JP2014163830A - 情報取得装置および物体検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱光の影響を抑えることが可能な情報取得装置および当該情報取得装置を備えた物体検出装置を提供する。
【解決手段】目標領域に光を投射する投射部100と、目標領域をCMOSイメージセンサ240により撮像する撮像部200と、CMOSイメージセンサ240上の所定の画素の輝度値を取得する撮像信号処理回路23と、撮像信号処理回路23により取得された輝度値に基づいて、距離情報を取得する距離取得部21bと、を備える。距離取得部21bは、距離取得範囲ΔLに対応した輝度値が画素から得られるように、CMOSイメージセンサ240から輝度値を取得するためのゲイン、露光時間等の値が調整される。距離取得部21bは、撮像信号処理回路23によって取得された画素の輝度値のうち、距離取得範囲ΔLよりも近い距離に対応する輝度値を除外して、距離情報を取得する。
【選択図】図2

Description

本発明は、目標領域内の情報を取得する情報取得装置および当該情報取得装置を備えた物体検出装置に関する。
従来、光を用いた物体検出装置が種々の分野で開発されている。いわゆる距離画像センサを用いた物体検出装置では、2次元平面上の平面的な画像のみならず、検出対象物体の奥行き方向の形状や動きを検出することができる。
距離画像センサとして、所定のドットパターンを持つレーザ光を目標領域に照射するタイプの距離画像センサが知られている(たとえば、非特許文献1)。かかる距離画像センサでは、基準面にレーザ光を照射したときのドットパターンが撮像素子により撮像され、撮像されたドットパターンが基準ドットパターンとして保持される。そして、基準ドットパターンと、実測時に撮像された実測ドットパターンとが比較され、距離情報が取得される。具体的には、基準ドットパターン上に設定された参照領域の実測ドットパターン上における位置に基づいて、三角測量法により、当該参照領域に対する距離情報が取得される。
第19回日本ロボット学会学術講演会(2001年9月18−20日)予稿集、P1279−1280
しかしながら、上記距離画像センサでは、ドットパターンの光を生成する必要があるため、目標領域に光を投射する投射部の構成が複雑になるとの問題がある。また、参照領域に含まれるドットを実測ドットパターン上において探索する処理が必要となるため、距離情報の取得のために、煩雑な演算処理が必要になるとの問題もある。
さらに、蛍光灯や太陽光等の外乱光がイメージセンサに入射すると、撮像した画像に外乱成分が含まれることが起こり得る。この場合、外乱光が入射した領域に何らかの物体があるように誤検知される惧れがある。
上記課題に鑑み、本発明は、外乱光の影響を抑えることが可能な情報取得装置および当該情報取得装置を備えた物体検出装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、情報取得装置に関する。本態様に係る情報取得装置は、目標領域に光を投射する投射部と、前記目標領域をイメージセンサにより撮像する撮像部と、前記イメージセンサ上の所定の画素の輝度値を取得する輝度取得部と、前記輝度取得部により取得された輝度値に基づいて、前記目標領域上の物体を検出するための情報を取得する情報取得部と、を備える。前記輝度取得部は、取得対象とされる距離範囲に対応した前記輝度値が前記画素から得られるように、前記イメージセンサから前記輝度値を取得するための所定のパラメータの値が調整される。前記情報取得部は、前記輝度取得部によって取得された前記画素の輝度値のうち、前記距離範囲よりも近い距離に対応する輝度値以外の輝度値に基づいて、前記物体を検出するための情報を取得する。
本発明の第2の態様は、物体検出装置に関する。本態様に係る物体検出装置は、第1の態様に係る情報取得装置と、前記情報取得装置によって取得された前記物体を検出するための情報に基づいて、前記目標領域に存在する物体を検出する物体検出部と、を備える。
本発明によれば、外乱光の影響を抑えることが可能な情報取得装置および当該情報取得装置を備えた物体検出装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
実施の形態に係る物体検出装置を内蔵したパーソナルコンピュータの外観構成を示す図である。 実施の形態に係る情報取得装置および物体検出装置の構成を示す図である。 実施の形態に係る投射部と撮像部の構成を示す図である。 実施の形態に係るイメージセンサの感度、および、輝度値と距離の関係を規定する距離変換関数の波形を示す図である。 実施の形態に係る撮像画像の例を示す図である。 実施の形態に係る情報取得装置から検出対象物体までの距離と輝度の関係、および受光光量と輝度の関係を示す図である。 実施の形態に係る撮像画像の白飛び領域の輝度と補正画像の輝度の例を示す図である。 実施の形態に係る距離情報の取得処理および物体検出処理を示すフローチャートである。 実施の形態に係る補正画像の例を示す図である。 変更例に係る情報取得装置から検出対象物体までの距離と輝度の関係、および受光光量と輝度の関係を示す図である。 変更例に係る距離情報の取得処理を示すフローチャートである。 変更例に係る距離情報の取得処理および物体検出処理を示すフローチャートである。 変更例に係る物体検出装置の構成を示す図である。 変更例に係る距離情報の取得処理および物体検出処理を示すフローチャートである。 変更例に係る物体検出装置の構成を示す図、および物体検出処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
本実施の形態は、ノート型のパーソナルコンピュータに本発明に係る物体検出装置を適用したものである。この他、本発明に係る物体検出装置は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータやテレビ等の他の機器にも適宜適用可能なものである。なお、本発明に係る情報取得装置および物体検出装置は、必ずしも、他の機器に一体的に搭載されなくとも良く、単独で一つの装置を構成するものであっても良い。
以下に示す実施の形態において、撮像信号処理回路23は、請求項に記載の「輝度取得部」に相当する。距離取得部21bは、請求項に記載の「情報取得部」に相当する。CM
OSイメージセンサ240は、請求項に記載の「イメージセンサ」に相当する。図4(b)に示す距離変換関数は、請求項に記載の「規定情報」に相当する。距離取得部21bによって取得される距離情報は、請求項に記載の「物体を検出するための情報」および「距離に関する情報」に相当する。距離取得範囲ΔLは、請求項に記載の「距離範囲」に相当する。輝度閾値Ushは、請求項に記載の「閾値」に相当する。また、情報取得装置2と情報処理部3とを含む構成が、請求項9に記載の物体検出装置に相当する。ただし、上記請求項と本実施の形態との対応の記載は、あくまで一例であって、請求項に係る発明を本実施の形態に限定するものではない。
図1は、本実施の形態に係るパーソナルコンピュータ1の概略構成を示す図である。図1に示すように、パーソナルコンピュータ1は、情報取得装置2と、情報処理部3を備えている。この他、パーソナルコンピュータ1は、キーボード4と、操作パッド5と、モニタ6を備えている。
情報取得装置2は、目標領域全体に、可視光の波長帯よりも長い赤外の波長帯域の光(赤外光)を投射し、その反射光をCMOSイメージセンサにて受光することにより、目標領域に存在する物体各部までの距離(以下、「距離情報」という)を取得する。情報処理部3は、情報取得装置2により取得された距離情報に基づいて、目標領域に存在する所定の物体を検出し、さらに、当該物体の動きを検出する。そして、情報処理部3は、当該物体の動きに応じて、パーソナルコンピュータ1の機能を制御する。
たとえば、ユーザが手を用いて所定のジェスチャを行うと、情報取得装置2からジェスチャに応じた距離情報が情報処理部3に送信される。この情報に基づき、情報処理部3は、ユーザの手を検出対象物体として検出し、手の動きに対応付けられた機能(画面の拡大・縮小や、画面の明るさ調整、ページ送り、等)を実行する。
図2は、情報取得装置2と情報処理部3の構成を示す図である。
情報取得装置2は、光学部の構成として、投射部100と撮像部200とを備えている。投射部100と撮像部200は、X軸方向に並ぶように、配置されている。
投射部100は、赤外の波長帯域の光を出射する光源110を備えている。
撮像部200は、アパーチャ210と、撮像レンズ220と、フィルタ230と、CMOSイメージセンサ240とを備えている。この他、情報取得装置2は、回路部の構成として、CPU(Central Processing Unit)21と、赤外光源駆動回路22と、撮像信号処理回路23と、入出力回路24と、メモリ25を備えている。
なお、このように、投射部100が赤外の波長帯域の光を出射する光源110を備え、撮像部200が撮像レンズ220とフィルタ230とを備える構成は、請求項8に記載の構成の一例である。
光源110から目標領域に投射された光は、目標領域に存在する物体によって反射され、アパーチャ210を介して撮像レンズ220に入射する。
アパーチャ210は、撮像レンズ220のFナンバーに合うように、外部からの光を制限する。撮像レンズ220は、アパーチャ210を介して入射された光をCMOSイメージセンサ240上に集光する。フィルタ230は、光源110の出射波長を含む波長帯域の光を透過し、可視光の波長帯域の光をカットするバンドパスフィルタである。
CMOSイメージセンサ240は、後述のように、光源110から出射される赤外光の波長帯域に対して感度を有する。CMOSイメージセンサ240は、撮像レンズ220にて集光された光を受光して、画素毎に、受光量に応じた信号を撮像信号処理回路23に出力する。ここで、CMOSイメージセンサ240は、各画素における受光から高レスポンスでその画素の信号を撮像信号処理回路23に出力できるよう、信号の出力速度が高速化されている。
本実施の形態において、CMOSイメージセンサ240の撮像有効領域(センサとして信号を出力する領域)は、たとえば、VGA(横640画素×縦480画素)のサイズである。CMOSイメージセンサ240の撮像有効領域は、XGA(横1024画素×縦768画素)のサイズや、SXGA(横1280画素×縦1024画素)のサイズ等、他のサイズであっても良い。
CPU21は、メモリ25に格納された制御プログラムに従って各部を制御する。かかる制御プログラムによって、CPU21には、光源制御部21aと、距離取得部21bとの機能が付与される。
光源制御部21aは、赤外光源駆動回路22を制御する。距離取得部21bは、CMOSイメージセンサ240から出力される信号に基づいて、後述のように距離情報を取得する。
赤外光源駆動回路22は、CPU21からの制御信号に応じて光源110を駆動する。
撮像信号処理回路23は、CPU21からの制御を受けてCMOSイメージセンサ240を駆動し、CMOSイメージセンサ240から出力される信号から、各画素の輝度信号を取得し、取得した輝度信号をCPU21に出力する。後述のように、撮像信号処理回路23は、CPU21により設定された露光時間をCMOSイメージセンサ240の各画素に適用し、さらに、CMOSイメージセンサ240から出力される信号に対してCPU21により設定されたゲインを適用して、画素毎に、輝度信号を取得する。
CPU21は、撮像信号処理回路23から供給される輝度信号をもとに、情報取得装置2から検出対象物体の各部までの距離を、距離取得部21bによる処理によって算出する。距離情報は、CMOSイメージセンサ240の画素毎に取得される。距離情報の取得処理については、追って、図8(a)を参照して説明する。
入出力回路24は、情報処理部3とのデータ通信を制御する。
メモリ25は、CPU21により実行される制御プログラムの他、距離情報の取得に用いられる距離変換関数を保持している。この他、メモリ25は、CPU21における処理の際のワーク領域としても用いられる。なお、距離変換関数については、追って、図4(b)を参照して説明する。
情報処理部3は、CPU31と、入出力回路32と、メモリ33を備えている。なお、情報処理部3には、図2に示す構成の他、パーソナルコンピュータ1の各部を駆動および制御するための構成が配されるが、便宜上、これら周辺回路の構成は図示省略されている。
CPU31は、メモリ33に格納された制御プログラムに従って各部を制御する。かかる制御プログラムによって、CPU31には、物体検出部31aの機能と、当該物体検出部31aからの信号に応じて、パーソナルコンピュータ1の機能を制御するための機能制
御部31bの機能が付与される。
物体検出部31aは、距離取得部21bによって取得される距離情報から最も近距離である所定の領域を抽出し、抽出した領域の中心位置を検出対象物体の位置に設定する。そして、物体検出部31aは、最も近距離であった検出対象物体の動きを検出する。機能制御部31bは、物体検出部31aにより検出された物体の動きが所定の動きパターンに合致しているかを判定し、物体の動きが所定の動きパターンに合致している場合に、当該動きパターンに対応する制御を実行する。
図3(a)、図3(b)は、投射部100および撮像部200の構成を示す図である。図3(a)は、回路基板300に設置された状態の投射部100および撮像部200を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A’断面図である。
図3(a)、(b)を参照して、光源110は、発光ダイオード(LED:LightEmitting Diode)、半導体レーザ等からなっている。光源110は、赤外光の利用効率を高めるため、レンズ等によって、目標領域において赤外光が撮像範囲の近傍に集まるように調整されている。光源110は、回路基板300上に実装されている。
撮像部200は、上述のアパーチャ210、撮像レンズ220、フィルタ230およびCMOSイメージセンサ240の他、レンズバレル250と、撮像レンズホルダ260を備えている。CMOSイメージセンサ240は、回路基板300上に実装されている。撮像レンズ220は、レンズバレル250に装着され、レンズバレル250は、撮像レンズ220を保持した状態で撮像レンズホルダ260に装着される。撮像レンズホルダ260は、下面に凹部を有し、この凹部に、フィルタ230が装着される。こうして、撮像レンズ220とフィルタ230とを保持した状態で、撮像レンズホルダ260が、CMOSイメージセンサ240を覆うように、回路基板300上に設置される。
本実施の形態において、撮像レンズ220は、4枚のレンズにより構成されている。しかしながら、撮像レンズ220を構成するレンズの数はこれに限られるものではなく、他の枚数のレンズから撮像レンズ220が構成されても良い。
回路基板300には、投射部100と撮像部200の他、情報取得装置2を構成する回路部400が実装される。図2に示すCPU21、赤外光源駆動回路22、撮像信号処理回路23、入出力回路24およびメモリ25は、かかる回路部400に含まれる。
図3(c)は、目標領域に対する赤外光の投射状態および撮像部200による目標領域の撮像状態を模式的に示す図である。
図3(c)の下部には、投射部100による赤外光の投射状態と、撮像部200による目標領域の撮像状態が示されている。また、図3(c)の上部には、目標領域における赤外光の投射範囲と、目標領域に対する撮像部200の撮像範囲が模式的に示されている。さらに、図3(c)の上部には、CMOSイメージセンサ240の撮像有効領域に対応する領域が示されている。図3(c)において、ΔLは、情報取得装置2による距離取得範囲を示し、LmaxとLminは、それぞれ、情報取得装置2によって取得可能な最大距離と最小距離を示している。図3(c)の上部には、目標領域が最大距離Lmaxの位置にあるときの投射範囲、撮像範囲および撮像有効領域が示されている。
図3(c)に示すように、撮像範囲と投射範囲は、目標領域において互いに重なり合っており、撮像範囲と投射範囲とが重なる範囲に、撮像有効領域が位置付けられる。
目標領域をCMOSイメージセンサ240で撮像するためには、CMOSイメージセンサ240の撮像有効領域に対応する領域が、投射範囲内に含まれている必要がある。一方、距離が短くなるにつれて、投射範囲が狭くなり、やがて、投射範囲が撮像有効領域に対応する領域に掛らなくなる。したがって、最小距離Lminは、少なくとも、投射範囲が撮像有効領域全体に掛かり得る最小の限界距離よりも長く設定される必要がある。
一方、最大距離Lmaxは、手等の検出対象物体が存在し得る距離範囲を想定して設定される。最大距離Lmaxが長すぎると、検出対象物体の背景が撮像画像に映り込み、これにより、検出対象物体の検出精度が低下する惧れがある。したがって、最大距離Lmaxは、検出対象物体の背景が撮像画像に映り込まないよう、手等の検出対象物体が存在し得る距離範囲を想定して設定される。
図4(a)は、CMOSイメージセンサ240上の各画素の感度を模式的に示す図である。
本実施の形態では、CMOSイメージセンサ240として、カラーセンサが用いられる。したがって、CMOSイメージセンサ240には、赤、緑、青をそれぞれ検知する3種の画素が含まれる。
図4(a)において、R、G、Bは、それぞれ、CMOSイメージセンサ240に含まれる赤、緑、青の画素の感度を示している。図4(a)に示すとおり、赤、緑、青の画素の感度は、赤外の波長帯域である800nm以上の帯域において、略同じ感度となっている(図4(a)の斜線部分を参照)。したがって、図3(b)に示すフィルタ230によって、可視光の波長帯域が除去されると、CMOSイメージセンサ240の赤、緑、青の画素の感度は、互いに略等しくなる。このため、赤、緑、青の画素に、それぞれ、同じ光量の赤外光が入射すると、各色の画素から出力される信号の値は略等しくなる。よって、各画素からの信号を画素間で調整する必要はなく、各画素からの信号をそのまま距離情報の取得に用いることができる。
図4(b)は、メモリ25に保持された距離変換関数の波形を模式的に示す図である。便宜上、図4(b)には、図3(c)に示す最大距離Lmaxおよび最小距離Lminと、距離取得範囲ΔLが併せて示されている。
図4(b)に示すように、距離変換関数は、CMOSイメージセンサ240を介して取得される輝度値と、当該輝度値に対応する距離の関係を規定する。一般に、直進する光の光量は、距離の2乗に反比例して減衰する。したがって、投射部100から出射された赤外光は、投射部100から目標領域までの距離と目標領域から撮像部200までの距離を加算した距離の2乗分の1に光量が減衰した状態で、撮像部200によって受光される。このため、図4(b)に示すように、CMOSイメージセンサ240を介して取得される輝度値は、物体までの距離が長いほど小さくなり、物体までの距離が短いほど大きくなる。したがって、距離と輝度との関係を規定する距離変換関数は、図4(b)に示すような曲線波形になる。
なお、このように、輝度値に対応する距離の関係を規定する距離変換関数を備え、距離変換関数に基づいて、距離に関する情報を取得する構成は、請求項7に記載の構成の一例である。
情報取得装置2では、距離と輝度値との関係が距離変換関数に略整合するように、CMOSイメージセンサ240の露光時間が調整され、同時に、輝度値の取得に適用にされるゲインが調整される。図4(b)に示す例では、最小距離Lminは30cmに設定され
、最大距離Lmaxは80cmに設定されている。輝度値は、256階調で取得される。
この場合、最小距離Lminに物体が存在するときの輝度値が230程度となり、最大距離Lmaxに物体が存在するときの輝度値が50程度となり、さらに、距離取得範囲ΔL内の他の距離の位置に物体が存在するときの輝度値が図4(b)の距離変換関数の波形に略整合するように、CMOSイメージセンサ240の露光時間が調整され、同時に、輝度値の取得に適用にされるゲインが調整される。より詳細には、投射部100から所定のパワーで赤外光を出射させた状態で、基準面(スクリーン)を最小距離Lminの位置から最大距離Lmaxの位置まで移動させて順次輝度値(階調)を取得する。このとき、取得した各輝度値が、図4(b)の波形に略整合するように、CMOSイメージセンサ240の露光時間が調整され、同時に、輝度値の取得に適用にされるゲインが調整される。
なお、露光時間とゲインのうち露光時間の調整のみによって、輝度値と距離の関係を図4(b)に示す距離変換関数に略整合させることが可能である場合には、露光時間の調整のみが行われれば良い。あるいは、ゲインの調整のみによって輝度値と距離の関係を図4(b)に示す距離変換関数に略整合させることが可能である場合には、ゲインの調整のみが行われれば良い。さらに、露光時間とゲイン以外の他のパラメータが調整されても良い。
かかる調整は、情報取得装置2の製造時に行われる。そして、調整された露光時間とゲインは、メモリ25に保持され、距離情報の取得の際に用いられる。
なお、このように、距離取得範囲ΔLに対応した輝度値が各画素から得られるように、輝度値を取得するためのパラメータ(露光時間、ゲイン)を調整する構成は、請求項1に記載の構成の一例である。また、調整対象のパラメータが露光時間およびゲインである構成は、請求項4、5に記載の構成の一例である。
図5(a)は、CMOSイメージセンサ240から出力された撮像画像の例を示す模式図である。図5(a)の撮像画像には、手を前方に突き出した人物が写り込んでいる。図5(a)の撮像画像では、ハッチングが濃ければ濃いほど、輝度が低く、ハッチングが薄ければ薄いほど、輝度が高いことを示している。
図5(a)の撮像画像では、人物の手の位置の輝度が高く、人物の胴の位置の輝度がやや低く出力されている。また、図5(a)の撮像画像には、蛍光灯、太陽光等の外乱光が写り込んでおり、外乱光が入射した部分の輝度が非常に高く出力されている。さらに、図5(a)の撮像画像には、人物よりも後方に位置する物体が写り込んでおり、物体の位置の輝度が人物の胴の位置の輝度よりも低く出力されている。
このように、蛍光灯、太陽光等の外乱光が撮像画像に写り込むと、検出対象物体以外の位置にも非常に高い輝度が出力されることとなる。通常、外乱光は非常に強い光量で入射するため、上記のように距離取得範囲ΔLに対応するようにCMOSイメージセンサ240の露光時間、ゲイン設定が行われると、外乱光が入射した画素から出力される信号が飽和し、最大の輝度(255)が出力される。したがって、外乱光が入射すると、撮像画像には、図5(a)に示すように、白で塗りつぶされた領域(白飛び領域)が生じることとなる。
撮像画像にこのような白飛び領域が生じると、物体検出部31aによる物体検出、動き検出の処理に悪影響を及ぼし易い。図5(b)は、人物が手を図中左から右へ移動させた場合の手の位置周辺の撮像画像を左から順に時系列に並べた図である。
一番左の図では、白飛び領域が手で隠されているため、物体検出部31aは、最も近距離である手の位置を検出対象物体として抽出する。しかし、手を右方向に動かして、白飛び領域が撮像画像に写り込んだ場合、白飛び領域の輝度の方が手の位置の輝度よりも高いため、物体検出部31aは、白飛び領域が検出対象物体であると誤認識する。
このように、物体検出部31aが白飛び領域を検出対象物体として誤認識すると、手の動きの軌跡は、図5(c)の比較例のようになり、手の動きを適正に検出することができない。
そこで、本実施の形態では、白飛び領域が物体検出対象から除外されるよう、撮像画像の輝度を補正し、補正した補正画像を用いて物体検出の処理が行われる。
図6は、情報取得装置2から検出対象物体までの距離と輝度の関係、および受光光量と輝度の関係を示す図である。なお、図6には、検出対象物体として手が示されており、ハッチングが濃いほど、受光量が大きいことが示されている。
上述のように、検出対象物体(たとえば、手等)を情報取得装置2に近付けていくと、距離の2乗に反比例してCMOSイメージセンサ240に対する反射光の受光光量が大きくなり、輝度が高くなる。そして、所定の距離L0まで検出対象物体が近付けられると、CMOSイメージセンサ240の出力が飽和し、輝度は最大値である255となる。検出対象物体が距離L0よりもさらに情報取得装置2側に近付けられた場合、CMOSイメージセンサ240の出力が飽和しているため、距離に応じて受光光量が大きくなっても、輝度値は上昇しなくなる。したがって、測距不能範囲W1まで近付けられた検出対象物体は、距離を測定することができない。
また、検出対象物体を情報取得装置2から遠ざけると、距離の2乗に反比例してCMOSイメージセンサ240に対する反射光の受光光量が小さくなり、輝度が低くなる。そして、所定の距離Leまで検出対象物体が遠ざけられると、CMOSイメージセンサ240の受光光量が検出限界まで小さくなり、輝度は最小値である0となる。検出対象物体が距離Leよりもさらに情報取得装置2から遠ざけられた場合、CMOSイメージセンサ240の検出限界よりも受光光量が小さいため、距離に応じて受光光量が小さくなっても、輝度は低下しなくなる。したがって、測距不能範囲W3まで遠ざけられた検出対象物体は、距離を測定することができない。
よって、距離取得範囲ΔLは、測距可能範囲W2内に設定される。
ここで、距離取得範囲ΔLの最小距離Lminは、最大輝度255よりもやや低い輝度Bmax(たとえば輝度230)に相当する距離(たとえば、30cm)に設定される。このように、最小距離Lminに対応する輝度Bmaxを最大輝度よりもやや低く設定することにより、外乱光等によって輝度が最大となっている白飛び領域と、距離取得範囲ΔL内で情報取得装置2に近づいている検出対象物体とを区別することができる。
図7(a)は、撮像画像の手が写り込んだ位置の輝度と外乱光が入射した白飛び領域の輝度を模式的に示した図である。図7(b)は、撮像画像から白飛び領域の輝度を補正した例を示す図である。図7(a)、図7(b)には、便宜上、手と外乱光が破線で示されている。
図7(a)を参照して、外乱光が入射した位置の画素の輝度は、略255となっている。手が写り込んだ位置の輝度は、略140となっている。このように、外乱光が入射した画素の輝度は、周囲の画素の輝度に比べて極端に大きくなっている。距離取得範囲ΔLの
最小距離Lminは、輝度230に相当する距離に設定されているため、輝度230を超える輝度は、外乱光が入射したことによって出力された値であると想定することができる。したがって、輝度230を超える画素が、物体検出対象から除外されるようにエラーを示す値(たとえば、0)に補正される。
こうして、図7(b)に示すように、外乱光が入射した領域の輝度が0に置き換えられる。これにより、手の位置が最も大きい輝度になり、手の位置が適正に物体検出対象として抽出される。たとえば、図7(b)の例では、最大の輝度が140であるため、図4(b)の変換関数に当てはめると、距離40cmの位置に手があることを適正に検出することができる。
図6に戻り、また、距離取得範囲ΔLの最大距離Lmaxは、輝度0よりも大きい輝度Bmin(たとえば輝度50)に相当する距離(たとえば、80cm)に設定される。このように、最大距離Lmaxに対応する輝度Bminを最小輝度よりも大きく設定することにより、検出したい物体よりも後方に位置付けられている物体、背景等を除去することができ、より物体検出を適正に行うことができる。
図8(a)は、距離情報の取得処理を示すフローチャートである。図8(a)の処理は、図2に示すCPU21の機能のうち、距離取得部21bの機能によって実行される。
距離情報の取得タイミングが到来すると(S101:YES)、CPU21は、上記のように設定された露光時間とゲインをメモリ25から読み出して、撮像信号処理回路23に設定する。これにより撮像信号処理回路23は、設定された露光時間とゲインでもって、CMOSイメージセンサ240から撮像画像を取得し(S102)、取得した撮像画像から、画素毎に輝度値を取得する(S103)。取得された輝度値は、CPU21に送信される。
CPU21は、撮像信号処理回路23から受信した各画素の輝度値をメモリ25に保持し、さらに、各画素の輝度値を所定の輝度閾値Ushと比較する。そして、CPU21は、輝度値が輝度閾値Ush以上の画素に対してエラーを示す値(たとえば、0)を設定する(S104)。また、CPU21は、各画素の輝度値を所定の輝度閾値Bshと比較し、輝度値が輝度閾値Bshに満たない画素に対してエラーを示す値(たとえば、0)を設定する(S105)。こうして、輝度値が輝度閾値Ush以上、且つ、輝度閾値Bsh未満の画素がエラーに補正された補正画像が生成される。
続いて、CPU21は、補正画像の輝度値を、メモリ25に保持された距離変換関数に基づく演算により距離に変換し(S106)、かかる変換により取得された距離を、それぞれ、対応する画素に設定して距離画像を生成する(S107)。この際、CPU21は、S104、S105においてエラーとなった画素は、エラーを示す値(たとえば、0)を設定する。
なお、このように、輝度閾値Ush以上の輝度値を除外して、距離取得する構成は、請求項1、2に記載の構成の一例である。
こうして、距離画像が生成された後、CPU21は、距離情報の取得動作が終了したか否かを判定する(S108)。そして、距離情報の取得動作が終了していなければ(S108:NO)、CPU21は、処理をS101に戻して、次の距離情報の取得タイミングを待つ。
なお、S104における輝度閾値Ushは、最大輝度値255よりもやや低い輝度Bm
axに設定される。輝度Bmaxは、距離取得範囲ΔLの最小距離Lminに対応するため、外乱光等によって輝度が最大となっている白飛び領域と、距離取得範囲ΔL内で情報取得装置2に近づいている検出対象物体とを区別することができる。
なお、このように、輝度閾値Ushを最小距離Lminに対応する輝度Bmaxに設定する構成は、請求項3に記載の構成の一例である。
また、S105における輝度閾値Bshは、最小輝度0よりも大きい輝度Bminに設定される。輝度Bminは、距離取得範囲ΔLの最大距離Lmax対応するため、検出したい物体よりも後方に位置付けられている物体、背景等を除去することができる。このため、検出対象物体の背景にある物体が撮像画像に映り込むことによって検出対象物体の検出精度が低下することが抑制される。
図8(b)は、物体検出処理を示すフローチャートである。図8(b)の処理は、図2に示すCPU31の機能のうち、物体検出部31aの機能によって実行される。
図8(a)のS107において距離画像が取得されると(S201:YES)、CPU31は、距離画像における最高階調の距離値(最も情報取得装置2に接近することを表す距離値)から所定の値ΔDを減じた値を距離閾値Dshに設定する(S202)。
次に、CPU31は、距離画像上において、距離値(階調値)が距離閾値Dshよりも高い領域を、対象領域として区分する(S203)。そして、CPU31は、区分した対象領域のうち、距離値の平均が最も近距離である領域を、検出対象物体に対応する領域として抽出する(S204)。なお、S204において検出対象物体が抽出されない場合、当該距離画像に対する検出対象物体の抽出は、エラーとされる。
こうして、検出対象物体の抽出処理が終了すると、CPU31は、物体検出動作が終了したか否かを判定する(S205)。物体検出動作が終了していない場合(S205:NO)、CPU31は、S201に戻り、次の距離画像が取得されるのを待つ。そして、次の距離画像が取得されると(S201:YES)、CPU21は、S202以降の処理を実行し、当該距離画像から検出対象物体を抽出する(S202〜S204)。
図9(a)は、補正画像の例を示す模式図である。
図9(a)の補正画像では、外乱光が入射した白飛び領域と、距離取得範囲ΔLよりも後方に相当する輝度の領域がエラーに補正されているため、人物以外の領域は、略一様に黒(輝度値0)になっている。したがって、白飛び領域を誤検知することなく、最も近距離に位置付けられている手の領域を適正に検出対象物体として抽出することができる。よって、図9(b)に示すように、人物が手を図中左から右へ移動させた場合、図9(c)に示すように、手の動きの軌跡を適正に検出することができる。
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、外乱光等が入射した領域(白飛び領域)が、物体検出対象から除外されるため、検出対象物体の誤検出を抑制することができる。これにより、物体検出を安定して行うことができる。
また、本実施の形態によれば、距離取得範囲ΔLよりも後方に位置付けられている物体、背景等が除去されるため、より物体検出を適正に行うことができる。
<変更例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、本発明の構成例も他に種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施の形態では、輝度閾値Ushは、距離取得範囲ΔLの最小距離Lminに対応する輝度Bmaxに設定されたが、最大輝度値255より小さく距離取得範囲ΔLの最小距離Lminに対応する輝度Bmax以上の輝度であれば、その他の輝度であっても良い。
図10は、この場合の情報取得装置2から検出対象物体までの距離と輝度の関係、および受光光量と輝度の関係を示す図である。
図10に示すように、輝度閾値Ushは、距離取得範囲ΔLの最小距離Lmin(たとえば、30cm)に対応する輝度Bmax(たとえば輝度230)より大きい輝度(たとえば輝度240)に設定される。
なお、このように、輝度閾値Ushを最小距離Lminに対応する輝度Bmaxより大きい輝度に設定する構成は、請求項2に記載の構成の一例である。
本変更例によっても、外乱光等によって輝度が最大となっている白飛び領域と、距離取得範囲ΔL内で情報取得装置2に近づいている検出対象物体とを区別することができる。これにより、外乱光等が入射した領域(白飛び領域)を物体検出対象から除外することができ、適正に物体検出を行うことができる。
なお、極力、外乱光の成分を除去するためには、輝度閾値Ushは、距離取得範囲ΔLの最小距離Lminに相当する輝度に設定されたほうが望ましい。他方、極力、距離情報を広い範囲で取得したい場合は、輝度閾値Ushは、最大輝度値255よりも小さく、且つ、距離取得範囲ΔLの最小距離Lminよりもある程度大きく設定されたほうが望ましい。
また、上記実施の形態では、輝度閾値Bshは、距離取得範囲ΔLの最大距離Lmaxに対応する輝度Bminに設定されたが、輝度Bmin以下の輝度に設定されても良い。
また、上記実施の形態では、撮像画像中の輝度閾値Ush以上の輝度の画素をエラーに補正して白飛び領域を物体検出対象から除外させたが、距離画像を補正して、白飛び領域を物体検出対象から除外させても良い。
図11は、この場合の距離情報の取得処理を示すフローチャートである。図10の処理は、図2に示すCPU21の機能のうち、距離取得部21bの機能によって実行される。
図11のフローチャートでは、図8(a)のS104、S105が省略され、S111、S112が追加されている。
撮像画像から距離画像が生成された後、CPU21は、輝度閾値Ushに相当する距離値以上の距離画像の距離値(階調値)を、エラーを示す値(たとえば、0)に設定する(S111)。また、CPU21は、輝度閾値Bshに相当する距離値に満たない距離画像の距離値(階調値)を、エラーを示す値(たとえば、0)に設定する(S112)。そして、CPU21は、距離情報の取得動作が終了したか否かを判定し(S108)、距離情報の取得動作が終了していなければ(S108:NO)、CPU21は、処理をS101に戻して、次の距離情報の取得タイミングを待つ。
本変更例においても、白飛び領域の距離値がエラーに補正された距離画像を用いて、物体検出の処理が行われるため、検出対象物体の誤検出を抑制することができる。
なお、このように、輝度閾値Ushに相当する距離値以上の距離値を除外する構成は、請求項1に記載の構成の一例である。
また、上記実施の形態では、距離変換関数に基づいて輝度値を距離に変換して距離情報を取得したが、輝度値をそのまま距離に関する情報として取得しても良い。
図12(a)は、輝度値をそのまま距離に関する情報として取得する場合の輝度画像生成処理を示すフローチャートである。
図12(a)のフローチャートでは、図8(a)のS106が省略され、さらに、図8(a)のS107がS121に変更されている。すなわち、図12(a)のフローチャートでは、各画素の輝度値が距離値に変換されることなく、対応する画素に輝度値が設定されて輝度画像が生成される(S121)。上記実施の形態と同様、S104、S105においてエラーが設定された画素には、エラーを示す値(たとえば、0)が設定される。
図12(b)は、物体検出処理を示すフローチャートである。図12(b)のフローチャートでは、距離画像に代えて輝度画像が参照される。
すなわち、図12(a)のS121において輝度画像が取得されると(S211:YES)、CPU31は、輝度画像における最高階調の輝度値(最も情報取得装置2に接近することを表す輝度値)から所定の値ΔBを減じた値を輝度閾値Bsh2に設定する(S212)。
次に、CPU31は、輝度画像上において、輝度値(階調値)が輝度閾値Bsh2よりも高い領域を、対象領域として区分する(S213)。そして、CPU31は、区分した対象領域のうち、輝度値の平均が最も高い領域を、検出対象物体に対応する領域として抽出する(S214)。なお、S214において検出対象物体が抽出されない場合、当該輝度画像に対する検出対象物体の抽出は、エラーとされる。
こうして、検出対象物体の抽出処理が終了すると、CPU31は、物体検出動作が終了したか否かを判定する(S215)。物体検出動作が終了していない場合(S215:NO)、CPU31は、S211に戻り、次の輝度画像が取得されるのを待つ。そして、次の輝度画像が取得されると(S211:YES)、CPU21は、S212以降の処理を実行し、当該距離画像から検出対象物体を抽出する(S212〜S214)。
図12(a)のフローチャートでは、距離変換関数に基づいて輝度値が距離に変換されないため、輝度画像上の各画素の輝度値は、正確な距離を表現するものとはならない。すなわち、図4(b)に示すように、輝度と距離は、曲線状のグラフによって表わされる関係を有するため、輝度値を正確な距離として取得するためには、輝度値をこの曲線に従って調整する必要がある。図12(a)のフローチャートでは、取得された輝度値がそのまま輝度画像に設定されるため、輝度画像上の各画素の輝度値は、正確な距離を表わさず、誤差を含むものとなる。
しかしながら、この場合も、各画素の輝度値は、大まかな距離を表わすものとなるため、輝度画像を用いて検出対象物体を検出することは可能である。したがって、本変更例によっても、図12(b)のフローチャートによって、検出対象物体を検出することができる。
なお、図12(a)のフローチャートでは、S103で取得された輝度値が、S121において、そのまま輝度画像に設定されたが、輝度画像に設定される値は、輝度値でなくとも良く、輝度を表わすことが可能な情報であれば良い。
なお、このように、輝度値をそのまま距離に関する情報として取得する構成は、請求項6に記載の構成の一例である。
また、上記実施の形態では、情報取得装置2と情報処理部3側の物体検出部31aによって物体検出装置が構成されたが、一つの装置によって物体検出装置が構成されても良い。
図13は、この場合の構成例を示す図である。図13の構成例では、図2の情報取得装置2が物体検出装置7に置き換えられている。なお、説明の便宜上、図13において、図2の構成と同一の構成には同一の符号が付されている。
図13の構成例では、CPU31から物体検出部31aの機能が除かれ、CPU21に物体検出部21dの機能が付加されている。さらに、図13の構成例では、図2の距離取得部21bが輝度情報取得部21cに置き換えられている。輝度情報取得部21cは、CMOSイメージセンサ240から取得される輝度値に基づいて輝度画像を生成する。
本変更例において、輝度情報取得部21cは、請求項に記載の「情報取得部」に相当する。また、物体検出装置7が、請求項9に記載の物体検出装置に相当する。ただし、上記請求項と本変更例との対応の記載は、あくまで一例であって、請求項に係る発明を本実施の形態に限定するものではない。
図14は、本変更例における物体検出処理を示すフローチャートである。図14のフローチャートのうち、S102〜S121は、図13の輝度情報取得部21cにより行われ、S122〜S124は、図13の物体検出部21dにより行われる。S102〜S121の処理は、図12(a)のS102〜S121と同じであり、S122〜S124の処理は、図14(b)のS212〜S214と同じであるので、ここでは、これらステップの説明は省略する。
物体検出タイミングが到来すると(S201:YES)、CPU21は、S102〜S121の処理により輝度画像を生成する。そして、CPU21は、生成した輝度画像を参照してS122〜S124の処理を実行し、検出対象物体を検出する。S201〜S124の処理は、物体検出動作が終了するまで繰り返し実行される(S125)。
本変更例においても、白飛び領域の距離値がエラーに補正された輝度画像を用いて、物体検出の処理が行われるため、適正に物体検出を行うことができる。また、輝度値に基づいて各画素の距離情報が取得されるため、簡素な演算処理により距離情報を取得することができる。また、距離変換関数により輝度値を距離に変換することなく、輝度値をそのまま用いて、物体検出が行われるため、物体検出の処理が簡素となる。
また、上記実施の形態では、距離値の平均が最も近距離である領域を、検出対象物体に対応する領域として抽出したが、あらかじめ、メモリ33に保持された物体の形状とマッチングした領域を、検出対象物体に対応する領域として抽出しても良い。
この場合、図15(a)に示すようにメモリ33には、あらかじめ、物体形状抽出テンプレートが保持される。そして、図15(b)のフローチャートに示すように、CPU3
1は、輪郭抽出エンジンを実行し、図8(b)のS203において区分した対象領域の輪郭と、メモリ33に保持された物体形状抽出テンプレートとを比較して、物体形状抽出テンプレートに保持された輪郭に対応する輪郭の対象領域を、検出対象物体に対応する領域として抽出する(S221)。
本変更例においても、白飛び領域の距離値がエラーに補正された距離画像(または輝度画像)を用いて、物体検出の処理が行われるため、検出対象物体の誤検出を抑制することができる。
また、本変更例では、距離値または輝度値だけではなく、物体の形状をマッチングして、検出対象物体が抽出されるため、上記実施の形態よりも、演算量が増加するが、より正確に物体検出を行うことができる。
なお、本変更例において、図13に示すように、一つの装置によって物体検出装置が構成される場合、物体形状抽出テンプレートは、メモリ25に保持される。
また、上記実施の形態および変更例では、CMOSイメージセンサ240上の全ての画素について距離および輝度値が取得されたが、必ずしも全ての画素について距離および輝度値が取得されなくとも良く、たとえば、数画素おきに距離および輝度値が取得されても良い。
また、上記実施の形態では、撮像部200のフィルタ230が撮像レンズ220とCMOSイメージセンサ240との間に配置されたが、フィルタ230の配置位置は、これに限られるものではなく、撮像レンズ220よりも目標領域側であっても良い。
また、上記実施の形態では、CPU21による機能によってソフトウエア処理により距離情報が取得されたが、距離情報の取得が回路によるハードウエア処理により実現されても良い。
さらに、上記実施の形態では、受光素子として、CMOSイメージセンサ240を用いたが、これに替えて、CCDイメージセンサを用いることもできる。また、赤外以外の波長帯域の光を距離取得に用いることもできる。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 … パーソナルコンピュータ
2 … 情報取得装置
3 … 情報処理部
7 … 物体検出装置
21b … 距離取得部(情報取得部)
21c … 輝度情報取得部(情報取得部)
21d … 物体検出部
23 … 撮像信号処理回路(輝度取得部)
31a … 物体検出部
100 … 投射部
110 … 光源
200 … 撮像部
220 … 撮像レンズ
230 … フィルタ
240 … CMOSイメージセンサ(イメージセンサ)
ΔL … 距離取得範囲(距離範囲)
Lmin … 最小距離
Ush … 輝度閾値(閾値)

Claims (9)

  1. 目標領域に光を投射する投射部と、
    前記目標領域をイメージセンサにより撮像する撮像部と、
    前記イメージセンサ上の所定の画素の輝度値を取得する輝度取得部と、
    前記輝度取得部により取得された輝度値に基づいて、前記目標領域上の物体を検出するための情報を取得する情報取得部と、を備え、
    前記輝度取得部は、取得対象とされる距離範囲に対応した前記輝度値が前記画素から得られるように、前記イメージセンサから前記輝度値を取得するための所定のパラメータの値が調整され、
    前記情報取得部は、前記輝度取得部によって取得された前記画素の輝度値のうち、前記距離範囲よりも近い距離に対応する輝度値以外の輝度値に基づいて、前記物体を検出するための情報を取得する、
    ことを特徴とする情報取得装置。
  2. 請求項1に記載の情報取得装置において、
    前記情報取得部は、前記輝度取得部から取得された前記輝度値のうち、所定の閾値以上の前記輝度値を除外して、前記物体を検出するための情報を取得する、
    ことを特徴とする情報取得装置。
  3. 請求項2に記載の情報取得装置において、
    前記閾値は、前記距離範囲の最小距離に相当する輝度の値に設定される、
    ことを特徴とする情報取得装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の情報取得装置において、
    前記パラメータは、前記イメージセンサ上の各画素に適用される露光時間を含む、
    ことを特徴とする情報取得装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか一項に記載の情報取得装置において、
    前記パラメータは、前記イメージセンサ上の各画素から取得される信号に適用されるゲインを含む、
    ことを特徴とする情報取得装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか一項に記載の情報取得装置において、
    前記情報取得部は、前記輝度値に基づいて、前記目標領域上の物体までの距離に関する情報を、前記物体を検出するための情報として取得する、
    ことを特徴とする情報取得装置。
  7. 請求項6に記載の情報取得装置において、
    前記情報取得部は、輝度値と距離との関係を規定する規定情報を備え、前記規定情報に基づいて、前記距離に関する情報を取得する、
    ことを特徴とする情報取得装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか一項に記載の情報取得装置において、
    前記投射部は、赤外の波長帯域の光を出射する光源を含み、
    前記撮像部は、前記赤外の波長帯域の光を透過するフィルタと、前記目標領域に照射された前記光を前記イメージセンサに集光する撮像レンズと、を備える、
    ことを特徴とする情報取得装置。
  9. 請求項1ないし8の何れか一項に記載の情報取得装置と、
    前記情報取得装置によって取得された前記物体を検出するための情報に基づいて、前記目標領域に存在する物体を検出する物体検出部と、を備える、
    ことを特徴とする物体検出装置。
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