、第3特殊ベル入賞となる図柄の組合せ、すなわち「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「赤ベル」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第3特殊ベル図柄とは、左リール32Lにおいては「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいては「白ベル」図柄であり、右リール32Rにおいては「赤ベル」図柄である。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
表示制御装置81は、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。したがって、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部60〜62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10〜図30のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図10参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図10〜図30のフローチャートを参照しながら説明する。
図10は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図11のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で第1再遊技入賞〜第13再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS207にて上述した第1ラインL1〜第4ラインL4の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS208にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール制御処理、ステップS211のメダル払出処理、ステップS212のRT状態処理、ステップS213のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS209の抽選処理について、図12のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して非RT状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態,第6RT状態,第7RT状態,BB状態の9種類の遊技状態を有している。そこでステップS302では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が非RT状態であると判別し、非RT状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図13は、「設定3」の非RT状態で選択される非RT状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選フラグをRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=6のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、チェリーと第2スイカに当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第1BB当選フラグ」と言う。)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第2BB当選フラグ」と言う。)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグと第2BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、現在のインデックス値IVが3以上の値であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVが1又は2であれば対応する当選フラグをセットしない。つまり、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグが持ち越されているゲームでは、第1BB及び第2BB以外の役に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、第1BB又は第2BBに当選した場合には対応する当選フラグをセットしない。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図13に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、IV=1の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=2の際に当選となる確率は約2050分の1、IV=3の際に当選となる確率は約96.4分の1、IV=4の際に当選となる確率は約262分の1、IV=5の際に当選となる確率は約256分の1、IV=6の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=7の際に当選となる確率は約65500分の1である。IV=8〜11の際に当選となる確率はそれぞれ約91.9分の1であり、IV=12〜19の際に当選となる確率はそれぞれ約31.2分の1である。IV=20の際に当選となる確率は約9.25分の1、IV=21の際に当選となる確率は約203分の1、IV=22の際に当選となる確率は約41.7分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.84分の1である。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S110にて行われる。
そして、ステップS310では、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報設定処理を行い、抽選処理を終了する。
次に、ステップS210のリール制御処理について、図14のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S106にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS405〜ステップS411に示す停止制御処理を行う。
ステップS405では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施の形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS406では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS406では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS407では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS408では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS409にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS410では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS411にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=8〜19の際に当選となった場合すなわちベルと2種類の特殊ベルに当選となった場合(図13参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図15は、IV=8〜19の際にセットされる当選フラグと、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えばIV=12と対応する当選フラグ「12」がセットされている場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第1特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合にベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第9特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール32Lと右リール32Rにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール32Mにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール32Lと右リール32Rに関しては、同種図柄同士の間隔が6図柄以下で配置されていればストップスイッチ42,44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール32Mに関しては、同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されていればストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。左リール32Lには、「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、上記各図柄が当選図柄となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず有効ライン上に当選図柄を停止させることができる。一方、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄等の他の図柄に関しては、上記間隔以上に離れた区間が形成されるようにして配置されているため、有効ライン上に停止させるためには遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
IV=12の際に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1特殊ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、第1特殊ベル図柄たる「リプレイ」図柄が、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「リプレイ」図柄が停止する。例えば左リール32Lの12番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図16(a)に示すように、当該12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が、2番,5番,10番,20番の位置に配置されている。20番〜10番の区間では、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている一方、10番〜20番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が9図柄となっている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、16番の「赤7」図柄〜10番の「赤ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図16(b)に示すように、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が中段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。一方、11番の「スイカ」図柄〜15番の「白ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、図16(c)に示すように、15番の「白ベル」図柄が中段に停止する。「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない場合に「白ベル」図柄を中段に停止させることにより、当選役が報知されていない状況において、第3特殊ベル入賞又は第4特殊ベル入賞が成立することを遊技者に期待させることが可能となる。
右リール32Rには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されている。9番〜16番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が6図柄となっている一方、16番〜9番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が13図柄となっている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、3番の「青7」図柄〜16番の「赤ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が上段又は下段に停止する。この結果、第3ラインL3又は第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。例えば、16番の「赤ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図16(d)に示すように、第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。一方、17番の「赤7」図柄〜2番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を上段又は下段に停止させることができない。かかるタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄が上段又は下段に停止する。例えば、2番の「白ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図16(e)に示すように、第4ラインL4上に左から「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止する。つまり、第1特殊ベル入賞を成立させることができないタイミングでストップスイッチ42〜44が操作された場合には、有効ライン上にベルこぼし出目が停止する。
次に、IV=8の際に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が13番と20番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が6番の位置に配置されている。かかる場合、6番の「白ベル」図柄と13番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、13番の「赤ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、20番の「赤ベル」図柄と6番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、左リール32Lには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
中リール32Mには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が20番,2番,5番,10番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が15番の位置に配置されている。かかる場合、20番〜10番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となっており、10番の「赤ベル」図柄と15番の「白ベル」図柄の間隔が4図柄となっており、15番の「白ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔が4図柄となっている。つまり、中リール32Mには、ベル図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップスイッチ43が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
右リール32Rには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が2番の位置に配置されている。かかる場合、2番の「白ベル」図柄と9番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、9番の「赤ベル」図柄と16番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、16番の「赤ベル」図柄と2番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、右リール32Rには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が最後に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。この結果、各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、ベル入賞が成立する。
IV=8〜19の際に当選となった場合には、6通りのストップスイッチ42〜44の操作順序のうち2通りの操作順序についてベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、4通りの操作順序について特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。上述したとおり、ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。一方、特殊ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによって、特殊ベル入賞が成立したり、有効ライン上にベルこぼし出目が停止したりする。
また、遊技者は、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止した場合、中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を狙って中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44を操作するものと想定される。かかる場合、当選役が報知されていない状況においては、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率でベルこぼし出目が有効ライン上に停止することとなる。ちなみに、IV=7の際に当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS410にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS412にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。払出判定処理が終了した場合には、ステップS413にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS211のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第13再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理S204では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS212のRT状態処理を図17のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、現在の遊技状態が第6RT状態であるか否かを判定し、ステップS502では、現在の遊技状態が第7RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が第6RT状態及び第7RT状態以外の遊技状態である場合には、ステップS503にて移行判定処理を行った後に本処理を終了する。
移行判定処理では、図18のフローチャートに示すように、ステップS551において、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立した場合には、ステップS552にて状態情報格納エリア106cに第6RT設定フラグをセットするとともに、ステップS553にて状態情報格納エリア106cに設けられた残ゲーム数カウンタに7をセットし、本処理を終了する。この結果、第6RT状態及び第7RT状態以外の遊技状態下で第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が第6RT状態に移行することとなる。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、ステップS554に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第13再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第13再遊技入賞が成立した場合には、ステップS555にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第7RT設定フラグをセットするとともに、ステップS556にて残ゲーム数カウンタに7をセットし、本処理を終了する。この結果、第13再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第7RT状態に移行することとなる。
ステップS552にて第6RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第6RT状態に移行し、ステップS555にて第7RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第7RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第6RT設定フラグがセットされている場合、現在の遊技状態が第6RT状態であると判別して第6RT状態用抽選テーブルを選択し、状態情報格納エリア106cに第7RT設定フラグがセットされている場合、現在の遊技状態が第7RT状態であると判別して第7RT状態用抽選テーブルを選択する。
第6RT状態用抽選テーブル及び第7RT状態用抽選テーブルについて簡単に説明すると、第6RT状態用抽選テーブル及び第7RT状態用抽選テーブルは、IV=20〜22に設定されているポイント値PVが非RT状態用抽選テーブル(図13参照)と異なる。具体的には、「設定3」の第6RT状態で選択される第6RT状態用抽選テーブルには、IV=20のポイント値PVが0と設定されており、IV=21のポイント値PVが8978と設定されており、IV=22のポイント値PVが0と設定されている。「設定3」の第7RT状態で選択される第7RT状態用抽選テーブルには、IV=20のポイント値PVが0と設定されており、IV=21のポイント値PVが4978と設定されており、IV=22のポイント値PVが3000と設定されている。したがって、第6RT状態では、再遊技の特典が付与される入賞態様として第6再遊技入賞のみが成立し、第7RT状態では、再遊技の特典が付与される入賞態様として第6再遊技入賞又は第13再遊技入賞が成立する。第6RT状態及び第7RT状態では、第1再遊技入賞の成立する事象が発生しない。非RT状態用抽選テーブルのIV=20〜22のポイント値PVの総和は8978であり、第6RT状態用抽選テーブルのIV=20〜22のポイント値PVの総和は8978であり、第7RT状態用抽選テーブルのIV=20〜22のポイント値PVの総和は8978である。IV=20〜22のいずれかで当選となる確率は、いずれの抽選テーブルを用いた場合であっても約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第6RT状態又は第7RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,BBの各役種について非RT状態と同一の確率で当選となる。
遊技状態が第6RT状態又は第7RT状態である場合には、RT状態処理のステップS501又はステップS502にて肯定判定をし、ステップS504に進む。ステップS504では、残ゲーム数カウンタの値を1減算し、ステップS505では、残ゲーム数カウンタの値が0となったか否かを判定する。残ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、残ゲーム数カウンタの値が0である場合には、ステップS506にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグがクリアされることにより、遊技状態が非RT状態に移行することとなる。
このように、第6RT状態及び第7RT状態では、第1再遊技入賞等が成立したか否かを判定せず、残ゲーム数カウンタの値を1減算する処理のみを行う。そして、第6RT状態及び第7RT状態は対応する遊技状態下で7回のゲームが行われた場合に終了し、遊技状態が非RT状態に移行する。
移行判定処理の説明に戻り、ステップS554にて第13再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS557に進み、有効ライン上にベルこぼし出目が停止したか否かを判定する。ベルこぼし出目が停止した場合には、ステップS558に進み、RAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。なお、後述する第5RT設定フラグ等の他のRT設定フラグが状態情報格納エリア106cにセットされている場合には、セットされているRT設定フラグをクリアした上で第1RT設定フラグをセットする。
ステップS558にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図19は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルには、26個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、非RT状態用抽選テーブル(図13参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜26には、当選役として第1再遊技又は第1再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は非RT状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1、IV=21〜26の際に当選となる確率はそれぞれ約54.6分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.84分の1である。
ここで、図13に示すように、非RT状態では、IV=20の際に当選となった場合、第1再遊技に当選となり、IV=21の際に当選となった場合、第6再遊技に当選となり、IV=22の際に当選となった場合、第13再遊技に当選となる。IV=20〜22のいずれかで当選となる確率は約7.30分の1である。第1RT状態では、IV=20の際に当選となった場合、第1再遊技に当選となり、IV=21の際に当選となった場合、第1再遊技と第2再遊技に当選となり、IV=22の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第10再遊技に当選となり、IV=23の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=24の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第12再遊技に当選となり、IV=25の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=26の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第12再遊技に当選となる。IV=20〜26のいずれかで当選となる確率は約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,BBの各役種について非RT状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が非RT状態と異なるものに変化する。より詳しくは、非RT状態では、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞と、第6RT状態に移行する第1再遊技入賞と、第7RT状態に移行する第13再遊技入賞と、が成立する。第1RT状態では、第2RT状態に移行する第2再遊技入賞と、第6RT状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
また、第1RT状態下における停止情報第2設定処理S411では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜26の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図20は、第1RT状態下でIV=20〜26の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄と「チェリー」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、第1再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せ又は「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。同様に、第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。なお、第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、所定のタイミングでストップスイッチ42〜44が操作された場合に限って成立する。当選フラグ「24」〜当選フラグ「29」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第2再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第2再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「24」〜当選フラグ「29」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第2再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第2再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
移行判定処理の説明に戻り、ステップS557にて有効ライン上にベルこぼし出目が停止していないと判定した場合には、ステップS559に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS560に進み、RAM106の状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグ(例えば第1RT設定フラグ)をクリアするとともに第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS560にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図21は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、非RT状態用抽選テーブル(図13参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第3再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は非RT状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約24.0分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.32分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、非RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第2RT状態では、第3RT状態に移行する第3再遊技入賞と、第6RT状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第2RT状態下における停止情報第2設定処理S411では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図22は、第2RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lと右リール32Rには、「リプレイ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第3再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「30」〜当選フラグ「35」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第3再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「30」〜当選フラグ「35」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第3再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第3再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
移行判定処理の説明に戻り、第2再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS561に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS562にてRAM106の状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグ(具体的には第2RT設定フラグ)をクリアするとともに第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS562にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図23は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルには、26個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、非RT状態用抽選テーブル(図13参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第4再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されており、IV=26には、当選役として第2再遊技と第5再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は非RT状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約9.12分の1であり、IV=26の際に当選となる確率はそれぞれ約47.1分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第3RT状態に移行した場合には、非RT状態,第6RT状態及び第7RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第3RT状態では、第4RT状態に移行する第4再遊技入賞と、第5RT状態に移行する第5再遊技入賞と、第6RT状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、第2RT状態に移行する第2再遊技入賞と、が成立する。
第3RT状態下における停止情報第2設定処理S411では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜26の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図24は、第3RT状態下でIV=20〜26の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第4再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「36」〜当選フラグ「41」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第4再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第4再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「36」〜当選フラグ「41」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第4再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第4再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
また、左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「青年」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第5再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第2再遊技入賞については上述したとおりである。当選フラグ「42」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第5再遊技が対応付けられており、他の操作順序に第2再遊技が対応付けられている。したがって、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「42」がセットされている場合、6分の1の確率で第5再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第2再遊技入賞が成立する。
移行判定処理の説明に戻り、第3再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS563に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞が成立した場合には、ステップS564にてRAM106の状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグ(具体的には第3RT設定フラグ)をクリアするとともに第4RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS564にて第4RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第4RT状態であると判別し、第4RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第4RT状態で選択される第4RT状態用抽選テーブルである。第4RT状態用抽選テーブルには、23個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、非RT状態用抽選テーブル(図13参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜23には、当選役として第6再遊技又は第6再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は非RT状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約1.54分の1、IV=21の際に当選となる確率は約38.6分の1、IV=22の際に当選となる確率は約596分の1、IV=23の際に当選となる確率は約6550分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約197分の1である。つまり、第4RT状態に移行した場合には、非RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第4RT状態では、遊技状態が移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立する。
第4RT状態下における停止情報第2設定処理S411では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜23の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図26は、第4RT状態下でIV=20〜23の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32L及び右リール32Rには、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されており、中リール32Mには、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されている。このため、第6再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第6再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。また、各リール32L,32M,32Rには、「赤7」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、第6再遊技入賞成立となる「赤7」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せや第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、各ストップスイッチ42〜44が所定のタイミングで操作された場合に限って成立する。
当選フラグ「44」〜当選フラグ「46」には、6通りの操作順序の全てに対して第6再遊技が対応付けられているとともに、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の操作順序(以下、「順押し操作」という。)に対して第7再遊技と第9再遊技の少なくとも一方が対応付けられている。第7再遊技は、「赤7」図柄,「赤7」図柄,「青年」図柄の組合せであり、第9再遊技は、「赤7」図柄,「赤7」図柄,「赤7」図柄の組合せである。当選フラグ「44」〜当選フラグ「46」のいずれかがセットされている場合には、「赤7」図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作することを促すチャンス演出が行われることがある。そして、「赤7」図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を順押し操作した場合には、第6再遊技入賞ではなく第7再遊技入賞又は第9再遊技入賞が成立することとなる。
左リール32Lの11番の「スイカ」図柄〜15番の「赤7」図柄のいずれかが下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作された場合には、15番の「赤7」図柄が下段に停止するとともに17番の「赤7」図柄が上段に停止する。その後、中リール32Mの12番の「チェリー」図柄〜16番の「赤7」図柄のいずれかが中段に到達している際に中ストップスイッチ43が操作された場合には、16番の「赤7」図柄が中段に停止する。この結果、図27(a)に示すように、第1ラインL1〜第4ラインL4の全てにおいて第7再遊技入賞及び第9再遊技入賞の成立する余地が残る。
図27(a)に示す状況において、右リール32Rの9番の「赤ベル」図柄〜17番の「赤7」図柄のいずれかが下段に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、当選フラグ「47」〜当選フラグ「49」のいずれがセットされているかによって停止出目が変化する。
当選フラグ「44」がセットされている場合には、以下の停止出目となる。右ストップスイッチ44の操作タイミングが9番の「赤ベル」図柄〜11番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングである場合には、図27(b)に示すように、11番の「青年」図柄が下段に停止し、第2ラインL2及び第4ラインL4において第7再遊技入賞が成立する。右ストップスイッチ44の操作タイミングが12番の「リプレイ」図柄〜17番の「赤7」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングである場合には、図27(c)に示すように、18番の「青年」図柄が上段に停止し、第1ラインL1及び第3ラインL3において第7再遊技入賞が成立する。
当選フラグ「45」がセットされている場合には、以下の停止出目となる。右ストップスイッチ44の操作タイミングが9番の「赤ベル」図柄〜13番の「スイカ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングである場合には、図27(d)に示すように、15番の「赤7」図柄が上段に停止し、第1ラインL1及び第3ラインL3において第9再遊技入賞が成立する。右ストップスイッチ44の操作タイミングが14番の「BAR」図柄〜17番の「赤7」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングである場合には、図27(e)に示すように、17番の「赤7」図柄が下段に停止し、第2ラインL2及び第4ラインL4において第9再遊技入賞が成立する。
当選フラグ「46」がセットされている場合には、以下の停止出目となる。右ストップスイッチ44の操作タイミングが9番の「赤ベル」図柄又は10番の「白7」図柄が下段に到達しているタイミングである場合には、図27(d)に示すように、15番の「赤7」図柄が上段に停止し、第1ラインL1及び第3ラインL3において第9再遊技入賞が成立する。右ストップスイッチ44の操作タイミングが11番の「青年」図柄〜15番の「赤7」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングである場合には、図27(f)に示すように、15番の「赤7」図柄が下段に停止するとともに17番の「赤7」図柄が上段に停止し、第1ラインL1〜第4ラインL4の全ての有効ラインにおいて第9再遊技入賞が成立する。右ストップスイッチ44の操作タイミングが16番の「赤ベル」図柄又は17番の「赤7」図柄が下段に到達しているタイミングである場合には、図27(e)に示すように、17番の「赤7」図柄が下段に停止し、第2ラインL2及び第4ラインL4において第9再遊技入賞が成立する。
なお、図27(a)に示す状況において、右リール32Rの18番の「青年」図柄〜8番の「チェリー」図柄のいずれかが下段に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合には、当選フラグ「44」〜当選フラグ「46」のいずれがセットされている場合であっても、第7再遊技入賞が成立する。また、左リール32Lの16番の「チェリー」図柄又は17番の「赤7」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作された場合には、19番の「リプレイ」図柄が下段に停止し、第6再遊技入賞が成立することとなる。以下では、当選フラグ「44」を「不揃い役」、当選フラグ「45」を「シングル役」、当選フラグ「46」を「ダブル役」ともいう。また、これら当選フラグ「44」〜「46」を総称して「チャンス役」ともいう。
移行判定処理の説明に戻り、第4再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS565に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS566にてRAM106の状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグ(具体的には第3RT設定フラグ)をクリアするとともに第5RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS566にて第5RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第5RT状態であると判別し、第5RT状態用抽選テーブルを選択する。
図28は、「設定3」の第5RT状態で選択される第5RT状態用抽選テーブルである。第5RT状態用抽選テーブルは、第4RT状態用抽選テーブル(図25参照)とIV=20〜22に設定されているポイント値PVが異なるのみである。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は第4RT状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約1.60分の1、IV=21の際に当選となる確率は約27.0分の1、IV=22の際に当選となる確率は約81.9分の1、IV=23の際に当選となる確率は約6550分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約192分の1である。つまり、第5RT状態に移行した場合には、第4RT状態と比して外れの確率が高くなる。但し、第5RT状態では、第4RT状態と比してシングル役に当選となる確率が高くなるとともに、第4RT状態に移行した場合と比して遊技者の有利度合いが大きな特典が付与される。この結果、第5RT状態は、第4RT状態と比して遊技者に有利となる。第5RT状態では、第4RT状態と同様、遊技状態が移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立する。第5RT状態下における停止情報第2設定処理S411については、第4RT状態下と同じであるため、説明を省略する。
ここで、非RT状態及び各RT状態に関する遊技状態の移行について、図29を用いて説明する。
遊技状態が非RT状態である場合、第1再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第6RT状態に移行し、第13再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第7RT状態に移行する。第1再遊技の当選確率は約9.25分の1であり、第13再遊技の当選確率は約41.7分の1である。したがって、遊技状態が非RT状態である場合には、約9.25分の1の確率で第6RT状態に移行し、約41.7分の1の確率で第7RT状態に移行する。
遊技状態が第6RT状態又は第7RT状態である場合、対応する遊技状態下で所定回数(本実施の形態では7回)のゲームが行われることによって遊技状態が非RT状態に移行する。第7RT状態では、第13再遊技入賞が成立したとしても残ゲーム数カウンタに7が再度セットされることはない。また、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止したとしても遊技状態が第1RT状態に移行しない。第6RT状態についても同様である。
遊技状態が非RT状態である場合、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行する。ベルこぼし出目は、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合、IV=12〜19の際に当選となり、特殊ベル入賞が成立しなかった場合に有効ライン上に停止する。IV=12〜19のいずれかで当選となる確率は約3.90分の1である。また、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていない状況において遊技者が「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄の一方を狙って中ストップスイッチ43及び右ストップスイッチ44を操作した場合には、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率でベルこぼし出目が有効ライン上に停止する。したがって、遊技状態が非RT状態であってストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。ちなみに、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合と、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合と、には、約7.77分の1の確率で第1RT状態に移行する。なお、非RT状態では第2再遊技、第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、非RT状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。
遊技状態が第1RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行し、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞(以下、これら4つの再遊技入賞を総称して「転落再遊技入賞」という。)が成立することによって遊技状態が第6RT状態に移行する。上述したとおり、IV=21〜26の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=21〜26のいずれかで当選となる確率は約9.10分の1である。また、IV=20の際に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序に関わらず転落再遊技入賞が成立する。IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1である。したがって、遊技状態が第1RT状態であってストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で第6RT状態に移行する。つまり、第1RT状態では、第2RT状態に移行する確率よりも第6RT状態に移行する確率の方が高い。なお、第1RT状態では第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第1RT状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。
遊技状態が第2RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行し、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第6RT状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約4.00分の1である。また、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第2RT状態であってストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で第6RT状態に移行する。つまり、第2RT状態では、第3RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や第6RT状態に移行する確率の方が高い。なお、第2RT状態では第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第2RT状態から第4RT状態や第5RT状態に移行する事象は発生しない。
遊技状態が第3RT状態である場合、第4再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行し、第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第5RT状態に移行し、第2再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行し、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第6RT状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約1.52分の1である。同様に、IV=26の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=26の際に当選となる確率は約47.1分の1である。また、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第3RT状態であってストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約9.12分の1の確率で第4RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.82分の1の確率で第6RT状態に移行する。また、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、約47.1分の1の確率で第2RT状態に移行し、第5RT状態に移行しない。つまり、第3RT状態では、第4RT状態や第5RT状態に移行する確率よりも他の遊技状態に移行する確率の方が高い。
遊技状態が第4RT状態又は第5RT状態である場合、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行する。ベルこぼし出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第5RT状態であってストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。
このように、遊技状態を非RT状態から第4RT状態又は第5RT状態に移行させるためには、第1RT状態〜第3RT状態の3つのRT状態を少なくとも経由する必要がある。また、第1RT状態〜第3RT状態において転落再遊技入賞が成立した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく第6RT状態に移行する。加えて、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合には、そのときの遊技状態が第6RT状態又は第7RT状態である場合を除き、遊技状態が第1RT状態に移行する。このため、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていない場合には、遊技状態を第4RT状態又は第5RT状態に移行させることが困難なものとなっている。ちなみに、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されていない状況では、非RT状態から第4RT状態に移行する確率が約62000分の1となる。
次に、ステップS213のBB状態処理を図30のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS602〜ステップS605に示すBB判定処理を行う。
BB判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS604にてRAM106の状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。またこのとき、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたBB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに442をセットし、残払出枚数表示部61に442を表示させる処理を行う。ステップS604及びステップS605の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、BB状態用抽選テーブルを選択する。
遊技状態がBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS606にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、例えば残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にBB設定フラグをクリアして遊技状態を非RT状態とする処理を行う。
いずれのBB当選フラグもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、いずれのBB入賞も成立していない場合(ステップS603がNOの場合)と、ステップS605にて残払出数カウンタに442をセットした場合と、ステップS606にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS607に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS607では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。
状態コマンドをセットした後、ステップS608〜ステップS614では、ホール管理装置等に大当たりが発生したことを示す大当たり信号を出力する信号出力処理を行う。具体的には、先ずステップS608にて外部集中端子板121からホール管理装置等に大当たり信号を出力しているか否かを判定する。大当たり信号を出力していない場合には、ステップS609に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS610にて現在の遊技状態が第4RT状態又は第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態,第4RT状態,第5RT状態のいずれでもない場合には、そのまま本処理を終了し、現在の遊技状態がBB状態,第4RT状態,第5RT状態のいずれかである場合には、ステップS611にて外部集中端子板121から大当たり信号の出力を開始する出力開始処理を行い、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、遊技状態がBB状態に移行した場合と、第4RT状態に移行した場合と、第5RT状態に移行した場合と、に大当たり信号を出力する。このため、スロットマシン10と当該スロットマシン10の大当たり回数を表示する大当たりカウンタとを接続して設置する遊技場等においては、BB状態に移行した場合に加えて、第4RT状態又は第5RT状態に移行した場合にも大当たりカウンタに表示することができる。なお、BB状態に移行した場合の大当たり信号と、第4RT状態に移行した場合の大当たり信号と、第5RT状態に移行した場合の大当たり信号と、を外部集中端子板121の異なる出力部から出力する構成としても良い。これら構成とした場合には、大当たりカウンタにおいて、BB状態に移行した回数と、第4RT状態に移行した回数と、第5RT状態に移行した回数と、を別個に表示することが可能となる。BB状態に移行した場合の大当たり信号と、第4RT状態又は第5RT状態に移行した場合の大当たり信号と、を外部集中端子板121の異なる出力部から出力する構成としても良い。
ステップS608にて大当たり信号を出力していると判定した場合には、ステップS612に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS613にて現在の遊技状態が第4RT状態又は第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態,第4RT状態,第5RT状態のいずれかである場合には、そのまま本処理を終了する。一方、現在の遊技状態がBB状態,第4RT状態,第5RT状態のいずれでもない場合には、対応する遊技状態が終了したことを意味するため、ステップS614にて大当たり信号の出力を停止する出力停止処理を行い、本処理を終了する。
ここで、本スロットマシン10の遊技性について簡単に説明する。本スロットマシン10では、上述したとおり、大別して非RT状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態,第6RT状態,第7RT状態,BB状態の9種類の遊技状態を有している。但し、本スロットマシン10では、第1BB当選確率が約16400分の1,第2BB当選確率が約2050分の1と非常に低いため、BB状態以外の遊技状態下での遊技が中心となり、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される状況下で所有メダルを増加させる遊技性となる。また、本スロットマシン10では、BB状態下におけるBB期間と、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されないために第4RT状態及び第5RT状態へ移行させることが困難となる第1遊技期間と、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されることで第4RT状態及び第5RT状態へ移行させることが容易となる第2遊技期間と、第4RT状態又は第5RT状態でストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される第3遊技期間と、第4RT状態又は第5RT状態でストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されなくなる第4遊技期間と、のいずれかの遊技期間において遊技を行うこととなる。ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知するか否かは、表示制御装置81が決定している。そこで以下では、表示制御装置81が行う各種処理について、図31〜図45のフローチャートを参照しながら説明する。なお、理解を容易なものとするため、第1遊技期間〜第4遊技期間の各遊技期間において表示制御装置81が行う各種処理を個別に説明することとする。
先ず、第1遊技期間において表示制御装置81が行う各種処理を説明する。
図31は、状態コマンド処理を示すフローチャートである。
ステップS701では、主制御装置101から状態コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。状態コマンドを受信した場合には、ステップS702に進み、状態コマンドの示す遊技状態を表示制御装置81のRAMに記憶する。ステップS703では、今回のゲームがBB状態の終了したゲームであるか否かを判定する。具体的には、先のゲームでBB状態であることを示す状態コマンドを受信し、今回のゲームで通常遊技状態であることを示す状態コマンドを受信したか否かを判定する。今回のゲームがBB状態の終了したゲームである場合には、ステップS704に進み、待機ゲーム数抽選処理を行う。待機ゲーム数抽選処理では、表示制御装置81が取得する乱数に基づいて、1〜1280のいずれかの値を取得する。ステップS705では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を、表示制御装置81のRAMに設けられた待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
待機ゲーム数抽選処理についてより具体的に説明すると、待機ゲーム数抽選処理では、表示制御装置81が取得する乱数に基づいて、滞在モードを決定するとともに、決定した滞在モード下で待機ゲーム数の抽選を行う。本スロットマシン10では、滞在モードとして、第1滞在モードと、第2滞在モードと、第3滞在モードと、を備えている。滞在モードの決定に際しては、後述する変則到達フラグがセットされていない場合、現在の滞在モードを参照し、今後の滞在モードすなわち次ゲーム以降の滞在モードを決定する。例えば「設定3」の場合には、現在の滞在モードが第1滞在モードである場合、約74.2%の割合で今後の滞在モードを第1滞在モードと決定し、約14.1%の割合で今後の滞在モードを第2滞在モードと決定し、約11.7%の割合で今後の滞在モードを第3滞在モードと決定する。現在の滞在モードが第2滞在モードである場合には、約20.3%の割合で今後の滞在モードを第2滞在モードと決定し、約79.7%の割合で今後の滞在モードを第3滞在モードと決定する。現在の滞在モードが第3滞在モードである場合には、約47.3%の割合で今後の滞在モードを第1滞在モードと決定し、約52.7%の割合で今後の滞在モードを第3滞在モードと決定する。また、表示制御装置81のROMには、第1滞在モード〜第3滞在モードのそれぞれに対して用意された待機ゲーム数テーブルが記憶されている。待機ゲーム数の抽選では、決定した滞在モードと対応する待機ゲーム数テーブルを参照し、表示制御装置81が取得した乱数と対応する待機ゲーム数を取得する。
「設定3」の第1滞在モードでは、約16.75%の割合で待機ゲーム数として1〜128のいずれかを取得し、約2.43%の割合で待機ゲーム数として129〜256のいずれかを取得し、約13.42%の割合で待機ゲーム数として257〜384のいずれかを取得し、約1.22%の割合で待機ゲーム数として385〜512のいずれかを取得し、約1.22%の割合で待機ゲーム数として513〜640のいずれかを取得し、約13.42%の割合で待機ゲーム数として641〜768のいずれかを取得し、約1.22%の割合で待機ゲーム数として769〜896のいずれかを取得し、約19.53%の割合で待機ゲーム数として897〜1024のいずれかを取得し、約6.10%の割合で待機ゲーム数として1025〜1152のいずれかを取得し、約24.69%の割合で待機ゲーム数として1153〜1280のいずれかを取得する。
「設定3」の第2滞在モードでは、約15.64%の割合で待機ゲーム数として1〜128のいずれかを取得し、約18.29%の割合で待機ゲーム数として129〜256のいずれかを取得し、約0.30%の割合で待機ゲーム数として257〜384のいずれかを取得し、約0.30%の割合で待機ゲーム数として385〜512のいずれかを取得し、約14.03%の割合で待機ゲーム数として513〜640のいずれかを取得し、約0.30%の割合で待機ゲーム数として641〜768のいずれかを取得し、約0.30%の割合で待機ゲーム数として769〜896のいずれかを取得し、約12.50%の割合で待機ゲーム数として897〜1024のいずれかを取得し、約12.20%の割合で待機ゲーム数として1025〜1152のいずれかを取得し、約26.14%の割合で待機ゲーム数として1153〜1280のいずれかを取得する。
「設定3」の第3滞在モードでは、100%の割合で待機ゲーム数として1〜128のいずれかを取得する。
このように、本スロットマシン10では、第1滞在モード〜第3滞在モードのいずれに滞在するかによって取得される待機ゲーム数の値が変化するようになっている。
ステップS703にて今回のゲームがBB状態の終了したゲームでないと判定した場合には、ステップS706に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされている場合には、ステップS707にて罰則確認処理を行った後に本処理を終了する。また、罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS708〜ステップS712に示す待機ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。罰則確認処理については後述することとし、待機ゲーム数減算処理について説明する。
待機ゲーム数減算処理では、ステップS708にて待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、ステップS709にて待機ゲーム数カウンタの値を1減算する。続くステップS710では、減算後の待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、ステップS711にて報知フラグをセットするとともに、ステップS712にて表示制御装置81のRAMに設けられた報知回数カウンタに15をセットし、本処理を終了する。
このように、表示制御装置81は、BB状態が終了した場合すなわちBB期間が終了した場合、1〜1280のいずれかの値を待機ゲーム数としてセットする。そして、罰則フラグがセットされていない場合には、状態コマンドを受信する毎に(すなわち1回のゲームが終了する毎に)待機ゲーム数を1減算し、待機ゲーム数が0となった場合に報知フラグをセットする。報知フラグがセットされることにより、第1遊技期間が終了して第2遊技期間に移行することとなる。
次に、抽選結果コマンド処理を、図32のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS801では、主制御装置101から抽選結果コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。抽選結果コマンドを受信した場合には、ステップS802に進み、罰則フラグがセットされていないか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS803に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。第1遊技期間では、報知フラグがセットされていないため否定判定をし、ステップS804に進む。ステップS804では、第2報知フラグがセットされているか否かを判定する。詳細は後述するが、第2報知フラグとは、遊技期間が第3遊技期間に移行する場合に表示制御装置81のRAMにセットされるフラグである。第1遊技期間では、第2報知フラグがセットされていないため否定判定をし、ステップS805に進む。ステップS805では、移行フラグがセットされているか否かを判定する。詳細は後述するが、移行フラグとは、遊技期間が第4遊技期間に移行する場合に表示制御装置81のRAMにセットされるフラグである。第1遊技期間では、移行フラグがセットされていないため否定判定をし、ステップS806に進む。ステップS806では、解除役に当選しているか否かを判定する。具体的には、チェリー,第1スイカ,第2スイカのいずれかに当選しているか否か、より詳しくは、抽選結果コマンドの示す情報が当選フラグ「3」〜当選フラグ「6」(図13等参照)のいずれかを示す情報であるか否かを判定する。解除役に当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、解除役に当選している場合には、ステップS807にて表示制御装置81が取得する乱数に基づいて解除抽選を行う。ステップS808では解除抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、解除抽選に当選した場合には、ステップS809にて待機ゲーム数カウンタの値を0とするとともに、ステップS810にて報知フラグをセットする。その後、ステップS811にて報知回数カウンタに15をセットし、本処理を終了する。
このように、表示制御装置81は、罰則フラグがセットされていない状況において解除役に当選するとともに解除抽選に当選した場合、そのときの待機ゲーム数カウンタの値に関わらず待機ゲーム数カウンタの値を0とするとともに報知フラグをセットする。この結果、第1遊技期間が終了して第2遊技期間に移行することとなる。
次に、入賞結果コマンド処理を、図33のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS901では、主制御装置101から入賞結果コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。入賞結果コマンドを受信した場合には、ステップS902に進み、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態又は第5RT状態に移行することを意味し、遊技期間が第3遊技期間に移行することを意味する。かかる場合には、ステップS903にて遊技期間移行処理を行った後に本処理を終了する。なお、遊技期間移行処理については、後述することとする。
ステップS902にて第4再遊技入賞及び第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS904に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。第1遊技期間では、報知フラグがセットされていないため否定判定をし、ステップS905に進む。ステップS905では、第2報知フラグがセットされているか否かを判定する。第1遊技期間では、第2報知フラグがセットされていないため否定判定をし、ステップS906に進む。ステップS906では、移行フラグがセットされているか否かを判定する。第1遊技期間では、移行フラグがセットされていないため否定判定をし、ステップS907に進む。ステップS907では、罰則フラグがセットされていないか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS908に進み、ベル入賞が成立したか否かを判定する。ベル入賞が成立した場合には、ステップS909にて表示制御装置81のRAMに設けられた連続成立数カウンタに1を加算する。ステップS910では、連続成立数カウンタの値が4となったか否かを判定する。連続成立数カウンタの値が4でない場合には、そのまま本処理を終了し、連続成立数カウンタの値が4である場合には、ステップS911にて待機ゲーム数カウンタの値を0とするとともに、ステップS912にて報知フラグをセットする。その後、ステップS913にて報知回数カウンタに15をセットし、本処理を終了する。一方、ステップS908にてベル入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS914にて連続成立数カウンタの値を0とし、本処理を終了する。
このように、表示制御装置81は、罰則フラグがセットされていない状況において4ゲーム連続してベル入賞が成立した場合、そのときの待機ゲーム数カウンタの値に関わらず待機ゲーム数カウンタの値を0とするとともに報知フラグをセットする。この結果、第1遊技期間が終了して第2遊技期間に移行することとなる。
次に、報知フラグがセットされることで第1遊技期間から移行する第2遊技期間において表示制御装置81が行う各種処理を説明する。
第2遊技期間では、待機ゲーム数カウンタの値が0となっている。このため、状態コマンド処理(図31参照)では、状態コマンドを受信した場合、ステップS702にて状態コマンドの示す遊技状態を表示制御装置81のRAMに記憶する。その後、ステップS708にて肯定判定をし、本処理を終了する。
第2遊技期間における抽選結果コマンド処理(図32参照)では、報知フラグがセットされているためステップS803にて肯定判定をし、ステップS812にて報知中抽選処理を行った後に本処理を終了する。
報知中抽選処理では、図34のフローチャートに示すように、ステップS1001にて特殊ベルに当選しているか否かを判定するとともに、ステップS1002にて転落再遊技に当選しているか否かを判定する。具体的に説明すると、第2遊技期間では、ステップS1001において、抽選結果コマンドの示す情報が当選フラグ「8」〜当選フラグ「19」(図13,図15参照)のいずれかを示す情報であるか否かを判定し、ステップS1002において、抽選結果コマンドの示す情報が当選フラグ「20」,当選フラグ「23」〜当選フラグ「42」(図13,図20,図22,図24参照)のいずれかを示す情報であるか否かを判定する。特殊ベル又は転落再遊技に当選している場合には、ステップS1003に進み、現在の遊技状態が非RT状態であるか否かを判定する。第2遊技期間において現在の遊技状態が非RT状態でないと判定した場合には、現在の遊技状態が第1RT状態〜第3RT状態,第6RT状態,第7RT状態のいずれかであることを意味する。かかる場合には、ステップS1004にてストップスイッチ42〜44の操作順序を報知すべく補助表示部65の駆動制御を開始し、ステップS1005に進む。このとき、ステップS1001にて特殊ベルに当選していると判定した場合には、特殊ベル入賞ではなくベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序を報知し、ステップS1002にて転落再遊技に当選していると判定した場合には、転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第5再遊技入賞(以下、これらを総称して「昇格再遊技入賞」ともいう。)のいずれかを成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する。
ちなみに、当選フラグ「42」は、第2再遊技と第5再遊技に当選となったことを示す当選フラグであり、転落再遊技たる第1再遊技,第10再遊技,第11再遊技,第12再遊技のいずれにも当選となっていない。しかしながら、第5再遊技入賞が第3RT状態から第5RT状態に昇格させる入賞態様であるのに対し、第2再遊技入賞が第3RT状態から第2RT状態に転落させる入賞態様であるため、ステップS1002では、当選フラグ「42」を示す情報を受信した場合にも転落再遊技に当選したものとみなし、肯定判定を行う。
ステップS1003にて現在の遊技状態が非RT状態であると判定した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知することなくそのままステップS1005に進む。これは以下の理由による。すなわち、非RT状態から第1RT状態に移行させるためには、有効ライン上にベルこぼし出目が停止するようストップスイッチ42〜44が操作される必要がある。ベルこぼし出目はベル入賞及び特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止するものであるため、ベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序を報知した場合には、非RT状態から第1RT状態に移行させることができないからである。また、転落再遊技たる第1再遊技に当選となった場合にストップスイッチ42〜44の操作順序を報知しないのは、非RT状態下では転落再遊技のみに当選となって昇格再遊技に当選とならない(図13参照)ため、転落再遊技入賞の成立を回避できないからである。
ステップS1005では、第1変則フラグがセットされていないか否かを判定する。第1変則フラグがセットされていない場合には、ステップS1006にて上乗せ判定処理を行い、本処理を終了する。
上乗せ判定処理では、図35のフローチャートに示すように、ステップS1101にて表示制御装置81が取得した乱数に基づいて上乗せ抽選を行う。ステップS1102では、上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選に当選した場合には、ステップS1103にて報知回数カウンタの値に1を加算した後に本処理を終了し、上乗せ抽選に当選しなかった場合には、そのまま本処理を終了する。
報知中抽選処理の説明に戻り、ステップS1002にて転落再遊技に当選していないと判定した場合には、ステップS1007に進み、第1変則フラグがセットされていないか否かを判定する。第1変則フラグがセットされていない場合には、ステップS1008にて解除役に当選しているか否かを判定する。解除役に当選している場合には、ステップS1009にて第1蓄積判定処理を行う。
第1蓄積判定処理では、図36のフローチャートに示すように、ステップS1201にて表示制御装置81が取得した乱数に基づいて蓄積抽選を行う。表示制御装置81のROMには、蓄積抽選テーブルが予め記憶されており、当該蓄積抽選テーブルには、表示制御装置81が取得した乱数値と、蓄積抽選において取得する値と、の対応関係が定められている。当該蓄積抽選テーブルは、解除役の各当選フラグと対応させて用意されるとともに、設定状態毎に用意されている。例えば「設定3」の場合、蓄積抽選では以下の値を取得する。当選フラグ「3」の場合、すなわちチェリーに当選している場合には、約90%の割合で0を取得し、約9%の割合で1を取得し、約0.9%の割合で2を取得し、約0.1%の割合で3を取得する。当選フラグ「4」の場合、すなわち第1スイカに当選している場合には、約95%の割合で0を取得し、約4.5%の割合で1を取得し、約0.5%の割合で2を取得する。当選フラグ「5」の場合、すなわち第2スイカに当選している場合には、約80%の割合で0を取得し、約10%の割合で1を取得し、約6%の割合で2を取得し、約4%の割合で3を取得する。当選フラグ「6」の場合、すなわちチェリーと第2スイカに当選している場合には、約50%の割合で0を取得し、約30%の割合で3を取得し、約20%の割合で5を取得する。ステップS1202では、蓄積抽選にて取得した値が1以上であるか否かを判定し、1より小さい、すなわち0である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、取得した値が1以上である場合には、ステップS1203に進み、表示制御装置81のRAMに設けられた蓄積数カウンタに、蓄積抽選にて取得した値を加算する。その後、本処理を終了する。
報知中抽選処理の説明に戻り、ステップS1008にて解除役に当選していないと判定した場合と、ステップS1009にて第1蓄積判定処理を行った場合と、には、ステップS1010に進み、上述した上乗せ判定処理を行う。その後、本処理を終了する。
第2遊技期間における入賞結果コマンド処理(図33参照)では、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合、ステップS902にて肯定判定をし、ステップS903にて遊技期間移行処理を行った後に本処理を終了する。
遊技期間移行処理では、図37のフローチャートに示すように、ステップS1301にて報知フラグがセットされているか否かを判定する。第2遊技期間では、報知フラグがセットされているため、ステップS1301にて肯定判定をする。ステップS1302では、報知フラグをクリアし、ステップS1303では、第2報知フラグをセットする。第2報知フラグがセットされることにより、遊技期間が第3遊技期間に移行する。ステップS1304では、報知回数抽選を行う。報知回数抽選では、表示制御装置81が取得した乱数と、第4再遊技入賞と第5再遊技入賞のいずれが成立したかと、に基づいて、所定の値を取得する。ちなみに、第4再遊技入賞が成立した場合には、報知回数抽選にて取得される値の平均が13となり、第5再遊技入賞が成立した場合には、報知回数抽選にて取得される値の平均が16となる。つまり、第5再遊技入賞が成立した場合の方が、第4再遊技入賞が成立した場合よりも大きい値が取得される可能性が高くなる。ステップS1305では、報知回数抽選にて取得した値を報知回数カウンタの値に加算する。その後、本処理を終了する。
ステップS1301にて報知フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1306にて罰則フラグがセットされていないか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS1307にて報知回数カウンタの値に15をセットする。このとき、待機ゲーム数カウンタの値を0とする。ステップS1303では、第2報知フラグをセットする。その後、ステップS1304にて報知回数抽選を行うとともに、ステップS1305にて取得した値を報知回数カウンタの値に加算し、本処理を終了する。なお、ステップS1301にて報知フラグがセットされていないと判定する状況としては、第2遊技期間ではなく第1遊技期間において第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立する状況、すなわち遊技者が約62000分の1の確率を引き当てた状況が該当する。
入賞結果コマンド処理の説明に戻り、第4再遊技入賞及び第5再遊技入賞が成立しなかった場合には、報知フラグがセットされているためステップS904にて肯定判定をし、ステップS915にて報知中入賞処理を行った後に本処理を終了する。
報知中入賞処理では、図38のフローチャートに示すように、ステップS1401にて転落再遊技入賞が成立したか否かを判定するとともに、ステップS1402にてベルこぼし出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。転落再遊技入賞が成立せず、且つ、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止しなかった場合には、そのまま本処理を終了する。一方、転落再遊技入賞が成立した場合と、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が非RT状態又は第6RT状態に移行することを意味する。かかる場合には、ステップS1403にて現在の遊技状態が非RT状態であるか否かを判定する。なお、報知中入賞処理は入賞結果コマンドの受信に基づいて行われる処理であり、主制御装置101は、入賞結果コマンドを送信した後に状態コマンドを送信する。したがって、ステップS1403では、1ゲーム前に受信した状態コマンドの示す遊技状態に基づいて非RT状態であるか否かを判定する。非RT状態下でベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が非RT状態から第1RT状態に移行すること、すなわち非RT状態から第4RT状態又は第5RT状態に向けて昇格移行が行われることを意味する。また、非RT状態下では、転落再遊技入賞(より詳しくは第1再遊技入賞)の成立を回避できない。そこで、現在の遊技状態が非RT状態である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、現在の遊技状態が非RT状態でない場合には、ステップS1404〜ステップS1407に示す罰則設定処理を行った後に本処理を終了する。なお、罰則設定処理については、理解を容易なものとするため後述することとする。
次に、第2報知フラグがセットされることで移行する第3遊技期間において表示制御装置81が行う各種処理を説明する。
第3遊技期間では、待機ゲーム数カウンタの値が0となっている。このため、状態コマンド処理(図31参照)では、状態コマンドを受信した場合、ステップS702にて状態コマンドの示す遊技状態を表示制御装置81のRAMに記憶する。その後、ステップS708にて肯定判定をし、本処理を終了する。
第3遊技期間における抽選結果コマンド処理(図32参照)では、第2報知フラグがセットされているためステップS804にて肯定判定をし、ステップS813にて第2報知中抽選処理を行った後に本処理を終了する。
第2報知中抽選処理では、図39のフローチャートに示すように、ステップS1501にて特殊ベルに当選しているか否かを判定する。特殊ベルに当選している場合には、ステップS1502に進み、ベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序を報知すべく補助表示部65の駆動制御を開始する。その後、ステップS1503にて報知回数カウンタの値を1減算し、本処理を終了する。ステップS1501にて特殊ベルに当選していないと判定した場合には、ステップS1504に進み、第2変則フラグがセットされていないか否かを判定する。第2変則フラグがセットされていない場合には、ステップS1505にて解除役に当選しているか否かを判定する。解除役に当選している場合には、ステップS1506にて上述した第1蓄積判定処理を行い、本処理を終了する。解除役に当選していない場合には、ステップS1507にてチャンス役に当選しているか否かを判定する。チャンス役に当選している場合には、ステップS1508にて第2蓄積判定処理を行った後に本処理を終了し、チャンス役に当選していない場合には、そのまま本処理を終了する。
第2蓄積判定処理では、図40のフローチャートに示すように、ステップS1601において、チャンス演出を実行させるべく補助表示部65の駆動制御を開始する。チャンス演出では、補助表示部65に「「赤7」図柄を狙え!」と表示される。ステップS1602では、シングル役に当選しているか否かを判定する。シングル役に当選している場合には、ステップS1603にて蓄積数カウンタの値に1を加算し、本処理を終了する。シングル役に当選していない場合には、ステップS1604にてダブル役に当選しているか否かを判定する。ダブル役に当選している場合には、ステップS1605にて蓄積数カウンタの値に2を加算し、本処理を終了する。シングル役及びダブル役に当選していない場合には、不揃い役に当選していることを意味する。かかる場合には、蓄積数カウンタの値を変更することなくそのまま本処理を終了する。
次に、第3遊技期間における入賞結果コマンド処理を、図33のフローチャートに基づいて説明する。
第3遊技期間では、遊技状態が第4RT状態又は第5RT状態に移行しているため、第4再遊技入賞及び第5再遊技入賞が成立することはない。このため、入賞結果コマンドを受信した場合には、ステップS902にて否定判定をするとともに、ステップS905にて第2報知フラグがセットされていると判定する。そして、ステップS916にて第2報知中入賞処理を行い、本処理を終了する。
第2報知中入賞処理では、図41のフローチャートに示すように、ステップS1701にてベルこぼし出目が有効ライン上に停止しなかったか否かを判定する。第2報知中抽選処理にて説明したとおり、第3遊技期間では、特殊ベルに当選した場合、ベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される。このため、報知された操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合には、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止するのではなくベル入賞が成立する。ベルこぼし出目が有効ライン上に停止しなかった場合には、ステップS1702に進み、報知回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、報知回数カウンタの値が0である場合には、ステップS1703にて第2報知フラグをクリアするとともに、ステップS1704にて移行フラグをセットし、本処理を終了する。移行フラグがセットされることにより、第3遊技期間から第4遊技期間に移行することとなる。
次に、移行フラグがセットされることで移行する第4遊技期間において表示制御装置81が行う各種処理を説明する。
第4遊技期間では、待機ゲーム数カウンタの値が0となっている。このため、状態コマンド処理(図31参照)では、状態コマンドを受信した場合、ステップS702にて状態コマンドの示す遊技状態を表示制御装置81のRAMに記憶する。その後、ステップS708にて肯定判定をし、本処理を終了する。
第4遊技期間における抽選結果コマンド処理(図32参照)では、移行フラグがセットされているためステップS805にて肯定判定をし、ステップS814にて移行中抽選処理を行った後に本処理を終了する。
移行中抽選処理では、図42のフローチャートに示すように、ステップS1801において特殊ベルに当選しているか否かを判定する。特殊ベルに当選している場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、第4遊技期間では、第2遊技期間及び第3遊技期間とは異なり、ベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されなくなる。ステップS1801にて特殊ベルに当選していないと判定した場合には、ステップS1802にて第2変則フラグがセットされていないか否かを判定する。第2変則フラグがセットされていない場合には、ステップS1803に進み、解除役に当選しているか否かを判定する。解除役に当選している場合には、ステップS1804にて上述した第1蓄積判定処理を行い、本処理を終了する。解除役に当選していない場合には、ステップS1805に進み、チャンス役に当選しているか否かを判定する。チャンス役に当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、チャンス役に当選している場合には、ステップS1806にて上述した第2蓄積判定処理を行い、本処理を終了する。
次に、入賞結果コマンド処理を、図33のフローチャートに基づいて説明する。
第4遊技期間では、遊技状態が第4RT状態又は第5RT状態に移行しているため、第4再遊技入賞及び第5再遊技入賞が成立することはない。このため、入賞結果コマンドを受信した場合には、ステップS902にて否定判定をするとともに、ステップS906にて移行フラグがセットされていると判定する。そして、ステップS917にて移行中入賞処理を行い、本処理を終了する。
移行中入賞処理では、図43のフローチャートに示すように、ステップS1901にてベルこぼし出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。ベルこぼし出目が有効ライン上に停止していない場合には、遊技状態が移行しないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が第4RT状態又は第5RT状態から第6RT状態に移行することを意味する。かかる場合には、ステップS1902〜ステップS1913に示す移行先決定処理を行った後に本処理を終了する。
移行先決定処理では、ステップS1902にて第1変則フラグ及び第2変則フラグがセットされていないか否かを判定する。いずれの変則フラグもセットされていない場合には、ステップS1903に進み、移行フラグをクリアする。ステップS1904では、蓄積数カウンタの値が0でないか否かを判定する。蓄積数カウンタの値が0でない場合には、ステップS1905にて蓄積数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS1906にて報知フラグをセットするとともに、ステップS1907にて報知回数カウンタに15をセットし、本処理を終了する。つまり、蓄積数カウンタの値が0でない場合には、第4遊技期間から第1遊技期間を経ることなく第2遊技期間に移行する。第2遊技期間に移行してから第4遊技期間が終了するまでの期間、すなわち待機ゲーム数カウンタの値が0である期間を1つの大当たり期間とみなした場合には、蓄積数カウンタの値が0でない場合、所謂1ゲーム連が発生することとなる。一方、ステップS1904にて蓄積数カウンタの値が0であると判定した場合には、ステップS1908にて変則到達フラグがセットされていないか否かを判定する。変則到達フラグがセットされていない場合には、ステップS1909にて待機ゲーム数抽選処理を行うとともに、ステップS1910にて取得した値を待機ゲーム数カウンタにセットし、本処理を終了する。ステップS1903にて移行フラグがクリアされるとともに、ステップS1910にて待機ゲーム数がセットされることにより、蓄積数カウンタの値が0である場合には、遊技期間が第4遊技期間から第1遊技期間に移行することとなる。
本スロットマシン10では、第1遊技期間において左ストップスイッチ42を最初に操作することと、第2遊技期間及び第3遊技期間においてストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されればその操作順序で操作することと、を前提として各役の当選確率及び遊技性等が設計されている。そこで以下では、上記前提に従って遊技が行われた(以下、当該事象を「通常遊技が行われた」という。)場合の遊技性を説明する。なお、通常遊技を行った場合、罰則フラグ,第1変則フラグ,第2変則フラグ,変則到達フラグがセットされることはない。
第1遊技期間では、特殊ベルや転落再遊技に当選となった場合にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されない。ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されない状況における1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は上述したとおりである。すなわち、遊技状態が非RT状態である場合には、約9.25分の1の確率で第6RT状態に移行し、約41.7分の1の確率で第7RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。遊技状態が第1RT状態である場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で第6RT状態に移行する。遊技状態が第2RT状態である場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で第6RT状態に移行する。遊技状態が第3RT状態である場合には、約9.12分の1の確率で第4RT状態に移行し、約47.1分の1の確率で第2RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.82分の1の確率で第6RT状態に移行する。遊技状態が第6RT状態又は第7RT状態である場合には、7回のゲームが行われた場合に限って非RT状態に移行する。以上の結果、第1遊技期間では、非RT状態から第4RT状態に移行する確率が約62000分の1、すなわち非RT状態から第4RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約62000回となり、第4RT状態に移行させることが非常に困難となる。また、第1遊技期間において通常遊技を行った場合には、第5RT状態に移行しない。
第1遊技期間では、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値がセットされる。待機ゲーム数が0となった場合には遊技期間が第2遊技期間に移行するため、遊技者は、待機ゲーム数が0となるように毎回のゲームを行う必要がある。待機ゲーム数は、通常遊技を行うことで1減算される。また、解除役に当選するとともに解除抽選に当選した場合と、ベル入賞を4ゲーム連続して成立させた場合と、に待機ゲーム数が0とされる。
第1遊技期間では、通常遊技を行った場合、1ゲームあたりのメダル払出の期待値が、非RT状態,第1RT状態,第6RT状態,第7RT状態において約1.44枚となり、第2RT状態において約1.78枚となり、第3RT状態において約3.07枚となる。第1遊技期間では、非RT状態,第1RT状態,第6RT状態,第7RT状態のいずれかで遊技を行うことが中心となるため、1ゲーム行う毎に所有メダルが減少していくこととなる。
待機ゲーム数が0となった場合には、第2遊技期間に移行する。
第2遊技期間では、遊技状態が第1RT状態〜第3RT状態,第6RT状態,第7RT状態のいずれかである場合、特殊ベルに当選した場合にベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序が報知され、転落再遊技に当選した場合に昇格再遊技入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される。したがって、報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作することにより、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率が以下のとおりとなる。遊技状態が非RT状態である場合には、約9.25分の1の確率で第6RT状態に移行し、約41.7分の1の確率で第7RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。遊技状態が第1RT状態である場合には、約9.10分の1の確率で第2RT状態に移行する。遊技状態が第2RT状態である場合には、約4.00分の1の確率で第3RT状態に移行する。遊技状態が第3RT状態である場合には、約1.52分の1の確率で第4RT状態に移行し、約47.1分の1の確率で第5RT状態に移行する。以上の結果、第2遊技期間では、非RT状態から第4RT状態に移行する確率が約19.8分の1、すなわち非RT状態から第4RT状態に移行するまでに要するゲーム数の期待値が約19.8ゲームとなり、第4RT状態に移行させることが非常に容易となる。また、第2遊技期間では、第3RT状態下でIV=26の際に当選となった場合、すなわち第2再遊技と第5再遊技に当選となった場合、第5再遊技入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される。したがって、第2遊技期間では、第1遊技期間と異なり、通常遊技を行うことで第5RT状態に移行させることが可能となる。ちなみに、第3RT状態から第4RT状態に移行する確率は32分の31であり、第3RT状態から第5RT状態に移行する確率は32分の1である。
第2遊技期間では、報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合、1ゲームあたりのメダル払出の期待値が、非RT状態,第1RT状態,第6RT状態,第7RT状態において約3.17枚となり、第2RT状態において約3.51枚となり、第3RT状態において約4.80枚となる。したがって、遊技者は、第3遊技期間に移行するまでの間、所有メダルを増加させつつ遊技を行うことができる。
第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技期間が第3遊技期間に移行する。
第3遊技期間では、第2遊技期間と同様、特殊ベルに当選した場合にベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される。したがって、報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作することにより、第4RT状態又は第5RT状態を維持しつつ遊技を行うことができる。第3遊技期間では、特殊ベルに当選した場合に報知回数カウンタの値が1減算され、報知回数カウンタの値が0となった場合に第2報知フラグがクリアされるとともに移行フラグがセットされる。つまり、第3遊技期間は、ベル入賞を成立させるためのストップスイッチ42〜44の操作順序を報知回数分だけ報知した場合に終了する。
ここで、報知回数カウンタには、第1遊技期間から第2遊技期間に移行する場合に15がセットされる。また、第2遊技期間の各ゲームでは上乗せ判定処理が行われる。上乗せ抽選に当選した場合には、報知回数カウンタの値に1が加算される。したがって、第2遊技期間においてゲーム数を多く消化するほど、報知回数カウンタの値が大きくなることを期待でき、第3遊技期間が長くなることを期待できる。加えて、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合、すなわち第3遊技期間に移行する場合には、遊技期間移行処理において報知回数抽選が行われ、報知回数カウンタの値がさらに加算される。第4再遊技入賞が成立した場合の平均加算値は13であり、第5再遊技入賞が成立した場合の平均加算値は16である。したがって、第5再遊技入賞が成立した場合の方が、第4再遊技入賞が成立した場合よりも第3遊技期間が長くなることを期待できる。
第3遊技期間における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合、第4RT状態と第5RT状態のいずれであっても約4.80枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第3遊技期間では1ゲームあたりにメダルが約1.80枚増加することを期待できる。第3遊技期間におけるメダルの増加数は報知回数カウンタの値に依存するため、所有メダルを増加させるためには、第2遊技期間に多くのゲームを行って上乗せ抽選の当選回数を多くすることと、第4再遊技入賞ではなく第5再遊技入賞を成立させて報知回数抽選で大きい値を取得させることと、が重要となる。
報知回数カウンタの値が0となった場合には、遊技期間が第4遊技期間に移行する。
第4遊技期間では、特殊ベルに当選した場合、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されない。そして、ベルこぼし出目を有効ライン上に停止させてしまった場合には、第4遊技期間が終了することとなる。このため、遊技者は、ベル入賞を成立させることができる操作順序を推測した上でストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。特殊ベルに当選となる確率は約3.33分の1である。そして、図25等に示すように、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合にベル入賞を成立させることができるインデックス値IV(=8〜11)の当選確率と、中ストップスイッチ42を最初に操作した場合にベル入賞を成立させることができるインデックス値IV(=12〜15)の当選確率と、右ストップスイッチ44を最初に操作した場合にベル入賞を成立させることができるインデックス値IV(=16〜19)の当選確率と、が異なっている。このため、特殊ベルに当選となった場合、左ストップスイッチ42を最初に操作すれば14%の割合でベル入賞が成立し、中ストップスイッチ43を最初に操作すれば43%の割合でベル入賞が成立し、右ストップスイッチ43を最初に操作すれば43%の割合でベル入賞が成立する。また、ベル入賞が成立しなかった場合には、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率でベルこぼし出目が有効ライン上に停止する。したがって、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止する確率(第4遊技期間が終了する確率)は、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合、約5.20分の1となり、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合、約7.77分の1となる。
ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合には、蓄積数カウンタの値が0でなければ第4遊技期間から第2遊技期間に移行して再度大当たり期間となる一方、蓄積数カウンタの値が0であれば第4遊技期間から第1遊技期間に移行して大当たり期間が終了する。蓄積数カウンタには、解除役に当選するとともに蓄積抽選にて1以上の値が取得された(以下、「蓄積抽選に当選した」という。)場合と、シングル役又はダブル役に当選した場合と、に1以上の値が加算される。蓄積抽選には第2遊技期間〜第4遊技期間において当選となる可能性があり、シングル役及びダブル役には第3遊技期間及び第4遊技期間において当選となる可能性がある。このため、第2遊技期間及び第3遊技期間におけるゲーム数が多くなるほど、1ゲーム連の発生する可能性が高くなる。また、第5RT状態では、第4RT状態よりもシングル役の当選確率が高い。故に、第4RT状態よりも第5RT状態に移行した場合の方が1ゲーム連の発生する可能性が高くなる。
第4遊技期間における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、操作順序が報知されないため、約3.44枚となる。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第4遊技期間では1ゲーム行う毎にメダルが約0.44枚増加することを期待できる。
以上のとおり、本スロットマシン10では、通常遊技が行われた場合、第2遊技期間において上乗せ抽選にどれだけ多く当選するかと、第2遊技期間において第4再遊技入賞と第5再遊技入賞のいずれが成立するかと、により、第3遊技期間の長さが変化する構成となっており、この結果として第3遊技期間に獲得できるメダル数や1ゲーム連の発生する確率が変化するようになっている。
次に、上記通常遊技が行われなかった場合に表示制御装置81が行う各種処理を、第1遊技期間〜第4遊技期間のそれぞれについて説明する。
第1遊技期間において通常遊技が行われなかった場合に表示制御装置81が行う各種処理を説明する。
図44は、停止指令コマンド処理を示すフローチャートである。
ステップS2001では、停止指令コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。停止指令コマンドを受信した場合には、ステップS2002〜ステップS2004において、報知フラグ,第2報知フラグ,移行フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第1遊技期間では、報知フラグ,第2報知フラグ,移行フラグのいずれもセットされていないため、ステップS2005に進む。ステップS2005では、今回の停止指令が第1停止指令であるか否か、すなわち全リール32L,32M,32Rが回転している最中に発生した停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令でない場合には、そのまま本処理を終了し、第1停止指令である場合には、ステップS2006にて第1停止指令として左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44が操作されたか否かを判定する。左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS2007に進み、待機ゲーム数カウンタの値が32より小さいか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が32より小さい場合には、ステップS2008にて第1変則フラグをセットした後にステップS2009に進み、待機ゲーム数カウンタの値が32以上である場合には、そのままステップS2009に進む。ステップS2009では、罰則フラグをセットし、ステップS2010では、今回フラグをセットする。その後、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、第1遊技期間において左ストップスイッチ42が最初に操作されなかった場合、罰則フラグをセットするとともに今回フラグをセットする。また、待機ゲーム数カウンタの値が32より小さい場合には、罰則フラグに加えて第1変則フラグをセットする。この結果、遊技者は、第1遊技期間において左ストップスイッチ42を最初に操作しなかった場合、罰則フラグがセットされている状況で次ゲーム以降の遊技を行う必要が生じる。
状態コマンド処理(図31参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS706にて肯定判定をし、待機ゲーム数減算処理ではなくステップS707にて罰則確認処理を行った後に本処理を終了する。
罰則確認処理では、図45のフローチャートに示すように、ステップS2101にて今回フラグがセットされているか否かを判定する。状態コマンド処理は入賞結果コマンド処理を行った後に行う処理であるため、今回フラグがセットされている場合には、今回のゲームにおいて罰則フラグをセットしたことを意味する。かかる場合には、ステップS2102にて今回フラグをクリアするとともに、ステップS2103〜ステップS2105において今回受信した状態コマンドの示す情報が第6RT状態,非RT状態,第1RT状態のいずれかを示す情報であるか否か、すなわち次ゲームの遊技状態が第6RT状態,非RT状態,第1RT状態のいずれかであるか否かを判定する。いずれの遊技状態でもない場合には、そのまま本処理を終了し、いずれかの遊技状態である場合には、ステップS2106にて消去フラグをセットした後に本処理を終了する。一方、ステップS2101にて今回フラグがセットされていないと判定した場合には、今回のゲームが罰則フラグをセットしたゲームでないこと、すなわち今回のゲームよりも前のゲームにおいて罰則フラグをセットしたことを意味する。かかる場合には、ステップS2107にて消去フラグがセットされていないか否かを判定する。消去フラグがセットされていない場合には、上記ステップS2103〜ステップS2106の処理を行い、本処理を終了する。消去フラグがセットされている場合には、ステップS2108にて消去フラグをクリアするとともに、ステップS2109にて罰則フラグをクリアし、本処理を終了する。つまり、罰則フラグは、当該罰則フラグをセットしたゲームより後に第6RT状態,非RT状態,第1RT状態のいずれかにおいて1ゲーム行われた場合、クリアされる。
抽選結果コマンド処理(図32参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS802にて否定判定をし、そのまま本処理を終了する。この結果、仮に解除役に当選したとしても解除抽選が行われなくなる。
入賞結果コマンド処理(図33参照)では、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合、罰則フラグのセット有無に関わらず遊技期間移行処理を行う。但し、遊技期間移行処理(図37参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS1306にて否定判定をし、ステップS1308にて罰則フラグをクリアするとともにステップS1309にて変則到達フラグをセットする。その後、上述したステップS1307,ステップS1303〜ステップS1305の処理を行い、本処理を終了する。変則到達フラグについては後述することとする。入賞結果コマンド処理の説明に戻り、第4再遊技入賞及び第5再遊技入賞が成立しなかったゲームにおいて罰則フラグがセットされている場合には、ステップS907にて否定判定をし、そのまま本処理を終了する。この結果、罰則フラグがセットされている場合には、仮にベル入賞を4ゲーム連続して成立させたとしても報知フラグがセットされず、第2遊技期間に移行しない。
第2遊技期間において通常遊技が行われなかった場合に表示制御装置81が行う各種処理を説明する。
停止指令コマンド処理(図44参照)では、報知フラグがセットされているため、ステップS2002にて否定判定をし、ステップS2011に進む。ステップS2011では、現在の遊技状態が非RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が非RT状態である場合には、第2遊技期間であってもベル入賞等を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序を報知していない。そこでかかる場合には、ステップS2012にて今回の停止指令が第1停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令でない場合には、そのまま本処理を終了し、第1停止指令である場合には、ステップS2013にて第1停止指令として左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44が操作されたか否かを判定する。左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS2014に進み、報知回数カウンタの値から10を減算する。その後、ステップS2015〜ステップS2017において第1変則フラグ,罰則フラグ,今回フラグをセットし、本処理を終了する。ステップS2011にて現在の遊技状態が非RT状態でないと判定した場合には、第1停止指令を発生させた操作を確認することなく本処理を終了する。これは、現在の遊技状態が非RT状態以外の遊技状態である場合、ベル入賞等を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序を報知している可能性があるからである。
入賞結果コマンド処理(図33参照)では、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合、罰則フラグのセット有無に関わらず遊技期間移行処理を行う。罰則フラグがセットされている場合の遊技期間移行処理については、上述したとおりである。第4再遊技入賞及び第5再遊技入賞が成立しなかった場合には、ステップS915にて報知中入賞処理を行った後に本処理を終了する。
報知中入賞処理を図38のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1401では、転落再遊技入賞が成立したか否かを判定し、ステップS1402では、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。転落再遊技入賞が成立した場合と、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が非RT状態又は第6RT状態に移行することを意味する。かかる場合には、ステップS1403にて現在の遊技状態が非RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が非RT状態でない場合には、転落再遊技又は特殊ベルに当選となった場合、昇格再遊技入賞又はベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されている。このため、非RT状態以外の遊技状態において、転落再遊技入賞が成立した場合と、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合と、には、通常遊技が行われなかったことを意味する。かかる場合には、ステップS1404〜ステップS1407に示す罰則設定処理を行った後に本処理を終了する。罰則設定処理では、先ずステップS1404にて報知回数カウンタの値から10を減算する。その後、ステップS1405〜ステップS1407において罰則フラグ,第1変則フラグ,第2変則フラグをセットする。なお、特殊ベルに当選している状況下で通常遊技が行われなかった場合であっても、ベルこぼし出目ではなく特殊ベル入賞が成立した場合には、ステップS1402にて否定判定をし、第1変則フラグ等をセットすることなく本処理を終了する。
以上のように、本スロットマシン10では、第2遊技期間の非RT状態において左ストップスイッチ42が最初に操作されなかった場合、罰則フラグ,第1変則フラグ,今回フラグをセットする。また、第2遊技期間の非RT状態以外の遊技状態において、転落再遊技入賞を成立させた場合と、ベルこぼし出目を有効ライン上に停止させた場合と、には、罰則フラグ,第1変則フラグ,第2変則フラグをセットする。この結果、遊技者は、第2遊技期間の非RT状態において左ストップスイッチ42を最初に操作しなかった場合、罰則フラグ及び第1変則フラグがセットされている状況で次ゲーム以降の遊技を行う必要が生じる。また、第2遊技期間の非RT状態以外の遊技状態において、転落再遊技入賞を成立させた場合と、ベルこぼし出目を有効ライン上に停止させた場合と、には、罰則フラグ,第1変則フラグ及び第2変則フラグがセットされている状況で次ゲーム以降の遊技を行う必要が生じる。
状態コマンド処理(図31参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS706にて肯定判定をし、ステップS707にて罰則確認処理を行った後に本処理を終了する。この結果、遊技者は、第2遊技期間において罰則フラグがセットされた場合、第1遊技期間と同様、罰則フラグがセットされたゲームより後に第6RT状態,非RT状態,第1RT状態のいずれかにおいて1ゲーム行う必要がある。
抽選結果コマンド処理(図32参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS802にて否定判定をし、そのまま本処理を終了する。この結果、転落再遊技や特殊ベルに当選した場合には、そのときの遊技状態に関わらずストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されなくなり、第1遊技期間と同様、昇格移行する確率よりも非RT状態又は第6RT状態側に移行する転落移行の確率の方が高くなる。
罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS812にて報知中抽選処理を行う。報知中抽選処理では、図34のフローチャートに示すように、特殊ベル又は転落再遊技に当選している場合、ステップS1005にて第1変則フラグがセットされていないか否かを判定する。第1変則フラグがセットされている場合には、上乗せ判定処理を行うことなく本処理を終了する。また、特殊ベル及び転落再遊技に当選していない場合には、ステップS1007にて第1変則フラグがセットされていないか否かを判定する。第1変則フラグがセットされている場合には、第1蓄積判定処理及び上乗せ判定処理を行うことなく本処理を終了する。以上の結果、第1変則フラグがセットされている場合には、第2遊技期間における各ゲームにおいて上乗せ抽選が行われなくなるとともに、解除役に当選したとしても蓄積抽選が行われなくなる。
第3遊技期間において通常遊技が行われなかった場合に表示制御装置81が行う各種処理を説明する。
停止指令コマンド処理(図44参照)では、第2報知フラグがセットされているため、ステップS2003にて否定判定をし、第1停止指令を発生させた操作を確認することなく本処理を終了する。これは、第3遊技期間ではベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序を報知している可能性があるからである。
入賞結果コマンド処理(図33参照)では、第2報知フラグがセットされているため、ステップS916にて第2報知中入賞処理を行った後に本処理を終了する。
第2報知中入賞処理では、図41のフローチャートに示すように、ステップS1701にてベルこぼし出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。第3遊技期間における遊技状態は第4RT状態又は第5RT状態のいずれかであり、特殊ベルに当選となった場合には、ベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されている。このため、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合には、通常遊技が行われなかったことを意味する。かかる場合には、ステップS1705に進み、報知回数カウンタの値から10を減算する。その後、ステップS1706にて第1変則フラグをセットするとともに、ステップS1707にて第2変則フラグをセットする。また、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合には遊技状態が第1RT状態に移行することを意味するため、ステップS1708にて第2報知フラグをクリアする。ステップS1709では、報知回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0である場合には、ステップS1710にて移行フラグをセットして遊技期間を第4遊技期間とし、本処理を終了する。また、報知回数カウンタの値が0でない場合には、ステップS1711にて報知フラグをセットして遊技期間を第2遊技期間とし、本処理を終了する。なお、特殊ベルに当選している状況下で通常遊技が行われなかった場合であっても、ベルこぼし出目ではなく特殊ベル入賞が成立した場合には、ステップS1701にて肯定判定をし、通常遊技が行われた場合と同様、ステップS1702〜ステップS1704の処理を行った後に本処理を終了する。
以上のように、第3遊技期間においてベルこぼし出目を有効ライン上に停止させた場合には、第1変則フラグ及び第2変則フラグがセットされるとともに、第3遊技期間が終了することとなる。そして、報知回数カウンタの値が0である場合には、第4遊技期間に移行し、報知回数カウンタの値が0でない場合には、第2遊技期間に移行する。第2遊技期間に移行した場合には、第1変則フラグがセットされているため、第2遊技期間における各ゲームにおいて上乗せ抽選が行われなくなるとともに、解除役に当選したとしても蓄積抽選が行われなくなる。
抽選結果コマンド処理(図32参照)では、ステップS813にて第2報知中抽選処理を行う。第2報知中抽選処理では、図39のフローチャートに示すように、特殊ベルに当選していない場合、ステップS1504にて第2変則フラグがセットされていないか否かを判定する。第2変則フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了する。この結果、解除役に当選したとしても蓄積抽選が行われなくなり、シングル役又はダブル役に当選したとしても蓄積数カウンタに対応する値が加算されなくなる。
第4遊技期間において表示制御装置81が行う各種処理を説明する。
停止指令コマンド処理(図44参照)では、移行フラグがセットされているため、ステップS2004にて否定判定をし、第1停止指令を発生させた操作を確認することなく本処理を終了する。これは、第4遊技期間が、第4RT状態及び第5RT状態下でベルこぼし出目を有効ライン上に停止させてこれらRT状態を終了させることを目的とした遊技期間であるとともに、ベル入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序を遊技者に推測させるという遊技性を提供しているためである。
抽選結果コマンド処理(図32参照)では、ステップS814にて移行中抽選処理を行う。移行中抽選処理では、図39のフローチャートに示すように、特殊ベルに当選していない場合、ステップS1802にて第2変則フラグがセットされていないか否かを判定する。第2変則フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了する。この結果、解除役に当選したとしても蓄積抽選が行われなくなり、シングル役又はダブル役に当選したとしても蓄積数カウンタに対応する値が加算されなくなる。
入賞結果コマンド処理(図33参照)では、移行フラグがセットされているため、ステップS917にて移行中入賞処理を行った後に本処理を終了する。
移行中入賞処理では、図43のフローチャートに示すように、ステップS1901にてベルこぼし出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。ベルこぼし出目が有効ライン上に停止していない場合には、遊技状態が移行しないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合には、ステップS1902にて第1変則フラグ及び第2変則フラグがセットされていないか否かを判定する。いずれかの変則フラグがセットされている場合には、ステップS1911にてセットされている変則フラグをクリアするとともに、ステップS1903にて移行フラグをクリアする。ステップS1904では、蓄積数カウンタの値が0でないか否かを判定する。蓄積数カウンタの値が0でない場合には、上述したステップS1905〜ステップS1907の処理を行い、本処理を終了する。ステップS1904にて蓄積数カウンタの値が0であると判定した場合には、ステップS1908にて変則到達フラグがセットされていないか否かを判定する。変則到達フラグがセットされている場合には、罰則フラグがセットされている状況下で第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したことを意味する。かかる場合には、ステップS1912にて次回の滞在モードを第1滞在モードと決定し、ステップS1913にて変則到達フラグをクリアする。ステップS1909では、第1滞在モード用の待機ゲーム数テーブルを参照し、待機ゲーム数の抽選を行う。ステップS1910では、取得した値を待機ゲーム数カウンタにセットし、本処理を終了する。
ここで、通常遊技が行われなかった場合に上記各処理を行うことで生じる効果を説明する。
本スロットマシン10では、図13等に示すように、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合にベル入賞を成立させることができるインデックス値IV(=8〜11)の当選確率と、中ストップスイッチ42を最初に操作した場合にベル入賞を成立させることができるインデックス値IV(=12〜15)の当選確率と、右ストップスイッチ44を最初に操作した場合にベル入賞を成立させることができるインデックス値IV(=16〜19)の当選確率と、が異なっている。このため、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合には、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合と比して1ゲームあたりのメダル払出の期待値が高くなる。具体的には、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合、非RT状態,第1RT状態,第6RT状態,第7RT状態において約1.44枚となり、第2RT状態において約1.78枚となり、第3RT状態において約3.07枚となる一方、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合、非RT状態,第1RT状態,第6RT状態,第7RT状態において約2.02枚となり、第2RT状態において約2.35枚となり、第3RT状態において約3.64枚となる。これに加えて、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合には、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合と比して、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止する確率、すなわち第1RT状態に移行する確率が低くなる。具体的には、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合、第1RT状態への移行確率が約5.20分の1となる一方、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合、第1RT状態への移行確率が約7.77分の1となる。したがって、第1遊技期間では、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作することにより、所有メダルの減少を抑制することができるとともに、第2RT状態及び第3RT状態において転落移行する確率を低下させた結果として昇格移行する可能性を高めることができる。
しかしながら、第1遊技期間では、左ストップスイッチ42を最初に操作しなかった場合、罰則フラグがセットされる。罰則フラグがセットされている場合には、仮に解除役に当選したとしても解除抽選が行われなくなるとともに、待機ゲーム数カウンタの値が減算されなくなる。また、ベル入賞を4ゲーム連続して成立させたとしても報知フラグがセットされない。この結果、左ストップスイッチ42を最初に操作しなかった場合には、罰則フラグがクリアされるまで第2遊技期間に移行しなくなる。したがって、第1遊技期間において左ストップスイッチ42を最初に操作しなかった場合には、1ゲームあたりの遊技者の有利度合いは大きくできるものの、複数ゲームで見た場合に遊技者にとって不利となる。
罰則フラグは、当該罰則フラグをセットしたゲームより後に第6RT状態,非RT状態,第1RT状態のいずれかにおいて1ゲーム行われた場合、クリアされる。これは以下の理由による。上述したとおり、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合には、第2RT状態及び第3RT状態において転落移行する確率を低下させた結果として昇格移行する可能性を高めることができる。そこで、罰則フラグを所定回数のゲームが行われたことを条件としてクリアする構成とした場合には、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作して第3RT状態まで移行させられた場合、当該第3RT状態下で罰則フラグをクリアしてしまう事象が発生し得る。罰則フラグがクリアされた後に第4再遊技入賞が成立した場合には、遊技者が何ら不利益を被ることなく第3遊技期間に移行させることができるため、本スロットマシン10の機械割が設計者の想定していない値となってしまう可能性がある。一方、第6RT状態,非RT状態,第1RT状態のいずれかにおいて1ゲーム行われた場合に罰則フラグをクリアする構成においては、仮に中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作して第3RT状態まで移行させられたとしても、転落移行させた上で罰則フラグをクリアすることができる。故に、本スロットマシン10の機械割が設計者の想定していない値となってしまうことを回避することが可能となる。
罰則フラグがセットされることを承知した上で中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作し、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立することを期待しながら遊技が行われる可能性も考えられる。しかしながら、罰則フラグがセットされている状況で第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させた場合には、第2遊技期間を経ることなく第3遊技期間に移行するため、報知回数の上乗せを期待することができない。また、変則到達フラグがセットされるため、第1遊技期間に移行した場合の滞在モードが第1滞在モードとなり、待機ゲーム数カウンタに大きな値がセットされる可能性が高くなる。この結果、第3遊技期間に移行させることはできるものの遊技者にとって不利となる。
第2遊技期間では、非RT状態において左ストップスイッチ42が最初に操作されなかった場合、罰則フラグ及び第1変則フラグがセットされる。また、第2遊技期間の非RT状態以外の遊技状態では、転落再遊技入賞が成立した場合と、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合と、に罰則フラグ,第1変則フラグ及び第2変則フラグがセットされる。上述したとおり、第2遊技期間では各ゲームにおいて上乗せ判定処理を行っているため、第2遊技期間に多くのゲームを消化するほど第3遊技期間における報知回数が多くなることを期待できる。第2遊技期間に多くのゲームを消化するためには、例えば遊技状態が第3RT状態に移行した場合に転落再遊技入賞を成立させて遊技状態を第6RT状態に移行させてしまえば良い。このため、操作順序が報知されているにも関わらず意図的に異なる操作順序でストップスイッチ42〜44を操作し、遊技状態を第6RT状態に移行させて第3遊技期間に移行するまでに要するゲームを多くしようと試みる遊技者が現れる可能性が考えられる。しかしながら、第1変則フラグがセットされている場合には、上乗せ判定処理が行われなくなるとともに、第1蓄積判定処理が行われなくなる。これに加えて、第2遊技期間の非RT状態以外の遊技状態では、第1変則フラグに加えて第2変則フラグがセットされるため、その後の第3遊技期間において第1蓄積判定処理及び第2蓄積判定処理が行われなくなる。さらには、報知回数カウンタの値から10が減算される。以上の結果、第2遊技期間に多くのゲームを消化できるようになったとしても、第3遊技期間における報知回数が減少するとともに1ゲーム連の発生する可能性がなくなってしまうため、遊技者にとって不利となる。
第1遊技期間では、待機ゲーム数が32より小さい状況下で中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合、罰則フラグに加えて第1変則フラグがセットされる。第1遊技期間において第1変則フラグをセットする理由は、以下のとおりである。説明は省略したが、本スロットマシン10では、最大32ゲーム継続する高確率演出が、待機ゲーム数カウンタの値が32より小さい値となった場合と、待機ゲーム数カウンタの値が32以上の値であって演出実行抽選に当選した場合と、に行われるようになっている。上述したとおり、罰則フラグは、当該罰則フラグをセットしたゲームより後に第6RT状態,非RT状態,第1RT状態のいずれかにおいて1ゲーム行われた場合、クリアされる。このため、高確率演出が行われている最中に中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作する遊技者が現れる可能性が考えられる。高確率演出が待機ゲーム数カウンタの値が32より小さい値となった場合に開始されたもの、すなわち高確率演出が本前兆演出であった場合には、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作することで第6RT状態,非RT状態,第1RT状態のいずれかから第2遊技期間を開始させることが可能となり、第3遊技期間に移行するまでに必要なゲーム数を多く確保できるからである。ここで、第1変則フラグをセットしない構成とした場合には、通常遊技を行わなかった遊技者に対して第2遊技期間に上乗せ判定処理等の恩恵を付与することとなり、本スロットマシン10の機械割が設計者の想定していない値となってしまう可能性がある。一方、第1変則フラグをセットする構成とした場合には、第3遊技期間に移行するまでに必要なゲーム数を多く確保したとしても上乗せ判定処理等が行われないため、遊技者にとって不利な状況とすることができる。
第3遊技期間では、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合、報知回数カウンタの値から10が減算されるとともに、第1変則フラグ及び第2変則フラグがセットされる。そして、報知回数カウンタの値が0である場合には、遊技期間が第4遊技期間に移行し、報知回数カウンタの値が0でない場合には、遊技期間が第2遊技期間に移行する。報知回数カウンタの値が0でない場合に第2遊技期間に移行する構成とすることにより、報知された操作順序と異なる操作順序で誤ってストップスイッチ42〜44を操作してしまった遊技者を救済することが可能となる。例えばベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合に、報知回数カウンタの値に関わらず第4遊技期間又は第1遊技期間に移行する構成とすることも可能であるが、かかる構成とした場合には、誤って通常遊技以外の遊技を行ってしまった遊技者に過剰な不利益を被らせてしまう可能性が考えられる。一方、報知回数カウンタの値が0でない場合に第2遊技期間に移行する構成においては、上記懸念を抑制することが可能となるからである。
但し、かかる構成とした場合には、第4再遊技入賞が成立して第3遊技期間に移行した場合、当該第3遊技期間において報知された操作順序と異なる操作順序で意図的にストップスイッチ42〜44を操作して第2遊技期間に移行させ、第5再遊技入賞が成立することを期待しながら第2遊技期間における遊技を行う遊技者が現れる可能性が考えられる。そこで、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合に、報知回数カウンタの値から10を減算するとともに、第1変則フラグ及び第2変則フラグをセットする構成とした。かかる構成においては、報知された操作順序と異なる操作順序で意図的にストップスイッチ42〜44を操作した場合に、報知回数カウンタの値から11が減算されることとなるため、報知回数カウンタの値が0となって第2遊技期間に移行しない可能性を高くすることができる。また、仮に第2遊技期間に移行したとしても上乗せ判定処理等の恩恵を受けることができず、さらには第5再遊技入賞が成立したとしても当該第3遊技期間に第2蓄積判定処理が行われないため、遊技者に取って不利な状況とすることができる。
ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合に第1変則フラグ及び第2変則フラグをセットする構成としたため、報知された操作順序と異なるストップスイッチを誤って操作して第1停止指令を発生させてしまった遊技者は、特殊ベル入賞を成立させるべく他のストップスイッチを操作することで第1変則フラグ等がセットされることを回避することが可能となる。この結果、報知された操作順序と異なる操作順序でストップスイッチ42〜44を意図的に操作した遊技者を選択的に不利な状況とすることが可能となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
通常遊技が行われなかった場合には、そのときの遊技状況に応じたペナルティを付与する構成とした。かかる構成とすることにより、遊技者に通常遊技を行うよう促すことが可能となり、スロットマシン10の機械割が設計者の想定と異なるものとなってしまうことを抑制することが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、第2遊技期間及び第3遊技期間において、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合に第1変則フラグ等をセットする構成としたが、ベルこぼし出目が有効ライン上に停止したか否かに関わらず、報知した操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されなかった場合に第1変則フラグ等をセットする構成としても良い。
(2)上記実施の形態では、第2遊技期間及び第3遊技期間においてベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合、報知回数カウンタの値から10を減算する構成としたが、減算する値は任意である。
(3)上記実施の形態では、第1遊技期間から第2遊技期間に移行する場合に報知回数カウンタに15をセットする構成としたが、セットしない構成としても良い。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合に報知回数抽選を行う構成においては、第1遊技期間から第2遊技期間に移行する場合に報知回数カウンタに値をセットせずとも、報知回数抽選にて取得した回数分だけ第3遊技期間において操作順序を報知することができる。
(4)上記実施の形態では、第3遊技期間において、ベル入賞を成立させることができる操作順序を報知回数カウンタの値分だけ報知する構成としたが、かかる構成を変更する。
例えば、ベル入賞はストップスイッチ42〜44の操作順序に関わらず成立する入賞態様とする一方、第4RT状態及び第5RT状態において転落再遊技に当選し得る構成とする。そして、第3遊技期間では、報知回数カウンタの値分だけ転落再遊技入賞の成立を回避できる操作順序を報知する構成とする。かかる構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
例えば、報知回数カウンタに代えて残ゲーム数カウンタを設け、残ゲーム数カウンタの値が0でない状況下で特殊ベルに当選となった場合、ベル入賞を成立させることができる操作順序を報知する構成とする。かかる構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、かかる構成を実現する方法としては、上記実施の形態における報知回数カウンタを残ゲーム数カウンタに置換し、特殊ベルに当選となった場合に減算するのではなく状態コマンドの受信に基づいて減算する構成が代表例として挙げられる。
(5)上記実施の形態では、大当たり信号が出力される遊技状態として、BB状態の他に第4RT状態と第5RT状態の2種類の遊技状態を備える構成としたが、3種類以上の遊技状態を備える構成としても良いことはいうまでもない。
(6)上記実施の形態では、第5RT状態に移行した場合、シングル役の当選確率が高くなることと、報知回数抽選にて取得される値の平均が大きくなることと、により、第4RT状態に移行した場合と比して遊技者の有利度合いが大きくなる構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。シングル役の当選確率が高くなることのみで遊技者の有利度合いが大きくなる構成としても良いし、報知回数抽選にて取得される値の平均が大きくなることのみで遊技者の有利度合いが大きくなる構成としても良い。また、ベル等の小役の当選確率が高くなることで遊技者の有利度合いが大きくなる構成としても良い。
(7)上記実施の形態では、第1変則フラグがセットされている場合、上乗せ判定処理及び第1蓄積判定処理を行わない構成としたが、上乗せ判定処理のみを行わない構成としても良いし、第1蓄積判定処理のみを行わない構成としても良い。また、第1変則フラグがセットされている場合に、上乗せ判定処理自体は行うものの必ず非当選となる構成としても良い。つまり、第2遊技期間に報知回数カウンタの値が加算されない構成とすれば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。第1蓄積判定処理についても同様である。
(8)上記実施の形態では、第1変則フラグがセットされている場合、上乗せ判定処理及び第1蓄積判定処理を行わない構成としたが、これらを行うものの上乗せ抽選に当選となる確率及び蓄積抽選に当選となる確率が低くなる構成としても良い。
(9)上記実施の形態では、第2変則フラグがセットされている場合、第1蓄積判定処理及び第2蓄積判定処理を行わない構成としたが、第1蓄積判定処理のみを行わない構成としても良いし、第2蓄積判定処理のみを行わない構成としても良い。また、第2変則フラグがセットされている場合に、第1蓄積判定処理自体は行うものの必ず非当選となる構成としても良い。つまり、第3遊技期間に蓄積数カウンタの値が加算されない構成とすれば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。第2蓄積判定処理についても同様である。
(10)上記実施の形態では、第2変則フラグがセットされている場合、第1蓄積判定処理及び第2蓄積判定処理を行わない構成としたが、第1蓄積判定処理を行うものの蓄積抽選に当選となる確率が低くなる構成や、シングル役又はダブル役に当選したとしても所定確率(例えば2分の1)で蓄積カウンタの更新を行わない構成としても良い。
(11)上記実施の形態では、第2遊技期間及び第3遊技期間においてベルこぼし出目が有効ライン上に停止した場合、第1変則フラグと第2変則フラグをセットする構成としたが、第1変則フラグのみをセットする構成としても良いし、第2変則フラグのみをセットする構成としても良い。
(12)上記実施の形態では、罰則フラグをセットしたゲームより後に第6RT状態,非RT状態,第1RT状態のいずれかにおいて1ゲーム行われた場合、罰則フラグをクリアする構成としたが、上記各遊技状態のいずれかにおいて複数回のゲームが行われた場合に罰則フラグをクリアする構成としても良い。
(13)上記実施の形態では、非RT状態から第4RT状態又は第5RT状態に移行する場合、第1RT状態〜第3RT状態の3つの遊技状態を介する構成としたが、少なくとも1つの遊技状態を介する構成であれば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが期待できる。このとき、中継する遊技状態を少なくした場合には、報知フラグがセットされてから第4RT状態又は第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数が多くなり、中継する遊技状態を多くした場合には、報知フラグがセットされてから第4RT状態又は第5RT状態に移行するまでに要するゲーム数が少なくなる。
(14)上記実施の形態では、第1遊技期間においてストップスイッチ42〜44の操作順序を報知しない構成としたが、所定確率でストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する構成としても良い。
(15)上記実施の形態では、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合に昇格再遊技入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合に転落再遊技入賞が成立する構成、すなわち同一遊技回で昇格再遊技入賞と転落再遊技入賞のいずれもが成立し得る構成としたが、これに代えて又は加えて、1の遊技回で転落再遊技入賞又は昇格再遊技入賞の一方のみが成立し得る構成としても良い。なお、1の遊技回で転落再遊技入賞又は昇格再遊技入賞の一方が成立し得る構成とする場合には、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されなかった場合に、遊技状態が移行しない再遊技入賞を成立させることが望ましい。
(16)上記実施の形態では、第3RT状態用抽選テーブルに第5再遊技に当選となるインデックス値IVを1つのみ設定する構成としたが、第4再遊技と同様、第5再遊技に当選となるインデックス値IVを6つ設定し、6通りの操作順序で第5再遊技入賞が成立し得る構成としても良い。
(17)上記実施の形態では、チェリー,第1スイカ,第2スイカのいずれかに当選している場合に解除抽選を行う構成としたが、これに代えて又は加えて、ベル入賞が3ゲーム連続して成立した場合等の所定の入賞が成立したことを条件として解除抽選を行う構成としても良い。蓄積抽選についても同様である。
(18)上記実施の形態では、上乗せ抽選に当選した場合、報知回数カウンタの値に1が加算される構成としたが、報知回数カウンタに加算される値は任意である。また、上乗せ抽選に当選した場合に、加算抽選を行って1〜5のいずれかの値を報知回数カウンタに加算する構成としても良い。
(19)非RT状態において遊技状態が移行しない第6再遊技に当選となる構成としても良い。また、第1再遊技と第6再遊技に共に当選となるインデックス値IVを非RT状態用抽選テーブルに設定し、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって第1再遊技入賞又は第6再遊技入賞が成立する構成としても良い。かかる構成とした場合には、第2遊技期間において第6再遊技入賞を成立させることができるストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する構成としても良い。
(20)上記実施の形態では、補助表示部65にてストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、ストップスイッチ42〜44の操作順序を示唆する構成であれば良い。例えば、スピーカ64から音声を出力して操作順序を報知する構成としても良いし、次に操作するストップスイッチのランプを他のストップスイッチと異なる発光色等で点灯表示することによって操作順序を示唆する構成としても良い。
(21)上記実施の形態において入賞成立となる各図柄の組合せは一例であり、これら図柄の組合せに限定されるものではない。また、入賞成立となる図柄の組合せの数も任意である。
(22)上記実施の形態では、BB状態を備えたスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、BB状態を備えないスロットマシンであっても良いし、RB状態やSB状態等の他の遊技状態を備えたスロットマシンであっても良い。
(23)上記実施の形態では、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。
(24)上記実施の形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(25)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして4ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(26)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下、本発明の遊技機を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
遊技機1.複数種の絵柄(図柄)を循環表示させる循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58)と、
役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置(有効ライン)に所定の組合せ(小役図柄の組合せ等)を形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のメダル払出処理S211、BB状態処理S213等)と
を備えた遊技機において、
前記役の抽選結果が所定結果(当選フラグ「8」〜「19」に当選)である場合、所定入賞(ベル入賞)を成立させることができる操作方法を示唆する示唆演出(操作順序を報知する演出)を実行可能な示唆演出実行手段(補助表示部65、表示制御装置81の操作順序報知機能S1004,S1502)と、
第1所定停止出目(第4再遊技入賞)が停止したことに基づいて、遊技者に有利な第1特定期間(第4RT状態下での第3遊技期間)に移行させる第1特定期間移行手段(主制御装置101の第4RT設定フラグセット処理機能S564及び表示制御装置81の第2報知フラグセット処理機能S1303)と、
第2所定停止出目(第5再遊技入賞)が停止したことに基づいて、前記第1特定期間よりも遊技者に有利な第2特定期間(第5RT状態下での第3遊技期間)に移行させる第2特定期間移行手段(主制御装置101の第5RT設定フラグセット処理機能S566及び表示制御装置81の第2報知フラグセット処理機能S1303)と、
前記第1所定停止出目又は前記第2所定停止出目が停止した場合、前記示唆演出の実行回数を決定する実行回数決定手段(表示制御装置81の報知回数抽選機能S1304)と、
前記実行回数に関わる回数情報を記憶する回数情報記憶手段(表示制御装置81の報知回数カウンタ)と、
前記各特定期間において前記示唆演出を実行する場合、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報を変更する第1変更手段(表示制御装置81の報知回数1減算処理機能S1503)と、
前記各特定期間において前記示唆演出を実行し、示唆した操作方法で前記停止操作手段が操作されなかったことに基づいて、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報を変更する第2変更手段(表示制御装置81の報知回数10減算処理機能S1705)と、
前記各特定期間において前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報が予め定めた所定回数情報(0)となった場合、対応する特定期間を終了させる終了手段(表示制御装置81の通常遊技が行われた場合における第2報知フラグクリア処理機能S1703)と、
前記各特定期間において前記示唆演出を実行し、示唆した操作方法で前記停止操作手段が操作されなかったことに基づいて、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報に関わらず対応する特定期間を終了させる第2終了手段(表示制御装置81の通常遊技が行われなかった場合における第2報知フラグクリア処理機能S1708)と、
前記第2終了手段が前記特定期間を終了させる場合、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報が前記所定回数情報であるか否かを判定する判定手段(表示制御装置81の通常遊技が行われなかった場合における報知回数カウンタ確認処理機能S1709)と、
前記判定手段が前記所定回数情報であると判定した場合、前記第1特定期間と前記第2特定期間の少なくとも一方に移行させることが困難な第1所定期間(第1遊技期間)、又は前記第1所定期間に移行する可能性が高い第2所定期間(第4遊技期間)に移行させる第1移行手段(表示制御装置81の通常遊技が行われなかった場合における移行フラグセット処理機能S1710)と、
前記判定手段が前記所定回数情報でないと判定した場合、前記第1所定期間よりも前記第1特定期間及び前記第2特定期間に移行させることが容易となる第3所定期間(第2遊技期間)に移行させる第2移行手段(表示制御装置81の通常遊技が行われなかった場合における報知フラグセット処理機能S1711)と、
前記第2移行手段が前記第3所定期間に移行させる場合、遊技者に不利となる不利情報(第1変則フラグ、第2変則フラグ)を記憶する不利情報記憶手段(表示制御装置81のRAM)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1特定期間及び第2特定期間の終了契機は、回数情報記憶手段に記憶された回数情報に基づく場合と、示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかったことに基づく場合と、がある。示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかったことに基づいて第1特定期間又は第2特定期間が終了する場合には、回数情報記憶手段に記憶された回数情報が所定回数情報であるか否かが判定され、所定回数情報でない場合には、第1所定期間よりも第1特定期間及び第2特定期間に移行させることが容易となる第3所定期間に移行する。かかる構成とすることにより、示唆演出によって示唆された操作方法と異なる操作方法で停止操作手段を誤って操作してしまった遊技者を救済することが可能となる。
かかる一方、第1特定期間に移行した場合に、意図的に示唆演出によって示唆された操作方法と異なる操作方法で停止操作手段を操作して第3所定期間に移行させ、第1特定期間ではなく第2特定期間に移行することを期待しながら第3所定期間の遊技を行う遊技者が現れる可能性が考えられる。そこで、示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかったことに基づいて、回数情報記憶手段に記憶された回数情報を変更する第2変更手段を設けた。かかる構成とすることにより、示唆演出を行った場合に、示唆した操作方法で停止操作手段が操作されれば第1変更手段に回数情報を変更させるのみとすることができる一方、示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなければ第1変更手段に加えて第2変更手段にも回数情報を変更させることが可能となる。この結果、示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかった場合に、回数情報記憶手段に記憶された回数情報を大きく変更することが可能となり、回数情報が所定回数情報となる可能性を高めることが可能となる。また、示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかったことに基づいて第3所定期間に移行する場合には遊技者に不利となる不利情報を記憶する構成としたため、遊技者に不利な状況下で第3所定期間等における遊技を行わせることが可能となる。
以上の結果、示唆演出が行われた場合には示唆された操作方法で停止操作手段を操作するよう促すことが可能となり、遊技機の機械割が設計者の想定と異なるものとなってしまうことを抑制することが可能となる。
遊技機2.上記遊技機1において、前記各特定期間における前記実行回数を増加させるか否かを前記第3所定期間に決定する増加決定手段(表示制御装置81の上乗せ判定処理機能S1006,S1010)を備え、前記増加決定手段は、前記不利情報記憶手段に前記不利情報が記憶されている場合、前記実行回数を増加させないと決定する、又は前記実行回数を増加させるか否かの決定を行わないことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第3所定期間では、不利情報が記憶されていない場合、各特定期間における示唆演出の実行回数を増加させるか否かの決定が行われる一方、不利情報が記憶されている場合、実行回数を増加させないと決定される、又は実行回数を増加させるか否かの決定が行われなくなる。第3所定期間において各特定期間における示唆演出の実行回数を増加させるか否かの決定を行う構成とすることにより、例えば第3所定期間から第1特定期間又は第2特定期間に移行するまでに多くの遊技回数を必要とした場合であっても、移行先の特定期間における示唆演出の実行回数が増加することを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、特定期間に移行しないことで遊技が間延びしてしまうことを抑制することが可能となる。また、不利情報が記憶されている場合には、実行回数を増加させないと決定される、又は実行回数を増加させるか否かの決定が行われなくなる構成とすることにより、意図的に第1特定期間及び第2特定期間に移行することを回避し、第3所定期間において多くの遊技を行うことで特定期間における示唆演出の実行回数を増加させようと試みることを防止することが可能となる。
遊技機3.上記遊技機1又は遊技機2において、前記各特定期間の終了後に特別特典(1ゲーム連)を付与するか否かを前記各特定期間に決定する特典付与決定手段(表示制御装置81の第2報知中抽選処理における第1蓄積判定処理機能S1506及び第2蓄積判定処理機能S1508)を備え、前記特典付与決定手段は、前記不利情報記憶手段に前記不利情報が記憶されている場合、前記特別特典を付与しないと決定する、又は前記特別特典を付与するか否かの決定を行わないことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1特定期間及び第2特定期間では、不利情報が記憶されていない場合、特別特典を付与するか否かの決定が行われる一方、不利情報が記憶されている場合、特別特典を付与しないと決定される、又は特別特典を付与するか否かの決定が行われなくなる。各特定期間において特別特典を付与するか否かの決定を行う構成とすることにより、特定期間の終了後に特別特典が付与されることを期待させながら特定期間における遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。また、不利情報が記憶されている場合には、特別特典を付与しないと決定される、又は特別特典を付与するか否かの決定が行われなくなる構成とすることにより、示唆演出が行われた場合には示唆された操作方法で停止操作手段を操作するよう促すことが可能となる。
遊技機4.上記遊技機3において、前記特典付与決定手段は、前記第2特定期間において前記第1特定期間よりも高確率で前記特別特典を付与すると決定することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第2特定期間に移行した場合には、第1特定期間に移行した場合よりも特別特典を付与される確率が高くなる。かかる構成においては、意図的に示唆演出によって示唆された操作方法と異なる操作方法で停止操作手段を操作して第3所定期間に移行させ、第1特定期間ではなく第2特定期間に移行することを期待しながら第3所定期間の遊技を行う遊技者が現れる可能性が考えられる。そこで、不利情報が記憶されている場合には、特別特典を付与しないと決定される、又は特別特典を付与するか否かの決定が行われなくなる構成とすることにより、第1特定期間ではなく第2特定期間に移行させることで特別特典の付与を受けようと試みることを防止することが可能となる。
遊技機5.上記遊技機1乃至遊技機4のいずれかにおいて、前記各特定期間の終了後に特別特典を付与するか否かを前記第3所定期間に決定する付与決定手段(表示制御装置81の報知中抽選処理における第1蓄積判定処理機能S1009)を備え、前記付与決定手段は、前記不利情報記憶手段に前記不利情報が記憶されている場合、前記特別特典を付与しないと決定する、又は前記特別特典を付与するか否かの決定を行わないことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第3所定期間では、不利情報が記憶されていない場合、特別特典を付与するか否かの決定が行われる一方、不利情報が記憶されている場合、特別特典を付与しないと決定される、又は特別特典を付与するか否かの決定が行われなくなる。第3所定期間において特別特典を付与するか否かの決定を行う構成とすることにより、特定期間の終了後に特別特典が付与されることを期待させながら第3所定期間における遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。また、不利情報が記憶されている場合には、特別特典を付与しないと決定される、又は特別特典を付与するか否かの決定が行われなくなる構成とすることにより、示唆演出が行われた場合には示唆された操作方法で停止操作手段を操作するよう促すことが可能となる。
遊技機6.上記遊技機1乃至遊技機5のいずれかにおいて、前記役の抽選結果が前記所定結果である場合、前記停止操作手段に第1所定操作(ベル入賞を成立させることができる操作)がなされれば前記所定入賞を成立させ、前記停止操作手段に第2所定操作(特殊ベル入賞を成立させることができる操作)がなされれば第2所定入賞(特殊ベル入賞)を成立させ、前記停止操作手段に前記各所定操作以外の操作がなされれば前記所定入賞及び前記第2所定入賞が成立しないよう、前記循環表示手段を停止制御する停止制御手段(主制御装置101の停止情報設定処理機能S310及びリール制御処理機能S210)を備え、前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出によって前記第1所定操作を示唆し、前記第2変更手段は、前記所定入賞及び前記第2所定入賞が成立しなかった場合、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報を変更し、前記第2終了手段は、前記所定入賞及び前記第2所定入賞が成立しなかった場合、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報に関わらず対応する特定期間を終了させることを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、示唆演出によって示唆された操作方法で停止操作手段を操作しなかった場合であっても、第2所定入賞を成立させることができれば特定期間が終了しない。所定入賞を成立させることができる操作方法を示唆する構成においては、示唆された操作方法と異なる操作方法で意図的に停止操作手段を操作する遊技者もいれば、示唆された操作方法と異なる操作方法で誤って停止操作手段を操作してしまう遊技者もいるものと想定される。そこで、第2所定入賞を成立させることができれば特定期間が終了しない構成とすることにより、示唆された操作方法と異なる操作方法で誤って停止操作手段を操作してしまった遊技者を選択的に救済することが可能となる。示唆された操作方法と異なる操作方法で意図的に停止操作手段を操作する遊技者は、第2所定入賞が成立しないように停止操作手段を操作するはずだからである。
遊技機7.上記遊技機1乃至遊技機6のいずれかにおいて、前記役の抽選結果が第1結果(当選フラグ「36」〜「41」に当選)である場合、前記停止操作手段に第1特定操作(第4再遊技入賞を成立させることができる操作)がなされれば前記第1所定停止出目を停止させ、前記停止操作手段に前記第1特定操作がなされなければ前記第1所定停止出目が停止しないよう前記循環表示手段を停止制御する第1停止制御手段(主制御装置101の停止情報設定処理機能S310及びリール制御処理機能S210)と、前記役の抽選結果が第2結果(当選フラグ「42」に当選)である場合、前記停止操作手段に第2特定操作(第5再遊技入賞を成立させることができる操作)がなされれば前記第2所定停止出目を停止させ、前記停止操作手段に前記第2特定操作がなされなければ前記第2所定停止出目が停止しないよう前記循環表示手段を停止制御する第2停止制御手段(主制御装置101の停止情報設定処理機能S310及びリール制御処理機能S210)と、前記各特定操作を示唆可能な示唆手段(補助表示部65)と、前記各特定操作を示唆するか否かを決定する示唆決定手段(表示制御装置81)とを備え、前記示唆決定手段は、前記第3所定期間において前記第1所定期間よりも高確率で前記各特定操作を示唆すると決定することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第3所定期間では、第1所定期間よりも高確率で第1所定停止出目又は第2所定停止出目を停止させることができる特定操作が示唆される。かかる構成とすることにより、第1所定期間と第3所定期間とにおける第1特定期間又は第2特定期間に移行する確率を変化させることが可能となる。
遊技機8.複数種の絵柄を循環表示させる循環表示手段と、
前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段と、
役の抽選を行う抽選手段と、
前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段と
を備えた遊技機において、
前記役の抽選結果が所定結果である場合、所定入賞を成立させることができる操作方法を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段と、
第1所定停止出目が停止したことに基づいて、遊技者に有利な第1特定期間に移行させる第1特定期間移行手段と、
第2所定停止出目が停止したことに基づいて、前記第1特定期間よりも遊技者に有利な第2特定期間に移行させる第2特定期間移行手段と、
前記第1所定停止出目又は前記第2所定停止出目が停止した場合、前記第1特定期間又は前記第2特定期間の長さに関わる回数情報を決定する回数情報決定手段と、
前記回数情報決定手段の決定結果を記憶可能な回数情報記憶手段と、
前記各特定期間において前記示唆演出を実行すると決定する実行決定手段と、
前記各特定期間において遊技が行われた場合、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報を変更する第1変更手段と、
前記各特定期間において前記示唆演出を実行し、示唆した操作方法で前記停止操作手段が操作されなかったことに基づいて、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報を変更する第2変更手段と、
前記各特定期間において前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報が予め定めた所定回数情報となった場合、対応する特定期間を終了させる終了手段と、
前記各特定期間において前記示唆演出を実行し、示唆した操作方法で前記停止操作手段が操作されなかったことに基づいて、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報に関わらず対応する特定期間を終了させる第2終了手段と、
前記第2終了手段が前記特定期間を終了させる場合、前記回数情報記憶手段に記憶された回数情報が前記所定回数情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記所定回数情報であると判定した場合、前記第1特定期間と前記第2特定期間の少なくとも一方に移行させることが困難な第1所定期間、又は前記第1所定期間に移行する可能性が高い第2所定期間に移行させる第1移行手段と、
前記判定手段が前記所定回数情報でないと判定した場合、前記第1所定期間よりも前記第1特定期間及び前記第2特定期間に移行させることが容易となる第3所定期間に移行させる第2移行手段と、
前記第2移行手段が前記第3所定期間に移行させる場合、遊技者に不利となる不利情報を記憶する不利情報記憶手段と
を備えたことを特徴とする遊技機(別例(4))。
本遊技機によれば、第1特定期間及び第2特定期間の終了契機は、回数情報記憶手段に記憶された回数情報に基づく場合と、示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかったことに基づく場合と、がある。示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかったことに基づいて第1特定期間又は第2特定期間が終了する場合には、回数情報記憶手段に記憶された回数情報が所定回数情報であるか否かが判定され、所定回数情報でない場合には、第1所定期間よりも第1特定期間及び第2特定期間に移行させることが容易となる第3所定期間に移行する。かかる構成とすることにより、示唆演出によって示唆された操作方法と異なる操作方法で停止操作手段を誤って操作してしまった遊技者を救済することが可能となる。
かかる一方、第1特定期間に移行した場合に、意図的に示唆演出によって示唆された操作方法と異なる操作方法で停止操作手段を操作して第3所定期間に移行させ、第1特定期間ではなく第2特定期間に移行することを期待しながら第3所定期間の遊技を行う遊技者が現れる可能性が考えられる。そこで、示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかったことに基づいて、回数情報記憶手段に記憶された回数情報を変更する第2変更手段を設けた。かかる構成とすることにより、示唆演出を行った場合に、示唆した操作方法で停止操作手段が操作されれば第1変更手段に回数情報を変更させるのみとすることができる一方、示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなければ第1変更手段に加えて第2変更手段にも回数情報を変更させることが可能となる。この結果、示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかった場合に、回数情報記憶手段に記憶された回数情報を大きく変更することが可能となり、回数情報が所定回数情報となる可能性を高めることが可能となる。また、示唆演出によって示唆した操作方法で停止操作手段が操作されなかったことに基づいて第3所定期間に移行する場合には遊技者に不利となる不利情報を記憶する構成としたため、遊技者に不利な状況下で第3所定期間等における遊技を行わせることが可能となる。
以上の結果、示唆演出が行われた場合には示唆された操作方法で停止操作手段を操作するよう促すことが可能となり、遊技機の機械割が設計者の想定と異なるものとなってしまうことを抑制することが可能となる。
なお、本構成に上記遊技機2乃至遊技機7のいずれかの構成を適宜調整した上で組み合わせても良い。かかる構成とした場合であっても、上述した作用効果を奏することは明らかである。