JP2014169257A - 縮環チオフェン誘導体 - Google Patents

縮環チオフェン誘導体 Download PDF

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Yuki Hirata
勇樹 平田
Arata Yanagisawa
新 柳沢
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Abstract

【課題】高リン血症の治療および/または予防剤として有用な化合物またはその薬学的に許容される塩の提供。
【解決手段】下記式(I)

で表される化合物またはその薬学的に許容される塩などの提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば血清のリン濃度が影響する疾患(例えば、高リン血症など)の治療および/または予防剤として有用な化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
血清リン濃度は、リンの腸管からの吸収、細胞内および骨への蓄積、腎臓での原尿へのろ過およびその後の尿細管での再吸収のバランスなどにより制御されている。血清リン濃度が5.0 mg/dL以上となる場合は高リン血症といわれ、主に末期腎不全や、透析期患者で顕著に表れてくる病態である。
高リン血症は、二次的に低カルシウム血症を招くため、二次的な副甲状腺機能亢進症を誘発し、これはさらに腎性骨異栄養症の主要因ともなる。
従来、これら病態の改善には、腸管からのリン酸の吸収を減少させることを目的として、リン酸含有量の少ない食事の摂取や食物中のリン酸を吸着させる機能を有するリン酸吸着剤の使用が行われてきた。しかし、リン酸含有量の少ない食事は、他の栄養分の摂取不足による栄養障害を引き起こす、味覚が悪いため遵守することが難しいなどの問題が指摘されている。経口リン酸吸着剤としては、例えばカルシウム製剤やマグネシウム製剤、アルミウム製剤などがあるが、カルシウム製剤とマグネシウム製剤にはそれぞれ高カルシウム血症と高マグネシウム血症の誘発が、アルミニウム製剤にはアルミニウム骨症、アルミニウム脳症、透析痴呆の誘発が指摘されている。また、近年経口リン酸吸着剤として種々の陰イオン交換樹脂が開発されているが、これらの陰イオン交換樹脂は前記のリン酸吸着剤に比べてリン酸吸着能が低く、高用量の服用が必要である。
腸管におけるリン吸収は、トランスポーター分子を介する能動輸送および細胞間隙を介する受動輸送が担っていると考えられている。トランスポーター分子として、ナトリウム依存性リントランスポータータイプ2b(NaPi2b)が報告されている[Pflugers Arch. 447: 763-767, 2004]。NaPi2bノックアウトマウス(腸管特異的コンディショナルノックアウト)に関する研究では、NaPi2bは40%程度の腸管リン吸収を担っていることが示唆されている[J. Am. Soc. Nephrol. 19: 78A, 2008]。従って、NaPi2bを阻害する化合物は、血清のリン濃度を制御でき、慢性腎臓病における高リン血症などの治療に有用であると期待される。しかしながら、NaPi2bは腸管以外に肺や精巣においても高い発現が確認されている。肺胞内に微小な結石が形成される常染色体劣勢の遺伝性疾患である肺胞微石症では、NaPi2b機能不全による肺胞上におけるリン輸送機能欠損がその原因と考えられている[Am J RespirCrit Care Med 175: 263-268, 2007]。さらに、精巣内微小石灰化患者においても、NaPi2bのヘテロ接合型遺伝子変異が同定されている[Am. J. Hum. Genet. 79: 650-656, 2006]。従って、高リン血症などの治療および/または予防薬としてNaPi2bを阻害する化合物(NaPi2b阻害剤)が有用と考えられる一方で、NaPi2b阻害剤には全身へ曝露されることによる肺や精巣における機能不全などのリスクがある。そのため、腸管におけるNaPi2bを局所的に阻害し、血中への吸収性が低下した薬物が求められている(特許文献1参照)。
一方、NaPi2bを阻害する化合物として、例えば式(A)で表される化合物(特許文献1参照)、式(B)で表される化合物(特許文献2参照)、式(C)で表される化合物(特許文献3参照)、式(D)で表される化合物(特許文献4参照)、式(E)で表される化合物(特許文献4参照)などが知られている。また、式(F)で示される化合物が知られている(非特許文献1参照)。
国際公開第2004/085382号パンフレット 国際公開第2011/136269号パンフレット 国際公開第2009/079373号パンフレット 国際公開第2012/006475号パンフレット
CASレジストリー・データベース(CAS REGISTRY Database)、レジストリー番号:438251-14-0
本発明の目的は、腸管におけるNaPi2bを阻害し、例えば血清のリン濃度が影響する疾患(例えば、高リン血症など)の治療および/または予防剤として有用な化合物またはその薬学的に許容される塩を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(5)に関する。
(1) 一般式(I)
{式中、環N
は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環またはトリアジン環を表し、
AlkはC3-5アルキレン鎖を表し、
R1は、水素原子、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、シクロアルキル、置換基を有していてもよい低級アルカノイル、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルまたは-CONR7R8(式中、R7およびR8は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアラルキルもしくは置換基を有していてもよいアリールを表すか、またはそれぞれが隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい含窒素複素環基を形成する)を表し、
R2は、水素原子、オキソ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、トリフルオロメチル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい低級アルカノイルオキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルアミノまたは置換基を有していてもよいジ低級アルキルアミノを表し、
R3は、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルカノイルまたは-(CH2)nX(CH2CH2O)m(CH2)pR9[式中、nは0〜2の整数を表し、mは1〜10の整数を表し、pは0〜2の整数を表し、Xは酸素原子、硫黄原子またはNR10(式中、R10は水素原子、低級アルキルまたはアラルキルを表す)を表し、R9は水素原子、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル、-CONR11R12(式中、R11およびR12は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアラルキルもしくは置換基を有していてもよいアリールを表すか、またはそれぞれが隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい含窒素複素環基を形成する)、置換基を有していてもよい低級アルカノイル、置換基を有していてもよいアロイル、置換基を有していてもよい脂肪族複素環カルボニル、置換基を有していてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、または-NR13R14(式中、R13およびR14は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアラルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよい低級アルカノイル、置換基を有していてもよいアロイル、置換基を有していてもよい脂肪族複素環カルボニル、置換基を有していてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルもしくは置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニルを表すか、またはそれぞれが隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい含窒素複素環基を形成する)を表す]を表し、
R4は、水素原子、オキソ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、低級アルキル、トリフルオロメチル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノまたはジ低級アルキルアミノを表し、
R5およびR6は、同一または異なって、水素原子または低級アルキルを表す}
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
(2) 一般式(I)が下記式(IA)である(1)記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6および環N
はそれぞれ前記と同義である)
(3) R3が-(CH2)nX(CH2CH2O)m(CH2)pR9(式中、n、m、p、XおよびR9はそれぞれ前記と同義である)である(1)または(2)記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する血中へのリンの取り込み阻害剤。
(5) (1)〜(3)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する高リン血症の治療および/または予防剤。
本発明により、腸管におけるNaPi2bを阻害し、例えば血清のリン濃度が影響する疾患(例えば、高リン血症など)の治療および/または予防剤として有用な上記一般式(I)で表される縮環チオフェン誘導体またはその薬学的に許容される塩などが提供される。
以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。一般式(I)中の
は、本明細書中では「環N」と表現する。
一般式(I)の各基の定義において、
低級アルキル、ならびに低級アルカノイル、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキルがあげられ、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどがあげられる。ジ低級アルキルアミノの2つの低級アルキル部分は、同一でも異なっていてもよい。
シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルがあげられ、より具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあげられる。
C3-5アルキレン鎖としては、例えば炭素数3〜5の直鎖のアルキレンがあげられ、より具体的にはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンなどがあげられる。
アラルキル、およびアラルキルオキシカルボニルのアラルキル部分としては、例えば炭素数7〜16のアラルキルがあげられ、より具体的にはベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル、フェニルヘプチル、フェニルオクチル、フェニルノニル、フェニルデシル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、ナフチルプロピル、ナフチルブチル、ナフチルペンチル、ナフチルヘキシル、アントリルメチル、アントリルエチルなどがあげられる。
アリール、およびアロイルのアリール部分としては、例えば炭素数6〜14のアリールがあげられ、より具体的にはフェニル、ナフチル、アズレニル、アントリルなどがあげられる。
脂肪族複素環基、および脂肪族複素環カルボニルの脂肪族複素環基部分としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂肪族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂肪族複素環基などがあげられ、より具体的にはアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ピペリジニル、アゼパニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピラゾリニル、オキシラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、5,6-ジヒドロ-2H-ピラニル、オキサゾリジニル、モルホリノ、モルホリニル、チオキサゾリジニル、チオモルホリニル、2H-オキサゾリル、2H-チオキサゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリジニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチオキサゾリル、ベンゾジオキソリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロ-2H-クロマニル、ジヒドロ-1H-クロマニル、ジヒドロ-2H-チオクロマニル、ジヒドロ-1H-チオクロマニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロキナゾリニル、ジヒドロベンゾジオキサニルなどがあげられる。
芳香族複素環基、および芳香族複素環カルボニルの芳香族複素環基部分としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基などがあげられ、より具体的にはフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニルなどがあげられる。
隣接する窒素原子と一緒になって形成される含窒素複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性複素環基(該単環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性複素環基(該縮環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)などがあげられ、より具体的にはアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、アゼパニル、ピロリル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、オキサゾリジニル、2H-オキサゾリル、チオキサゾリジニル、2H-チオキサゾリル、モルホリノ、チオモルホリニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、インドリル、イソインドリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチオキサゾリル、ベンゾイミダゾリジニル、ベンゾイミダゾリル、ジヒドロインダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、プリニルなどがあげられる。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい低級アルカノイル、置換基を有していてもよい低級アルカノイルオキシ、置換基を有していてもよい低級アルキルアミノおよび置換基を有していてもよいジ低級アルキルアミノにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、C1-10アルコキシ、C3-8シクロアルコキシ、C6-14アリールオキシ、C7-16アラルキルオキシ、C2-11アルカノイルオキシ、C7-15アロイルオキシ、C1-10アルキルスルファニル、-NRXRY(式中、RXおよびRYは同一または異なって、水素原子、C1-10アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、芳香族複素環基、C7-16アラルキル、C2-11アルカノイル、C7-15アロイル、C1-10アルコキシカルボニルまたはC7-16アラルキルオキシカルボニルを表す)、C2-11アルカノイル、C7-15アロイル、C1-10アルコキシカルボニル、C6-14アリールオキシカルボニル、C1-10アルキルカルバモイル、ジC1-10アルキルカルバモイルなどからなる群から選ばれる置換基があげられる。
置換基を有していてもよいアラルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいアロイル、置換基を有していてもよい芳香族複素環基および置換基を有していてもよい芳香族複素環カルボニルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1-10アルキル、トリフルオロメチル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、C1-10アルコキシ、C3-8シクロアルコキシ、C6-14アリールオキシ、C7-16アラルキルオキシ、C2-11アルカノイルオキシ、C7-15アロイルオキシ、
C1-10アルキルスルファニル、-NRXaRYa(式中、RXaおよびRYaは同一または異なって、水素原子、C1-10アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、芳香族複素環基、C7-16アラルキル、C2-11アルカノイル、C7-15アロイル、C1-10アルコキシカルボニルまたはC7-16アラルキルオキシカルボニルを表す)、C2-11アルカノイル、C7-15アロイル、C1-10アルコキシカルボニル、C6-14アリールオキシカルボニル、C1-10アルキルカルバモイル、ジC1-10アルキルカルバモイルなどからなる群から選ばれる置換基があげられる。
置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環カルボニル、および隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換基を有していてもよい含窒素複素環基における置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜3の、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1-10アルキル、トリフルオロメチル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、C1-10アルコキシ、C3-8シクロアルコキシ、C6-14アリールオキシ、C7-16アラルキルオキシ、C2-11アルカノイルオキシ、C7-15アロイルオキシ、C1-10アルキルスルファニル、−NRXbRYb(式中、RXbおよびRYbは同一または異なって、水素原子、C1-10アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、芳香族複素環基、C7-16アラルキル、C2-11アルカノイル、C7-15アロイル、C1-10アルコキシカルボニルまたはC7-16アラルキルオキシカルボニルを表す)、C2-11アルカノイル、C7-15アロイル、C1-10アルコキシカルボニル、C6-14アリールオキシカルボニル、C1-10アルキルカルバモイル、ジC1-10アルキルカルバモイルなどからなる群から選ばれる置換基があげられる。
ここで示したC1-10アルキルならびにC1-10アルコキシ、C2-11アルカノイルオキシ、C1-10アルキルスルファニル、C2-11アルカノイル、C1-10アルコキシカルボニル、C1-10アルキルカルバモイルおよびジC1-10アルキルカルバモイルのC1-10アルキル部分としては、例えば前記低級アルキルの例示であげた基が例示される。ジC1-10アルキルカルバモイルにおける2つのC1-10アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
C3-8シクロアルキルおよびC3-8シクロアルコキシのシクロアルキル部分としては、例えば前記シクロアルキルの例示であげた基が例示される。
C6-14アリールならびにC6-14アリールオキシ、C7-15アロイル、C7-15アロイルオキシおよびC6-14アリールオキシカルボニルのアリール部分としては、例えば前記アリールの例示であげた基が例示される。
C7-16アラルキルオキシ、C7-16アラルキルおよびC7-16アラルキルオキシカルボニルのC7-16アラルキル部分としては、例えば前記アラルキルの例示であげた基が例示される。
脂肪族複素環基、芳香族複素環基およびハロゲンは、それぞれ前記と同義である。
化合物(I)の薬学的に許容される塩は、例えば薬学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。化合物(I)の薬学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸塩などがあげられ、薬学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウムなどの塩があげられ、薬学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。
次に化合物(I)の製造法について説明する。
なお、以下に示す製造法において、定義した基が該製造法の条件下で変化するかまたは該製造法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入および除去方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protective Groups in Organic Synthesis, third edition)、グリーン(T. W. Greene)著、John Wiley & Sons Inc.(1999年)などに記載の方法]などを用いることにより、目的化合物を製造することができる。また、必要に応じて置換基導入などの反応工程の順序を変えることもできる。
製造法1
化合物(I)は、例えば以下の方法によって製造することができる。
(式中、Rpは水素原子またはメチル、エチル、tert-ブチルなどのカルボキシル基の保護基を表し、X1は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどの脱離基を表し、X2は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、X3はn-トリブチルスズ、ピナコラートボランなどの置換スズ基または置換ホウ素基を表し、環N、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびAlkはそれぞれ前記と同義である)
工程1
化合物(a-5)は、化合物(a-3)と好ましくは1〜30当量の化合物(a-4)を、溶媒中、好ましくは1〜30当量の硫黄導入剤および塩基の存在下、室温と用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
硫黄導入剤としては、例えば硫黄、五硫化二リン、ローソン試薬(Lawesson's試薬)などがあげられる。塩基としては、例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モルホリン、ピペリジン、L-プロリン、塩基性アルミナなどがあげられる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール、tert-ブチルアルコール、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トルエン、キシレン、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
化合物(a-3)は、市販品として得ることができる。
化合物(a-4)は、市販品として得られるか、あるいは公知の方法で[例えば、実験化学講座、第4版、21巻、p.149、丸善株式会社(1992年)など]またはそれらに準じて得ることができる。
工程2
化合物(a-8)は、化合物(a-5)と好ましくは1〜10当量の化合物(a-6)を、好ましくは1〜20当量の塩基の存在下、溶媒中、-10℃と用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
塩基としては、例えば酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルピペリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)などがあげられる。溶媒としては、例えばアセトニトリル、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、1,2-ジメトキシエタン(DME)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、1,4-ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン、N-メチルピロリドン(NMP)、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
化合物(a-6)は、市販品として得られるか、あるいは公知の方法で[例えば、新実験化学講座、第4版、22巻、p. 115、丸善株式会社(1992年)など]またはそれらに準じて得ることができる。
また別法として、化合物(a-8)は、化合物(a-5)と好ましくは1〜30当量の(a-7)を溶媒中、好ましくは1〜30当量の縮合剤の存在下、必要により好ましくは1〜30当量の添加剤の存在下、-30℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することもできる。
縮合剤としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド(EDC)、EDC塩酸塩、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル) -N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP)、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)、ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PyBroP)などがあげられる。添加剤としては、例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(HOBt・H2O)、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。溶媒としては、例えばアセトニトリル、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、DME、DMF、DMA、1,4-ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン、NMP、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
化合物(a-7)は、市販品として得られるか、あるいは公知の方法で[例えば、新実験化学講座、第4版、22巻、p. 1、丸善株式会社(1992年)など]またはそれらに準じて得ることができる。
工程3
化合物(a-8)のうち、Rpがメチル、エチル、tert-ブチルなどのカルボキシル基の保護基である場合、化合物(a-9)は、化合物(a-8)を用い、例えばプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T. W. Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(JohnWiley & Sons Inc.)(1981年)などに記載の保護基の除去方法に準じた方法により製造することができる。
例えば、Rpがメチルまたはエチルである場合、化合物(a-9)は、化合物(a-8)を、水を含む溶媒中、好ましくは1当量〜大過剰量の塩基で、0℃と用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがあげられる。水を含む溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、THF、1,4-ジオキサン、DME、DMFなどと水との混合溶媒があげられる。
また、例えばRpがtert-ブチルである場合、化合物(a-9)は、化合物(a-8)を、無溶媒でまたは溶媒中、1当量〜大過剰量の酸で、-30℃と100℃の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
酸としては、例えば塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などがあげられる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、THF、1,4-ジオキサン、DME、トルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、DMF、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
なお、化合物(a-8)のうち、Rpが水素原子である場合は、本工程は省略できる。
工程4
化合物(a-10)は、化合物(a-9)を、溶媒中、室温と用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、THF、1,4-ジオキサン、DME、ジクロロメタン、トルエン、DMF、DMAなどがあげられる。
工程5
化合物(a-11)は、化合物(a-10)を、好ましくは1〜30当量のハロゲン化剤の存在下、溶媒中、-10℃と用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
ハロゲン化剤としては、例えばN-ブロモスクシンイミド、N-クロロスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミド、ヨウ素、塩素、臭素、一塩化ヨウ素などがあげられる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、THF、1,4-ジオキサン、DME、ジクロロメタン、DMF、酢酸などがあげられる。
工程6
化合物(I)は、化合物(a-11)と好ましくは1〜30当量の化合物(a-2)を、溶媒中、好ましくは1〜100 mol%のパラジウム触媒の存在下、室温と用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。反応は、触媒量から10当量の塩基の存在下で行うこともでき、さらに触媒量から10当量の有機リン化合物の存在下で行うこともできる。
化合物(a-2)は、市販品として得られるか、または公知の方法[例えば、実験化学講座、第4版、25巻、p.217、丸善株式会社(1991年);WO2006/102194など]もしくはそれらに準じた方法により得ることができる。
パラジウム試薬としては、例えば酢酸パラジウム(II)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、塩化(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)などがあげられ、好ましくは、酢酸パラジウム(II)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などがあげられる。塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸セシウム、塩化リチウム、塩化カリウム、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン、酢酸カリウム、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸カリウム、エチレンジアミン、グリシン、N-メチルピロリジン、ピリジン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどがあげられ、好ましくは、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert-ブトキシド、リン酸カリウム、エチレンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどがあげられる。有機リン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリ(2−フリル)ホスフィン、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル、ジフェニルホスフィノフェロセンなどがあげられ、好ましくは2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニルなどがあげられる。溶媒としては、例えばジエチルエーテル、THF、1,4-ジオキサン、DMF、 DMA、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸メチル、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、ヘキサンなどがあげられ、好ましくはTHF、1,4-ジオキサン、DMF、DMSOなどがあげられる。
製造法2
化合物(I)のうち、環Nが2位でチオフェン環と結合するピリジン環であり、R1が4位で置換した-CO2Rp(式中、pは前記と同義である)であり、R2が水素原子である化合物(I-b)は、例えば以下の方法によって製造することもできる。
(式中、Phはフェニルを表し、TMSはトリメチルシリルを表し、X4はtert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリルなどのシリル基を表し、X5は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、X2、RP、R3、R4、R5、R6およびAlkはそれぞれ前記と同義である)
工程7
化合物(a-14)は、化合物(a-12)と、好ましくは1〜30当量の化合物(a-13)を、好ましくは1〜30当量のハロゲン化剤の存在下、無溶媒でまたは溶媒中、-30℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることによって製造することができる。
ハロゲン化剤としては、例えばN-ブロモスクシンイミド、N-クロロスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミド、ヨウ素、塩素、臭素、一塩素化ヨウ素などがあげられる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、THF、1,4-ジオキサン、DME、ジクロロメタン、DMF、酢酸などがあげられる。
化合物(a-12)は、市販品として得ることができる。
化合物(a-13)は、市販品として得られるか、あるいは公知の方法で[例えば、J.Am.Chem.Soc., 94(17),6190 (1972))など]またはそれらに準じて得ることができる。
工程8
化合物(a-15)は、化合物(a-14)を、無溶媒でまたは溶媒中、1当量〜大過剰量のフッ化テトラ-n-ブチルアンモニウムまたは酸で、-30℃と100℃の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
酸としては、例えば塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ピリジニウムパラトルエンスルホン酸などがあげられる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、THF、1,4-ジオキサン、DME、トルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、DMF、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
工程9
化合物(a-16)は、化合物(a-15)を、無溶媒でまたは溶媒中、-30℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間、好ましくは1〜30当量の酸化剤で処理することによって製造することができる。
酸化剤としては、例えば二酸化マンガン、クロム酸、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム、過マンガン酸カリウム、三酸化硫黄-ピリジン、オキソン、DMSO/塩化オキサリル、デス-マーチンペルヨージナンなどがあげられる。溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、DMSO、ピリジン、塩酸、酢酸、プロピオン酸、無水酢酸、硫酸、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
工程10
化合物(a-18)は、製造法1の工程5と同様にして得られる化合物(a-11)を、好ましくは1〜30当量の化合物(a-17)と、無溶媒でまたは溶媒中、触媒量から10当量の銅試薬またはパラジウム試薬の存在下、室温と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。反応は、触媒量から10当量の塩基の存在下で行うこともでき、さらに触媒量から10当量の有機リン化合物の存在下で行うこともできる。
銅試薬としては、例えば銅(0)、ヨウ化銅(I)、ヨウ化銅(II)、酢酸銅(II)、酸化銅(II)、塩化銅(I)などがあげられ、好ましくはヨウ化銅(I)、酢酸銅(II)などがあげられる。パラジウム試薬としては、例えば酢酸パラジウム(II)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、塩化(ビスアセトニトリル)パラジウム(II)、塩化(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などがあげられ、好ましくは、塩化(ビスアセトニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などがあげられる。塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン、酢酸カリウム、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸カリウム、エチレンジアミン、グリシン、N-メチルピロリジン、ピリジン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどがあげられ、好ましくは、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert-ブトキシド、リン酸カリウム、エチレンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、トリエチルアミンなどがあげられる。有機リン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリ(2-フリル)ホスフィン、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル、ジフェニルホスフィノフェロセン、4,5'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9'-ジメチルキサンテンなどがあげられ、好ましくは2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニルなどがあげられる。溶媒としては、例えばジエチルエーテル、THF、1,4-ジオキサン、DMF、DMA、DMSO、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸メチル、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、ヘキサンなどがあげられ、好ましくはTHF、1,4-ジオキサン、DMFなどがあげられる。
化合物(a-17)は、市販品として得ることができる。
工程11
化合物(a-19)は、化合物(a-18)を、溶媒中、好ましくは1〜30当量の塩基または酸の存在下、室温と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることによって製造することができる。
塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、フッ化カリウムなどがあげられ、好ましくは、炭酸カリウム、フッ化カリウムなどがあげられる。酸としては、例えば酢酸、塩酸、硫酸などがあげられる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、THF、1,4-ジオキサン、DME、DMF、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
工程12
化合物(a-20)は、化合物(a-19)と化合物(a-16)を用いて上記工程10と同様にして得ることができる。
工程13
化合物(I-b)は、化合物(a-20)と好ましくは1〜30当量のtert-ブチルアミンを、無溶媒でまたは溶媒中、室温と200℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることによって製造することができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、1,4-ジオキサン、DMF、DMA、NMP、DMSO、ピリジン、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
製造法3
化合物(I)のうち、R3が-(CH2)nO(CH2CH2O)m(CH2)pR9(式中、n、m、pおよびR9はそれぞれ前記と同義である)である化合物(I-d)、-(CH2)nNR10(CH2CH2O)m(CH2)pR9(式中、n、m、p、R9およびR10はそれぞれ前記と同義である)である化合物(I-e)および-(CH2)nS(CH2CH2O)m(CH2)pR9(式中、n、m、pおよびR9はそれぞれ前記と同義である)である化合物(I-f)は、それぞれ例えば以下の方法により製造することもできる。
(式中、X7は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどの脱離基を表し、環N、n、m、p、R1、R2、R4、R5、R6、R9、R10およびAlkはそれぞれ前記と同義である)
工程14
化合物(I-d)は、製造法1〜2と同様にして得られる化合物(I-c)を好ましくは1〜30当量の化合物(a-21)と、無溶媒でまたは溶媒中、必要により好ましくは1〜30当量の塩基の存在下、-10℃と150℃の間の温度で5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、カリウム tert-ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルピペリジン、ピリジン、DBUなどがあげられる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、1,4-ジオキサン、DMF、DMA、NMP、DMSO、ピリジン、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
化合物(a-21)は市販品として得られるか、あるいは公知の方法で[例えば、実験化学講座、第4版、19巻、p.363、丸善株式会社(1992年)など]またはそれらに準じて得ることができる。
工程15
化合物(I-e)は、製造法1〜2と同様にしで得られる化合物(I-c)を好ましくは1〜30当量の化合物(a-22)と、無溶媒でまたは溶媒中、必要により好ましくは1〜30当量の塩基の存在下、-10℃と150℃の間の温度で5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert-ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルピペリジン、ピリジン、DBUなどがあげられる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、1,4-ジオキサン、DMF、DMA、NMP、DMSO、ピリジン、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
化合物(a-22)は、市販品として得られるか、あるいは公知の方法で[例えば、実験化学講座、第4版、20巻、p.279、丸善株式会社(1992年)など]またはそれらに準じて得ることができる。
工程16
化合物(I-f)は、製造法1〜2と同様にしで得られる化合物(I-c)と化合物(a-23)を用いて、上記工程15と同様にして製造することができる。
化合物(a-23)は、市販品として得られるか、あるいは公知の方法で[例えば、実験化学講座、第4版、24巻、p.319、丸善株式会社(1992年)など]またはそれらに準じて得ることができる。
製造法4
化合物(I)のうち、R1が-CONR7R8(式中、R7およびR8はそれぞれ前記と同義である)である化合物(I-i)は、例えば以下の方法によって製造することもできる。
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Rp、環NおよびAlkはそれぞれ前記と同義である)
工程17
化合物(I-h)は、製造法1〜3で得られる化合物(I-g)を用い、製造法1の工程3と同様にして製造することができる。
工程18
化合物(I-i)は、化合物(I-h)と化合物(a-24)を用いて、製造法1の工程2と同様にして製造することができる。
化合物(a-24)は、市販品として得られるか、あるいは公知の方法で[例えば、新実験化学講座、第4版、20巻、p. 279、丸善株式会社(1992年)]またはそれらに準じて得ることができる。
上記各製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィーなどに付して単離精製することができる。また、中間体においては特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
化合物(I)の中には、幾何異性体、光学異性体などの立体異性体、互変異性体などが存在し得るものもあるが、本発明は、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を包含する。
化合物(I)中の各原子の一部またはすべては、それぞれ対応する同位体原子で置き換わっていてもよく、本発明は、これら同位体原子で置き換わった化合物も包含する。例えば、化合物(I)中の水素原子の一部またはすべては、原子量2の水素原子(重水素原子)であってもよい。
化合物(I)中の各原子の一部またはすべてが、それぞれ対応する同位体原子で置き換わった化合物は、市販のビルディングブロックを用いて、上記各製造法と同様な方法で製造することができる。また、化合物(I) 中の水素原子の一部またはすべてが重水素原子で置き換わった化合物は、例えば、1)過酸化重水素を用い、塩基性条件下にカルボン酸などを重水素化する方法(US3849458)、2)イリジウム錯体を触媒として用い、重水を重水素源として用いてアルコール、カルボン酸などを重水素化する方法(J.Am.Chem.Soc., 124(10),2092 (2002))、3)パラジウムカーボンを触媒として用い、重水素源として重水素ガスのみを用いて脂肪酸を重水素化する方法(LIPIDS,Vol.9,No.11, 913 (1974))、4)白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムなどの金属を触媒として用い、重水または重水および重水素ガスを重水素源として用いてアクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチルなどを重水素化する方法(特公平5-19536、特開昭61-277648、特開昭61-275241)、5)パラジウム、ニッケル、銅または亜クロム酸銅などの触媒を用い、重水を重水素源として用いて、アクリル酸、メタクリル酸メチルなどを重水素化する方法(特開昭63-198638)などを用いて合成することもできる。
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えることにより塩を形成させて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)およびその薬学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明に包含される。
本発明によって得られる化合物(I)の具体例を第1表および第2表に示す。ただし、本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。
次に、代表的な化合物(I)の薬理作用について試験例により具体的に説明する。
試験例1:ヒトNaPi2b発現細胞の[33P]リン取り込みアッセイ
(1)ヒトNaPi2b誘導発現細胞の造成
ヒトNaPi2b誘導発現プラスミドは、公知の方法(Analytical Biochemistry, 400, 163, (2006))に準じて作製した。ヒトNaPi2bをコードするDNAはPCRで取得した。ヒト腎臓DNA(クロンテック社製)を鋳型として、ヒトNaPi2b cDNA特異的プライマーと、Pyrobest DNA Polymerase(タカラバイオ社製)を用いて、PCRによりヒトNaPi2bをコードするDNAを取得した。PCRは、95℃で2分間の処理後、94 ℃で15秒間、アニール温度60 ℃で15秒間、72 ℃で2分間からなる反応を35サイクル行った。増幅されたPCR断片をHindIIIとNotIで切断後、アガロースゲル電気泳動法によりヒトNaPi2b DNA断片を回収した。該断片を、誘導発現ベクターの対応する制限酵素サイト(HindIII-NotI)間へ組み込むことにより、ヒトNaPi2bの誘導発現プラスミドを構築した。取得したヒトNaPi2b DNAの配列は、GenBankの登録配列(NM_006424)と一致することを確認した。
公知の方法(Analytical Biochemistry, 400, 163, (2006))に準じて、KJMGER8細胞(Namalwa細胞由来の細胞株)を宿主とするヒトNaPi2bの誘導発現細胞を造成した。該誘導発現細胞は、KJMGER8細胞に、上記にて作製したヒトNaPi2bの誘導発現プラスミドをエレクトロポレーション法(Cytotechnology, 3, 133 (1990))にて導入することにより作製した。ヒトNaPi2bの誘導発現は、ヒトNaPi2b発現細胞を10 nmol/L β-estradiol(シグマ社製)存在下で24時間培養することにより行った。
(2)ヒトNaPi2b発現細胞を用いた[33P]リン取り込みアッセイ
上記の方法にてヒトNaPi2bの発現を誘導した細胞をバッファーA (115 mmol/L NaCl、5.4 mmol/L KCl、0.8 mmol/L MgCl2・6H2O、1.8 mmol/L CaCl2、10 mmol/L 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、pH 7.0)にて懸濁し、1.0×106個/mLの細胞密度に調整した。これを96ウェルプレート(コーニング社製)に70 μL/ウェル分注した。このプレートに、バッファーAで調製した最終濃度の10倍濃い被験化合物溶液を10 μL添加した。室温で30分間静置後、5 μCi/mL H2[33P]O4を含む4.5 μmol/L Na2HPO4/NaH2PO4(pH 7.0)を20 μL添加し、取り込み反応を30分間行った。氷冷したバッファーB (0.9 mmol/L CaCl2、0.5 mmol/L MgCl2・6H2O、2.7 mmol/L KCl、1.5 mmol/L KH2PO4、138 mmol/L NaCl、8.1 mmol/L Na2HPO4・7H2O)を添加することで反応を停止し、ろ紙(Whatman GF/B unifilter)をセットしたセルハーベスターで洗浄しながらろ過した。洗浄したろ紙を迅速乾燥機で30分間乾燥させた後、シンチレーションカクテルMicroscint 20を30μL添加し、ろ紙の放射活性をマルチプレートシンチレーションカウンターTopCount(パーキンエルマージャパン)で測定した。
阻害率は、以下の式で求めた。被験化合物濃度10μmol/Lでの結果を第3表に示した。
本試験により、化合物(I)はNaPi2bを介したリンの取り込みを阻害することが確かめられた。即ち、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩は、腸管のNaPi2bを阻害し、腸管からのリンの吸収を抑制することができ、血清のリン濃度が影響する疾患(例えば、高リン血症など)などの治療薬として有用であると考えられた。
試験例2:膜透過性試験[Parallel Artificial Membrane Permeability Assay (PAMPA)]
PAMPAプレートはBD GentestTM (cat #353015)から購入した。付属する説明書に準じて試験を行い、化合物(I)の“Pe”(effective permeability)値を算出した。
本試験の結果、例えば化合物5、6、7、11、13などは小さいPe値を示した。即ち、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩は膜透過性が小さく生体内(血中)への吸収性が低いと考えられ、経口投与しても薬物の濃度が上昇しないと考えられた。
化合物(I)またはその薬学的に許容される塩は、経口投与されると消化管(腸管)のNaPi2bを阻害することで生体内へのリンの取り込みを阻害するが、その吸収性の低さから血中での薬物濃度が低く、薬物そのものによる他臓器への影響が少ない。即ち、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩は、腸管におけるNaPi2bを局所的に阻害することで副作用が低減し、血清のリン濃度が影響する疾患(例えば、高リン血症など)などの治療および/または予防薬として有用であると考えられた。
試験例3:化合物(I)を経口投与したときの血漿中濃度
化合物(I)またはその薬学的に許容される塩をSprague-Dawleyラットに経口投与し、投与後0.5、1、2、4、7および24時間に血漿を採取する。血漿試料にアセトニトリルを添加し攪拌した後、遠心分離した上清をLC-MS/MSを用いて分析し、投与した化合物濃度を求める。
本試験により、経口投与された化合物(I)またはその薬学的に許容される塩の低い血中濃度が確認できる。
以上より、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩は、腸管におけるNaPi2bを局所的に阻害し、リンの吸収を抑制することで、血中のリンの濃度を制御することができ、血清のリン濃度が影響する疾患(例えば、高リン血症など)などの治療および/または予防剤として有用であると考えられた。また、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩は生体内への吸収性が小さいために、全身暴露に伴う副作用(例えば肺や精巣における石灰化)を抑制することができると考えられた。
化合物(I)またはその薬学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物または人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を単独で、または任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬学的に許容される一種またはそれ以上の担体(例えば、希釈剤、溶剤、賦形剤など)と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内などの非経口をあげることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、注射剤などがあげられる。
経口投与に適当な、例えば錠剤などは、乳糖などの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤などを用いて製造できる。
非経口投与に適当な、例えば注射剤などは、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合液などの希釈剤または溶剤などを用いて製造できる。
化合物(I)またはその薬学的に許容される塩の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常経口の場合、成人一人あたり、0.01〜1000 mg、好ましくは0.05〜100 mgの範囲で、1日1回ないし数回投与する。静脈内投与などの非経口投与の場合、成人一人あたり0.001〜1000 mg、好ましくは0.01〜100 mgを1日1回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
以下、本発明を実施例および参考例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。
なお、実施例および参考例で用いられるプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)では、化合物および測定条件によって交換性プロトンが明瞭には観測されないことがある。また、シグナルの多重度の表記としては通常用いられるものを用いるが、brとは見かけ上幅広いシグナルであることを表す。
化合物1
工程1:4,4-ジメチルシクロヘキサノンを用い、US2008-312231記載の方法に準じて得られる2-アミノ-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸tert-ブチル(5.10 g, 18.1 mmol)およびピリジン(1.76 mL, 21.8 mmol)をジクロロメタン(100 mL)に溶解し、氷冷下で3-(クロロカルボニル)安息香酸メチル(3.34 mL, 21.8 mmol)を加え室温で終夜攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をメタノール中でリスラリーすることで2-(3-(メトキシカルボニル)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸tert-ブチル(7.62 g, 収率 95%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (6H, s), 1.52 (2H, d, J = 3.9 Hz), 1.62 (9H, s), 2.47 (2H, s), 2.78 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.97 (3H, s), 7.62 (1H, t, J = 7.8 Hz), 8.16-8.19 (1H, m), 8.24 (1H, dt, J = 7.8, 1.2 Hz), 8.70 (1H, t, J = 1.8 Hz).
工程2:工程1で得られる2-(3-(メトキシカルボニル)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸tert-ブチル(5.00 g, 11.3 mmol)をジクロロメタン(60 mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(17.4 mL, 225 mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応溶液にトルエンを加えた後、溶媒を減圧下で留去し、残渣をメタノール中でリスラリーすることで2-(3-(メトキシカルボニル)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸(3.05 g, 収率 70%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6, δ) : 0.98 (s, 6H), 1.52 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.44 (s, 2H), 2.78 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 7.75 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 8.14 (dt, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 8.20 (dt, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 8.46 (t, J = 1.7 Hz, 1H). ESIMS m/z: 388(M + H)+.
工程3:工程2で得られる2-(3-(メトキシカルボニル)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸(1.50 g, 3.87 mmol)をDMA(18 mL)に溶解させ、1.5時間加熱還流した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=9/1)で精製することで3-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(1.16 g, 収率 87%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (s, 6H), 1.55 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.48 (s, 2H), 2.55 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 6.55 (s, 1H), 7.57 (t, J= 7.8 Hz, 1H), 8.14 (dt, J = 7.8, 1.6 Hz, 1H), 8.19 (dt, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 8.46 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 8.51 (s, 1H).ESIMS m/z: 344(M + H)+.
工程4:工程3で得られる3-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(2.32 g, 6.76 mmol)をメタノール(4.0 mL)とクロロホルム(40 mL)に溶解させ、臭素(0.383 mL, 7.43 mmol)をメタノール(15 mL)に溶解させた溶液を氷冷下、5分かけて滴下した。氷冷下、30分間攪拌後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をメタノール中でリスラリーすることにより3-(3-ブロモ-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(2.52 g, 収率 88%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (s, 6H), 1.59 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.50 (m, 4H), 3.98 (s, 3H), 7.62 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 8.13 (dq, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 8.25 (dt, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.54 (t, J= 1.5 Hz, 1H).
工程5:工程4で得られる3-(3-ブロモ-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.050 g, 0.118 mmol)をTHF(1.0 mL)とDMF(0.2 mL)に溶解させ、2-(トリブチルスタンニル)ピリジン(0.077 mL, 0.237 mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(8.31 mg, 0.012 mmol)、塩化銅(I)(0.012 g, 0.118 mmol)および酸化銀(I)(0.027 g, 0.118 mmol)を加えて、4時間加熱還流した。溶媒を減圧下で留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=92/8)で精製することで標記化合物1(0.014 g, 収率 28%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.09 (s, 6H), 1.63 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.58 (s, 2H), 2.87 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 4.01 (s, 3H), 7.22-7.24 (m, 1H), 7.62 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.77-7.80 (m, 2H), 8.22 (dt, J = 7.7, 1.5 Hz, 1H), 8.32-8.34 (m, 1H), 8.78 (t, J = 1.5 Hz, 1H), 8.84-8.86 (m, 1H), 14.71 (s, 1H). ESIMS m/z: 421(M + H)+.
化合物2
実施例1の工程4で得られる3-(3-ブロモ-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチルと、4-メチル-2-(トリブチルスタンニル)ピリジンを用い、実施例1の工程5と同様にして標記化合物2(0.033 g, 40%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.10 (s, 6H), 1.63 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.58 (s, 2H), 2.87 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.01 (s, 3H), 7.06 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.62 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.21 (dt, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 8.32 (dt, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 8.70 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.77 (t, J = 1.5 Hz, 1H), 14.76 (s, 1H). ESIMS m/z: 435(M + H)+.
化合物3
工程1:実施例1の工程3で得られる3-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.697 g, 2.03 mmol)を酢酸(10.0 mL)に懸濁させ、酢酸(1.0 mL)に溶解させた一塩化ヨウ素(0.107 mL, 2.13 mmol)を滴下した。室温にて10分間攪拌後、氷冷下、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた。析出した固体をろ取した後、水とヘプタンで洗浄して3-(3-ヨード-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.840 g, 収率 88%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 1.03 (s, 6H), 1.59 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.46 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.52 (s, 2H), 3.98 (s, 3H), 7.63 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 8.14 (dt, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 8.26 (dt, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.58 (t, J = 1.5 Hz, 1H). ESIMS m/z: 470 (M + H)+.
工程2:工程1で得られる3-(3-ヨード-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.424 g, 0.903 mmol)をDMF(5.0 mL)に溶解させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.063 g, 0.090 mmol)、ヨウ化銅(I)(0.017 g, 0.090 mmol)、トリメチルシリルアセチレン(1.01 mL, 7.20 mmol)およびトリエチルアミン(0.504 mL, 3.61 mmol)を加えて室温にて4時間撹拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=85/15)で精製することで3-(6,6-ジメチル-3-((トリメチルシリル)エチニル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.347 g, 収率 87%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 0.31 (s, 9H), 1.02 (s, 6H), 1.57 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.46 (s, 2H), 2.60 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.96 (s, 3H), 7.63 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.93 (s, 1H). ESIMS m/z: 440 (M + H)+.
工程3:工程2で得られる3-(6,6-ジメチル-3-((トリメチルシリル)エチニル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.347 g, 0.789 mmol)をメタノール(5.0 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(0.218 g, 1.58 mmol)を加えて室温にて12時間撹拌した。反応液に水と飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=9/1)で精製することで3-(3-エチニル-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.189 g, 収率 65%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (s, 6H), 1.59 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.47 (s, 2H), 2.60 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.61 (s, 1H), 3.97 (s, 3H), 7.62 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 8.13 (dt, J = 7.8, 1.6 Hz, 1H), 8.25 (dt, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 8.55 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 8.86 (s, 1H). ESIMS m/z: 368 (M + H)+.
工程4:(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸エチル(4.80 g, 13.8 mmol)をジクロロエタン(40 mL)に溶解させ、-20℃にてN-ヨードスクシンイミド(2.58 g, 11.5 mmol)を加えた。室温にて40分間攪拌後、2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)アセトアルデヒド(2.19 mL, 11.5 mmol)を加え、30分間過熱還流した。反応液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=97/3)で精製することで(Z)-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-ヨード-2-ブテン酸エチル(3.12 g, 収率 73%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 0.10 (6H, s), 0.92 (9H, s), 1.33 (3H, t, J = 7.3 Hz), 4.29 (2H, q, J = 7.3 Hz), 4.33 (2H, d, J = 4.9 Hz), 7.42 (1H, t, J = 4.9 Hz).
工程5:工程4で得られる(Z)-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-ヨード-2-ブテン酸エチル(0.330 g, 0.891 mmol)をエタノール(5.0 mL)に溶解させ、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム(0.224 g, 0.891 mmol)を加えて50℃にて2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=9/1)で精製することで(Z)-4-ヒドロキシ-2-ヨード-2-ブタン酸エチル(0.217 g, 収率 95%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 1.33 (3H, t, J = 7.8 Hz), 1.78 (1H, t, J = 5.9 Hz), 4.29 (2H, q, J = 7.8 Hz), 4.37 (2H, t, J = 4.4 Hz), 7.50 (1H, t, J = 4.4 Hz).
工程6:工程5で得られる(Z)-4-ヒドロキシ-2-ヨード-2-ブタン酸エチル(0.907 g, 3.54 mmol)をジクロロメタン(1.0 mL)に溶解させ、二酸化マンガン(0.924 g, 10.6 mmol)を加えて室温にて終夜撹拌した。反応溶液をセライトろ過したのち、減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=95/5)で精製することで(Z)-2-ヨード-4-オキソ-2-ブタン酸エチル(0.217 g, 収率 95%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.37 (3H, t, J = 7.0 Hz), 4.36 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.32 (1H, d, J = 6.2 Hz), 9.74 (1H, d, J = 6.2 Hz).
工程7:工程3で得られる3-(3-エチニル-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.124 g, 0.490 mmol)をTHF(4.0 mL)に溶解させ、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)ジクロリド(0.0038 g, 0.015 mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル(0.021 g, 0.044 mmol)、炭酸セシウム(0.399 g, 1.23 mmol)および工程6で得られる(Z)-2-ヨード-4-オキソ-2-ブタン酸エチル(0.180 g, 0.49 mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。反応溶液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=90/15)で精製することで(E)-3-(3-(3-(エトキシカルボニル)-5-オキソ-3-ペンテン-1-イニル)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.013 g, 収率 5.4%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.04 (6H, s), 1.35 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.60 (2H, t, J = 6.6 Hz), 2.48 (2H, s), 2.63 (2H, t, J = 6.2 Hz), 3.94 (3H, s), 4.34 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.06 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.60 (1H, t, J = 8.0 Hz), 8.25 (1H, dt, J = 8.0, 1.3 Hz), 8.32 (1H, dt, J = 8.1, 1.6 Hz), 8.72 (1H, t, J = 1.6 Hz), 9.84 (1H, s), 10.21 (1H, d, J = 6.6 Hz). ESIMS m/z: 494 (M + H)+.
工程8:工程7で得られる(E)-3-(3-(3-(エトキシカルボニル)-5-オキソ-3-ペンテン-1-イニル)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)安息香酸メチル(0.013 g, 0.026 mmol)をDMF(1.0 mL)に溶解させ、tert-ブチルアミン(0.028 mL, 0.263 mmol)を加えて10分間撹拌した。反応溶液を100℃まで過熱して10分間攪拌後、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=9/1)で精製することで標記化合物3(0.006 g, 収率 46%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.10 (6H, s), 1.45 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.65 (2H, t, J = 6.2 Hz), 2.59 (2H, s), 2.93 (2H, t, J = 6.8 Hz), 4.02 (3H, s), 4.47 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.63 (1H, t, J = 7.7 Hz), 7.76 (1H, dd, J = 5.1, 1.1 Hz), 8.23 (1H, dt, J = 7.7, 1.5 Hz), 8.32 (1H, t, J = 1.5 Hz), 8.35 (1H, s), 8.77 (1H, s), 8.98 (1H, d, J = 5.1 Hz), 14.50 (1H, s). ESIMS m/z: 493 (M + H)+.
化合物4
工程1:2-アミノ-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸tert-ブチル(8.00, 28.4 mmol)を用い、実施例1の工程1と同様にして、2-(3-アセトキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸tert-ブチル(10.7 g, 収率 84%)を得た。
ESIMS m/z: 444 (M + H)+.
工程2:工程1で得られる2-(3-アセトキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸tert-ブチル(8.92 g, 20.1 mmol)を用い、実施例1の工程2と同様にして、2-(3-アセトキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸(6.86 g, 収率 88%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.03 (6H, s), 1.57 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.32 (3H, s), 2.47 (2H, s), 2.87 (2H, t, J = 6.4 Hz), 7.33 (1H, dq, J = 8.2, 1.1 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.2 Hz), 7.74 (1H, t, J = 2.0 Hz), 7.84 (1H, dt, J = 7.8, 1.4 Hz), 12.10 (1H, s). ESIMS m/z: 386 (M - H)+.
工程3:工程2で得られる2-(3-アセトキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸(1.53 g, 3.95 mmol)を用い、実施例1の工程3と同様にして、3-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニルアセテート(1.02 g, 収率 75%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.01 (6H, s), 1.54 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.33 (3H, s), 2.47 (2H, s), 2.55 (2H, t, J = 6.4 Hz), 6.51 (1H, s), 7.48 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.59 (1H, t, J = 2.0 Hz), 7.72 (1H, t, J = 4.4 Hz), 8.58 (1H, s). ESIMS m/z: 344 (M + H)+.
工程4:工程3で得られる3-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニルアセテート(7.90 g, 23.0 mmol)を用い、実施例3の工程1と同様にして、3-(3-ヨード-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニルアセテート(3.72 g, 収率 35%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (6H, s), 1.59 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.35 (3H, s), 2.46 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.52 (2H, s), 7.33 (1H, dq, J = 8.2, 1.1 Hz), 7.54 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.67 (1H, t, J = 2.0 Hz), 7.77 (1H, dt, J = 7.8, 1.3 Hz), 8.47 (1H, s). ESIMS m/z: 470 (M + H)+.
工程5:工程4で得られる3-(3-ヨード-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニルアセテート(3.70 g, 7.88 mmol)を用い、実施例3の工程2と同様にして、3-(6,6-ジメチル-3-((トリメチルシリル)エチニル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニルアセテート(2.19 g, 収率 63%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 0.30 (9H, s), 1.01 (6H, s), 1.56 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.33 (3H, s), 2.45 (2H, s), 2.59 (2H, t, J = 6.4 Hz), 7.31-7.34 (1H, m), 7.53 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.62 (1H, t, J = 1.8 Hz), 7.76 (1H, dt, J = 8.0, 1.4 Hz), 8.86 (1H, s). ESIMS m/z: 440 (M + H)+.
工程6:工程5で得られる3-(6,6-ジメチル-3-((トリメチルシリル)エチニル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニルアセテート(2.19 g, 4.98 mmol)をアセトニトリル(40 mL)とDMF(4.0 mL)に溶解させ、フッ化カリウム Celite担持(50 重量%, 1.16 g, 9.96 mmol)を加えて終夜撹拌した。反応溶液をろ過して得られた溶液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=90/10)で精製することで3-(3-エチニル-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニルアセテート(0.762 g, 収率 42%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (2H, s), 1.57 (6H, t, J = 6.3 Hz), 2.35 (3H, s), 2.46 (2H, s), 2.59 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.59 (1H, s), 7.32 (1H, dd, J = 8.1, 1.5 Hz), 7.53 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.64 (1H, t, J = 1.8 Hz), 7.73 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.79 (1H, s). ESIMS m/z: 368 (M + H)+.
工程7:工程6で得られる3-(3-エチニル -6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニルアセテート(0.270 g, 1.06 mmol)と実施例3の工程6で得られる(Z)-2-ヨード-4-オキソ-2-ブタン酸エチル(0.300 g, 0.816 mmol)を用い、実施例3の工程7と同様にして(E)-2-((2-(3-アセトキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)エチニル)-4-オキソ-2-ブテン酸エチル(0.095 g, 収率 24%)を得た。
ESIMS m/z: 494 (M + H)+.
工程8:工程7で得られる(E)-2-((2-(3-アセトキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)エチニル)-4-オキソ-2-ブテン酸エチル(0.095 g, 0.192 mmol)を用い、実施例3の工程8と同様にして2-(2-(3-ヒドロキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)イソニコチン酸エチル(0.026 g, 収率 30%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.09 (6H, s), 1.45 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.63 (2H, t, J = 6.1 Hz), 2.57 (2H, s), 2.89 (2H, t, J = 6.1 Hz), 4.46 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.08 (1H, s), 7.07 (1H, dd, J = 7.8, 2.2 Hz), 7.39 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.51 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.69-7.71 (2H, m), 8.30 (1H, s), 8.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 13.97 (1H, s). ESIMS m/z: 451 (M + H)+.
工程9:工程8で得られる2-(2-(3-ヒドロキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)イソニコチン酸エチル(0.078 g, 0.173 mmol)をDMF(2.0 mL)に溶解させ、J. Org. Chem., 69(3), 639 (2004)に記載の方法で得られる17-ヒドロキシ-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデシル-4-トルエンスルフォネート(0.151 g, 0.346 mmol)と炭酸セシウム(0.113 g, 0.346 mmol)を加えて80℃で3時間撹拌した。反応溶液に水と飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することで2-(2-(3-(17-ヒドロキシ-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデシルオキシ)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)イソニコチン酸エチル(0.108 g, 収率 87%)を得た。
ESIMS m/z: 715 (M + H)+.
工程10:工程9で得られる2-(2-(3-(17-ヒドロキシ-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデシルオキシ)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)イソニコチン酸エチル(0.108 g, 0.151 mmol)をTHF(2.0 mL)とメタノール(0.5 mL)に溶解させ、4 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.227 mL, 0.906 mmol)を加えた。室温にて1時間攪拌後、水を加え、エーテルで抽出した。水層に2 mol/L塩酸を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、溶媒を減圧下で留去して標記化合物4(0.060 g, 収率 58%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 1.09 (6H, s), 1.64-1.67 (2H, m), 2.58 (2H, s), 2.89 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.59-3.82 (20H, m), 3.90 (2H, t, J = 4.9 Hz), 4.16 (2H, t, J = 4.9 Hz), 4.22 (2H, t, J = 4.9 Hz), 7.11 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.42 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.49 (1H, s), 7.66 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.77 (1H, d, J = 3.9 Hz), 8.32 (1H, s), 8.86 (1H, d, J = 5.9 Hz), 13.73 (1H, s). ESIMS m/z: 687 (M + H)+.
化合物5
実施例4の工程10で得られる化合物4(0.052 g, 0.076 mmol)をジクロロメタン(1.0 mL)に溶解させ、(3-(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン(0.016 mL, 0.114 mmol)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)(0.058 g, 0.151 mmol)およびN-メチルモルホリン N-オキシド(NMO)(0.027 g, 0.227 mmol)を加えた。室温にて1時間攪拌後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=92/8)で精製することで標記化合物5(0.060 g, 収率 94%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 1.08 (6H, s), 1.58-1.60 (2H, m), 2.57 (2H, s), 2.90 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.54-3.77 (20H, m), 3.90 (2H, t, J = 4.9 Hz), 4.23 (2H, t, J = 4.9 Hz), 4.76 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.41 (2H, t, J = 7.8 Hz), 7.49 (1H, d, J = 3.9 Hz), 7.51 (1H, d, J = 6.8 Hz), 7.56-7.59 (5H, m), 7.63 (1H, s), 8.20 (1H, s), 8.81 (1H, d, J = 4.9 Hz), 13.90 (1H, s). ESIMS m/z: 844 (M + H)+.
化合物6
工程1:実施例5で得られる化合物5(0.049 g, 0.058 mmol)をジクロロメタン(1.0 mL)に溶解させ、メシルクロリド(0.007 mL, 0.0087 mmol)およびピリジン(0.009 mL, 0.116 mL)を加えた。室温にて1時間攪拌後、反応溶液に2 mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=92/8)で精製することで17-(3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェノキシ)-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデシル メタンスルホン酸(0.049 g, 収率 92%)を得た。
ESIMS m/z: 922 (M + H)+.
工程2:工程1で得られる17-(3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェノキシ)-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデシル メタンスルホン酸(0.049 g, 0.053 mmol)をDMA(1.5 mL)に溶解させ、ピペリジン-4-カルボン酸エチル(0.041 mL, 0.266 mmol)を加えて、120℃にて1.5時間攪拌した。反応溶液に2 mol/L塩酸を加えた後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて洗浄後、溶媒を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=92/8)で精製することで標記化合物6(0.025 g, 収率 48%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 1.08 (6H, s), 1.23 (3H, dd, J = 11.7, 4.9 Hz), 1.61 (2H, t, J = 5.9 Hz), 1.98-2.02 (4H, m), 2.52 (2H, t, J = 5.9 Hz), 2.56 (2H, s), 2.84 (2H, s), 2.89-2.90 (4H, m), 3.53-3.68 (17H, m), 3.74 (2H, dd, J = 6.3, 3.4 Hz), 3.89 (2H, t, J = 4.4 Hz), 4.09 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.22 (2H, t, J = 4.9 Hz), 4.75 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.12 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.41 (2H, t, J = 7.8 Hz), 7.49-7.51 (3H, m), 7.61-7.63 (3H, m), 8.20 (1H, s), 8.80 (1H, d, J = 5.9 Hz), 13.91 (1H, s). ESIMS m/z: 983 (M + H)+.
化合物7
実施例6で得られる化合物6(0.015 g, 0.015 mmol)を用い、実施例4の工程10と同様にして標記化合物7(0.013 g, 収率 87%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 1.07 (6H, s), 1.60 (2H, t, J = 5.9 Hz), 2.05-2.08 (4H, m), 2.45 (1H, s), 2.54 (2H, s), 2.92 (2H, t, J = 6.3 Hz), 2.98-3.00 (4H, m), 3.51-3.74 (20H, m), 3.88 (2H, t, J = 4.4 Hz), 4.21 (2H, t, J = 4.4 Hz), 4.73 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.09 (1H, dd, J = 8.8, 2.0 Hz), 7.40 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.47 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.52-7.53 (3H, m), 7.65 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.67 (1H, d, J = 5.9 Hz), 7.70 (1H, s), 8.25 (1H, s), 8.39 (1H, t, J = 6.3 Hz), 8.76 (1H, d, J = 5.9 Hz), 13.85 (1H, s). ESIMS m/z: 955 (M + H)+.
化合物8
工程1:3-クロロメチルベンゾイルクロリドを用い、実施例1の工程1と同様にして得られたtert-ブチル 2-(3-(クロロメチル)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸 tert-ブチル(8.00 g, 18.4 mmol)をトルエン(150 mL)に溶解させ、酢酸カリウム(12.7 g, 129 mmol)とテトラブチルアンモニウムブロミド(1.19 g, 2.69 mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、メタノールでリスラリーすることにより、2-(3-アセトキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸tert-ブチル(7.50 g, 収率 89%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (6H, s), 1.54 (2H, t, J = 6.5 Hz), 1.62 (9H, s), 2.16 (3H, s), 2.46 (2H, s), 2.77 (2H, t, J = 6.5 Hz), 5.21 (2H, s), 7.53-7.54 (2H, m), 7.93-7.97 (1H, m), 8.01 (1H, s), 12.43 (1H, s). ESIMS m/z: 458 (M + H)+.
工程2:工程1で得られる2-(3-アセトキシベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸tert-ブチル(7.50 g, 16.4 mmol)を用い、実施例1の工程2と同様にして、2-(3-(アセトキシメチル)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸(5.62 g, 収率85%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (6H, s), 1.56 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.15 (3H, s), 2.47 (2H, s), 2.86 (2H, t, J = 6.4 Hz), 5.20 (2H, s), 7.53-7.57 (2H, m), 7.94 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.98 (1H, s). ESIMS m/z: 402 (M + H)+.
工程3:工程2で得られる2-(3-(アセトキシメチル)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボン酸(1.40 g, 3.49 mmol)を用い、実施例1の工程3と同様にして、3-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルアセテート(1.18 g, 収率 95%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (6H, s), 1.54 (2H, t, J = 6.5 Hz), 2.13 (3H, s), 2.48 (2H, s), 2.56 (2H, t, J = 6.5 Hz), 5.16 (2H, s), 6.52 (1H, s), 7.45-7.55 (2H, m), 7.81 (1H, dt, J = 7.3, 1.6 Hz), 7.86 (1H, s), 8.34 (1H, s). ESIMS m/z: 358 (M + H)+.
工程4:工程3で得られる3-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルアセテート(4.73 g, 14.6 mmol)を用い、実施例3の工程1と同様にして、3-(3-ヨード-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルアセテート(4.42 g, 収率 69%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.02 (6H, s), 1.60 (3H, t, J = 7.7 Hz), 2.17 (2H, s), 2.46 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.52 (2H, s), 5.20 (2H, s), 7.55 (2H, t, J = 5.5 Hz), 7.86 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.94 (1H, s), 8.52 (1H, s). ESIMS m/z: 484 (M + H)+.
工程5:工程4で得られる3-(3-ヨード-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルアセテート(0.276 g, 0.571 mmol)を用い、実施例3の工程2と同様にして、3-(6,6-ジメチル-3-((トリメチルシリル)エチニル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルアセテート(2.19 g, 収率 63%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 0.30 (9H, s), 1.01 (6H, s), 1.56 (2H, t, J = 5.5 Hz), 2.12 (3H, s), 2.45 (2H, s), 2.59 (2H, t, J = 6.4 Hz), 5.17 (2H, s), 7.49-7.59 (2H, m), 7.83 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.92 (1H, s), 8.88 (1H, s). ESIMS m/z: 454 (M + H)+.
工程6:工程5で得られる3-(6,6-ジメチル-3-((トリメチルシリル)エチニル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルアセテート(2.83 g, 6.24 mmol)を用い、実施例4の工程6と同様にして3-(3-エチニル-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルアセテート(1.32 g, 収率 56%)を得た。
ESIMS m/z: 382 (M + H)+.
工程7:工程6で得られる3-(3-エチニル -6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルアセテート(0.916 g, 2.40 mmol)を用い、実施例3の工程7と同様にして(E)-2-((2-(3-アセトキシメチルベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)エチニル)-4-オキソ-2-ブテン酸エチル(0.510 g, 収率 21%)を得た。
ESIMS m/z: 506 (M - H)+.
工程8:工程7で得られる(E)-2-((2-(3-アセトキシメチルベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)エチニル)-4-オキソ-2-ブテン酸エチル(0.440 g, 0.868 mmol)を用い、実施例3の工程8と同様にして2-(2-(3-アセトキシメチルベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)イソニコチン酸エチル(0.090 g, 収率 20%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.10 (6H, s), 1.45 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.64 (2H, t, J = 6.1 Hz), 2.14 (3H, s), 2.58 (2H, s), 2.91 (2H, t, J = 6.1 Hz), 4.47 (2H, q, J = 7.1 Hz), 5.22 (2H, s), 7.53-7.55 (2H, m), 7.73 (1H, dd, J = 5.0, 1.3 Hz), 7.98 (1H, d, J = 6.6 Hz), 8.04 (1H, s), 8.32 (1H, s), 8.86 (1H, d, J = 5.0 Hz), 14.03 (1H, s). ESIMS m/z: 507 (M + H)+.
工程9:工程8で得られる2-(2-(3-アセトキシメチルベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)イソニコチン酸エチル(0.087 g, 0.172 mmol)を用い、実施例4の工程10と同様にして2-(2-(3-(ヒドロキシメチル)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)イソニコチン酸(0.075 g, 収率 100%)を得た。
ESIMS m/z: 437 (M + H)+.
工程10:工程9で得られる2-(2-(3-(ヒドロキシメチル)ベンズアミド)-6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)イソニコチン酸(0.075 g, 0.172 mmol)を用い、実施例5と同様にして標記化合物8(0.099 g, 97%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.08 (6H, s), 1.60 (2H, t, J = 5.9 Hz), 1.96 (1H, t, J = 5.9 Hz), 2.55 (2H, s), 2.87 (2H, t, J = 5.9 Hz), 4.77 (2H, d, J = 5.9 Hz), 4.82 (2H, d, J = 5.9 Hz), 6.71 (1H, t, J = 5.4 Hz), 7.38 (1H, d, J = 4.9 Hz), 7.46-7.53 (3H, m), 7.60 (2H, d, J = 6.8 Hz), 7.64 (1H, s), 7.91 (1H, d, J = 6.8 Hz), 8.05 (1H, s), 8.12 (1H, s), 8.81 (1H, d, J = 4.9 Hz), 14.09 (1H, s). ESIMS m/z: 594 (M + H)+.
化合物9
工程1:実施例8の工程10で得られる化合物8(0.990 g, 0.167 mmol)を用い、実施例6の工程1と同様にして3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルメタンスルホン酸(0.100 g, 収率89%)を得た。
ESIMS m/z: 672 (M + H)+.
工程2:3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカン-1,17-ジオール (0.032 g, 0.112 mmol)をDMF(1.00 mL)に溶解させ、氷冷下60%水素化ナトリウム(5.0 mg, 0.125 mmol)を加えた。氷冷下、15分間攪拌した後、工程1で得られる3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルメタンスルホン酸(0.030 g,0.045 mmol)を加えて室温にて30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=85/15)で精製することで標記化合物9(0.032 g, 収率 84%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.08 (6H, s), 1.63-1.65 (2H, m), 2.57 (2H, s), 2.93 (2H, t, J = 5.9 Hz), 3.04 (1H, s), 3.61 (24H, tt, J = 32.2, 5.7 Hz), 4.68 (2H, s), 4.75 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.48-7.50 (3H, m), 7.58-7.62 (5H, m), 8.01 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.07 (1H, s), 8.27 (1H, s), 8.91 (1H, d, J = 4.9 Hz), 14.28 (1H, s). ESIMS m/z: 858 (M + H)+.
化合物10
工程1:実施例9の工程2で得られる化合物9(0.029 g, 0.034 mmolo)を用い、実施例6の工程1と同様にして1-(3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニル)-2,5,8,11,14,17-ヘキサオキサノナデカン-19-イル メタンスルホン酸(0.030 g, 収率 95%)を得た。
ESIMS m/z: 936 (M + H)+.
工程2:工程1で得られる1-(3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニル)-2,5,8,11,14,17-ヘキサオキサノナデカン-19-イル メタンスルホン酸(0.015 g, 0.016 mmol)とUS4097591に記載の方法で得られる 2-(2-メトキシエチルアミノ)酢酸ベンジル(0.018 g, 0.080 mmol)を用い、実施例6の工程2と同様にして標記化合物10(0.002 g, 収率 11%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.08 (6H, s), 1.25 (2H, s), 2.57 (2H, s), 2.86 (4H, t, J = 5.3 Hz), 2.93 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.26 (3H, s), 3.41 (3H, t, J = 5.5 Hz), 3.52 (18H, dt, J = 17.2, 6.0 Hz), 3.68 (5H, dt, J = 11.0, 2.7 Hz), 4.68 (2H, s), 4.74 (2H, d, J = 5.9 Hz), 5.10 (2H, s), 7.30-7.32 (6H, m), 7.48-7.50 (3H, m), 7.57-7.62 (4H, m), 8.00-8.02 (1H, m), 8.07 (1H, s), 8.27 (1H, s), 8.90 (1H, d, J = 4.8 Hz), 14.27 (1H, s). ESIMS m/z: 1063 (M + H)+.
化合物11
実施例10の工程1で得られる1-(3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)フェニル)-2,5,8,11,14,17-ヘキサオキサノナデカン-19-イルメタンスルホン酸(0.020 g, 0.021 mmol)を用い、実施例6の工程2と同様にして標記化合物11(0.020 g, 収率 94%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.07 (6H, s), 1.22 (5H, t, J = 7.1 Hz), 1.62 (2H, t, J = 6.2 Hz), 1.73-1.76 (4H, m), 2.02 (2H, t, J = 11.0 Hz), 2.22 (1H, s), 2.50 (2H, t, J = 5.9 Hz), 2.56 (2H, s), 2.82-2.86 (2H, m), 2.93 (2H, t, J = 6.2 Hz), 3.53-3.66 (20H, m), 4.10 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.68 (2H, s), 4.75 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.47-7.63 (8H, m), 7.98 (1H, s), 8.07 (1H, s), 8.26 (1H, s), 8.90 (1H, d, J = 5.1 Hz), 14.28 (1H, s). ESIMS m/z: 997 (M + H)+.
化合物12
実施例11で得られる化合物11(0.015 g, 0.015 mmol)を用い、実施例4の工程10と同様にして標記化合物12(0.0115 g, 収率 79%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.07 (6H, s), 1.60 (2H, d, J = 5.5 Hz), 2.09 (2H, s), 2.18 (1H, s), 2.55 (2H, s), 2.98-3.07 (8H, m), 3.58-3.65 (24H, m), 4.64 (1H, s), 4.69 (1H, s), 4.73 (2H, s), 7.48-7.50 (3H, m), 7.66-7.69 (3H, m), 7.95-7.99 (3H, m), 8.35 (1H, d, J = 7.0 Hz), 8.82 (1H, s), 11.45 (1H, s), 13.84 (1H, s). ESIMS m/z: 969 (M + H)+.
化合物13
実施例9の工程1で得られる3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルメタンスルホン酸(0.015 g, 0.022 mmol)をDMF(1.00 mL)に溶解させ、炭酸セシウム(4.63 mg, 0.033 mmol)と1-メルカプト-3,6,9,12-テトラオキサペンタ-15-デカン酸(10.2 mg, 0.022 mmol)を加えて室温にて2時間撹拌した。反応液にクエン酸水溶液を加えた後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、溶媒を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=98/2)で精製することで標記化合物13(0.004 g, 収率 16%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3, δ) : 1.08 (6H, s), 1.62 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.57 (4H, t, J = 6.4 Hz), 2.65 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.92 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.57-3.65 (30H, m), 3.74 (3H, t, J = 5.9 Hz), 3.87 (2H, s), 4.75 (2H, d, J = 5.5 Hz), 7.43 (1H, s), 7.47-7.50 (3H, m), 7.55-7.58 (3H, m), 7.64 (1H, s), 7.95 (1H, d, J = 7.0 Hz), 8.01 (1H, s), 8.23 (1H, s), 8.95 (1H, d, J = 5.1 Hz), 14.07 (1H, s). ESIMS m/z: 1034 (M + H)+.
化合物14
実施例9の工程1で得られる3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルメタンスルホン酸(0.015 g, 0.022 mmol)とBull. Chem. Soc. Japan, 55, 2181-2185 (1982)に記載の方法で得られる20-ヒドロキシ-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサ-1-イコサン酸(0.015 g, 0.022 mmol)を用い、実施例9の工程2と同様にして標記化合物14(0.011 g, 54%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.07 (6H, s), 1.62 (2H, t, J = 5.7 Hz), 2.56 (2H, s), 2.93 (2H, t, J = 5.7 Hz), 3.58-3.66 (24H, m), 4.02 (2H, s), 4.68 (2H, s), 4.74 (2H, d, J = 5.5 Hz), 7.45-7.56 (4H, m), 7.61-7.69 (4H, m), 8.01-8.07 (2H, m), 8.28 (1H, s), 8.88 (1H, d, J = 5.1 Hz), 14.30 (1H, s). ESIMS m/z: 916 (M + H)+.
化合物15
実施例9の工程1で得られる3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルメタンスルホン酸(0.015 g, 0.022 mmol)を用い、実施例10の工程2と同様にして標記化合物15(0.004 g, 収率 24%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.08 (6H, s), 1.62 (2H, t, J = 6.0 Hz), 2.56 (2H, s), 2.89 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.23 (3H, s), 3.26 (2H, t, J = 10.0 Hz), 3.61 (2H, t, J = 4.9 Hz), 3.71 (2H, s), 4.29 (2H, s), 4.76 (2H, d, J = 5.9 Hz), 5.15 (2H, s), 7.31-7.33 (6H, m), 7.40 (1H, dd, J = 5.3, 1.3 Hz), 7.48-7.52 (2H, m), 7.60-7.62 (4H, m), 7.97 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.00 (1H, s), 8.15 (1H, s), 8.87 (1H, d, J = 5.5 Hz), 14.00 (1H, s). ESIMS m/z: 799 (M + H)+.
化合物16
実施例15で得られる化合物15(0.007 g, 0.0088 mmol)を用い、実施例4の工程10と同様にして標記化合物16(0.0058 g, 93%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.06 (6H, s), 1.59 (2H, t, J = 5.9 Hz), 2.51 (2H, s), 2.85 (2H, s), 3.31 (2H, t, J = 4.9 Hz), 3.34 (3H, s), 3.40 (1H, t, J = 2.0 Hz), 3.67 (2H, t, J = 4.9 Hz), 3.73 (2H, s), 4.40 (2H, s), 4.70 (2H, s), 7.49-7.57 (4H, m), 7.61-7.64 (3H, m), 7.97 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.02 (1H, s), 8.16 (1H, s), 8.81 (1H, d, J = 4.9 Hz). ESIMS m/z: 709 (M + H)+.
化合物17
実施例10の工程1で得られる3-(6,6-ジメチル-3-(4-(3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イルカルバモイル)ベンジルメタンスルホン酸(0.012 g, 0.018 mmol)とメチルアミン(0.182 mL, 1.79 mmol)を用い、実施例10の工程2と同様にして標記化合物17(0.010 g, 92%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) : 1.07 (6H, s), 2.49 (4H, s), 2.54 (2H, s), 2.61 (2H, s), 2.88 (2H, t, J = 5.3 Hz), 3.86 (2H, s), 4.77 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.45-7.59 (8H, m), 7.88 (1H, d, J = 7.3 Hz), 8.02 (1H, s), 8.13 (1H, s), 8.83 (1H, d, J = 5.1 Hz), 14.01 (1H, s). ESIMS m/z: 607 (M + H)+.
本発明により、腸管におけるNaPi2bを阻害し、例えば血清のリン濃度が影響する疾患(例えば、高リン血症など)の治療および/または予防剤として有用な縮環チオフェン誘導体またはその薬学的に許容される塩などを提供することができる。

Claims (5)

  1. 一般式(I)
    {式中、環N
    は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環またはトリアジン環を表し、
    AlkはC3-5アルキレン鎖を表し、
    R1は、水素原子、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、シクロアルキル、置換基を有していてもよい低級アルカノイル、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルまたは-CONR7R8(式中、R7およびR8は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアラルキルもしくは置換基を有していてもよいアリールを表すか、またはそれぞれが隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい含窒素複素環基を形成する)を表し、
    R2は、水素原子、オキソ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルキル、トリフルオロメチル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい低級アルカノイルオキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルキルアミノまたは置換基を有していてもよいジ低級アルキルアミノを表し、
    R3は、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよい低級アルカノイルまたは-(CH2)nX(CH2CH2O)m(CH2)pR9[式中、nは0〜2の整数を表し、mは1〜10の整数を表し、pは0〜2の整数を表し、Xは酸素原子、硫黄原子またはNR10(式中、R10は水素原子、低級アルキルまたはアラルキルを表す)を表し、R9は水素原子、カルボキシ、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル、-CONR11R12(式中、R11およびR12は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアラルキルもしくは置換基を有していてもよいアリールを表すか、またはそれぞれが隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい含窒素複素環基を形成する)、置換基を有していてもよい低級アルカノイル、置換基を有していてもよいアロイル、置換基を有していてもよい脂肪族複素環カルボニル、置換基を有していてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、または-NR13R14(式中、R13およびR14は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアラルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよい低級アルカノイル、置換基を有していてもよいアロイル、置換基を有していてもよい脂肪族複素環カルボニル、置換基を有していてもよい芳香族複素環カルボニル、置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルもしくは置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニルを表すか、またはそれぞれが隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有していてもよい含窒素複素環基を形成する)を表す]を表し、
    R4は、水素原子、オキソ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、低級アルキル、トリフルオロメチル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノまたはジ低級アルキルアミノを表し、
    R5およびR6は、同一または異なって、水素原子または低級アルキルを表す}
    で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. 一般式(I)が下記式(IA)である請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6および環N
    はそれぞれ前記と同義である)
  3. R3が-(CH2)nX(CH2CH2O)m(CH2)pR9(式中、n、m、p、XおよびR9はそれぞれ前記と同義である)である請求項1または2記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する血中へのリンの取り込み阻害剤。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する高リン血症の治療および/または予防剤。
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