JP2014179523A - 基板ユニット - Google Patents

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大貴 松下
Shinji Kubo
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Abstract

【課題】発熱部品から発生した熱が効率よく放熱して発熱部品の過熱を防止できるとともに、信頼性かつ汎用性に優れた低コストな基板ユニットを提供する。
【解決手段】複数の配線パターン14を有する基板10と、基板10の第一主面11上に実装される発熱部品5aと、第一主面11上に実装される金属チップ20と、を備え、金属チップ20と発熱部品5aとは、配線パターン14上に実装されるとともに、配線パターン14を介して互いに接続されていることを特徴としている。
【選択図】図2

Description

この発明は、基板ユニットに関するものである。
電子部品の中でも、特にトランジスタやFET(Field effect transistor)、IC(Integrated Circuit)、シャント抵抗等(以下、「発熱部品」という。)は、通電によって著しく発熱することが知られている。また、近年、電子機器の小型化および高密度化にともなって、電子機器の基板上に実装される発熱部品の実装密度が高くなるとともに、発熱部品が高温化する傾向にある。発熱部品の温度が上昇し、熱定格を越えた場合には、発熱部品の信頼性および性能の維持ができない。したがって、基板に実装された発熱部品の熱対策が必要とされる。
例えば、特許文献1には、絶縁基材上に形成したダイパッドに電子部品(発熱部品)を搭載し、ダイパッドの下側に位置する絶縁基材に、ダイパッドと、ダイパッドとは反対側に位置する導体部とを熱的に接続する熱接続部を形成した電子部品搭載用基板が記載されている。特許文献1によれば、電子部品が生じた熱を各熱接続部を介して電子部品とは反対側に位置する導電部に伝導させることができるため、放熱性に優れたものとすることができるとされている。
また、一般に、発熱部品自体の熱対策として、例えば、発熱部品が高温化でも性能を維持できるように発熱部品そのものを許容損失の大きい部品に変更する方法や、抵抗値の小さい発熱部品に変更することにより発熱量を抑制する方法等が知られている。
また、一般に、発熱部品とヒートシンクとを近接配置したり、発熱部品が実装される配線パターンとヒートシンクとを近接配置したりすることにより、発熱部品とヒートシンクとの間の熱抵抗率を低下させて、ヒートシンクから効率よく放熱する方法が知られている。
特開平4−105396号公報
しかしながら、従来技術にあっては、以下のような問題がある。
特許文献1に記載の技術にあっては、その適用がスルーホールを有する基板に限定されるため、汎用性に乏しい。
また、発熱部品そのものを許容損失の大きい部品に変更したり、抵抗値の小さい発熱部品に変更したりする場合には、発熱部品のコストアップが問題となる。
また、発熱部品とヒートシンクとを近接配置したり、配線パターンとヒートシンクとを近接配置したりする場合には、電子機器に振動や衝撃等が加わった際に、発熱部品とヒートシンクまたは配線パターンとが接触し、配線パターンを損傷するおそれがあり、また電位変化による特性変化を招くおそれがある。
したがって、いずれの従来技術においても、基板に実装された発熱部品の熱対策という点で、課題が残されている。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、発熱部品から発生した熱が効率よく放熱して発熱部品の過熱を防止できるとともに、信頼性かつ汎用性に優れた低コストな基板ユニットの提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の基板ユニットは、複数の配線パターンを有する基板と、前記基板の少なくとも第一主面上に実装される発熱部品と、前記第一主面および前記第一主面とは反対側の第二主面の少なくともいずれかの主面上に実装される金属チップと、を備え、前記金属チップと前記発熱部品とは、それぞれ前記配線パターン上に実装されるとともに、前記配線パターンを介して互いに接続されていることを特徴としている。
本発明によれば、金属チップと発熱部品とは、配線パターンを介して互いに接続されているので、発熱部品から発生した熱は、金属チップを介して例えばヒートシンクや空気等の放熱対象物に伝導することができる。すなわち、従来技術に比べて、配線パターンを介して放熱対象物に伝導する熱伝導経路に加えて、配線パターンおよび金属チップを介して放熱対象物に伝導する熱伝導経路を設けることができるので、金属チップと放熱対象物との間の熱抵抗率を低下させることができる。したがって、発熱部品から発生した熱が効率よく放熱して、発熱部品の過熱を防止できる。
また、金属チップの表面にメッキを施すことにより、ハンダの濡れ性を確保して基板に簡単に実装できる。しかも、金属チップは、配線パターン上に実装されているので、振動や衝撃等が加わった際に配線パターンが損傷する事や、電位変化による特性変化を防止できるとともに、金属チップと配線パターンとの接触を考慮して絶縁処理等を施す必要もない。また、配線パターンに金属チップを実装することにより、基板の層数や種類、スルーホールの有無等に関わらず、種々の基板に広く本発明を適用できる。したがって、信頼性かつ汎用性に優れた低コストな基板ユニットとすることができる。
また、前記発熱部品および前記金属チップは、複数の前記配線パターンのうち前記第一主面に形成された第一主面配線パターン上に実装されていることを特徴としている。
本発明によれば、発熱部品および金属チップは、第一主面に形成された第一主面配線パターン上に実装されているので、発熱部品から発生した熱が、基板の第一主面側から効率よく放熱できる。
また、前記発熱部品は、複数の前記配線パターンのうち前記第一主面に形成された第一主面配線パターン上に実装され、前記金属チップは、複数の前記配線パターンのうち前記第二主面に形成された第二主面配線パターン上に実装されていることを特徴としている。
本発明によれば、発熱部品が第一主面配線パターン上に実装され、金属チップが第二主面配線パターン上に実装されているので、第一主面側で発熱部品から発生した熱が、第二主面側の金属チップに伝導し、第二主面側から効率よく放熱できる。
また、前記基板には、前記第一主面と前記第二主面とを連通するスルーホールが設けられ、前記スルーホールの内周面には、導通用金属膜が成膜され、前記導通用金属膜は、前記第一主面配線パターンと前記第二主面配線パターンとを接続することを特徴としている。
本発明によれば、スルーホールの内周面には導通用金属膜が成膜されており、導通用金属膜が第一主面配線パターンと第二主面配線パターンとを接続しているので、第一主面側と第二主面側とを接続する熱伝導経路を、スルーホールの導通用金属膜を介して最短で形成することができる。これにより、熱伝導経路の熱抵抗率を低下させることができるので、第一主面側で発熱部品から発生した熱が、第二主面側の金属チップに効率よく伝導することができる。
また、前記スルーホール内には、熱伝導用充填部材が充填されていることを特徴としている。
本発明によれば、スルーホール内に熱伝導用充填部材を充填することで、スルーホール内に空気が存在する場合よりも、熱伝導経路の熱抵抗率をさらに低下させることができる。したがって、第一主面側で発熱部品から発生した熱が、第二主面側の金属チップに効率よく伝導することができる。
また、前記金属チップは、熱伝導材料を介してヒートシンクに接続されていることを特徴としている。
本発明によれば、金属チップは、熱伝導材料を介してヒートシンクに接続されているので、発熱部品から発生した熱が、金属チップを介してヒートシンクに確実に伝導できるとともに、ヒートシンクから効率よく放熱できる。
本発明によれば、金属チップと発熱部品とは、配線パターンを介して互いに接続されているので、発熱部品から発生した熱は、金属チップを介して例えばヒートシンクや空気等の放熱対象物に伝導することができる。すなわち、従来技術に比べて、配線パターンを介して放熱対象物に伝導する熱伝導経路に加えて、配線パターンおよび金属チップを介して放熱対象物に伝導する熱伝導経路を設けることができるので、金属チップと放熱対象物との間の熱抵抗率を低下させることができる。したがって、発熱部品から発生した熱が効率よく放熱して、発熱部品の過熱を防止できる。
また、金属チップの表面にメッキを施すことにより、ハンダの濡れ性を確保して基板に簡単に実装できる。しかも、金属チップは、配線パターン上に実装されているので、振動や衝撃等が加わった際に配線パターンが損傷する事や、電位変化による特性変化を防止できるとともに、金属チップと配線パターンとの接触を考慮して絶縁処理等を施す必要もない。また、配線パターンに金属チップを実装することにより、基板の層数や種類、スルーホールの有無等に関わらず、種々の基板に広く本発明を適用できる。したがって、信頼性かつ汎用性に優れた低コストな基板ユニットとすることができる。
第一実施形態に係る基板ユニットの平面図である。 図1のA−A線に沿った側面断面図である。 第二実施形態に係る基板ユニットの側面断面図である。 第三実施形態に係る基板ユニットの側面断面図である。 その他の実施形態に係る基板ユニットの側面断面図である。
以下、第一実施形態に係る基板ユニットについて、図面を参照して説明をする。なお、各図では、各部材の構造をわかりやすくするため、各部材の寸法を現実のものから適宜変更して描いている。
図1は、第一実施形態に係る基板ユニット1の平面図であり、図2は、図1のA−A線に沿った側面断面図である。なお、図1では、分かりやすくするために、ヒートシンク7を二点鎖線で図示している。
図1に示すように、本実施形態に係る基板ユニット1は、主に基板10と、発熱部品5aと、金属チップ20と、ヒートシンク7と、を備えている。基板10と、発熱部品5aと、金属チップ20と、ヒートシンク7とは、発熱部品から発生する熱を放熱する発熱部品放熱構造2を形成している。
図2に示すように、基板10は、例えばガラスエポキシ等の絶縁材料により形成されたいわゆるプリント基板である。基板10の第一主面11(図2における下側の主面)および第二主面12(図2における上側の主面)上には、複数の配線パターン14が配索されている。
配線パターン14は、例えば銅等がパターニングおよび成膜されて形成されており、基板10の第一主面11上に形成された第一主面配線パターン14aと、基板10の第二主面12上に形成された第二主面配線パターン14bとを含む。
また、基板10は、基板10の第一主面11と第二主面12とを連通するスルーホール16を有している。スルーホール16の内周面16aには、導通用金属膜14cが成膜されている。導通用金属膜14cは、例えば銅等がパターニングおよび成膜されて形成されており、第一主面配線パターン14aと第二主面配線パターン14bとを電気的に接続している。
基板10の第一主面11および第二主面12上には、電子部品5が複数実装されている。電子部品5は、例えばトランジスタやFET(Field effect transistor)、IC(Integrated Circuit)、シャント抵抗等、通電により発熱する発熱部品5aを含んでいる。電子部品5は、第一主面11および第二主面12の表面に配索された配線パターン14上に、例えば表面実装技術(Surface Mount Technology:SMT)によって、ハンダ6等を介して実装されている。本実施形態では、発熱部品5aは、第一主面配線パターン14a上にハンダ6を介して実装されている。
金属チップ20は、例えば銅やアルミニウム等の熱抵抗率の低い金属材料により、平板状に形成されている。金属チップ20の厚さは、例えば発熱部品5aと同等の厚さとなっている。これにより、基板10の第一主面配線パターン14a上に金属チップ20を実装したとき、発熱部品5aの基板10側とは反対側の主面と、金属チップ20の基板10側とは反対側の主面とが略面一となる。また、第一主面11側から見たときの金属チップ20の外形は、例えば発熱部品5aの外形よりも大きくなっている。
金属チップ20は、発熱部品5aと離間した位置において、第一主面配線パターン14a上にハンダ6を介して実装されている。これにより、金属チップ20と発熱部品5aとは、それぞれ第一主面配線パターン14a上に実装されるとともに、第一主面配線パターン14aを介して互いに接続されている。なお、金属チップ20の表面には、スズメッキや亜鉛メッキ等のメッキ処理が施されている。これにより、金属チップ20の表面においてハンダ6の良好な濡れ性を確保できるので、配線パターン14(本実施形態では第一主面配線パターン14a)上に確実に実装できる。
ヒートシンク7は、例えば銅やアルミニウム等の熱抵抗率の低い金属材料により、直方体状に形成されている。なお、図示は省略するが、ヒートシンク7の外表面にフィンを設けてもよい。これにより、ヒートシンク7の表面積を広く確保できるので、良好な放熱性を確保できる。
図1に示すように、基板10の第一主面11側からヒートシンク7を見たとき、ヒートシンク7の外形は、金属チップ20および発熱部品5aの外形よりも十分に大きくなっている。これにより、ヒートシンク7は、複数の金属チップ20および発熱部品5aを覆うように配置できる。
図2に示すように、ヒートシンク7は、基板10の第一主面11側において、発熱部品5aの基板10側とは反対側の主面および金属チップ20の基板10側とは反対側の主面に接続されている。
ここで、ヒートシンク7と、発熱部品5aおよび金属チップ20とは、熱伝導材料9を介して接続されている。熱伝導材料9は、例えばゲル状のシリコン樹脂等を主成分とした熱伝導グリスであり、いわゆるサーマルインターフェースマテリアル(Thermal Interface Material:TIM)である。なお、熱伝導材料9は、ゲル状のシリコン樹脂等を主成分とした熱伝導グリスに限定されることはなく、例えばシリコン樹脂等やカーボン等を主成分とするゴム状のシート部材であってもよい。
続いて、上述のように構成された第一実施形態に係る基板ユニット1の作用について説明する。
例えばFET等の発熱部品5aに電流が通電されると、発熱部品5aが発熱する。
発熱部品5aから発生した熱は、熱伝導材料9、ヒートシンク7の順に伝導してヒートシンク7から放熱する第一の熱伝導経路Ra、発熱部品5a側のハンダ6、第一主面配線パターン14aの順に伝導して第一主面配線パターン14aから放熱する第二の熱伝導経路Rb、および発熱部品5aの表面から放熱する第三の熱伝導経路Rcを介して放熱する。
ここで、本実施形態では、金属チップ20と発熱部品5aとは、それぞれ第一主面配線パターン14a上に実装されるとともに、第一主面配線パターン14aを介して互いに接続されている。したがって、発熱部品5aから発生した熱は、上記第一の熱伝導経路Ra、第二の熱伝導経路Rbおよび第三の熱伝導経路Rcに加えて、発熱部品5a側のハンダ6、第一主面配線パターン14a、金属チップ20側のハンダ6、金属チップ20の順に伝導して金属チップ20の表面から放熱する第四の熱伝導経路Rd、および発熱部品5a側のハンダ6、第一主面配線パターン14a、金属チップ20側のハンダ6、金属チップ20、熱伝導材料9、ヒートシンク7の順に伝導してヒートシンク7の表面から放熱する第五の熱伝導経路Reを介して放熱する。このように、基板10の第一主面配線パターン14a上に実装される金属チップ20を備えることで、複数の熱伝導経路を設けることができる。なお、図2においては、各熱伝導経路Ra〜Reの一部を矢印にて模式的に図示している。
本実施形態によれば、金属チップ20と発熱部品5aとは、第一主面配線パターン14aを介して互いに接続されているので、発熱部品5aから発生した熱は、金属チップ20を介して例えばヒートシンク7や空気等の放熱対象物に伝導することができる。すなわち、従来技術に比べて、第一主面配線パターン14aを介して放熱対象物に伝導する第一の熱伝導経路Ra、第二の熱伝導経路Rbおよび発熱部品5aの表面から放熱する第三の熱伝導経路Rcに加えて、第一主面配線パターン14aおよび金属チップ20を介して放熱対象物に伝導する第四の熱伝導経路Rdおよび第五の熱伝導経路Reを設けることができるので、金属チップ20と放熱対象物との間の熱抵抗率を低下させることができる。したがって、発熱部品5aから発生した熱が効率よく放熱して、発熱部品5aの過熱を防止できる。
また、金属チップ20の表面にメッキを施すことにより、ハンダ6の濡れ性を確保して基板10に簡単に実装できる。しかも、金属チップ20は、第一主面配線パターン14a上に実装されているので、振動や衝撃等が加わった際に第一主面配線パターン14aが損傷する事や、電位変化による特性変化を防止できるとともに、金属チップ20と第一主面配線パターン14aとの接触を考慮して絶縁処理等を施す必要もない。また、第一主面配線パターン14aに金属チップ20を実装することにより、基板10の層数や種類、スルーホール16の有無等に関わらず、種々の基板に広く本発明を適用できる。したがって、信頼性かつ汎用性に優れた低コストな基板ユニット1とすることができる。
また、発熱部品5aおよび金属チップ20は、第一主面11に形成された第一主面配線パターン14a上に実装されているので、発熱部品5aから発生した熱が、基板10の第一主面11側から効率よく放熱できる。
また、金属チップ20は、熱伝導材料9を介してヒートシンク7に接続されているので、発熱部品5aから発生した熱が、金属チップ20を介してヒートシンク7に確実に伝導できるとともに、ヒートシンク7から効率よく放熱できる。
(第二実施形態)
図3は、第二実施形態に係る基板ユニット1の側面断面図である。
第一実施形態に係る基板ユニット1は、発熱部品5aおよび金属チップ20が第一主面配線パターン14a上に実装されて形成されていた(図2参照)。
これに対して、第二実施形態に係る基板ユニット1は、図3に示すように、発熱部品5aが第一主面配線パターン14a上に実装され、金属チップ20が第二主面配線パターン14b上に実装されている点で、第一実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
基板10は、基板10の第一主面11と第二主面12とを連通するスルーホール16を複数(本実施形態では、例えば三本)有している。スルーホール16の内周面16aには、導通用金属膜14cが成膜されている。導通用金属膜14cは、第一主面配線パターン14aと第二主面配線パターン14bとを電気的に接続している。
基板10の第一主面配線パターン14a上には、ハンダ6を介して発熱部品5aが実装されている。発熱部品5aは、スルーホール16の第一主面11側の開口を閉塞するように実装されている。
基板10の第二主面配線パターン14b上には、ハンダ6を介して金属チップ20が実装されている。金属チップ20は、スルーホール16の第二主面12側の開口を閉塞するように実装されている。
続いて、上述のように構成された第二実施形態に係る基板ユニット1の作用について説明する。
発熱部品5aから発生した熱は、発熱部品5a側のハンダ6、第一主面配線パターン14aの順に伝導して第一主面配線パターン14aの表面から放熱する第一の熱伝導経路Ra、および発熱部品5aの表面から放熱する第二の熱伝導経路Rbを介して放熱する。
ここで、第二実施形態では、発熱部品5aは、第一主面配線パターン14a上に実装され、金属チップ20は、第二主面配線パターン14b上に実装されており、スルーホール16の導通用金属膜14cは、第一主面配線パターン14aと第二主面配線パターン14bとを接続している。したがって、発熱部品5aから発生した熱は、上記第一の熱伝導経路Raおよび第二の熱伝導経路Rbに加えて、発熱部品5a側のハンダ6、第一主面配線パターン14a、スルーホール16の導通用金属膜14c、第二主面配線パターン14bの順に伝導して第二主面配線パターン14bの表面から放熱する第三の熱伝導経路Rc、および発熱部品5a側のハンダ6、第一主面配線パターン14a、スルーホール16の導通用金属膜14c、第二主面配線パターン14b、金属チップ20側のハンダ6、金属チップ20の順に伝導して金属チップ20の表面から放熱する第四の熱伝導経路Rdを介して放熱する。このように、基板10の第一主面配線パターン14a上に実装される発熱部品5aと、基板10の第二主面配線パターン14b上に実装される金属チップ20と、を備えるとともに、スルーホール16の導通用金属膜14cにより第一主面配線パターン14aと第二主面配線パターン14bとを接続することで、複数の熱伝導経路を設けることができる。なお、図3においては、各熱伝導経路Ra〜Rdの一部を矢印にて模式的に図示している。
第二実施形態によれば、発熱部品5aが第一主面配線パターン14a上に実装され、金属チップ20が第二主面配線パターン14b上に実装されているので、第一主面11側で発熱部品5aから発生した熱が、第二主面12側の金属チップ20に伝導し、第二主面12側から効率よく放熱できる。
また、スルーホール16の内周面16aには導通用金属膜14cが成膜されており、導通用金属膜14cが第一主面配線パターン14aと第二主面配線パターン14bとを接続しているので、第一主面11側と第二主面12側とを接続する第三の熱伝導経路Rcおよび第四の熱伝導経路Rdを、スルーホール16の導通用金属膜14cを介して最短で形成することができる。これにより、熱伝導経路の熱抵抗率を低下させることができるので、第一主面11側で発熱部品5aから発生した熱が、第二主面12側の金属チップ20に効率よく伝導することができる。
(第三実施形態)
図4は、第三実施形態に係る基板ユニット1の側面断面図である。
第一実施形態に係る基板ユニット1は、発熱部品5aおよび金属チップ20が第一主面配線パターン14a上に実装されて形成されていた(図2参照)。また、第二実施形態に係る基板ユニット1は、発熱部品5aが第一主面配線パターン14a上に実装され、金属チップ20が第二主面配線パターン14b上に実装されているとともに、スルーホール16の導通用金属膜14cにより第一主面配線パターン14aと第二主面配線パターン14bとを接続していた(図3参照)。
これに対して、第三実施形態に係る基板ユニット1は、図4に示すように、発熱部品5aが第一主面配線パターン14a上に実装され、金属チップ20が第二主面配線パターン14b上に実装されているとともに、スルーホール16内に熱伝導用充填部材22が充填されている点で、第一実施形態および第二実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態および第二実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
基板10は、基板10の第一主面11と第二主面12とを連通するスルーホール16を複数(本実施形態では、例えば三本)有している。スルーホール16内には、熱伝導用充填部材22が充填されている。熱伝導用充填部材22は、例えば金属材料であれば特に限定されることはないが、とりわけハンダ6と同一の金属材料が好適である。これにより、基板ユニット1の製造工程において、基板10の第一主面11および第二主面12にハンダ6を例えばスキージ等で塗布する際に、同じ工程でスルーホール16内に熱伝導用充填部材22を充填できる。
続いて、上述のように構成された第三実施形態に係る基板ユニット1の作用について説明する。
発熱部品5aから発生した熱は、発熱部品5a側のハンダ6、第一主面配線パターン14aの順に伝導して第一主面配線パターン14aの表面から放熱する第一の熱伝導経路Ra、および発熱部品5aの表面から放熱する第二の熱伝導経路Rbを介して放熱する。
ここで、第三実施形態では、発熱部品5aは、第一主面配線パターン14a上に実装され、金属チップ20は、第二主面配線パターン14b上に実装され、スルーホール16の導通用金属膜14cおよび熱伝導用充填部材22は、第一主面配線パターン14aと第二主面配線パターン14bとを接続している。したがって、発熱部品5aから発生した熱は、上記第一の熱伝導経路Ra、第二の熱伝導経路Rbに加えて、発熱部品5a側のハンダ6、第一主面配線パターン14a、スルーホール16の導通用金属膜14cと熱伝導用充填部材22、第二主面配線パターン14bの順に伝導して第二主面配線パターン14bの表面から放熱する第三の熱伝導経路Rc、および発熱部品5a側のハンダ6、第一主面配線パターン14a、スルーホール16の導通用金属膜14cと熱伝導用充填部材22、第二主面配線パターン14b、金属チップ20側のハンダ6、金属チップ20の順に伝導して金属チップ20の表面から放熱する第四の熱伝導経路Rdを介して放熱する。このように、基板10の第一主面配線パターン14a上に実装される発熱部品5aと、基板10の第二主面配線パターン14b上に実装される金属チップ20と、を備えるとともに、スルーホール16の導通用金属膜14cおよび熱伝導用充填部材22により第一主面配線パターン14aと第二主面配線パターン14bとを接続することで、複数の熱伝導経路を設けることができる。なお、図4においては、各熱伝導経路Ra〜Rdの一部を矢印にて模式的に図示している。
第三実施形態によれば、スルーホール16内に熱伝導用充填部材22を充填することで、スルーホール16内に空気が存在する場合よりも、熱伝導経路の熱抵抗率をさらに低下させることができる。したがって、第一主面11側で発熱部品5aから発生した熱が、第二主面12側の金属チップ20に効率よく伝導することができる。
なお、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
基板10や、配線パターン14、発熱部品5a、金属チップ20、ヒートシンク7、熱伝導材料9、熱伝導用充填部材22、スルーホール16等の形状や材質、個数等は、各実施形態に限定されない。
各実施形態では、基板10の両主面に配線パターン14が形成された、いわゆる両面基板を例に説明をしたが、基板10の種類は各実施形態に限定されない。例えば、基板の片側主面のみに配線パターンが形成されたいわゆる片面基板や、基板内にも配線パターンが形成されたいわゆる多層基板にも本発明を適用できる。
図5は、その他の実施形態に係る基板ユニット1の側面断面図である。
各実施形態に係る基板ユニット1の発熱部品放熱構造2をそれぞれ任意に組み合わせてもよい。例えば、図5に示すように、第一実施形態と第三実施形態とを組み合わせ、基板10の第一主面配線パターン14a上に実装される発熱部品5aと、基板10の第二主面配線パターン14b上に実装される金属チップ20と、を備え、スルーホール16の導通用金属膜14cおよび熱伝導用充填部材22により第一主面配線パターン14aと第二主面配線パターン14bとを接続するとともに、熱伝導材料9を介して発熱部品5aにヒートシンク7を接続してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 基板ユニット
7 ヒートシンク
10 基板
11 第一主面
12 第二主面
14 配線パターン
14a 第一主面配線パターン
14b 第二主面配線パターン
14c 導通用金属膜
16 スルーホール
16a 内周面
20 金属チップ
22 熱伝導用充填部材

Claims (6)

  1. 複数の配線パターンを有する基板と、
    前記基板の少なくとも第一主面上に実装される発熱部品と、
    前記第一主面および前記第一主面とは反対側の第二主面の少なくともいずれかの主面上に実装される金属チップと、
    を備え、
    前記金属チップと前記発熱部品とは、それぞれ前記配線パターン上に実装されるとともに、前記配線パターンを介して互いに接続されていることを特徴とする基板ユニット。
  2. 請求項1に記載の基板ユニットであって、
    前記発熱部品および前記金属チップは、複数の前記配線パターンのうち前記第一主面に形成された第一主面配線パターン上に実装されていることを特徴とする基板ユニット。
  3. 請求項1に記載の基板ユニットであって、
    前記発熱部品は、複数の前記配線パターンのうち前記第一主面に形成された第一主面配線パターン上に実装され、前記金属チップは、複数の前記配線パターンのうち前記第二主面に形成された第二主面配線パターン上に実装されていることを特徴とする基板ユニット。
  4. 請求項3に記載の基板ユニットであって、
    前記基板には、前記第一主面と前記第二主面とを連通するスルーホールが設けられ、
    前記スルーホールの内周面には、導通用金属膜が成膜され、
    前記導通用金属膜は、前記第一主面配線パターンと前記第二主面配線パターンとを接続することを特徴とする基板ユニット。
  5. 請求項4に記載の基板ユニットであって、
    前記スルーホール内には、熱伝導用充填部材が充填されていることを特徴とする基板ユニット。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の基板ユニットであって、
    前記金属チップは、熱伝導材料を介してヒートシンクに接続されていることを特徴とする基板ユニット。
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