JP2014171763A - 粒子線治療における患者位置決めシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】同一の患者について多数回の位置決めが必要な、粒子線治療における患者位置決めシステムにおいて、技師の作業を単純化できるシステムを提供する。
【解決手段】X線撮像装置により照合画像を撮像したときの画像と撮像条件とを組として記憶する情報管理装置を備え、X線撮像装置に含まれるX線撮像制御装置は、その後に照合画像を撮像する際に、情報管理装置に記憶された撮像条件を取得して、取得した撮像条件に従ってX線撮像装置を制御して照合画像を撮像するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】X線撮像装置により照合画像を撮像したときの画像と撮像条件とを組として記憶する情報管理装置を備え、X線撮像装置に含まれるX線撮像制御装置は、その後に照合画像を撮像する際に、情報管理装置に記憶された撮像条件を取得して、取得した撮像条件に従ってX線撮像装置を制御して照合画像を撮像するようにした。
【選択図】図1
Description
この発明は、粒子線治療において、正確に患者の患部に粒子線を照射するように、患者の位置決めをするための、患者位置決めシステムに関するものである。
従来の粒子線治療システムにおいて、X線撮像は、X線を利用して患者の透過画像を得ることで、診断、また粒子線照射時の患者の患部位置決めといった医療行為に寄与する。X線撮像には、単画像、または複数画像を撮影する一般撮像と、X線透視撮像があり、患者の患部、治療計画によって撮像モード(単画像、複数画像、透視画像撮影)、撮影条件(管電流、管電圧、撮影時間、呼吸同期有無、フレームレートなど)が選択され、使用されている。
粒子線治療においては、粒子線照射を実行するに際して、患者の患部に粒子線が照射されるように、患者を正確に位置決めする必要があり、この位置決めのために患者の患部近傍のX線撮像が行われる。粒子線治療は、同じ患者の患部に1日に1回、全部で数十回の粒子線照射を行うことにより実施される。照射毎に同一の患者の同一部分に粒子線を照射するために、1回の照射毎に患者の位置決めを行う必要がある。このため、技師がその都度、患者に合わせてX線撮像の撮像条件を設定する必要があり非常に煩雑な作業となる。
これに対し、MRIやPETといった画像診断装置においては、過去の検査情報を検索して撮像条件を自動設定する画像診断装置が提案されている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載された装置は、撮像した画像を診断そのものに用いるための装置であり、一方、粒子線治療の患者位置決めシステムにおけるX線撮像においては、撮像した画像を照合画像とし、予め保存されているその患者の参照画像と比較して位置ずれ量を算出するためのX線撮像であるため、特許文献1の技術を用いた場合、正・側・BEV(Beam Eye View)の撮像方向を一度に展開できないという課題があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、同一の患者について多数回の位置決めが必要な、粒子線治療における患者位置決めシステムにおいて、技師の作業を単純化できるシステムを得ることを目的としている。
本発明は、粒子線を患者の患部に照射する準備として、X線撮像装置により患者の患部近傍を撮像した画像である照合画像と予め保存された参照画像を比較して、照合画像と参照画像との位置ずれ量に基づいて患者を位置決めする患者位置決めシステムにおいて、
X線撮像装置により照合画像を撮像したときの画像と撮像条件とを組として記憶する情報管理装置を備え、X線撮像装置に含まれるX線撮像制御装置は、その後に照合画像を撮像する際に、情報管理装置に記憶された撮像条件を取得して、取得した撮像条件に従ってX線撮像装置を制御して照合画像を撮像するようにしたものである。
X線撮像装置により照合画像を撮像したときの画像と撮像条件とを組として記憶する情報管理装置を備え、X線撮像装置に含まれるX線撮像制御装置は、その後に照合画像を撮像する際に、情報管理装置に記憶された撮像条件を取得して、取得した撮像条件に従ってX線撮像装置を制御して照合画像を撮像するようにしたものである。
この発明により、同一の患者について多数回の位置決めが必要な、粒子線治療における患者位置決めシステムにおいて、技師の作業を単純化できるシステムを提供することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による粒子線治療における患者位置決めシステムの構成を示すブロック図である。粒子線治療における患者位置決めは、粒子線を患者の患部に照射する準備として、X線撮像装置により治療台上の患者の患部近傍を撮像した画像である照合画像と予め保存された参照画像を比較して、照合画像と参照画像との位置ずれ量に基づいて治療台を移動させることにより行う。このため、まず、照射制御計算機4から情報管理装置2に保存されている患者の治療計画を検索・選択し、当該計画の治療あるいはリハーサルオーダを、接続された機器制御計算機3、位置決め計算機1に発行する。位置決め計算機1、情報管理装置2、機器制御計算機3、および照射制御計算機4は、粒子線治療装置における照射系に属す装置類である。
図1は、本発明の実施の形態1による粒子線治療における患者位置決めシステムの構成を示すブロック図である。粒子線治療における患者位置決めは、粒子線を患者の患部に照射する準備として、X線撮像装置により治療台上の患者の患部近傍を撮像した画像である照合画像と予め保存された参照画像を比較して、照合画像と参照画像との位置ずれ量に基づいて治療台を移動させることにより行う。このため、まず、照射制御計算機4から情報管理装置2に保存されている患者の治療計画を検索・選択し、当該計画の治療あるいはリハーサルオーダを、接続された機器制御計算機3、位置決め計算機1に発行する。位置決め計算機1、情報管理装置2、機器制御計算機3、および照射制御計算機4は、粒子線治療装置における照射系に属す装置類である。
オーダを受けて機器制御計算機3は情報管理装置2から患者の計画情報を取得し、治療、あるいはリハーサルを開始する際に必要な機器の設定・操作を行う。また位置決め計算機1も情報管理装置2から当該患者の計画情報を取得し、位置決め用X線撮像準備を開始する。X線撮像の撮像条件については、主に位置決め計算機1がX線撮像制御装置6に対して諸条件の設定を行う。ここで、リハーサルとは、患者の位置決めをするためのリハーサルであり、実際の粒子線照射を行わず、治療時の粒子線照射を行う以前の手順を一通り実行することを指す。位置決めでは、粒子線治療の計画段階で作成した画像を参照し、その画像とリハーサル時に取得される画像との位置ずれ量をなくすように患者が横たわる治療台を移動させ、治療時の位置を決定する。
ハンドスイッチあるいはフットスイッチなどのスイッチ64(図2参照)を押下すると、X線撮像制御装置6がX線高電圧装置7などを制御して、患者の患部近傍のX線画像を撮像する。X線撮像制御装置6から、患者の正面方向、側面方向、斜め45度などの撮像方向や、スポット、シリアルなどの撮像モード、その他X線高電圧装置7による管電流、管電圧、X線絞り73の絞り値などの撮像条件をX線高電圧装置7、画像処理装置5に通知し、X線高電圧装置7で曝射し、撮像した画像は画像処理装置5で収集する。画像処理装置5は収集した画像を、医療用画像の一般的な形式であるDICOM形式に変換し、撮像条件と共に位置決め計算機1へと送信する。
治療計画システムにてCT画像を基に作成された画像、あるいは過去に撮影したリハーサル画像を参照画像として、撮像したX線画像である照合画像を参照画像と比較する。照合画像と参照画像にずれがある場合、照合画像が参照画像に一致するように患者が載っている治療台を移動させることにより位置決めを行う。このため、位置決め計算機1が、照合画像と参照画像とを比較して治療台の移動量を計算して治療台を移動させる。
ここで、X線撮像に必要な機器をまとめてX線撮像装置70と称する。X線撮像装置70の詳細構成を図2に示す。位置決め計算機1がX線撮像制御装置に対して諸条件の設定を行い、X線撮像制御装置6が接続機器に通知し、接続機器は撮像準備を実施する。このとき、位置決め計算機1が設定する諸条件を変更する場合は、タッチパネルで構成されるX線撮像操作パネル63から入力して変更する。ハンドスイッチあるいはフットスイッチなどのスイッチ64を押下すると、X線高電圧装置7が動作し、X線管装置71によりX線が曝射される。曝射の際、X線放射範囲を絞るため、X線絞り73を使用する。曝射されたX線はフラットパネルディテクタ(FPD)72によって検出され、画像処理装置5で収集される。収集された画像は、位置決め計算機1に送信される。なお、通常X線撮像は、例えば患者の正面方向および側面方向(正・側)の2方向から行う。このため、図2に示すように、X線管装置71、FPD72、X線絞り73のセットが2組設置されている。X線管装置71、FPD72、および後述の呼吸同期装置75は、治療室40に配置される。また、画像処理装置5、X線撮像制御装置6は電源室50に配置される。さらに、位置決め計算機1、X線撮像操作パネル63、スイッチ64は、位置決め操作室30に配置される。
呼吸位相に合わせて位置決め用のX線画像を撮像することを、本発明の特徴の一つとしている。本実施の形態1の粒子線治療における患者位置決めシステムでは、図2に示すように呼吸同期装置75が備えられている。患者が呼吸することにより、患部の位置が変位する。粒子線治療では、患部の位置の変位量が少ない呼吸位相に合わせて粒子線の照射が行われる場合が多い。この呼吸位相を計測し、計測される呼吸位相に合わせて粒子線の照射を行うための装置が呼吸同期装置75である。呼吸同期装置75が計測する呼吸位相の信号を用いて、粒子線が照射されるのと同じ位相において位置決めを行う。
呼吸同期装置75では、患者の患部近傍の表面変位を計測することにより、図3(a)に示すような、変位信号、すなわち呼吸位相信号を得る。この信号の閾値以下の位相が、照射に適した変位が少ない位相であり、呼吸同期装置75がこの位相を図3(b)に示すステータス信号として出力する。位置決めのためのX線撮像は、この位相の間に撮像する必要があるので、例えば、ステータス信号の立ち上がりからΔT後から、nフレーム/秒のフレームレートでNフレーム撮像するという条件、すなわちΔT、n、Nを保存し、これらをX線撮像制御装置6から通知するようにする。撮像した画像の中で位置決めに用いる画像、すなわちどの画像を照合画像とするかは、例えば技師が決定する。
次に本発明の実施の形態1による粒子線治療における患者位置決めシステムの動作の詳細について説明する。図4は位置決め実施時の患者位置決めシステムの動作フローを記載したものである。まず照射制御計算機4によりある患者の治療オーダが流され、治療あるいは治療リハーサルが開始されると(ST1)、位置決め計算機1は当該患者の治療計画情報を情報管理装置2のデータベースから取得し、位置決め用の画面を表示する(ST2)。当該患者の位置決めが初回であった場合、当該患者の撮像情報がないため、画像処理装置5、X線撮像制御装置6、X線高電圧装置7に撮像条件を展開しない(ST3 YES、ST4)。当該患者の位置決めが2回目以降の場合、位置決めで参照する画像が前回撮像したものであれば前回の撮像条件を画像処理装置5、X線撮像制御装置6、X線高電圧装置7に展開する(ST3 NO、ST5 YES、ST7)。位置決めで参照する画像が前回撮像したものでなく、もっと過去に撮像したものであれば、その画像の撮像条件を画像処理装置5、X線撮像制御装置6、X線高電圧装置7に展開する(ST3 NO、ST5 NO、ST6、ST7)。
位置決め計算機1からの各機器への撮像条件展開で異常がない場合には、位置決め画像を撮像し位置決め計算機1に画像を取り込む(ST8 YES、ST9)。もし、撮像条件の展開で異常が見られ(ST8 NO)、その設定値が不正と判定された場合(ST10 YES)には、X線撮像制御装置6、X線高電圧装置7で正常な撮像条件を設定(ST11)し、撮像を開始する(ST9)。条件設定値の不正は、X線撮像制御装置6が判定し、その画面上に表示する。撮像条件の設定値に不備が見られない場合(ST10 NO)は、再度位置決め計算機1の画面上に用意された撮像条件再送ボタンを押下することで、再設定可能とする(ST7)。
撮像した正・側の照合画像と正・側の参照画像を位置決め画像として、図5のように位置決め計算機1のモニタに表示する。位置決め計算機1では、照合画像を参照画像と比較することにより位置ずれ量を求め、画像の患部位置が合うように患者の治療台移動量を計算する(ST12)。照合画像と参照画像の位置ずれがない場合は、治療台を移動させる必要はない(ST13 NO)が、位置ずれが大きい場合は治療台の移動が必要と判断し(ST13 YES)患者が横たわっている治療台を移動させ(ST14)、再度患部位置確認のためのX線撮影を実施し(ST9)、治療台の移動が必要なくなるまで、位置決めを繰り返す。
治療リハーサルの場合、複数枚画像を撮像したとしても、「保存」処理された画像についてだけ画像と撮像条件が組として情報管理装置2に保存され、保存された撮像条件を次回の位置決め時に位置決め計算機1が取得し、X線撮像制御装置6に展開する。撮像した画像について、一枚も「保存」処理されなければ、次回の位置決め時に位置決め計算機1からX線撮像制御装置6に撮像条件は展開されない。また位置決め計算機1のモニタに、保存された画像のうち、前回だけでなくさらに過去の画像を表示して、技師が次回の位置決め参照画像として選択することも可能とする。この場合、技師が選択した参照画像の撮像条件を次回位置決め時に位置決め計算機1が取得し、X線撮像制御装置6に展開する。
また治療の場合、撮像画像を「保存」処理せずとも、位置決め終了時に位置決め照合画像として使用されていた画像と撮像条件を組として情報管理装置2のデータベースに自動的に保存するようにすれば、次回の当該患者の位置決め時にはこの撮像条件が展開される。この治療時の画像の撮像条件ではなく、過去に撮像した画像の撮像条件を展開したい場合は、位置決め計算機1のモニタ上で過去撮像した画像を選択し、選択した画像と組となっている撮像条件をX線撮像制御装置6に手動送信させるようにすればよい(ST15)。
位置決め計算機上で「終了」ボタンを押下することでX線撮像制御装置6など各接続機器に位置決め終了オーダを発行する。接続機器が位置決め終了オーダを受信すると、位置決め用に設定していた各機器の設定をリセットする(ST16)。以上が、通常の位置決めリハーサル、あるいは治療時の運用フローである。
粒子線治療は、同一の患者の同一の患部に対して、1日に1回の粒子線照射を、数十日にわたって行う。したがって、上記で説明した患者位置決めの手順を毎回行う必要がある。このように、同一の患者の同一の患部に対して多数回の患者位置決めを行うので、撮像条件を自動設定でき、技師の作業が単純化できるという本願発明の効果が非常に大きい。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2による粒子線治療における患者位置決めシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態2では、実施の形態1による位置決めシステムのX線絞り73の代わりにマルチリーフコリメータ(MLC)74が設置されている。粒子線治療装置では、粒子線ビーム照射野を形成するためにMLC74を使用する。MLC74は設定により、ビームが通過する領域を所望の領域に制限するものである。ビームラインが正・側方向にある場合は、X線管も同方向にあるため、専用のX線絞りを設置せずMLC74でX線絞りの代わりをすることができる。技師は患者の撮影毎に、このMLC74の開度値も設定する必要があった。実施の形態2では、実施の形態1におけるX線絞りを設定する代わりに、位置決め開始時に患者の撮像条件に合ったMLC74の開度について自動設定を可能にする。
図6は、本発明の実施の形態2による粒子線治療における患者位置決めシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態2では、実施の形態1による位置決めシステムのX線絞り73の代わりにマルチリーフコリメータ(MLC)74が設置されている。粒子線治療装置では、粒子線ビーム照射野を形成するためにMLC74を使用する。MLC74は設定により、ビームが通過する領域を所望の領域に制限するものである。ビームラインが正・側方向にある場合は、X線管も同方向にあるため、専用のX線絞りを設置せずMLC74でX線絞りの代わりをすることができる。技師は患者の撮影毎に、このMLC74の開度値も設定する必要があった。実施の形態2では、実施の形態1におけるX線絞りを設定する代わりに、位置決め開始時に患者の撮像条件に合ったMLC74の開度について自動設定を可能にする。
本実施の形態2における動作は、ほぼ図4のフローと同じであるが、図4のステップST7において、機器制御計算機3にMLC74の開度情報を送信し、MLC74の開度をX線絞りとして適切な開度まで操作する。その後の動作フローは、実施の形態1と同様である。
リハーサルでの「保存」処理時、あるいは治療リハーサルでの「終了」時に、位置決め時に使用されていたMLC74の開度情報を情報管理装置2に保存する。次回の当該患者の位置決め時にはこの開度条件が展開されるようにすればよい。この治療時の画像の開度条件ではなく、過去に撮像した画像の開度条件を展開したいという場合には、位置決め計算機1のモニタ上で過去撮像した画像を選択し、その時の開度条件を各接続機器に手動送信させることで可能となる。以上の処理により、ユーザの設定操作の手間を省かせ、さらに既に実施した撮像条件を再利用するため、誤爆の少ないシステムを提供することを可能とする。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3による粒子線治療における患者位置決めシステムの動作を示すフロー図である。実施の形態3では、患者の撮像部位によってデフォルト値を設定できるシステムを提供する。これにより過去に位置決め未実施の患者の撮像条件が自動設定されない、ということがなくなる。
図7は、本発明の実施の形態3による粒子線治療における患者位置決めシステムの動作を示すフロー図である。実施の形態3では、患者の撮像部位によってデフォルト値を設定できるシステムを提供する。これにより過去に位置決め未実施の患者の撮像条件が自動設定されない、ということがなくなる。
図7のフローチャートを用いて説明する。当該患者の位置決めが初回であった場合(ST3 YES)、位置決め計算機1は情報管理装置2に保存されている患者の部位情報をもとに、これまで使用されてきた撮像条件記録から最適なものを選択して決定し(ST40)、X線撮像制御装置6などの接続機器に展開する(ST7)。最適条件の選定は、これまで撮像された記録から患者の部位情報と体型が近いものを採用することで実施する。またこれまで撮像記録がない場合は、プリセットされた撮像条件を採用し、X線撮像制御装置6などに撮像条件を展開する。プリセット値は技師においても設定可能とし、画面のGUI、あるいはシステムファイルなどで自由に変更可能としておく。
本実施の形態3によれば、当該患者に対する撮像条件が情報管理装置2に保存されていない場合でも、技師の経験によらず適切な撮像条件、あるいは適切に近い撮像条件で、X線撮像を実施でき、位置決めに要する時間を短縮できる効果がある。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4による粒子線治療における患者位置決めシステムの動作を示すフロー図である。粒子線治療での位置決めでは、患者の治療位置を決定するまでに複数回撮像することがほとんどである。位置決めの運用によっては、位置決め開始時は前回撮像した同一患者の画像の撮像条件を採用せず、技師毎に固有の撮像条件を設定し撮像することもある。そこで本実施の形態4では技師毎の運用を考慮し、位置決め時に撮像した記録を位置決め計算機1で保存する機能をもたせる。これにより、技師の位置決め運用に適した撮像条件を展開可能にする。
図8は、本発明の実施の形態4による粒子線治療における患者位置決めシステムの動作を示すフロー図である。粒子線治療での位置決めでは、患者の治療位置を決定するまでに複数回撮像することがほとんどである。位置決めの運用によっては、位置決め開始時は前回撮像した同一患者の画像の撮像条件を採用せず、技師毎に固有の撮像条件を設定し撮像することもある。そこで本実施の形態4では技師毎の運用を考慮し、位置決め時に撮像した記録を位置決め計算機1で保存する機能をもたせる。これにより、技師の位置決め運用に適した撮像条件を展開可能にする。
この時の動作については、図8の位置決め時のフローチャートを用いて記述する。当該患者の初回位置決めの場合(ST3 YES)は、患者の部位毎にプリセットされたデフォルトの撮像条件(ST40)を位置決め計算機1から画像処理装置5、X線撮像制御装置6などに展開する(ST7)。初回撮像ではなく、かつ同一患者の位置決めが3回以上の場合(ST30 YES)、以下のように、技師の運用記録に基づいて撮像条件を決定する(ST50)。前回に位置決めした際に最初に撮像した撮像条件がさらに過去の位置決めで最初に撮像した撮像条件と同じであれば、その撮像条件を採用する。もし過去の位置決めで最初に撮像した画像の中に同じ撮像条件のものがない場合、前回位置決めが治療リハーサルであればそのとき最後に保存した画像の撮像条件を、前回位置決めが治療であれば終了時に位置決め画面に表示していた画像の撮像条件を採用し、機器に展開する(ST7)。
ここで、運用記録として技師毎に撮像条件を記録するのが好ましい。ただし、同一患者に対して、毎回同一の技師が位置決めを行う場合ばかりではなく、技師Aが患者Cに対して数回位置決めを行い、その後、この患者Cに対して技師Bが位置決めを行う、といったことも想定される。この場合、技師Bが最初に患者Cに対して位置決めを行うときは、技師Aの運用記録に基づいて、技師Aの撮像条件を使用し、その後は技師Bの運用記録に基づいて撮像条件を決定することにしても良い。このように、運用記録のインデックスとして、技師の情報と、患者の情報の、両方の情報を記録しておくのが好ましい。
以上のように、実施の形態4によれば、技師の経験を活かした撮像条件によりX線撮像し、患者位置決めが行えるため、より効率的な位置決めが可能となる。
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5による粒子線治療装置における位置決めシステムの動作を示すフロー図である。実施の形態5は、BEV(ビームアイビュー:Beam Eye View)
画像撮像時に撮像条件を自動設定可能とする機能を加えた実施の形態である。BEV(Beam Eye View)画像撮像とは、ビーム照射方向からX線撮像する撮像方法のことを言う。
当該患者のBEV方向の位置決めが初回であった場合(ST31 YES)、位置決め計算機1はBEV方向の撮像条件を選定し(ST60)、画像処理装置5、X線撮像制御装置6、X線高電圧装置7に撮像条件を展開する(ST7)。BEV方向の撮像条件選定には、BEV方向撮像前に撮像を実施している正・側方向のうち、BEV方向と一致しているものを採用する。また正方向と側方向の間の斜め45度方向の撮像条件を部位毎にプリセットしておき、BEVが正・側方向と一致しない場合に、正・側・斜め45度方向のうち一番撮像方向の近いものの撮像条件を採用する。
図9は、本発明の実施の形態5による粒子線治療装置における位置決めシステムの動作を示すフロー図である。実施の形態5は、BEV(ビームアイビュー:Beam Eye View)
画像撮像時に撮像条件を自動設定可能とする機能を加えた実施の形態である。BEV(Beam Eye View)画像撮像とは、ビーム照射方向からX線撮像する撮像方法のことを言う。
当該患者のBEV方向の位置決めが初回であった場合(ST31 YES)、位置決め計算機1はBEV方向の撮像条件を選定し(ST60)、画像処理装置5、X線撮像制御装置6、X線高電圧装置7に撮像条件を展開する(ST7)。BEV方向の撮像条件選定には、BEV方向撮像前に撮像を実施している正・側方向のうち、BEV方向と一致しているものを採用する。また正方向と側方向の間の斜め45度方向の撮像条件を部位毎にプリセットしておき、BEVが正・側方向と一致しない場合に、正・側・斜め45度方向のうち一番撮像方向の近いものの撮像条件を採用する。
BEV画像の撮像が2回目以降である場合、前回撮像した時の撮像条件を展開することもできるし、またはさらに過去に撮像した画像を参照画像に選択することで、その画像の撮像条件を接続機器に展開することも可能とする。ステップST8以降は、実施の形態1と同様である。
以上のように、実施の形態5によれば、BEV画像撮像における初回撮像時に、当該BEV画像撮像に適した撮像条件を自動で設定できるため、BEV画像撮像においても、技師の作業が単純化、省力化できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1:位置決め計算機、2:情報管理装置、3:機器制御研鑽器、4:照射制御計算機、5:画像処理装置、6:X線撮像制御装置、7:X線高電圧装置、70:X線撮像装置、71:X線管装置、72:フラットパネルディテクタ、73:X線絞り、74:マルチリーフコリメータ、75:呼吸同期装置
Claims (8)
- 粒子線を患者の患部に照射する準備として、X線撮像装置により治療台上の患者の患部近傍を撮像した画像である照合画像と予め保存された参照画像を比較して、前記照合画像と前記参照画像との位置ずれ量に基づいて患者を位置決めする位置決め計算機を備えた患者位置決めシステムにおいて、
前記X線撮像装置により前記照合画像を撮像したときの画像と撮像条件とを組として記憶する情報管理装置を備え、前記X線撮像装置に含まれるX線撮像制御装置は、その後に前記照合画像を撮像する際に、前記位置決め計算機を介して前記情報管理装置に記憶された前記撮像条件を取得して、取得した前記撮像条件に従って前記X線撮像装置を制御して前記照合画像を撮像することを特徴とする粒子線治療における患者位置決めシステム。 - 前記撮像条件には、患者の変位を計測して、この変位の情報から呼吸位相のステータス信号を作成し、このステータス信号に基づいて前記粒子線の照射を制御するための呼吸同期装置が出力する前記ステータス信号に基づく条件が含まれることを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療における患者位置決めシステム。
- 前記ステータス信号に基づく条件には、ステータス信号の立ち上がりからX線撮像するまでの時間が含まれることを特徴とする請求項2に記載の粒子線治療における患者位置決めシステム。
- 前記ステータス信号に基づく条件には、ステータス信号の立ち上がりからX線撮像するフレームレートとフレーム数およびX線撮像した画像のうち照合画像とする画像のフレーム番号が含まれることを特徴とする請求項2に記載の粒子線治療における患者位置決めシステム。
- 前記撮像条件には、前記粒子線を照射するときに前記粒子線の照射野を形成するためのマルチリーフコリメータを、X線撮像の際のX線照射量を調整するためのX線絞りとして使用するときの、マルチリーフコリメータの設定条件が含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子線治療における患者位置決めシステム。
- 前記情報管理装置は、患部の部位毎に設定された撮像条件を記憶し、前記X線撮像装置が前記照合画像を撮像する際の撮像条件として、前記位置決め計算機において、前記情報管理装置に記憶された画像と組となった前記撮像条件と、前記患者の部位毎に設定された撮像条件とを選択可能としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒子線治療における患者位置決めシステム。
- 前記情報管理装置は、前記X線撮像装置の運用記録を保存し、前記位置決め計算機が、前記運用記録に基づいて前記X線撮像装置が前記照合画像を撮像する際の前記撮像条件を決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒子線治療における患者位置決めシステム。
- 前記位置決め計算機は、ビームアイビュー画像撮像時の撮像条件として、前記情報管理装置に記憶されている画像のうち、最も撮像方向が前記ビームアイビュー画像撮像の方向に近い画像と組になった撮像条件を取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒子線治療における患者位置決めシステム。
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