JP2014181972A - パルス性放射電磁波の到来方向探査方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正方形の各辺の交点に配設されているアンテナ1A〜1Dで受信したパルス性放射電磁波に起因する受信信号を、始点を共通にして異なる長さのN(Nは自然数)個に区間してN個の区分信号を生成するとともに、フーリエ変換処理および所定の重みをつけた逆フーリエ変換処理を含む相互相関法に基づく到達時間差推定法による前記各区分信号の信号処理により、前記各区間毎に到達時間差を推定するとともに、推定されたN個の到達時間差の平均値を演算し、前記平均値に基づき前記受信信号の到来方向を推定する。
【選択図】 図2
Description
四辺以上の辺を有するとともに各対角線の交点から前記各辺の交点に至る寸法が同一である多角形における前記各辺の交点に配設されている四本以上のアンテナで受信したパルス性放射電磁波に起因する受信信号を、始点を共通にして異なる長さのN(Nは自然数)個に区間してN個の区分信号を生成するとともに、フーリエ変換処理および所定の重みをつけた逆フーリエ変換処理を含む相互相関法に基づく到達時間差推定法による前記各区分信号の信号処理により、前記各区間毎に到達時間差を推定するとともに、推定されたN個の到達時間差の平均値を演算し、前記平均値に基づき前記受信信号の到来方向を推定することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査方法にある。
第1の態様に記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査方法において、
前記到達時間差の平均値は、N個の到達時間差のうち所定の範囲に含まれない外れ値を除去して演算することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査方法にある。
第1または第2の態様に記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査方法において、
到達時間差推定法としてGCC(Generalized Cross Correlation、一般相互相関法)−PHAT(Phase Transform)法を適用したことを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査方法にある。
第1〜第3の態様の何れか一つに記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査方法において、
前記各対角線の交点に配設され、前記信号処理部が送出する到来方向を表す到来方向信号を受信して前記到来方向に向け姿勢を制御され、前記到来方向の画像を撮像する撮像手段で撮像した画像をモニター装置で可視化して再生することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査方法にある。
四辺以上の辺を有するとともに各対角線の交点から前記各辺の交点に至る寸法が同一である多角形における前記各辺の交点に配設されている四本以上のアンテナと、
前記各アンテナを介してそれぞれ受信したパルス性電波雑音の時間軸に対するレベルを表す受信信号を検出するとともに、前記受信信号を、始点を共通にして異なる長さのN(Nは自然数)個の区間に分割してなる区分信号を生成する信号受信部と、
フーリエ変換処理および所定の重みをつけた逆フーリエ変換処理を含む相互相関法に基づく到達時間差推定法による前記各区分信号の信号処理により、前記各区間毎に到達時間差を推定するとともに、推定されたN個の到達時間差の平均値を演算し、前記平均値に基づき前記受信信号の到来方向を推定する信号処理部とを有することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにある。
第5の態様に記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにおいて、
前記到達時間差の平均値は、N個の到達時間差のうち所定の範囲に含まれない外れ値を除去して演算することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにある。
第5または第6の態様に記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにおいて、
到達時間差推定法としてGCC−PHAT法を適用したことを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにある。
第5〜第7の態様の何れか一つに記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにおいて、
前記各対角線の交点に配設され、前記信号処理部が送出する到来方向を表す到来方向信号を受信して前記到来方向に向け姿勢を制御され、前記到来方向の画像を撮像する撮像手段と、該撮像手段が撮像した画像を可視化して再生するモニター装置とを備えた可視化部を、さらに有することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにある。
図1は本発明の実施の形態に係るパルス性放射電磁波の到来方向探査システムを示すブロック図である。同図に示すように、本形態に係るパルス製放射電磁波の到来方向探査システムはアンテナ装置I、信号受信部II、信号処理部IIIおよび可視化部IVからなる。アンテナ装置Iは水平な架台2上に配設された4本のアンテナ1A、1B、1C、1Dからなる。ここで、架台2は脚部3に水平に配設してあり、電波の反射を低減するため何れも木製としてある。アンテナ1A〜1Dはダイポールアンテナであり、架台2上で水平な正方形の各辺の四つの交点に等間隔に並べてそれぞれを垂直に立てた状態で固定してある。アンテナ1A〜1Dの間隔は、到来電波を平面波と見做し得る程度が確保されていれば良いが、経済性や反射波の悪影響を防止する観点から、本形態では1mとした。また、設定可能な中心周波数は500MHz〜1GHzである。
1) アンテナ1A〜1Dで受信した各受信信号の波形の先頭から切り出した適当な長さの適当な長さLn(n=1,2,3,・・・,N)個の区分信号から次式(1)に基づき相関スペクトル rxy(Dn)を求め、到達時間差を推定する。
2) 推定されたN個の到達時間差Dnから外れ値を除去する。すなわち、Dn>(μ+ 2σ)またはDn<(μ − 2σ)を満たす到達時間差を除去し、このような処理を数回繰り返す。ここで、μは平均、σは標準偏差である。
3) 2)の操作で最終的に得られた到達時間差DP(P=1,2,3,・・・,(N −P)、Pは外れ値の数)の平均値Daveを到来方向推定に用いる。 すなわち、次式(2)で与えられる平均値Daveで到来方向推定を行う。
二次元の到来方向(方位角と仰角)を推定するためには、三本以上のアンテナが必要である。到達時間差から到来方向を推定する場合、到来波を平面波と見做して到来方向を推定する。ただし、この平面波近似に起因する誤差は、到来方向の基準点(平面波の近似方法)の選択により異なるため、基準点の選択について検討した。この結果、二本のアンテナで構成したアンテナペアに対して、基準点をアンテナペアの中心位置とする場合、到来方向(一次元の到来方向)の推定結果が最も良いが分かった。また、多数本のアンテナで構成したアレーアンテナに対し、まず対角位置にあるアンテナで構成した多数組のアンテナペアを分け、それぞれのアンテナペアに対して基準点をそれぞれの中心位置とする。次に、全部あるいは一部の対角位置にあるアンテナを結ぶ直線の交点が全部あるいは一部のアンテナペアの中心位置にあれば、この交点を基準点とする場合、到来方向の推定結果が最も良い。
基準点を四本のアンテナ1A〜1Dで構成したアレーの中心とし、二次元の到来方向を推定するため、図4に示すようなアレーが考えられる。
1) 実験条件
本実験に用いた実験装置Vを図5に示す。同図に示すように、本実験装置Vでは、試験送電線21に火花放電模擬装置(最大電圧5kV)22を位置P1に吊るし、火花放電を発生させた。ここで、位置P1の直下を基準点とし、基準点から試験送電線21に対して法線方向に10m、15m、20m、25m離れた位置である測定箇所M1,M2,M3,M4にそれぞれ所定の到来方向探査システム100を設置し測定を行った。なお、本実験では所定の信号処理を行うオシロスコープのサンプリング間隔を0.02nsに設定してアンテナ1A〜1Dの受信信号の波形を観測し、4096点の測定点を用いて到来方向を推定した。
本実験結果において信号処理に使用したGCC−PHAT法では、受信信号の波形データ全体に対してフーリエ変換を適用し、相互相関スペクトルを求めて到達時間差を推定した。
本実験結果に使用したGCC−PHAT法では、前記実施の形態と同様に、受信信号の波形データをN個に区分し、各区分毎にフーリエ変換を適用し、相互相関スペクトルを求めて到達時間差を推定した。すなわち、前記実施の形態に記載した推定手法である(以下、これを「実施形態手法」という)。
3) 実験条件
本実験に用いた実験装置VIを図10に示す。同図に示すように、本実験装置では、3台のトランス33,34,35および整流鉄塔36,37が設置されている。同図に示すように、トランス34,35の間に接続している導体31に球ギャップ(ギャップ間隔:5mm)38を吊るし、周波数50Hz、対地電圧100kVの交流電圧を導体31に印加した。浮遊容量による分圧によって球ギャップ38間に誘起される電位差により火花放電を発生させてパルス性電磁波を放射させた。なお、本実験ではオシロスコープのサンプリング間隔を0.02nsに設定してアンテナ1A〜1Dの受信信号の波形を観測し、8196点の測定点を用いて到来方向を推定した。
本実験結果において信号処理に使用したGCC−PHAT法では、受信信号の波形データ全体に対してフーリエ変換を適用し、相互相関スペクトルを求めて到達時間差を推定した。
本実験結果に使用したGCC−PHAT法では、前記実施の形態と同様に、受信信号の波形データをN個に区分し、各区分毎にフーリエ変換を適用し、相互相関スペクトルを求めて到達時間差を推定した。すなわち、前記実施の形態に記載した推定手法である(以下、これを「実施形態手法」という)。
II 信号受信部
III 信号処理部
VI 可視化部
1A〜1D アンテナ
7 フーリエ変換部
8 逆フーリエ変換部
9 PHAT重み関数設定部
10 到達時間差演算部
11 平均値演算部
12 到達方向検出部
Claims (8)
- 四辺以上の辺を有するとともに各対角線の交点から前記各辺の交点に至る寸法が同一である多角形における前記各辺の交点に配設されている四本以上のアンテナで受信したパルス性放射電磁波に起因する受信信号を、始点を共通にして異なる長さのN(Nは自然数)個に区間してN個の区分信号を生成するとともに、フーリエ変換処理および所定の重みをつけた逆フーリエ変換処理を含む相互相関法に基づく到達時間差推定法による前記各区分信号の信号処理により、前記各区間毎に到達時間差を推定するとともに、推定されたN個の到達時間差の平均値を演算し、前記平均値に基づき前記受信信号の到来方向を推定することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査方法。
- 請求項1に記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査方法において、
前記到達時間差の平均値は、N個の到達時間差のうち所定の範囲に含まれない外れ値を除去して演算することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査方法。 - 請求項1または請求項2に記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査方法において、
到達時間差推定法としてGCC(Generalized Cross Correlation、一般相互相関法)−PHAT(Phase Transform)法を適用したことを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査方法。 - 請求項1〜請求項3の何れか一つに記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査方法において、
前記各対角線の交点に配設され、前記信号処理部が送出する到来方向を表す到来方向信号を受信して前記到来方向に向け姿勢を制御され、前記到来方向の画像を撮像する撮像手段で撮像した画像をモニター装置で可視化して再生することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査方法。 - 四辺以上の辺を有するとともに各対角線の交点から前記各辺の交点に至る寸法が同一である多角形における前記各辺の交点に配設されている四本以上のアンテナと、
前記各アンテナを介してそれぞれ受信したパルス性電波雑音の時間軸に対するレベルを表す受信信号を検出するとともに、前記受信信号を、始点を共通にして異なる長さのN(Nは自然数)個の区間に分割してなる区分信号を生成する信号受信部と、
フーリエ変換処理および所定の重みをつけた逆フーリエ変換処理を含む相互相関法に基づく到達時間差推定法による前記各区分信号の信号処理により、前記各区間毎に到達時間差を推定するとともに、推定されたN個の到達時間差の平均値を演算し、前記平均値に基づき前記受信信号の到来方向を推定する信号処理部とを有することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査システム。 - 請求項5に記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにおいて、
前記到達時間差の平均値は、N個の到達時間差のうち所定の範囲に含まれない外れ値を除去して演算することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査システム。 - 請求項5または請求項6に記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにおいて、
到達時間差推定法としてGCC−PHAT法を適用したことを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査システム。 - 請求項5〜請求項7の何れか一つに記載するパルス性放射電磁波の到来方向探査システムにおいて、
前記各対角線の交点に配設され、前記信号処理部が送出する到来方向を表す到来方向信号を受信して前記到来方向に向け姿勢を制御され、前記到来方向の画像を撮像する撮像手段と、該撮像手段が撮像した画像を可視化して再生するモニター装置とを備えた可視化部を、さらに有することを特徴とするパルス性放射電磁波の到来方向探査システム。
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